以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置、及び画像読取方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、画像読取装置を、複合機能フルカラーデジタル複写機MF1に適用した例について説明するが、画像を読み取る装置であればよく、様々な装置に適用可能とする。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF1を示す図である。当該フルカラー複写機MF1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード130と、カラースキャナ110と、カラープリンタ100の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード130と、ADF120付きのカラースキャナ110は、プリンタ100から分離可能なユニットであり、カラースキャナ110は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、図3で示すCPU261と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読み取りを行う。
プリンタ100は、図示しないコントローラボードから、LAN(Local Area Network)を介してPC(Personal Computer)180と接続されている。さらには、図示しないファクシミリコントロールユニットFCUから、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)を介して、交換器PBX190が接続されている。カラープリンタ100のプリント済の用紙は、図示しない排紙スタックに排出される。
図2は、スキャナ110およびそれに装着されたADF120の、原稿画像読み取り機構を示す図である。このスキャナ110のコンタクトガラス231上に置かれた原稿は、照明ランプ232により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー233で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ232および第1ミラー233は、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジ253に搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、第2キャリッジ254には、第2および第3ミラー234,235が搭載されており、第1ミラー233が反射した画像光は第2ミラー234で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー235で副走査方向yに反射されて、レンズ236により集束され、CCD207に照射され、電気信号に変換される。
第1キャリッジ253および第2キャリッジ254は、走行体モータ238を駆動源として、副走査方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。このようにスキャナ110は、コンタクトガラス231上の原稿をランプ232およびミラー233で走査して原稿画像をCCD207に投影するフラットベッド方式の原稿スキャナであるが、シートスルー読み取りも可能なように、第1キャリッジがホームポジション(待機位置)HPで停止しているときの第1ミラー233の読み取り視野位置に、シートスルー読み取り窓であるガラス240があり、このガラス240の上方に自動原稿供給装置(ADF)230が装着されており、ADF120の搬送ドラム(プラテン)244がガラス240に対向している。
ADF120の原稿トレイ241に積載された原稿は、ピックアップローラ242およびレジストローラ対243で搬送ドラム244と押さえローラ245の間に送り込まれて、搬送ドラム244に密着して読み取りガラス240の上を通過し、そして排紙ローラ246,247で、原稿トレイ241の下方にある圧板兼用の排紙トレイ248上に排出される。
原稿の表面の画像は、原稿読取窓である読み取りガラス240を通過する際に、その直下に移動している照明ランプ232により照射され、原稿の表面の反射光は、第1ミラー233以下の光学系を介してCCD207に照射され光電変換される。すなわちRGB各色画像信号に変換される。搬送ドラム244の表面は、読み取りガラス240に対向する白色背板であり、白基準面となるように白色である。
読み取りガラス240と原稿始端の位置決め用のスケール251との間には、基準白板239、ならびに、第1キャリッジを検出する基点センサ249がある。基準白板239は、照明ランプ232の個々の発光強度のばらつき,また主走査方向のばらつきや、CCD207の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。
ADF120の基体248は、奥側(図2紙面の裏側)でスキャナ110の基体にヒンジ結合(蝶番連結)しており、基体248の手前側(図2紙面の表側)の取っ手250mを持ってADF120の基体248引き上げることにより、ADF120を起こす(開く)ことができる。ADF120の基体248の奥側には、ADF120の開閉を検出するスイッチがある。ADF120の、コンタクトガラス231に対向する圧板250pがADF120の底面部に装着されており、ADF120が閉じると、圧板250pの下面が、図2に示すように、コンタクトガラス231の上面に密着する。
図3は、図1の複合機能複写機MF1の画像処理システムの構成を示す図である。複合機能複写機MF1は、原稿画像読み取りおよびカラー印刷を行うエンジン260,コントローラボード270および操作ボード90を含む。エンジン260は、画像読み取りおよび印刷のプロセスを制御するCPU261,上述のカラースキャナ110,上述のプリンタ100、および、ASIC(Application Specific IC)で構成した画像入出力処理部262を備えている。
スキャナ110のセンサボードユニットSBU上にはCPU,ROMおよびRAMがあり、該CPUが該ROMに格納されたプログラムを該RAMに書き込んで実行する事で、スキャナ110の全体の制御を行っている。また、プロセス制御用のCPU261と通信線を介して接続されおり、コマンド及びデータの送受信により指令された動作を行う。スキャナ110内のCPUは、原稿検知センサ,HPセンサ,圧板開閉センサ,冷却ファン等の検知及びON/OFFの制御をする。スキャナ110内において、スキャナモータドライバが、CPUからのPWM出力によりドライブされ励磁パルスシーケンスを発生し原稿走査駆動用のパルスモータを駆動する。
原稿画像は、ランプレギュレータによって通電されるハロゲンランプ232の光量出力により照明されて、原稿の反射光すなわち光信号は、複数ミラー及びレンズを通り、複数のラインセンサを含むCCD207に結像される。複数のラインセンサを有するCCD207は、センサボードユニットSBU上のCPUによって、各駆動クロックを与えられて各RGBの各画素のアナログの画像信号を、アナログ信号処理およびA/D変換を行うAFE212(Analogue Front End)に出力する。そして、AFE212が変換したラインセンサ毎の複数の画像データは、画像切替部266に入力される。
コントローラボード270は、CPU272と、ASICで構成された書画蓄積制御部273と、ハードディスク装置(以下ではHDDと表記)271と、ローカルメモリ(MEM−C)276と、システムメモリ(MEM−P)279と、ノースブリッジ(以下、NBと記す)278と、サウスブリッジ(以下、SBと記す)285と、NIC280(Network Interface Card)と、USBデバイス281と、IEEE1394デバイス282と、セントロニクスデバイス283他を含む。操作ボード90は、コントローラボード270の書画蓄積制御部273に接続されている。ファクシミリコントロールユニット(FCU)287も、書画蓄積制御部273にPCIバスで接続されている。
CPU272は、NIC280を介してLANに接続されたパソコンPCあるいはインターネットを介する他のパソコンPCと書画情報の送受信を行うことができる。また、USB281,IEEE1394 282,セントロニクス283を用いてパソコン,プリンタ,デジタルカメラ等と通信することができる。
SB285と、NIC280と、USBデバイス281と、IEEE1394デバイス282と、セントロニクスデバイス283と、MLB284は、NB278にPCIバスで接続されている。このように、MLB284は、エンジン260にPCIバスを介して接続する基板である。そして、MLB284は、外部から入力された書画データをイメージデータ(画像データ)に変換し、変換された画像データをエンジン260に出力する。
コントローラボード270の書画蓄積制御部273にローカルメモリ276、HDD271などが接続されると共に、CPU272と書画蓄積制御部273とがCPUチップセットのNB278を介して接続されている。書画蓄積制御部273とNB278とは、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
CPU272は、複合機能複写機MF1の全体制御を行うものである。NB278は、CPU272、システムメモリ279、SB285および書画蓄積制御部273を接続するためのブリッジである。システムメモリ279は、複合機能複写機MF1の描画用メモリなどとして用いるメモリである。SB285は、NB278とPCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。また、ローカルメモリ276はコピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるメモリである。HDD271は、画像データの蓄積,文書データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積,LUT(Look Up Table)の蓄積などを行うためのメモリである。また、操作ボード90は、ユーザからの入力操作を受け付けると共に、ユーザに向けた表示を行う操作部である。
図3には、スキャナ110およびプリンタ100と画像入出力処理部262との間でやり取りする画像データの流れを示す。画像入出力処理部262には、カラー原稿スキャナ110が原稿画像を読み取って発生する
そして、入力された画像データに対してシェーディング補正,読取りγ補正,MTF補正等を行い、必要に応じて補正後の画像データをC,M,Y,K記録色データに変換するスキャナ画像処理部263があり、また、入力された画像データ又はC,M,Y,K記録色データをプリンタ100の、C,M,Y,K各色書込みユニット210〜213の画像表現特性に合ったC,M,Y,K印刷データに変換するプリンタ画像処理部264があり、更に、書画蓄積制御部273に原稿読取り画像データRGB又はCMYKを出力し、書画蓄積制御部273が出力する画像データRGB又はCMYKをプリンタ画像処理部264に与える画像処理I/F(Interface circuit)265がある。
原稿1枚につき1枚の印刷を行う一枚コピーのときには、スキャナ画像処理部263からCMYK記録色データが画像処理I/F265に出力され、画像処理I/F265がこれらの画像データをプリンタ画像処理部264に出力し、プリンタ画像処理部264が必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタγ変換および階調処理をして各書込みユニット(レーザ書込ユニットの各レーザ発光器)に出力する。
原稿1枚につき複数枚の印刷を行う連続コピーのときには、スキャナ画像処理部263からCMYK記録色データが画像処理I/F265に出力され、画像処理I/F265によってこれらの画像データは書画蓄積制御部273に出力されてローカルメモリ276又はHDD271に一時蓄積され、そして1枚のコピーの度に読み出されて書画蓄積制御部273から画像処理I/F265を介してプリンタ画像処理部264に与えられる。プリンタ画像処理部264は、必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタγ変換および階調処理をして各書込みユニットに出力する。
スキャナ110による原稿読み取りおよび登録、又は、外部への送信のときには、スキャナ画像処理部263が出力するRGB画像データが、画像処理I/F265および画像蓄積制御273を介して、HDD271に登録される、又は、ローカルメモリ276又はHDD271に一時蓄積してから外部に送出される。
プリンタ100による登録RGB画像データ、又は、外部から受信したRGB画像データの印刷のときには、画像蓄積制御273および画像処理I/F265を介してRGB画像データがプリンタ画像処理部264に与えられる。プリンタ画像処理部264は、RGB画像データをCMYK記録色データに変換してから、必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタγ変換および階調処理をして、各書込みユニットに出力する。
図4は、第1の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF1の読取動作に関連する構成を示すブロック図である。図4に示すように複合機能フルカラーデジタル複写機MF1は、読取動作に関連する構成として、走行体モータ238と、ADFモータ255と、モータドライバ214と、CCD207と、AFE212と、画像切替部266と、スキャナ画像処理部263と、書画蓄積制御部273と、MEM−C276と、CPU261と、を備える。なお、基本的な機能は図3の説明に記載されているため、ここでは重複する説明は省略する。
CCD207は、複数のラインセンサを備えている。この複数のラインセンサは、それぞれ別の位置を読み取ることで解像度を向上させることや、それぞれ別の位置を読み取ることで読取速度を向上させることができる。ところで、フルカラー複写機MF1が読み込み処理を行う場合に、複数のラインセンサによる、高解像度の読み込みや、高速読込が不要な状況も数多く存在する。そこで本実施の形態にかかるフルカラー複写機MF1は、複数のラインセンサを、原稿の読み込み異常が生じた場合における、読取速度の低下の抑止に用いることとした。
図5は、本実施の形態で使用されるCCD207の構成の一例を示す図である。図5に示すCCD207は、原稿の画像データを読み取るラインセンサとして、モノクロ情報を読み取る第1のラインセンサ501と、第2のラインセンサ502とを備えている。
図5に示すように、第2のラインセンサ502及び第1のラインセンサ501は、主走査方向に平行に配列されている。そして、第2のラインセンサ502は、第1のラインセンサ501と副走査方向に離れて配置されている。そして、第2のラインセンサ502及び第1のラインセンサ501は、フラットベッド方式やADF方式により、同一の原稿の読み取りを行う。また、第1のラインセンサ501と、第2のラインセンサ502との間には副走査方向について1200dpi換算で8ライン分の間隔が空いているものとする。これにより、これらのラインセンサは、同一時刻において、同一原稿上の異なる位置を読み取っている。
なお、本実施の形態では、説明を容易にするために、モノクロで原稿の読み込みを行う2個のラインセンサを備えることとしたが、2個以上のラインセンサを備えても良い。変形例として、RGBのそれぞれについて2個のラインセンサを備えている場合について説明する。
図6は、変形例にかかるCCD207Aの構成の一例を示す図である。図6に示すように、CCD207Aは、原稿の画像データを読み取るラインセンサとして、赤情報を読み取る第1ラインセンサ601reと第2ラインセンサ601roとを、緑情報を読み取る第3ラインセンサ602geと第4ラインセンサ602goとを、青情報を読み取る第5ラインセンサ603beと第6ラインセンサ603boとを備える。すなわち赤、緑、青用のラインセンサをそれぞれ2個ずつ備える。これにより、本実施の形態で示したモノクロで2個のラインセンサを備える場合と同様の効果を得ることができる。次に、駆動系に関する説明を行う。
図4に戻り、CPU261は、PWMパルスをモータドライバ214に出力する。またCPU261は、PWMパルスの発生数を計測することで、走行体モータ238により移動する第1キャリッジ253(及び第2キャリッジ254)の位置、あるいはADFモータ255により移動する原稿の位置を検知する。
モータドライバ214はこのPWM出力によりドライブされ、励磁パルスシーケンスを発生し、走行体モータ238およびADFモータ255を駆動する。
走行体モータ238は、第1キャリッジ253及び第2キャリッジ254を副走査方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動させる。これにより、フラットベッド方式で原稿のスキャンを可能としている。
ADFモータ255は、フルカラー複写機MF1が備えるADF120を制御して原稿のADF読み込みを可能とする。
図7は第1のラインセンサ501および第2のラインセンサ502の読み取り位置の関係を示す図である。図7に示すように、CCD207は2個のラインセンサを備えている。図7のミラー233〜235、レンズ236、CCD207からなる光学系では、第1のラインセンサ501の読み取り位置が、フラットベッド方式における副走査方向マイナス側(図面に対して左側)に、第2のラインセンサ502の読み取り位置が、フラットベッド方式における副走査方向プラス側(図面に対して右側)となる。このように、第1キャリッジ253の位置に対して、第1のラインセンサ501と第2のラインセンサ502の読み取り位置が異なる。
図8は、フラットベッド読み取りにおける、第1のラインセンサ501および第2のラインセンサ502の読み取り位置と原稿の関係を示す図である。図8に示すように、フラットベッド読み取りでは、第1キャリッジ253が図の左から右に移動することにより、原稿の画像情報を読み取る。つまり第1のラインセンサ501および第2のラインセンサ502の読み取り位置が、図に示した副走査方向に従って移動する。このため、第2のラインセンサ502は、第1のラインセンサ501よりも先に原稿上の情報を読み取っている。本実施の形態の形態においては、フラットベッド読み込みを行う場合について説明する。
AFE212は、第1のラインセンサ501および第2のラインセンサ502のそれぞれから入力された信号に対して、アナログ信号処理およびA/D変換を行う。
CPU261は、異常検出部402を備える。そして、異常検出部402は、間欠動作を発生しうる異常が発生しているか否かを確認する。間欠動作が生じる異常としては、画像データを蓄えるMEM−C(ローカルメモリ)276の空き容量が少なくなることなどがある。
また、異常検出部402は、このような間欠動作が発生しうる異常のみを検出するのではなく、第1のラインセンサ501が読み込んだ画像データにノイズが生じていた場合などの読み取りに関する異常であればよい。これらの異常時においても、以下の処理を行うことで適切な画像データを取得できる。
間欠要因が発生している場合、CPU261は、画像切替部266及びスキャナ画像処理部263に対して画像データの読み込みの中断信号を出力する。間欠要因が解消した場合、画像切替部266及びスキャナ画像処理部263に対して読み取りの開始信号を出力する。
図9は、本実施の形態におけるキャリッジの移動速度を説明する図である。図9の中断開始時間901は間欠に伴う画像データの読み取りを中断した時間を、中断終了時間902は画像データの読み取りの中断を終了し、読み取りを再開した時間を示している。本実施の形態においては、画像データの読み取り中断している間でも、第1キャリッジ253の移動速度に変更は無いものとする。
スキャナ画像処理部263は、読取中断信号、または読取再開信号を受け取ると、第1のラインセンサ501から入力された画像データの取り込みを中断、または再開する。また、スキャナ画像処理部263は、バッファメモリ読み出し開始信号を受け取ると、画像切替部266のラインメモリ401に蓄えられている画像データの読み出しを開始する。そして、スキャナ画像処理部263は、取り込んだ画像データに対して、必要な画像処理を行う。換言すれば処理手段としての機能を果たす。
画像切替部266は、ラインメモリ401を備える。そして、画像切替部266は、CPU261からの読取中断信号または読取再開信号等の信号に従って、スキャナ画像処理部263に対して出力する画像データを、第1のラインセンサ501及び第2のラインセンサ502のどちらから入力された画像データにするかを切り換える。
ラインメモリ401は、第2のラインセンサ502側から入力された画像データを一時的に記憶する構成であり、換言すれば、ラインメモリ401は第2の記憶手段としての機能を果たす。
本実施の形態においては、通常、画像切替部266は、通常、第1のラインセンサ501から入力された画像データを出力するようにする。そして、画像切替部266は、CPU261からの読み取り中断信号又はバッファメモリ読み出し開始信号を受け付けた場合に、ラインメモリ401に蓄積されていた画像データを出力するように切り換える。さらに、画像切替部266は、CPU261から読み取り開始信号を受け付けると、第1のラインセンサ501から入力された画像データを出力するように切り換える。
図10は、画像切替部266の構成を示した図である。図10の符号1010に示すように、画像切替部266は、第1のラインセンサ501側に接続されている通信路1002と、第2のラインセンサ502側に接続されている通信路1003と、通信路1003上に配置されたラインメモリ401と、スキャナ画像処理部263への接続を切り換えるスイッチング回路1004とを備える。
そして、画像データの読み込みが開始された場合、通常(間欠時以外)は符号1020に示す接続が行われる。つまり、スイッチング回路1004は、符号1021に示すように通信路1002側に接続する。これにより、第1のラインセンサ501が入力した画像データが、スキャナ画像処理部263に入力される。一方、第2のラインセンサ502から入力された画像データは、ラインメモリ401に蓄積される。ラインメモリ401の空き容量がなくなると、古い画像データから順番に、新しい画像データに置き換えていく。
そして、間欠が生じた場合には、符号1030に示す接続が行われる。つまり、CPU261からの信号に従って、スイッチング回路1004は、符号1031に示すように通信路1003側に接続する。これにより、第1のラインセンサ501の画像データは、スキャナ画像処理部263に出力されない。その代わり、第2のラインセンサ502が先読みしてラインメモリ401に蓄積された画像データが、スキャナ画像処理部263に出力される。出力される画像データの順序は、古い画像データからの順とする。
つまり、画像切替部266は、間欠などの読み取り時に異常が生じた場合にスイッチング回路1004で切替を行うことで、異常が生じている間に第1のラインセンサ501が読み取るべき画像データの領域に対応する、第2のラインセンサ502の画像データの領域を取得して、スキャナ画像処理部263で画像処理を行うよう制御している。換言すれば、画像切替部266は、制御手段としての役割を果たす。このように、第1のラインセンサ501が読み取るべき画像データの領域の代わりに、第2のラインセンサ502が読み取った画像データの領域を代用することができる。
次に、スキャナ画像処理部263に画像データを提供するために必要なラインメモリ401の容量について説明する。図11は、ラインメモリ401の容量を説明するための例を示した概念図である。図11に示すようにラインメモリ401は、第2のラインセンサ502と第1のラインセンサ501の読取位置の差に相当する領域の画像データを蓄えられるだけの容量を有する。これにより、画像データの読み込みが中断した場合に、読み取りが中断した第1のラインセンサ501の読み取り位置から、第2のラインセンサ502が読み取った位置までの画像データを提供することが可能となる。
図11について、具体的に説明する。すでに領域1101は、第1のラインセンサ501により読み取られている。これに対し、第2のラインセンサ502は、第1のラインセンサ501より、第1のラインセンサ501との間の距離分(1200dpi換算で8ライン分)原稿を先読みしている。このため、ラインメモリ401は、第1のラインセンサ501の読み取り位置から、第2のラインセンサ502が先読みしている領域1102分の画像データを蓄えられるメモリ容量を備えていればよい。
図11に示す例では、第2のラインセンサ502の有効画素数(ラインセンサの読取画素のうち実際に画像データとして使用する画素の数)が5100画素、複合機能フルカラーデジタル複写機MF1の副走査の最大読取解像度が1200dpi、第2のラインセンサ502と第1のラインセンサ501の読取位置の差が1200dpi換算で8ラインとする。そして、1画素あたりの画像データの大きさが8bitとする。
この場合、必要なラインメモリ401の容量は、式(1)で導き出せる。
8(ライン)×5100(画素/ライン)×8(bit/画素)=326400(bit)=40800(Byte)……(1)
つまり、本実施の形態にかかるラインメモリ401は、40800byte以上のメモリ容量を備えていればよい。
書画蓄積制御部273は、スキャナ画像処理部263で画像処理された画像データを、MEM−C(ローカルメモリ)276に対して、書き込む処理を行う。
上述した構成により、書画蓄積制御部273は、間欠などの異常が生じた場合、異常が生じている間に第1のラインセンサ501が読み取る予定だった画像データの領域に対応する、第2のラインセンサ502が読み取った画像データの領域を、MEM−C276に対して書き込み制御を行う。
MEM−C276は、画像データを蓄積する。換言すれば第1の記憶手段に相当する。なお、第1の記憶手段は、MEM−C276に制限するものではなく、キャッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、メモリカード、RAM(Random Access Memory)などの一般的に利用されているあらゆる記憶手段により構成することができる。
図12は、第1の実施の形態における、フラットベッド読み取りでの原稿とCCD207による原稿の読み取り位置の位置関係を示した説明図である。図12では、フラットベッド読取の際に第1キャリッジ253が副走査方向(+y方向)に移動する。図12の左側には、第1のラインセンサ501による原稿の読み取り位置を、図12の右側には第2のラインセンサ502による原稿の読み取り位置を示している。図12に示す例では、第1のラインセンサ501及び第2のラインセンサ502の読み取り位置は、副走査方向で異なっていることが確認できる。図12に示す例では、原稿を副走査方向(用紙左から右)に読み取るため、第2のラインセンサ502が、第1のラインセンサ501と比べて、原稿上で先の情報を読み取る。
時間T1においては、第1ラインセンサ501は、符号1201で示す領域についてすでに読み取り済みであり、第2ラインセンサ502は、符号1202で示す領域についてすでに読み取り済みとする。
そして、時間T2において、CPU261の異常検出部402で間欠要因の発生を検出されたものとする。この場合、CPU261からの信号に従って、スキャナ画像処理部263は画像データの取り込みを中断する。中断したときの第1のラインセンサ501による原稿上の読み取り位置をAと、第2のラインセンサ502による原稿上の読取位置をEとする。そして、画像切替部266のスイッチング回路1004が、ラインメモリ401を備える通信路1003に接続するように切り換える。その後、スキャナ画像処理部263は、ラインメモリ401上の画像データの取り込みを開始する。ラインメモリ401には、第2のラインセンサ502が読み込んだ原稿上の読み取り位置E〜Aまでの画像データが格納されているため、スキャナ画像処理部263は、途切れることなく画像データを取り込むことができる。
その後、異常検出部402が間欠要因の解消したことを検知する。この検知した時間T3で、スキャナ画像処理部263は、ラインメモリ401上の画像データの読み出しを終了する。そして、画像切替部266のスイッチング回路1004が、第1のラインセンサ501側に接続されている通信路1002に接続するように切り換える。
その後、スキャナ画像処理部263は、第1のラインセンサ501により読み込まれた画像データの取り込みを再開する。この時点の第1のラインセンサ501による原稿上の読取位置をD、第2のラインセンサ502による原稿上の読取位置をFとする。この後は、時間T4に示すように第1のラインセンサ501からの画像データの取り込みを継続する。つまり、スキャナ画像処理部263は、ラインメモリ401から、読み取り位置A〜Dまでの画像データを取り込んだ後、読み取り位置Dから第1のラインセンサからの画像データの取り込みが再開される。
つまり、第1のラインセンサ501による画像データの読み込みが停止している期間がT2〜T3までの場合、原稿上で、第1のラインセンサ501は原稿上でA〜Dの領域を、第2のラインセンサ502はE〜Fの領域を読み取らないことになる。
このように間欠が発生した場合に各ラインセンサで読み取れない領域は重複していないため、本実施の形態においては、第1のラインセンサ501による画像データと第2のラインセンサ502による画像データを組み合わせることができる。これにより、間欠要因が発生した場合に、第1キャリッジ253の速度の制御などを行わずとも、原稿の画像データを途切れなく構成できる。
本実施の形態においては、通常は第1のラインセンサ501にて原稿を読み取り、間欠要因が生じたことで、第1のラインセンサ501にて読み取られない領域については、あらかじめラインメモリ401に蓄えられた第2のラインセンサ502の画像データを代用することで、第1キャリッジ253の速度を減じることなく、歪み等の生じていない画像データを生成することができる。
図13は、本実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF1にかかるフラットベッド読み取りの動作を示すフローチャート図である。
まずは、ユーザが、コンタクトガラス231上に原稿をセット、アプリケーションを選択(コピー、スキャナ、FAXなど)、その他設定(画像濃度、読み取り解像度、画質モード、変倍率など)を行い、最後に原稿読み取り開始指示を行う(ステップS1301)。
次に、CPU261が走行体モータ238制御用のPWMパルスを生成し、走行体モータ238が、当該PWMパルスに従って、第1キャリッジ253をHP(ホームポジション)から移動させる制御を行う(ステップS1302)。
そして、第1キャリッジ253の移動により、CCD207の各ラインセンサそれぞれの原稿の読み取り位置が原稿の先端に達した時に、CPU261がスキャナ画像処理部263に対して読取開始信号を出力する。これによりスキャナ画像処理部263は画像データの取り込みを開始する(ステップS1303)。
その後、スキャナ画像処理部263は、第1のラインセンサ501が読み込んだ画像データの取り込みを継続する(ステップS1304)。また、スキャナ画像処理部263による処理後の画像データは、書画蓄積制御部273を介して、ローカルメモリ(MEM−C)276に書き込まれる。
そして、CPU261の異常検出部402は、間欠動作を発生しうる要因が発生しているか否かを確認する(ステップS1305)。間欠動作の要因としては、ローカルメモリ(MEM−C)276の空き容量が少なくなることなどがある
そして、異常検出部402が間欠動作を発生しうる要因が発生したと判断した場合(ステップS1305:Yes)、CPU261は、スキャナ画像処理部263に対して読取中断信号を出力する。これによりスキャナ画像処理部263は、画像データの取り込みを中断する(ステップS1306)。
その後、CPU261が、画像切替部266及びスキャナ画像処理部263に対してバッファメモリ読み出し開始信号を出力する。これにより画像切替部266が、ラインメモリ401と接続されている通信路1003とスキャナ画像処理部263とを接続する。そして、スキャナ画像処理部263が、ラインメモリ401に蓄えられている画像データの読み出しを開始する(1307)。
そして、異常検出部402が、間欠動作を発生しうる要因が解消したか否か判断する(ステップS1308)。間欠要因が解消しなかった場合(ステップS1308:No)、スキャナ画像処理部263は、ラインメモリ401の画像の読み出しを継続する(ステップS1307)。
そして、異常検出部402が、間欠動作が発生しうる要因が解消したと判断した場合(ステップS1308:Yes)、CPU261が、画像切替部266及びスキャナ画像処理部263に対してバッファメモリ読み出し停止信号を出力する。これにより、スキャナ画像処理部263が、ラインメモリ401に蓄積されている画像データの読み出しを停止する(ステップS1309)。その後、画像切替部266は、スキャナ画像処理部263と第1のラインセンサ501側に接続されている通信路1002とを接続する。
そして、CPU261は、スキャナ画像処理部263に対して読取再開信号を出力する。これによりスキャナ画像処理部263は、第1のラインセンサ501が読み込んだ画像データの取り込みを再開する(ステップS1310)。その後、再びステップS1304から処理を行う。
一方、間欠要因が発生しなかった場合(ステップS1305:No)CPU261は、CCD207による原稿の読み取り位置が原稿の後端に達したか否かを判断する(ステップS1311)。後端に達していないと判断した場合(ステップS1311:No)、再びステップS1304から処理を開始する。
一方、後端に達したと判断した場合(ステップS1311:Yes)、CPU261はスキャナ画像処理部263に対して読取停止信号を出力する。これによりスキャナ画像処理部263は、画像データの取り込みを停止する(ステップS1312)。
そして、CPU261が生成する走行体モータ238制御用のPWMパルスにより、スキャナ110は停止し、その後HPまで戻る(ステップS1313)。
本実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF1は、第1のラインセンサ501により原稿の画像データの読み取る際、物理的に離れた位置を読み取る第2のラインセンサ502から得られる画像データをラインバッファ401に蓄えておくこととした。このため、画像データの読み取りを一時停止中に、ラインバッファ401に蓄えられた画像データを読み出すことにより、読み取りの一時停止中にキャリッジまたは原稿が移動をさせずとも、第1のラインセンサ501では読み取ることが出来ない領域の画像データを補うことができる。
これにより、本実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF1は、原稿の読み取り途中における画像データの読み取りの一時停止、またはそれに付随して発生する異常画像を防ぐことを可能にする。
本実施の形態においては、ラインメモリ401に蓄積された画像データを用いることで、画像データを切れ目無く取り込むことを可能とすると共に、キャリッジの逆方向への移動など必要ないため、読み込み速度の向上を図ることができる。
(第1の実施の形態の変形例)
上述した第1の実施の形態では、ラインメモリ401に第2のラインセンサ502が読み込んだ画像データを蓄積する例について説明した。しかしながら、第2のラインセンサ502が取り込んだ画像データ蓄積先をラインメモリ401に制限するものではない。本変形例では、第2のラインセンサ502が取り込んだ画像データを、MEM−C(ローカルメモリ)276に蓄積する場合について説明する。
図14は、第1の実施の形態の変形例にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF2の構成を示すブロック図である。複合機能フルカラーデジタル複写機MF2は、上述した第1の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF1とは、画像切替部266が削除され、CPU261とは処理が異なるCPU1402に変更され、スキャナ画像処理部263とは処理が異なるスキャナ画像処理部1401に変更され、書画蓄積制御部273とは処理が異なる書画蓄積制御部1403に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
CPU1402は、スキャナ画像処理部1401に対して、読取開始信号及び読取中止信号の出力のみ行う。第1の実施の形態のように、バッファメモリ読み出し開始信号や、バッファメモリ読み出し中止信号などの出力は行わない。
スキャナ画像処理部1401は、第1のラインセンサ501から入力された画像データ、及び第2のラインセンサ502から入力された画像データの両方に対して、画像処理を行う。また、スキャナ画像処理部1401は、CPU1402から読取中止信号が入力された場合に、第1のラインセンサ501から入力された画像データ、及び第2のラインセンサ502から入力された画像データの両方に対して、画像処理を中止する。そして、スキャナ画像処理部1401は、CPU1402から読取開始信号が入力された場合に、第1のラインセンサ501から入力された画像データ、及び第2のラインセンサ502から入力された画像データの両方に対して、画像処理を再開する。
書画蓄積制御部1403は、スキャナ画像処理部1401で画像処理された、第1のラインセンサ501からの画像データ及び第2のラインセンサ502からの画像データを、MEM−C(ローカルメモリ)276に書き込み制御を行う。なお、MEM−C(ローカルメモリ)は、第2のラインセンサ502からの画像データの蓄積も行うことで、第1の実施の形態のラインメモリ401としての機能も果たしていることを意味する。
図15は、ローカルメモリ(MEM−C)276に対する画像データの書き込み開始位置を示した図である。第2のラインセンサ502が、第1のラインセンサ501より8ライン先を読み取っているので、第2のラインセンサ502の画像データは、第1のラインセンサ501の画像データの書き込み開始位置1501よりも、8ライン先のアドレスから書き込み開始位置1502から書き込みを開始する。
図16は、像データの書き込み開始から8ライン移動後の、ローカルメモリ(MEM−C)276の状態を示す説明図である。図16の書き込み領域1601に示すように、第2のラインセンサ502の書き込みが開始された位置である1ライン目の画像データが、第1のラインセンサ501の9ライン目の画像データで更新されている。さらに、画像データの読み取りが継続すると、第2のラインセンサ502の画像データが第1のラインセンサ501の画像データにより順次更新されることになる。
図17は、間欠がiライン目で開始し、その後(i+j)ラインで間欠が終了した場合の、ローカルメモリの状態を示す図である。間欠が生じている間の、第1のラインセンサ501のiライン目から(i+j−1)ライン目までの画像データが、ローカルメモリ(MEM−C)276上に対して書き込まれない。その代わり、先読みしていた第2のラインセンサ502の(i−8)ライン目から(i+j−7)ライン目までの画像データが既に書き込まれている。
すなわち、間欠により第1のラインセンサ501では読み取られない領域の画像データが、先に読み取られた第2のラインセンサ502の画像データで代用している。これにより、第1の実施の形態のラインメモリ401を備えた場合と同様の効果を得られる。換言すれば、本変形例のMEM−C276は、第1の記憶手段及び第2の記憶手段の双方の役割を果たしていることを意味する。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF1においては、間欠要因が生じた場合に第1キャリッジ253等の加減速を行わない場合について説明した。本実施の形態においては、間欠要因が生じた場合に、第1キャリッジ253等の加減速を行う場合について説明する。
図18は、第2の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF3の構成を示すブロック図である。複合機能フルカラーデジタル複写機MF3は、上述した第1の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF1とは、CPU261とは処理が異なるCPU1801に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
CPU1801は、CPU261の機能を備えるほか、キャリッジ制御部1811をさらに備えている。
キャリッジ制御部1811は、間欠要因が発生した場合に、第1キャリッジ253等の加減速を行うようにモータドライバ214の制御を行う。
図19は、第2の実施の形態にかかるキャリッジ制御部1811の加減速制御に従って、変化する第1キャリッジ253等の移動速度を説明する図である。時刻T11は、間欠が生じたことによる第1のラインセンサ501による画像データの読み取りを中断した時間を示している。時刻T12は、第1キャリッジ253の移動または原稿の搬送が停止している時間を示している。そして、T13は第1のラインセンサ501による画像データの読み取りが開始された時刻を示している。
そして、符号1901で示す部分で、間欠を生じさせる要因が解消するまで第1キャリッジ253の動作を停止させるために、キャリッジ制御部1811の制御に従って第1キャリッジ253を減速させていく。符号1902が停止中を示し、この期間に間欠を生じさせる要因が解消しているものとする。そこで、間欠を生じさせる要因が解消したので、符号1903に示す部分で、キャリッジ制御部1811の制御に従って第1キャリッジ253が加速していくことになる。
図20は、実施例2における、フラットベッド読み取りでの原稿とCCD207による原稿の読み取り位置の位置関係の説明図である。図20では、フラットベッド読取の際に第1キャリッジ253が副走査方向(+y方向)に移動する。図20の左側には、第1のラインセンサ501による原稿の読み取り位置を、図20の右側には第2のラインセンサ502による原稿の読み取り位置を示している。図20に示す例では、第1のラインセンサ501及び第2のラインセンサ502の読み取り位置は、副走査方向で異なっていることが確認できる。
図20に示す例では、時間T21に示すように読取位置の左側領域が既に読み取られている。そして、副走査方向(用紙左から右)に読み取るため、第2のラインセンサ502が、第1のラインセンサ501と比べて、原稿上で先の情報を読み取る。
T22は、CPU1801の異常検出部402で間欠要因の発生を検知した時刻を示している。この場合、CPU1801からの信号に従って、スキャナ画像処理部263が画像データの取り込みを中断する。中断したときの第1のラインセンサ501による原稿上の読み取り位置をAと、第2のラインセンサ502による原稿上の読取位置をEとする。
そして、画像切替部266のスイッチング回路1004が、ラインメモリ401を備える通信路1003に接続するように切り換える。その後、スキャナ画像処理部263はラインメモリ401からの画像データの読み出しを開始する。その後第1キャリッジ253の減速が開始する。
その後、T23は第1キャリッジ253が減速後に停止した時刻を示している。第1のラインセンサ501の読取停止位置をGと、第2ラインセンサの読取停止位置をHとする。
ラインメモリ401には、第2のラインセンサ502が読み込んだ原稿上の読み取り位置E〜Aまでの画像データが格納されているため、スキャナ画像処理部263は、途切れることなく画像データを取り込むことができる。その後ラインメモリ401に蓄えられているメモリが空になった時点で、ラインメモリ401に蓄えられている画像データの読み出しを停止する。
その後、時刻T24で、異常検出部402が間欠要因の解消したことを検知する。この間欠要因の解消を検知した時点で、キャリッジ制御部1811の制御により、第1キャリッジ254の加速が開始される。そして、画像切替部266のスイッチング回路1004が、第1のラインセンサ501側に接続されている通信路1002に接続するように切り換える。
そして、時刻T25に示すように、第1キャリッジ254の速度が、間欠要因の発生前の通常の移動速度になった後、スキャナ画像処理部263は、第1のラインセンサ501により読み込まれた画像データの取り込みを再開する。この時点の第1のラインセンサ501による原稿上の読取位置をE、第2のラインセンサ502による原稿上の読取位置をFとする。つまり、スキャナ画像処理部263は、ラインメモリ401から、読み取り位置A〜Eまでの画像データを取り込んだ後、読み取り位置Eからの画像データを第1のラインセンサから取り込む。ところで時刻T22の図に示すように、読み取り位置A〜Eは第1のラインセンサ501による原稿上の読取位置と、第2のラインセンサ502による原稿上の読取位置の差に相当する。
上述した説明において、画像データの読み取りが停止している期間は時刻T22〜T24の間である。このため、第1のラインセンサ501は、この間で移動した原稿上でA〜Eの領域を、第2のラインセンサ502は、E〜Fの領域を読み取らないことになる。しかしながら、これらの領域は重複していないため、第1のラインセンサ501による画像データと第2のラインセンサ502による画像データを組み合わせることにより、原稿の画像データを途切れなく構成できる。
このように本実施の形態では、通常は第1のラインセンサ501にて原稿を読み取り、間欠より第1のラインセンサ501にて読み取られない領域については、あらかじめラインメモリ401に蓄えられた第2のラインセンサ502の画像データにて代用する。
図21は、本実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF3にかかるフラットベッド読み取りの動作を示すフローチャート図である。
まずは、第1の実施の形態の図13のステップS1301〜S1307と同様の処理を行うことで、ラインメモリ401に蓄えられている画像データの読み出しを開始する(ステップS2101〜S2107)。
その後、キャリッジ制御部1811の制御に従い、第1キャリッジ253が減速を開始する(ステップS2108)。その後、第1キャリッジ253は停止する(ステップS2109)。
そして、ラインメモリ401に蓄えられているメモリが空になった時点で、CPU261は、スキャナ画像処理部263に対してバッファメモリ読み出し停止信号を出力する。これにより、スキャナ画像処理部263は、ラインメモリ401に蓄えられている画像データの読み出しを停止する(ステップS2110)。
その後、間欠要因が解決するまで、待機する(ステップS2111)。その後、異常検出部402が、間欠要因が解消したか否か判断する(ステップS2112)。解消していないと判断した場合(ステップS2112:No)、再び待機を行う(ステップS2111)。
一方、異常検出部402が間欠要因が解消したと判断した場合(ステップS2112:Yes)、キャリッジ制御部1811の制御により、第1キャリッジ253の加速が開始される(ステップS2113)。また、画像切替部266は、スキャナ画像処理部263と第1のラインセンサ501側に接続されている通信路1002とを接続する。
その後、第1キャリッジ253の移動速度が、間欠要因の発生前と同じ通常速度に達する(ステップS2114)。
そして、スキャナ画像処理部263が、第1のラインセンサ501が取り込んだ画像データの読み取りを再開する(ステップS2115)。その後、ステップS2104から処理を再開する。
その後は、第1の実施の形態の図13のステップS1311〜S1313と同様の処理を行い、処理を終了する(ステップS2116〜S2118)。
本実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF3は、第1の実施の形態で示した効果を備えるほか、画像データの読み取りの一時停止中におけるキャリッジまたは原稿の動作のために、この一時停止期間が長くなるのを防ぐことを可能とする。
つまり、本実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF3は、キャリッジを停止させて、間欠要因を解消するまで待機する場合に、ラインメモリ401に蓄積された画像データを用いることで、画像データを切れ目無く取り込むことを可能とすると共に、キャリッジの逆方向への移動など必要ないため、読み込み速度の向上を図ることができる。
また、第2の実施の形態においては、キャリッジが一時的に停止する場合について説明した。しかしながら、キャリッジが必ず停止する必要があるものではない。例えば、図22に示すように第1キャリッジ253の減速した後、低速移動を行い、間欠要因が解消した後に、第1キャリッジ253の加速を行うようにしてもよい。なお、第2の実施の形態及び本変形例に示すキャリッジの動作は、以下に示す実施の形態及び変形例についても適用可能とする。さらには、フラットベッド方式のみならず、ADF方式に適用しても良い。
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態は、第1のラインセンサと第2のラインセンサ502との間で、主走査方向の読み取り位置が、半画素ずれている場合の例である。
図23は、第3の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF4の構成を示すブロック図である。複合機能フルカラーデジタル複写機MF4は、上述した第2の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF3とは、CCD207とは構成が異なるCCD2301に変更され、画像切替部266とは処理が異なる画像切替部2302に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。なお、処理フローおよびキャリッジの動作は、第1〜2の実施の形態と同様として説明を省略する。
図24は、第3の実施の形態にかかるCCD2301における、第1のラインセンサ2401と第2のラインセンサ2402の配置を示した図である。図24に示すように、第1のラインセンサ2401と第2のラインセンサ2402の画素が、主走査方向に半画素(1/2画素)ずれた配置をしている。なお、本実施の形態においては、1/2画素ずれた場合について説明しているが、画素ずれがそれ以下の量だけずれていてもよい。
本実施の形態に示すように、第1のラインセンサ2401による画像データと、第2のラインセンサ2402の画像データとを組み合わせることで、一本のラインセンサによる画像データよりも、主走査方向で解像度が高い画像データを得ることができる。しかしながら、ユーザが所望する画像データにおいて、それほど高解像度にする必要もない場合も存在する。
この場合、一方のラインセンサ(例えば、第1のラインセンサ2401)を用いて画像データの取り込みを行い、間欠要因が生じた場合に、もう一方のラインセンサ(例えば、第2のラインセンサ2402)が読み取った画像データの取り込みが可能となる。
図25は、図24の構成のCCD2301を用いた際に、間欠要因が生じた場合の原稿上の読み取り位置を示す図である。図25に示すように、間欠のため第1のラインセンサ2401では読み取られない領域2502の画像データは、第2のラインセンサ2402が読み取った画像データを代用する。
しかしながら、第2のラインセンサ2402の読み取り位置と、第1のラインセンサ2401の間の読み取り位置とは、互いに主走査方向に半画素ずれている。このため、第1のラインセンサ2401が読み取った画像データの領域2501と、第2のラインセンサ2402が読み取った画像データの領域2502と、は半画素ずれている。このため、これら画像データを組み合わせて、原稿の画像データを構成すると、画像データにずれが発生する。そこで、本実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF4は、以下に示す構成を備える。
図26は、本実施の形態にかかる画像切替部2302の構成を示す図である。図26に示す画像切替部2302は、第1の実施の形態にかかる画像切替部266と比べて、通信路1003上において、ラインメモリ401の後段に画素補間部2601が追加されている点とする。
画素補間部2601は、第1のラインセンサ2401と第2のラインセンサ2402の読み取り位置のずれを補正する。
図27は、画素補間部2601の動作を説明する図である。図27に示すように、画素補間部2601は、ラインメモリ401から取り込んだ第2のラインセンサ2402の画像データから、第1のラインセンサ2401の読み取り位置に相当する場所の画像データを生成する。
次に、具体的な補間処理について説明する。画素補間部2601が、第2のラインセンサ2402から得られる主走査でp番目、副走査でqライン目の画像データb(p,q)を取り込んだ場合、以下に示す式(1)の補間計算により、第1のラインセンサ2401の主走査でp’画素目、副走査でqライン目位置に相当する画像データb’(p’q)を取得できる。
b'(p', q) = {- b(p-2, q) + 5 x b(p-1, q) + 5 x b(p, q) - b(p+1, q)} / 8……(1)
なお、補間処理の手法として、式(1)を用いた3次元補間による一例を示したが、これ以外の補間処理を用いても良く、例えば、線形補間や、他の補間方式も適用可能とする。
なお、本実施の形態においては、図26に示すように、画素補間部2601がラインメモリ401の後段に配置したが、このような配置に限らず、ラインメモリ401の前段、あるいはスキャナ画像処理部263内部に設けても良い。また、画素補間部2601が第2のラインセンサ2402の画像データではなく、第1のラインセンサ2401の画像データを補間するように適用してもよい。
本実施の形態においては、高解像度化を行うために、複数のラインセンサ間で画素がずれた構成を備えている場合でも、一方のラインセンサの画像データをバッファとして用いると共に画素補間を行うことで、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施の形態)
上述した実施の形態及び変形例では、フラットベッド方式で原稿を読み込んだ場合について説明した。しかしながら、読み取り方式をフラットベッド方式に制限するものではない。そこで、第4の実施の形態では、ADF方式で原稿を読み込む場合について説明する。
図28は、第4の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF5の構成を示すブロック図である。複合機能フルカラーデジタル複写機MF5は、上述した第2の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF2とは、画像切替部266とは処理が異なる画像切替部2801に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
そして、CPU1801は、利用者の操作に応じて、読み取り方式をADF方式かフラットベッド方式かを切り換える。そして、CPU1801は、切り換えた読み取り方式に応じて、制御するモータ(走行体モータ238又はADFモータ255)の切り換え制御や、画像切替部2801に対する後述するスイッチング回路の切り換え指示などの制御を行う。
図29は、本実施の形態にかかるADF読み取りにおける、第1のラインセンサ501および第2のラインセンサ502の読み取り位置と原稿の関係を示す図である。ADF読み取りでは、原稿がガラス240上を図の左から右に移動することにより、原稿の画像情報を読み取る。原稿を基準に考えると、原稿の先端は、第1のラインセンサ501の読み取り位置を通過した後、第2のラインセンサ502の読み取り位置を通過することになる。このため、第1のラインセンサ501は、第2のラインセンサ502よりも先に原稿上の情報を読み取っている。
つまり、ADF方式の図29と、第1の実施の形態のフラットベッド方式の図8とを比べた場合、原稿の読み取り方向に対する第1のラインセンサ501および第2のラインセンサ502の読み取り位置が、逆になることが確認できる。
本実施の形態においては、画像切替部2801が、原稿の読み取り方向に応じて、ラインメモリ401に接続するラインセンサを、第1ラインセンサ501及び第2ラインセンサ502から切り替え可能とする。
図30は、フラットベッド方式時の画像切替部2801の構成を示した図である。図30に示すように、フラットベッド読み取り時では、スイッチング回路3001により第1ラインセンサ501と通信路3011とを接続し、スイッチング回路3002により第2ラインセンサ502と通信路3012及びラインメモリ401とを接続する。これにより、画像切替部2801は、第1の実施の形態の画像切替部266と同様の役割を果たすことができる。つまり、図30に示す構成では、第2のラインセンサ502の方が原稿上で先の情報を読み取るため、第2のラインセンサ502の画像データをラインメモリ401に蓄える。
図31は、ADF方式時の画像切替部2801の構成を示した図である。図31に示すように、ADF読み取り時では、スイッチング回路3001により第1ラインセンサ501と通信路3012及びラインメモリ401とを接続し、スイッチング回路3002により第2ラインセンサ502と通信路3011とを接続する。つまり、第1のラインセンサ501が原稿上で先の情報を読み取るため、第1のラインセンサ501の画像データをラインメモリ401に蓄え、第2のラインセンサ502で間欠時以外の画像データの読み取りを行うことができる。
図32は、第4の実施の形態における複合機能フルカラーデジタル複写機MF5の、ADF読み取り時における、原稿と各ラインセンサの読み取り位置との位置関係の説明図である。
図32に示す例では、ADF読取の際に原稿が左から右に(副走査方向+y方向に)移動する例とする。
図32の左側には第1のラインセンサ501による原稿の読み取り位置を、図32の右側には第2のラインセンサ502による原稿の読み取り位置を示している。
図32に示す例では、第1のラインセンサ501と第2のラインセンサ502とは副走査方向+y方向で別々の読み取り位置で読み取り処理を行う。なお、図32に示す例では、原稿が副走査方向+y(右から左側)に移動するため、第1のラインセンサ501が、第2のラインセンサ502と比べて、原稿上で先の領域を読み取る。そこで、上述した様に、ADF読み取りでは、ラインメモリ401に接続されるラインセンサを、フラットベッド読み取りと異なるように、予め切り換えておく。
そして、時間T31においては、第1ラインセンサ501は、符号3201で示す領域についてすでに読み取り済みであり、第2ラインセンサ502は、符号3202で示す領域についてすでに読み取り済みとする。
時間T32に示すように、CPU1801の異常検出部402が間欠要因の発生を検知すると、スキャナ画像処理部263は、第2のラインセンサ502からの画像データの取り込みを中断する。この中断した時点の第1のラインセンサ501による原稿上の読取位置をA、第2のラインセンサ502による原稿上の読取位置をEとする。その後、スキャナ画像処理部263は、第1のラインセンサ501の画像データが蓄積された、ラインメモリ401上の画像データの読み出しを開始する。
その後、異常検出部402が間欠要因の解消を検知した時点で、スキャナ画像処理部263は、ラインメモリ401上の画像データの読み出しを終了する。そして、時間T33において、スキャナ画像処理部263は、第2ラインセンサ502からの画像データの取り込みを再開する。この時点の第1のラインセンサ501による原稿上の読取位置をD、第2のラインセンサ502による原稿上の読取位置をFとする。
その後は、時間T34に示すように、スキャナ画像処理部263は、第2ラインセンサ502からの画像データの取り込みを継続する。
画像データの読み取りが停止している期間は時間T32からT33の間である。すなわち、原稿上で、第1のラインセンサ501は原稿上でA〜Dの領域を、第2のラインセンサ502はE〜Fの領域を読み取らないことになる。これらの領域は重複していないため、第1のラインセンサ501による画像データと第2のラインセンサ502による画像データを組み合わせることにより、原稿の画像データを途切れなく構成できる。
本実施の形態におけるADF読み取りでは、通常は第2のラインセンサ502にて原稿を読み取り、間欠より第2のラインセンサ502にて読み取られない領域については、あらかじめラインメモリ401に蓄えられた第1のラインセンサ501の画像データにて代用する。
図33は、本実施の形態におけるADF読み取りの動作を示すフローチャート図である。第1の実施の形態の図13のステップS1301〜S1305と同様に、異常検出部402が、間欠動作を発生しうる要因が発生しているか否かの確認まで行う(ステップS3301〜S3305)。
そして、異常検出部402が間欠動作を発生しうる要因が発生したと判断した場合(ステップS3305:Yes)、CPU1801は、スキャナ画像処理部263に対して読取中断信号を出力する。これによりスキャナ画像処理部263は、第2のラインセンサ502からの画像データの取り込みを中断する(ステップS3306)。
次に、CPU1801は、スキャナ画像処理部263及び画像切替部2801に対してラインメモリ401読み出し開始信号を出力する。これにより、画像切替部2801は、スキャナ画像処理部263と第1のラインセンサ501側に接続されている通信路3012と接続する。これにより、スキャナ画像処理部263は、ラインメモリ401に蓄えられている画像データの読み出しを開始する(ステップS3307)。
その後、異常検出部402が、間欠要因が解消したか否か判断する(ステップS3308)。解消していないと判断した場合(ステップS3308:No)、スキャナ画像処理部263が、ラインメモリ401に蓄えられている画像データの読み出しを継続して行う(ステップS3307)。
一方、異常検出部402が、間欠要因が解消したと判断した場合(ステップS3308:Yes)、CPU1801は、スキャナ画像処理部263に対してバッファメモリ読み出し停止信号を出力する。これにより、ラインメモリ401に蓄えられている画像データの読み出しを停止する(ステップS3309)。
次に、CPU1801は、スキャナ画像処理部263及び画像切替部2801に対して読取再開信号を出力する(ステップS3310)。これにより、画像切替部2801は、スキャナ画像処理部263と第2のラインセンサ502側に接続されている通信路3011と接続する。その後、スキャナ画像処理部263は画像データの取り込みを再開する(ステップS3310)。その後、ステップS3304から処理を再開する。
一方、間欠要因が発生しなかった場合(ステップS3305:No)CPU1801は、CCD207による原稿の読み取り位置が原稿の後端に達したか否かを判断する(ステップS3311)。後端に達していないと判断した場合(ステップS3311:No)、再びステップS3304から処理を開始する。
一方、後端に達したと判断した場合(ステップS3311:Yes)、CPU261はスキャナ画像処理部263に対して読取停止信号を出力する。これによりスキャナ画像処理部263は、画像データの取り込みを停止する(ステップS3312)。
その後、複合機能フルカラーデジタル複写機MF5は、原稿を排出して処理を終了する(ステップS3313)。
本実施の形態にかかるADF読み取りの場合、一般的な複合機において、原稿を逆方向に搬送できる構成になっていない。これは、ADF読み取りでは、原稿を単にローラに挟んで搬送しているため、逆方向に搬送しようとすると原稿のスリップが発生する。このスリップの大きさは原稿の種類により異なるため、原稿種に合わせた原稿位置の制御が必要になるが、これは技術的な課題が大きい。
つまり、間欠が生じた場合に、キャリッジを逆方向に移動させて、原稿の読み込みを行うという従来技術を、ADF読み取りに適用するのは、技術的及びコスト的に難しい。
これに対し、本実施の形態では、上述した処理により、間欠要因が生じた場合に、ADF読み取りであっても、画像データを連続して読み込むことができる。
(第4の実施の形態の変形例)
上述した第4の実施の形態では、ADF読み取り形式でラインメモリ401に第1のラインセンサ502が読み込んだ画像データを蓄積する例について説明した。しかしながら、第1のラインセンサ501が取り込んだ画像データ蓄積先をラインメモリ401に制限するものではない。本変形例では、第1のラインセンサ501が取り込んだ画像データを、MEM−C(ローカルメモリ)276に蓄積する場合について説明する。
なお、具体的な構成は、図14で示した構成と同様として説明を省略する。そして、ADF方式においては、書画蓄積制御部1403による書き込む領域のみ異なる。
図34は、ローカルメモリ(MEM−C)276に対する画像データの書き込み開始位置を示した図である。第1のラインセンサ501が、第2のラインセンサ502より8ライン先を読み取っているので、第1のラインセンサ501の画像データは、第2のラインセンサ502の画像データの書き込み開始位置3401よりも、8ライン先のアドレスから書き込み開始位置3402から書き込みを開始する。
図35は、像データの書き込み開始から8ライン経過後の、ローカルメモリ(MEM−C)276の状態を示す説明図である。図35の書き込み領域3501に示すように、第1のラインセンサ501の書き込みが開始された位置である1ライン目の画像データが、第2のラインセンサ502の9ライン目の画像データで更新されている。さらに、画像データの読み取りが継続すると、第1のラインセンサ501の画像データが第2のラインセンサ502の画像データにより順次更新されることになる。
図36は、間欠がiライン目で開始し、その後(i+j)ラインで間欠が終了した場合の、ローカルメモリの状態を示す図である。間欠が生じている間の、第2のラインセンサ502のiライン目から(i+j−1)ライン目までの画像データが、ローカルメモリ(MEM−C)276上に対して書き込まれない。その代わり、先読みしていた第1のラインセンサ501の(i−8)ライン目3601から(i+j−7)ライン目3602までの画像データが既に書き込まれている。すなわち、間欠により第1のラインセンサ501では読み取られない領域の画像データが、先に読み取られた第2のラインセンサ502の画像データで代用している。これにより、第4の実施の形態のラインメモリ401を備えた場合と同様の効果を得られる。なお、フラットベッド読み取りの場合は、第1の実施の形態の変形例と同様として説明を省略する。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF6においては、間欠要因に応じて、キャリッジの速度を変化させない場合と、キャリッジを停止させる場合とを切り換え可能とした実施の形態である。
図37は、第5の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF6の構成を示すブロック図である。複合機能フルカラーデジタル複写機MF6は、上述した第3の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF4とは、CPU1801とは処理が異なるCPU3701に変更された構成を有している点で異なる。以下の説明では、上述した第1〜4の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
CPU3701は、第3の実施の形態のCPU1801の機能を有するほか、異常検出部402が検出した間欠要因に応じて、キャリッジ制御部1811に対して第1キャリッジ253を制御させるか否か判断する。つまり間欠要因が発生し、解消するまでの時間が長い場合には、第1キャリッジ253を停止させ、すぐに解消する場合には、第1キャリッジ253を停止させずに処理を行うこととする。
図38は、第5の実施の形態にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF6にかかるフラットベッド読み取りの動作を示すフローチャート図である。
まずは、第1の実施の形態の図13のステップS1301〜S1305と同様の処理を行い、間欠要因が発生したか否かの判断まで行う(ステップS3801〜S3805)。
そして、間欠要因が発生したと判断した場合(ステップS3805:Yes)、CPU3701は、ラインメモリ401が空になる前に間欠要因が解消する見込みか否か判断する(ステップ3806)。見込みがあると判断した場合(ステップS3806:Yes)には、第1の間欠動作処理を行う(ステップS3807)。なお、具体的な処理については、後述する。
一方、CPU3701が、見込みがない又は解消するかどうか不明であると判断した場合(ステップS3806:No)には、第2の間欠動作処理を行う(ステップS3808)。なお、具体的な処理については、後述する。
そして、間欠要因が発生しないと判断した場合(ステップS3805:No)、第1の実施の形態の図13のステップS1311〜S1313と同様の処理を行う(ステップS3809〜S3811)。
上述した処理手順により、間欠要因に応じて、実行する処理を切り換えることができる。次に、本実施の形態にかかる図38のステップS3807における第1の間欠動作処理について説明する。図39は、本実施の形態にかかる第1の間欠動作処理における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
この図39に示す処理手順は、図13のステップS1306〜S1310の処理と同様の処理を行うものとして、説明を省略する(ステップS3901〜S3905)。
次に、本実施の形態にかかる図38のステップS3808における第2の間欠動作処理について説明する。図40は、本実施の形態にかかる第2の間欠動作処理における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
この図40に示す処理手順は、図21のステップS2106〜S2115の処理と同様の処理を行うものとして、説明を省略する(ステップS4001〜S4010)。
つまり、本実施にかかる複合機能フルカラーデジタル複写機MF6は、第1の実施の形態で示した効果の他に、間欠要因に応じて、第1の実施の形態の処理と、第2の実施の形態の処理を切り換えることができる。これにより、間欠要因に応じたキャリッジの制御が可能となり、間欠要因に応じて画像データの速度低下を抑止できる。
なお、本実施形態の複合機能フルカラーデジタル複写機で実行される画像読取プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施形態の複合機能フルカラーデジタル複写機で実行される画像読取プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の複合機能フルカラーデジタル複写機で実行される画像読取プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の複合機能フルカラーデジタル複写機で実行される画像読取プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施の形態の複合機能フルカラーデジタル複写機で実行される画像読取プログラムは、上述したデバイスを制御する構成、及び上述した処理を行う構成を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像読取プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上述したデバイスを制御する構成、及び上述した処理を行う構成が主記憶装置上に生成されるようになっている。