JP2010059548A - 冷間伸線性に優れた高強度鋼線材用鋼の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】規定の成分組成を満たす高強度鋼線材用鋼を製造するに際し、二次精錬後に使用する取鍋の内壁材としてアルミナ系のものを用い、鋼中C量:[C](質量%)に応じ、以下の条件で操業する。(1)0.7%≦[C]<0.8%の場合は、二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を7.5kg/t以下とし、(2)0.8%≦[C]<0.9%の場合は、前回受鋼鋼種が[Al]≦0.015%である取鍋を使用し、かつ、二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を1.5kg/t以下とし、(3)0.9%≦[C]≦1.0%の場合は、受鋼初回の取鍋または前回受鋼鋼種が同鋼種である取鍋を使用し、二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を1.5kg/t以下とし、かつ、二次精錬後のスラグ塩基度を1〜2とする。
【選択図】図1
Description
C :0.7〜1.0%、
Si:0.1〜0.4%、
Mn:0.2〜0.6%、
Al:0.003%以下(0%を含む)
を満たす高強度鋼線材用鋼を製造するに際し、
二次精錬に使用する取鍋の内張材としてアルミナ系のもの(アルミナが約90質量%以上のもの)を用い、前記鋼の炭素含有量:[C](質量%)に応じて、以下の条件で操業するところに特徴を有する。
二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を7.5kg/t以下とし、
(2)0.8%≦[C]<0.9%の場合は、
前回受鋼鋼種がAl含有量:0.015%以下である取鍋を使用し、
かつ、二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を1.5kg/t以下とし、
(3)0.9%≦[C]≦1.0%の場合は、
受鋼初回の取鍋または前回受鋼鋼種が同鋼種である取鍋を使用し、
二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を1.5kg/t以下とし、かつ、
二次精錬後のスラグ塩基度を1〜2とする。
(a)破断面に現れた介在物がジルコニア(ZrO2)である場合は、該ZrO2が70質量%以上を占めており、
(b)破断面に現れた介在物がジルコン(ZrO2・SiO2)である場合には、ZrO2:50質量%以上かつSiO2:20質量%以上を占めており、
(c)破断面に現れた介在物がアルミナ系介在物(Al2O3、スピネル)である場合には、Al2O3が70質量%以上を占めていることがわかる。
X≦0.21×[C]−1.34 …(1)
{式中、Xは、介在物組成が上記(a)〜(c)のいずれかである長径20μm以上の介在物の、鋼50g当たりの合計個数を示し、[C]は鋼中C量(質量%)を示す}
この様に介在物個数を制御する理由について以下に説明する。
X≦0.21×[C]−1.34 …(1)
{式中、Xは、介在物組成が上記(a)〜(c)のいずれかである長径20μm以上の介在物の鋼50g当たりの合計個数を示し、[C]は鋼中C量(質量%)を示す}
Cは鋼の強度の向上に有効な元素であり、0.7%以上含有させるのがよい。しかしC含有量が増加すると、中心偏析が生じやすくなって冷間加工性が損なわれるので、1.0%以下に抑える。
Siは脱酸作用を有する元素であり、この様な作用を有効に発揮させるには、0.1%以上含有させるのがよい。しかしSi量が過剰になると、脱酸生成物としてSiO2量が多量に生成し冷間加工性が低下するので0.4%以下にするのがよい。
Mnは、Siと同様に脱酸作用を有するとともに介在物制御作用も有しており、これらの作用を有効に発揮させるには0.2%以上とするのがよい。但し、Mn量が過剰になると、鋼材が脆化して冷間加工性が低下するため0.6%以下にするのがよい。
Alが過剰に存在すると、アルミナやスピネル等の非延性介在物が多量に生成して伸線時に断線が生じ易くなる。従って、Al量は0.003%以下に抑える必要がある。
Niは、鋼線の強度上昇への寄与は少ないが、鋼線の靭性を高めるのに有効な元素である。この様な効果を十分に発揮させるには、Niを0.01%以上含有させることが好ましい。しかし過剰に含有させても、その効果は飽和し製造コストの増加につながるので、1.0%以下に抑えることが好ましい。
Cr:0.01〜1.5%
Cuは、析出硬化作用を発揮して鋼線の高強度化に寄与する元素である。この様な効果を有効に発揮させるには、0.01%以上含有させることが好ましい。しかしながら過剰に添加すると、結晶粒界に偏析し、鋼材の熱間圧延工程で割れやキズを発生させる原因になるので、1.0%以下の範囲内で含有させるのがよい。
(i)二次精錬後に使用する取鍋の内壁材としてアルミナ系のもの(アルミナが約90質量%以上のもの)を用いること。
(ii)鋼の炭素含有量:[C](質量%)に応じ、以下の条件で操業すること。
二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を7.5kg/t以下とする。
前回受鋼鋼種がAl含有量:0.015質量%以下である取鍋を使用し、
かつ、二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を1.5kg/t以下とする。
受鋼初回の取鍋または前回受鋼鋼種が同鋼種である取鍋を使用し、
二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を1.5kg/t以下とし、かつ、
二次精錬後のスラグ塩基度を1〜2とする。
(i)まず、本発明の高強度鋼線材用鋼を製造するにあたっては、二次精錬に使用する取鍋の内張材としてアルミナ系のもの(アルミナが約90質量%以上を占めるもの)を用いる必要がある。Zrを含む取鍋を用いた場合、精錬等を行う際に、取鍋の内壁材を構成するジルコニアやジルコンといった化合物が溶鋼に混入しやすく、溶鋼にこれらが混入するとそのままジルコニア系介在物として存在するためである。
C量が上記範囲内にある場合、二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を7.5kg/t以下に減少させるのがよい。この様にスラグ量を低減するのは次の理由による。
前記図2に示される通り、C量が増加するにつれて、優れた冷間伸線性を確保するため介在物個数をより低減しなければならない。従って、C量が上記範囲にある場合には、使用する取鍋の前回受鋼鋼種を規定し、介在物の混入をより一層抑制する必要がある。
前記図2に示される通り、C量が上記範囲にある場合には、前記(1)、(2)の場合よりも更に介在物個数を低減させる必要がある。従って、製造は下記条件で行う必要がある。
溶銑を240トン転炉で一次精錬し、これを取鍋に受鋼したのち、取鍋加熱精錬設備で二次精錬を行って成分調整をした。
加速電圧:20kV、
試料電流:0.01μA、
ビーム径:を直径3μm、
X線:Kα線
とし、特性X線の波長分散分光法で長径20μm以上の介在物の中央部分を定量評価した。
Claims (1)
- 質量%で(以下、化学成分について同じ)、
C :0.7〜1.0%、
Si:0.1〜0.4%、
Mn:0.2〜0.6%、
Al:0.003%以下(0%を含む)
を満たす高強度鋼線材用鋼を製造するに際し、
二次精錬に使用する取鍋の内張材としてアルミナ系のものを用い、前記鋼の炭素含有量:[C](質量%)に応じて、以下の条件で操業することを特徴とする冷間伸線性に優れた高強度鋼線材用鋼の製造方法。
(1)0.7%≦[C]<0.8%の場合は、
二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を7.5kg/t以下とし、
(2)0.8%≦[C]<0.9%の場合は、
前回受鋼鋼種がAl含有量:0.015%以下である取鍋を使用し、かつ、
二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を1.5kg/t以下とし、
(3)0.9%≦[C]≦1.0%の場合は、
受鋼初回の取鍋または前回受鋼鋼種が同鋼種である取鍋を使用し、
二次精錬前に除滓を実施してスラグ量を1.5kg/t以下とし、かつ、
二次精錬後のスラグ塩基度を1〜2とする。
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JPH10130714A (ja) * | 1996-10-31 | 1998-05-19 | Nkk Corp | 伸線性及び清浄度に優れた線材用鋼の製造方法 |
JP2000178685A (ja) * | 1998-12-15 | 2000-06-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 疲労特性及び伸線加工性に優れた鋼線材とその製造方法 |
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