JP2010063513A - 棺のヒンジ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】下箱や窓枠などのベース部に蓋や窓扉などの可動部を開閉可能に連結するとともに、ベース部と可動部との分離・連結の作業を簡単な操作で繰り返し行えるようにする。
【解決手段】棺10は、下箱や窓枠などのベース部13Bと、このベース部13Bに隣接して設けられる蓋や窓扉などの可動部13Aと、ベース部13Bに対して可動部13Aを開閉可能に連結するヒンジHとを備える。ヒンジHは、第1シートH1,H1と第2シートH2とを着脱自在に貼り合わせる面ファスナからなるものであり、第1シートH1,H1は、ベース部13B側と可動部13A側とに分割されて互いに隣り合った位置に対になって固定され、第2シートH2は、第1シートH1,H1の各ファスナ面に架け渡されて着脱自在に貼り合わされる。
【選択図】図3

Description

本発明は、棺の蓋や窓扉を開閉するためのヒンジ構造に関するものである。
従来より、棺には蓋や窓扉がヒンジにより開閉するものがある。通常、棺のヒンジには、金属蝶番が採用され、その一対の取付片が棺のベース部(下箱や窓枠)と可動部(蓋や窓扉)とにそれぞれ釘やネジ等で固定される。各取付片が回動軸で連結されることで、可動部がベース部に対して開閉することになる。
なお、棺のヒンジ構造に関する先行技術としては、特許文献1および2が開示されている。
実開平6−48649号公報 実用新案登録第3079393号公報
しかしながら、このような従来の棺のヒンジ構造は、一旦、ベース部と可動部にヒンジを固定すると、ヒンジを取り外してベース部と可動部とを分離するのが困難になる。ヒンジを取り外すには、ベース部に打ち込んだ釘やネジを取付片から抜き取る作業が必要で、このような作業には手間がかかり、繰り返して行うと、ヒンジの固定強度が低下するおそれもある。
近年、葬儀の多様化により、参列者が遺体と対面する際に、蓋や窓扉を本体から取り外したいといった要望があり、必要なときに蓋や窓扉を本体と分離することができれば便利である。
本発明はこのような現状に鑑みなされたもので、下箱や窓枠などのベース部に蓋や窓扉などの可動部を開閉可能に連結するとともに、ベース部と可動部との分離・連結の作業を簡単な操作で繰り返し行えるようにした棺のヒンジ構造を提供することを目的としている。
[第1発明]
前記課題を解決するための第1発明の棺のヒンジ構造は、
下箱や窓枠などのベース部と、
このベース部に隣接して設けられる蓋や窓扉などの可動部と、
前記ベース部に対して前記可動部を開閉可能に連結するヒンジとを備え、
前記ヒンジは、第1シートと第2シートとを着脱自在に貼り合わせる面ファスナからなるものであり、
前記第1シートは、前記ベース部側と前記可動部側とに分割されて互いに隣り合った位置に対になって固定され、
前記第2シートは、これら一対の第1シートの各ファスナ面に架け渡されて着脱自在に貼り合わされる構成とした。
このような構成によれば、ベース部と可動部との隣接部分で第2シートが折れ曲がる。つまり第2シートの折曲線がベース部と可動部を開閉するヒンジ軸となる。第1シートは、ベース部と可動部とに分かれて第2シートに貼り付いて両者の連結を保つ。
一対の第1シートのうち少なくとも一方から第2シートを引き剥がせば、ベース部と可動部とが分離状態になる。第1シートの各ファスナ面に第2シートのファスナ面を架け渡すように貼り直せば、ベース部と可動部とが再び開閉自在に連結される。
このように第1シートと第2シートの着脱により、ベース部と可動部との分離・連結を簡単な操作で繰り返し行うことができる。
本発明において、面ファスナ(第1シートおよび第2シート)は、例えばフック状に起毛された面とループ状に起毛された面とを押し付けて貼り付く構造のものを採用することができる。その他、フックとループ両方が植え込まれており、フック面とループ面との区別のないタイプ(フック面とループ面との取り付け間違いが起きないもの)やマッシュルーム状に起毛されていて結合力が強いクリックタイプ、鋸歯状のシャークバイト(鮫歯)タイプなどを採用してもよい。
面ファスナ(第1シートおよび第2シート)の材料としては、樹脂、布などの金属以外の易燃性材料を用いるとよい。火葬の際に燃え残りが少なく環境に優しい棺を作製できるためである。
ベース部および可動部に第1シートを固定する手段としては、棺の表面に第1シートを縫い付けるか、接着剤、両面テープ、タッカー等を用いることができる。
第1発明のヒンジ構造は、棺の蓋や窓扉などの開閉箇所に適用することができるが、特に、下箱の上に前蓋と後蓋とを並べる縦開きタイプの棺に適用すると効果的である。縦開きタイプの棺は、両者の間のヒンジにより前蓋(可動部)が後蓋(ベース部)に対して上方前向きに開放するもので、片手でも簡単に前蓋を開閉することができる。
[第2発明]
すなわち、第2発明の棺のヒンジ構造は、
下箱と、
この下箱の上に前後に並んで載置される前蓋および後蓋と、
前記前蓋および前記後蓋の天板同士の隣接部に設けられ、前記後蓋に対して前記前蓋を開閉可能に連結するヒンジとを備え、
前記ヒンジは、第1シートと第2シートとを着脱自在に貼り合わせる面ファスナからなるものであり、
前記第1シートは、前記前蓋側と前記後蓋側とに分割されて互いに隣り合った位置に対になって固定され、
前記第2シートは、これら一対の第1シートの各ファスナ面に架け渡されて着脱自在に貼り合わされる構成とした。
このような構成によれば、前蓋と後蓋との隣接部で第2シートが折れ曲がってヒンジとなる。第1シートは、前蓋と後蓋とに分かれて第2シートに貼り付いて両者の連結を保つ。
一対の第1シートのうち少なくとも一方から第2シートを引き剥がせば、前蓋と後蓋とが分離状態になる。第1シートの各ファスナ面に第2シートのファスナ面を架け渡すように貼り直せば、前蓋と後蓋とが再び開閉自在に連結される。
このように第1シートと第2シートの着脱により、前蓋と後蓋との分離・連結を簡単な操作で繰り返し行うことができる。
従来の縦開きタイプの棺では、下箱から蓋を取り外すときには、前蓋と後蓋とを併せて一度に運ぶ必要があり、通常は蓋の前後に二人の作業者が立ってその両端を持ち上げるようにしていた。
第2発明の構成によれば、前蓋と後蓋とを分離して個々に取り外すことできる。このため、一人の作業者でも、葬儀の場面に応じて前蓋と後蓋の開放状態を簡単かつ自在に切り替えることが可能になる。
第2発明において、面ファスナ(第1シートおよび第2シート)の取付位置は、前蓋および後蓋の天板上面に配置するとよい。この場合、前蓋を閉鎖すると第2シートが展開状態になり、前蓋を開放すると第2シートが折曲状態になる。
このような構成によれば、面ファスナが棺の外側に露出するため、第1シートに第2シートを着脱する操作が容易になる。
一方、前蓋と後蓋との隣り合う端面の間に面ファスナ(第1シートおよび第2シート)を配置してもよい。この場合、前蓋を閉鎖すると第2シートが屈曲状態になり、前蓋を開放すると第2シートが展開状態になる。
このような構成によれば、前蓋と後蓋と間に面ファスナが隠れるため、蓋上面(天板上面)にヒンジが突出しない棺を作製することができる。これにより、保管や運搬の際に棺を積み上げてスペースを有効に利用するといったことが可能になる。
[第1および2発明]
第1発明および第2発明のヒンジ構造は、蓋や窓扉が開閉する各種の棺に適用することができ、その形状は問わない。例えば、平面四角形タイプの棺の他、平面八角形タイプの棺にも適用することができる。また、棺の材料は、環境配慮の面から段ボール材を採用することが望ましいが、もちろん木材であっても構わない。棺の用途(人用、ペット用等)や種類(寝棺、座棺等)についても特に限定されることはない。
本発明のヒンジ構造の応用例としては、ベース部に連結可能な異なる可動部を予め準備して自在に交換可能にしてもよい。例えば第2発明において、後蓋に連結する通常の前蓋の他に、アクリルやガラスなどの透明材料で形成した前蓋を準備し、それぞれ面ファスナで後蓋と連結可能にすると、葬儀の場面に応じた前蓋の使い分けを行うことができる。遺体の運搬や葬儀の準備段階では通常の前蓋を使用し、参列者が集まる葬儀中は透明な前蓋を使用するといった使い方が可能になる。
第1および2発明は、単独で適用してもよいし、本明細書に記載される他の発明を組み合わせてもよい。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態の説明上、前後方向は棺の長手方向を意味し、左右方向は棺の短手方向を意味する。
[第1実施形態]
第1実施形態の棺を図1〜図5に示した。第1実施形態は縦開きタイプの棺に本発明を適用したものである。
図1および図2に示すように、棺10は、下箱12と蓋13とを組み合わせてなる。下箱12の上方に蓋13が載置されている。下箱12から蓋13を持ち上げて取り外すと、下箱12が全面開放する。
棺10の寸法は、例えば前後長さが170〜200cm程度、左右幅が50〜70cm程度、下箱12と蓋13を含めた高さが40〜50cm程度である。
蓋13は、前蓋13Aと後蓋13Bとに分割されている。これらの天板の隣接部にヒンジHが設けられる。図1の閉鎖状態から前蓋13Aを持ち上げると、前蓋13AがヒンジHによって後蓋13B側に跳ね上がるように回動する。そして、図2に示すように、下箱12の前側部分のみが半開放する。
棺10の下地については合板や段ボール材が用いられる。特に、下箱12および蓋13の両方、またはいずれか一方に三層強化段ボール(トライウォール社製)を使用することが望ましい。この種の段ボール材は、2枚の厚板(ライナー)の間に、3層の波板が仕切り板を介して積層されてなるもので、優れた耐圧性・耐水性をもつ。このような強化段ボール材を用いることで、ヒンジHを含む棺全体の燃焼時間が短縮され、CO2排出量を低減させたエコロジカルな棺となる。
下箱12と蓋13(前蓋13Aおよび後蓋13B)を含む棺10の下地には化粧用の布地が貼り付けられる。布地の表面には模様や柄が付され、下箱12と蓋13とが一体感のある外観に仕上げられる。
図3に示すように、ヒンジHは面ファスナで構成される。この面ファスナは、第1シートH1,H1と第2シートH2とを着脱自在に貼り合わせるもので、第1シートH1,H1と第2シートH2の互いに向き合うファスナ面の一方にフック部が植毛され、他方にループ部が植毛される。第1シートH1,H1に第2シートを貼り合わせればフック部とループ部とが絡み合って両者が結合する。第1シートH1,H1から第2シートとを引き剥がせば、フック部とループ部との絡みが外れて両者の結合が解かれる。
第1シートH1,H1は、前蓋13A側と後蓋13B側とに分割されて対になっている。第1シートH1,H1の一方が前蓋13Aの上面に固定され、他方が後蓋13Bの上面に固定される。これらの第1シートH1,H1は、互いに隣り合った位置にあり、両者の境界が前蓋13Aと後蓋13Bとの境界にほぼ一致する。
前蓋13Aおよび後蓋13Bに第1シートH1,H1を固定する方法は、例えば各蓋の表面にシート裏面を強力な接着剤で貼り付ける。各蓋の材料が強化段ボールである場合には蓋の表面に各シートを縫製で縫い付けてもよい。その他、タッカーやネジ止めによって蓋の表面に各シートを固定することもできる。
第2シートH2は、第1シートH1,H1の各ファスナ面に架け渡されて貼り合わされる。つまり、第2シートH2は、前蓋13Aおよび後蓋13Bには直接固定されないで、第1シートH1,H1の各ファスナ面に前蓋13Aと後蓋13Bの境界を覆うように重なっている。
第2シートH2の形状は、2本の帯状の第1シートH1,H1のファスナ面が隠れるように矩形にカットされる。第2シートH2の外側面には前蓋13Aおよび後蓋13Bの外観に調和するような装飾が施される。
このようにヒンジHの外側に第2シートH2の装飾面のみを露出させることで、棺10の高級感を保つことができる。
図3(A)に示すように、前蓋13Aを閉じた状態では、第2シートH2が展開状態になって前蓋13Aと後蓋13Bとを直線的に連結する。図3(B)に示すように、前蓋13Aを開いた状態では、第1シートH1,H1の境界で第2シートH2が折れ曲がり、この折れ曲がりの角度だけ前蓋13Aが回動する。第1シートH1,H1は、前蓋13Aと後蓋13Bの上面に固定されたまま第2シートとの結合を保つ。
このようにヒンジHでは、前蓋13Aと後蓋13Bの境界に第1シートH1,H1を分割して固定し、これらのファスナ面に第2シートのファスナ面を貼り合わせることで、第2シートの折曲線がヒンジ軸として機能する。
棺10の使用時、後蓋13Bから前蓋13Aを分離する場合には、図4に示すように、第1シートH1,H1から第2シートH2を引き剥がす。前蓋13Aと後蓋13Bとは、境界で第2シートによる連結が解かれてそれぞれ移動可能な状態になる(図5参照)。第1シートH1,H1のいずれか一方から第2シートH2を引き剥がしても同様である。
後蓋13Bに前蓋13Aを連結する場合には、下箱12に前蓋13Aおよび後蓋13Bを並べて載置した上で、隣り合う第1シートH1,H1に第2シートH2のファスナ面を架け渡して貼り付ける。すると、元のように前蓋13Aと後蓋13BとがヒンジHで開閉可能な連結状態となる。
このように第1実施形態の棺10によれば、第1シートH1,H1と第2シートH2との着脱により、前蓋13Aと後蓋13Bとの分離・連結の操作を極めて簡単に行うことができる。前蓋13Aと後蓋13Bの分離・連結を繰り返しても、面ファスナの結合力がほどんど変化しないため、ヒンジHの固定強度が低下する心配もない。
また、下箱12から前蓋13Aおよび後蓋13Bを取り外す場合には、両者を分離して個々に持ち運ぶことができる。このため、前蓋13Aおよび後蓋13Bを設置作業や撤去作業を一人の作業者で容易に行うことができ、葬儀の場面に応じた最適な蓋の使用状態を迅速に実現することが可能になる。
さらに、棺10では、前蓋13Aと同一形状・サイズの用途の異なる前蓋を予め準備しておき、必要に応じてこれらを交換可能にすることもできる。例えば透明なアクリル材で前蓋の本体部分を作製し、これに第1シートH1と同一の面ファスナシートを同位置に固定する。遺体の運搬や葬儀の準備段階では通常の前蓋13Aを使用し、参列者が集まる葬儀中は前蓋13Aを上記の透明な前蓋に交換する。参列者は前蓋13Aを開放しなくとも遺体に対面することができ、棺10の使い勝手を向上させることができる。もちろん必要であれば透明な前蓋を開放することも可能である。
[第2実施形態]
次に第2実施形態を説明する。第2実施形態の棺は、蓋が横方向(左右方向)に開閉する棺に本発明を適用したものである(図6および図7参照)。一般に横開きタイプの棺は、洋棺に多く採用される。
図6に示すように、棺20は、下箱22の上方に前蓋23Aと後蓋23Bが前後に並んで取り付けられる。棺20の側方の端部に前蓋23Aと下箱22を連結するヒンジHa、後蓋23Bと下箱22を連結するヒンジHbがそれぞれ設けられている。
ヒンジHa,Hbは、第1実施形態と同様な面ファスナで構成される。図7に示すように、第1シートH1,H1は、下箱22側と前蓋23A(後蓋23B)側とに分割されて対になっている。第1シートH1,H1の一方が下箱22の側面に固定され、他方が前蓋23A(後蓋23B)の側面に固定される。これらの第1シートH1,H1は、互いに隣り合った位置にあり、両者の境界が下箱22と前蓋23A(後蓋23B)との境界にほぼ一致する。
第2シートH2は、第1シートH1,H1の各ファスナ面に架け渡されて貼り合わされる。第1シートH1,H1の各ファスナ面を覆うように第2シートH2のファスナ面が覆い重なる。第1シートH1,H1の境界付近で第2シートH2が自在に折れ曲がってヒンジの役割を果たす。
第2実施形態によれば、第1シートH1,H1と第2シートH2との着脱により、下箱22から前蓋23Aおよび後蓋23Bの分離・連結の操作を極めて簡単に行うことができる。前蓋23Aおよび後蓋23Bの分離・連結を繰り返しても、面ファスナの結合力がほどんど変化しないため、ヒンジHa,Hbの固定強度が低下する心配もない。
また、前蓋23Aと後蓋23Bとを分離して個々に持ち運ぶことができ、各蓋のを設置作業や撤去作業を一人の作業者で容易に行うことができる。
第1実施形態と同様に、前蓋23Aと同一形状・サイズの透明な前蓋を予め準備しておき、必要に応じてこれらを交換することも可能である。
[第3実施形態]
第3実施形態を図8および図9に示した。第3実施形態は、窓扉付き棺に本発明を適用したものである。一般に窓扉付き棺は、和棺に多く採用される。
図8に示すように、棺30は、下箱32の上方に蓋33が載置される。蓋33の天板に矩形の窓枠34が設けられ、この窓枠34の左右に観音扉式の窓扉35,35がヒンジH,Hにより連結されている。窓扉35,35を左右に開けると棺30の内部を覗けるようになっている(図8(B)参照)。
ヒンジH,Hは面ファスナで構成される。図9に示すように、第1シートH1,H1は、窓枠34側と窓扉35側とに分割されて対になっている。第1シートH1,H1の一方が窓枠34の上面に固定され、他方が窓扉35の上面に固定される。これらの第1シートH1,H1は、互いに隣り合った位置にあり、両者の境界が窓枠34と窓扉35との境界にほぼ一致する。
第2シートH2は、第1シートH1,H1の各ファスナ面に架け渡されて貼り合わされる。第1シートH1,H1の各ファスナ面を覆うように第2シートH2のファスナ面が覆い重なる。第1シートH1,H1の境界付近で第2シートH2が自在に折れ曲がってヒンジの役割を果たす。
第3実施形態によれば、第1シートH1,H1と第2シートH2との着脱により、窓枠34から窓扉35,35の分離・連結の操作を極めて簡単に行うことができる。窓枠34と窓扉35,35との分離・連結を繰り返しても、面ファスナの結合力がほどんど変化しないため、ヒンジH,Hの固定強度が低下する心配もない。
また、棺30において第1実施形態と同様に窓扉35,35と同一形状・サイズの透明な窓扉を予め準備し、必要に応じてこれらを交換することも可能である。
[第4実施形態]
第4実施形態を図10〜図12に示した。第4実施形態は、第1実施形態のヒンジHの取付位置を変更したものである。なお、第4実施形態において第1実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付している。
図10に示すように、棺40は、下箱12の上に前蓋13Aと後蓋13Bとが載置される。前蓋13Aと後蓋13BとがヒンジHにより連結される。前蓋13Aを持ち上げると、ヒンジHによって後蓋13B側に跳ね上がるように回動するようになっている。
図11に示すように、ヒンジHは、第1シートH1,H1と第2シートH2とを着脱自在に貼り合わせる面ファスナで構成されており、前蓋13Aと後蓋13Bとの隣り合う端面の間に縦向きに配置されている。
第1シートH1,H1は、前蓋13A側と後蓋13B側とに分割される。これらの一方が前蓋13Aの端面に固定され、他方が後蓋13Bの端面に固定される。第1シートH1,H1の縦幅は前蓋13Aおよび後蓋13Bの厚みに等しい。
図11(A)に示すように、第2シートH2は、第1シートH1,H1の各ファスナ面に180゜折り曲がった状態で貼り合わされる。図11(B)に示すように、下箱12から前蓋13Aを持ち上げると、第2シートH2が折れ曲がった状態から展開していき、その展開角度分だけ前蓋13Aが回動する。
後蓋13Bから前蓋13Aを分離する場合には、図11(B)に示す開放状態で第1シートH1,H1から第2シートH2を引き剥がす。前蓋13Aと後蓋13Bは、第2シートによる連結が解かれてそれぞれ移動可能な状態になる。
後蓋13Bに前蓋13Aを連結する場合には、図11(B)に示す開放状態で第1シートH1,H1に第2シートH2を架け渡すように貼り付ける。すると、元のように前蓋13Aと後蓋13BとがヒンジHで開閉可能な連結状態となる。
第4実施形態の構成によっても、第1シートH1,H1と第2シートH2との着脱により、前蓋13Aと後蓋13Bとの分離・連結の操作を極めて簡単に行うことができる。前蓋13Aと後蓋13Bの分離・連結を繰り返しても、面ファスナの結合力がほどんど変化しないため、ヒンジHの固定強度が低下する心配がない。
また、前蓋13Aと後蓋13Bとを分離して個々に持ち運ぶことができ、各蓋の設置作業や撤去作業を一人の作業者で容易に行うことができる。
第1実施形態と同様に、前蓋13Aと同一形状・サイズの透明な前蓋を予め準備しておき、必要に応じてこれらを交換することも可能である。
さらに、前蓋13Aおよび後蓋13Bの天板にヒンジHが突出しないため、運搬や保管時に棺10を積み上げてスペースの有効利用を図ることが可能になる。
[変形例]
第1〜4実施形態を説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されることなく、種々の変更を伴ってもよい。
例えば第1〜4実施形態では平面四角形の棺形状としているが、下箱と蓋のコーナ部分に面取りを設けて平面八角形の棺としてもよい。また、平板状の蓋を採用することもできる。
また、第1〜第4実施形態では、蓋や窓扉の境界に沿って単一のヒンジ(面ファスナ)を取り付けているが、これらの境界に沿って複数のヒンジ(面ファスナ)を適当な間隔を保って配置するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態の棺を示すもので、前蓋が閉じた状態を示す斜視図である。 同棺を示すもので、前蓋が開いた状態を示す斜視図である。 同棺のヒンジ構造を示すもので、(A)は前蓋が閉じた状態を示す断面図、(B)は前蓋が開いた状態を示す断面図である。 同棺のヒンジ構造を示すもので、前蓋と後蓋とを分離した状態を示す断面図である。 同棺から前蓋を分離した状態を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の棺を示すもので、蓋が開いた状態を示す斜視図である。 同棺のヒンジ構造を示すもので、蓋が開いた状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態の棺を示すもので、(A)は窓扉が閉じた状態を示す断面図、(B)は窓扉が開いた状態を示す断面図である。 図8(B)のIX部分の拡大断面図である。 本発明の第4実施形態の棺を示すもので、前蓋が開いた状態を示す斜視図である。 同棺のヒンジ構造を示すもので、(A)は前蓋が閉じた状態を示す断面図、(B)は前蓋が開いた状態を示す断面図である。 同棺のヒンジ構造を示すもので、前蓋と後蓋とを分離した状態を示す断面図である。
符号の説明
10 棺
12 下箱
13 蓋
13A 前蓋(可動部)
13B 後蓋(ベース部)
20 棺
22 下箱(ベース部)
23 蓋
23A 前蓋(可動部)
23B 後蓋(可動部)
30 棺
32 下箱
33 蓋
34 窓枠(ベース部)
35 窓扉(可動部)
H ヒンジ
Ha,Hb ヒンジ
H1,H1 第1シート(面ファスナ)
H2 第2シート(面ファスナ)

Claims (5)

  1. 下箱や窓枠などのベース部と、
    このベース部に隣接して設けられる蓋や窓扉などの可動部と、
    前記ベース部に対して前記可動部を開閉可能に連結するヒンジとを備え、
    前記ヒンジは、第1シートと第2シートとを着脱自在に貼り合わせる面ファスナからなるものであり、
    前記第1シートは、前記ベース部側と前記可動部側とに分割されて互いに隣り合った位置に対になって固定され、
    前記第2シートは、これら一対の第1シートの各ファスナ面に架け渡されて着脱自在に貼り合わされることを特徴とする棺のヒンジ構造。
  2. 下箱と、
    この下箱の上に前後に並んで載置される前蓋および後蓋と、
    前記前蓋および前記後蓋の天板同士の隣接部に設けられ、前記後蓋に対して前記前蓋を開閉可能に連結するヒンジとを備え、
    前記ヒンジは、第1シートと第2シートとを着脱自在に貼り合わせる面ファスナからなるものであり、
    前記第1シートは、前記前蓋側と前記後蓋側とに分割されて互いに隣り合った位置に対になって固定され、
    前記第2シートは、これら一対の第1シートの各ファスナ面に架け渡されて着脱自在に貼り合わされることを特徴とする棺のヒンジ構造。
  3. 請求項2記載の棺のヒンジ構造であって、前記前蓋および前記後蓋の天板上面に前記面ファスナを配置し、前記前蓋を閉鎖すると前記第2シートが展開状態になり、前記前蓋を開放すると前記第2シートが折曲状態になる、棺のヒンジ構造。
  4. 請求項2記載の棺のヒンジ構造であって、前記前蓋と前記後蓋との隣り合う端面の間に前記面ファスナを配置し、前記前蓋を閉鎖すると前記第2シートが屈曲状態になり、前記前蓋を開放すると前記第2シートが展開状態になる、棺のヒンジ構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載のヒンジ構造を有する棺。
JP2008230677A 2008-09-09 2008-09-09 棺のヒンジ構造 Pending JP2010063513A (ja)

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JPH0318775Y2 (ja) * 1983-12-20 1991-04-19

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