JP2010072145A - 電子写真感光体、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】繰り返し使用しても安定な画像を形成することのできる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に、電荷ブロッキング層、感光層が順に積層され、さらに他の一層を有する電子写真感光体であって、感光層中にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、特定の回折ピークを有し、一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換させた、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有し、一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含む。
【選択図】図17

Description

本発明は、特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光層を有する電子写真感光体、これを用いた画像形成装置ならびに画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行う光プリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され所謂デジタル複写機が開発されている。又、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。さらに、パーソナルコンピュータの普及、及び性能の向上にともない、画像及びドキュメントのカラー出力を行うためのデジタルカラープリンターの進歩も急激に進んでいる。
このようなデジタル方式の画像形成装置は、年々その機能を向上させ、高耐久・高安定は勿論のこと更にその高画質化が同時に求められている。更に、高速カラー化のためには1本の感光体に対して帯電、露光、現像、クリーニング、除電などの画像形成に必要な部材を1つずつ取り付けた画像形成要素を複数用いたタンデム方式のカラー画像形成装置が現在の主流である。これは通常イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の画像形成要素を搭載し、各々のトナー像を4つの画像形成要素で並列に作製し、転写体(転写紙)もしくは中間転写体上で重なり合わせることで、高速にカラー画像を作製するものである。このため、感光体及びその周りの部材をコンパクトにしないと画像形成装置が非常に大きなものになってしまうため、画像形成要素の中心に配置される感光体を小径化することがまずは必須である。感光体を小径化することにより、画像形成装置がコンパクトになったとしても、大口径の場合よりも極端にその寿命が短くなる場合には、小径化したメリットが存在しない。このため、従来の感光体よりも感光体の寿命を延ばす(長寿命化する)ことがこの技術の課題となる。
感光体の寿命には2つの律速課程が存在し、1つは静電疲労であり、いま1つは表面層の摩耗である。いずれも現在の主流である有機系感光体にとっては大きな課題である。前者は帯電・露光といった画像形成における繰り返し使用における感光体の表面電位(帯電電位と露光部電位)の変化であり、概ね有機系材料を用いた場合には帯電電位の低下もしくは露光部電位の上昇(残留電位と呼ぶ場合がある)が問題となる。後者においては、感光体を構成する最表面に位置する層がクリーニング部材などの摺察により機械的に摩耗を生ずる現象である。この摩耗により感光体表面層の膜厚が減少すると、表面に生じる傷、感光層膜厚減少による電界強度の上昇、静電疲労の促進などを生じることになり、感光体の寿命を著しく低減する要因となる。したがって、感光体の寿命を向上するためには、上記2つの課題を同時に解消しなくてはならない。
また、現在では電子写真方式の画像形成装置も高速化の実現により、印刷分野に進出しつつあり、高画質および高安定化が求められている。前者に関しては画像書き込みにおける解像度として600dpiが最低品質の状況になり、解像度が非常に向上してきた。後者においては原稿情報を直接印字できるという電子写真の特長を生かして、多量印刷が得意な分野の出力原稿の一部に様々な1枚ずつ異なるという情報も追加できるようになり、同じ原稿を非常に大量に処理すると同時に、1枚1枚わずかに異なる情報も入力するという多種多様の書き込み、現像が行われることになりシステムとしての安定性が非常に求められるようになった。これらに対しては、画像形成要素の繰り返し使用における安定性は当然求められることとして、更に異常画像が発生しないということも極めて重要なことである。
このような画像形成装置の寿命および安定性は、画像形成の中心であり、画像形成動作中にその他の部材と常に関連動作を行う感光体が最も重要な鍵を握ることになる。ここまでの感光体のあらゆる精力的な開発によって、感光体の静電特性および表面の摩耗に関しては、幾つかの技術が完成されつつある。例えば、静電特性の改良に関しては、光キャリア発生効率の大きな電荷発生物質の開発および移動度の大きな電荷輸送物質の開発が挙げられる。これらを組み合わせることによって、光減衰における大きなゲインとレスポンスを得ることができ、システム全体として、帯電電位の低減化、書き込み光量の低減化、現像バイアスの低減化、転写バイアスの低減化、除電プロセスの不要性などを生み出し、システム設計に余裕度を生み出すことになる。これらは全て感光体に印加されるハザードの低減化につながり、感光体自身にも余裕度が生まれることになる。
しかしながら、上述のようにアナログ方式の画像形成装置や、モノクロ方式の画像形成装置での感光体の使用方法が、高速フルカラー機の出現によって一変し、多種多様な光書き込みなどの使われ方がなされるようになった。このような場合、異常画像の発生の原因は感光体であることが最も大きな問題となる。異常画像の発生は様々なケースがあるが、大きく2つに大別できる。1つは感光体表面に発生する傷などに起因した異常画像であり、いま1つは感光体の静電疲労により発生する異常画像である。前者に関しては、感光体表面層の改良(例えば保護層の使用)や感光体当接部材の改良によりかなりの場合対応が可能である。後者に関しては、感光体そのものの劣化に起因するものであるが、現在最も大きな課題となっているものはネガ・ポジ現像における地汚れである。
地汚れの発生原因としては、導電性支持体の汚れ・欠陥、感光層の電気的な絶縁破壊、支持体からのキャリア(電荷)注入、感光体の暗減衰増大、感光層における熱キャリア生成などが挙げられる。このうち、支持体の汚れや欠陥に関しては、感光層を塗布する前にそのような支持体を排除することで対応が可能であり、ある意味においてはエラーによって生じるものであり、発生原因の本質ではない。したがって、感光体の耐電圧性、支持体からの電荷注入性、静電的疲労の低下を改良することが、この問題の根本的な解決方法であると考えられる。
このような点に鑑み、過去には導電性支持体と感光層の間に下引き層や中間層を設ける技術が検討されてきた。例えば、特許文献1には硝酸セルロース系樹脂中間層が、特許文献2にはナイロン系樹脂中間層が、特許文献3にはマレイン酸系樹脂中間層が、特許文献4にはポリビニルアルコール樹脂中間層がそれぞれ開示されている。
しかしながら、これらの樹脂単独(単層)の中間層は電気抵抗が高いため、残留電位を生じネガ・ポジ現像においては画像濃度低下を生じる。また、不純物等に起因するイオン伝導性を示すことから、低温低湿下では中間層の電気抵抗が特に高くなるため、残留電位が著しく上昇する。このため、中間層を薄膜化する必要があり、繰り返し使用後の特性において帯電性および帯電保持性が不十分になる欠点があった。
これらの問題点を解消するため、中間層の電気抵抗を制御する技術として、導電性添加物を中間層バルクに添加する方法が検討された。例えば、特許文献5にはカーボン又はカルコゲン系物質を硬化性樹脂に分散した中間層が、特許文献6には四級アンモニウム塩を添加してイソシアネート系硬化剤を用いた熱重合体中間層が、特許文献7には抵抗調節剤を添加した樹脂中間層が、特許文献8には有機金属化合物を添加した樹脂中間層が開示されている。しかしながら、これら樹脂中間層単体では、近年のレーザー光のようなコヒーレント光を使用した画像形成装置においては、モアレ画像を生じるという問題点を有している。
更にはモアレ防止と中間層の電気抵抗を同時に制御する目的で、中間層にフィラーを含有した感光体が検討された。例えば、特許文献9にはアルミニウム又はスズの酸化物を分散した樹脂中間層が、特許文献10には導電性粒子を分散した樹脂中間層が、特許文献11にはマグネタイトを分散した中間層が、特許文献12には酸化チタンと酸化スズを分散した樹脂中間層が、特許文献13〜18には、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等のホウ化物、窒化物、フッ化物、酸化物の粉体を分散した樹脂の中間層が開示されている。これらのようなフィラーを分散させた中間層は、分散したフィラーにより中間層の電位特性を発現させるために、中間層中のフィラー量を大きくする必要がある(即ち樹脂量を減らす必要がある)。このため、樹脂量の低下に伴い導電性支持体との接着性が低下し、支持体と中間層の間において剥離を生じやすくなるという問題点を有し、特に支持体がフレキシブルなベルト状構造のものであるとこの問題は顕著である。
このような問題点を解決するために、中間層を積層化する考え方が検討された。積層化の構成は2つのタイプに大別され、1つは導電性支持体(31)上にフィラー分散した樹脂層(33)およびフィラーを分散しない樹脂層(32)および感光層(34)を順に積層したものであり(図1参照)、もう1つは導電性支持体1上にフィラーを分散しない樹脂層(32)およびフィラーを分散した樹脂層(33)および感光層4を順に設けたものである(図2参照)。
前者の構成を詳しく述べると、上述したような支持体の欠陥をカバーするため、導電性支持体(31)上に抵抗の低いフィラーを分散した導電性の層(33)を設け、その上に前記樹脂層(32)を設けたものである。これらは例えば特許文献19〜27等に記載されている。これらは本質的に下層である導電層が導電性支持体(31)における電極の役割を果たすため、樹脂中間層単独の構成と上述した感光体の静電的な欠点は変わらない。唯一、導電層がフィラー分散膜で構成されるため、この層による書き込み光の散乱によりモアレ防止機能は付与される。このような構成の場合、下層が導電層であるため、感光体帯電時には感光体表面に帯電された極性とは逆極性の電荷が下層(導電層)と上層(樹脂中間層)との界面まで到達することにより、感光体の動作が成立する。しかしながら、導電層の抵抗がそれほど低くない場合、電極からの電荷注入が十分に行われず、繰り返し使用時に下層が抵抗成分となって残留電位を非常に上昇させてしまう。特に、この構成の目的の1つである導電性支持体の欠陥のカバーを行うためには下層を十分に厚くする(10μm以上)ことが必須であり、この問題は顕著である。
また、特許文献19〜21には、導電層と中間層、およびチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光層を積層した感光体が開示されている。しかしながら、チタニルフタロシアニンの結晶型および一次粒子サイズを適切にコントロールしないと、熱キャリアの影響による地汚れ発生を低減できるものでは無かった。
一方、後者の構成としては、導電性支持体上に正孔ブロッキング性の層を設け、その上に抵抗の低いフィラーもしくは電子伝導性のフィラーを分散した樹脂層を設けたものである。これらは、例えば、特許文献22および23等に記載されている。こちらの構成においては、前者の構成と同様に正孔のブロッキング機能を有するため、地汚れに対して有効に作用する。また、フィラー分散膜が上層に存在するため、前者の構成と比較して残留電位の蓄積性は低い。この構成においては、上述のように導電性支持体から感光層への電荷(正孔)注入を防止できるため、ネガ・ポジ現像における地汚れ現象はかなり軽減できる。また、電荷ブロッキング層を下層に配置することで、繰り返し使用における残留電位の上昇も、上層に配置する場合に比べて低減できる。
しかしながら、地汚れ発生の原因は導電性支持体から感光層への電荷(正孔)注入だけでなく、感光層における熱キャリア発生の影響も無視できない。このため、電荷発生層に使用する電荷発生材料およびその粒子状態をコントロールしないと、繰り返し使用における地汚れ発生は完全には制御できないものであった。
近年の電子写真方式は、デジタル方式のものが主流であり、特にネガ・ポジ現像(反転現像)が主流に用いられている。ネガ・ポジ現像の場合、電子写真方式に用いられる感光体に対して、光書き込みを行った部分の電位が減衰することにより、この部分にトナーが現像され、画像が形成されるものである。これは、原稿の書き込み率が高々10%程度であることから、光源の寿命、感光体の光疲労を考慮して行われるものである。しかしながら、出力原稿の地肌部が感光体の未露光部(電位の高い部分)に相当することになり、感光層(特に電荷発生層)に塗膜欠陥等を有する場合、本来、電位を保持すべき地肌部(白地)が電位減衰をしてしまい、その結果、入力原稿の地肌部には無い点欠陥(地肌汚れ、黒ポチなど)が発生してしまう場合がある。この欠陥は、図面における点、英文原稿におけるピリオド、カンマなどと見間違えられることがあり、画像としては致命的な欠陥であると言える。このような点欠陥は、顔料等の分散膜から構成される層に由来することが多い。従って、この様な点欠陥を減少させるためには、顔料等の分散性が良好な分散液を作製する必要がある。この際、分散液中の顔料粒子サイズとしては、できるだけ細かい方が好ましいが、概ね一次粒子サイズとして0.2μm以下であれば、上述のような点欠陥がかなり減少するものである。
このような分散液を作製するために、ここまでには様々な分散機・分散システムが検討され、分散効率を上げる方法が考案されてきた。例えば、特許文献24〜37(特開平4−337362号公報、特開平5−188614号公報、特開平7−289870号公報、特開平8−44086号公報、特開平8−123045号公報、特開平8−272111号公報、特開平9−211873号公報、特開平11−30871号公報、特開平11−258827号公報、特開2000−126638号公報、特開2000−181104号公報、特開2000−281931号公報、特開2001−265027号公報、特開2001−290292号公報)等が挙げられる。これらはいずれも様々な分散装置、分散条件を用いる、あるいは改良することにより、合成された平均サイズの大きな顔料粒子を用いて、作製する分散液中の顔料粒子を出来る限り微細化する(粒子サイズを小さくする)技術である。このような分散技術は、分散液作製に際して使用する顔料の一次粒子サイズまでいかに効率よく分散するかという点に関しては、優れた技術であるといえる。しかしながら、一次粒子サイズよりも細かい状態にすることはきわめて困難であり、分散液中の粒子サイズの限界は、基本的には使用する顔料の一次粒子サイズで決まるといっても過言ではない。中には、巨大なエネルギーを与えることにより、一次粒子そのものを粉砕してしまうものも含まれるが、これらは結晶そのものを壊してしまうため、後述するような不具合点(例えば、分散効率の低下、結晶型の転移等)を有しているものであった。
特開昭47−6341号公報 特開昭60−66258号公報 特開昭52−10138号公報 特開昭58−105155号公報 特開昭51−65942号公報 特開昭52−82238号公報 特開昭55−113045号公報 特開昭58−93062号公報 特開昭58−58556号公報 特開昭60−111255号公報 特開昭59−17557号公報 特開昭60−32054号公報 特開昭64−68762号公報 特開昭64−68763号公報 特開昭64−73352号公報 特開昭64―73353号公報 特開平1―118848号公報 特開平1―118849号公報 特開平5―100461号公報 特開平5―210260号公報 特開平7―271072号公報 特公平3−27897号公報 特公平5−31137号公報 特開平4−337362号公報 特開平5−188614号公報 特開平7−289870号公報 特開平8−44086号公報 特開平8−123045号公報 特開平8−272111号公報 特開平9−211873号公報 特開平11−30871号公報 特開平11−258827号公報 特開2000−126638号公報 特開2000−181104号公報 特開2000−281931号公報 特開2001−265027号公報 特開2001−290292号公報
本発明の目的は、繰り返し使用しても安定な画像を形成することのできる電子写真感光体を提供することにある。具体的には、繰り返し使用における地汚れ発生の低減、残留電位の防止、接触帯電部材あるいは近接配置した帯電部材による帯電に際して絶縁破壊発生を低減することを可能にした高耐久な電子写真感光体を提供することにある。
また、上記感光体を用い、繰り返し画像形成(出力)を行っても異常画像発生の少ない画像形成装置を提供することにある。具体的には、地汚れや濃度低下といったネガ・ポジ現像使用時の最大の課題を解決した高耐久で、安定動作が可能な画像形成装置を提供することにある。
更には、上記感光体を用い、高耐久で取扱いが良好な画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することにある。
有機顔料を電荷発生物質として用いた電子写真感光体においては、その静電特性が電荷発生物質によって左右されると言っても過言ではない。特に、本発明で使用するチタニルフタロシアニン結晶のような結晶多型である材料においては、結晶型により特性が大きく異なる。
本発明においては、新規なチタニルフタロシアニン結晶を提供し、前述の課題を解決しようとするものである。
本発明者らは、ネガ・ポジ現像を用いた画像形成装置用感光体において、高耐久でかつ高信頼性の感光体技術に関して鋭意検討を行い、本発明を完成するに至った。本発明の構成は以下のとおりである。
即ち、 上記課題は本発明の(1)「導電性支持体上に、少なくとも電荷ブロッキング層、感光層が順に積層され、さらに他の一層を有する電子写真感光体であって、前記感光層中にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換させた、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有し、一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含むことを特徴とする電子写真感光体」、(2)「前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層を積層してなる感光層であり、該電荷発生層に前記チタニルフタロシアニン結晶を含有してなることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、
(3)「前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項の何れかに記載の電子写真感光体」、
(4)「前記絶縁性材料がN−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする前記第(3)項に記載の電子写真感光体」、
(5)「前記他の一層は、前記電荷ブロッキング層と前記感光層との間に設けられたモアレ防止層であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれか1に記載の電子写真感光体」、
(6)「前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れか1に記載の電子写真感光体」、
(7)「前記バインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする前記第(6)項に記載の電子写真感光体」、
(8)「前記熱硬化型樹脂がアルキッド/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする前記第(7)項に記載の電子写真感光体」、
(9)「前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする前記第(8)項に記載の電子写真感光体」、
(10)「前記無機顔料が酸化チタンであることを特徴とする前記第(6)項乃至第(9)項に記載の電子写真感光体」、
(11)「前記酸化チタンが平均粒径の異なる2種類の酸化チタンであり、これらのうち、平均粒径の大きい方の酸化チタン(T1)の平均粒径(D1)とし、平均粒径の小さい方の酸化チタン(T2)の平均粒径を(D2)とすると、次式、0.2<(D2/D1)≦0.5の関係を満たす前記第(10)項に記載の電子写真感光体」、
(12)「前記酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)が、0.05μm<D2<0.2μmであることを特徴とする前記第(11)項に記載の電子写真感光体」、
(13)「前記平均粒径の異なる2種の酸化チタンの混合比率(重量比)が、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることを特徴とする前記第(12)項又は第(13)項に記載の電子写真感光体」、
(14)「前記他の一層は、前記導電性支持体と電荷ブロッキング層との間に設けられた導電層であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれか1に記載の電子写真感光体」、
(15)「前記導電層が、比抵抗10Ω・cm以下の無機顔料または金属酸化物を含有することを特徴とする前記第(14)項に記載の電子写真感光体」、
(16)「前記導電層に含有されるバインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする前記第(15)項に記載の電子写真感光体」、
(17)「前記熱硬化型樹脂がアルキッド/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする前記第(16)項に記載の電子写真感光体」、
(18)「前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする前記第(17)項に記載の電子写真感光体」、
(19)「前記チタニルフタロシアニン結晶がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換処理して得たチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(18)項のいずれか1に記載の電子写真感光体」、
(20)「前記結晶変換処理が、有機溶媒による処理により行われるものであることを特徴とする前記第(19)項に記載の電子写真感光体」、
(21)「前記結晶変換処理に使用する有機溶媒が、少なくともケトン系溶媒またはエーテル系溶媒の中から選ばれる一種を含むことを特徴とする前記第(20)項に記載の電子写真感光体」、
(22)「前記結晶変換処理に際して、機械的なエネルギーが印加されることを特徴とする前記第(19)項乃至第(21)のいずれか1に記載の電子写真感光体」、
(23)「前記CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有する不定形チタニルフタロシアニンを、水の存在下で有機溶媒により結晶変換されたものであることを特徴とする請求項19乃至22の何れか1に記載の電子写真感光体」、
(24)「前記不定形チタニルフタロシアニンの7.0〜7.5゜の回折ピークの半値巾が1゜以上であることを特徴とする前記第(23)項に記載の電子写真感光体」、
(25)「前記結晶変換に用いられる有機溶媒が少なくとも、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる一種を含むことを特徴とする前記第(23)項又は第(24)項に記載の電子写真感光体」、
(26)「前記不定形チタニルフタロシアニンが、ハロゲン化チタンを用いずに合成されたものであることを特徴とする前記第(23)項乃至第(25)のいずれか1に記載の電子写真感光体」、
(27)「少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(26)項の何れか1に記載のものであることを特徴とする画像形成装置」、
(28)「少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体からなる画像形成要素が複数配列され、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(26)項の何れか1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置」、
(29)「電子写真感光体と帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となったカートリッジを搭載し、かつ該カートリッジが装置本体に対し着脱自在であることを特徴とする前記第(27)項または第(28)項に記載の画像形成装置」、
(30)「少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれる1つの手段と、電子写真感光体とが一体となった画像形成装置用プロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(26)項の何れか1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」により解決される。
本発明によれば、繰り返し使用しても安定な画像を形成することのできる電子写真感光体を提供することができる。具体的には、繰り返し使用における地汚れ発生の低減、残留電位の防止、接触帯電部材あるいは近接配置した帯電部材による帯電に際して絶縁破壊発生を低減することを可能にした高耐久な電子写真感光体を提供することができる。
また、上記感光体を用いることにより、繰り返し画像形成(出力)を行っても異常画像発生の少ない画像形成装置を提供することができる。具体的には、地汚れや濃度低下といったネガ・ポジ現像使用時の最大の課題を解決した高耐久で、安定動作が可能な画像形成装置を提供することができる。
更には、上記感光体を用いることにより、高耐久で取扱いが良好な画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することができる。
始めに、本発明の電子写真感光体について説明する。
本発明の電子写真感光体は、少なくとも電荷ブロッキング層、感光層が順に積層され、さらに他の一層を有する電子写真感光体であって、前記他の一層が、前記電荷ブロッキング層と前記感光層との間に設けられたモアレ防止層、または、前記導電性支持体と電荷ブロッキング層との間に設けられた導電層であるものであり、該感光層中にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換させた、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有し、一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。
本発明で使用されるチタニルフタロシアニン結晶は、特徴的な方法で合成される。それは、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さない一次粒子サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶(前駆体)を原料に用い、これを結晶転移させることで得られるものである。
以下に、前駆体としての特定結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶の合成法を述べ、次いで、これを本発明の結晶型に転移させる方法について、順に述べる。

(1)前駆体(27.2゜に最大回折ピークを有する前記チタニルフタロシアニン結晶)の合成方法
前記チタニルフタロシアニン結晶の合成方法としては、例えば、特開平6−293769号公報に記載されているように、ハロゲン化チタンを原料に用いない方法が良好に用いられるものである。この方法の最大のメリットは、合成されたチタニルフタロシアニン結晶がハロゲン化フリーであることである。チタニルフタロシアニン結晶は不純物としてのハロゲン化チタニルフタロシアニン結晶を含むと、これを用いた感光体の静電特性において光感度の低下や、帯電性の低下といった悪影響を及ぼす場合が多い(Japan Hardcopy ’89論文集 p.103 1989年参照)。
本発明においても、特開2004−83859号公報に記載されているようなハロゲン化フリーチタニルフタロシアニン結晶をメインに対象にしているものであり、これらの材料が有効に使用される。
前記ハロゲン化フリーのチタニルフタロシアニンを合成するためには、チタニルフタロシアニン合成の際の原材料に、ハロゲン化された材料を使用しないことである。具体的には、以下の方法が用いられる。
ここで、まず、前記特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶(前駆体)の合成方法について述べる。
初めにチタニルフタロシアニン結晶の合成粗品の合成法について述べる。フタロシアニン類の合成方法は古くから知られており、例えば、特開平6−293769号公報、Moser等による「Phthalocyanine Compounds」(1963年)、「The Phthalocyanines」(1983年)、等に記載されている。
例えば、第1の方法として、無水フタル酸類、金属あるいはハロゲン化金属及び尿素の混合物を高沸点溶媒の存在下あるいは不存在下において加熱する方法である。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒が併用される。
第2の方法としては、フタロニトリル類とハロゲン化金属を高沸点溶媒の存在下あるいは不存在下において加熱する方法である。この方法は、第1の方法で製造できないフタロシアニン類、例えば、アルミニウムフタロシアニン類、インジウムフタロシアニン類、オキソバナジウムフタロシアニン類、オキソチタニウムフタロシアニン類、ジルコニウムフタロシアニン類等に用いられる。
第3の方法は、無水フタル酸あるいはフタロニトリル類とアンモニアとを先ず反応させて、例えば1,3−ジイミノイソインドリン類等の中間体を製造し、次いでハロゲン化金属と高沸点溶媒中で反応させる方法である。
第4の方法は、尿素等存在下で、フタロニトリル類と金属アルコキシドを反応させる方法である。
これらの中でも、前記第4の方法はベンゼン環への塩素化(ハロゲン化)が起こらず、電子写真用材料の合成法としては、極めて有用な方法であり、本発明においては極めて有効に使用される。
次に、不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)の調製法について述べる。この方法は、フタロシアニン類を硫酸に溶解した後、水で希釈し、再析出させる方法であり、アシッドペースト法あるいはアシッドスラリー法と呼ばれるものが使用できる。
具体的な方法としては、上記の合成粗品を10〜50倍量の濃硫酸に溶解し、必要に応じて不溶物を濾過等により除去し、これを硫酸の10〜50倍量の充分に冷却した水もしくは氷水にゆっくりと投入し、チタニルフタロシアニンを再析出させる。析出したチタニルフタロシアニンを濾過した後、イオン交換水で洗浄及び濾過を行い、濾液が中性になるまで充分にこの操作を繰り返す。最終的に、綺麗なイオン交換水で洗浄した後、濾過を行い、固形分濃度で5〜15質量%程度の水ペーストを得る。
この際、析出したチタニルフタロシアニンをイオン交換水で十分に洗浄し、可能な限り濃硫酸を残さないことが重要である。具体的には、洗浄後のイオン交換水が以下のような物性値を示すことが好ましい。即ち、硫酸の残存量を定量的に表わせば、洗浄後のイオン交換水のpHや比伝導度で表わすことができる。
pHで表わす場合には、pHが6〜8の範囲であることが好ましい。この範囲であることにより、感光体特性に影響を与えない硫酸残存量であると判断できる。このpH値は市販のpHメーターで簡便的に測定することができる。
また比伝導度で表わせば、8μS/cm以下が好ましく、5μS/cm以下がより好ましく、3μS/cm以下が特に好ましい。比伝導度が8μS/cm以下であれば、感光体特性に影響を与えない硫酸残存量であると判断できる。この比伝導度は市販の電気伝導率計で測定することが可能である。比伝導度の下限値は、洗浄に使用した後のイオン交換水の比伝導度ということになる。いずれの測定においても、上記範囲を逸脱する範囲では、硫酸の残存量が多く、感光体の帯電性が低下したり、光感度が悪化したりする場合がある。
このように作製したものが本発明に用いる不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)である。この際、この不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有するものであることが好ましい。特に、その回折ピークの半値巾が1゜以上であることがより好ましい。更に、一次粒子の平均粒子径が0.1μm以下であることは、続く結晶変換にとって十分に重要なことである。
図3に、好ましい不定形チタニルフタロシアニンの粒子状態を表す電子顕微鏡写真を示す。粒子状態の観察には、透過型電子顕微鏡(TEM; 日立、H−9000NAR)を用いた。上述の不定形チタニルフタロシアニン水ペーストを、イオン交換水にて顔料濃度が1重量%程度になるように希釈を行い、導電性ネット上にすくい取り、そのまま乾燥して、観察を行った。
次に、結晶変換方法について述べる。
結晶変換は、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、かつ、前記7.3°のピークと9.4゜のピークの間にはピークを有さず、かつ26.3゜にピークを有さない一次粒子サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶に変換する工程である。
具体的な方法としては、前記不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)を乾燥せずに、水の存在下の元で第2の有機溶媒と共に混合・撹拌することにより、前記結晶型を得るものである。この際、結晶変換後チタニルフタロシアニン結晶の一次粒子の長径を0.2μm以下に制御することが本発明のポイントである。
この際、使用される第2の有機溶媒は、所望の結晶型を得られるものであれば、いかなる有機溶媒も使用できるが、特にテトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる1種を選択すると、良好な結果が得られる。これら有機溶媒は単独で用いることが好ましいが、これらの有機溶媒を2種以上混合する、あるいは他の溶媒と混合して用いることも可能である。結晶変換に使用される前記有機溶媒の量は、不定形乃至低結晶性チタニルフタロシアニンの質量の10倍以上、好ましくは30倍以上の質量であることが好ましい。これは、結晶変換を素早く十分に起こさせると共に、不定形乃至低結晶性チタニルフタロシアニンに含まれる不純物を十分に取り除く効果が発現されるからである。なお、ここで使用する不定形乃至低結晶性チタニルフタロシアニンは、アシッドペースト法により作製するものであるが、上述のように硫酸を十分に洗浄したものを使用することが好ましい。硫酸が残存するような条件で結晶変換を行うと、結晶粒子中に硫酸イオンが残存し、でき上がった結晶を水洗処理のような操作をしても完全には取り除くことができない。硫酸イオンが残存した場合には、感光体の感度低下、帯電性低下を引き起こすなど、好ましい結果を得られない。例えば、特開平8−110649号公報には、硫酸に溶解したチタニルフタロシアニンをイオン交換水と共に有機溶媒に投入し結晶変換を行う方法が記載されている。この際、本発明で得られるチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルに類似した結晶を得ることができるが、チタニルフタロシアニン中の硫酸イオン濃度が高く、光減衰特性(光感度)が悪いものであるため、本発明のチタニルフタロシアニンの製造方法としては良好なものではない。
結晶変換の操作において、本発明者らが観察したところによれば、前述の不定形チタニルフタロシアニン(低結晶性チタニルフタロシアニン)は、一次粒径が0.1μm以下(そのほとんどが0.01〜0.05μm程度)であるが、結晶変換の際に際しては、結晶成長と共に結晶が変換されることが分かった。通常、この種の結晶変換においては、原料の残存をおそれて十分な結晶変換時間を確保し、結晶変換が十二分に行われた後に、濾過を行い、所望の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を得るものである。このため、原料として十分に小さな一次粒子を有する原料を用いているにもかかわらず、結晶変換後の結晶としては一次粒子の大きな結晶(概ね0.3〜0.5μm)を得ているものである。
このような結晶の一次粒子の状態を図4に示す。図4の観察も図3の場合と同様に、TEMにより行った。写真中央付近に非常に大きな一次粒子が2つ認められる。
このように作製されたチタニルフタロシアニン結晶を分散するにあたっては、分散後の粒子サイズを小さなもの(0.2μm以下程度)にするため、強いシェアを与えることで分散を行い、更には必要に応じて一次粒子を粉砕する強いエネルギーを与えて分散を行っている。この結果、前述の如き、粒子の一部が所望の結晶型でない結晶型へと転移してしまうものである。
一方、本発明においては、結晶変換に際して結晶成長がほとんど起こらない範囲(図3に観察される不定形チタニルフタロシアニン粒子のサイズが、結晶変換後において遜色ない小ささ、概ね 0.2μm以下に保たれる範囲)で、結晶変換が完了した時点を見極めることで、可能な限り一次粒子サイズの小さなチタニルフタロシアニン結晶を得ようというものである。結晶変換後の粒子サイズは、結晶変換時間に比例して大きくなる。このため前述のように、結晶変換の効率を高くし、短時間で完了させることが重要である。このためには、いくつかの重要なポイントが挙げられる。
1つは、結晶変換溶媒を前述のように適正なものを選択し、結晶変換効率を高めること。もう1つは、結晶変換を短時間に完了させるために、溶媒とチタニルフタロシアニン水ペースト(前述の如き作製した原料)を十分に接触させるために強い撹拌を用いるものである。具体的には、撹拌力の非常に強いプロペラを用いた撹拌、ホモジナイザー(ホモミキサー)のような強烈な撹拌(分散)手段を用いるなどの手法により、短時間での結晶変換を実現させるものである。これらの条件により、原料が残存することなく、結晶変換が十分に行われ、かつ結晶成長が起こらない状態のチタニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
また、上述のように結晶粒子サイズと結晶変換時間は比例関係にあるため、所定の反応(結晶変換)が完了したら、反応を直ちに停止させる方法も有効な手段である。上述のように結晶変換を行った後、直ちに結晶変換の起こりにくい溶媒を大量に添加することが前記手段として挙げられる。結晶変換の起こりにくい溶媒としては、アルコール系、エステル系などの溶媒が挙げられる。これらの溶媒を結晶変換溶媒に対して、10倍程度加えることにより、結晶変換を停止することができる。
このようにして作製される一次粒子サイズは、細かいほど感光体の前記課題に対しては良好な結果を示すものであるが、顔料作製にかかる次工程(顔料の濾過工程)、分散液での分散安定性を考慮すると、あまり小さすぎても副作用がでる場合がある。即ち、一次粒子が非常に細かい場合には、これを濾過する工程において濾過時間が非常に長くなってしまうという問題が発生する。また、一次粒子が細かすぎる場合には、分散液中での顔料粒子の表面積が大きくなるため、粒子の再凝集の可能性が高くなる。従って、適切な顔料粒子の粒子サイズは、およそ0.05μm〜0.2μm程度の範囲である。
図5には、短時間で結晶変換を行った場合のチタニルフタロシアニン結晶のTEM像を示す。図4の場合とは異なり、粒子サイズが小さく、ほぼ均一であり、図4に観察されるような粗大粒子は全く認められない。
続いて、結晶変換されたチタニルフタロシアニン結晶は直ちに濾過されることにより、結晶変換溶媒と分別される。この濾過に際しては、適当なサイズのフィルターを用いることにより行われる。この際、減圧濾過を用いることが最も適当である。
その後、分別されたチタニルフタロシアニン結晶は、必要に応じて加熱乾燥される。加熱乾燥に使用する乾燥機は、公知のものがいずれも使用可能であるが、大気下で行う場合には送風型の乾燥機が好ましい。更に、乾燥速度を早め、本発明の効果をより顕著に発現させるために減圧下の乾燥も非常に有効な手段である。特に、高温で分解する、あるいは結晶型が変化する様な材料に対しては有効な手段である。特に10mmHgよりも真空度が高い状態で乾燥することが有効である。
(2)本発明で製造されるチタニルフタロシアニン結晶の合成方法
上述のように合成した特定結晶型のチタニルフタロシアニン結晶(前駆体)を、適当な方法により結晶転移させることにより、本発明で製造されるチタニルフタロシアニン結晶を合成するものである。ここで言う本発明のチタニルフタロシアニン結晶とは、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有し、一次粒子サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶である。
次に前駆体を結晶転移する方法について述べる。前駆体は、熱的、機械的、化学的エネルギーを与えることにより、結晶転移することができる。
熱的エネルギー印加の方法としては、前駆体を100℃以上の高温下で、熱処理する方法が挙げられる。例えば、前駆体の粉末を電気炉なようなもので、200℃以上の高温下で数時間加熱処理することにより、所望の結晶型へ転移することができる。この際、あまりにも高温であるとチタニルフタロシアニン結晶そのものが分解してしまうような現象を生じるため、400℃程度を加熱温度の上限とするものである。また、加熱処理は暗所で行うことが望ましく、遮光した状態で加熱処理を行う。更に、加熱処理は大気下で行っても良いが、減圧下(例えば、10mmHg以下)で行っても良い。
機械的エネルギー印加の方法としては、前駆体に機械的剪断力を与えるような方法が望ましい。例えば、ミキサーのようなもので剪断力を与える方法、乾式ボールミルのようなもので剪断力を与える方法、乳鉢のようなもので剪断力を与える方法などが挙げられる。
化学的エネルギー印加の方法としては、2つに大別できる。一方は乾式法によるものであり、真空蒸着法のような方法により、結晶型を転移させるものである。この場合、前駆体は一度、分子状態までバラバラになり、対向基板上で所望の結晶型になるものである。
他方は湿式法によるものであり、前駆体を有機溶媒によって処理するものである。具体的には前駆体を有機溶媒に浸漬して、1日以上の期間放置しておくものである。これにより所望の結晶型に転移するものである。この際、有機溶媒としては前駆体を所望の結晶型に結晶転移できるものであれば有効に使用できるが、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒から選ばれる1種が有効に使用できる。エーテル系溶媒の中でもテトラヒドロフランは有効に用いられ、ケトン系溶媒の中では2−ブタノンが有効に用いられる。また、使用する有機溶媒中には、水やその他の成分を極力含まないことが重要である。有機溶媒中に水を多く含んでいると、結晶転移速度が低下するので好ましくない。
湿式法による溶媒処理においては、機械的ネルギーを併用することで、より効率的に結晶転移させることができる。例えば、前駆体を前記有機溶媒と共にミリング装置等(例えば、ボールミル装置)に投入し、所定時間、機械的剪断力を印加することにより、所望結晶型への結晶転移を加速することができる。また、粒子サイズの増大を抑制することもできる。
(3)本発明で製造されるチタニルフタロシアニン結晶の分散液
本実施例の分散液は、上述した方法で得られたチタニルフタロシアニン結晶を第1の有機溶媒に分散させたものである。
分散液の作製に関しては一般的な方法が用いられ、前記チタニルフタロシアニン結晶を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、超音波などを用いて分散することで得られるものである。この際、バインダー樹脂は感光体の静電特性などにより、また溶媒は顔料へのぬれ性、顔料の分散性などにより選択すればよい。
第1の有機溶媒は、チタニルフタロシアニン結晶との濡れ性、及び分散性、分散液の基板への塗布性を考慮して選定されるが、チタニルフタロシアニン結晶の結晶形を安定に維持できる限り、特に制限はない。第1の有機溶媒は、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロインを用いることができる。特に、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒より選ばれる1種を用いることで良好な結果を得ることができる。特に、ケトン系溶媒は最も有効に使用される。これら有機溶媒は、単独で使用しても良く、混合して使用しても良い。
分散液には、結着樹脂を添加しても良い。結着樹脂を添加することで、チタニルフタロシアニン結晶の結晶転移速度を著しく低下させることができ、本発明のチタニルフタロシアニン結晶の結晶形を安定に維持することができる。また、バインダー樹脂を添加することで、分散速度が向上し、分散安定性も向上する。
結着樹脂は、電子写真感光体の静電特性、分散液の基板への塗布性を考慮して選定される。結着樹脂は、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンを用いることができる。特に、ポリビニルブチラールは最も有効に使用できる。結着樹脂は予め分散溶媒に溶解された状態で分散に供される。結着樹脂の量は、チタニルフタロシアニン結晶100重量部に対し0〜500重量部が好ましく、10〜300重量部がより好ましい。
また、分散液には、水を添加しても良い。水を添加することで、結着樹脂と同様に、チタニルフタロシアニン結晶の結晶転移速度を著しく低下させることができ、本発明のチタニルフタロシアニン結晶の結晶形を安定に維持することができる。水を添加する場合には、不純物を十分に取り除いた蒸留水やイオン交換水が良好に用いられる。しかしながら、あまり大量に用いると、分散性が低下したり、有機溶媒と分離したり、結着樹脂を析出させたりする不具合が発生する。このため、使用する有機溶媒の種類にもよるが、疎水性の溶媒の場合には有機溶媒の水の溶解度の上限、親水性の溶媒の場合には有機溶媒の重量に対して2〜3質量%程度が上限である。
続いて、本発明に用いられる電子写真感光体について、図面を用いて詳しく説明する。
図6は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷ブロッキング層(35)、モアレ防止層(36)、特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光層(34)が順に積層された構成をとっている。
図7は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷ブロッキング層(35)、モアレ防止層(36)、特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層(37)、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(38)が順に積層された構成をとっている。
図8は、本発明に用いられる電子写真感光体の更に別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷ブロッキング層(35)、モアレ防止層(36)、特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層(37)、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(38)、保護層(40)が順に積層された構成をとっている。
図9は、本発明に用いられる電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、導電層(40)、電荷ブロッキング層(35)、特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を含有する感光層(34)が順に積層された構成をとっている。
図10は、本発明に用いられる電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、導電層(40)、電荷ブロッキング層(35)、特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層(37)、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(38)が順に積層された構成をとっている。
図11は、本発明に用いられる電子写真感光体の更に別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(31)上に、導電層(40)、電荷ブロッキング層(35)、特定の結晶型を有するチタニルフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層(37)、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層(38)、保護層(39)が順に積層された構成をとっている。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行うことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体が最も良好に使用できる。ここでいうアルミニウムとは、純アルミ系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。具体的には、JIS1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行ったアルマイトと呼ばれる被膜が本発明に用いる感光体には最も適している。特に、反転現像(ネガ・ポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
陽極酸化処理は、クロム酸、硫酸、蓚酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸などの酸性浴中において行われる。このうち、硫酸浴による処理が最も適している。一例を挙げると、硫酸濃度:10−20%、浴温:5−25℃、電流密度:1−4A/dm、電解電圧:5−30V、処理時間:5−60分程度の範囲で処理が行われるが、これに限定するものではない。このように作製される陽極酸化皮膜は、多孔質であり、又絶縁性が高いため、表面が非常に不安定な状況である。このため、作製後の経時変化が存在し、陽極酸化皮膜の物性値が変化しやすい。これを回避するため、陽極酸化皮膜を更に封孔処理することが望ましい。封孔処理には、フッ化ニッケルや酢酸ニッケルを含有する水溶液に陽極酸化皮膜を浸漬する方法、陽極酸化皮膜を沸騰水に浸漬する方法、加圧水蒸気により処理する方法などがある。このうち、酢酸ニッケルを含有する水溶液に浸漬する方法が最も好ましい。封孔処理に引き続き、陽極酸化皮膜の洗浄処理が行われる。これは、封孔処理により付着した金属塩等の過剰なものを除去することが主な目的である。これが支持体(陽極酸化皮膜)表面に過剰に残存すると、この上に形成する塗膜の品質に悪影響を与えるだけでなく、一般的に低抵抗成分が残ってしまうため、逆に地汚れの発生原因にもなってしまう。洗浄は純水1回の洗浄でも構わないが、通常は多段階の洗浄を行う。この際、最終の洗浄液が可能な限りきれい(脱イオンされた)ものであることが好ましい。また、多段階の洗浄工程のうち1工程に接触部材による物理的なこすり洗浄を施すことが望ましい。以上のようにして形成される陽極酸化皮膜の膜厚は、5〜15μm程度が望ましい。これより薄すぎる場合には陽極酸化皮膜としてのバリア性の効果が十分でなく、これより厚すぎる場合には電極としての時定数が大きくなりすぎて、残留電位の発生や感光体のレスポンスが低下する場合がある。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
次に導電層について述べる。
導電層は、感光層の塗工性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、基体表面の欠陥の被覆等のために、導電性支持体上に導電性被膜として形成されるものである。この導電層は、電気的に十分低い抵抗であることが要求されるばかりではなく、高速の電子写真プロセスにおいて繰り返し使用される際に電荷の蓄積を防ぎ、安定した電位特性を提供するものでなければならない。
導電性の被膜は、導電性の材料を蒸着、スパッタ等の乾式成膜法により設けるか、導電性の粉体をバインダー樹脂に分散して形成される。導電性粉末としては、比抵抗10Ω・cm以下の材料が有効に用いられ、ニッケル、銅、銀、アルミニウム等の金属粉体、酸化鉄、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム等、及びそれらの混合物といった導電性金属酸化物粉末(導電性無機顔料)やカーボンブラック、繊維状カーボン等が用いられる。また、スズもしくは酸化スズもしくは両者の混合物をドープした酸化インジウムを含有する蒸着膜等も使用することができる。いずれの構成の場合にも、導電層の状態において感光体の使用電界強度(概ね10V/cm)における体積抵抗値として、10Ω・cmから1010Ω・cmの範囲に有ることが好適である。
また本発明の導電層には、レーザー光のようなコヒーレント光による書き込みを行う際に、感光層内部での光干渉によるモアレ像の発生を防止する機能を併せて持たせることで、本発明の効果がより一層顕著なものとなる。このような機能を発現するために、導電層は屈折率の大きな材料を有することが有効である。上述の導電性金属酸化物や導電性無機顔料の他に、ポリジメチルシロキサンを主成分とする微小な球体、もしくは粗面化剤を導入することもできる。
バインダー樹脂としては後述の電荷ブロッキング層と同様のものを使用できるが、導電層の上に電荷ブロッキング層および感光層を積層することを考慮すると、電荷ブロッキング層や感光層の塗工溶媒に侵されないことが肝要である。
バインダー樹脂としては、熱硬化型樹脂が良好に使用される。特に、アルキッド/メラミン樹脂の混合物が最も良好に使用される。この際、アルキッド/メラミン樹脂の混合比は、モアレ防止層の構造及び特性を決定する重要な因子である。両者の比(重量比)が5/5〜8/2の範囲が良好な混合比の範囲として挙げることができる。5/5よりもメラミン樹脂がリッチであると、熱硬化の際に体積収縮が大きくなり塗膜欠陥を生じやすくなったり、感光体の残留電位を大きくする方向にあり望ましくない。また、8/2よりもアルキッド樹脂がリッチであると、感光体の残留電位低減には効果があるものの、バルク抵抗が低くなりすぎて地汚れが悪くなる方向になり望ましくない。
また、導電層の膜厚は1〜20μm、好ましくは2〜10μmとするのが適当である。膜厚が1μm未満では効果の発現性が小さく、20μmを越えると残留電位の蓄積を生じたり、塗膜表面性が低下する場合があるので望ましくない。
上述の導電性無機顔料や導電性金属酸化物は溶剤と結着剤樹脂と共に常法により、例えばボールミル、サンドミル、アトライラー等により分散し、また、必要に応じて硬化(架橋)に必要な薬剤、溶剤、添加剤、硬化促進剤等を加えて、常法により、ブレード塗工、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート法などにより基体上に形成される。塗布後は乾燥や加熱、光等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させる。
次に、電荷ブロッキング層について述べる。
電荷ブロッキング層は、感光体帯電時に電極(導電性支持体)に誘起される逆極性の電荷が、支持体から直接または導電層を経由して感光層に注入するのを防止する機能を有する層である。負帯電の場合には正孔注入防止、正帯電の場合には電子注入防止の機能を有する。電荷ブロッキング層としては、酸化アルミ層に代表される陽極酸化被膜、SiOに代表される無機系の絶縁層、特開平3―191361号公報に記載されるような金属酸化物のガラス質ネットワークから形成される層、特開平3―141363号公報に記載されるようなポリフォスファゼンからなる層、特開平3―101737号公報に記載されるようなアミノシラン反応生成物からなる層、N−メトキシメチル化ナイロン等の絶縁性の結着剤樹脂からなる層、硬化性の結着剤樹脂からなる層等が挙げられる。中でも湿式塗工法で形成可能なN−メトキシメチル化ナイロン等の絶縁性の結着剤樹脂あるいは硬化性の結着樹脂から構成される層が良好に使用できる。電荷ブロッキング層は、その上にモアレ防止層や感光層を積層するものであるから、これらを湿式塗工法で設ける場合には、これらの塗工溶媒により塗膜が侵されない材料あるいは構成からなることが肝要である。
使用できる結着剤樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂例えば、活性水素(−OH基、−NH基、−NH基等の水素)を複数個含有する化合物とイソシアネート基を複数個含有する化合物及び/又はエポキシ基を複数個含有する化合物とを熱重合させた熱硬化性樹脂等も使用できる。この場合活性水素を複数個含有する化合物としては、例えばポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ヒドロキシエチルメタアクリレート基等の活性水素を含有するアクリル系樹脂等があげられる。イソシアネート基を複数個含有する化合物としては、たとえば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等とこれらのプレポリマー等があげられ、エポキシ基を複数有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等があげられる。
中でも、成膜性、環境安定性、溶剤耐性の点などから、ポリアミドが最も良好に用いられる。
また、オイルフリーアルキド樹脂とアミノ樹脂、例えば、ブチル化メラミン樹脂等を熱重合させた熱硬化性樹脂、さらにまた、不飽和結合を有するポリウレタン、不飽和ポリエステル等の不飽和結合を有する樹脂と、チオキサントン系化合物、メチルベンジルフォルメート等の光重合開始剤との組合せ等の光硬化性樹脂も結着剤樹脂として使用できる。
また、整流性のある導電性高分子や、帯電極性に合わせてアクセプター(ドナー)性の樹脂・化合物などを加えて、基体からの電荷注入を制抑するなどの機能を持たせても良い。
また、電荷ブロッキング層の膜厚は、2.0μm未満が好ましく、0.1μm以上2.0μm未満、好ましくは0.3μm以上1.0μm以下程度が適当である。電荷ブロッキング層が厚くなると、帯電と露光の繰返しによって、特に低温低湿で残留電位の上昇が著しく、また、膜厚が薄すぎるとブロッキング性の効果が小さくなる、また電荷ブロッキング層には、必要に応じて硬化(架橋)に必要な薬剤、溶剤、添加剤、硬化促進材等を加えて、常法により、ブレード塗工、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート法などにより基体上に形成される。塗布後は乾燥や加熱、光等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させる。
次にモアレ防止層について述べる。
モアレ防止層は、レーザー光のようなコヒーレント光による書き込みを行う際に、感光層内部での光干渉によるモアレ像の発生を防止する機能を有する層である。基本的には、前記書き込み光の光散乱を起こす機能を有する。このような機能を発現するために、モアレ防止層は屈折率の大きな材料を有することが有効である。一般には、無機顔料とバインダー樹脂を含有し、無機顔料がバインダー樹脂に分散された構成からなる。特に、無機顔料の中でも白色の顔料が有効に使用され、例えば、酸化チタン、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどが良好に用いられる。中でも、隠蔽力の大きな酸化チタンが最も有効に使用できる。
また、前述の図6〜11から明らかなように、本発明の感光体では支持体からの電荷注入を電荷ブロッキング層にて防止するものであるから、モアレ防止層においては少なくとも感光体表面に帯電される電荷とは同極性の電荷を移動できる機能を有することが残留電位防止の観点から好ましい。このため、例えば負帯電型感光体の場合、モアレ防止層には電子伝導性を付与することが望ましく、使用する無機顔料に電子伝導性を有するものを使用するか、導電性のものを使用することが望ましい。あるいは、モアレ防止層に電子伝導性の材料(例えば、アクセプター)などを使用することは本発明の効果を一層顕著なものにするものである。
バインダー樹脂としては電荷ブロッキング層と同様のものを使用できるが、モアレ防止層の上に感光層を積層することを考慮すると、感光層の塗工溶媒に侵されないことが肝要である。
バインダー樹脂としては、熱硬化型樹脂が良好に使用される。特に、アルキッド/メラミン樹脂の混合物が最も良好に使用される。この際、アルキッド/メラミン樹脂の混合比は、モアレ防止層の構造及び特性を決定する重要な因子である。両者の比(重量比)が5/5〜8/2の範囲が良好な混合比の範囲として挙げることが出来る。5/5よりもメラミン樹脂がリッチであると、熱硬化の際に体積収縮が大きくなり塗膜欠陥を生じやすくなったり、感光体の残留電位を大きくする方向にあり望ましくない。また、8/2よりもアルキッド樹脂がリッチであると、感光体の残留電位低減には効果があるものの、バルク抵抗が低くなりすぎて地汚れが悪くなる方向になり望ましくない。
モアレ防止層においては、無機顔料とバインダー樹脂の容積比が重要な特性を決定する。このため、無機顔料とバインダー樹脂の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることが重要である。両者の容積比が1/1未満である場合には、モアレ防止能が低下するだけでなく、繰り返し使用における残留電位の上昇が大きくなる場合が存在する。一方、容積比が3/1以上の領域ではバインダー樹脂における結着能が劣るだけでなく、塗膜の表面性が悪化し、上層の感光層の成膜性に悪影響を与える場合がある。この影響は感光層が積層タイプで構成され、電荷発生層のような薄層を形成する場合に深刻な問題になり得るものである。また容積比が3/1以上の場合には、無機顔料表面をバインダー樹脂が覆い尽くせない場合が存在し、電荷発生物質と直接接触することで、熱キャリア生成の確率が大きくなり、地汚れに対して悪影響を与える場合がある。
更に、前記モアレ防止層には、平均粒径の異なる2種類の酸化チタンを用いることで、支持体に対する隠蔽力を向上させてモアレを抑制することが可能となると共に、異常画像の原因となるピンホールをなくすことができる。このため、用いる2種の酸化チタンの平均粒径の比が一定の範囲内(0.2<D2/D1≦0.5)にあることが重要である。本発明で規定する範囲外の粒径比の場合、即ち、平均粒径の大きい方の酸化チタン(T1)の平均粒径に対する平均粒径の小さい方の酸化チタン(T2)の平均粒径の比が小さすぎる場合(0.2>D2/D1)は、酸化チタン表面での活性が増加し、電子写真感光体としたときの静電的安定性が著しく損なわれるようになる。また、平均粒径の大きい方の酸化チタン(T1)の平均粒径に対する平均粒径の小さい方の酸化チタン(T2)の平均粒径の比が大きすぎる場合(D2/D1>0.5)は、支持体に対する隠蔽力が低下し、モアレや異常画像に対する抑制力が低下する。ここで、前記平均粒径は、例えば水系で強分散を行ったときに得られる粒度分布測定から求めることができる。
また、粒径の小さい方の酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)の大きさが重要な因子であり、0.05μm<D2<0.20μmであることが重要である。0.05μmよりも小さい場合には隠蔽力が低下し、モアレを発生させる場合がある。一方、0.20μmよりも大きな場合には、モアレ防止層の酸化チタンの充填率を低下させ、地汚れ抑制効果が十分に発揮できない。
また、2種の酸化チタンの混合比率(重量比)も重要な因子である。T2/(T1+T2)が0.2よりも小さい場合には、酸化チタンの充填率がそれほど大きくなく、地汚れ抑制効果が十分に発揮できない。一方、0.8よりも大きな場合には、隠蔽力が低下し、モアレを発生させる場合がある。従って、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることが重要である。
また、モアレ防止層の膜厚は1〜10μm、好ましくは2〜5μmとするのが適当である。膜厚が1μm未満では効果の発現性が小さく、10μmを越えると残留電位の蓄積を生じるので望ましくない。
無機顔料は溶剤と結着剤樹脂と共に常法により、例えばボールミル、サンドミル、アトライラー等により分散し、また、必要に応じて硬化(架橋)に必要な薬剤、溶剤、添加剤、硬化促進剤等を加えて、常法により、ブレード塗工、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート法などにより基体上に形成される。塗布後は乾燥や加熱、光等の硬化処理により乾燥あるいは硬化させる。
次に感光層について説明する。感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層感光層から構成される場合と、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層の積層構成からなる場合がある。ここでは説明の都合上、積層構成からなる場合を先に説明する。
電荷発生層は、電荷発生材料として、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換処理して得た、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有する一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を主成分とする層である。
電荷発生層は、前記顔料を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等があげられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
ここで用いられる溶剤としては、例えばイソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これら高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリアリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、(I)〜(X)式で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられ、これらを以下に例示し、具体例を示す。
Figure 2010072145

式中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R、Rは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表される2価基を表す。
Figure 2010072145

101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)または、
Figure 2010072145

(aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表す)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。)
Figure 2010072145

式中、R, Rは置換もしくは無置換のアリール基、Ar, Ar, Arは同一又は異なるアリレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
Figure 2010072145


式中、R, R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar ,Ar,Arは同一又は異なるアリレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
Figure 2010072145

式中、R11, R12 は置換もしくは無置換のアリール基、Ar, Ar, Arは同一又は異なるアリレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
Figure 2010072145


式中、R13,R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10,Ar11,Ar12は同一又は異なるアリレン基、 X,X は置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
Figure 2010072145

式中、R15,R16,R17,R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13, Ar14,Ar15,Ar16は同一又は異なるアリレン基、 Y,Y,Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
Figure 2010072145

式中、R19,R20 は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し,R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17,Ar18,Ar19 は同一又は異なるアリレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
Figure 2010072145

式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20,Ar21,Ar22,Ar23 は同一又は異なるアリレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
Figure 2010072145

式中、R22,R23,R24,R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24,Ar25,Ar26,Ar27,Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
Figure 2010072145

式中、R26,R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29,Ar30,Ar31は同一又は異なるアリレン基を表す。 X,k,jおよびnは、(I)式の場合と同じである。
また、電荷輸送層に使用される高分子電荷輸送物質として、上述の高分子電荷輸送物質の他に、電荷輸送層の成膜時には電子供与性基を有するモノマーあるいはオリゴマーの状態で、成膜後に硬化反応あるいは架橋反応をさせることで、最終的に2次元あるいは3次元の架橋構造を有する重合体も含むものである。
これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層、あるいは架橋構造を有する重合体は耐摩耗性に優れたものである。通常、電子写真プロセスにおいては、帯電電位(未露光部電位)は一定であるため、繰り返し使用により感光体の表面層が摩耗すると、その分だけ感光体にかかる電界強度が高くなってしまう。この電界強度の上昇に伴い、地汚れの発生頻度が高くなるため、感光体の耐摩耗性が高いことは、地汚れに対して有利である。これら電子供与性基を有する重合体から構成される電荷輸送層は、自身が高分子化合物であるため成膜性に優れ、低分子分散型高分子からなる電荷輸送層に比べ、電荷輸送部位を高密度に構成することが可能で電荷輸送能に優れたものである。このため、高分子電荷輸送物質を用いた電荷輸送層を有する感光体には高速応答性が期待できる。
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報、特開20000−206723号公報、特開2001−34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。この場合にも、先の移動度を満足できるような材料が有効に使用できる。
本発明において電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
前記電荷輸送層の厚みは、5μm〜100μmが好ましく、15μm〜40μmがより好ましい。
次に単層感光層の場合について説明する。結着樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましくさらに好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5μm〜100μmが好ましく、15μm〜40μmがより好ましい。
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもある。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。中でも、ポリカーボネートもしくはポリアリレートが最も良好に使用できる。
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、シリカ等の無機フィラー、また有機フィラーを分散したもの等を添加することができる。
また、感光体の保護層に用いられるフィラ−材料のうち有機性フィラ−材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコ−ン樹脂粉末、a−カ−ボン粉末等が挙げられ、無機性フィラ−材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。特に、フィラーの硬度の点からは、この中でも無機材料を用いることが有利である。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。
保護層中のフィラー濃度は使用するフィラー種により、また感光体を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、保護層の最表層側において全固形分に対するフィラーの比で5重量%以上、好ましくは10重量%以上、50重量%以下、好ましくは30重量%以下程度が良好である。
また、保護層には残留電位低減、応答性改良のため、電荷輸送物質を含有しても良い。電荷輸送物質は、電荷輸送層の説明のところに記載した材料を用いることができる。電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、保護層中における濃度傾斜を設けても構わない。耐摩耗性向上のため、表面側を低濃度にすることは有効な手段である。 ここで言う濃度とは、保護層を構成する全材料の総重量に対する低分子電荷輸送物質の重量の比を表し、濃度傾斜とは上記重量比において表面側において濃度が低くなるような傾斜を設けることを示す。また、高分子電荷輸送物質を用いることは、感光体の耐久性を高める点で非常に有利である。
保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
本発明においては感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、書き込み手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなるものであり、前記静電潜像担持体は、導電性支持体上に、少なくとも電荷ブロッキング層、感光層が順に積層され、さらに他の一層を有する電子写真感光体であって、前記他の一層が、前記電荷ブロッキング層と前記感光層との間に設けられたモアレ防止層、または、前記導電性支持体と電荷ブロッキング層との間に設けられた導電層であるものであり、前記感光層がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換処理して得た、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有する一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と書き込み工程と、現像工程と、転写工程、定着工程とを少なくとも含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記書き込み工程は前記書き込み手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記除電工程は前記除電手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成するための帯電手段と、静電潜像を形成するための書き込み手段と、該静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する。
−静電潜像形成−
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光(書き込み)することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
−帯電手段−
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)、などが挙げられる。
前記帯電器により静電潜像担持体に印加される電界強度としては、20〜60V/μmが好ましく、30〜50V/μmがより好ましい。感光体に印加される電界強度は高いほどドット再現性が良好になるが、電界強度が高すぎると感光体の絶縁破壊や現像時のキャリア付着等の問題が発生する場合がある。
なお、前記電界強度は、下記数式(1)で表される。
<数式(1)>
電界強度(V/μm)=SV/G
ただし、前記数式(1)中、SVは、現像位置における静電潜像担持体の未露光部における表面電位(V)を表す。Gは、少なくとも感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)を含む感光層の膜厚 (μm)を表す。
−書き込み手段−
前記書き込みは、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。前記露光器の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源が使用される。
使用する光源(書き込み光)の解像度により、形成される静電潜像ひいてはトナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られる。しかしながら、解像度を高くして書き込みを行うとそれだけ書き込みに時間がかかることになるため、書き込み光源が1つであると書き込みがドラム線速(プロセス速度)の律速になってしまう。したがって、書き込み光源が1つの場合には2400dpi程度の解像度が上限となる。書き込み光源が複数の場合には、それぞれが書き込み領域を負担すれば良く、実質的には「2400dpi×書き込み光源個数」が上限となる。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、良好に使用される。
−現像手段−
前記現像は前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成することにより行うことができる。前記トナーは、感光体の帯電極性と同極性のトナーを用いられ、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
−転写手段−
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。なお、転写手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写手段の中から適宜選択することができ、例えば、記録媒体の搬送も同時に行うことのできる転写搬送ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写帯電器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写帯電器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
また、転写帯電器は転写ベルト、転写ローラを用いることも可能であるが、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
転写後の感光体表面電位(除電部に突入する差異の表面電位)によって、画像形成1サイクルあたりの感光体通過電荷量が大きく異なる。これが大きいほど、繰り返し使用における感光体の静電疲労に大きな影響を及ぼす。
この通過電荷量とは、感光体の膜厚方向を流れる電荷量に相当する。感光体の画像形成装置中の動作として、メイン帯電器により所望の帯電電位に帯電され(ほとんどの場合負帯電される)、原稿に応じた入力信号に基づき光書き込みが行われる。この際、書き込みが行われた部分は光キャリアが発生し、表面電荷を中和する(電位減衰する)。この時、光キャリア発生量に依存した電荷量が感光体膜厚方向に流れる。一方、光書き込みが行われない領域(非書き込み部)は、現像工程及び転写工程を経て、除電工程に進む(必要に応じて、その前にクリーニング工程が施される)。ここで、感光体の表面電位がメイン帯電により施された電位に近い状態(暗減衰分は除く)であると、光書き込みが行われた領域とほぼ同じ量の電荷量が感光体膜厚方向に流れることになる。一般的に、現在の原稿は書き込み率が低いため、この方式であると、繰り返し使用における感光体の通過電荷量は除電工程で流れる電流がほとんどと言うことになる(書き込み率が10%であるとすると、除電工程で流れる電流は、全体の9割を占めることになる)。
この通過電荷は、感光体を構成する材料の劣化を引き起こす等、感光体静電特性に大きく影響を及ぼす。その結果、通過電荷量に依存して、特に感光体の残留電位を上昇させる。感光体の残留電位が上昇すると、本発明で使用されるネガ及びポジ現像では、画像濃度が低下することになり、大きな問題となる。したがって、画像形成装置内での感光体の長寿命化(高耐久化)を狙うためには、如何に感光体の通過電荷量を小さくするかという課題が存在する。
これに対して、光除電を行わないという考え方もあるが、メイン帯電器の帯電器能力が大きくないと、帯電の安定化が図れず、残像のような問題を生じる場合がある。感光体の通過電荷は、感光体表面に帯電された電位(これにより生じた電界)により、光照射が行われることにより、発生した光キャリアが移動することにより生じる。したがって、感光体表面電位を光以外の手段で減衰させることができれば、感光体1回転(画像形成1サイクル)あたりの通過電荷量を低減することができる。
このためには、転写工程において転写バイアスを調整することにより、感光体通過電荷量を調整することが有効である。即ち、メイン帯電により帯電され、書き込みが行われない非書き込み部は、暗減衰量を除き、帯電された電位に近い状態で転写工程に突入する。この際、メイン帯電器により帯電された極性側の絶対値として100V以下まで低減することにより、引き続く除電工程に突入しても光キャリア発生がほとんど行われず、通過電荷が生じない。この値は、0Vより近いほど好ましい。
更には、転写バイアスの調整により、メイン帯電により施される帯電極性とは逆極性に感光体表面電位が帯電するように転写バイアスを印加させることにより、光キャリアが絶対に発生しないため、より望ましい。但し、逆極性にまで帯電するような転写条件では、場合により転写チリを多く発生させたり、次の画像形成プロセス(サイクル)のメイン帯電が追いつかない場合が出てくる。その場合には、残像のような不具合が発生する場合があるため、逆極性の絶対値として100V以下であることが好ましい。
以上のような制御を加えることは、本発明における効果を顕著なものとして、有効に使用できるものである。
−定着手段−
前記定着は、記録媒体に転写された可視像を、定着装置を用いて定着され、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
−除電手段−
前記除電手段としては、前記静電潜像担持体に対し除電を行うことができれば良く、公知の除電器の中から適宜選択することができる。例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
−その他−
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段は、前記クリーニング手段により除去した前記電子写真用カラートナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、例えば、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明の画像形成装置の一の態様について、図12を参照しながら説明する。
図12は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図12において、静電潜像担持体としての感光体(1)は、導電性支持体上に、少なくとも電荷ブロッキング層、感光層が順に積層され、さらに他の一層を有する電子写真感光体であり、前記感光層が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換処理して得た、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有する一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。
帯電器(3)には、ワイヤー方式の帯電器やローラ形状の帯電器が用いられる。高速帯電が必要とされる場合にはスコロトロン方式の帯電器が良好に使用され、コンパクト化や後述の感光体を複数使用するタンデム方式の画像形成装置においては、酸性ガス(NOx、SOx等)やオゾン発生量の少ないローラ形状の帯電器が有効に使用される。この帯電器により、感光体には帯電が施されるが、感光体に印加される電界強度は高いほどドット再現性が良好になるため、20V/μm以上の電界強度が印加されることが望ましい。しかしながら、感光体の絶縁破壊や現像時のキャリア付着の問題を生み出す可能性があり、上限値は概ね60V/μm以下、より好ましくは50V/μm以下である。
また、画像露光部(5)には、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源が使用される。光源(書き込み光)の解像度により、形成される静電潜像ひいてはトナー像の解像度が決定され、解像度が高いほど鮮明な画像が得られる。しかしながら、解像度を高くして書き込みを行うとそれだけ書き込みに時間がかかることになるため、書き込み光源が1つであると書き込みがドラム線速(プロセス速度)の律速になってしまう。したがって、書き込み光源が1つの場合には1200dpi程度の解像度が上限となる。書き込み光源が複数の場合には、それぞれが書き込み領域を負担すれば良く、実質的には「1200dpi×書き込み光源個数」が上限となる。これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、良好に使用される。
現像手段である現像ユニット(6)は、少なくとも1つの現像スリーブを有する。
現像ユニット(6)では、感光体の帯電極性と同極性のトナーが使用され、反転現像(ネガ・ポジ現像)によって、静電潜像が現像される。先の画像露光部に使用する光源によっても異なるが、近年使用するデジタル光源の場合には、一般的に画像面積率が低いことに対応して、書込部分にトナー現像を行う反転現像方式が光源の寿命等を考慮すると有利である。また、トナーのみで現像を行う1成分方式と、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を使用した2成分方式の2通りの方法があるが、いずれの場合にも良好に使用できる。
また、転写チャージャー(10)は転写ベルト、転写ローラを用いることも可能であるが、オゾン発生量の少ない転写ベルトや転写ローラ等の接触型を用いることが望ましい。なお、転写時の電圧/電流印加方式としては、定電圧方式、定電流方式のいずれの方式も用いることが可能であるが、転写電荷量を一定に保つことができ、安定性に優れた定電流方式がより望ましい。特に、転写部材に電荷を供給する電源供給用部材(高圧電源)から出力された電流のうち、転写部材に関連する部分に流れ、感光体に流れ込まない電流を差し引くことにより、感光体への電流値を制御する方法が好ましい。
転写電流は、感光体に静電的に付着しているトナーを引きはがし、被転写体(転写紙もしくは中間転写体など)へ移行させるために与える必要電荷量に基づく電流である。転写残などの転写不良を回避するためには、転写電流を大きくすれば良いことになるが、ネガ及びポジ現像を用いた場合には、感光体の帯電極性と逆極性の帯電を与えることになり、感光体の静電疲労が著しいものとなる。転写電流は大きいほど、感光体−トナー間の静電付着力を上回る電荷量を与えられるため有利であるが、ある閾値を越えると転写部材−感光体間で放電現象を生じてしまい、微細に現像されたトナー像を散らせる結果になる。このため、上限値としてはこの放電現象を起こさない範囲ということになる。この閾値は転写部材−感光体間の空隙(距離)、両者を構成する材料などによって変わるものであるが、概ね200μA以下程度で使用することにより、放電現象を回避できる。したがって、転写電流の上限値は200μA程度である。
また、感光体上の形成されたトナー像は、転写紙に転写されることで転写紙上の画像となるものであるが、この際、2つの方法がある。1つは図12に示すような感光体表面に現像されたトナー像を転写紙に直接転写する方法と、もう1つはいったん感光体から中間転写体にトナー像が転写され、これを転写紙に転写する方法である。いずれの場合にも本発明において用いることができる。
このような転写部材は、構成上、本発明の構成を満足できるものであれば、公知のものを使用することができる。
また、前述のように転写電流を制御することで、転写後の感光体表面電位(書き込み光の未露光部)を低下させておくことは、画像形成1サイクルあたりの感光体通過電荷量を低減することができ、本発明においては有効に使用される。
除電ランプ(2)等の光源には、前記静電潜像担持体に対し除電を行うことができれば良く、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等が好適に挙げられる。特に、前記感光体の中間層に含有される金属酸化物が吸収しない波長を有する光源を使用することは、本発明の効果を一層顕著なものとし、有益に使用できる。
半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等、あるいは蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、キセノンランプ等を用いることができる。また、波長を特定化するために、先の光源と組み合わせて、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
図12中、(8)はレジストローラ、(11)は分離チャージャー、(12)は分離爪である。
また、現像ユニット(6)により感光体(1)上に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、感光体(1)上に残存するトナーが生じた場合、ファーブラシ(14)及びブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行われることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
次に、図13は、本発明のタンデム型のフルカラー画像形成装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図13において、符号(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)はドラム状の感光体であり、感光体は導電性支持体上に、少なくとも電荷ブロッキング層、感光層が順に積層され、さらに他の一層を有する電子写真感光体であり、前記感光層が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換処理して得た、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有する一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。
この感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)は図13中の矢印方向に回転可能であり、その周りに少なくとも回転順に帯電器(17Y)、(17M)、(17C)、(17K)、少なくとも1つの現像スリーブを有する現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)、クリーニング部材(20Y)、(20M)、(20C)、(20K)、除電手段(27Y)、(27M)、(27C)、(27K)が配置されている。帯電器(17Y)、(17M)、(17C)、(17K)は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電器である。この帯電器(17Y)、(17M)、(17C)、(17K)と現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)の間の感光体表面側より、露光器(18Y)、(18M)、(18C)、(18K)からのレーザー光が照射され、感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)を中心とした4つの画像形成要素(25Y)、(25M)、(25C)、(25K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(22)に沿って並置されている。転写搬送ベルト(22)は各画像形成ユニット(25Y)、(25M)、(25C)、(25K)の現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)とクリーニング部材(20Y)、(20M)、(20C)、(20K)の間で感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)に当接しており、転写搬送ベルト(22)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(21Y)、(21M)、(21C)、(21K)が配置されている。各画像形成要素(25Y)、(25M)、(25C)、(25K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図13に示す構成のフルカラー画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行われる。まず、各画像形成要素(25Y)、(25M)、(25C)、(25K)において、感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(16Y)、 (16M)、(16C)、(16K)が回転し、帯電器(17Y)、(17M)、(17C)、(17K)により、感光体が帯電される。この際、高精細の潜像を形成するためには、感光体の電界強度が20V/μm以上(60Vμm以下、好ましくは50V/μm以下)になるように帯電が施される。
次に、感光体の外側に配置された露光部(18Y)、(18M)、(18C)、(18K)でレーザー光により、1200dpi以上(好ましくは2400dpi以上)の解像度で書き込みが行われ、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。この書き込み光源としては前述の様に、任意の感光体に適した光源が用いられる。この場合にも書き込み光源1つに対して2400dpiの書き込みが概ね上限となる。
次に、現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像手段(19Y)、(19M)、(19C)、(19K)は、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)のトナーで現像を行う現像手段で、4つの感光体(16Y)、(16M)、(16C)、 (16K)上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。転写紙(26)は給紙コロ(図示せず)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(23)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト(22)に送られる。転写搬送ベルト(22)上に保持された転写紙(26)は搬送されて、各感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)との当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行われる。
感光体上のトナー像は、転写ブラシ(21Y)、(21M)、(21C)、(21K)に印加された転写バイアスと感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)との電位差から形成される電界により、転写紙(26)上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙(26)は定着装置(24)に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。
また、転写部で転写されずに各感光体(16Y)、(16M)、(16C)、(16K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(20Y)、(20M)、(20C)、(20K)で回収される。
続いて、除電部材(27Y)、(27M)、(27C)、(27K)により、感光体上の余分な残留電荷が除去される。この後再び、帯電器で均一に帯電が施されて、次の画像形成が行われる。
なお、図13の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素((25Y)、(25M)、(25C))が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
また、先に述べたように転写後の感光体表面が、主帯電器により帯電させた極性側に100V以下に帯電させることが好ましく、逆極性側に帯電させることがより好ましく、逆極性側に100V以下に帯電させることが特に好ましい。これにより、感光体の繰り返し使用における残留電位の上昇を低減化することができる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図14に示すものが挙げられる。感光体(101)は、導電性支持体上に、少なくとも電荷ブロッキング層、感光層が順に積層され、さらに他の一層を有する電子写真感光体であり、前記感光層がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換処理して得た、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有する一次粒子の平均サイズが0.2μm以下のチタニルフタロシアニン結晶を含有するものである。
画像露光部(103)には、書き込みが行うことのできる光源が用いられ、帯電器(102)には、任意の帯電器が用いられる。図14中、(104)は少なくとも1つの現像スリーブを有する現像手段、(105)は転写体、(106)は転写手段、(107)はクリ−ニング手段、(108)は除電部材である。
(実施例)
以下、実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
−チタニルフタロシアニン結晶前駆体の合成−
特開2004−83859号公報、実施例1に準じて、チタニルフタロシアニン結晶前駆体を作製した。
1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。
得られた熱水洗浄処理した粗チタニルフタロシアニン顔料のうち60部を96%硫酸1000部に3〜5℃下撹拌、溶解し、ろ過した。得られた硫酸溶液を氷水35000部中に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗を繰り返(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.5μS/cmであった)し、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを得た。
この水ペーストにテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARK,fモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行なった。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキ98部を得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶78部を得た。これを前駆体1とする。
尚、合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、市販のX線回折装置(理学電機:RINT1100)により、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角 7.3±0.2°にピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図15に示す。
また、得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5mmHg)で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図16に示す。 Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピークとして、7.0°〜7.5゜の回折ピークの半値巾が1゜以上であった。

<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
−チタニルフタロシアニン結晶の合成(前駆体の結晶変換)−
次いで、前駆体の有機溶媒処理を行った。上記のように合成した前駆体40gを、以下のように有機溶媒処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。
合成例1で合成した前駆体40gを2−ブタノン400gと共に、直径150mmのボールミルポットに投入した。この中に、直径2mmのジルコニアボール3.5kgを投入して、24時間ミリング処理を行った。
有機溶媒処理後、チタニルフタロシアニン結晶を濾過分別して、100℃にて1日間真空乾燥を行い、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶1とする)。得られた結晶1を先の条件にて測定したX線回折スペクトルを図17に示す。この図17のX線回折スペクトルは、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、及び28.3°にもピークを有することが分かった。
合成例1で作製された水ペーストの一部をイオン交換水でおよそ1重量%になるように希釈し、表面を導電性処理した銅製のネットですくい取り、チタニルフタロシアニンの粒子サイズを透過型電子顕微鏡(TEM、日立:H−9000NAR)にて、75000倍の倍率で観察を行なった。平均粒子サイズとして、以下のように求めた。
上述のように観察されたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン粒子(針状に近い形)を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子サイズとした。
以上の方法により求められた合成例1における水ペースト中の平均粒子サイズは、0.06μmであった。
また、合成例1における濾過直前の結晶変換後チタニルフタロシアニン結晶(前駆体1)を、上記の水ペーストと同じ方法によりTEM観察を行なった。所定の結晶変換処理を行ない、濾過直前の液をサンプリングし、テトラヒドロフランでおよそ1重量%になるように希釈し、測定に供した。求められた平均粒子サイズは0.14μmであった。
更に、合成例1の2度目の結晶変換処理(24時間のボールミリング処理)後、濾過を行う直前の液をサンプリングし、2−ブタノンでおよそ1重量%になるように希釈し、結晶1の粒子サイズ測定に供した。求められた平均粒子サイズは0.15μmであった。
尚、合成例1で作製されたチタニルフタロシアニン結晶(前駆体1、結晶1)は、水ペーストとは異なり結晶の形が同一ではなかった(三角形に近い形、四角形に近い形など)。このため、結晶の最も大きな対角線の長さを長径として、計算を行なった。
(合成例2〜7)
合成例1において、水ペーストの結晶変換に用いたテトラヒドロフランを表1に記載の有機溶媒に変更した以外は、合成例1と同様にチタニルフタロシアニン結晶前駆体を合成した。それぞれの前駆体2〜7を、合成例1と同様に2−ブタノンによる結晶変換処理を行い、結晶2〜7を得た。
得られた前駆体2〜7を先と同じ条件によりX線回折スペクトルを測定した。その結果、いずれも図15に示す前駆体1と同じスペクトルが得られた。
また、得られた結晶2〜7を先と同じ条件によりX線回折スペクトルを測定した。その結果、いずれも図17に示す結晶1と同じスペクトルが得られた。
また、合成例2〜7における濾過直前の結晶変換後チタニルフタロシアニン結晶(前駆体2〜7)を、上記の水ペーストと同じ方法によりTEM観察を行なった。所定の結晶変換処理を行ない、濾過直前の液をサンプリングし、それぞれの結晶変換溶媒(第2の有機溶媒)でおよそ1重量%になるように希釈し、測定に供した。求められた平均粒子サイズを表1に示す。
更に、合成例2〜7の2度目の結晶変換処理(24時間のボールミリング処理)後、濾過を行う直前の液をサンプリングし、2−ブタノンでおよそ1重量%になるように希釈し、結晶2〜7の測定に供した。求められた平均粒子サイズを表1に示す。
Figure 2010072145
(合成例8)
合成例1で合成した前駆体を、以下のように有機溶媒処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。
合成例1で合成した前駆体40gを、400gの2−ブタノン中に、暗所にて1週間浸漬・放置した。1週間後、チタニルフタロシアニン結晶を濾過分別して、100℃にて1日間真空乾燥を行い、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶8とする)。
得られた結晶8を先の条件にてX線回折スペクトルの測定を行ったが、図17に示すX線回折スペクトルと同様のスペクトルを得た。濾過直前に一部の結晶を分取し、合成例1と同様な方法で結晶8の粒子サイズを求めたところ、粒子サイズは0.17μmと求められた。
(合成例9)
合成例1における前駆体の結晶変換溶媒を、2−ブタノンからテトロヒドロフランに変更した以外は、合成例1と同様に合成し、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶9とする)。
得られた結晶9を先の条件にてX線回折スペクトルの測定を行ったが、図17に示すX線回折スペクトルと同様のスペクトルを得た。濾過直前に一部の結晶を分取し、合成例1と同様な方法で結晶9の粒子サイズを求めたところ、粒子サイズは0.14μmと求められた。
(合成例10)
合成例8における有機溶媒処理に用いた溶媒を、2−ブタノンからテトラヒドロフランに変更した以外は、合成例8と同様に合成して、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶10とする)。
得られた結晶10を先の条件にてX線回折スペクトルの測定を行ったが、図17に示すX線回折スペクトルと同様のスペクトルを得た。濾過直前に一部の結晶を分取し、合成例1と同様な方法で結晶10の粒子サイズを求めたところ、粒子サイズは0.18μmと求められた。
(合成例11)
合成例1における前駆体の結晶変換溶媒を、2−ブタノンから2−メチル−4−ペンタノンに変更した以外は、合成例1と同様に合成し、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶11とする)。得られた結晶11を先の条件にてX線回折スペクトルの測定を行ったが、図17に示すX線回折スペクトルと同様のスペクトルを得た。濾過直前に一部の結晶を分取し、合成例1と同様な方法で結晶11の粒子サイズを求めたところ、粒子サイズは0.17μmと求められた。
(合成例12)
合成例1における前駆体の結晶変換溶媒を、2−ブタノンから2−メチルテトロヒドロフランに変更した以外は、合成例1と同様に合成し、本発明のチタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶12とする)。得られた結晶12を先の条件にてX線回折スペクトルの測定を行ったが、図17に示すX線回折スペクトルと同様のスペクトルを得た。濾過直前に一部の結晶を分取し、合成例1と同様な方法で結晶12の粒子サイズを求めたところ、粒子サイズは0.15μmと求められた。
(比較合成例1)
−チタニルフタロシアニン結晶前駆体の合成−
特開2001−19871号公報、合成例1に準じて、顔料を作製した。
即ち、1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。
得られた熱水洗浄処理した粗チタニルフタロシアニン顔料のうち60部を96%硫酸1000部に3〜5℃下撹拌、溶解し、ろ過した。得られた硫酸溶液を氷水35000部中に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗を繰り返(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/ cmであった)し、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを得た。
得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、スターラーによる撹拌を4時間行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末(前駆体)を得た。
尚、比較合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。
テトラヒドロフランによる結晶変換処理を行なった、濾過直前の液をサンプリングし、テトラヒドロフランでおよそ1重量%になるように希釈し、測定に供した。求められた平均粒子サイズは0.24μmであった。
−チタニルフタロシアニン結晶の合成(前駆体の結晶変換)−
次いで、前駆体の有機溶媒処理を行った。上記のように合成した前駆体40gを、以下のように有機溶媒処理を行ない、チタニルフタロシアニン結晶を得た。
実施例1で合成した前駆体40gを2−ブタノン400gと共に、直径150mmのボールミルポットに投入した。この中に、直径2mmのジルコニアボール3.5kgを投入して、24時間ミリング処理を行った。
有機溶媒処理後、チタニルフタロシアニン結晶を濾過分別して、100℃にて1日間真空乾燥を行い、チタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶13とする)。得られた結晶13を先の条件にて測定したが、図17に示すX線回折スペクトルとほぼ同様のスペクトルを得た。前記2−ブタノンによる結晶変換処理を行なった、濾過直前の液をサンプリングし、2−ブタノンでおよそ1重量%になるように希釈し、測定に供した。求められた平均粒子サイズは0.25μmであった。
(比較合成例2)
合成例1における前駆体合成において、テトラヒドロフランの代わりに2−ブタノンを用いた以外は、合成例1と同様にチタニルフタロシアニン結晶を合成した(結晶14とする)。得られた前駆体を先の条件にて測定したX線回折スペクトルを図18に示す。Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークを有し、最低角 7.5°にピークを有している。また、得られたチタニルフタロシアニン結晶を先の条件にて測定したX線回折スペクトルを図19に示す。
(比較合成例3)
特公平5−31137号公報、製造例1に準じてチタニルフタロシアニン結晶を合成した。
即ち、フタロジニトリル97.5gをα−クロロナフタレン750ml中に加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン22mlを滴下する。滴下後昇温し、撹拌しながら200〜220℃で3時間反応させた後、放冷し、100〜130℃で熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄した。得られた粗ケーキを。α−クロロナフタレン300ml、次にメタノール300mlで室温にて懸洗し、更にメタノール800mlで1時間熱懸洗を3回行い、得られたケーキを水700mlに懸濁させ、2時間熱懸洗を行った。熱懸洗濾液のpHがおよそ7になるまで熱懸洗を繰り返した。この後、140〜145℃のN−メチルピロリドン700ml中で、2時間熱懸洗を行う操作を4回実施した。次いで、メタノール800mlで2回熱懸洗を行い、濾過し、1日間80℃真空乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶15とする)。
得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルは、特公平5−31137号公報、図−1と同様のものであった。
合成例1とは、7.0〜7.5゜の回折ピークの半値巾が1゜以上である不定形チタニルフタロシアニン、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を前駆体としない点で、製造方法が大きく異なる。また、比較合成例3の原材料にはハロゲン化チタンを含有している。
(比較合成例4)
特公平5−31137号公報、製造例4に準じてチタニルフタロシアニン結晶を合成した。
即ち、フタロジニトリル46gをα−クロロナフタレン250ml中に仕込み、加熱溶解した後、四塩化チタンを10ml滴下し、150℃で30分間撹拌を行い、次いで徐々に昇温し、220℃で2時間加熱撹拌を行った。その後、撹拌しながら放冷し、反応系の温度が100℃に下がった時点で熱濾過し、次いでメタノール600mlで熱懸濁、熱水煮沸懸濁をそれぞれ1回ずつ行った後、600mlのN−メチルピロリドンにより、120℃で1時間熱懸濁を行い、熱濾過後、800mlのメタノールで熱懸濁し、濾過後、1日間80℃真空乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶を得た(結晶16とする)。
得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルは、特公平5−31137号公報、図−7と同様のものであった。
合成例1とは、7.0〜7.5゜の回折ピークの半値巾が1゜以上である不定形チタニルフタロシアニン、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を前駆体としない点で、製造方法が大きく異なる。また、比較合成例4の原材料にはハロゲン化チタンを含有している。
(分散液作製例1)
始めに、本発明で合成したチタニルフタロシアニン結晶の分散液を作製した。下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。

合成例1で作製したチタニルフタロシアニン結晶(結晶1) 20部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 12部
2−ブタノン 368部

市販のビーズミル分散機(VMA−GETZMANN GMBH製:DISPERMAT SL、ローターの直径は45mm、分散室容量は50ml)に直径0.5mmのジルコニアボールを用いた。
始めにポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン溶液を循環タンクに投入し、循環を行い、樹脂液が循環系に満たされ、循環タンクに戻ってくるのを確認した。次いで、チタニルフタロシアニン結晶を循環タンクに全て投入し、循環タンクで撹拌を行った後、3000r.p.m.のローター回転数にて、60分間循環分散を行った。
分散終了後、ビーズミル分散機よりミルベースを払い出し、更に600部の2−ブタノンを投入し、希釈と同時に分散機に残ったミルベースをすべて払い出し、分散液を作製した(分散液1とする)。
作製した分散液の一部をドライアップして、粉末とした。これを先と同じ条件で、X線回折スペクトルを測定した。スペクトルは結晶1と同様であり、分散を行っても結晶が安定であることが分かる。
(分散液作製例2〜12)
分散液作製例1において使用した結晶1を、結晶2〜12に変更した以外は、分散液作製例1と同様に分散液を作製し(これを分散液2〜12とする)。
(比較分散液作製例1〜4)
分散液作製例1において使用した結晶1を、結晶13〜16に変更した以外は、分散液作製例1と同様に分散液を作製した(これを分散液13〜16とする)。
−分散液の粒度分布測定−
以上に様に作製した分散液1〜16の粒度分布を、超遠心式自動粒度分布測定装置(HORIBA:CAPA−700)を用いて測定した。粒子の平均サイズを表2に示す。
Figure 2010072145
分散液作製例1〜12においては、分散前の一次粒子の大きさをほぼ反映して分散液が形成されていることが分かる。
―保存テスト―
上述のように作製した分散液1〜16を、沈降試験用の試験管に入れ、7日間の静置保管を行い、分散液の状態を観察した。その結果、分散液1〜12、14においては、何れの分散液においても粒子の沈降は認められなかった。このことから、分散液1〜12、14の分散安定性が高いことが分かる。一方、分散液13、15、16においては、保存後に粒子の沈降が認められ、分散安定性がやや低いことが分かる。
上述のように作製した分散液1〜16を、1ヶ月間スターラーにて撹拌し、室温にて保存した。1ヶ月経過後、分散液の一部をドライアップして、粉末とした。これを先と条件で、X線回折スペクトルを測定した。スペクトルは保存前と同様であり、結晶安定性が高いことが分かる。
(実施例1)
<電子写真感光体1の作製>
直径30mmのアルミニウムドラム(JIS1050)に、下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布し、乾燥させて、厚み0.5μmの電荷ブロッキング層、厚み3.5μmのモアレ防止層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み25μmの電荷輸送層を形成し、積層型の電子写真感光体を作製した。以下、これを「電子写真感光体1」とする。

−電荷ブロッキング層塗工液−
・N−メトキシメチル化ナイロン(FR−101、株式会社鉛市製)・・・4質量部
・メタノール・・・70質量部
・n−ブタノール・・・30質量部

−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。

−電荷発生層塗工液−
前記分散液1を用いた。

−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート(ユーピロンZ300、三菱ガス化学株式会社製)・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・7質量部
Figure 2010072145
・テトラヒドロフラン・・・80質量部
(実施例2〜12)
−電子写真感光体2〜12の作製−
実施例1において、電荷発生層の形成に使用した分散液1の代わりに、分散液2〜12を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体2〜12を作製した。
(比較例1〜4)
−電子写真感光体13〜16の作製−
実施例1において、電荷発生層の形成に使用した分散液1の代わりに、分散液13〜16を用いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体13〜16を作製した。
(比較例5)
−電子写真感光体17の作製−
実施例1において、電荷ブロッキング層を設けない以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体17を作製した。
(比較例6)
−電子写真感光体18の作製−
実施例1において、モアレ防止層を設けない以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体18を作製した。
(比較例7)
−電子写真感光体19の作製−
実施例1において、電荷ブロッキング層とモアレ防止層との塗工順序を入れ替えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体19を作製した。
(実施例13)
−電子写真感光体20の作製−
実施例1において、電荷ブロッキング層の厚みを0.3μmとした以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体20を作製した。
(実施例14)
−電子写真感光体21の作製−
実施例1において、電荷ブロッキング層の厚みを1.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体21を作製した。
(実施例15)
−電子写真感光体22の作製−
実施例1において、電荷ブロッキング層の厚みを2.0μmとした以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体22を作製した。
(実施例16)
−電子写真感光体23の作製−
実施例1において、電荷ブロッキング層の厚みを0.1μmとした以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体23を作製した。
(実施例17)
<電子写真感光体24の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体24を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・252質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・300質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例18)
<電子写真感光体25の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体25を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・120質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・150質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、0.7/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例19)
<電子写真感光体26の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体26を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・336質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・350質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、4/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例20)
<電子写真感光体27の作製>
実施例1において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体27を作製した。
−電荷ブロッキング層塗工液−
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・500質量部
上記組成において、アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例21)
<電子写真感光体28の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体28を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化亜鉛(SAZEX4000、堺化学株式会社製)・・・110質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・120質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例22)
<電子写真感光体29の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体29を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・22.4質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・28質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、4/6であった。
(実施例23)
<電子写真感光体30の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体30を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・28質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・23.3質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、5/5であった。
(実施例24)
<電子写真感光体31の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体31を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・39.2質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・14質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、7/3であった。
(実施例25)
<電子写真感光体32の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体32を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・44.8質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・9.3質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、8/2であった。
(実施例26)
<電子写真感光体33の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体33を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・50.4質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、9/1であった。
(実施例27)
<電子写真感光体34の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体34を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルコール可溶性ナイロン(東レ株式会社製、アミランCM8000)・・・24質量部
・メタノール・・・300質量部
・n−ブタノール・・・130質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
(実施例28)
<電子写真感光体35の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体35を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・42質量部
・酸化チタン(PT−401M、石原産業株式会社製、平均粒径0.07μm;D2)・・・42質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比は0.5であった。
(実施例29)
<電子写真感光体36の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体36を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・75.6質量部
・酸化チタン(PT−401M、石原産業株式会社製、平均粒径0.07μm;D2)・・・8.4質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比は0.1であった。
(実施例30)
<電子写真感光体37の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体37を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・8.4質量部
・酸化チタン(PT−401M、石原産業株式会社製、平均粒径0.07μm;D2)・・・75.6質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比は0.9であった。
(実施例31)
<電子写真感光体38の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体38を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・42質量部
・酸化チタン(TTO−F1、石原産業株式会社製、平均粒径0.04μm;D2)・・・42質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.16、両者の混合比は0.5であった。
(実施例32)
<電子写真感光体39の作製>
実施例1において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体39を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・42質量部
・酸化チタン(A−100、石原産業株式会社製、平均粒径0.15μm;D2)・・・42質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.6、両者の混合比は0.5であった。
(実施例33)
<電子写真感光体40の作製>
実施例1において、電荷輸送層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体40を作製した。
−電荷輸送層塗工液−
・下記式で表される高分子電荷輸送物質(質量平均分子量=135,000)・・・10質量部
Figure 2010072145
・下記構造式で表される添加剤・・・0.5質量部
Figure 2010072145
(実施例34〜66及び比較例8〜14)
以上のように作製した実施例1〜33及び比較例1〜7の各電子写真感光体を図12に示す画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触方式の帯電ローラ、転写部材として転写ベルトを用い、下記の帯電条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った。その後、白ベタ及びハーフトーン画像を出力し、地汚れの有無、モアレの有無、及び画像濃度を評価した(なお、試験環境は、22℃、55%RHであった)。結果を表3に示す。なお、地汚れ画像評価は4段階で行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表した。
−帯電条件−
・DCバイアス:−950V
・ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:1.5kHz
Figure 2010072145
(実施例67)
先に作製した電子写真感光体1を図14に示すプロセスカートリッジに装着し、図13に示す画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として帯電ローラの両端部に厚み50μmの絶縁テープを巻き付けた近接配置用の帯電部材(感光体と帯電部材表面間の空隙が50μm)を用い、下記の帯電条件にて、帯電を行った。転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として660nmのLED(日亜化学株式会社製)を用いた。書き込み率6%のチャート(A4サイズ全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続10万枚印刷を行った。その後、以下のようにして地汚れの有無、カラー色の再現性を評価した(なお、試験環境は、22℃、55%RHであった)。結果を表4に示す。
−帯電条件−
・DCバイアス:−900V
・ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:2.0kHz
<地汚れ画像の評価>
10万枚の印刷後において、黒ステーションにて白ベタを出力、評価し、地汚れの有無を確認した(試験環境は、22℃−55%RHである)。地汚れ画像の評価は4段階で行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表した。結果を表4に示す。
<カラー色の再現性>
10万枚の印刷前後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。結果を表4に示す。
(実施例68)
実施例67で使用した感光体1を、感光体8に変更した以外は、実施例67と同様にして、評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例15〜21)
実施例67に使用した感光体1を、感光体13〜17に変更した以外は、実施例67と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2010072145

(実施例69)
<電子写真感光体41の作製>
直径30mmのアルミニウムドラム(JIS1050)に、下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、順次塗布し、乾燥させて、厚み0.5μmの電荷ブロッキング層、厚み3.5μmのモアレ防止層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み25μmの電荷輸送層を形成し、積層型の電子写真感光体を作製した。以下、これを「電子写真感光体41」とする。

−電荷ブロッキング層塗工液−
・N−メトキシメチル化ナイロン(FR−101、株式会社鉛市製)・・・4質量部
・メタノール・・・70質量部
・n−ブタノール・・・30質量部

−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。

−電荷発生層塗工液−
前記分散液1を用いた。

−電荷輸送層塗工液−
・ポリカーボネート(ユーピロンZ300、三菱ガス化学株式会社製)・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・7質量部
Figure 2010072145
・テトラヒドロフラン・・・80質量部
(実施例70〜80)
−電子写真感光体42〜52の作製−
実施例69において、電荷発生層の形成に使用した分散液1の代わりに、分散液2〜12を用いた以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体42〜52を作製した。
(比較例22〜25)
−電子写真感光体53〜56の作製−
実施例69において、電荷発生層の形成に使用した分散液1の代わりに、分散液13〜16を用いた以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体53〜56を作製した。
(比較例26)
−電子写真感光体57の作製−
実施例69において、電荷ブロッキング層を設けない以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体57を作製した。
(比較例27)
−電子写真感光体58の作製−
実施例69において、モアレ防止層を設けない以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体58を作製した。
(比較例28)
−電子写真感光体59の作製−
実施例69において、電荷ブロッキング層とモアレ防止層との塗工順序を入れ替えた以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体59を作製した。
(実施例81)
−電子写真感光体60の作製−
実施例69において、電荷ブロッキング層の厚みを0.3μmとした以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体60を作製した。
(実施例82)
−電子写真感光体61の作製−
実施例69において、電荷ブロッキング層の厚みを1.0μmとした以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体61を作製した。
(実施例83)
−電子写真感光体62の作製−
実施例69において、電荷ブロッキング層の厚みを2.0μmとした以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体62を作製した。
(実施例84)
−電子写真感光体63の作製−
実施例69において、電荷ブロッキング層の厚みを0.1μmとした以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体63を作製した。
(実施例85)
<電子写真感光体64の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体64を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・252質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・300質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、3/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例86)
<電子写真感光体65の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体65を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・120質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・150質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、0.7/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例87)
<電子写真感光体66の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体66を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・336質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・350質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、4/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例88)
<電子写真感光体67の作製>
実施例69において、電荷ブロッキング層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体67を作製した。
−電荷ブロッキング層塗工液−
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・500質量部
上記組成において、アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例89)
<電子写真感光体68の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体68を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化亜鉛(SAZEX4000、堺化学株式会社製)・・・110質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・120質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
(実施例90)
<電子写真感光体69の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体69を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・22.4質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・28質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、4/6であった。
(実施例91)
<電子写真感光体70の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体70を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・28質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・23.3質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、5/5であった。
(実施例92)
<電子写真感光体71の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体71を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・39.2質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・14質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、7/3であった。
(実施例93)
<電子写真感光体72の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体72を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・44.8質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・9.3質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、8/2であった。
(実施例94)
<電子写真感光体73の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体73を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・50.4質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、9/1であった。
(実施例95)
<電子写真感光体74の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体74を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm)・・・84質量部
・アルコール可溶性ナイロン(東レ株式会社製、アミランCM8000)・・・24質量部
・メタノール・・・300質量部
・n−ブタノール・・・130質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
(実施例96)
<電子写真感光体75の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体75を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・42質量部
・酸化チタン(PT−401M、石原産業株式会社製、平均粒径0.07μm;D2)・・・42質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比は0.5であった。
(実施例97)
<電子写真感光体76の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体76を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・75.6質量部
・酸化チタン(PT−401M、石原産業株式会社製、平均粒径0.07μm;D2)・・・8.4質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比は0.1であった。
(実施例98)
<電子写真感光体77の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体77を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・8.4質量部
・酸化チタン(PT−401M、石原産業株式会社製、平均粒径0.07μm;D2)・・・75.6質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.28、両者の混合比は0.9であった。
(実施例99)
<電子写真感光体78の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体78を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・42質量部
・酸化チタン(TTO−F1、石原産業株式会社製、平均粒径0.04μm;D2)・・・42質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.16、両者の混合比は0.5であった。
(実施例100)
<電子写真感光体79の作製>
実施例69において、モアレ防止層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体79を作製した。
−モアレ防止層塗工液−
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製、平均粒径0.25μm;D1)・・・42質量部
・酸化チタン(A−100、石原産業株式会社製、平均粒径0.15μm;D2)・・・42質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・33.6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・18.7質量部
・2−ブタノン・・・100質量部
上記組成において、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1であった。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の質量比は、6/4であった。
酸化チタンの平均粒径の比(D2/D1)は0.6、両者の混合比は0.5であった。
(実施例101)
<電子写真感光体80の作製>
実施例69において、電荷輸送層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例69と同様にして、電子写真感光体80を作製した。
−電荷輸送層塗工液−
・下記式で表される高分子電荷輸送物質(質量平均分子量=135,000)・・・10質量部
Figure 2010072145
・下記構造式で表される添加剤・・・0.5質量部
Figure 2010072145
(実施例102〜134及び比較例29〜35)
以上のように作製した実施例69〜101及び比較例22〜28の各電子写真感光体を図12に示す画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として接触方式の帯電ローラ、転写部材として転写ベルトを用い、下記の帯電条件にて、書き込み率6%のチャートを用い、連続10万枚印刷を行った。その後、白ベタ及びハーフトーン画像を出力し、地汚れの有無、モアレの有無、及び画像濃度を評価した(なお、試験環境は、22℃、55%RHであった)。結果を表5に示す。なお、地汚れ画像評価は4段階で行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表した。
−帯電条件−
・DCバイアス:−950V
・ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:1.5kHz
Figure 2010072145
(実施例135)
先に作製した電子写真感光体41を図14に示すプロセスカートリッジに装着し、図13に示す画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として帯電ローラの両端部に厚み50μmの絶縁テープを巻き付けた近接配置用の帯電部材(感光体と帯電部材表面間の空隙が50μm)を用い、下記の帯電条件にて、帯電を行った。転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として660nmのLED(日亜化学株式会社製)を用いた。書き込み率6%のチャート(A4サイズ全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続10万枚印刷を行った。その後、以下のようにして地汚れの有無、カラー色の再現性を評価した(なお、試験環境は、22℃、55%RHであった)。結果を表6に示す。
−帯電条件−
・DCバイアス:−900V
・ACバイアス:2.0kV(Peak to peak)、周波数:2.0kHz
<地汚れ画像の評価>
10万枚の印刷後において、黒ステーションにて白ベタを出力、評価し、地汚れの有無を確認した(試験環境は、22℃−55%RHである)。地汚れ画像の評価は4段階で行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表した。結果を表6に示す。

<カラー色の再現性>
10万枚の印刷前後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。結果を表6に示す。
(実施例136)
実施例135で使用した感光体41を、感光体48に変更した以外は、実施例135と同様にして、評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例36〜42)
実施例135に使用した感光体41を、感光体53〜57に変更した以外は、実施例135と同様にして評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 2010072145
公知の電子写真感光体における積層化の構成例を示す断面概念図である。 公知の電子写真感光体における積層化の構成例を示す断面概念図である。 不定形チタニルフタロシアニンのTEM像。図中のスケールバーは0.2μmである。 結晶変換後のチタニルフタロシアニンのTEM像。図中のスケールバーは0.2μmである。 短時間で結晶変換を行ったチタニルフタロシアニンのTEM像。図中のスケールバーは0.2μmである。 本発明における電子写真感光体の層構成を表した図である。 本発明における電子写真感光体の別の層構成を表した図である。 本発明における電子写真感光体の別の層構成を表した図である。 本発明における電子写真感光体の層構成を表した図である。 本発明における電子写真感光体の別の層構成を表した図である。 本発明における電子写真感光体の別の層構成を表した図である。 本発明の電子写真プロセスおよび画像形成装置を説明するための概略図である。 本発明のタンデム方式のフルカラー画像形成装置を説明するための概略図である。 本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジを説明するための図である。 合成例1で得られたチタニルフタロシアニン粉末(前駆体)のXDスペクトルを表わした図である。 合成例1で得られた水ペースト乾燥粉末のXDスペクトルを表わした図である。 合成例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶(結晶1)のXDスペクトルを表わした図である。 比較合成例2で得られたチタニルフタロシアニン粉末(前駆体)のXDスペクトルを表わした図である。 比較合成例2で得られたチタニルフタロシアニン結晶(結晶14)のXDスペクトルを表わした図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電部材
5 画像露光部
6 現像ユニット
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
16K、16C、16M、16Y 感光体
17K、17C、17M、17Y 帯電部材
18K、18C、18M、18Y 画像露光部材
19K、19C、19M、19Y 現像部材
20K、20C、20M、20Y クリーニング部材
21K、21C、21M、21Y 転写部材
22 転写ベルト
23 レジストローラ
24 定着部材
25K、25C、25M、25Y 画像形成要素
26 転写紙
27K、27C、27M、27Y 除電部材
31 導電性支持体
32 樹脂層
33 フィラー分散層
34 感光層
35 電荷ブロッキング層
36 モアレ防止層
37 電荷発生層
38 電荷輸送層
39 保護層
40 導電層
101 感光体
102 帯電部材
103 画像露光部材
104 現像部材
105 転写紙
106 転写部材
107 クリーニング部材
108 除電部材

Claims (30)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも電荷ブロッキング層、感光層が順に積層され、さらに他の一層を有する電子写真感光体であって、前記感光層中にCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さない一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換させた、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも26.2゜に最大回析ピークを有し、9.3°、10.5°、13.2°、15.1°、15.6°、16.1°、20.7°、23.2°、26.2°、27.1°、28.3°にもピークを有し、一次粒子の平均サイズが0.2μm以下であるチタニルフタロシアニン結晶を含むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記感光層が、電荷発生層と電荷輸送層を積層してなる感光層であり、該電荷発生層に前記チタニルフタロシアニン結晶を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記電荷ブロッキング層が絶縁性材料からなり、その膜厚が2.0μm未満であることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の電子写真感光体。
  4. 前記絶縁性材料がN−メトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記他の一層は、前記電荷ブロッキング層と前記感光層との間に設けられたモアレ防止層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の電子写真感光体。
  6. 前記モアレ防止層が無機顔料とバインダー樹脂を含有し、両者の容積比が1/1乃至3/1の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1に記載の電子写真感光体。
  7. 前記バインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 前記熱硬化型樹脂がアルキッド/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真感光体。
  10. 前記無機顔料が酸化チタンであることを特徴とする請求項6乃至9に記載の電子写真感光体。
  11. 前記酸化チタンが平均粒径の異なる2種類の酸化チタンであり、これらのうち、平均粒径の大きい方の酸化チタン(T1)の平均粒径(D1)とし、平均粒径の小さい方の酸化チタン(T2)の平均粒径を(D2)とすると、次式、0.2<(D2/D1)≦0.5の関係を満たす請求項10に記載の電子写真感光体。
  12. 前記酸化チタン(T2)の平均粒径(D2)が、0.05μm<D2<0.2μmであることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
  13. 前記平均粒径の異なる2種の酸化チタンの混合比率(重量比)が、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることを特徴とする請求項12又は13に記載の電子写真感光体。
  14. 前記他の一層は、前記導電性支持体と電荷ブロッキング層との間に設けられた導電層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の電子写真感光体。
  15. 前記導電層が、比抵抗10Ω・cm以下の無機顔料または金属酸化物を含有することを特徴とする請求項14に記載の電子写真感光体。
  16. 前記導電層に含有されるバインダー樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項15に記載の電子写真感光体。
  17. 前記熱硬化型樹脂がアルキッド/メラミン樹脂の混合物であることを特徴とする請求項16に記載の電子写真感光体。
  18. 前記アルキッド樹脂とメラミン樹脂の混合比が、5/5〜8/2(重量比)の範囲であることを特徴とする請求項17に記載の電子写真感光体。
  19. 前記チタニルフタロシアニン結晶がCuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶を結晶変換処理して得たチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1に記載の電子写真感光体。
  20. 前記結晶変換処理が、有機溶媒による処理により行われるものであることを特徴とする請求項19に記載の電子写真感光体。
  21. 前記結晶変換処理に使用する有機溶媒が、少なくともケトン系溶媒またはエーテル系溶媒の中から選ばれる一種を含むことを特徴とする請求項20に記載の電子写真感光体。
  22. 前記結晶変換処理に際して、機械的なエネルギーが印加されることを特徴とする請求項19乃至21のいずれか1に記載の電子写真感光体。
  23. 前記CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、かつ最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3゜のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶が、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも7.0〜7.5゜に最大回折ピークを有する不定形チタニルフタロシアニンを、水の存在下で有機溶媒により結晶変換されたものであることを特徴とする請求項19乃至22の何れか1に記載の電子写真感光体。
  24. 前記不定形チタニルフタロシアニンの7.0〜7.5゜の回折ピークの半値巾が1゜以上であることを特徴とする請求項23に記載の電子写真感光体。
  25. 前記結晶変換に用いられる有機溶媒が少なくとも、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、トルエン、塩化メチレン、二硫化炭素、オルトジクロロベンゼン、1,1,2−トリクロロエタンの中から選ばれる一種を含むことを特徴とする請求項23又は24に記載の電子写真感光体。
  26. 前記不定形チタニルフタロシアニンが、ハロゲン化チタンを用いずに合成されたものであることを特徴とする請求項23乃至25の何れか1に記載の電子写真感光体。
  27. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体を具備してなる画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項1乃至26の何れか1に記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
  28. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及び電子写真感光体からなる画像形成要素が複数配列され、該電子写真感光体が請求項1乃至26の何れか1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  29. 電子写真感光体と帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となったカートリッジを搭載し、かつ該カートリッジが装置本体に対し着脱自在であることを特徴とする請求項27または28に記載の画像形成装置。
  30. 少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段から選ばれる1つの手段と、電子写真感光体とが一体となった画像形成装置用プロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が請求項1乃至26の何れか1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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