JP2010071678A - 加速度センサおよびその製造方法 - Google Patents

加速度センサおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010071678A
JP2010071678A JP2008236505A JP2008236505A JP2010071678A JP 2010071678 A JP2010071678 A JP 2010071678A JP 2008236505 A JP2008236505 A JP 2008236505A JP 2008236505 A JP2008236505 A JP 2008236505A JP 2010071678 A JP2010071678 A JP 2010071678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
acceleration sensor
piezoresistive element
oxide layer
silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008236505A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5115416B2 (ja
Inventor
Akio Morii
明雄 森井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2008236505A priority Critical patent/JP5115416B2/ja
Publication of JP2010071678A publication Critical patent/JP2010071678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5115416B2 publication Critical patent/JP5115416B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

【課題】製品間の特性のばらつきを抑えることが可能な加速度センサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】加速度センサが、開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続する接続部と、を有する第1の構造体と、前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有し、前記第1の構造体に積層して配置される第2の構造体と、前記接続部に配置され、不純物の濃度が少なくとも深さ方向において略一定であるピエゾ抵抗素子と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加速度を検出する加速度センサおよびその製造方法に関する。
半導体からなるトランデューサ構造体を用い、ピエゾ抵抗素子で撓みを検出することで、加速度を測定する加速度センサの技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−329702号公報
このピエゾ抵抗素子は、例えば、熱拡散やイオン注入によって、シリコン単結晶基板等の基板に、P型もしくはN型の不純物ドープ領域を形成することによって作製できる。
しかしながら、一般に、ピエゾ抵抗素子は、熱拡散やイオン注入によって形成されているため、ピエゾ抵抗素子の深さ方向や基板の表面に平行な方向の不純物の濃度は、通常、一定にはならないことが知られている。そのため、製品間でピエゾ抵抗素子の抵抗値が異なり、特性のばらつきが生じる可能性があることが判った。
上記に鑑み、本発明は製品間の特性のばらつきを抑えることが可能な加速度センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る加速度センサは、開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続する接続部と、を有する第1の構造体と、前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有し、前記第1の構造体に積層して配置される第2の構造体と、前記接続部に配置され、不純物の濃度が少なくとも深さ方向において略一定であるピエゾ抵抗素子と、を具備することを特徴とする。
本発明の一態様に係る加速度センサの製造方法は、第1の半導体材料からなる第1の層、絶縁性材料からなる第2の層、および第2の半導体材料からなる第3の層が順に積層されてなる半導体基板の前記第1の層に不純物の濃度が少なくとも深さ方向において略一定のピエゾ抵抗素子を形成するステップと、前記第1の層をエッチングして、開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続し、かつ前記ピエゾ抵抗素子が配置される接続部と、を有する第1の構造体を形成するステップと、前記第3の層をエッチングして、前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有する第2の構造体を形成するステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、製品間の特性のばらつきを抑えることが可能な加速度センサおよびその製造方法を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る加速度センサ100を表す斜視図である。また、図2は加速度センサ100を分解した状態を表す分解斜視図である。図3は、加速度センサ100の接続部(梁)上の配線を上面から見た状態を表す上面図である。図4は、加速度センサ100を図3のA−Aに沿って切断した状態を表す一部断面図である。なお、見やすさおよび図4との対応関係を考慮し、図1〜図3において配線の図示を限定している。
加速度センサ100は、互いに積層して配置される第1の構造体110、接合部120、第2の構造体130、基体140を有する。なお、図2では、見やすさのために、接合部120の記載を省略している。
第1の構造体110、接合部120、第2の構造体130、基体140は、その外周が例えば、1mmの辺の略正方形状であり、これらの高さはそれぞれ、例えば、3〜12μm、0.5〜3μm、600〜725μm、600μmである。
第1の構造体110、接合部120、第2の構造体130はそれぞれ、シリコン、酸化シリコン、シリコンから構成可能であり、シリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造可能である。
基体140は、例えば、ガラス材料で構成できる。
第1の構造体110は、外形が略正方形であり、固定部111、変位部112、接続部113から構成され、その上に配線構造150が配置される。第1の構造体110は、半導体材料の膜をエッチングして開口部115を形成することで、作成できる。
固定部111は、外周、内周(開口)が共に略正方形の枠形状の基板である。固定部111は、後述の台座131と形状が対応し、かつ接合部120によって台座131と接合される。
変位部112は、外周が略正方形の基板であり、固定部111の開口の中央近傍に配置される。
接続部(梁)113は略長方形の基板であり、固定部111と変位部112とを4方向(X正方向、X負方向、Y正方向、Y負方向)で接続する。
接続部113は、撓みが可能な梁として機能する。接続部113が撓むことで、変位部112が固定部111に対して変位可能である。具体的には、変位部112が固定部111に対して、Z正方向、Z負方向に直線的に変位する。また、変位部112は、固定部111に対してX軸およびY軸を回転軸とする正負の回転が可能である。即ち、ここでいう「変位」には、移動および回転(Z軸方向での移動、X、Y軸での回転)の双方を含めることができる。
変位部112の変位(移動および回転)を検知することで、X、Y、Zの3軸方向の加速度を測定することができる。
接続部113上に、12個のピエゾ抵抗素子R(Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4)が配置されている。本実施形態では、ピエゾ抵抗素子Rは、接続部113上に積層された、例えばボロン(B)のような不純物を含む半導体材料で構成されている。このピエゾ抵抗素子Rは、抵抗の変化として接続部113の撓み(あるいは、歪み)、ひいては変位部112の変位を検出するためのものである。なお、この詳細は後述する。
本実施形態では、ピエゾ抵抗素子の不純物の濃度は、深さ方向、及び基板の表面に平行な方向において略一定である。
本明細書中において、ピエゾ抵抗素子の深さ方向における不純物の濃度が略一定とは、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向において、ピエゾ抵抗素子Rの底面とピエゾ抵抗素子Rの最も濃度の高い部分との濃度の差が、ピエゾ抵抗素子Rの最も濃度の高い部分に対して50%以下であることをいう。また、本明細書中において、ピエゾ抵抗素子の基板の表面に平行な方向における不純物の濃度が略一定とは、ピエゾ抵抗素子Rの基板の表面に平行な方向において、ピエゾ抵抗素子Rの側面とピエゾ抵抗素子Rの最も濃度の高い部分との濃度の差が、ピエゾ抵抗素子Rの最も濃度の高い部分に対して50%以下であることをいう。
通常、ピエゾ抵抗素子の不純物の濃度は、拡散進行方向において指数関数的に小さくなる。そのため、ピエゾ抵抗素子Rの底面又は側面とピエゾ抵抗素子Rの最も濃度の高い部分との濃度の差が、50%以下であれば、深さ方向や基板の表面に平行な方向において、一定とみなし得る。すなわち、本発明に係る加速度センサでは、ピエゾ抵抗素子Rの形成領域の境界が、従来の加速度センサと比較して明確になっている。
本明細書中において、ピエゾ抵抗素子Rの底面又は側面とは、P型半導体領域(例えば、ボロンドープの場合)又はN型半導体領域(例えば、Pドープの場合)の境界をいい、この境界では不純物の濃度分布が急激に変動している。
具体的には、ピエゾ抵抗素子Rが接続部113上に形成されたエピタキシャル層で構成されている場合には、製造プロセスから考えて、ピエゾ抵抗素子Rの底面はエピタキシャル成長を開始する面である。ピエゾ抵抗素子Rが接続部113上に接合された半導体層の場合には、ピエゾ抵抗素子Rの底面はこの半導体層の接合面である。ピエゾ抵抗素子Rが拡散防止層(例えば酸化物層)上に位置する半導体材料層に不純物を拡散させた拡散層で構成されている場合には、ピエゾ抵抗素子Rの底面は拡散防止層との境界である。同様に、ピエゾ抵抗素子Rが、ピエゾ抵抗素子Rが形成される領域の側面に配置される拡散防止層(例えば酸化物層)で囲まれた半導体材料層に不純物を拡散させた拡散層で構成されている場合には、ピエゾ抵抗素子Rの側面は拡散防止層との境界である。
第1の構造体110上に配線構造150が配置される。
配線構造150は、絶縁層151、配線層152、保護層153の層構造をなす。
絶縁層151は、第1の構造体110と配線層152とを分離するための層である。絶縁層151には、ピエゾ抵抗素子Rと配線層152とを電気的に接続するためのコンタクトホール(開口)154(後述する)が形成される。このコンタクトホール154には、層間接続導体155が配置される。
配線層152には、配線156、およびボンディングパッド157のパターンが配置される。配線156は、層間接続導体155を介して、ピエゾ抵抗素子Rとボンディングパッド157とを電気的に接続する。
ボンディングパッド157は、加速度センサ100と外部回路とを例えば、ワイヤボンディングで接続するための接続端子である。
層間接続導体155、配線156、およびボンディングパッド157は、同一の材料、例えば、Ndを含有するAlからなる。これらが同一の材料からなるのは、この材料を堆積してパターニングすることで、形成されるためである。
この材料をNd含有Alとしているのは、層間接続導体155、配線156にヒロックが発生することを防止するためである。ここでいうヒロックとは、例えば、半球状の突起物をいう。後述のように、ピエゾ抵抗素子Rと層間接続導体155とをオーム性接触(オーミックコンタクト)させるため、層間接続導体155がアニール(加熱処理)される。このアニールによって層間接続導体155、配線156にヒロックが発生し、ピエゾ抵抗素子Rとボンディングパッド157間の電気的接続が不良となるおそれがある。第1、第2の構造体110、130の作成時に、配線156のヒロックが原因で配線156に断線等の欠陥が生じる可能性がある。
AlにNdを含有させることで(1.5〜10at%)、層間接続導体155、配線156へのヒロックの発生を防止し、接続信頼性を向上できる。
保護層153は、配線層152を外界から保護するための一種の絶縁層である。ボンディングパッド157と対応して、保護層153にパッド開口158が形成される。外部回路等とボンディングパッド157との接続のためである。
第2の構造体130は、外形が略正方形であり、台座131および重量部132(132a〜132e)から構成されている。第2の構造体130は、半導体材料の基板をエッチングして開口部133を形成することで、作成可能である。
台座131は、枠体部131aと突出部131bとに区分できる。
枠体部131aは、外周、内周(開口部133)が共に略正方形の枠形状の基板である。枠体部131aは固定部111と対応した形状を有し、接合部120によって固定部111に接続される。枠体部131aと、重量部132とは、互いに高さがほぼ等しく、また開口部133によって分離され、相対的に移動可能である。
突出部131bは、重量部132と基体140との間に間隙(ギャップ)を確保し、重量部132の変位を可能にするためのものである。
突出部131bは、枠体部131aと一体的に構成され、外周、内周が共に略正方形の枠形状の基板である。突出部131bの外周は、枠体部131aの外周と一致し、突出部131bの内周は、枠体部131aの内周より大きい。
重量部132は、質量を有し、加速度によって力を受ける重錘、あるいは作用体として機能する。即ち、加速度が印加されると、重量部132の重心に力が作用する。
重量部132は、略直方体形状の重量部132a〜132eに区分される。中心に配置された重量部132aに4方向から重量部132b〜132eが接続され、全体として一体的に変位(移動、回転)が可能となっている。即ち、重量部132aは、重量部132b〜132eを接続する接続部として機能する。
重量部132aは、変位部112と対応する略正方形の断面形状を有し、接合部120によって変位部112と接合される。この結果、重量部132に加わった加速度に応じて変位部112が変位し、その結果、加速度の測定が可能となる。
重量部132b〜132eはそれぞれ、第1の構造体110の開口部115に対応して配置される。重量部132が変位したときに重量部132b〜132eが接続部113に接触しないようにするためである(重量部132b〜132eが接続部113に接触すると、加速度の検出が阻害される)。
重量部132a〜132eによって、重量部132を構成しているのは、加速度センサ100の小型化と高感度化の両立を図るためである。加速度センサ100を小型化(小容量化)すると、重量部132の容量も小さくなり、その質量が小さくなることから、加速度に対する感度も低下する。接続部113の撓みを阻害しないように重量部132b〜132eを分散配置することで、重量部132の質量を確保している。この結果、加速度センサ100の小型化と高感度化の両立が図られる。
接合部120は、既述のように、第1、第2の構造体110、130を接続するものである。接合部120は、固定部111と台座131を接続する接合部121と、変位部112と重量部132aを接続する接合部122に区分される。接合部120は、これ以外の部分では、第1、第2の構造体110、130を接続していない。接続部113の撓み、および重量部132b〜132eの変位を可能とするためである。
なお、接合部121、122は、シリコン酸化膜をエッチングすることで構成可能である。
基体140は、第1、第2の構造体110、130を支持する機能とともに、加速度センサ100に強い衝撃が加わった時に重量部132が一定値以上変位するのを防止し、接続部113(梁)の破壊を防ぐストッパとしての機能を有する。基体140は、第2の構造体130の突出部131bと接合され、その上面に接合防止層141が配置される。
基体140は、例えば、ガラス材料からなり、略直方体の外形を有する。
基体140と突出部131bは、例えば、陽極接合によって接続される。基体140と突出部131bとを接触させて加熱した状態で、これらの間に電圧を印加することで、接合がなされる。
接合防止層141は、重量部132と基体140との接合を防止するためのものである。前述の陽極接合の際に、基体140に重量部132が接触することで、これらが接合され、加速度センサ100が動作不良となる可能性がある。
突出部131bの下面に対応する領域には、接合防止層141が配置されない。接合防止層141の構成材料として、例えば、Crを用いることができる。
(加速度センサ100の動作)
加速度センサ100による加速度の検出の原理を説明する。既述のように、接続部113には、合計12個のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4が配置されている。
これら各ピエゾ抵抗素子は、シリコンからなる接続部113の上面付近に形成されたP型もしくはN型の不純物ドープ領域(ピエゾ抵抗素子R)によって構成できる。
3組のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4が、接続部113上のX軸方向、Y軸方向、X軸方向に一直線に並ぶように配置される。
なお、ピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4、Rz1〜Rz4は、接続部113によって配置が異なる。これはピエゾ抵抗素子Rによる接続部113の撓みの検出をより高精度化するためである。
3組のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4はそれぞれ、重量部132のX、Y、Z軸方向成分の変位を検出するX、Y、Z軸方向成分変位検出部として機能する。なお、4つのピエゾ抵抗素子Rz1〜Rz4は、必ずしもX軸方向に配置する必要はなく、Y軸方向に配置してもよい。
ピエゾ抵抗素子Rの伸び(+)、縮み(−)の組み合わせと、その伸び縮みの量それぞれから、加速度の方向および量を検出することができる。ピエゾ抵抗素子Rの伸び、縮みは、ピエゾ抵抗素子Rの抵抗の変化として検出できる。
例えば、接続部113の構成材料の結晶面指数が{100}で、ピエゾ抵抗素子Rの長手方向での結晶方向が<110>の場合を考える。ここで、各ピエゾ抵抗素子RがシリコンへのP型不純物ドープによって構成されているとする。このときには、ピエゾ抵抗素子Rの長手方向での抵抗値は、伸び方向の応力が作用したときには増加し、縮み方向の応力が作用した場合には減少する。
なお、ピエゾ抵抗素子RをシリコンへのN型不純物ドープによって構成した場合には、抵抗値の増減が逆になる。
図5A〜図5Cはそれぞれ、ピエゾ抵抗素子Rの抵抗からX、Y、Zの軸方向それぞれでの加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。この検出回路では、X、Y、Zの軸方向の加速度成分をそれぞれを検出するために、4組のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ回路を構成し、そのブリッジ電圧を検出している。
これらのブリッジ回路では入力電圧Vin(Vx_in、Vy_in、Vz_in)それぞれに対する出力電圧Vout(Vx_out、Vy_out、Vz_out)の関係は以下の式(1)〜(3)で表される。
Vx_out/Vx_in=
[Rx4/(Rx1+Rx4)−Rx3/(Rx2+Rx3)] ……式(1)
Vy_out/Vy_in=
[Ry4/(Ry1+Ry4)−Ry3/(Ry2+Ry3)] ……式(2)
Vz_out/Vz_in=
[Rz3/(Rz1+Rz3)−Rz4/(Rz2+Rz4)] ……式(3)
加速度とピエゾ抵抗Rの伸び縮み量が比例し、さらにピエゾ抵抗素子Rの伸び縮の量と抵抗値Rの変化とが比例する。この結果、入力電圧に対する出力電圧の比(Vxout/Vxin、Vyout/Vyin、Vzout/Vzin)は加速度と比例し、X、Y、Z軸それぞれでの加速度を分離して測定することが可能となる。
(加速度センサ100の作成)
加速度センサ100の作成工程につき説明する。
図6は、加速度センサ100の作成手順の一例を表すフロー図である。また、図7A〜図7Nは、図4に対応し、図6の作成手順における加速度センサ100の状態を表す断面図である
(1)半導体基板W1の用意(ステップS11、および図7A)
図7Aに示すように、第1、第2、第3の層11、12、13の3層を積層してなる半導体基板W1を用意する。
第1、第2、第3の層11、12、13はそれぞれ、第1の構造体110、接合部120、第2の構造体130を構成するための層であり、ここでは、シリコン、酸化シリコン、シリコンからなる層とする。
シリコン/酸化シリコン/シリコンという3層の積層構造をもった半導体基板W1は、シリコン基板上にシリコン酸化膜を積層した基板と、シリコン基板とを接合後、後者のシリコン基板を薄く研磨することで作成できる(いわゆるSOI基板)。また、半導体基板W1は、シリコン基板上に、シリコン酸化膜、シリコン膜を順に積層することでも作成できる。
第2の層12を第1、第3の層11、13とは異なる材料から構成しているのは、第1、第3の層11、13とエッチング特性を異ならせ、エッチングのストッパ層として利用するためである。第1の層11に対する上面からのエッチング、および第3の層13に対する下面からのエッチングの双方で、第2の層12がエッチングのストッパ層として機能する。
なお、ここでは第1の層11と第3の層13とを同一材料(シリコン)によって構成するものとするが、第1、第2、第3の層11、12、13のすべてを異なる材料によって構成してもよい。
(2)ピエゾ抵抗素子Rの形成(ステップS12−1、12−2および図7B、図7C)
ピエゾ抵抗素子Rの形成は、次のa、bのようにして行われる。
a.不純物を含む単結晶シリコン14(エピタキシャル層)の形成(ステップS12−1、図7B)
ピエゾ抵抗素子Rとして望ましい不純物濃度(例えば、1×1018/cm)となるように、例えば、ボロンがドープされたエピタキシャル層を、エピタキシャル成長させて、第1の層11上に所望の不純物濃度の単結晶シリコン14を形成する。
b.ピエゾ抵抗素子Rの形成領域以外の単結晶シリコン14の除去(ステップS12−2、図7C)
エッチング時間をコントロールして、所望の不純物濃度の単結晶シリコン14のうち、ピエゾ抵抗素子Rの形成領域以外の部分をエッチングにより除去し、ピエゾ抵抗素子Rを形成する。
ピエゾ抵抗素子Rが、エピタキシャル成長によって形成された、所望の不純物濃度のシリコン単結晶で構成されているため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向及び基板の表面に平行な方向の不純物の濃度を一定にすることができる。そのため、製品間でピエゾ抵抗素子Rの抵抗値のばらつきを抑えることが可能なので、製品間での加速度センサ100の特性のばらつき抑えることができる。
また、本実施形態では、ホイーンストンブリッジに一定電流を流す定電流駆動を行っている。このような定電流駆動の場合には、ピエゾ抵抗素子の感度は不純物濃度がある値(例えばP型半導体の場合には、1×1018atom/cm、又は2×1020atom/cmの近傍)で、温度係数がゼロとなり、温度依存性を大幅に小さくできることが知られている。本実施形態では、ピエゾ抵抗素子R全体として、不純物の濃度をこの適切な濃度とすることができるので、感度の温度係数を略ゼロにすることが可能であり、加速度センサ100の感度の温度依存性を大幅に小さくすることができる。ピエゾ抵抗素子Rの不純物濃度を少なくとも深さ方向において略一定とすることで、不純物濃度が減少する領域を狭く設計でき、使用温度(−40℃〜80℃)範囲における製品精度要求を満たすことができるようになる。また、温度係数の小さい加速度センサを用いれば温度補償回路を省いたモジュール化が可能であり、より安価に加速度センサモジュールを提供できる。
(3)配線構造150の形成(ステップS13、および図7D〜図7F)
配線構造150の形成は、次のa〜cのようにして行われる。
a.絶縁層151の形成(図7D)
第1の層11及びピエゾ抵抗素子R上に絶縁層151を形成する。例えば、第1の層11及びピエゾ抵抗素子Rの表面を熱酸化することで、SiOの層を形成できる。
絶縁層151に、例えば、レジストをマスクとしたRIEによって、コンタクトホール(開口)154を形成する。
b.配線156の形成(図7E)
絶縁層151上に配線156を形成する。
例えばスパッタリングによって、第1の層11上にNdを含むAl層を形成する。この堆積の結果、第1の層11上に配線層152が、コンタクトホール154内に層間接続導体155が形成される。
次に、例えば、レジストをマスクとしてウェットエッチングすることで、配線層152をパターニングして、配線156、およびボンディングパッド157のパターンのパターンを形成する。
c.保護層153の形成(図7F、図7G)
例えば、低圧CVDによりSiN層を堆積し、配線層152上に保護層153を形成する(図7F)。
次に、半導体基板W1を、例えば380℃、あるいは400℃程度に熱処理し、ピエゾ抵抗素子Rと層間接続導体155間をオーム性接触(オーミックコンタクト)させる。
次に、例えば、レジストをマスクとするRIEによって、保護層153をエッチングして、保護層153にパッド開口158を形成する(図7G)。
(4)第1の構造体110の作成(第1の層11のエッチング、ステップS14、および図7H)
第1の層11をエッチングすることにより、開口部115を形成し、第1の構造体110を形成する。即ち、第1の層11に対して浸食性を有し、第2の層12に対して浸食性を有しないエッチング方法を用いて、第1の層11の所定領域(開口部115)に対して、第2の層12の上面が露出するまで厚み方向にエッチングする。
第1の層11の上面に、第1の構造体110に対応するパターンをもったレジスト層を形成し、このレジスト層で覆われていない露出部分を垂直下方に浸食する。このエッチング工程では、第2の層12に対する浸食は行われないので、第1の層11の所定領域(開口部115)のみが除去される。
図7Hは、第1の層11に対して、上述のようなエッチングを行い、第1の構造体110を形成した状態を示す。
(5)第2の構造体130の作成(第3の層13のエッチング、ステップS15、および図7I、図7J)
第2の構造体130は2段階に区分して作成される。
1)突出部131bの形成(図7I)
第3の層13の下面に、突出部131bに対応するパターンをもったレジスト層を形成し、このレジスト層で覆われていない露出部分を垂直上方へと浸食させる。この結果、第3の層13の下面に窪み(凹部)21が形成される。この窪み21の外周が突出部131bである。
2)台座131および重量部132の形成(図7J)
第3の層13の窪み21をさらにエッチングすることにより、開口部133を形成し、第2の構造体130を形成する。即ち、第3の層13に対して浸食性を有し、第2の層12に対して浸食性を有しないエッチング方法により、第3の層13の所定領域(開口部133)に対して、第2の層12の下面が露出するまで厚み方向へのエッチングを行う。
第3の層13の下面に、第2の構造体130に対応するパターンをもったレジスト層を形成する。窪み21内のレジスト層で覆われていない露出部分を垂直上方へと浸食させる。このエッチング工程では、第2の層12に対する浸食は行われないので、第3の層13の所定領域(開口部133)のみが除去される。
図7Jは、第3の層13に対して、上述のようなエッチングを行い、第2の構造体130を形成した状態を示す。
なお、上述した第1の層11に対するエッチング工程(ステップS14)と、第3の層13に対するエッチング工程(ステップS15)の順序は入れ替えることができる。いずれのエッチング工程を先に行ってもかまわないし、同時に行っても差し支えない。
(6)接合部120の作成(第2の層12のエッチング、ステップS16、および図7K)
第2の層12をエッチングすることにより、接合部120を形成する。即ち、第2の層12に対しては浸食性を有し、第1の層11および第3の層13に対しては浸食性を有しないエッチング方法により、第2の層12に対して、その露出部分から厚み方向および層方向にエッチングする。
以上の製造プロセスにおいて、第1の構造体110を形成する工程(ステップS14)と、第2の構造体130を形成する工程(ステップS15)では、次の2つの条件を満たすエッチング法を行う必要がある。
第1の条件は、各層の厚み方向への方向性を持つことである、第2の条件は、シリコン層に対しては浸食性を有するが、酸化シリコン層に対しては浸食性を有しないことである。第1の条件は、所定寸法をもった開口部や溝を形成するために必要な条件であり、第2の条件は、酸化シリコンからなる第2の層12を、エッチングストッパ層として利用するために必要な条件である。
第1の条件を満たすエッチング方法として、誘導結合型プラズマエッチング法(ICPエッチング法:Inductively-Coupled Plasma Etching Method )を挙げることができる。このエッチング法は、垂直方向に深い溝を掘る際に効果的な方法であり、一般に、DRIE(Deep Reactive Ion Etching )と呼ばれているエッチング方法の一種である。
この方法では、材料層を厚み方向に浸食しながら掘り進むエッチング段階と、掘った穴の側面にポリマーの壁を形成するデポジション段階と、を交互に繰り返す。掘り進んだ穴の側面は、順次ポリマーの壁が形成されて保護されるため、ほぼ厚み方向にのみ浸食を進ませることが可能になる。
一方、第2の条件を満たすエッチングを行うには、酸化シリコンとシリコンとでエッチング選択性を有するエッチング材料を用いればよい。例えば、エッチング段階では、SFガス、およびOガスの混合ガスを、デポジション段階では、Cガスを用いることが考えられる。
第2の層12に対するエッチング工程(ステップS16)では、次の2つの条件を満たすエッチング法を行う必要がある。第1の条件は、厚み方向とともに層方向への方向性をもつことであり、第2の条件は、酸化シリコン層に対しては浸食性を有するが、シリコン層に対しては浸食性を有しないことである。
第1の条件は、不要な部分に酸化シリコン層が残存して重量部132の変位の自由度を妨げることがないようにするために必要な条件である。第2の条件は、既に所定形状への加工が完了しているシリコンからなる第1の構造体110や第2の構造体130に浸食が及ばないようにするために必要な条件である。
第1、第2の条件を満たすエッチング方法として、バッファド弗酸(例えば、HF=5.5wt%、NHF=20wt%の混合水溶液)をエッチング液として用いるウェットエッチングを挙げることができる。
(7)基体140の接合(ステップS17、および図7L、図7M)
1)基体140への接合防止層141の形成(図7L)
基体140に接合防止層141を形成する。例えば、スパッタリングによって、基体140の上面にCrの層を形成する。さらに、レジストをマスクとするエッチングにより、突出部131bの下面に対応するように、この層の外周を除去する。突出部131bと基体140との接合を確保しつつ、重量部132と基体140との接合を防止するためである。
2)半導体基板W1と基体140の接合(図7M)
半導体基板W1と基体140とを接合する。基体140と突出部131bそれぞれの構成材料がガラスおよびSiの場合、陽極接合(静電接合ともいう)が可能となる。
基体140と突出部131bとを接触させて加熱した状態で、これらの間に電圧を印加する。加熱によって基体140のガラスが軟化する。また、ガラス中に含まれる可動イオン(例えば、Naイオン)の移動によって、基体140のガラスにナトリウム欠乏層が生成される。具体的には、可動イオンがガラス中を接合面と反対方向に移動してガラス表面に析出し、ガラス中の接合面近傍にナトリウム欠乏層が生成される。この結果、基体140と突出部131b間に電気的二重層が発生し、その静電引力によりこれらが接合される。
このとき、接合防止層141が、基体140と重量部132間でのイオンの移動を制限する。この結果、基体140と重量部132間での接合が防止される。
(8)半導体基板W1のダイシング(ステップS18および図7N)
互いに接合された半導体基板W1および基体140にダイシングソー等で切れ込みを入れて、個々の加速度センサ100に分離する。
(変形例)
以上の加速度センサ100は、ピエゾ抵抗素子Rが、エピタキシャル成長によって形成された、所望の不純物濃度のシリコン単結晶で構成されている。
これに対して、第1の層11上に不純物を含むシリコン基板を接合することも可能である。すなわち、ステップS12のピエゾ抵抗素子Rの形成において、第1の層11上に不純物を含むシリコン基板を接合し、このシリコン基板におけるピエゾ抵抗素子Rの形成領域以外の部分をエッチングにより除去することにより、ピエゾ抵抗素子Rを形成することができる。
ここで、不純物を含むシリコン基板は、例えば、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造において、ピエゾ抵抗素子Rとして望ましい不純物濃度(例えば、1×1018/cm)となるように、例えば、ボロンをドープすることにより製造することができる。
この変形例に係る加速度センサにおいても、ピエゾ抵抗素子Rが、所望の不純物濃度のシリコンで構成されているため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向及び基板の表面に平行な方向の不純物の濃度を一定にすることができる。そのため、この変形例に係る加速度センサは、第1の実施形態の加速度センサ100と同様に、製品間のピエゾ抵抗素子Rの抵抗値のばらつきを抑えることが可能なので、製品間における加速度センサの特性のばらつき抑えることができる。また、第1の実施形態の加速度センサ100と同様に、ピエゾ抵抗素子R全体として、不純物の濃度を前述した適切な濃度とすることができるので、この変形例に係る加速度センサの感度の温度依存性を大幅に小さくすることができる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る加速度センサ200の主要な部分を表す一部断面図である。図4に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態の加速度センサ200は、ピエゾ抵抗素子Rが、第1の実施形態の加速度センサ100と同様に、エピタキシャル成長によって形成された、所望の不純物濃度のシリコン単結晶で構成されている。
本実施形態の加速度センサ200は、第1の実施形態での加速度センサ100と、以下の点において相違している。
・第1の実施形態の加速度センサ100が備えている絶縁層151に代えて、本実施形態の加速度センサ200は、第1の構造体210内に、酸化物層216を備えている。この相違は、ピエゾ抵抗素子Rを形成する際のエッチングにおいて、酸化物層216をストッパ層として利用するために生じたものである。
・第1の実施形態の加速度センサ100では、配線156が、コンタクトホール154及び絶縁層151上に配置されている。これに対して、本実施形態の加速度センサ200では、コンタクトホールを形成せず、配線256が、例えば、ピエゾ抵抗素子R及びピエゾ抵抗基台部217の側面と、酸化物層216上に配置されている。この相違は、酸化物層216を配線層252と半導体材料層211とを分離するための層として利用したために生じたものである。
加速度センサ200の構成について説明する。
加速度センサ200は、互いに積層して配置される第1の構造体210、接合部120、第2の構造体130、基体140を有する。
第1の構造体210、接合部120、第2の構造体130は、それぞれ、酸化物層216が内部に形成されたシリコン、酸化シリコン、シリコンから構成可能である。したがって、加速度センサ200は、酸化物層216が内部に形成されたシリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI基板を用いて製造可能である。
第1の構造体210は、半導体材料層211(酸化物層216の下側に積層された半導体材料層)、酸化物層216、ピエゾ抵抗基台部217が互いに積層して配置されている。第1の構造体210は、外形が略正方形であり、固定部111、変位部112、接続部113から構成される。第1の構造体210の上には、配線構造250が配置される。
第1の構造体210は、その外周が例えば、1mmの辺の略正方形状であり、高さは、例えば6.5μm(例えば、半導体材料層211の厚み5μm、酸化物層216の厚み0.5μm、ピエゾ抵抗基台部217の厚み1μm)である。
第1の構造体210は、内部に酸化物層216が形成された半導体材料の膜をエッチングして、開口部115を形成するとともに、ピエゾ抵抗基台部217の周囲の不要な半導体材料を除去することで作成できる。
半導体材料層211は、半導体材料で構成され、接合部120と酸化物層216との間に積層して配置される。
酸化物層216は、第1の構造体210内に形成され、半導体材料層211上に積層され、本実施の形態では、酸化物層216上の所定の位置にピエゾ抵抗基台部217が配置される。酸化物層216は、ピエゾ抵抗基台部217が配置された領域を除いて、第1の構造体210の最上面に配置される。酸化物層216は、本実施の形態では、配線層252と半導体材料層211とを分離するための層であり、また、ピエゾ抵抗素子Rを形成するエッチング(後述する)においてストッパ層としても機能する。
ピエゾ抵抗基台部217は、ピエゾ抵抗素子Rが積層される台部で、半導体材料層211と同一の半導体材料から構成でき、酸化物層216上の所定の位置に配置される。
配線構造250は、配線層252、保護層253の層構造をなす。
配線層252には、配線256、およびボンディングパッド257のパターンが配置される。配線256は、例えば、ピエゾ抵抗素子R及びピエゾ抵抗基台部217の側面と酸化物層216上に配置することができ、ピエゾ抵抗素子Rとボンディングパッド257とを電気的に接続する。
ボンディングパッド257は、加速度センサ200と外部回路とを例えば、ワイヤボンディングで接続するための接続端子である。
配線256、およびボンディングパッド257は、同一の材料、例えば、Ndを含有するAlからなる。
保護層253は、配線層252を外界から保護するための一種の絶縁層であり、例えばSiN層で構成できる。ボンディングパッド257と対応して、保護層253にパッド開口258が形成される。外部回路等とボンディングパッド257との接続のためである。
加速度センサ200の作成工程について説明する。
図9は、加速度センサ200の作成手順の一例を表すフロー図である。図10Aは、図9の作成手順のステップS21における半導体基板W2を表す断面図である。図10B、図10Cは、図9の作成手順のステップS22における、エピタキシャル成長による不純物を含む単結晶シリコン14層の形成状態、ピエゾ抵抗素子Rの形成状態をそれぞれ表す断面図である。図10D、図10Eは、図9の作成手順のステップS23における、配線層252の形成状態、保護層253の形成状態をそれぞれ表す断面図である。
本実施形態の加速度センサ200の作成方法は、第1の実施形態の加速度センサ100の作成方法と、以下の点において相違している。
・用意する半導体基板が相違している。第1の実施形態での加速度センサ100の作成方法におけるステップS11において半導体基板W1を用いているのに対して、本実施形態では、S21において第1の層21に酸化物層216が形成された半導体基板W2を用いている(図10A)。この相違は、ピエゾ抵抗素子Rを形成する際のエッチングにおいて、酸化物層216をストッパ層として利用するために生じたものである。
・ピエゾ抵抗素子Rを形成する際のエッチング領域が相違している。第1の実施形態での加速度センサ100の作成方法におけるステップS12においては、ピエゾ抵抗素子Rの形成領域以外の単結晶シリコン14を除去している。これに対して、本実施形態では、S22−2おいて、ピエゾ抵抗素子Rの形成領域以外の単結晶シリコン14を除去するのに加えて、さらにピエゾ抵抗基台部217の周囲の半導体材料も除去している(図10C)。この相違も、ピエゾ抵抗素子Rを形成する際のエッチングにおいて、酸化物層216をストッパ層として利用するために生じたものである。
・第1の実施形態での加速度センサ100の作成方法でのS13において形成した、絶縁層151及びコンタクトホール154を、本実施形態では、形成していない(図10D)。酸化物層216を、配線層252と半導体材料層211とを分離するための層として利用したため、絶縁層151の形成は省略できるためである。
半導体基板W2の作成方法について説明する。
酸化物層216が内部に形成されたシリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI基板(半導体基板W2)は、シリコン基板上にシリコン酸化膜を積層した基板と、酸化物層216が内部に形成されたシリコン基板を接合後、後者のシリコン基板を薄く研磨することで作成できる。
ここで、酸化物層216が内部に形成されたシリコン基板は、例えば、SOI基板の一種であるSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)基板の公知の製造方法を用いて作成できる。具体的には、例えば、180kVの加速電圧により、温度500℃に加熱したシリコン基板の内部に酸素イオンを3×1017〜4×1017cm−2のドーズ量で注入する。その後、アルゴン及び酸素の雰囲気下で、シリコン基板を例えば1300℃の温度でアニール(加熱処理)し、シリコン基板の表面に形成された酸化物層を除去することで作成できる。
本実施形態の加速度センサ200においても、ピエゾ抵抗素子Rが、エピタキシャル成長によって形成された、所望の不純物濃度のシリコン単結晶で構成されているため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向及び基板の表面に平行な方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。そのため、本実施形態の加速度センサ200は、第1の実施形態の加速度センサ100と同様に、製品間のピエゾ抵抗素子Rの抵抗値のばらつきを抑えることが可能なので、製品間における加速度センサ200の特性のばらつき抑えることができる。また、ピエゾ抵抗素子R全体として、不純物の濃度を前述した適切な濃度とすることができるので、前述したように、加速度センサ200の感度の温度依存性を大幅に小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、ピエゾ抵抗素子Rが、エピタキシャル成長によって、所望の不純物濃度のシリコン単結晶を形成して作成されている(図10B)。これに対して、第1の実施形態の変形例と同様に、第1の層21上に不純物を含むシリコン基板を接合して作成してもよい。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係る加速度センサ300の主要な部分を表す一部断面図である。図8に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態の加速度センサ300においても、第2の実施形態の加速度センサ200と同様に、ピエゾ抵抗素子Rは、不純物がドープされた半導体材料層に対して、ピエゾ抵抗素子Rの形成領域の周囲の部分をエッチングにより除去して形成されている。しかしながら、第2の実施形態の加速度センサ200では、エピタキシャル成長させて、SOI基板上にこの半導体材料層を形成したのに対して、本実施形態の加速度センサ300では、この半導体材料層が予め形成されたSOI基板を用意している。
本実施形態の加速度センサ300は、第2の実施形態の加速度センサ200と、以下の点において相違している。
・本実施形態の加速度センサ300は、第2の実施形態での加速度センサ200が備えているピエゾ抵抗基台部217を備えていない。すなわち、第2の実施形態での加速度センサ200においては、ピエゾ抵抗素子Rはピエゾ抵抗基台部217上に配置されているのに対して、本実施形態の加速度センサ300では、ピエゾ抵抗素子Rは酸化物層216上に配置されている。この相違は、ピエゾ抵抗素子Rの製造プロセスの相違により生じたものである。
・第2の実施形態の加速度センサ200では、配線256が、ピエゾ抵抗素子R及びピエゾ抵抗基台部217の側面と、酸化物層216上に配置されている。これに対して、本実施形態の加速度センサ300では、配線356が、例えば、酸化物層216上のみに配置されている。この相違は、ピエゾ抵抗基台部217の有無により生じたものである。
加速度センサ300の構成について説明する。
加速度センサ300は、互いに積層して配置される第1の構造体310、接合部120、第2の構造体130、基体140を有する。
第1の構造体310、接合部120、第2の構造体130は、それぞれ、酸化物層216が内部に形成され、かつ全体に不純物がドープされたシリコン、酸化シリコン、シリコンから構成可能である。したがって、加速度センサ300は、酸化物層216が内部に形成され、かつ全体に不純物がドープされたシリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI基板を用いて製造可能である。
第1の構造体310は、半導体材料層211(酸化物層216の下側に積層された半導体材料層)、酸化物層216、ピエゾ抵抗素子Rが互いに積層して配置されている。第1の構造体310は、外形が略正方形であり、固定部111、変位部112、接続部113から構成される。第1の構造体310の上には、配線構造350が配置される。
酸化物層216は、本実施の形態では、配線層352と半導体材料層211とを分離するための層であり、また、ピエゾ抵抗素子Rを形成するエッチング(後述する)においてストッパ層としても機能する。
第1の構造体310は、その外周が例えば、1mmの辺の略正方形状であり、高さは、例えば6.5μm(例えば、半導体材料層211の厚み5μm、酸化物層216の厚み0.5μm、ピエゾ抵抗素子Rの厚み1μm)である。
第1の構造体310は、内部に酸化物層216が形成された半導体材料の膜をエッチングして、開口部115を形成するとともに、ピエゾ抵抗素子Rの形成領域を除く領域で、かつ酸化物層216上に位置する部分(すなわちピエゾ抵抗素子Rの周囲の不要な半導体材料)を除去することで作成できる。
配線構造350は、配線層352、保護層253の層構造をなす。
配線層352には、配線356、およびボンディングパッド357のパターンが配置される。配線356は、例えば、酸化物層216上に配置することができ、ピエゾ抵抗素子Rとボンディングパッド357とを電気的に接続する。
ボンディングパッド357は、加速度センサ300と外部回路とを例えば、ワイヤボンディングで接続するための接続端子である。
配線356、およびボンディングパッド357は、同一の材料、例えば、Ndを含有するAlからなる。
加速度センサ300の作成工程について説明する。
図12は、加速度センサ300の作成手順の一例を表すフロー図である。図13Aは、図12の作成手順のステップS31における半導体基板W3を表す断面図である。図13Bは、図12の作成手順のステップS32におけるピエゾ抵抗素子Rの形成状態を表す断面図である。図13Cは、図12の作成手順のステップS33における配線層352の形成状態を表す断面図である。図13Dは、図12の作成手順のステップS33における、保護層253の形成状態を表す断面図である。
本実施形態の加速度センサ300の作成方法は、第2の実施形態の加速度センサ200の作成方法と、以下の点において相違している。
・用意する半導体基板が相違している。第2の実施形態での加速度センサ200の作成方法におけるステップS21においては、半導体基板W2を用いている。これに対して、本実施形態では、S31において、酸化物層216の上側に積層された半導体材料に、例えばボロンのような不純物が略一定の濃度でドープされている、半導体基板W3を用いている(図13A)。この相違は、ピエゾ抵抗素子Rの製造プロセスの相違によるものである。
・ピエゾ抵抗素子Rを形成する際のエッチング領域が相違している。第2の実施形態での加速度センサ200の作成方法におけるステップS22において、ピエゾ抵抗素子Rの周囲の単結晶シリコン14、及びピエゾ抵抗基台部217の周囲の半導体材料を除去している。これに対して、本実施形態では、S32においてピエゾ抵抗素子Rの周囲の半導体材料のみを除去している(図13B)。この相違は、ピエゾ抵抗素子Rを形成する際のエッチングにおいて、酸化物層216をストッパ層として利用するために生じたものである。
半導体基板W3の作成方法について説明する。
半導体基板W3は、半導体材料層211と酸化物層216が積層されて構成される第1の層31上に、不純物が略一定の濃度でドープされている半導体層を備えている。
酸化物層216が内部に形成され、かつ全体に不純物がドープされたシリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI基板(半導体基板W3)は、シリコン基板上にシリコン酸化膜を積層した基板と、酸化物層216が内部に形成され、かつ全体に不純物がドープされたシリコン基板を接合後、後者のシリコン基板を薄く研磨することで作成できる。
ここで、酸化物層216が内部に形成され、かつ全体に不純物がドープされたシリコン基板は、例えば、以下の方法により製造可能である。まず、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造において、例えばボロンのような不純物がドープされたシリコン基板を作成する。そして、この不純物がドープされたシリコン基板に酸化物層216を形成することにより作成できる。
酸化物層216は、SOI基板の一種であるSIMOX基板の公知の製造方法により形成できる。具体的には、例えば、180kVの加速電圧により、温度500℃に加熱したシリコン基板の内部に酸素イオンを3×1017〜4×1017cm−2のドーズ量で注入する。その後、アルゴン及び酸素の雰囲気下で、シリコン基板を例えば1300℃の温度でアニール(加熱処理)し、シリコン基板の表面に形成された酸化物層を除去することで作成できる。
なお、本実施の形態では、シリコン基板の全体に例えばボロンの不純物をドープした後に、酸化物層216を形成したものを用いているが、酸化物層216の形成後に、イオン注入や熱拡散等により酸化物層216の上側の半導体材料の全体にわたって不純物をドープしたものを用いてもよい。通常、イオン注入や熱拡散による不純物の濃度は、拡散進行方向において指数関数的に小さくなる。しかし、酸化物層216の上側の半導体材料に不純物をドープすれば、酸化物層216によって、不純物の下方への拡散が制限されるので、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。
本実施形態の加速度センサ300においては、酸化物層216上に位置し、かつ全体に略一定の濃度の不純物がドープされている半導体材料層に対し、ピエゾ抵抗素子Rの形成領域以外の部分を除去することにより、ピエゾ抵抗素子Rを形成している。そのため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向及び基板の表面に平行な方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。したがって、本実施形態の加速度センサ300は、第2の実施形態の加速度センサ200と同様に、製品間のピエゾ抵抗素子Rの抵抗値のばらつきを抑えることが可能なので、製品間における加速度センサ300の特性のばらつきを抑えることができる。また、ピエゾ抵抗素子R全体として、不純物の濃度を前述した適切な濃度とすることができるので、前述したように、加速度センサ300の感度の温度依存性を大幅に小さくすることができる。
(第4の実施形態)
図14は、本発明の第4の実施形態に係る加速度センサ400の主要な部分を表す一部断面図である。図4、図8に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態の加速度センサ400では、ピエゾ抵抗素子Rが、酸化物層216(本実施形態では不純物の拡散防止層として機能する)の上側に配置された半導体材料層411に、イオン注入や熱拡散等により不純物をドープして形成されている。
本実施形態の加速度センサ400は、第1の実施形態の加速度センサ100と、以下の点において相違している。
・本実施形態の加速度センサ400は、第1の構造体410内に、第1の実施形態の加速度センサ100が備えていない酸化物層216を備えている。この相違は、本実施の形態では、ピエゾ抵抗素子Rの形成の際に、酸化物層216を不純物の拡散防止層として利用するために生じたものである。
・第1の実施形態での加速度センサ100においては、ピエゾ抵抗素子Rは第1の構造体110の上面上に配置されているのに対して、本実施形態の加速度センサ400では、ピエゾ抵抗素子Rは、第1の構造体410中の半導体材料層411に形成されている。この相違は、ピエゾ抵抗素子Rの製造プロセスの相違によるものである。
・ピエゾ抵抗素子Rの不純物の濃度分布が相違している。第1の実施形態での加速度センサ100においては、ピエゾ抵抗素子Rが、エピタキシャル成長によって形成された、所望の不純物濃度のシリコン単結晶で構成されているため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向及び基板の表面に平行な方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。これに対して、本実施形態の加速度センサ400では、ピエゾ抵抗素子Rが、イオン注入や熱拡散等により、酸化物層216の上側に配置された半導体材料層411に不純物をドープして形成されているため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向のみの不純物の濃度を略一定にすることができる。
加速度センサ400の構成について説明する。
加速度センサ400は、互いに積層して配置される第1の構造体410、接合部120、第2の構造体130、基体140を有する。
第1の構造体410、接合部120、第2の構造体130は、それぞれ、酸化物層216が内部に形成されたシリコン、酸化シリコン、シリコンから構成可能である。したがって、加速度センサ400は、酸化物層216が内部に形成されたシリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI基板を用いて製造可能である。
第1の構造体410は、半導体材料層211(酸化物層216の下側に積層された半導体材料層)、酸化物層216、半導体材料層411(酸化物層216の上側に積層された半導体材料層)が互いに積層して配置されている。第1の構造体410は、外形が略正方形であり、固定部111、変位部112、接続部113から構成される。第1の構造体410上には、配線構造150が配置される。
第1の構造体410は、その外周が例えば、1mmの辺の略正方形状であり、高さは、例えば6.5μm(例えば、半導体材料層211の厚み5μm、酸化物層216の厚み0.5μm、半導体材料層411の厚み1μm)である。
第1の構造体410は、内部に酸化物層216が形成された半導体材料の膜をエッチングして、開口部115を形成することで作成できる。
加速度センサ400の作成工程について説明する。
図15は、加速度センサ400の作成手順の一例を表すフロー図である。図16Aは、図15の作成手順のステップS41における半導体基板W2を表す断面図である。図16B〜図16Dは、図15の作成手順のステップS42におけるピエゾ抵抗素子Rの形成状態を表す断面図である。図16E〜図16Gは、図15の作成手順のステップS43における配線構造150の形成状態を表す断面図である。
本実施形態の加速度センサ400の作成方法は、第1の実施形態の加速度センサ100の作成方法と、以下の点において相違している。
・用意する半導体基板が相違している。第1の実施形態での加速度センサ100の作成方法におけるステップS11において半導体基板W1を用いているのに対して、本実施形態では、S41において第1の層21に酸化物層216が形成された半導体基板W2を用いている(図16A)。この相違は、ピエゾ抵抗素子Rの製造プロセスの相違によるものである。
・ピエゾ抵抗素子Rの形成方法が相違している。第1の実施形態の加速度センサ100では、ピエゾ抵抗素子Rがエピタキシャル成長によって形成されている。これに対して、本実施形態の加速度センサ400では、ピエゾ抵抗素子Rが、酸化物層216の上側に配置された半導体材料層411の所定の位置に、イオン注入や熱拡散等により、不純物をドープして形成されている(図16B〜16D)。
(1)半導体基板W2の用意(ステップS41、および図16A)
図16Aに示すように、例えば、酸化物層216が内部に配置されたシリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI基板である、半導体基板W2を用意する。
(2)ピエゾ抵抗素子R拡散層の形成(ステップ42−1〜42−3、および図16B〜図16D)
拡散層の形成は、次のa、bのようにして行われる。
a.拡散マスク15の形成(ステップ42−1、図16B)
例えば、低圧CVD(Low Pressure-Chemical Vapor Deposition)によって、第1の層11上にSiN膜を積層し、レジストをマスクとしてRIE(Reactive Ion Etching)で開口を形成する。このようにして、第1の層11上に開口16を有する膜、即ち、拡散マスク15が形成される。
b.拡散層の形成(ステップ42−2、42−3、図16C、図16D)
例えば、拡散マスク15上に、例えばボロンを含有する不純物層を、例えばスピンコートによって形成した後、例えば1000℃に熱処理して、ボロンを第1の層21の半導体材料層411の表層へ拡散させ、ボロンの浅い拡散層を形成する(いわゆるプレデポジション工程)。次に、フッ酸を用いて、ボロンの不純物層をエッチングして、拡散マスク14上の不純物層を除去する。続いて、例えば1000℃に熱処理して、ボロンの浅い拡散層から第1の層21の半導体材料層411内により深くボロンを拡散させ、ボロンの引き伸ばし拡散層(単に「拡散層」とも表現する。)を形成する(いわゆるドライブイン工程)(ステップ42−2、図16C)。
次に、例えば、拡散マスク14の構成材料がSiNの場合、熱リン酸によって、これをエッチングし、除去する。この結果、第1の層11が露出される(ステップ42−3、図16D)。
通常、イオン注入や熱拡散による不純物の濃度は、拡散進行方向において指数関数的に小さくなる。しかし、酸化物層216の上側の半導体材料411に不純物をドープすると、酸化物層216によって、不純物の下方への拡散が制限されるので、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。
(3)配線構造150の形成(ステップS43、および図16E〜図16G)
配線構造150の形成は、第1の実施形態の加速度センサ100の作成方法におけるステップS13と同様に作成することができる。
本実施形態の加速度センサ400では、ピエゾ抵抗素子Rが、酸化物層216の上側の半導体材料層411の所定の位置に、イオン注入や熱拡散等により、不純物をドープすることにより形成されている。そのため、本実施形態の加速度センサ400においても、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。したがって、本実施形態の加速度センサ400は、第1の実施形態の加速度センサ100と同様に、製品間のピエゾ抵抗素子Rの抵抗値のばらつきを抑えることが可能なので、製品間における加速度センサ400の特性のばらつきを抑えることができる。また、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向の不純物の濃度を前述した適切な濃度とすることができるので、前述したように、加速度センサ400の感度の温度依存性を大幅に小さくすることができる。
(第5の実施形態)
図17は、本発明の第5の実施形態に係る加速度センサ500の主要な部分を表す一部断面図である。図14に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態の加速度センサ500においても、第4の実施形態の加速度センサ400と同様に、ピエゾ抵抗素子Rが、酸化物層516(本実施形態では不純物の拡散防止層として機能する)の上側に配置された半導体材料層511に、イオン注入や熱拡散等により不純物をドープして形成されている。
本実施形態の加速度センサ500は、第4の実施形態の加速度センサ400と、以下の点において相違している。
・第4の実施形態の加速度センサ400では、酸化物層216がピエゾ抵抗素子Rの下面に連続的に配置されているのに対して、本実施形態の加速度センサ500では、酸化物層516を、ピエゾ抵抗素子Rのそれぞれの底面に離散的に形成している。
加速度センサ500の構成について説明する。
加速度センサ500は、互いに積層して配置される第1の構造体510、接合部120、第2の構造体130、基体140を有する。
第1の構造体510、接合部120、第2の構造体130は、それぞれ、酸化物層516が内部に形成されたシリコン、酸化シリコン、シリコンから構成可能である。したがって、加速度センサ500は、酸化物層516が内部に形成されたシリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI基板を用いて製造可能である。
第1の構造体510は、半導体材料層511と、半導体材料層511の上部の所定の位置に形成されるピエゾ抵抗素子Rと、ピエゾ抵抗素子Rの下面にそれぞれ配置される酸化物層516とで構成される。第1の構造体510は、外形が略正方形であり、固定部111、変位部112、接続部113から構成される。第1の構造体510上には、配線構造150が配置される。
第1の構造体510は、その外周が例えば、1mmの辺の略正方形状であり、高さは、例えば6.5μm(例えば、半導体材料層511の厚み6.5μm、酸化物層516の厚み0.5μm、ピエゾ抵抗素子Rの厚み1μm)である。
第1の構造体510は、内部に酸化物層516が形成された半導体材料の膜をエッチングして、開口部115を形成することで作成できる。
半導体材料層511は、半導体材料で構成され、接合部120と絶縁層151との間に積層して配置される。
酸化物層516は、不純物の拡散防止層として機能し、ピエゾ抵抗素子Rのそれぞれの底面を覆うように離散的に配置される。
通常、イオン注入や熱拡散による不純物の濃度は、拡散進行方向において指数関数的に小さくなる。しかし、酸化物層516の上側の半導体材料層511に不純物をドープすると、酸化物層516によって、不純物の下方への拡散が制限される。そのため、ピエゾ抵抗素子Rの底面に配置される酸化物層516を備えることによって、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。
加速度センサ500の作成工程について説明する。
図18は、加速度センサ500の作成手順の一例を表すフロー図である。図19Aは、図18の作成手順のステップS51における半導体基板W1を表す断面図である。図19B〜図19Dは、図18の作成手順のステップS52における酸化物層516の形成状態を表す断面図である。図19E〜図19Gは、図18の作成手順のステップS53におけるピエゾ抵抗素子Rの形成状態を表す断面図である。図19H〜図19Jは、図18の作成手順のステップS54における配線構造150の形成状態を表す断面図である。
本実施形態の加速度センサ500の作成方法は、第4の実施形態の加速度センサ400の作成方法と、以下の点において相違している。
用意する半導体基板が相違している。第4の実施形態での加速度センサ400の作成方法におけるステップS41においては、酸化物層216が内部に形成されたシリコン/酸化シリコン/シリコンからなる半導体基板W2を用いている。これに対して、本実施形態では、S51においてシリコン/酸化シリコン/シリコンからなる半導体基板W1を用意している(図19A)。
・酸化物層516の形成工程を有している。本実施形態では、S52において第1の層11に酸化物層516を形成している(図19B〜図19D)。この相違は、本実施の形態では、拡散防止層の形成されていない基板W1を用いたため、拡散防止層として機能する酸化物層516を形成している。
(1)半導体基板W1の用意(ステップS51、および図19A)
図19Aに示すように、シリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI基板である、半導体基板W1を用意する。
(2)酸化物層516の形成(ステップ52、および図19B〜図19D)
酸化物層516の形成は、次のa、bのようにして行われる。
a.拡散マスク51の形成(図19B)
例えば、低圧CVD(Low Pressure-Chemical Vapor Deposition)によって、第1の層11上にSiN膜を積層し、レジストをマスクとしてRIE(Reactive Ion Etching)で開口を形成する。このようにして、第1の層11上に開口52を有する膜、即ち、拡散マスク51が形成される。
b.酸化物層516の形成(図19C、図19D)
例えば、拡散マスク51を介して、180kVの加速電圧により、温度500℃に加熱した半導体基板W1の第1の層11の内部に酸素イオンを3×1017〜4×1017cm−2のドーズ量で注入する。その後、アルゴン及び酸素の雰囲気下で、半導体基板W1を例えば1300℃の温度でアニール(加熱処理)し、酸化物層516を形成する。
次に、半導体基板W1上に形成された酸化物層を除去する(図19C)。
次に、例えば、拡散マスク51の構成材料がSiNの場合、熱リン酸によって、これをエッチングし、除去する。この結果、第1の層11が露出される(図19D)。
(3)ピエゾ抵抗素子Rの形成(ステップ53−1〜53−3、および図19E〜図19G)
ピエゾ抵抗素子Rの形成は、第4の実施形態の加速度センサ400の作成方法におけるステップS42−1〜42−3と同様に作成することができる。
通常、イオン注入や熱拡散による不純物の濃度は、拡散進行方向において指数関数的に小さくなる。しかし、酸化物層516の上側の半導体材料層511に不純物をドープすると、酸化物層516によって、不純物の下方への拡散が制限される。そのため、ピエゾ抵抗素子の下面に配置される酸化物層516を備えることによって、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。
(4)配線構造150の形成(ステップS54および図19H〜図19J)
配線構造150の形成は、第4の実施形態の加速度センサ400の作成方法におけるステップS43と同様に作成することができる。
本実施形態の加速度センサ500では、ピエゾ抵抗素子Rが、イオン注入や熱拡散等により酸化物層516の上側の半導体材料層511の所定の位置に不純物をドープすることにより、形成されている。そのため、本実施形態の加速度センサ500においても、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。したがって、本実施形態の加速度センサ500は、第4の実施形態の加速度センサ400と同様に、製品間のピエゾ抵抗素子Rの抵抗値のばらつきを抑えることが可能なので、製品間における加速度センサ400の特性のばらつきを抑えることができる。また、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向の不純物の濃度を前述した適切な濃度とすることができるので、前述したように、加速度センサ500の感度の温度依存性を大幅に小さくすることができる。
(変形例)
図20は、本発明の第5の実施形態に係る加速度センサの変形例を表す一部断面図である。図17に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
この変形例に係る加速度センサは、第5の実施形態の加速度センサ500が備えるピエゾ抵抗素子Rの下面を覆う酸化物層516に加えて、ピエゾ抵抗素子Rを囲む側壁部に酸化物層616をさらに備えている点で、第5の実施形態とは相違している。
その結果、ピエゾ抵抗素子Rの不純物の濃度分布が相違する。第5の実施形態の加速度センサ500においては、ピエゾ抵抗素子Rの下面を覆う酸化物層516のみを備えているため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向のみの不純物の濃度を略一定にすることができる。これに対して、この変形例に係る加速度センサでは、ピエゾ抵抗素子Rの底面を覆う酸化物層516に加えて、ピエゾ抵抗素子Rの側面に接する酸化物層616をさらに備えているため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向のみならず、基板の表面に平行な方向の不純物の濃度も略一定にすることができる。
酸化物層616は、不純物の拡散防止層として機能し、ピエゾ抵抗素子Rのそれぞれの側面に接して配置され、ピエゾ抵抗素子Rの側面を囲んでいる。イオン注入や熱拡散等によるピエゾ抵抗素子Rの形成において、酸化物層616は、基板の表面に平行な方向への不純物の拡散を制限するため、基板の表面に平行な方向のピエゾ抵抗素子Rの不純物の濃度を略一定にすることができる。
この変形例に係る加速度センサの作成工程について説明する。
この変形例に係る加速度センサの作成方法は、第5の実施形態での加速度センサ500の作成方法におけるステップS52での酸化物層516の形成後(図19D)、さらに酸化物層616を形成する点で、第5の実施形態の加速度センサ500の作成方法と相違している。
次に、酸化物層616及びピエゾ抵抗素子Rの作成手順について説明する。
図21A〜図21Dは、この変形例に係る加速度センサの酸化物層616の形成状態を表す断面図である。図21E〜図21Gは、この変形例に係る加速度センサのピエゾ抵抗素子Rの形成状態を表す断面図である。
(1)酸化物層616の形成(図21A〜図21D)
酸化物層516の形成された半導体基板W1(図21A)の第1の層11上に、例えば、低圧CVD(Low Pressure-Chemical Vapor Deposition)によって、SiN膜を積層する。レジストをマスクとするRIE(Reactive Ion Etching)で、ピエゾ抵抗素子Rの側壁部に対応する領域に開口を形成する。このようにして、第1の層11上に開口62を有する膜、即ち、拡散マスク61が形成される(図21B)。
次に、熱酸化することで、SiN膜で覆われていないピエゾ抵抗素子Rの側壁部に酸化物層616を形成できる(図21C)。
次に、例えば、拡散マスク61の構成材料がSiNの場合、熱リン酸によって、これをエッチングし、除去する。この結果、第1の層11が露出される(図21D)。
(2)ピエゾ抵抗素子Rの形成(図21E〜図21G)
ピエゾ抵抗素子Rの形成は、第5の実施形態の加速度センサ500の作成方法におけるステップS53と同様に作成することができる。
この変形例に係る加速度センサにおいては、酸化物層516及び酸化物層616で囲まれた領域の半導体材料層511にイオン注入や熱拡散等により不純物をドープすることにより、ピエゾ抵抗素子Rが形成されている。そのため、ピエゾ抵抗素子Rの深さ方向及び基板の表面に平行な方向の不純物の濃度を略一定にすることができる。したがって、この変形例に係る加速度センサは、第5の実施形態の加速度センサ500よりも、製品間のピエゾ抵抗素子Rの抵抗値のばらつきをさらに抑えることが可能なので、製品間における加速度センサの特性のばらつきをさらに抑えることができる。また、ピエゾ抵抗素子R全体として、不純物の濃度を前述した適切な濃度とすることができるので、前述したように、この変形例に係る加速度センサの感度の温度依存性を大幅に小さくすることができる。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の第一の実施形態に係る加速度センサを表す斜視図である。 図1の加速度センサを分解した状態を表す分解斜視図である。 図1の加速度センサの接続部(梁)上の配線を上面から見た状態を表す上面図である。 図3のA−Aに沿って切断した状態を表す一部断面図である。 ピエゾ抵抗素子の抵抗からX軸方向での加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。 ピエゾ抵抗素子の抵抗からY軸方向での加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。 ピエゾ抵抗素子の抵抗からZ軸方向での加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る加速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る加速度センサの主要な部分を表す一部断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る加速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。 図9の作成手順のステップS21における半導体基板を表す断面図である。 図9の作成手順のステップS22における、エピタキシャル成長による不純物を含む単結晶シリコン層の形成状態を表す断面図である。 図9の作成手順のステップS22におけるピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 図9の作成手順のステップS23における配線層の形成状態を表す断面図である。 図9の作成手順のステップS23における保護層の形成状態を表す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る加速度センサの主要な部分を表す一部断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る加速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。 図12の作成手順のステップS31における半導体基板を表す断面図である。 図12の作成手順のステップS32におけるピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 図12の作成手順のステップS33における配線層の形成状態を表す断面図である。 図12の作成手順のステップS33における保護層の形成状態を表す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る加速度センサの主要な部分を表す一部断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る加速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。 図15の作成手順のステップS41における半導体基板を表す断面図である。 図15の作成手順のステップS42におけるピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 図15の作成手順のステップS42におけるピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 図15の作成手順のステップS42におけるピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 図15の作成手順のステップS43における配線構造の形成状態を表す断面図である。 図15の作成手順のステップS43における配線構造の形成状態を表す断面図である。 図15の作成手順のステップS43における配線構造の形成状態を表す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る加速度センサの主要な部分を表す一部断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る加速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。 図18の作成手順のステップS51における半導体基板を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS52における酸化物層の形成状態を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS52における酸化物層の形成状態を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS52における酸化物層の形成状態を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS53におけるピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS53におけるピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS53におけるピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS54における配線構造の形成状態を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS54における配線構造の形成状態を表す断面図である。 図18の作成手順のステップS54における配線構造の形成状態を表す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る加速度センサの変形例を表す一部断面図である。 変形例に係る加速度センサの酸化物層の形成状態を表す断面図である。 変形例に係る加速度センサの酸化物層の形成状態を表す断面図である。 変形例に係る加速度センサの酸化物層の形成状態を表す断面図である。 変形例に係る加速度センサの酸化物層の形成状態を表す断面図である。 変形例に係る加速度センサのピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 変形例に係る加速度センサのピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。 変形例に係る加速度センサのピエゾ抵抗素子の形成状態を表す断面図である。
符号の説明
100,200,300,400,500 加速度センサ
110,210,310,410,510 第1の構造体
111 固定部
112 変位部
113 接続部
115 開口部
120 接合部
121 接合部
122 接合部
130 第2の構造体
131 台座
131a 枠体部
131b 突出部
132(132a-133e) 重量部
133 開口部
140 基体
141 接合防止層
150,250,350 配線構造
151 絶縁層
152,252,352 配線層
153,253 保護層
154 コンタクトホール
155 層間接続導体
156,256,356 配線
157,257,357 ボンディングパッド
158,258 パッド開口
R(Rx1-Rx4,Ry1-Ry4,Rz1-Rz4) ピエゾ抵抗素子
14 単結晶シリコン
15,51,61 拡散マスク
16,52,62 開口
211,411,511 半導体材料層
216,516,616 酸化物層
217 ピエゾ抵抗基台部

Claims (13)

  1. 開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続する接続部と、を有する第1の構造体と、
    前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有し、前記第1の構造体に積層して配置される第2の構造体と、
    前記接続部に配置され、不純物の濃度が少なくとも深さ方向において略一定であるピエゾ抵抗素子と、
    を具備することを特徴とする加速度センサ。
  2. 前記第1の構造体が、前記ピエゾ抵抗素子の底面に配置される酸化物層を備えることを特徴とする請求項1に記載の加速度センサ。
  3. 前記第1の構造体が、前記ピエゾ抵抗素子の側面に配置される第2の酸化物層をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の加速度センサ。
  4. 前記ピエゾ抵抗素子が、前記不純物を拡散した拡散層から構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の加速度センサ。
  5. 前記酸化物層と前記ピエゾ抵抗素子との間に半導体材料層をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の加速度センサ。
  6. 第1の半導体材料からなる第1の層、絶縁性材料からなる第2の層、および第2の半導体材料からなる第3の層が順に積層されてなる半導体基板の前記第1の層に、不純物の濃度が少なくとも深さ方向において略一定のピエゾ抵抗素子を形成するステップと、
    前記第1の層をエッチングして、開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続し、かつ前記ピエゾ抵抗素子が配置される接続部と、を有する第1の構造体を形成するステップと、
    前記第3の層をエッチングして、前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有する第2の構造体を形成するステップと、
    を有することを特徴とする加速度センサの製造方法。
  7. 前記半導体基板が、前記第1の層に積層され、かつ少なくとも深さ方向において略一定の濃度の第4の層をさらに有し、
    前記ピエゾ抵抗素子を形成するステップが、前記第4の層をエッチングするステップを有することを特徴とする請求項6に記載の加速度センサの製造方法。
  8. 前記第4の層が、前記第1の層上に成膜された半導体層であることを特徴とする請求項7に記載の加速度センサ。
  9. 前記第4の層が、前記第1の層上に接合されていることを特徴とする請求項7に記載の加速度センサの製造方法。
  10. 前記第1の層が、前記第1の層内の前記ピエゾ抵抗素子が形成される領域の底面に配置される拡散防止層をさらに有し、
    前記ピエゾ抵抗素子を形成するステップが、前記拡散防止層上に位置する前記第1の半導体材料層に、前記不純物を拡散させて前記ピエゾ抵抗素子たる拡散層を形成するステップを有することを特徴とする請求項6に記載の加速度センサの製造方法。
  11. 前記ピエゾ抵抗素子を形成するステップが、前記第1の層内の前記ピエゾ抵抗素子が形成される領域の底面に配置される拡散防止層を形成するステップと、
    前記拡散防止層上に位置する前記第1の半導体材料に前記不純物を拡散させて、前記ピエゾ抵抗素子たる拡散層を形成するステップと、
    を有することを特徴とする請求項6に記載の加速度センサの製造方法。
  12. 前記酸化物層を形成するステップと前記ピエゾ抵抗素子たる拡散層を形成するステップとの間に、前記ピエゾ抵抗素子が形成される領域の側面に配置される第2の拡散防止層を形成するステップをさらに有することを特徴とする請求項11に記載の加速度センサの製造方法。
  13. 前記第1、第2の半導体材料のいずれもがシリコンであることを特徴とする請求項6乃至12のいずれか1項に記載の加速度センサの製造方法。
JP2008236505A 2008-09-16 2008-09-16 加速度センサおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP5115416B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008236505A JP5115416B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 加速度センサおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008236505A JP5115416B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 加速度センサおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010071678A true JP2010071678A (ja) 2010-04-02
JP5115416B2 JP5115416B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=42203632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008236505A Expired - Fee Related JP5115416B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 加速度センサおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5115416B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4035823A (en) * 1975-10-06 1977-07-12 Honeywell Inc. Stress sensor apparatus
JPH03208375A (ja) * 1990-01-10 1991-09-11 Mitsubishi Electric Corp 半導体圧力センサ
JPH1022511A (ja) * 1996-06-28 1998-01-23 Matsushita Electric Works Ltd 半導体圧力センサ及びその製造方法
JP2003098025A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Nidec Copal Electronics Corp 半導体センサ及びその製造方法
JP2006145462A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Ngk Spark Plug Co Ltd 圧力センサ
JP2007171057A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Matsushita Electric Works Ltd 加速度センサ
JP2007322299A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Dainippon Printing Co Ltd 加速度センサおよびその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4035823A (en) * 1975-10-06 1977-07-12 Honeywell Inc. Stress sensor apparatus
JPH03208375A (ja) * 1990-01-10 1991-09-11 Mitsubishi Electric Corp 半導体圧力センサ
JPH1022511A (ja) * 1996-06-28 1998-01-23 Matsushita Electric Works Ltd 半導体圧力センサ及びその製造方法
JP2003098025A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Nidec Copal Electronics Corp 半導体センサ及びその製造方法
JP2006145462A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Ngk Spark Plug Co Ltd 圧力センサ
JP2007171057A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Matsushita Electric Works Ltd 加速度センサ
JP2007322299A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Dainippon Printing Co Ltd 加速度センサおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5115416B2 (ja) 2013-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0899574B1 (en) Acceleration sensor element and method of its manufacture
EP3052901B1 (en) Inertial and pressure sensors on single chip
US20100162823A1 (en) Mems sensor and mems sensor manufacture method
US9194882B2 (en) Inertial and pressure sensors on single chip
TWI634069B (zh) 混合整合構件及其製造方法
JP2007303928A (ja) 加速度センサ及びその製造方法
JP4847686B2 (ja) 半導体加速度センサ
JP4858064B2 (ja) 力学量検出センサおよびその製造方法
KR20000028948A (ko) 각속도 센서 제조방법
JP5115416B2 (ja) 加速度センサおよびその製造方法
JP2007322299A (ja) 加速度センサおよびその製造方法
JP3938199B1 (ja) ウェハレベルパッケージ構造体およびセンサ装置
JP6860514B2 (ja) Mems素子及びその製造方法
JP4952069B2 (ja) 加速度センサの製造方法
JP2010032389A (ja) 物理量センサ及びその製造方法
JP5023558B2 (ja) 加速度センサおよびその製造方法
JP5401820B2 (ja) センサ
US9233836B2 (en) Semiconductor device including accelerometer devices
JP2008051686A (ja) センサーユニットおよびその製造方法
JP5309652B2 (ja) 加速度センサ
JP2004028912A (ja) 静電容量型加速度センサおよびその製造方法
JP2009243915A (ja) 加速度センサ
JP2001056343A (ja) マイクロマシン、およびその製造方法
JP5434037B2 (ja) 半導体センサの製造方法及びピエゾ抵抗素子の製造方法
JP3405222B2 (ja) 半導体加速度センサ素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120918

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121001

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees