JP2010272400A - 同軸ケーブルの接続構造及び接続方法 - Google Patents

同軸ケーブルの接続構造及び接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中心導体と外部導体の一括接続が可能であり、中心導体の導通不良、接着不良、電気的短絡などの不具合の発生を抑制でき、外部導体の導通不良も抑制し、さらにまた同軸ケーブル端末部の外部導体と中心導体の露出部の整列、固定に用いる部材点数を減らすことができ、健全な接続部を容易に得ることが可能な同軸ケーブルの接続構造及び接続方法を提供する。
【解決手段】多芯同軸ケーブル2の各同軸ケーブル4の端末部を段剥きして中心導体5と外部導体7を露出させると共に、露出させた中心導体5と外部導体7を、配列部材12に形成した配列溝11に、両導体5,7が配列部材12の表面から突出するように整列配置させ、配列部材12に整列配置された中心導体5と外部導体7を、プリント基板3に形成された対応する電極部14,15にそれぞれ電気的に接続してなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数本の同軸ケーブルを並列に配置した多芯同軸ケーブルとプリント基板とを接続する同軸ケーブルの接続構造及び接続方法に関するものである。
近年、携帯電話やノートパソコンなどの電子情報機器、および超音波診断装置や内視鏡などの医療機器分野では、機器の小型軽量化と共に、高機能化、すなわち情報画像の高精細化および高速化が要求されている。
これに伴って、機器内部や機器を構成する部品(アッセンブリ)間の接続に用いられる同軸ケーブルも細径化が進み、その一方で、使用する同軸ケーブルの本数が増加している。
機器の小型軽量化と高機能化を両立させるためには、同軸ケーブルの実装密度を高めることが必要であり、ケーブル端末部のサイズの小型化と共に、プリント基板に形成された電極部との接続における狭ピッチ接続が必要不可欠になっている。
同軸ケーブルとしては、複数本の細線を撚り合わせた撚り線からなる中心導体の外周に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成したものが一般に使用されている。外部導体は、例えば、複数本の金属細線を内部絶縁体の外周にらせん巻きすることにより構成される。
同軸ケーブルの中心導体とプリント基板の電極部との接続においては、並列に配置された複数本の同軸ケーブルの端末を段剥きすることによって中心導体を露出させ、各中心導体をプリント基板に形成された対応する電極部に電気的に接続することが行われる。
同軸ケーブルをプリント基板に接続する方法としては、個々の中心導体を個別に接続する方法と一括接続する方法とがあり、プリント基板の電極部に中心導体をはんだ付けなどにより直接、もしくは接続部品を介して間接的に接続する方法が用いられている。
しかして、プリント基板の電極部に中心導体を確実に接続するために従来から一般的に行われている方法は、依然として中心導体を一本ずつはんだ付けにより直接接続する方法である。しかも、その際のはんだ付け作業は、はんだごてを用いた手作業により行われている。この接続方法では、中心導体を一本ずつ確認しながらはんだ付けするため、接続ミスが少なく、確実な接続が可能であるが、接続品質は作業者の熟練度に依存する。
このような手作業によるはんだ付け作業では、複数本の中心導体を狭ピッチ接続する場合、はんだ接続が困難になる。具体的には、複数本の同軸ケーブル夫々の中心導体に対応して形成されたプリント基板の隣接する電極部間に、溶融したはんだが付着する電気的なブリッジが形成されたり、あるいは、はんだの濡れ不足が原因で接続不良を起こす場合があり、作業効率が低下するおそれがある。
また、同軸ケーブルの外部導体も、中心導体と同様に同軸ケーブルの端末を段剥きすることによって外部導体を露出させ、プリント基板に形成された対応する電極部に接続される。
外部導体の接続方法としては、露出した複数の外部導体部分に、並列に配置された同軸ケーブルを横断するように、外部導体の上下面もしくはどちらか片面にグランドバーを設置し、各外部導体とグランドバーを供給したはんだなどを溶融させて電気的に接続する。その後、グランドバーとプリント基板の対応する電極部とをはんだ付けなどにより接続する。このとき、グランドバーには、はんだを溶融するための熱を加える。また、比較的剛性が高いグランドバーを用い、プリント基板の対応する電極部とのはんだ付けを容易にするための加圧も行われている。
これに関連して、以下の先行技術文献には、並列に配置された複数本の同軸ケーブルの各中心導体をプリント基板の対応する電極部に狭ピッチで一括接続する方法が開示されている。
特許文献1には、並列に配置された複数本の同軸ケーブルよりなる多芯同軸ケーブルの端末部から取り出した複数本の同軸ケーブルを夫々収容、配列する溝を形成したリジッドな基台を用い、この基台に前記端末部の同軸ケーブルを夫々配列すると共に接着剤により固定した後、同軸ケーブルの中心導体と外部導体とが同一平面で夫々露出されるように基台ごと研磨し、この研磨により露出された中心導体と外部導体の導体面に異方性導電膜を貼り付け、この異方性導電膜を介して前記各導体面をプリント基板に相当する回路パターン部材の電極部に夫々熱圧着し、これにより接続部位を一括接続する方法が開示されている。
また、特許文献2には、並列に配置された複数の同軸ケーブルよりなる多芯同軸ケーブルの端末部において、中心導体と外部導体が夫々露出しており、この端末部の外部導体露出部の両面にグランドバーを接続し、端末部に配置した中心導体位置決め用の絶縁層と導電層が形成された第1のフィルムの表面に設けられた絶縁層に前記中心導体を接続部材で接続すると共に、外部導体に接続したグランドバーを第1のフィルムに形成された開口部に位置合せして第1のフィルムの導電層と接続した後に、中心導体の第1のフィルムと対向する面と反対側の面に中心導体位置決め用の第2のフィルムを設置して中心導体と接続し、中心導体と外部導体に接続したグランドバーの導体面を、プリント基板に相当する機器の回路に一括接続する方法が開示されている。
また、特許文献3に開示された接続方法は以下の通りである。並列に配置された複数の同軸ケーブルよりなる多芯同軸ケーブルの端末部において中心導体と外部導体が夫々露出しており、この端末部を覆うように中心導体整列板が配置され、中心導体配列板の表面に一定間隔で形成された中心導体収納溝に中心導体が整列状態で保持される。前記中心導体収納溝内には、厚さ方向に貫通孔が形成され、貫通孔に充填した導電性ペーストが中心導体の露出部と接続されている。また、中心導体整列板の多芯同軸ケーブル端末部の外部導体部に対応する位置には、スリットが形成されており、このスリットに充填した導電性ペーストが外部導体の露出部と接続されている。この端末部の中心導体整列板と対向している面以外の表面はカバー層で覆われている。露出した中心導体と外部導体のプリント基板の夫々対応する電極部への接続は、前記貫通孔とスリットに充填した導電性ペーストの露出面をプリント基板の電極部に接触、溶融することで一括接続する。
特開2003−143728号公報 特開2008−210563号公報 特開2003−112699号公報
上述したように、プリント基板の電極部に直接中心導体を手作業によりはんだ付けする方法では、中心導体を1本ずつ確認しながらはんだ付けを行うため、確実な接続ができる一方で、中心導体の狭ピッチ一括接続には対応することが困難であり、電子情報機器や医療機器の高精細化の要求から導体本数が増加した場合に、それに比例して接続に要する作業時間も増加してしまうという問題がある。
また、グランドバーを介した外部導体の接続も手作業で行われることが一般的であるため、グランドバーの加圧が不均一になり、特にグランドバーのエッジ部に過大な荷重が加わる場合がある。また、はんだの融点が高い(例えば、Sn−3Ag−0.5Cu(質量%)はんだの融点は218℃)ため、はんだ接続時の温度は300℃以上になる場合もあり、この熱によって内部絶縁体が変形し易くなっている。したがって、グランドバーのエッジ部直下の内部絶縁体と中心導体が押し潰されるように変形してしまい、溶融したはんだが外部導体から流出して中心導体まで到達し、外部導体と中心導体間、あるいは中心導体間での電気的短絡不良を起こす場合がある。また、内部絶縁体や中心導体が変形すると、同軸ケーブルの断面における誘電率に差異が生じ、同軸ケーブルの電気特性が劣化する場合がある。
同軸ケーブルの高密度実装によって、ケーブル端末部のサイズもより縮小することが必要になっており、外部導体露出部と中心導体露出部との間に形成される内部絶縁体の領域も狭くなってきている。そのため、外部導体と中心導体間の溶融はんだによる電気的短絡がより発生しやすくなっている。さらに、高周波特性向上のため、内部絶縁体を発泡樹脂で形成した同軸ケーブルにおいては、ケーブル半径方向の圧縮負荷に対してより変形しやすくなっており、上述の問題が発生しやすい。
また、特許文献1に記載の接続方法では、同軸ケーブルの中心導体と外部導体とが同一平面で露出されるように基台ごと研磨した際に、中心導体および外部導体を構成する撚られた状態にある複数本の金属細線がほぐれ、ほぐれた金属細線が研磨面から飛び出すことによって中心導体間、あるいは中心導体と外部導体間で短絡が生じ、同軸ケーブルの電気的性能を損なうという問題がある。
特許文献2に記載の接続方法では、中心導体と外部導体の一括接続が可能であり、同軸ケーブルの外部導体と中心導体の露出部を含む端末部全体が第1のフィルムで覆われているため、外部導体を接続するために加圧した場合でも、圧力が分散し、グランドバーのエッジ部に極端に過大な荷重が加わらなくなる。
しかし、特許文献2に記載の接続方法では、中心導体と外部導体の位置決めと、これらを一括接続するために用いる部材点数が多いので、製造工程が増加する問題がある。さらに、外部導体と中心導体を露出したケーブル端末部の対向する両面(例えば上下面)に第1のフィルムと第2のフィルムを形成しているので、これらフィルムとケーブル端末部を接続する際のツール領域を設ける必要がある。そのため、ケーブル端末部のサイズがその分大きくなり、接続部の小型化を阻害するおそれがある。
さらに、中心導体は第1のフィルム表面の平坦な面に絶縁性の接続部材で接続されるので、絶縁部材が並列配置された中心導体間に流出するか、あるいは中心導体表面に濡れ上がることによって、中心導体の表面を絶縁部材が覆い、中心導体を機器の回路に接続する場合の導電性が損なわれる問題がある。
また、特許文献2に記載の接続方法では、第2のフィルムに形成された開口部内で、中心導体を対応する電極部に接続する。中心導体と回路に形成した電極部間には、第2のフィルムの厚さ分のギャップが存在する。そのため、中心導体と電極部との接続に用いる接続部材の量が少ない場合には、ギャップを接続部材が埋めることができず電気的導通がとれなくなり、接続部材の量が多い場合では、並列に配置された中心導体間で接続部材がブリッジしてしまい、電気的短絡が生じる問題がある。
また、特許文献3に記載の接続方法によれば、中心導体の露出部とプリント基板の電極部との接続を、中心導体配列板表面に形成した中心導体収納溝内の貫通孔に充填した導電性ペーストで行っている。端末接続部の小型化に対応するため、中心導体径が微細化し、さらに導体接続ピッチが狭くなると、これに対応して前記貫通孔の幅(径)も狭くなるため、貫通孔内部に安定して導電性ペーストを充填することが困難になり、未充填部分が生じる。これによって、中心導体と電極部との電気的導通がとれなくなるおそれがあるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、中心導体の狭ピッチ接続と、中心導体と外部導体の一括接続が可能であり、接続に際して、中心導体の導通不良、接着不良、電気的短絡などの不具合の発生を抑制でき、さらに外部導体の導通不良をも抑制し、さらにまた同軸ケーブル端末部の外部導体と中心導体の露出部の整列、固定に用いる部材点数を減らすことができ、健全な接続部を容易に得ることが可能な同軸ケーブルの接続構造及び接続方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、中心導体の外周に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成してなる同軸ケーブルを複数本並列に配置した多芯同軸ケーブルを、プリント基板に接続する同軸ケーブルの接続構造であって、前記多芯同軸ケーブルの各同軸ケーブルの端末部を段剥きして前記中心導体と前記外部導体を露出させると共に、露出させた前記中心導体と前記外部導体を、配列部材に形成した配列溝に、前記両導体が前記配列部材の表面から突出するように整列配置させ、前記配列部材に整列配置された前記中心導体と前記外部導体を、前記プリント基板に形成された対応する電極部にそれぞれ電気的に接続してなる同軸ケーブルの接続構造である。
前記配列部材が、可とう性を有する絶縁性シートからなってもよい。
前記配列溝に整列配置された前記中心導体と前記外部導体を、接着剤により前記配列部材に固定してもよい。
前記配列溝が、前記中心導体を収納する中心導体用配列溝と、前記外部導体を収納する外部導体用配列溝とからなってもよい。
前記中心導体用配列溝は、前記外部導体用配列溝よりもその開口部が狭く、深さが浅く形成されてもよい。
前記外部導体用配列溝の表面に共通の導電性膜を形成すると共に、該導電性膜と前記各外部導体とを導電性接着剤で固定して、前記外部導体同士を電気的に接続するようにしてもよい。
前記中心導体用配列溝と前記外部導体用配列溝との境界部分に、前記同軸ケーブルの長手方向と直交する方向にスリットを形成してもよい。
前記配列部材に整列配置された前記中心導体と前記外部導体とを、予め前記電極部にコーティングされた導電性を有する接続材により、前記プリント基板に形成された対応する前記電極部にそれぞれ電気的に接続してもよい。
前記配列部材に整列配置された前記中心導体と前記外部導体とを、異方導電性接着剤を用いて、前記プリント基板に形成された対応する前記電極部にそれぞれ電気的に接続してもよい。
前記中心導体を前記電極部に電気的に接続する際に用いる異方導電性接着剤は、前記外部導体を前記電極部に電気的に接続する際に用いる異方導電性接着剤よりも、異方導電性接着剤に充填される導電性粒子の粒径が大きくされるか、あるいは、充填される導電性粒子の充填量が多くされてもよい。
また、本発明は、中心導体の外周に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成してなる同軸ケーブルを複数本並列に配置した多芯同軸ケーブルを、プリント基板に接続する同軸ケーブルの接続方法であって、前記多芯同軸ケーブルの各同軸ケーブルの端末部を段剥きして前記中心導体と前記外部導体を露出させると共に、露出させた前記中心導体と前記外部導体を、配列部材に形成した配列溝に整列配置させ、前記配列部材に整列配置された前記中心導体と前記外部導体を、前記プリント基板に形成された対応する電極部にそれぞれ電気的に接続する同軸ケーブルの接続方法である。
前記配列溝に整列配置された前記中心導体と前記外部導体とを、接着剤により前記配列部材に固定した後、前記中心導体と前記外部導体とを、前記プリント基板に形成された対応する前記電極部にそれぞれ電気的に接続してもよい。
前記配列部材に、前記中心導体を収納するための中心導体用配列溝と、前記外部導体を収納するための外部導体用配列溝とを形成し、前記中心導体用配列溝に前記中心導体を整列配置させ、前記外部導体用溝に前記外部導体を整列配置させてもよい。
前記外部導体用配列溝の表面に共通の導電性膜を形成すると共に、該導電性膜と前記各外部導体とを導電性接着剤で固定して、前記外部導体同士を電気的に接続するようにしてもよい。
本発明によれば、中心導体の狭ピッチ接続と、中心導体と外部導体の一括接続が可能であり、接続に際して、中心導体の導通不良、接着不良、電気的短絡などの不具合の発生を抑制でき、さらに外部導体の導通不良をも抑制し、さらにまた同軸ケーブル端末部の外部導体と中心導体の露出部の整列、固定に用いる部材点数を減らすことができ、健全な接続部を容易に得ることが可能な同軸ケーブルの接続構造及び接続方法を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)はその透視平面図である。 (a)は図1(a)の2A−2A線断面図、図2(b)は2B−2B線断面図、図2(c)は2C−2C線断面図である。 本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造に用いる同軸ケーブルを示す横断面図である。 本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造に用いる配列部材の斜視図である。 図4の配列部材に同軸ケーブルの中心導体と外部導体を配置した図であり、(a)は配列部材の表面側から見た斜視図、(b)は配列部材の裏面側から見た斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続方法のフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造を示す図であり、接続材として異方導電性接着剤を用いた場合の中心導体と中心導体用電極の接続状況を示す断面図である。 (a)は本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造に用いる配列部材の斜視図であり、(b)はその配列部材に同軸ケーブルの中心導体と外部導体を配置した斜視図、(c)はその8C−8C線断面図である。 本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造に用いる配列部材の斜視図である。 図10の配列部材にスリットを形成した場合を示す図であり、(a)は配列部材の両端部にスリットを形成した場合の斜視図、(b)は配列部材の両端部と中央部にスリットを形成した場合の斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造を示す図であり、(a)は配列部材の斜視図、(b)は配列部材に同軸ケーブルの中心導体と外部導体を配置した斜視図、(c)は当該配列部材を用いた同軸ケーブルの接続構造の断面図である。 本発明の一実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造に用いる配列部材に、同軸ケーブルの中心導体と外部導体を配置した斜視図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1(a)は、本実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造の平面図であり、図1(b)はその透視平面図、図2(a)はその2A−2A線断面図、図2(b)はその2B−2B線断面図、図2(c)はその2C−2C線断面図である。
図1,2に示すように、同軸ケーブルの接続構造1は、多芯同軸ケーブル2をプリント基板3に接続する接続構造である。多芯同軸ケーブル2は、複数の同軸ケーブル4を並列に配置し、これら各同軸ケーブル4を束ねて形成される。
同軸ケーブル4は、図3に示すように、その中心に配置された中心導体5と、その外周に順に形成された内部絶縁体6、外部導体7、および外部絶縁体8とによって構成されている。
中心導体5は、複数の金属細線9が複数(図3では7本)撚り合わされて一体の中心導体5を構成している。外部導体7は、複数の金属細線10を内部絶縁体6の外周にらせん状に巻きつけた構造となっている。なお、図1(a),(b)および図2(a)では、同軸ケーブル4を構成する中心導体5と外部導体7をそれぞれ一体にした形状で示してある。
同軸ケーブル4の端部4aでは、各同軸ケーブル4の端末部が段剥きされ、中心導体5、内部絶縁体6、および外部導体7が外部絶縁体8から露出するようにされる。
同軸ケーブル4の端部4aには、図4に示すような電気絶縁性の配列部材12が配置されている。
配列部材12としては、可とう性を有する薄いシート状、あるいはフィルム状の絶縁性を有する樹脂材料を用いる。具体的には、配列部材12は、例えば、耐熱性を有するポリイミド樹脂又はポリテトラフルオロエチレン樹脂製の絶縁性シートであって、面圧を加えられたときに撓みを生じやすい可とう性の絶縁性シートが用いられる。配列部材12を耐熱性とするのは、接続部を形成する際に絶縁性シートに加えられる加熱によるダメージを抑制するためである。
図4に示すように、配列部材12の表面12aには、同軸ケーブル4の端末部を収納するための断面形状がV字形状の配列溝11が形成されている。配列溝11は、中心導体5を収納するための中心導体用配列溝11aと、外部導体7を収納するための外部導体用配列溝11bとからなる。
中心導体用配列溝11a、外部導体用配列溝11bは、中心導体5、外部導体7を収納したときに、両導体5,7が配列部材12の表面12aから突出するように、すなわち、両導体5,7を部分的に収納するように形成される。
同軸ケーブル4の端部4aにおいて、露出した中心導体5の部分と外部導体7の部分の外形サイズ(外径)は異なっており、図3に示したように、外部導体7の部分の外形サイズDdが中心導体5の部分の外形サイズDaより大きくなっている。そこで、本実施の形態では、この外形サイズの違いに対応して、中心導体用配列溝11aの開口幅と深さを、外部導体用配列溝11bより狭くかつ浅く形成した。
中心導体用配列溝11aと外部導体用配列溝11bは、中心導体5と外部導体7の配列(配列ピッチ)に対応して、夫々が並列して形成される。中心導体5と外部導体7とが同じ間隔で配置されている場合は、配列溝11a,11bも中心導体5や外部導体7と同じ間隔で形成される。
本実施の形態では、配列溝11の断面形状をV字形状としたが、これに限らず、これ以外の形状、例えば、半円形や台形であってもよく、中心導体5と外部導体7を少なくとも部分的に収納し、配列した状態で固定可能であれば、どのような形状であってもよい。
中心導体5と外部導体7は、図5(a),(b)に示すように、夫々が配列部材12に形成されている中心導体用配列溝11a、外部導体用配列溝11bに部分的に収納され、図2に示すように、接着剤13a,13bによって配列部材12に固定される。これによって、複数の中心導体5と外部導体7は、並列方向に整列した状態で配列部材12に保持される。
接着剤13a,13bとしては、非導電性、導電性どちらの特性を有する材料を用いてもよい。接着剤13a,13bとして非導電性の接着剤(例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂)を用いる場合は、両導体5,7のプリント基板3と対向する表面(配列部材12の表面12a側の表面)には、接着剤13a,13bが塗布されないようにする。接着剤13a,13bとして導電性接着剤(例えば銀やニッケルなどの金属粒子充填エポキシ樹脂)を用いる場合は、接着剤13a,13bが中心導体5や外部導体7の表面すべてを覆った場合でも、プリント基板3との接続が可能となる。したがって、接着剤13a,13bとして導電性接着剤を用いることで、中心導体5や外部導体7の配列溝11a,11bへの接着固定作業の制約を少なくすることができ、作業効率を向上できる。本実施の形態では、熱硬化型の接着剤13a,13bを用いる場合を説明する。
このように、本実施の形態では、中心導体5と外部導体7が夫々配列部材12に形成した配列溝11a,11bによって整列、固定された状態でプリント基板3との接続を実施する。
配列部材12に固定された中心導体5と外部導体7は、配列部材12の表面12aをプリント基板3に対向させた状態で、プリント基板3に形成された中心導体用電極部14および外部導体用電極部15に、接続材16,17によってそれぞれ接続される。これにより、中心導体5とプリント基板3の中心導体用電極部14、外部導体7とプリント基板3の外部導体用電極部15とがそれぞれ電気的に接続される。
より具体的には、中心導体5と外部導体7が整列固定された配列部材12の表面12aをプリント基板3と対向させ、中心導体5と外部導体7とを対応する電極部14,15と位置合せして設置する。この状態で中心導体5と中心導体用電極部14の接続部、及び外部導体7と外部導体用電極部15の接続部を加熱、もしくは加熱と共に加圧(例えば、配列部材12をプリント基板3側に加圧)することによって、接続材16,17を介して、中心導体5と中心導体用電極部14、外部導体7と外部導体用電極部15とをそれぞれ電気的に接続する。
接続材16,17は、導電性を有するはんだなどの材料からなり、電極部14,15の表面に、あらかじめ印刷法またはディスペンス法によってコーティングしておくとよい。接続材16,17としては、はんだの他に、例えば銀(Ag)粒子やニッケル(Ni)粒子、はんだ粒子などをエポキシ樹脂などに充填した導電性接着剤を用いることができる。
中心導体5は、夫々が個別に対応する中心導体用電極部14に接続され、個々に絶縁する必要があるため、中心導体5と中心導体用電極部14は一対ずつ接続材16で接続される(図2(b)参照)。
外部導体7は、すべてが同一電位(接地電位)とされるため、個別に絶縁する必要がない。よって、プリント基板3に共通の外部導体用電極部15を形成し、複数の外部導体7を並列方向に繋いだ形で接続材17によって接続する(図2(c)参照)。
次に、本実施の形態に係る同軸ケーブルの接続方法を図6を用いて説明する。
図6に示すように、まず、多芯同軸ケーブル2の各同軸ケーブル4の端末部を段剥きして、中心導体5と外部導体7をそれぞれ露出させる(ステップS1)。
この段剥きは、切削用金型やレーザー(炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなど)を用いて内部絶縁体6、外部絶縁体8に切り込みを入れ、内部絶縁体6および外部絶縁体8の一部をそれぞれ同軸ケーブル4の端部4aから除去することにより行う。
その後、配列部材12の中心導体用配列溝11aと外部導体用配列溝11bの内部それぞれに接着剤13a,13bを塗布し(ステップS2)、配列溝11a,11bに中心導体5と外部導体7を整列配置し、収納する(ステップS3)。
配列部材12に中心導体5と外部導体7を整列配置した後、加熱によって、接着剤13a,13bを硬化させ、配列部材12の中心導体用配列溝11aに中心導体5、外部導体用配列溝11bに外部導体7を固定する(ステップS4)。
接着剤13a,13bを硬化させる際に、加熱すると共に、中心導体5と外部導体7を配列部材12に押し付けるように加圧するようにしてもよい。加圧することによって、中心導体5と外部導体7とを夫々の配列溝11a,11bにより確実に固定することができる。
接着剤13a,13bの硬化は、接着剤13a,13bの種類(材質)にもよるが、熱風、赤外線やレーザを用いた加熱を行うと共に、高温に保持したブロック上に配列部材12を載置して加熱することにより行うとよい。
その後、プリント基板3表面の所定の位置に形成された、中心導体用電極部14および外部導体用電極部15に、それぞれ接続材16,17を塗布する(ステップS5)。接続材16,17は、印刷法またはディスペンス法により中心導体用電極部14、外部導体用電極部15に塗布するとよい。
各電極部14,15に接続材16,17を塗布した後、配列部材12に整列固定された中心導体5および外部導体7をプリント基板3の対応する電極部14,15に重ね合わせて配置して位置合せし(ステップS6)、接続部位を加熱して接続材16,17を溶融させて、電極部14,15にそれぞれ中心導体5、外部導体7を一括して電気的に接続する(ステップS7)。
中心導体5および外部導体7と、夫々に対応する電極部14,15とを接続材16,17で電気的に接続するとき、熱圧着と呼ばれる加熱と共に加圧する方式を用いてもよい。また、中心導体5と外部導体7の接続は、別々に行ってもよい。
以上により、多芯同軸ケーブル2の各同軸ケーブル4がプリント基板3に接続され、同軸ケーブルの接続構造1が形成される。
本実施の形態では、接続材16,17としてはんだや導電性接着剤を用いる場合について説明したが、接続材16,17として、異方導電性接着剤(異方導電性樹脂あるいは異方導電性フィルム)を用いるようにしてもよい。
中心導体5と中心導体用電極部14とを電気的に接続する接続材16に異方導電性接着剤を用いる場合、図7に示すように、複数の中心導体5を並列方向に繋いだ形で接続材16を形成してもよい。この場合、中心導体5と電極部14が対向する方向(図示上下方向)には、異方導電性接着剤に充填された導電性粒子が接触して導電性が得られる。中心導体5の並列方向(図示左右方向)では、各中心導体5間で占める絶縁性樹脂の割合が高くなり、並列方向の絶縁性を保つことができる。
上述のように、中心導体5と外部導体7の外形サイズには差異があり、外部導体7の外形サイズが大きいため、プリント基板3の対応する電極部14,15に導体5,7夫々を設置した場合、中心導体5と外部導体7の両者の軸が一致した状態で配列部材12に固定されていると、電極部14,15表面から導体5,7の電極部14,15に対向する面までの距離に差異が生じ、中心導体5と中心導体用電極部14との間隔が、外部導体7と外部導体用電極部15との間隔より広くなる。このような状態で、中心導体5を中心導体用電極部14に接続材16で接続すると、接続後の接続材16の厚さが、外部導体7と外部導体用電極部15と接続する接続材17の厚さより厚くなる。
接続材16,17に異方導電性接着剤を用いる場合、接続材16,17が厚くなると、充填された導電性粒子の接触箇所が増えることで抵抗が増加し、電気特性の低下を起こす場合がある。そのため、導体5,7を電極部14,15に接続材16,17で接続したときの厚さが厚くなる場合には、接続に用いる異方導電性接着剤に充填される導電性粒子のサイズ(粒径)を大きくするか、もしくは導電性粒子の充填量を増加することで、上記の抵抗増加を防ぐことができる。
本実施の形態では、中心導体5を中心導体用電極部14に接続する接続材16に用いる異方導電性接着剤に充填される導電性粒子のサイズを、外部導体7接続用の異方導電性接着剤に充填されている導電性粒子よりも大きくするか、もしくは、充填されている導電性粒子のサイズを同じにして、中心導体5接続用の異方導電性接着剤の導電性粒子の充填量を外部導体7用の接続材17より多くする。これによって、中心導体5と中心導体用電極部14との電気的接続を確実に行うことができる。
同軸ケーブルの接続構造1の作用を説明する。
本実施の形態に係る同軸ケーブルの接続構造1では、多芯同軸ケーブル2の各同軸ケーブル4の端末部を段剥きして中心導体5と外部導体7を露出させると共に、露出させた中心導体5と外部導体7を、配列部材12に形成した配列溝11a,11bに、両導体5,7が配列部材12の表面12aから突出するように整列配置させ、配列部材12に整列配置された中心導体5と外部導体7を、プリント基板3に形成された対応する電極部14,15にそれぞれ電気的に接続している。
露出させた中心導体5と外部導体7を、配列部材12に形成した配列溝11a,11bに整列配置させることで、中心導体5と外部導体7の整列配置が容易になり、特に中心導体5の中心導体用電極部14との狭ピッチ接続、中心導体5と外部導体7の電極部14,15への一括接続が容易になり、健全な接続部を容易に得ることができる。
また、中心導体5と外部導体7を夫々対応する配列部材12に形成した配列溝11a,11bに収納することで、中心導体5と外部導体7を夫々対応する電極部14,15に接続材16,17を介して接続する際に加えられる荷重が広範囲に分散されるようになる。これによって、中心導体5と外部導体7とが局所的な荷重によって押し潰され、断面形状が変形することを抑制できる。
また、両導体5,7が配列部材12の表面12aから突出するように整列配置させることで、中心導体5や外部導体7をプリント基板3の電極部14,15に接続する際に、接続材16,17が中心導体5や外部導体7に接触する面積を確保できるため、接続信頼性を向上することができる。
すなわち、両導体5,7が配列部材12の表面12aから突出するようにすることで、中心導体5と外部導体7を夫々対応する電極部14,15へ電気的に接続するために用いる接続材16,17が中心導体5と外部導体7、およびこれらに対応した電極部14,15の両方に濡れやすくなるため、接続を確実かつ容易におこなうことができるようになる。
さらに、熱圧着方式のような加圧して接続する方法では、中心導体5や外部導体7の表面が配列部材12の表面12aから突出して露出していると、対向する両導体5,7と電極部14,15間に存在する接着材16,17に直接荷重を伝えることができるようになる。これによって、導体5,7と電極部14,15との接続信頼性を向上することができ、特に、接続材16,17に異方導電性接着剤(異方導電性樹脂や異方導電性フィルム)などを用いて接続する場合に、効果が得られる。
また、同軸ケーブルの接続構造1では、配列部材12が単一部品から構成されているので、両導体5,7の整列固定作業や接続作業の作業効率が向上するだけでなく、部品点数を削減できると共に、接続部のサイズを小さくすることができ、同軸ケーブル4の高密度実装を容易に実施することができる。
なお、本実施の形態における同軸ケーブル4の端部4aは、図5(b)に示したように、配列部材12で覆われ、中心導体5、外部導体7と電極部14,15との接続は、配列部材12の外形の投影面内で実施される。そのため、中心導体5と外部導体7の接続部を配列部材12で保護することができ、製造工程で工具や部品が接続部に接触することなどで発生する損傷を防ぐことができる。
また、同軸ケーブルの接続構造1では、配列部材12として可とう性を有する絶縁性シートを用いている。これにより、同軸ケーブル4の端部4aの中心導体5と外部導体7夫々の露出部をプリント基板3の対応する電極部14,15に接続する際に、中心導体5と外部導体7の外径サイズの差異による段差を吸収し、中心導体5と外部導体7の露出部を電極部14,15に直接もしくは接続材16,17を介して間接的に接触させることができる。
さらに、配列部材12として可とう性を有する絶縁性シートを用いることで、例えば、中心導体5と電極部14の接続面に夫々一様な面圧、接触状態をもたらすことができ、可とう性のないガラス製の硬質な溝付き部材などを用いて接続を行う場合に問題となる、接続部を構成する部材や接着材16,17などの寸法精度のばらつきに起因するいわゆる片当たりの問題が生じにくく、これにより懸念される接触不良の問題を容易に解決することができる。
また、配列部材12に可とう性を有する絶縁性シートを用いることにより、同軸ケーブル4の中心導体5の狭ピッチ、一括接続が容易になるだけでなく、基台ごと研磨する方法を採用しないことから、中心導体5を構成する金属細線9のほぐれが少なくなり、また可とう性のないガラス製の硬質な溝付き部材を用いて接続する方法でないことから、金属細線9の断線や接触不良、短絡などの不具合の発生が少ない。これにより、健全な接続部を容易に得ることができる。なお、金属細線9の断線は、ガラス製の硬質な溝付き部材を用いた場合に、ほぐれた金属細線9が溝付き部材の溝と溝に挟まれたときに生じやすい。
さらに、可とう性を有する絶縁性シートからなる配列部材12を用い、かつ、中心導体5と外部導体7のプリント基板3の電極部14,15への電気的接続を、両導体5,7が配列部材12に形成された配列溝11a,11bに収納配列された状態で行うことで、上記した熱圧着方式などで接続する際に荷重が加えられたときに、両導体5,7が配列溝11a,11bに収納されているので、両導体5,7に直接過大な荷重が加わるのを低減することができる。また、外部導体7の接続に関して、従来の剛性の高い金属性グランドバーを用いた接続に比べて、加える荷重自体も低減することが可能である。したがって、熱圧着方式などで接続する際に、配列部材12の配列溝11a,11bに収納配列された同軸ケーブル4の端部4aが変形してしまうことを抑制できる。
また、接続材16,17として、はんだの代わりに異方導電性接着剤を用いることによって、接続時の温度をはんだより低減する事ができる。これによって、導体5,7接続時の同軸ケーブル4の端部4aの温度上昇を抑えられるので、接続時の同軸ケーブル4の端部4aの変形をより小さくすることが可能となる。
また、本実施の形態では、配列溝11a,11bに整列配置された中心導体5と外部導体7を、接着剤13a,13bにより配列部材12に固定している。
同軸ケーブル4の中心導体5には、図3に示したように、金属細線9を撚り合わせた撚り線を用いる。中心導体5を内部絶縁体6と外部導体7から露出させると、中心導体5の露出後時間が経つと金属細線9がほぐれる場合がある。金属細線9にほぐれが発生すると、ほぐれた金属細線9が隣接する他の中心導体5に接触して短絡を生じさせ、電気的特性を損なう場合がある。本実施の形態では、露出した中心導体5を配列部材12の中心導体用配列溝11aに接着剤13aで固定することによって、金属細線9のほぐれ発生を抑制することができるので、短絡により電気的特性を損なうことがない。中心導体5を複数本の金属細線9を撚り合わせた撚り線で構成することにより、特に曲げに強い同軸ケーブルの接続構造1を実現することができる。
さらに、同軸ケーブルの接続構造1では、中心導体用配列溝11aを、外部導体用配列溝11bよりもその開口部が狭く、深さが浅く形成している。これによって、中心導体5と外部導体7の外形サイズの差異を吸収し、中心導体5と外部導体7の少なくとも一部分の表面が夫々配列部材12の表面12aから突出して露出するようにすることができる。
また、本実施の形態に係る同軸ケーブルの接続方法によれば、同軸ケーブルの接続構造1を容易に形成することができる。
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
図8,9に示す同軸ケーブルの接続構造81は、基本的な構成は図1〜図7に示した同軸ケーブルの接続構造1と同じであり、図8(a)に示すように、配列部材12に形成された中心導体用配列溝11aと外部導体用配列溝11bが、同一の開口幅と深さで形成されている点で異なる。配列溝11a,11bは、中心導体5の外形サイズより大きい外部導体7の外形サイズに対応して形成されている。このように、配列溝11a,11bの形状を同じにすることで、溝加工が容易となり、製造コストを低減する効果が得られる。
同軸ケーブルの接続構造81では、配列溝11a,11bの内部に接着剤13a,13bを塗布し、中心導体5と外部導体7を整列した状態で配置した後、接着剤13a,13bを硬化させて固定する。この際、中心導体5と外部導体7の軸が配列部材12に対向する方向(図8(b)では上下方向)にずれるのを少なくするため、図8(c)に示すように、中心導体5固定用の接着剤13aを外部導体7固定用の接着剤13bよりも厚く形成する。
また、中心導体5の表面の一部が、配列部材12の表面12aから突出するようにする。この状態で、プリント基板3の対応する電極部14,15に夫々重ねて配置し、接続部位を加熱もしくは加熱加圧し、接続材16,17を介して、電極部14,15に夫々中心導体5および外部導体7を一括して電気的に接続する。
図8(c)に示したように、中心導体5と外部導体7の外形サイズの差異は、接着剤13a,13bの厚さの調整によって吸収できる。さらに、接着剤13a,13bの塗布量のばらつきや同軸ケーブル4の寸法のばらつきによって、プリント基板3の電極部14,15に接続する際に中心導体5と外部導体7に高さ方向の差異が生じても、配列部材12を可とう性を有する材料で形成しているので、図9に示すように、高さ方向の差異に追随して配列部材12が変形する。これによって、中心導体5と外部導体7と夫々対応する電極部14,15との接続を確実、かつ容易に行うことができる。なお、同軸ケーブルの接続構造81においても、同軸ケーブルの接続構造1と同様に、中心導体5と外部導体7を整列配置でき、中心導体5を狭ピッチで接続でき、中心導体5と外部導体7の一括接続が可能であることは勿論である。
同軸ケーブルの接続構造1,81では、配列部材12を、同軸ケーブル4の端部4aで露出した中心導体5と外部導体7の両方を覆う図10に示すようなシート状の部材で構成し、中心導体用配列溝11aと外部導体用配列溝11bが連続して切れ目なく形成されている場合を説明したが、図11(a),(b)に示すように、配列部材12の中心導体用配列溝11aと外部導体用配列溝11bの境界部に、同軸ケーブル4の長手方向と直交する方向にスリット110を形成するようにしてもよい。スリット110は、図11(a)に示すように、配列部材12の両端(両側端部)2箇所に形成してもよいし、図11(b)に示すように、配列部材12の両端と中央の3箇所に形成してもよい。
スリット110を形成することで、配列部材12の可とう性がより高くなるので、図9に示したように、中心導体5と外部導体7の外形サイズの差異に起因して、電極部14,15への接続によって配列部材12が変形する場合に、その変形をより容易に実現することができる。換言すれば、スリット110を形成することで、同軸ケーブル4の端部4aの中心導体5と外部導体7夫々の露出部をプリント基板3の対応する電極部14,15に接続する際に、中心導体5と外部導体7の外形サイズの差異による段差を吸収しやすくし、中心導体5と外部導体7の露出部を電極部14,15に直接もしくは接続部材16,17を介して間接的に接触させることができる。これによって中心導体5と外部導体7と、これら夫々に対応した電極部14,15との接続を容易にかつ確実に一括で行うことができる。
図12に示す同軸ケーブルの接続構造121は、基本的な構成は図1〜図7に示した同軸ケーブルの接続構造1と同じであり、図12(a)に示すように、配列部材12の外部導体用配列溝11bの表面と、外部導体7を配列する部分の配列部材12の表面12aとに、共通の導電性膜122を形成した点が異なる。
同軸ケーブルの接続構造121では、図12(b)、(c)に示すように、外部導体7を、配列部材12の外部導体用配列溝11bに形成した導電性膜122に、導電性の接着剤13bを用いて固定すると共に電気的に接続することによって、外部導体7を外部導体用配列溝11bの部分に整列、固定する。これにより、外部導体用配列溝11bに配置されている複数の外部導体7同士の電気的導通をとることができる。
導電性膜122は、通常電気めっき法により形成されるが、ディスペンス法により形成することも可能である。電気めっき法においては、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、錫(Sn)などのめっきを単独もしくは組み合わせて形成することができる。また、ディスペンス法においては、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などの金属粒子を充填して導電性接着剤を用いて形成することができる。
複数の外部導体7を個々にプリント基板3の夫々対応する外部導体用電極部15に接続する場合、両者の接続に用いる接続材17の塗布ばらつきや濡れ不良、あるいは製造工程で発生する絶縁物が外部導体7と外部導体用電極部15との間に異物として介在するなどによって、良好な電気的導通が図れなくなることが想定される。
同軸ケーブルの接続構造121では、外部導体用配列溝11bに形成した導電性膜122を介して外部導体7同士を電気的に接続することによって、外部導体7をプリント基板3の外部導体用電極部15に接続材17を介して接続した際に、外部導体7の形状ばらつきや接続材17の塗布ばらつきなどによって、1本あるいは複数本の外部導体7が外部導体用電極部15と電気的導通が取れない場合や、部分的な非導通箇所が存在する場合であっても、外部導体7全体として電気的導通がとれることになるので、電気的特性(シールド特性)が損なわれることがない。したがって、外部導体7の電気的導通不良を抑制し、プリント基板3の外部導体用電極部15に確実に接続することができるようになり、同軸ケーブル4の確実なシールド効果を得ることができる。
同軸ケーブルの接続構造121では、配列部材12に外部導体用配列溝11bを形成し、その表面に導電性膜122を形成する場合を説明したが、中心導体5を配列、固定するための中心導体用配列溝11aが配列部材12に形成されていれば、中心導体5の配列にしたがって外部導体7も配列されることになるため、図13に示すように、配列部材12の外部導体用配列溝11bを省略し、外部導体7を配列させる部分を平坦形状とし、その表面に導電性膜122を形成して外部導体7を導電性の接着剤13bで接続、固定するようにしてもよい。
このように外部導体7を配列させる部分を平坦形状とすることで、配列部材12の構造を簡略化することができるため、配列部材12の製造コストを低減することができる。なお、同軸ケーブルの接続構造121においても、中心導体5と外部導体7を整列配置でき、中心導体5を狭ピッチで接続し、中心導体5と外部導体7の一括接続が可能であることは勿論である。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加え得ることは勿論である。
1 同軸ケーブルの接続構造
2 多芯同軸ケーブル
3 プリント基板
4 同軸ケーブル
5 中心導体
6 内部絶縁体
7 外部導体
8 外部絶縁体
11 配列溝
11a 中心導体用配列溝
11b 外部導体用配列溝
12 配列部材
13a,13b 接着剤
14 中心導体用電極部
15 外部導体用電極部
16,17 接続材

Claims (14)

  1. 中心導体の外周に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成してなる同軸ケーブルを複数本並列に配置した多芯同軸ケーブルを、プリント基板に接続する同軸ケーブルの接続構造であって、
    前記多芯同軸ケーブルの各同軸ケーブルの端末部を段剥きして前記中心導体と前記外部導体を露出させると共に、露出させた前記中心導体と前記外部導体を、配列部材に形成した配列溝に、前記両導体が前記配列部材の表面から突出するように整列配置させ、前記配列部材に整列配置された前記中心導体と前記外部導体を、前記プリント基板に形成された対応する電極部にそれぞれ電気的に接続してなることを特徴とする同軸ケーブルの接続構造。
  2. 前記配列部材が、可とう性を有する絶縁性シートからなる請求項1記載の同軸ケーブルの接続構造。
  3. 前記配列溝に整列配置された前記中心導体と前記外部導体を、接着剤により前記配列部材に固定した請求項1記載の同軸ケーブルの接続構造。
  4. 前記配列溝が、前記中心導体を収納する中心導体用配列溝と、前記外部導体を収納する外部導体用配列溝とからなる請求項1〜3いずれかに記載の同軸ケーブルの接続構造。
  5. 前記中心導体用配列溝は、前記外部導体用配列溝よりもその開口部が狭く、深さが浅く形成される請求項4記載の同軸ケーブルの接続構造。
  6. 前記外部導体用配列溝の表面に共通の導電性膜を形成すると共に、該導電性膜と前記各外部導体とを導電性接着剤で固定して、前記外部導体同士を電気的に接続するようにした請求項4または5記載の同軸ケーブルの接続構造。
  7. 前記中心導体用配列溝と前記外部導体用配列溝との境界部分に、前記同軸ケーブルの長手方向と直交する方向にスリットを形成した請求項4〜6いずれかに記載の同軸ケーブルの接続構造。
  8. 前記配列部材に整列配置された前記中心導体と前記外部導体とを、予め前記電極部にコーティングされた導電性を有する接続材により、前記プリント基板に形成された対応する前記電極部にそれぞれ電気的に接続した請求項1〜7いずれかに記載の同軸ケーブルの接続構造。
  9. 前記配列部材に整列配置された前記中心導体と前記外部導体とを、異方導電性接着剤を用いて、前記プリント基板に形成された対応する前記電極部にそれぞれ電気的に接続した請求項1〜7いずれかに記載の同軸ケーブルの接続構造。
  10. 前記中心導体を前記電極部に電気的に接続する際に用いる異方導電性接着剤は、前記外部導体を前記電極部に電気的に接続する際に用いる異方導電性接着剤よりも、異方導電性接着剤に充填される導電性粒子の粒径が大きくされるか、あるいは、充填される導電性粒子の充填量が多くされる請求項9記載の同軸ケーブルの接続構造。
  11. 中心導体の外周に、内部絶縁体、外部導体、外部絶縁体を順次形成してなる同軸ケーブルを複数本並列に配置した多芯同軸ケーブルを、プリント基板に接続する同軸ケーブルの接続方法であって、
    前記多芯同軸ケーブルの各同軸ケーブルの端末部を段剥きして前記中心導体と前記外部導体を露出させると共に、露出させた前記中心導体と前記外部導体を、配列部材に形成した配列溝に整列配置させ、前記配列部材に整列配置された前記中心導体と前記外部導体を、前記プリント基板に形成された対応する電極部にそれぞれ電気的に接続することを特徴とする同軸ケーブルの接続方法。
  12. 前記配列溝に整列配置された前記中心導体と前記外部導体とを、接着剤により前記配列部材に固定した後、前記中心導体と前記外部導体とを、前記プリント基板に形成された対応する前記電極部にそれぞれ電気的に接続する請求項11記載の同軸ケーブルの接続方法。
  13. 前記配列部材に、前記中心導体を収納するための中心導体用配列溝と、前記外部導体を収納するための外部導体用配列溝とを形成し、前記中心導体用配列溝に前記中心導体を整列配置させ、前記外部導体用溝に前記外部導体を整列配置させる請求項11または12記載の同軸ケーブルの接続方法。
  14. 前記外部導体用配列溝の表面に共通の導電性膜を形成すると共に、該導電性膜と前記各外部導体とを導電性接着剤で固定して、前記外部導体同士を電気的に接続するようにした請求項13記載の同軸ケーブルの接続方法。
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