JP2010118318A - 同軸ケーブルの接続部及びその接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中心導体の狭ピッチ、一括接続が可能であり、接続に際して、中心導体の断線や接着不良、短絡等の不具合の発生を抑制することができ、これにより健全な接続部を容易に得ることができる、同軸ケーブルの接続部及びその接続方法を提供すること。
【解決手段】中心導体の周上に、内部絶縁体4、外部導体、外部絶縁体6を順次形成してなる同軸ケーブル1の複数本を並列配置してなり、端末を段剥ぎすることにより露出された同軸ケーブル1の中心導体を夫々整列配置する配列手段を形成した可とう性絶縁シート7を用い、可とう性絶縁シート7に中心導体を夫々整列配置してなり、整列配置された中心導体を夫々プリント基板9に形成された対応する電極部100に電気的に接続してなる同軸ケーブル1の接続部。
【選択図】図1
【解決手段】中心導体の周上に、内部絶縁体4、外部導体、外部絶縁体6を順次形成してなる同軸ケーブル1の複数本を並列配置してなり、端末を段剥ぎすることにより露出された同軸ケーブル1の中心導体を夫々整列配置する配列手段を形成した可とう性絶縁シート7を用い、可とう性絶縁シート7に中心導体を夫々整列配置してなり、整列配置された中心導体を夫々プリント基板9に形成された対応する電極部100に電気的に接続してなる同軸ケーブル1の接続部。
【選択図】図1
Description
本発明は、並列に配置された複数本の同軸ケーブルの接続部、特にプリント基板の電極部との接続部、及び、その接続方法に関するものである。
近年、携帯電話やノートパソコンなどの電子情報機器、超音波診断装置や内視鏡などの医療機器の分野では、機器の小型軽量化と共に、高機能化つまり情報画像の高精細化及び高速化が要求されている。これに伴い、機器内部や機器を構成する部品(アッセンブリ)間の接続に用いられる同軸ケーブルも、細径化が進み、その一方で、使用する同軸ケーブルの本数が増加している。機器の小型軽量化と高機能化を両立させるためには、同軸ケーブルの実装密度を高める必要があり、中でも、プリント基板の電極部との接続部における、狭ピッチ接続が必要不可欠になっている。
同軸ケーブルとしては、複数本の細線を撚り合わせた撚り線からなる中心導体の周上に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成したものが一般に使用される。外部導体は、例えば複数本の細線を内部導体の周上にらせん巻きすることにより構成される。
同軸ケーブルとプリント基板の電極部との接続においては、並列に配置された複数本の同軸ケーブルの端末を段剥ぎすることによって夫々中心導体を露出させ、各中心導体をプリント基板に形成された対応する電極部に夫々電気的に接続することが行われる。この場合の接続方法としては、プリント基板の電極部に中心導体を一括もしくは個別に接続する方法、プリント基板の電極部に中心導体を半田付け等により直接もしくは接続部品を介して間接的に接続する方法がある。
しかして、プリント基板の電極部に中心導体を確実に接続するために、従来から広く行われている方法は、依然として中心導体を一本ずつ半田付けにより直接接続する方法であり、しかも、その際の半田付け作業は、半田ごてを用いた手作業により行われているのが実情である。この接続方法によれば、中心導体を一本ずつ確認しながら半田ごてを用いて半田を加熱溶融し半田付けを行うため、接続ミスが少なく、ある面で確実な接続が可能であるが、作業者の熟練を要し、何よりも同軸ケーブルの本数が増加した場合に、複数本の中心導体を一括して狭ピッチ接続することが困難になるという問題がある。つまり、複数本の同軸ケーブルの夫々中心導体に対応して形成されたプリント基板の電極部の、隣接する電極部間に溶融半田が付着して電気的なブリッジを起こしたり、あるいは、溶融半田の濡れ不足が原因で接続不良を起こす場合があり、作業効率が低下するという問題がある。
これに関連し、以下の先行技術文献には、並列に配置された複数本の同軸ケーブルの夫々中心導体をプリント基板の対応する電極部に狭ピッチで一括接続する方法が開示されている。
すなわち、先行技術文献の特許文献1には、並列に配置された複数本の同軸ケーブルから露出された中心導体を夫々収容、案内する溝を形成したガラス製の溝付熱線透過部材を用い、この溝付熱線透過部材を用いて前記中心導体を夫々整線し、プリント基板の対応する電極部に夫々位置合わせした後、溝付熱線透過部材をプリント基板に押圧固定すると共に、溝付熱線透過部材を介して中心導体と電極部の夫々接続部位に熱線を供給し、これにより接続部位を一括接続する方法が開示されている。
また、先行技術文献の特許文献2には、並列に配置された複数本の同軸ケーブルよりなる多心ケーブルから露出された中心導体を夫々収容、配列する溝を形成したリジッドな基台を用い、この基台に前記中心導体を夫々配列すると共に接着剤により固定した後、同軸ケーブルの中心導体と外部導体とが同一平面で夫々露出されるように基台ごと研磨し、この研磨により露出された中心導体と外部導体の導体面に異方性導電膜を貼り付け、この異方性導電膜を介して前記各導体面をプリント基板に相当する回路パターン部材の電極部に夫々熱圧着し、これにより接続部位を一括接続する方法が開示されている。
前記した従来技術ように、プリント基板の電極部に中心導体を半田付けにより直接接続する方法によれば、中心導体を一本ずつ確認しながら半田ごてを用いて半田付けを行うため、作業者の熟練を要し、同軸ケーブルの本数が増加した場合に複数本の中心導体を一括して狭ピッチ接続することが困難になるという問題がある。つまり、複数本の同軸ケーブルの夫々中心導体に対応して形成されたプリント基板の電極部の、隣接する電極部間に溶融半田が付着して電気的なブリッジを起こしたり、あるいは、溶融半田の濡れ不足が原因で接続不良を起こす場合があり、作業効率が低下するという問題がある。
また、特許文献1に記載の接続方法によれば、溝付熱線透過部材をプリント基板に押圧固定する際に、中心導体を夫々収容、案内する溝から食み出た中心導体の一部がガラス製の硬い溝付熱線透過部材によって挟断される問題がある。更に、ガラス製の硬い溝付熱線透過部材を用いた押圧固定では、突合せ面で片当たりが生じやすく、一括接続した際に、接続部の中には接着強度の弱い部分が生じるという問題がある。
また、特許文献2に記載の接続方法によれば、同軸ケーブルの中心導体と外部導体とが同一平面で露出されるように基台ごと研磨した際に、中心導体及び外部導体を構成する、縒られた状態にある複数本の細線が夫々ほぐれ、研磨面から飛び出すことによって短絡を生じ、同軸ケーブルの電気的性能を損なうという問題がある。
したがって、本発明の目的は、中心導体の狭ピッチ、一括接続が可能であり、接続に際して、中心導体の断線や接着不良、短絡等の不具合の発生を抑制することができ、これにより健全な接続部を容易に得ることができる、同軸ケーブルの接続部及びその接続方法を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、中心導体の周上に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成してなる同軸ケーブルの複数本を並列配置してなり、端末を段剥ぎすることによって露出された前記同軸ケーブルの前記中心導体を夫々整列配置する配列手段を形成した可とう性絶縁シートを用いると共に、前記可とう性絶縁シートに前記中心導体を夫々整列配置してなり、前記により整列配置された前記中心導体を夫々プリント基板に形成された対応する電極部に電気的に接続してなることを特徴とする同軸ケーブルの接続部を提供する。
前記可とう性絶縁シートとしては、例えば、耐熱性を有するポリイミド樹脂又はポリテトラフルオロエチレン樹脂製のシートであって、面圧を加えられたときに撓みを生じやすい可とう性シートが用いられる。本発明においては、この可とう性シートの撓みを利用することにより、前述した従来技術における、一括接続の際の突合せ面の片当たりによる接着不良の問題の解決を図るものである。また、前記シートの耐熱性は、接続部を形成する際にシートに加えられる加熱によるダメージを抑制するものであり、本発明において望ましい特性である。
この同軸ケーブルの接続部によれば、上記構成を採用することにより、特に、同軸ケーブルの中心導体を整列配置する配列溝等の配列手段を形成した可とう性絶縁シートを用いることにより、中心導体の狭ピッチ、一括接続が可能となり、しかも、ガラス製の硬い溝付熱線透過部材や基台ごと研磨する方法を採用しないことから、接続に際して、中心導体の断線や接着不良、短絡等の不具合の発生を抑制することができ、これにより健全な接続部を容易に得ることができる。
なお、中心導体の狭ピッチ、一括接続を構成するにあたっては、可とう性絶縁シートに形成された前記配列溝等の配列手段を、並列に配置された複数本の同軸ケーブルの軸と平行に夫々同一ピッチとすることにより、可とう性絶縁シートの領域内で、対応するプリント基板の電極部に夫々中心導体を狭ピッチで容易に一括接続することができる。
請求項2の発明は、前記中心導体が複数本の細線を撚り合わせた撚り線により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブルの接続部を提供する。
この同軸ケーブルの接続部によれば、上記効果に加えて、中心導体が複数本の細線を撚り合わせた撚り線により構成されていることから、特に曲げに強い同軸ケーブルの接続部を構成することができる。
請求項3の発明は、前記配列手段が前記中心導体の軸と平行に複数の溝を形成した配列溝からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の同軸ケーブルの接続部を提供する。
この同軸ケーブルの接続部によれば、上記効果に加えて、前記配列手段が中心導体の軸と平行に複数の溝を形成した配列溝からなることから、中心導体の整列配置が容易であり、中心導体の狭ピッチ、一括接続を容易に形成することができる。
請求項4の発明は、前記可とう性絶縁シートの前記配列手段に夫々中心導体を整列配置すると共に接着材で固定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の同軸ケーブルの接続部を提供する。
この同軸ケーブルの接続部によれば、上記効果に加えて、前記配列手段に夫々中心導体を接着材で固定したことにより、中心導体の動きを抑制して狭ピッチ一括接続を確実かつ容易に行うことができる。
請求項5の発明は、前記接着材が導電性接着材により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の同軸ケーブルの接続部を提供する。
この同軸ケーブルの接続部によれば、上記効果に加えて、前記接着材が導電性接着材により構成されていることから、中心導体を配列溝等の配列手段に固定する接着材の量が多過ぎて、配列溝等の配列手段と反対側の導体面に接着材が及んでも、プリント基板の電極部との電気的な接続に支障を与えることがないため、接着材の量などの取り扱いが容易となる。
請求項6の発明は、前記配列手段に夫々中心導体を整列配置した前記可とう性絶縁シートに、前記中心導体の一部を夫々露出させる開口部を形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の同軸ケーブルの接続部を提供する。
この同軸ケーブルの接続部によれば、上記効果に加えて、前記開口部の形成により、前記開口部を通して、中心導体とプリント基板の電極部との接続部位にレーザー光を照射することができ、これにより前記接続部位に設けられた半田等の接続部材の加熱溶融状況等を観察しながら、半田付け等の接続を容易に行うことができる。また、このレーザー光による接続方法は、接続部位を限定してレーザー光を照射することができるため、凹凸部を有する電極部を形成したプリント基板等との接続の際にも対応が容易であり、有効な方法である。
請求項7の発明は、前記可とう性絶縁シートが耐熱性を有するポリイミド樹脂又はポリテトラフルオロエチレン樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の同軸ケーブルの接続部を提供する。
この同軸ケーブルの接続部によれば、上記効果に加えて、前記可とう性絶縁シートが耐熱性を有するポリイミド樹脂又はポリテトラフルオロエチレン樹脂により構成されていることから、樹脂製シートであるにもかかわらず耐熱性を有するため、接続部を形成する際に加えられる加熱によるダメージを抑制し、健全な接続部を形成することができる。
請求項8の発明は、中心導体の周上に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成してなる同軸ケーブルの複数本を並列配置し、端末を段剥ぎすることによって露出された前記同軸ケーブルの前記中心導体を夫々整列配置する配列手段を形成した可とう性絶縁シートを用い、前記可とう性絶縁シートに前記中心導体を夫々整列配置し、前記により整列配置された前記中心導体を夫々プリント基板に形成された対応する電極部に電気的に接続することを特徴とする同軸ケーブルの接続方法を提供する。
この同軸ケーブルの接続方法によれば、上記構成を採用することにより、前記した構成の同軸ケーブルの接続部を容易に形成することができる。
本発明の同軸ケーブルの接続部及びその接続方法によれば、中心導体の狭ピッチ、一括接続が可能であり、接続に際して、中心導体の断線や接着不良、短絡等の不具合の発生を抑制することができ、これにより健全な接続部を容易に得ることができる。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続部の平面図、図2は同様の平面図であり、同軸ケーブルの中心導体とプリント基板の電極部との位置関係が分かるように示されたものである。また、図3は図1のA−A断面図、図4は図1のB−B断面図である。また、図5は同軸ケーブルの構造を示す断面図である。
図1〜図5において、1は同軸ケーブルにして、その構造は図5に示されるように、複数本の細線2を撚り合わせた撚り線からなる中心導体3の周上に、内部絶縁体4、外部導体5、外部絶縁体6を順次形成して構成される。外部導体5は、内部絶縁体3の周上に複数本の細線20を夫々らせん巻きして構成される。また、7は同軸ケーブル1の端末から露出された中心導体3を夫々整列配置する配列手段として配列溝8を表面に形成した可とう性絶縁シートであり、前記可とう性絶縁シートとしては、例えば厚さ0.1mm〜0.2mm程度の耐熱性を有するポリイミド樹脂又はポリテトラフルオロエチレン樹脂製のシートが用いられる。薄過ぎる絶縁シートは、配列溝8の形成が困難になると共に、いわゆる腰がないので必要以上に変形を起こしやすく、中心導体3の整列配置、保持作業が困難になり好ましくない。9は同軸ケーブル1と共に接続部を構成するプリント基板、10は前記プリント基板9の配線の所定位置に夫々形成された電極部であり、前記電極部10に、同軸ケーブル1の中心導体3が夫々電気的に接続され、接続部が形成される。また、11は同軸ケーブル1の端末から夫々露出された外部導体5に対して設けられた共通のグランドバーである。
図1及び図2に示されるように、接続部を構成する同軸ケーブル1の端末では、複数本の同軸ケーブル1が平型多心ケーブルのように束ねられ並列配置される。また、各同軸ケーブル1の端末がいわゆる段剥ぎされ、中心導体3、内部絶縁体4、外部導体5が夫々露出される。
ここで、前記により露出された中心導体3に対し、各中心導体3を整列配置すると共に保持する配列溝8を形成した可とう性絶縁シート7を用い、前記シート7の前記配列溝8に、夫々中心導体3を整列配置する。このとき、配列溝8の溝部に予め接着材12を塗布しておくと効果的である。このように接着剤12を設けることにより、配列溝8に夫々中心導体3を整列配置し、動かないように固定することができる。これにより複数本の中心導体3とプリント基板9の電極部10との一括接続が容易になる。また、この場合の接着材12としては、限定はされないが、導電性接着材を用いると効果的である。導電性接着材であれば、接着材12の量が多過ぎて配列溝8と反対側の導体面に接着材12及んでも、中心導体3とプリント基板9の電極部との電気的な接続に接続不良等の支障を与えることがない。したがってまた、このような接着材であれば、接着材の塗布作業が容易であり、その作業を効率的に行うことができる。また、複数本の細線2を撚り合わせた撚り線からなる中心導体3のほぐれ(撚り戻し)を接着材12によって抑制することができる。細線のほぐれは、隣接する中心導体3間において短絡を生じさせる原因となり、更に接続部の電気的特性を損なう原因となり、好ましくない。接着剤12の塗布方法としては、接着材用の吐出ノズルを備えたディスペンス法やスクリーンマスクを備えたスクリーン印刷法を利用することができる。
配列溝8の断面形状は、図6及び図7に示されるようにV字状であり、図8に示されるようにU字状もしくは半円形状にすることも可能である。要は、中心導体3を整列配置した状態で中心導体の一面側を部分的に収納し、他面側を部分的に突出露出させた状態で保持できる形状であれば良い。他面側を突出露出させた状態で保持できる形状であれば、接続の際の中心導体の接触面積の確保が確実であり、接続の信頼性が向上する。また、配列溝8は、図6に示されるように中心導体3の軸と平行に複数の溝を等間隔に形成して構成される。このように等間隔の溝を形成することにより、中心導体3の整列配置が容易になるだけでなく、プリント基板9の電極部10との狭ピッチ、一括接続が容易になる。
可とう性絶縁シート7の配列溝8に整列配置された中心導体3と、プリント基板9の電極部10との接続は、図3及び図4に示されるように、可とう性絶縁シート7に固定された中心導体3をプリント基板9の電極部10側に向け、可とう性絶縁シート7とプリント基板9を夫々対向配置させて行う。電極部10の表面には、予め半田等の接続部材13を形成しておく。接続部材13としては、半田以外に、例えば銀粒子や半田粒子をエポキシ樹脂に充填した導電性接着材を用いることができる。導電性接着材としては、例えば異方性導電性接着材を用いることができる。接続部材13を形成するには、その性状にもよるが、ディスペンス法やスクリーン印刷法を利用するとよい。このようにして接続部材13を形成した後、可とう性絶縁シート7に固定された中心導体3をプリント基板9の電極部10に夫々重ね合わせ、接続部位を加熱もしくは加熱加圧して接続部材13を溶融し、中心導体3と電極部10との電気的な接続を行う。接続部位を加熱する手段としては、レーザー光を用いると効果的であるが、これに限定されるものではない。
この接続においては、可とう性絶縁シート7を用いて接続を行うことにより、プリント基板9の電極部10と中心導体3との接合面に夫々一様な面圧、接触状態をもたらすことができ、ガラス製の硬質の溝付き部材を用いて接続を行う場合や、接続部を構成する部材や接着剤などの寸法精度のばらつきに因る、片当たりの問題が生じにくく、これにより懸案の接触不良の問題を容易に解決することができる。また、可とう性絶縁シート7の領域内で、対応するプリント基板9の電極部10に同軸ケーブル1の中心導体3を狭ピッチで一括接続することができる。
また、この接続においては、可とう性絶縁シート7を用いることにより、同軸ケーブル1の中心導体3の狭ピッチ、一括接続が容易になるだけでなく、基台ごと研磨する方法を採用しないことから、中心導体3を構成する細線2のほぐれが少なく、また、ガラス製の硬質の溝付き部材を用いて接続する方法でないことから、細線2の断線や接着不良、短絡等の不具合の発生も少ない。これにより健全な接続部を容易に得ることができる。なお、細線2の断線は、ガラス製の硬質の溝付き部材を用いた場合に、ほぐれた細線2が溝付き部材の溝と溝の間の当接部に挟まれたときに生じやすい。
ここで、接続作業の各工程を図9のフローチャートを用いて説明する。まず、同軸ケーブル1の端末を段剥ぎして、中心導体3と外部導体5を夫々露出させる。この段剥ぎは削り金型やレーザー(炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなど)を用いて内部絶縁体4及び外部絶縁体6に夫々切り込みを入れ、内部絶縁体4及び外部絶縁体6の一部を夫々端末から除去することにより行う。次に、露出された外部導体5の夫々を横断するように、半田等の接続部材130を用いて共通のグランドバー11を電気的に接続し設ける。このようにグランドバー11を設けることにより、接続部近傍の剛性が高められ、接続作業時のハンドリング性が良くなる効果がある。次に、可とう性絶縁シート7の配列溝8の内部に接着材12を塗布し、この後、前記配列溝8に中心導体3を整列配置し、収納する。そして、加熱により前記接着材12を硬化させ、可とう性絶縁シート7の配列溝8に中心導体3を固定する。接着材12の硬化は、接着剤の種類(材質)にもよるが、赤外線やレーザーを用いた加熱により行うことができる。
次に、プリント基板9の配線の所定位置に形成された、中心導体用の電極部10及び外部導体用の電極部100に夫々接続部材13、130を塗布し、中心導体3及びグランドバー11の各接続箇所をプリント基板9の対応する前記電極部10、100に夫々重ね合わせて配置し、接続部位を加熱もしくは加熱加圧し、接続部材13、130を夫々溶融することにより、前記電極部10、100に夫々中心導体3及びグランドバー11を夫々一括して電気的に接続する。中心導体3とグランドバー11の夫々接続は、別々に行ってもよい。また、接続部位の加熱はレーザー光の照射により行う。このようにして並列配置された複数本の同軸ケーブル1の接続部を形成する。
図10は本発明の他の実施の形態に係る同軸ケーブルの接続部の平面図、図11は図10のC−C断面図である。
この実施の形態において、基本的な構成は、先に述べた図1〜図9の実施の形態と同じである。外部導体6を共通のグランドバー11に電気的に接続する点も同じである。この実施の形態において、先の実施の形態と異なる点は、可とう性絶縁シート7に、中心導体3の一部を夫々露出させる長孔状の開口部14を形成した点にある。前記開口部14は、中心導体3とプリント基板9の電極部10との接続部位に対応する位置に設けられ、したがって、前記開口部14では前記接続部位が露出している。
この実施の形態においては、前記開口部14を通して、前記接続部位にレーザー光(YAGレーザー、半導体レーザーなど)を照射し、前記接続部位を加熱もしくは加熱加圧して接続部材13を溶融し、中心導体3と電極部10との電気的な接続を行う。このようにして同軸ケーブル1の接続部を形成する。レーザー光による接続は、加熱領域が局部的であるため、平坦でない曲面もしくは段差部を有する、可とう性絶縁シート7とプリント基板9との接続に有効である。また、レーザー光による接続は、加熱領域を小さく制限できるため、中心導体3と電極部10との接続部位を夫々小さく仕切り、区画分けして接続を行う、コネクタ電極を用いた接続にも有効である。
図12は本発明の更に他の実施の形態に係る同軸ケーブルの接続部の平面図、図13は図12のD−D断面図である。
この実施の形態においても、基本的な構成は、先に述べた図1〜図9の実施の形態と同じである。この実施の形態において、先の実施の形態と異なる点は、前記配列溝8に替わる配列手段として、可とう性絶縁シート7に、同軸ケーブル1の中心導体3と直交する方向に2本のスリット15を形成した点にある。この実施の形態においては、前記スリット15に接着材12を充填し、接着材12を利用して中心導体3を夫々整列配置し固定する。この場合、接着材12としては、非導電性(絶縁性)の比較的高粘度の接着剤を使用すると効果的であり、各中心導体3の固定を確実にすると共に、接着剤を利用して中心導体間の絶縁性を確保することができる。また、この実施の形態の場合、可とう性絶縁シート7に対する機械加工を少なくできる効果があり、これにより製造コストの低減を図ることが可能になる。この実施の形態においても、中心導体3を整列配置でき、狭ピッチ、一括接続が可能であることは勿論である。
図14は本発明の更に他の実施の形態に係る同軸ケーブルの接続部の平面図、図15は図14のE−E断面図である。
この実施の形態においても、基本的な構成は、先に述べた図1〜図9の実施の形態と同じである。この実施の形態において、先の実施の形態と異なる点は、前記配列溝8に替わる配列手段として、可とう性絶縁シート7の表面に、同軸ケーブル1の各中心導体3に対応するめっきによる電極膜16を夫々形成した点にある。前記電極膜16は、通常電気めっき法により形成されるが、ディスペンス法により形成することも可能である。電気めっき法においては、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、錫(Sn)等のめっきを単独もしくは組み合わせて形成することができる。また、ディスペンス法においては、銀(Ag)、ニッケル(Ni)等の金属粒子を充填した導電性接着性樹脂を用いて形成することができる。前記電極膜16に対する中心導体3の固定は、別途用意した半田もしくは導電性接着材17を用いることによって行う。この実施の形態の場合、微小な電極膜16を微小なピッチで形成することができ、接続部の寸法の増加を抑制する効果がある。この実施の形態においても、中心導体3を整列配置でき、狭ピッチ、一括接続が可能であることは勿論である。なお、接続部の寸法に余裕がある場合は、電極膜16を形成することなく、通常の接着剤をディスペンス法により設け、これにより中心導体3を整列配置し固定することも技術的には可能である。
1 同軸ケーブル
2、20 細線
3 中心導体
4 内部絶縁体
5 外部導体
6 外部絶縁体
7 可とう性絶縁シート
8 配列溝
9 プリント基板
10、100 電極部
11 グランドバー
12 接着材
13、130 接続部材
14 開口部
15 スリット
16 電極膜
17 導電性接着材
2、20 細線
3 中心導体
4 内部絶縁体
5 外部導体
6 外部絶縁体
7 可とう性絶縁シート
8 配列溝
9 プリント基板
10、100 電極部
11 グランドバー
12 接着材
13、130 接続部材
14 開口部
15 スリット
16 電極膜
17 導電性接着材
Claims (8)
- 中心導体の周上に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成してなる同軸ケーブルの複数本を並列配置してなり、端末を段剥ぎすることによって露出された前記同軸ケーブルの前記中心導体を夫々整列配置する配列手段を形成した可とう性絶縁シートを用いると共に、前記可とう性絶縁シートに前記中心導体を夫々整列配置してなり、前記により整列配置された前記中心導体を夫々プリント基板に形成された対応する電極部に電気的に接続してなることを特徴とする同軸ケーブルの接続部。
- 前記中心導体が複数本の細線を撚り合わせた撚り線により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブルの接続部。
- 前記配列手段が前記中心導体の軸と平行に複数の溝を形成した配列溝からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の同軸ケーブルの接続部。
- 前記可とう性絶縁シートの前記配列手段に夫々中心導体を整列配置すると共に接着材で固定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の同軸ケーブルの接続部。
- 前記接着材が導電性接着材により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の同軸ケーブルの接続部。
- 前記配列手段に夫々中心導体を整列配置した前記可とう性絶縁シートに、前記中心導体の一部を夫々露出させる開口部を形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の同軸ケーブルの接続部。
- 前記可とう性絶縁シートが耐熱性を有するポリイミド樹脂又はポリテトラフルオロエチレン樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の同軸ケーブルの接続部。
- 中心導体の周上に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成してなる同軸ケーブルの複数本を並列配置し、端末を段剥ぎすることによって露出された前記同軸ケーブルの前記中心導体を夫々整列配置する配列手段を形成した可とう性絶縁シートを用い、前記可とう性絶縁シートに前記中心導体を夫々整列配置し、前記により整列配置された前記中心導体を夫々プリント基板に形成された対応する電極部に電気的に接続することを特徴とする同軸ケーブルの接続方法。
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JP2008292597A JP2010118318A (ja) | 2008-11-14 | 2008-11-14 | 同軸ケーブルの接続部及びその接続方法 |
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