JP2010069758A - 液体吐出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】液体カートリッジが正常状態か否かを判断する判断部を備えた液体吐出システムを提供すること。
【解決手段】インク収容室11内のインクの液面の位置に応じてインク収容室11内で揺動可能である揺動部材90を備えたインクカートリッジ10が、装着部300に装着される。光学センサ330は、揺動部材90の遮光部91の移動軌跡と交差する方向に光を発する発光部と、その移動軌跡上における遮光部91の位置に応じて2つの状態をとり得る受光部とを有する。ソレノイド340及び鉄芯341は磁界を発生し、揺動部材90の強磁性体92Aは磁界から力を受ける。制御部400は、S4において受光部の状態が変化したと判断したときに、S5において液体カートリッジが正常状態と判断し、S4において受光部の状態が変化しなかったと判断したときに、S6において液体カートリッジが異常状態と判断する。
【選択図】図14

Description

本発明は、液体収容室内の液体の液面の位置に応じて液体収容室内で揺動可能な揺動部材を有する液体カートリッジが取り外し可能に装着される装着部を備えた液体吐出システムに関し、詳細には、液体カートリッジが装着部に装着された際に、液体カートリッジが正常状態か否かを判断する判断部を備えた液体吐出システムに関する。
一般に、液体吐出装置の一例であるインクジェットプリンタは、インクカートリッジと共に用いられる。インクジェットプリンタはカートリッジ装着部を有し、インクカートリッジはカートリッジ装着部に取り外し可能に装着される。インクジェットプリンタは記録ヘッドを有しており、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着されると、インクカートリッジから記録ヘッドにインクが供給され得るように、インクカートリッジと記録ヘッドとが連通する。記録ヘッドからインクが吐出されると、それに応じて、インクカートリッジから記録ヘッドにインクが供給される。
インクカートリッジ内にインクが収容されていない状態では、インクジェットプリンタは記録ヘッドからインクを吐出できなくなる。インクジェットプリンタが記録ヘッドからインクを吐出できなくなった後、インクジェットプリンタが記録ヘッドから正常にインクを吐出できるようにするには、新しいインクカートリッジをカートリッジ装着部に装着した後、記録ヘッドからノズルを介してインクを大量に吸い出す処理、いわゆるパージ処理が必要である。パージ処理は時間がかかる上、大量のインクが無駄に消費されてしまう。したがって、インクカートリッジがカートリッジ装着部に装着された状態で、インクカートリッジ内のインクの量をインクジェットプリンタが判断し得るように構成された、次のようなインクカートリッジとインクジェットプリンタが知られている。インクカートリッジは、インクカートリッジ内のインクの量に応じて動く可動部材を有し、また、インクジェットプリンタは、所定の位置に可動部材が位置しているか否かを検知する検知部を有している。インクジェットプリンタは、検知部が可動部材を検知したか否かに基づいて、インクカートリッジ内のインクの量が十分か否かを判断する。インクジェットプリンタは、インクカートリッジ内のインクの量が十分でないと判断した場合、記録媒体への画像の記録を中止するか、または、インクカートリッジを新しいものに交換するようユーザーに通知する等の処理を行う。
上記のインクカートリッジとインクジェットプリンタの一例が特許文献1に記載されている。インクカートリッジは、ケースと、ケースの内部に形成されたインク収容室とを有しており、インク収容室の内部には、揺動部材が配置されている。揺動部材は、その一端に遮光部材を有し、他端に浮きを有する。浮きの比重はインクの比重より小さい。インク収容室の底部には、支持台が配置されている。揺動部材は、遮光部材と浮きとの間に位置する部分において支持台に支持されている。揺動部材は、支持台に支持された支点を中心に揺動することが可能である。インク収容室の内部には、規制部材が配置されている。揺動部材の揺動は、規制部材によって規制される。すなわち、揺動部材がある方向に回り、揺動部材が規制部材に接触すると、揺動部材はそれ以上その方向へ回ることができない。浮きの比重はインクの比重より小さいため、浮きは、インク収容室に収容されたインクの液面に浮こうとするが、揺動部材の移動が規制部材によって規制されるため、浮きの液面に向かう動きが規制される。したがって、インク収容室に収容されたインクの量が所定の量より多いときは、揺動部材は規制部材に接触した状態で所定の姿勢をとる。このとき、浮きはインク中に沈んだ状態で、インク中に浮いている。インク収容室内のインクが消費されると、インク収容室内のインクの液面が下がる。インクの量が所定の量になると、浮きの一部がインクの液面から露出する。さらにインクが消費され、インクの液面がさらに下がると、それに追従して浮きは下方に移動する。浮きが下方に移動するのに応じて揺動部材は回り、結果として、遮光部材は上方へ移動する。凸部がインクカートリッジのケースの側面に形成されている。凸部を含めたケースは、光が透過可能な材料で形成されている。凸部は内部空間を有する。凸部の内部空間はインク収容室の一部である。遮光部材は凸部の内部空間に位置する。このインクカートリッジと共に用いられるインクジェットプリンタは、発光部と受光部とを有する光学検知部を有している。インクカートリッジがインクジェットプリンタに装着されると、インクカートリッジの凸部は、発光部と受光部との間に位置する。インクカートリッジがインクジェットプリンタに装着されたときに、インク収容室内のインクの量が所定の量より多く、揺動部材が所定の姿勢をとっている場合、遮光部材は発光部と受光部との間に位置する。したがって、インク収容室内のインクの量が所定の量より多い場合、発光部から発せられた光は、遮光部材によって遮光され、受光部に到達しない。一方、インクカートリッジがインクジェットプリンタに装着さたときに、インク収容室内のインクの量が所定の量より少なく、揺動部材が所定の姿勢以外の姿勢をとっている場合、遮光部材は、発光部と受光部との上方に位置する。したがって、インク収容室内のインクの量が所定の量より少ない場合は、発光部から発せられた光は、凸部を通過して、受光部に到達する。インクジェットプリンタは、受光部が受光しているか否かに基づいて、インク収容室に収容されているインクの量が十分か否かを判断する。
一方、特許文献2に記載のインクカートリッジは、インク収容室と連通するシリンダと、シリンダ内に配置されたピストンを有している。スライド部材がピストンから延びており、そのスライド部材には、スライド部材を貫通する開口が形成されている。インク収容室内に配置された揺動部材は、スライド部材の開口を通って延びている。ロッドがピストンからシリンダの外へ延びている。インクジェットプリンタからロッドに駆動力が伝達されると、シリンダ内でピストンが移動する。ピストンが移動すると、スライド部材の開口端が揺動部材に接触し、スライド部材と共に揺動部材がインク収容室内で移動する。
特開2005−125738号公報 特開2008−93862号公報
しかしながら、特許文献1の構成を備えたインクカートリッジおよびインクジェットプリンタであっても、インク収容室内のインクの量が所定量より少なくなったにもかかわらず、インクジェットプリンタがその旨判断できず、インク収容室内のインクの量が所定量より多いと判断してしまう場合がある。その原因として、例えば、次のことが挙げられる。インクカートリッジが輸送される際、または、ユーザーがインクカートリッジを取り扱う際に、インクカートリッジに振動が加えられ、インク収容室内にインクの泡が、単数乃至複数、発生する場合がある。揺動部材とインク収容室を画定している壁の表面とに接触する泡が発生した場合、泡の表面張力によって、揺動部材の動きが妨げられる場合がある。すなわち、インク収容室内のインクの量が所定量より少なくなっても、揺動部材が、壁の表面に付着している泡に捕らえられ、移動することができない。このような場合、インク収容室に収容されているインクの量が所定量より少なくなっても、インクジェットプリンタは、インク収容室に収容されているインクの量が所定量より多いと判断してしまう。また、別の原因として、例えば、次のことが挙げられる。インクの化学的な性質が変化するのを防止する等の目的で、インクカートリッジ製造時に、インクが脱気された後にインク収容室に収容され、さらに、そのインクの脱気状態を保つために、インク収容室内が減圧される場合がある。また、インク収容室を画定している対向する一対の壁が可撓性を有するフィルムで形成されている場合がある。インク収容室内が減圧されると、可撓性を有する一対の壁がインク収容室内に向かって凸形状となるように変形し、変形した一対の壁は揺動部材の両側から揺動部材を挟み込む場合がある。インクカートリッジが使用される際に、インク収容室内の圧力が大気圧と同じ圧力に戻されても、一対の壁は元の形状に戻らず、変形したまま揺動部材を挟み続ける場合がある。このよう場合、インク収容室内のインクの量が所定量より少なくなっても、一対の壁に挟まれた揺動部材は移動することができない。さらに、別の原因として、例えば、次のことが挙げられる。インクカートリッジが輸送される際に、揺動部材が支持台から脱落してしまう場合がある。このような場合、インク収容室に収容されているインクの量が所定量より少なくなっても、揺動部材は意図された通りに揺動できず、インクジェットプリンタは、インク収容室に収容されているインクの量が所定量より多いと判断してしまう。さらに、別の原因として、例えば、次のことが挙げられる。インクジェットプリンタと使用されることが本来意図されていない仕様違いのインクカートリッジが、そのインクジェットプリンタに誤って装着される場合がある。仕様違いのインクカートリッジは揺動部材を備えていないかもしれない。インクジェットプリンタは仕様違いのインクカートリッジのインク収容室に収容されたインクの量を判断できない。
特許文献2の構成を備えたインクカートリッジおよびインクジェットプリンタにおいては、揺動部材に付着した泡を振り払うことができるが、インクカートリッジの外部からピストンに力が加えられるという構造上、インクカートリッジからインクが漏れ出してしまう可能性がある。例えば、ユーザーがインクカートリッジを取り扱う際に、ピストンがシリンダの最も奥側に位置している場合、ピストンよりもシリンダの外側に近い箇所においてシリンダを貫通して形成されている開口を介して、インク収容室からシリンダの外へインクが漏れ出してしまう可能性がある。また、ユーザーがインクカートリッジを取り扱う際に、ユーザーが誤ってピストンをシリンダから引き抜いてしまった場合、シリンダを介して、インク収容室からシリンダの外へインクが漏れ出してしまう可能性がある。
そこで本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体カートリッジからの液体の漏れを防止しつつ、液体カートリッジが装着部に装着された際に、液体カートリッジ内に配置された揺動部材の機能を回復でき、また、液体カートリッジが正常状態か否かを判断する判断部を備えた液体吐出システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、液体吐出システムは、液体収容室と、液体収容室内に配置され、液体収容室に収容される液体より比重が小さい部分を有し、液体収容室内に収容された液体の液面の位置に応じて液体収容室内で揺動可能であり、強磁性を有する部分を有している揺動部材と、前記揺動部材が第1の方向に移動したときに前記揺動部材と接触し得る位置に配置されている接触部とを備えた液体カートリッジと、前記液体カートリッジが取り外し可能に装着される装着部と、前記液体カートリッジが前記装着部に装着されていることを検知する装着検知部と、前記装着部に装着されている前記液体カートリッジの前記揺動部材の一部の前記液体収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する発光部と、その移動軌跡上における前記揺動部材の一部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る受光部とを有し、前記装着部に配置された光学検知部と、前記装着部に配置されており、磁界を発生し、前記液体カートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記強磁性を有する部分がその磁界から力を受けて前記揺動部材が前記第1の方向の反対方向である第2の方向に移動し得るように、その磁界を発生する磁界発生部と、前記液体カートリッジが前記装着部に装着されたことが検知されたときに、前記強磁性を有する部分が前記磁界から受ける力の強さが変化するよう前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが変化するように、前記磁界発生部を制御する磁界制御部と、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが変化させられたときに、前記磁界の強さの変化の前後で、前記受光部の状態が変化したか否かを判断し、前記受光部の状態が変化したと判断したときに、前記液体カートリッジが正常状態と判断し、前記受光部の状態が変化しなかった判断したときに、前記液体カートリッジが異常状態と判断する状態判断部とを備える。
強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さは、強磁性を有する部分が磁界から受ける力の強さにより認識できる。すなわち、強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さが強いときは、強磁性を有する部分が磁界から受ける力が強く、強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さが弱いときは、強磁性を有する部分が磁界から受ける力が弱い。
液体カートリッジが装着部に装着されたとき、揺動部材の液体収容室に収容された液体より比重が小さい部分は、浮力により液体収容室内の液体の液面に浮こうとするが、揺動部材は接触部に接触し、その姿勢にとどまる。強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さが変化すると、強磁性を有する部分がその磁界から受ける力の強さが変化する。強磁性を有する部分が磁界から受ける力が浮力に勝ると、揺動部材が第2の方向に移動する。受光部の状態は、移動軌跡上における揺動部材の一部の位置に応じて変化するので、結局、強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さが変化することにより受光部の状態が変化する。受光部の状態が変化すれば、状態判断部は、液体カートリッジが正常状態である、すなわち、揺動部材が正常に動作していると判断する。仮に、揺動部材の動きが阻害されている、もしくは、液体カートリッジが揺動部材を備えていない場合には、強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さが変化したときに受光部の状態が変化しない。よって、状態判断部は、液体カートリッジが異常状態であると判断する。この結果、液体吐出システムは、液体カートリッジが装着部に装着される早期の段階で、液体カートリッジの正常状態もしくは異常状態を判断することができる。よって、異常状態の液体カートリッジが装着されたことに対する対処が可能となる。また、揺動部材の動きが、揺動部材と液体収容室を画定している壁の表面とに接触する泡の表面張力により阻害されている場合には、強磁性を有する部分が磁界から受ける力が表面張力に勝り、揺動部材が第2の方向に移動することが可能である。揺動部材が移動すると、泡が破壊されて、その後、揺動部材は正常に動作できる。すなわち、揺動部材の機能が回復される。磁界発生部は、揺動部材と接触することなく、揺動部材を移動させることができるので、揺動部材に接触して揺動部材を移動させる方式と比べ、液体収容室から液体カートリッジの外へ液体が漏れだす可能性が小さい。
液体吐出システムは、例えば、インクを吐出することにより記録媒体に画像を形成するインク吐出システムであってよいし、プリント配線基板の配線パターンの形成、液晶カラーフィルタの製造などに用いられる、各種の液体を吐出して対象物に付着させるためのシステムであってよい。
受光部の予め決められた2つの状態とは、例えば、発光部から発せられた光を所定の強度以上で受けている状態と、発光部から発せられた光を所定の強度未満で受けている状態との2つの状態である。発光部から発せられた光を所定の強度未満で受けている状態は、発光部から発せられた光を全く受けていない状態、すなわち、受光部が受けている光の強度がゼロの状態をも含む。
揺動部材の一部は、発光部から発せられた光を遮断するものであってもよいし、発光部から発せられた光の光路を変更するものであってもよい。
光学検知部が、装着検知部を兼ねていてもよい。
請求項2に記載の発明によれば、前記磁界制御部は、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが、第1の強さ、第1の強さより強い第2の強さ、及び、第2の強さより強い第3の強さの間で変化するように、前記磁界発生部を制御する。前記状態判断部は、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが前記第1の強さから前記第2の強さに変化した前後で、前記受光部の状態が変化したか否かを判断し、前記受光部の状態が変化したと判断したときに、前記液体カートリッジが正常状態と判断し、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが前記第2の強さから前記第3の強さに変化した前後で、前記受光部の状態が変化したか否かを判断し、前記受光部の状態が変化したと判断したときに、前記液体カートリッジが正常状態と判断し、前記受光部の状態が変化しなかった判断したときに、前記液体カートリッジが異常状態と判断する。
この結果、状態判断部は、揺動部材の移動を阻害する原因を区別できる。すなわち、強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さが第2の強さのときに、強磁性を有する部分が磁界から受ける力が揺動部材と液体収容室を画定している壁の表面とに接触する泡の表面張力に勝らず、磁界の強さが第3の強さのときに、強磁性を有する部分が磁界から受ける力が表面張力に勝るように設定されていれば、揺動部材の移動を阻害する原因が泡の表面張力によるものであった場合、状態判断部は、強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さが第1の強さから第2の強さに変化した前後で、受光部の状態が変化せず、強磁性を有する部分のまわりの磁界の強さが第2の強さから第3の強さに変化した前後で、受光部の状態が変化したと判断した判断する。一方、揺動部材の移動を阻害する原因が、泡の表面張力によるもの以外である場合、例えば、揺動部材が液体収容室を画定する一対の壁に挟まれている、揺動部材の配置状態が液体カートリッジが製造されたときの状態と変わってしまっており、揺動部材が意図された通りに揺動できない、もしくは、液体カートリッジが揺動部材を備えていない、等である場合、状態判断部は、磁界の強さがどの強さであっても、受光部の状態が同じであると判断する。
磁界の強さが第1の強さであるとは、磁界発生部が発生する磁界の強さがゼロの場合、すなわち、磁界発生部が磁界を発生していない場合も含む。
請求項3に記載の発明によれば、前記液体吐出システムは、記憶部を備えており、前記状態判断部は、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが前記第1の強さから前記第2の強さに変化した前後で、前記受光部の状態が変化せず、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが前記第2の強さから前記第3の強さに変化した前後で、前記受光部の状態が変化したと判断したときに、前記記憶部にその判断結果を書き込む。
この結果、揺動部材の移動を阻害する原因が泡の表面張力によるものであったことを記憶部に記憶させることができる。記憶部に記憶された情報をもとに、液体カートリッジの製造者は、例えば、泡の発生率等を知ることができ、新たに液体を開発する際の参考とすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、前記状態判断部は、前記液体カートリッジが異常状態と判断したときに、前記記憶部にその判断結果を書き込む。
この結果、揺動部材の移動を阻害する原因が泡の表面張力によるもの以外であったことを記憶部に記憶させることができる。記憶部に記憶された情報をもとに、液体カートリッジの製造者は、例えば、揺動部材の移動を阻害する主たる原因を知ることができ、新たに液体カートリッジを開発する際の参考とすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、前記記憶部は、前記液体カートリッジに配置されており、前記液体カートリッジとともに前記装着部から取り外し可能である。
この結果、液体カートリッジの製造者は、液体カートリッジを回収することにより、記憶部に記憶された情報も回収することができる。
請求項6に記載の発明によれば、前記揺動部材の前記液体収容室に収容される液体より比重が小さい部分は、前記強磁性を有する部分を有しており、前記磁界発生部は、前記液体カートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記揺動部材の前記液体収容室に収容される液体より比重が小さい部分の下方に位置する。
揺動部材の液体収容室に収容された液体より比重が小さい部分が、浮力により液体収容室内の液体の液面に向かって移動するとき、すなわち、上方に移動するとき、揺動部材は第1の方向へ移動する。逆に、揺動部材の液体収容室に収容された液体より比重が小さい部分が下方に移動するとき、揺動部材は第2の方向へ移動する。揺動部材の液体収容室に収容された液体より比重が小さい部分は、強磁性を有する部分を有しており、磁界発生部は、揺動部材の液体収容室に収容された液体より比重が小さい部分の下方に位置する。この結果、磁界発生部は、揺動部材を確実に第2の方向に移動させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、前記磁界発生部は、ソレノイドを有しており、前記磁界制御部は、前記ソレノイドに流れる電流の強さを変化させることにより、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが変化するように、前記磁界発生部を制御する。
請求項8に記載の発明によれば、前記磁界発生部は、永久磁石を有しており、前記磁界制御部は、前記強磁性を有する部分に対する前記永久磁石の位置を変化させることにより、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが変化するように、前記磁界発生部を制御する。
液体カートリッジが装着部に装着される早期の段階で、液体カートリッジの正常状態もしくは異常状態を判断することができる。よって、異常状態の液体カートリッジが装着されたことに対する対処が可能となる。また、揺動部材を移動させることより、揺動部材の機能を回復することができる。また、非接触で揺動部材を移動させるので、液体収容室から液体カートリッジの外へ液体が漏れだす可能性が小さい。
以下、本発明をインクジェットプリンタ及びインクカートリッジからなるインク吐出システムに適用した実施形態を、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1〜図17を参照して、本発明の第1実施形態であるインク吐出システムを説明する。
<全体的構成>
図1は、本発明の液体吐出システムの一例であるインク吐出システム1の全体的構成を示す概念図である。図1において、インク吐出システム1は、インクジェットプリンタ100と、液体カートリッジの一例である少なくとも1つのインクカートリッジ10とを備える。インクジェットプリンタ100は、少なくとも1色のインク、例えば、ブラックインク、イエローインク、シアンインク、および、マゼンタインクの4色のインクを用いて、記録媒体、例えば、記録用紙に、画像を記録するように構成されている。インクジェットプリンタ100は、給紙装置110、搬送装置120、記録装置130を備えている。インクジェットプリンタ100は、また、第1のトレイ140と、第2のトレイ141とを備えている。搬送経路142が第1のトレイ140から第2のトレイ141に至るように形成されている。給紙装置110は、第1のトレイ140に収納されている複数の記録用紙を一枚ずつ搬送経路142に給紙するように構成されている。
搬送装置120は、第1の搬送ローラー対121と第2の搬送ローラー対122とを有する。第1の搬送ローラー対121と第2の搬送ローラー対122とは搬送経路142に沿って配置されており、記録用紙が搬送される方向に対して、第1の搬送ローラー対121は記録装置130の上流側に配置されており、第2の搬送ローラー対122は記録装置130の下流側に配置されている。
インクジェットプリンタ100は、プラテン145を備える。プラテン145は記録装置130の真下に配置されている。給紙装置110によって給紙された記録用紙は、第1の搬送ローラー対121によってプラテン145上に搬送される。記録装置130は、プラテン145上で搬送されている記録用紙に画像を記録する。プラテン145上を通過した記録用紙は、搬送経路142の最も下流に配置されている第2のトレイ141に収納されるように、第2の搬送ローラー対122により搬送される。
記録装置130は、キャリッジ131と、キャリッジ131上に配置された記録ヘッド132とヘッド制御基板133とを有する。複数のノズル134が記録ヘッド132に形成されている。記録ヘッド132は少なくとも1つのサブタンク135、例えば、4つのサブタンク135を有する。キャリッジ131は図示しない複数のレールによって支持されており、図1の紙面に垂直な方向に、レール上を滑りながら往復運動するように構成されている。サブタンク135は、各々、ノズル134に供給されるインクを収容するように構成されている。例えば、各サブタンク135は互いに異なる色のインクを収容する。ヘッド制御基板133に信号が入力されると、ヘッド制御基板133は入力された信号に基づいて記録ヘッド132を制御し、ノズル134からインクを吐出させる。
インクジェットプリンタ100は、インク供給装置30を備えている。インク供給装置30は、少なくとも一つの装着部300を有する。インクカートリッジ10が装着部300に取り外し可能に装着される。例えば、ブラックインク、イエローインク、シアンインク、および、マゼンタインクをそれぞれ収容する4つのインクカートリッジ10が、4つの装着部300にそれぞれ取り外し可能に装着される。インク供給装置30は、少なくとも1つの可撓性を有するチューブ350を有している。インク供給装置30は、例えば4つのチューブ350を有しており、チューブ350の一端は装着部300内に配置されているインク供給筒320に取り付けられており、チューブの他端はサブタンク135に設けられているチューブ継手に嵌めこまれて取り付けられている。インクカートリッジ10は、液体収容室の一例であるインク収容室11を有している。インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、チューブ350を介してインク収容室11とサブタンク135とが連通する。記録ヘッド132からインクが吐出されると、それに応じて、インク収容室11からサブタンク135にインクが供給される。なお、インクカートリッジ10が装着部300に装着されたときの、インク収容室11、装着部300、及びチューブ350の相互の関係については、後に詳述する。
<インクカートリッジの構成>
図2(A)から図6を参照して、インクカートリッジ10の構成について説明する。
図2(A)は、インクカートリッジ10の正面図であり、図2(B)は、インクカートリッジ10の側面図である。図2(A)及び図2(B)に示されているように、インクカートリッジ10は、幅方向12に幅を有し、奥行き方向13に奥行きを有し、高さ方向14に高さを有する、略直方体形状を有する。インクカートリッジ10の幅は、インクカートリッジ10の奥行き及び高さに比べて短い。
インクカートリッジ10は、フレーム20と、一対の側壁21とを有する。フレーム20は、幅方向12に幅を有し、奥行き方向13に奥行きを有し、高さ方向14に高さを有する、略直方体形状を有する。フレーム20は、前壁22と、奥行き方向13において前壁22の反対側に位置する背壁23と、上壁24と、高さ方向14において上壁24の反対側に位置する下壁25とを有する。上壁24は、前壁22と背壁23とにつながっている。同様に、下壁25は、前壁22と背壁23とにつながっている。
フレーム20は、透明もしくは半透明であり、光透過性を有している。例えば、可視光や赤外光がフレーム20を通過することができる。フレーム20は、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成されている。
一対の側壁21は、それぞれ、フレーム20の幅方向12の両端部に接続されている。例えば、一対の側壁21は、それぞれ、フレーム20の幅方向12の両端部に溶着されている、もしくは、接着剤により接着されている。
図3は、一対の側壁21がフレーム20に接続されていない状態のフレーム20の側面図である。図3に示されているように、フレーム20の内部には、インク収容室11が形成されている。一対の側壁21がフレーム20の幅方向12の両端部に接続されることにより、フレーム20と一対の側壁21とにより、インク収容室11が画定される。
図2(A)及び図2(B)に示されている一対の側壁21は、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成されている。一対の側壁21がフレーム20の幅方向12の両端部に溶着される場合には、フレーム20の材質と一対の側壁21の材質とが同じであることが好ましい。一対の側壁21は、可撓性を有するフィルムであってもよい。すなわち、一対の側壁21は、力が一対の側壁21に加わった場合、一対の側壁21がインク収容室11に向かって撓む程度の厚みを有していてよい。例えば、一対の側壁21は、インク収容室11の内部が大気圧に対して減圧された場合、インク収容室11の内部の圧力とインク収容室11の外の大気圧との圧力差によって一対の側壁21がインク収容室11に向かって撓む程度の厚みを有していてよい。
図4(A)は、図2(B)に示されているIVA−IVA線に従うインクカートリッジ10の断面図であり、図4(B)は、図2(A)に示されているIVB−IVB線に従うインクカートリッジ10の断面図である。図2(A)から図4(B)に示されているように、インクカートリッジ10は、フレーム20の前壁22に位置する、インク供給部50と大気導入部60とを有する。インク供給部50は、フレーム20の下壁25に近い位置に位置しており、大気導入部60はフレーム20の上壁24に近い位置に位置している。
図4(B)に示されているように、インク供給部50は、円筒形状のインク供給室51と、樹脂製の弁体52と、ゴム製のシール部材53と、金属製のコイルスプリング54と、樹脂製のキャップ56とを有する。インク供給室51は、フレーム20の前壁22から奥行き方向13にインク収容室11から遠ざかるように延びており、インク供給室51は、第1端51Aと、奥行き方向13において第1端の反対側に位置する第2端51Bとを有する。第1端51Aは、第2端51Bよりもインク収容室11に近い。インク供給室51は、第1端51Aにおいて、インク収容室11と連通している。インク供給室51の第2端51Bはフレーム20の外に開口しており、インク供給室51の第2端51Bには、シール部材53が配置されている。シール部材53には、奥行き方向13にシール部材53を貫通する円筒形状の開口53Aが形成されている。キャップ56は、フレーム20に溶着されている。キャップ56には、奥行き方向13にキャップ56を貫通する略円錐形状の開口56Aが形成されている。シール部材53は、弾性変形した状態で、インク供給室51の第2端51Bを画定しているフレーム20の一部とキャップ56とに挟まれている。この結果、インク供給室51の第2端51Bを画定しているフレーム20の一部とシール部材53との間を介してのインク供給室51とインクカートリッジ10の外との間の連通が遮断されている。
弁体52とコイルスプリング54とは、インク供給室51内に配置されている。突起57がインク供給室51の第1端51Aから第2端51Bに向かって延びている。突起57がコイルスプリング54の一端に挿入されることにより、コイルスプリング54が突起57に取り付けられている。弁体52は円筒形状の突起を有しており、弁体52の突起がコイルスプリング54の他端にに挿入されることにより、コイルスプリング54が弁体52に取り付けられている。コイルスプリング54は圧縮された状態にあり、弁体52をシール部材53に向かって押している。弁体52はシール部材53に接触しており、開口53Aの一端を覆っている。この結果、開口53Aを介しての、インク供給室51とインクカートリッジ10の外との間の連通が遮断されている。
同様に、大気導入部60は、円筒形状の大気導入室61と、樹脂製の弁体62と、ゴム製のシール部材63と、金属製のコイルスプリング64と、樹脂製のキャップ66とを有する。大気導入室61は、フレーム20の前壁22から奥行き方向13にインク収容室11から遠ざかるように延びており、大気導入室61は、第1端61Aと、奥行き方向13において第1端の反対側に位置する第2端61Bとを有する。第1端61Aは、第2端61Bよりもインク収容室11に近い。大気導入室61は、第1端61Aにおいて、インク収容室11と連通している。大気導入室61の第2端61Bはフレーム20の外に開口しており、インク供給室61の第2端61Bには、シール部材63が配置されている。シール部材63には、奥行き方向13にシール部材63を貫通する円筒形状の開口63Aが形成されている。キャップ66は、フレーム20に溶着されている。キャップ66には、奥行き方向13にキャップ66を貫通する略円錐形状の開口66Aが形成されている。シール部材63は、弾性変形した状態で、大気導入室61の第2端61Bを画定しているフレーム20の一部とキャップ66とに挟まれている。この結果、大気導入室61の第2端61Bを画定しているフレーム20の一部とシール部材63との間を介しての大気導入室61とインクカートリッジ10の外との間の連通が遮断されている。
弁体62とコイルスプリング64とは、大気導入室61内に配置されている。突起67が大気導入室61の第1端61Aから第2端61Bに向かって延びている。突起67がコイルスプリング64の一端に挿入されることにより、コイルスプリング64が突起67に取り付けられている。弁体62は円筒形状の突起を有しており、弁体62の突起がコイルスプリング64の他端に挿入されることことにより、コイルスプリング64が弁体62に取り付けられている。コイルスプリング64は圧縮された状態にあり、弁体62をシール部材63に向かって押している。弁体62はシール部材63に接触しており、開口63Aの一端を覆っている。この結果、開口63Aを介しての、大気導入室61とインクカートリッジ10の外との間の連通が遮断されている。
図2(A)から図4(B)に示されているように、フレーム20は、前壁22に凸部70を有する。凸部70は、前壁22から奥行き方向13に、背壁23から遠ざかる方向に延びている。凸部70は、略直方体形状を有しており、幅方向12における凸部70の幅は前壁22の幅より小さい。凸部70は、前壁71と、前壁71と前壁22とにつながっている一対の側壁72と、前壁71、前壁22、および、一対の側壁72につながっている上壁73と、高さ方向14において上壁73の反対側に位置し、前壁71、前壁22、および、一対の側壁72につながっている下壁74とを有する。図4(B)に示されているように、凸部70は、前壁71、一対の側壁72、上壁73、および、下壁74によって画定される内部空間75を有する。内部空間75は、インク収容室11の一部である。前述の通り、フレーム20は光透過性を有しているので、例えば、可視光や赤外光が凸部70を通過することができる。
<揺動部材の構成>
図3から図4(B)に示されているように、インクカートリッジ10は、揺動部材90を有し、揺動部材90は、インク収容室11内に配置されている。図5(A)及び図5(B)は、それぞれ、揺動部材90がインクカートリッジ10から取り外された状態における、図4(A)及び4(B)に対応するインクカートリッジ10の断面図である。図3から図5(B)に示されているように、インクカートリッジ10は、フレーム20の下壁25から上壁24に向かって延びる一対の支持部材80を有する。揺動部材90はインク収容室11内で支持部材80に支持されている。
図3から図5(B)に示されているように、一対の支持部材80は、幅方向12に並んでいる。各支持部材80は、土台81と、支持部82とを有する。土台81の下端は下壁25につながっており、土台81の上端は支持部82につながっている。支持部82は、側面視において、略C字形状を有している。
揺動部材90は、黒顔料、例えば、カーボンブラックが添加された、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリオレフィン、アクリル樹脂等の樹脂材料により形成されている。揺動部材90にカーボンフラックが添加されているため、揺動部材90に光、例えば、可視光や赤外光、が照射された場合、揺動部材90は光を遮断する。すなわち、揺動部材90が光を吸収するので、光は揺動部材90を通過することができない。
図6は、揺動部材90の斜視図である。図6に示されているように、揺動部材90は、略直方体形状の遮光部91と、略円筒形状の浮き部92と、略直方体形状の接続部93と、略円筒形状の軸94とを有している。接続部93の一端は遮光部91とつながっており、接続部93の他端は浮き部92とつながっている。軸94は、接続部93から幅方向12に延びている。
図4(A)に示されているように、揺動部材90の接続部93は、幅方向12において、一対の支持部材80の間に位置している。軸94が接続部93から一対の支持部82の内部を通って幅方向12に延びている。揺動部材90は、軸94の幅方向12に延びる中心軸を揺動中心として揺動可能に、一対の支持部82に支持されている。揺動部材90は、奥行き方向13及び高さ方向14に略平行な面内において、インク収容室11に対して揺動可能である。
浮き部92は内部に空洞を有しており、浮き部92の比重は、インク収容室11に収容されるインクの比重より小さい。浮き部92の体積は、遮光部91、接続部93、及び、軸94の体積の合計よりも大きい。また、浮き部92の質量は、遮光部91、接続部93、及び、軸94の質量の合計よりも大きい。よって、揺動部材90の動きは、浮き部92に加わる浮力と重力との関係から説明できる。インク収容室11内のインクの液面下に浮き部92が沈んでいるときは、浮き部92に加わる浮力が重力に勝るので、
浮き部92は、インク収容室11に収容されたインクの液面に浮こうとする。よって、揺動部材90には、揺動部材90を図4(B)において反時計方向に移動させる力が加わる。一方、浮き部92の一部がインクの液面から露出すると、浮き部92に加わる浮力と重力とが等しくなる。インクの液面がさらに下降すると、浮き部92はインクの液面に従って下降する。浮き部92の下降に従い、揺動部材90は、図4(B)において時計方向に移動する。
図4(B)に示されているように、遮光部91は、凸部70の内部空間75内に位置する。
浮き部92の表面には、強磁性体92Aの膜が、例えば、蒸着、無電解メッキ等の方法で形成されている。強磁性体92Aは、例えば、鉄、コバルト、もしくは、ニッケル等を含む。
<インク供給装置及び装着部の構成>
図7から図9を参照して、4つの装着部300を有するインク供給装置30の構成について説明する。図中、水平面に平行な方向であって、互いに垂直な2つの方向をそれぞれ、X方向及びY方向とし、X方向及びY方向に垂直であって、重力方向に平行な方向をZ方向とする。
図7は、インク供給装置30の正面図である。2つのインクカートリッジ10が2つの装着部300にそれぞれ装着されている。図8は、インク供給装置30の側面図である。図9は、図7に示されているIX−IX線に従う装着部300の断面図である。ただし、便宜上、光学センサ330、リミットスイッチ335、ソレノイド340、及び、鉄芯341は、その側面が示されている。また、光路330Dの位置も便宜上示されている。
図7から図9に示されているように、各装着部300は略直方体形状を有する。各装着部300は、下壁301と、一対の側壁302と、上壁303と、背壁304とを有する。一対の側壁302は、下壁301のX方向の両端部からそれぞれZ方向に延びている。上壁303は、一対の側壁302の下壁301とは反対側の端部の間に架け渡されている。背壁304は、下壁301と、一対の側壁302と、上壁303とにつながっている。下壁301、一対の側壁302、及び、上壁303の、背壁304とは反対側の端部によって、開口305が画定されている。下壁301の背壁304とは反対側の端部の下面には、凹部301Aが形成されている。インクカートリッジ10は、開口305から背壁304に向かって装着部300内に挿入されることにより、装着部300に取り外し可能に装着される。
円筒形状の軸306が一対の側壁302の一方から他方にかけてX方向に延びている。軸306は、Y方向において、上壁303と並んでいる。軸306は、上壁303の背壁304とは反対側の端部の近くに位置している。
インク供給装置30は、さらに、4つの略直方体形状のドア310を有する。4つのドア310はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。ドア310の一端は2つの突起311を有する。各突起311には、突起311をX方向に貫通する開口が形成されている。軸306は、各突起311に形成されている開口を通って延びており、ドア310は軸306を中心として揺動可能なように、軸306に支持されている。ドア310の他端は、爪312を有する。ドア310が閉められると、すなわち、ドア310が装着部300に向かって移動して、爪312が凹部301Aに引っ掛かると、開口305がドア310によって覆われる。
図7及び図9に示されているように、インク供給装置30は、4つの円筒形状のインク供給筒320を有する。なお、図7においては、4つのインク供給筒320のうち2つが示されており、図9においては、4つのインク供給筒320のうち1つが示されている。4つのインク供給筒320はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。インク供給筒320は、装着部300の背壁304に固定されており、背壁304から、開口305に向かって、突出している。インク供給筒320は、背壁304を貫通して、装着部300の外まで延びている。インク供給筒320は、装着部300の外において、チューブ350の内部に挿入されてチューブ350に取り付けられている。さらに、円形のクランプ(バンド)をチューブ350の外周に接触させ、そのクランプを締め付けることによって、チューブ350とインク供給筒320との取り付けを、より確実に行ってもよい。
図7及び図9に示されているように、インク供給装置30は、4つの円筒形状の大気導入筒325を有する。なお、図7においては、4つの大気導入筒325のうち2つが示されており、図9においては、4つの大気導入筒325のうち1つが示されている。4つのインク大気導入筒325はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。大気導入筒325は、装着部300の背壁304に固定されており、背壁304から、開口305に向かって、突出している。大気導入筒325は、背面壁304を貫通して、装着部300の外面に達している。
<光学検知部の構成>
図7及び図9に示されているように、インクジェットプリンタ100は、光学検知部の一例である4つの光学センサ330を備えている。なお、図7においては、4つの光学センサ330のうち2つが、図9においては、4つの光学センサ330のうち1つが示されている。4つの光学センサ330はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。図10は、光学センサ330の斜視図である。図10に示されているように、各光学センサ330は略直方体形状の基部330Aと、略直方体形状の発光部330Bと、略直方体形状の受光部330Cとを有する。光学センサ330は、装着部300の背壁304をY方向に貫通して形成されている開口内に配置されて、背壁304に固定されている。発光部330Bは、基部330AのX方向の一端から、装着部300の開口305に向かって延びている。また、受光部330Cは、基部330AのX方向の他端から、装着部300の開口305に向かって延びている。発光部330Bと受光部330CとはX方向に並んでいる。発光部330Bの受光部330Cと対向する面には長方形状のスリットが形成されている。発光部330Bは発光部330Bに形成されたスリットを介して、受光部330Cに向かって、光、例えば、可視光または赤外光を発する。受光部330Cの発光部330Bと対向する面には長方形状のスリット(不図示)が形成されている。受光部330Cは、受光部330Cに形成されたスリットを介して、発光部330Bから発せられた光を受光する。発光部330Bから受光部330Cの間に光路330Dが形成される。
受光部330Cが、発光部330Bから発せられた光を所定の強度以上で受けているとき、受光部330Cは所定の値以上の電圧を出力する。受光部330Cが、発光330Bから発せられた光を所定の強度未満で受けているとき、受光部330Cは所定の値未満の電圧を出力する。受光部330Cが、発光部330Bから発せられた光を所定の強度未満で受けているときは、受光部330Cが、発光部330Bから発せられた光を全く受けていないとき、すなわち、受光部330Cが受けている光の強度がゼロのときも含む。また、受光部330Cが所定の値未満の電圧を出力するとは、受光部330Cが全く電圧を出力しない、すなわち、受光部330Cが出力する電圧値がグラウンドレベルのときも含む。このように、受光部330Cは予め決められた2つの状態をとる。後述するインクジェットプリンタ100の制御部400は、受光部330Cが所定の値以上の電圧を出力しているとき、受光部330CがON状態であると判断し、受光部330Cが所定の値未満の電圧を出力しているとき、受光部330CがOFF状態であると判断する。
<装着検知部の構成>
図7及び図9に示されているように、インクジェットプリンタ100は、装着検知部の一例である4つのリミットスイッチ335を備えている。なお、図7においては、4つのリミットスイッチ335のうち2つが、図9においては、4つのリミットスイッチ335のうち1つが示されている。4つのリミットスイッチ335はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。リミットスイッチ335は、装着部300の背壁304をY方向に貫通して形成されている開口内に配置されて、背壁304に固定されている。リミットスイッチ335は、ケース335Aと、ケース335Aの内部からケース335Aの外へ延びており、ケース335Aに対して移動可能なアクチュエータ335Bとを有している。ケース335Aの内部において、不図示の可動接点がアクチュエータ335Bに固定されている。可動接点はアクチュエータ335Bとともに、ケース335Aに対して移動可能である。ケース335Aの内部には、ケースに対して固定されている不図示の固定接点が配置されている。アクチュエータ335Bのケース335Aに対する位置により、可動接点は、固定接点と接触した状態および固定接点から離れた状態をとり得る。
可動接点が固定接点に接触しているとき、リミットスイッチ335は、所定の値以上の電圧を出力する。可動接点が固定接点から離れているとき、リミットスイッチ335は、所定の値未満の電圧を出力する。リミットスイッチ335が所定の値未満の電圧を出力するとは、リミットスイッチ335が全く電圧を出力しない、すなわち、リミットスイッチ335が出力する電圧値がグラウンドレベルのときも含む。このように、リミットスイッチ335は予め決められた2つの状態をとる。後述するインクジェットプリンタ100の制御部400は、リミットスイッチ335が所定の値以上の電圧を出力しているとき、リミットスイッチ335がON状態であると判断し、リミットスイッチ335が所定の値未満の電圧を出力しているとき、リミットスイッチ335がOFF状態であると判断する。インクカートリッジ10が装着部300に装着されていないときは、リミットスイッチ335の可動接点は固定接点から離れており、リミットスイッチ335はOFF状態と判断される。
<磁界発生部の構成>
図9に示されているように、インクジェットプリンタ100は、装着部300に配置された、磁界発生部の一例である4つのソレノイド340と4つの鉄芯341とを備えている。なお、図9においては、4つのソレノイド340及び4つの鉄芯341のうち、1つのソレノイド340及び鉄芯341が示されている。4つのソレノイド340及び4つの鉄芯341はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。ソレノイド340は、円筒形状の鉄芯341の周りに巻かれている。ソレノイド340に電流が流されると、ソレノイド340及び鉄芯341は磁界を発生する。下壁301の下面には凹部が形成されており、ソレノイド340及び鉄芯341は、その凹部内から下壁301の外へZ方向に延びている。
<装着部とインクカートリッジとの関係>
図11は、図9に示されている装着部300にインクカートリッジ10が装着された状態における、図7に示されているIX−IX線に従うインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。ただし、便宜上、光学センサ330、リミットスイッチ335、ソレノイド340、及び、鉄芯341は、その側面が示されている。図中、ドア310は閉められている。インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、幅方向12がX方向に一致し、奥行き方向13がY方向に一致し、高さ方向14がZ方向に一致する。
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着され、ドア310が閉められると、凸部70が光学センサ330の発光部330Bと受光部330Cとの間に位置し、一対の側壁72の一方が発光部330Bに対向し、他方が受光部330Cに対向する。このとき、光路330Dが一対の側壁72と交わる。また、光路330Dは、揺動部材90の揺動に伴い遮光部91がインク収容室11及び光学センサ330に対して移動するときの遮光部91の移動軌跡と交わる。光路330Dが遮光部91と交わるときは、遮光部91は、発光部330Bから発せられた光を遮断する。このとき、受光部330Cの状態はOFF状態と判断される。光路330Dが遮光部91と交わらないときは、発光部330Bから発せられた光は一対の側壁72を通過し、受光部330Cに到る。このとき、受光部330Cの状態はON状態と判断される。
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、凸部70の前壁71がリミットスイッチ335のアクチュエータ335Bに接触し、アクチュエータ335Bをケース335Aの中に押し込む。このとき、リミットスイッチ335の可動接点は固定接点と接触し、リミットスイッチ335はON状態と判断される。このように、リミットスイッチ335により、インクカートリッジ10が装着部300に装着されていることを検知できる。
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、インク供給筒320が、キャップ56の開口56A及びシール部材53の開口53Aを通って、コイルスプリング54が弁体52を押す力に抗して、弁体52をインク供給室51の第1端51Aに向かって押す。このとき、シール部材53は、インク供給筒320の外周に弾性変形しつつ接触する。弁体52は、インク供給室51の第1端51Aに向かって押されると、シール部材53から離れる。この結果、インク供給室51がインク供給筒320を介してチューブ350と連通する。よって、インク収容室11が、インク供給室51、インク供給筒320、及び、チューブ350を介して、サブタンク135と連通し、インク収容室11からサブタンク135へのインクの供給が可能となる。
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、大気導入筒325が、キャップ66の開口66A及びシール部材63の開口63Aを通って、コイルスプリング64が弁体62を押す力に抗して、弁体62を大気導入室61の第1端61Aに向かって押す。このとき、シール部材63は、大気導入筒325の外周に弾性変形しつつ接触する。弁体62は、大気導入室61の第1端61Aに向かって押されると、シール部材63から離れる。この結果、大気導入室61が大気導入筒325を介して装着部300の外の空間と連通する。よって、インク収容室11が、大気導入室61、及び、大気導入筒325を介して、装着部300の外の空間と連通し、装着部300の外の空間からインク収容室11に大気を導入することが可能となる。
図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、浮き部92及び強磁性体92Aと、ソレノイド340及び鉄芯341とは、Z方向に並ぶ。すなわち、ソレノイド340及び鉄芯341は、浮き部92及び強磁性体92Aの下方に位置する。
<電気的構成>
図12は、インクジェットプリンタ100の電気的構成の概略を示すブロック図である。図12に示されているように、インクジェットプリンタ100は、制御部400を有する。制御部400は、インクジェットプリンタ100の動作を制御し、また、各種の判断を行うように構成されている。制御部400は、中央処理装置(Central Processing Unit、略してCPU)402、リードオンリーメモリ(Read−Only Memory、略してROM)404、ランダムアクセスメモリ(Ramdom Access Memory、略してRAM)406、エレクトリカリーイレイザブルプログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory、略してEEPROM)408、及び、アプリケーションスペスィフィックインテグレイティッドサーキット(Application Specific Integrated Circuit、略してASIC)410を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。
ROM404には、CPU402がインクジェットプリンタ100の各種動作を制御するためのプログラムや、後述する図14のフローチャートに示されている判断処理を実行するプログラム等の各種判断を行うためのプログラムなどが格納されている。RAM406には、CPU402が上記プログラムを実行する際に各種データを一時的に記憶する記憶領域又は作業領域として使用される。EEPROM408には、インクジェットプリンタ100の電源をオフした後も保持すべき情報が格納される。
ASIC410には、ヘッド制御基板133、光学センサ330、リミットスイッチ335、及び、ソレノイド駆動回路342が電気的に接続されている。なお、図示されていないが、給紙装置110や搬送装置120を駆動させる駆動回路や、外部のパーソナルコンピュータとの間で信号を入出力するための入出力部や、ユーザーがインクジェットプリンタ100に対して印刷指示等を行うための指示入力部や、各種の情報をユーザーに対して表示する表示部なども、ASIC410に電気的に接続されている。
ソレノイド駆動回路342はソレノイド340に電気的に接続されている。制御部400がソレノイド駆動回路342に信号を入力すると、ソレノイド駆動回路342は、ソレノイド340に電流を流す。制御部400及びソレノイド駆動回路342は、磁界制御部の一例である。
制御部400は、外部のパーソナルコンピュータ(不図示)や指示入力部(不図示)から印刷指示を受けた場合、ヘッド制御基板133に信号を送る。ヘッド制御基板133は、制御部から400から受けた信号に基づいて、記録ヘッド132からのインク吐出を制御するように構成されている。
光学センサ330の発光部330Bは、制御部400から信号を受けると、光、例えば、可視光や赤外光を発するように構成されている。
制御部400は、必要に応じて、光学センサ330の受光部330Cの状態、及び、リミットスイッチ335の状態がON状態かOFF状態かを判断するように構成されている。制御部400は、図14のフローチャートに示されているように、光学センサ330の受光部330Cの状態、及び、リミットスイッチ335の状態を所定の複数のステップに従って判断することにより、装着部300に装着されたインクカートリッジ10が正常か否かを判断するように構成されている。
<動作及び作用>
以上説明した構成からなる本実施形態の動作及び作用について、図面を参照して説明する。
図11及び図13を参照して、ソレノイド340に電流が流されたときの揺動部材90の動作を説明する。図13は、ソレノイド340に電流が流されたときの図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。なお、図11においては、ソレノイド340に電流が流されていない。
新品のインクカートリッジ10は、揺動部材90がインク中に沈む程度の量のインクをインク収容室11内に有している。すなわち、インク収容室11内で、揺動部材90は、インクの液面下にある。図11に示されているように、インクカートリッジ10が装着部300に装着された状態において、浮き部92は、インク収容室11に収容されているインクの液面Lに近づこうとする。浮き部92がインクの液面Lに近づこうとすると、揺動部材90は、図11において、反時計方向に移動しようとする。しかしながら、遮光部91が下壁74に接触しているため、揺動部材90の移動が規制され、揺動部材90は、遮光部91が下壁74に接触した姿勢を保つ。このとき、遮光部91は光路330Dと交わっており、発光部330Bから光が発せられた場合、遮光部91はその光を遮断する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはOFF状態と判断される。下壁74は本発明の接触部の一例である。
ソレノイド340に電流が流されると、ソレノイド340と鉄芯341とは、磁界を発生する。磁界が発生すると、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが変化する。すなわち、ソレノイド340に電流が流されていない場合には、強磁性体92Aのまわりに磁界が発生していない、つまり、磁界の強さはゼロであるが(地磁気の影響や、インクジェットプリンタ100の他の部分が発生する磁界は無視し得る)、ソレノイド340に電流が流されると、強磁性体92Aのまわりに、ある強さの磁界が発生する。
ソレノイド340に電流が流されていない場合には、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さはゼロであるので、強磁性体92Aが磁界から受ける力の強さはゼロである。ソレノイド340に電流が流されると、強磁性体92Aが磁界から力を受ける。その力は浮力に勝り、浮き部92はソレノイド340に近づくように動く。浮き部92がソレノイド340に近づくように動くと、揺動部材90は、図11において、時計方向に移動し、図13に示されているように、浮き部92が下壁25に接触した姿勢で静止する。このとき、遮光部91は光路330Dに交わっておらず、発光部330Bから光が発せられた場合、その光は、凸部70の一対の側壁72を通って、受光部330Cに達する。すなわち、発光部330Bから光が発せられた場合、受光部330CはON状態と判断される。
ソレノイド340に電流を流すことが停止されると、磁界が消失し、揺動部材90は図13において、反時計方向に移動し、図11に示されているように、遮光部91が下壁74に接触した姿勢で静止する。
図14は、制御部400によって行われるインクカートリッジ10が正常か否かを判断する処理のステップを示すフローチャートである。制御部400は、リミットスイッチ335の状態を監視し、リミットスイッチ335の状態がOFF状態からON状態になったときに、図14の判断処理を開始する。すなわち、図14の判断処理は、装着部300にインクカートリッジ10が装着されたことが検知されたときに、開始される。なお、判断処理の途中において、リミットスイッチ335の状態がON状態からOFF状態となった場合には、制御部400は、例えば、インクジェットプリンタ100の表示部(不図示)に所定のメッセージを表示させ、インクカートリッジ10を装着部300に再装着するようユーザーに促す。
以下、判断処理における各ステップをSと略す。判断処理が開始されると、制御部400は、S1において、光学センサ330の発光部330Bを発光させ、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態をRAM406の記憶領域Iに記憶する。その後、制御部400は、S2において、ソレノイド340に電流を流すようソレノイド駆動回路342に信号を入力する。その後、制御部400は、S3において、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態を記憶領域Jに記憶する。その後、制御部400は、光学センサ330の発光部330Bの発光を中止し、S4において、記憶領域Iに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態と記憶領域Jに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態とを比較する。制御部400は、S4において、受光部330Cの状態が異なると判断した場合には、S5において、インクカートリッジ10が正常であると判断し、判断処理を終了する。その後、制御部400は、ソレノイド340に電流を流すのを停止すべくソレノイド駆動回路342に信号を入力するのを停止する。そして、制御部400は、外部のパーソナルコンピュータ(不図示)からの印刷指示や、指示入力部(不図示)からの印刷指示を待つ。制御部400は、S4において、受光部330Cの状態が同じと判断した場合には、S6においてインクカートリッジ10が異常であると判断し、判断処理を終了する。この場合、制御部400は、ソレノイド340に電流を流すのを停止すべくソレノイド駆動回路342に信号を入力するのを停止する。そして、制御部400は、インクジェットプリンタ100の表示部(不図示)に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10が異常であることを通知する、または、ユーザーにインクカートリッジ10を交換するよう通知する等の処理を行う。また、外部のパーソナルコンピュータ(不図示)からの印刷指示や、指示入力部(不図示)からの印刷指示を受けても、ヘッド制御基板133に信号を送らない等の処理を行う。
装着部300に装着されたインクカートリッジ10が新品で、正常であれば、すなわち、揺動部材90を有しており、揺動部材90が正常に揺動すれば、記憶領域Iに記憶された受光部330Cの状態はOFF状態であり、記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態はON状態であるので、制御部400は、上記の判断処理において、インクカートリッジ10が正常であると判断する。装着部300に装着されたインクカートリッジ10が異常である、例えば、揺動部材90の動きが阻害されている、もしくは、インクカートリッジ10が揺動部材90を有していない場合には、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが変化しても、受光部330Cの状態は変わらない。すなわち、記憶領域Iに記憶された受光部330Cの状態と記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態とは同じになり、制御部400は、上記の判断処理において、インクカートリッジ10が異常であると判断する。本実施形態の制御部400及びS4からS6は、本発明の状態判断部の一例である。
制御部400が上記の判断処理を行う結果、インクカートリッジ10が装着部300に装着される早期の段階で、インクカートリッジ10の正常状態もしくは異常状態を判断することができる。よって、異常状態のインクカートリッジ10が装着されたことに対する対処が可能となる。
インクカートリッジ10を装着部300に装着したときに、揺動部材90の動きが、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力により阻害されている場合に、磁界が発生すると、強磁性体92Aが磁界から受ける力が表面張力に勝り、揺動部材90が移動する。よって、制御部400は、上記の判断処理において、インクカートリッジ10が正常であると判断する。揺動部材が移動すると、泡は破壊され、その後、揺動部材は正常に動作できる。すなわち、揺動部材90の機能が回復される。
ソレノイド340及び鉄芯341は、揺動部材90と接触することなく、揺動部材90を移動させることができるので、揺動部材90に接触して揺動部材を移動させる方式と比べ、インク収容室11からインクカートリッジ10の外へインクが漏れだす可能性が小さい。
制御部400は、S1からS6の間、常に発光部330Bを発光させていてもよいし、S1及びS3のみにおいて、発光部330Bを発光させてもよい。
本実施形態においては、例えば、4つのインクカートリッジ10がそれぞれ4つの装着部300に装着される。上記のインクカートリッジ10が正常か否かの判断処理は、各インクカートリッジ10毎に行われる。
制御部400は、インクカートリッジ10が正常であると判断した後、外部のパーソナルコンピュータ(不図示)や、指示入力部(不図示)から印刷指示を受けた場合、給紙装置110と搬送装置120とを駆動させる駆動回路(不図示)に信号を送り、給紙装置110と搬送装置120に記録用紙を給紙、搬送させつつ、ヘッド制御基板133に信号を送り、記録ヘッド132から記録用紙に上にインクを吐出させる。それに伴い、インク収容室11からサブタンク135にインクが供給される。制御部400は、光学センサ330の発光部330Bを発光させ、受光部330Cの状態を監視する。すなわち、受光部330Cの状態を定期的に判断する。
図15は、インク収容室11に収容されているインクの量が第1の所定量であるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。図16は、インク収容室11に収容されているインクの量が第2の所定量であるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。図17は、インク収容室11にインクが収容されていないときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
インク収容室11からサブタンク135にインクが供給されていき、インク収容室11内に収容されているインクが第1の所定量に達すると、インクの液面Lは図15に示されている位置に位置する。このとき、揺動部材90の浮き部92の一部がインクの液面Lからインク収容室11内の空気中に露出し、揺動部材90に加わる重力と浮力とが等しくなる。
インク収容室11からサブタンク135にインクがさらに供給されていくと、揺動部材90は、インクの液面Lの低下に従って、図15において、時計方向に回る。そして、インク収容室11内に収容されているインクが第2の所定量に達すると、インクの液面Lは図16に示されている位置に位置する。このとき、遮光部91は光学センサ330の光路330Dから外れ、発光部330Bから発せられた光は、凸部70の一対の側壁72を通過して、受光部330Cに達する。すなわち、受光部330Cの状態はOFF状態からON状態となる。
受光部330Cの状態が、OFF状態からON状態になったと判断した場合、制御部400は、インク収容室11に収容されていれるインクの量が第2の所定量になったと判断し、それ以後、記録ヘッド132がインクを吐出した回数を数え始める。また、制御部400は、例えば、インクジェットプリンタ100の表示部(不図示)に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10内のインク残量が少ないことを通知する。
その後、記録ヘッド132がインクを吐出した回数が所定の回数に達した場合、制御部400は、記録ヘッド132がインクを吐出することを中止させ、例えば、インクジェットプリンタ100の表示部(不図示)に所定のメッセージを表示させ、ユーザーにインクカートリッジ10が空になったことを通知したり、ユーザーにインクカートリッジ10を新しいものに交換するよう促したりする。このとき、インク収容室11に収納されているインクの実際の量はゼロでなくても構わないが、少ないほうが好ましい。インク収容室11にインクが収容されていないときは、図17に示すように、浮き部92は、下壁25に接触する。
本実施形態においては、遮光部91は、発光部330Bから発せられた光を遮断するものであったが、発光部330Bからから発せられた光の光路を変更するものであってもよい。例えば、遮光部にアルミ箔が蒸着されており、遮光部は発光部から発せられた光を反射するものであってよい。
本実施形態においては、受光部330Cは、発光部330Bから発せられた光が、遮光部91によって遮光されないときに、光を受けるものであった。しかしながら、遮光部が発光部からから発せられた光を反射するものである場合、受光部は、発光部から発せられた光が、遮光部によって反射されたときに、その反射された光を受けるものであってもよい。
本実施形態においては、強磁性体92Aの膜が浮き部92に蒸着、無電解メッキ等の方法で形成されていたが、強磁性体の膜が浮き部に接着されていてもよい。また、揺動部材を樹脂成形する際に、強磁性体が浮き部に埋め込まれるようにして、揺動部材を成形してもよい。
インクジェットプリンタ100が鉄芯341を有しておらず、磁界発生部としてソレノイド340のみを有していてもよい。その場合は、ソレノイド340のみで磁界を発生させる。
[第2実施形態]
図18を参照して、本発明の第2実施形態であるインク吐出システムを説明する。第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付して、説明を省略する。第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態は、インクジェットプリンタ100がリミットスイッチ335を有していない点が第1実施形態と異なる。また、第2実施形態は、制御部400が行う判断処理が第1実施形態と異なる。
制御部300にインクカートリッジ10が装着されていないとき、光学センサ330の発光部330Bを発光させると、光学センサ330の受光部330Cの状態はON状態と判断される。一方、新品のインクカートリッジ10が制御部300に装着された場合、発光部330Bを発光させると、その光を遮光部91が遮光するので、受光部330Cの状態はOFF状態と判断される。よって、光学センサ330により、インクカートリッジ10が装着部300に装着されたことが検知できる。本実施形態においては、光学センサ330は本発明の装着検知部と光学検知部とを兼ねている
図18は、第2実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10が正常か否かを判断する処理のステップを示すフローチャートである。制御部400は、光学センサ330の発光部330Bを発光させ、受光部330Cの状態を監視し、光学センサ330の受光部330Cの状態がON状態からOFF状態になったときに、図18の判断処理を開始する。すなわち、図18の判断処理は、装着部300にインクカートリッジ10が装着されたことが検知されたときに、開始される。
判断処理が開始されると、制御部400は、S21において、ソレノイド340に電流を流すようソレノイド駆動回路342に信号を入力する。その後、制御部400は、S22において、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態がON状態であれば、S23において、インクカートリッジ10が正常であると判断し、判断処理を終了する。S22において、受光部330Cの状態がOFF状態であれば、S24においてインクカートリッジ10が異常であると判断し、判断処理を終了する。
判断処理の開始時は受光部330Cの状態はOFF状態である。装着部300に装着されたインクカートリッジ10が正常であれば、すなわち、揺動部材90を有しており、揺動部材90が正常に揺動すれば、ソレノイド340に電流が流されて磁界が発生し、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが変化した場合、揺動部材90が移動し、受光部330CはOFF状態からON状態となる。よって、制御部400が、S22において受光部330CがON状態か否かを判断することは、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さの変化の前後で、受光部330Cの状態がOFF状態からON状態に変化したか否かを判断することに等しい。制御部400は、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さの変化の前後で、受光部330Cの状態がOFF状態からON状態に変化した場合、S23において、インクカートリッジ10が正常と判断する。装着部300に装着されたインクカートリッジ10が異常である、例えば、揺動部材90の動きが阻害されている場合には、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが変化しても、受光部330Cの状態は変わらず、OFF状態のままである。この場合、制御部400は、S24において、インクカートリッジ10が異常であると判断する。本実施形態の制御部400及びS22からS24は、本発明の状態判断部の一例である。
[第3実施形態]
図19〜図23を参照して、本発明の第3実施形態であるインク吐出システムを説明する。第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付して、説明を省略する。第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第3実施形態は、インクカートリッジ10が記憶部500を有している点、インクジェットプリンタ100がコネクタ502を有している点、インクジェットプリンタ100がソレノイド駆動回路342ではなく、ソレノイド駆動回路542を有している点、及び、インクジェットプリンタ100がリミットスイッチ335を有していない点が第1実施形態と異なる。また、第3実施形態は、制御部400が行う判断処理が第1実施形態と異なる。
図19(A)は、第3実施形態のインクカートリッジ10の正面図であり、図19(B)は、第3実施形態のインクカートリッジ10の側面図である。図20は、第3実施形態のインク供給装置30の正面図である。図21は、第3実施形態のインクカートリッジ10が第3実施形態の装着部300に装着された状態における、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。
図19(A)、図19(B)、及び、図21に示されているように、インクカートリッジ10は記憶部500を有する。記憶部500は、前壁22の外表面に固定されており、凸部70とインク供給部50との間に位置する。記憶部500は、EEPROMを実装した半導体基板を有している。また、記憶部500は、複数の接続端子501を有している。複数の接続端子501は、記憶部500の外部に露出している。複数の端子501は、記憶部500のEEPROMと電気的に接続されている。
図20及び図21に示されているように、インクジェットプリンタ100は、4つのコネクタ502を有する。なお、図20においては、4つのコネクタ502のうち2つが、図21においては、4つのコネクタ502のうち1つが示されている。4つのコネクタ502はそれぞれ4つの装着部300に対応して配置されている。コネクタ502は、装着部300の背壁304をY方向に貫通して形成されている開口内に配置されて、背壁304に固定されている。コネクタ502は、光学センサ330とインク供給筒320との間に位置する。コネクタ502は、記憶部500の複数の接続端子501と同数の複数の電極503を有する。インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、記憶部500の複数の接続端子501とコネクタ503の複数の電極503とがそれぞれ接触する。
図22は、第3実施形態のインクジェットプリンタ100の電気的構成の概略を示すブロック図である。インクジェットプリンタ100はソレノイド駆動回路342の代わりに、ソレノイド駆動回路542を有している。ソレノイド駆動回路542は、ASIC410及びソレノイド340に電気的に接続している。インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、記憶部500が、コネクタ502を介してASIC410と電気的に接続される。より詳細には、記憶部500のEEPROMが記憶部500の複数の接続端子501とコネクタ503の複数の電極503とを介してASIC410と電気的に接続される。
制御部400がソレノイド駆動回路542に信号を入力していないときは、ソレノイド駆動回路542は、ソレノイド340に電流を流さない。インクカートリッジ10が装着部300に装着されているとき、ソレノイド340に電流が流されていない場合には、強磁性体92Aのまわりに磁界が発生していない、つまり、磁界の強さはゼロであるが(地磁気の影響や、インクジェットプリンタ100の他の部分が発生する磁界は無視し得る)、本実施形態においては、このときの強磁性体92Aのまわりの磁界の強さを第1の強さと呼ぶことにする。制御部400がソレノイド駆動回路542に第1の信号を入力すると、ソレノイド駆動回路542は、ソレノイド340に第1の強さの電流を流す。本実施形態においては、このとき発生する強磁性体92Aのまわりの磁界の強さを第2の強さと呼ぶことにする。磁界の第2の強さは、磁界の第1の強さより強い。制御部400がソレノイド駆動回路542に第2の信号を入力すると、ソレノイド駆動回路542は、ソレノイド340に第2の強さの電流を流す。本実施形態においては、このとき発生する強磁性体92Aのまわりの磁界の強さを第3の強さと呼ぶことにする。磁界の第3の強さは、磁界の第2の強さより強い。強磁性体92Aのまわりの磁界が強いときは、強磁性体92Aが磁界から受ける力が強く、強磁性体92Aのまわりの磁界が弱いときは、強磁性体92Aが磁界から受ける力が弱い。
磁界の第2の強さは、強磁性体92Aが磁界から受ける力が、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力に勝らないように設定されている。よって、揺動部材90の動きが、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力によって阻害されている場合、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さ以下であると、揺動部材90は、図21に示されているように、遮光部91が下壁74に接触した姿勢のまま移動しない。しかしながら、磁界の第2の強さは、インク収容室11内に泡が発生していない場合、強磁性体92Aが磁界から力を受けて、遮光部91が下壁74に接触した姿勢から図21において時計方向に移動するように設定されている。移動した揺動部材90は、浮き部92が下壁25に接触した状態で静止する。
一方、磁界の第3の強さは、強磁性体92Aが磁界から受ける力が、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力に勝るように設定されている。よって、揺動部材90の動きが、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力によって阻害されている場合であっても、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第3の強さであれば、揺動部材90は、遮光部91が下壁74に接触した姿勢から図21において時計方向に移動する。移動した揺動部材90は、浮き部92が下壁25に接触した状態で静止する。
磁界の第2の強さ、及び、磁界の第3の強さは、揺動部材90がインク中に沈む程度の量のインクをインク収容室11内に有しているインクカートリッジ10を用いて、インク収容室11内に泡を発生させた後、インクカートリッジ10を装着部300に装着し、ソレノイド340に電流を流し、どの強さの電流で揺動部材90が移動するか否かを確認する試験、及び、インク収容室11内に泡を発生させずに、ソレノイド340に電流を流し、どの強さの電流で揺動部材90が移動するか否かを確認する試験を繰り返すことにより、決定することができる。例えば、インク収容室11内に泡が発生していない場合は、揺動部材90が移動し、インク収容室11内に泡が発生している場合は、揺動部材90が移動しなかったときの電流の強さの平均値を電流の第1の強さとすることができる。また、インク収容室11内に泡が発生している場合でも揺動部材90が移動したときの電流の強さの最小値を電流の第2の強さとすることができる。磁界の強さは直接測定せず、ソレノイド340に第1の強さの電流が流れたとき、第2の強さの磁界が発生しており、ソレノイド340に第2の強さの電流が流れたとき、第3の強さの磁界が発生していると考える。なお、ソレノイド340に電流が流れていないとき、磁界の強さはゼロであるが、このとき、第1の強さの磁界が発生していると考える。
インクカートリッジ10が装着部300に装着されると、コネクタ502を介してASIC410と記憶部500との間で回路が形成されるので、装着部400は、インクカートリッジ10が装着部300に装着されたと判断できる。インクカートリッジ10が装着部300に装着されているとき、制御部400は、コネクタ502を介して、情報を記憶部500に書き込むことが可能である。
図23は、第3実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10が正常か否かを判断する処理のステップを示すフローチャートである。制御部400は、記憶部500がコネクタ502に接続されたと判断したとき、図23の判断処理を開始する。すなわち、図23の判断処理は、装着部300にインクカートリッジ10が装着されたことが検知されたときに、開始される。なお、判断処理の途中において、記憶部500がコネクタ502から離れたと判断した場合には、制御部400は、例えば、インクジェットプリンタ100の表示部(不図示)に所定のメッセージを表示させ、インクカートリッジ10を装着部300に再装着するようユーザーに促す。
判断処理が開始されると、制御部400は、S31において、光学センサ330の発光部330Bを発光させ、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態をRAM406の記憶領域Iに記憶する。その後、制御部400は、S32において、ソレノイド340に第1の強さの電流を流すようソレノイド駆動回路542に第1の信号を入力する。その後、制御部400は、S33において、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態をRAM406の記憶領域Jに記憶する。その後、制御部400は、光学センサ330の発光部330Bの発光を中止し、S34において、記憶領域Iに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態と記憶領域Jに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態とを比較する。制御部400は、S34において、受光部330Cの状態が異なると判断した場合には、S35において、インクカートリッジ10が正常であると判断し、判断処理を終了する。制御部400は、S34において、受光部330Cの状態が同じと判断した場合には、S36において、ソレノイド340に第2の強さの電流を流すようソレノイド駆動回路542に第2の信号を入力する。その後、制御部400は、S37において、光学センサ330の発光部330Bを発光させ、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態をRAM406の記憶領域Kに記憶する。その後、制御部400は、光学センサ330の発光部330Bの発光を中止し、S38において、記憶領域Jに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態と記憶領域Kに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態とを比較する。制御部400は、S38において、受光部330Cの状態が異なると判断した場合には、S39において、インクカートリッジ10が正常であると判断する。そして、制御部400は、S40において、S34では受光部330Cの状態が同じであったが、S38では受光部330Cの状態が異なったことを示す情報を、記憶部500のEEPROMに書き込み、判断処理を終了する。制御部400は、S38において、受光部330Cの状態が同じと判断した場合には、S41にて、インクカートリッジ10が異常であると判断する。そして、制御部400は、S42において、インクカートリッジ10が異常であったことを示す情報を、記憶部500のEEPROMに書き込み、判断処理を終了する。
装着部300に装着されたインクカートリッジ10が新品で、正常であれば、すなわち、揺動部材90を有しており、揺動部材90が正常に揺動すれば、記憶領域Iに記憶された受光部330Cの状態はOFF状態であり、記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態はON状態であるので、制御部400は、S35において、インクカートリッジ10が正常であると判断する。揺動部材90の動きが、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力によって阻害されている場合には、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第1の強さから第2の強さに変化しても、受光部330Cの状態は変わらない。すなわち、記憶領域Iに記憶された受光部330Cの状態と記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態とは同じとなる。しかしながら、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さから第3の強さに変化すると、揺動部材90が移動し、受光部330Cの状態が変化する。すなわち、記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態と記憶領域Kに記憶された受光部330Cの状態とは異なる。よって、制御部400は、S39において、インクカートリッジ10が正常であると判断する。また、制御部400は、S40において、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第1の強さから第2の強さに変化した前後で、受光部330Cの状態が変化せず、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さから第3の強さに変化した前後で、受光部330Cの状態が変化したことを示す情報を、記憶部500のEEPROMに書き込む。揺動部材90の動きが泡の表面張力以外の原因で阻害されている場合、例えば、一対の側壁21が可撓性を有するフィルムで形成されていて、揺動部材90が一対の側壁21に挟まれている場合、また、揺動部材90が、支持部82から脱落してしまっており、揺動できない場合、もしくは、インクカートリッジ10が揺動部材90を有していない場合には、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さから第3の強さに変化しても、受光部330Cの状態は変わらない。すなわち、記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態と記憶領域Kに記憶された受光部330Cの状態とは同じになる。よって制御部400は、S41において、インクカートリッジ10が異常であると判断する。また、制御部400は、S42において、インクカートリッジ10が異常であったことを示す情報を、記憶部500のEEPROMに書き込む。本実施形態の制御部400、S34、S35、及び、S38からS42は、本発明の状態判断部の一例である。
このように、制御部400は、揺動部材90の移動を阻害する原因を区別できる。記憶部500は、インクカートリッジ10に固定されており、インクカートリッジ10とともに装着部300から取り外されるので、リサイクルの一環として、使用済みのインクカートリッジ10、及び、異常のあったインクカートリッジ10を回収するシステムを構築しておけば、インクカートリッジ10の製造者は、インクカートリッジ10を回収することにより、記憶部500に記憶された情報も回収できる。インクカートリッジ10の製造者は、記憶部500に記憶された、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第1の強さから第2の強さに変化した前後で、受光部330Cの状態が変化せず、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さから第3の強さに変化した前後で、受光部330Cの状態が変化したことを示す情報をもとに、例えば、回収したインクカートリッジ10のうち、いつくのインクカートリッジ10において泡が発生していたかという、泡の発生率を知ることができる。そして、インクカートリッジ10の製造者は、その発生率と想定していた発生率とを比較することにより、より泡の発生が少なくなるインクを新たに開発する等の開発方針を決定するかもしれない。また、この情報に加えて、記憶部500に記憶された、インクカートリッジ10が異常であったことを示す情報をもとに、インクカートリッジ10の製造者は、例えば、揺動部材90の移動を阻害する主たる原因を知ることができる。主たる原因が、インク収容室11内に発生する泡であれば、インクカートリッジ10の製造者は、より泡の発生が少なくなるインクを新たに開発する等の開発方針を決定するかもしれない。主たる原因が、インク収容室11内に発生する泡以外であれば、インクカートリッジ10の製造者は、揺動部材90を支持部82から脱落しにくくする、一対の側壁21が可撓性のフィルムである場合に、揺動部材90が一対の側壁21に挟まれにくくする等の開発方針を決定するかもしれない。
なお、インクカートリッジ10が必ずしも記憶部500を有していなくてもよい。その場合には、制御部400内のEEPROM408に上記の情報が記憶される。リサイクルの一環として、ユーザーにとって不要となったインクジェットプリンタ100を回収するシステムを構築しておけば、インクジェットプリンタ100の製造者は、インクジェットプリンタ100を回収することにより、制御部400のEEPROM408に記憶された情報も回収することができる。
[第4実施形態]
図24〜図27を参照して、本発明の第4実施形態であるインク吐出システムを説明する。第3実施形態と同じ部分については、同じ符号を付して、説明を省略する。第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第4実施形態は、インクジェットプリンタ100が、ソレノイド340及び鉄芯341に代わり、永久磁石600を有している点、及び、インクジェットプリンタ100が、ソレノイド駆動回路542に代わり、カム602、モータ604、モータ駆動回路606を有している点、が第3実施形態と異なる。また、第4実施形態は、制御部400が行う判断処理が第3実施形態と異なる。
図24は、第4実施形態のインクカートリッジ10が第4実施形態の装着部300に装着された状態における、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。光学センサ330同様、便宜上、永久磁石600、ロッド601、及び、カム602は、その側面が示されている。図25は、永久磁石600、ロッド601、及び、カム602の側面図である。図25(A)は、永久磁石600が第1の位置にある状態を示し、図25(B)は、永久磁石600が第2の位置にある状態を示し、図25(C)は、永久磁石600が第3の位置にある状態を示している。図26は、第4実施形態のインクジェットプリンタ100の電気的構成の概略を示すブロック図である。 図27は、第4実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10が正常か否かを判断する処理のステップを示すフローチャートである。
図24に示されているように、インクジェットプリンタ100は、装着部300の下壁301の下面に形成された凹部内に配置された永久磁石600と、ロッド601とを有している。本実施形態の永久磁石600は、本発明の磁界発生部の一例である。永久磁石600としては、サマリウム、コバルトを含む合金磁石、ネオジウム、鉄、ホウ素を含む合金磁石、バリウム・フェライト磁石、または、ストロンチウム・フェライト磁石等が用いられる。永久磁石600はロッド601の一端に固定されている。インクジェットプリンタ100は、カム602を有しており、ロッド601の他端は、カム602の外周面に接触している。カム602は軸602Aを有し、軸602Aを中心として回る。カム602が回ると、ロッド601は、カム602の外周面に従って、Z方向に移動する。ロッド601が移動すると、永久磁石600は、装着部300の下壁301の下面に形成された凹部内でZ方向に移動する。インクカートリッジ10が装着部300に装着されたとき、永久磁石600は浮き部92の真下に位置する。
図26に示されているように、インクジェットプリンタ100は、カム602を駆動するモータ604と、モータ604を駆動するためのモータ駆動回路606とを有している。カム602の軸602Aは、モータ604の軸と減速機を介して連結されている。モータ駆動回路606は、ASIC410とモータ604とに電気的に接続されており、ASIC410から信号を受けて、モータ604を駆動する。モータ604が駆動されると、カム602が回る。
本実施形態では、インクカートリッジ10が装着部300に装着されているときであって、永久磁石600が図25(A)に示されている第1の位置に位置するときの強磁性体92Aのまわりの磁界の強さを第1の強さと呼ぶ。モータ604が駆動されると、カム602が図25(A)において反時計方向に回る。カム602が回ると、永久磁石600は第1の位置から、インクカートリッジ10の下壁25に向かって動き、図25(B)に示されている第2の位置に到達する。本実施形態では、永久磁石600が第2の位置に位置するとき、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さを第2の強さと呼ぶ。第2の位置は第1の位置にくらべて強磁性体92Aに近いので、強磁性体92Aのまわりの磁界の第2の強さは第1の強さより強い。カム602が図25(B)においてさらに、反時計方向に回ると、永久磁石600は第2の位置から、インクカートリッジ10の下壁25に向かって動き、図25(C)に示されている第3の位置に到達する。本実施形態では、永久磁石600が第3の位置に位置するとき、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さを第3の強さと呼ぶ。第3の位置は第2の位置にくらべて強磁性体92Aに近いので、強磁性体92Aのまわりの磁界の第3の強さは第2の強さより強い。本実施形態の制御部400、カム602、モータ604、及び、モータ駆動回路606は、本発明の磁界制御部の一例である。
磁界の第1の強さは、揺動部材90の動きが阻害されておらず、揺動部材90が正常に動く場合であっても、強磁性体92Aが磁界から受ける力が浮力に勝らず、揺動部材90が移動しないように設定されている。揺動部材90は、図24に示されているように、遮光部91が下壁74に接触した姿勢のまま移動しない。
磁界の第2の強さは、強磁性体92Aが磁界から受ける力が、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力に勝らないように設定されている。よって、揺動部材90の動きが、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力によって阻害されている場合、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さ以下であると、揺動部材90は、図24に示されているように、遮光部91が下壁74に接触した姿勢のまま移動しない。しかしながら、磁界の第2の強さは、インク収容室11内に泡が発生していない場合、強磁性体92Aが磁界から力を受けて、遮光部91が下壁74に接触した姿勢から図24において時計方向に移動するように設定されている。移動した揺動部材90は、浮き部92が下壁25に接触した状態で静止する。
一方、磁界の第3の強さは、強磁性体92Aが磁界から受ける力が、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力に勝るように設定されている。よって、揺動部材90の動きが、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力によって阻害されている場合であっても、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第3の強さであれば、揺動部材90は、遮光部91が下壁74に接触した姿勢から図24において時計方向に移動する。移動した揺動部材90は、浮き部92が下壁25に接触した状態で静止する。
磁界の第1の強さ、第2の強さ、及び、磁界の第3の強さは、揺動部材90がインク中に沈む程度の量のインクをインク収容室11内に有しているインクカートリッジ10を用いて、インク収容室11内に泡を発生させた後、インクカートリッジ10を装着部300に装着し、永久磁石600を移動させて、強磁性体92Aに対して永久磁石600どの位置にあるときに揺動部材90が移動するか否かを確認する試験、及び、インク収容室11内に泡を発生させずに、永久磁石600を移動させて、永久磁石600がどの位置にあるときに揺動部材90が移動するか否かを確認する試験を繰り返すことにより、決定することができる。例えば、インク収容室11内に泡が発生していない場合でも、揺動部材90が移動しなかったときの永久磁石600の位置を第1の位置とすることができる。また、インク収容室11内に泡が発生していない場合は、揺動部材90が移動し、インク収容室11内に泡が発生している場合は、揺動部材90が移動しなかったときの永久磁石600の位置の平均値を第2の位置とすることができる。また、インク収容室11内に泡が発生してる場合でも揺動部材90が移動したときの永久磁石600の位置のうち、強磁性体92Aに最も近かった位置を第3の位置とすることができる。磁界の強さは直接測定せず、永久磁石600が第1の位置にあるときに、第1の強さの磁界が発生しており、永久磁石600が第2の位置にあるときに、第2の強さの磁界が発生しており、また、永久磁石600が第3の位置にあるときに、第3の強さの磁界が発生していると考える。
制御部400は、記憶部500がコネクタ502に接続されたと判断したとき、図27の判断処理を開始する。すなわち、図27の判断処理は、装着部300にインクカートリッジ10が装着されたことが検知されたときに、開始される。なお、判断処理の途中において、記憶部500がコネクタ502から離れたと判断した場合には、制御部400は、例えば、インクジェットプリンタ100の表示部(不図示)に所定のメッセージを表示させ、インクカートリッジ10を装着部300に再装着するようユーザーに促す。
判断処理が開始されると、制御部400は、S51において、光学センサ330の発光部330Bを発光させ、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態をRAM406の記憶領域Iに記憶する。なお、永久磁石600は、通常第1の位置にあり、インクカートリッジ10が装着部300に装着された当初も、永久磁石600は、第1の位置に位置する。よって、記憶領域Iに記憶された受光部330Cの状態は、永久磁石600が第1の位置にあるときの状態である。その後、制御部400は、S52において、モータ駆動回路606に信号を送り、永久磁石600を第2の位置に移動させる。その後、制御部400は、S53において、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態をRAM406の記憶領域Jに記憶する。その後、制御部400は、光学センサ330の発光部330Bの発光を中止し、S54において、記憶領域Iに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態と記憶領域Jに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態とを比較する。制御部400は、S54において、受光部330Cの状態が異なると判断した場合には、S55において、インクカートリッジ10が正常であると判断し、判断処理を終了する。制御部400は、S54において、受光部330Cの状態が同じと判断した場合には、S56において、モータ駆動回路606に信号を送り、永久磁石600を第3の位置に移動させる。その後、制御部400は、S57において、光学センサ330の発光部330Bを発光させ、光学センサ330の受光部330Cの状態を判断し、その状態をRAM406の記憶領域Kに記憶する。その後、制御部400は、光学センサ330の発光部330Bの発光を中止し、S58において、記憶領域Jに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態と記憶領域Kに記憶されている光学センサ330の受光部330Cの状態とを比較する。制御部400は、S58において、受光部330Cの状態が異なると判断した場合には、S59において、インクカートリッジ10が正常であると判断する。そして、制御部400は、S60において、S54では受光部330Cの状態が同じであったが、S58では受光部330Cの状態が異なったことを示す情報を、記憶部500のEEPROMに書き込み、判断処理を終了する。制御部400は、S58において、受光部330Cの状態が同じと判断した場合には、S61にて、インクカートリッジ10が異常であると判断する。そして、制御部400は、S62において、インクカートリッジ10が異常であったことを示す情報を、記憶部500のEEPROMに書き込み、判断処理を終了する。制御部400は、判断処理を終了した後、モータ駆動回路604に信号を送り、永久磁石600を第1の位置に移動させる。
装着部300に装着されたインクカートリッジ10が新品で、正常であれば、すなわち、揺動部材90を有しており、揺動部材90が正常に揺動すれば、記憶領域Iに記憶された受光部330Cの状態はOFF状態であり、記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態はON状態であるので、制御部400は、S55において、インクカートリッジ10が正常であると判断する。揺動部材90の動きが、揺動部材90と、前壁22、背壁23、上壁24、もしくは、一対の側壁21の表面とに接触している泡の表面張力によって阻害されている場合には、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第1の強さから第2の強さに変化しても、受光部330Cの状態は変わらない。すなわち、記憶領域Iに記憶された受光部330Cの状態と記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態とは同じとなる。しかしながら、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さから第3の強さに変化すると、揺動部材90が移動し、受光部330Cの状態が変化する。すなわち、記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態と記憶領域Kに記憶された受光部330Cの状態とは異なる。よって、制御部400は、S59において、インクカートリッジ10が正常であると判断する。また、制御部400は、S60において、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第1の強さから第2の強さに変化した前後で、受光部330Cの状態が変化せず、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さから第3の強さに変化した前後で、受光部330Cの状態が変化したことを示す情報を、記憶部500のEEPROMに書き込む。揺動部材90の動きが泡の表面張力以外の原因で阻害されている場合、例えば、一対の側壁21が可撓性を有するフィルムで形成されていて、揺動部材90が一対の側壁21に挟まれている場合、また、揺動部材90が、支持部82から脱落してしまっており、揺動できない場合、もしくは、インクカートリッジ10が揺動部材90を有していない場合には、強磁性体92Aのまわりの磁界の強さが第2の強さから第3の強さに変化しても、受光部330Cの状態は変わらない。すなわち、記憶領域Jに記憶された受光部330Cの状態と記憶領域Kに記憶された受光部330Cの状態とは同じになる。よって制御部400は、S61において、インクカートリッジ10が異常であると判断する。また、制御部400は、S62において、インクカートリッジ10が異常であったことを示す情報を、記憶部500のEEPROMに書き込む。本実施形態の制御部400、S54、S55、及び、S58からS62は、本発明の状態判断部の一例である。
上記各実施形態の液体吐出システムは、インクを吐出することにより記録媒体に画像を形成するためのシステムに適用できるだけでなく、プリント配線基板の配線パターンの形成、液晶カラーフィルタの製造など、各種の液体を吐出して対象物に付着させるためのシステムに適用できる。
第1実施形態のインク吐出システム1の全体的構成を示す概念図である。 インクカートリッジ10の正面図及び側面図であり、図2(A)は、インクカートリッジ10の正面図であり、図2(B)は、インクカートリッジ10の側面図である。 一対の側壁21がフレーム20に接続されていない状態のフレーム20の側面図である。 インクカートリッジ10の断面図であり、図4(A)は、図2(B)に示されているIVA−IVA線に従うインクカートリッジ10の断面図であり、図4(B)は、図2(A)に示されているIVB−IVB線に従うインクカートリッジ10の断面図である。 インクカートリッジ10の断面図であり、図5(A)は、揺動部材90がインクカートリッジ10から取り外された状態における、図4(A)に対応するインクカートリッジ10の断面図である。図5(B)は、揺動部材90がインクカートリッジ10から取り外された状態における、4(B)に対応するインクカートリッジ10の断面図である。 揺動部材90の斜視図である。 インク供給装置30の正面図である。 インク供給装置30の側面図である。 図7に示されているIX−IX線に従う装着部300の断面図である。 光学センサ330の斜視図である。 図9に示されている装着部300にインクカートリッジ10が装着された状態における、図7に示されているIX−IX線に従うインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。 インクジェットプリンタ100の電気的構成の概略を示すブロック図である。 ソレノイド340に電流が流されたときの図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。 制御部400によって行われるインクカートリッジ10が正常か否かを判断する処理のステップを示すフローチャートである。 インク収容室11に収容されているインクの量が第1の所定量であるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。 インク収容室11に収容されているインクの量が第2の所定量であるときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。 インク収容室11にインクが収容されていないときの、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。 第2実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10が正常か否かを判断する処理のステップを示すフローチャートである。 第3実施形態のインクカートリッジ10の正面図及び側面図であり、図19(A)は、インクカートリッジ10の正面図であり、図19(B)は、インクカートリッジ10の側面図である。 第3実施形態のインク供給装置30の正面図である。 第3実施形態のインクカートリッジ10が第3実施形態の装着部300に装着された状態における、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。 第3実施形態のインクジェットプリンタ100の電気的構成の概略を示すブロック図である。 第3実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10が正常か否かを判断する処理のステップを示すフローチャートである。 第4実施形態のインクカートリッジ10が第4実施形態の装着部300に装着された状態における、図11と同様のインクカートリッジ10及び装着部300の断面図である。 永久磁石600、ロッド601、及び、カム602の側面図である。図25(A)は、永久磁石600が第1の位置にある状態を示し、図25(B)は、永久磁石600が第2の位置にある状態を示し、図25(C)は、永久磁石600が第3の位置にある状態を示している。 第4実施形態のインクジェットプリンタ100の電気的構成の概略を示すブロック図である。 第4実施形態の制御部400によって行われるインクカートリッジ10が正常か否かを判断する処理のステップを示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・インク吐出システム、10・・・インクカートリッジ、90・・・揺動部材、 100・・・インクジェットプリンタ、300・・・装着部、330・・・光学センサ、335・・・リミットスイッチ、340・・・ソレノイド、341・・・鉄芯、342・・・ソレノイド駆動回路、400・・・制御部、500・・・記憶部、542・・・ソレノイド駆動回路、600・・・永久磁石、602・・・カム、604・・・モータ、606・・・モータ駆動回路

Claims (8)

  1. 液体収容室と、液体収容室内に配置され、液体収容室に収容される液体より比重が小さい部分を有し、液体収容室内に収容された液体の液面の位置に応じて液体収容室内で揺動可能であり、強磁性を有する部分を有している揺動部材と、前記揺動部材が第1の方向に移動したときに前記揺動部材と接触し得る位置に配置されている接触部とを備えた液体カートリッジと、
    前記液体カートリッジが取り外し可能に装着される装着部と、
    前記液体カートリッジが前記装着部に装着されていることを検知する装着検知部と、
    前記装着部に装着されている前記液体カートリッジの前記揺動部材の一部の前記液体収容室に対する移動軌跡と交差する方向に光を発する発光部と、その移動軌跡上における前記揺動部材の一部の位置に応じて予め決められた2つの状態をとり得る受光部とを有し、前記装着部に配置された光学検知部と、
    前記装着部に配置されており、磁界を発生し、前記液体カートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記強磁性を有する部分がその磁界から力を受けて前記揺動部材が前記第1の方向の反対方向である第2の方向に移動し得るように、その磁界を発生する磁界発生部と、
    前記液体カートリッジが前記装着部に装着されたことが検知されたときに、前記強磁性を有する部分が前記磁界から受ける力の強さが変化するよう前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが変化するように、前記磁界発生部を制御する磁界制御部と、
    前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが変化させられたときに、前記磁界の強さの変化の前後で、前記受光部の状態が変化したか否かを判断し、前記受光部の状態が変化したと判断したときに、前記液体カートリッジが正常状態と判断し、前記受光部の状態が変化しなかった判断したときに、前記液体カートリッジが異常状態と判断する状態判断部と
    を備えることを特徴とする液体吐出システム。
  2. 前記磁界制御部は、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが、第1の強さ、第1の強さより強い第2の強さ、及び、第2の強さより強い第3の強さの間で変化するように、前記磁界発生部を制御し、
    前記状態判断部は、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが前記第1の強さから前記第2の強さに変化した前後で、前記受光部の状態が変化したか否かを判断し、前記受光部の状態が変化したと判断したときに、前記液体カートリッジが正常状態と判断し、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが前記第2の強さから前記第3の強さに変化した前後で、前記受光部の状態が変化したか否かを判断し、前記受光部の状態が変化したと判断したときに、前記液体カートリッジが正常状態と判断し、前記受光部の状態が変化しなかった判断したときに、前記液体カートリッジが異常状態と判断することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出システム。
  3. 記憶部を備えており、
    前記状態判断部は、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが前記第1の強さから前記第2の強さに変化した前後で、前記受光部の状態が変化せず、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが前記第2の強さから前記第3の強さに変化した前後で、前記受光部の状態が変化したと判断したときに、前記記憶部にその判断結果を書き込むことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出システム。
  4. 前記状態判断部は、前記液体カートリッジが異常状態と判断したときに、前記記憶部にその判断結果を書き込むことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出システム。
  5. 前記記憶部は、前記液体カートリッジに配置されており、前記液体カートリッジとともに前記装着部から取り外し可能であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液体吐出システム。
  6. 前記揺動部材の前記液体収容室に収容される液体より比重が小さい部分は、前記強磁性を有する部分を有しており、
    前記磁界発生部は、前記液体カートリッジが前記装着部に装着されたときに、前記揺動部材の前記液体収容室に収容される液体より比重が小さい部分の下方に位置することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体吐出システム。
  7. 前記磁界発生部は、ソレノイドを有し、
    前記磁界制御部は、前記ソレノイドに流れる電流の強さを変化させることにより、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが変化するように、前記磁界発生部を制御することを特徴すると請求項1から請求項6のいずれかに記載の液体吐出システム。
  8. 前記磁界発生部は、永久磁石を有し、
    前記磁界制御部は、前記強磁性を有する部分に対する前記永久磁石の位置を変化させることにより、前記強磁性を有する部分のまわりの前記磁界の強さが変化するように、前記磁界発生部を制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の液体吐出システム。
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