JP2010061316A - 自走制御システムおよび自走制御方法 - Google Patents

自走制御システムおよび自走制御方法 Download PDF

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徹 高木
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Takeshi Mitamura
健 三田村
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Abstract

【課題】ユーザの相対位置の推定を行うことなく、ユーザに対する追従性能の向上が可能な自走システムを提供すること。
【解決手段】電波発信源を有するユーザの方向に対して自走する車両に搭載された自走制御システムにおいて、互いに重複する部分を有する所定の通信範囲をそれぞれ形成する複数の無線通信手段を備え、前記ユーザが、いずれの無線通信手段の通信範囲内に存在するかを推定し、その推定結果に基づき、車両の移動方向を決定することを特徴とする自走制御システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自走制御システムおよび自走制御方法に関するものである。
従来、ユーザが所有する電波発信器から送信される電波を、アンテナで受信し、受信した電波の受信強度に基づき、車両に対するユーザの相対位置を推定し、推定された相対位置に基づいて、ユーザが所有する電波発信器に向かって、自動運転する自走制御装置が知られている(特許文献1参照)
特開2003−177820号公報
しかしながら、上記従来技術では、アンテナに備えられた各励振素子により受信した電波の受信強度に基づき、車両に対するユーザの相対位置を推定するものであるため、ユーザの存在位置の推定精度を向上させ、これによりユーザに対する追従性能を向上させるためには、多くの励振素子を必要とするため、高価となってしまうという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、励振素子の受信強度などによるユーザの相対位置の推定を行うことなく、ユーザに対する追従性能の向上が可能な自走制御システムを提供することである。
本発明は、電波発信源を有するユーザの方向に対して自走する車両に搭載された自走制御システムにおいて、互いに重複する部分を有する所定の通信範囲をそれぞれ形成する複数の無線通信手段を備え、前記ユーザが、いずれの無線通信手段の通信範囲内に存在するかを推定し、その推定結果に基づき、車両の移動方向を決定することにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、自走制御システムに備えられた複数の無線通信手段の所定の通信範囲のうち、いずれの無線通信手段の通信範囲内にユーザが存在しているかに基づき、車両の移動方向を決定できるため、車両に対するユーザの相対位置を推定することなく、ユーザへの追従が可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は第1実施形態に係る車両1のシステム構成を示す図である。
図1に示すように、車両1は、3つの無線通信部(第1〜第3無線通信部)110,120,130およびCPU200を有している。CPU200は、車両1の自走制御システムを実行するための所定のプログラムを実装したROMを備えてなり、相対情報判断部210と、移動方向設定部220、駆動力制御部230とから構成される。そして、3つの無線通信部110,120,130から送信される信号が、CPU200の相対情報判断部210に入力され、入力された信号に基づき、移動方向設定部220により車両1の移動方向を設定し、CPU200の駆動力制御部230から駆動輪300に備えられたインホイールモータに、駆動指令信号が送信され、これにより駆動輪300が駆動して、車両1が移動可能となっている。
なお、本実施形態では、本発明の自走制御システムを備えた車両1として、図1に示すように二輪の駆動輪300を有するものを例示して、以下説明を行うが、車両1としては、二輪のものに限定されず、三輪、四輪のいずれであってもよい。
第1〜第3無線通信部110,120,130は、ユーザが有する電波発信源から発信された電波を受信し、受信した電波を信号に変換して、CPU200の相対情報判断部210に送信する。本実施形態では、各無線通信部110,120,130として、受信特性(受信エリア)として、電波が指向性なく伝播する無指向性アンテナと、アンテナで受信した電波を信号に変換するコントローラと、を有するものを用いる。なお、コントローラは、各無線通信部110,120,130に対して、1つとされ、これら各無線通信部110,120,130を構成する無指向性アンテナとは別に設けられる。
図2は、第1実施形態における一場面例を示す図であり、図2中においては、車両1と、車両1に備えられた第1〜第3無線通信部110,120,130と、第1〜第3無線通信部110,120,130の各通信範囲111,121,131と、電波発信源を所有するユーザと、を図示している。
第1〜第3無線通信部110,120,130は、図2に示すように、所定の円100上に配置され、かつこれら第1〜第3無線通信部110,120,130は、それぞれ等間隔となるように搭載される。すなわち、第1〜第3無線通信部110,120,130は、円100を重心とする正三角形の各頂点に位置するように搭載される。
図2に示すように、各無線通信部110,120,130は、本実施形態では、無指向性アンテナであるため、各無線通信部を中心とした円状に広がった所定の通信範囲を有することとなる。すなわち、第1無線通信部110は第1通信範囲111を、第2無線通信部120は第2通信範囲121を、第3無線通信部130は第3通信範囲131を、それぞれ有し、これら各通信範囲をユーザが有する電波発信源からの電波を受信するための通信エリアとして設定する。
なお、各無線通信部110,120,130の各通信範囲111,121,131の通信距離(すなわち、各無線通信部から、各通信範囲の外縁までの距離)としては、特に限定されず、車両1の用途に応じて適宜設定すればよいが、たとえば、5m程度とすることができる。また、各通信範囲111,121,131の通信距離としては、車両1の用途に応じて適切な距離とすればよく、各無線通信部110,120,130により設定可能な最大の通信距離である通信可能距離に、必ずしも設定する必要はない。
図2において、たとえば、第2無線通信範囲121は、エリアA,D,F,Gから構成され、エリアAは第2無線通信範囲121のみがカバーするエリアであり、第2無線通信部120のみの通信エリアとなる。また、エリアDは第2無線通信範囲121および第3無線通信範囲131がカバーするエリアであり、第2無線通信部120および第3無線通信部130の両方の通信エリアとなる。同様に、エリアFは第2無線通信範囲121および第1無線通信範囲111がカバーするエリア、エリアGは第2無線通信範囲121、第1無線通信範囲111および第3無線通信範囲の全てがカバーするエリアである。
たとえば、図2に示す場面例においては、ユーザがエリアA内に存在しているため、ユーザは、第2無線通信部120のみの通信エリアに存在することとなる。
相対情報判断部210は、各無線通信部110,120,130からの信号が入力され、入力された信号を用いて、車両1(各無線通信部110,120,130)と、電波発信源を有するユーザとの間の距離である相対距離の算出を行う。そして、相対情報判断部210は、算出された相対距離のデータを移動方向設定部220および駆動力制御部230に送信する。
移動方向設定部220は、相対情報判断部210により算出された車両1(各無線通信部110,120,130)と、電波発信源を有するユーザとの間の距離である相対距離に基づき、各無線通信部110,120,130の各通信範囲111,121,131に電波発信源を有するユーザが存在するか否かを判断する。そして、各通信範囲111,121,131のうち、少なくとも一つの通信範囲内に、電波発信源を有するユーザが存在した場合には、いずれの通信範囲111,121,131内にユーザが存在しているか否かの情報に基づき、車両1が移動すべき方向を設定する。そして、移動方向設定部220は、設定した車両1の移動方向のデータを駆動力制御部230に送信する。
また、移動方向設定部220は、ベクトル合成部221を備えており、車両1の移動方向を設定する際に、必要に応じてベクトル合成部221によりベクトル合成を行い、その結果を用いて移動方向を決定する。なお、この点については、後述する。
駆動力制御部230は、移動方向設定部220により設定された車両1が移動すべき方向のデータに基づき、駆動輪300を駆動するための駆動信号を算出し、算出した駆動信号を、一対の駆動輪300に備えられたインホイールモータに送信する。
駆動輪300は、インホイールモータを備え、駆動力制御部230から受信した駆動信号に基づき、車両1を移動させる。
次いで、本実施形態における自走制御の工程を、図2に示す場面を例示して、図3A、図3Bに示すフローチャートに沿って説明する。図3Aは第1実施形態における自走制御の工程を示すフローチャート(その1)、図3Bは第1実施形態における自走制御の工程を示すフローチャート(その2)である。ここで、図2は、ユーザがエリアA内に存在している状況を示しており、図2示す具体的な場面としては、たとえば、ユーザがショッピングセンターで買い物を終え、先行するユーザに対して車両1が追従して、自家用車の停車場所まで移動する場面などが挙げられ、図2に示す例においては、各無線通信部110,120,130の通信距離を5mに設定した状態を例示している。
まず、ステップS101では、ユーザが有する電波発信源から発信された電波が、車両1に搭載された第1〜第3無線通信部110,120,130の全てに到達しているか否かを確認する。第1〜第3無線通信部110,120,130の全てに、電波発信源からの電波が到達している場合には、ステップS102に進む。一方、第1〜第3無線通信部110,120,130の全て、あるいは一部に、電波発信源からの電波が到達していない場合には、ステップS1を繰り返し、再度、所定時間経過後に、電波発信源からの電波が到達しているか否かを確認する。なお、第1〜第3無線通信部110,120,130に、電波発信源からの電波が到達しているか否かは、各無線通信部110,120,130を構成するアンテナ、または各無線通信部110,120,130に備えられたコントローラにより判断する。また、電波発信源からの電波の到達距離は、各無線通信部110,120,130の通信範囲111,121,131を規定している通信距離よりも、通常、大きく設定されている。
ステップS102では、第1〜第3無線通信部110,120,130が、ユーザが所有する電波発信源からの電波を受信し、受信した電波を信号に変換して、CPU200の相対情報判断部210に送信する。
ステップS103では、CPU200に記憶されている無線通信部特定用の変数「i」を「i=1」とし、ステップS104に進む。ここで、変数「i」は、各無線通信部110,120,130を特定するためのファクターであり、本実施形態では、第1無線通信部110には「i=1」が、第2無線通信部120には「i=2」が、第2無線通信部130には「i=3」が、それぞれ割り振られる。
ステップS104では、相対情報判断部210が、電波発信源を有するユーザと、変数「i」で特定された無線通信部(i)(たとえば、無線通信部(1)は、第1無線通信部110を意味する。以下、同様。)との間の距離である相対距離を算出する。そして、相対情報判断部210は、算出された相対距離情報を移動方向設定部220に送信する。
なお、本実施形態において、相対情報判断部210により、電波発信源を有するユーザと、各無線通信部との相対距離を算出する方法としては、たとえば、各無線通信部が受信する電波の強度に基づいて算出する方法や、各無線通信部が受信する電波の到達時間を利用する方法などが挙げられる。
電波の強度に基づいて算出する方法によれば、障害物の影響を受け易いものの、比較的に簡易な装置で、電波発信源を有するユーザと、各無線通信部との相対距離の測定が可能となる。また、電波の到達時間を利用する方法によれば、ユーザの有する電波発信源と、車両1に搭載されるCPU200との時刻同期が必要となるものの、比較的高い精度で、電波発信源を有するユーザと、各無線通信部との相対距離の測定が可能となる。なお、電波の到達時間を利用する方法における時刻同期としては、電波発信源の時刻と、車両1に搭載されるCPU200の時刻とを完全に同期させる方法、または電波発信源を、各無線通信部から等距離の位置に置いた状態で、誤差の測定を行い、測定した誤差に基づき時刻のずれを補正する方法などが挙げられる。
ステップS105では、移動方向設定部220が、相対情報判断部210で算出されたユーザと無線通信部(i)との相対距離情報に基づき、変数「i」で特定された無線通信部(i)の所定の通信範囲内に、ユーザが存在するか否かを判断する。具体的には、ユーザと無線通信部(i)との相対距離と、無線通信部(i)の通信距離(たとえば、図2に示す例においては、5m)とを比較し、相対距離より通信距離が小さい場合には、無線通信部(i)の所定の通信範囲内に、ユーザが存在すると判断する。
たとえば、図2に示す例においては、「i」=1である場合には、無線通信部(1)、すなわち第1無線通信部110の通信範囲111(エリアC,E,F,G)外にユーザが存在する。よって、移動方向設定部220は、相対情報判断部210で算出されたユーザと第1無線通信部110との相対距離が、無線通信部110の中心から円状の通信範囲111の外縁までの距離よりも遠いため、結果として、第1無線通信部110の通信範囲111内にユーザが存在しないと判断する。
同様に、図2に示す例において、「i」=3である場合にも、無線通信部(3)、すなわち第3無線通信部130の通信範囲131(エリアB,D,E,G)外にユーザが存在する。そのため、移動方向設定部220は、第3無線通信部130の通信範囲131内にユーザが存在しないと判断する。
一方、図2に示す例において、「i」=2である場合には、無線通信部(2)、すなわち第2無線通信部120の通信範囲121(エリアA,D,F,G)内にユーザが存在する。よって、移動方向設定部220は、相対情報判断部210で算出されたユーザと第2無線通信部120との相対距離は、無線通信部120の中心から円状の通信範囲121の外縁までの距離の範囲内であるため、第2無線通信部120の通信範囲121内にユーザが存在すると判断する。
ステップS105において、無線通信部(i)の所定の通信範囲内に、ユーザが存在すると判断された場合には、ステップS106に進み、移動方向設定部220は、無線通信部(i)の通信範囲内にユーザが存在するか否かを示すフラグであるFlag(i)を、「Flag(i)=1」とする。一方、ステップS105において、無線通信部(i)の所定の通信範囲内に、ユーザが存在しないと判断された場合には、ステップS107に進み、移動方向設定部220は、Flag(i)を、「Flag(i)=0」とする。
たとえば、図2に示す例においては、「i」=1である場合には、無線通信部(1)、すなわち、第1無線通信部110の通信範囲111内にユーザが存在しないため、ステップS107に進み、「Flag(1)=0」に設定される。一方、図2に示す例においては、「i」=2である場合には、無線通信部(2)、すなわち、第2無線通信部120の通信範囲121内にユーザが存在しているため、ステップS106に進み、「Flag(2)=1」に設定される。
次いで、ステップS108において、「i=i+1」とし、ステップS109において、変数「i」が、「i≧N+1」となっていない場合には、ステップS104に戻り、ステップS104〜S107の操作を繰り返し、順次、Flag(i)を算出していく。なお、「N」は、車両1に搭載される無線通信部の数であり、図2に示す例においては「N=3」である。すなわち、図2に示す例においては、「i=3」となるまでステップS104〜S107の操作を繰り返えす。そして、ステップS109において、変数「i」が、「i≧N+1」となった場合に、ステップS110に進む。
ステップS110では、移動方向設定部220が、ステップS104〜S107において算出したFlag(i)に基づき、電波発信源を有するユーザが、各無線通信部における通信範囲のうちの、いずれのエリアに存在しているかを特定する。たとえば、図2に示す例においては、ステップS104〜S107において算出されるFlag(i)は、それぞれ、以下の通りとなる。
Flag(1)=0
Flag(2)=1
Flag(3)=0
そのため、移動方向設定部220は、第2無線通信部120の通信範囲121内であって、第1および第3無線通信部110,130の第1および第3通信範囲111,131外のエリアであるエリアAに、電波発信源を有するユーザが存在していると特定する。
ステップS111では、移動方向設定部220が、各無線通信部に対応した方向軸を設定する。たとえば、図2に示す例においては、第1無線通信部110の方向軸である第1方向軸として、各無線通信部110,120,130が配置された円100の中心と、第1無線通信部110に隣接する第2無線通信部120の第2通信範囲121の外縁と、同じく第1無線通信部110に隣接する第3無線通信部130の第3通信範囲131の外縁との交点を通る軸を設定する。同様に、第2無線通信部120の方向軸である第2方向軸として、円100の中心と、第2無線通信部120にそれぞれ隣接する、第1無線通信部110の第1通信範囲111の外縁と、第3無線通信部130の第3通信範囲131の外縁との交点を通る軸を設定する。さらに同様に、第3無線通信部130の方向軸である第3方向軸として、円100の中心と、第3無線通信部130にそれぞれ隣接する、第1無線通信部110の第1通信範囲111の外縁と、第2無線通信部120の第3通信範囲121の外縁との交点を通る軸を設定する。
なお、図2に示すように、本実施形態においては、第1方向軸は、エリアC,G,Dを通る軸となり、同様に、第2方向軸は、エリアA,G,Eを通る軸となり、第3方向軸は、エリアB,G,Fを通る軸となる。
さらに、本実施形態においては、各無線通信部110,120,130は、円100上に等間隔に配置されているため、第1無線通信部110の第1方向軸は、図2に示すように、無線通信部110から円100の中心方向に向かう軸となる。また、同様に、第2無線通信部120の第2方向軸は、無線通信部120から円100の中心方向に向かう軸となり、第3無線通信部130の第3方向軸は、無線通信部130から円100の中心方向に向かう軸となる。
ステップS112では、移動方向設定部220が、ステップS104〜S107において算出されたFlag(i)に基づき、その通信範囲内にユーザが存在しないと判断された無線通信部(i)に対応する方向軸上に、単位ベクトルを設定する。たとえば、図2に示す例においては、第1および第3無線通信部110,130は、その通信範囲である、第1および第3通信範囲111,131にユーザが存在しないと判断される。そのため、図4Aに示すように、これら第1および第3無線通信部110,130に対応する第1方向軸および第3方向軸上に、第1および第3無線通信部110,130から、円100の中心方向に向かう単位ベクトルである第1方向ベクトルおよび第3方向ベクトルが設定される。なお、図4Aは、図2に示す場面例における自走制御の工程を示す図である。
なお、ステップS112においては、その通信範囲内にユーザが存在しないと判断された無線通信部(i)に対応する方向軸上に、単位ベクトルを設定する代わりに、その通信範囲内にユーザが存在すると判断された無線通信部(i)に対応する方向軸上に、単位ベクトルを設定する方法を採用しても良い。たとえば、図2に示す例においては、第2無線通信部120に対応する第2方向軸上に、円100の中心から、第2無線通信部120方向に向かう単位ベクトルを設定し、これを用いても良い。
ステップS113では、移動方向設定部220が、ステップS112において設定した単位ベクトルが複数存在するか否かを判断する。単位ベクトルが複数存在する場合には、ステップS114に進み、一方、単位ベクトルが1つの場合には、ステップS115に進む。なお、図4Aに示す例においては、第1方向ベクトルおよび第3方向ベクトルの2つの単位ベクトルが設定されているため、ステップS114に進む。
ステップS114では、移動方向設定部220が、図1に示すベクトル合成部221により、複数の単位ベクトルを合成し、合成ベクトルを得て、得られた合成ベクトルを車両1の移動方向に設定する。また、移動方向設定部220は、車両1の移動方向上に、仮想ユーザを設定して、車両1が仮想ユーザに向かって移動するように、移動方向のデータを駆動力制御部230に送信する。なお、図4Aに示す例においては、第1方向ベクトルおよび第3方向ベクトルを合成することにより、第2方向軸上に合成ベクトルを得ることができ、この合成ベクトルを車両1の移動方向に設定する。
一方、ステップS115では、移動方向設定部220が、設定された1つの単位ベクトルを車両1の移動方向に設定する。同様に、移動方向設定部220は、車両1の移動方向上に、仮想ユーザを設定して、車両1が仮想ユーザに向かって移動するように、移動方向のデータを駆動力制御部230に送信する。
ステップS116では、駆動力制御部230が、移動方向設定部220から受信した移動方向のデータと、現在の車両1の進行方向(図2に示す例においては、第1無線通信部110の設置方向)とが一致しているか否かを判断する。移動方向設定部220により設定された移動方向と、現在の車両1の進行方向とが一致している場合には、ステップS118に進む。一方、移動方向設定部220により設定された移動方向と、現在の車両1の進行方向とが一致していない場合には、ステップS117に進み、車両1を回転させる。
ステップS117では、駆動力制御部230が、駆動輪300に備えられたインホイールモータに、駆動指令信号を送信し、移動方向設定部220により設定された移動方向と、車両1の進行方向とを一致させるために、車両1を回転させる。たとえば、図4Aに示す例においては、ベクトル合成部221により得られた合成ベクトルの向き(仮想ユーザの存在する方向)と、車両1の進行方向とが一致していない。そのため、図4Bに示すように、ベクトル合成部221により得られた合成ベクトルの向き(仮想ユーザの存在する方向)と、車両1の進行方向とを一致させるために、車両1を回転させる。ここで、図4Bは、図4Aの続きの工程を示す図である。
なお、図2に示すように、第1方向軸上に存在し、その軸方向が第1方向軸と反対の方向の軸をX軸とし、第1〜第3方向軸と同一平面上に存在し、X軸と垂直な方向の軸をY軸とし、現在の車両1の進行方向と車両1の回転すべき方向との角度をθとし、仮想ユーザのX軸、Y軸上の位置を(x,y)、回転後の仮想ユーザの位置を(x’,y’)とした場合に、以下の関係が成立する。ここにおいて、X軸、Y軸は、第1〜第3方向軸との関係で定義されるものであるため、第1〜第3方向軸は車両1が回転するとそれに伴い回転するものであるため、車両1が回転すると、X軸、Y軸も回転することとなる。また、仮想ユーザは、車両1周囲を−θだけ回転することとなるため、回転後の仮想ユーザの位置(x’,y’)は、以下の式で表されることとなる。
x’=x・cos(−θ)−y・sin(−θ)
=x・cosθ+y・sinθ
y’=x・sin(−θ)+y・cos(−θ)
=−x・sinθ+y・cosθ
ステップS118では、駆動力制御部230が、駆動輪300に備えられたインホイールモータに、駆動指令信号を送信することで、車両1を進行方向に向かって移動させる。車両1の移動距離としては特に限定されず、車両1の用途や、各無線通信部110,120,130の通信範囲111、121、131の大きさに応じて適宜設定すればよい。図4Bに示す例においては、車両1が仮想ユーザに向かって移動することにより、図4Cに示すように車両1は仮想ユーザに接近する。ここで、図4Cは、図4Bの続きの工程を示す図である。なお、車両1の移動量をaとし、車両1が移動する前における仮想ユーザの位置を(x’,y’)とし、車両1が移動した後における仮想ユーザの位置を(x’ ’,y’ ’)とすると、以下の関係が成立する。
x’ ’=x’ −a
y’ ’=y’
なお、ステップS117、S118における移動方法は、車両1が図1に示すように二輪の駆動輪300を有する車両である場合の移動方法であり、この場合には、車両1に設けられた一対の駆動輪300の差動を利用して、直進および回転を行うことができる。あるいは、車両1が、転舵輪を有する車両の場合には、転舵輪を左右に切ることで、車両の向きを変えることができるため、車両を回転させる方法に変えて、転舵輪を左右に切る方法を採用すれば良い。
ステップS119では、車両1の移動前における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数を「M」とした場合に、車両1の移動後における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数が「M+1以上」となっているか否かを判断する。すなわち、車両1が移動した結果、移動前に比べて、より多くの無線通信部の通信範囲内にユーザが存在することとなったか否か(ユーザと車両1との間の相対距離が縮まったか否か)を判断する。
たとえば、図4Aに示す車両1の移動前においては、ユーザは、第2無線通信部120の通信範囲121のみに存在していたのに対し(すなわち、M=1)、図4Cに示す車両1の移動後においては、ユーザは、第1無線通信部110の通信範囲111および第3無線通信部130の通信範囲131の2つ通信範囲内に存在することとなる(すなわち、車両1の移動後における、ユーザが存在する通信範囲の数が「M+1=2」となる)。よって、この場合には、ステップS120に進む。
一方、車両1の移動後における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数が「M+1以上」となっていない場合には、ユーザと車両1との間の相対距離をさらに縮めるために、ステップS101に戻り、再びステップS101〜ステップS119までの操作を繰り返す。
なお、ステップS119において、車両1の移動後における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数が「M+1以上」となっているか否かを判断する方法としては特に限定されないが、たとえば、上述のステップS101〜ステップS110の操作を繰り返す方法などが挙げられる。
ステップS120では、移動方向設定部220が、車両1に搭載されている無線通信部の数「N」と、車両1の移動後における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数とが等しいか否かを判断する。無線通信部の数「N」と、ユーザが存在する通信範囲の数とが等しい場合には、車両1のユーザへの追従状態が高い状態にあると判断し、自走制御工程が終了し、車両1は、ユーザが再び移動するまで待機する。一方、無線通信部の数「N」と、ユーザが存在する通信範囲の数とが等しくない場合には、ユーザと車両1との間の相対距離をさらに縮めるために、ステップS101に戻り、再びステップS101〜ステップS120までの操作を繰り返す。
たとえば、図4Cに示す例では、車両1が移動することにより、ユーザは、第1無線通信部110の通信範囲111および第3無線通信部130の通信範囲131の2つ通信範囲内に存在することとなったものの、未だ全ての無線通信部110,120,130の通信範囲111,121,131内に存在する状態とはなっていない。そのため、再度ステップS101に戻り、ステップS101〜S111までの操作を行われる。そして、ステップS112において、図4Dに示すように、その通信範囲である第2通信範囲121内にユーザが存在しないと判断され、第2無線通信部120に対応する第2方向軸上に第2方向ベクトルが設定される。ここで、図4Dは、図4Cの続きの工程を示す図である。
そして、図4Dに示す例においては、単位ベクトルの数が複数ではないため(ステップS113)、移動方向設定部220により、単位ベクトルの向きが車両1の移動方向に設定される(ステップS115)。そして、移動方向設定部220により設定された移動方向と車両1の進行方向とが一致しないため(ステップS116)、図4Eに示すように、車両1を、その進行方向が移動方向設定部220により設定された移動方向(仮想ユーザの存在する方向)と一致するように回転させる(ステップS117)。ここで、図4Eは、図4Dの続きの工程を示す図である。
さらに、図4Fに示すように、車両1が仮想ユーザに向かって移動し、車両1は仮想ユーザに接近する(ステップS118)。そして、図4Cに示す車両1の移動前においては、ユーザは、第1無線通信部110の通信範囲111および第3無線通信部130の通信範囲131の2つ通信範囲内に存在していたのに対し(すなわち、M=2)、図4Fに示す車両1の移動後においては、ユーザは、全ての無線通信部110,120,130の通信範囲111,121,131に存在することとなる(すなわち、車両1の移動後における、ユーザが存在する通信範囲の数がM+1=3)。そして、ステップS120に進み、車両1に搭載されている無線通信部の数「N」と、車両1の移動後における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数とが共に3で等しいため、車両1のユーザへの追従状態が高い状態にあると判断し、自走制御工程が終了し、車両1は、ユーザが再び移動するまで待機する。
図2に示す場面例においては、このようにしてユーザに対する追従を行う。
なお、上記とは異なり、本実施形態における別の場面例を示す図5Aに示すように、たとえば、ユーザが第2方向軸上に存在する場合には、上述した図2、図4A〜図4Fに示した例における仮想ユーザの位置と、実際のユーザ位置とが一致することとなる。
そして、図5Aに示す場面例においては、ユーザが第2方向軸上に存在するため(ステップS101〜S110)、実際のユーザの位置の座標を(x,y)とすることができ、図5Bに示すように、車両1を第1方向ベクトルと第3方向ベクトルとの合成ベクトルの方向に回転させ(ステップS111〜S117)、図5Cに示すように、車両1をその進行方向に移動させる(ステップS118)ことにより、車両1を実際のユーザの位置に向かって、移動させることが可能となる。
そのため、図5Aに示すように、ユーザが第1〜第3方向軸のいずれかの軸上に存在する場合には、上述した図2、図4A〜図4Fに示す場合と比較して、車両1のユーザに対する追従動作、すなわち、ユーザを追従するための回転回数および直進距離を削減することができ、結果として、車両1のユーザに対する追従を効率的に行うことができる(図2、図4A〜図4Fに示す例においては、車両1の回転動作および移動動作が2回必要であったが、図5A〜図5Cに示す例においては、車両1の回転動作および移動操作は1回。)。なお、図5Bは、図5Aに示す場面例における自走制御の工程を示す図、図5Cは、図5Bの続きの工程を示す図である。
また、本実施形態におけるさらに別の場面例を示す図6Aのように、たとえば、ユーザが第1無線通信部110の通信範囲111および第2無線通信部120の通信範囲121の2つの通信範囲内に存在している場合には、その通信範囲内にユーザが存在しないと判断された無線通信部(i)は、第3無線通信部130の通信範囲131のみとなり(ステップS101〜S111)、そのため、設定される単位ベクトルも第3方向軸に設定される第3方向ベクトル1つのみとなる(ステップS112)。そして、この場合には、ベクトル合成部221によるベクトル合成が不要となり(ステップS113〜S115)、車両1の移動方向を算出するための演算処理の低減が可能となる。
加えて、図6Aに示す場面例においては、ユーザが既に2つの通信範囲内に存在しているため、図6B、図6Cに示すように、車両1は一度の回転動作(図6B)および一度の移動(図6C)にて、ユーザの追従を行うことができる(ステップS116〜S120)。なお、図6Bは、図6Aに示す場面例における自走制御の工程を示す図、図6Cは、図6Bの続きの工程を示す図である。
また、本実施形態において、各無線通信部110,120,130の通信範囲111,121,131を規定する通信距離を、たとえば、5mと設定した場合であっても、各無線通信部110,120,130の通信状況によっては、ノイズなどの影響により、その通信範囲111,121,131に誤差が含まれる場合も想定される。そして、各通信範囲111,121,131に含まれるこのような誤差は、必ずしも一定でない場合が多い。そのため、このような場合においては、図7に示すように、まず、所定時間において、各無線通信部110,120,130の通信可能距離が最小であった時の距離を半径とする最小通信範囲111’,121’ ,131’、および、所定時間において、各無線通信部110,120,130の通信可能距離が最大であった時の距離を半径とする最大通信範囲111’ ’,121’ ’ ,131’ ’を設定する。
そして、このような場合においては、各無線通信部110,120,130の通信範囲を、最小通信範囲111’,121’ ,131’に設定して、ユーザの追従を行うこととする。各無線通信部110,120,130の通信範囲を、最小通信範囲111’,121’ ,131’とすることにより、通信範囲に誤差が含まれる場合においても、良好にユーザへの追従を行うことができる。なお、各無線通信部110,120,130の実際の通信範囲111,121,131の外縁は、これら最小通信範囲111’,121’ ,131’の外縁と、最大通信範囲111’ ’,121’ ’ ,131’ ’の外縁との間に存在することとなる。
第1実施形態によれば、車両1に搭載された各無線通信部110,120,130と、ユーザとの相対距離をそれぞれ算出し、各無線通信部110,120,130における通信範囲111,121,131のうち、いずれの通信範囲内にユーザが存在するかを判断し、これに基づき、図2に示すエリアA〜Gのいずれに存在しているかを判断し、これに基づき、車両1の移動方向を決定する。そのため、第1実施形態によれば、車両1に対するユーザの存在位置を推定することなく、ユーザへの追従が可能となる。特に、第1実施形態によれば、各無線通信部110,120,130とユーザとの間の相対距離を算出する際に、誤差が含まれている場合でも、良好に車両1の移動方向を決定することができ、これにより、ユーザへの追従を良好に行うことができる。また、第1実施形態によれば、ユーザの存在位置を推定することなく、ユーザへの追従が可能となるため、自走制御に係るシステムの簡略化を図ることができる。
さらに、第1実施形態では、各無線通信部110,120,130を、所定の円100上であり、かつ、これら各無線通信部の間の距離が最大となるように、搭載している。そのため、各無線通信部110,120,130により形成される通信エリア(図2に示すエリアA〜G、特に、エリアG以外のエリア)を大きくすることができ、これにより、ユーザが存在するエリアを判断し易くすることができ、結果として、車両1のユーザに対する追従精度を向上させることができる。
加えて、第1実施形態では、各無線通信部110,120,130を、ユーザが有する電波発信源から発信された電波を受信する3つの無指向性アンテナと、アンテナで受信した電波を信号に変換する1つのコントローラで構成するため、ユーザと車両との相対距離を算出するシステムを簡素化することができ、これにより、コスト削減を図ることができる。
なお、第1実施形態においては、車両1に搭載されている無線通信部の数「N」と、車両1の移動後における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数とが等しくなるまで、上述した制御を繰り返す構成としたが(ステップS120)、必ずしも、無線通信部の数「N」とユーザが存在する通信範囲の数とが等しくなるまで、上述した制御を繰り返す構成とする必要はなく、次のような構成としてもよい。すなわち、たとえば、ステップS119において、車両1の移動前における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数を「M」とした場合に、車両1の移動後における、無線通信部の通信範囲のうち、ユーザが存在する通信範囲の数が「M+1以上」となり、移動前に比べて、より多くの無線通信部の通信範囲内にユーザが存在することとなったことを条件として、制御を終了するような構成としてもよい。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態を、図8、図9に基づいて説明する。図8は第2実施形態における第1〜第6無線通信部110,120,130,140,150,160の通信範囲を示す図、図9は第2実施形態におけるユーザの追従方法を説明するための図である。
図8に示すように、第2実施形態の車両1aは、第1〜第6無線通信部110,120,130,140,150,160の6つの無線通信部を有している。そして、これら各無線通信部110,120,130,140,150,160は、図8に示すように、所定の円100上に、60°ごとに等間隔に配置されている。また、各無線通信部110,120,130,140,150,160は、第1実施形態と同様に、それぞれ、第1〜第6通信範囲111,121,131,141,151,161を有している。なお、図8、図9においては、車両の進行方向と垂直な方向を0°方向および180°方向と仮定して、車両1a周りの角度を30°ごとに示した。
なお、第2実施形態の車両1aは、無線通信部を6つ有する以外は、第1実施形態と同様の構成を有しており、第1実施形態と同様に動作するものである。
ここで、図8に示すように、車両1aが停止している一方で、ユーザが車両1aから離れる方向に向かって直線的に移動した場合を想定する。具体的には、図9に示すように、ユーザが時間の経過と共に、A0〜A4に示す位置を、A0(時刻T0)、A1(時刻T1)、A2(時刻T2)、A3(時刻T3)、A4(時刻T4)の順に移動した場合を想定する。
この場合において、まず、ユーザがA0(時刻T0)の位置に存在する場合には、ユーザは、第1〜第3、第5、第6無線通信部110,120,130,150,160の各通信範囲111,121,131,151,161内に存在することとなる。そのため、移動方向設定部220により推定される車両1aの移動方向は、所定の円100の中心から、第4無線通信部に隣接する第3無線通信部130の第3通信範囲131の外縁と同じ第4無線通信部に隣接する第5無線通信部150の第5通信範囲151の外縁との交点に向かう単位ベクトルの方向、すなわち、図9における30°の方向となる。
次いで、ユーザがA0(時刻T0)の位置から、A1(時刻T1)の位置に移動した場合には、ユーザは、第1〜第3、第6無線通信部110,120,130,160の各通信範囲111,121,131,161内に存在することとなる。そのため、移動方向設定部220により推定される車両1aの移動方向は、30°方向の単位ベクトル(所定の円100の中心から、第3無線通信部130の第3通信範囲131の外縁と第5無線通信部150の第5通信範囲151の外縁との交点に向かう単位ベクトル)と90°方向の単位ベクトル(所定の円100の中心から、第4無線通信部140の第4通信範囲141の外縁と第6無線通信部160の第6通信範囲161の外縁との交点に向かう単位ベクトル)との合成ベクトルの方向、すなわち、図9における60°方向となる。
同様に、ユーザがA2(時刻T2)の位置に移動した場合には、車両1aの移動方向は図9に示す30°方向となる。さらに、ユーザがA3(時刻T3)の位置に移動した場合には、車両1aの移動方向は図9に示す60°方向となり、ユーザがA4(時刻T4)の位置に移動した場合には、車両1aの移動方向は図9に示す30°方向となる。
すなわち、車両1aの移動方向は、
A0(時刻T0)の位置:30°方向
A1(時刻T1)の位置:60°方向
A2(時刻T2)の位置:30°方向
A3(時刻T3)の位置:60°方向
A4(時刻T4)の位置:30°方向
となり、このことより、車両1aは、30°方向または60°方向のいずれかの方向に移動することにより、ユーザへの追従動作が可能となると判断される。
そしてこれにより、第2実施形態によれば、車両1aの移動すべき方向のうち一方の方向(たとえば、30°方向)に障害物がある場合でも、移動すべき方向のうち他方の方向(たとえば、60°方向)に移動することにより、障害物を回避しながら、ユーザへの追従が可能となる。
また、第2実施形態によれば、時間の経過により、車両1aの移動方向が30°方向および60°方向に変化することから、実際のユーザの位置が30°方向と60°方向との間であることも推定できる。すなわち、第1〜第6無線通信部110,120,130,140,150,160の設置間隔である60°よりも、狭い角度間隔である30°間隔で、実際のユーザの位置を推定することができる。
さらに、第2実施形態によれば、たとえば、時刻T0の時点でユーザの存在するエリアを特定できなかった場合でも、その後の時刻T1や時刻T2において、ユーザの存在するエリアを特定することができ、これにより、ユーザへの追従動作を可能とすることができる。
加えて、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様にして、ユーザの追従を行うことができるため、第1実施形態と同様に、車両1aに対するユーザの存在位置を推定することなく、ユーザへの追従が可能となる。しかも、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1〜第6無線通信部110,120,130,140,150,160を等間隔に搭載しているため、各無線通信部110,120,130,140,150,160により形成される通信エリアを大きくすることができ、これにより、ユーザが存在するエリアを判断し易くすることができ、結果として、車両1aのユーザに対する追従精度を向上させることができる。
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態を、図10〜図12に基づいて説明する。図10は、第3実施形態に係る車両1bのシステム構成を示す図、図11は第3実施形態における一場面例を示す図、図12は第3実施形態における自走制御の工程を示すフローチャートである。
図10に示すように、第3実施形態に係る車両1bは、移動方向設定部220が、ベクトル合成部221に加えて、通信範囲変更部222および通信範囲外移動指示部223を有する構成となっている点において、第1実施形態と異なる以外は、第1実施形態と同様の構成を有するものである。
第3実施形態に係る移動方向設定部220は、車両1bの移動方向を設定する他、通信範囲変更部222により、第1〜第3無線通信部110,120,130の通信範囲111,121,131内のいずれにもユーザが存在しない場合に、各通信範囲111,121,131を規定している通信距離を変更する。たとえば、図11に示す例では、通信範囲111,121,131内のいずれにもユーザが存在しないため、通信範囲変更部222は、各通信範囲を拡大し、通信範囲111a,121a,131aとする。
また、第3実施形態において、移動方向設定部220は、通信範囲変更部222により、各通信範囲111,121,131を変更した結果、各通信範囲111,121,131が通信可能範囲に達した場合(これ以上、通信範囲を大きくできない場合)においても、各通信範囲111,121,131内のいずれにもユーザの存在が確認できなかった場合に、通信範囲外移動指示部223により、ユーザの移動方向を予測し、これに基づき、車両1bの移動を指示する。
次いで、第3実施形態における自走制御の工程を、図11に示す場面を例示して、図12に示すフローチャートに沿って説明する。ここで、図11は、ユーザが、第1〜第3無線通信部110,120,130の各通信範囲111,121,131の範囲外に存在している状況を示している。図11に示す具体的な場面としては、車両1bが、先行するユーザに対して、追従して移動していたものの、ユーザの移動速度が速くなったことで車両1bがユーザを見失った場合などが挙げられる。
まず、ステップS201では、第1実施形態におけるステップS101〜S109を実行する。すなわち、ステップS201では、図3Aに示すステップS101〜S109と同様に、ユーザが有する電波発信源から発信された電波が、車両1bに搭載された第1〜第3無線通信部110,120,130の全てに到達しているか否かを判断し、次いで、各無線通信部110,120,130の通信範囲111,121,131に、ユーザが存在しているか否かを判断する。
次いで、ステップS202では、移動方向設定部220が、各無線通信部110,120,130の各通信範囲111,121,131のうちいずれかにユーザが存在していたか否かを判断する。各通信範囲111,121,131のうちいずれかにユーザが存在している場合には、通信範囲111,121,131の大きさを変更する必要はないと判断し、ステップS203に進む。そして、ステップS203〜S205において、第1実施形態におけるステップS110〜S120と同様の操作を行う。
すなわち、ステップS203においては、第1実施形態におけるステップS110〜S118を実行する。具体的には、ステップS201では、図3Bに示すステップS110〜S118と同様に、ユーザが存在するエリアを特定し、単位ベクトルを設定することにより移動方向を決定し、移動方向に向かって車両1bを移動させる。そして、ステップS204では、第1実施形態のステップS119と同様に、ユーザが存在する通信範囲の数を「M」とした場合において、車両1bの移動後における、ユーザが存在する通信範囲の数が「M+1以上」となっているか否かを判断する。次いで、ステップS205では、第1実施形態のステップS120と同様に、車両1bに搭載されている無線通信部の数「N」と、車両1bの移動後における、ユーザが存在する通信範囲の数とが等しいか否かを判断する。
一方、ステップS202において、各通信範囲111,121,131のうちいずれにもユーザが存在していない場合には、車両1bがユーザを見失ったものと判定し、ステップS206に進み、ステップS206〜S209の操作を行う。なお、図11に示す例では、ユーザは各通信範囲111,121,131のいずれにも存在しないこととなるため、車両1bがユーザを見失ったものと判定され、ステップS206に進むこととなる。
ステップS206では、移動方向設定部220が、各無線通信部110,120,130における現在の通信範囲111,121,131について、設定可能な最大の通信範囲である通信可能範囲以上であるか否かを判断する。現在の通信範囲111,121,131が通信可能範囲より小さい場合には、ステップS207に進む。一方、通信可能範囲以上である場合には、ステップS208に進む。たとえば、図11に示す例において、現在の通信範囲111,121,131が通信可能範囲以上でない場合には、ステップS207に進む。
ステップS207では、移動方向設定部220が、通信範囲変更部222により、各無線通信部110,120,130の各通信範囲111,121,131を1段階拡大する。図11に示す例においては、各通信範囲111,121,131(たとえば、通信距離5m)を、拡大後の通信範囲111a,121a,131a(通信距離6m)に変更する。そして、再度、ステップS201に戻り、ステップS201においては、拡大後の通信範囲111a,121a,131a内に、ユーザが存在しているか否かを判断し、ステップS202において、拡大後の通信範囲111a,121a,131aのいずれかにユーザが存在していると判断された場合には、ステップS203に進み、車両1bの移動方向の決定および移動を行い、ステップS204、S205において、再度、車両1bの移動操作が必要か否かの判断を行う。図11に示す例においては、第2無線通信部120の拡大後の第2通信範囲121aにユーザが存在しているため、ステップS201、S202において、移動方向設定部220により、第2通信範囲121aにユーザが存在していると判断され、ステップS203に進むこととなる。なお、この場合においては、たとえば、ステップS203〜S205のうち、任意の段階において、拡大後の通信範囲111a,121a,131aを、元の通信範囲111,121,131に戻す。
あるいは、拡大後の通信範囲111a,121a,131a内にユーザが存在していない場合には、再度、ステップS206に進む。
これに対し、ステップS206において、現在の通信範囲111,121,131が通信可能範囲(たとえば、通信距離10m)以上であると判断された場合には、通信範囲をこれ以上拡大することができないため、ステップS208に進み、移動方向設定部220は、通信範囲外移動指示部223による制御を行う。
ステップS208においては、移動方向設定部220が、通信範囲外移動指示部223により、ユーザがそのまま直進していったと仮定して、各通信範囲111,121,131のうち、ユーザが最後に存在していた通信範囲に対応する軸方向を移動方向に設定する。たとえば、ユーザが最後に存在していた通信範囲が、第2無線通信部120の通信範囲121のみである場合には、第2方向軸の軸方向と反対方向を、移動方向に設定する。そして、移動方向設定部220は、通信範囲外移動指示部223により設定した移動方向に車両1bが移動するように、設定した移動方向のデータを駆動力制御部230に送信し、駆動力制御部230が、駆動輪300に駆動信号を送信することで、車両1bを、通信範囲外移動指示部223により設定された移動方向に向かって、所定距離だけ移動させる。
そして、ステップS209では、移動方向設定部220が、車両1bの移動後の位置において、再度、各通信範囲111,121,131内にユーザが存在しているか否かを判断する。車両1bの移動後の位置において、各通信範囲111,121,131のいずれかにユーザの存在が確認できた場合には、ステップS203に進み、両1bの移動方向の決定および移動を行い、ステップS204、S205において、再度、車両1bの移動操作が必要か否かの判断を行う。一方、車両1bの移動後の位置において、各通信範囲111,121,131のいずれにもユーザの存在が確認できなかった場合には、移動方向設定部220が、ユーザへの追従が困難であると判断して、ユーザへの追従動作を終了する。なお、各通信範囲111,121,131内にユーザが存在しているか否かの判断は、たとえば、ステップS201、S202と同様にして行うことができる。
第3実施形態によれば、各無線通信部110,120,130における現在の通信範囲111,121,131のいずれにも、ユーザの存在が確認できない場合においても、通信範囲変更部222により、通信範囲を拡大する構成としているため、ユーザの移動速度が速くなったことで車両1bがユーザを、一度、見失った場合でも、良好にユーザの追従を行うことができる。
また、第3実施形態によれば、通信範囲を拡大した結果、いずれの通信範囲にも、ユーザの存在が検出できない場合でも、通信範囲外移動指示部223により、ユーザがそのまま直進していったと仮定して、移動方向を設定する。そのため、通信範囲外に移動したユーザを効率的に探索することができる。
さらに、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様にして、ユーザの追従を行うことができるため、第1実施形態と同様に、車両1bに対するユーザの存在位置を推定することなく、ユーザへの追従が可能となる。しかも、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1〜第3無線通信部110,120,130を等間隔に搭載しているため、各無線通信部110,120,130により形成される通信エリアを大きくすることができ、これにより、ユーザが存在するエリアを判断し易くすることができ、結果として、車両1bのユーザに対する追従精度を向上させることができる。
なお、第3実施形態においては、近接した範囲に、ユーザと車両とが複数存在する場合には、通信対象となるユーザおよび車両の数を減らすために、通信範囲変更部222により通信範囲を拡大させるような制御をしても良い。この場合においては、通信範囲を拡大させることにより、ユーザを車両1bの各無線通信部110,120,130の各通信範囲111,121,131の全てが重複する部分(図2に示す例においては、エリアGに示す部分)に存在させることができる。そして、これにより、各車両によるユーザ追従動作を休止させることができ、結果として、電波干渉や通信負荷の増大を有効に回避するこが可能となる。
《第4実施形態》
本発明の第4実施形態を、図13、図14に基づいて説明する。図13は、第4実施形態に係る車両1cのシステム構成を示す図、図14は第4実施形態における自走制御の工程を示すフローチャートである。
図13に示すように、第3実施形態に係る車両1cは、移動方向設定部210が、相対速度算出部211、相対速度変化推定部212および推定タイミング変更部213を有し、移動方向設定部220が、ベクトル合成部221に加えて、ユーザ接近判断部224を有し、さらに、駆動力制御部230が、車両速度検出部231および駆動力補正部232を有する構成となっている点において、第1実施形態に係る車両1と異なる以外は、第1実施形態に係る車両1と同様の構成を有するものである。
なお、第4実施形態に係る車両1cは、主にショッピングカートとして用いられるものである。
第4実施形態に係る相対情報判断部210は、各無線通信部110,120,130からの信号が入力され、入力された信号を用いて、相対速度算出部211により、車両1と、電波発信源を有するユーザとの間の距離である相対距離の算出、およびこれらの速度の差である相対速度の算出を行う。また、移動方向設定部210は、相対速度算出部211により算出された相対距離および相対速度に基づき、相対速度変化推定部212により、相対速度の変化の推定を行う。加えて、移動方向設定部210は、車両1cとユーザとの相対距離および相対速度に変化が生じた場合には、推定タイミング変更部213により、ユーザに対する追従の精度を向上させるために、車両1cとユーザとの相対距離を推定するタイミングを変更する。
第4実施形態に係る移動方向設定部220は、車両1cが移動すべき方向を推定する他、ユーザ接近判断部224により、ユーザが車両1cに対して接近している場合に、ユーザの接近を検出可能となっている。
第4実施形態に係る駆動力制御部230は、一対の駆動輪300に備えられたインホイールモータに駆動信号を送信する他、車両速度検出部231により、車両1cが移動する際に発生する駆動輪300の回転から車両1cの速度を検出する。さらに、駆動力制御部230は、車両速度検出部231により検出した車両1cの速度、および相対情報判断部210の相対速度変化推定部212により推定された相対速度の変化に基づき、目標速度を設定し、駆動力補正部232により、車両1cの速度を目標速度とするとするために必要となる駆動力を算出する。そして、駆動力制御部230は、補正後の駆動力に応じた駆動信号を、インホイールモータに送信する。
次いで、第4実施形態における自走制御の工程を、図14に示すフローチャートに沿って説明する。なお、図14に示すフローチャートは、たとえば、以下のような場面における自走制御の工程を示している。すなわち、車両1cがショッピングカートであり、ユーザが車両1cに対して、ショッピングセンターで購入する商品(荷物)を車両1cに載せることにより、一定のモータ駆動トルクでは、車両1cがユーザを追従する際における車両1cの速度が低下し、車両1cのユーザへの追従が困難となる場合となる場合がある。そして、図14に示すフローチャートは、この場合において、相対情報判断部210が、相対速度算出部211により、ユーザと車両1cとの間の相対距離の変化を検出することにより、車両1cに商品が載せられることにより低下した車両1cの速度を補正する方法を示している。
まず、ステップS301では、第1実施形態におけるステップS101〜S118を実行する。すなわち、ステップS301では、図3Aに示すステップS101〜S109と同様に、ユーザが有する電波発信源から発信された電波が、車両1cに搭載された第1〜第3無線通信部110,120,130の全てに到達しているか否かを判断し、次いで、ユーザと各無線通信部110,120,130との相対距離の算出および各無線通信部110,120,130の各通信範囲に、ユーザが存在しているか否かを判断する。そして、図3Bに示すステップS110〜S118と同様に、ユーザが存在するエリアを特定し、単位ベクトルを設定することにより移動方向を決定し、移動方向に向かって車両1cを移動させる。
次いで、ステップS302では、相対情報判断部210が、相対速度算出部211により、ユーザと車両1cとの間の距離である相対距離に変化が生じたか否かを判断する。相対距離に変化が生じたと判断された場合には、推定タイミング変更部213により、ユーザに対する追従の精度を向上させるために、車両1cとユーザとの相対距離を推定するタイミングを変更した後に、ステップS303に進む。一方、相対距離に変化が生じていないと判断された場合には、ステップS308に進む。なお、相対距離に変化が生じたか否かは、たとえば、相対速度算出部211により、算出された相対距離の情報を、数秒〜数十秒程度にわたって記憶しておき、数秒〜数十秒程度にわたる相対距離の情報に基づいて、判断することができる。
ステップS303では、移動方向設定部220が、ユーザ接近判断部224により、ユーザが車両1cに接近した状態であるか否かを判断する。ユーザが車両1cに接近した状態である場合には、ユーザが車両1cに商品を載せるために接近していることにより、相対距離が変化したため、速度補正は不要と判断し、ステップS304に進む。なお、ステップS303においては、たとえば、車両1cに搭載され第1〜第3無線通信部110,120,130の全ての通信範囲内に、ユーザが存在している場合(たとえば、図2に示す例において、エリアGにユーザが存在している場合)に、ユーザが車両1cに接近していると判断することができる。
ステップS304では、駆動力制御部230が、車両速度検出部231により、車両1cが停止しているか否かを判断し、車両1cが停止していない場合には、車両1cを停止させる。車両1cが移動せずに停止することにより、ユーザの車両1cへの商品の搭載を容易なものとすることができる。そして、ステップS301に戻り、ユーザが車両1cから離れる動作を行い、ユーザの存在位置が、車両1cに搭載された第1〜第3無線通信部110,120,130の通信範囲のうちいずれかの範囲外となった場合(たとえば、図2に示す例において、ユーザが、エリアG以外のエリアA〜Fのいずれかのエリアに移動した場合)に、ユーザの車両1cへの商品の搭載が終了したと判断するまで、車両1cは移動を停止する。
一方、ステップS303において、ユーザが車両1cに接近した状態でないと判断された場合には、ステップS305に進む。
ステップS305では、ステップS302において算出したユーザと車両1cとの間の相対距離の変化分を補正するために、相対情報判断部210は、相対速度変化推定部212により、ユーザと車両1cとの速度の差である相対速度の変化を推定し、相対距離の変化分を補正するために必要となる相対速度の向上分を算出する。
ステップS306では、駆動力制御部230は、車両速度検出部231により、車両1cが移動する際に発生する駆動輪300の回転から車両1cの速度を検出する。
ステップS307では、駆動力制御部230が、車両速度検出部231で検出された車両1cの速度、および相対情報判断部210により算出された相対距離の変化分を補正するために必要となる相対速度の向上分から、車両1cの目標速度を算出する。そして、駆動力制御部230は、駆動力補正部232により、車両1cの速度が目標速度となるように、駆動輪300に備えられたインホイールモータに、駆動力補正信号を送信することにより、駆動輪300の駆動力を補正する。
そして、ステップS308では、第1実施形態のステップS119と同様に、ユーザが存在する通信範囲の数を「M」とした場合において、車両1cの移動後における、ユーザが存在する通信範囲の数が「M+1以上」となっているか否かを判断する。次いで、ステップS309では、第1実施形態のステップS120と同様に、車両1cに搭載されている無線通信部の数「N」と、車両1cの移動後における、ユーザが存在する通信範囲の数とが等しいか否かを判断する。
第4実施形態によれば、ユーザにより車両1cに商品などの荷物が搭載された際に、車両1cの速度が低下した場合においても、ユーザと車両1cとの間の相対距離の変化を検出することにより、相対距離の変化分を解消するために必要とされる目標速度を算出し、これに基づき、車両1cの速度を補正することができる。そのため、車両1cを、たとえばショッピングカートなどの荷物の出し入れが頻繁に行われる車両に用いた場合でも、良好にユーザへの追従を行うことができる。
さらに、第4実施形態によれば、ユーザ接近判断部224により、ユーザが車両1cに接近した状態であるか否かを判断することにより、車両1cを、たとえばショッピングカートなどの荷物の追加搭載が頻繁に行われる車両に用いた場合において、ユーザによる荷物の出し入れを容易なものとすることができる。
また、第4実施形態によれば、第1実施形態と同様にして、ユーザの追従を行うことができるため、第1実施形態と同様に、車両1cに対するユーザの存在位置を推定することなく、ユーザへの追従が可能となる。
《第5実施形態》
本発明の第5実施形態を、図15、図16に基づいて説明する。図15は、第5実施形態に係る車両1dのシステム構成を示す図、図16は第5実施形態における自走制御の工程を示すフローチャートである。
図15に示すように、第5実施形態に係る車両1dは、駆動力制御部230が、車両速度検出部231、および駆動力補正部232に加えて、搭載重量検出部233を有する点において、第4実施形態に係る車両1cと異なる以外は、第4実施形態に係る車両1cと同様の構成を有するものである。
なお、第5実施形態に係る車両1dは、第4実施形態に係る車両1cと同様に、主にショッピングカートとして用いられるものである。
第5実施形態に係る駆動力制御部230は、搭載重量検出部233により、車両1dに搭載された荷物の重量を検出可能となっており、搭載重量検出部233で検出された荷物の重量、および車両速度検出部231で検出された車両1dの速度から、車両1dに搭載された荷物の増減に伴う、車両1dの速度変化を補正するための目標速度を設定し、駆動力補正部232により、車両1cの速度を目標速度とするとするために必要となる駆動力を算出する。そして、駆動力制御部230は、補正後の駆動力に応じた駆動信号を、インホイールモータに送信する。
次いで、第5実施形態における自走制御の工程を、図16に示すフローチャートに沿って説明する。なお、図16に示すフローチャートは、以下のような場面における自走制御の工程を示している。すなわち、たとえば、第4実施形態と同様に、車両1dがショッピングカートであり、ユーザが車両1dに対して、ショッピングセンターで購入する商品(荷物)を車両1dに載せることにより、一定のモータ駆動トルクでは、車両1dがユーザを追従する際における車両1dの速度が低下し、車両1dのユーザへの追従が困難となる場合がある。そして、そして、図16に示すフローチャートは、この場合において、車両1dに搭載された商品の重量を測定することにより、予め車両1dの速度低下量を予測し、これに基づき、車両1dの速度を補正する方法を示している。
まず、ステップS401では、第1実施形態におけるステップS101〜S118を実行する。すなわち、ステップS401では、図3Aに示すステップS101〜S109と同様に、ユーザが有する電波発信源から発信された電波が、車両1dに搭載された第1〜第3無線通信部110,120,130の全てに到達しているか否かを判断し、次いで、ユーザと各無線通信部110,120,130との相対距離の算出および各無線通信部110,120,130の各通信範囲に、ユーザが存在しているか否かを判断する。そして、図3Bに示すステップS110〜S118と同様に、ユーザが存在するエリアを特定し、単位ベクトルを設定することにより移動方向を決定し、移動方向に向かって車両1dを移動させる。
次いで、ステップS402では、駆動力制御部230が、搭載重量検出部233により、車両1dに搭載されている荷物の重量に変化があったか否かを判断する。車両1dに搭載されている荷物の重量に変化があった場合には、ユーザが車両1dに対して、商品などの荷物を載せたものと判断して、ステップS403に進む。一方、重量に変化がなかった場合には、ステップS405に進む。
ステップS403では、駆動力制御部230が、搭載重量検出部233により測定された荷物の重量の変化に伴って変化する車両1dの速度を、車両1dの運動方程式から推定する。
ステップS404では、駆動力制御部230が、ステップS403で推定した荷物の重量の変化に伴って変化する車両1dの速度に基づき、駆動力補正部232により、車両1dの速度が推定した速度となるように、駆動輪300に備えられたインホイールモータに、駆動力補正信号を送信することにより、駆動輪300の駆動力を補正する。
そして、ステップS405では、第1実施形態のステップS119と同様に、ユーザが存在する通信範囲の数を「M」とした場合において、車両1dの移動後における、ユーザが存在する通信範囲の数が「M+1以上」となっているか否かを判断する。次いで、ステップS406では、第1実施形態のステップS120と同様に、車両1dに搭載されている無線通信部の数「N」と、車両1dの移動後における、ユーザが存在する通信範囲の数とが等しいか否かを判断する。
第5実施形態によれば、ユーザにより車両1dに商品などの荷物が搭載された際に、搭載重量検出部233により、車両1dに搭載された商品などの荷物の重量変化を検出し、商品などの荷物の搭載による、車両1dの速度の低下が起こる前に、車両1dの速度を補正することができる。そのため、車両1dを、たとえばショッピングカートなどの荷物の追加搭載が頻繁に行われる車両に用いた場合において、より良好にユーザへの追従を行うことができる。特に、第5実施形態によれば、第4実施形態と比較して、より早く、商品などの荷物が搭載されたことによる車両1dの速度低下に対応することが可能となる。
また、第5実施形態によれば、第1実施形態と同様にして、ユーザの追従を行うことができるため、第1実施形態と同様に、車両1dに対するユーザの存在位置を推定することなく、ユーザへの追従が可能となる。
なお、第5実施形態においては、第4実施形態における自走制御を適宜組み合わせて行うことが好ましく、特に、ユーザ接近判断部224による制御を組み合わせて行うことが好ましい。
《第6実施形態》
本発明の第6実施形態を、図17、図18、図19A〜図19Iに基づいて説明する。図17は、第6実施形態に係る車両1eのシステム構成を示す図、図18は第6実施形態における自走制御の工程を示すフローチャート、図19A〜図19Iは第6実施形態における自走制御の工程を示す図である。
図17に示すように、第6実施形態に係る車両1eは、相対情報判断部210が精度向上司令部214を有し、移動方向設定部220が通信範囲変更部222を有する点において、第1実施形態に係る車両1と異なる以外は、第1実施形態に係る車両1と同様の構成を有するものである。
第6実施形態に係る相対情報判断部210は、ユーザと車両1eとの間の相対距離を算出する他、精度向上司令部214により、ユーザの位置を推定し、これにより、ユーザの存在位置が第1方向軸上となるようにする。
第6実施形態に係る移動方向設定部220は、第3実施形態と同様に、通信範囲変更部222を有し、通信範囲変更部222により、各無線通信部の通信範囲を規定している通信距離を変更可能としている。
次いで、第6実施形態における自走制御の工程を、図18に示すフローチャートに沿って説明する。なお、図18に示すフローチャートは、ユーザに対する車両1eの追従動作の精度を向上させるために、ユーザの位置を検出し、ユーザの初期位置を変更し、ユーザへの追従を行う際に考慮すべき範囲を限定する方法を示している。
ステップS501では、相対情報判断部210が、ユーザが停止しているか否かを判断する。ユーザが停止している場合には、ユーザに対する車両1eの追従動作の精度向上操作を行うために、ステップS502に進む。一方、ユーザが停止していない場合には、ステップS507に進み、第1実施形態におけるステップS101〜ステップ120の操作を行う。
なお、ユーザが停止しているか否かを判断するに際しては、たとえば、所定の時間にわたって、各無線通信部110,120,130の各通信範囲のうち、特定のエリア(たとえば、図2に示す例における、エリアA〜Gのいずれかのエリア)に、ユーザが存在し続けている場合に、ユーザが停止していると判断する方法が挙げられる。あるには、ユーザが有する電波発信源から、ユーザが停止中である旨の信号を要求する方法やユーザ位置の判断を行う要求を送信させる方法などにより、ユーザが停止していると判断する方法を採用しても良い。
ステップS502では、駆動力制御部230から、駆動信号を一対の駆動輪300に備えられたインホイールモータに送信し、車両1eを現在の位置を中心とした半径Rの円上を移動させる。具体的には、図19Aに示す位置に車両1eが存在するとした場合に、図19Bに示すように、車両1eは、進行方向に向かって半径Rに相当する距離を移動し、図19Cに示すように、車両1eは、進行方向に向かって左側に90°回転する。次いで、図19D、図19E、図19Fに示すように、車両1eは、半径Rの円上を移動し、360°回転する。
ここで、第6実施形態においては、車両1eが半径Rの円上を移動し、360°回転する際には、半径Rの円上における等間隔の3点以上の場所で、ユーザと車両1eとの間の相対距離の測定を行う(ステップS503)。たとえば、図19D、図19E、図19Fに示すように、120°回転するごとに、相対距離の測定を行うことができる。
次いで、ステップS504では、相対距離の測定結果から、ユーザの位置を推定する。なお、ユーザの位置の推定方法としては特に限定されないが、三角測量によるものなどが挙げられる。
ステップS505では、図19Hに示すように、車両1eを進行方向と反対の方向に移動させることにより、当初の位置(半径Rの円の中心)に戻す。
ステップS506では、図19Iに示すように、車両1eを、当初の位置(半径Rの円の中心)で所望の角度だけ回転させることで、ユーザの存在位置が第1方向軸上となるようにする。このように車両1eに対するユーザの位置を変更することで、車両1eを直進させるだけで、ユーザへの追従が可能となる。また、この場合において、ユーザの位置を推定した結果、移動方向設定部220により、各無線通信部110,120,130の各通信範囲111,121,131を変更する必要があると判断された場合には、移動方向設定部220は、通信範囲変更部222により、各通信範囲111,121,131の変更を行う構成としてもよい。
そして、ステップS507では、第1実施形態におけるステップS101〜S120を実行する。
第6実施形態によれば、ユーザおよび車両1eが停止している時間を利用し、ユーザの存在位置を比較的に高い精度で推定することができるため、その推定結果に基づき、ユーザの存在位置を、第1方向軸上となるように車両1eを移動することにより、車両1eがユーザに対して追従する際における必要な移動量を削減することができる。
また、第6実施形態によれば、第1実施形態と同様にして、ユーザの追従を行うことができるため、第1実施形態と同様に、車両1eに対するユーザの存在位置を推定することなく、ユーザへの追従が可能となる。
なお、上述した第1〜第6実施形態において、第1〜第3無線通信部110,120,130は本発明の無線通信手段に、相対情報判断部210は本発明の相対情報判断手段に、移動方向設定部220は本発明の移動方向設定手段に、駆動力制御部230は本発明の駆動力制御手段に、それぞれ相当する。
また、本発明は、上述した第1〜第6実施形態に限定されるものではなく、これら各実施形態を組み合わせても良いのはもちろんである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態においては、各無線通信部110,120,130は等間隔となるように配置する例を示したが、これらは必ずしも等間隔となるように配置する必要はなく、たとえば、二等辺三角形の頂点に位置するように配置してもよい。この場合には、たとえば、図2に示す第2無線通信部120および第3無線通信部130を、所定の円100上で、かつ、車両1の進行方向後方に移動させ、各無線通信部110,120,130が二等辺三角形の頂点に位置するように配置することができる。各無線通信部110,120,130をこのように配置することにより、車両1の進行方向に対して、移動すべき方向を細かく指定することが可能となる。
図1は、第1実施形態に係る車両1のシステム構成を示す図である。 図2は、第1実施形態における一場面例を示す図である。 図3Aは、第1実施形態における自走制御の工程を示すフローチャート(その1)である。 図3Bは、第1実施形態における自走制御の工程を示すフローチャート(その2)である。 図4Aは、図2に示す場面例における自走制御の工程を示す図である。 図4Bは、図4Aの続きの工程を示す図である。 図4Cは、図4Bの続きの工程を示す図である。 図4Dは、図4Cの続きの工程を示す図である。 図4Eは、図4Dの続きの工程を示す図である。 図4Fは、図4Eの続きの工程を示す図である。 図5Aは、第1実施形態における他の場面例を示す図である。 図5Bは、図5Aに示す場面例における自走制御の工程を示す図である。 図5Cは、図5Bの続きの工程を示す図である。 図6Aは、第1実施形態における他の場面例を示す図である。 図6Bは、図6Aに示す場面例における自走制御の工程を示す図である。 図6Cは、図6Bの続きの工程を示す図である。 図7は、各無線通信部の通信ノイズを考慮した通信範囲を示す図である。 図8は、第2実施形態における各無線通信部の通信範囲を示す図である。 図9は、第2実施形態におけるユーザの追従方法を説明するための図である。 図10は、第3実施形態に係る車両1bのシステム構成を示す図である。 図11は、第3実施形態における場面例を示す図である。 図12は、第3実施形態における自走制御の工程を示すフローチャートである。 図13は、第4実施形態に係る車両1cのシステム構成を示す図である。 図14は、第4実施形態における自走制御の工程を示すフローチャートである。 図15は、第5実施形態に係る車両1dのシステム構成を示す図である。 図16は、第5実施形態における自走制御の工程を示すフローチャートである。 図17は、第6実施形態に係る車両1eのシステム構成を示す図である。 図18は、第6実施形態における自走制御の工程を示すフローチャートである。 図19Aは、第6実施形態における自走制御の工程を示す図である。 図19Bは、図19Aの続きの工程を示す図である。 図19Cは、図19Bの続きの工程を示す図である。 図19Dは、図19Cの続きの工程を示す図である。 図19Eは、図19Dの続きの工程を示す図である。 図19Fは、図19Eの続きの工程を示す図である。 図19Gは、図19Fの続きの工程を示す図である。 図19Hは、図19Gの続きの工程を示す図である。 図19Iは、図19Hの続きの工程を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c,1d,1e…車両
110,120,130,140,150,160…無線通信部
200…CPU
210…相対情報判断部
211…相対速度算出部
212…相対速度変化推定部
213…推定タイミング変更部
214…精度向上司令部
220…移動方向推定部
221…ベクトル合成部
222…通信範囲変更部
223…通信範囲外移動指示部
224…ユーザ接近判断部
230…駆動力制御部
231…車両速度検出部
232…駆動力補正部
233…搭載重量検出部
300…駆動輪

Claims (15)

  1. 電波発信源を有するユーザの方向に対して自走する車両に搭載された自走制御システムにおいて、
    前記車両に、所定の円上に複数搭載され、前記ユーザが有する前記電波発信源から発信された電波を受信し、受信した電波を信号に変換する無線通信手段と、
    前記複数の無線通信手段の信号から、前記電波発信源と、前記複数の無線通信手段との相対距離を算出する相対情報判断手段と、
    前記相対情報判断手段により算出した相対距離の情報から、前記複数の無線通信手段における所定の通信範囲内に、前記電波発信源が存在するか否かを判断して、前記車両の移動すべき方向を設定する移動方向設定手段と、
    設定した前記移動方向へ移動するための駆動力の制御を行う駆動力制御手段と、を有し、
    前記移動方向設定手段は、
    各前記無線通信手段の方向軸として、前記複数の無線通信手段を結ぶ円の中心から、該無線通信手段に隣接する一対の他の無線通信手段の各通信範囲を確定する外縁の交点に向かう軸を設定し、
    前記通信範囲内に前記電波発信源が存在する各無線通信手段の方向軸上に設定される第1単位ベクトル、または前記通信範囲内に前記電波発信源が存在しない各無線通信手段の方向軸上に設定される第2単位ベクトルを規定し、前記第1単位ベクトル、または前記第2単位ベクトルに基づき前記車両の移動方向を設定する自走制御システム。
  2. 前記移動方向設定手段は、ベクトル合成部を有し、
    前記第1単位ベクトル、または前記第2単位ベクトルが複数である場合には、複数の前記第1単位ベクトル、または複数の前記第2単位ベクトルを、前記ベクトル合成部により合成することで前記車両の移動方向を設定する請求項1に記載の自走制御システム。
  3. 前記複数の無線通信手段は、所定の円上に、かつ複数の前記無線通信手段を頂点とする多角形が正多角形または少なくとも2辺の長さが等しい多角形となるように、前記車両上に配置される請求項1または2に記載の自走制御システム。
  4. 前記複数の無線通信手段は、前記車両上において、他の無線通信手段との間の距離が最大となるように配置される請求項1〜3のいずれかに記載の自走制御システム。
  5. 前記車両には、4以上の前記無線通信手段が配置され、前記無線通信手段の数をNとした場合に、前記複数の無線通信手段の各方向軸上に、各前記無線通信手段の前記通信範囲がN−1以下重複したエリアが、2つ以上設定される請求項1〜4のいずれかに記載の自走制御システム。
  6. 前記移動方向設定手段は、前記無線通信手段の前記通信範囲内のいずれにも前記電波発信源が存在しない場合に、前記無線通信手段の前記通信範囲を変更する通信範囲変更部を有する請求項1〜5のいずれかに記載の自走制御システム。
  7. 前記通信範囲変更部は、前記電波発信源が、前記車両に搭載されている全ての前記無線通信手段の前記通信範囲内に入るように、前記無線通信手段の前記通信範囲を変更する請求項6に記載の自走制御システム。
  8. 前記移動方向設定手段は、前記複数の無線通信手段のうち少なくとも1つの無線通信手段の前記通信範囲内に前記電波発信源が存在していた後、前記無線通信手段の前記通信範囲内のいずれにも、前記電波発信源が存在しなくなった場合に、前記電波発信源が最後に存在していた前記通信範囲に対応する方向に、前記車両が移動するように指示する通信範囲外移動指示部を有する請求項1〜7のいずれかに記載の自走制御システム。
  9. 前記相対情報判断手段は、所定のタイミングで前記ユーザと前記車両との相対距離を推定し、前記相対距離の変化から、前記ユーザと前記車両との速度の差である相対速度を算出する相対速度算出部、および前記電波発信源と前記車両との相対距離を推定するタイミングを変更する推定タイミング変更部を有し、かつ、
    前記駆動力制御手段は、前記車両の駆動部の動作状況から、前記車両の速度を検出する車両速度検出部、および前記相対情報判断手段により推定された前記相対距離と前記車両速度検出部により検出された前記車両の速度とに基づき、前記ユーザと前記車両との相対距離を一定距離に保持する駆動力補正部を有し、
    前記相対情報判断手段は、前記推定タイミング変更部により、前記ユーザと前記車両との相対距離に変化があった場合に、前記相対距離を推定するためのタイミングを変更するとともに、前記駆動力制御手段は、前記駆動力補正部により、前記ユーザと前記車両との相対距離の変化をゼロに近づけるように、前記駆動部の駆動力を制御する請求項1〜8のいずれかに記載の自走制御システム。
  10. 前記移動方向設定手段は、前記車両にユーザが接近しているか否かを判断するユーザ接近判断部を有し、前記ユーザ接近判断部が、前記車両に前記ユーザが接近してきていると判断した場合には、前記車両の移動を禁止する請求項9に記載の自走制御システム。
  11. 前記駆動力制御手段は、前記車両に搭載されている負荷の重量を検出する搭載重量検出部をさらに有し、かつ、
    前記相対速度算出部は、前記搭載重量検出部により検出された前記負荷の重量より、前記負荷の搭載によって発生すると想定される前記ユーザと前記車両との相対速度の変化を推定する相対速度変化推定部をさらに有し、
    前記駆動力制御手段は、前記相対速度変化推定部の推定結果に基づき、前記車両に前記負荷が搭載されたことによって、前記ユーザと前記車両との相対速度に変化が生じる可能性がある場合に、前記駆動力補正部により、前記ユーザと前記車両との相対距離の変化をゼロに近づけるように、前記駆動部の駆動力を制御する請求項9または10に記載の自走制御システム。
  12. 前記相対情報推定手段は、前記車両に対して、前記ユーザの存在位置を高精度に検出することを指令する精度向上指令部を有し、前記ユーザおよび前記車両が停止中の場合に、前記車両が、現在の前記車両の位置を中心として、前記車両から所定距離の円軌道上を移動して三角測量を行い、前記ユーザの存在位置が、前記複数の無線通信手段の方向軸上に位置するように、前記車両を移動させる請求項1〜11のいずれかに記載の自走制御システム。
  13. 前記相対情報推定手段は、前記車両上に搭載された前記無線通信手段が受信した電波の強度、または、前記無線通信手段が受信した電波の到達時間の少なくとも1つを利用して、前記ユーザと前記車両との相対距離を推定する請求項1〜12のいずれかに記載の自走制御システム。
  14. 前記無線通信手段は、前記電波発信源から発信された電波を受信するアンテナと、前記アンテナで受信した電波を信号に変換するコントローラとを有することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の自走制御システム。
  15. 電波発信源を有するユーザの方向に対して自走する車両の自走制御方法において、
    互いに重複する部分を有する所定の通信範囲をそれぞれ形成する複数の無線通信手段により、電波発信源を有するユーザと通信を行い、
    前記ユーザが、前記無線通信手段の通信範囲のうち、いずれの無線通信手段の通信範囲内に存在するかを推定し、
    推定結果に基づき、前記ユーザが、前記無線通信手段の通信範囲のうち、より多くの無線通信手段の通信範囲内に存在することとなるように、前記車両を移動させることを特徴とする車両の自走制御方法。
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