JP2010062397A - 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明光の利用効率を高めて、種々のピッチのパターンを同時にそれぞれ高解像度に転写する。
【解決手段】照明光学系の瞳面上での光量分布を、光軸BXを中心とする円周27Aと、光軸BX上を通る第1の直線に沿って対称に設定された第1の1対の円周27B,27Cと、光軸BXを通りその第1の直線に直交する第2の直線に沿って対称に設定された第2の1対の円周27D,27Eとで囲まれた4つのスリット状の周辺領域29A〜29Dを含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定する。この光量分布は、回折光学素子又は開口絞り等によって設定する。
【選択図】図3
【解決手段】照明光学系の瞳面上での光量分布を、光軸BXを中心とする円周27Aと、光軸BX上を通る第1の直線に沿って対称に設定された第1の1対の円周27B,27Cと、光軸BXを通りその第1の直線に直交する第2の直線に沿って対称に設定された第2の1対の円周27D,27Eとで囲まれた4つのスリット状の周辺領域29A〜29Dを含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定する。この光量分布は、回折光学素子又は開口絞り等によって設定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、パターンをウエハ等の基板上に転写するための露光技術に関し、更に詳しくは所謂変形照明に関連した照明技術を用いる露光技術に関する。更に本発明は、その露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体素子又は液晶表示素子等のデバイス(電子デバイス、マイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィ工程で、レチクル(又はフォトマスク等)のパターンをウエハ(又はガラスプレート等)上に転写するために、ステッパー等の一括露光方式の投影露光装置、又はスキャニングステッパー等の走査露光方式の投影露光装置等の露光装置が使用されている。この種の露光装置では、様々のパターンをそれぞれ高解像度でウエハ上に転写することが求められている。
転写対象のパターンの内、特に微細で高い解像度が必要とされるパターンが所謂コンタクトホールである。コンタクトホールには、所定形状の複数の開口が所定の微細なピッチで配列された密集コンタクトホールと、実質的に単独の開口からなる孤立コンタクトホールとがある。前者の密集コンタクトホールのパターンを高解像度でウエハ上に転写するためには、照明光学系の瞳面において、光軸に対して偏心した1つ又は複数(例えば4個)の領域(偏心領域)で照明光の光量を大きくする所謂変形照明方式(変形光源方式)が有効である(例えば、特許文献1参照)。
また、後者の孤立コンタクトホールのパターンを高解像度でウエハ上に転写するためには、照明光学系の瞳面において、光軸を中心とする1つの比較的小さい円形領域で照明光の光量を大きくする照明方式、即ち照明系のコヒーレンスファクタであるσ値を比較的小さくする小σ照明方式が有効である。そこで、実質的に孤立コンタクトホールとみなすことができる大きいピッチで配列されたコンタクトホールから微細ピッチの密集コンタクトホールまでを含む種々のピッチのコンタクトホールのパターンが形成された1枚のレチクルのパターンを、1回の露光でウエハ上に高精度に転写するために、照明光学系の瞳面の光軸を中心とする中心領域、及びこの中心領域を囲む複数の偏心領域で照明光の光量を大きくする照明方式も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−176766号公報
国際公開第2004/090952号パンフレット
従来の変形照明方式では、転写対象のパターンが2次元のコンタクトホールのパターンである場合に、特にピッチが微細なパターンに対して照明光の利用効率が低下する恐れがあった。
本発明は斯かる点に鑑み、照明光の利用効率を高めて、種々のピッチのパターンを同時にそれぞれ高解像度で転写できる露光技術及びデバイス製造技術を提供することを目的とする。
本発明は斯かる点に鑑み、照明光の利用効率を高めて、種々のピッチのパターンを同時にそれぞれ高解像度で転写できる露光技術及びデバイス製造技術を提供することを目的とする。
本発明による第1の露光方法は、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターンを介して物体を露光する露光方法において、そのパターンを照明する照明光学系の所定面におけるその露光光の光量分布を、光軸を中心とする第1の円周と、その光軸上で直交する第1及び第2直線上にその光軸を挟むように対称に設定された第1及び第2の1対の点を中心とする第1及び第2の1対の円周とで囲まれた4つのスリット状の領域を含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定するものである。
本発明による第2の露光方法は、その所定面におけるその露光光の光量分布を、光軸を中心とする第1の円周と、該第1の円周と同じ半径の2つの円周とで囲まれた第1のスリット状の領域、並びに該第1のスリット状の領域をその光軸の周りにほぼ90°、180°、及び270°回転してなる第2、第3、及び第4のスリット状の領域を含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定するものである。
また、本発明による第1の露光装置は、照明光学系からの露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターンを介して物体を露光する露光装置において、その照明光学系の所定面におけるその露光光の光量分布を、光軸を中心とする第1の円周と、その光軸上で直交する第1及び第2直線上にその光軸を挟むように対称に設定された第1及び第2の1対の点を中心とする第1及び第2の1対の円周とで囲まれた4つのスリット状の領域を含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定する光量分布設定機構を備えるものである。
本発明による第2の露光装置は、その所定面におけるその露光光の光量分布を、光軸を中心とする第1の円周と、該第1の円周と同じ半径の2つの円周とで囲まれた第1のスリット状の領域、並びに該第1のスリット状の領域をその光軸の周りにほぼ90°、180°、及び270°回転してなる第2、第3、及び第4のスリット状の領域を含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定する光量分布設定機構を備えるものである。
また、本発明のデバイス製造方法は、本発明の露光方法又は露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理することと、を含むものである。
本発明によれば、照明光学系の所定面(例えば瞳面又はこの近傍の面)において、3つの円周で囲まれた領域で照明光の光量が高くなる。従って、この領域からの照明光による転写対象の最も微細なピッチ(周期)のパターンからの1次回折光は、例えば投影光学系の入射瞳に対して円形のエッジ部に沿って入射するため、照明光の無駄がない。このため、照明光の利用効率を高めて、種々のピッチのパターンを同時にそれぞれ高解像度で転写できる。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図1〜図7を参照して説明する。
図1(A)は、本実施形態の走査露光型の投影露光装置としてのスキャニングステッパーよりなる露光装置の概略構成を示す。図1(A)において、露光装置は、露光光源1と、露光光源1からの照明光ILでレチクルR(マスク)のパターンを照明する照明光学系12と、レチクルRのパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PLと、露光装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系17と、ステージ系等とを備えている。
図1(A)は、本実施形態の走査露光型の投影露光装置としてのスキャニングステッパーよりなる露光装置の概略構成を示す。図1(A)において、露光装置は、露光光源1と、露光光源1からの照明光ILでレチクルR(マスク)のパターンを照明する照明光学系12と、レチクルRのパターンの像をウエハW上に投影する投影光学系PLと、露光装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系17と、ステージ系等とを備えている。
露光光源1としてはArFエキシマレーザ光源(波長193nm)が使用されている。なお、露光光源1としては、KrFエキシマレーザ光源(波長248nm)などの他のレーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源や固体レーザ(例えば半導体レーザ等)等の高調波発生装置、又は水銀ランプなども使用できる。
露光光源1から射出された紫外パルス光よりなる照明光IL(露光光)は、ビームエキスパンダ2により光束の断面形状が所望の形状に変換された後、光路折り曲げ用のミラー3を介して第1の回折光学素子21に入射して、後述のように所定面(ここでは照明光学系12の瞳面)で所定の光量分布(強度分布)が得られるように複数の方向に回折する光束DLに変換される。回折光学素子21は、レボルバ24に取り付けられており、レボルバ24には、他の回折特性を持つ第2の回折光学素子22、及び更に別の回折特性を持つ回折光学素子(不図示)も取り付けられている。主制御系17が、駆動部23を介してレボルバ24の回転角を制御して、照明光ILの光路上に回折光学素子21,22等の何れかを設置することによって、照明条件を切り替えることができる。
露光光源1から射出された紫外パルス光よりなる照明光IL(露光光)は、ビームエキスパンダ2により光束の断面形状が所望の形状に変換された後、光路折り曲げ用のミラー3を介して第1の回折光学素子21に入射して、後述のように所定面(ここでは照明光学系12の瞳面)で所定の光量分布(強度分布)が得られるように複数の方向に回折する光束DLに変換される。回折光学素子21は、レボルバ24に取り付けられており、レボルバ24には、他の回折特性を持つ第2の回折光学素子22、及び更に別の回折特性を持つ回折光学素子(不図示)も取り付けられている。主制御系17が、駆動部23を介してレボルバ24の回転角を制御して、照明光ILの光路上に回折光学素子21,22等の何れかを設置することによって、照明条件を切り替えることができる。
回折光学素子21により回折された光束DLは、リレーレンズ4により集光され、第1プリズム71及び第2プリズム72(可動プリズム)を経てオプティカル・インテグレータとしてのフライアイレンズ5の入射面に集光される。フライアイレンズ5の射出面(射出側焦点面)Q1には、ほぼその入射面の光量分布に対応する分布の面光源(多数の光源像からなる2次光源)が形成される。回折光学素子21の射出面とフライアイレンズ5の射出面Q1とはほぼ共役(結像関係)となっている。
図1(B)に示すように、第1プリズム71は、照明光学系の光軸BXを中心とする円形領域で平行平面板71aとなり、その周辺部で凹の円錐体71bとなる部材であり、第2プリズム72は、第1プリズム71に対して凹凸が逆になると共に、第1プリズム71と合わせたときに全体として平行平面板を構成する部材である。また、第1及び第2プリズム71,72の少なくとも一方、例えば第2プリズム72のみが光軸BXに沿って不図示の駆動機構によって変位可能に支持されており、第2プリズム72を光軸BXに沿って変位させることによって、フライアイレンズ5の射出面Q1における光量分布において、中心の分布(後述する領域28などの位置)を変えることなく、周辺の光量の大きい複数の領域の位置等を半径方向に調整できる。
なお、プリズム71及び72の代わりに、円錐体の部分が角錐体(又はピラミッド状)となったプリズムを用いてもよい。更に、プリズム71及び72の代わりに、図1(C)に示すように、一方向に屈折力がありそれに直交する方向には屈折力の無い1対のV字型の間隔可変のプリズム71A,71Bと、プリズム71A,71Bを光軸BXの回りに90°回転した構成の別の1対のプリズム71C,71Dとを用いてもよい。この2対のプリズムを用いる場合には、互いに直交する2つの方向の周辺の光量の大きい領域の位置等を独立に調整できる。
なお、図1(A)において、フライアイレンズ5の射出面Q1における周辺の光量の大きい複数の領域の位置等を半径方向に変化させる必要の無い場合には、プリズム71,72は省略することも可能である。また、フライアイレンズ5としては、断面形状が幅数10μm程度の四角形又は直径が数10μm程度の円形の多数の微小レンズを束ねた構成のマイクロフライアイレンズを用いることも可能である。
フライアイレンズ5から射出された照明光ILは、コンデンサレンズ系6によって面Q2上に一度集光される。面Q2の近傍にレチクルR上の照明領域を走査方向に直交する非走査方向に細長い形状に規定するための固定視野絞り(固定ブラインド)7が配置され、面Q2上に走査露光の前後でその照明領域の走査方向の幅を開閉すると共に、その照明領域の非走査方向の幅を規定するための可動視野絞り(可動ブラインド)8が配置されている。可動視野絞り8は、一例として、後述のレチクルステージ駆動系16によって制御される。
視野絞り7及び8を通過した照明光ILは、結像用レンズ系9、光路折り曲げ用のミラー10、及び主コンデンサレンズ系11を介して、レチクルRのパターン面(レチクル面)のパターン領域上の細長い照明領域を一様な強度分布で照明する。ビームエキスパンダ2から主コンデンサレンズ系11までの光学部材を含んで光軸BXを有する照明光学系12が構成されている。この場合、フライアイレンズ5の射出面Q1は、照明光学系12の瞳面と実質的に一致し、可動視野絞り8が配置されている面Q2は、そのレチクル面の共役面である。
照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域内のパターンの像が、両側テレセントリックの投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等の縮小倍率)で、投影光学系PLの結像面に配置されてレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW(基板)上の一つのショット領域上の露光領域に投影される。
投影光学系PLの開口絞りASが配置された瞳面Q3(レチクル面に対する光学的なフーリエ変換面)は、フライアイレンズ5の射出面Q1(照明光学系12の瞳面)と共役である。投影光学系PLとしては、屈折系の他に、例えば特開2000−47114号公報に開示されているように、互いに交差する光軸を持つ複数の光学系を持つ反射屈折投影光学系、又は例えば国際公開(WO)01/065296号パンフレットに開示されているように、レチクルからウエハに向かう光軸を持つ光学系と、その光軸に対してほぼ直交する光軸を持つ反射屈折系とを有し、内部で中間像を2回形成する反射屈折投影光学系等を使用できる。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内でレチクルR及びウエハWの走査方向に直交する非走査方向(ここでは図1(A)の紙面に平行な方向)にX軸を取り、その走査方向(ここでは図1(A)の紙面に垂直な方向)にY軸を取って説明する。
投影光学系PLの開口絞りASが配置された瞳面Q3(レチクル面に対する光学的なフーリエ変換面)は、フライアイレンズ5の射出面Q1(照明光学系12の瞳面)と共役である。投影光学系PLとしては、屈折系の他に、例えば特開2000−47114号公報に開示されているように、互いに交差する光軸を持つ複数の光学系を持つ反射屈折投影光学系、又は例えば国際公開(WO)01/065296号パンフレットに開示されているように、レチクルからウエハに向かう光軸を持つ光学系と、その光軸に対してほぼ直交する光軸を持つ反射屈折系とを有し、内部で中間像を2回形成する反射屈折投影光学系等を使用できる。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内でレチクルR及びウエハWの走査方向に直交する非走査方向(ここでは図1(A)の紙面に平行な方向)にX軸を取り、その走査方向(ここでは図1(A)の紙面に垂直な方向)にY軸を取って説明する。
先ずレチクルRは、レチクルステージ14上に吸着保持され、レチクルステージ14は、レチクルベース15上にY方向に等速移動できると共に、X方向、Y方向、及びZ軸の周りの回転方向に微動できるように載置されている。レチクルステージ14の位置及び回転角は、レチクルステージ駆動系16内のレーザ干渉計によって計測されている。レチクルステージ駆動系16は、その計測情報及び主制御系17からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構を介してレチクルステージ14の位置、回転角、及び速度を制御する。
一方、ウエハWは、不図示のウエハホルダを介してウエハステージ18上に吸着保持され、ウエハステージ18は、ウエハベース19上にX方向、Y方向、及びZ軸の周りの回転方向に移動可能に載置されている。ウエハステージ18の位置及び回転角は、ウエハステージ駆動系20内のレーザ干渉計によって計測されている。ウエハステージ駆動系20は、その計測情報及び主制御系17からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構を介してウエハステージ18の位置、回転角、及び速度を制御する。また、ウエハステージ18には、不図示のオートフォーカスセンサの計測情報に基づいて、走査露光中にウエハWの表面を投影光学系PLの結像面に合わせ込むためのZステージ機構が組み込まれている。
さらに、本実施形態の露光装置を、国際公開第99/49504号パンフレット、又は国際公開第2004/053955号パンフレットに示すような液浸型とすることも可能である。露光装置が液浸型である場合には、投影光学系PLとウエハWとの間に不図示の液体供給機構から純水等の液体が供給される。
走査露光時には、主制御系17、レチクルステージ駆動系16、及びウエハステージ駆動系20の制御のもとで、レチクルステージ14を介してレチクルRを照明光ILの照明領域に対してY方向に速度VRで走査するのに同期して、ウエハステージ18を介して露光領域(投影光学系PLに関して照明領域と共役な照明光ILの照射領域)に対してウエハW上の一つのショット領域を対応する方向に速度β・VR(βは投影倍率)で走査する動作と、ウエハステージ18を介してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。このステップ・アンド・スキャン動作によって、ウエハW上の全部のショット領域にレチクルRの回路パターンの像が転写される。
走査露光時には、主制御系17、レチクルステージ駆動系16、及びウエハステージ駆動系20の制御のもとで、レチクルステージ14を介してレチクルRを照明光ILの照明領域に対してY方向に速度VRで走査するのに同期して、ウエハステージ18を介して露光領域(投影光学系PLに関して照明領域と共役な照明光ILの照射領域)に対してウエハW上の一つのショット領域を対応する方向に速度β・VR(βは投影倍率)で走査する動作と、ウエハステージ18を介してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。このステップ・アンド・スキャン動作によって、ウエハW上の全部のショット領域にレチクルRの回路パターンの像が転写される。
次に、本実施形態の照明条件及び結像光束の状態につき詳細に説明する。
図2は、図1(A)中のレチクルRに形成された転写用のパターン(原版パターン)の一例を示す。図2において、レチクルRのパターン領域PA内には、それぞれX方向、Y方向にピッチ(周期)P1,P2及びP3でほぼ正方形のパターン25A,25B及び25Cを配置してなる3種類のコンタクトホールの2次元パターンが形成されている。各パターン25A,25B,25Cはそれぞれ遮光膜中に形成された透過パターンでもよく、逆に透過部中に形成された遮光パターンでもよい。また、各パターン25A,25B,25Cの幅は、それぞれ対応するピッチP1,P2,P3の1/2程度、又はこれより小さい値である。また、ピッチP1,P2,P3は次のように次第に数倍(例えば2倍、3倍、4倍、5倍等)程度になるように設定されている。
図2は、図1(A)中のレチクルRに形成された転写用のパターン(原版パターン)の一例を示す。図2において、レチクルRのパターン領域PA内には、それぞれX方向、Y方向にピッチ(周期)P1,P2及びP3でほぼ正方形のパターン25A,25B及び25Cを配置してなる3種類のコンタクトホールの2次元パターンが形成されている。各パターン25A,25B,25Cはそれぞれ遮光膜中に形成された透過パターンでもよく、逆に透過部中に形成された遮光パターンでもよい。また、各パターン25A,25B,25Cの幅は、それぞれ対応するピッチP1,P2,P3の1/2程度、又はこれより小さい値である。また、ピッチP1,P2,P3は次のように次第に数倍(例えば2倍、3倍、4倍、5倍等)程度になるように設定されている。
P1<P2<P3 …(1)
ピッチP1,P2,P3は、一例として、投影光学系PLの投影像に換算して120nm、240nm、360nm程度である。即ち、レチクルRの原版パターンは、微細ピッチの密集コンタクトホール用の第1パターンと、中程度のピッチの密集コンタクトホール用の第2パターンと、実質的に孤立コンタクトホールとみなすことができる大きいピッチで配列されたコンタクトホール用の第3パターンとを含んでいる。このような原版パターンの像を一度に高精度にウエハ上に転写するために、図1(A)に示すように、照明光ILの光路上に回折光学素子21を配置して、フライアイレンズ5の射出面Q1における照明光ILの光量分布(強度分布)を所定分布に設定する。
ピッチP1,P2,P3は、一例として、投影光学系PLの投影像に換算して120nm、240nm、360nm程度である。即ち、レチクルRの原版パターンは、微細ピッチの密集コンタクトホール用の第1パターンと、中程度のピッチの密集コンタクトホール用の第2パターンと、実質的に孤立コンタクトホールとみなすことができる大きいピッチで配列されたコンタクトホール用の第3パターンとを含んでいる。このような原版パターンの像を一度に高精度にウエハ上に転写するために、図1(A)に示すように、照明光ILの光路上に回折光学素子21を配置して、フライアイレンズ5の射出面Q1における照明光ILの光量分布(強度分布)を所定分布に設定する。
図3は、図1(A)のフライアイレンズ5の射出面Q1(照明光学系12の瞳面)における照明光ILの光量分布を示す。図3において、図2のレチクルR上のX方向及びY方向(即ち、転写用パターンの配列方向)に対応する射出面Q1上の方向に平行にそれぞれX軸及びY軸を取り、射出面Q1上でのX軸及びY軸の原点を光軸BXとする。ここで、図1(A)の投影光学系PLの物体側(レチクル側)の開口数をNAin、像側(ウエハ側)の開口数をNAとすると、投影倍率βを用いて次の関係がある。
NAin=β・NA …(2)
更に、照明光学系12の瞳面(射出面Q1)から射出してレチクルRに入射する照明光ILの開口数をNAILとすると、その照明光ILのσ値(コヒーレンスファクタ)を示すσILは、次のように開口数NAILの投影光学系PLの開口数NAinに対する比の値で定義される。このσILの値は、その照明光ILの照明光学系12の瞳面上での光軸からの距離に対応している。
更に、照明光学系12の瞳面(射出面Q1)から射出してレチクルRに入射する照明光ILの開口数をNAILとすると、その照明光ILのσ値(コヒーレンスファクタ)を示すσILは、次のように開口数NAILの投影光学系PLの開口数NAinに対する比の値で定義される。このσILの値は、その照明光ILの照明光学系12の瞳面上での光軸からの距離に対応している。
σIL=NAIL/NAin=NAIL/(β・NA) …(3)
図3に示す照明光学系12の瞳面において、光軸BXを中心とする点線の円周26は、投影光学系PLの物体側の開口数NAinと同じ開口数を持つ仮想的な光束が通過する領域の外周を表し、その内側の円周27Aは、最大のσ値であるσouを持つ照明光が通過する領域に接する円周を表している。以下では円周26の半径を1とすると、円周27Aの半径はσouとなり、全ての照明光ILは円周27の内部を通過する。また、光軸BXを中心としてσ値に換算した半径がσce(<σou)の円周で囲まれた円形の領域を中心領域28とする。一例として、σouは0.9〜1.0の範囲内に設定され、σceは0.1〜0.4の範囲内に設定される。
図3に示す照明光学系12の瞳面において、光軸BXを中心とする点線の円周26は、投影光学系PLの物体側の開口数NAinと同じ開口数を持つ仮想的な光束が通過する領域の外周を表し、その内側の円周27Aは、最大のσ値であるσouを持つ照明光が通過する領域に接する円周を表している。以下では円周26の半径を1とすると、円周27Aの半径はσouとなり、全ての照明光ILは円周27の内部を通過する。また、光軸BXを中心としてσ値に換算した半径がσce(<σou)の円周で囲まれた円形の領域を中心領域28とする。一例として、σouは0.9〜1.0の範囲内に設定され、σceは0.1〜0.4の範囲内に設定される。
次に、光軸BXを通るX軸上に、光軸BXからの距離がDXとなるように対称に点B2及びB3を設定し、光軸BXを通るY軸上に、光軸BXからの距離がDYとなるように対称に点B4及びB5を設定する。ここでは次の関係が成立する。
DY=DX …(4)
更に、X軸上の点B2,B3を中心として円周27Aと同じ半径(σou)の円周27B,27Cを想定し、Y軸上の点B4,B5を中心として円周27Aと同じ半径(σou)の円周27D,27Eを想定する。そして、中心の円周27Aと+X方向及び+Y方向の円周27B,27Dとで囲まれた第1の周辺領域29Aと、円周27Aと+Y方向及び−X方向の円周27D,27Cとで囲まれた第2の周辺領域29Bと、円周27Aと−X方向及び−Y方向の円周27C,27Eとで囲まれた第3の周辺領域29Cと、円周27Aと−Y方向及び+X方向の円周27E,27Bとで囲まれた第4の周辺領域29Dとを設定する。この場合、周辺領域29A〜29Dはそれぞれ光軸BXから半径方向に細長い領域(スリット状の領域)である。また、第1の周辺領域29Aは、光軸BXを通りX軸に45°で交差する直線に沿って細長い領域であり、第2、第3、及び第3の周辺領域29B,29C,29Dは、それぞれ第1の周辺領域29Aを光軸BXの周りに90°、180°、及び270°回転して得られる領域でもある。
DY=DX …(4)
更に、X軸上の点B2,B3を中心として円周27Aと同じ半径(σou)の円周27B,27Cを想定し、Y軸上の点B4,B5を中心として円周27Aと同じ半径(σou)の円周27D,27Eを想定する。そして、中心の円周27Aと+X方向及び+Y方向の円周27B,27Dとで囲まれた第1の周辺領域29Aと、円周27Aと+Y方向及び−X方向の円周27D,27Cとで囲まれた第2の周辺領域29Bと、円周27Aと−X方向及び−Y方向の円周27C,27Eとで囲まれた第3の周辺領域29Cと、円周27Aと−Y方向及び+X方向の円周27E,27Bとで囲まれた第4の周辺領域29Dとを設定する。この場合、周辺領域29A〜29Dはそれぞれ光軸BXから半径方向に細長い領域(スリット状の領域)である。また、第1の周辺領域29Aは、光軸BXを通りX軸に45°で交差する直線に沿って細長い領域であり、第2、第3、及び第3の周辺領域29B,29C,29Dは、それぞれ第1の周辺領域29Aを光軸BXの周りに90°、180°、及び270°回転して得られる領域でもある。
本実施形態では、図3の照明光学系12の瞳面における照明光ILの光量分布は、円周27A内で斜線を施した中心領域28及びそれを囲む4個の周辺領域29A〜29Dからなる5個の領域でほぼ一定の光量となり、それ以外の領域ではその一定の光量よりも低い光量(本実施形態ではほぼ0)となる。なお、中心領域28及び周辺領域29A〜29Dの輪郭付近では、光量は外側に向かって次第に減少する分布を持っていてもよい。
ここで、光軸BXと円周27B〜27Dの中心(点B2〜B5)までの距離DX(DY)の条件につき検討する。先ず、距離DXは、図4(A)に示すように、周辺領域29Aが中心領域28に接触しないように、次の下限DXminより大きく設定されることが好ましい。この場合、角度αを用いて次の関係がある。
σce sin45°=σce/21/2=σou sinα …(5A)
また、σce<σouであるため、α<45°である。式(5A)で規定される角度αを用いて、下限DXminは次のようになる。
σce sin45°=σce/21/2=σou sinα …(5A)
また、σce<σouであるため、α<45°である。式(5A)で規定される角度αを用いて、下限DXminは次のようになる。
DX>DXmin=σce cos45°+σou cosα=σou(sinα+cosα)
=σou ×21/2 sin(45°+α)>σou …(5B)
また、距離DXは、図4(B)に示すように、周辺領域29Aが無くなるときの次の上限DXmaxより小さく設定する必要がある。
DX<DXmax=2×σou cos45°=σou ×21/2 …(6)
式(5B)及び式(6)から距離DXの好ましい範囲は次のようになる。
=σou ×21/2 sin(45°+α)>σou …(5B)
また、距離DXは、図4(B)に示すように、周辺領域29Aが無くなるときの次の上限DXmaxより小さく設定する必要がある。
DX<DXmax=2×σou cos45°=σou ×21/2 …(6)
式(5B)及び式(6)から距離DXの好ましい範囲は次のようになる。
σou<σou(sinα+cosα)<DX<σou×21/2 …(7)
なお、実際には、図3の距離DXが下限DXminよりも小さくなり、周辺領域29Aの先端部が中心領域28内に入っても差し支えない。ただし、距離DXは半径σouより大きいことが好ましい。この場合の距離DXの好ましい範囲は次のようになる。
σou<DX<σou×21/2 …(8A)
距離DXをd、半径σouをrとおくと、式(8A)から距離dの好ましい範囲は次のようになる。
なお、実際には、図3の距離DXが下限DXminよりも小さくなり、周辺領域29Aの先端部が中心領域28内に入っても差し支えない。ただし、距離DXは半径σouより大きいことが好ましい。この場合の距離DXの好ましい範囲は次のようになる。
σou<DX<σou×21/2 …(8A)
距離DXをd、半径σouをrとおくと、式(8A)から距離dの好ましい範囲は次のようになる。
r<d<r×21/2 …(8B)
上述のように、図3の瞳面上の中心領域28及び周辺領域29A〜29Dで光量がほぼ一定となり、それ以外の領域で光量がほぼ0となる光量分布が得られるように、図1(A)の回折光学素子21の回折特性が設定されている。また、回折光学素子21は、複数枚の位相型の回折格子を組み合わせたものでもよい。これらの場合、回折光学素子21は、位相型であるため、光の利用効率が高いという利点がある。なお、回折光学素子21としては、屈折率分布を回折格子状の分布で変化させた光学素子を使用することも可能である。なお、特定の回折特性を持つ回折光学素子の構造及び製造方法については、例えば本出願人による特開2001−176766号公報に詳細に開示されている。
上述のように、図3の瞳面上の中心領域28及び周辺領域29A〜29Dで光量がほぼ一定となり、それ以外の領域で光量がほぼ0となる光量分布が得られるように、図1(A)の回折光学素子21の回折特性が設定されている。また、回折光学素子21は、複数枚の位相型の回折格子を組み合わせたものでもよい。これらの場合、回折光学素子21は、位相型であるため、光の利用効率が高いという利点がある。なお、回折光学素子21としては、屈折率分布を回折格子状の分布で変化させた光学素子を使用することも可能である。なお、特定の回折特性を持つ回折光学素子の構造及び製造方法については、例えば本出願人による特開2001−176766号公報に詳細に開示されている。
なお、より実用的には、回折光学素子21によって得られる光量分布を、図3の中心領域28及び周辺領域29A〜29Dを含む領域でほぼ一定の光量となるようにしておき、中心領域28及び周辺領域29A〜29Dに対応する部分に開口が形成された開口絞り73を、駆動部74を介して図1(A)のフライアイレンズ5の射出面Q1(瞳面)又はその共役面に配置してもよい。この場合にも、照明光ILの利用効率が高いという利点は得られている。
次に、図3の照明光学系の瞳面上の光量分布を持つ照明光を用いて図2のレチクルRのパターンを照明した場合の、図1(A)の投影光学系PLの瞳面Q3上の結像光束につき図5(A)及び(B)を参照して説明する。図5(A)は、図3の第1の周辺領域29Aからの照明光によって、投影光学系PLの瞳面Q3上に形成される結像光束の一部の分布を示し、図5(B)は、図3の中心領域28からの照明光によって、その瞳面Q3上に形成される結像光束の一部の分布を示す。なお、図5(A)及び(B)は、投影光学系PLの入射瞳上での結像光束の分布とみなすことも可能である。
図5(A)及び(B)において、実線の円周26Pは、物体側の開口数NAinを持つ結像光束の輪郭部(不図示の開口絞りの開口)を示し、点線の円周27APは、照明光学系12の最大σ値(σou)に対応する開口数を持つ照明光の0次光が通過する領域の輪郭を示す。さらに、仮に照明光学系12の瞳面に対して投影光学系PLの瞳面が反転しているものとすると、図5(A)の細長い0次光30は、図3の第1の周辺領域29Aからの照明光の0次光を示し、図5(B)の中心の円形の0次光31は、図3の中心領域28からの照明光の0次光を示す。なお、照明光学系12の瞳面に対して投影光学系PLの瞳面が同じ方向である場合には、図5(A)の点線の回折光30XYを反転した円周27APに内接する光束が図3の第1の周辺領域29Aからの照明光の0次光となり、回折光30YがX方向の回折光になり、回折光30XがY方向の回折光になる。
また、図3の第1の周辺領域29Aからの照明光のうち、図2の最も微細なピッチP1の2次元のコンタクトホールのパターン25AによるY方向への1次回折光30Y、及びX方向への1次回折光30Xは、図5(A)の開口数NAinに対応する円周26Pの内側を通過する。従って、0次光30及び1次回折光30Y,30XによってウエハW上に図2のパターン25Aの像が高精度に結像される。なお、周辺領域29Aからの光束のX方向に1次でY方向にも1次の図5(A)に点線で示す回折光30XYは光量が小さいため、一部が円周26Pの外側にはみ出しても結像特性は実質的に悪化しない。
この場合、1次回折光30Y及び30Xのエッジ部30Ya及び30Xaは、それぞれ円周26Pとほぼ同じ曲率の円周であるため、結像光束のケラレがなく、結像光束(照明光IL)の利用効率が高い。同様に、図3の他の周辺領域29B〜29Dからの照明光による結像光束は、周辺領域29Aからの照明光による結像光束にインコヒーレントに加算されるため、それぞれ高い利用効率で微細なピッチのパターンの結像に寄与する。
また、図3の第1の周辺領域29Aからの照明光のうち、図2の中程度のピッチP2の2次元のコンタクトホールのパターン25BによるY方向への1次回折光及びX方向への1次回折光は、それぞれ図5(A)の0次光30と1次回折光30Yとの間の領域、及び0次光30と1次回折光30Xとの間の領域を通過する。さらに、より高次の回折光も円周26P内を通過できる場合もある。従って、ウエハW上に図2のパターン25Bの像が高精度に結像される。
一方、図3の中心領域28からの照明光のうち、図2の最も大きいピッチP3の2次元のコンタクトホールのパターン25CによるY方向への1次回折光31YA,31YB、及びX方向への1次回折光31XA,31XBは、図5(B)の円周26P内で0次光31に近い領域を通過する。さらに、より高次の回折光(不図示)も円周26P内を通過する。従って、0次光31及び1次回折光31YA,31YB,31XA,31XB等によってウエハW上に図2のパターン25Cの像が高精度に結像される。
このように、図3の光量分布を用いることによって、種々のピッチを持つ種々のコンタクトホールのパターンを1回の露光で同時に高精度にウエハW上に転写できる。具体的に式(2)の像側の開口数NAを1.30(液浸法で露光が行われる)、図3のσouを0.96、σceを0.245、距離DX(=DY)を1.240とした場合、投影像の段階でのピッチが116nm〜1000nm程度の2次元のコンタクトホールのパターンの像を同時に高精度にウエハ上に転写できる。
また、図3の中心領域28の大きさ(半径σce)及び/又は相対光量(相対強度)を制御することによって、図6に示すように、光学的近接効果であるOPE(Optical Proximity Effect)特性を制御することも可能である。図6の曲線32Aは、中心領域28の半径σceを0.26として、周辺領域29A〜29Dに対する中心領域28の相対光量を1.0とした場合の、110nm〜910nmのピッチの範囲内のコンタクトホールのパターンに対するOPEによる投影像の線幅の誤差ΔOPE(nm)の一例を示す。また、曲線32Bは、中心領域28の半径σceを0.30として、周辺領域29A〜29Dに対する中心領域28の相対光量を0.8とした場合の、同じピッチ範囲内のコンタクトホールのパターンに対するOPEによる投影像の線幅の誤差ΔOPEの一例を示す。曲線32Bは、曲線32Aに比べて変化が小さくなっていることから、中心領域28の大きさ及び相対光量の制御によってOPE特性を制御できることが分かる。
本実施形態の作用効果及び変形例は以下の通りである。
(1)本実施形態の露光方法は、照明光ILでレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターンを介してウエハWを露光する露光方法において、照明光学系12の瞳面(フライアイレンズ5の射出面Q1)における照明光ILの光量分布を、光軸BXを中心とする円周27Aと、光軸BX上で直交するX軸及びY軸上に光軸BXを挟むように対称に設定された点を中心とする1対の円周27B,27C及び1対の円周27D,27Eとで囲まれた4つの周辺領域29A〜29D、及び中心領域28でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定している。
(1)本実施形態の露光方法は、照明光ILでレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターンを介してウエハWを露光する露光方法において、照明光学系12の瞳面(フライアイレンズ5の射出面Q1)における照明光ILの光量分布を、光軸BXを中心とする円周27Aと、光軸BX上で直交するX軸及びY軸上に光軸BXを挟むように対称に設定された点を中心とする1対の円周27B,27C及び1対の円周27D,27Eとで囲まれた4つの周辺領域29A〜29D、及び中心領域28でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定している。
その周辺領域29B〜29Dは、光軸BXを中心とする円周27Aと、この円周27Aと同じ半径の2つの円周27B,27Dとで囲まれた半径方向に細長い周辺領域29Aを光軸BXの周りにそれぞれ90°、180°、及び270°回転した領域でもある。
また、本実施形態の露光装置は、そのように光量分布を設定するために、駆動部23、レボルバ24、及び回折光学素子21を含む光量分布設定装置を備えている。
また、本実施形態の露光装置は、そのように光量分布を設定するために、駆動部23、レボルバ24、及び回折光学素子21を含む光量分布設定装置を備えている。
従って、周辺領域29A〜29Dからの照明光による2次元の密集コンタクトホール用の図2のパターン25Aからの1次回折光30Y,30X等は、図5(A)の投影光学系PLの瞳面(又は入射瞳)上に開口絞りによって規定される円周26Pにほぼ内接するように入射するため、照明光の無駄がない。また、それよりもピッチの大きいパターンからの回折光は円周26P内を通過する。従って、照明光の利用効率を高めて、種々のピッチのパターンを同時にそれぞれ高解像度で転写できる。
(2)また、照明光学系12の瞳面上で円周27Aよりも小さい円周内の中心領域28でも照明光の光量をその周囲よりも大きくしている。従って、孤立コンタクトホールとみなすことができる図2のパターン25Cをも同時に高解像度で転写できる。
さらに、中心領域28の大きさ及び相対光量を調整することによって、上述のように投影像のOPE特性を制御することも可能である。
さらに、中心領域28の大きさ及び相対光量を調整することによって、上述のように投影像のOPE特性を制御することも可能である。
なお、中心領域28の形状は円形ではなく、例えば輪帯領域でもよい。
また、例えば転写対象のレチクルRのパターン領域に孤立コンタクトホールに近いパターンが含まれていない場合は、図7に示すように、照明光学系12の瞳面で4箇所の周辺領域29A〜29Dのみで光量を大きく設定し、それ以外の領域で光量を小さく、例えばほぼ0にしてもよい。
また、例えば転写対象のレチクルRのパターン領域に孤立コンタクトホールに近いパターンが含まれていない場合は、図7に示すように、照明光学系12の瞳面で4箇所の周辺領域29A〜29Dのみで光量を大きく設定し、それ以外の領域で光量を小さく、例えばほぼ0にしてもよい。
(3)また、図3では、円周27B〜27Eは中央の円周27Aと同じ大きさであり、円周27B〜27Eの中心(点B2〜B5)と円周27Aの中心(光軸BX)との距離DX(DY)は、転写対象のパターン25A〜25Cのピッチに応じて定められることが好ましい。
即ち、距離DXは式(8A)を満たす範囲内で、転写対象のパターンのピッチ分布が微細ピッチに偏っている場合には上限に近い値に設定し、転写対象のパターンのピッチ分布が微細ピッチから大きいピッチまでを含む場合には下限に近い値に設定してもよい。これによって、転写対象のパターンのピッチ分布に応じてそれぞれ高い解像度で露光を行うことができる。
即ち、距離DXは式(8A)を満たす範囲内で、転写対象のパターンのピッチ分布が微細ピッチに偏っている場合には上限に近い値に設定し、転写対象のパターンのピッチ分布が微細ピッチから大きいピッチまでを含む場合には下限に近い値に設定してもよい。これによって、転写対象のパターンのピッチ分布に応じてそれぞれ高い解像度で露光を行うことができる。
(4)なお、図3の光量分布において、中心の円周27A(半径σou)に対してこれを囲む円周27B〜27Eの半径は異なっていてもよい。例えば円周27B〜27Eの半径をσ値が1の円周26と同じ半径にしてもよい。
また、例えば図2のパターン25A〜25CのX方向のピッチとY方向のピッチとが異なる場合には、図3の円周27B,27CのX軸上の中心と光軸BXとの距離DXと、円周27D,27EのY軸上の中心と光軸BXとの距離DYとを異ならせてもよい。
また、例えば図2のパターン25A〜25CのX方向のピッチとY方向のピッチとが異なる場合には、図3の円周27B,27CのX軸上の中心と光軸BXとの距離DXと、円周27D,27EのY軸上の中心と光軸BXとの距離DYとを異ならせてもよい。
(5)また、上述のように、図3の光量分布において、中心領域28の光量(強度)と周辺領域29A〜29Dの光量(強度)とが異なっていてもよい。
(6)また、転写対象のパターンが図8のレチクルR1に形成された、市松パターン状のパターン25D〜25Fである場合には、照明光学系12の瞳面上の光量分布を、図9に示すように、図3の光量分布を光軸BXの周りに90°回転した分布としてもよい。
(6)また、転写対象のパターンが図8のレチクルR1に形成された、市松パターン状のパターン25D〜25Fである場合には、照明光学系12の瞳面上の光量分布を、図9に示すように、図3の光量分布を光軸BXの周りに90°回転した分布としてもよい。
(7)また、本実施形態では、所定面として照明光学系12の瞳面上での光量分布を設定しているが、その瞳面の近傍の面上での光量分布を設定してもよい。さらに、その所定面として例えば図1(A)のフライアイレンズ5の入射面上での光量分布を図3に示す分布としてもよい。
また、その所定面を図1(A)の投影光学系PLの瞳面Q3とすることも可能である。このとき、回折光学素子21によって、レチクルRが存在しない場合に、投影光学系PLの瞳面Q3において、例えば光軸AXを含む中心領域及びそれを囲む4個の周辺領域においてほぼ一定となり、それ以外の領域でそれより低い光量となる光量分布が設定される。
また、その所定面を図1(A)の投影光学系PLの瞳面Q3とすることも可能である。このとき、回折光学素子21によって、レチクルRが存在しない場合に、投影光学系PLの瞳面Q3において、例えば光軸AXを含む中心領域及びそれを囲む4個の周辺領域においてほぼ一定となり、それ以外の領域でそれより低い光量となる光量分布が設定される。
なお、上記の実施形態では、照明光学系においてオプティカルインテグレータとしてフライアイレンズ5を使用しているが、オプティカルインテグレータとして内面反射型インテグレータ(ロッドインテグレータ等)を使用する場合にも本発明が適用できる。ロッドインテグレータを使用する場合には、例えばロッドインテグレータの入射面がその所定面となり、この入射面における光量分布が上記の実施形態のように設定される。
また、上記の実施形態の露光装置を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図10に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパターンを基板(感応基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、並びに検査ステップ206等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置を用いてその投影面上に設置される基板(ウエハ)を露光することと、露光された基板を処理すること(ステップ224)とを含んでいる。この際に、上記の実施形態の露光装置によれば、露光光の利用効率を高めて、種々のピッチの2次元のパターンを同時にそれぞれ高解像度に転写できるため、例えばコンタクトホールを含むデバイスを高精度に製造できる。
また、本発明は、コンタクトホール以外の種々の周期的パターンや孤立的パターンを転写する場合にも適用可能である。
また、本発明は、走査露光型の投影露光装置で露光を行う場合のみならず、ステッパー等の一括露光型の投影露光装置で露光を行う場合にも同様に適用できることは言うまでもない。これらの場合の投影光学系の倍率は等倍でもよく、拡大倍率でもよい。更に、本発明は、例えば露光光として波長100nm程度以下のEUV光(Extreme Ultraviolet Light)を用いるEUV露光装置で露光を行う場合にも適用できる。EUV光を用いる場合には、照明光学系及び投影光学系はミラーを用いる反射系で構成され、レチクルも反射型となる。
また、本発明は、走査露光型の投影露光装置で露光を行う場合のみならず、ステッパー等の一括露光型の投影露光装置で露光を行う場合にも同様に適用できることは言うまでもない。これらの場合の投影光学系の倍率は等倍でもよく、拡大倍率でもよい。更に、本発明は、例えば露光光として波長100nm程度以下のEUV光(Extreme Ultraviolet Light)を用いるEUV露光装置で露光を行う場合にも適用できる。EUV光を用いる場合には、照明光学系及び投影光学系はミラーを用いる反射系で構成され、レチクルも反射型となる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置で露光を行う場合などにも適用することができる。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、Q1…フライアイレンズの射出面(瞳面)、4…リレーレンズ、5…フライアイレンズ、21,22…回折光学素子、25A〜25C…コンタクトホールのパターン、28…中心領域、29A〜29D…周辺領域
Claims (22)
- 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して物体を露光する露光方法において、
前記パターンを照明する照明光学系の所定面における前記露光光の光量分布を、
光軸を中心とする第1の円周と、前記光軸上で直交する第1及び第2直線上に前記光軸を挟むように対称に設定された第1及び第2の1対の点を中心とする第1及び第2の1対の円周とで囲まれた4つのスリット状の領域を含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定することを特徴とする露光方法。 - 前記所定面における前記4つのスリット状の領域、及び前記光軸を中心とする前記第1の円周より小さい第2の円周内の領域で前記露光光の光量分布をほぼ一定とすることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
- 前記第1及び第2の1対の円周は、それぞれ前記第1の円周と同じ大きさであり、
前記第1及び第2の1対の円周の中心の前記光軸からの距離は、前記パターンのピッチに応じて定められることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光方法。 - 前記第1の円周の半径をrとして、前記第1及び第2の1対の円周の中心の前記光軸からの距離dは、
r<d<r・21/2
の範囲内に設定されることを特徴とする請求項3に記載の露光方法。 - 前記所定面は、前記照明光学系の瞳面又はこの近傍の面であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の露光方法。
- 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して物体を露光する露光方法において、
前記パターンを照明する照明光学系の所定面における前記露光光の光量分布を、
光軸を中心とする第1の円周と、該第1の円周と同じ半径の2つの円周とで囲まれた第1のスリット状の領域、並びに該第1のスリット状の領域を前記光軸の周りにほぼ90°、180°、及び270°回転してなる第2、第3、及び第4のスリット状の領域を含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定することを特徴とする露光方法。 - 前記所定面における前記4つのスリット状の領域、及び前記光軸を中心とする前記第1の円周より小さい第2の円周内の領域で前記露光光の光量分布をほぼ一定とすることを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
- 前記所定面は、前記照明光学系の瞳面又はこの近傍の面であることを特徴とする請求項6又は7に記載の露光方法。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。 - 照明光学系からの露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して物体を露光する露光装置において、
前記照明光学系の所定面における前記露光光の光量分布を、
光軸を中心とする第1の円周と、前記光軸上で直交する第1及び第2直線上に前記光軸を挟むように対称に設定された第1及び第2の1対の点を中心とする第1及び第2の1対の円周とで囲まれた4つのスリット状の領域を含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定する光量分布設定機構を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記光量分布設定機構は、
前記所定面における前記4つのスリット状の領域、及び前記光軸を中心とする前記第1の円周より小さい第2の円周内の領域で前記露光光の光量分布をほぼ一定とすることを特徴とする請求項10に記載の露光装置。 - 前記第1及び第2の1対の円周は、それぞれ前記第1の円周と同じ大きさであり、
前記第1及び第2の1対の円周の中心の前記光軸からの距離は、前記パターンのピッチに応じて定められることを特徴とする請求項10又は11に記載の露光装置。 - 前記第1の円周の半径をrとして、前記第1及び第2の1対の円周の中心の前記光軸からの距離dは、
r<d<r・21/2
の範囲内に設定されることを特徴とする請求項12に記載の露光装置。 - 前記光量分布設定機構は、前記所定面に設置された開口絞りを含むことを特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記光量分布設定機構は、前記所定面よりも前に設置される回折光学素子を含むことを特徴とする請求項10から13のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記所定面は、前記照明光学系の瞳面又はこの近傍の面であることを特徴とする請求項10から15のいずれか一項に記載の露光装置。
- 照明光学系からの露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して物体を露光する露光装置において、
前記照明光学系の所定面における前記露光光の光量分布を、
光軸を中心とする第1の円周と、該第1の円周と同じ半径の2つの円周とで囲まれた第1のスリット状の領域、並びに該第1のスリット状の領域を前記光軸の周りにほぼ90°、180°、及び270°回転してなる第2、第3、及び第4のスリット状の領域を含む複数の領域でほぼ一定として、それ以外の領域でそれより小さくなるように設定する光量分布設定機構を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記光量分布設定機構は、
前記所定面における前記4つのスリット状の領域、及び前記光軸を中心とする前記第1の円周より小さい第2の円周内の領域で前記露光光の光量分布をほぼ一定とすることを特徴とする請求項17に記載の露光装置。 - 前記光量分布設定機構は、前記所定面に設置された開口絞りを含むことを特徴とする請求項17又は18に記載の露光装置。
- 前記光量分布設定機構は、前記所定面よりも前に設置される回折光学素子を含むことを特徴とする請求項17又は18に記載の露光装置。
- 前記所定面は、前記照明光学系の瞳面又はこの近傍の面であることを特徴とする請求項17から20のいずれか一項に記載の露光装置。
- 請求項10から21のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
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JP2008227659A JP2010062397A (ja) | 2008-09-04 | 2008-09-04 | 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法 |
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