JP2010072420A - フォトマスクケース - Google Patents
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Abstract
【課題】フォトマスクケースの支持体によって付着するパーティクルは洗浄後も残留しやすい傾向があり、傷については洗浄しても除去することは不可能であるため、フォトマスクの表裏面とフォトマスクケースの支持体が接触しないようなフォトマスクケースを提供すること。
【解決手段】フォトマスクを保持するためのフォトマスクケースにおいて、フォトマスクの周囲を覆う外装容器に支持棒挿入穴を有し、その支持棒挿入穴から挿入された支持棒によりフォトマスクの側面を保持し、その支持棒がフォトマスクの側面部と接する側の先端部に弾性を有する支持体を設けていることを特徴とするフォトマスクケースとする。
【選択図】 図1
【解決手段】フォトマスクを保持するためのフォトマスクケースにおいて、フォトマスクの周囲を覆う外装容器に支持棒挿入穴を有し、その支持棒挿入穴から挿入された支持棒によりフォトマスクの側面を保持し、その支持棒がフォトマスクの側面部と接する側の先端部に弾性を有する支持体を設けていることを特徴とするフォトマスクケースとする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば半導体集積回路などの製造工程において、回路パターンの転写に用いられるフォトマスクの出荷、収納、運搬、保管等に用いられるフォトマスクケースに関する。
シリコンウェハ上に集積回路パターンを描画するフォトリソグラフィ技術において、近年LSIの高集積化に伴い、より狭い線幅で微細な回路パターンを露光するための技術が要求されており、これに対応するため露光光源の短波長化が進められている。例えば、露光光源は、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)へと移行している。また、さらに短波長の軟X線(波長13.5nm)を露光光源とする開発も行われている。
軟X線を露光光源とするリソグラフィーをEUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィーと呼ぶ。EUVリソグラフィーでは、その露光光の波長領域における物質の屈折率が1よりわずかに小さい程度であることから、従来用いられている屈折光学系が使用できず、また、窒素や水分によってEUV光は吸収されてしまため、従来の透過型のフォトマスクは使用できない。その為、反射型のフォトマスクが用いられる。以上のようにEUVリソグラフィーは、既存のリソグラフィーとは顕著に異なる部分が多く、周辺技術の早急な対応が求められている。
既存のフォトマスクにはペリクルという防塵膜が使用されていたが、EUVリソグラフィー用フォトマスクについてはペリクルの構成材料がEUV光を吸収してしまうため使用することができない。ペリクルを装着できないとパーティクル等の異物が直接フォトマスクのパターン面に付着し、その異物がシリコンウェハ上に転写されてしまうとため、問題となる。よって、フォトマスクの異物に対する制御をより厳しく行う必要が生じる。
また、EUVリソグラフィー用フォトマスクは、導電膜が形成された裏面側を静電チャックするという方法で露光装置に設置される。導電膜上にパーティクル等の異物が付着していると静電チャックによりその凹凸がパターン表面の平坦度に影響を及ぼし、正確にパターン転写ができなくなるという問題が生じる。よって、裏面に対しても異物に対する高い清浄度が要求される。
従来、フォトマスクの出荷等に用いられるフォトマスクケースは、表裏面もしくは裏面のみ数点を支持体と接触させることでフォトマスクを保持する。このタイプのフォトマスクケースの場合、支持体との接触部で摩擦が生じ、パーティクルや傷が発生する原因となる。フォトマスクケースの支持体によって付着するパーティクルは洗浄後も残留しやすい傾向があり、傷については洗浄しても除去することは不可能であるため、フォトマスクの表裏面とフォトマスクケースの支持体が接触しないようなフォトマスクケースが必要である。
特許文献1では、永久磁石をフォトマスクの基板内部とケースに埋め込み、反発力を利用してフォトマスクをケースと接触することなく保持する方法が報告されている。しかし、基板内部に永久磁石が埋め込まれていると、描画工程において電子線が磁場によって歪められてパターンが正確に形成できなくなる。さらにクリーンルーム環境等に浮遊している汚染物質が永久磁石の埋め込み部分の表面に引き寄せられ、吸着しやすくなるという問題が生じる。
特開平6−64678公報
そこで本発明は、フォトマスクを保持するためのフォトマスクケースにおいて、フォトマスクの表面および裏面にパーティクル等の異物が付着せず、不良品の発生率が減少し、歩留まりを向上するフォトマスクケースの提供を課題とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、フォトマスクを保持するためのフォトマスクケースにおいて、フォトマスクの周囲を覆う外装容器と、前記外装容器に設けられた支持棒挿入穴と、前記支持棒挿入穴に挿入され、前記フォトマスクの側面部を支持する支持棒と、を備えたことを特徴とするフォトマスクケースである。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフォトマスクケースにおいて、支持棒の、フォトマスクの側面部と接する側の先端部に弾性を有する支持体を設けたことを特徴とするフォトマスクケースである。
本発明によれば外装容器に支持棒挿入穴を設け、該支持棒挿入穴に挿入された支持棒でフォトマスクの側面部を支持することにより、フォトマスクの表面および裏面に支持体を接触させることなくマスクケース内にフォトマスクを保管することが出来るため、フォトマスクの表面および裏面にパーティクル等の異物が付着せず、不良品の発生率が減少し、歩留まりを向上することが可能である。
以下、本発明のマスクケースについて詳細に説明する。
図1は本発明のマスクケースの一例を示す断面図である。フォトマスク1は外装容器2の内部に、弾性を有する支持体4をフォトマスクの側面と接触する側に設けた支持棒3で保持されることにより設置される。
外装容器2は少なくともパーティクルの発生源とならず帯電しない材質で構成される。また、アウトガスの少ない材質であることが好ましい。アウトガスの多い素材であるとその成分がフォトマスク表面に付着し、露光を繰り返すことで化学反応が起こり、異物と成る可能性もあるためである。使用できる材料の例としては、帯電防止加工されたPC(ポリカーボネート)やPEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂)が挙げられる。
また、支持棒3は、フォトマスクの側面部と接する側の先端部に弾性を有する支持体4を設けている。先端部に弾性体を設けることにより、支持棒とフォトマスクとの摩擦による傷が発生する危険性を低減することができる。
支持棒3で加える力は少なくともフォトマスク1が落下せず、フォトマスク1が歪むことがない大きさであれば構わないが、0.5N〜5N程度とする。支持体4に使用する弾性体は少なくとも0.5N〜5N程度の力をフォトマスク1に加えた際にフォトマスク1が落下せず、アウトガスが少ない材質であれば構わない。例としては、フッ素系ゴム等が挙げられる。
支持棒3は、フォトマスク1にバランスよく力を加えるため、図2に示すようにフォト
マスク1の中心部を挟んだ両側に配置される。支持棒3の数については特に限定されないが、接触点が増えることはパーティクルや傷が付着するという観点から好ましくないため、効率的にフォトマスク1を保持できる範囲で少ない方が好ましい。
マスク1の中心部を挟んだ両側に配置される。支持棒3の数については特に限定されないが、接触点が増えることはパーティクルや傷が付着するという観点から好ましくないため、効率的にフォトマスク1を保持できる範囲で少ない方が好ましい。
支持棒3によって、フォトマスク1の側面に加える力を変化させて、フォトマスク1の取り出しと容器への保持を実行する。保持する際には支持棒3によりフォトマスク1の側面に力を加えた状態で、支持棒3をストッパー5により固定する。支持棒3やストッパー5はパーティクルの発生源にならず帯電しない材質であれば特に限定されない。例としては、電解研磨したステンレスやアルミが望ましい。
また、ストッパー5と外装容器2の間にはストッパー5と外装容器2との摩擦防止と、フォトマスク1を保管する際の外部環境雰囲気の流入防止の目的でシール材6が設置されている。シール材6は少なくともパーティクルやアウトガスの発生源とならない材料で構成される。例としては、フッ素系ゴム等が挙げられる。
本発明のマスクケースの一実施例を以下に示す。しかし、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
外装容器2として帯電防止加工されたポリカーボネートを用い、支持棒3およびストッパー5に電解研磨したアルミ(A5052材)を用い、支持体4およびシール材6としてカルレッツ(デュポン社製)を用いて作製されたフォトマスクケースに洗浄後のフォトマスク用ブランクス基板を24時間保管した。
保管後、ブランクス基板の表面および裏面のパーティクル数を異物検査装置M2350(レーザーテック社製)により測定した。測定範囲は150mm×150mmである。その結果、表面、裏面ともにパーティクル数は0個となった。測定は、この装置の検出限界異物サイズは約100nmで実施した。
1 フォトマスク
2 外装容器
3 支持棒
4 支持体
5 ストッパー
6 シール材
2 外装容器
3 支持棒
4 支持体
5 ストッパー
6 シール材
Claims (2)
- フォトマスクを保持するためのフォトマスクケースにおいて、フォトマスクの周囲を覆う外装容器と、前記外装容器に設けられた支持棒挿入穴と、前記支持棒挿入穴に挿入され、前記フォトマスクの側面部を支持する支持棒と、を備えたことを特徴とするフォトマスクケース。
- 請求項1に記載のフォトマスクケースにおいて、支持棒の、フォトマスクの側面部と接する側の先端部に弾性を有する支持体を設けたことを特徴とするフォトマスクケース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008240651A JP2010072420A (ja) | 2008-09-19 | 2008-09-19 | フォトマスクケース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008240651A JP2010072420A (ja) | 2008-09-19 | 2008-09-19 | フォトマスクケース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010072420A true JP2010072420A (ja) | 2010-04-02 |
Family
ID=42204243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008240651A Pending JP2010072420A (ja) | 2008-09-19 | 2008-09-19 | フォトマスクケース |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010072420A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015037176A1 (ja) * | 2013-09-11 | 2015-03-19 | 信越ポリマー株式会社 | フォトマスクブランクス基板収納容器 |
WO2017158925A1 (ja) * | 2016-03-18 | 2017-09-21 | コニカミノルタ株式会社 | マスク保持機構及びこれを備えるパターニング装置 |
KR101987741B1 (ko) | 2019-01-17 | 2019-06-12 | 피엠씨글로벌 주식회사 | 포토마스크 보관 박스 |
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JP2023510171A (ja) * | 2019-12-31 | 2023-03-13 | インテグリス・インコーポレーテッド | レチクル仕切壁を通る保持を有するレチクルポッド |
-
2008
- 2008-09-19 JP JP2008240651A patent/JP2010072420A/ja active Pending
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