JP2010066724A - 複合光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合光学素子において、温度変化によるクラック、割れ、剥離等の破損の発生を防止する。
【解決手段】エネルギー硬化型樹脂(3)と、このエネルギー硬化型樹脂(3)を挟むように位置する2枚の基材(2,4)とを備える複合光学素子1において、エネルギー硬化型樹脂(3)の20℃における温度線膨張係数をCb、20℃における貯蔵弾性率をEbとし、2枚の基材(2,4)の20℃における温度線膨張係数をそれぞれCa,Cc、20℃における貯蔵弾性率をそれぞれEa,Ecとするとき、0.7≦Cb/Ca≦1.3、0.7≦Cb/Cc≦1.3、0.8≦Ca/Cc≦1.2、1≦Eb/Ea≦2、1≦Eb/Ec≦2の各条件式を満たす構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エネルギー硬化型樹脂と、これを挟むように位置する2枚の基材とを備え、例えば、カメラ等の撮像光学系、表示デバイス等の投影光学系、画像表示装置等の観察光学系その他の光学系に用いられる複合光学素子に関する。
近年、デジタルカメラをはじめとした撮像デバイス等において小型化・薄型化が求められている。これらを実現するための手段として、光学ガラス基材上にエネルギー硬化型の樹脂を積層することで、ガラスと樹脂とが一体となって収差補正等の光学性能を発揮する複合光学素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このように作製した複合光学素子は、使用環境の温度変化によっては、基材の変形や割れ、積層された樹脂のクラック、更には基材からの樹脂剥がれ等が発生するという問題が発生していた。
そこで、このような問題を解決するために、ガラス基材上に紫外線硬化型樹脂層を形成する際に、基材上に積層された複数の層の温度線膨張係数を規定することで、温度変化によらず回折効率を維持する複合光学素子が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、別の方法として、基材上にプライマー層を配し、さらにこのプライマー層と接するように複数の樹脂層を積層することで基材と樹脂との密着性を高めて、温度変化による樹脂剥がれを防止する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭64−50013号公報 特開2007−206354号公報 特開2003−320540号公報
ところで、上記特許文献2に記載された複合光学素子は、温度線膨張係数を規定した回折光学素子であるが、上記温度線膨張係数を厚みのあるレンズ系に適用する場合には、エネルギー硬化型樹脂と、これを挟むように位置する2枚の基材との貯蔵弾性率の関係に起因して、複合光学素子の破損が発生しやすくなる。
具体的には、図3に示すように、紫外線硬化型樹脂23と、これを挟むように位置する2枚の基材22,24とを備える複合光学素子21において、例えば、紫外線により紫外線硬化型樹脂23を硬化させる際に、紫外線硬化型樹脂23は、図3に示す2点鎖線の位置から実線の位置に収縮する。このとき、変形に対する抵抗力の大きさとして定義される貯蔵弾性率の関係によって、2枚の基材22,24が紫外線硬化型樹脂23に追従して収縮する量が変化すると共に、紫外線硬化型樹脂23に残留応力が発生しやすくなる。その結果、基材22,24及び紫外線硬化型樹脂23にクラックや割れが生じやすくなると共に紫外線硬化型樹脂23と基材22,24との間に剥離が生じやすくなる。
なお、上記特許文献3に記載されているように、基材上にプライマー層を配する手法では、剥離は発生しにくいものの、樹脂層の残留応力の発生等を抑えることができずに、クラックや割れが発生することがあった。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、エネルギー硬化型樹脂と、これを挟むように位置する2枚の基材とを備える複合光学素子において、構成部材の残留応力の発生を抑えて、クラック、割れ、剥離等の破損の発生を防止することができる複合光学素子を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の複合光学素子は、エネルギー硬化型樹脂と、このエネルギー硬化型樹脂を挟むように位置する2枚の基材とを備える複合光学素子において、上記エネルギー硬化型樹脂の20℃における温度線膨張係数をCb、20℃における貯蔵弾性率をEbとし、上記2枚の基材の20℃における温度線膨張係数をそれぞれCa,Cc、20℃における貯蔵弾性率をそれぞれEa,Ecとするとき、
以下の条件式(1)から(5)を満たす構成とする。
0.7≦Cb/Ca≦1.3 ・・・(1)
0.7≦Cb/Cc≦1.3 ・・・(2)
0.8≦Ca/Cc≦1.2 ・・・(3)
1≦Eb/Ea≦2 ・・・(4)
1≦Eb/Ec≦2 ・・・(5)
また、上記エネルギー硬化型樹脂は、紫外線硬化型樹脂であり、この紫外線硬化型樹脂の硬化時収縮率をA(%)とするとき、0<A≦10である構成とする。
また、400nm波長における光線透過率をB(%)とするとき、上記2枚の基材のうち少なくとも一方が、B≧70である構成とする。
本発明では、エネルギー硬化型樹脂と、このエネルギー硬化型樹脂を挟むように位置する2枚の基材とを備える複合光学素子において、クラック、割れ、剥離等の破損の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る複合光学素子について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る複合光学素子1を示す断面図である。
同図に示す複合光学素子1は、エネルギー硬化型樹脂としての紫外線硬化型樹脂3、並びに、この紫外線硬化型樹脂3を挟むように位置する基材としての透明な第1プラスチックレンズ基材2及び第2プラスチックレンズ基材4を備える。
複合光学素子1の製造の際には、所定の形状に成形した第1プラスチックレンズ基材2に対し、紫外線硬化型樹脂3を滴下する。そして、この紫外線硬化型樹脂3を挟み込むように、第2プラスチックレンズ基材4を降下させて、紫外線硬化型樹脂3を所定の形状に押し拡げる。
次いで、第1プラスチックレンズ基材2側から紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂3を硬化させる。このようにすることで、紫外線硬化型樹脂3並びに第1及び第2プラスチックレンズ基材2,4が一体となった複合光学素子1が製造される。
なお、第1及び第2プラスチックレンズ基材2,4の形状は、例えば、曲率一定の球面、平面、部分的に曲率の異なる非球面、或いは回折格子として機能するように周期的構造を有する形状等とすることができる。
また、硬化時の発生熱量の制御の容易さ及び変形量の少なさの点で好ましいことから、本実施の形態では、エネルギー硬化型樹脂として紫外線硬化型樹脂3を用いる例について説明している。しかしながら、エネルギー硬化型樹脂として、紫外線硬化型樹脂に限らず熱硬化型樹脂その他のエネルギー硬化型樹脂を用いることもできる。
本実施の形態における紫外線硬化型樹脂3としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリメチルプロパン(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の各種アクリレート、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン等のモノマー或いはオリゴマーの一種又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、基材2,4は、射出成形によりプラスチックレンズとして任意の形状に形成することが容易な熱可塑樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリオキシメチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリカーボネートやシクロオレフィン系ポリマー等を、単独で又はこれらから選ばれる成分を含有してなる共重合体として用いることができる。
そして、上記の基材2,4及び紫外線硬化型樹脂3で構成された複合光学素子1は、紫外線硬化型樹脂3の20℃における温度線膨張係数をCb、プラスチックレンズ基材2,4の20℃における温度線膨張係数をそれぞれCa,Ccとするとき、
0.7≦Cb/Ca≦1.3 ・・・(1)
0.7≦Cb/Cc≦1.3 ・・・(2)
0.8≦Ca/Cc≦1.2 ・・・(3)
の関係を満たすことが望ましい。この条件式(1)〜(3)を満たすことで、複合光学素子1おいて、温度変化が大きくてもクラックや割れや剥離の発生を抑えることができる。
上記条件式(1)〜(3)を満たさない場合には、紫外線硬化型樹脂3と基材2,4との間で収縮差が大きくなる。その結果、温度変化大きいと、紫外線硬化樹脂3や基材2,4にクラックや割れが発生したり、紫外線硬化樹脂3と基材2,4の間で剥離が生じる。
また、複合光学素子1は、紫外線硬化型樹脂3の20℃における貯蔵弾性率をEbとし、プラスチックレンズ基材2,4の20℃における貯蔵弾性率をそれぞれEa,Ecとするとき、
1≦Eb/Ea≦2 ・・・(4)
1≦Eb/Ec≦2 ・・・(5)
の関係をさらに満たすことが好ましい。この条件式(4)、(5)を満たすことで、より効果的に、紫外線硬化樹脂3や基材2,4にクラックや割れが発生することや、紫外線硬化樹脂3と基材2,4の間で剥離が生じることを抑えることができる。
これに対して、条件式(4)、(5)の下限値1を下回る場合、基材2,4における収縮速度が紫外線硬化型樹脂3の収縮速度よりも遅くなる。そのため、紫外線硬化型樹脂3の硬化時において、基材2,4にクラックや割れ、或いは紫外線硬化型樹脂3と基材2,4との間に剥離が発生する。なお、条件式(4)、(5)を満足しない場合としては、例えば、紫外線硬化型樹脂3の貯蔵弾性率Ebが基材2,4の貯蔵弾性率Ea,Ecよりも低い場合がある。
また、条件式(4)、(5)の上限値2を超える場合、基材2,4における収縮速度が紫外線硬化型樹脂3の収縮速度よりも速くなる。そのため、外線硬化型樹脂3の硬化時において、基材2,4にクラックや割れ、或いは紫外線硬化型樹脂3と基材2,4との間に剥離が発生する。また、紫外線硬化型樹脂3に残留応力が溜まりやすくなることから、複合光学素子の形成後の使用環境の温度変化が大きいと、紫外線硬化型樹脂3や基材2,4にクラックや割れ、或いは紫外線硬化型樹脂3と基材2,4との間に剥離等が発生してしまう。
また、後述する硬化時収縮率が10%を超える紫外線硬化型樹脂3を用いると、複合光学素子の形成時に残留応力が溜まりやすくなる。その結果、複合光学素子の形成後の使用環境の温度変化が大きいと、紫外線硬化樹脂3にクラックや割れが発生したり、紫外線硬化樹脂3と基材2,4との間に剥離が発生しやすくなる。
また、熱可塑樹脂としての基材2、4の光線透過率が、400nmの波長域において70%に満たない場合、紫外線硬化型樹脂3を十分に硬化させるためには、照射する紫外線の出力を上げる必要がある。そのため、紫外線硬化樹脂3が発熱して硬化時の冷却過程で残留応力が溜まりやすくなる。その結果、複合光学素子の形成後の使用環境の温度変化が大きいと、クラックや割れ、或いは剥離などの破損が発生する。
このような問題は、光線透過率が50%に満たない場合には、特に顕著に発生する。
そのため、基材2,4のうち少なくとも一方(少なくとも紫外線照射側の基材)は、400nmの波長域において50%以上、好ましくは70%以上の光線透過率を有する熱可塑樹脂とするのが好ましい。
このように本発明では、複合光学素子の構成部材が、上述した条件式(1)〜(5)を満足することにより、複合光学素子の形成時に、エネルギー硬化型樹脂と2枚の基材との収縮差に起因して発生する残留応力の発生自体を抑えることができる。その結果、形成後の複合光学素子における使用環境の温度変化によって、クラックや割れ、或いは剥離などの破損が発生することを抑えることができる。
上述した複合光学素子の各特性の測定方法、試験方法、及び評価方法については、以下に詳しく述べる。
(貯蔵弾性率の測定)
貯蔵弾性率Ea,Eb,Ecは、紫外線硬化型樹脂3及び基材2,4の各材料からなる1×1×5mmの各角柱試料について、TAインスツルメント社製DMA Q−800を用いて測定する。測定モードは、3点曲げにて、周波数1Hz、20℃で測定する。
(硬化時弾性率の測定)
1mmの器壁及び内径を有する透明なポリカーボネート製の円筒状容器に、紫外線硬化型樹脂3を所定量導入して、その高さH(cm)を測定する。次に、メタルハライドランプを用いて波長400nmの光を100mW/cmで5分間、紫外線硬化型樹脂3全体に照射する。そして、光を照射した後の樹脂の高さh(cm)を測定し、h/Hが0.9以上であれば、当該紫外線硬化型樹脂の硬化時収縮率が、10%以下であるとする。
(光線透過率の測定)
日立製分光光度計U−4100を用いて測定することができる。具体的には、基材2,4と各々、同材質で、その最大厚さと同じ厚さの平板を用意してその透過率を測定する。
(ヒートサイクル試験)
サンプルを20℃60%RHの環境下で1時間保持した後、3時間かけて80℃40%RHに変化させる。そして、80℃40%RHの状態で3時間保持した後、5時間かけて−50℃に変化させる。また、−50℃で3時間保持した後、3時間かけて20℃60%RHに変化させる。そして、このサイクルを4サイクル繰り返し、計72時間のヒートサイクル試験を行う。
(評価方法)
サンプルの良否の評価は、試験後にクラック、割れ、剥離の有無を目視により観察し、例えば、10サンプルあたり1サンプル以上に欠陥が発生したものを不良と評価することにする。
以下、実施例1及び2並びに比較例1及び2を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。また、各実施例及び各比較例における複合光学素子の各特性及びその評価結果を図2に示した。
<実施例1>
モノマーとしてジメチロールトリシクロデカンジアクリレートを99.5重量部、光重合開始剤としてベンゾフェノンを0.5重量部配合した紫外線硬化型樹脂を、曲率半径200mmの凸面を有するH4000(三菱ガス化学社製樹脂:光線透過率88%)に0.05g滴下した。そして、その上方にカップリング剤による表面処理を施した曲率半径80mmの凹面を有する直径20mmのゼオネックスE48R(日本ゼオン社製樹脂:光線透過率90%)を上記凹面が上記凸面に対向するように被せることで、2枚の熱可塑樹脂面(基材面)と、紫外線重合性組成物面(紫外線硬化型樹脂面)とが界面を形成するようにした。
次いで、UV照射装置(住田光学製 LS−165UV)を用いて、照度が50mW/cmとなるようにした波長405nmの光を、基材であるH4000を介して紫外線硬化型樹脂に2分間照射し、紫外線硬化型樹脂が硬化後、2枚の基材と紫外線硬化型樹脂とが一体となった複合光学素子を得た。
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートの上述の硬化時収縮率は、6%であった。
そして、紫外線照射側のレンズ基材2に使用したH4000の400nmにおける光線透過率は、上記のように88%であった。
これら複合光学素子の構成部材について、上述の温度線膨張係数を評価したところ、
0.7≦Cb/Ca=1.2≦1.3 ・・・(A1)
0.7≦Cb/Cc=1.2≦1.3 ・・・(A2)
0.8≦Ca/Cc=1.2≦1.2 ・・・(A3)
であり、また、これら構成部材について、上述の貯蔵弾性率を評価したところ、
1≦Eb/Ea=1.5≦2 ・・・(A4)
1≦Eb/Ec=1.5≦2 ・・・(A5)
であった。
本実施例の複合光学素子に対して、上述したヒートサイクル試験を行ったところ、樹脂にクラックや剥離は発生せず、良好なヒートサイクル特性を示した。
<実施例2>
2枚の透明基材をそれぞれゼオネックス330R(日本ゼオン社製樹脂:光線透過率90%)およびパンライトAD−5503(帝人化成社製樹脂:光線透過率85%)としたほかは上記実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
紫外線照射側のレンズ基材2には、上記のように光線透過率が90%のゼオネックス330Rを使用した。
本実施例の複合光学素子の構成部材について、上述の温度線膨張係数を評価したところ、
0.7≦Cb/Ca=0.9≦1.3 ・・・(B1)
0.7≦Cb/Cc=0.8≦1.3 ・・・(B2)
0.8≦Ca/Cc=0.9≦1.2 ・・・(B3)
であり、また、これら構成部材について、上述の貯蔵弾性率を評価したところ、
1≦Eb/Ea=1.5≦2 ・・・(B4)
1≦Eb/Ec=1.5≦2 ・・・(B5)
であった。
本実施例の複合光学素子に対して、上述したヒートサイクル試験したところ、樹脂にクラックや剥離等は発生せず、良好なヒートサイクル特性を示した。
<比較例1>
2枚の熱可塑樹脂基材をそれぞれH4000(三菱ガス化学社製樹脂:光線透過率89%)およびパンライトSP−1516(帝人化成社製樹脂:光線透過率66%)としたほかは、上記実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
紫外線照射側のレンズ基材2には、上記のように光線透過率が89%のH4000を使用した。
本比較例の複合光学素子の構成部材について、上述の温度線膨張係数を評価したところ、
0.7≦Cb/Ca=0.7≦1.3 ・・・(C1)
0.7≦Cb/Cc=0.8≦1.3 ・・・(C2)
Ca/Cc=1.3>1.2 ・・・(C3)
であり、また、これら構成部材について、上述の貯蔵弾性率を評価したところ、
1≦Eb/Ea=1.5≦2 ・・・(C4)
1≦Eb/Ec=1.6≦2 ・・・(C5)
であった。
本比較例の複合光学素子に対して、上述したヒートサイクル試験を行ったところ、Ca/Cc(式C3)が許容範囲の1.2を超える1.3であったことに起因して、10サンプル中2サンプルに樹脂クラックが発生した。
<比較例2>
紫外線硬化型樹脂としてDCP−Aにシリカナノ粒子を20wt%分散させたものを用いたほかは上記実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
2枚の熱可塑樹脂基材は、それぞれH4000(三菱ガス化学社製樹脂:光線透過率89%)およびゼオネックスE48R(日本ゼオン社製樹脂:光線透過率91%)とした。
紫外線照射側のレンズ基材2には、上記のように光線透過率が89%のH4000を使用した。
DCP−Aにシリカナノ粒子を20wt%分散させた場合の硬化時収縮率は、5%であった。
本比較例の複合光学素子の構成部材について、上述の温度線膨張係数を評価したところ、
0.7≦Cb/Ca=0.7≦1.3 ・・・(D1)
Cb/Cc=0.6<0.7 ・・・(D2)
Ca/Cc=0.7<0.8 ・・・(D3)
であり、また、これら構成部材について、上述の貯蔵弾性率を評価したところ、
Eb/Ea=2.1>2 ・・・(D4)
Eb/Ec=2.1>2 ・・・(D5)
であった。
本比較例の複合光学素子に対して、上述したヒートサイクル試験をしたところ、Cb/Cc(式D2)、Ca/Cc(式D3)、Eb/Ea(式D4)、及び、Eb/Ec(式D5)の4つが許容範囲になかったことに起因して、10サンプル中3サンプルに樹脂クラックが発生した。
本発明の実施の形態に係る複合光学素子を示す断面図である。 本発明の各実施例及び各比較例に係る複合光学素子の特性及びその評価結果を示す図表である。 従来の複合光学素子を説明するための説明図である。
符号の説明
1 複合光学素子
2 第1プラスチックレンズ基材
3 紫外線硬化型樹脂
4 第2プラスチックレンズ基材

Claims (3)

  1. エネルギー硬化型樹脂と、該エネルギー硬化型樹脂を挟むように位置する2枚の基材とを備える複合光学素子において、
    前記エネルギー硬化型樹脂の20℃における温度線膨張係数をCb、20℃における貯蔵弾性率をEbとし、前記2枚の基材の20℃における温度線膨張係数をそれぞれCa,Cc、20℃における貯蔵弾性率をそれぞれEa,Ecとするとき、
    以下の条件式(1)から(5)を満たすことを特徴とする複合光学素子。
    0.7≦Cb/Ca≦1.3 ・・・(1)
    0.7≦Cb/Cc≦1.3 ・・・(2)
    0.8≦Ca/Cc≦1.2 ・・・(3)
    1≦Eb/Ea≦2 ・・・(4)
    1≦Eb/Ec≦2 ・・・(5)
  2. 前記エネルギー硬化型樹脂は、紫外線硬化型樹脂であり、
    該紫外線硬化型樹脂の硬化時収縮率A(%)は、0<A≦10である
    ことを特徴とする請求項1記載の複合光学素子。
  3. 400nm波長における光線透過率をB(%)とするとき、前記2枚の基材のうち少なくとも一方が、B≧70であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の複合光学素子。
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