JP2010064593A - 給油口キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスを大気中に放出せず安価に除去処理することができる給油口キャップを提供する。
【解決手段】エンジンの気化器に連通するパイプ70が設けられたキャップ本体10と、このキャップ本体10内に構成され、燃料タンク内に連通すると共に、パイプ70を介して気化器に連通する空気通路26を備える。キャップ本体10内に構成され、内部連通路83を介して内部が空気通路26に連通した吸着室77と、この吸着室77内に設けられ、燃料タンク内から発生したガスの吸着と放出機能を有する吸着部材82とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、自動車(乗用車や貨物自動車、農機具、発電機、芝刈り機、オートバイ、スクーター或いは建設機械等)などに設けられた燃料タンクの給油口を閉塞する給油口キャップに関するものである。
従来、自動車(乗用車や貨物自動車、農機具、発電機、芝刈り機、オートバイ、スクーター或いは建設機械等)に設けられた内燃機関の燃料タンクは、収容された燃料が消費されるに従って、消費された体積分だけ外部から燃料タンク内へ空気を導入する必要がある。そのため、燃料タンクの給油口キャップ内には空気通路が設けられているが、自動車が所定角度以上傾いた場合には、給油口キャップ内に設けられた空気通路から大量の燃料が外部に漏れ出して、その燃料に引火してしまうなどの危険性があった。
また、燃料タンクの傾斜時に燃料タンク内の燃料液面が、給油口キャップ底面の空気通路の位置以上に上昇して、燃料が空気通路より給油口キャップ内に流入した場合、内部に設けられたスポンジに吸着させるか、外部に通じる空気通路に部屋を設けたりして、燃料が外部に流出するまでの時間を稼いでいるものもあった。この構造の給油口キャップは、内部に燃料の流入を止める弁機構がなく、内部に流入した燃料が短時間で外部に漏れ出て火災や大気汚染の危険性があった。
また、燃料タンクの給油口に長い筒を設け、その先端(給油口)を給油口キャップで閉塞して燃料タンクが傾いたとき、給油口の先端を燃料タンクの燃料液面より高くしているものもあるが、燃料液面の方が先端の給油口より高くなるまで燃料タンクが傾いた場合、やはり給油口から燃料が漏れ出てしまい、給油口から燃料が漏れ出てしまうのを防止する効果はなかった。また、ロールオーバーバルブを装着すれば、燃料の流出を止めることができるが、ロールオーバーバルブを装着するには燃料タンクの構造を変更しなければならず、給油時にも不便で高価であった。
また、燃料タンク内の燃料が給油口キャップ内に設けられた空気通路から大量に漏れ出してしまうのを防止するものも提案されている。即ち、給油口キャップには、外蓋と内蓋の受入れ部との間の間隙内に、空気通路の一部を成す蛇行状通路を形成する凹凸部が設けられている。この蛇行状通路を介して、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスのみを給油口キャップの外部へ向かって流出させると共に、凹凸部によって液体の燃料が外部へ流出するのを阻止できるようになっていた。これにより、燃料タンク内に収容された燃料が外部に漏れ出てしまうのを低減させられるようになっていた(特許文献1参照)。
一方、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントに係る大気汚染の状況は、いまだ深刻であり、現在でも浮遊粒子状物質による人への健康悪影響が懸念され、緊急に対処することが必要となってきている。VOC(大気中で気体状となる有機化合物の総称)もその一つで、一例を挙げると、トルエン、キシレン、酢酸エチルや燃料(ガソリン)などがあるが、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスが給油口キャップに設けられた空気通路から外部(大気中)に放出されてしまうのも懸念されている。
そこで、燃料タンク内の燃料(ガソリン)から蒸発した有害ガスが大気中に放出されてしまうのを防止できるようなものが提案されている。即ち、燃料タンクに取り付けられたパイプから弁、ロールバルブ、キャニスタを介して気化器へ接続し、そのパイプから燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスを、キャニスタ内に設けた吸着部材(活性炭)に吸着させている。そして、吸着部材へ吸着させた有害ガスを脱離させ、エンジンの吸気管から脱離させたその有害ガスを吸入して燃焼させていた。これにより、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスが給油口キャップの空気通路から大気中に放出されてしまうのを防止していた(特許文献2参照)。
特開平6−219461号公報 特開平5−133287号公報
しかしながら、従来では燃料タンクに取り付けられたパイプから弁、ロールバルブを介してキャニスタを接続し、このキャニスタ内に設けられた吸着部材にて燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスを吸着/脱離させてエンジンで燃焼させることにより給油口キャップの空気通路から大気中に有害ガスが放出されてしまうのを防止していたが、燃料タンクにパイプを取り付けていたため、燃料タンクのコストが高騰してしまうという問題があった。
また、燃料タンクにパイプを取り付け、キャニスタを介して気化器へ接続していたので組立工数が多くなってしまう。このため、キャニスタの取り付けコストが増大してしまうという問題もあった。
本発明は、係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスを大気中に放出せず安価に除去処理することができる給油口キャップを提供することを目的とする。
即ち、本発明の給油口キャップは、燃料タンクの給油口に取り付けられるものであって、エンジンの気化器に連通するパイプが設けられたキャップ本体と、このキャップ本体内に構成され、燃料タンク内に連通すると共に、パイプを介して気化器に連通する空気通路と、キャップ本体内に構成され、内部連通路を介して内部が空気通路に連通した吸着室と、この吸着室内に設けられ、燃料タンク内から発生したガスの吸着と放出機能を有する吸着部材とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明の給油口キャップは、上記に加えて、空気通路中に設けられ、燃料タンクが所定角度以上傾斜した場合に、当該燃料タンクからの燃料の流出を防止するための弁機構部を備えたことを特徴とする。
また、請求項3の発明の給油口キャップは、請求項1又は請求項2に加えて、吸着室内と外部とを連通する外部連通路と、この外部連通路を介した外気の吸着室内への流入を許容し、この吸着室内から外部へのガスの流出を禁止する弁装置とを備えたことを特徴とする。
また、請求項4の発明の給油口キャップは、請求項3に加えて、吸着室内を内部連通路が位置する側と外部連通路が位置する側とに仕切る仕切部材と、この仕切部材に形成された中間連通路とを備え、この中間連通路を、内部連通路及び外部連通路から離間した位置に設けたことを特徴とする。
本発明は、燃料タンクの給油口に取り付けられる給油口キャップであって、エンジンの気化器に連通するパイプが設けられたキャップ本体と、このキャップ本体内に構成され、燃料タンク内に連通すると共に、パイプを介して気化器に連通する空気通路と、キャップ本体内に構成され、内部連通路を介して内部が空気通路に連通した吸着室と、この吸着室内に設けられ、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスの吸着と放出機能を有する吸着部材とを備えているので、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスをエンジンの気化器に流入させることができる。これにより、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスをエンジンで燃焼させることができるので、燃料タンク内の有害ガスが大気中に放出されてしまうのを確実に防止することができる。また、例えば従来のように給油口キャップに設けられた通気孔を密閉して燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスを、当該燃料タンクに接続されたパイプとホース及びロールバルブを介してキャニスタに導いて吸着させるような複雑で高価な吸着装置を設けなくても済む。従って、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスの除去処理を低コストで実現することができるようになるものである。
また、キャップ本体内に燃料から発生した有害ガスの吸着と放出機能を有する吸着部材を備えた吸着室を設けているので、有害ガスの吸着と放出を行うための部品点数を大幅に少なくすることができる。これにより、有害ガスの吸着と放出を行えるキャップ本体の組立作業工数を大幅に低減させることができるので、コンパクトで安価な給油口キャップを提供することが可能になる。従って、従来のように組立工数が多いキャニスタを、燃料タンクにパイプを取り付けて気化器へ接続する必要もなくなるので、給油口キャップのコストを大幅に低減させることができるようになるものである。
また、請求項2の発明は、空気通路中に設けられ、燃料タンクが所定角度以上傾斜した場合に、当該燃料タンクからの燃料の流出を防止するための弁機構部を備えているので、燃料タンクが所定角度以上傾斜して、燃料タンク内の燃料が給油口キャップ内に流入した場合でも、燃料が弁機構部から空気通路内へ流入してしまうのを瞬時に阻止することができる。これにより、燃料タンク内の燃料で有害ガスの吸着と放出機能を有する吸着部材が燃料で濡れてしまうのを未然に防止することが可能となる。従って、吸着部材が有害ガスの吸着と放出を行う機能を損なうことがないので、吸着部材の有害ガスの吸着と放出機能を長期間持続させることが可能となる。
また、空気通路中に弁機構部を設けているので、燃料タンク内に収容された燃料がキャップ本体内に設けた空気通路から漏れ出てしまうなどの不都合を防止することができるようになるので、例えば従来のように、給油口キャップに設けた空気通路から燃料が漏れ出してしまい、何らかの原因でその燃料に引火してしまうなどという危険性を未然に阻止することが可能となる。また、キャップ本体内に設けた空気通路より漏れ出した燃料によって植物に被害を与えてしまうといった不都合も防止することができる。従って、給油口キャップの利便性を大幅に向上させることができるようになるものである。
また、請求項3の発明は、吸着室内と外部とを連通する外部連通路と、この外部連通路を介した外気の吸着室内への流入を許容し、この吸着室内から外部へのガスの流出を禁止する弁装置とを備えているので、エンジンの停止中に気温が上昇して燃料から発生したガスで燃料タンク内の圧力が上昇した場合、閉じた弁装置によって吸着室内の有害ガスが外部連通路から大気中に放出されてしまうのを阻止することができるようになると共に、エンジンの運転中は外部連通路から吸着室内に大気を吸い込むことができる。これにより、エンジンの停止中に気温が上昇して燃料から発生したガスが、大気中に放出されてしまうなどの危険性を確実に防止することが可能になる。また、エンジンの運転により燃料が消費された場合は、外部連通路から吸着室内に大気を吸い込むことができるので、エンジンで燃料が消費されることにより燃料タンク内の圧力が低下して、エンジン停止などと言った不都合を未然に防止することができる。
特に、エンジンの運転中は、気化器内の空気がエンジンに吸い込まれるので、弁装置から外部連通路を介して外気を吸着室内に吸い込むことができる。これにより、吸着部材は外気で冷却されるので吸着部材に吸着された有害ガスの放出を大幅に促進することが可能になると共に、吸着部材に吸着された殆どの有害ガスを放出させることができるので、吸着部材の有害ガス吸着性能を略初期状態まで回復させることができる。従って、吸着部材の有害ガス吸着能力が低下してしまうなどの不都合を未然に阻止することができるので、吸着部材の有害ガス吸着能力を長期間維持することができるようになるものである。
また、請求項4の発明は、吸着室内を内部連通路が位置する側と外部連通路が位置する側とに仕切る仕切部材と、この仕切部材に形成された中間連通路とを備え、この中間連通路を、内部連通路及び外部連通路から離間した位置に設けたので、例えば、内部連通路から外部連通路迄の限られた容積を有する吸着室内の距離を延長することができる。これにより、内部連通路から吸着室内に流入した有害ガスを長時間吸着部材に触れさせることができると共に、弁装置から外部連通路を介して流入した外気を長時間吸着部材に触れさせることができる。
従って、吸着室内に充填した全ての吸着部材に有害ガスを満遍なく触れさせることができるようになるので、吸着部材への有害ガス吸着率を大幅に向上させることが可能となる。また、有害ガスを吸着した吸着室内全ての吸着部材に外気を満遍なく触れさせることができるので、吸着部材に吸着された有害ガスの放出効果を大幅に向上させることができる。
特に、吸着部材への有害ガスの吸着率を向上させることにより、吸着室内の吸着部材の量を少なくすることができるので、吸着室のコンパクト化を図ることができる。これにより、給油口キャップ内に高効率のキャニスタを内蔵することが可能になると共に、地球環境に安全な燃料タンクの給油口キャップを提供することができ、総じて、給油口キャップの利便性を大幅に向上させることができるようになるものである。
本発明は、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスを大気中に放出せず安価に除去処理することができる給油口キャップを提供することを主な目的とする。燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスを安価に除去処理するという目的を、キャップ本体内にキャニスタを設けるだけの簡単な構造で実現した。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例を示す給油口キャップの平面図、図2は本発明の一実施例を示す給油口キャップの裏面図、図3は本発明のキャップ本体10の縦断側面図、図4は本発明の給油口キャップを構成する外蓋12(パイプ70を含む)の縦断側面図をそれぞれ示している。
本実施形態における給油口キャップは、乗用車や貨物自動車、農機具、発電機、芝刈り機、オートバイ、スクーター或いは建設機械等(以降これらを自動車と称す)に搭載された、図示しない燃料タンクの給油口を密閉するものである。
給油口キャップは、図1、図2、図3に示すように合成樹脂にて所定の円筒形状に成形され、周囲外面に手回し用の凹凸部12Aが設けられた容器状の外蓋12と、この外蓋12の内側に装着される内蓋14とからキャップ本体10が構成されている。キャップ本体10は、外蓋12と内蓋14との間に所定の空間が形成され、この空間にキャニスタ75が設けられている。
外蓋12は、図4に示すように一側(図中下側)を開口すると共に、他側には内部円筒中空のパイプ装着部60が設けられている。このパイプ装着部60は外蓋12の略中央に設けられ、内蓋14から離間する方向に所定寸法延在している。このパイプ装着部60に、略直角に折れ曲がった内部中空のパイプ70が装着されている。
パイプ70の一側は、パイプ装着部60内径より所定寸法小径に形成されており、このパイプ70の一側がパイプ装着部60内に挿入されることにより、パイプ70はパイプ装着部60に装着されている。パイプ装着部60内の長手方向略中央には、Oリング62装着用の溝(図示せず)が設けられると共に、パイプ70の一側にパイプ装着部60の溝に対向してOリング62装着用の溝(図示せず)が設けられている。
該パイプ70の溝は、パイプ装着部60内にパイプ70が装着された状態でパイプ装着部60の溝に対向して設けられている。これらのパイプ装着部60とパイプ70に設けられた溝に弾性シリコンゴムからなるOリング62が装着されている。これにより、パイプ装着部60とパイプ70との隙間は塞がれると共に、パイプ装着部60からパイプ70が抜けてしまうのを防止している。また、パイプ70がOリング62を介してパイプ装着部60に装着された状態で、パイプ70を回動できるように構成されている。即ち、パイプ70は外蓋12に回動自在に装着されている。
パイプ70の他側(パイプ装着部60に装着した箇所の反対側)には、ホース(図示せず)の抜けを防止するための抜防止部72が設けられている。この抜防止部72は、パイプ70の他側近傍に、周囲に渡って所定の幅で設けられると共に、所定の高さ突出している。そして、図示しないが湾曲可能な弾性合成ゴム、或いは、弾性天然ゴムなどからなるホースがパイプ70の他側に装着され、このホースがエンジンの気化器に接続され、これによって外蓋12内とエンジンの気化器内とが連通している。
前記キャニスタ75は、図5に示すように、一側を開口した有底円筒形のキャニスタケース76と、このキャニスタケース76内に収納される所定厚さの、板状の仕切部材86と、吸着部材82とから構成されている。該吸着部材82は、燃料タンク内から発生したガスの吸着と放出機能を有するもので、例えば、活性炭、備長炭、竹炭等から構成されている。この吸着部材82は、直径約0.5mm〜1.0mm程度の大きさにて構成されている。
また、キャニスタケース76は、キャップ本体10内に収納可能に形成され、内部に吸着室77が形成されると共に、この吸着室77の略中央には円筒形の中筒体78が形成されている。中筒体78には、吸着室77の底部側に所定の直径の大径部79が形成され、先端部側(吸着室77底部の離間側)に大径部79より少許小さい直径の小径部80が形成されると共に、大径部79及び小径部80は所定の長さに形成されている。該大径部79は後述する弁機構部28を収納可能に構成されると共に、小径部80の先端(大径部79の離間側)側面には空気通路26を構成する貫通孔(図示せず)が形成されている。
この貫通孔によって中筒体78内と中筒体78の外とが連通している。また、キャニスタケース76には段差部76Aが形成されており、この段差部76Aはキャニスタケース76の周囲壁内側に形成されている。該段差部76Aはキャニスタケース76の開口側の周囲壁を薄く、底部側の周囲壁を厚くすることにより形成されている。尚、キャニスタケース76の底部下面には、後述する弁装置94を装着するための弁装着部92(図22に図示)が設けられている。
該仕切部材86は、図6に示すように略中央には仕切部材86の裏表を貫通する貫通孔86Aが形成されると共に、この貫通孔86Aは中筒体78の小径部80周囲に略密接する形状にて形成されている。また、貫通孔86Aの中心近傍周囲には所定の間隔を存して中間連通路84が形成されており、この中間連通路84は仕切部材86の裏表を貫通して形成されている。中間連通路84は、貫通孔86Aの周囲に略等間隔で4箇所設けられている。尚、仕切部材86は、キャニスタケース76の周囲壁に密接する外径にて構成されている。
そして、キャニスタケース76の開口側から仕切部材86が挿入されると、仕切部材86は周囲が段差部76Aに係合され、外周はキャニスタケース76の周囲壁に、貫通孔86Aは中筒体78の小径部80周囲に略密接する。この仕切部材86によって吸着室77は仕切られると共に、略同じ容積で略2分割されている。これにより、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスが仕切部材86の貫通孔86A周囲全体に均一に行き渡るように構成している。
吸着室77内には一側(図5上側)には第1フィルター90が装着されている。この第1フィルター90は、図7に示すように所定厚さの円板形状にて形成されている。この第1フィルター90の略中央には第1フィルター90の裏表を貫通する貫通孔90Aが形成されると共に、この貫通孔90Aは中筒体78の小径部80周囲に略密接する形状に形成されている。また、貫通孔90Aの周囲には所定高さの縦壁90Bが複数立設されている。この縦壁90Bは略等間隔で4箇所設けられると共に、各縦壁90B間は所定幅の隙間を呈している。
また、第1フィルター90の略外周に近接して複数の内部連通路83が設けられると共に、この内部連通路83は第1フィルター90の裏表を貫通して設けられている。この内部連通路83は、略等間隔で8箇所設けられると共に、所定の間隔を存して設けられている。この場合も、複数の内部連通路83によって、ガスが吸着室77全体に均一に行き渡るように構成している。該各内部連通路83にはそれぞれ吸着部材82が通過せず、燃料タンク内の燃料から蒸発したガス及び空気を通過する網目が形成されている。尚、第1フィルター90は、キャニスタケース76の開口部側の周囲壁に密接する外径にて構成されている。
また、吸着室77内には他側(図5下側)に第2フィルター91が装着されている。この第2フィルター91は、図8に示すように所定厚さの円板形状に形成されている。この第2フィルター91の略中央には第2フィルター91の裏表を貫通する貫通孔91Aが形成されると共に、この貫通孔91Aは中筒体78の大径部79周囲に略密接する形状にて形成されている。
また、第2フィルター91の略外周に近接して複数の外部連通路85が設けられると共に、この外部連通路85は第2フィルター91の裏表を貫通して設けられている。この外部連通路85は、略等間隔で4箇所設けられると共に、所定の間隔を存して設けられている。この場合、複数の外部連通路85によって、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスが第2フィルター91の周囲全体に均一に行き渡るように構成している。
該各外部連通路85にはそれぞれ吸着部材82が通過せず、燃料タンク内の燃料から蒸発したガス及び空気を通過する網目が形成されている。尚、91Bは、キャニスタケース76の底部下面に設けられた弁装着部92に係合される弁装着孔である。また、第2フィルター91は、キャニスタケース76の底部側の周囲壁に密接する外径にて構成されている。
そして、第2フィルター91に設けられた弁装着孔91Bを、キャニスタケース76の底部下面に設けられた弁装着部92に係合させ、第2フィルター91をキャニスタケース76内に装着する。次に、キャニスタケース76の開口から吸着室77内に仕切部材86を装着した後、吸着部材82を充填する。吸着部材82は中間連通路84から仕切部材86の下部にも充填されて、吸着室77内全体に吸着部材82が充填される。そして、最後に第1フィルター90を装着してキャニスタ75を完成させる。
このとき、キャニスタケース76に振動を与えながら吸着部材82を吸着室77内に充填する。これにより、振動によって吸着室77内に吸着部材82のない空間ができてしまうのを防止している。この場合、第1フィルター90の内部連通路83、及び第2フィルター91の外部連通路85には吸着部材82が通過しない網目を設けているので、吸着室77内から外部に吸着部材82が漏れ出てしまうことがない。尚、第1フィルター90は、縦壁90Bを吸着部材82の離間側に位置させて、吸着室77に装着する。
一方、内蓋14は、図9、図10に示すように略中心に位置して、中空の筒本体16が形成されている。この筒本体16は、一側に円筒形状の筒状部18が形成されると共に、この筒状部18に連続して縮径部20が形成されている。該筒状部18は、所定の長さ、所定の直径に形成されると共に、縮径部20は筒状部18より離間するに従って縮径していく円錐形状に形成されている。
また、縮径部20には筒状部18の離間側に位置して所定の径に形成された挿通孔22が設けられており、この挿通孔22は筒状部18を貫通して筒本体16の内側と外側に連通している。内蓋14の挿通孔22側の面には所定幅で所定寸法突出すると共に、挿通孔22を中心にして所定の直径のリング状突部23が複数(実施例では2箇所)設けられている。尚、14Aは超音波リブである。
ここで、弁装置94を図11、図12を参照して詳しく説明する。弁装置94は有底円筒形の底部材95と、この底部材95に超音波溶着機にて溶着固定される蓋部材97と、底部材95内に挿入される所定厚さの板状の孔が開いていない弁部材99とから構成されている。底部材95は、図13、図14に示すように底面中央には所定の円形の貫通孔95Aが設けられると共に、周囲の側壁96には複数のリブ96Aが所定寸法突出して設けられている。該リブ96Aは、側壁96周囲に略等間隔で8箇所設けられると共に、横断面カマボコ状に形成されている。これによって、各リブ96Aとリブ96Aの内側に挿入される弁部材99周囲とを線接触にして接触抵抗を低減させている。
また、蓋部材97は、図15、図16に示すように中央には底部材95同様に貫通孔97Aが設けられており、この貫通孔97Aは所定の円形に形成されている。蓋部材97の一面側には、当該蓋部材97の真ん中を中心にして円周方向に支柱98が複数(実施例では6個)設けられると共に、これらの支柱98は略等間隔に設けられている。この支柱98は、底部材95に設けたリブ96Aと少許間隔を存して中心側に位置して設けられている。
また、支柱98は、所定の直径、所定の長さに構成されると共に、先端は半球形状に形成されている。これによって、弁部材99が各支柱98に接触した場合、弁部材99が各支柱98の先端で吸着しないように構成している。即ち、弁装置94は、底部材95の開口側から弁部材99が挿入される。そして、底部材95の開口側から支柱98側から蓋部材97が重合された後、底部材95と蓋部材97とを超音波溶着機(図示せず)にて溶着固定して、弁装置94を完成させる。尚、底部材95の側壁96先端は、超音波溶着機にて溶着固定し易いように段差部が設けられており、この段差部と蓋部材97とが超音波溶着機にて溶着固定される。
また、前記内蓋14の筒本体16内には弁機構部28が設けられている。この弁機構部28は、図17に示すように球形に構成され、縮径部20に設けられた挿通孔22の径より所定寸法大径の球体30と、合成樹脂製のフロート32と、これもまた合成樹脂製のピストン40とから構成されている。該球体30は、殆ど錆びることのないステンレス(SUS304)などの金属にて直径約2.5mmの球形に構成され、フロート32の燃料タンクより外側に位置して筒本体16内に収納される。即ち、球体30を金属にて構成することにより所定の重量を持たせ、燃料タンク内の燃料が蒸発して発生した有害ガスの圧力により浮き上がらない様に構成している。以降、燃料タンク内の燃料が蒸発して発生した有害ガスを、燃料タンク内の燃料から発生したガス又は有害ガスと称す。
また、フロート32は中空半球形状の半球部36と、この半球部36の一側に設けられた有底円筒形状の筒部34とから構成されている。該筒部34の外周面は、筒本体16(筒状部18)の内面との間に所定の間隔を存して、当該筒状部18内に収納可能に形成されると共に、半球部36は筒部34の外径より少許小径に形成されている。この筒部34と半球部36との間には、筒部34側から半球部36方向に行くに従って小径となる傾斜部38が形成されると共に、筒部34の外径と筒状部18内面とは所定の隙間を有している。
また、フロート32は、半球部36と傾斜部38と筒部34とが一体に形成された状態で、内部中空に形成されると共に、筒状部18内を略平行移動可能に構成されている。該フロート32の半球部36は、当該フロート32が挿通孔22側に移動した状態では縮径部20の内側に接触する形状に形成されている。
また、フロート32の筒部34には、筒状部18の長手方向に延在して筒リブ34Aが複数設けられている。この筒リブ34Aは、幅約1.0mm、厚さ約0.2mmに形成されている。筒リブ34Aは、筒部34周囲に略等間隔で8箇所設けられると共に、横断面カマボコ状に形成されている。これによって、筒状部18内に挿入された筒部34と、筒状部18内面とを線接触にして接触抵抗を低減させると共に、筒部34周囲と筒状部18内面との間に所定の隙間ができるように構成されている。
即ち、筒部34周囲の筒リブ34Aが、筒状部18内面に接触した場合、筒リブ34Aを設けていない箇所の筒部34と筒状部18内面には所定の隙間が確保される。これにより、筒状部18内に所定の空気通路26を確保することができる。該筒リブ34A高さは、燃料タンク内の燃料が筒状部18内に流入して筒部34周囲と筒状部18との隙間を通り、挿通孔22側に流れ込むのを減らせる隙間になるような高さに構成されている。
また、筒リブ34Aは、燃料タンク内の燃料から発生し、筒状部18内に流入したガスの圧力により、筒部34が浮上せず、また、筒状部18内に流入したガスを挿通孔22側に円滑に通過させることのできる最小の隙間になるような高さにて構成されている。係る、球体30及びフロート32が挿通孔22側に移動した状態では、球体30が傾斜部38に所定の圧力で接触すると共に、フロート32に設けた半球部36は傾斜部38と所定の圧力(この場合、傾斜部38に接触する球体30の圧力より弱い圧力)若しくは、僅か隙間を存して接触するように構成されている。
また、ピストン40は、長さ約3.7mm、直径約9.6mmの有底円筒形の容器状に形成されると共に、ピストン40の外径と筒状部18の内径は所定の隙間を存して形成されている。該ピストン40の外径は、筒本体16(筒状部18)の内径より小径に形成され、筒状部18内に挿入可能に構成されている。該ピストン40の一側(図中上側)には、球形の一部を成す突部42が所定寸法突出して設けられており、この突部42はピストン40とフロート32とが点接触になるように構成している。即ち、ピストン40は、突部42が一側に所定寸法突出して設けられた状態で、内部中空の容器状に形成されると共に、筒状部18内を略平行移動可能に構成されている。これにより、ピストン40とフロート32とが密着し、燃料によって吸着してしまうのを防止すると共に、フロート32の略中央に接触してフロート32が傾いた場合でも自由度を確保している。
該フロート32は、弁機構部28の弁開放時(挿通孔22から球体30が離間する状態)、燃料タンクの傾きなどにより一般的には球体30が半球部36の中心よりずれた状態で落下する。即ち、弁機構部28の弁閉塞時、球体30は半球部36の略中心頂点に載っており、弁開放時は半球部36の中心頂点から筒部34方向に落下し、挿通孔22と球体30との隙間を確保すると共に、球体30は半球部36の何れかの方向にずれて落下するので、縮径部20と球体30との一部の隙間が大きくなる。これにより、弁機構部28内の、空気通路26の流通抵抗を減らし、燃料タンク内の燃料から発生したガスの圧力による球体30が上昇してしまうのを防ぎ、フロート32とピストン40との面吸着も防止する。
また、フロート32及びピストン40と、筒状部18内面との接触抵抗を減らすため、縮径部20とフロート32の半球部36、筒状部18内面とフロート32の筒部34、ピストン40の突部42との3点でフロート32が筒本体16内に支持される。これにより、筒状部18内面の隙間を不均一にして、弁機構部28に流入した燃料で密着して吸着することによる動作不良を防止して動作の自由度を持たせ、ピストン40の押し上げによる筒状部18内面との接触抵抗を減らし、ピストン40の上昇と連動して瞬時に球体30を挿通孔22に押し付け、弁機構部28(挿通孔22)を閉塞するように構成している。
また、筒状部18内面と接触する筒部34の外径に、筒リブ34Aを設け、この筒リブ34Aと筒状部18内面とを点接触させると共に、筒リブ34Aを筒状部18内面と燃料による面吸着を起こさない厚さに構成し、筒リブ34Aと筒リブ34Aとの間を空気通路26としている。また、燃料タンク内の燃料から発生したガスの圧力で、フロート32が浮き上がらないように、筒リブ34Aと筒リブ34Aとの間に空気通路26を確保している。この筒リブ34Aにて、フロート32の落下時に筒状部18内面との抵抗を減らすことができるので、燃料タンク方向への移動時(落下時)も円滑に動作させることができる。尚、フロート32は、傾き45度までは、浮力も押し付け圧力として働くように構成されている。
また、ピストン40には、筒状部18の長手方向に延在して縦リブ40Aが複数設けられており、この縦リブ40Aは、幅約1.0mm、厚さ約0.2mmに形成されている。縦リブ40Aは、ピストン40周囲に略等間隔で8箇所設けられると共に、横断面カマボコ状に形成されている。これによって、筒状部18内に挿入されたピストン40と、筒状部18内面とを線接触させて接触抵抗を低減させると共に、ピストン40周囲と筒状部18内面との間に所定の隙間ができるように構成されている。
即ち、ピストン40周囲の縦リブ40Aが、筒状部18内面に接触した場合、縦リブ40Aを設けていない箇所のピストン40周囲と筒状部18内面には所定の隙間が確保される。これにより、筒状部18内に所定の空気通路26を確保している。該縦リブ40Aは、燃料タンク内の燃料が筒状部18内に流入してピストン40周囲と筒状部18との隙間を通り、フロート32側に流れ込むのを減らせる高さにて構成されている。また、縦リブ40Aは、燃料タンク内の燃料から発生し、筒状部18内に流入したガスの圧力により、ピストン40が浮上せず、また、筒状部18内に流入したガスを、挿通孔22側に円滑に通過させることのできる最小の隙間になるような高さにて構成されている。
また、弁機構部28には、図18、図19に示すようにピストン40に隣接して合成樹脂にて構成されたベースプレート51が設けられている。このベースプレート51は、直径約10.2mm、厚さ1.6mmに形成され、中央には貫通して直径約4.5mmの貫通孔52が設けられている。ベースプレート51の一面側には幅約1.0mm、厚さ約0.8mmの水平リブ51Aが設けられている。
該水平リブ51Aは、ベースプレート51の中央から放射状に略等間隔で8箇所設けられると共に、横断面カマボコ状に形成されている。この水平リブ51Aは、ピストン40に線接触して、ベースプレート51とピストン40とが吸着してしまうのを防止すると共に、貫通孔52は各水平リブ51A間を介して、ピストン40と筒状部18との間に連通している。これにより、燃料及び、燃料から発生したガスが貫通孔52からピストン40と筒状部18間に流通できるように構成されている。
また、ベースプレート51の他面側には、厚さ約0.6mm、直径約11.7mmの係止片53が設けられると共に、この係止片53は貫通孔52の両側に位置すると共に対向して形成されている。ベースプレート51は、前記筒状部18の内面に略密着可能に形成されると共に、係止片53は筒状部18に係止され、ベースプレート51が挿通孔22側に移動するのを阻止する。両係止片53の間には、ベースプレート51まで凹陥した凹陥部53Aが形成されると共に、貫通孔52と凹陥部53Aは、空気通路26の一部を構成している。
次に、内蓋14の所定位置にガスケット54を装着し、弁機構部28のベースプレート51の上に、燃料タンクの給油口にキャップ(キャップ本体10)を固定するためのスプリング56を載せ、内蓋14とスプリング56とをリベット58にてカシメて固定を行う(図3に図示)。内蓋14は、スプリング56との間に所定寸法の凹み(図示せず)が設けられており、この凹みによって内蓋14とスプリング56との間に所定の隙間(空気通路26)が形成されている。尚、48は内部中空のスペーサで、ベースプレート51とスプリング56との間に装着されている。また、内蓋14とスプリング56には、リベット58を挿入し、固定するための挿通孔が貫通して設けられているが、挿通孔は図示していない。
そして、燃料タンク内の燃料がスプリング56とベースプレート51間の隙間からベースプレート51の中央に設けた貫通孔52より弁機構部28内に流入すると、流入した燃料は、容器状に形成されたピストン40の底部に流入し、ベースプレート51の貫通孔52より弁機構部28内に噴射される。ピストン40、フロート32、球体30は弁機構部28内に噴射された燃料の憤圧により連動して上昇(この場合、球体30側に移動)する。該ピストン40には球形の一部を成す突部42が形成されており、この突部42にてフロート32の底部が押圧される。この場合、燃料の憤圧で底部を押圧されたフロート32は、ピストン40の突部42によって、フロート32の角度が規制されることなく自由に動く。これにより、フロート32が筒状部18内面に引っ掛かって、動作が鈍くなるなどの不都合を防止している。
即ち、ベースプレート51は、中央に貫通孔52が設けられると共に、この貫通孔52は燃料タンク内に連通している。該ピストン40は、ベースプレート51の上面に複数設けられた水平リブ51A上面に載った状態で保持される(ピストン40のストローク下限)。そして、燃料タンク内の燃料が弁機構部28内に流入した場合、燃料はベースプレート51の貫通孔52からピストン40底面に噴射され、その憤圧でピストン40を上昇させる。
また、燃料タンクが水平になると、筒本体16内の燃料は燃料タンクへ吸引されるが、この燃料が燃料タンクへ吸引されるときの吸引力と、球体30とピストン40とフロート32の自重により、球体30とピストン40とフロート32はベースプレート51の上に落下する(ピストン40のストローク下限)。このとき、弁機構部28内に流入した燃料は、各水平リブ51A間の隙間から燃料タンク内に戻ると共に、弁機構部28内の空気通路26を確保して燃料タンクに大気を流入させ、燃料タンク内を大気圧に保持できるように構成されている。
ここで、弁機構部28の動作を詳しく説明する。まず、外蓋12内にキャニスタ75が挿入され、内蓋14がリング状突部23側から外蓋12内に挿入された後、内蓋14と外蓋12とが超音波溶着機にて溶着固定されているものとする。尚、キャップ本体10の組み立てについては後で詳しく説明する。
該弁機構部28は、図20に矢印で示すようにピストン40が挿通孔22の離間側(燃料タンク側)に位置している場合(この場合、燃料タンクが搭載された自動車が所定角度以上傾かず、通常使用状態の場合)、球体30は挿通孔22から離間し、フロート32の半球部36及びピストン40も挿通孔22から離間した状態となる。この場合、フロート32の半球部36が縮径部20の挿通孔22から離間する距離は、縮径部20とフロート32の半球部36との最短距離で球体30の直径の約1/3以下としている。これにより、球体30が縮径部20とフロート32(半球部36)の間からフロート32の傾斜部38側に移動して、球体30が縮径部20の挿通孔22方向に動かなくなってしまうのを防止している。
該弁機構部28の空気通路26は、ベースプレート51中央に設けられた貫通孔52とフロート32及びピストン40と筒状部18内面との隙間、及び、縮径部20内面と球体30との間を通り、挿通孔22に連通している。これによって、弁機構部28は開放状態となり、燃料タンク内と外部とが空気通路26によって連通している。即ち、自動車が通常使用状態(水平に近い状態)では、燃料タンク内と外部とは空気通路26によって連通している。
これにより、燃料タンクの給油口がキャップ本体10で閉じられ、燃料タンク内に収容された燃料が消費された場合に、その消費された燃料の体積分だけ外気が空気通路26から燃料タンク内に導入されることとなる。また、燃料タンク内に収容された燃料が消費されていないとき、自動車に搭載された燃料タンク内の燃料から発生したガスは、キャップ本体10に流入する。尚、燃料タンク内の燃料から発生し、キャップ本体10に流入するガスについては、後で詳しく説明する。
また、図21に矢印で示すようにピストン40が挿通孔22側(燃料タンクと反対側)に位置している場合、球体30は縮径部20の内側に接触する。このとき、前述した如き球体30は縮径部20の内側に接触すると共に、半球部36は縮径部20の内側に近接している。これによって、弁機構部28は閉塞状態となり、燃料タンク内と外部とを連通する空気通路26は閉鎖されることとなる。尚、図20、図21ではスペーサ48を図示していない。
そして、燃料タンクが搭載された自動車が所定角度以上傾いてしまうと、燃料タンク内の燃料が燃料タンクの給油口に至りキャップ本体10内に流入し筒本体16内に流入してしまう場合がある。係る自動車が所定角度以上傾き(この場合、燃料タンク内の燃料の液面が、給油口キャップ底面の空気通路26の入り口以上傾いた場合)、燃料タンク内の燃料がベースプレート51の貫通孔52から筒本体16内に流入する。これにより、弁機構部28のピストン40は挿通孔22側に移動すると同時に、筒本体16内に流入した燃料によりフロート32は連動して挿通孔22側に移動する。
そして、フロート32が挿通孔22側に移動すると、半球部36によって球体30も挿通孔22側に移動する。即ち、筒本体16内に流入した燃料により、ピストン40とフロート32及び球体30は短時間に挿通孔22側に移動する。これにより、球体30は瞬時且つ同時に傾斜部38に接触し、燃料タンク内と外部とを連通する空気通路26を閉鎖する。
詳しくは、燃料タンクが所定角度以上傾斜したとき、キャップ本体10内の底部に設けた空気通路26よりも燃料タンク内の燃料液面の方が上昇して、燃料が弁機構部28内に流入する。そして、弁機構部28内に流入した燃料がベースプレート51の貫通孔52を通過するときに発生する憤圧で、ピストン40、フロート32、球体30が連動して、挿通孔22方向に押し上げられる。すると、球体30は縮径部20の内面に押し付けられ(ストローク上限)、キャップ本体10内の空気通路26を閉鎖して、キャップ本体10内に流入した燃料が外部へ流出してしまうのを防止する。
また、傾斜した燃料タンクが水平に戻ったとき、弁機構部28内に流入した燃料は重力で燃料タンク内に戻ると同時に、空気通路26内の燃料は燃料タンク内に戻る燃料により燃料タンク内方向に吸引される。即ち、弁機構部28内の燃料が燃料タンク内に戻ると、ピストン40、フロート32及び球体30は自重と燃料の吸引によりベースプレート51方向に移動し、球体30にて閉塞していた空気通路26を開放する。これにより、燃料タンク内と外部とが空気通路26にて連通し、燃料タンク内は大気圧と同じ気圧に維持される。
係る、弁機構部28では球体30より先に、フロート32の半球部36が縮径部20内に接触してしまうと、縮径部20内に球体30を確実に押し付けられない。そこで、縮径部20内に球体30が確実に押し付けられた状態で半球部36と縮径部20とに僅かな隙間を設け、この隙間に流入した燃料通路の隙間を少なくして、通路抵抗を増大させ、球体30側への燃料の侵入を遅らせている。
これにより、球体30は空気通路26を確実に閉鎖することができるようになる。尚、球体30及びフロート32の半球部36は何れも球形状であり、球体30及びフロート32の半球部36が円錐形の傾斜部38に接触した場合、傾斜部38の内面と、球体30の周囲及びフロート32の半球部36の周囲は線接触となる。これにより、球体30及びフロート32の半球部36が燃料により傾斜部38内面に吸着してしまうなどと言った不都合を防止している。
係る燃料タンク内の燃料は、ピストン40の下面、即ち、ベースプレート51中央の貫通孔52より筒本体16内に流入するが、燃料が筒状部18とピストン40との隙間を通り抜けてフロート32まで到達する時間より、貫通孔52から筒本体16内に流入した燃料による憤圧でピストン40の方が短時間で上昇する。即ち、ピストン40、フロート32、球体30が連動して略同時に上昇するので、燃料が挿通孔22に至る時間よりも速く、挿通孔22を球体30で閉鎖することができる。これにより、燃料タンクが傾いた場合に挿通孔22から燃料が外部に漏れ出てしまうのを防止している。
また、筒状部18とピストン40との隙間を通りフロート32まで流入する燃料により、自動車の傾きが約45度までは球体30を挿通孔22に押し付ける圧力としてフロート32の浮力が働くように構成している。これにより、挿通孔22を通過した燃料が、空気通路26より外部に流出してしまうのを確実に防止することができるように構成している。また、自動車の傾きが約45度以上90度まで傾斜した場合は、キャップ本体10が燃料の液面より下側に位置する。これによって、キャップ本体10への燃料の液圧も上昇するので、ピストン40及びフロート32に加わる液圧も増大する。この場合、球体30を筒本体16縮径部20の挿通孔22に押し付ける圧力も増大する。これにより、フロート32の浮力が減じた場合に、弁機構部28の球体30がボールバルブとして働き、外部への燃料の流出を防止している。
ここで、自動車(燃料タンク)を90度傾けてキャップ本体10の空気通路26から燃料が漏れ出るのを10分間測定した。尚、この実験では、弁機構部28の縮径部20の挿通孔22から漏れ出た燃料の漏れ量を測定している。具体的には、エンジンの燃料タンク(この場合、エンジンと燃料タンク一体型の自然落下式燃料供給機)に、給油口キャップ(キャップ本体10)を装着し、燃料タンクを90度傾けてキャップ本体10内に設けた空気通路26からの燃料漏れを測定した。その結果、燃料タンク内に規定量の最大燃料を収容し、外気温度25℃で燃料コックを開放した状態で90度傾け、10分間経過したとき、給油口キャップの空気通路26からの燃料漏れ量は0.5ミリリットルであった。また、従来品の給油口キャップでは117.7ミリリットルの燃料漏れが確認された。即ち、本発明の給油口キャップに対して、従来人の約235倍の燃料漏れがあった。
また、前述と同じ条件で自動車を左右に10回片側30度傾け、キャップ本体10の空気通路26から燃料が弁機構部28内部に流入した後、自動車を90度傾けて1分間保持した。そして、キャップ本体10の空気通路26からの燃料が漏れ出すまでの時間と、漏れ量とを計測したところ、本発明品では漏れ量が0、従来品は2秒〜4秒で給油口キャップの空気通路26より燃料が外部に漏れ出した(このときの燃料の漏れ量は13.3ミリリットルであった。)ことが判明した。また、自動車の使用状態により燃料タンクが傾いたり、エンジンの振動により燃料タンク内の燃料は波打っており、キャップ本体10の空気通路26には燃料が流入する。この実験結果から本発明の給油口キャップは、従来品に比べ、燃料タンク傾斜時にキャップ本体10の空気通路26から外部に流出する燃料漏れに対して有効であった。
次に、図3を参照して給油口キャップの組み立て(キャップ本体10の組み立て)を説明する。まず、外蓋12の開口側から、予め弁収納具93に取り付けられた弁装置94Aとコイルバネ44を挿入する。次に、第1フィルター90側(縦壁90B側)からキャニスタ75が挿入され、外蓋12とキャニスタケース76とが超音波溶着機にて溶着固定される。この場合、外蓋12に設けられた図示しない超音波リブがキャニスタケース76に超音波溶着機にて溶着固定される。尚、コイルバネ44によって第1フィルター90を吸着部材82方向に押し付けているので、振動などによって各吸着部材82の隙間が詰まった場合でも、吸着室77内で吸着部材82が動いて音が出るようなことはない。また、弁装置94Aは、弁装置94同様に構成されている。
次に、キャニスタケース76の底部下面に設けられた弁装着部92に弁装置94を装着(図22に図示)した後、リング状突部23側から内蓋14を外蓋12内に挿入し、内蓋14と外蓋12とを超音波溶着機にて溶着固定して、給油口キャップを完成させる。この場合、各弁装置94、94Aは、給油口キャップが燃料タンクの給油口に取り付けられた状態で、貫通孔95Aが弁部材99にて閉塞された状態で取り付けられると共に、貫通孔95Aは所定重量の弁部材99で閉塞される。尚、50はスポンジなどからなるフィルターで大径部79周囲に設けられている。また、73は弾性シリコンゴムからなるOリングでキャニスタ75と内蓋14との間に設けられている。
即ち、キャニスタケース76の底部下面に設けられた弁装着部92に装着された弁装置94は、外部連通路85から吸着室77内へ外気の流入を許容し、この吸着室77内から外部へのガスの流出を禁止するように構成されている。また、弁収納具93に取り付けられた弁装置94Aは、キャニスタ75内からパイプ70内へのガスの流入を許容し、このパイプ70内からキャニスタ75内へのガスの流出を禁止するように構成されている。尚、弁収納具93に取り付けられた弁装置94Aは、キャニスタ75内が所定のガス圧力になったときに、キャニスタ75内からパイプ70内へのガスの流入を許容するように構成されている。
ここで、給油口キャップ全体の空気通路26を、図22を参照して説明する。尚、この図で実線矢印は、燃料タンクから蒸発した有害ガスがキャニスタ75内の吸着部材82に吸着されるまでの空気通路26を示しており、点線矢印は外気が弁装置94、外部連通路85を介してエンジンの気化器に吸入されるまでの空気通路26を示している。該空気通路26は、燃料タンク内からスプリング56とベースプレート51間を通りベースプレート51の中央に設けられた貫通孔52より弁機構部28の筒本体16内に連通している(図22の実線白矢印)。そして、弁機構部28の筒本体16内はピストン40、フロート32、球体30の側面を通り縮径部20の挿通孔22を経て、キャニスタケース76の中筒体78内に連通している。
そして、空気通路26は、中筒体78内から小径部80の先端側面に設けられた貫通孔(図示せず)を出たところで分岐している。小径部80の先端側面に設けられた貫通孔を出て分岐した一方の空気通路26は、第1フィルター90の外周近傍に形成された各内部連通路83を通り、一側(図中上側)の吸着室77内に連通している。空気通路26は、一側の吸着室77内で仕切部材86の中心近傍に形成された中間連通路84を通り、更に他側(図中下側)の吸着室77内を通り、第2フィルター91の略外周に近接して設けられた複数の外部連通路85を介して弁装置94まで連通している。
また、中筒体78内から小径部80の先端側面に設けられた貫通孔を出て分岐した他方の空気通路26は、弁収納具93に取り付けられた弁装置94Aを通り、パイプ70を介してエンジンの気化器に連通している(図22点線矢印)。係る中間連通路84を、内部連通路83及び外部連通路85から離間した位置に設けているので、内部連通路83から外部連通路85までの距離を長くすることができる。これにより、外部連通路85から導入された外気を全ての吸着部材82に満遍なく接触させることができるので、吸着部材82に吸着された有害ガスの放出効果を大幅に向上させることができる。
次に、燃料タンクの給油口に給油口キャップが装着され、パイプ70はホースを介してエンジンの気化器に接続される。そして、自動車が所定角度以上傾斜していない場合(燃料タンクが所定角度以上傾斜していない場合)、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスは、スプリング56とベースプレート51間を通りベースプレート51の中央に設けられた貫通孔52より弁機構部28の筒本体16内に流入する。
そして、弁機構部28の筒本体16内に流入した有害ガスは、ピストン40、フロート32、球体30の側面を通り縮径部20の挿通孔22を経て、キャニスタケース76の中筒体78内に流入する。中筒体78内に流入した有害ガスは、小径部80の先端側面に設けられた貫通孔を通り、第1フィルター90の外周近傍に形成された各内部連通路83を通って、仕切部材86上側の吸着室77内に流入する。このとき、弁収納具93に取り付けられた弁装置94Aは、弁部材99が所定の重量を有しているので、貫通孔95Aは閉じたままとなり弁装置94Aはまだ開放されない。
そこで、有害ガスは吸着室77内に充填された吸着部材82に吸着される。そして、更に吸着室77内に有害ガスが流入すると、第1フィルター90の外周近傍に形成された各内部連通路83から仕切部材86の中心近傍に形成された中間連通路84を通って、仕切部材86下側の吸着室77内に流入する。そこで、有害ガスは吸着室77内に充填された吸着部材82に吸着される。尚、キャニスタ75内の内全ての吸着部材82に有害ガスが吸着され、吸着室77内が所定の圧力になった場合は、弁部材99は浮いて弁装置94Aが開放され、有害ガスはエンジンの気化器に流入して行く。
また、吸着室77内に充填された吸着部材82に有害ガスが吸着された状態で、エンジンが駆動された場合、エンジンの吸気により気化器内は負圧になり、気化器からホースにて接続されているパイプ70内の空気が吸引され、キャニスタ75内(吸着室77内)も負圧になる。係る燃料タンクの給油口は、給油口キャップにて密閉されているので、気化器内にはパイプ70を介して燃料タンク内から有害ガスを吸引できない。
そこで、キャニスタ75内に連通し、弁装着部92に取り付けられた弁装置94が開放される。これにより、外気は弁装置94、外部連通路85から吸着室77内に流入し、中間連通路84、内部連通路83を通り弁収納具93に取り付けられた弁装置94Aを介して、パイプ70から気化器に吸い込まれる。これにより、燃料タンク内から蒸発した有害ガスをエンジンで燃焼することができるので、燃料タンク内から蒸発した有害ガスが大気中に放出されてしまう不都合を確実に防止することができる。
他方、自動車が所定角度以上傾いて燃料タンク内の燃料が筒本体16内に流入した場合、ピストン40は燃料タンク外側方向に押されると共にフロート32は燃料タンク外側方向に浮き、球体30はフロート32により筒本体16の縮径部20に押し付けられて空気通路26を閉鎖する。これにより、燃料タンクを搭載した自動車が所定角度或いは所定角度以上傾いて、燃料タンク内の燃料が筒本体16内に流入した場合でも、球体30にて空気通路26を瞬時に閉鎖し、吸着部材82が燃料で濡れて有害ガスを吸着できなくなってしまう不都合を防止することができる。
また、燃料タンク内の燃料がキャップ本体10内に設けた空気通路26から漏れ出してしまうなどの不都合を防止することができるので、例えば従来のように、給油口キャップに設けた空気通路26から燃料が漏れ出して、その燃料に何らかの原因で引火してしまうなどという危険性を未然に阻止することが可能となる。また、キャップ本体10内に設けた空気通路26より漏れ出した燃料によって植物に被害を与えてしまうなどといった不都合も防止することができる。
このように、給油口キャップは、エンジンの気化器に連通するパイプ70が設けられたキャップ本体10と、このキャップ本体10内に構成され、燃料タンク内に連通すると共に、パイプ70を介して気化器に連通する空気通路26と、キャップ本体10内に構成され、内部連通路83を介して内部が空気通路26に連通した吸着室77と、この吸着室77内に設けられ、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスの吸着と放出機能を有する吸着部材82とを備えているので、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスをエンジンの気化器に流入させ除去処理することが可能となる。
これにより、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスをエンジンで燃焼させることができるようになるので、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスが大気中に放出されてしまうのを確実に防止することができる。また、例えば従来のように給油口キャップに設けられた通気孔を密閉して燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスを、当該燃料タンクに接続されたパイプ70とホース及びロールバルブを介してキャニスタに導いて吸着、放出するような複雑で高価な吸着装置を設けなくても済み、燃料タンク内の燃料から発生した有害ガスの除去処理を安価に実現することができるようになる。
また、キャップ本体10内に燃料から発生した有害ガスの吸着と放出機能を有する吸着部材82を備えた吸着室77を設けているので、燃料タンク内から発生した有害ガスの吸着と放出を行うための部品点数を大幅に少なくすることができる。これにより、有害ガスの吸着と放出を行うことができるキャップ本体10の組立作業工数を大幅に低減させることができるので、コンパクトで安価な給油口キャップを提供することが可能になる。この場合、従来のように組立工数が多いキャニスタを、燃料タンクにパイプ70を取り付けて気化器へ接続する必要もなくなるので、給油口キャップのコストを大幅に低減させることができるようになる。
また、燃料タンクが所定角度以上傾斜した場合に、当該燃料タンクからの燃料の流出を防止するための弁機構部28を空気通路26中に設けているので、燃料タンクが所定角度以上傾斜して、燃料タンク内の燃料が給油口キャップ内に流入した場合でも、燃料が弁機構部28から空気通路26内へ流入してしまうのを瞬時に阻止することができる。この場合、燃料タンク内の燃料で有害ガスの吸着と放出機能を有する吸着部材82が濡れてしまうのを未然に防止することができるので、吸着部材82が有害ガスの吸着と放出を行う機能を損なってしまうことがない。これにより、吸着部材82を長期間有害ガスの吸着と放出機能を持続させることができる。
また、空気通路26中に弁機構部28を設けているので、燃料タンク内に収容された燃料がキャップ本体10内に設けた空気通路26から漏れ出てしまうなどという不都合を防止することができるようになるので、例えば従来のように、給油口キャップに設けられた空気通路26から燃料が漏れ出してしまい、何らかの原因でその燃料に引火してしまうという危険性を未然に阻止することが可能となる。また、キャップ本体内に設けた空気通路より漏れ出した燃料によって植物に被害を与えてしまうなどといった不都合も防止することができる。
また、吸着室77内と外部とを連通する外部連通路85と、この外部連通路85を介した外気の吸着室77内への流入を許容し、この吸着室77内から外部へのガスの流出を禁止する弁装置94とを備えているので、エンジンの停止中に気温が上昇して燃料から発生したガスで燃料タンク内の圧力が上昇した場合、閉じた弁装置94によって吸着室77内の有害ガスが外部連通路85から大気中に放出されてしまうのを阻止することができるようになると共に、エンジンの運転中は外部連通路85から吸着室77内に大気を吸い込むことができる。
これにより、エンジンの停止中に気温が上昇して燃料から発生したガスが、大気中に放出されてしまうなどの危険性を確実に防止することができるようになる。また、エンジンの運転により燃料が消費された場合は、弁装置94から外部連通路85を介して吸着室77内に大気を吸い込むことができるので、エンジンで燃料が消費されることにより燃料タンク内の圧力が低下して、エンジン停止などと言った不都合を未然に防止することができる。
特に、エンジンの運転中は、気化器内の空気がエンジンに吸い込まれるので、キャニスタ75内が負圧になって弁装置94から外部連通路85を介して吸着室77内に外気が吸い込まれる。これにより、吸着部材82は外気で冷却されるので吸着部材82に吸着された有害ガスの放出を大幅に促進することが可能になると共に、吸着部材に吸着された殆どの有害ガスを放出させることができるので、吸着部材の有害ガス吸着性能を略初期状態まで回復させることができる。従って、吸着部材82の有害ガス吸着能力が低下してしまうなどの不都合を未然に阻止することが可能となり、吸着部材82の有害ガス吸着能力を長期間維持することができるようになる。
また、吸着室77内を内部連通路83が位置する側と外部連通路85が位置する側とに仕切る仕切部材86と、この仕切部材86に形成された中間連通路84とを備え、この中間連通路84を、内部連通路83及び外部連通路85から離間した位置に設けたので、所定の容積の吸着室77内を、内部連通路83から外部連通路85迄の距離を大幅に延長させることができる。この場合、内部連通路83から吸着室77内に流入した有害ガスを長時間吸着部材82に触れさせることができると共に、弁装置94から外部連通路85を介して流入した外気を長時間吸着部材82に触れさせることができる。
これにより、吸着室77内に充填した全ての吸着部材82に有害ガスを満遍なく触れさせることができるようになるので、吸着部材82への有害ガス吸着率を大幅に向上させることが可能となる。また、有害ガスを吸着した吸着室77内全ての吸着部材82に外気を満遍なく触れさせることができるので、吸着部材82に吸着された有害ガスの放出効果を大幅に向上させることができる。
特に、吸着部材82への有害ガスの吸着率を向上させることにより、吸着室77内に充填する吸着部材82の量を少なくすることができるので、吸着室77のコンパクト化を図ることができる。これにより、給油口キャップ内に高効率のキャニスタ75を内蔵することが可能になると共に、地球環境に安全な燃料タンクの給油口キャップを提供することができ、総じて、給油口キャップの利便性を大幅に向上させることができるようになるものである。
尚、実施例では、燃料をガソリンで説明したが、燃料はガソリンに限らず、軽油、或いは、エタノールやメタノールなどであっても本発明は有効である。
また、燃料タンクに取り付けられたパイプにキャニスタが取り付けられている場合には、キャップ本体10に設けたパイプ70に接続したホースを、燃料タンクにパイプを介して取り付けられたキャニスタに接続しても本発明は有効である。これにより、燃料タンク内の燃料から蒸発した有害ガスを、更に効果的に処理することができる。
また、弁収納具93内に弁装置94Aを設けず、キャニスタケース76の底部下面の弁装着部92に設けた弁装置94だけで合っても、差し支えない。この場合も燃料タンク内に燃料から蒸発した有害ガスを、外部に放出せずに処理することができ、便利である。
また、弁装着部92に装着した弁装置94に孔が開いていない弁部材99を設けたが、弁部材99に小さな孔(図示せず)を開け、微量の空気が通過するようにしておいても差し支えない。これにより、吸着室77内の空気を弁部材99の小さな孔から外部に放出させることができる。この場合、第1フィルター90の外周近傍に形成された各内部連通路83から吸着室77内に流入した有害ガスを、確実に弁部材99の小さな孔方向に導くことが可能となる。これにより、外部連通路85から流入した有害ガスを吸着室77内の全ての吸着部材82に満遍なく接触させることができるので、燃料タンク内から発生した有害ガスを吸着部材82に吸着させる吸着効率を大幅に向上させることが可能となる。
勿論本発明は、上記各実施例のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の様々な変更を行っても本発明は有効である。
本発明の一実施例を示す給油口キャップの平面図である。 本発明の一実施例を示す給油口キャップの裏面図である。 本発明のキャップ本体の縦断側面図(図2A−A線矢視図)である。 本発明の給油口キャップを構成する外蓋(パイプを含む)の縦断側面図である。 本発明の給油口キャップを構成するキャニスタの縦断側面図である。 本発明の給油口キャップを構成する仕切部材の平面図である。 本発明の給油口キャップを構成する第1フィルターの平面図である。 本発明の給油口キャップを構成する第2フィルターの平面図である。 本発明の給油口キャップを構成する内蓋の裏面図である。 同図9の給油口キャップを構成する内蓋の縦断側面図である。 本発明の給油口キャップを構成する弁装置の平面図である。 同図11の給油口キャップを構成する弁装置の縦断側面図(図11A−A線矢視図)である。 本発明の給油口キャップの弁装置を構成する底部材の平面図である。 同図13の底部材の縦断側面図(図13A−A線矢視図)である。 本発明の給油口キャップの弁装置を構成するの蓋部材の平面図である。 同図15の蓋部材の縦断側面図(図15A−A線矢視図)である。 本発明の給油口キャップを構成する弁機構部の組み立て図である。 同図17の弁機構部を構成するベースプレートの正面図である。 同図17の弁機構部を構成するベースプレートの裏面図である。 燃料タンク内とキャニスタ内とを連通させたときの空気通路を示す弁機構部の拡大図である。 燃料タンク内とキャニスタ内とを閉鎖したときの空気通路を示す弁機構部の拡大図である。 本発明のキャップ本体の縦断側面図(図2B−B線矢視図)で、空気通路を示す図である。
符号の説明
10 キャップ本体
12 外蓋
12A 凹凸部
14 内蓋
14A 超音波リブ
16 筒本体
20 縮径部
22 挿通孔
26 空気通路
28 弁機構部
30 球体
32 フロート
40 ピストン
51 ベースプレート
70 パイプ
75 キャニスタ
77 吸着室
82 吸着部材
83 内部連通路
84 中間連通路
85 外部連通路
86 仕切部材
90 第1フィルター
91 第2フィルター
92 弁装着部
93 弁収納具
94 弁装置
94A 弁装置
99 弁部材

Claims (4)

  1. 燃料タンクの給油口に取り付けられる給油口キャップであって、
    エンジンの気化器に連通するパイプが設けられたキャップ本体と、
    該キャップ本体内に構成され、前記燃料タンク内に連通すると共に、前記パイプを介して前記気化器に連通する空気通路と、
    前記キャップ本体内に構成され、内部連通路を介して内部が前記空気通路に連通した吸着室と、
    該吸着室内に設けられ、前記燃料タンク内から発生したガスの吸着と放出機能を有する吸着部材とを備えたことを特徴とする給油口キャップ。
  2. 前記空気通路中に設けられ、前記燃料タンクが所定角度以上傾斜した場合に、当該燃料タンクからの燃料の流出を防止するための弁機構部を備えたことを特徴とする請求項1の給油口キャップ。
  3. 前記吸着室内と外部とを連通する外部連通路と、該外部連通路を介した外気の前記吸着室内への流入を許容し、該吸着室内から外部へのガスの流出を禁止する弁装置とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の給油口キャップ。
  4. 前記吸着室内を前記内部連通路が位置する側と前記外部連通路が位置する側とに仕切る仕切部材と、該仕切部材に形成された中間連通路とを備え、
    該中間連通路を、前記内部連通路及び外部連通路から離間した位置に設けたことを特徴とする請求項3に記載の給油口キャップ。
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