JP2010074197A - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容量を低下させずにLC値が低くまたはそのバラツキを小さくしあるいは耐熱性が良好であることを特徴としたニオブ焼結体からなる一方の電極を有したコンデンサおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】誘電体がニオブ焼結体からなる電極の上に形成された酸化ニオブからなるコンデンサの製造方法において、ニオブ焼結体からなる一方の電極を陽極として電解液中で電解酸化を行うに際して、初期に電流値をニオブ焼結体からなる一方の電極の重量あたり200[mA]以上とした定電流状態で電解酸化を開始しその後定電圧で電解酸化を継続することによって該誘電体を作製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンデンサおよびその製造方法に関する、特に容量を低下させずに漏れ電流(以下「LC」と略す。)値が低くまたはそのバラツキが小さく、あるいは耐熱性が良好であるコンデンサおよびその製造方法に関する。
携帯電話やパーソナルコンピューター等の電子機器に使用されるコンデンサは、小型で大容量のものが望まれている。このようなコンデンサの中でもタンタル電解コンデンサは、大きさの割には容量が大きくしかも性能が良好なため、好んで使用されている。通常タンタル電解コンデンサの誘電体として酸化タンタルが使用されているがさらに容量を大きくするために、誘電率のより大きい酸化ニオブを誘電体としたニオブ電解コンデンサが検討されている。
特開平3−3311号公報 特開平2−267915号公報
ニオブからなる一方の電極を陽極として電解液中で電解酸化を行う従来の方法で得られたニオブ誘電体を用いたニオブ電解コンデンサの容量は大きくなるが、LC値が大きくなる場合がありまたはそのバラツキが大きくなる場合がありあるいは耐熱性も不充分である場合があり、より信頼性の向上が求められている。
本発明は、上記状況を鑑みてなされたものであり、その目的は容量を低下させずにLC値が低くまたはそのバラツキを小さくしあるいは耐熱性が良好であるコンデンサおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決する為に鋭意研究した結果、酸化ニオブの誘電体を形成する時の製造方法として特異な電解酸化方法を用いることにより上記課題が解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
1)上記課題を解決する第1の発明は、二つの電極と少なくともその間に介在した誘電体とから構成され、該電極の一方の電極がニオブ焼結体からなり、該誘電体が前記ニオブ焼結体からなる電極の上に形成された酸化ニオブからなるコンデンサの製造方法において、一方の電極のニオブ焼結体はニオブ粉体を加圧成型した後100×133〜10-6×133[Pa]の条件下で500〜2000℃で焼結したものであり、該ニオブ焼結体からなる一方の電極を陽極として電解液中で電解酸化を行うに際して、初期に電流値をニオブ焼結体からなる一方の電極の重量あたり200[mA]以上とした定電流状態で電解酸化を開始しその後定電圧で電解酸化を継続することによって該誘電体を作製することを特徴とするコンデンサの製造方法。
2)上記課題を解決する第2の発明は、一方の電極のニオブが一部窒化されていることを特徴とする上記1)に記載のコンデンサの製造方法である。
3)上記課題を解決する第3の発明は、一方の電極のニオブの窒素量が50〜150000重量ppmであることを特徴とする上記2)に記載のコンデンサの製造方法である。
4)上記課題を解決する第4の発明は、電解液がりん酸からなる水溶液で、その濃度が0.01重量%以上5重量%以下であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか1項に記載のコンデンサの製造方法である。
5)上記課題を解決する第5の発明は、電解酸化時の温度が60℃以上であることを特徴とする上記1)〜4)いずれか1項に記載のコンデンサの製造方法である。
6)上記課題を解決する第6の発明は、一方の電極の構造が焼結体であって、CV値が少なくとも50000[CV/g]以上であることを特徴とした上記1)〜5)のいずれか一項に記載のコンデンサの製造方法である。
7)上記課題を解決する第7の発明は、二つの電極と少なくともその間に介在した誘電体とから構成され、該電極の一方の電極がニオブからなり、該誘電体が前記ニオブからなる電極の上に形成された酸化ニオブからなるコンデンサにおいて、ニオブからなる一方の電極を陽極として電解液中で電解酸化を行うに際して、初期に電流値をニオブからなる一方の電極の重量あたり200[mA]以上とした定電流状態で電解酸化を開始しその後定電圧で電解酸化を継続することによって形成された該誘電体を有するコンデンサである。
8)上記課題を解決する第8の発明は、一方の電極のニオブが一部窒化されていることを特徴とする上記7)に記載のコンデンサである。
9)上記課題を解決する第9の発明は、一方の電極の構造が焼結体であって、CV値が少なくとも50000[CV/g]以上であることを特徴とした上記7)または8)に記載のコンデンサである。
本発明のコンデンサの製造方法に従えば、ニオブからなる一方の電極を陽極として電解液中で電解酸化を行うに際して、初期に電流値をニオブからなる一方の電極の重量あたり200[mA]以上とした定電流状態で電解酸化を開始しその後定電圧で電解酸化を継続することによって該誘電体を作製しているので、容量を低下させずにLC値が低くまたはそのバラツキが小さく、あるいは耐熱性が良好なコンデンサを製造することが出来る。
[作用]
本発明の作用は必ずしも明確ではないが以下のように推定できる。通常ニオブはタンタルより酸素親和力が大きいため誘電体を作製中に誘電対中の酸素が内部の電極側に引き抜かれるが、この現象よりも速く誘電体を作製することによって安定な誘電体を形成できると推定できる。つまり一般に良好な誘電体が形成されると思われる電流値よりもはるかに高い値の定電流状態で速く誘電体を形成する方法によってより安定な誘電体が形成されていると推定している。さらには誘電体を形成する電解酸化時の電解液の濃度、誘電体を形成する電解酸化時の温度を調整するなどの方法によって高容量でより安定な誘電体が形成されていると推定している。
本発明のコンデンサを得るための一実施形態を説明する。本発明のコンデンサの製造方法において用いられる一方の電極を構成するニオブはニオブの合金を含みその形状は板状、箔状、棒状、焼結体などとすることができる。大きさは作製するコンデンサの容量を勘案して任意に決定できる。箔状、棒状の場合は、折り曲げたり巻き回したり、表面をエッチングしたりして、容量を大きくするために単位体積当たりの表面積を増大させて使用しても良い。焼結体を作製する場合は例えば前述した材料の粉体を加圧成型した後100×133〜10-6×133[Pa]の条件下で500〜2000℃、数分間〜数時間放置する方法を用いることが出来る。
上記、電極の表面には電解酸化によって酸化ニオブからなる誘電体が形成される。本発明においてはニオブからなる電極を陽極として電解液中で別途用意した対極との間で電圧印加することで該誘電体はニオブからなる電極上に形成される。ここで、誘電体を形成する電解酸化の方法は以下のようにする。まず初期に、一般に良好な誘電体が形成されると思われる電流値よりもはるかに高い値(例えば10倍以上)の定電流状態で電解酸化を開始する。その後所定の電圧になった時点でその所定の電圧を維持した定電圧状態にて電解酸化を継続して行う。このように電解酸化を実施することにより所定の電圧に短時間で到達する。このように形成した誘電体膜を形成された電極を用いると漏れ電流値(以下「LC値」という。)が低くまたはそのバラツキが小さく、あるいは耐熱性が良好なコンデンサを得ることができる。例えば定電流値を、ニオブからなる一方の電極の重量あたり200[mA]以上、好ましくは400[mA]以上とする。定電流値が200[mA]未満であると、漏れ電流値が低くまたはそのバラツキが小さく、あるいは耐熱性が良好なコンデンサを得ることは困難である。
対極としてはタンタル、ニオブ、白金、鉄ニッケル合金などが従来公知の金属を使用することが出来る。また、印加する前述した所定の電圧値は作製するコンデンサの作動電圧と容量値を考慮して任意に決定することが出来る。たとえば、作動電圧が10Vのコンデンサでは印加電圧40V、作動電圧が6.3Vのコンデンサでは印加電圧20〜22Vが用いられる。
電解液の種類としては、鉱酸、有機酸、それらの酸の塩を1種以上使用した水溶液、それらの酸の塩を1種以上使用した非水溶液などを使用できる。とりわけ、作業の容易性安全性など実用性の点から、りん酸からなる水溶液を用いその濃度を0.01重量%以上5重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以上4重量%以下にしておくおくことが好ましい。0.01重量%未満であると所定電圧になるまでに長時間必要となり、本発明の作用の効果が得られにくくなるおそればあるばかりでなく生産効率の面からも不利である。また5重量%を越えると作製したコンデンサの容量が減少する場合がある。
電解温度は好ましくは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。60℃未満であると本発明の作用の効果が得られにくくなるおそれがあるばかりでなく作製したコンデンサのLC値がばらつきが大きくなる場合がある。
本発明の一方の電極であるニオブはその一部を窒素化したものであっても良い。LC値をより低下させる点から、窒素量は50〜150000重量ppm、好ましくは100〜7000重量ppm、更に好ましくは500〜7000重量ppmとすることが出来る。窒化方法としては、ガス窒化、液体窒化、イオン窒化、ガス窒化などのうちいずれかあるいはそれらの組み合わせた方法で実施することができる。
窒素ガス雰囲気に放置することによるガス窒化処理は、装置が簡便で操作が容易なため好ましい。窒素化する温度は2000℃以下で時間は数10時間で目的とする窒素量の一部窒化したニオブが得られるが一般に高温ほど短時間で所定量の窒素量のものを得ることが出来る。また、室温下でも窒素雰囲気中に数10時間ニオブを放置しておくと数100重量ppmの窒素量の一部窒化したニオブを得ることが出来る。また、窒素を加圧導入することにより窒化を時間短縮することが可能である。逆に窒素を減圧下に導入すると窒化の時間が遅くなる。たとえば、0.01×133[Pa]等の極端な減圧下に前記ニオブを放置しても工業的な数10時間の範囲では窒化はほとんど起こらない。
さらに、電極の構造を焼結体とした場合、ニオブやニオブ合金またはそれらの一部窒化された粉体を使用して焼結体を作製し、CV値(容量と電解酸化時の印加電圧との積を電極重量で割った値)を少なくとも50000[CV/g]以上としたものが大容量のコンデンサを得ることが出来るので好ましい。たとえば平均粒径が3〜5[μm]の粉体を用いることでそのCV値を得ることができる。さらに焼結体を作製する粉体の形状の平均粒径を小さくすることにより大きなCV値を得ることができる。100000[CV/g]以上を得るためには例えば0.3〜2[μm]にすることにより、さらに600000[CV/g]以上を得るためには例えば0.2[μm]以下にすることにより、より大高容量のコンデンサを得るために要求されるより大きなCV値を有する焼結体とすることが出来る。
このような平均粒径を有するニオブ粉は、たとえばフッ化ニオブ酸カリのナトリウム還元物の粉砕による方法、ニオブインゴットの水素化物の粉砕および脱水素による方法、酸化ニオブの炭素還元による方法等によって得ることができる。たとえばニオブインゴットの水素化物の粉砕および脱水素から得る方法の場合、ニオブインゴットの水素化量と粉砕時間、粉砕装置などを調製することにより、希望の平均粒径を有するニオブ粉を得ることができる。
焼結体を作製後窒化する方法を用いて、一部窒化した電極を得ることも出来る。例えば、ニオブ粉を成型して焼結後、該焼結体を前述した窒化処理方法を用いて窒化することが出来る。
ここで本明細書中でニオブ、ニオブ粉体への窒素量とはこれらの材料に吸着した状態のものではなく確実に結合し窒化したものである。
一方、本発明のコンデンサの他方の電極は格別限定されるものではなく、例えば、アルミ電解コンデンサ業界で公知である電解液、有機半導体および無機半導体から選ばれた少なくとも一種の化合物が挙げられる。電解液の具体例としてはイソブチルトリプロピルアンモニウムボロテトラフルオライド電解質を5重量%溶解したジメチルホルムアミドとエチレングリコールの混合溶液、テトラエチルアンモニウムボロテトラフルオライドを7重量%溶解したプロピレンカーボネートとエチレングリコールの混合溶液等が挙げられる。有機半導体の具体例としては、ベンゾピロリン四量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)で表される高分子にドーパントをドープした電導性高分子を主成分とした有機半導体が挙げられる。無機半導体の具体例としては二酸化鉛または二酸化マンガンを主成分とする無機半導体、四三酸化鉄からなる無機半導体などが挙げられる。このような半導体は単独でも、または二種以上組み合わせて使用しても良い。
Figure 2010074197
Figure 2010074197
式(1)および(2)において、R1〜R4は水素、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、これらは互いに同一であっても相違してもよく、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1とR2およびR3とR4は互いに結合して環状になっていても良い。式(1)または(2)で表される高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、およびこれらの高分子の誘導体などが挙げられる。
上記の有機半導体および無機半導体として、電導度10-2S・cm-1〜103S・cm-1の範囲のものを使用すると、作製したコンデンサのインピーダンス値がより小さくなり、高周波での容量をさらに一層大きくすることができる。
さらに他方の電極が固体の場合には、例えば他方の電極上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層し、エポキシ樹脂のような材料で封口してコンデンサが構成される。このコンデンサはニオブと一体に成型された、または後から電極に溶接されたニオブまたはタンタルのリード線を有していても良い。また他方の電極が液体の場合には、前記両極と誘電体から構成されたコンデンサを、例えば、他方の電極と電気的に接続した缶に収納してコンデンサが形成される。この場合、ニオブの電極側はたとえば前記したニオブまたはタンタルリード線を介して外部に導出されると同時に、絶縁性ゴム等により、缶との絶縁がはかられるように設計されている。
以上説明した本発明に従って、コンデンサを作製することにより、容量を低下させずにLC値が低くまたはそのバラツキを小さく、あるいは耐熱性が良好なコンデンサを製造することが出来る。
以下本発明の具体例についてさらに詳細に説明する。粉体の窒化量は次のように測定した。熱伝導度から窒素量を求めるLECO社製酸素窒素量測定器を用いて粉体の窒素量を求め、別途測定した粉体の質量との比を窒化量とした。
焼結体の容量は次のように測定した。室温において、30%硫酸中に浸漬させた焼結体と硫酸液中に入れたタンタル材の電極と間にHP製LCR測定器を接続して測定した120Hzでの容量を焼結体の容量とした。
焼結体の漏れ電流値(LC値)は次のように測定した。室温において、20%りん酸水溶液中に浸漬させた焼結体とりん酸水溶液中に入れた電極と間に誘電体作製時の化成電圧の70%の電圧の直流電圧を3分間印可し続けた後に測定された電流値を焼結体の漏れ電流値とした。本発明では、14[V]の電圧を印加した。
チップに加工したコンデンサの容量は次のように測定した。室温において、作製したチップの端子間にHP製LCR測定器を接続して測定した120Hzでの容量をチップに加工したコンデンサの容量とした。
チップに加工したコンデンサの漏れ電流は以下のように測定した。定格電圧値(2.5[V]、4[V]、6.3[V]、10[V]、16[V]、25[V]等)のうち誘電体作製時の化成電圧の約1/3〜約1/4に近い直流電圧を、室温において、作製したチップの端子間に1分間印可し続けた後に測定された電流値をチップに加工したコンデンサの漏れ電流値とした。本発明では、6.3[V]の電圧を印加した。
コンデンサの耐熱特性は以下のように測定した。作製したコンデンサを厚さ1.5mmの積層基板に半田と共に搭載してリフロー炉を3回通した後LC値が500μA以上になった個数をカウントした。ここでコンデンサはリフロー炉通過時に約230℃×30秒×3回加熱されることになるので、実用的な熱履歴(たとえば、基板の表面に実装した部品の半田付け、裏面に実装した部品の半田付け、後付け部品の半田付けを実施した場合の3回の半田付けの熱履歴等)に対しての評価をすることが出来る。
試験例1〜23平均粒径1μmの一部窒化されたニオブ粉からなるニオブ粉末(ニオブ粉を300℃の条件下で2時間、窒素ガス雰囲気中に放置して得た。結合した窒素量2500重量ppm。)を0.1gとり、大きさおおよそ1.8×3.5×4.5mmの成型体を作製し、温度1150℃で焼結した。得られた一部窒化したニオブの焼結体を、表1に示した電解液中に浸漬して、タンタル板を対極として表1に示した条件下で化成電圧20Vを600分間印加して化成処理をおこなった。ここで印加時間は、印加電圧が20Vの定電圧に安定してからの経過時間である。この電極のCV値を表1に示した。
次に、誘電体を形成した前記した焼結体に対して硝酸マンガン水溶液に浸漬した後に220℃で30分間加熱反応させるという処理を複数回繰り返して、誘電体酸化皮膜上に他方の電極層として二酸化マンガン層を形成した。引き続き、その上に、カーボン層、銀ペースト層を順次に積層し、次に、リードフレームに載せた後、全体をエポキシ樹脂で封止して、大きさ7.3×4.3×2.8mmのチップ型コンデンサを作製した。
表1に作製したコンデンサの容量、LC値の平均値及びバラツキ(2σ:標準偏差値の2倍)、および耐熱特性を示した。なお各試験例につき20個の試料を作製し測定した平均値および標準偏差値を示した。
Figure 2010074197
試験例24〜29
次ぎに、平均粒径0.7μmの一部窒化されたニオブ粉からなるニオブ粉末(ニオブ粉を300℃の条件下で90分間、窒素ガス雰囲気中に放置して得た。結合した窒素量1800重量ppm。)を用いて、試験例1〜6と同様にして焼結体を得た。さらに他方の電極をピロールとアンソラキノンスルフォン酸と過硫酸アンモニウム水溶液とから作製したポリピロールを用いた以外は試験例1〜6と同様にしてコンデンサを作製した。作製したコンデンサの諸性能を表2に示した。
Figure 2010074197
本願発明によれば容量を低下させずにLC値が低くまたはそのバラツキが小さく、あるいは耐熱性が良好なコンデンサを製造することが出来るので、産業上利用できる。

Claims (9)

  1. 二つの電極と少なくともその間に介在した誘電体とから構成され、該電極の一方の電極がニオブ焼結体からなり、該誘電体が前記ニオブ焼結体からなる電極の上に形成された酸化ニオブからなるコンデンサの製造方法において、一方の電極のニオブ焼結体はニオブ粉体を加圧成型した後100×133〜10-6×133[Pa]の条件下で500〜2000℃で焼結したものであり、該ニオブ焼結体からなる一方の電極を陽極として電解液中で電解酸化を行うに際して、初期に電流値をニオブ焼結体からなる一方の電極の重量あたり200[mA]以上とした定電流状態で電解酸化を開始しその後定電圧で電解酸化を継続することによって該誘電体を作製することを特徴とするコンデンサの製造方法。
  2. 一方の電極のニオブが一部窒化されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサの製造方法。
  3. 一方の電極のニオブの窒素量が50〜150000重量ppmであることを特徴とする請求項2に記載のコンデンサの製造方法。
  4. 電解液がりん酸からなる水溶液で、その濃度が0.01重量%以上ないし5重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデンサの製造方法。
  5. 電解酸化時の電解液の温度が60℃以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のコンデンサの製造方法。
  6. 一方の電極の構造が焼結体であって、CV値が少なくとも50000[CV/g]以上であることを特徴とした請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンデンサの製造方法。
  7. 二つの電極と少なくともその間に介在した誘電体とから構成され、該電極の一方の電極がニオブからなり、該誘電体が前記ニオブからなる電極の上に形成された酸化ニオブからなるコンデンサにおいて、ニオブからなる一方の電極を陽極として電解液中で電解酸化を行うに際して、初期に電流値をニオブからなる一方の電極の重量あたり200[mA]以上とした定電流状態で電解酸化を開始しその後定電圧で電解酸化を継続することによって形成された該誘電体を有するコンデンサ。
  8. 一方の電極のニオブが一部窒化されていることを特徴とする請求項7に記載のコンデンサ。
  9. 一方の電極の構造が焼結体であって、CV値が少なくとも50000[CV/g]以上であることを特徴とした請求項7または請求項8に記載のコンデンサ。
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