JP2010072323A - スリット塗布用感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】m−またはp−位に置換基を有するフェノール性化合物を用いて合成され、かつ重量平均分子量(Mw)が3,000〜16,000で、o−o’結合率が20%以上、30%以下のアルカリ可溶性ノボラック樹脂、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルなどの感光剤、必要に応じフェノール性化合物、活性剤を含む感光性樹脂組成物を、スリットコーターを用いて基板上にスリット塗布する。200mm/sec以上の塗布速度で塗布しても、膜厚が均一で、塗布ムラのない塗膜が得られる。
【選択図】なし
Description
(i)前記アルカリ可溶性ノボラック樹脂が、m−位に置換基を有するフェノール性化合物およびp−位に置換基を有するフェノール性化合物を用いて合成されたものであることを特徴とする感光性樹脂組成物。
(ii)前記m−位に置換基を有するフェノール性化合物とp−位に置換基を有するフェノール性化合物のモル比が7:3〜3:7であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
(iii)前記フェノール性化合物の置換基がアルキル基、例えばメチル基であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
(iv)前記感光剤がキノンジアジド基を含んだ感光剤であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
(v)前記感光性樹脂組成物には、さらにフェノール性化合物が含有されることを特徴とする感光性樹脂組成物。
(vi)前記感光性樹脂組成物には、さらに界面活性剤が含有されることを特徴とする感光性樹脂。
アルカリ可溶性ノボラック樹脂は、フェノール類の少なくとも1種とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを、例えば無機酸あるいは有機酸、二価金属の有機酸塩などの触媒を用いて酸性下に重縮合し、さらに必要に応であれば中和、水洗後二次反応させることによって得られる。このとき、反応液へのアルデヒドの添加速度、アルデヒドの添加量、反応温度、反応時間、触媒量などを適宜調整することにより、本発明のアルカリ可溶性ノボラック樹脂は得られる。このアルカリ可溶性ノボラック樹脂を製造するために用いられるフェノール類は、m−またはp−位に置換基を有し、o−位に官能基が付いていないものが用いられる。置換基としては、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、クロルなどのハロゲン基、水酸基などが挙げられる。
<o−o’結合率の測定、算出方法>
ピリジン溶媒を用いて1H−NMRスペクトル測定を行い、このスペクトルにより求めた核間メチレン結合のオルソ/オルソ結合(4.3〜5.0ppm)のピーク面積(A)、オルソ/パラ結合(4.0〜4.3ppm)のピーク面積(B)、パラ/パラ結合(3.3〜4.0ppm)のピーク面積(C)から、下記式によりo−o’結合率を求める。
o−o’結合率=〔A/(A+B+C)〕×100
本発明の感光性樹脂組成物における感光剤としては、キノンジアジド基を含む感光剤が好ましいものとして挙げられる。このキノンジアジド基を含む感光剤としては、従来キノンジアジド−ノボラック系レジストで用いられている公知の感光剤のいずれのものをも用いることができる。このような感光剤としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これら酸クロライド等と縮合反応可能な官能基を有する低分子化合物または高分子化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましいものである。ここで酸クロライドと縮合可能な官能基としては水酸基、アミノ基等があげられるが、特に水酸基が好適である。水酸基を含む酸クロライドと縮合可能な化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”−ペンタヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物には、前記した各成分、および後述する添加剤を溶解させることができる溶剤が含まれる。用いることができる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエテレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類などを挙げることができる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じてさらにフェノール性化合物が含まれていてもよい。本発明の感光性樹脂組成物にフェノール性化合物を用いることにより、感度向上効果を得ることができる。このようなフェノール性化合物としては、例えば下記一般式(I)で表されるものが好ましいものとして挙げられる。
を表し、m及びnはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、a、b、c、d、e、f、g及びhは、a+b≦5、c+d≦5、e+f≦5、g+h≦5を満たす0〜5の整数であり、iは0〜2の整数である。〕
m−クレゾール:p−クレゾール=6:4、o−o’結合率が21.7%、Mw=8398のノボラック樹脂 100重量部、平均エステル化率が75%で2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンアジド−5−スルフォニルクロライドとのエステル化合物からなる感光剤 22.5重量部、フェノール性化合物(TrisP−PA;本州化学工業株式会社製)をノボラック樹脂と感光剤の合計重量100重量部に対して5.5重量部、および活性剤(フッ素系界面活性剤メガファック;大日本インキ化学社製)を全固形分に対し、5000ppmをPGMEAで希釈、撹拌溶解し、キャノンフェンスケ自動粘度計(株式会社離合社製)により、25℃における動粘度が3cStになるように固形分濃度を調整して、感光性樹脂組成物1を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は12.1重量%であった。
ノボラック樹脂として、m−クレゾール:p−クレゾール=6:4、o−o’結合率が25.0%、Mw=6,450のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物2を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は13.0%であった。
ノボラック樹脂として、m−クレゾール:p−クレゾール=5:5、o−o’結合率が21.1%、Mw=5,761のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物3を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は12.3%であった。
ノボラック樹脂として、m−クレゾール:p−クレゾール=5:5、o−o’結合率が29.6%、Mw=4,636のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物4を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は16.0%であった。
m−クレゾール:p−クレゾール=4:6、o−o’結合率が22.0%、Mw=4,330のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物5を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は12.3%であった。
m−クレゾール:p−クレゾール=4:6、o−o’結合率が29.3%、Mw=3,397のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物6を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は15.8%であった。
m−クレゾール:p−クレゾール=6:4、o−o’結合率が16.7%、Mw=12,720のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物7を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は11.0%であった。
m−クレゾール:p−クレゾール=6:4、o−o’結合率が19.2%、Mw=9,695のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物8を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は11.5%であった。
m−クレゾール:p−クレゾール=6:4、o−o’結合率が31.2%、Mw=2,909のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物9を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は16.7%であった。
m−クレゾール:p−クレゾール=5:5、o−o’結合率が19.0%、Mw=6,109のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物10を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は11.4%であった。
m−クレゾール:p−クレゾール=4:6、o−o’結合率が19.5%、Mw=4,723のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物11を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は11.6%であった。
m−クレゾール:p−クレゾール=4:6、o−o’結合率が35.0%、Mw=2,818のノボラック樹脂を用いることを除き実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物12を得た。この感光性樹脂組成物の固形分濃度は17.7%であった。
実施例1〜6および比較例1〜6で得られた感光性樹脂組成物1〜12について、各々塗布試験を行い、塗布均一性、塗布スピード、および塗布膜のムラの評価を、下記試験法により行った。
各感光性樹脂組成物をスリットコーター(基板サイズ1100×1250mm)を用いてガラス基板上に塗布し、減圧乾燥し、その後ホットプレートによりプリベークを行うことにより、約1.5μmの感光性樹脂膜を形成した。得られた膜を光学式膜厚測定器を用いて、塗布方向と垂直方向に基板左端部から右端部まで90ポイント測定し、基板端部から15mm除外したものに関して平均膜厚と最大値、最小値を算出し、下記式により面内均一性(%)を求めた。
面内均一性(%)=〔(最大値−最小値)/平均膜厚〕×(1/2)×100
面内均一性の値が2%未満のものを◎、2%以上3%未満を○、3%以上4%未満を△、4%以上を×として評価した。結果を表2に示す。
感光性樹脂組成物をスリットコーターを用いて塗布する際、スリットノズルの速度が速すぎると突出液が液切れし、基板に塗布されない部分が出てきてしまう(以後「スジムラ」と呼ぶ)。塗布スピード評価試験においては、各感光性樹脂組成物をスリットコーター(基板サイズ1100×1250mm)を用いてガラス基板上に塗布して、スジムラが起こらない限界の速度を塗布速度として、評価した。結果を表2に示す。
各感光性樹脂組成物をスリットコーター(基板サイズ1100×1250mm)を用いてガラス基板上に塗布し、減圧乾燥し、その後ホットプレートによりプリベークを行うことにより、約1.5μmの感光性樹脂膜を形成した。形成された膜について目視により、乾燥ムラ(凹凸)、風ムラ、オレンジピール、モヤムラ、ピン跡、横段ムラを確認し、ピン跡以外のムラが確認されない表面状態を○、ピン跡とともにモヤムラがわずかに確認できるものを△、ムラ(モヤムラを含む)が明確に確認されるものを×とした。
またノボラック樹脂のo−o’結合率が20%未満(感光性樹脂組成物7、8、10、11)の場合には、塗布速度が200mm/sec以上となるが、固形分濃度が12.0未満となり、本発明の優位性が見られない。
さらに、o−o’結合率が30%を超える(感光性樹脂組成物9、12)場合には、高固形分濃度の感光性樹脂組成物となるが、塗布速度が200mm/sec未満となり、レジストとしての特性を満たさない。
Claims (9)
- アルカリ可溶性ノボラック樹脂と感光剤を含む感光性樹脂において、
前記アルカリ可溶性ノボラック樹脂が、m−またはp−位に置換基を有するフェノール性化合物を用いて合成され、かつ重量平均分子量(Mw)が3,000〜16,000で、o−o’結合率が20%以上、30%以下の樹脂であることを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記フェノール性化合物として、m−位に置換基を有するフェノール性化合物とp−位に置換基を有するフェノール性化合物とが用いられ、そのモル比が7:3〜3:7であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂性組成物。
- 前記フェノール性化合物の置換基がメチル基であることを特徴とする請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記感光剤がキノンジアジド基を含んだ感光剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記感光性樹脂組成物が、さらに界面活性剤を含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかの感光性樹脂組成物をスリット塗布法により基板上に塗布する工程を含むことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用基板の製造方法。
- 請求項7の製造方法により製造されたフラットパネルディスプレイ用基板。
- 請求項8に記載のフラットパネルディスプレイ用基板を具備することを特徴とするフラットパネルディスプレイ。
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