JP2010065204A - 繊維炭粉塗料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塗布後はメッシュ構造になる繊維状炭化物塗料を得るためのものであり、例えば炭化綿と炭粉を混合して炭化綿の特性と炭粉の特性を合わせ持った炭化綿塗料を得るためになされる。
【解決手段】 例えば炭化綿を塗料化するために、繊維間に炭粉を分散させて、炭粉とコロイド状のラテックスや樹脂によるすべりを得たものであって、塗布するとメッシュ構造の面になって、極微小な粒子が吸着できる炭化綿塗料である。
【選択図】図1
【解決手段】 例えば炭化綿を塗料化するために、繊維間に炭粉を分散させて、炭粉とコロイド状のラテックスや樹脂によるすべりを得たものであって、塗布するとメッシュ構造の面になって、極微小な粒子が吸着できる炭化綿塗料である。
【選択図】図1
Description
短繊維と繊維状炭化物に炭粉を加えた塗料に係る。
木炭粉、竹炭粉は木材破砕片同様の扁平な形状であり、活性炭は木炭粉、竹炭粉に比べて長さが短い扁平な形状であり、どちらも容易に破砕できる。
木炭、竹炭、活性炭のように扁平形状であっても、破砕して微細化すれば、例えばエチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤と水を混合撹拌すれば塗料にすることができる。(特願2008−113162参照)
また、アクリルエマルジョン樹脂塗料に、活性炭もしくは麦飯石または両者を併用した多孔質粒子を分散状態に配合すれば容易に炭粉塗料を得ることができる。(特願2001−061349参照)
炭粉使用の水浄化フィルターでは、布などのように、空気流通性のよい担体に、例えば塗料化した活性炭粉を噴霧や転写して接着させたものを使っている。
以下に本発明でいう炭粉は、活性炭粉、木炭粉、竹炭粉のいずれか、または複数である。
このような構造物では炭粉層を厚くすると空気や水の通りが悪くなるために、まばらに炭粉を分散させている。よって炭粉量は少量であり、炭による吸着作用も少なく、炭粉が剥離し易い。またトリハロメタンは活性炭では吸着できない問題がある。
炭粉使用の空気浄化フィルターでは、例えば不織布などのように空気流通性のよい担体に炭粉をまばらに配置したものを主に使っている。
このような構造物では炭粉層を厚くすると空気や水の通りが悪くなるために、まばらに炭粉を分散させている。よって炭粉使用量は微量であり、炭粉による吸着作用も少なく、剥離しやすい。このような構造物で課題になるのは、VOC吸着、微小粉塵の吸着、細菌、ウイルスの吸着などである。
近年、従来の炭とは物理特性が全く違った繊維形状をしている、炭化綿などの繊維状炭化物が開発されている。例えば特願2001−20138の炭化綿は直径が約5〜15マイクロメートル、長さが約5〜50ミリメートルであり、柔軟性があり破砕耐久性を有するため容易に微細化できない。
このような繊維状構造を生かすと、圧力低下の少ない画期的な高性能フィルターを得ることができる可能性が大きいが、繊維形状をしている炭のため、使い勝手が悪く加工コストが高くなるために利用できる範囲が限られていた。
特願2001−20138 特願2001−061349 特願2008−113162
本発明は、従来から課題になっていた、塗布すると空気や水の通りが悪くなっていたフィルターに塗布する炭粉塗料の問題を解決し、多量に塗布しても空気や水の流通阻害が小さい塗料を得るためになされるものである。
繊維状炭化物はセルロース繊維、合成樹脂繊維、絹、綿、麻、ウールなどの有機物繊維を炭化したものであり、炭化綿や炭化セルロース繊維や炭化合成樹脂繊維や炭化絹や炭化麻や炭化ウールである。形状は炭化前の繊維の形に準じる。
合成樹脂繊維にはアクリル、ビニロン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロン、レーヨン、アクリルなどの繊維がある。
例えば炭化綿は綿と同じ繊維形状をしていて、直径は約5〜15マイクロメートル長さが約5〜50ミリメートルであって、1〜2ナノメートルの微細孔及びクラクチ層に細孔を多く有している。柔らかくて通常の木炭や活性炭のように破砕ができなくて、綿と同様にふわふわして空気層が多くて軽く、従来の活性炭や木炭などの粒状物と全く異なる形態である。
このような繊維状炭化物と炭粉を混合して塗料化すると、例えば不織布フィルターのような空気や水の流通を妨げない、浄化能力に優れたフィルターの用途開発ができる。
短繊維はアスベストなどの鉱物繊維ほか、セルロース繊維、ガラス繊維、合成樹脂繊維、絹、綿、麻、ウールを短く切断したものであり、短繊維と炭粉を混合して塗料化すると、例えば空気や水の流通を妨げにくい低コストのフィルターの用途開発ができる。
そして、繊維状炭化物や短繊維を炭粉と混合して塗料化すれば、噴霧、はけ塗り、ローラ塗りが容易にできて用途は飛躍的に広がる。しかし、繊維状のものを塗料化することは困難であり、摩擦係数の高い繊維状炭化物は更に困難である。
短繊維や繊維状炭化物、特に柔らかくて凹凸に富む天然繊維の綿、セルロース、ウール、炭化物の炭化綿、炭化セルロースは振動を得ると繊維同士が絡み合ってダマになりやすい。
セルロースは水には分散するが、綿やウールは分散しない。セルロースも水量が少なくなるとダマ化する。接着剤を加えても多量の水がなければダマ化するため塗料化は困難であった。例えば炭化綿の吸水量は通常の木炭の約5倍、自重の約4倍である。
吸水性に優れた材料は塗料化することが非常に困難である。少ない水分量で繊維同士が絡み合わずに分散していなければ塗料にはならない。
炭化綿は短繊維や繊維状炭化物では最もダマ化しやすいものであり、これを塗料化できれば短繊維や繊維状炭化物の全てが塗料化できる。しかし、炭化綿と水と接着剤を混合しただけでは、接着剤量をどのように増やしてもダマになって塗料にはならない。
更に炭粉を加えて混合撹拌しても、炭粉が均一に分散しないため塗料にはならない。
塗料には優れた流動性が必要であり、個々の繊維状炭化物が互いに滑らかに滑り合う性質を得なければならない。
短繊維や繊維状炭化物の間にすべり易い物質を挟むとすべりやすくなるが、例えば炭化綿は既に繊維同士が絡んでいて、粒状物が内部へ浸入するのを防ぐフィルターとなっている。
例えば炭化綿のような炭化物は、多孔質であるため摩擦が大きく、細長い繊維状の形態であるためダマになりやすい、繊維間にすべり易い物質を挟むためには、一度炭化綿の繊維をばらばらにして各々の繊維間にすべり易い物質を挟まなければできない。
短繊維や繊維状炭化物、例えば炭化綿と炭粉を混合すれば、炭化綿と炭粉の吸着作用が合わさって単独では吸着困難な物質の吸着ができるようになり、吸着性能を向上することができる。特に針葉樹木炭などの有する比較的に大きなマクロ孔やメソ孔を併せ持つと、吸着範囲が飛躍的に拡大する。
ラテックス系接着剤はコロイドが水に分散していて滑りを良くし、エマルジョン系接着剤は保護コロイドで樹脂を覆って水に分散しているため滑りを良くする。どちらも摩擦の大きな炭化物を塗料化するに適している。ラテックス系接着剤、エマルジョン樹脂系接着剤共に固形物は接着剤重量の約50パーセント重量である。
ラテックス系接着剤で好ましいものはスチレン・ブタジエンゴム系ラテックス接着剤、天然ゴムラテックス接着剤があり、エマルジョン系接着剤で好ましいものはエチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、アクリル樹脂エマルジョン接着剤があるが、最も好ましい接着剤はエチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤である。
発明者は、短繊維や繊維状炭化物、例えば炭化綿間に炭粉が入れば、接着剤中のコロイド状ラテックスや保護コロイドで覆われた樹脂が炭化綿や炭粉の窪みに浸入して双方のすべりをよくし、木炭粉、竹炭粉、活性炭粉に関わらずベアリングのような働きをすると想定した。
例えば炭化綿と直径0.2mmの炭粉を1:1の重量比で混合した後、高速で分散撹拌すると、炭化綿が分散すると共に、炭化綿の周辺に炭粉が取り囲むようなり、炭化綿と炭粉が均等に分散した状態になった。このようにして炭化綿間に炭粉を分散させた炭化綿混合粉を得、例えばエチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤を加えてすべりをよくすると、課題を解決することができ、炭化綿塗料を得ることができた。
このようにして、炭粉の樹種や使用比率を用途に応じて変えることができる、繊維炭粉塗料や繊維状炭化物塗料の製造が可能になった。
吸着性を補う機能は期待できないが、繊維状炭化物や短繊維の滑りを更によくするために、微細化した粘土、セラミックス粉、ゼオライト、石灰のいずれかまたは複数を混入してもよい。
繊維炭粉塗料や繊維状炭化物塗料は多量に塗布しても、空気や水の流通を大きく阻害しないことが特徴の塗料であり、空気や水の通りが悪くなっていた従来の炭粉塗料の課題が解決され、結果優れた吸着能力を有するフィルターを得ることができる。
請求項1では例えば図1のように、炭化綿と直径0.2mmの炭粉を、10重量:10重量割合で混合したものを高速で分散撹拌して炭化綿混合粉(1)を得る。一方でエチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤16重量と水28重量を混合した接着剤(2)を得る。(1)と(2)を混合して炭化綿塗料(3)を得る。炭粉が炭化綿間に均等に分散した炭化綿混合粉(1)であれば、接着剤(2)との混合は通常の混合方法でよい。この時、炭化綿と炭粉を加えた炭の乾燥時重量比は約71パーセントである。
このような重量配合比は吸着性能を保つために接着剤量を最低に設定しているため塗料としての流動性は低い。このため、炭化綿と炭粉が10重量:10重量であれば、接着剤量を20重量にして水24重量にするのが使い勝手がよい。この時、炭化綿と炭粉を加えた炭の乾燥時重量比は約67パーセントである。炭化綿の配合重量比率が炭粉より少なくなると塗料としての流動性がよくなるために、接着剤量が低減できる。
繊維状炭化物として炭化綿、炭粉にはクヌギ木炭粉を使用して、以下の重量配合比で塗料サンプルを得た。
塗料1はダマになろうとして塗りにくい。
塗料2は比較的に塗りやすい。
塗料3は塗りやすい。
塗料4は塗りやすい。
塗料5は塗りやすい。
塗料2または塗料3は、接着剤量が少なくて吸着性の低下が少ないが、比較的に塗りやすいため望ましい。このように炭化綿に適量の炭粉を加えて高速分散撹拌することで、炭化綿塗料が実現した。
塗料1はダマになろうとして塗りにくい。
塗料2は比較的に塗りやすい。
塗料3は塗りやすい。
塗料4は塗りやすい。
塗料5は塗りやすい。
塗料2または塗料3は、接着剤量が少なくて吸着性の低下が少ないが、比較的に塗りやすいため望ましい。このように炭化綿に適量の炭粉を加えて高速分散撹拌することで、炭化綿塗料が実現した。
塗料サンプルではクヌギ炭を使用したが、炭粉であれば塗料化に必要な滑りを得ることができるため、用途に応じて樹種や炭化温度による、合理的な細孔分布の炭を使い分けすればよい。
炭化綿は短繊維、繊維状炭化物の中で最も摩擦が大きく、ダマ化しやすいため、炭化綿で塗料化できれば、ほかの短繊維や繊維状炭化物の塗料化は容易である。
炭化セルロース繊維や炭化合成樹脂繊維は炭化綿に比べて、塗料化するときの接着剤量を少なくしても塗料の流動性は確保できる。
請求項2は例えば、短繊維と炭粉とエチレン酢酸ビニル樹脂接着剤と水を混合して得たことが特徴の塗料であり、請求項1と同じ生産工程であり、配合重量比率は短繊維:炭粉が10重量:10重量であり、20重量のエチレン酢酸ビニル樹脂接着剤と水20重量を加えて混合撹拌して繊維炭粉塗料を得る。
請求項3は請求項1の繊維状炭化物塗料や請求項2の繊維炭粉塗料を、紙、布、不織布、スポンジ、金網、繊維網のいずれかに塗布して得たことが特徴であるフィルターであり、塗布面もフィルター状に形成される。
繊維状炭化物塗料では、ラテックス量や樹脂量を多くすると吸着性や通気性が失われるために、乾燥時に炭化綿を含む繊維状炭化物と炭粉を加えた炭の重量比を60パーセント以上にすることが望ましい。
繊維状炭化物に細孔分布の異なる木炭粉や竹炭粉や活性炭粉を混合すると、木炭粉や竹炭粉や活性炭粉の吸着機能に繊維状炭化物の吸着機能とフィルター機能が加わって、様々な分子量のVOCを吸着することができる。更に設計によっては、細菌(0.2〜10ミクロンメートル)やウイルス(10〜100ミクロンメートル)の除去も容易にできる。
添付書類1に炭化綿を250倍に拡大した写真1と、炭化綿塗料を紙に塗布した250倍に拡大した写真2と、炭化綿塗料を不織布に塗布した250倍に拡大した写真3を添付しているが、フィルターとしての使用に適した構造であることが解かる。
例えば、不織布に炭化綿塗料を塗布したものは、不織布上に目の細かいフィルター層を設けた構造になり、不織布繊維と一体化して、微細物の濾過を可能にし、優れた有機溶剤の吸着分解機能を得ることができる。
噴霧塗布方式で実施すれば繊維がランダムに積層するため好ましいが、はけ塗りやロール塗りで実施してもよい。
炭粉の直径は0.5mm以下であればよいが、0.05〜0.2mmが好ましい。
メッシュ構造のあらゆる担体に繊維状炭化物塗料または炭化綿塗料を塗布すると、大きな粉塵から極微小なウイルスまで広範囲の除去ができる安価なフィルターや、高性能VOC吸着フィルターとして使用できる。
Claims (3)
- 繊維状炭化物である炭化綿、炭化セルロース、炭化合成樹脂繊維のいずれか又は複数と、木炭粉、竹炭粉、活性炭粉のいずれか又は複数と、ラテックス系接着剤かエマルジョン系接着剤のいずれか又は複数とを混合したもので構成されたことが特徴である繊維状炭化物塗料。
- 短繊維化された鉱物繊維、セルロース繊維、ガラス繊維、合成樹脂繊維、絹、綿、麻、ウールのいずれか又は複数と、木炭粉、竹炭粉、活性炭粉のいずれか又は複数と、ラテックス系接着剤かエマルジョン系接着剤のいずれか又は複数とを混合したもので構成されたことが特徴である繊維炭粉塗料。
- 請求項1、請求項2の繊維状炭化物塗料または繊維炭粉塗料のいずれか又は複数を、紙、布、不織布、スポンジ、金網、繊維網のいずれかに塗布して得たことが特徴である、繊維状炭化物塗料塗布フィルターと繊維炭粉塗料塗布フィルター。
Priority Applications (1)
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JP2008264622A JP2010065204A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | 繊維炭粉塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008264622A Pending JP2010065204A (ja) | 2008-09-10 | 2008-09-10 | 繊維炭粉塗料 |
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JP (1) | JP2010065204A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5913650B1 (ja) * | 2015-01-29 | 2016-04-27 | 東亜機工株式会社 | 乾燥機および乾燥方法 |
CN107914442A (zh) * | 2017-10-11 | 2018-04-17 | 江苏拓福服装有限公司 | 抗油污衬衫面料 |
JP2022083822A (ja) * | 2020-11-25 | 2022-06-06 | 株式会社 サンエース | ガスフィルタ機能向上剤 |
JP2022083821A (ja) * | 2020-11-25 | 2022-06-06 | 株式会社 サンエース | ガスフィルタ機能向上剤 |
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2008
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