JP2010067818A - 半導体発光素子用ウェハおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体発光素子製造時のダイシング工程における裏面チッピングの発生を抑制することができる半導体発光素子用ウェハを提供する。
【解決手段】少なくとも第一のクラッド層4、活性層5及び第二のクラッド層6から成るダブルへテロ構造を含み、ダブルへテロ構造の第一主表面側は光取出し面であって、第一主表面側には第一電極12が形成されており、ダブルへテロ構造の相対する第二主表面側にはダブルへテロ構造側から順次金属光反射層9及び金属接合層11が形成されており、さらに金属接合層11を介して、支持基板10の一方の主表面が結合されておりかつ他方の主表面には第二電極13が形成されている半導体において、支持基板10の第二電極13は、ダイシング加工されるべき所定の位置に第二電極13が形成されていないものである。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも第一のクラッド層4、活性層5及び第二のクラッド層6から成るダブルへテロ構造を含み、ダブルへテロ構造の第一主表面側は光取出し面であって、第一主表面側には第一電極12が形成されており、ダブルへテロ構造の相対する第二主表面側にはダブルへテロ構造側から順次金属光反射層9及び金属接合層11が形成されており、さらに金属接合層11を介して、支持基板10の一方の主表面が結合されておりかつ他方の主表面には第二電極13が形成されている半導体において、支持基板10の第二電極13は、ダイシング加工されるべき所定の位置に第二電極13が形成されていないものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、高出力な半導体発光素子作製時の歩留りの向上を図った半導体発光素子用ウェハおよびその製造方法に関するものである。
従来、半導体発光素子である発光ダイオード(LED)は、近年、GaN系やAlGaInP系の高品質結晶を有機金属成長(MOVPE:Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy)法で成長できるようになったことから、青色、緑色、橙色、黄色、赤色の高輝度LEDが製作できるようになった。
そして、LEDの高輝度化に伴いその用途は、自動車のブレーキランプや液晶ディスプレイのバックライトなどへ広がり、その需要は年々増加している。
現在、MOVPE法によって高品質の結晶が成長可能となってから、発光素子の内部効率は理論値限界値に近づきつつある。しかし、発光素子からの光取り出し効率はまだまだ低く、光取り出し効率を向上することが重要となっている。
例えば、高輝度赤色LEDはAlGaInP系の材料で形成され、導電性のGaAs基板上に格子整合する組成のAlGaInP系の材料からなるn型AlGaInP層とp型AlGaInP層とそれらに挟まれたAlGaInPまたはGaInPからなる発光層(活性層)を有するダブルへテロ構造となっている。
しかしながら、GaAs基板のバンドギャップは発光層のバンドギャップよりも狭いために、発光層からの光の多くがGaAs基板に吸収され、光取り出し効率が著しく低下する。
発光層とGaAs基板との間に、屈折率の異なる半導体層からなる多層反射膜構造を形成することによってGaAs基板での光の吸収を低減し、光取り出し効率を向上させる方法もある。
しかし、この方法では、多層反射膜構造へ限定された入射角を持つ光しか反射することができない。
そこで、AlGaInP系の材料からなるダブルへテロ構造を反射率の高いAg、Au、Al、Cuなどの金属膜(金属光反射層)を介して、GaAs基板よりも熱伝導率のよいSi支持基板に貼り付け、その後成長用に用いたGaAs基板を除去する方法が考案されている(特許文献1)。
この方法を用いた場合には、反射膜として金属膜を用いているため、反射膜への光の入射角を選ばずに高い反射が可能となる。
貼り替えに用いられるSiなどの支持基板材は、実装時のLED素子の厚みを考慮して、貼り替え工程当初から200μm前後の薄い支持基板材が利用できる。
しかし、上述した金属光反射層をLED素子内に備えたLEDウェハは、ダイシング工程時にウェハの裏面に裏面チッピングと呼ばれる基板の欠けや割れが発生する。
これは主として、切削対象であるLEDウェハにAuなどの柔らかい金属材料が含まれていることにより、切削に用いられるダイヤモンドブレードのダイヤモンド砥粒が目詰まりを起こしてしまうことが大きな原因である。Auなどの難切削材を含む箇所は、化合物半導体層と支持基板とを接合している接合層、光反射層、そして第二電極である。
その他の要因として、切削対象である支持基板材が200μm前後と薄く、ダイヤモンドブレードの自生発刃が起きにくいことも挙げられる。この裏面チッピングは金属材料を介して基板貼り替えを行ったLED素子特有の問題であり、LED素子作製の歩留りにおいて大きな問題となっている。
そこで、本発明の目的は、高出力な半導体発光素子作製時のダイシング工程における裏面チッピングの発生を抑制して歩留りを向上できる半導体発光素子用ウェハおよびその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、ダイシング加工を施すことによって各個の素子に分割される半導体発光素子用ウェハであって、少なくとも第一のクラッド層、活性層及び第二のクラッド層から成るダブルへテロ構造を含み、前記ダブルへテロ構造の第一主表面側は光取出し面であって、前記第一主表面側には第一電極が形成されており、前記ダブルへテロ構造の相対する第二主表面側には前記ダブルへテロ構造側から順次金属光反射層及び金属接合層が形成されており、さらに前記金属接合層を介して、支持基板の一方の主表面が結合されておりかつ他方の主表面には第二電極が形成されている前記半導体において、前記支持基板の第二電極は、ダイシング加工されるべき所定の位置に前記第二電極が形成されていない半導体発光素子用ウェハである。
請求項2の発明は、出発基板上に前記ダブルへテロ構造を含む積層構造を成長させる工程と、前記ダブルへテロ構造を含む積層構造上に前記金属光反射層および前記金属接合層を順次形成する工程と、前記金属接合層によって前記支持基板を結合する工程と、しかる後前記出発基板を除去して前記ダブルへテロ構造を含む積層構造の第一主表面を光取出し面とする工程を含む、請求項1に記載の半導体発光素子用ウェハの製造方法である。
請求項3の発明は、前記第二電極はAuからなり、また、前記支持基板はSiからなる請求項1または2に記載の半導体発光素子用ウェハである。
本発明によれば、高出力な半導体発光素子製造時のダイシング工程における裏面チッピングの発生を抑制して歩留りを向上できる。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
本実施の形態では、AlGaInP系の化合物半導体を用いた半導体発光素子用ウェハの場合について説明する。図1は、本発明に係る半導体発光素子用ウェハの断面模式図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る半導体発光素子用ウェハ100は、第一主表面を光取り出し面とした、クラッド層4,6に挟まれた発光層(活性層)5を有する化合物半導体層(ダブルへテロ構造を含む積層構造)14と、化合物半導体層14の第二主表面に順次形成された金属光反射層9および金属接合層11と、その金属接合層11によって第一主表面が結合された支持基板10と、化合物半導体層14の第一主表面に形成された第一電極12と、支持基板10の第二主表面に部分的に形成された第二電極13とからなる。ここで、それぞれの層における第一主表面とは図示上側の面を指し、それぞれの層における第二主表面とは図示下側の面を指す。
より具体的には、Siからなる支持基板10上に、拡散防止バリア層18、金属接合層11(第2金属接合層11b+第1金属接合層11a)、合金化バリア層16、金属光反射層9、界面電極8を有する誘電体膜15、化合物半導体層14(コンタクト層7+クラッド層6+発光層(活性層)5+クラッド層4+コンタクト層3)を有し、支持基板10側とコンタクト層3側の主表面にそれぞれ第二電極13、第一電極12が形成され、第一電極12の表面にボンディングパッド電極17が形成されたものである。
また、支持基板10の第二電極13は、部分的に形成されており、ダイシング加工されるべき所定の位置(ダイシングストリート)19を除いて第二電極13が形成されている。これは、ダイシング加工時に、ダイシング加工に用いられるダイヤモンドブレードのダイヤモンド砥粒が、柔らかい金属(Au)からなる第二電極13に目詰まりを起こして支持基板10に裏面チッピングが発生してしまう現象を回避するためである。
第1、第2金属接合層11a、11bは、Auからなり、合金化バリア層16と拡散防止バリア層18とを接合するためのものである。
金属光反射層9は、活性層5で発生した光を光取り出し面に反射して高い光取り出し効率を得るためのものであり、合金化バリア層16は、半導体発光素子の腐食を防止するものである。金属光反射層9としては、Alを用いるとよく、合金化バリア層16としてはTiを用いるとよい。
誘電体膜15は、SiO2からなり、その内部には、誘電体膜15を挟むように形成されるコンタクト層7と金属光反射層9を電気的に接続するための界面電極8を有する。
コンタクト層3,7は、半導体と電極とを接続するための層である。コンタクト層3としてはGaAsを、コンタクト層7としてはGaPを用いるとよい。
クラッド層4,6、活性層5は、発光素子を構成する要部である。n型とp型のクラッド層4,6で活性層5を挟み、ダブルへテロ構造とすることで高い発光効率が得られる。クラッド層4,6、活性層5としてはAlGaInPを用いるとよい。同じ材料であるが、ドーピングの有無、種類によりn型、p型、活性層となる。
ここで、半導体発光素子用ウェハ100の製造方法の一例を図2および図3により説明する。図2(a)〜(f)および図3(a)〜(c)は、本発明に係る半導体発光素子用ウェハの製造方法を説明する図である。
まず、図2(a)に示すように、GaAsからなる出発基板1上にクラッド層4,6に挟まれた発光層(活性層)5を有する化合物半導体層14を成長させる。
具体的には、n型の出発基板1上に、n型のエッチングストップ層2、n型のコンタクト層3、n型のクラッド層4、活性層5、p型のクラッド層6、p型のコンタクト層7を形成する。
エッチングストップ層2は、後述するが出発基板1をエッチングして除去する際に、コンタクト層3が出発基板1と一緒にエッチング除去されないようにするためのものである。エッチングストップ層2としては、AlGaInPを用いるとよい。
その後、上述の化合物半導体層14の表面に、図2(b)に示すように誘電体膜15を形成し、さらに、図2(c)に示すように誘電体膜15に界面電極8を設ける。
さらに、図2(d)に示すように、誘電体膜15の表面に金属光反射層9、合金化バリア層16、第1金属接合層11aを順次形成する。
一方、図2(e)に示すように、支持基板10上に、オーミックコンタクト金属を兼ねる拡散防止バリア層18を介して第2金属接合層11bを形成したものを準備する。
そして、図2(f)に示すように、支持基板10の第2金属接合層11bを第1金属接合層11aに貼り合わせ、しかる後、図3(a)に示すように、出発基板1を除去し、さらに、図3(b)に示すように、出発基板1の除去により露出したコンタクト層3上に第一電極12を形成し、この第一電極12をマスク材として第一電極12直下以外のコンタクト層3をエッチングにより除去してクラッド層4を露出させる。
その後、図3(c)に示すように、ダイシングストリート19以外の支持基板10の第二主表面に第二電極13を形成する。さらに、第一電極12の表面にボンディングパッド電極17を形成すると、図1の半導体発光素子用ウェハ100が得られる。
以上のような構成の半導体発光素子用ウェハ100によれば、難切削材(ここではAu)からなる第二電極13がダイシングストリート19に形成されておらず、ダイヤモンドブレードによってダイシングする際の切削力を高く維持することが可能となり、ダイシング工程における裏面チッピングの発生を大きく抑制できる。これにより、半導体発光素子作製時の歩留りを向上できる。
本発明は、本実施の形態で示した半導体発光素子用ウェハ100以外にも適用可能であるが、本実施の形態のように化合物半導体層14よりも硬いSiからなる支持基板10を用い、反射層として金属膜を含んでいるような切削の難しい構造を持つ半導体発光素子用ウェハには特に有効である。
次に、上述の半導体発光素子用ウェハ100を用いた半導体発光素子について説明する。図4は、本発明に係る半導体発光素子の断面模式図である。
図4に示すように、本発明に係る半導体発光素子400の構造は、基本的に図1の半導体発光素子用ウェハ100と同様である。
半導体発光素子用ウェハ100のダイシングストリート19に沿ってダイシング加工して素子化すると、図4に示す半導体発光素子400が得られる。
本発明の半導体発光素子400は、半導体発光素子用ウェハ100から半導体発光素子400を作製する際に裏面チッピングの発生を大きく抑制できるため、従来の半導体発光素子より素子面積に対するチッピング量の比率を抑えられ品質を向上できる。
(実施例1)
実施例では、半導体発光素子として発光波長が630nmの赤色LEDの例で説明する。
実施例では、半導体発光素子として発光波長が630nmの赤色LEDの例で説明する。
まず、図2(a)に示すように、n型GaAsからなる出発基板1上に、有機金属成長(MOVPE)法でn型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるエッチングストップ層2、n型GaAsからなるコンタクト層3、n型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるクラッド層4、アンドープ(Al0.1Ga0.9)0.5In0.5Pからなる活性層5、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなるクラッド層6、p型GaPからなるコンタクト層7を順次積層して化合物半導体層14を得た。
その後、図2(b)に示すように、化合物半導体層14をMOCVD装置から搬送した後、コンタクト層7の表面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置でSiO2膜からなる膜厚約110nmの誘電体膜15を成膜した。
そしてさらに、図2(c)に示すように、レジストやマスクアライナーなどの一般的なフォトリソグラフィ装置、技術を駆使すると共に、純水で希釈したフッ酸エッチング液を用いて誘電体膜15に開口部を形成し、さらにその開口部には真空蒸着法によって界面電極8を形成した。
界面電極8は、AuZn合金(金・亜鉛合金、Au:95mass%/Zn:5mass%)からなり、その膜厚は誘電体膜15と同様に約110nmである。また、界面電極8は後に形成する第一電極12直下以外の領域に配置されるように適宜設計した。配置法則は以下の通りである。
図5は、最終的に得られる半導体発光素子の上面図であり、図5に示すように、界面電極8は、複数の個体に分かれているのではなく、単一の形状(櫛型状)をしている。この櫛型状の界面電極8は、第一電極12の細線部の側方に位置し、櫛型状の界面電極8と第一電極12の細線部との距離は概ね一定の距離間隔に保たれている。ここでは界面電極8の線幅は、5μmに設定した。
その後、図2(d)に示すように、界面電極8が形成された誘電体膜15上に真空蒸着法にてAl(アルミニウム)からなる膜厚400nmの金属光反射層9、Pt(白金)からなる膜厚50nmの合金化バリア層16、Au(金)からなる膜厚500nmの第1金属接合層11aを順次形成した。
そして一方では、図2(e)に示すように、導電性p型Siからなる支持基板10の表面にTi(チタン)、Auを、それぞれ50nm、500nmの膜厚で形成した。Tiがオーミックコンタクト金属を兼ねる拡散防止バリア層18、Auが第2金属接合層11bとなる。このときの支持基板10の面方位に関しては特に不問であり、後に完成する半導体発光素子の特性を左右するものではない。
しかし、この支持基板10に対する電極の良好なオーミック性を得るために、抵抗率は0.01Ω・cm以下のものを用いるとよい。ここでは、抵抗率0.005Ω・cmのSiを用いた。
その後、図2(f)に示すように、支持基板10表面の第2金属接合層11bと第1金属接合層11aとが接合するように重ね合わせ、熱圧着法によって貼り合わせた。
貼り合わせは、圧力1.33Pa(0.01Torr)雰囲気で圧力を147Pa(15kgf/cm2)負荷した状態で、温度350℃に加熱し、さらにその状態で30分間加熱保持することによって行った。
そして、図3(a)に示すように、出発基板1であるGaAsをアンモニア水と過酸化水素水との混合エッチャントを用いてウェットエッチングにより除去してエッチングストップ層2を露出させた後、そのエッチングストップ層2を塩酸を用いてウェットエッチングにより除去し、コンタクト層3を露出させた。
その後、図3(b)に示すように、露出したコンタクト層3の表面にレジスト塗布装置やマスクアライナー、現像装置などを用い上述した形状の第一電極12のパターニングを行い、さらに真空蒸着装置で電極構造を蒸着することで第一電極12を形成した。第一電極12の構造は、AuGe(金・ゲルマニウム合金)、Ni(ニッケル)、Auを、それぞれ50nm、10nm、300nmの膜厚で順次形成した。
第一電極12形成後、硫酸と過酸化水素水と水との混合エッチャントを用いて、先に形成した第一電極12をマスク材とし、第一電極12直下以外のコンタクト層3をウェットエッチングにて除去し、この選択性エッチングによってクラッド層4を露出させた。
さらに、図3(c)に示すように、支持基板10の第二主表面に第二電極13を、第一電極12と同じく真空蒸着法によって形成した。
この第二電極13は、支持基板10の第二主表面に部分的に形成されており、この形成方法は以下の通りである。
まず、フォトリソグラフィにより支持基板10の第二主表面に、両面マスクアライナーを用いてリフトオフ用のネガレジストマスクを形成した。
レジストパターンは、サイズ280μm角の蒸着膜形成領域が縦横に320μm周期で規則配列されたものであり、この280μm角領域の中心位置は、先に形成した第一電極12の中心位置とほぼ一致するようにアライメントされ、パターニングされている。
320μm周期に対し、280μm角の第二電極13形成領域を設けているので、素子としては40μm幅のダイシング切削幅の設計としていることになる。
レジストマスクを形成した後、真空蒸着にてTi、Auを、それぞれ400nm、300nmの膜厚で順次形成し、これをアセトン中に浸し、レジストの溶解をもって第二電極13のリフトオフ法による形成を行った。
第二電極13を形成した後、電極の合金化処理であるアロイ工程を、上下独立ヒータを備えたアロイ装置で行った。
アロイ条件は窒素ガス雰囲気中にて400℃まで加熱し、その状態で5分間熱処理することとした。ウェハはグラファイト製のトレー上に載せ、それを下部ヒータの組み込まれた下部プレート上に設置した。
さらにその後、再度フォトリソグラフィ工程と真空蒸着工程を行い、第一電極12のほぼ中央に重なるように、ボンディングパッド電極17を形成した。これにより、図1の半導体発光素子用ウェハ100を得た。
ボンディングパッド電極17の形状は直径Φ100μmの単純な円形状であり、先の工程で形成した第一電極12の中央部に位置する円形状の部分と合致するように形成した。ボンディングパッド電極17は、第一電極12側からTi、Auで構成された構造であり、それぞれの膜厚は30nm、1000nmとした。
このボンディングパッド電極17形成後はアロイ処理を行わず、半導体発光素子ができあがるまでノンアロイ状態となっていることがワイヤボンディング工程を行う上で肝要である。
その後、上述のようにして形成された貼り替え型の半導体発光素子用ウェハ100を、第一電極12の円形状のボンディングパッド電極17がほぼ中央に配置されるようにダイシング装置を用いて素子化を行った。
ダイシング工程は、2ステップ方式のダイシング工程を採用し、2台のダイシング装置を用いた。1つ目のダイサーは株式会社ディスコ製のDAD522という1軸式セミオートマチックダイシングソーを用いた。こちらには同じく株式会社ディスコ製のダイヤモンドブレードNBC−ZH227J−27HCBCを装着した。
このときのダイヤモンドブレードは、砥粒径が#4000、刃先出し量がおよそ0.560mm、刃厚が29μmのものである。切削条件は、スピンドル回転数35000rpm、送り速度5mm/sec、切削深さ100μmで行った。半導体発光素子用ウェハ100の厚さは約210μmなので、およそ半導体発光素子用ウェハ100の半分の深さまでハーフカットしている。
1軸目のハーフカットを終えた後、ワークを1つ目のダイサーから取り外し、次いで2つ目のダイサーにセットした。2つ目のダイサーも株式会社ディスコ製のDAD522という1軸式セミオートマチックダイシングソーを用いた。こちらには同じく株式会社ディスコ製のダイヤモンドブレードNBC−ZH227J−27HCAAを装着した。
このときのダイヤモンドブレードは、砥粒径が#4000、刃先出し量がおよそ0.450mm、刃厚が19μmのものである。切削条件は、スピンドル回転数30000rpm、送り速度5mm/sec、切削深さ230μmで行った。半導体発光素子用ウェハ100の厚さは約210μmなので、ウェハを完全にフルカットし、ダイシングシートへの切り込みが20μm程度の深さまで達するように切削した。
作製したLED素子のチップピッチは設計上350μmであり、ダイシング後の個別のLEDチップのサイズおよそ330μm角のサイズとなった。
次に、作製した半導体発光素子用ウェハ100について評価した。
その結果、ダイシング工程、チップの転写工程、シートの拡張工程を経たチップの裏面チッピングの様子を確認したところ、ウェハ面内における裏面チッピングの発生頻度はおよそ0.7%以下に留まっており、そのどれもがチッピング幅10μm以内の極めて小さいチッピング量であった。
LED素子のサイズがおよそ330μmであるので、LED素子の面積に対するチッピング量の比率は3%程度に留まった。
(実施例2)
実施例2では、第二電極13の選択的形成方法を変えて作製した。
実施例2では、第二電極13の選択的形成方法を変えて作製した。
実施例1とは異なり、第二電極13の形成前にパターニングを行わず、第二電極13を支持基板10の第二主表面の全面に形成した後、第二電極13上に両面マスクアライナーを用いたフォトリソグラフィによって280μm角サイズのレジストマスクを形成した。
このレジストマスクは、縦横に320μm周期で規則配列されており、ウェハ全面に形成される。また、実施例1と同様にレジストマスクは、各マスクの中心位置がLED素子の第一電極12の中心位置にほぼ一致するようにパターニング配置されている。
実施例1の場合は、リフトオフ法で第二電極13を形成するので280μm角の領域がレジストがない領域となっているが、実施例2の場合は、エッチング法によって第二電極13を部分的に形成するので、280μm角以外の部分がエッチング領域としてレジストがない状態となっている。
このようにレジストマスクを形成した後、第二電極13であるAuを関東化学株式会社製のAuエッチング液、AURUMシリーズなどを用いてエッチングした。この他にも、例えば一般的に知られているエッチング液として、ヨウ素、ヨウ化アンモニウム、塩酸などの混合エッチング液や、塩酸と硝酸の混酸であるいわゆる王水でもエッチングは可能であるが、エッチングレートの安定性や、高速なエッチングレートといった優れた特性を有するので、一般的に市販されているAuエッチング液を用いるのが製造上好適である。
このAuエッチング処理によって、第二電極13形成時に、支持基板10の第二主表面上に形成されたTi層が露出する。このTi層は、フッ酸と硝酸の混酸エッチング液によって除去できるが、Ti層はAuなどの難切削材に比べて硬く、ダイシングブレードの砥粒目詰まりの原因にならないことから、除去しない場合でも特に問題はない。
以上のようにして第二電極13の選択的形成を行った以外は実施例1と同様の製造方法で作成した。実施例2の試料を実施例1と同様に裏面チッピングの評価を行ったところ、実施例1とほぼ同じ結果を得ることができた。
(比較例1)
比較例1では、従来の方法で作製した半導体発光素子の評価を行った。
比較例1では、従来の方法で作製した半導体発光素子の評価を行った。
実施例1と異なる点は、支持基板10の第二電極13が、支持基板10の第二主表面の全面に形成されている点である。
この半導体発光素子用ウェハを実施例1と同様に素子化工程を経て裏面チッピングの検査をした結果、ウェハ面内における裏面チッピングの発生頻度はおよそ15%もあり、かつチッピング幅は最大で30μm程度と比較的大きいものであった。
このように裏面チッピングの発生頻度が高く、かつその裏面チッピングの幅が大きい場合、半導体発光素子として充分な仕様を満足しない。従って、従来の方法で作製した場合には半導体発光素子の歩留りを低下させるという問題がある。
上述の実施例1、2では、ダイシング工程において2台のダイシング装置を併用するステップカット方式を採用したが、これが例えば2軸式ブレードダイサーなどに置き換わっても本発明の意図する効果が得られることは容易推考である。
また、実施例1、2では、発光波長630nmの赤色半導体発光素子のみを作製例としたが、その他の波長帯域の半導体発光素子であっても本発明の意図する効果が得られることは容易推考である。
さらに、実施例1、2における第一電極12の形状以外の異形状、例えば四角、菱形、多角形などの形状を有した第一電極12であったり、または界面電極形状が実施例1、2に記載以外の形状をしていたとしても本発明の意図する効果が得られることは容易推考である。
また、実施例1、2では1種のダイシングブレードを用いた例を記載したが、これと異なるダイシングブレードを用いた場合においても、本発明の意図する主の部分については、同様の効果が得られることは容易推考である。
上述の実施例1、2においては、第二電極13が形成されていない領域を幅40μmの格子状としたが、本発明の意図する効果はこの幅に限られたものではなく、ダイシング加工位置、つまり切削する位置において第二電極13が形成されていないことが肝要であることから、第二電極13が形成されていない領域の幅は40μmに限らずとももっと広くても、もっと狭くても同様の効果を得ることが可能であることは容易推考の事例といえる。
しかしながら、本発明の意図する効果は素子加工工程時の裏面チッピングの発生抑止であり、電流狭窄や光の反射などを目的としたものではない。従って、むやみに第二電極13が形成されていない領域の幅を狭めることは、通常の一般的な低出力LEDのように20mA程度の電流で使用するのではなく、それ以上の大電流通電用途に用いられる基板貼り替え型高出力LEDであることから、第二電極13における接触抵抗の増大、放熱性の悪化などの誘発に直結するので好ましくない。
こういったことから、好適にはダイシング加工によってできる溝の幅よりも10〜30μm程度広い幅で第二電極13の形成されていない領域を形成することが望ましい。
上述の実施例1、2および比較例1では、本発明の半導体発光素子を用いて、一例として発光波長が630nmの赤色LEDを作製したが、LED以外、つまりレーザーダイオードなどを作製することもできる。
4,6 クラッド層
5 発光層(活性層)
9 金属光反射層
10 支持基板
11 金属接合層
12 第一電極
13 第二電極
14 化合物半導体層
19 ダイシングストリート
100 半導体発光素子用ウェハ
5 発光層(活性層)
9 金属光反射層
10 支持基板
11 金属接合層
12 第一電極
13 第二電極
14 化合物半導体層
19 ダイシングストリート
100 半導体発光素子用ウェハ
Claims (3)
- ダイシング加工を施すことによって各個の素子に分割される半導体発光素子用ウェハであって、
少なくとも第一のクラッド層、活性層及び第二のクラッド層から成るダブルへテロ構造を含み、
前記ダブルへテロ構造の第一主表面側は光取出し面であって、
前記第一主表面側には第一電極が形成されており、
前記ダブルへテロ構造の相対する第二主表面側には前記ダブルへテロ構造側から順次金属光反射層及び金属接合層が形成されており、
さらに前記金属接合層を介して、支持基板の一方の主表面が結合されておりかつ他方の主表面には第二電極が形成されている前記半導体において、
前記支持基板の第二電極は、ダイシング加工されるべき所定の位置に前記第二電極が形成されていないことを特徴とする半導体発光素子用ウェハ。 - 出発基板上に前記ダブルへテロ構造を含む積層構造を成長させる工程と、
前記ダブルへテロ構造を含む積層構造上に前記金属光反射層および前記金属接合層を順次形成する工程と、
前記金属接合層によって前記支持基板を結合する工程と、
しかる後前記出発基板を除去して前記ダブルへテロ構造を含む積層構造の第一主表面を光取出し面とする工程を含む、
請求項1に記載の半導体発光素子用ウェハの製造方法。 - 前記第二電極はAuからなり、また、前記支持基板はSiからなる請求項1に記載の半導体発光素子用ウェハ。
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JP2008233155A JP2010067818A (ja) | 2008-09-11 | 2008-09-11 | 半導体発光素子用ウェハおよびその製造方法 |
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Cited By (1)
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JP2011249772A (ja) * | 2010-05-24 | 2011-12-08 | Lg Innotek Co Ltd | 発光素子アレイ、発光素子パッケージ |
-
2008
- 2008-09-11 JP JP2008233155A patent/JP2010067818A/ja active Pending
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JP2011249772A (ja) * | 2010-05-24 | 2011-12-08 | Lg Innotek Co Ltd | 発光素子アレイ、発光素子パッケージ |
US8362498B2 (en) | 2010-05-24 | 2013-01-29 | Lg Innotek Co., Ltd. | Light emitting device array, method for fabricating light emitting device array and light emitting device |
EP2390927B1 (en) * | 2010-05-24 | 2020-09-30 | LG Innotek Co., Ltd. | Light emitting device array |
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