以下、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、ディスプレイ装置として例えばオーディオ、ビジュアル機能とナビゲーション機能とが一体になったカーナビゲーション等の車載用ディスプレイ装置に対して本願を適用した場合の実施形態である。また、以下の説明において、表示板又は蓋板を開く方向に関して「開方向」と称し、表示板又は蓋板を閉じる方向に関して「閉方向」と称する。
図1は本願の一実施形態の車載用ディスプレイ装置が搭載される車両内部を示す概略図である。
図1に示すように、ディスプレイ装置としての本実施形態の車載用ディスプレイ装置1は、車両のダッシュボード2に形成された開口部2aに取り付けられる。図1において、車載用ディスプレイ装置1の周囲には、ステアリングホイール3、メータパネル4、フロントガラス5、バックミラー6、シフトノブ7、左ドア8及び右ドア9が配置されている。
ここで、本実施形態の車載用ディスプレイ装置1は、不使用時にはカバーが閉じてダッシュボード2と略同一面となって完全に格納される一方、使用時にはカバーを開いてディスプレイを視認可能な位置まで突出させるようにしている。
図2は本願の一実施形態の車載用ディスプレイ装置を示す斜視図、図3は図2の車載用ディスプレイ装置のカバーを示す斜視図、図4は図2の車載用ディスプレイ装置のケースを示す斜視図、図5は図2の車載用ディスプレイ装置からカバー及びケースを取り外した使用状態を示す斜視図、図6は図5の右側面図、図7は図5の格納状態を示す斜視図、図8は図7の右側面図、図9は図7の駆動モータ、ギヤ等の配列を示す平面図である。なお、以下の説明では、ディスプレイ側を正面(前面)側とし、カバー側を背面(後面)側とし、ディスプレイ及びカバーが開いて突出する方向を上方として説明する。
図2〜図5に示すように、本実施形態の車載用ディスプレイ装置1は、装置本体10と、この装置本体10に取り付けられる合成樹脂製のカバー11と、装置本体10を収納する合成樹脂製のケース12とから大略的に構成されている。
カバー11は、図2及び図3に示すように庇部11aが装置本体10から長く突出するように形成されている。カバー11は、庇部11aを長く形成したことにより、ディスプレイに照射される直射日光を遮ることができる。
ケース12は、図2及び図4に示すように正面及び側面に複数の開口部12aが形成されている。これにより、車両の搭乗者が事故等でケース12に衝突した際、ケース12を圧潰し易くし、その衝撃を吸収することができるようにしている。
装置本体10は、図5〜図8に示すように基部としての板金製のシャーシ21と、このシャーシ21に設けた回転軸22を介して回動可能に取り付けられ、かつディスプレイ23を格納位置と使用位置との間で開閉可能に保持する表示部としての板金製の表示板24と、シャーシ21に表示板24の回転軸22と互いに平行な回転軸25を介して回動可能に取り付けられ、カバー11を格納位置と使用位置との間で開閉可能に保持する蓋部としての板金製の蓋板26とを備えている。
表示板24は、略箱状に形成されてその内部にLCD(Liquid Crystal Display)等からなるディスプレイ23を収納するように取り付け、使用位置において両側面上端にカムフォロアとなる案内ピン27がそれぞれ突出して固定されている。
蓋板26は、表示板24に対して相対的に移動可能な係合手段を介して表示板24に連結されている。この係合手段は、案内溝30と、この案内溝30内を移動可能な案内ピン27で構成される。
案内溝30は、図6に示すように蓋板26の上部両側面に屈曲して形成された案内板28に形成されている。この案内溝30は、直線状に形成され表示板24の開閉動作と協働して蓋板26を開閉動作させるための直線部32と、蓋板26の開閉動作を停止させた状態で前記表示板24のみを開閉動作させるための湾曲部33と、が連続して形成されている。また、使用位置において湾曲部33の前端部には、案内溝30内で案内ピン27を係止させるための係止部31が形成されている。この係止部31には、案内溝30の長手方向前端を含む3つの係止溝31a〜31cが一定間隔をおいて形成されている。これにより、ディスプレイ23の使用位置の角度を3段階に変更することができる。3つの係止溝31a〜31cは、それぞれテーパ状の溝に形成されており、これにより案内ピン27を案内し易いようにしている。なお、この案内溝30は、本願の長孔部として機能し、案内ピン27は、本願の係合ピンとして機能する。
案内板28は、案内溝30内の後端に案内ピン27が係止されたとき、表示板24及び蓋板26は、図7及び図8に示すように閉じた格納位置となる。また、案内溝30内の前端である係止溝31aに案内ピン27が係止されたとき、表示板24及び蓋板26は、図5及び図6に示すように開いて突出する使用位置となり、シャーシ21とともに三角のトラス構造を形成する。
蓋板26は、図5に示すようにシャーシ21に設けた回転軸25の軸支部近傍に付勢手段としてのねじりコイルばね33,33を取り付けたことにより常時閉止方向に付勢されている。同様に、図9に示すように表示板24にも回転軸22の軸支部近傍にねじりコイルばね34、34を取り付けるようにし、これらのコイルばね33,33、34,34により蓋板26及び表示板24が常時閉止方向に付勢されている。
表示板24及び蓋板26は、それぞれ開いた使用位置の角度を検出するための図示しない角度センサを備えている。また、表示板24及び蓋板26は、例えば図示しないオープン用スイッチを押すことにより開き、図示しないクローズ用スイッチを押すことにより閉じる。
さらに、表示板24及び蓋板26は、案内ピン27が3つの係止溝31a〜31cに係止されることにより、使用位置の角度、つまりチルト角を3段階に調整することができる。このチルト角を調整するには、例えば図示しないチルト用スイッチを押すことにより、案内ピン27が順次3つの係止溝31a〜31cに係止されるように切り換わるようにしている。なお、本実施形態では、オープン用スイッチを押した場合は、案内ピン27が係止溝31aに係止されるように設定されている。このように動作させるには、例えば上記角度センサにより検出した表示板24及び蓋板26の角度検出信号を後述する制御部100にて得て、この制御部100により駆動モータ41,61のオン、オフを制御している。
ここで、本実施形態では、オープン用スイッチを押した場合は、案内ピン27が案内溝30内の前端である係止溝31aに係止されるようにしたが、これに限らず係止溝31bに係止されるようにしてもよく、適宜変更可能である。
次に、表示板24の駆動部について説明する。図10は本実施形態の表示板の駆動部を示す配置図である。
図9及び図10に示すように、表示板24の駆動部40は、表示板24の下端に取り付けられた駆動モータ41を有し、この駆動モータ41の出力軸には、第1はすば歯車42aが固着されている。この第1はすば歯車42aと噛合するナイロン製の第2はすば歯車42bは、減速ギヤ列を構成する平歯車列43を介して金属製の焼結ギヤが用いられたピニオン44に噛合されている。このピニオン44がシャーシ21に固定された一方のラック部材45と噛合している。また、平歯車列43の一つが連結軸46の両端近傍に取り付けられた連結ギヤ47,47の一方と噛合し、この連結ギヤ47,47の他方は、伝達ギヤ列48に噛合している。この伝達ギヤ列48は、金属製の焼結ギヤが用いられたピニオン49を介してシャーシ21に固定された他方のラック部材50と噛合している。
なお、第2はすば歯車42bは、平歯車列43のうちのひとつと一体となった2段ギヤである。第1はすば歯車42aは、例えばポリアセタール製であり、第2はすば歯車42bは、上記のようにナイロン製である。このように互いに硬度の異なる材質のギヤ同士を噛合させることにより、静穏化を図ることができる。但し、第1はすば歯車42aと第2はすば歯車42bの双方をナイロン製とした場合でも静穏化を図ることができる。要するに、第1はすば歯車42aと第2はすば歯車42bの少なくとも一方をナイロン製にすれば、静穏化が図れることになる。
ここで、表示板24の下端には、図5及び図7に示すように互いに対をなす2つのブラケット51a,51bと、52a,52bが固着されている。ブラケット51a,51bには、平歯車列43、ピニオン44の回転軸がそれぞれ取り付けられ、これらの回転軸は、平歯車列43、ピニオン44をそれぞれ回転可能に支持している。ブラケット52a,52bには、伝達ギヤ列48、ピニオン49の回転軸がそれぞれ取り付けられ、これらの回転軸は、伝達ギヤ列48、ピニオン49をそれぞれ回転可能に支持している。そして、ブラケット51aとブラケット52bには、上記連結軸46が取り付けられている。
したがって、駆動モータ41を開方向に回転駆動すると、第1はすば歯車42a及び第2はすば歯車42bが回転し、その回転が平歯車列43を介して減速され、ピニオン44を介して一方のラック部材45に対して移動する。同時に、連結ギヤ47,47が回転し、その回転力が伝達ギヤ列48を介してピニオン49を回転させることにより、他方のラック部材50に対して移動することとなる。これにより、図5及び図6に示すように表示板24が開いて突出する使用位置となる。一方、駆動モータ41を閉方向に回転駆動すると、上記と反対方向に第1はすば歯車42a及び第2はすば歯車42b等が回転することとなり、図7及び図8に示すように表示板24が閉じて格納位置となる。なお、本実施形態の駆動モータ41は、本願の第1のモータとして機能する。
次に、蓋板26の駆動部について説明する。図11は本実施形態の蓋板の駆動部を示す配置図である。
図9及び図11に示すように、蓋板26の駆動部60は、シャーシ21の起立壁21aに取り付けられた駆動モータ61を有し、この駆動モータ61の出力軸には、第1はすば歯車62aが固着されている。この第1はすば歯車62aと噛合するナイロン製の第2はすば歯車62bは、減速ギヤ列を構成する平歯車列63、焼結ギヤ63aを介して蓋板26の下端に取り付けられた一方のセクタ歯車64に噛合されている。また、平歯車列63の一つが連結軸65の両端近傍に取り付けられた連結ギヤ66,66の一方と噛合し、この連結ギヤ66,66の他方は、伝達ギヤ列67、焼結ギヤ67aを介して他方のセクタ歯車68に噛合している。
なお、第2はすば歯車62bは、第2はすば歯車42bと同様に平歯車列63のうちのひとつと一体となった2段ギヤである。第1はすば歯車62aは、例えばポリアセタール製であり、第2はすば歯車62bは、上記のようにナイロン製である。また、第1はすば歯車62aと第2はすば歯車62bの双方をナイロン製としてもよい。要するに、第1はすば歯車42aと第2はすば歯車42bと同様に、第1はすば歯車62aと第2はすば歯車62bの少なくとも一方をナイロン製にすれば、静穏化が図れることになる。
さらに、シャーシ21の起立壁21a,21bには、図9に示すように平歯車列63の回転軸が取り付けられている。また、シャーシ21の図示しない起立壁には、焼結ギヤ63a(図11に示す)の回転軸が取り付けられている。これらの回転軸は、平歯車列63、ギヤ63aをそれぞれ回転可能に支持している。そして、シャーシ21には、図9に示すように起立壁21c,21dが固着され、起立壁21c,21dには伝達ギヤ列67、焼結ギヤ67a(図11に示す)の回転軸が取り付けられ、これらの回転軸は伝達ギヤ列67、焼結ギヤ67aをそれぞれ回転可能に支持している。起立壁21a,21dには、上記連結軸65が取り付けられている。
したがって、駆動モータ61を開方向に回転駆動すると、第1はすば歯車62a及び第2はすば歯車62bが回転駆動し、その回転速度が平歯車列63を介して減速され、その回転力が蓋板26の下端に取り付けられた一方のセクタ歯車64を一方向に移動させる。同時に、連結ギヤ66,66が回転し、その回転力が伝達ギヤ列67を介して他方のセクタ歯車68を一方向に移動させる。これにより、図5及び図6に示すように蓋板26が開いて使用位置となる。一方、駆動モータ61を閉方向に回転駆動すると、上記と反対方向に第1はすば歯車62a及び第2はすば歯車62b等が回転することとなり、図7及び図8に示すように蓋板26が閉じて格納位置となる。なお、本実施形態の駆動モータ61は、本願の第2のモータとして機能する。
また、表示板24及び蓋板26の駆動部として機能する駆動モータ41、61は、図12に示すように制御部100によって駆動制御される。図12はディスプレイ装置において表示板及び蓋板を駆動するためのシステム構成図の一例である。
図12に示すように、ディスプレイ装置1は制御部100を備えている。当該制御部100は、図示しないがCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、当該CPUが、例えばROMに記憶された各種プログラムを実行することにより、ディスプレイ装置1全体を制御し、本願の駆動制御手段として機能する。具体的には、制御部100は、ユーザによる表示板24の開閉指示に基づいて当該表示板24を開閉させるための駆動モータ41(以下、「表示板用駆動モータ41」と称する。)、及び蓋板26を開閉させるための駆動モータ61(以下、「蓋板用駆動モータ61」と称する。)を回転駆動させるためのモータドライバを制御する。さらに具体的には、制御部100は、表示板24及び蓋板26の開閉動作において、複数の検出部101(例えば、角度センサ)によって検出された情報をモニターしつつ前記駆動モータ41、61の回転方向や回転速度を逐次駆動制御する。また、表示板24の開く動作に基づいてディスプレイマイコン103による制御によりディスプレイ105に所定の情報を表示する。
以下、制御部100を主体として、表示板24及び蓋板26を開閉するための制御動作について説明する。
まず、表示板24及び蓋板26を開く際の動作について図13を用いて説明する。図13は表示板を開く時の表示板用駆動モータと蓋板用駆動モータの制御状態、及び表示板と蓋板の動作状態を示すタイミングチャートである。
なお、図13に示すA領域は蓋板用駆動モータに駆動電圧を印加するための2つの端子間への信号の制御例を示し、B領域は蓋板用駆動モータへの印加電圧の制御例を示す。また、C領域は表示板用駆動モータに駆動電圧を印加するための2つの端子間への信号の制御例を示し、D領域は表示板用駆動モータへの印加電圧の制御例を示す。また、A及びC領域における縦軸は信号のON、OFF状態を示し、横軸は時間軸を示す。また、B及びD領域における縦軸は印加電圧を示し、横軸は時間軸を示す。また、E領域は表示板及び蓋板の開閉動作における動作角度を示す。当該E領域における縦軸は格納位置を0°とした時の動作角度を示し、横軸は時間軸を示す。
また、以下の説明において、表示板24及び蓋板26を閉方向へ駆動させるために駆動モータ41、61を回転駆動させる制御方式を「クローズ制御」と称し、表示板24及び蓋板26を開方向へ駆動させるために駆動モータ41、61を回転駆動させる制御方式を「オープン制御」と称する。また、駆動モータ41、61に電圧を供給するための2つの端子間をショート(短絡)させる制御方式を「ブレーキ制御」と称する。さらに、クローズ制御中に所定の間隔でブレーキ制御を行う制御方式を「ポンピング制御」と称する。
図13に示すように、まず、制御部100は、表示板24及び蓋板26が閉じた格納位置(図8参照)において、表示板用駆動モータ41、及び蓋板用駆動モータ61をクローズ制御する。(状態“○1”参照)。このようにして蓋板26を閉方向に駆動させることでカバー11がケース12に位置決めされ、一方、表示板24を閉方向に駆動させることで蓋板26の案内溝30内の後端面に案内ピン27が当接して位置決めされる。そして蓋板26及び表示板24を閉方向に駆動させ続けることでカバー11がケース12に押し付けられ、且つ案内ピン27が案内溝30内の下端面に押し付けられるため前記位置決めされた状態が保持されて、車両の振動などによるガタつきを抑えることが可能である。
次に、制御部100は、表示板24及び蓋板26が格納位置(図8参照)から使用位置(図6参照)になるように表示板24及び蓋板26を開く際において、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御する。(状態“○2”参照)。このように、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61の駆動方向を逆にする際には、一旦双方の駆動モータ41、61をブレーキ制御する。これによりモータの負荷を軽減できるとともに、急な逆回転の制御によってモータから発生する異音の発生を防止することができる。そしてスムーズに表示板24や蓋板26を動作させる(開く)ことができる。
次に、制御部100は、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61を駆動するための端子に印加する電圧を制御して、双方の駆動モータ41、61をオープン制御する(状態“○3”参照)。また、その際に表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61には、図13のZに示すように、予め規定される電圧に徐々に近づくように(徐々に増加させて)、双方の駆動モータ41、61に印加される電圧が制御される。これにより、急激な動作による案内溝30と案内ピン27との接触音などの異音の発生が防止されるとともに、スムーズに表示板24や蓋板26を開くことができる。
ここで、表示板24や蓋板26を開き、案内ピン27が直線部32から湾曲部33へ移動する境目(接続部)(以下、「変曲点」と称する。)における動作を説明する。案内ピン27が直線部32を移動する間は、表示板24と蓋板26とは共に開く動作を行い、変曲点以降の湾曲部33を案内ピン27が移動する際は、蓋板26は停止して表示板24のみが開く動作を続行する。このように蓋板26が変曲点にて停止するときに滑らかに停止させるために、図13のYに示すように、制御部100は、案内ピン27が変曲点に達する前から蓋板用駆動モータ61に印加する電圧を下げ始め、そして変曲点をすぎるまで徐々に下げる(状態“○3”参照)。これにより、蓋板26を滑らかに停止させるとともに変曲点における案内溝30と案内ピン27との接触音などの異音の発生を防止できる。また、案内ピン27を案内溝30内側端面に摺接させて移動させることができるため、ガタツキ音などの異音の発生を防止し、スムーズに表示板24や蓋板26を動作させることができる。
また、案内ピン27が変曲点通過後、湾曲部33を移動する際は、蓋板26は開ききった状態を保持し、表示板24のみの開き角度が増すように動作する(状態“○4”参照)。この時、蓋板用駆動モータ61はオープン制御されているため、案内ピン27が案内溝30の下端面を摺動して動作する。このようにして、表示板24が開ききる状態(使用位置)まで双方の駆動モータ41、61がオープン制御される。
次に、制御部100は、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御する。(状態“○5”参照)。これにより、蓋板26が自重によって閉方向に移動し、所定の係止溝31aに案内ピン27が係止される。なお、表示板24は使用位置では垂直に近い状態となるため、自重によって閉方向に移動することなくブレーキ制御によって自立可能である。
次に、制御部100は、使用位置において、表示板用駆動モータ41をブレーキ制御したまま、蓋板用駆動モータ61をクローズ制御する(状態“○6”参照)。これにより、案内ピン27に対して案内溝30の内側端面が押し付けられて負荷が与えられ、表示板24及び蓋板26の上部が固定されて、車両の振動などによる表示板24及び蓋板26のガタツキを防止することができる。
次に、表示板24及び蓋板26を閉じる際の動作について説明する。
まず、表示板24及び蓋板26を閉じる動作において案内ピン27と案内溝30との接触音など機械的な異音の発生を抑止するために、本実施形態では、案内溝30の上下いずれか一方の端面に対して案内ピン27を押し付けて負荷を与えつつその上下いずれか一方の端面に沿わせて案内ピン27を移動させて表示板24及び蓋板26を閉じるように表示板用及び蓋板用駆動モータ41、61を制御している。
また、表示板24及び蓋板26を閉じる動作において、特に、案内ピン27が変曲点を超えてから表示板用及び蓋板用駆動モータ41、61の動作とは別に自重により閉じる方向に表示板24及び蓋板26が動作してしまうため、表示板24及び蓋板26をゆっくり閉じる場合には、表示板用及び蓋板用駆動モータ41、61をクローズ制御するだけではスムーズに動作させることが困難である。そこで、本実施形態では、ポンピング制御を用いて表示板用及び蓋板用駆動モータ41、61を制御して、表示板24及び蓋板26の閉方向への動作を制御している。
また、表示板24及び蓋板26を閉じる動作において、案内ピン27が変曲点近傍を通過する際に生じる機械的な異音の発生を抑止するために、本実施形態では、案内ピン27の変曲点の到達前後において、表示板用駆動モータ41をポンピング制御しながら、蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御している。
このようにそれぞれの駆動モータ41、61を制御することにより、本実施形態では、ゆっくり且つ円滑に表示板24及び蓋板26を閉じることが可能となり、質感も容易に向上させることが可能である。
以下、本実施形態の具体的な表示板24及び蓋板26を閉じる動作について図14を用いて説明する。図14は表示板を閉じる時の表示板用駆動モータと蓋板用駆動モータの制御状態、及び表示板と蓋板の動作状態を示すタイミングチャートである。
なお、図14に示すA領域は蓋板用駆動モータに駆動電圧を印加するための2つの端子間への信号の制御例を示し、B領域は蓋板用駆動モータへの印加電圧の制御例を示す。また、C領域は表示板用駆動モータに駆動電圧を印加するための2つの端子間への信号の制御例を示し、D領域は表示板用駆動モータへの印加電圧の制御例を示す。また、A及びC領域における縦軸は信号のON、OFF状態を示し、横軸は時間軸を示す。また、B及びD領域における縦軸は印加電圧を示し、横軸は時間軸を示す。また、E領域は表示板及び蓋板の開閉動作における動作角度を示す。当該E領域における縦軸は格納位置を0°とした時の動作角度を示し、横軸は時間軸を示す。
まず、表示板24及び蓋板26の動作概要について説明する。
図14に示すように、例えば、表示板24は、格納位置に対して約41度開いた状態で保持され、表示板24及び蓋板26を閉じる動作の開始に従って、所定の時間経過後、第1の速度で徐々に閉じられる。そして、表示板24は、案内ピン27が変曲点に到達する少し前から第1に速度よりも遅い第2の速度で徐々に閉じられ、表示板24が完全に閉じられる少し前に、第2の速度よりも更に遅い第3の速度で徐々に閉じられる。
一方、蓋板26は、格納位置に対して約26度の開いた状態で保持され、表示板24及び蓋板26を閉じる動作の開始に従って、2度程度持ち上げられて更に開いた状態で保持される。そして、蓋板26は、案内ピン27が変曲点を超えた後、第1の速度で徐々に閉じられ、蓋板26が完全に閉じられる少し前に、第1の速度よりも遅い第2の速度で徐々に閉じられる。
次に、上記表示板24及び蓋板26を動作させるための表示板用及び蓋板用駆動モータ41、61の制御動作について説明する。
図14に示すように、まず、制御部100は、表示板24及び蓋板26が開いた使用位置(図6参照)において、蓋板用駆動モータ61をクローズ制御するとともに、表示板用駆動モータ41をブレーキ制御する(状態“○1”参照)。これにより、案内ピン27に対して案内溝30の内側端面が押し付けられて負荷が与えられ、表示板24及び蓋板26の上部が固定されて、車両の振動などによる表示板24及び蓋板26のガタツキを防止することができる。
次に、制御部100は、表示板24及び蓋板26が使用位置(図6参照)から格納位置(図8参照)になるように表示板24及び蓋板26を閉じる際において、モータの負荷を考慮して、表示板用駆動モータ41をブレーキ制御したまま、蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御する(状態“○2”参照)。
そして、係止溝31a〜31cから当該案内ピン27を異音を生じることなくスムーズに解放するために、表示板用駆動モータ41をブレーキ制御したまま、蓋板用駆動モータ61をオープン制御する(状態“○3”参照)。また、その際に蓋板用駆動モータ61には、図14のXに示すように、予め規定される電圧に徐々に近づくように(徐々に増加させて)蓋板用駆動モータ61に印加される電圧が制御される。これにより、急激な動作による係止溝31a〜31cと案内ピン27との接触音などの異音の発生を防止して、案内ピン27を係止溝31a〜31cから解放できる。
次に、制御部100は、蓋板用駆動モータ61をオープン制御したまま、表示板用駆動モータ41をポンピング制御する。具体的には、制御部100によって、蓋板用駆動モータ61をオープン制御させる。一方、制御部100によって表示板用駆動モータ41を、そのオープン制御中に、クローズ制御させ、そのクローズ制御中に所定の間隔でブレーキ制御を行う(状態“○4”参照)。これにより案内ピン27が湾曲部33を移動する際に、表示板24をゆっくり、且つスムーズに動作させることが可能となる。よって、ユーザから見た質感を容易に高めることができる。
次に、表示板24が徐々に閉じられ、案内ピン27が湾曲部33から直線部32へ移動する変曲点に達したときに、案内溝30と案内ピン27とのガタツキによる異音が発生することを考慮し、制御部100は、図14に示すように、制御部100は、案内ピン27が変曲点に達する前から到達後にかけて、表示板用駆動モータ41をポンピング制御したまま、蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御する(状態“○5”参照)。この結果蓋板26は、自重によってゆっくり閉じる動作となる。これにより、案内ピン27と案内溝30との接触音などの異音の発生を防止しつつ、案内ピン27が変曲点を移動する前後において、表示板24や蓋板26をゆっくり、且つスムーズに動作させることが可能となる。よって、ユーザから見た質感を容易に高めることができる。
次に、案内ピン27が変曲点に到達した後から格納位置に移動する間、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61をポンピング制御する(状態“○6”〜“○8”参照)。
また、表示板用駆動モータ41と蓋板用駆動モータ61の回転制御による表示板24及び蓋板26の動作速度がほぼ同じであれば、表示板24のクローズ制御中に行うブレーキ制御の割合を、蓋板26のクローズ制御中に行うブレーキ制御の割合よりも小さくすることで蓋板26の閉じる速度を表示板24の閉じる速度よりも容易に遅くすることが可能である。なお、同様に蓋板26のクローズ制御中に行うブレーキ制御の割合を、表示板24のクローズ制御中に行うブレーキ制御の割合よりも大きくしてもよい。その結果、表示板24及び蓋板26の動作を規制し、蓋板26が表示板24をあたかも吊下げながら閉じていくように動作する。
ここで、使用位置から格納位置への表示板24及び蓋板26の移動に関し、当該表示板24及び蓋板26は、使用位置に比べて格納位置の方が水平に近い角度となる。表示板24及び蓋板26が水平になる程、各々の回転軸22、25を中心とする自重による回転モーメントは増加するため、当該表示板24及び蓋板26の各々が格納位置へと動作し易くなり自然とその速度が速まり、表示板24及び蓋板26を閉じる動作においてその動作速度が一定でなく見栄えが悪い。また、表示板24及び蓋板26が、格納位置に到達したときにその動作がいきなり停止すると、部材同士の衝突音が発生する。
そこで、本実施形態では、表示板24及び蓋板26のポンピング制御において、使用位置から格納位置に移動する間、徐々にクローズ制御中に行うブレーキ制御の割合を高め、且つ表示板24及び蓋板26が格納位置に到達する直前は、更にクローズ制御中に行うブレーキ制御の割合を高めるようになっている。このように表示板24及び蓋板26を動作させることで、使用位置から格納位置への表示板24及び蓋板26の動作速度が速まることなく、当該動作速度をほぼ一定に保てる(動作速度を調整可能)とともに、格納位置に至る直前(状態“○8”参照)では、更に当該表示板24及び蓋板26の動作速度を遅く動作させることで、部材同士の衝突音を抑制しつつ、当該表示板24及び蓋板26をスムーズに停止させることが可能である。
なお、表示板24及び蓋板26の重量などによって、自重による表示板24及び蓋板26の動作速度が異なるため、当該重量等を考慮して、クローズ制御中に行うブレーキ制御の割合が適宜決定される。
また、表示板24及び蓋板26が使用位置から格納位置に達した時に、制御部100は、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御し(状態“○9”参照)、その後、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61をクローズ制御する(状態“○10”参照)。
このようにして蓋板26を閉方向に駆動させることでカバー11がケース12に位置決めされ、一方、表示板24を閉方向に駆動させることで蓋板26の案内溝30内の下端面に案内ピン27が当接して位置決めされる。そして蓋板26及び表示板24を閉方向に駆動させ続けることでカバー11がケース12に押し付けられ、且つ案内ピン27が案内溝30内の下端面に押し付けられるため前記位置決めされた状態が保持されて、車両の振動などによるガタつきを抑えることが可能である。
次に、本実施形態の車載用ディスプレイ装置1の動作を説明する。
まず、本実施形態の車載用ディスプレイ装置1は、図7及び図8に示すように不使用時の格納位置では、ディスプレイ23を保持する表示板24及び図2に示すカバー11を保持する蓋板26が閉じた状態であり、ケース12内、すなわちカバー11がダッシュボード2と略同一面となって完全に格納されている。このとき、案内板28は、案内溝30内の後端に案内ピン27が係止されている。また、表示板24及び蓋板26は、ねじりコイルばね33、33及びねじりコイルばね34、34により、それぞれ常時閉方向、つまり格納位置を保持する方向に付勢されている。また、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61の双方を制御部100によって閉方向に駆動させている。これにより、表示板24及び蓋板26がケース側に押し付けられた状態で保持されるため、車両に振動が発生したとしても表示板24及び蓋板26のがたつきを防止することができる。
次に、本実施形態の車載用ディスプレイ装置1を使用位置に開くには、図示しないオープン用スイッチの押圧操作に基づき制御部100が表示板24及び蓋板26のそれぞれの駆動モータ41,61をオープン制御する。この時、制御部100は、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御した後、当該表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61をオープン制御する。
表示板用駆動モータ41をオープン制御すると、図9及び図10に示すように、第1はすば歯車42a及び第2はすば歯車42bが回転し、その回転が平歯車列43を介して減速され、ピニオン44を介して一方のラック部材45に対して移動する。同時に、連結ギヤ47,47が回転し、その回転力が伝達ギヤ列48を介してピニオン49を回転させることにより、他方のラック部材50に対して移動することとなる。一方、蓋板用駆動モータ61をオープン制御すると、図9及び図11に示すように、第1はすば歯車62a及び第2はすば歯車62bが回転し、その回転速度が平歯車列63を介して減速され、その回転力が蓋板26の下端に取り付けられた一方のセクタ歯車64を一方向に移動させる。同時に、連結ギヤ66,66が回転し、その回転力が伝達ギヤ列67を介して他方のセクタ歯車68を一方向に移動させる。
また、前記オープン制御開始時には、制御部100によって、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61に印加される電圧が予め規定される電圧に徐々に近づくように制御される。そして、案内ピン27が案内溝30の直線部32を通り、当該案内ピン27が案内溝30の変曲点に達する前から蓋板用駆動モータ61に印加される電圧が徐々に下げられる。
その結果、図15に示すように表示板24の両側面上端に突出して固定した案内ピン27が蓋板26の案内溝30の後端側から直線部32、係止部31を経て移動して前端の係止溝31aに係止される。これにより、図5及び図6に示すように表示板24及び蓋板26が開いて使用位置となり、ディスプレイ23を視認可能な位置まで突出させることができる。
このとき、表示板24及び蓋板26は、ねじりコイルばね33、33及びねじりコイルばね34、34により、それぞれ閉方向に付勢されつつ、その付勢力に抗して徐々に開いていくので、がたつくことなく円滑に開動作をさせることができ、動作の信頼性が向上し、高級感が得られる。そして、表示板24の両側面上端に案内ピン27がそれぞれ突出して固定される一方、蓋板26の上部両側面に案内板28が形成され、これらの案内板28にそれぞれ案内ピン27が移動する案内溝30が形成されているので、表示板24及び蓋板26は、それぞれ上端部分で案内ピン27が案内溝30内を移動する。そのため、回転軸22、25を中心に各々回動する部材の先端側部分が互いに規制されるので車両走行中であってもがたつくことなく円滑に開動作させることができる。
また、表示板24及び蓋板26が開いた使用位置では、制御部100は、蓋板用駆動モータ61をクローズ制御し、表示用駆動モータ41をブレーキ制御する。これにより、表示板24及び蓋板26は、ねじりコイルばね33,33及びねじりコイルばね34、34と相俟って、常に案内ピン27を係止溝31aに食い込ませるように係止することができるため、ディスプレイ23の振動を未然に防止することができ、ディスプレイ23を見易くすることができる。
また、本実施形態の車載用ディスプレイ装置1を使用位置から格納位置に閉じるには、図示しないクローズ用スイッチのユーザによる押圧操作に基づき制御部100が表示板24及び蓋板26のそれぞれの駆動モータ41,61を制御する。
まず、表示板用駆動モータ41をブレーキ制御し、蓋板用駆動モータ61をオープン制御する。これにより、案内ピン27が係止溝31aから解放される。
次に、蓋板用駆動モータ61のオープン制御を維持したまま、表示板用駆動モータ41を閉方向にポンピング制御する。そして、案内ピン27が湾曲部33を通過し変曲点付近では、表示板用駆動モータ41のポンピング制御を維持したまま、蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御する。さらに、案内ピン27が変曲点を通過した後は、表示板用駆動モータ41及び蓋板用駆動モータ61を閉方向にポンピング制御する。
ここで、表示板用駆動モータ41を閉方向に駆動させると、図9及び図10に示すように、第1はすば歯車42a及び第2はすば歯車42bが逆回転し、その回転が平歯車列43を介して減速され、ピニオン44を介して一方のラック部材45に対して移動する。同時に、連結ギヤ47,47が逆回転し、その回転力が伝達ギヤ列48を介してピニオン49を逆回転させることにより、他方のラック部材50に対して移動することとなる。一方、蓋板用駆動モータ61を閉方向に駆動させると、図9及び図11に示すように、第1はすば歯車62a及び第2はすば歯車62bが逆回転し、その回転速度が平歯車列63を介して減速され、その回転力が蓋板26の下端に取り付けられた一方のセクタ歯車64を他方向に移動させる。同時に、連結ギヤ66,66が逆回転し、その回転力が伝達ギヤ列67を介して他方のセクタ歯車68を他方向に移動させる。
このように表示板及び蓋板用駆動モータを動作させることにより、図15に示すように案内ピン27が案内溝30の前端に形成された係止溝31aに係止された位置から湾曲部33、直線部32を経て移動し、案内溝30の後端付近に係止される。これにより、図7及び図8に示すように表示板24及び蓋板26が閉じて格納位置となる。この格納位置では、上述したようにディスプレイ23を保持する表示板24及び図2に示すカバー11を保持する蓋板26が閉じた状態であり、ケース12内すなわちカバー11がダッシュボード2と略同一面となって完全に格納されていることとなる。
次に、本実施形態の車載用ディスプレイ装置1において、表示板24の傾斜角度を変更する場合について説明する。図16は本実施形態の表示板の傾斜角度を変更した状態を示す斜視図、図17は図16の側面図である。
まず、表示板24の案内ピン27が例えば図5及び図6に示すように蓋板26の案内溝30の係止溝31aに係止されている位置から図16及び図17に示すように案内溝30の係止溝31bに係止させて表示板24の傾斜角度を変更する場合には、チルト用スイッチを押すことにより、案内ピン27が係止溝31aから係止溝31bに係止されるように切り換わる。
すなわち、チルト用スイッチが押されると、制御部100は、例えば角度センサにより検出した表示板24及び蓋板26の角度検出信号を得て、この角度検出信号に基づいて駆動モータ41,61のオン、オフを制御して案内ピン27を係止溝31aから係止溝31bに移動させて表示板24の傾斜角度を変更する。
次いで、再度チルト用スイッチが押されると、制御部100は、上記角度センサにより検出した表示板24及び蓋板26の角度検出信号を得て、この角度検出信号に基づいて駆動モータ41,61のオン、オフを制御して案内ピン27を係止溝31bから係止溝31cに移動させて表示板24の傾斜角度を変更する。なお、この切換順序は、単なる一例であって、その逆であってもよい。
このように本実施形態では、表示板24の傾斜角度を変更することにより、ディスプレイ23の傾斜角度を変更することができるので、ディスプレイ23を搭乗者にとって常に見易い角度に調整することができる。
また、本実施形態によれば、シャーシ21に回転軸22を介して回動可能に取り付けられ、ディスプレイ23を格納位置と使用位置との間で開閉可能に保持する表示板24と、シャーシ21に表示板24の回転軸22と互いに平行な回転軸25を介して回動可能に取り付けられ、カバー11を格納位置と使用位置との間で開閉可能に保持する蓋板26と、案内溝30内の前端の係止溝31aに案内ピン27が係止されたとき、表示板24及び蓋板26が開いた使用位置となりシャーシ21とともにトラス構造を形成することにより、構造上の強度が高くなり、堅牢となる他、車両走行中における振動の影響を受けにくくなり、ディスプレイ23を常に見易い状態に維持することができる。
さらに、本実施形態によれば、表示板24及び蓋板26が開いて突出する使用位置では、表示板24及び蓋板26のねじりコイルばね33,33及びねじりコイルばね34、34により、表示板24の案内ピン27が案内溝30の前端の係止溝31a〜31cに食い込むように係止されることにより、上記に加え構造上の強度が一段と高くなり、さらなる堅牢化が図れ、車両走行中における振動の影響を受けにくくなり、ディスプレイ23を常に見易い状態に維持することができる。
なお、本願は、上記実施形態に限定することなく、種々の変更が可能である。例えば上記実施形態では、表示板24の両側面上端に案内ピン27がそれぞれ突出する一方、蓋板26の上部両側面に案内板28を形成したが、これに限定することなく、表示板24に案内板28を設ける一方、蓋板26に案内ピン27を取り付けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、表示板用駆動モータ41や蓋板用駆動モータ61を駆動制御して表示板24や蓋板26がガタツクことなく安定して固定されるようになっているが、車両の振動状態によって当該表示板用駆動モータ41や蓋板用駆動モータ61に印加する電圧を変える必要があることを考慮し、制御部に車両の傾き角度、移動速度、又は振動を検出する検出部を備え、その検出部により検出された検出値に基づいて第1のモータ、又は第2のモータに印加する電圧を可変制御するようにしても良い。
また、本実施形態では表示板24と蓋板26とを協働させて開閉制御する構造のディスプレイ装置を対象としているが、基部に軸を介して回動可能に取り付けられた表示板を備える片持ち式のディスプレイ装置に適用することも可能である。
また、本実施形態では、図14に示すようにクローズ制御中に所定の間隔でブレーキ制御を行うことでポンピング制御を行っているが、大きさや重さが異なる構造の表示板24や蓋板26を用いることにより、表示板用又は蓋板用駆動モータ41、61に電圧を供給するための2つの端子間を開放させるリリース制御(自重によるクローズ動作)中に所定の間隔でブレーキ制御を行うことでポンピング制御と同様な制御を行うことも可能である。
また、本実施形態では、使用位置において、表示板駆動モータ41をブレーキ制御し、蓋板用駆動モータ61をクローズ制御して耐震性を向上させているが、より耐震性を向上させるために、双方の駆動モータ41、61をクローズ制御しても構わない。また、蓋板用駆動モータ61をブレーキ制御し、表示板駆動モータをクローズ制御するようにしても構わない。
また、本実施形態では、格納位置において、蓋板用駆動モータ61及び表示板駆動モータ41をクローズ制御するように構成されているが、耐震性をあまり求めない場合には、どちらか一方の駆動モータのみをクローズ制御、他方の駆動モータをブレーキ制御するようにしても構わない。
また、上記実施形態では、本願を車載用ディスプレイ装置に適用した例について説明したが、これに限定することなく、表示板24及び蓋板26を格納位置と使用位置との間で開閉可能に構成したものであれば、如何なる電子機器でも適用することができる。