JP2010069579A - ホーニング加工用工具およびホーニング加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホーニング加工用工具1は、テーパコーン軸31,32,33と、先端側第1砥石41および基端側第1砥石42を支持する第1砥石シュー6と、を備える。第1砥石シュー6は、テーパコーン軸31,33のテーパ面311,331に摺接する第1テーパガイド部62と、先端側第1砥石41および基端側第1砥石42を外周側に向けた状態で支持する第1砥石支持部61と、を含んで構成される。第1砥石支持部61は、第1テーパガイド部62に対し揺動可能に連結され、先端側第1砥石41および基端側第1砥石42は、それぞれ、第1砥石支持部61に対して揺動可能に設けられた先端側第1砥石駒81および基端側第1砥石駒82に取り付けられる。
【選択図】図1
Description
すなわち、工具本体をワークの穴に挿入し、回転すると、複数の砥石、および、これら砥石を支持する砥石支持部のうち少なくとも何れかが穴の内周壁に対して揺動する。したがって、ワークの穴の内周壁の形状に倣うように、各砥石の内周壁に対する姿勢を変更しながら、これら砥石で内周壁を研削することができる。また、これにより、例えば、ワークの穴の内周壁が完全な円筒からずれた形状であっても、この形状を保持したまま面性状のみを向上することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るホーニング加工用工具1の構成を示す部分断面図である。図2は、ホーニング加工用工具1を先端側から視た図である。
第1砥石収容部21および第2砥石収容部22は、それぞれ、シャフト収容部23に連通するとともに、中心軸Oから放射状に延びる。
これらテーパコーン軸31,32,33は、それぞれの基端側を構成する略棒状の軸部314,324,334と、それぞれの先端側を構成するテーパ状のテーパ部316,326,336と、を備える。また、シャフト収容部23内には、先端側から基端側へ向かい、第3テーパコーン軸33のテーパ部336、第2テーパコーン軸32のテーパ部326、第1テーパコーン軸31のテーパ部316の順で配設されるようにテーパコーン軸31,32,33は組み合わせられる。
より具体的には、第2テーパコーン軸32の軸部324は、第1テーパコーン軸31の貫通孔312内に進退可能に設けられ、第2テーパコーン軸32のテーパ部326およびピン部材328は、第3テーパコーン軸33の軸部334のうち空隙部333内で進退可能に設けられる。また、第2テーパコーン軸32の先端部と蓋部材24との間には、スプリング27が介装されている。これにより、第2テーパコーン軸32は、基端側に付勢される。
また、第1砥石駒8も同様に、先端側第1砥石駒81と基端側第1砥石駒82との、別体で形成された複数の砥石駒を含んで構成される。これら第1砥石駒81,82の外周側の面は略平らに形成されており、それぞれの面には、第1砥石41,42が取り付けられている。
また、第2砥石駒9も同様に、先端側第2砥石駒91と基端側第2砥石駒92との、別体で形成された複数の砥石駒を含んで構成される。これら第2砥石駒91,92の外周側の面は略平らに形成されており、それぞれの面には、第2砥石51,52が取り付けられている。
また、その詳細な図示および説明を省略するが、基端側第1砥石駒82は、上述の先端側第1砥石駒81と同様にして、基端側第1支持部614に対して揺動可能、かつ弾性的に支持される。
また、その詳細な図示および説明を省略するが、第2砥石駒91,92は、上述の第1砥石駒81,82と同様にして、第2支持部713,714に対して揺動可能、かつ弾性的に支持される。
図5は、第1砥石41,42を拡径した状態におけるホーニング加工用工具1の構成を示す部分断面図である。図6は、第2砥石51,52を拡径した状態におけるホーニング加工用工具1の構成を示す部分断面図である。
ここで、粗加工時には、仕上げ加工時よりも大きな負担が砥石にかかると考えられる。このため、2つのテーパ面311,331が摺接する第1砥石シュー6に支持された第1砥石41,42には、粗加工用の砥石を用い、1つのテーパ面321が摺接する第2砥石シュー7に支持された第2砥石51,52には、仕上げ加工用の砥石を用いる。
次に、中心軸Oを回転軸として工具本体2を回転しながら、図5に示すように粗加工用の砥石が用いられた第1砥石41,42を拡径する。第1砥石41,42を拡径する際には、図1に示す状態から第1テーパコーン軸31を先端側へ移動する。すると、第1テーパコーン軸31のテーパ面311および第3テーパコーン軸33のテーパ面331が先端側へ移動し、これらテーパ面311,331に摺接する第1砥石シュー6が半径方向に沿って外周側へ移動し、第1砥石41,42が拡径するとともにボアの内周壁に当接する。
次に、中心軸Oを回転軸として工具本体2を回転しながら、図6に示すように、仕上げ加工用の砥石が用いられた第2砥石51,52を拡径する。第2砥石51,52を拡径する際には、図1に示す状態から第2テーパコーン軸32を先端側へ移動する。すると、第2テーパコーン軸32のテーパ面321が先端側へ移動し、このテーパ面321に摺接する第2砥石シュー7が半径方向に沿って外周側へ移動し、第2砥石51,52が拡径するとともにボアの内周壁に当接する。
(1)第1砥石41,42および第2砥石51,52、並びに、これら第1砥石41,42および第2砥石51,52を支持する第1砥石支持部61および第2砥石支持部71のうち少なくとも何れかがボアの内周壁に対して揺動し、シリンダブロックのボアの内周壁の形状に倣うように、各砥石41,42,51,52の内周壁に対する姿勢を変更しながら、内周壁を砥石で研削する。これにより、例えば、シリンダブロックのボアの内周壁が完全な円筒からずれた形状であっても、この形状を保持したまま面性状のみを向上することができる。
上記実施形態では、中心軸Oに沿って2つの砥石41,42を設けたが、砥石の数は、これに限らず3つ以上であってもよい。
2…工具本体
3…駆動軸
31…第1テーパコーン軸(テーパコーン軸)
311…テーパ面
32…第2テーパコーン軸(テーパコーン軸)
321…テーパ面
33…第3テーパコーン軸(テーパコーン軸)
331…テーパ面
4…第1砥石(砥石)
5…第2砥石(砥石)
6…第1砥石シュー(砥石シュー)
61…第1砥石支持部(砥石支持部)
617,618…第1制限穴(制限穴)
62…第1テーパガイド部(テーパガイド部)
627,628…第2制限穴(制限穴)
7…第2砥石シュー(砥石シュー)
71…第2砥石支持部(砥石支持部)
72…第2テーパガイド部(テーパガイド部)
8…第1砥石駒(砥石駒)
811,821…第1ピン(ピン)
812,813,822,823…係止溝
85,86,87,88…コイルスプリング(弾性部材)
9…第2砥石駒(砥石駒)
911,921…第2ピン(ピン)
912,913,922,923…係止溝
Claims (5)
- ワークに形成された穴の内周壁を砥石で研削することで、当該内周壁を仕上げるホーニング加工用工具であって、
略筒状の工具本体と、
前記工具本体の内部に、軸方向に沿って進退可能に設けられたテーパコーン軸と、
軸方向に沿って延在する2つ以上の複数の砥石を支持する砥石シューと、を備え、
前記砥石シューは、前記テーパコーン軸のテーパ面に摺接し当該テーパコーン軸の進退に従動して半径方向に沿って進退するテーパガイド部と、当該テーパガイド部に連結されるとともに、前記複数の砥石を前記工具本体の外周側に向けた状態で支持する砥石支持部と、を含んで構成され、
前記砥石支持部は、軸方向の中間を支点として前記テーパガイド部に対し揺動可能に連結され、
前記複数の砥石は、それぞれ、砥石駒を介して前記砥石支持部に設けられ、
前記複数の砥石駒は、それぞれ、前記砥石が穴の内周壁に当接していない状態で、当該砥石が軸方向に平行になるように、前記砥石支持部に対して揺動可能、かつ弾性的に支持されていることを特徴とするホーニング加工用工具。 - 前記複数の砥石駒は、前記砥石支持部に側面視で略円弧状に形成された面に沿って摺接するようにして、当該砥石支持部に支持されることを特徴とする請求項1に記載のホーニング加工用工具。
- 前記複数の砥石駒には、それぞれ、揺動方向の両側に一対の係止溝が形成され、
前記一対の係止溝には、前記砥石駒を前記砥石支持部に対して半径方向に沿って付勢する環状の一対の弾性部材が配設されることを特徴とする請求項1又は2に記載のホーニング加工用工具。 - 前記複数の砥石駒および前記砥石支持部の何れか一方にはピンが立設され、他方には前記ピンが挿通するとともに、当該ピンの揺動方向に沿った移動を制限することで、前記複数の砥石駒の前記砥石支持部に対する揺動角を制限する制限穴が形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のホーニング加工用工具。
- ワークに形成された穴の内周壁を砥石で研削することで、当該内周壁を仕上げるホーニング加工方法であって、
略筒状の工具本体と、
前記工具本体の内部に、軸方向に沿って進退可能に設けられたテーパコーン軸と、
軸方向に沿って延在する2つ以上の複数の砥石を支持する砥石シューと、を備え、
前記砥石シューは、前記テーパコーン軸のテーパ面に摺接し当該テーパコーン軸の進退に従動して半径方向に沿って進退するテーパガイド部と、当該テーパガイド部に連結されるとともに、前記複数の砥石を前記工具本体の外周側に向けた状態で支持する砥石支持部と、を含んで構成され、
前記砥石支持部は、軸方向の中間を支点として前記テーパガイド部に対し揺動可能に連結され、
前記複数の砥石は、それぞれ、前記砥石支持部に対して揺動可能に設けられた砥石駒に取り付けられたホーニング加工用工具を用い、
前記ワークの内周壁の形状に倣うように、前記複数の砥石の内周壁に対する姿勢を変更しながら、前記内周壁を砥石で研削することを特徴とするホーニング加工方法。
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