JP2010059381A - 空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び該製造方法により得られた空洞含有樹脂成形体 - Google Patents

空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び該製造方法により得られた空洞含有樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を延伸することにより、空洞を発現させ、高彩度で光輝性の優れた外観を有し、また、断熱性に優れた空洞含有樹脂成形体を製造することができる空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び該製造方法により得られた空洞含有樹脂成形体の提供。
【解決手段】空洞含有樹脂成形体の製造方法は、単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を少なくとも1軸に延伸する空洞含有樹脂成形体の製造方法であって、1軸目の延伸における前記ポリマー成形体の応力−歪み曲線の降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)が、下記式(I)を満たすことを特徴とする。B/A<0.90・・・式(I)
【選択図】なし

Description

本発明は、単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を用いた空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び該製造方法により得られた空洞含有樹脂成形体に関する。
空洞含有樹脂成形体を製造する技術としては、熱可塑性樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂や無機粒子あるいは有機粒子を混合して得られた繊維状あるいはシート状物を少なくとも一軸に延伸する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記特許文献1に記載の技術は、主たる成分中に異種の成分を混入させ、それを核として空洞を発現させる方法である。
これまでに、延伸することにより二軸ポリエステルフィルムを製造する技術として、複屈折と密度が所定の関係を満たすように一軸配向を付与する技術(例えば、特許文献2参照)や、延伸前のフィルム端部の最大厚み(de)に対する該フィルム中央部の平均厚み(dc)との比率(de/dc)が3以下であるフィルムを用いる技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。
しかしながら、前記特許文献2に記載の技術は、フィルムの生産速度を高めたり、収率を高めることを可能とする技術であり、前記特許文献3に記載の技術は、フィルムの生産性を向上させ、しかも厚みむらの少ない、平面性に優れたフィルムを製造する技術であり、いずれも空洞を発現させるための技術ではない。
そのため、単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を延伸することにより、空洞を発現させる空洞含有樹脂成形体の製造方法の開発が望まれているのが現状である。
特開平10−278160号公報 特許第3582677号 特開平9−295344号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を延伸することにより、空洞を発現させ、高彩度で光輝性の優れた外観を有し、また、断熱性に優れた空洞含有樹脂成形体を製造することができる空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び該製造方法により得られた空洞含有樹脂成形体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を少なくとも1軸に延伸する空洞含有樹脂成形体の製造方法であって、1軸目の延伸における前記ポリマー成形体の応力−歪み曲線の降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)が、下記式(I)を満たすことを特徴とする空洞含有樹脂成形体の製造方法である。
B/A<0.90・・・式(I)
<2> 前記結晶性ポリマーが、ポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドのいずれかである前記<1>に記載の空洞含有樹脂成形体の製造方法である。
<3> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体の製造方法により得られたことを特徴とする空洞含有樹脂成形体である。
本発明によると、従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を延伸することにより、空洞を発現させ、高彩度で光輝性の優れた外観を有し、また、断熱性に優れた空洞含有樹脂成形体を製造することができる空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び該製造方法により得られた空洞含有樹脂成形体を提供することができる。
(空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び空洞含有樹脂成形体)
本発明の空洞含有樹脂成形体は、本発明の製造方法により、好適に製造することができる。以下、本発明の空洞含有樹脂成形体の製造方法、及び該方法により製造された空洞含有樹脂成形体について説明する。
本発明の空洞含有樹脂成形体の製造方法は、単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を少なくとも1軸に延伸する工程(延伸工程)を少なくとも含み、さらに必要に応じて製膜工程などのその他の工程を含んでなる。
[延伸工程]
前記延伸工程は、前記ポリマー成形体を少なくとも1軸に延伸し、空洞を発現させる工程である。
<ポリマー成形体>
前記ポリマー成形体は、単一の結晶性ポリマーを含むポリマー組成物からなり、必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記ポリマー成形体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム状、シート状などが挙げられる。
−ポリマー組成物−
前記ポリマー組成物は、単一の結晶性ポリマーを含み、必要に応じて、空洞の発現に寄与しないその他の成分を含んでなる。前記ポリマー組成物は、結晶性ポリマーのみからなることが特に好ましい。
−−結晶性ポリマー−−
一般に、ポリマーは、結晶性を有するポリマー(結晶性ポリマー)と非晶性(アモルファス)ポリマーとに分けられるが、結晶性を有するポリマーといえども100%結晶ということはなく、分子構造の中に長い鎖状の分子が規則的に並んだ結晶性領域と、規則的に並んでいない非結晶(アモルファス)領域とを含んでいる。
したがって、本発明のポリマー成形体における前記結晶性ポリマーとしては、分子構造の中に少なくとも前記結晶性領域を含んでいればよく、結晶性領域と非結晶領域とが混在していてもよい。
前記結晶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高密度ポリエチレン、ポリオレフィン類(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−シクロオレフィン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1など)、ポリアミド類(PA)(例えば、ナイロン−6など)、ポリアセタール類(POM)、ポリエステル類(例えば、PET、PEN、PTT、PBT、PPT、PHT、PBN、PES、PBSなど)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンサルファイド類(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン類(PEEK)、液晶ポリマー類(LCP)、フッ素樹脂、などが挙げられる。その中でも、力学強度や製造の観点から、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)、液晶ポリマー類(LCP)が好ましく、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類がより好ましい。
前記結晶性ポリマーの溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50Pa・s〜700Pa・sが好ましく、70Pa・s〜500Pa・sがより好ましく、80Pa・s〜300Pa・sが特に好ましい。前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、溶融製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形状が安定し、均一に製膜しやすくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、溶融製膜時の粘度が適切になって押出ししやすくなったり、製膜時の溶融膜がレベリングされて凹凸を低減できたりする点で好ましい。
ここで、前記溶融粘度は、プレートタイプのレオメーターやキャピラリーレオメーターにより測定することができる。
前記結晶性ポリマーのMFR(メルトフローレート)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1(g/10min)〜100(g/10min)が好ましく、0.5(g/10min)〜60(g/10min)がより好ましく、1(g/10min)〜35(g/10min)が特に好ましい。前記MFRが1(g/10min)〜35(g/10min)であると、製膜されたフィルムの強度が高くなり、効率よく延伸することができる点で好ましい。
ここで、前記MFRは、例えば、セミオートメルトインデックサ 2A(東洋精機(株)製)により測定することができる。
前記結晶性ポリマーの融点(Tm)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜350℃が好ましく、100℃〜300℃がより好ましく、100℃〜260℃が特に好ましい。前記融点が40℃〜350℃であると、通常の使用で予想される温度範囲で形を保ちやすくなる点で好ましく、高温での加工に必要とされる特殊な技術を特に用いなくても、均一な製膜ができる点で好ましい。
ここで、前記融点は、示差熱分析装置(DSC)により測定することができる。
−−−ポリエステル樹脂−−−
前記ポリエステル類(以下、「ポリエステル樹脂」と称することがある。)は、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子化合物の総称を意味する。したがって、前記結晶性ポリマーとして好適な前記ポリエステル樹脂としては、前記例示したPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPT(ポリペンタメチレンテレフタレート)、PHT(ポリヘキサメチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PES(ポリエチレンサクシネート)、PBS(ポリブチレンサクシネート)だけでなく、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合反応によって得られる高分子化合物が全て含まれる。
前記ジカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、オキシカルボン酸、多官能酸などが挙げられ、中でも、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸が好ましく、テレフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、エイコ酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられる。前記脂環族ジカルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。前記オキシカルボン酸としては、例えば、p−オキシ安息香酸などが挙げられる。前記多官能酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸の中では、コハク酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、コハク酸、アジピン酸がより好ましい。
前記ジオール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジオール、脂環族ジオール、芳香族ジオール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコールなどが挙げられ、中でも、脂肪族ジオールが好ましい。
前記脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられ、中でも、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールが特に好ましい。前記脂環族ジオールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。前記芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂の溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50Pa・s〜700Pa・sが好ましく、70Pa・s〜500Pa・sがより好ましく、80Pa・s〜300Pa・sが特に好ましい。前記溶融粘度が大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、破断しづらくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形態が維持しやすくなって、安定的に成形できたり、製品が破損しにくくなったりするなど、物性が高まる点で好ましい。
前記ポリエステル樹脂の極限粘度(IV)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.4〜1.2が好ましく、0.6〜1.0がより好ましく、0.7〜0.9が特に好ましい。前記IVが大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記IVが0.4〜1.2であると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。さらに、前記IVが0.4〜1.2であると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、装置に負荷がかかりにくい点で好ましい。加えて、前記IVが0.4〜1.2であると、製品が破損しにくくなって、物性が高まる点で好ましい。
ここで、前記IVは、ウベローデ型粘度計により測定することができる。
前記ポリエステル樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性や製膜性などの観点から、150℃〜300℃が好ましく、160℃〜270℃がより好ましい。
−−−ポリオレフィン樹脂−−−
前記ポリオレフィン類(以下、「ポリオレフィン樹脂」と称することがある。)は、エチレンを基本とするαオレフィンを重合して得られるポリマーを意味する。前記結晶性ポリマーとして好適な前記ポリオレフィン樹脂としては、前記したように、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−シクロオレフィン共重合体、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などが挙げられる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンがより好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂の溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50Pa・s〜700Pa・sが好ましく、70Pa・s〜500Pa・sがより好ましく、80Pa・s〜300Pa・sが特に好ましい。前記溶融粘度が大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、破断しづらくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形態が維持しやすくなって、安定的に成形できたり、製品が破損しにくくなったりするなど、物性が高まる点で好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂のMFR(メルトフローレート)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1(g/10min)〜100(g/10min)が好ましく、0.5(g/10min)〜50(g/10min)がより好ましく、1(g/10min)〜35(g/10min)が特に好ましい。前記MFRが大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記MFRが、0.1(g/10min)〜100(g/10min)であると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。さらに、前記MFRが、0.5(g/10min)〜50(g/10min)であると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、装置に負荷がかかりにくい点で好ましい。加えて、前記MFRが、1(g/10min)〜35(g/10min)であると、製品が破損しにくくなって、物性が高まる点で好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性や製膜性などの観点から、150℃〜300℃が好ましく、160℃〜270℃がより好ましい。
−−−ポリアミド樹脂−−−
前記ポリアミド類(以下、「ポリアミド樹脂」と称することがある。)は、アミド結合によって多数のモノマーが結合して得られるポリマーを意味する。前記結晶性ポリマーとして好適な前記ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン、アラミド樹脂、などが挙げられる。中でも、ナイロンが好ましい。
前記ポリアミド樹脂の溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50Pa・s〜700Pa・sが好ましく、70Pa・s〜500Pa・sがより好ましく、80Pa・s〜300Pa・sが特に好ましい。前記溶融粘度が大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、破断しづらくなる点で好ましい。また、前記溶融粘度が50Pa・s〜700Pa・sであると、製膜時にダイヘッドから吐出される溶融膜の形態が維持しやすくなって、安定的に成形できたり、製品が破損しにくくなったりするなど、物性が高まる点で好ましい。
前記ポリアミド樹脂のMFR(メルトフローレート)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1(g/10min)〜100(g/10min)が好ましく、0.5(g/10min)〜60(g/10min)がより好ましく、1(g/10min)〜20(g/10min)が特に好ましい。前記MFRが大きいほうが延伸時にボイドを発現しやすいが、前記MFRが、0.1(g/10min)〜100(g/10min)であると、製膜時に押出しがしやすくなったり、樹脂の流れが安定して滞留が発生しづらくなり、品質が安定したりする点で好ましい。さらに、前記MFRが、0.5(g/10min)〜60(g/10min)であると、延伸時に延伸張力が適切に保たれるために、均一に延伸しやすくなり、装置に負荷がかかりにくい点で好ましい。加えて、前記MFRが、1(g/10min)〜20(g/10min)であると、製品が破損しにくくなって、物性が高まる点で好ましい。
前記アミド樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性や製膜性などの観点から、150℃〜300℃が好ましく、160℃〜270℃がより好ましい。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、空洞の発現に寄与しない成分であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記空洞の発現に寄与しない成分としては、耐熱安定剤、酸化防止剤、有機の易滑剤、核剤、染料、顔料、分散剤、カップリング剤及び蛍光増白剤などが挙げられる。前記その他の成分が空洞の発現に寄与したかどうかは、空洞内又は空洞の界面部分に、結晶性ポリマー以外の成分(例えば、後記する各成分など)が検出されるかどうかで判別できる。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のヒンダードフェノール類などが挙げられる。前記ヒンダードフェノール類としては、例えば、イルガノックス1010、同スミライザーBHT、同スミライザーGA−80などの商品名で市販されている酸化防止剤が挙げられる。
また、前記酸化防止剤を一次酸化防止剤として利用し、更に二次酸化防止剤を組み合わせて適用することもできる。前記二次酸化防止剤としては、例えば、スミライザーTPL−R、同スミライザーTPM、同スミライザーTP−Dなどの商品名で市販されている酸化防止剤が挙げられる。
前記蛍光増白剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばユビテック、OB−1、TBO、ケイコール、カヤライト、リューコプア、EGMなどの商品名で市販されているものを用いることができる。なお、前記蛍光増白剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。このように蛍光増白剤を添加することで、より鮮明で青味のある白色性を与え、高級感を持たせることができる。
<延伸>
前記延伸では、前記ポリマー成形体が少なくとも1軸に延伸される。そして、前記延伸工程により、ポリマー成形体が延伸されるとともに、その内部に1軸目の延伸方向に沿って配向した空洞が形成されることで、空洞含有樹脂成形体が得られる。
延伸により空洞が形成される理由としては、前記ポリマー成形体を構成する単一の結晶性ポリマーが、微小な結晶領域又は分子のあるレベルでの規則性を持った微小な領域を形成することによって、延伸時に伸張し難い結晶又は微細構造領域を含む相間の樹脂が引きちぎられるような形で、剥離延伸されることにより、これが空洞形成源となって、空洞が形成されるものと考えられる。
前記延伸の条件は、1軸目の延伸における前記ポリマー成形体の応力−歪み(伸び)曲線の降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)との関係によって決定することができる。
前記応力の測定方法(算出方法)としては、JIS K 7127に準じた方法で求めることができる。
前記歪み(伸び)の測定方法としては、JIS K 7127に準じた方法で求めることができる。
前記延伸の条件としては、1軸目の延伸における前記ポリマー成形体の応力−歪み(伸び)曲線の降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)が、下記式(I)を満たす限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、B/A<0.80が好ましく、B/A<0.75がより好ましい。
B/A<0.90・・・式(I)
前記B/Aが、0.90以上であると、空洞が発現せず透明なフィルムのまま延伸されることがある。一方、前記B/Aが前記より好ましい範囲内であると、空洞発現し、更に良好な延伸性を有する点で有利である。
前記延伸の方法としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、例えば、1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸が挙げられるが、いずれの延伸方法においても、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸が行われることが好ましい。
一般に、縦延伸においては、ロールの組合せやロール間の速度差により、縦延伸の段数や延伸速度を調節することができる。
前記縦延伸の段数としては、1段以上であれば特に制限はないが、より安定して高速に延伸することができる点及び製造の歩留まりや機械の制約の点から、2段以上に縦延伸することが好ましい。また、2段以上に縦延伸することは、1段目の延伸によりネッキングの発生を確認したうえで、2段目の延伸により空洞を形成させることができる点においても、有利である。
なお、2段目以降の延伸における延伸条件(例えば、延伸速度、延伸温度など)は、1段目の延伸条件と同じでもよく、異なっていてもよい。
−延伸速度−
前記縦延伸の延伸速度としては、1軸目の延伸における前記ポリマー成形体の応力−歪み(伸び)曲線の降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)が、上記式(I)を満たす限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10mm/min〜36,000mm/minが好ましく、800mm/min〜24,000mm/minがより好ましく、1,200mm/min〜12,000mm/minが特に好ましい。前記延伸速度が、10mm/min以上であると、充分なネッキングを発現させやすい点で好ましい。また、前記延伸速度が、36,000mm/min以下であると、均一な延伸がしやすくなり、樹脂が破断しづらくなり、高速延伸を目的とした大型な延伸装置を必要とせずにコストを低減できる点で好ましい。したがって、前記延伸速度が、10mm/min〜36,000mm/minであると、充分なネッキングを発現させやすく、かつ、均一な延伸がしやすくなり、樹脂が破断しづらくなり、高速延伸を目的とした大型な延伸装置を必要とせずにコストを低減できる点で好ましい。
より具体的には、1段延伸の場合の延伸速度としては、1,000mm/min〜36,000mm/minが好ましく、1,100mm/min〜24,000mm/minがより好ましく、1,200mm/min〜12,000mm/minが特に好ましい。
2段延伸の場合には、1段目の延伸を、ネッキングを発現させることを主なる目的とした予備的な延伸とすることが好ましい。前記予備的な延伸の延伸速度としては、10mm/min〜300mm/minが好ましく、40mm/min〜220mm/minがより好ましく、70mm/min〜150mm/minが特に好ましい。
そして、2段延伸における、前記予備的な延伸(1段目の延伸)によりネッキングを発現させた後の2段目の延伸速度は、前記予備的な延伸の延伸速度と変えることが好ましい。前記予備的延伸によりネッキングを発現させた後の、2段目の延伸速度としては、600mm/min〜36,000mm/minが好ましく、800mm/min〜24,000mm/minがより好ましく、1,200mm/min〜15,000mm/minが特に好ましい。
前記延伸速度の測定方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、以下の方法により測定することができる。
バッチ式の場合には、ポリマー成形体の端部を把持したクランプが、延伸方向へ移動する際の移動速度、即ち、クランプの移動距離/クランプの移動に要した時間(mm/min)、を延伸速度とする。本実施形態において規定される延伸速度は、特に記載のない限り、前記バッチ式の場合の延伸速度である。
また、ポリマー成形体が2対(又はそれ以上)のニップロールを通過する際の、ニップロールの表面速度の差によって、ポリマー成形体が延伸される場合(一般に、「Roll to Roll延伸」という。)には、ポリマー成形体の把持位置がニップロールで固定されており、移動しない。したがって、前記Roll to Roll延伸の場合には、延伸された倍率/延伸に要した時間(%/min)、を延伸速度とする。なお、前記ニップロールは、図1におけるロール15aに相当する。
なお、前記バッチ式における延伸速度と、前記Roll to Roll延伸における延伸速度とは、いずれかの延伸方法において、ポリマー成形体の延伸前の長さ(mm)及び延伸後の長さ(mm)を測定していれば、互いに換算することが可能である。バッチ式における延伸速度から、Roll to Roll延伸における延伸速度に換算した例を表1に示す。
−−延伸温度−−
延伸時の温度としては、1軸目の延伸における前記ポリマー成形体の応力−歪み(伸び)曲線の降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)が、上記式(I)を満たす限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
延伸温度をT(℃)、結晶性を有するポリマーのガラス転移温度をTg(℃)としたときに、
(Tg−30)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することが好ましく、
(Tg−25)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することがより好ましく、
(Tg−20)(℃)≦T(℃)≦(Tg+50)(℃)
で示される範囲の延伸温度T(℃)で延伸することが特に好ましい。
一般に、延伸温度(℃)が高いほど延伸張力も低めに抑えられて容易に延伸できるが、前記延伸温度(℃)が、{ガラス転移温度(Tg)−30}℃以上、{ガラス転移温度(Tg)+50}℃以下であると、空洞含有率が高くなり、アスペクト比が10以上になりやすく、充分に空洞が発現する点で好ましい。
ここで、前記延伸温度T(℃)は、非接触式温度計により測定することができる。また、前記ガラス転移温度Tg(℃)は、示差熱分析装置(DSC)により測定することができる。
なお、前記延伸工程において、空洞の発現の妨げにならない範囲で、横延伸はしてもよく、しなくてもよい。また横延伸をする場合には、横延伸工程を利用してフィルムを緩和させたり、熱処理を行ったりしてもよい。
また、延伸後の空洞含有樹脂成形体は、形状安定化などの目的で、更に熱を加えて熱収縮させたり、張力を加えたりする等の処理をしてもよい。
前記ポリマー成形体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリマーがポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂である場合には、溶融製膜方法により好適に製造することができる。
また、前記ポリマー成形体の製造は、前記延伸工程と独立に行ってもよく、連続的に行ってもよい。
図1は、本発明の空洞含有樹脂成形体の製造方法の一例を示す図であって、二軸延伸フィルム製造装置のフロー図である。図1に示す二軸延伸フィルム製造装置は、Roll to Roll延伸を行うフィルム製造装置である。
図1に示すように、原料樹脂(ポリマー組成物)11は、押出機12(原料形状や、製造規模によって、二軸押出機を用いたり、単軸押出し機を用いたりする)内部で熱溶融、混練された後、Tダイ13から柔らかい板状(フィルム又はシート状)に吐出される。
次に、吐出されたフィルム又はシートFは、キャスティングドラム14で冷却固化されて、製膜される。製膜されたフィルム又はシートF(「ポリマー成形体」に相当する)は、縦延伸機15に送られる。
そして、製膜されたフィルム又はシートFは、縦延伸機15内で再び加熱され、速度の異なるロール15a間で、縦に延伸される。この縦延伸により、フィルム又はシートFの内部に延伸方向に沿って空洞が形成される。そして、空洞が形成されたフィルム又はシートFは、横延伸機16の左右のクリップ16aで両端を把持されて、巻取機側(図示せず)へ送られながら横に延伸されて、空洞含有樹脂成形体1となる。なお、前記工程において、縦延伸のみを行ったフィルム又はシートFを横延伸機16に供さず、空洞含有樹脂成形体1として使用してもよい。
<空洞含有樹脂成形体>
本発明の空洞含有樹脂成形体は、上述した空洞含有樹脂成形体の製造方法によって得ることができる。
前記空洞含有樹脂成形体は、前記ポリマー成形体からなる。
前記空洞含有樹脂成形体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム状、シート状、繊維状などが挙げられる。
−空洞−
本発明の空洞含有樹脂成形体は、長尺状の空洞をその長さ方向が一方向に配向した状態で内部に含有し、空洞含有率及び前記空洞のアスペクト比に特徴を有している。
前記空洞とは、樹脂成形体内部に存在する、真空状態のドメインもしくは気相のドメインを意味する。
前記空洞含有率とは、樹脂成形体の固相部分の総体積と含有される空洞の総体積の和に対する、前記含有される空洞の総体積を意味する。
前記空洞含有率としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、3体積%以上、50体積%以下が好ましく、5体積%〜40体積%がより好ましく、10体積%〜30体積%が特に好ましい。
ここで、前記空洞含有率は、比重を測定し、前記比重に基づいて算出することができる。
具体的には、前記空洞含有率は、下記の(1)式により求めることができる。
空洞含有率(%)={1−(延伸後の空洞含有樹脂成形体の密度)/(延伸前のポリマー成形体の密度)} ・・・(1)
前記アスペクト比とは、空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さをr(μm)として、前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さをL(μm)とした際のL/r比を意味する。
前記アスペクト比としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10以上であることが好ましく、15以上がより好ましく、20以上が特に好ましい。
図2A〜2Cは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図2Aは、空洞含有樹脂成形体の斜視図であり、図2Bは、図2Aにおける空洞含有樹脂成形体のA−A’断面図であり、図2Cは、図2Aにおける空洞含有樹脂成形体のB−B’断面図である。
前記空洞含有樹脂成形体の製造工程において、前記空洞は、通常、第一の延伸方向に沿って配向する。したがって、前記「空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さ(r(μm))」は、空洞含有樹脂成形体1の表面1aに垂直で、かつ、第一の延伸方向に直角な断面(図2AにおけるA−A’断面)における空洞100の平均の厚みr(図2B参照)に相当する。また、「前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さ(L(μm))」は、前記空洞含有樹脂成形体の表面に垂直で、かつ、前記第一の延伸方向に平行な断面(図2AにおけるB−B’断面)における空洞100の平均の長さL(図2C参照)に相当する。
なお、前記第一の延伸方向とは、延伸が1軸のみの場合には、その1軸の延伸方向を示す。通常は、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸を行うため、この縦延伸の方向が前記第一の延伸方向に相当する。
また、延伸が2軸以上の場合には、空洞形成を目的とした延伸方向のうち少なくとも1方向を示す。通常は、2軸以上の延伸においても、製造時に成形体の流れる方向に沿って縦延伸が行われ、かつ、この縦延伸により空洞を形成することが可能であるため、この縦延伸の方向が前記第一の延伸方向に相当する。
ここで、空洞の配向方向に直交する厚み方向における前記空洞の平均長さ(r(μm))は、光学顕微鏡や電子顕微鏡の画像により測定することができる。同様に、前記空洞の配向方向における前記空洞の平均長さ(L(μm))は、光学顕微鏡や電子顕微鏡の画像により測定することができる。
また、本発明の空洞含有樹脂成形体は、膜厚方向の空洞の平均の個数P、結晶性ポリマー層と空洞層との屈折率差ΔN、及び、前記ΔNと前記Pとの積に、特徴を有している。
前記膜厚方向の空洞の個数とは、空洞含有樹脂成形体1の表面1aに垂直で、かつ、第一の延伸方向に直角な断面(図2AにおけるA−A’断面)において、膜厚方向に含まれる空洞100の個数を意味する。
前記膜厚方向の空洞の平均の個数Pとしては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5個以上が好ましく、10個以上がより好ましく、15個以上が更に好ましい。
ここで、前記膜厚方向の空洞の個数は、光学顕微鏡や電子顕微鏡の画像により測定することができる。
前記結晶性ポリマー層と空洞層との屈折率差ΔNとは、具体的には、結晶性ポリマー層の屈折率をN1として、空洞層の屈折率をN2とした際に、N1とN2との差であるΔN(=N1−N2)の値を意味する。
ここで、結晶性ポリマー層や空洞層の屈折率N1、N2は、アッベ屈折計などにより測定することができる。
前記ΔNと前記Pとの積は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上が特に好ましい。
このように、前記空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有していることにより、例えば、反射率や光沢性、熱伝導率などにおいて、様々な優れた特性を有している。言い換えると、前記空洞含有樹脂成形体に含有される空洞の態様を変化させることで、反射率や光沢性、熱伝導率などの特性を調節することができる。
−光沢度−
前記空洞含有樹脂成形体の光沢度としては、60以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましく、80以上であることが特に好ましい。
ここで、前記光沢度は、変角光沢計により測定することができる。
−光線透過率−
前記空洞含有樹脂成形体の光線透過率としては、波長550nmにおいて、0.4%以下であることが好ましく、0.3%以下であることがより好ましく、0.2%以下であることが特に好ましい。
ここで、前記光線透過率は、分光光度計により測定することができる。
−熱伝導率−
前記空洞含有樹脂成形体の熱伝導率としては、0.1(W/mK)以下であることが好ましく、0.09(W/mK)以下であることがより好ましく、0.08(W/mK)以下であることが特に好ましい。
また、前記空洞含有樹脂成形体の好適な熱伝導率は、相対的な値として規定することもできる。即ち、前記空洞含有樹脂成形体の熱伝導率をX(W/mK)として、前記空洞含有樹脂成形体と同じ厚さで、前記空洞含有樹脂成形体を構成するポリマー組成物と同一のポリマー組成物からなり、空洞を含有しないポリマー成形体の熱伝導率をY(W/mK)とした際のX/Y比が、0.27以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましく、0.15以下であることが特に好ましい。
ここで、前記熱伝導率は、熱拡散率、比熱、密度の測定値の積によって算出することができる。前記熱拡散率は一般的にはレーザーフラッシュ法(例えば、TC−7000((株)真空理工製))により測定できる。前記比熱はDSCによりJIS K7123に記載の方法に従って測定できる。前記密度は一定面積の質量とその厚みを測定することにより、算出することができる。
−表面平滑性−
また、前記空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しつつも、空洞を発現するための無機系微粒子、相溶しない樹脂、不活性ガスなどが添加されていないため、優れた表面平滑性を有している。
前記空洞含有樹脂成形体の表面平滑性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、Ra=0.3μm以下が好ましく、Ra=0.25μm以下が更に好ましく、Ra=0.1μm以下が特に好ましい。
さらに、前記空洞含有樹脂成形体は、成形体表面だけでなく、成形体表面から所定の距離においても空洞が形成されていないことを特徴とする。
即ち、前記空洞含有樹脂成形体における、前記空洞の配向方向に直交する断面において、前記空洞の中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の前記空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)が、次式、h(avg)>T/100、の関係を満たす。
但し、Tは、前記断面における厚みの算術平均値を表し、10個の前記空洞は、前記厚み方向に平行な任意の一の直線と、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線とで挟まれた領域内に存在する空洞の中から選択される。
前記「空洞の中心」とは、前記断面における空洞の断面形状が、真円である場合にはその中心を意味し、それ以外の形状の場合には、例えば、最大二乗中心法により任意に設定した基準円からの偏差の二乗和が最小となる円の中心を決定し、これを空洞の中心とする。
前記「空洞含有樹脂成形体の表面」とは、厚み方向における、空洞含有樹脂成形体の最外面を意味する。通常、前記空洞含有樹脂成形体を載置したときの上面を意味する。
具体的には、空洞含有樹脂成形体の表面に垂直で、かつ、縦延伸方向に直角な断面(図2D参照)を、走査型電子顕微鏡を用いて300倍〜3,000倍の適切な倍率で検鏡し、断面写真を撮像する。前記断面写真内において、厚みの算術平均値Tを算出する。厚みの算術平均値Tとして、ロングレンジ接触式変位計などを用いて測定された厚さを用いてもよい。また、厚みの測定には、アンリツ製FILM THICKNESS TESTER KG601Bなども用いることができる。
次に、前記断面写真内において、厚み方向に平行な任意の一の直線を描画し、更に、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線を描画する。
そして、断面写真内の各空洞において、最大二乗中心法により任意に設定した基準円からの偏差の二乗和が最小となる円の中心を決定し、これを空洞の中心とする。
そして、前記一の直線と前記他の直線とで挟まれた領域内において、空洞の中心から空洞含有樹脂成形体の表面までの距離が最も短い10個の空洞を選択する。なお、前記「空洞の中心から空洞含有樹脂成形体の表面までの距離」は、前記「空洞の中心」を中心とした円を描画する際に、描画する円の半径を順次大きくし、円弧が最初に空洞含有樹脂成形体の表面に接したときの円の半径とする。
そして、選択した10個の空洞について、各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)を下記(2)式により算出する。
h(avg)=(Σh(i))/10 ・・・(2)
なお、前記「各中心から前記空洞含有樹脂成形体の表面までの距離h(i)」は、前記空洞含有樹脂成形体が、湾曲していたり、応力がかかっていたりすると、正確に測定することができないため、測定の際には平面状に載置した状態で測定することが好ましい。
前記空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しつつも、空洞含有樹脂成形体の表面近くに空洞が形成されていないため、優れた表面平滑性を有している。
<用途>
本発明の空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しているため、例えば、電子機器の照明用部材、一般家庭用照明部材、内照看板などの反射板、昇華転写記録材料又は熱転写記録材料に対応できる受像フィルム素材又は受像シート素材、各種断熱材、感圧記録材料、農業用マルチフィルム、化粧料の成分、食品用包装材、遮光性シュリンクフィルム、スクリ−ンなどとして利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全ての本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
IV=0.72であるであるPBT1(ポリプラスチックス社製。ポリブチレンテレフタレート100%樹脂)を溶融押出機を用いて245℃でTダイから押し出し、53℃のキャスティングドラムで固化させて、厚さ約120μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムをロールtoロールによる1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、43℃の加温雰囲気下で、1段目の周速を0.4m/min、2段目の周速を2.0 m/minで1軸延伸した。ポリマーフィルムの応力−歪み(伸び)曲線を図3に示す。
なお、前記応力の測定方法(算出方法)は、JIS K 7127に準じた方法で行い、前記歪み(伸び)の測定方法は、JIS K 7127に準じた方法で行った。
図3から、降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)の関係は、B/A=0.77であった。
上記延伸により、空洞が発現し、空洞含有樹脂フィルムが得られた。
(実施例2)
実施例1において、延伸時の条件を30℃の加温雰囲気下としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーフィルムを作製した。ポリマーフィルムの応力−歪み(伸び)曲線を図4に示す。
なお、前記応力の測定方法(算出方法)は、JIS K 7127に準じた方法で行い、前記歪み(伸び)の測定方法は、JIS K 7127に準じた方法で行った。
図4から、降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)の関係は、B/A=0.71であった。
上記延伸により、空洞が発現し、空洞含有樹脂フィルムが得られた。
(実施例3)
MFR=9.0(g/10min)であるiPP(アイソタクティックポリプロピレン、プライムポリプロ J105、プライムポリマー(株)製)を溶融押出機を用いて220℃でTダイから押し出し、70℃のキャスティングドラムで固化させて、厚さ約145μmのポリマーフィルムを得た。このポリマーフィルムをロールtoロールによる1軸延伸(縦延伸)した。
具体的には、30℃の加温雰囲気下で、1段目の周速を0.6m/min、2段目の周速を3.1m/minで1軸延伸した。ポリマーフィルムの応力−歪み(伸び)曲線を図5に示す。
なお、前記応力の測定方法(算出方法)は、JIS K 7127に準じた方法で行い、前記歪み(伸び)の測定方法は、JIS K 7127に準じた方法で行った。
図5から、降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)の関係は、B/A=0.72であった。
上記延伸により、空洞が発現し、空洞含有樹脂フィルムが得られた。
(実施例4)
実施例1において、延伸時の条件を45℃の加温雰囲気下としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーフィルムを作製した。ポリマーフィルムの応力−歪み(伸び)曲線を図6に示す。
なお、前記応力の測定方法(算出方法)は、JIS K 7127に準じた方法で行い、前記歪み(伸び)の測定方法は、JIS K 7127に準じた方法で行った。
図6から、降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)の関係は、B/A=0.86であった。
上記延伸により、空洞が発現し、空洞含有樹脂フィルムが得られた。
(比較例1)
実施例1において、延伸時の条件を70℃の加温雰囲気下としたこと以外は、実施例1と同様にしてポリマーフィルムを作製した。ポリマーフィルムの応力−歪み(伸び)曲線を図7に示す。
なお、前記応力の測定方法(算出方法)は、JIS K 7127に準じた方法で行い、前記歪み(伸び)の測定方法は、JIS K 7127に準じた方法で行った。
図7から、降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)の関係は、B/A=0.98であった。
上記延伸では、空洞が発現せず、空洞含有樹脂フィルムを得ることができなかった。
−評価方法−
前記実施例1〜4で得られた空洞含有樹脂フィルムについて、下記の評価を行った。なお、比較例1の樹脂フィルムは、空洞を発現させることができなかったため、下記の評価は行わなかった。結果を表2に示す。
(1)厚さの測定
キーエンス社製、ロングレンジ接触式変位計AF030(測定部)、AF350(指示部)を用いて測定した。
(2)光沢度の測定
上記で得られた空洞含有樹脂成形体の光沢度を、変角光沢計VG−1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて、60°入射、60°受光の条件で測定し光沢度を得た。
(3)光線透過率の測定
上記で得られた空洞含有樹脂成形体の光線透過率(M)を、分光光度計U−4100(日立製作所製)を用いて、以下のようにして測定した。
空洞含有樹脂フィルムの表面に垂直の方向から5°傾けて光を入射させ、空洞含有樹脂フィルムを透過する光の強度を、空洞含有樹脂フィルムを置かないブランクの値と比較した。波長は、550nmを使用した。
また、同様にして、前記空洞含有樹脂成形体と同じ厚さで、前記空洞含有樹脂成形体を構成する結晶性ポリマーと同一の結晶性ポリマーからなり、空洞を含有しないポリマー成形体の透過率(N)を測定した。
(4)熱伝導率の測定
熱拡散率は TC−7000((株)真空理工製)を用いて測定した。樹脂フィルム両面をスプレーにより黒化し室温で測定した。密度、比熱は後述の方法で測定し、3つの測定値の積から熱伝導率を求めた。
(5)密度の測定
樹脂フィルムから一定面積を切り取り、その質量を天秤で測定し、その厚みを膜厚計で測定し、質量を体積で割ることで密度を求めた。
(6)比熱の測定
JIS K7123に記載の方法で求めた。DSCとしては、Q1000(TAインスツルメント社製)を用いた。
(7)表面平滑性の測定
光干渉式三次元形状解析装置NewView5022(Zygo社製)を用い、対物レンズ50倍で測定した。
(8)空洞含有率の測定
比重を測定し、この比重に基づいて算出した。
具体的には、空洞含有率を下記の(1)式により算出した。
空洞含有率(%)={1−(延伸後の樹脂フィルムの密度)/(延伸前のポリマーフィルムの密度)} ・・・(1)
(9)アスペクト比の測定
樹脂フィルムの表面に垂直で、かつ、縦延伸方向に直角な断面(図2B参照)と、前記樹脂フィルムの表面に垂直で、かつ、前記縦延伸方向に平行な断面(図2C参照)を、走査型電子顕微鏡を用いて300倍〜3,000倍の適切な倍率で検鏡し、前記各断面写真において測定枠をそれぞれ設定した。この測定枠は、その枠内に空洞が50個〜100個含まれるように設定した。また、前記走査型電子顕微鏡による検鏡により、空洞が縦延伸方向に沿って配向していることを確認した。
次に、測定枠に含まれる空洞の数を計測し、前記縦延伸方向に直角な断面の測定枠(図2B参照)に含まれる空洞の数をm個、前記縦延伸方向に平行な断面の測定枠(図2C参照)に含まれる空洞の数をn個とした。
そして、前記縦延伸方向に直角な断面の測定枠(図2B参照)に含まれる空洞の1個ずつの厚み(r)を測定し、その平均の厚さをrとした。また、前記縦延伸方向に平行な断面の測定枠(図2C参照)に含まれる空洞の1個ずつの長さ(L)を測定し、その平均の長さをLとした。
即ち、r及びLは、それぞれ下記の(3)式及び(4)式で表すことができる。
r=(Σr)/m ・・・(3)
L=(ΣL)/n ・・・(4)
そして、L/rを算出し、アスペクト比とした。
(10)フィルム表面に最も近くに位置する空洞からフィルム表面までの距離の測定
樹脂フィルムの表面に垂直で、かつ、縦延伸方向に直角な断面(図2D参照)を、走査型電子顕微鏡を用いて300倍〜3,000倍の適切な倍率で検鏡し、断面写真を撮像した。
撮像の際には、前記樹脂フィルムを平面状に載置した状態で走査型電子顕微鏡にセットして撮像した。
前記断面写真内において、厚みの算術平均値Tを算出した。各樹脂フィルムにおいて算出された厚みの算術平均値Tは、上記「(1)厚さの測定」で測定された厚さ(表2参照)と同じであった。
次に、前記断面写真内において、厚み方向に平行な任意の一の直線を描画し、更に、前記一の直線に対し平行でかつ20×Tだけ離れて位置する他の直線を描画した。また、前記走査型電子顕微鏡による検鏡により、空洞が縦延伸方向に沿って配向していることを確認した。
そして、断面写真内の各空洞において、最大二乗中心法により任意に設定した基準円からの偏差の二乗和が最小となる円の中心を決定し、これを空洞の中心とした。
そして、前記一の直線と前記他の直線とで挟まれた領域内において、空洞の中心から樹脂フィルム上面までの距離が最も近い10個の空洞を選択した。なお、前記「空洞の中心から樹脂フィルム上面までの距離」は、前記「空洞の中心」を中心とした円を描画する際に、描画する円の半径を順次大きくし、円弧が最初に樹脂フィルムの表面に接したときの円の半径とした。
そして、選択した10個の空洞について、各中心から前記樹脂フィルムの上面までの距離h(i)を算出し、算出された各前記距離h(i)の算術平均値h(avg)を下記(2)式により算出した。
h(avg)=(Σh(i))/10 ・・・(2)
(11)膜厚方向の空洞の平均の個数P
まず、走査型電子顕微鏡により、空洞含有樹脂フィルムの表面に垂直で、かつ、縦延伸方向に直角な断面を撮影した。
そして、断面写真において膜厚方向に(フィルムの底面から上面zにかけて)直線を引き、前記直線に接する空洞の個数を計測した。この作業を20本の直線について行い、平均を求めた。
(12)結晶性ポリマー層と空洞層との屈折率差ΔN
結晶性ポリマー層の屈折率N1、及び空洞層の屈折率N2をアッベ屈折計により測定し、その差ΔN(=N1−N2)を算出した。
表2の結果によれば、実施例1〜4の空洞含有樹脂フィルムは、結晶性ポリマーのみからなる空洞を含有していることがわかった。また、実施例1〜4の空洞含有樹脂フィルムは、有効に光を遮断し、しかも良好な反射特性、光沢を示すことがわかった。さらに、実施例1〜4の空洞含有樹脂フィルムは、空洞部に熱可塑性樹脂や無機粒子といった空洞発現剤(熱伝導率を大きくする成分)が存在しないため、熱伝導率が小さく、しかも延伸前の熱伝導率に比べて大きく減少している(X/Y比が小さい)ことがわかった。
そして、空洞が、空洞含有樹脂成形体の内部にしか生じないという予想しない結果により表面平滑性が非常に良好であることもわかった。
本発明の空洞含有樹脂成形体は、前記空洞を含有しているため、例えば、電子機器の照明用部材、一般家庭用照明部材、内照看板などの反射板、昇華転写記録材料又は熱転写記録材料に対応できる受像フィルム素材又は受像シート素材、各種断熱材、感圧記録材料、農業用マルチフィルム、化粧料の成分、食品用包装材、遮光性シュリンクフィルム、スクリ−ンなどとして利用することができる。
図1は、本発明の空洞含有樹脂成形体の製造方法の一例を示す図であって、二軸延伸フィルム製造装置のフロー図である。 図2Aは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、空洞含有樹脂成形体の斜視図である。 図2Bは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図2Aにおける空洞含有樹脂成形体のA−A’断面図である。 図2Cは、アスペクト比を具体的に説明するための図であって、図2Aにおける空洞含有樹脂成形体のB−B’断面図である。 図2Dは、フィルム表面から最も近くに位置する10個の空洞の、フィルム表面からの距離を測定する方法を説明するための図であって、図2AにおけるA−A’断面図である。 図3は、実施例1のポリマーフィルムの応力−歪み曲線を示すグラフである。 図4は、実施例2のポリマーフィルムの応力−歪み曲線を示すグラフである。 図5は、実施例3のポリマーフィルムの応力−歪み曲線を示すグラフである。 図6は、実施例4のポリマーフィルムの応力−歪み曲線を示すグラフである。 図7は、比較例1のポリマーフィルムの応力−歪み曲線を示すグラフである。
符号の説明
1 空洞含有樹脂成形体
1a 表面
11 原料
12 2軸押出機/単軸押出機
13 Tダイ
14 キャスティングドラム
15 縦延伸機
15a ロール
16 横延伸機
16a クリップ
100 空洞
F フィルム又はシート
L アスペクト比における空洞の長さ
r アスペクト比における空洞の厚み

Claims (3)

  1. 単一の結晶性ポリマーを有するポリマー成形体を少なくとも1軸に延伸する空洞含有樹脂成形体の製造方法であって、1軸目の延伸における前記ポリマー成形体の応力−歪み曲線の降伏応力(A)と伸び30%における応力(B)が、下記式(I)を満たすことを特徴とする空洞含有樹脂成形体の製造方法。
    B/A<0.90・・・式(I)
  2. 前記結晶性ポリマーが、ポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドのいずれかである請求項1に記載の空洞含有樹脂成形体の製造方法。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載の空洞含有樹脂成形体の製造方法により得られたことを特徴とする空洞含有樹脂成形体。
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