JP2010061726A - 磁気ヘッド及び磁気記憶装置 - Google Patents

磁気ヘッド及び磁気記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録磁界強度を維持しつつ隣接トラックイレーズを抑制可能な磁気ヘッドを提供する。
【解決手段】主磁極と、前記主磁極の側面に設けられ、該主磁極からの磁気を遮蔽可能なシールド層と、前記主磁極と前記シールド層との間に設けられ、前記主磁極及び前記シールド層よりも飽和磁化が小さいギャップ層と、前記シールド層を加熱する加熱手段とを有することを特徴とする磁気ヘッド。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気記憶媒体へ磁気情報の書き込みを行うことが可能な磁気ヘッド、及びその磁気ヘッドを備えた磁気記憶装置に関するものである。
ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶装置において、磁気ヘッドは磁気記憶媒体へ磁気情報を書き込んだり磁気記憶媒体に記録された磁気情報を読み出したりする。
近年、急速な記録容量の増大に伴い、磁気記憶媒体の記録トラック幅が狭くなり、磁気ヘッドから出力される磁界が記録したいトラックだけでなく隣接するトラックにも及び、隣接トラックの情報を消去してしまう、いわゆる隣接トラックイレーズ(Adjacent Track Erasure:ATE)が深刻な問題となっている。
この問題を解決するため、例えば、書き込み用磁極の記録トラックを横切る方向の両側に、非磁性のギャップを介して磁気シールドを設けた、いわゆるサイドシールド構造を備える磁気ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。サイドシールド構造を備える磁気ヘッドは、サイドシールドが書き込み用磁極から出力される磁界を吸収するため、書き込み対象のトラックに隣接するトラックへの磁界の漏洩を抑制することができる。しかし、このような磁気ヘッドを備える磁気記憶装置は、書き込み対象の記録トラックへの記録磁界強度が低下するため、記憶媒体に対して情報を書き込みにくくなるおそれがある。
特開2005−190518号公報
本発明は、記録磁界強度を維持しつつ隣接トラックイレーズを抑制可能な磁気ヘッドを提供する。
本発明の一側面によると、
主磁極と、
前記主磁極の側面に設けられ、該主磁極からの磁気を遮蔽可能なシールド層と、
前記主磁極と前記シールド層との間に設けられたギャップ層と、
前記シールド層を加熱する加熱手段と
を有することを特徴とする磁気ヘッドが提供される。
本発明の磁気ヘッドは、主磁極の幅方向側に設けられたシールド層を加熱することにより、シールド層の磁束吸収量を抑制することができる。この磁気ヘッドを備える磁気記憶装置において、シールド層が過度に磁束を吸収することにより、記録磁界強度の著しい低下を回避でき、更にATEを抑制できる。よって、磁気記憶装置の高記録密度化が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を図、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うま
でもない。なお、図中、同一の番号は同一の要素を指す。
まず、本発明のヘッドスライダの使用態様である磁気記憶装置について、図1及び図2を用いて簡単に説明する。図1、図2Aは、本発明のヘッドスライダを備えた磁気記憶装置(ハードディスクドライブ:HDD)を示す概略図である。
図1に示した磁気記憶装置100は、外装として図に示すようなハウジング102を有する。ハウジング102の内部には、回転軸103に装着されて矢印Sの方向に回転する磁気ディスク(磁気記憶媒体)104と、磁気ディスク104に対して情報記録と情報再生を行う磁気ヘッド1が搭載されたヘッドスライダ105と、ヘッドスライダ105を保持するサスペンション106と、サスペンション106が固定されてアーム軸107を中心に磁気ディスク104の表面に沿って移動するキャリッジアーム108と、キャリッジアーム108を駆動する電磁アクチュエータ109とが設けられている。なお、ハウジング102にはカバー(図示せず)が取り付けられて、ハウジング102とカバーで形成された内部空間に上述の構成部品が収容される。
磁気記憶装置100は、更に、ハウジング102内部に設けられたコントロールボード(不図示)を備える。コントロールボードは、図2Aに示すように、ハードディスクコントローラ(HDC)111、マイクロコントロールユニット(MCU)112、リードチャネル(RDC)及びサーボコントロール回路(SVC)113、RAM114、ROM115、ヘッドIC(HDIC)131、ボイスコイルモータ(VCM)132、並びにスピンドルモータ(SPM)134を有する。HDC111は、インタフェースプロトコル制御、データバッファ制御、ディスクフォーマット制御等の制御を行う。HDC111は、例えば外部のホストコンピュータ(図示せず)と接続される。MCU112は、演算処理を行ってHDC111、RDC及びSVC113の制御と、RAM114及びROM115等のHDD1内のメモリの管理を行う。RDCは、記録媒体として用いる磁気ディスク104に対するデータの書き込み及び読み出し(データ変調及びデータ復調を含む)を行う。SVCは、キャリッジアーム108を駆動する電磁アクチュエータ(図示せず)に接続されたVCM132、及び磁気ディスク104が装着された回転軸103を回転するためSPM134を制御する。RAM114は、MCU112が行う演算処理の中間データを含む各種データを格納する。ROM115は、MCU112が実行するプログラムやデータ等を格納する。
図2BはHDIC131を、RDC及びSVC113、並びに磁気ヘッド1とともに示す図である。磁気ヘッド1は、例えば、ヘッドIC(ヘッドアンプ)131と配線によって接続され、磁気ディスク104への情報の記録(ライト動作)及び磁気ディスク104に記憶された情報の再生(リード動作)を行う。HDIC131は、ライト信号を増幅してヘッド1に供給するライトドライバ137と、ヘッド1からのリード信号を増幅するリードプレアンプ138と、ヘッド1内のヒータ(図示せず)を駆動するヒータドライバ139とを有する。HDIC131は、ヒータドライバ139を制御するヒータ制御回路136を更に有する。
以下の説明では、X軸方向は記憶媒体の直径方向であり、Y軸方向は記憶媒体に対して遠ざかる方向であり、Z軸は基板上に積層されている各層の積層方向(以下、「基板からの積層方向」と呼称する。)であり、また、磁気ヘッドに対する媒体の移動方向である。X軸、Y軸、及びZ軸は互いに垂直ある。また、X軸方向の距離を「幅」、Y軸方向の距離を「長さ」、Z軸方向の距離を「厚さ」とそれぞれ表記する。磁気ヘッドにおいて、Y軸方向のうちの浮上面(エアベアリング面:ABS)に近い側を「浮上面側」、浮上面から遠ざかる側を「ハイト側」とそれぞれ表記する。
図3(図3A〜図3C)は、本発明の第1実施形態である磁気ヘッドの概略図である。図3A〜図3Cを用いて、本発明の第1実施形態である磁気ヘッドについて説明する。
図3Aは、第1実施形態の磁気ヘッドの、記憶媒体に対向する面(浮上面25)に垂直であり、且つ磁気ヘッドを構成する各層の積層方向の断面を示す概略図である。第1実施形態に係る磁気ヘッド1は、例えばハードディスクドライブなどの磁気記憶装置に磁気記録用のデバイスとして搭載されるものである。この磁気ヘッド1は、絶縁層122、123が設けられた基板120上に設けられる。絶縁層は、例えば酸化アルミニウム(Al;以下、単に「アルミナ」という。)よりなる。基板120は、例えばアルティック(Al・TiC)などのセラミック材料よりなる。この磁気ヘッド1は、例えば、磁気記憶媒体に記録を実行可能な複合型ヘッドである。この磁気ヘッド1は、垂直記録方式により記録媒体上の記録面の任意の位置に情報を記録可能な記録ヘッド部27を含んでなる。この情報の記録は、磁気記憶装置の内部において、記憶媒体に対向するように配置された状態で、磁気ヘッド1の側面(浮上面)25から磁束が発生されることにより実現される。
記録ヘッド部27は、主磁極19、主磁極補助層接続部17及び主磁極補助層18、補助磁極(リターンヨーク)15、絶縁層124〜128、コイル16、コイル引き出し線20を有する。主磁極19、主磁極補助層接続部17、主磁極補助層18、補助磁極15は、それぞれ、磁性材料からなり、磁気的に接続されている。これら磁性材料からなる部分とコイル16及びコイル引き出し線20とは、絶縁層124〜126により電気的に遮蔽されている。
コイル16は、コイル引き出し線20を経由して、ライトドライバ(図示せず。図2Bにおけるライトドライバ137。)に電気的に接続される。コイル16は、ライトドライバから供給される電流により、磁界を発生させることができる。発生した磁界が主磁極層19へ誘導され、主磁極層19の先端から放出されることにより、記録媒体へ磁気情報が記録されうる。このコイル16及びコイル引き出し線20は、例えば、銅(Cu)などの導電性材料により構成されている。コイル16の厚さは例えば1〜3μm程度である。
主磁極19は、主に、コイル16において発生した磁束を収容し、その磁束を磁気ディスク(図示せず。)に向けて放出するものである。主磁極層19は、通常、浮上面25側が露出している。この主磁極層19は強磁性材料を含んでいる。強磁性材料としては、例えば、鉄コバルト合金(FeCo)、鉄系合金(Fe−M;Mは4A,5A,6A,3B,4B族の金属元素)、あるいはこれらの各合金の窒化物などが挙げられる。主磁極層19の膜厚は約0.1μm〜0.5μmである。
図3B、3Cを用いて、第1実施形態の磁気ヘッドについて更に説明する。図3Bは第1実施形態の磁気ヘッドにおいて、主磁極の近傍の浮上面を示す概略図である。図3Cは、第1実施形態の磁気ヘッドにおいて、基板(図示せず)の上側から見たときの、主磁極、サイドシールド、及び電熱膜の位置を示す概略図である。
主磁極19の両側には、ギャップ層29を介してサイドシールド(シールド層)24a、24bがそれぞれ設けられている。サイドシールド24a、24bは、主磁極19から放出された磁束が記憶媒体における書き込もうとしている記録トラックに隣接する別の記録トラックに印加されることにより、別の記録トラックの磁気情報が消去される、いわゆる隣接トラックイレーズ(Adjacent Track Erasure:ATE)を防止するために設けられる、磁束を遮蔽可能な部材である。また、サイドシールド24a、24bは、加熱されることにより、サイドシールドを構成する材料のキュリー温度に近づくにつれて磁束吸収効果が低下する。サイドシールド24a、24bは、通常、主磁極
19よりも飽和磁化が小さい軟磁性材料からなり、例えば、Al、Ti、Cr、Mo、Siの何れかの元素を含むNi基合金を用いることができる。Ni基合金は含有される元素のうちNiが最も多い合金である。サイドシールド24a、24bを構成する材料は、具体的には、Ni90Ti10、Ni95Cr、Ni95Mo、(Ni90Al1099Siなどである。組成比については、上記に限るものではない。サイドシールド24a、24bは、主磁極19から放出される磁束を吸収して、隣接トラックへの書き込みを防止することができる形状、大きさを有していればよく、図3Cに示されるように、通常、浮上面25に露出するように設けられている。ギャップ層29に用いられる材料は特に限定されない。ギャップ層29に用いられる材料は、磁気ヘッドの書き込み性能の向上の点から、例えば、アルミナ(Al)等の非磁性材料であることが好ましい。ギャップ層29のギャップ長(X軸方向の長さ)は、例えば80nmである。サイドシールド24a、24bの磁気遮蔽効果を個別に制御する観点から、サイドシールド24a、24bの温度調整は個別に行われることが好ましい。サイドシールド24a、24bの温度調整を個別に行うことが容易なため、サイドシールド24aとサイドシールド24bとは電気的に絶縁されていることが好ましい。
サイドシールド24a、24bの基板側(図3Bにおける下方側)には、絶縁膜23a、23bを介して電熱膜22a、22bがそれぞれ設けられている。電熱膜22a、22bはそれぞれ個別に通電させることができる。電熱膜22a、22bは、それぞれサイドシールド24a、24bを個別に加熱するために設けられる。電熱膜22a、22bは、例えばタンタル(Ta)、ニッケルクロム(NiCr)、チタンタングステン(TiW)、タングステン(W)、ニッケル銅(NiCu)などから形成される。電熱膜22a、22bへ電力が供給されることにより、電熱膜22a、22bは発熱する。供給される電力が制御されることにより、サイドシールド24a、24bの温度が制御されうる。絶縁膜23a、23bは、サイドシールド24a、24bと電熱膜22a、22bとの間の電気的絶縁性をそれぞれ確保し、電熱膜22a、22bからサイドシールド24a、24bへの漏電をそれぞれ防止し、電熱膜22a、22bの加熱効率を向上させる。絶縁膜23a、23bは非導電性であり、更に非磁性であることが、得られる磁気ヘッドの書き込み性能の向上の点から好ましい。絶縁膜23a、23bとしては、例えば、アルミナ(Al)などの非磁性且つ非導電性の材料が用いられる。電熱膜22aと電熱膜22bとは、電気的に絶縁されていることが、サイドシールド24a、24bの温度をそれぞれ制御することが容易な点から好ましい。
尚、第1実施形態において、電熱膜22a、22bが絶縁膜24a、24bを介してサイドシールド24a、24bの基板側に設けられているが、本発明において、電熱膜22a、22b及び絶縁膜24a、24bは必須の構成要素ではない。本発明の磁気ヘッドは、サイドシールド24a又は24bのうち少なくとも一方を加熱することができる任意の加熱機構が設けられていればよい。例えば、サイドシールド24a、24bに直接通電可能な機構が設けられることにより、サイドシールド24a、24bが加熱されてもよい。サイドシールド24a、24bに直接通電可能な機構が設けられる実施態様において、サイドシールド24a、24bを構成する材料は例えば、Ni95Crである。Ni95Crは抵抗値が高いため発熱量が大きくヒータ等に用いられる材料である。発熱量が大きい材料を用いたサードシールドに直接通電することより、加熱効率が向上する。サイドシールド24a、24bに直接通電可能な機構が設けられる実施態様において、ギャップ層29は更に非導電性の材料であることは好ましい。ギャップ層29に用いられる材料の一例として挙げたアルミナは、非磁性且つ非導電性の材料である。
再び図3Aを用いて、第1実施形態の磁気ヘッドについて更に説明する。
補助磁極(リターンヨーク)15は、記録ヘッド部27において、主磁極19から放出
された磁束を記憶媒体(図示せず。)を経由して環流させる磁気回路の一部を担うものである。この補助磁極15は、例えば、パーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されており、その厚みは約1.0μm〜4.0μmである。
主磁極補助層接続部17及び主磁極補助層18は、補助磁極15と主磁極19との間を磁気的に連結する。主磁極補助層接続部17及び主磁極補助層18は、主磁極19から放出され記憶媒体(図示せず。)を経由して補助磁極15に流入した磁束を、主磁極19に環流させる。主磁極補助層接続部17及び主磁極補助層18は、例えばパーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されている。
絶縁層124〜128は、コイル16及びコイル引き出し線20と、磁性材料からなる部分(主磁極19、主磁極補助層接続部17、主磁極補助層18、補助磁極15)との間の電気的な絶縁性を確保することが可能であり且つ非磁性である材料により構成されている。絶縁層124〜128は、例えば、アルミナ(Al)やシリコン酸化物(SiO)などの非磁性非導電性材料により構成されている。絶縁層124〜128は、それぞれ複数の材料から構成されていても良いし、互いに異なる材料からなる複数の層からなっていてもよい。絶縁層124〜128は、コイル16及びコイル引き出し線20と上記磁性材料からなる部分との電気的な絶縁性を確保できる範囲において、例えばルテニウム(Ru)や銅(Cu)などの導電性を有する非磁性材料を含んで構成されていてもよい。また、絶縁層124〜128は例えば樹脂を含んで構成されていてもよい。
以下、図1、図4(図4A及び図4B)を用いて、第1実施形態の磁気ヘッドを設けた磁気記憶装置における、磁気ヘッドの使用態様を説明する。図4A及び4Bは、磁気ヘッド1及び記憶媒体104が磁気記憶装置100に設けられ、磁気ヘッド1が記憶媒体104に対して記録を行う際の、磁気ヘッド1と記憶媒体104の配置を示す上面図である。図4A及び4Bにおいて、磁気ヘッド1のうち、主磁極19及びサイドシールド24a、24b、絶縁膜23a、23b、電熱膜22a、22bのみが示されている。また、図4A及び4Bにおいて、記憶媒体104に含まれる、書き込みの対象である記録トラック31及びそれに隣接する記録トラック32a、32bが示されている。記憶媒体104の回転Sにより、磁気ヘッド1と記憶媒体104との間に図4A及び4Bの下方から上方へ向かって気流が生じるため、磁気ヘッド1は記憶媒体104の上面から所定の距離だけ離れた状態で静止することができる。磁気ヘッド1の存在位置における記録トラック31の接線方向P(記憶媒体104の回転方向Sに平行な方向)と、磁気ヘッドの主磁極19の主磁極の厚さに平行な方向P(アーム軸107から磁気ヘッド1へ向かう方向)とのなす角、いわゆる磁気ヘッドのスキュー角θは、図1に示される電磁アクチュエータ109がキャリッジアーム108を駆動することにより変化する。なお、以下の説明において、説明の便宜上、図4Aに示されるように、方向Pが方向Pを基準として時計回りのスキュー角θを正とし、図4Bに示されるように、方向Pが方向Pを基準として反時計回りのスキュー角θを負とする。
図4Aに示されるようにスキュー角θが正のとき、主磁極19の流入端側19aは、隣接する記録トラック32aに近づき、隣接する記録トラック32bから離れる。主磁極19の流入端側19aが近接する記録トラック32aにおいてATEが特に問題になり、反対側の記録トラック32bにおいてATEの問題は生じない。このとき、電熱膜22aに通電を行わず、サイドシールド24aへの加熱は行われない。このため、サイドシールド24aは磁気遮蔽機能を有し、隣接トラック32aに記録された磁気情報の誤消去を防止しうる。一方、電熱膜22bに通電することにより、サイドシールド24bを加熱する。加熱されたサイドシールド24bは、それを構成する材料の飽和磁化が低下するため、磁気シールドとしての機能を一時的に失う。サイドシールド24bは、書き込み対象である記録トラック31に一部対向する位置まで張り出しているが、磁気シールドとしての機能
を失っているため、主磁極19から放出され、記録トラック31への書き込みに寄与する磁界を低下させにくい。サイドシールド24bが磁気シールドとしての機能を有する状態で記録トラック31に一部対向する位置まで張り出すと、主磁極19から放出される磁界がサイドシールド24bに吸収され、必要な強度の記録磁界が記録トラック31に印加されないおそれがある。
図4Bに示されるようにスキュー角θが負のとき、主磁極19の流入端側19aは、隣接する記録トラック32bに近づき、隣接する記録トラック32aから離れる。主磁極19の流入端側19aが近接する記録トラック32bにおいてATEが特に問題になり、反対側の記録トラック32aにおいてATEの問題は生じない。このとき、電熱膜22bに通電を行わず、サイドシールド24bへの加熱は行われない。このため、サイドシールド24bは磁気遮蔽機能を有し、隣接トラック32bに記録された磁気情報の誤消去を防止しうる。一方、電熱膜22aに通電することにより、サイドシールド24aを加熱する。加熱されたサイドシールド24aは、それを構成する材料の飽和磁化が低下するため、磁気シールドとしての機能を一時的に失う。サイドシールド24aは、書き込み対象である記録トラック31に一部対向する位置まで張り出しているが、磁気シールドとしての機能を失っているため、主磁極19から放出され、記録トラック31への書き込みに寄与する磁界を低下させにくい。サイドシールド24aが磁気シールドとしての機能を有する状態で記録トラック31に一部対向する位置まで張り出すと、主磁極19から放出される磁界がサイドシールド24aに吸収され、必要な強度の記録磁界が記録トラック31に印加されないおそれがある。
図1、図4A及び図4Bを用いて説明したように、第1実施形態の磁気ヘッドは、磁気記憶装置に備えられ使用される際、主磁極19から書き込み対象である記録トラック31に向かって放出される記録磁界の強度を低下させるおそれのあるサイドシールドに加熱機構を備えることにより、サイドシールドとしての機能を一時的に低下させて、記録トラック31への書き込みに必要な記録磁界強度を維持することができる。
サイドシールド24a、24bを構成する材料は、サイドシールド24a、24bの温度が調整可能である範囲において、飽和磁化の温度係数が大きくなるように選択されることが好ましい。飽和磁化の温度係数が大きくなるほど、磁気ヘッドのスキュー角θを変動させたときに、書き込みに必要な記録磁界強度を得るのに必要な時間が短くなるため、磁気記憶装置の書き込み速度が向上する。サイドシールドを構成する材料として例えばNi90Al10を使用するとき、40℃から130℃までの範囲において、温度を1℃上昇させると飽和磁化は約1%低下する。
第1実施形態の磁気ヘッドを用いた磁気記憶装置において、電熱膜22a又は22bに通電されていないとき、サイドシールド24a又は24bの定常温度は、例えば35〜40℃である。一方、電熱膜22a又は22bを通電加熱しているとき、サイドシールド24a又は24bの温度は、例えば約100℃まで上昇する。サイドシールド24a、24bの温度を通電加熱時の温度から非通電時の定常状態の温度に変化させるのに必要な時間は、例えば約100μsecである。サイドシールド24a、24bの温度を約40℃から約100℃に変化させるのに必要な時間は、例えば100μsecよりも短い。これらの時間は、磁気ヘッド1がアーム軸107を中心として隣接トラック間を移動するのに要する時間よりも短い。磁気ヘッド1がアーム軸107を中心として隣接トラック間を移動するのに要する時間(シーク時間)は、現状1〜2msec程度である。ゆえに、第1実施形態の磁気ヘッドは、磁気記憶装置に組み込まれて使用される際、磁気ヘッドのスキュー角θの変動に応じて、サイドシールドに磁気遮蔽機能を付与したり、失わせたりすることができる。なお、電熱膜22a又は22bに通電されていないときのサイドシールドの定常温度が例えば60℃であり、通電されているときのサイドシールドの温度が例えば1
30℃まで上昇してもよい。
サイドシールド24a又は24bのキュリー温度は200℃以下であることが、上記環境温度と上記通電加熱時の温度の間で飽和磁化の温度係数が高くなる点から好ましい。例えば、Ni90Al10、Ni90Ti10、(Ni90Al1099Siのキュリー温度は約150℃であり、Ni95Cr、Ni95Moのキュリー温度は約170℃である。
次に、本発明の第2実施形態である磁気ヘッドを、図5を用いて説明する。尚、上記実施形態の磁気ヘッドの説明と重複する部分については、説明を省略する。図5は、磁気ヘッド1及び記憶媒体104が磁気記憶装置100に設けられ、磁気ヘッド1が記憶媒体104に対して記録を行う際の、磁気ヘッド1と記憶媒体104の配置を示す上面図である。第2実施形態の磁気ヘッドは、サイドシールド24bの基板側に絶縁膜23bを介して電熱膜22bが設けられている一方、サイドシールド24aの基板側に電熱膜は設けられていない。
第2実施形態の磁気ヘッドを設けた磁気記憶装置において、磁気ヘッド1のスキュー角θの変動範囲は、通常、0以上である。スキュー角θが0以上のとき、記録トラック31への書き込みに寄与する磁界を低下させるおそれがあるサイドシールドは、記録トラック31に対向する位置まで張り出すことが可能なサイドシールド24bのみである。したがって、サイドシールド24aには、その磁気遮蔽機能を低下させるための加熱機構が設けられていなくてもよい。他の構成は、第1実施形態の磁気ヘッドと同様である。
次に、本発明の第3実施形態である磁気ヘッドを、図6を用いて説明する。尚、上記実施形態の磁気ヘッドの説明と重複する部分については、説明を省略する。図6は、磁気ヘッド1及び記憶媒体104が磁気記憶装置100に設けられ、磁気ヘッド1が記憶媒体104に対して記録を行う際の、磁気ヘッド1及び記憶媒体104の配置を示す上面図である。第3実施形態の磁気ヘッドは、サイドシールド24aの基板側に絶縁膜23aを介して電熱膜22aが設けられている一方、サイドシールド24bの基板側に電熱膜は設けられていない。
第3実施形態の磁気ヘッドを設けた磁気記憶装置において、磁気ヘッド1のスキュー角θの変動範囲は、通常、0以下である。スキュー角θが0以下のとき、記録トラック31への書き込みに寄与する磁界を低下させるおそれがあるサイドシールドは、記録トラック31に対向する位置まで張り出すことが可能なサイドシールド24aのみである。したがって、サイドシールド24bには、その磁気遮蔽機能を低下させるための加熱機構が設けられていなくてもよい。他の構成は、第1実施形態の磁気ヘッドと同様である。
第2及び第3実施形態の磁気ヘッドのように、本発明の磁気ヘッドは、書き込み動作中に、書き込み対象の記録トラックに対向するように張り出しうるサイドシールドに加熱機構を設けることが好ましい。
図7は、本発明の第4実施形態である磁気ヘッドの概略図である。図7は、記憶媒体に対向する面に垂直であり、且つ磁気ヘッドを構成する各層の積層方向の断面を示す概略図である。尚、上記実施形態の磁気ヘッドの説明と重複する部分については、説明を省略する。
第4実施形態の磁気ヘッドは、記録・再生の双方の機能を実行可能な複合型ヘッドであり、スライダ基板上に、例えば絶縁層と、磁気抵抗効果(MR;Magneto−resistance effect)を利用して記録媒体上の記録面の任意の情報を再生可能
な再生ヘッド部26と、上記実施形態において説明した磁気ヘッドに相当する記録ヘッド部27とが設けられている。
再生ヘッド部26は、例えば、下部シールド層12と、絶縁層121と、上部シールド層14とがこの順に積層された構成をなしている。絶縁層121には、浮上面25に一端面が露出するように、再生素子13が埋設されている。
下部シールド層12および上部シールド層14は、主に、再生素子13を周囲から磁気的に遮蔽するものである。これらの下部シールド層12および上部シールド層14は、例えば、ニッケル鉄合金(NiFe(以下、単に「パーマロイ(商品名)」という);Ni:80重量%,Fe:20重量%)などの磁性材料により構成されており、それらの厚みは約1.0μm〜2.0μmである。
絶縁層121は、下部シールド層12や上部シールド層14から再生素子13を磁気的かつ電気的に分離するものである。この絶縁層121は、例えば、アルミナなどの非磁性非導電性材料により構成されている。
再生素子13として、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR;Giant Magneto−resistive)やトンネル磁気抵抗効果(TMR;Tunneling Magneto−resistive)等の磁気抵抗効果を示す感磁性膜を用いた素子が利用されうる。他の構成は、第1実施形態の磁気ヘッドと同様である。
以下、第4実施形態の磁気ヘッドを用いた磁気記憶装置の使用の際、スキュー角θと、電熱膜22a及び22bへの投入電力との関係を設定する手段について、一例を挙げて説明する。
まず、磁気ヘッド1のスキュー角θの変動範囲の下限値になるように、磁気ヘッド1を移動させる。磁気ヘッド1のスキュー角θの検出は、例えば、記憶媒体に書き込まれたヘッド位置決め用のサーボ信号に含まれるアドレス情報を再生素子13を用いて読み取ることにより代替できる。次いで、ヒータ制御回路136により電熱膜22aに通電し、サイドシールド24aを加熱する。電熱膜22aに投入する電力PaをPaとする。この状態でオーバーライト特性の評価を行う。オーバーライト特性の評価は、例えば以下の手順で行うことができる。
(1) 記録媒体に記録トラックピッチを120nmとし、400kFCI(Flux
Change per Inch)のビットパターンを書き込む。
(2)書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定する。
(3) 400kFCIのビットパターンに、95kFCIのビットパターンを上書きする。
(4) 記録トラックに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、400kFCI成分の出力電圧Vを測定する。
(5) 以上のようにして求めたV及びVから、式(1)で表される出力電圧の出力比を求める。
(出力比/dB)=20・log(V/V) 式(1)
この出力比の絶対値が大きいほど、先に書き込んだ400kFCIの信号が消去されていることを示し、書き込み能力が高いことを示す。
この出力比が所定の条件を満たす場合、磁気ディスクの書き込み動作中、スキュー角θが0以下のとき、電熱膜22aに投入する電力はPaに決定する。この出力比が所定の条件を満たさない場合、電熱膜22aに投入する電力を変えて、オーバーライト特性の評価を行うことを、出力比が所定の値以下になるまで繰り返す。以下決定された電力をPa’とする。
次いで、磁気ヘッド1のスキュー角θの変動範囲の上限値になるように、磁気ヘッド1を移動させる。次いで、電熱膜22bに通電し、サイドシールド24bを加熱する。電熱膜22bに投入する電力をPbとする。この状態でオーバーライト特性の評価を上記と同様に行う。この出力比が所定の条件を満たす場合、磁気ディスクの書き込み動作中、スキュー角θが0を超えるとき、電熱膜22bに投入する電力はPbに決定する。この出力比が所定の条件を満たさない場合、電熱膜22bに投入する電力を変えて、オーバーライト特性の評価を行うことを、出力比が所定の値を満たすまで繰り返す。以下決定された電力をPb’とする。
磁気記憶装置の動作中、スキュー角θと電熱膜22aに投入される電力Pa及び電熱膜22bに投入される電力Pbとの関係が以下の式(2)及び式(3)を満たすように動作させることで、スキュー角θの変動によらず、記録磁界強度をほぼ一定に保つことができる。
Pa=Pa’、Pb=0 (θmin≦θ≦0) 式(2)
Pa=0、Pb=Pb’ (0<θ≦θmax) 式(3)
但し、Paは電熱膜22aに投入する電力、Pbは電熱膜22bに投入する電力、Pa’は電熱膜22aに投入する決定された電力、Pb’は電熱膜22bに投入する決定された電力、θはスキュー角、θminはスキュー角の最小値、θmaxはスキュー角の最大値である。
このようにすることで、サイドシールドが過度に磁束を吸収し記録磁界強度を著しく低下させるのを回避できる。結果として磁気ディスク高記録密度化が可能となる。
以下、第4実施形態の磁気ヘッドを用いた磁気記憶装置の使用の際、スキュー角θと、電熱膜22a及び22bへの投入電力との関係を決定する手段について、別の例を挙げて説明する。この決定手段は、例えば、磁気ヘッドの形状や材料のばらつきによって、サイドシールドの磁束吸収効果が必要以上に高い場合や、2つのサイドシールドの磁束吸収効果が異なる場合など、磁束吸収効果の補正を必要とする場合に採用される。
まず、磁気ヘッド1のスキュー角θの変動範囲の下限値になるように、磁気ヘッド1を移動させる。次いで、電熱膜22a、22bにそれぞれ通電し、サイドシールド24a、24bを加熱する。電熱膜22aに投入する電力PaをPaとする。電熱膜22bに投入する電力PbをPbとする。この状態でオーバーライト特性の評価を行う。オーバーライト特性の評価は、既に述べた手順で行うことができる。更に、ATE特性の評価を行う。ATE特性は、例えば以下のように測定して得られる出力電圧の減衰率を用いて評価することができる。
(1) 記録媒体に記録トラックピッチを120nmとし、隣接記録トラック32a、及び32bに100kFCI(Flux Change per Inch)のビットパターンを書き込む。
(2) 隣接記録トラック32bに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定する。
(3) 書き込み対象の記録トラック31に、800kFCIのビットパターンを10,000回書き込む。
(4) 隣接記録トラック32bに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定する。
(5) 以上のようにして求めたV及びVから、式(4)で表される出力電圧の減衰率を求める。
(減衰率)={(V−V)/V}×100 式(4)
この減衰率が小さいほど、ATEが抑制されていることを示す。
上記出力比及び減衰率が所定の条件を満たす場合、磁気ディスクの書き込み動作中、スキュー角θが0以下のとき、電熱膜22aに投入する電力はPaに決定し、電熱膜22bに投入する電力はPbに決定する。この出力比が所定の条件を満たさない場合、電熱膜22a、22bに投入する電力をそれぞれ個別に変えて、オーバーライト特性及びATE特性の評価を行うことを、出力比及び減衰率が所定の値以下になるまで繰り返す。以下、決定された電熱膜22aに投入する電力をPa’、決定された電熱膜22bに投入する電力をPb’とする。
次いで、磁気ヘッド1のスキュー角θの変動範囲の上限値になるように、磁気ヘッド1を移動させる。次いで、電熱膜22a、22bにそれぞれ通電し、サイドシールド24a、24bを加熱する。電熱膜22aに投入する電力PaをPaとする。電熱膜22bに投入する電力PbをPbとする。この状態でオーバーライト特性及びATE特性の評価を上記と同様の手順で行う。この出力比が所定の条件を満たす場合、磁気ディスクの書き込み動作中、スキュー角θが0を超えるとき、電熱膜22aに投入する電力はPaに、電熱膜22bに投入する電力はPbに決定する。この出力比が所定の条件を満たさない場合、電熱膜22bに投入する電力を変えて、オーバーライト特性及びATE特性の評価を行うことを、出力比及び減衰率が所定の値を満たすまで繰り返す。決定された電熱膜22aに投入する電力をPa’’、決定された電熱膜22bに投入する電力をPb’’とする。
磁気記憶装置の動作中、スキュー角θと電熱膜22aに投入される電力Pa及び電熱膜22bに投入される電力Pbとの関係が以下の式(5)及び式(6)を満たすように動作させることで、スキュー角θの変動によらず、記録磁界強度をほぼ一定に保つことができる。
Pa=Pa’、Pb=Pb’ (θmin≦θ≦0) 式(5)
Pa=Pa’’、Pb=Pb’’ (0<θ≦θmax) 式(6)
但し、Paは電熱膜22aに投入する電力、Pbは電熱膜22bに投入する電力、Pa’、Pa’’は電熱膜22aに投入する決定された電力、Pb’、Pb’’は電熱膜22bに投入する決定された電力、θはスキュー角、θminはスキュー角の最小値、θmaxはスキュー角の最大値である。
このようにすることで、サイドシールドが過度に磁束を吸収し記録磁界強度を著しく低下させるのを回避できる。結果として磁気ディスク高記録密度化が可能となる。
上記実施形態の磁気ヘッドは、集積回路の製造に用いられるスパッタリングなどの成膜技術、フォトリソグラフィ法やエッチング法等を利用したパターニング技術、及び機械加工や研磨加工などの研磨技術を含む既存の薄膜製造プロセスを使用蒸着やスパッタリングなどを用いた成膜プロセスを用いて作成することができる。
図8〜図13を用いて、第4実施形態に示す磁気ヘッドの製造工程を説明する。図8〜図12は、第4実施形態に示す磁気ヘッドの製造工程において、記憶媒体に対向する面(浮上面25)に垂直であり、且つ磁気ヘッドを構成する各層の積層方向の断面を示す概略図である。
まず、アルミナ・チタン・カーバイド(Al−TiC)基板120上に、軟磁性体からなる再生素子用下部シールド12、再生素子13、及び軟磁性体からなる再生素子用上部シールド14で構成される再生ヘッド部26を形成する(図8A)。なお、上記各部材は、アルミナからなる絶縁層121によって分離されている。なお、再生素子13は、巨大磁気抵抗効果(Giant Magneto−Resistive:GMR)素子、トンネル磁気抵抗効果(Tunnel Magneto−Resistive:TMR)素子などの一般的なシールド型磁気抵抗効果素子が挙げられる。
次に、再生ヘッド部26の形成された基板120の上に、スパッタ法及びリフトオフ法にてアルミナ膜122を形成する。次に、補助磁極15に対応する空間が刳り貫かれたメッキ用レジストパターン(以下、メッキパターンと略す)を、電子線リソグラフィ法(又は、フォトリソグラフィ法。以後、電子線リソグラフィ法等と略す)によって形成する。ここに、Ni80Fe20層を電解メッキ法によって形成する。次に、スパッタ法によって、基板全面にアルミナ膜123を堆積する。その後、CMP法(Chemical & Mechanical Polishing)によって、表面を平坦化して、補助磁極15及びアルミナ膜123を形成する(図8B)。
次に、再度、補助磁極15を含む全面に、スパッタ法によりアルミナ膜124を形成する。その後、リフトオフ法によって、主磁極補助層接続部17が形成される位置を開口する(図8C)。
次に、コイル16に対応する空間が刳り貫かれたメッキパターンを、電子線リソグラフィ法等によって形成する。このメッキパターンに、Cu膜を電解メッキ法によって成膜し、コイル16を形成する(図9A)。
同様にして、Ni80Fe20(軟磁性体)からなる主磁極補助層17を、電解メッキ法によって形成する。次に、スパッタ法によって、全面にアルミナ膜124を堆積する。その後、CMP法によって、表面を平坦化する(図9B)。なお、アルミナ124の代わりに、樹脂を用いてもよい。
次に、同様にして、Ni80Fe20(軟磁性体)からなる主磁極補助層18を、電解メッキ法によって形成する。次に、スパッタ法によって、全面にアルミナ膜125を堆積する。その後、CMP法によって、表面を平坦化する(図9C)。なお、アルミナ125の代わりに、樹脂を用いてもよい。
次に、電熱膜22a、22bになるTa膜22、絶縁膜23a、23bになるアルミナ膜23、後工程のCMP法の際にストッパ層としてはたらくSiO膜140をスパッタ法により形成する(図13A及び図10A)。図13は、主磁極19の加工過程を示す、スライダ浮上面(Air Bearing Surface)の断面図である。
次に、主磁極19の平面形状に対応するレジスト膜141を形成する。主磁極19を設けない平面位置にレジスト膜141が形成される(図13B)。
次に、このレジスト膜141をマスクとして用いた反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)によって、Ta膜22、アルミナ膜23、SiO膜140をエッチングし、更にレジスト膜を除去することにより、開口部142を形成する。また、電熱膜22a、22b、絶縁膜23a、23bが形成される(図13C、及び図10B)。
次に、ギャップ層になるアルミナ膜29を形成する(図13D)。アルミナ膜29の形成方法としては、開口部142の内部を被覆しやすい点から、化学気層成長法が好ましく用いられる。
次に、電界めっき法などにより主磁極になる磁性膜19を形成する(図13E)。次に、CMP法により上部を平坦化し、主磁極となる磁性膜19の不要な部分を除去することにより、開口部142に主磁極19を残す(図13F)。
次に、RIE法により、サイドシールド用磁性膜が形成される箇所からSiO膜140を除去する(図13G)。このときアルミナに対してエッチング能力の低いCFやCHFなどのエッチングガスを用いることで、アルミナからなる絶縁膜23a、23bがエッチングストッパーとして働き、SiO膜のみを高精度に除去することが可能である。
次に、サイドシールド用磁性膜24(例えばNi90Al10)をスパッタ法等により堆積する(図13H)。
次に、CMP法より平坦化し、サイドシールド用磁性膜24の不要な部分を除去する(図13I、図11A)。
その後、電子線リソグラフィ法等とイオンミリングによって、コイル16の引き出し線20が形成される位置に開口部を設ける(図11B)。
次に、引き出し線20に対応する空間が刳り貫かれたメッキパターンを、電子線リソグラフィ法等によって形成する。ここに、Cu層を電解メッキ法によって形成し、引き出し線20とする(図12A)。
次に、基板120全体に、保護膜としてアルミナ膜127をスパッタ法で堆積する(図12B)。
最後に、基板120を切断し、必要に応じ浮上面側の研磨を行うことにより、スライダと、再生ヘッド部26、及び記録ヘッド部27とが一体形成されたチップが完成する。
上記製造工程では、補助磁極等の形成に電解メッキ法を用いたが、無電解メッキ法や、リフトオフ法を用いてもよい。
上記第4実施形態の磁気ヘッドの製造方法にしたがって、実施例の磁気ヘッドを作成した。各部の材質及び寸法は以下の通りである。基板120の材質はAl−TiCだった。下部シールド12の材質は、Ni80Fe20であり、その厚さは1.5μmだっ
た。再生素子13として、トンネル磁気抵抗効果素子が設けられた。再生素子13のトラック幅は80nmだった。上部シールド14の材質はNi80Fe20であり、その厚さは1.5μmだった。補助磁極(リターンヨーク)15の材質はNi80Fe20であり、その厚さは1.5μmだった。コイル16の材質はCuであり、その巻き数は3であり、その厚さは1.5μmだった。主磁極補助層17の材質はNi80Fe20であり、その厚さは2.0μmだった。主磁極補助層18の材質はNi80Fe20であり、その厚さは1.0μmだった。
主磁極19の材質はFe70Co30であり、その厚さは200nmであり、そのトラック幅は100nmであり、テーパ角度は80°だった。コイル引き出し線20の材質はCuであり、その厚さは1.5μmだった。ギャップ層29の材質はアルミナであり、そのギャップ長は80nmだった。電熱膜22a、22bの材質はTaであり、その厚さは100nmだった。絶縁膜23a、23bの材質はアルミナであり、その厚さは30nmだった。サイドシールド24a、24bの材質はNi90Al10であり、その厚さは200nmであり、キュリー温度は約150℃だった。絶縁膜121〜128の材質はアルミナだった。
(評価1)
作成した実施例の磁気ヘッドについて、オーバーライト特性、及び隣接トラックイレーズ(ATE)特性を評価した。これらの評価には、スピンスタンドを用いた。磁気記録ヘッドの傾斜角度すなわちスキュー角θは+15°、ヘッド周速は15m/sとした。測定に使用した記録媒体は、軟磁性裏打ち層を有する垂直二層型磁気記憶媒体であり、記録層の保磁力は4.5kOeだった。記録層への書き込み中、サイドシールド24bの温度が約100℃になるように、電熱膜22bへの投入電力を調整した。
〜オーバーライト特性の評価〜
オーバーライト特性は、以下のように測定して得られる出力電圧の出力比を用いて評価した。
(1) 記録媒体に記録トラックピッチを120nmとし、400kFCI(Flux
Change per Inch)のビットパターンを書き込んだ。
(2)書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定した。
(3) 400kFCIのビットパターンに、95kFCIのビットパターンを上書きした。
(4) 記録トラックに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、400kFCI成分の出力電圧Vを測定した。
(5) 以上のようにして求めたV及びVから、式(1)で表される出力電圧の出力比を求める。
(出力比/dB)=20・log(V/V) 式(1)
この出力比の絶対値が大きいほど、先に書き込んだ400kFCIの信号が消去されていることを示し、書き込み能力が高いことを示す。
〜ATE特性の評価〜
ATE特性は、以下のように測定して得られる出力電圧の減衰率を用いて評価した。ここでオーバーライト特性は、以下の手順で測定して得られる出力電圧の減衰率である。
(1) 記録媒体に記録トラックピッチを120nmとし、隣接記録トラック32a、及び32bに100kFCI(Flux Change per Inch)のビットパターンを書き込んだ。
(2) 隣接記録トラック32bに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定した。
(3) 書き込み対象の記録トラック31に、800kFCIのビットパターンを10,000回書き込んだ。
(4) 隣接記録トラック32bに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定した。
(5) 以上のようにして求めたV及びVから、式(4)で表される出力電圧の減衰率を求めた。
(減衰率)={(V−V)/V}×100 式(4)
この減衰率が小さいほど、ATEが抑制されていることを示す。
また、記録中に電熱膜22bに通電を行わずに上記と同様の測定を行う比較実験を行った。
(評価結果1)
+15°のスキュー角θを付与した状態で、電熱膜22bに通電する場合(実施例)と通電しない場合(比較例)について、オーバーライト特性ならびにATE特性を評価した結果を表1に示す。
オーバーライト特性は比較例よりも実施例の方が優れた値を示している。一方、ATE特性は実施例と比較例を比較して同程度の値となっている。このことから、実施例の磁気ヘッドは、記録磁界強度の著しい低下を抑え、かつ、ATEも抑制できることが分かる。
(評価2)
作成した実施例の磁気ヘッドについて、シーク時間と、サイドシールドが磁気遮蔽機能を失った状態からそれを回復するのに必要な時間との関係を評価した。これらの評価には、スピンスタンドを用いた。磁気記録ヘッドの傾斜角度すなわちスキュー角θは+15°とした。すなわち、記録トラックと磁気ヘッドの位置は、図4Aに示される状態である。ヘッド周速は15m/sとした。測定に使用した記録媒体は、軟磁性裏打ち層を有する垂直二層型磁気記憶媒体であり、記録層の保磁力は4.5kOeだった。記録層への書き込
み中、サイドシールド24bの温度が約100℃になるように、電熱膜22bへの投入電力を調整した。
サイドシールド24bの一部は記録トラック31と対向しているため、サイドシールド24bは書き込み動作を行う際に磁気遮蔽機能を失った状態、すなわち加熱された状態である必要がある。一方、サイドシールド24aは、主磁極19が隣接トラック32aへ磁界を印加するのを防ぐため、磁気遮蔽機能を有する状態、すなわち温度の低い状態である必要がある。評価2では、シーク時間として想定される1msec間に、サイドシールド24aは磁気遮蔽機能を失った状態(加熱された状態における定常温度)から磁気遮蔽機能を有する状態(加熱される前の定常温度)に回復するか否かを評価した。以下、評価手順を説明する。
[評価手順2−1:オーバーライト特性による評価]
(1)記録トラック31に記録トラックピッチを120nmとし、400kFCI(Flux Change per Inch)のビットパターンを書き込んだ。
(2)書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定した。
(3)ビットパターンを書き込んだ記録トラックに主磁極19が対向する状態で、電熱膜22aに3msecの間通電し、サイドシールド24aを加熱した。
(4)電熱膜22aへの通電を終了させると同時に、ビットパターンを書き込んだ記録トラックに主磁極19が対向する状態で、電熱膜22bへの通電を開始した。シーク時間として想定される1msecの間通電し、サイドシールド24bを加熱した。この間、サイドシールド24aは通電されておらず、冷却された。
(5)電熱膜22bへの通電を維持した状態で、400kFCIのビットパターンに、95kFCIのビットパターンを1msecの間上書きした。
(6) 記録トラックに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、400kFCI成分の出力電圧Vを測定した。
(7) 以上のようにして求めたV及びVから、式(1)で表される出力電圧の出力比を求めた。
(出力比/dB)=20・log(V/V) 式(1)
[評価手順2−2:ATE特性による評価]
(1) 記録トラック31に記録トラックピッチを120nmとし、隣接記録トラック32a、及び32bに100kFCIのビットパターンを書き込んだ。
(2) 隣接記録トラック32bに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定する。
(3) ビットパターンを書き込んだ記録トラックに主磁極19が対向する状態で、電熱膜22aに3msecの間通電し、サイドシールド24aを加熱した。
(4) 電熱膜22aへの通電を終了させると同時に、ビットパターンを書き込んだ記録トラックに主磁極19が対向する状態で、電熱膜22bへの通電を開始した。シーク時間として想定される1msecの間通電し、サイドシールド24bを加熱した。この間、
サイドシールド24aは通電されておらず、冷却された。
(5) 書き込み対象の記録トラック31に、800kFCIのビットパターンを1msecの間書き込んだ。
(6) (2)〜(5)を10,000回繰り返した。
(7) 隣接記録トラック32bに書き込んだビットパターンを再生ヘッドで読み出し、その出力電圧の振幅の平均値Vを測定した。
(8) 以上のようにして求めたV及びVから、式(4)で表される出力電圧の減衰率を求めた。
(減衰率)={(V−V)/V}×100 式(4)
(評価結果2)
上記手順で評価を行った場合(実施手順)と、それぞれ(3)の手順を行わないことを除き上記手順と同様の手順で評価を行った場合(比較手順)について、オーバーライト特性及びATE特性を評価した結果を表2に示す。
実施手順と比較手順のオーバーライト特性は同じであり、実施手順と比較手順のATE特性は同程度の値である。このことから、サイドシールドが磁気遮蔽機能を失った状態からそれを回復するのに必要な時間は、ヘッドのシーク時間よりも十分に短いことが分かった。
ここで再び、本発明の詳細な特徴を改めて説明する。
(付記1)
主磁極と、
前記主磁極の側面に設けられ、該主磁極からの磁気を遮蔽可能なシールド層と、
前記主磁極と前記シールド層との間に設けられたギャップ層と、
前記シールド層を加熱する加熱手段と、
を有することを特徴とする磁気ヘッド。
(付記2)
前記シールド層が、加熱により磁気遮蔽機能を失うことを特徴とする、付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記3)
更に、前記主磁極の前記シールド層が設けられた反対側の側面に設けられ、磁気を遮蔽する別のシールド層と、
前記主磁極と前記別のシールド層との間に設けられた別のギャップ層とを有し、
前記主磁極は前記シールド層と前記別のシールド層との間に設けられていることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記4)
更に、前記別のシールド層を加熱する別の加熱手段を有することを特徴とする付記3に記載の磁気ヘッド。
(付記5)
前記別のシールド層が、加熱により磁気遮蔽機能を失うことを特徴とする、付記4に記載の磁気ヘッド。
(付記6)
前記加熱手段が、通電により熱を発生する電熱膜を有することを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記7)
前記シールド層が通電により熱を発生することを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記8)
前記シールド層の少なくとも一部が、前記主磁極のキュリー温度よりも低いキュリー温度を有する軟磁性材料から構成されていることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。(付記9)
前記ギャップ層が非磁性材料からなることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記10)
磁気情報を記録するための記録層を備える磁気記憶媒体と、
前記記録層に磁界を印加するための主磁極と、
前記主磁極の側面に設けられ、該主磁極からの磁気を遮蔽可能なシールド層と、
前記主磁極と前記シールド層との間に設けられたギャップ層と、
を有する磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドの前記記憶媒体に対する位置に応じて、前記シールド層を加熱する加熱手段と
を有することを特徴とする磁気記憶装置。
(付記11)
前記別の加熱手段が、通電により熱を発生する別の電熱膜を含んでなることを特徴とする付記4に記載の磁気ヘッド。
(付記12)
前記別のシールド層が通電により熱を発生することを特徴とする付記4に記載の磁気ヘッド。
(付記13)
前記シールド層がNiを基とし、Al、Ti、Cr、Mo、Siの中から選択される少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記14)
前記加熱手段が、前記磁気ヘッドのスキュー角に応じて前記シールドを加熱する加熱手段であることを特徴とする付記10に記載の磁気記憶装置。
図1は、本発明のヘッドスライダを備えた磁気記憶装置を示す概略図である。 図2は、本発明のヘッドスライダを備えた磁気記憶装置を示す概略図である。 図3は、第1実施形態の磁気ヘッドの概略図である。 図4は、第1実施形態の磁気ヘッドが記憶媒体に対して記録を行う際の、磁気ヘッド及び記憶媒体の配置を示す上面図である。 図5は、第2実施形態の磁気ヘッドが記憶媒体に対して記録を行う際の、磁気ヘッド及び記憶媒体の配置を示す上面図である。 図6は、第3実施形態の磁気ヘッドが記憶媒体に対して記録を行う際の、磁気ヘッド及び記憶媒体の配置を示す上面図である。 図7は、第4実施形態の磁気ヘッドの概略図である。 図8は、第4実施形態の磁気ヘッドの製造工程を示した概略図である。 図9は、第4実施形態の磁気ヘッドの製造工程を示した概略図である。 図10は、第4実施形態の磁気ヘッドの製造工程を示した概略図である。 図11は、第4実施形態の磁気ヘッドの製造工程を示した概略図である。 図12は、第4実施形態の磁気ヘッドの製造工程を示した概略図である。 図13は、第4実施形態の磁気ヘッドの製造工程を示した概略図である。
符号の説明
1 磁気ヘッド
12 下部シールド
13 再生素子
14 上部シールド
15 補助磁極(リターンヨーク)
16 コイル
17 主磁極補助層
18 主磁極補助層
19 主磁極
20 コイル引き出し線
22a、22b 電熱膜
23a、23b 絶縁膜
24a、24b サイドシールド
25 浮上面
26 再生ヘッド部
27 記録ヘッド部
29 ギャップ層
31 書き込み対象の記録トラック
32a、32b 隣接記録トラック
100 磁気記憶装置(HDD)
102 ハウジング
103 回転軸
104 磁気ディスク
105 ヘッドスライダ
106 サスペンション
107 アーム軸
108 キャリッジアーム
109 電磁アクチュエータ
111 ハードディスクコントローラ(HDC)
112 マイクロコントロールユニット(MCU)
113 リードチャネル(RDC)及びサーボコントロール回路(SVC)
114 RAM
115 ROM
120 基板
121〜128 絶縁層
131 ヘッドIC(HDIC)
132 ボイスコイルモータ(VCM)
134 スピンドルモータ
136 ヒータ制御回路
137 ライトドライバ
138 リードプレアンプ
139 ヒータドライバ
140 SiO
141 レジスト膜
142 開口部

Claims (10)

  1. 主磁極と、
    前記主磁極の側面に設けられ、該主磁極からの磁気を遮蔽可能なシールド層と、
    前記主磁極と前記シールド層との間に設けられたギャップ層と、
    前記シールド層を加熱する加熱手段と
    を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記シールド層が、加熱により磁気遮蔽機能を失うことを特徴とする、請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 更に、前記主磁極の前記シールド層が設けられた反対側の側面に設けられ、磁気を遮蔽する別のシールド層と、
    前記主磁極と前記別のシールド層との間に設けられた別のギャップ層とを有し、
    前記主磁極は前記シールド層と前記別のシールド層との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  4. 更に、前記別のシールド層を加熱する別の加熱手段を有することを特徴とする請求項3に記載の磁気ヘッド。
  5. 前記別のシールド層が、加熱により磁気遮蔽機能を失うことを特徴とする、請求項4に記載の磁気ヘッド。
  6. 前記加熱手段が、通電により熱を発生する電熱膜を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  7. 前記シールド層が通電により熱を発生することを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  8. 前記シールド層の少なくとも一部が、前記主磁極のキュリー温度よりも低いキュリー温度を有する軟磁性材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  9. 前記ギャップ層が非磁性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  10. 磁気情報を記録するための記録層を備える磁気記憶媒体と、
    前記記録層に磁界を印加するための主磁極と、
    前記主磁極の側面に設けられ、該主磁極からの磁気を遮蔽可能なシールド層と、
    前記主磁極と前記シールド層との間に設けられたギャップ層と、
    を有する磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドの前記記憶媒体に対する位置に応じて、前記シールド層を加熱する加熱手段と
    を有することを特徴とする磁気記憶装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8189293B1 (en) 2011-04-28 2012-05-29 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Perpendicular magnetic recording head having a grooved wrap around shield and method for manufacturing the same
US8570683B2 (en) 2011-06-24 2013-10-29 HGST Netherlands B.V. Low permeability material for a side shield in a perpendicular magnetic head

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