JP2010073945A - 電線の接続方法及びそれに用いる電極の支持体 - Google Patents
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Abstract
【課題】電線を電極に確実に接触させられる電線の接続方法及びそれに用いる電極の支持体を提供する。
【解決手段】支持体(基板2)の表面に設けられた電極3に電線(中心導体8)をレーザ溶接し該電極を電気的に接続する電線の接続方法において、上記支持体の表面に穴6を設け、上記電線を電極3の表面に沿わせ、その電線の先端を穴6に落とし込むことにより、上記電線を電極3の縁に接触させ、この接触部分をレーザ溶接する。
【選択図】図1
【解決手段】支持体(基板2)の表面に設けられた電極3に電線(中心導体8)をレーザ溶接し該電極を電気的に接続する電線の接続方法において、上記支持体の表面に穴6を設け、上記電線を電極3の表面に沿わせ、その電線の先端を穴6に落とし込むことにより、上記電線を電極3の縁に接触させ、この接触部分をレーザ溶接する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電線を電極に確実に接触させられる電線の接続方法及びそれに用いる電極の支持体に関する。
プリント配線基板に設けられた電極やコネクタに設けられた電極に、極細線等の電線をレーザ溶接する際は、電極に電線を密接させておいてから、その密接している電極と電線にレーザ光を照射することが望ましい。
図7により従来技術を説明する。
支持体(基板、コネクタなど)101の表面には、膜状(板状、箔状を含む)の電極102が設けられている。極細ケーブル103は、先端をストリップ加工することにより、絶縁被覆104が除去され、導体である極細線105が露出されている。極細ケーブル103を図示のように支持体101と平行にし、位置合わせをして極細線105を電極102に近付ける。電極102上の極細線105の上方から極細線105に向けてレーザ光を照射すると、極細線105と電極102の構成金属同士が溶融して溶接が達成される。
極細線105は、直線形状を維持できるような剛性を有さず、可撓性を有する。このため、上記従来技術では、電極102に極細線105を密接させるのが困難である。この問題を解決するために、以下の技術が提案されている。
特許文献1に開示された技術は、芯線のばらけ防止部を有した同軸細線の芯線をコネクタの金属端子に当接させた状態でレーザを照射することにより、芯線と金属端子を微細溶接する溶接ステップと、前記溶接ステップの後に、不要となるばらけ防止部をレーザ照射により切断する切断ステップとを有するものである。
特許文献2に開示された技術は、第1のジグと第2のジグそれぞれと端子部材によって線を挟んで保持しながら前記線を前記端子部材に当接させ、前記第1のジグと前記第2のジグとの間に位置する前記線にレーザを照射することにより前記端子部材に前記線を接合するものである。
しかしながら、特許文献1の技術では、ばらけ防止部を用いて隣接する芯線同士の間隔を一定に保つことができたとしても、金属端子に芯線を密接させるための圧力を調整することはできない。このため密接強度のばらつきが生じる。レーザ溶接を行った際に、密接強度のばらつきが接合強度のばらつきを生じさせ、接合品質が安定しなくなる。
また、多芯極細線は、複数の極細線が撚ってある。このような撚ってある複数の極細線をフラットに配列させたとき、極細線のわずかな湾曲により個々の極細線の長さにばらつきが生じる。このばらつきを高精度で抑えるのは困難である。
一方、特許文献2の技術では、ジグを用いて物理的に芯線を端子部材に押し付ける。しかし、近年では基板やコネクタと接続する極細ケーブルの信号線数が膨大になり、それに伴い隣接する端子部材間の間隔が狭くなり、ジグを置くことのできる空間が小さくなっている。このため、隣接する端子部材や隣接する芯線に悪影響を及ぼすことなく、実効的に端子部材に芯線を当接させることができるジグの作製が物理的に困難である。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、電線を電極に確実に接触させられる電線の接続方法及びそれに用いる電極の支持体を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の電線の接続方法は、支持体の表面に設けられた電極に電線をレーザ溶接し該電極を電気的に接続する電線の接続方法において、上記支持体の表面に穴を設け、上記電線を上記電極の表面に沿わせ、その電線の先端を上記穴に落とし込むことにより、上記電線を上記電極の縁に接触させ、この接触部分をレーザ溶接するものである。
上記穴を上記支持体に貫通させて設け、該支持体の裏面より雰囲気気体を吸引することにより、上記電線の先端を上記穴に吸い込み、上記電線の先端が上記穴に吸い込まれている状態で、上記電線と上記電極との接触部分をレーザ溶接してもよい。
また、本発明の電極の支持体は、電線をレーザ溶接により電気的に接続するための電極が表面に設けられた電極の支持体において、上記電線を落とし込むための穴が設けられているものである。
上記電極と上記穴との上記支持体の表面に沿った距離は、上記支持体の表面から上記電極の表面までの距離以下であってもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)電線を電極に確実に接触させられる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本実施形態では、電極の支持体はプリント配線基板1の基板2である。プリント配線基板1に用いられる基板2は、汎用的に電子部品の実装に用いられるガラス繊維とエポキシ樹脂で構成された耐熱規格FR4の基板2である。基板2の表面には、電線を溶接接続するための電極3が設けられている。基板2の表面、裏面、多層面(多層の場合)には、実装される電子部品同士を電気的に接続するための導体(図示せず)、電極3を電子部品(図示せず)に電気的に接続するための導体4、グランドの導体(図示せず)がプリント配線によってパターンとして設けられている。
本実施形態では、電極3に溶接接続により電気的に接続する電線は、極細同軸線の中心導体AWG#48(後述する図4の中心導体8)である。基板2には、極細同軸線の中心導体を溶接接続により電気的に接続する電極3のほかに極細同軸線の外部導体を電気的に接続するグランド電極5が設けられる。
本発明にあっては、電極の支持体である基板2に、電線である中心導体を落とし込むための穴6が設けられている。本実施形態では、穴6は基板2を表面から裏面まで貫通する貫通穴である。
本実施形態では、プリント配線基板1に接続する極細同軸線が多芯ケーブルであり、このため基板2には複数の電極3が等ピッチ間隔で並べて設けられていると共に、各電極3のための穴6がそれぞれ電極3の近傍に設けられている。すなわち、電極3と穴6はアレイ状をなしている。これに伴い、極細同軸線の外部導体を接続するグランド電極5は、電極3の並び方向に長く伸びた長方形に形成されている。
図2に示されるように、電極3は、電極3同士の並び方向に幅Wが短く、それとは直角方向に長さLが長い長方形である。電極3の一方の短辺(グランド電極5がある側の反対側)には導体4がパターンによって接続させて設けられている。導体4は、電極3の短辺の端に配置されている。導体4が繋がっている電極3の短辺の外方には、その短辺の近傍、かつ導体4の近傍に穴6が設けられている。
電極3と穴6との距離(基板表面に沿った距離)は、基板2の表面から電極3の表面までの距離(つまり電極厚)以下であることが望ましい。例えば、電極ピッチP=300μm、電極幅W=150μm、電極長L=500μm、穴直径D=100μm、電極穴間距離d=20μm、電極厚T(図4参照)=100μmである。本発明に係る電極の支持体において電極3と穴6との支持体の表面に沿った距離dを支持体の表面から電極3の表面までの距離(電極3の厚さ)T以下としたので、電線が電極3の縁にかかりやすく、電線が電極3に接触することが確実になるからである。
図1のプリント配線基板1は、周知慣用の製造プロセスで製造する。まず、ガラス繊維とエポキシ樹脂で基板2を形成し、次いで、所望の厚さの銅箔を接着剤により基板2に貼り合わせ、印刷加工、フォトリソグラフィ加工、エッチング加工を経て所望のパターンの導体(電極も含む)が形成されたプリント配線基板1を製造する。穴6は、ドリル加工により形成する。電極3は、酸化防止のため、電解めっき加工により導体に金を成膜する。ここでは、成膜された金の表面に溶融めっきによりはんだを成膜してある。
以下、本発明の電線の接続方法を説明する。
図3に示されるように、本発明の電線の接続方法に用いるレーザ溶接装置31は、プリント配線基板1を保持して移動する精密移動ステージ32と、プリント配線基板1に接続する極細同軸線7を保持するケーブル保持具(図示せず)と、プリント配線基板1の電極3に重ねた極細同軸線7の中心導体8にレーザ光を照射するレーザ光照射装置33とを備える。
精密移動ステージ32は、プリント配線基板を載置する基台34と、基台34にプリント配線基板1を固定するチャック機構35とからなる。チャック機構35は、基台34とプリント配線基板1の裏面との間に空間を形成する基台34の凹部36と、凹部36に繋がる気体流路37と、気体流路37を介して雰囲気気体(ここでは空気)を吸引する真空ポンプ(図示せず)とを備え、基台34にプリント配線基板1を吸着固定するようになっている。精密移動ステージ32は、図示しない移動機構によって直交三軸方向、各軸の回転方向など複数軸に高精度で移動するようになっている。
ケーブル保持具は、極細同軸線7をプリント配線基板1に対して平行又は所定の角度で保持するようになっている。ケーブル保持具は、複数軸に移動可能に構成してもよい。
レーザ光照射装置33は、図示しないLDレーザと、LDレーザから励起光を導くレーザ光導入用光ファイバ38と、レーザ光導入用光ファイバ38からの励起光を利用してYAGレーザを発振させてそのレーザ光を照射するレーザヘッド39と、レーザヘッド39を保持するアーム機構40とを備える。レーザ光照射装置33は、アーム機構40を複数軸に移動可能に構成してもよい。
図3のレーザ溶接装置31において、すでに精密移動ステージ32にプリント配線基板1が固定され、極細同軸線7がプリント配線基板1に対してレーザ溶接のための所定の位置に位置合わせして所定の姿勢で保持されているものとする。極細同軸線7の端末は、あらかじめ処理されている。すなわち、絶縁外皮9が剥離され、外部導体10、絶縁スペーサ11、中心導体8がそれぞれ必要な長さ露出されている。外部導体10はグランド電極5に接する位置にあり、グランド電極5から電極3までの間は、絶縁スペーサ11が占めている。このとき、外部導体10は中心導体8が電極3に溶接固定される以前にグランド電極5に溶接固定されていてもよい。あるいは、中心導体8が電極3に溶接固定された後に外部導体10がグランド電極5に溶接固定されてもよい。
絶縁スペーサ11から露出する中心導体8は、電極3のグランド電極5がある側の短辺から反対側の短辺を越えて伸びている。中心導体8の先端は、基板2に設けられた穴6に落とし込まれている。本実施形態では、穴6が基板2に貫通させて設けられていると共にチャック機構35が真空引きしている。このため、穴6の中は基板2の裏面より雰囲気気体が吸引されて気流が生じている。この気流によって中心導体8の先端が穴6に吸い込まれている。中心導体8は、電極3と穴6の間で屈曲させられている。
レーザヘッド39は、極細同軸線7の中心導体8に対し、中心導体8が電極3の縁に接触している位置かそれより電極内側の近傍にレーザ光の照準を合わせてある。
図4(a)及び図4(b)に示されるように、極細同軸線7の中心導体8は、電極3の表面の上部をほぼ電極3の表面と平行に電極3の長手方向に伸び、電極3と穴6の間で屈曲し、穴6に落とし込まれている。中心導体8は、電極3の表面と平行な部分と基板2の表面の穴6との間で屈曲しているため、電極3の縁にかかるようにして電極3に接触している。特に、本実施形態では、穴6が基板2を貫通し、雰囲気気体の吸引により中心導体8の先端が強制的に穴6に吸い込まれているため、中心導体8が確実に電極3に接触している。また、中心導体8の先端が穴6に吸い込まれるのに伴い、中心導体8の電極3の表面と平行な部分も、電極3の表面に近寄せられる。
この状態にて、レーザヘッド39からレーザを照射する。図4(c)に示されるように、レーザを照射された中心導体8と電極3が加熱され溶融する。中心導体8が溶断すると同時に、溶融している電極3の表面のはんだに中心導体8が接合される。詳しく述べると、中心導体8が電極3に接触していた電極3の縁のところを起点にして、中心導体8の溶融部と電極2の溶融部がレーザの照射範囲に広がる。レーザの照射を停止した後には、中心導体8の溶融部(銅)と電極3の溶融部(はんだ)との合金が固化し、中心導体8と電極3の溶接が達成される。
一方、溶断により分離され不要になった中心導体8の先端は、雰囲気気体と共に吸引されて除去される。真空ポンプに至るまでの気体流路37にトラップや吸着機構を設けるなどして中心導体8の先端を回収するのが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る電線の接続方法によれば、基板2等の電極3の支持体の表面に穴6を設け、中心導体8等の電線を電極3の表面に沿わせ、その電線3の先端を穴6に落とし込むことにより、電線を電極3の縁に接触させ、この接触部分をレーザ溶接するようにした。電線が電極3の縁のところで屈曲することになるため、電線が確実に電極3に接触する。よって、接合が確実になる。また、この接続方法は、再現性よく行うことができる。
さらに、本発明に係る電線の接続方法によれば、穴6を支持体に貫通させて設け、支持体の裏面より雰囲気気体を吸引することにより、電線の先端を穴6に吸い込み、電線の先端が穴6に吸い込まれている状態で、電線と電極3との接触部分をレーザ溶接するようにしたので、電線を所望の加圧力で電極3に接触させることができると共に、分離され不要になった中心導体8の先端を回収することができる。分離された中心導体8が回収されることで、分離された中心導体8がプリント配線基板1の表裏面に落ちて電極3や導体4に他との短絡が生じることを防ぐことができる。
また、本発明に係る電極の支持体(例えば、基板2)は、電線を落とし込むための穴6が設けられているので、上記接続方法に好適である。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図5に示されるように、本実施形態では、電極の支持体はコネクタ51である。コネクタ51は、一般的に知られているコネクタに本発明の構成である穴52を設けたものである。コネクタ51の表面には複数の電極53が等ピッチ間隔で並べて設けられていると共に、各電極53のための穴52がそれぞれ電極53の近傍に設けられている。穴52はコネクタ51の表面から図示しない裏面まで抜ける貫通穴である。極細同軸線の外部導体を接続するグランド電極54は、電極53の並び方向に長く伸びた長方形に形成されている。グランド電極54と穴52は、電極53を電極53の長手方向に挟んで互いに反対側にある。コネクタ51の外周には、電極53の長手方向延長上の側面に、信号線を接続するための信号線接続用端子55が設けられている。また、コネクタ51の外周には、電極53の並び方向延長上の側面に、グランド線を接続するためのグランド線接続用端子56が設けられている。
図5のコネクタ51における電線の接続方法は、図1〜図4で説明した実施形態おける電線の接続方法とほぼ同じである。すなわち、極細同軸線の中心導体を電極53の表面に沿わせ穴52に落とし込む。中心導体は、電極53と穴52の間で屈曲される。コネクタ51の裏面より雰囲気気体を吸引して中心導体を穴52に吸い込んでいる状態で、レーザ光溶接を行う。極細同軸線の外部導体は、グランド電極54に接続する。
図6に示されるように、本実施形態では、電極の支持体はプリント配線基板61の基板2である。図1のプリント配線基板1との相違を述べると、電極3から図示しない電子部品まで引き回される導体4の配線パターンが極細同軸線の外部導体を接続するグランド電極5と電極3との間を通してある。電極3の近傍には、各電極3に共通の長穴62が設けられている。長穴62は基板2を表面から裏面に貫通する。長穴62は図1のプリント配線基板1における複数の穴6を連続して1つにしたものである。このように、穴は、基板2の実用的な機械的強度が確保できる範囲であれば、円形穴に限らず多様に形成することができる。
1 プリント配線基板
2 基板
3 電極
4 導体
5 グランド電極
6 穴
2 基板
3 電極
4 導体
5 グランド電極
6 穴
Claims (4)
- 支持体の表面に設けられた電極に電線をレーザ溶接し該電極を電気的に接続する電線の接続方法において、上記支持体の表面に穴を設け、上記電線を上記電極の表面に沿わせ、その電線の先端を上記穴に落とし込むことにより、上記電線を上記電極の縁に接触させ、この接触部分をレーザ溶接することを特徴とする電線の接続方法。
- 上記穴を上記支持体に貫通させて設け、該支持体の裏面より雰囲気気体を吸引することにより、上記電線の先端を上記穴に吸い込み、上記電線の先端が上記穴に吸い込まれている状態で、上記電線と上記電極との接触部分をレーザ溶接することを特徴とする請求項1記載の電線の接続方法。
- 電線をレーザ溶接により電気的に接続するための電極が表面に設けられた電極の支持体において、上記電線を落とし込むための穴が設けられていることを特徴とする電極の支持体。
- 上記電極と上記穴との上記支持体の表面に沿った距離は、上記支持体の表面から上記電極の表面までの距離以下であることを特徴とする請求項3記載の電極の支持体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008240714A JP2010073945A (ja) | 2008-09-19 | 2008-09-19 | 電線の接続方法及びそれに用いる電極の支持体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012084569A (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-26 | Sanyo Electric Co Ltd | 電池パック |
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2008
- 2008-09-19 JP JP2008240714A patent/JP2010073945A/ja active Pending
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