JP2010251495A - 光学特性計測方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】計測対象の光学系に関して計測される光強度分布の輪郭が円形でない場合にもその光学系の光学特性を正確に計測する。
【解決手段】投影光学系の開口数を計測する方法において、投影光学系の瞳面と共役な計測領域34で光強度分布を計測し、その計測された光強度分布の仮の中心PCの回りに、所定角度dθ毎に、その光強度分布を複数の領域Ai内の光強度分布に分割し、複数の領域Ai内の光強度分布のそれぞれの半径方向の差分から輪郭を求め、求められた複数の輪郭に基づいてその開口数を求める。
【選択図】図4
【解決手段】投影光学系の開口数を計測する方法において、投影光学系の瞳面と共役な計測領域34で光強度分布を計測し、その計測された光強度分布の仮の中心PCの回りに、所定角度dθ毎に、その光強度分布を複数の領域Ai内の光強度分布に分割し、複数の領域Ai内の光強度分布のそれぞれの半径方向の差分から輪郭を求め、求められた複数の輪郭に基づいてその開口数を求める。
【選択図】図4
Description
本発明は、光学系の光学特性を計測する光学特性計測技術、及びこの光学特性計測技術を用いる露光技術に関する。
半導体素子又は液晶表示素子等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィ工程で、レチクルのパターンを投影光学系を介してウエハ(又はガラスプレート等)上に転写するために使用される露光装置において、投影光学系の解像度等の結像特性を所望の状態に設定するためには、投影光学系の開口数等の光学特性を高精度に計測する必要がある。
従来の投影光学系の開口数の計測方法として、投影光学系の瞳面と共役な位置で光強度分布を計測し、計測された光強度分布を外形中心(外形に基づいた中心)の回りに積分し、この積分(回転積分)によって求められた光強度の半径方向の差分を求め、この差分からその光強度分布の半径方向の輪郭(エッジ部)、ひいては開口数を求める計測方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の投影光学系の開口数の計測方法によれば、光強度分布の輪郭が円形である場合には開口数を正確に計測できる。しかしながら、従来の計測方法では、その計測された光強度分布の輪郭が円形でない場合に、その光強度分布の正確な形状、ひいては投影光学系の開口数等を高精度に計測することができない恐れがあった。
本発明は、このような事情に鑑み、計測対象の光学系に関して計測される光強度分布の輪郭が円形でない場合にも、その光学系の光学特性を正確に計測できる光学特性計測技術、及びこの光学特性計測技術を用いる露光技術を提供することを目的とする。
本発明は、このような事情に鑑み、計測対象の光学系に関して計測される光強度分布の輪郭が円形でない場合にも、その光学系の光学特性を正確に計測できる光学特性計測技術、及びこの光学特性計測技術を用いる露光技術を提供することを目的とする。
本発明による光学特性計測方法は、光学系の光学特性を計測する方法において、その光学系の所定面上又はこの面と光学的に共役な面上の計測面で光強度分布を計測する工程と、計測されたその光強度分布に関して設定した仮の中心の回りに、所定角度毎に、その計測された光強度分布を複数の領域の光強度分布に分割する工程と、その複数の領域の光強度分布のそれぞれの半径方向の差分から輪郭を求める工程と、求められたその複数の領域の輪郭に基づいてその光学系の光学特性を求める工程と、を含むものである。
また、本発明による露光方法は、照明光学系からの照明光で投影光学系を介して物体上にパターンを形成する露光方法において、本発明の光学特性計測方法を用いて、その照明光学系及びその投影光学系の少なくとも一方の光学特性を求めるものである。
また、本発明による光学特性計測装置は、光学系の光学特性を計測する装置において、その光学系の所定面上又はこの面と光学的に共役な面上の計測面で計測された光強度分布の情報を記憶する記憶装置と、計測されたその光強度分布に関して設定した仮の中心の回りに、所定角度毎に、その計測された光強度分布を複数の領域の光強度分布に分割する分割手段と、その複数の領域の光強度分布のそれぞれの半径方向の差分から輪郭を求める輪郭特定手段と、その複数の領域の輪郭に基づいてその光学系の光学特性を求める演算手段と、を含むものである。
また、本発明による光学特性計測装置は、光学系の光学特性を計測する装置において、その光学系の所定面上又はこの面と光学的に共役な面上の計測面で計測された光強度分布の情報を記憶する記憶装置と、計測されたその光強度分布に関して設定した仮の中心の回りに、所定角度毎に、その計測された光強度分布を複数の領域の光強度分布に分割する分割手段と、その複数の領域の光強度分布のそれぞれの半径方向の差分から輪郭を求める輪郭特定手段と、その複数の領域の輪郭に基づいてその光学系の光学特性を求める演算手段と、を含むものである。
また、本発明による露光装置は、照明光学系からの照明光で投影光学系を介して物体上にパターンを形成する露光装置において、その照明光学系及びその投影光学系の少なくとも一方の光学特性を求めるために、本発明の光学特性計測装置を備えたものである。
本発明によれば、計測面上で計測された光強度分布を仮の中心の回りに複数の領域の分布に分割し、その複数の領域の分布のそれぞれの半径方向の差分から輪郭を求めている。従って、その光強度分布の輪郭(エッジ部)が円形でない場合にも光学系の光学特性を正確に計測できる。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図1〜図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態のスキャニングステッパ−よりなる走査露光型の露光装置(投影露光装置)の構成を示す。図1において、露光装置は、露光用の光源1と、光源1からの露光用の照明光(露光光)ILでレチクルR(マスク)のパターン面(下面)のパターンを照明する照明光学系ILSと、レチクルRの位置及び速度を制御するレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンの像をフォトレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW(基板)上に投影する投影光学系PLと、ウエハWの位置及び速度を制御するウエハステージWSTと、ウエハステージWSTに組み込まれて投影光学系PLの開口数情報を計測する開口数計測装置21と、装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系20とを備えている。以下、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向は、Y軸に平行な方向(Y方向)である。
図1は、本実施形態のスキャニングステッパ−よりなる走査露光型の露光装置(投影露光装置)の構成を示す。図1において、露光装置は、露光用の光源1と、光源1からの露光用の照明光(露光光)ILでレチクルR(マスク)のパターン面(下面)のパターンを照明する照明光学系ILSと、レチクルRの位置及び速度を制御するレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンの像をフォトレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW(基板)上に投影する投影光学系PLと、ウエハWの位置及び速度を制御するウエハステージWSTと、ウエハステージWSTに組み込まれて投影光学系PLの開口数情報を計測する開口数計測装置21と、装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系20とを備えている。以下、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向は、Y軸に平行な方向(Y方向)である。
光源1としてはArFエキシマレーザ光源(波長193nm)が使用されている。なお、光源1としては、KrFエキシマレーザ光源(波長248nm)などの他のレーザ光源、YAGレーザ若しくは固体レーザ(例えば半導体レーザ等)等の高調波発生装置、又は水銀ランプなども使用できる。
光源1から射出された所定の偏光状態の紫外パルス光よりなる照明光ILは、ビームエキスパンダ2により光束の断面形状が所望の形状に変換された後、光路折り曲げ用のミラー3及び偏光状態を制御するための偏光光学系4を介して回折光学素子(Diffractive Optical Element)7Aに入射する。回折光学素子7Aは、入射した矩形状の平行光束を回折して、ファーフィールドに光軸に関してほぼ対称な円形の通常照明用の照射領域を形成する。なお、回折光学素子7Aと交換して配置可能に、輪帯照明用の照射領域、4極照明用の照射領域、及び2極照明用の照射領域を形成するための複数の回折光学素子(不図示)も備えられている。
光源1から射出された所定の偏光状態の紫外パルス光よりなる照明光ILは、ビームエキスパンダ2により光束の断面形状が所望の形状に変換された後、光路折り曲げ用のミラー3及び偏光状態を制御するための偏光光学系4を介して回折光学素子(Diffractive Optical Element)7Aに入射する。回折光学素子7Aは、入射した矩形状の平行光束を回折して、ファーフィールドに光軸に関してほぼ対称な円形の通常照明用の照射領域を形成する。なお、回折光学素子7Aと交換して配置可能に、輪帯照明用の照射領域、4極照明用の照射領域、及び2極照明用の照射領域を形成するための複数の回折光学素子(不図示)も備えられている。
また、回折光学素子7Aを介して回折された光束は、前群レンズ系9a、凹の円錐面を持つ第1プリズム10aと凸の円錐面を持つ第2プリズム10bとからなるアキシコン系10、及び後群レンズ系9bを介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロレンズアレイ11を照明する。前群レンズ系9a及び後群レンズ系9bから、所定範囲で焦点距離を連続的に変化させることができるズームレンズ(変倍光学系)9が構成されている。ズームレンズ9は、回折光学素子7Aの射出面とマイクロレンズアレイ11の後側焦点面とを光学的にほぼ共役に結んでいる。
回折光学素子7Aから射出される照明光ILは、ズームレンズ9の後側焦点面(ひいてはマイクロレンズアレイ11の入射面)において、円形の照射領域に集光される。その照射領域の全体的な大きさは、ズームレンズ9の焦点距離に依存して変化する。例えばズームレンズ9のレンズ系9aを主制御系20の指令に基づいて光軸に沿って駆動することで、ズームレンズ9の焦点距離が所望の値に制御される。
また、アキシコン系10において、第2プリズム10bを主制御系20の指令に基づいて光軸に沿って駆動し、プリズム10a及び10bの間隔を制御することによって、回折光学素子7Aから射出された光束のマイクロレンズアレイ11の入射面における光軸から半径方向の位置を制御できる。一方、上記のズームレンズ11の焦点距離を制御することによって、一つ又は複数の照射領域の大きさを個別に制御できる。
マイクロレンズアレイ9の後側焦点面が照明光学系ILSの照明瞳面12であり、照明瞳面12は、レチクルRのパターン面(被照射面)と光学的にフーリエ変換の関係にある。照明瞳面12には、マイクロレンズアレイ11への入射光束によって形成される照射領域とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、ここでは回折光学素子7Aによって形成される円形の実質的な面光源からなる二次光源が形成される。
なお、照明瞳面IPPの近傍に、その二次光源の形状を整形するための開口が形成された開口絞り(不図示)を配置してもよい。このように開口絞りを用いる場合、回折光学素子7Aが他の例えば4極照明用又は輪帯照明用の回折光学素子と交換されたときには、その開口絞りも4個の開口を有する開口絞り又は輪帯状の開口が形成された開口絞りと交換される。
マイクロレンズアレイ11の後側焦点面(照明瞳面12)を通過した照明光ILは、第1リレーレンズ13、レチクルブラインド14(視野絞り)、第2リレーレンズ15、光路折り曲げ用のミラー16、及びコンデンサ光学系17を介して、レチクルRのパターン面(レチクル面)を重畳的に照明する。ビームエキスパンダ2からコンデンサ光学系17までの光学部材を含んで照明光学系ILSが構成されている。この場合、レチクルブラインド14の配置面は、そのレチクル面の共役面である。
なお、マイクロレンズアレイ11の代わりにフライアイレンズ等を使用してもよい。
照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域内の所定の回路パターンの像が、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックの投影光学系PLを介して投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で、投影光学系PLの像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域の内の一つのショット領域の露光領域(照明領域と共役な領域)のレジスト層に転写される。投影光学系PLの瞳面PP(照明瞳面12と共役な面)には、開口絞りAS(図2参照)が設置されている。なお、本実施形態の投影光学系PLとしては、屈折系の他に、反射屈折系等も使用可能である。
照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域内の所定の回路パターンの像が、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックの投影光学系PLを介して投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で、投影光学系PLの像面に配置されたウエハW上の複数のショット領域の内の一つのショット領域の露光領域(照明領域と共役な領域)のレジスト層に転写される。投影光学系PLの瞳面PP(照明瞳面12と共役な面)には、開口絞りAS(図2参照)が設置されている。なお、本実施形態の投影光学系PLとしては、屈折系の他に、反射屈折系等も使用可能である。
また、レチクルRは、レチクル面がXY平面と平行な投影光学系PLの物体面に配置されるようにレチクルステージRST上に吸着保持され、レチクルステージRSTは、レチクルベース(不図示)上にY方向に等速移動可能に、かつ少なくともX方向、Y方向、及びZ軸の回りの回転方向に微動可能に載置されている。レチクルステージRSTの位置情報(回転角も含む)は、レチクルステージ駆動系23内のレーザ干渉計によって計測されている。レチクルステージ駆動系23は、その計測情報及び主制御系20からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構を介してレチクルステージRSTの位置及び速度を制御する。
一方、ウエハWは、不図示のウエハホルダを介してウエハステージWST上に吸着保持され、ウエハステージWSTは、ウエハベース(不図示)上にX方向、Y方向に移動自在に載置されている。ウエハステージWSTの位置情報(回転角も含む)は、ウエハステージ駆動系24内のレーザ干渉計によって計測されている。ウエハステージ駆動系24は、その計測情報及び主制御系20からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構を介してウエハステージWSTの位置及び速度を制御する。また、ウエハステージWSTには、不図示のオートフォーカスセンサの計測情報に基づいて、走査露光中に露光領域内でウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合わせ込むための合焦機構が組み込まれている。
また、レチクルRのアライメントを行うためのレチクルアライメント系(不図示)及びウエハWのアライメントを行うためのウエハアライメント系(不図示)が備えられている。
露光時には、そのアライメントの結果に基づいて、ウエハステージWSTをX方向、Y方向にステップ移動することで、ウエハWが走査開始位置に移動する。その後、主制御系20、レチクルステージ駆動系23、及びウエハステージ駆動系24の制御のもとで、照明光学系ILSからレチクルRに対する照明光ILの照射を開始して、レチクルステージRSTを介して照明領域に対してY方向に速度VRでレチクルRを走査するのに同期して、ウエハステージWSTを介して露光領域に対してウエハW上の一つのショット領域を対応する方向に速度β・VR(βは投影倍率)で走査する走査露光が行われる。そのステップ移動と走査露光とを繰り返すステップ・アンド・スキャン動作によって、ウエハW上の全部のショット領域にレチクルRのパターンの像が転写される。
露光時には、そのアライメントの結果に基づいて、ウエハステージWSTをX方向、Y方向にステップ移動することで、ウエハWが走査開始位置に移動する。その後、主制御系20、レチクルステージ駆動系23、及びウエハステージ駆動系24の制御のもとで、照明光学系ILSからレチクルRに対する照明光ILの照射を開始して、レチクルステージRSTを介して照明領域に対してY方向に速度VRでレチクルRを走査するのに同期して、ウエハステージWSTを介して露光領域に対してウエハW上の一つのショット領域を対応する方向に速度β・VR(βは投影倍率)で走査する走査露光が行われる。そのステップ移動と走査露光とを繰り返すステップ・アンド・スキャン動作によって、ウエハW上の全部のショット領域にレチクルRのパターンの像が転写される。
次に、投影光学系PLの開口数情報を計測する場合には、レチクルステージRST上にレチクルRの代わりにテストレチクルR1がロードされ、一例としてテストレチクルR1上に照明光ILを拡散するための拡散板18が配置される。そして、ウエハステージWSTを駆動することによって、投影光学系PLの露光領域にウエハステージWST内の開口数計測装置21の上面が配置される。
図2は、投影光学系PLの開口数情報の計測時の拡散板18から開口数計測装置21までの光学系の構成を示す。図2において、テストレチクルR1の遮光膜中に、投影光学系PLの光軸上の位置にピンホール19が形成されている。また、開口数計測装置21は、上面の遮光膜中にピンホール31aが形成された開口板31と、ピンホール31aを通過した照明光ILを平行光束に変換する対物レンズ32と、対物レンズ32で平行光束に変換された照明光ILを受光するCCD又はCMOS等からなる2次元の撮像素子33とを備えている。ピンホール31aは対物レンズ32の前側焦点面上に配置され、撮像素子33の撮像面が配置されている計測面MPは対物レンズ32の後側焦点面上に配置されている。ピンホール31aは、ピンホール19の像よりも大きく設定されている。
投影光学系PLの開口数情報の計測時には、開口板31の上面(ピンホール31aの形成面)が投影光学系PLの像面に合致し、かつピンホール19の投影光学系PLによる像を開口板31のピンホール31aが囲むように、開口数計測装置21が計測位置に位置決めされる。この状態で、投影光学系PLの瞳面PPは、開口数計測装置21の撮像素子33上の計測面MPと光学的に共役である。計測面MP上に位置する撮像素子34の受光部である計測領域34には、X方向及びY方向に所定周期で多数の画素が配置されている。
この配置で図1の照明光学系ILSを通常照明で、かつ最もコヒーレンスファクタ(σ値)が大きくなるように設定し、照明光学系ILSからの照明光ILで図2の拡散板18を照明すると、拡散板18から射出されるσ値が1よりも大きい広がり角の照明光ILでピンホール19が照明される。そして、ピンホール19から射出される照明光ILが、投影光学系PLを介して開口数計測装置21のピンホール31a中にピンホール19の像を形成し、ピンホール31aを通過した照明光ILが、対物レンズ32を介して撮像素子33上の計測領域34に投影光学系PLの開口絞りASの像に対応する照明光ILの光強度分布を形成する。従って、撮像素子33の撮像信号を用いてその光強度分布を計測し、この光強度分布に後述の画像処理を施すことによって、開口絞りASの像の正確な形状、ひいては投影光学系PLの正確な開口数等を求めることができる。
主制御系20には、その撮像信号を処理して投影光学系PLの開口数情報を求めるコンピュータよりなる演算装置22が連結されている。演算装置22内の記憶部22mには、投影光学系PLの瞳面PPと開口数計測装置21の計測面MPとの間の倍率α(例えば縮小倍率)、及び撮像素子33の多数の画素の配列周期等の情報が記憶されている。撮像素子33の各画素から読み出された撮像信号は、主制御系20を介して演算装置22内の記憶部22mに画像データ(デジタルデータ)として格納される。演算装置22は、後述の所定の演算を行うための第1演算部22a、第2演算部22b、及び第3演算部22cを備えている。演算部22a〜22cはコンピュータのソフトウェア上の機能であるが、演算部22a〜22cを個別にハードウェアで構成してもよい。
以下、投影光学系PLの開口数情報を計測するための動作の一例につき図3のフローチャートを参照して説明する。この開口数情報の計測は、例えば露光装置の組み立て調整後又は露光装置のメンテナンス時等に、投影光学系PLの開口絞りAS(ひいては開口数NAt)を所定の値に設定してから行われる。先ず、図3のステップ101で、図2に示すようにテストレチクルR1がロードされ、その上に拡散板18が設置される。次のステップ102において、開口数計測装置21のピンホール31aがテストレチクルR1のピンホール19の像を囲むように、開口数計測装置21が計測位置に移動する。次のステップ103において、照明光学系ILSからの照明光ILで拡散板18を介してテストレチクルR1のピンホール19を照明し、開口数計測装置21の撮像素子33の計測領域34に形成される照明光ILの光強度分布を計測し、この光強度分布に対応する撮像信号を画像データとして演算装置22の記憶部22mに格納する。
図4(A)は、図2の計測領域34上の光強度分布の一例を示す。図4(A)において、明部は光強度が大きい部分であり、暗部は光強度が小さい部分である。また、図4(A)において、図2のX方向及びY方向に対応する方向をそれぞれx方向及びy方向としている。なお、実際にはこれ以降の処理は画像データ上で行われるが、以下では便宜上、計測領域34内の多数の画素で受光される光強度に対する処理として説明する。
即ち、次のステップ104において、演算装置22の第1演算部22aは、記憶部22mから図4(A)の計測領域34上の光強度分布を示す画像データを読み出し、図4(B)に示すように、例えば計測領域34の中心の画素を暫定中心(仮の中心)PCとする。なお、例えば計測された光強度分布がx方向及びy方向で所定の閾値を超える範囲の中心を暫定中心PCとしてもよい。また、図4(B)において、点線の円周35は、図4(A)の光強度分布において、例えば光強度が所定の閾値よりも小さくなる位置という条件で定められた仮の輪郭(光強度が急激に小さくなるエッジ部)を表している。さらに第1演算部22aは、計測領域34を暫定中心PCの回りに角度dθの開き角の複数の扇型の領域Ai(i=1,2,…,I)に分割する。扇型の領域Aiの個数I(Iは2以上の整数)は、一例として64個、128個、256個等の後述のDFT(discrete Fourier Transform)に適した数である。この場合、角度dθは360°/Iとなる。また、扇型の領域Ai内の光強度分布を扇型の分布とも呼ぶ。
次のステップ105において、第1演算部22aは、全部の扇型の領域Ai内の光強度分布をそれぞれ半径方向に規格化する。この場合、図4(B)の暫定中心PCに対して半径方向の距離をrとして、暫定中心PCを通りx軸に平行な軸に対して、各扇型の領域Aiの中心線が反時計回りになす角度をθiとする。また、1番目の扇型の領域A1の拡大図を図4(C)に示す。図4(C)において、扇型の領域A1を半径方法(r方向)に幅dr毎にJ個(Jは2以上の整数)の部分領域A1j(j=1,2,3,…,J)に分割する。幅drは、例えば撮像素子33の画素の配列周期に近い値か又はそれよりも大きい値である。さらに、図4(D)に示すように、半径rが(j−1)drからj・drの範囲内の部分領域A1j内のx方向にm番目でy方向にn番目の画素36で検出される光強度をImn((j−1)dr,θ1)として、部分領域A1j内にある画素36(有効画素)の個数をN((j−1)dr,θ1)とする。この場合、部分領域A1jの外部にある画素36Nの光強度は考慮されない。このとき、部分領域A1jの規格化された光強度S((j−1)dr,θ1)は、次のように部分領域A1j内の有効画素の光強度の平均値である。なお、和記号Σmnは、有効画素の配列を示す添字m及びnに関する和を表している。
S((j−1)dr,θ1)={ΣmnImn((j−1)dr,θ1)}/N((j−1)dr,θ1) …(1)
また、式(1)の光強度S((j−1)dr,θ1)(j=0,1,…,J)をまとめて規格化された光強度S(r,θ1)と表す。なお、半径rが(j−1)dr〜j・drまでの領域を複数の計算点に分割し、S((j−1)dr,θ1)及びS(j・dr,θ1)の補間計算によってこれら複数の計算点にも光強度の値を割り当てて得られる光強度を規格化された光強度S(r,θ1)としてもよい。その1番目の扇型の領域A1と同様に、他の全部の扇型の領域Aiに対しても半径方向に規格化された光強度S(r,θi)(規格化された分布)を求めることができる。この各扇型の領域Ai毎の規格化された光強度S(r,θi)は第2演算部22bに供給される。図5(A)に示すように、例えば3個の扇型の領域A1〜A3の規格化された光強度S(r,θ1)〜S(r,θ3)は半径rが小さい領域では大きく、半径rが或る程度大きくなると急激に小さくなる。
また、式(1)の光強度S((j−1)dr,θ1)(j=0,1,…,J)をまとめて規格化された光強度S(r,θ1)と表す。なお、半径rが(j−1)dr〜j・drまでの領域を複数の計算点に分割し、S((j−1)dr,θ1)及びS(j・dr,θ1)の補間計算によってこれら複数の計算点にも光強度の値を割り当てて得られる光強度を規格化された光強度S(r,θ1)としてもよい。その1番目の扇型の領域A1と同様に、他の全部の扇型の領域Aiに対しても半径方向に規格化された光強度S(r,θi)(規格化された分布)を求めることができる。この各扇型の領域Ai毎の規格化された光強度S(r,θi)は第2演算部22bに供給される。図5(A)に示すように、例えば3個の扇型の領域A1〜A3の規格化された光強度S(r,θ1)〜S(r,θ3)は半径rが小さい領域では大きく、半径rが或る程度大きくなると急激に小さくなる。
次のステップ106において、第2演算部22bは、例えば次式から各扇型の領域Ai内の規格化された光強度(規格化された分布)S(r,θi)の半径方向の間隔dr(図4(C)の部分領域A1jの幅)間の差分ΔS(r,θi)を計算する。なお、上述のように補間計算で間隔drよりも狭い間隔で光強度S(r,θi)を計算した場合には、その差分は、間隔drよりも狭い間隔で計算してもよい。
ΔS(r,θi)=S(r+dr,θi)−S(r,θi) …(2)
さらに、第2演算部22bは、各扇型の領域Ai毎の差分ΔS(r,θi)が最小値(極値)となるときの半径rの値R(θi)を求める。この値R(θi)が、その領域Ai内の光強度分布の輪郭Bi(i=1〜I)の半径(暫定中心PCからの距離)であり、これらの光強度分布の輪郭Biの半径R(θi)(i=1〜I)は第3演算部22cに供給される。
さらに、第2演算部22bは、各扇型の領域Ai毎の差分ΔS(r,θi)が最小値(極値)となるときの半径rの値R(θi)を求める。この値R(θi)が、その領域Ai内の光強度分布の輪郭Bi(i=1〜I)の半径(暫定中心PCからの距離)であり、これらの光強度分布の輪郭Biの半径R(θi)(i=1〜I)は第3演算部22cに供給される。
図5(A)の3個の光強度S(r,θ1)〜S(r,θ3)の差分ΔS(r,θ1)〜ΔS(r,θ3)の計算結果の一例を図5(B)に示す。図5(B)において、各差分ΔS(r,θ1)〜ΔS(r,θ3)の最小値がそれぞれ輪郭B1〜B3の半径R(θ1)〜R(θ3)である。図5(C)は、そのように各扇型の領域Ai毎に求めた半径R(θi)の輪郭Biを計測領域34内に表示したものである。
次のステップ107において、第3演算部22cは、図5(C)の光強度分布の輪郭Biの半径R(θi)(i=1〜I)に最小2乗法的に適合する円周35Aの中心GC及び半径R’を求める。その中心GCは、光強度分布の重心であり、半径R’は重心GCから円周35Aまでの平均距離である。次のステップ108において、第3演算部22cは、その半径R’に開口数計測装置21の対物レンズ32の倍率αの逆数を乗じて投影光学系PLの開口絞りASの半径RASを求め、この半径RASから投影光学系PLの開口数NAを計算する。この開口数NAの情報は主制御系20に供給される。主制御系20では、その開口数NAを実際に設定されている開口絞りASに対応する投影光学系PLの開口数NAtと比較し、その誤差が許容範囲を超える場合には一例として開口絞りASの駆動量を補正する。
次のステップ109において、第3演算部22cは、ステップ106で求められた光強度分布の輪郭Biの半径R(θi)(i=1〜I)を、暫定中心PCの回りの角度θを用いて半径R(θ)とみなし、この半径R(θ)を角度θに関してフーリエ変換する。この際に、例えばFFT等のDFT(discrete Fourier Transform)が使用される。この場合、0次係数a0、1次係数a1,b1、及び2次係数a2,b2等のフーリエ係数を用いると、半径R(θ)は次のように表されるとともに、そのDFTによってそれらのフーリエ係数の値が決定される。
R(θ)=a0+a1・cosθ+b1・sinθ+a2・cos(2θ)+b2・sin(2θ) …(3)
半径R(θ)が例えば図6(A)のような角度θ(deg)の関数であるとすると、0次係数a0、1次係数a1,b1の関数、及び2次係数a2,b2の関数はそれぞれ図6(B)、図6(C)、及び図6(D)に示すような関数となる。なお、半径R(θ)を3次以上の係数(フーリエ係数)を用いて表してもよい。
半径R(θ)が例えば図6(A)のような角度θ(deg)の関数であるとすると、0次係数a0、1次係数a1,b1の関数、及び2次係数a2,b2の関数はそれぞれ図6(B)、図6(C)、及び図6(D)に示すような関数となる。なお、半径R(θ)を3次以上の係数(フーリエ係数)を用いて表してもよい。
次のステップ110において、第3演算部22cは、その0次係数a0を計測領域34上の光強度分布の半径R’とみなし、この半径R’から投影光学系PLの開口数NAを計算し、計算結果を主制御系20に供給する。
次のステップ111において、第3演算部22cは、その1次係数a1,b1を用いて、図7(A)に示す計測領域34上の光強度分布の輪郭Bi(i=1,2,…)の暫定中心PCから真の中心Cまでの距離Rc及び角度θcを以下の式から近似的に計算し、計算結果を主制御系20に供給する。
次のステップ111において、第3演算部22cは、その1次係数a1,b1を用いて、図7(A)に示す計測領域34上の光強度分布の輪郭Bi(i=1,2,…)の暫定中心PCから真の中心Cまでの距離Rc及び角度θcを以下の式から近似的に計算し、計算結果を主制御系20に供給する。
次のステップ112において、第3演算部22cは、その2次係数a2,b2を用いて、次式から光強度分布の輪郭Biの楕円率(ここでは、長軸の長さと短軸の長さとの差分、及び長軸方向の角度θe)を計算し、計算結果を主制御系20に供給する。
この場合、図7(B)に示すように、真の中心Cに関して半径R’の円周35Bに対して、式(3)より決定される楕円35Eの長軸の長さと短軸の長さとの差分が式(6)であり、楕円35Eの長軸方向37が真の中心Cを通り+x方向に伸びる直線に対してなす角度θeが式(7)である。
主制御系20では、一例として第3演算部22cから供給された半径R’、暫定中心PCから真の中心Cまでの距離及び角度、並びに楕円率が所定の許容範囲を超えている場合にはそれに応じた処理(例えば開口絞りASの駆動量の補正等)を行うことができる。
これによって投影光学系PLの開口数情報の計測が終了する。
本実施形態の作用効果等は以下の通りである。
これによって投影光学系PLの開口数情報の計測が終了する。
本実施形態の作用効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の図1の露光装置に備えられ、投影光学系PLの開口数情報(光学特性)を計測する計測装置は、投影光学系PLの瞳面PPと光学的に共役な計測面MPで計測された光強度分布の情報を記憶する演算装置22内の記憶部22mと、計測されたその光強度分布上に設定した暫定中心PC(仮の中心)の回りに、角度dθ毎に、その光強度分布を複数の扇型の領域Aiの光強度分布に分割する第1演算部22a(分割手段)と、複数の扇型の領域Ai内の光強度S(r,θi)のそれぞれの半径方向の差分から輪郭Biを求める第3演算部22c(輪郭特定手段)と、その複数の輪郭Biに基づいて投影光学系PLの開口数NAを求める第3演算部22c(演算手段)とを備えている。
また、その計測装置は、計測面MP上の光強度分布を計測する開口数計測装置21を備えている。
また、その計測装置を用いて投影光学系PLの開口数情報を計測する計測方法は、計測面MPで光強度分布を計測するステップ103と、計測された光強度分布の暫定中心PCの回りに角度dθ毎にその光強度分布を複数の扇型の領域Aiの分布に分割するステップ104と、その複数の扇型の領域Aiの光強度分布の半径方向の差分から輪郭Bi(半径R(θi))を求めるステップ106と、求められた複数の輪郭Biに基づいて投影光学系PLの開口数NAを求めるステップ107,108と、を含んでいる。
また、その計測装置を用いて投影光学系PLの開口数情報を計測する計測方法は、計測面MPで光強度分布を計測するステップ103と、計測された光強度分布の暫定中心PCの回りに角度dθ毎にその光強度分布を複数の扇型の領域Aiの分布に分割するステップ104と、その複数の扇型の領域Aiの光強度分布の半径方向の差分から輪郭Bi(半径R(θi))を求めるステップ106と、求められた複数の輪郭Biに基づいて投影光学系PLの開口数NAを求めるステップ107,108と、を含んでいる。
本実施形態によれば、その計測された光強度分布の輪郭(エッジ部)が円形でない場合にも、投影光学系PLの開口数NAを正確に求めることができる。
なお、本実施形態では、計測領域34の光強度分布を暫定中心PCの回りに等しい角度dθの複数の扇型の領域Aiの分布に分割しているが、各扇型の領域Aiの角度は互いに異なっていてもよい。
なお、本実施形態では、計測領域34の光強度分布を暫定中心PCの回りに等しい角度dθの複数の扇型の領域Aiの分布に分割しているが、各扇型の領域Aiの角度は互いに異なっていてもよい。
(2)また、ステップ104に続いて、複数の扇型の領域Ai内の光強度分布を半径方向に部分領域A1j等毎に平均化することで規格化するステップ105が実行されている。従って、各扇型の領域Ai内の光強度分布を半径方向に等しい相対強度で処理できる。
(3)また、ステップ107では複数の輪郭Biから最小二乗法によって光量の重心GCを求め、重心GCから輪郭Biまでの平均距離を半径R’として求めている。従って、ステップ104で設定する暫定中心PCの位置に関係なく、輪郭Biに対応する光量分布の中心を正確に決定することができる。
(3)また、ステップ107では複数の輪郭Biから最小二乗法によって光量の重心GCを求め、重心GCから輪郭Biまでの平均距離を半径R’として求めている。従って、ステップ104で設定する暫定中心PCの位置に関係なく、輪郭Biに対応する光量分布の中心を正確に決定することができる。
(4)また、第3演算部22cは、ステップ109,110において、ステップ106で求められた複数の輪郭Biの半径R(θi)に対応する半径R(θ)を角度θに関してフーリエ変換し、このフーリエ変換によって求められた0次係数a0からその輪郭Biが円周であると仮定した場合の半径R’を求めている。
従って、計測された光強度分布の輪郭が円形でない場合にも、その光強度分布の輪郭までの真の中心Cからの平均距離として半径を高精度に求めることができる。
従って、計測された光強度分布の輪郭が円形でない場合にも、その光強度分布の輪郭までの真の中心Cからの平均距離として半径を高精度に求めることができる。
(5)また、第3演算部22cは、ステップ111,112において、そのフーリエ変換によって求められた係数a1,b1及び係数a2,b2を用いて、計測領域34上の光強度分布の暫定中心PCと真の中心Cとの位置関係の情報(式(4)及び(5))、及び光強度分布の輪郭の楕円率の情報(式(6)及び(7))を求めている。従って、その光強度分布の真の中心Cの位置を求めることができるとともに、その光強度分布の輪郭が円形でない場合に、その楕円率を求めることができる。
なお、その暫定中心PCと真の中心Cとの位置関係及びその楕円率の少なくとも一方を計算するだけでもよい。
また、ステップ107及び108を実行する場合には、ステップ109〜112までのフーリエ変換を用いた処理は省略することが可能である。さらに、ステップ109〜112まで(又はステップ109及び110のみ)のフーリエ変換を用いた処理を実行する場合には、ステップ107及び108の処理を省略することが可能である。
また、ステップ107及び108を実行する場合には、ステップ109〜112までのフーリエ変換を用いた処理は省略することが可能である。さらに、ステップ109〜112まで(又はステップ109及び110のみ)のフーリエ変換を用いた処理を実行する場合には、ステップ107及び108の処理を省略することが可能である。
(6)また、本実施形態の露光装置は、照明光学系ILSからの照明光ILでレチクルRを照明し、レチクルR及び投影光学系PLを介してウエハW上にパターンを形成する露光装置において、投影光学系PLの開口数情報を求めるために本実施形態の開口数計測装置21及び演算装置22を含む計測装置を備えている。
また、その露光装置による露光方法は、図3の計測方法を用いて投影光学系PLの開口数情報を求めている。
また、その露光装置による露光方法は、図3の計測方法を用いて投影光学系PLの開口数情報を求めている。
従って、投影光学系PLの開口数を高精度に計測できるため、その開口数を正確に設定することができ、レチクルRのパターンの像を高精度にウエハW上に露光できる。
なお、本実施形態では、投影光学系PLの開口数等を計測しているが、例えば図2において、拡散板18を照明光ILの光路外に退避させて、開口数計測装置21の計測領域34の光強度分布を計測してもよい。この場合には、その光強度分布は、照明光学系ILSの照明瞳面12における光強度分布に対応しているため、その光強度分布を上記の実施形態の図3の方法で処理することによって、その光強度分布の輪郭の形状、ひいては照明光学系ILSの開口数又はコヒーレンスファクタを計測できる。
なお、本実施形態では、投影光学系PLの開口数等を計測しているが、例えば図2において、拡散板18を照明光ILの光路外に退避させて、開口数計測装置21の計測領域34の光強度分布を計測してもよい。この場合には、その光強度分布は、照明光学系ILSの照明瞳面12における光強度分布に対応しているため、その光強度分布を上記の実施形態の図3の方法で処理することによって、その光強度分布の輪郭の形状、ひいては照明光学系ILSの開口数又はコヒーレンスファクタを計測できる。
このように照明光学系ILSの照明瞳面12上の光強度分布を計測する場合、その光強度分布は例えば4極照明時のように複数の領域に分かれていてもよい。
図8(A)は、4極照明時に図2の開口数計測装置21の計測領域34に形成される光強度分布の一例を示す。図8(A)において、4箇所のほぼ扇型の領域45A〜45Dで光強度が大きくなる。その領域45A〜45Dは、例えば図1の所定の回折光学素子(不図示)によって照明瞳面12に形成される光強度分布に対応している。なお、さらに照明瞳面12に4つの開口を有する開口絞り(不図示)が配置された場合には、一例として図8(A)の計測領域34上で点線で示す扇型の領域46A〜46Dにおいて光強度が大きくなる。
図8(A)は、4極照明時に図2の開口数計測装置21の計測領域34に形成される光強度分布の一例を示す。図8(A)において、4箇所のほぼ扇型の領域45A〜45Dで光強度が大きくなる。その領域45A〜45Dは、例えば図1の所定の回折光学素子(不図示)によって照明瞳面12に形成される光強度分布に対応している。なお、さらに照明瞳面12に4つの開口を有する開口絞り(不図示)が配置された場合には、一例として図8(A)の計測領域34上で点線で示す扇型の領域46A〜46Dにおいて光強度が大きくなる。
この場合、計測領域34で計測される光強度分布を、ステップ104に対応して、図8(B)に示すように、例えば中心の画素に対応する暫定中心PCの回りに角度dθ毎に設定された複数の扇型の領域Ai内の光強度分布に分割し、各扇型の領域Ai内の光強度分布をステップ105のように半径方向に規格化する。その後、図8(C)に示すように、ステップ106に対応して、各扇型の領域Ai内の光強度分布の差分の最大値及び最小値から内側の輪郭BAi及び外側の輪郭BBi(i=1,2,…)を求める。このときには、暫定中心PCから輪郭BAi及びBBiまでの距離(半径)RAi及びRBiが求められる。従って、例えばステップ109〜111に対応する工程では、例えば内側の輪郭BAiに対してフーリエ変換法によって真の中心Cを求めることができる。さらに、内側の輪郭BAiの形状及び外側の輪郭BBiの形状を求めることができるため、この結果から図8(A)の4箇所の領域45A〜45Dの形状、ひいては図1の照明瞳面12上での光強度分布の形状を高精度に求めることができる。
また、照明光学系ILSの照明瞳面12における光強度分布を計測する場合には、照明瞳面12上に直接に撮像素子を配置してその光強度分布を計測してもよい。
なお、上記の実施形態ではオプティカルインテグレータとしてマイクロレンズアレイ11が使用されているが、本発明は、オプティカルインテグレータとして、ロッドインテグレータを用いる場合等にも適用可能である。
なお、上記の実施形態ではオプティカルインテグレータとしてマイクロレンズアレイ11が使用されているが、本発明は、オプティカルインテグレータとして、ロッドインテグレータを用いる場合等にも適用可能である。
なお、本発明は、上述の走査露光型の露光装置で光学特性を計測する場合の他に、ステッパー等の一括露光型の露光装置で光学特性を計測する場合にも適用できる。さらに、本発明は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書、又は欧州特許出願公開第1420298号明細書等に開示されている液浸型露光装置で光学特性を計測する場合にも適用できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスで使用される露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスで使用される露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光装置にも適用することができる。
また、本発明は、露光装置以外の例えば顕微鏡、又はデジタルカメラの対物レンズ等の開口数等の光学特性を計測する場合にも適用可能である。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
R…レチクル、R1…テストレチクル、19…ピンホール、PL…投影光学系、W…ウエハ、ILS…照明光学系、7A…回折光学素子、11…マイクロレンズアレイ、12…照明瞳面、20…主制御系、21…開口数計測装置、22…演算装置、33…撮像素子、34…計測領域、Ai…扇型の領域、Bi…輪郭
Claims (13)
- 光学系の光学特性を計測する方法において、
前記光学系の所定面上又はこの面と光学的に共役な面上の計測面で光強度分布を計測する工程と、
計測された前記光強度分布に関して設定した仮の中心の回りに、所定角度毎に、計測された前記光強度分布を複数の領域の光強度分布に分割する工程と、
前記複数の領域の光強度分布のそれぞれの半径方向の差分から輪郭を求める工程と、
求められた前記複数の領域の前記輪郭に基づいて前記光学系の光学特性を求める工程と、
を含むことを特徴とする光学特性計測方法。 - 計測された前記光強度分布を前記複数の領域の光強度分布に分割する工程は、
分割された前記複数の領域の光強度分布をそれぞれ半径方向に規格化する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学特性計測方法。 - 前記光学特性を求める工程は、
求められた前記複数の領域の前記輪郭から前記光強度分布の光量重心を求める工程と、
前記光量重心から前記複数の領域の前記輪郭までの距離の平均値を求める工程とを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学特性計測方法。 - 前記光学特性を求める工程は、
前記仮の中心から前記複数の領域の前記輪郭までの距離を、前記仮の中心の回りの円周方向に関してフーリエ変換する工程と、
前記フーリエ変換された結果から前記光強度分布の輪郭を円周と仮定した場合の半径を求める工程とを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学特性計測方法。 - 前記光学特性を求める工程は、
前記フーリエ変換された結果から前記光強度分布の輪郭の中心及び楕円率の少なくとも一方を求める工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の光学特性計測方法。 - 照明光学系からの照明光で投影光学系を介して物体上にパターンを形成する露光方法において、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光学特性計測方法を用いて、前記照明光学系及び前記投影光学系の少なくとも一方の光学特性を求めることを特徴とする露光方法。 - 前記光学特性計測方法を用いて、前記投影光学系の開口数を求めることを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
- 光学系の光学特性を計測する装置において、
前記光学系の所定面上又はこの面と光学的に共役な面上の計測面で計測された光強度分布の情報を記憶する記憶装置と、
計測された前記光強度分布に関して設定した仮の中心の回りに、所定角度毎に、計測された前記光強度分布を複数の領域の光強度分布に分割する分割手段と、
前記複数の領域の光強度分布のそれぞれの半径方向の差分から輪郭を求める輪郭特定手段と、
前記複数の領域の前記輪郭に基づいて前記光学系の光学特性を求める演算手段と、
を含むことを特徴とする光学特性計測装置。 - 前記分割手段は、分割された前記複数の領域の光強度分布をそれぞれ半径方向に規格化することを特徴とする請求項8に記載の光学特性計測装置。
- 前記演算手段は、
前記複数の領域の前記輪郭から前記光強度分布の光量重心を求め、前記光量重心から前記輪郭までの距離の平均値を求めることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の光学特性計測装置。 - 前記演算手段は、
前記仮の中心から前記複数の領域の前記輪郭までの距離を、前記仮の中心の回りの円周方向に関してフーリエ変換し、前記フーリエ変換された結果から前記仮の中心から前記光強度分布の輪郭までの平均距離を求めることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の光学特性計測装置。 - 前記演算手段は、
前記フーリエ変換された結果から前記光強度分布の輪郭の中心及び楕円率の少なくとも一方を求めることを特徴とする請求項11に記載の光学特性計測装置。 - 照明光学系からの照明光で投影光学系を介して物体上にパターンを形成する露光装置において、
前記照明光学系及び前記投影光学系の少なくとも一方の光学特性を求めるために、請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の光学特性計測装置を備えたことを特徴とする露光装置。
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