以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の一実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本実施の形態に係る画像読取装置を備える画像形成装置について説明する。本実施の形態では、画像形成装置として、コピー機能、印刷機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を実現可能でありカラーでのコピー及び印刷(プリント)が可能な複合機能フルカラーデジタル複写機(以下、MFPという)を適用した例について説明する。図1は、本実施の形態に係るMFP1のハードウェア構成を例示する図である。
本MFP1は、自動原稿送り装置(ADF)230と、操作ボード90と、カラースキャナ210と、カラープリンタ100の各ユニットとを少なくとも備える。一般に、操作ボード90と、ADF230が搭載されたカラースキャナ210とは、カラープリンタ100から分離可能な構成となっている。操作ボード90は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部と、ユーザに対して情報の表示を行う表示部とが一体的に構成されたものである。カラースキャナ210は、モータドライバや各種センサ入力およびコントローラ(スキャナコントローラ)を含むセンサボートユニット(SBU)を有して、MFP1に組み込まれているCPU(図3の261)と直接又は間接に通信を行いタイミング制御されて、原稿に表れる画像の読み取りを行う。カラープリンタ100は、カラースキャナ210で読み取られた画像を表す画像データを用いて、画像を形成してこれを用紙等の印刷媒体に転写することにより、印刷を行う。カラープリンタ100によって印刷された用紙は、図示しない排紙スタックに排出される。MFP1は、コントローラボード(図3の270)を有し、該コントローラボードを介してLAN等によって、PC(Personal Computer)等の端末装置180に接続されて、端末装置180との間で画像データの送受信を行うことが可能である。更に、コントローラボードはファクシミリ機能を実行するためのファクシミリコントロールユニット(FCU)を有し(図3の285)、FCUは交換器(PBX)190によって電話回線(PN)191に接続され、相手ファクシミリ装置との間で画像データのファクシミリ送受信が可能である。
次に、MFP1の有するカラースキャナ210及びそれに装着されたADF230の原稿画像読取機構の具体的な構成について図2を用いて説明する。カラースキャナ210のコンタクトガラス231上に置かれた原稿は、照明ランプ232により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー233で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ232及び第1ミラー233は、副走査方向yに定速で駆動される第1キャリッジ253に搭載されている。第1キャリッジ253と同方向にその1/2の速度で駆動される第2キャリッジ254には、第2ミラー234及び第3ミラー235が搭載されており、第1ミラー233で反射された画像光は第2ミラー234で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー235で副走査方向yに反射されて、レンズ236により集束され、CCD(ラインセンサ)207に入射され、電気信号に変換される。
第1キャリッジ253および第2キャリッジ254は、走行体モータ238を駆動源として、副走査方向のy方向に往(原稿走査)及び復(リタ−ン)駆動される。先に述べたように、第2キャリッジ254の速度は第1キャリッジ253の1/2であり、第2キャリッジ254は第1キャリッジ253の半分だけ走行する。図2に破線で示すように、例えば、第1キャリッジ253が最大長の画像走査領域を移動したとき、第2キャリッジ254はその半分の位置にある。このようにカラースキャナ210は、コンタクトガラス231上の原稿を照明ランプ232及び第1ミラー233の第1キャリッジ253で走査して、第2ミラー234及び第3ミラー235の第2キャリッジ254で原稿画像をCCD207に投影するフラットベッド方式の原稿スキャナであるが、シートスルー読み取りも可能なように、第1キャリッジ253がホームポジション(待機位置)HPで停止しているときの第1ミラー233の読み取り視野位置に、シートスルー読み取り窓であるガラス240があり、ガラス240の上方に自動原稿供給装置(ADF)230が装着されており、ADF230の搬送ドラム(プラテン)244がガラス240に対向している。第2キャリッジ254は、図2の実線で示す位置に停止している。
ADF230の原稿トレイ241に積載された原稿は、ピックアップローラ242及びレジストローラ対243で搬送ドラム244と押さえローラ245の間に送り込まれて、搬送ドラム244に密着してガラス240の上を通過し、そして排紙ローラ246,247で、原稿トレイ241の下方にある圧板兼用の排紙トレイ248上に排出される。
原稿は、原稿読取窓であるガラス240を通過する際に、その直下(HP)に移動している照明ランプ232により露光され、原稿の表面の反射光は、第1ミラー233、第2ミラー234及び第3ミラー235の光学系を介してCCD207に入射して光電変換される。このようにして、原稿に表れる画像が光としてCCD207により読み取られて、電気信号として、当該画像を表すRGB各色の画像信号に変換される。第1キャリッジ253に含まれる照明ランプ232は露光手段に相当し、第1キャリッジ253及びCCD207を含むカラースキャナ210は読取手段に相当する。搬送ドラム244の表面は、ガラス240に対向する白色背板であり、白基準面となるように白色である。これは、後述の基準白板(不図示)に同様の機能を有している。
ガラス240と原稿始端の位置決め用のスケール251との間には、基準白板239、並びに、第1キャリッジ253を検出する基点センサ249がある。基準白板239は、照明ランプ232の個々の発光強度のばらつき,また主走査方向のばらつきや、CCD207の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の画像を原稿から読み取ったにもかかわらず、読み取った画像がばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されるものである。
ADF230の基体は、奥側(図2の紙面の裏側)でカラースキャナ210の基体にヒンジ結合(蝶番連結)しており、基体の手前側(図2の紙面の表側)の取っ手250mを持ってADF230の基体を引き上げることにより、ADF230を起こす(開く)ことができる。ADF230の基体の奥側には、ADF230の開閉を検出するスイッチがある。ADF230の、コンタクトガラス231に対向する圧板250pがADF230の底面部に装着されており、ADF230が閉じると、圧板250pの下面が、図2に示すように、コンタクトガラス231の上面に密着する。
次に、MFP1のデータ処理系統の具体的な構成例について図3を用いて説明する。MFP1は、上述のADF230を搭載したカラースキャナ210及びカラープリンタ100を含むエンジン260、MFP1全体の必要な制御を行うためのコントローラボード270及び上述の操作ボード90を有している。エンジン260は、カラースキャナ210及びカラープリンタ100の他、画像の読み取り及び印刷のプロセスを制御するCPU261及びASIC(Application Specific IC)で構成された画像入出力処理部262を備えている。
カラースキャナ210は、上述の第1キャリッジ253及び第2キャリッジ254を含む読取ユニット211、CCD207、及びAFE(アナログフロントエンド)212等からなる。図3では省略したが、カラースキャナ210はセンサボードユニット(SBU)を備えている。SBU上には、スキャナコントローラとしてCPU,ROM及びRAMがあり、CPUがROMに格納されたプログラムをRAMに読み込んで実行することで、カラースキャナ210の全体の制御を行っている。SBU上のCPUは、画像の読み取り及び印刷のプロセス制御用のCPU261と通信線を介して接続されており、このCPUはCPU261とコマンド及びデータの送受信を行って指令された動作を実行する。また、SBU上のCPUは、原稿検出センサ、HPセンサ、圧板開閉センサ、冷却ファン等の検出及びON/OFFを制御する。更に、SBUは後述のモータドライバを有する。
原稿に表れる画像(原稿画像という)は、図2を用いて説明したように、読取ユニット211で読み取られ、RG及びB用の3個のラインセンサを含むCCD207に結像される。CCD207の各ラインセンサは、SBU上のCPUによってそれぞれ駆動クロックを与えられ、RG及びBの各画素の画素値を表すアナログ形式の画像信号(アナログ画像信号という)を出力する。AFE212は、アナログ画像信号を処理し、A(アナログ)/D(デジタル)変換を行って、RGB毎に画素値を表すデジタル形式の画像データ(RGB画像データという)を出力する。本実施の形態では、CCD207は、それぞれ物理的に離れた位置の原稿の画像を読み取る2組のラインセンサを備えるが、これについては後述する。
画像入出力処理部262は、スキャナ画像処理部263、カラープリンタ画像処理部264、及び画像処理インターフェース部(画像処理I/F部)265からなる。スキャナ画像処理部263は、カラースキャナ210のAFE212が出力するRGB画像データのそれぞれに対して、シェーディング補正、読み取りγ補正、MTF補正等を行い、また、必要に応じて補正後のRGB画像データを、CMYKの各トナーを用いて画像を形成するためのトナー毎のドットのパターンを表す画像データ(CMYK記録色データという)に変換する。本実施の形態では、スキャナ画像処理部263は、画像切替部及び画像補間部等を備えるが、これについては後述する。カラープリンタ画像処理部264は、RGB画像データ又はCMYK記録色データを、カラープリンタ100のCMYK各色の書込みユニットの画像表現特性に合ったCMYK印刷データに変換する。画像処理部I/F部265は、スキャナ画像処理部263からのRGB画像データ又はCMYK記録色データをカラープリンタ画像処理部264あるいはコントローラボード270側へ転送し、一方、コントローラボード270側からRGB画像データ又はCMYK記録色データを受け取り、カラープリンタ画像処理部264へ転送する。
尚、カラースキャナ210は、アナログ形式の画像信号を処理するため、アナログ画像処理手段である。画像入出力処理部262は、デジタルに変換された画像データを取り扱うため、デジタル画像処理手段である。このように、MFP1は、アナログ画像処理手段及びデジタル画像処理手段を1系統のみ備える構成となっている。
コントローラボード270は、CPU271、ASICで構成された書画蓄積制御部272、ハードディスク装置(HDD)276、ローカルメモリ(MEM−C)277、ノースブリッジ(NB)278、システムメモリ(MEM−P)279、NIC(Network Interface Card)280、USBデバイス281、IEEE1394デバイス282、セントロニクスデバイス283、MLB284、ファクシミリコントロールユニット(FCU)285等を有している。上述の操作ボード90は、コントローラポート270の書画蓄積制御部272に接続されている。
書画蓄積制御部272は、HDD276及びMEM−C277の読み書き制御部273に加え、回転処理部274及び編集処理部275を有している。回転処理部274及び編集処理部275は、ユーザ入力に応じて、画像データに対して回転及び変倍等の処理を行うものである。HDD276は、画像データ、文書データ、プログラム、フォントデータ、フォーム、ルックアップテーブル(LUT)等の各種データを蓄積するための不揮発性記憶装置である。ローカルメモリ(MEM−C)277は、複数の印刷用画像バッファ、符号バッファ等として用いられる揮発性記憶装置である。システムメモリ279は、MFP1の描画用メモリ等として用いられる同じく揮発性記憶装置である。
NB278は、CPU271、書画蓄積制御部272、システムメモリ279及びその他のデバイス群280〜284を接続するブリッジである。ここで、書画蓄積制御部272とNB278とはAGP(Accelerated Graphics Port)によって接続されている。また、NIC280、USBデバイス281、IEEE1394デバイス282、セントロニクスデバイス283及びMLB284は、NB278とPCI(Periferal Component Interconnect)バスによって接続されている。FCU285も、書画蓄積制御部272にPCIバスで接続されている。
CPU271は、MFP1全体の制御を司る。CPU271は、NB278及びNIC280を介してLANに接続されたパソコンあるいはインターネットを介する他のパソコンと書画データの送受信を行うことができる。また、NB278を介し、USB281、IEEE1394デバイス282、セントロニクスデバイス283等を用いてパソコン、カラープリンタ、デジタルカメラ等と通信することができる。
MLB284は、コントローラボード270をPCIバスを介してエンジン260に接続する基板である。MLB284は、NIC280等によって外部から入力された書画データを画像データに変換し、変換された画像データをエンジン260側に出力する。該画像データは、書画蓄積制御部272を介してHDD276に蓄積することもできる。
図3には、カラースキャナ210及びカラープリンタ100との画像入出力処理部262との間、更に画像入出力処理部262と書画蓄積処理部272との間でやり取りされる画像データの流れを矢印で示している。以下、これに基づいてMFP1の一般的な動作を説明する。
初めに、原稿1枚につき1枚の印刷を行う1枚コピーの場合について説明する。カラースキャナ210は、読取ユニット211で原稿に表れる画像(原稿画像)を読み取り、読み取った原稿画像をRGB形式で表す画像信号(RGBアナログ画像信号という)としてCCD207で出力し、更に、このRGBアナログ画像信号をAFE212でデジタル変換して画像入出力処理部262に出力する。画像入出力処理部262は、デジタル化されたRGB画像データをスキャナ画像処理部263で受け取り、必要な補正処理を行い、補正後にCMYK記録色データに変換する。CMYK記録色データは、スキャナ画像処理部263から画像処理I/F部265を介してカラープリンタ画像処理部264に送られる。カラープリンタ画像処理部264は、カラープリンタ100のCMYKのそれぞれの色に対応する書込ユニットの画像表現特性に適応するように、必要に応じてCMYK記録色データに対して変倍及び画像加工並びにγ変換及び階調処理を行い、それら処理によって適応されたCMYK印刷データをそれぞれの色に対応する書込ユニットに出力する。カラープリンタ100は、このCMYK印刷データに基づいて、画像形成動作を実行する。
次に、読み取られる原稿1枚につき複数枚の印刷を行う連続コピーの場合について説明する。カラースキャナ210は、読取ユニット211で原稿に表れる画像(原稿画像)を読み取り、読み取った原稿画像をCCD207でアナログ画像信号として出力し、更に、このアナログ画像信号をAFE212でデジタル変換して画像入出力処理部262に出力する。画像入出力処理部262は、デジタル化されたRGB画像データをスキャナ画像処理部263で受け取り、必要な補正処理を行い、補正後にCMYK記録色データに変換する。このCMYK記録色データは、スキャナ画像処理部263から画像処理I/F部265を介して、今度はコントローラボード270内の書画蓄積制御部272に送られる。書画蓄積制御部272は、送られたCMYK記録色データをローカルメモリ277に一時的に記憶する。この記憶されたデータは、1枚の印刷の度に読み出され、書画蓄積制御部272から画像処理I/F部265を介してカラープリンタ画像処理部264に送られる。カラープリンタ画像処理部264は、カラープリンタ100のCMYKのそれぞれの色に対応する書込ユニットの画像表現特性に適応するように、必要に応じてCMYK記録色データに対して変倍及び画像加工並びにγ変換及び階調処理を行い、それら処理によって適応されたCMYK印刷データをそれぞれの色に対応する書込ユニットに出力する。カラープリンタ100は、このCMYK印刷データに基づいて、画像を形成して印刷媒体に形成することにより印刷を行う。
カラースキャナ210によって読み取られた原稿画像を記憶する場合には、スキャナ画像処理部263から出力されるRGB画像データは、画像処理I/F部265を介して書画蓄積制御部272に送られ、HDD276に記憶される。また、カラースキャナ210によって読み取られた原稿画像を外部へ送信する場合には、スキャナ画像処理部263から出力されるRGB画像データは、同様に画像処理I/F部265を介して書画蓄積制御部272に送られ、HDD276又はローカルメモリ277に一時的に記憶されてから、NB278を介しNIC280等によって外部へ送信される。
更に、上述したようにHDD276に記憶された画像データ又は外部から受信した画像データをカラープリンタ100によって印刷する場合には、HDD276に記憶されたRGB画像データ又は外部から受信したRGB画像データは、書画蓄積制御部272を介して画像処理I/F部265に送られ、カラープリンタ画像処理部264に転送される。カラープリンタ画像処理部264は、RGB画像データをCMYK記録色データに変換してから、必要に応じて変倍及び画像加工並びにγ変換及び階調処理を行い、それら処理によって適応されたCMYK印刷データをそれぞれの色に対応する書込ユニットに出力する。カラープリンタ100は、このCMYK印刷データに基づいて、画像形成動作を実行する。
次に、本実施の形態に係るCCD207の構成について図4を用いて説明する。CCD207は、原稿を走査して、原稿に表れる画像を読み取るラインセンサとして、ラインセンサ208a,208bを備える。ラインセンサ208a,208bを各々区別する必要がない場合には、単にラインセンサ208と記載する場合がある。尚、これらのラインセンサ208a,208bは物理的に離れた位置に配置されている。このためこれらのラインセンサ208a,208bは、原稿上では異なる位置の画像を読み取っている。ラインセンサ208a,208bが各々画像を読み取る位置の違いについては後述する。
尚、一般的に、画像読取装置にて各色で複数のラインセンサを持つ読み取りデバイスを使用するのは、副走査方向あるいは主走査方向でそれぞれ物理的に別の位置を読み取ることにより、読み取り解像度を向上させる目的がある。尚、以降特に記載のない限り、図4のCCD207を使用した場合について説明する。しかしCCD207の構成が他の構成であっても、複数のラインセンサを使用する画像読取装置について本実施の形態に係る構成を適用可能である。
次に、本実施の形態に係る間欠動作に関連する構成について図5を用いて説明する。走行体モータ238は、モータドライバ214の制御の下、第1キャリッジ253を移動させる。ADFモータ255は、モータドライバ214の制御の下、ADF230にセットされた原稿を移動させる。モータドライバ214は、CPU261の制御の下、走行体モータ238を制御するためのモータ駆動(PWM)パルスの出力によりドライブされ励磁パルスシーケンスを発生し、走行体モータ238及びADFモータ255を駆動する。CPU261は、第1キャリッジ253の移動を制御することでCCD207が原稿画像を読み取る速度を制御したり、ADF230にセットされた原稿の移動を制御することでCCD207が原稿画像を読み取る速度を制御したりする。具体的には、CPU261は、PWMパルスをモータドライバ214に出力したり、PWMパルスの発生数を計測することで、走行体モータ238により移動する第1キャリッジ253の位置を検出したりする。また、CPU261は、CCD207の動作モードや、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードを制御する。具体的には、CPU261は、読取ユニット211が原稿からの画像の読み取りを開始した場合、CCD207の動作モードをAモードに設定して、この設定に応じて、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードをAモードに設定して、CCD207に原稿画像を読み取らせる。また、CPU261は、原稿画像の読み取りを一時中断すべき要因(間欠要因という)の発生を検出すると、CCD207の動作モードを同時モードに設定し、この設定に応じて、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードを同時モードに設定し、RGB画像データの取り込みの中断を指示する読取中断信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。また、CPU261は、PWMパルスを出力する間隔を広げることで、第1キャリッジ253の移動速度を減速させる。間欠要因としては、例えば、RGB画像データを蓄えるローカルメモリ277の空き容量が第1所定容量以下になること等がある。第1キャリッジ253の減速が完了し、第1キャリッジ253の移動速度が通常の速度の半分に達した時点で、CPU261はRGB画像データの取り込みの再開を指示する読取再開信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。以上のようにして、CPU261は、間欠要因が発生していることを検出した場合、間欠動作1を行う。スキャナ画像処理部263は、読取中断信号を受け取ると、AFE212から出力されるRGB画像データの取り込みを中断し、読取再開信号を受け取ると、AFE212から出力されるRGB画像データの取り込みを再開する。画像切替部266は、CCD207から出力されるRGB画像データの並べ替えを行う。
ここで、CCD207の動作モードについて説明する。CCD207の動作モードとしては、例えば、ラインセンサ208aで読み取った画像を表すアナログ画像信号を出力するAモード、ラインセンサ208bで読み取った画像を表すアナログ画像信号を出力するBモード及びラインセンサ208aで読み取った画像を表すアナログ画像信号とラインセンサ208bで読み取った画像を表すアナログ画像信号との両方を出力する同時モードとがある。CPU261は、CCD207に入力する制御信号sw1、sw2、lsyncにより、CCD207の動作モードを切り替える。lsyncは、ラインセンサ208の1ラインあたりの蓄積時間を規定する制御信号である。sw1は、AモードとBモードとを選択するための制御信号である。sw2は同時モードとそれ以外(Aモード又はBモードのいずれか)を選択するための制御信号である。尚、図示しないが、CPU261は、その他にも画素クロック、リセット信号、クランプ信号等の制御信号をCCD207に入力し得るが、ここではそれらの説明を省略する。セレクタ302は、制御信号sw1、sw2により、ラインセンサ208a,208bのアナログ画像信号の出力方法を選択する。
次に、CCD207に入力される制御信号及びCCD207が出力するアナログ画像信号について図6を用いて説明する。CPU261が、sw1を”H”にし且つsw2を”L”にしてこれらをCCD207に入力した場合、CCD207は、Aモードとして動作する、即ち、ラインセンサ208aで読み取った画像を表すアナログ画像信号のみを出力する。CPU261が、sw1を”L”にし且つsw2を”L”にしてこれらをCCD207に入力した場合、CCD207は、Bモードとして動作する、即ち、ラインセンサ208bで読み取った画像を表すアナログ画像信号のみを出力する。CPU261が、sw2を” H”にしてこれをCCD207に入力した場合、CCD207は、同時モードとして動作する。この場合、CCD207は、ラインセンサ208aで読み取った画像を表すアナログ画像信号とラインセンサ208bで読み取った画像を表すアナログ画像信号とを画素順次で交互に出力する。CCD207の動作モードがAモード又は同時モードに設定されるタイミングと出力されるアナログ画像信号との関係については後述する。
次に、画像切替部266の内部構成について図7を用いて説明する。画像切替部266は、画像切替部入力端子311、画素分離部312、経路313,314、ラインメモリ315、経路316、出力選択部317及び画像切替部出力端子318を備える。画素分離部312は、入力されたRGB画像データについて、ラインセンサ208aによるものとラインセンサ208bによるものとを振り分ける。具体的には、画素分離部312は、読取位置が前のラインセンサによるRGB画像データを経路313に振り分け、読取位置が後のラインセンサによるRGB画像データを経路314に振り分ける。即ち、経路313がラインセンサ208aによるRGB画像データの経由する経路となり、経路314がラインセンサ208bによるRGB画像データデータの経由する経路となる。ラインメモリ315は、経路313から入力されるRGB画像データを、ラインセンサ208aとラインセンサ208bとのライン間隔分だけ遅延させて経路316に出力する。図4の例では、ライン間隔は8ラインである。ラインメモリ315へのRGB画像データの書込みは、信号m_wrにより制御され、ラインメモリ315からのRGB画像データの読み込みは、信号m_rdにより制御される。出力選択部317は、経路316と経路314のうち、いずれの経路のRGB画像データを出力するかを、信号sw_oに従って選択する。即ち、出力選択部317は、ラインセンサ208aによるRGB画像データ及びラインセンサ208bによるRGB画像データのどちらを出力するかを選択する。選択されたRGB画像データは画像切替部出力端子318を経て画像切替部266からの出力として出力される。尚、これらの信号m_wr,m_rd,sw_oはCPU261が上述のCCD207に設定する動作モードに応じて出力する。
次に、本実施の形態にかかるMFP1の行う原稿画像読取処理の手順について図8を用いて説明する。ユーザが、コンタクトガラス231上に原稿をセットして、操作ボード90を介して、画像の形成に係る機能のうち、いずれかの機能(コピー、スキャナ、FAX通信等)を選択して、画像の形成に係る条件(画像濃度、読み取り解像度、画質モード、変倍率等)を設定して、原稿画像の読み取りの開始を指示する操作入力を行うと、MFP1のCPU261は、当該操作入力を受け付け(ステップS1)、CCD207の動作モードをAモードに設定する(ステップS2)。即ち、CPU261は、制御信号sw1”H”にすると共に、制御信号sw2を”L”にしてCCD207に出力する。次いで、CPU261は、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードを、Aモードに設定する(ステップS3)。また、CPU261は、走行体モータ238を制御するためのPWMパルスの生成により、第1キャリッジ253のHP(ホームポジション)からの移動を開始させる(ステップS4)。第1キャリッジ253の移動により、CCD207によって原稿画像を読み取る読取位置が原稿の先端に達した時点で、CPU261は、スキャナ画像処理部263に対して読取開始信号を出力する(ステップS5)。これによりスキャナ画像処理部263が、CCD207が読み取った原稿画像を表わすRGB形式の画像データ(RGB画像データ)の取り込みを開始し、AモードでのRGB画像データの取り込みを続ける(ステップS6)。この間、CPU261は、取り込んだRGB画像データを書画蓄積制御部272を介してローカルメモリ277に書き込む。そして、CPU261は、間欠要因が発生しているか否かを検出する(ステップS7)。間欠要因としては、上述したように、例えば、RGB画像データを蓄えるローカルメモリ277の空き容量が第1所定容量以下になることである。
間欠要因が発生していない場合(ステップS7:NO)、CPU261は、CCD207によって原稿画像を読み取る読取位置が原稿の後端に達しているか否かを判定する(ステップS8)。読取位置が原稿の後端に達していない場合(ステップS8:NO)、ステップS6に戻り、スキャナ画像処理部263がAモードでのRGB画像データの取り込みを続けることになる。読取位置が原稿の後端に達した場合(ステップS8:YES)、ステップS12に進む。一方、間欠要因が発生していることを検出した場合(ステップS7:YES)、CPU261は、間欠動作1を行う(ステップS9)。この処理の詳細については後述する。このとき、CPU261は、CCD207の動作モードを同時モードに設定する(ステップS10)。即ち、CPU261は、制御信号sw2を”H”にしてCCD207に出力する。そして、CPU261は、CCD207によって原稿画像を読み取る読取位置が原稿の後端に達しているか否かを判定する(ステップS11)。読取位置が原稿の後端に達していない場合(ステップS11:NO)、ステップS10に戻る。読取位置が原稿の後端に達した場合(ステップS11:YES)、ステップS12に進む。
ステップS12では、CPU261は、スキャナ画像処理部263に対して読取停止信号を出力する。これによりスキャナ画像処理部263はRGB画像データの取り込みを停止する。その後、CPU261は、走行体モータ238を制御するためのPWMパルスの生成により、カラースキャナ210を停止させ、第1キャリッジ253をHPまで戻らせる(ステップS13)。
ここで、ステップS9の間欠動作1の詳細な手順について図9を用いて説明する。CPU261は、スキャナ画像処理部263に対して読取中断信号を出力する(ステップS20)。これによりスキャナ画像処理部263はRGB画像データの取り込みを中断する。CPU261は、走行体モータ238を制御するためのPWMパルスの発生周期を徐々に大きくすることにより、第1キャリッジ253を減速させる(ステップS21)。そして、CPU261は、CCD207の動作モードを同時モードに設定する(ステップS22)。CPU261は、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードを同時モードに設定する(ステップS23)。そして、CPU261は、PWMパルスの発生周期を、間欠要因の発生前の2倍にすることにより、第1キャリッジ253の移動速度を、間欠要因の発生前の半分の速度にさせる(ステップS24)。その後、CPU261は、CCD207のラインセンサ208bにより原稿画像の読み取りを開始させる位置(読取位置)が、ステップS20でラインセンサ208aによるRGB画像データの取り込みを中断したことにより、ラインセンサ208aによる原稿画像の読み取りを中断した位置(読取中断位置)に到達したか否かを判定する(ステップS25)。ラインセンサ208bの読取位置が読取中断位置に到達していない場合(ステップS25:NO)、CPU261はRGB画像データの取り込みの中断を継続する。一方、ラインセンサ208bの読取位置が読取中断位置に到達した場合(ステップS25:YES)、CPU261は、スキャナ画像処理部263に対して読取再開信号を出力する(ステップS26)。これによりスキャナ画像処理部263はRGB画像データの取り込みを再開する。
ここで、第1キャリッジ253の移動速度について図10を用いて説明する。同図では、横軸が時刻を示し、縦軸がキャリッジの移動速度を示している。また、同図では、図9のステップS20でRGB画像データの取り込みが中断された時点がt1で示され、ステップS26でRGB画像データの取り込みが再開された時点がt2で示されている。t1以前は、間欠要因の発生が検出される前の通常の状態であり、この状態のときの第1キャリッジ253の移動速度を通常の速度とする。t1で間欠要因が検出されRGB画像データの取り込みが中断されると、第1キャリッジ253の移動速度が遅くなり、この移動速度がt1以前の通常の速度の半分になったt2の時点で、RGB画像データの取り込みが再開されることが同図から分かる。
次に、原稿と当該原稿に表れる原稿画像をCCD207により読み取る位置との関係について図11を用いて説明する。同図では、原稿画像の読み取りの際に第1キャリッジ253が左から右に(+y方向に)移動するように示されている。同図(a)は、ラインセンサ208aによる原稿画像の読取位置を示し、同図(b)は、ラインセンサ208bによる原稿画像の読取位置を示す。この図から、ラインセンサ208aとラインセンサ208bとは+y方向で別々の位置を読み取っていることが分かる。尚、この図では原稿画像を左から右側に読み取るため、ラインセンサ208aの方が原稿上で先の画像を読み取ることになる。読取位置Aは、上述のt1でRGB画像データの取り込みが中断された時点でのラインセンサ208bによる原稿画像の読取位置であり、読取位置Bは、その時点でのラインセンサ208aによる原稿画像の読取位置である。読取位置Cは、上述のt2でRGB画像データの取り込みが再開された時点でラインセンサ208aが原稿画像を読み取る位置である。t2以降は、ラインセンサ208aとラインセンサ208bとで原稿画像が同時に読み取られる。RGB画像データの取り込みの停止によって、原稿画像の読み取りが一時中断している期間は、t1からt2の間である。即ち、ラインセンサ208aは原稿上で位置Bから位置Cまでの領域を読み取らないことになる。この領域については、t2以降にラインセンサ208bが読み取る。従って、ラインセンサ208aとラインセンサ208bとによるRGB画像データを組み合わせることにより、原稿画像を表す画像データを途切れなく構成できる。
ここで、CCD207によって原稿画像を読み取る領域について図12を用いて説明する。図11に示されるように、原稿画像の読み取りの一時中断が発生する場合には、ラインセンサ208bで読み取る領域と、ラインセンサ208aで読み取る領域とがある。ラインセンサ208aで読み取る領域は位置Aから位置Bまでの領域及び位置C以降の領域であり、ラインセンサ208bで読み取る領域は、位置B以降の領域になる。これら2つの領域を組み合わせることで、原稿画像を表す画像データを途切れなく構成することができるのである。
次に、CCD207の動作モードがAモードであるとき及び同時モードであるときにCCD207により読み取られた原稿画像を表すアナログ画像信号が出力されるタイミングについて図6を用いて説明する。上述したように、t1以前では、CCD207の動作モードはAモードであり、t2以降では、CCD207の動作モードは同時モードである。このため、t2以前では、CCD207からは、ラインセンサ208aから出力されたアナログ画像信号が出力され、t2以降では、CCD207からは、ラインセンサ208aから出力されたアナログ画像信号及びラインセンサ208bから出力されたアナログ画像信号が出力される。尚、同時モードでは、1ラインでラインセンサ208aで読み取った画像を表すアナログ画像信号とラインセンサ208bで読み取った画像を表すアナログ画像信号とを両方出力する必要があるため、Aモード及びBモードに比べてlsyncの周期を2倍にする。一方で、図10を用いて説明した通り、t2以降では第1キャリッジ253の移動速度は通常時(t1以前)の半分となる。その結果、t1以前とt2以降とでは、副走査の読取解像度が同じになる。
次に、画像切替部266に入力される信号と、画像切替部入力端子311、経路313,314,316及び画像切替部出力端子318を経由するRGB画像データについて図13を用いて説明する。画像切替部266に入力される信号には、上述したように、ラインメモリ315へのRGB画像データの書き込みを制御するm_wr、ラインメモリ315からの画像データの読み込みを制御するm_rd及び出力選択部317からのRGB画像データの出力の選択を制御するsw_oがある。ラインメモリ315は、m_wrが”H”の場合は経路313のRGB画像データを書き込み、m_wrが”L”の場合は書き込まない。ラインメモリ315は、m_rdが”H”の場合は経路316にRGB画像データを読み込み、”L”の場合は読み込まない。出力選択部317は、sw_oが”H”の場合は経路316の画像データを画像切替部出力端子318に出力し、sw_oが”L”の場合は経路314の画像データを画像切替部出力端子318に出力する。
ラインメモリ315へは、t1以前とt2以降の間に、経路313のRGB画像データ(ラインセンサ208aによるRGB画像データ)が書き込まれる。ラインメモリ315からは、ラインメモリ315への書込みの8ライン後に、経路316にRGB画像データが書き込まれる。t2以降8ライン後までは、経路314のRGB画像データ(ラインセンサ208bによるRGB画像データ)が画像切替部出力端子318に出力される。この期間に、図11〜12に示される位置Bから位置Cまでの領域の画像を表すRGB画像データが出力される。またそれ以外の期間では、経路316のRGB画像データが画像切替部出力端子318に出力される。この期間に、位置Bまで及び位置C以降のRGB画像データが出力される。このような構成によれば、間欠動作1の間であっても、CCD207で読み取った原稿画像を表す画像データを途切れなく出力することができる。
以上のように、本実施の形態においては、間欠要因が発生するまでは、通常の速度で原稿を走査して、複数のラインセンサのうち一方のラインセンサのみで原稿画像を読み取り、間欠要因が発生すると、通常よりも遅い速度で原稿を走査して、複数のラインセンサで原稿画像を読み取る。これにより、構成を複雑化することなく、アナログ画像処理手段及びデジタル画像処理手段を1系統のみ備える画像形成装置であっても、原稿全体の読み取りに掛かる時間を短縮することができる。
[第2の実施の形態]
次に、画像形成装置の第2の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
本実施の形態においては、CPU261は、第1の実施の形態と同様に、間欠要因が発生していることを検出した場合、CCD207の動作モードを同時モードに設定し、この設定に応じて、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードを同時モードに設定し、読取中断信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。また、CPU261は、PWMパルスを出力する間隔を広げることで、第1キャリッジ253の移動速度を減速させる。ここで、本実施の形態においては、CPU261は、更に、間欠要因2の発生を検出した場合、PWMパルスの生成を停止して、第1キャリッジ253を停止させる。間欠要因2としては、例えば、ローカルメモリ277の空き容量が、第1所定容量より小さい第2所定容量以下になることである。その後、間欠要因2が解消した場合、CPU261は、PWMパルスを生成して、第1キャリッジ253を加速させ、第1キャリッジ253の移動速度が通常の速度の半分に達した時点で、読取再開信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。
次に、本実施の形態にかかるMFP1の行う原稿画像読取処理の手順について図14を用いて説明する。ステップS1〜S10は第1の実施の形態と同様である。ステップS10の後、ステップS30では、CPU261は、更に、間欠要因2が発生しているか否かを検出する。間欠要因2としては、例えば、ローカルメモリ277の空き容量が、ステップS7の時点より更に少なくなって、第2所定容量以下になることである。間欠要因2が発生していない場合(ステップS30:NO)、ステップS11に進む。ステップS11は第1の実施の形態と同様である。間欠要因2が発生していることを検出した場合(ステップS30:YES)、CPU261は、間欠動作2を行う(ステップS31)。尚、間欠動作2では、CCD207の動作モードは同時モードのまま変更されない。
ここで、ステップS31の間欠動作2の詳細な手順について図15を用いて説明する。ステップS40〜S41は第1の実施の形態で図9を用いて説明したステップS20〜S21と同様である。ステップS41の後、ステップS42では、CPU261は、PWMパルスの生成を停止する。これにより第1キャリッジ253は停止する。次いで、CPU261は、間欠要因2が解消されたか否かを検出する(ステップS43)。即ち、CPU261は、例えば、ローカルメモリ277の空き容量が第2所定容量より大きくなったか否かを検出する。間欠要因2が解消していない場合(ステップS43:NO)、CPU261は、RGB画像データの取り込みの中断及び第1キャリッジ253の停止を継続させる。一方、間欠要因2が解消したことを検出した場合(ステップS43:YES)、CPU261はPWMパルスを生成し、更に、その発生周期を徐々に小さくする(ステップS44)。これにより第1キャリッジ253は加速する。その後のステップS45〜S47は第1の実施の形態で図9を用いて説明したステップS24〜S26と同様である。
次に、図14のステップS31における間欠動作2前後の第1キャリッジ253の移動速度について図16を用いて説明する。また、同図では、図15のステップS40でRGB画像データの取り込みが中断された時点がt3で示され、ステップS42で第1キャリッジ253が停止した時点がt4で示され、ステップS47でRGB画像データの取り込みが再開された時点がt5で示されている。t3で間欠要因2が検出される直前は、第1キャリッジ253の移動速度は通常の速度の半分であり、間欠要因2が検出されてPWMパルスの生成が停止されると、第1キャリッジ253が減速して、t4では、第1キャリッジ253の移動速度は「0」となる。これにより、第1キャリッジ253をHPに戻すことなく、間欠動作を行うことができる。その後、間欠要因2の解消により、第1キャリッジ253が加速されて、t5で第1キャリッジ253の移動速度が通常の速度の半分まで回復した時点でRGB画像データの取り込みが再開されることが同図から分かる。第1キャリッジ253の減速、停止及び加速の期間では、RGB画像データの取り込みは中断される。
次に、原稿と当該原稿に表れる原稿画像をCCD207により読み取る位置との関係について図17を用いて説明する。同図では、原稿画像の読み取りの際に第1キャリッジ253が左から右に(+y方向に)移動するように示されている。同図(a)は、ラインセンサ208aによる原稿画像の読取位置を示し、同図(b)は、ラインセンサ208bによる原稿画像の読取位置を示す。読取位置Dは、上述のt3でRGB画像データの取り込みが中断された時点でのラインセンサ208bによる原稿画像の読取位置であり、読取位置Eは、この時点でのラインセンサ208aによる原稿画像の読取位置である。読取位置Fは、上述のt5でRGB画像データの取り込みが再開された時点でのラインセンサ208aによる原稿画像の読取位置である。t5以降は、ラインセンサ208aとラインセンサ208bとで原稿画像が同時に読み取られる。RGB画像データの取り込みの停止によって、原稿画像の読み取りが一時中断している期間は、t3からt5の間である。即ち、ラインセンサ208aは原稿上で位置Eから位置Fまでの領域を読み取らないことになる。この領域については、t5以降にラインセンサ208bが読み取る。従って、ラインセンサ208aとラインセンサ208bとによるRGB画像データを組み合わせることにより、原稿画像を表す画像データを途切れなく構成できる。
次に、t3〜t5の前後でCCD207により読み取られた原稿画像を表すアナログ画像信号が出力されるタイミングについて図18を用いて説明する。t3の直前では、CCD207の動作モードは同時モードであり、CCD207からは、ラインセンサ208aから出力されたアナログ画像信号及びラインセンサ208bから出力されたアナログ画像信号が出力される。t3〜t5までの期間は、原稿画像の読み取りが中断され、ラインセンサ208a及びラインセンサ208bからアナログ画像信号が出力されず、従って、CCD207からはアナログ画像信号が出力されない。t5以降は、原稿画像の読み取りが再開され、CCD207の動作モードは同時モードのままで、CCD207からは、ラインセンサ208aから出力されたアナログ画像信号及びラインセンサ208bから出力されたアナログ画像信号が出力される。
次に、図14のステップS31の間欠動作2の前後において、画像切替部266に入力される信号と、画像切替部入力端子311、経路313,314,316及び画像切替部出力端子318を経由するRGB画像データについて図19を用いて説明する。ラインメモリ315へは、t3以前とt5以降の間に、経路313のRGB画像データ(ラインセンサ208aによるRGB画像データ)が書き込まれる。ラインメモリ315からは、ラインメモリ315への書込みの8ライン後に、経路316にRGB画像データが書き込まれる。t5以降8ライン後までは、経路314のRGB画像データ(ラインセンサ208bによるRGB画像データ)が画像切替部出力端子318に出力される。この期間に、図17に示される位置Eから位置Fまでの領域の画像を表すRGB画像データが出力される。またそれ以外の期間では、経路316のRGB画像データが画像切替部出力端子318に出力される。この期間に、位置Eまで及び位置F以降のRGB画像データが出力される。このような構成によれば、間欠動作の間であっても、CCD207で読み取った原稿画像を表す画像データを途切れなく出力することができる。
以上のような構成によれば、アナログ画像処理手段及びデジタル画像処理手段を1系統のみ備える画像形成装置であっても、原稿全体の読み取りに掛かる時間を短縮することができる。
[第3の実施の形態]
次に、画像形成装置の第3の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
本実施の形態においては、CPU261は、第1の実施の形態と同様に、間欠要因が発生していることを検出した場合、CCD207の動作モードを同時モードに設定し、この設定に応じて、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードを同時モードに設定し、読取中断信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。また、CPU261は、PWMパルスを出力する間隔を広げることで、第1キャリッジ253の移動速度を減速させる。ここで、本実施の形態においては、CPU261は、間欠要因が解消したことを検出した場合、CCD207の動作モードをBモードに設定し、この設定に応じて、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードをBモードに設定し、読取中断信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。また、CPU261は、PWMパルスを出力する間隔を通常と同じにすることで、第1キャリッジ253の移動速度を加速させる。そして、CPU261は、第1キャリッジ253の移動速度が通常の速度に達した時点で、読取再開信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。また、CPU261は、第2の実施の形態と同様に、更に、間欠要因2の発生を検出した場合、PWMパルスの生成を停止して、第1キャリッジ253を停止させ、その後、間欠要因2が解消した場合、PWMパルスを生成して、第1キャリッジ253を加速させ、第1キャリッジ253の移動速度が通常の速度に達した時点で、読取再開信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。
次に、本実施の形態にかかるMFP1の行う原稿画像読取処理の手順について図20を用いて説明する。ステップS1〜S10は第1の実施の形態と同様である。ステップS10の後、ステップS50では、CPU261は、ステップS7で検出した間欠要因が解消したか否かを検出する。ステップS7で検出した間欠要因が解消していない場合(ステップS50:NO)、ステップS30に進む。ステップS30以降は第2の実施の形態と同様である。一方、ステップS7で検出した間欠要因が解消した場合(ステップS50:YES)、CPU261は、間欠動作3を行う(ステップS51)。
ここで、ステップS51の間欠動作3の詳細な手順について図21を用いて説明する。ステップS60〜S61は第1の実施の形態で図9を用いて説明したステップS20〜S21と同様である。ステップS61の後、ステップS62では、CPU261は、CCD207の動作モードをBモードに設定する。即ち、CPU261は、制御信号sw1を”L”にすると共に、制御信号sw2を”L”にしてCCD207に出力する。CPU261は、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードをBモードに設定する(ステップS63)。そして、CPU261は、PWMパルスの発生周期を、間欠要因の発生前と同じにすることにより、第1キャリッジ253の移動速度を、間欠要因の発生前と同じ速度(通常の速度)にさせる(ステップS64)。その後、CPU261は、CCD207のラインセンサ208bにより原稿画像の読み取りを開始させる位置(読取位置)が、ステップS60でラインセンサ208aによるRGB画像データの取り込みを中断したことにより、ラインセンサ208aによる原稿画像の読み取りを中断した位置(読取中断位置)に到達したか否かを判定する(ステップS65)。ラインセンサ208bの読取位置が読取中断位置に到達していない場合(ステップS65:NO)、CPU261はRGB画像データの取り込み中断を継続する。一方、ラインセンサ208bの読取位置が読取中断位置に到達した場合(ステップS65:YES)、CPU261は、スキャナ画像処理部263に対して読取再開信号を出力する(ステップS66)。これによりスキャナ画像処理部263はRGB画像データの取り込みを再開する。
図20の説明に戻る。ステップS51の後、CPU261は、BモードでのRGB画像データの取り込みを続け(ステップS52)、CCD207によって原稿画像を読み取る読取位置が原稿の後端に達しているか否かを判定する(ステップS53)。読取位置が原稿の後端に達していない場合(ステップS53:NO)、ステップS52に戻る。読取位置が原稿の後端に達した場合(ステップS53:YES)、ステップS12に進む。ステップS12以降は第1の実施の形態と同様である。
次に、図20のステップS51における間欠動作3前後の第1キャリッジ253の移動速度について図22を用いて説明する。また、同図では、図21のステップS60でRGB画像データの取り込みが中断された時点がt6で示され、ステップS66でRGB画像データの取り込みが再開された時点がt7で示されている。t6でRGB画像データの取り込みが中断される直前は、第1キャリッジ253の移動速度は通常の速度の半分であるが、間欠要因が解消してPWMパルスの発生周期が間欠要因の発生前と同じにされると、第1キャリッジ253が加速して、t7で、第1キャリッジ253の移動速度は通常の速度と同じになった時点でRGB画像データの取り込みが再開されることが同図から分かる。第1キャリッジ253の加速の期間では、RGB画像データの取り込みは中断される。
次に、原稿と当該原稿に表れる原稿画像をCCD207により読み取る位置との関係について図23を用いて説明する。同図では、原稿画像の読み取りの際に第1キャリッジ253が左から右に(+y方向に)移動するように示されている。同図(a)は、ラインセンサ208aによる原稿画像の読取位置を示し、同図(b)は、ラインセンサ208bによる原稿画像の読取位置を示す。読取位置Gは、上述のt6でRGB画像データの取り込みが中断された時点でのラインセンサ208bによる原稿画像の読取位置であり、読取位置Hは、この時点でのラインセンサ208aによる原稿画像の読取位置である。読取位置Iは、上述のt7でRGB画像データの取り込みが再開された時点でのラインセンサ208aによる原稿画像の読取位置である。t7以降は、ラインセンサ208bで原稿画像が読み取られる。RGB画像データの取り込みの停止によって、原稿画像の読み取りが一時中断している期間は、t6からt7の間である。即ち、ラインセンサ208aは原稿上で位置H以降の領域を読み取らないことになる。この領域については、t7以降にラインセンサ208bが読み取る。従って、ラインセンサ208aとラインセンサ208bとによるRGB画像データを組み合わせることにより、原稿画像を表す画像データを途切れなく構成できる。
次に、t6〜t7の前後でCCD207により読み取られた原稿画像を表すアナログ画像信号が出力されるタイミングについて図24を用いて説明する。t6の直前では、CCD207の動作モードは同時モードであり、CCD207からは、ラインセンサ208aから出力されたアナログ画像信号及びラインセンサ208bから出力されたアナログ画像信号が出力される。t6〜t7までの期間は、原稿画像の読み取りが中断され、ラインセンサ208a及びラインセンサ208bからアナログ画像信号が出力されず、従って、CCD207からはアナログ画像信号が出力されない。t7以降は、原稿画像の読み取りが再開され、CCD207の動作モードはBモードとなり、CCD207からは、ラインセンサ208bから出力されたアナログ画像信号が出力される。
次に、図20のステップS51の間欠動作3の前後において、画像切替部266に入力される信号と、画像切替部入力端子311、経路313,314,316及び画像切替部出力端子318を経由するRGB画像データについて図25を用いて説明する。ラインメモリ315へは、t6以前に、経路313のRGB画像データ(ラインセンサ208aによるRGB画像データ)が書き込まれる。ラインメモリ315からは、ラインメモリ315への書込みの8ライン後に、経路316にRGB画像データが読み込まれる。t6以降t7以前の期間では、経路316のRGB画像データが画像切替部出力端子318に出力される。t7以降では、経路314のRGB画像データ(ラインセンサ208bによるRGB画像データ)が画像切替部出力端子318に出力される。この期間に、位置H以降のRGB画像データが出力される。このような構成によれば、間欠動作の間であっても、CCD207で読み取った原稿画像を表す画像データを途切れなく出力することができる。
以上のような構成によれば、構成を複雑化することなく、アナログ画像処理手段及びデジタル画像処理手段を1系統のみ備える画像形成装置であっても、原稿全体の読み取りに掛かる時間をより短縮することができる。
[第4の実施の形態]
次に、画像形成装置の第4の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。
本実施の形態においては、CPU261は、第1の実施の形態と同様に、間欠要因が発生していることを検出した場合、CCD207の動作モードを同時モードに設定し、この設定に応じて、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードを同時モードに設定し、読取中断信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。また、CPU261は、更に、間欠要因2の発生を検出した場合、CCD207の動作モードをBモードに設定し、この設定に応じて、AFE212及びスキャナ画像処理部263の動作モードをBモードに設定し、PWMパルスの生成を停止して、第1キャリッジ253を停止させる。その後、CPU261は、いずれの間欠要因及び間欠要因2も解消した場合、PWMパルスを生成して、第1キャリッジ253を加速させ、第1キャリッジ253の移動速度が通常の速度に達した時点で、読取再開信号をスキャナ画像処理部263に対して出力する。
次に、本実施の形態にかかるMFP1の行う原稿画像読取処理の手順について図26を用いて説明する。ステップS1〜S10は第1の実施の形態と同様である。ステップS30は第2の実施の形態と同様である。間欠要因2が発生していない場合(ステップS30:NO)、ステップS11に進む。ステップS11は第1の実施の形態と同様である。間欠要因2の発生を検出した場合(ステップS30:YES)、CPU261は、間欠動作4を行う(ステップS70)。
ここで、ステップS70の間欠動作4の詳細な手順について図27を用いて説明する。ステップS80〜S81は第1の実施の形態で図9を用いて説明したステップS20〜S21と同様である。ステップS82〜S83は第3の実施の形態で図21を用いて説明したステップS62〜S63と同様である。ステップS84は第2の実施の形態で図15を用いて説明したステップS42と同様である。ステップS84の後、ステップS85では、CPU261は、図26のステップS7で検出した間欠要因及びステップS30で検出した間欠要因2が解消されたか否かを検出する。即ち、CPU261は、例えば、ローカルメモリ277の空き容量が第1所定容量より大きくなったか否かを検出する。これらの間欠要因及び間欠要因2が解消されていない場合(ステップS85:NO)、RGB画像データの取り込みの中断及び第1キャリッジ253の停止を継続させる。一方、これらの間欠要因及び間欠要因2が解消したことを検出した場合(ステップS85:YES)、CPU261はPWMパルスを生成し、更に、その発生周期を徐々に小さくする(ステップS86)。これにより第1キャリッジ253は加速する。その後のステップS87〜S89は第1の実施の形態で図9を用いて説明したステップS24〜S26と同様である。
図26の説明に戻る。ステップS70の後、CPU261は、BモードでのRGB画像データの取り込みを続け(ステップS71)、CCD207によって原稿画像を読み取る読取位置が原稿の後端に達しているか否かを判定する(ステップS72)。読取位置が原稿の後端に達していない場合(ステップS72:NO)、ステップS71に戻る。読取位置が原稿の後端に達した場合(ステップS72:YES)、ステップS12に進む。ステップS12以降は第1の実施の形態と同様である。
以上のような構成によれば、構成を複雑化することなく、アナログ画像処理手段及びデジタル画像処理手段を1系統のみ備える画像形成装置であっても、原稿全体の読み取りに掛かる時間をより短縮することができる。
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
上述した各実施の形態において、MFP1で実行される各種プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また当該各種プログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成しても良い。
上述の各実施の形態に係る画像形成装置を、コピー機能、印刷機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を有する複合機であるMFP1に適用した例を挙げて説明したが、これらのうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用しても良いし、複写機、カラープリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
上述の各実施の形態においては、MFP1は、ユーザが、ADF230に原稿をセットして、操作ボード90を介して、原稿画像の読み取りの開始を指示する操作入力を行った場合に、上述の間欠動作を行う際、第1キャリッジ253ではなく、ADFモータ255により移動する原稿の速度を制御して、上述の間欠動作、間欠動作2、間欠動作3及び間欠動作4の少なくとも1つを行うようにしても良い。