JP2010062210A - 露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、露光光が照射される第1位置を含む所定面内を基板を保持して移動可能な第1可動部材と、第1可動部材に配置され、供給された光をスケール板に導くエンコーダヘッドと、第1可動部材に追従するように移動する第2可動部材と、少なくとも一部が第2可動部材に配置され、供給された光をエンコーダヘッドに導く光学系と、第1可動部材と離れた位置に配置され、光を射出して、光学系に供給する光源とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板を露光する露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
半導体デバイス、電子デバイス等のマイクロデバイスの製造工程において、露光光で基板を露光する露光装置が使用される。露光装置は、基板を保持して移動する基板ステージ等の可動部材を備え、その可動部材の位置情報を位置計測システムで計測しながら基板を露光する。下記特許文献には、エンコーダシステムを用いて可動部材の位置情報を計測する技術の一例が開示されている。
米国特許出願公開第2006/0227309号明細書
エンコーダシステムは、光源から射出された光をスケール板に照射し、そのスケール板を介した光を検出器で検出する。例えば光源等の熱によって、光路上の雰囲気の温度揺らぎ(屈折率変動)が生じると、可動部材の位置情報を精確に計測できなくなる可能性がある。また、熱によって可動部材が熱変形すると、その可動部材の位置情報を精確に計測できなくなったり、可動部材の移動性能が低下したりする可能性がある。その結果、例えば基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生し、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が照射される第1位置を含む所定面内を基板を保持して移動可能な第1可動部材と、第1可動部材に配置され、供給された光をスケール板に導くエンコーダヘッドと、第1可動部材に追従するように移動する第2可動部材と、少なくとも一部が第2可動部材に配置され、供給された光をエンコーダヘッドに導く光学系と、第1可動部材と離れた位置に配置され、光を射出して、光学系に供給する光源と、を備えた露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、露光光で基板を露光する露光方法であって、供給された光をスケール板に導くエンコーダヘッドを、露光光が照射される第1位置を含む所定面内を基板を保持して移動可能な第1可動部材に配置することと、供給された光をエンコーダヘッドに導く光学系の少なくとも一部を、第1可動部材に追従するように移動する第2可動部材に配置することと、第1可動部材と離れた位置に配置された光源より光を射出して、光学系に供給することと、光学系及びエンコーダヘッドを介した光をスケール板に照射して、第1可動部材の位置情報を計測することと、第1可動部材に保持された基板を露光することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第3の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図、図2は、露光装置EXの一部を示す平面図である。本実施形態においては、露光装置EXが、例えば米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書、米国特許第6674510号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6710849号明細書及び米国特許第6674510号明細書等に開示されているような、基板Pを保持して移動可能な複数(2つ)の基板ステージ1、2を備えたツインステージ型の露光装置である場合を例にして説明する。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図、図2は、露光装置EXの一部を示す平面図である。本実施形態においては、露光装置EXが、例えば米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書、米国特許第6674510号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6710849号明細書及び米国特許第6674510号明細書等に開示されているような、基板Pを保持して移動可能な複数(2つ)の基板ステージ1、2を備えたツインステージ型の露光装置である場合を例にして説明する。
図1及び図2において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ3と、基板Pを保持して移動可能な第1基板ステージ1と、第1基板ステージ1と独立して、基板Pを保持して移動可能な第2基板ステージ2と、マスクステージ3を移動する駆動システム40と、第1基板ステージ1を移動する第1駆動システム41と、第2基板ステージ2を移動する第2駆動システム42と、マスクステージ3の位置情報を計測するレーザ干渉計を含む干渉計システム4と、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2の位置情報を計測するエンコーダシステム5と、基板Pのアライメントマークを検出するアライメントシステム6と、基板Pの表面の位置情報を検出するフォーカス・レベリング検出システム7と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置8とを備えている。
また、露光装置EXは、第1基板ステージ1に追従するように移動可能な第1追従ステージ61と、第2基板ステージ2に追従するように移動可能な第2追従ステージ62と、第1追従ステージ61を移動する第3駆動システム43と、第2追従ステージ62を移動する第4駆動システム44とを備えている。第1、第2追従ステージ61、62は、基板Pを保持せずに移動する。
また、露光装置EXは、例えばクリーンルーム内の床面FL上に配置されたコラム9及びコラム9上に防振装置10を介して配置された支持フレーム11を含むボディ12と、コラム9に防振装置13を介して配置され、第1基板ステージ1及び第2基板ステージ2を移動可能に支持するガイド面14Gを有する第1ベース部材14と、支持フレーム11上に支柱15及び防振装置16を介して配置され、マスクステージ3を移動可能に支持するガイド面17Gを有する第2ベース部材17とを備えている。
また、露光装置EXは、基板Pの露光処理が実行される露光ステーションST1と、露光に関する所定の計測処理、及び基板Pの交換処理が実行される計測ステーションST2とを備えている。
照明系IL、マスクステージ3、及び投影光学系PLは、露光ステーションST1に配置されている。投影光学系PLは、支持フレーム11に支持される。投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子20は、露光光ELを射出する射出面21を有する。第1光学素子20から射出された露光光ELが照射される照射位置SP1は、露光ステーションST1に配置される。
アライメントシステム6、及びフォーカス・レベリング検出システム7は、計測ステーションST2に配置されている。アライメントシステム6の少なくとも一部、及びフォーカス・レベリング検出システム7の少なくとも一部は、支持フレーム11に支持される。
アライメントシステム6は、基板Pのアライメントマークを検出して、XY平面内における基板Pの位置情報を計測する。アライメントシステム6は、基板Pのショット領域の位置情報を検出するために、基板Pのアライメントマークを検出する。アライメントシステム6は、基板Pと対向可能な第2光学素子22を含む複数の光学素子を有し、それら光学素子を用いて、基板Pのアライメントマークを検出する。第1、第2基板ステージ1、2は、基板Pを保持して、第2光学素子22と対向する計測位置SP2に移動可能である。アライメントシステム6は、基板Pのショット領域の位置情報を取得するために、第2光学素子22を介して、計測位置SP2に配置された基板Pのアライメントマーク、または第1、第2基板ステージ1、2の上面に配置されている基準マークを検出する。
フォーカス・レベリング検出システム7は、第1、第2基板ステージ1、2に保持されている基板Pの表面の位置情報(Z軸、θX、及びθY方向に関する位置情報)を検出する。フォーカス・レベリング検出システム7は、計測位置SP2に配置され、第1、第2基板ステージ1、2に保持されている基板Pの表面に斜め方向から検出光を照射可能な投射装置7Aと、基板Pの表面に照射され、その基板Pの表面で反射した検出光を受光可能な受光装置7Bとを有する。フォーカス・レベリング検出システム7は、基板Pの表面の位置情報のみならず、第1、第2基板ステージ1、2の上面の位置情報を検出することもできる。アライメントシステム6及びフォーカス・レベリング検出システム7による基板Pの位置情報を計測するための計測位置SP2は、計測ステーションST2に配置される。
第1、第2基板ステージ1、2のそれぞれは、照射位置SP1を含む露光ステーションST1の第1領域、及び計測位置SP2を含み、第1領域と異なる計測ステーションST2の第2領域を含むガイド面14Gの所定領域を、基板Pを保持して移動可能である。本実施形態においては、ガイド面14Gは、XY平面とほぼ平行である。第1、第2基板ステージ1、2のそれぞれは、露光ステーションST1と計測ステーションST2との間でガイド面14G内を移動可能である。本実施形態においては、露光ステーションST1と計測ステーションST2とは、Y軸方向に配置されている。本実施形態においては、露光ステーションST1が、計測ステーションST2の−Y側に配置されている。
本実施形態において、第1、第2駆動システム41、42は、平面モータを有する。第1、第2基板ステージ1、2を移動するための平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているように、第1、第2基板ステージ1、2に配置されたマグネットアレイ41A、42Aと、第1ベース部材14に配置されたコイルアレイとを含む。第1、第2基板ステージ1、2は、例えば平面モータを含む第1、第2駆動システム41、42の作動により、第1ベース部材14上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
第3、第4駆動システム43、44は、リニアモータを有する。第3駆動システム43のリニアモータは、第1ベース部材14の+X側に配置され、Y軸方向に長いガイド部材45に配置された固定子43Aと、第1追従ステージ61に配置された可動子43Bとを有する。第4駆動システム44のリニアモータは、第1ベース部材14の−X側に配置され、Y軸方向に長いガイド部材46に配置された固定子44Aと、第2追従ステージ62に配置された可動子44Bとを有する。本実施形態において、第3、第4駆動システム43、44のリニアモータは、所謂、ムービングマグネット方式であり、固定子43A、44Aは、コイルを有し、可動子43B、44Bは、マグネットを有する。第3、第4駆動システム43、44の作動により、第1、第2追従ステージ61、62は、第1ベース部材14の外側で、Y軸方向に移動する。本実施形態においては、第1追従ステージ61は、第1ベース部材14の+X側で移動し、第2追従ステージ62は、第1ベース部材14の−X側で移動する。第1追従ステージ61は、露光ステーションST1と計測ステーションST2とを移動する第1基板ステージ1に追従するように、Y軸方向に移動する。第2追従ステージ62は、露光ステーションST1と計測ステーションST2とを移動する第2基板ステージ2に追従するように、Y軸方向に移動する。
本実施形態において、第1追従ステージ61を移動するための第3駆動システム43は、第1基板ステージ1を移動するための第1駆動システム41と異なる。また、第2追従ステージ62を移動するための第4駆動システム44は、第2基板ステージ2を移動するための第2駆動システム42と異なる。
エンコーダシステム5は、XY平面内における第1、第2基板ステージ1、2(基板P)の位置情報を計測する。エンコーダシステム5は、第1基板ステージ1の位置情報を計測する第1エンコーダユニット5Aと、第2基板ステージ2の位置情報を計測する第2エンコーダユニット5Bとを含む。
第1エンコーダユニット5Aは、第1基板ステージ1の位置情報を計測するための計測光を射出する光源56と、第1基板ステージ1に配置されたエンコーダヘッド51とを備えている。第2エンコーダユニット5Bは、第2基板ステージ2の位置情報を計測するための計測光を射出する光源58と、第2基板ステージ2に配置されたエンコーダヘッド52とを備えている。光源56、58は、例えばコヒーレントな光(レーザ光)を射出する。光源56、58のそれぞれは、第1、第2基板ステージ1、2と離れた位置に配置されている。本実施形態において、光源56は、第1追従ステージ61に配置されている。光源58は、第2追従ステージ62に配置されている。
また、エンコーダシステム5は、第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52のそれぞれと対向可能なスケール板53とを備えている。スケール板53は、露光ステーションST1及び計測ステーションST2のそれぞれに配置されている。スケール板53は、第1光学素子20を含む投影光学系PLの周囲の少なくとも一部、及び第2光学素子22を含むアライメントシステム6及びフォーカス・レベリング検出システム7の周囲の少なくとも一部に配置されている。本実施形態において、スケール板53は、支持機構54を介して、支持フレーム11に支持されている。支持機構54は、スケール板53の下面とXY平面とがほぼ平行となるように、スケール板53を支持する。
露光ステーションST1に配置される第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52は、その露光ステーションST1に配置されているスケール板53の下面と対向可能である。同様に、計測ステーションST2に配置される第1、第2基板ステージ1、2のエンコーダヘッド51、52は、その計測ステーションST2に配置されているスケール板53の下面と対向可能である。
スケール板53は、例えばセラミックス、又は低膨張ガラス等、同一の材料で形成されている。スケール板53は、反射型の回折格子を含む。回折格子は、X軸方向及びY軸方向に周期的な二次元格子を含む。なお、基板ステージに配置されたエンコーダヘッドとスケール板(グリッド板)とを備えたエンコーダシステムの例が、米国特許出願公開第2006/0227309号明細書に開示されている。
本実施形態において、光源56は、第1基板ステージ1のエンコーダヘッド51を介して、スケール板53に計測光を照射する。エンコーダヘッド51は、光源56から供給された計測光を、スケール板53に導く。光源58は、第2基板ステージ2のエンコーダヘッド52を介して、スケール板53に計測光を照射する。エンコーダヘッド52は、光源58から供給された計測光を、スケール板53に導く。
エンコーダヘッド51は、第1基板ステージ1に保持される基板Pの周囲に複数配置されている。同様に、エンコーダヘッド52は、第2基板ステージ2に保持される基板Pの周囲に複数配置されている。エンコーダシステム5は、エンコーダヘッド51と二次元格子を含むスケール板(グリッド板)53とによって、XY平面内における第1基板ステージ1の位置情報を計測可能である。エンコーダシステム5は、複数のエンコーダヘッド51とスケール板53とを対向させて計測動作を実行することによって、それら複数のエンコーダヘッド51の計測結果に基づいて、第1基板ステージ1のX軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測可能である。同様に、エンコーダシステム5は、エンコーダヘッド52と二次元格子を含むスケール板(グリッド板)53とによって、XY平面内における第2基板ステージ2の位置情報を計測可能である。エンコーダシステム5は、複数のエンコーダヘッド52とスケール板53とを対向させて計測動作を実行することによって、それら複数のエンコーダヘッド52の計測結果に基づいて、第2基板ステージ2のX軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測可能である。
また、本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。露光装置EXは、第1光学素子20から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間を形成可能な液浸部材23を備えている。液浸空間は、液体LQで満たされた空間である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。本実施形態において、液浸部材23は、例えば米国特許出願公開第2004/0165159号明細書等に開示されているようなシール部材を含む。
液浸部材23は、照射位置SP1に配置された物体の表面との間で液体LQを保持することによって、第1光学素子20と、照射位置SP1に配置された物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間を形成する。照射位置SP1に配置される物体は、第1、第2基板ステージ1、2、及び第1、第2基板ステージ1、2に保持される基板Pを含む。少なくとも基板Pの露光時に、液浸部材23は、投影光学系PLの投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域(局所的な領域)が液体LQで覆われるように液浸空間を形成する。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと液体LQとを介して基板Pを露光光ELで露光する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
照明系ILは、所定の照明領域IRを均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ3は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含む第2ベース部材17のガイド面17G内を移動可能である。ガイド面17Gは、XY平面とほぼ平行である。本実施形態においては、マスクステージ3は、平面モータを含む駆動システム40の作動により、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。マスクステージ3を移動するための平面モータは、マスクステージ3に配置されたマグネットアレイと、第2ベース部材17に配置されたコイルアレイとを含む。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、照射位置SP1を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒24に保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸はZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
マスクステージ3(マスクM)の位置情報は、干渉計システム4のレーザ干渉計によって計測される。レーザ干渉計は、マスクステージ3に設けられた反射ミラーを用いて位置情報を計測する。制御装置8は、レーザ干渉計の計測結果に基づいて、駆動システム40を作動し、マスクステージ3(マスクM)の位置制御を実行する。また、X軸、Y軸、及びθZ方向に関する第1、第2基板ステージ1、2(基板P)の位置情報は、エンコーダシステム5によって計測され、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置情報は、フォーカス・レベリング検出システム7によって検出される。制御装置8は、エンコーダシステム5の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システム7の検出結果に基づいて、第1、第2駆動システム41、42を作動し、第1、第2基板ステージ1、2(基板P)の位置制御を実行する。
次に、図3及び図4を参照しながら、第2基板ステージ2及び第2エンコーダユニット5Bについて説明する。本実施形態において、第1基板ステージ1と第2基板ステージ2とはほぼ同等の構成であり、第1エンコーダユニット5Aと第2エンコーダユニット5Bとはほぼ同等の構成である。以下の説明においては、第2基板ステージ2、及びその第2基板ステージ2の位置情報を計測する第2エンコーダユニット5Bについて主に説明し、第1基板ステージ1、及び第1エンコーダユニット5Aについての説明は簡略若しくは省略する。
図3及び図4において、第2基板ステージ2は、ステージ本体25と、ステージ本体25に支持され、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部を有する基板テーブル26とを有する。ステージ本体25の下面には、平面モータのマグネットアレイ42Aが配置されている。また、基板テーブル26とステージ本体25との間には、ボイスコイルモータ等のアクチュエータ27が複数配置されている。アクチュエータ27の作動により、基板テーブル26は、ステージ本体25に対して、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能(微動可能)である。
エンコーダユニット5Bは、第2追従ステージ62に配置され、スケール板53に照射するための計測光を射出する光源58と、第2基板ステージ2に配置されたエンコーダヘッド52と、少なくとも一部が第2追従ステージ62に配置され、光源58から供給された計測光をエンコーダヘッド52に導く光学系70とを備えている。
光源58は、計測光(レーザ光)を射出して、光学系70に供給する。光学系70は、第2基板ステージ2に配置された第1光学系71と、第2追従ステージ62に配置された第2光学系72とを有する。第2光学系72は、第2追従ステージ62に配置され、第1光学系71に向けて計測光を射出する射出部73A、73Bと、光源58からの計測光を射出部73A、73Bに導く導光部材72A、72Bとを有する。導光部材72A、72Bは、例えば反射ミラー、レンズ、及び光ファイバ等を有する。射出部73A、73Bは、第2基板ステージ2の−X側に配置されている。射出部73Aと射出部73Bとは、Y軸方向に関して離れている。射出部73A、73Bは、X軸に沿って、−X方向から+X方向へ向けて計測光を射出する。
第1光学系71は、射出部73Aからの計測光が供給される導光部材71Aと、射出部73Bからの計測光が供給される導光部材71Bとを有する。導光部材71A、71Bは、射出部73A、73Bからの計測光が入射する入射部74A、74Bを有する。本実施形態において、導光部材71Aは、第2基板ステージ2(ステージ本体25)の−Y側の側面に配置され、導光部材71Bは、+Y側の側面に配置されている。導光部材71A、71Bは、X軸方向に長い。入射部74Aと入射部74Bとは、Y軸方向に関して離れている。
Y軸方向に関して、射出部73Aと射出部73Bとの間隔と、入射部74Aと入射部74Bとの間隔は、ほぼ等しい。また、Z軸方向に関して、射出部73A、73Bと、入射部74A、74Bとは、ほぼ同じ位置(高さ)である。射出部73Aと入射部74Aとは対向可能であり、射出部73Bと入射部74Bとは対向可能である。射出部73Aと入射部74Aとの間の光路は、X軸とほぼ平行であり、射出部73Bと入射部74Bとの間の光路は、X軸とほぼ平行である。
エンコーダヘッド52は、第2基板ステージ2に複数配置されている。本実施形態においては、3つのエンコーダヘッド52を有するヘッドユニット57が、第2基板ステージ2(基板テーブル26)の4つのコーナーのそれぞれに配置されている。すなわち、本実施形態においては、エンコーダヘッド52は、第2基板ステージ2の周囲の12箇所に配置されている。エンコーダヘッド52のそれぞれは、XY平面内において異なる位置に配置されている。基板テーブル26の中心に対して−Y側に配置された2つのヘッドユニット57は、導光部材71Aの+Z側に配置されている。基板テーブル26の中心に対して+Y側に配置された2つのヘッドユニット57は、導光部材71Bの+Z側に配置されている。導光部材71Aは、入射部74Aから入射した計測光を、基板テーブル26の中心に対して−Y側に配置された2つのヘッドユニット57のそれぞれに導く。導光部材71Bは、入射部74Bから入射した計測光を、基板テーブル26の中心に対して+Y側に配置された2つのヘッドユニット57のそれぞれに導く。導光部材71A、71Bは、ビームスプリッタを有し、入射部74A、74Bから入射した計測光を分離して、各ヘッドユニット57に導くことができる。また、ヘッドユニット57のそれぞれは、ビームスプリッタを有し、導光部材71A、71Bからの計測光を分離して、各エンコーダヘッド52に導くことができる。
このように、本実施形態においては、光源58から射出され、第2光学系72に供給された計測光は、射出部73A、73Bより射出される。射出部73A、73Bより射出された計測光は、第1光学系71の入射部74A、74Bに入射する。入射部74A、74Bに入射した計測光は、第1光学系71を介して、各ヘッドユニット57の各エンコーダヘッド52に供給される。エンコーダヘッド52は、供給された計測光を、スケール板53に導く。
次に、エンコーダヘッド52について説明する。図5は、エンコーダヘッド52の一例を示す斜視図である。図5において、エンコーダユニット52は、光学系70から供給された計測光をスケール板53に導く光学部材75を備えている。本実施形態において、光学部材75は、反射面を有する反射ミラーである。光学部材75は、入射した計測光を反射して、スケール板53の下面に供給する。光学部材75の反射面で反射した計測光は、−Z方向から+Z方向に向けて進む。エンコーダヘッド52は、光学系70から供給された計測光を、光学部材75を介して、スケール板53に照射する。
また、エンコーダヘッド52は、スケール板53で発生する複数の回折光を干渉させる干渉光学系81と、干渉光学系81で干渉した干渉光を検出する検出装置82とを備えている。
スケール板53は、X軸方向及びY軸方向に周期的な二次元格子を含む反射型の回折格子を備え、下面に供給された計測光に基づいて、次数が異なる複数の干渉光を発生させる。ここでは、説明を簡単にするために、回折格子が+1次回折光及び−1次回折光を生成するものとする。
干渉光学系81は、スケール板53で発生した回折光が経由する固定スケール83A、83B、83C、83Dと、固定スケール83A〜83Dを経由した回折光が入射する位置に配置され、回折光を干渉させるインデックススケール84とを備えている。
固定スケール83A〜83Dは、光学部材75との間の位置関係が固定で、スケール板53で発生する回折光を集光させる。インデックススケール84は、固定スケール83A〜83Dのそれぞれによって集光された回折光を干渉させる。
固定スケール83A、83Bは、Y軸方向を周期方向とする回折格子が形成されたプレートからなる透過型の位相格子であり、光学部材75より−Z側に配置されている。固定スケール83C、83Dは、X軸方向を周期方向とする回折格子が形成されたプレートからなる透過型の位相格子であり、光学部材75より−Z側に配置されている。
インデックススケール84は、X軸方向を周期方向とする回折格子及びY軸方向を周期方向とする回折格子が形成された透過型の二次元格子である。インデックススケール84は、固定スケール83A〜83Dより−Z側に配置されている。
固定スケール83Aは、スケール板53のY軸方向を周期方向とする回折格子で発生した−1次回折光を回折して+1次回折光を生成し、この+1次回折光はインデックススケール84に向かう。また、固定スケール83Bは、スケール板53のY軸方向を周期方向とする回折格子で発生した+1次回折光を回折して−1次回折光を生成し、この−1次回折光はインデックススケール84に向かう。
固定スケール83A、83Bで生成された±1次回折光は、インデックススケール84上の同一位置で互いに重なり合う。すなわち、±1次回折光がインデックススケール84上で干渉する。
固定スケール83Cは、スケール板53のX軸方向を周期方向とする回折格子で発生した−1次回折光を回折して+1次回折光を生成し、この+1次回折光はインデックススケール84に向かう。また、固定スケール83Dは、スケール板53のX軸方向を周期方向とする回折格子で発生した+1次回折光を回折して−1次回折光を生成し、この−1次回折光はインデックススケール84に向かう。
固定スケール83C、83Dで生成された±1次回折光は、インデックススケール84上の同一位置で互いに重なり合う。すなわち、±1次回折光がインデックススケール84上で干渉する。
検出装置82は、インデックススケール84上で干渉した干渉光を受光する。検出装置82は、例えば4分割検出器又はCCDを含む。インデックススケール84上で干渉した干渉光は、検出装置82に入射する。検出装置82は、干渉光を受光する。
光源58から射出される計測光の波長とスケール板53の回折格子のピッチとに応じて、回折格子の各格子で発生する各回折光の回折角度が決定される。また、光源58から射出される計測光の波長と固定スケール83A〜83Dのピッチとに応じて、固定スケール83A〜83Dで発生した±1次回折光の回折角度(すなわち、スケール板53の回折格子で発生した±1次回折光の見かけ上の折り曲げ角度)が決定される。光源58から射出される計測光の波長、スケール板53の回折格子のピッチ、及び固定スケール83A〜83Dの回折格子のピッチを調整することによって、検出装置82に二次元的な干渉光の光量分布を生成することができる。この二次元的な干渉光の光量分布は、第2基板ステージ2のX軸方向の位置及びY軸方向の位置に応じて変化する。したがって、制御装置8は、検出装置82を用いて干渉光の光量分布を検出することにより、第2基板ステージ2のX軸方向及びY軸方向に関する位置情報を計測することができる。
本実施形態形態においては、エンコーダヘッド52が第2基板ステージ2に複数配置されているので、制御装置8は、各エンコーダヘッド52の各検出装置82から出力される検出信号に基づいて、第2基板ステージ2のX軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測することができる。また、制御装置8は、各エンコーダヘッド52から出力される検出信号を平均化することもできる。
同様に、第1基板ステージ1に配置されている複数のエンコーダヘッド51のそれぞれも、第1基板ステージ1のX軸方向及びY軸方向の位置情報を計測可能であり、制御装置8は、各エンコーダヘッド51の各検出装置から出力される検出信号に基づいて、第1基板ステージ1のX軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に関する位置情報を計測することができる。
本実施形態においては、第2基板ステージ2と第2追従ステージ62とは、Y軸方向に関する位置関係がほぼ固定された状態で、Y軸方向へ同期移動する。第2基板ステージ2は、ガイド面14Gに沿って、X軸、Y軸、及びθZ方向に移動する。制御装置8は、Y軸方向に関して第2基板ステージ2と第2追従ステージ62との位置関係がほぼ固定されるように、ガイド面14G内を移動する第2基板ステージ2に追従するように第2追従ステージ62をY軸方向に移動する。換言すれば、制御装置8は、第2追従ステージ62に配置されている射出部73A、73Bと、第2基板ステージ2に配置されている入射部74A、74Bとが対向し続けるように、第2基板ステージ2の移動に応じて、第2追従ステージ62をY軸方向に移動する。
これにより、第2基板ステージ2がガイド面14Gのどの位置に存在していても、光源58は、エンコーダヘッド52に計測光を供給し続けることができる。換言すれば、第2基板ステージ2がガイド面14Gのどの位置に存在していても、光源58から射出されるエンコーダヘッド52に対する計測光の供給は妨げられない。したがって、エンコーダシステム5は、露光ステーションST1に存在しているときの第2基板ステージ2の位置情報、及び計測ステーションST2に存在しているときの第2基板ステージ2の位置情報の両方を計測することができる。換言すれば、エンコーダシステム5は、第2基板ステージ2がガイド面14Gのどの位置に存在していても、その第2基板ステージ2の位置情報を計測し続けることができる。
同様に、制御装置8は、Y軸方向に関して第1基板ステージ1と第1追従ステージ61との位置関係がほぼ固定されるように、ガイド面14G内を移動する第1基板ステージ1に追従するように第1追従ステージ61をY軸方向に移動する。これにより、エンコーダシステム5は、第1基板ステージ1がガイド面14Gのどの位置に存在していても、その第1基板ステージ1の位置情報を計測し続けることができる。
次に、上述の構成を有する露光装置の動作の一例について説明する。
第1、第2基板ステージ1、2と対向可能な支持フレーム11の所定位置にスケール板53が固定されるとともに、エンコーダヘッド51、52が第1、第2基板ステージ1、2に配置される。また、第1、第2追従ステージ61、62に光源56、58が固定される。制御装置8は、エンコーダシステム5を用いて、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報の計測を開始する。光源56、58のそれぞれは、第1、第2基板ステージ1、2と離れた位置で計測光を射出して、エンコーダヘッド51、52に供給する。エンコーダヘッド51、52は、供給された計測光をスケール板53に照射する。スケール板53からの光は、エンコーダヘッド51、52の検出装置82に検出される。制御装置8は、エンコーダヘッド51、52の検出装置82の検出結果に基づいて、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測する。
例えば、計測ステーションST2に存在する第2基板ステージ2に露光前の基板Pがロードされる。第2基板ステージ2は、ロードされた基板Pを保持する。制御装置8は、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理を開始する。
一方、露光ステーションST1には、計測ステーションST2での計測処理を既に終えた基板Pを保持した第1基板ステージ1が配置されている。制御装置8は、露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光を開始する。制御装置8は、第1基板ステージ1に保持された基板Pを露光する動作と、第2基板ステージ2に保持された基板Pを計測する動作の少なくとも一部とを並行して行う。
制御装置8は、露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの液浸露光を実行する。制御装置8は、露光ステーションST1において第1基板ステージ1を移動しつつ、その第1基板ステージ1に保持されている基板Pを、投影光学系PLと液体LQとを介して露光する。
露光ステーションST1において第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光処理が実行されている間、計測ステーションST2において第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理が実行される。制御装置8は、計測ステーションST2に配置されている第2基板ステージ2に保持されている基板Pの位置情報を計測する。制御装置7は、計測ステーションST2において、アライメントシステム6を用いて、第2基板ステージ2に保持されている基板Pのアライメントマークを検出する。また、制御装置7は、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの表面の位置情報を、フォーカス・レベリング検出システム7を用いて検出する。
露光ステーションST1において、第1基板ステージ1に保持されている基板Pの露光処理が完了し、計測ステーションST2において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの計測処理が完了した後、制御装置8は、計測ステーションST2から露光ステーションST1への第2基板ステージ2の移動を開始する。
次に、制御装置8は、第2基板ステージ2の基板Pを液浸露光するために、第1基板ステージ1と第1光学素子20とが対向する状態から、第2基板ステージ2と第1光学素子20とが対向する状態に変化させる。その後、制御装置8は、第1基板ステージ1を計測ステーションST2に移動する。
制御装置8は、露光ステーションST1において、第2基板ステージ2に保持されている基板Pの液浸露光を実行する。一方、計測ステーションST2に移動した第1基板ステージ1に保持されている基板Pは、基板交換位置においてアンロードされ、露光前の新たな基板Pが第1基板ステージ1にロードされる。制御装置8は、計測ステーションST2において、第1基板ステージ1にロードされた基板Pの計測処理等を開始する。以下、上述した処理と同様の処理が繰り返される。
本実施形態においては、第1,第2基板ステージ1、2に保持されている基板Pの計測処理中、及び露光処理中、制御装置8は、エンコーダシステム5を用いて、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測し、その計測結果に基づいて、第1、第2基板ステージ1、2の位置制御を実行する。
本実施形態においては、第2基板ステージ2の入射部74A、74Bと、第2追従ステージ62の射出部73A、73Bとが対向し続けるように、露光ステーションST1及び計測ステーションST2の一方から他方へ移動するときの第2基板ステージ2の移動軌跡が定められている。同様に、第1基板ステージ1の入射部74A、74Bと、第1追従ステージ61の射出部73A、73Bとが対向し続けるように、露光ステーションST1及び計測ステーションST2の一方から他方へ移動するときの第1基板ステージ1の移動軌跡が定められている。本実施形態においては、第1追従ステージ61は、第1ベース部材14の+X側に配置され、第2追従ステージ62は、第1ベース部材14の−X側に配置されている。図2に示すように、第1基板ステージ1は、第1ベース部材14のガイド面14Gの中心に対して+X側の領域AR1を通過するように、露光ステーションST1及び計測ステーションST2の一方から他方へ移動する(矢印R1参照)。また、第2基板ステージ2は、第1ベース部材14のガイド面14Gの中心に対して−X側の領域AR2を通過するように、露光ステーションST1及び計測ステーションST2の一方から他方へ移動する(矢印R2参照)。これにより、エンコーダシステム5は、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測し続けることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダシステム5を用いて、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測できる。本実施形態によれば、光源56、58が第1、第2基板ステージ1、2が離れた位置に配置されているので、例えば光源56、58の熱によって、干渉光の光路上の雰囲気の温度揺らぎ(屈折率変動)が発生することを抑制でき、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を精度良く計測できる。また、光源56、58の熱等に起因する第1、第2基板ステージ1、2の熱変形の発生を抑制できる。したがって、基板Pを良好に露光できる。
また、光源56、58からの計測光をエンコーダヘッド51、52へ供給するための射出部73A、73Bが、第1、第2基板ステージ1、2に追従するように移動する第1、第2追従ステージ61、62に配置されているので、第1、第2基板ステージ1、2がガイド面14Gのどの位置に存在していても、エンコーダヘッド51、52に計測光を供給し続け、第1、第2基板ステージ1、2の位置情報を計測し続けることができる。
また、本実施形態においては、干渉は±1次回折光という非常に近接した光路を通る光の間で生じるので、周辺雰囲気の温度揺らぎ(屈折率変動)による影響を低減できる。
また、本実施形態においては、検出装置82が、第1、第2基板ステージ1、2に配置されるエンコーダヘッド51、52に設けられており、干渉光を生成するインデックススケール84と検出装置82との距離を十分に短くすることができる。これにより、検出装置82の検出信号(検出装置82に入射する干渉光)に対する温度揺らぎ(屈折率変動)の影響等を低減できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図6は、第2実施形態に係るエンコーダシステム5Cの一例を示す図である。図6に示すように、第2実施形態に係るエンコーダシステム5Cは、第2基板ステージ2、及び第2追従ステージ62の両方と離れた位置に配置されている光源58と、光源58からの計測光をエンコーダヘッド52に導く光学系70Cとを備えている。光学系70Cは、第2基板ステージ2に配置された第1光学系71と、第2追従ステージ62に配置され、光源58からの計測光を第1光学系71に導く第2光学系72Cとを有する。第2光学系72Cは、第1光学系71の入射部74A、74Bと対向する射出部73A、73Bと、光源58からの計測光を射出部73A、73Bに供給するためのビームスプリッタ76及び反射ミラー77とを有する。本実施形態においても、光源58の熱等に起因する露光不良の発生を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図7は、第3実施形態に係る露光装置EXの一例を示す平面図である。図7に示すように、本実施形態の第2追従ステージ62は、第2基板ステージ2に接続されるケーブル90を保持する。ケーブル90は、第2基板ステージ2に電力等の動力(用力)を供給するためのケーブル、あるいは第2基板ステージ2に温度調整用の流体を供給するためのケーブルを含む。本実施形態においては、ケーブル90は、第2追従ステージ62に接続されているロボットアーム91に保持される。第2追従ステージ62は、ロボットアーム91を介して、ケーブル90を保持する。ロボットアーム91は、第2追従ステージ62の移動に伴って、第2追従ステージ62と一緒に移動する。ロボットアーム91は、射出部73A、73Bと入射部74A、74Bとの間の光路を避けるように配置されている。
ロボットアーム91は、可動部92を有する。本実施形態において、ロボットアーム91は、ケーブル90と接続されるケーブル93を有する。保持機構91のケーブル93と、第2基板ステージ2に接続されるケーブル90とは、コネクタ94を介して接続されている。ロボットアーム91は、第1ベース部材14の上方で、XY方向に移動することができる。
本実施形態によれば、第2基板ステージ2に追従するように移動する第2追従ステージ62(ロボットアーム91)にケーブル90が保持されており、第2基板ステージ2が移動しても、その第2基板ステージ2に接続されるケーブル90の位置を制御でき、振動の発生等を抑制できる。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板Pを保持して移動可能な基板ステージと、基板Pを保持せずに、露光に関する所定の計測を実行可能な計測器(計測部材)を搭載して移動可能な計測ステージとを備えた露光装置にも適用できる。また、本発明は、複数の基板ステージと、複数の計測ステージとを備えた露光装置にも適用できる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、上述の各実施形態では、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光を発生する光源装置として、ArFエキシマレーザを用いてもよいが、例えば、米国特許第7023610号明細書に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。さらに、上記実施形態では、前述の各照明領域と、投影領域がそれぞれ矩形状であるものとしたが、他の形状、例えば円弧状などでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。可変成形マスクは、例えば非発光型画像表示素子(空間光変調器)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)等を含む。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等が挙げられる。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。このように投影光学系PLを用いない場合であっても、露光光はレンズ等の光学部材を介して基板に照射され、そのような光学部材と基板との間の所定空間に液浸空間が形成される。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図8に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1…第1基板ステージ、2…第2基板ステージ、5…エンコーダシステム、5A…第1エンコーダユニット、5B…第2エンコーダユニット、14…第1ガイド部材、14G…ガイド面、41…第1駆動システム、42…第2駆動システム、43…第3駆動システム、44…第4駆動システム、51…エンコーダヘッド、52…エンコーダヘッド、53…スケール板、56…光源、58…光源、61…第1追従ステージ、62…第2追従ステージ、70…光学系、71…第1光学系、72…第2光学系、73A、73B…射出部、74A、74B…入射部、82…検出装置、90…ケーブル、91…ロボットアーム、EL…露光光、EX…露光装置、P…基板、SP1…照射位置、SP2…計測位置、ST1…露光ステーション、ST2…計測ステーション
Claims (15)
- 露光光で基板を露光する露光装置であって、
前記露光光が照射される第1位置を含む所定面内を前記基板を保持して移動可能な第1可動部材と、
前記第1可動部材に配置され、供給された光をスケール板に導くエンコーダヘッドと、
前記第1可動部材に追従するように移動する第2可動部材と、
少なくとも一部が前記第2可動部材に配置され、供給された光を前記エンコーダヘッドに導く光学系と、
前記第1可動部材と離れた位置に配置され、光を射出して、前記光学系に供給する光源と、を備えた露光装置。 - 前記光源は、前記第2可動部材に配置される請求項1記載の露光装置。
- 前記光源は、前記第2可動部材と離れた位置に配置される請求項1記載の露光装置。
- 前記第1可動部材を移動する平面モータを備える請求項1〜3のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第1可動部材と前記第2可動部材とは、前記所定面内の第1方向に関する位置関係がほぼ固定された状態で、前記第1方向へ同期移動する請求項1〜4のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記光学系は、前記第1可動部材に配置された第1光学系と、前記第2可動部材に配置された第2光学系とを有し、
前記第1光学系と前記第2光学系との間の光路は、前記所定面内において前記第1方向と直交する第2方向とほぼ平行である請求項5記載の露光装置。 - 前記第1位置を含む第1領域を有する露光ステーションと、前記基板の位置情報を計測するための第2位置を含み、前記第1領域と異なる第2領域を有する計測ステーションとを備え、
前記露光ステーションと前記計測ステーションとは、前記第1方向に配置されている請求項5又は6記載の露光装置。 - 前記第1、第2可動部材は、前記露光ステーションと前記計測ステーションとを移動可能である請求項7記載の露光装置。
- 前記第2可動部材は、前記第1可動部材に接続されるケーブルを保持する請求項1〜8のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第2可動部材は、前記第1可動部材に接続されるケーブルと接続されるコネクタを有する請求項1〜9のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記エンコーダヘッドは、前記スケール板からの光を検出する検出装置を有する請求項1〜10のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記第1可動部材を少なくとも2つ備える請求項1〜11のいずれか一項記載の露光装置。
- 請求項1〜12のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 露光光で基板を露光する露光方法であって、
供給された光をスケール板に導くエンコーダヘッドを、前記露光光が照射される第1位置を含む所定面内を前記基板を保持して移動可能な第1可動部材に配置することと、
供給された光を前記エンコーダヘッドに導く光学系の少なくとも一部を、前記第1可動部材に追従するように移動する第2可動部材に配置することと、
前記第1可動部材と離れた位置に配置された光源より光を射出して、前記光学系に供給することと、
前記光学系及び前記エンコーダヘッドを介した光を前記スケール板に照射して、前記第1可動部材の位置情報を計測することと、
前記第1可動部材に保持された基板を露光することと、を含む露光方法。 - 請求項14記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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