JP2010059485A - 複極式電解槽及びこれに用いられるスペーサ - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに隣接するスペーサを、固定軸を用いることなく簡易かつ安定的に固定することのできる複極式電解槽を提供する。
【解決手段】通液した電解質水溶液を電気分解して電解生成物質を生成する複極式電解槽1に用いられ、該複極式電解槽1内部に、一方向に向けて並べて設けられた複数の電極板3の間に配置される板状のスペーサ4であって、隣接するスペーサ4と凹凸嵌合手段27により結合可能な凸部と凹部27のいずれか一方又は双方をその板面に備えてなり、スペーサ4には、その厚み方向に貫通するよう電解室形成用の中空孔24が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、電解質水溶液を電気分解して電解生成物質を生成する複極式電解槽及びこれに用いられるスペーサに関する。
近年、食品製造分野等においては、電解殺菌水を各種の殺菌、消毒等に用いることが広く行われている。この場合の電解殺菌水は、電解槽を用いて種々の溶液を電気分解して生成されるが、従来、この種の用途に用いる電解槽として、複数の電極板を直列に配置して使用する複極式(直列式)電解槽が知られている。この複極式電解槽は、一の電解槽内に並んでいる多数の電極板の内、一方の端にあるものを陽極とし、他端にあるものを陰極とし、電流を陽極から中間にある電極板を経由して陰極に向かって流れるようにし、一枚の電極板においてその両面が異なる極となるように構成されている。この複極式電解槽においては、隣接する電極板が短絡してしまわないよう各電極板の間に絶縁体のスペーサを配し、電極板間を独立した一つの室となるよう構成している。
従来、上記のような複極式電解槽として、特許文献1ないし3に示されたものが提供されている。
図7は、特許文献1に記載された複極式電解槽の電極対の平面図である。
この図に示す複極式電解槽の電極対100は、複数枚のアノード電極101とカソード電極102とが交互に並べられることにより構成され、アノード電極101とカソード電極102との間にはスペーサ103が設置され、これらアノード電極101、カソード電極102、スペーサ103は、止め部材104により固定されている。
アノード電極101は、図8に示すように略矩形の板体であり、その上部及び下部には2つずつ取り付け孔101A、101A・・が形成されている。カソード電極102も、このアノード電極101と略同様の構成である。
スペーサ103は、図8、図9に示すように帯状の板体であり、アノード電極101の取り付け孔101A、101Aに対応させた位置に取付孔103A、103Bが形成されている。
止め部材104は、図10に示すように棒状の本体104Aの両端に着脱自在な頭部104Bを設けたものである。
電極対100は、交互に並べたアノード電極101、カソード電極102間にスペーサ103を配置し、この際、アノード電極101、カソード電極102、スペーサ103の各取付孔101A、103A等が合致するように配置し、これら取付孔に止め部材104の本体104Aを挿通するとともに頭部104B、104B間で緊締された構成となっている。
図11は、特許文献2に記載された電解処理槽200の一部を省略した分解斜視図である。
この図に示す電解槽200は、液の導入管202を備えた止め板201Aと、排出管203を備えた止め板201Bとの間に、通液孔204を形成した電極205a、205b・・を配置し、更に、これらの電極205a、205b・・の間に、スペーサ206及びパッキング材207を配置したものである。
かかる電解処理層200は、電解処理される液が、導入管202から電解処理層の入口となる貫通孔204を通じてスペーサ206の内部に形成された処理層210に流入し、順次電極205a、205b・・の通液孔204を通りつつこれらの間を順次流れて、排出管203より排出される構成とされている。
図12は、特許文献3に示された複極式電解槽300の分解斜視図である。
この図に示す複極式電解槽300は、室枠上部301と、室枠下部302と、これら室枠上部301及び室枠下部302に収納される、端子303A及び303B、電極304、電極304を保持する一対のスペーサ305A、305B、液漏れ防止のOリング306とから概略構成されるものである。
電極304は、図13に示すように、溝306A、306Bが形成された一対のスペーサ305A、305Bに、その両側端部が溝306A、306Bに嵌合されるように形成されたものである。
この複極式電解槽300によると、室枠下部302の適所に設けられた被電解溶液の入口(不図示)から、被電解溶液が複極式電解槽300内に導入され、電極304、304間において電気分解され、電解生成物質が室枠上部301の適所に設けられた出口(不図示)から排出されるようになっている。
特開2006−167699号公報 実開昭50−99253号公報 特開2002−186970号公報
ところで、図7に示す特許文献1の電解槽の電極対100によると、アノード電極101及びカソード電極102と、これらの間に挟まれるスペーサ103の固定に各々に取付孔101A、103A、103B等を設け、止め具104を嵌入し固定しているため、電極対100を分解する場合に止め具104から取り外す作業が繁雑で、手間と工数がかかるという問題があった。この問題は、特に旧い電解槽をリサイクルして再利用する場合に支障を生じていた。
一方、特許文献2の電解槽には、固定軸又はこれに代わる固定するものが存在しないため、各電極板と各スペーサとが互いに動きやすく、各電極板の安定性が悪いという問題があった。
また、特許文献3に記載された電解槽においても、スペーサ305A、305Bが電極304の両脇を固定しているので、電極304は横方向には動かないが、上下方向の移動を規制するものではないため、上下方向には動きやすく、やはり電極304の安定性が悪いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、互いに隣接するスペーサを、固定軸を用いることなく簡易かつ安定的に固定することのできる複極式電解槽を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供している。
第1の発明は、通液した電解質水溶液を電気分解して電解生成物質を生成する複極式電解槽に用いられ、該複極式電解槽内部に、一方向に向けて並べて設けられた複数の電極板の間に配置される板状のスペーサであって、隣接するスペーサと凹凸嵌合手段により結合可能な凸部と凹部のいずれか一方又は双方をその板面に備えてなることを特徴とするものである。
第2の発明は、前記スペーサには、その厚み方向に貫通するよう電解室形成用の中空孔が形成されていることを特徴とするものである。
第3の発明は、前記凹部又は凸部が、前記中空孔を中に挟んで対向する位置に少なくとも一対設けられていることを特徴とするものである。
第4の発明は、電極板と板状のスペーサとが交互に一方向に向け並べられてそれぞれ複数配置され、前記各電極間に形成された電解室に電解質水溶液を供給してこれを電気分解することにより電解生成物質を生成する複極式電解槽において、前記スペーサには、互いに隣接するもの同士の一方に凹部が形成されると共に、同他方に凸部が形成され、これら凹部と凸部が互いに嵌合することにより、各スペーサが結合されていることを特徴とするものである。
第5の発明は、前記スペーサには、その厚み方向に貫通するよう電解室形成用の中空孔が形成されていることを特徴とするものである。
第6の発明は、前記凹部又は凸部が、前記板面上に前記中空孔を中に挟んで対向する位置に少なくとも一対設けられていることを特徴とするものである。
本発明の複極式電解槽によると、スペーサと電極板の固定に固定軸を用いないため、電解槽を分解する場合に固定軸から取り外す煩雑な作業を要することなく、取り外しを簡便に行うことができるという効果が得られる。とくに、固定軸を貫通させる孔が存在しない電極板を採用した場合には、電流効率の面でも有利になる。
また、上記のようにして電極板をスペーサに固定するので、極めて簡便に複極式電解槽を組み立てることができるという効果が得られる。
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1、図2は、本発明による複極式電解槽の一実施形態を示す図であって、図1は複極式電解槽1を一方向から見た分解斜視図、図2は複極式電解槽1を図1と逆方向から見た分解斜視図である。
これらの図に示すように、複極式電解槽1は、ケーシング2内に複数の電極板3、複数のスペーサ4を配して構成されたものである。
ケーシング2は、側板5A、5Bと胴体6とからなるものであり、これらは塩化ビニル樹脂、カーボネイト樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂により形成されたものである。
側板5A、5Bは、所定の厚みを有する外観矩形の板状体であり、それぞれその中央部に厚み方向に貫通する電極棒挿入孔7が形成され、側板5Aの下部には、厚み方向に貫通する電解質水溶液供給用の供給孔8が形成され、側板5Bの上部には、厚み方向に貫通する電解生成物取出し用の取出孔9が形成されている。
図3は、組み立てられた状態の複極式電解槽1の縦断面図である。また、図4は、組み立てられた状態の複極式電解槽1の横段面図である。図3、図4の断面は、いずれも図1、図2における電極棒挿入孔7の中心における断面を示している。図3に示すように、側板5A、5Bには、それぞれ対向する内面に係合段部11が形成され、外面中央部に凹部12が形成されている。また、前述した供給孔8は大径部8aと小径部8bとからなっており、取出孔9は大径部9aと小径部9bとからなっている。
また、側板5Aの内面中央部には、電極板3を嵌合させるための段部13が形成されている。
胴体6は、円筒状に形成されたものであって、その一端部側に側板5Aが固定され、他端部側に側板5Bが固定されるようになっている。
電極板3は、チタン合金等の金属製の板体であり、図1、図2に示すように矩形(正方形)に形成されたものである。
各電極板3、3・・は、所定寸法を隔てて対向して配置された側板5A、5B間に、それぞれ板面を側板5A、5B間方向の一方向に向けて並べて配置されており、各電極板3、3・・のうち、両端に配置される電極板3には、その中央部に金属製の電極棒21が固定されている。
電極棒21は、一端部に頭部22が形成され、他端部外面に雄螺子部23が形成されたものであり、頭部22が電極板3の中央部に固定されている。
スペーサ4は、塩化ビニル樹脂、カーボネイト樹脂等の合成樹脂により形成された板状の部材であり、円筒状の胴体6内に収まるように円形に形成されたものである。
各スペーサ4、4・・は、各電極板3、3・・間に位置するように、すなわち、各電極板3、3・・と交互に位置するように配置され、それぞれ板面を側板5A、5B間方向の一方向に向けて並べて配置されている。
図5(a)〜(c)、図6(a)、(b)は、スペーサ4の構成を示している。
これらの図に示すようにスペーサ4は、円形の板状体の中央部に、その板面間方向(厚み方向)に貫通する中空孔24が形成されたものである。中空孔24は、その輪郭が矩形(正方形)であり、前述した電極板3より各辺の寸法がやや小寸法となるように形成されたものである。
このスペーサ4の一方向の板面4aには、中空孔24の内壁面に沿って、その厚み方向に凹む段部25が形成されている。すなわち、段部25は、中空孔24の各辺に沿う一定の幅寸法をもって、スペーサ4の厚み方向に凹むように形成されたものであり、前記各辺に沿う4つの凹部25a〜25dからなっている。
このスペーサ4の段部25内には、図3に示すように前述した電極板3が嵌合されるようになっている。
したがって、段部25は、中空孔24の各辺に沿う矩形の形状となっているが、この矩形形状の各辺外側の寸法は、電極板3の各辺より僅かに大きい寸法となっており、この段部25内に電極板3がしっくりと嵌合し、電極板3がスペーサ4の板面に沿う方向に徒に動かないようになっている。
また、段部25の前記厚み方向の深さは、電極板3の厚みと略同一寸法とされており、電極板3が嵌合されたときに、電極板3の板面とスペーサ4の板面4aとが面一状態となるようになっている。
スペーサ4には、図5(a)〜(c)に示すように、その一方の板面4a側に中空孔24左右両側方に位置させて嵌合凸部26、26が形成されており、他方の板面4b側に嵌合凸部26、26と対応する部分に位置するように嵌合凹部27、27が形成されている。これら嵌合凸部26、嵌合凹部27は、隣接するスペーサ4,4同士を結合させるものであり、隣接するスペーサ4、4において、一方のスペーサ4の嵌合凹部27、27に他方のスペーサ4の嵌合凸部26、26を嵌合させることによって、各スペーサ4、4が連結・結合されるようになっている。
なお、図4において、複数のスペーサ4、4・・のうち、側板5Bに一番近いスペーサ4の嵌合凸部26は側板5Bに形成された嵌合凹部32に嵌合されるようになっており、側板5Aに一番近いスペーサ4の嵌合凹部27には側板5Aに形成された嵌合凸部33が嵌合されるようになっている。
嵌合凸部26は、スペーサ4の板面4aから突出する円柱状の部分であり、その先端周縁部は面取りが施されている。嵌合凹部27は、嵌合凸部26がしっくりと嵌り合うように板面4bに形成された断面円形の穴である。
また、このスペーサ4には、中空孔24の下辺の下方であって、同下辺の左右方向中央部に対応する位置に電解質水溶液を供給するための導入孔28が形成されており、同中空孔24の上辺の上方であって、同上辺の左右方向の中央部に対応する位置に電解生成物質を取り出すための導出孔29が形成されている。
導入孔28は、スペーサ4の板面間方向に貫通する孔である。この導入孔28と中空孔24との間は、板面4bに形成された導入流路30によって結ばれており、後述するように導入孔28に導入された電解質水溶液が導入流路30を通って中空孔24内に導かれるようになっている。
導入流路30は、図5(a)〜(c)及び図6(a)、(b)に示すように、板面4bに形成された溝であり、導入孔28から中空孔24へ向けて上方へ延びる溝30aと、導入孔28から中空孔24の下辺に沿って左右両側方に延び、途中から折れ曲がって中空孔24へ向けて上方へ伸びる溝30b、30cとからなっている。
導出孔29は、導入孔28と同様に、スペーサ4の板面間方向に貫通する孔である。この導出孔29と中空孔24との間も板面4bに形成された導出流路31によって結ばれており、後述するように導出流路31に導かれた電解生成物質が導出孔29内に進行することができるようになっている。
導出流路31も、導入流路30と同様の構成であり、導出孔29から中空孔24へ向けて下方へ延びる溝31aと導出孔29から中空孔24の上辺に沿って左右方向に延び、途中から折れ曲がって中空孔24へ向けて下方へ延びる溝31b、31cとからなっている。
また、スペーサ4には、中空孔24の左右両側辺の両側方であって、同両側辺の上下方向中央部に対応する位置に液面調整孔41、41が形成されている。
液面調整孔41も、上述した導入孔28、導出孔29と同様にスペーサ4の板面間方向に貫通する孔である。この液面調整孔41と中空孔24との間も板面4bに形成された調整流路42によって結ばれている。
調整流路42も、導入流路30、導出流路31と同様の構成であり、液面調整孔41から中空孔24へ向けて側方へ延びる溝42aと、液面調整孔から中空孔24の左右両側辺に沿って上下方向に延び、途中から折れ曲がって中空孔24へ向けて側方へ延びる溝42b、42cとからなっている。
上記の構成要素からなる複極式電解槽1は、図1〜図3に示すように、ケーシング2内に電極板3、スペーサ4を配置して組み立てられている。
すなわち、胴体6を中に挟んで側板5A、5Bが対向して配置され、胴体6の内部に電極板3とスペーサ4とが交互に配置され、図3に示すように側板5Aに一番近い電極板3に固定された電極棒21が側板5Aの電極棒挿入孔7に挿通され、側板5Bに一番近い電極板3に固定された電極棒21が側板5Bの電極棒挿入孔7に挿通され、各電極棒21の雄螺子部23にワッシャ43、スプリングワッシャ44を介在させた状態でナット45が緊締されることにより、側板5A、胴体6、側板5B、スペーサ4、4・・が強固に固定されている。
この場合、胴体6の両端部は、側板5A、5Bの段部11、11に嵌合している。また、各スペーサ4の嵌合凸部26は、隣接するスペーサ4の嵌合凹部27に嵌合しており、側板5Bに一番近いスペーサ4の嵌合凸部26は、側板5Bの嵌合凹部32に嵌合され、側板5Aに一番近いスペーサ4の嵌合凹部27には側板5Aの嵌合凸部33が嵌合している。各スペーサ4は、上記の嵌合凸部26、嵌合凹部27の嵌合により互いにその板面が密に接している。
また、各電極板3は、スペーサ4の段部25内に嵌合しており、上記のように隣接するスペーサ4同士の板面が密に接していることから、各電極板3の周辺部分が隣接するスペーサ4によって自己が嵌合する段部25内に移動不能に保持される。
なお、側板5Aに一番近い電極板3は、側板5Aの段部13内に嵌合している。
上記の構成において、図3に示すように、各スペーサ4の導入孔28は互いに連通しており、各スペーサ4の導出孔29も互いに連通している。また、各導入孔28は側板5Aの供給孔8と連通しており、各導出孔29は、側板5Bの取出孔9と連通している。
また、各スペーサ4の中空孔24は、隣接する2枚の電極板3、3によって覆われることになるが、この内部が電解質水溶液を電気分解する電解室Cとなる。
また、各スペーサ4の導入流路30及び導出流路31は、それぞれ電極板3、隣接するスペーサ4によって当該スペーサ4の板面側が覆われるが、導入孔28と中空孔24内とを、及び導出孔29と中空孔24内とをそれぞれ連通する流体通路となる。
また、図4に示すように、各スペーサ4の調整流路42は、それぞれ電極板3、隣接するスペーサ4によって当該スペーサ4の板面側が覆われるが、液面調整孔41と中空孔24内とを連通する流体通路となり、各スペーサ4の中空孔24内が互いに連通する構造となる。
次に、上記の複極式電解槽1での電解生成物質の生成について、図3、図4を参照して説明する。
まず、供給孔8に電解質水溶液を供給する。電解質水溶液は、互いに連通する各スペーサ4の導入孔28内に流入し、各スペーサ4の導入流路30を通って電解室C内に流入する。電解室C内において電解質水溶液が所定の量に達したとき、陰陽各極とされた電極21、21間に通電すると、電解室C内において電解質水溶液が電気分解され、この電解室C内で気体と液体の混濁した状態の、若しくは、主として気体となった電解生成物質が生成される。電解生成物質は、電解室C内から各スペーサ4の導出流路31を通って導出孔29内に至り、各スペーサ4の導出孔29から取出孔9を経て取り出される。
上記の動作において、供給孔8から導入孔28に供給された電解質水溶液は、導入流路30を通って電解室C内に供給されることになるが、導入流路30が3つの溝30a、30b、30cから構成されているので、流路断面が十分に確保されることによって電解質水溶液が電解室C内にスムーズに供給される。
また、電解室C内で生成された電解生成物質は、導出流路31を通って導出孔29に送り出されるが、この場合も導入流路31が3つの溝31a、31b、31cによって構成されているので、上記と同様に電解生成物質の通過がスムーズに行われる。
また、この複極式電解槽1においては、各電極板3がスペーサ4の段部25内に嵌合しており(側板5Aに一番近い電極板3のみ側板5Aの段部13内に嵌合されている)、更に各電極板3の段部25から露出する周縁部が隣接するスペーサ4に覆われている。一方、この複極式電解槽1においては、電極板3を段部25内に嵌合することによって電極板3に固定用等の孔を設けていない。したがって、電極板3の周縁部が上記のように覆われることによって電解室C内に露出することがなく、電極板3に孔等も設けていないので、各電極板3からの電流が均一に流れることになり、電気分解が効率よく行われることになる。すなわち、電極板の淵部に電流が集中して漏れ電流が生じる不都合が防止され、電力の有効利用が図れて効率のよい電気分解が行われるのである。
また、上記の動作において、電解室C内には電解生成物質として気体成分が発生し、かつ各電解室Cの電気分解条件が僅かずつ異なることがあるため、各電解室C内における電解質水溶液の液面水位が異なってしまうことが考えられる。
しかしながら、この複極式電解槽1においては、図4に示すように各電解室Cがスペーサ4に設けられた調整流路42、液面調整孔41によって互いに連通する構成とされている。したがって、各電解室Cの液面水位が変化しようとしても各電解室C間において電解質水溶液が流通し、常に各電解室C内における液面水位が均一に保たれやすくなる。
したがって、この点においても各電解室C内における電気分解の条件が均一化され、効率のよい電気分解がなされる。
以上に説明したように、本発明による複極式電解槽及びこれに用いられるスペーサによると、スペーサと電極板の固定に固定軸を用いないため、電解槽を分解する場合に固定軸から取り外す煩雑な作業を要することなく、取り外しを簡便に行うことができるという効果が得られる。
また、上記のようにして電極板をスペーサに固定するので、極めて簡便に複極式電解槽を組み立てることができるという効果が得られる。
なお、中空孔24の形状は、矩形(正方形)に限定されるものではなく、多角形又は円形とすることができる。
上記実施形態においては、嵌合凸部26をスペーサ4の板面4a上で中空孔24の左右両側方に形成させ、これに対応するように嵌合凹部27を板面4bに形成させることとしているが、これに加えて例えば、嵌合凸部26と嵌合凹部27を板面4a、4bのそれぞれに、中空孔24の上辺の上方及び下辺の下方であって、導入孔28及び導出孔29の外方にも形成させる、すなわち、90度間隔でスペーサの上下左右に形成してもよい。この場合、スペーサ4同士の結合において上下左右の向きを確認し又は考慮しないで良くなり、結合を簡便にすることができる。なお、嵌合凸部26及び嵌合凹部27の形成位置は適宜変更しても良い。
また、上記の実施の形態においては、導入流路、導出流路、及び調整流路のそれぞれを電極板及び隣接するスペーサで覆うように構成したが、この構成に代えて、当該各流路を電極板のみ、または隣接するスペーサのみで覆う様に構成してもよい。
またさらに、液面調整孔41は、上記実施形態においては中空孔24の左右両側辺の両側方であって、同両側辺の上下方向中央部の位置に形成させているがこれ限定されるものではなく、同両側方の上半部及び下半部にそれぞれ形成させることで、電解質水溶液の液面調整の均一化を調整することも可能である。また、上記実施形態において、調整流路42が、一の液面調整孔41に対して3つの溝42a〜42cを有しているが、液面調整孔41の位置又は個数及び電流効率等を考慮して、例えば調整流路42を1つの溝42aのみとするとか、2つの溝42b及び42cとする等、適宜増減させることも可能である。
また、ケーシング2には、電解槽の小型化、軽量化、原料コスト削減のためには、胴体6を用いる代わりに、スペーサ4の外周部をテープ等で密着固定させることも可能である。
本発明による複極式電解槽の一実施形態を示す図であって、複極式電解槽1を一方向から見た分解斜視図である。 本発明による複極式電解槽の一実施形態を示す図であって、複極式電解槽1を図1と逆方向から見た分解斜視図である。 本発明の一実施形態として示した複極式電解槽の縦断面図である。 本発明の一実施形態として示した複極式電解槽の横断面図である。 (a)本発明の一実施形態として示したスペーサの正面図である。 (b)本発明の一実施形態として示したスペーサの側面図である。 (c)本発明の一実施形態として示したスペーサの背面図である。 (a)本発明の一実施形態として示したスペーサを背面方向から見た斜視図である。 (b)本発明の一実施形態として示したスペーサを正面方向から見た斜視図である。 従来の電解槽の構造を説明する図である。 従来の電解槽の電極板の斜視図である。 従来の複極式電解槽のスペーサの斜視図である。 従来の電解槽の複極式電解槽に用いる固定軸を示す図である。 従来の電解槽の一部を省略した分解斜視図である。 従来の電解槽を示した分解斜視図である。 従来の電解槽の電極対を示す平面図である。
符号の説明
1 複極式電解槽
3 電極板
4 スペーサ
4a、4b 板面
5A、5B 側板
8 供給孔
9 取出孔
24 中空孔
25 段部
26 嵌合凸部
27 嵌合凹部
C 電解室

Claims (6)

  1. 通液した電解質水溶液を電気分解して電解生成物質を生成する複極式電解槽に用いられ、該複極式電解槽内部に、一方向に向けて並べて設けられた複数の電極板の間に配置される板状のスペーサであって、
    隣接するスペーサと凹凸嵌合手段により結合可能な凸部と凹部のいずれか一方又は双方をその板面に備えてなることを特徴とする複極式電解槽用スペーサ。
  2. 前記スペーサには、その厚み方向に貫通するよう電解室形成用の中空孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の複極式電解槽用スペーサ。
  3. 前記凹部又は凸部は、前記中空孔を中に挟んで対向する位置に少なくとも一対設けられていることを特徴とする請求項2に記載の複極式電解槽用スペーサ。
  4. 電極板と板状のスペーサとが交互に一方向に向け並べられてそれぞれ複数配置され、前記各電極間に形成された電解室に電解質水溶液を供給してこれを電気分解することにより電解生成物質を生成する複極式電解槽において、
    前記スペーサには、互いに隣接するもの同士の一方に凹部が形成されると共に、同他方に凸部が形成され、これら凹部と凸部が互いに嵌合することにより、各スペーサが結合されていることを特徴とする複極式電解槽。
  5. 前記スペーサには、その厚み方向に貫通するよう電解室形成用の中空孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の複極式電解槽。
  6. 前記凹部又は凸部は、前記板面上に前記中空孔を中に挟んで対向する位置に少なくとも一対設けられていることを特徴とする請求項5に記載の複極式電解槽。
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