JP2010059094A - 歯科用樹脂材料および歯科用成型体 - Google Patents
歯科用樹脂材料および歯科用成型体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010059094A JP2010059094A JP2008226220A JP2008226220A JP2010059094A JP 2010059094 A JP2010059094 A JP 2010059094A JP 2008226220 A JP2008226220 A JP 2008226220A JP 2008226220 A JP2008226220 A JP 2008226220A JP 2010059094 A JP2010059094 A JP 2010059094A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dental
- resin material
- resin
- weight
- dental resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Dental Tools And Instruments Or Auxiliary Dental Instruments (AREA)
- Dental Preparations (AREA)
- Dental Prosthetics (AREA)
Abstract
【解決手段】ガラス転移温度〔Tg〕が10℃以下のエラストマー性高分子を含むことを特徴とする歯科用樹脂材料。
【選択図】なし
Description
また、特許文献2には義歯床として用いる場合に成型性が優れているため、ポリカーボネート樹脂が好適であることが開示されている。
しかしながら、例示した樹脂などを歯科用途に使用する場合、吻合時圧力などに対する充分な強度が必要とされ、特に、義歯、義歯床、義歯保持材、クラウン、歯科用矯正具、マウスピース、クラスプなどに用いる場合は、使用中の衝撃に耐える必要があるが、これら樹脂は必ずしもその耐性が充分であると言えるものではなかった。
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度,耐熱性等が優れており、歯科材料(義歯、義歯保持材、クラウン、歯科用矯正具、マウスピースおよびクラスプ等)として必要な色に着色が可能であるとの特徴がある。
また、樹脂成型体の撓み、変形に対しては、その撓み、変形が小さな場合、通常歯科技工士による矯正処置が取られる。
されている。
しかしながら、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、シクロオレフィン樹脂などの従来の樹脂は、本来的に靭性に乏しく、機械的修正に対しての許容幅が小さく、ときには成型体を欠損させ、あるいは回復不可能な変形を生ずることで、治療上の障害になっていたばかりか、患者にとり大きな不利益を生じさせる原因となっていた。
本発明の歯科用樹脂材料は、さらにフィラーを含有し、該材料中のフィラーの含有量は、3〜30重量%であることが好ましい。
まず、本発明のエラストマー性高分子で靭性を付与された歯科用樹脂材料の構成について説明する。
(エラストマー成分)
エラストマー成分としてのエラストマー性高分子は、ガラス転移点温度〔Tg〕が10℃以下、好ましくは0℃以下、より好ましくは−10℃以下の高分子を用いることができる。エラストマー性高分子のTgが10℃を超えると、樹脂成分に対する充分な靭性を付与することができないおそれがある。
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンイソプレン、ポリスチレンブタジエン、ポリスチレンイソプレン、ポリアクリロニトリルブタジエン、水素添加ポリアクリロニトリルブタジエン、ポリジメチルシロキサン、スチレン-ブタジエンブロックコポリマ
ー、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、水素添加スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、水素添加スチレン-イソプレンブロックコポリマー、アクリルエラストマー
、エチレンプロピレンエラストマー、ウレタンエラストマーなどが挙げられる。これらのうち、靭性を付与する効果が高いことから、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエンイソプレン、ポリスチレンブタジエン、ポリスチレンイソプレン、ポリアクリロニトリルブタジエン、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、水素添加スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、水素添加スチレン−イソプレンブロックコポリマーおよびアクリルエラストマーが好ましい。
樹脂成分中、エラストマー成分の含有量は、好ましくは4〜50重量%、より好ましくは6〜30重量%、さらに好ましくは10〜20重量%であり、曲げ弾性率として好ましくは10〜20,000MPaの範囲で調節され、より好ましくは100〜10,000MPa、特に好ましくは200〜7,000MPaの範囲が好適である。
本発明において用いられる樹脂成分を例示する。
このような樹脂成分としては、非結晶性樹脂の場合は、ガラス転移点温度〔Tg〕が好ましくは80℃以上、より好ましくは90〜330℃、特に好ましくは95〜300℃の高分子、結晶性樹脂の場合は、結晶融点温度〔MP〕が好ましくは100℃以上、より好ましくは110〜340℃、特に好ましくは120〜320℃の高分子を挙げることができる。
また、本発明において「結晶性樹脂」とは、分子配列が高い秩序を有し、明瞭な結晶性、X線回折が認められる高分子物質のことである。
非結晶性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、スチレンジビニルベンゼンコポリマー、ポリアクリロニトリルスチレンコポリマー、ポリメチルメタクリレートスチレンコポリマー、ポリメチルメタクリレートアクリロニトリルスチレンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリブチラール、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリカプロラクトン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
これら樹脂のうち、装用時の審美的なの観点(目立ちづらい)から、シクロオレフィンポリマー(以下「シクロオレフィン系(共)重合体」ともいう。)が好ましく、ノルボルネン系化合物を少なくとも1種含む単量体または単量体組成物を(共)重合し、必要に応じて、さらに水素添加して得られた樹脂がより好ましい。
様である。)
上記式(1)または(3)中、R1は、水素原子または炭素原子数1〜10、好ましく
は1〜4、より好ましくは1〜2の炭化水素基を表すのが望ましい。該炭化水素基はアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基、より好ましくは炭素原子数1〜2、特に好ましくはメチル基であることが望ましい。
む1価の極性基を表し、該極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられる。これらの極性基は、メチレン基などの極性を有さない連結基を介して結合していてもよいし、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基などの極性を有する2価の有機基を介して結合していてもよい。これらの極性基のうち、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が好ましい。
上記式:−(CH2)xCOORにおいて、Rは、炭素原子数1〜12、好ましくは炭素原子数1〜4、より好ましくは炭素原子数1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基であることが望ましい。xは、通常0〜5を表すが、好ましくは0〜3を表す。xの値が小さいものほど、シクロオレフィン系(共)重合体が熱による変形を受けにくくなるので好ましく、さらにxが0を表す場合は、その合成も容易である点で好ましい。
上記式(2)または(4)中、好ましくはpが0のとき、qは0を表すことが望ましい。p=q=0である場合、シクロオレフィン系(共)重合体が高い靭性を有するようになるため好ましい。
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセンなどが挙げられる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどが挙げ
られる。
混合態様は、樹脂成分をあらかじめ調製し、その後エラストマー成分を機械的に混練混合する方法;樹脂成分とエラストマー成分とを溶剤に可溶後混合し、脱溶剤工程経てエラストマー成分を含んだ樹脂を得る方法などを挙げることができる。
微分散させる方法として、具体的に、乳化重合法によりモノマーと必要に応じ架橋剤成分とを重合し、エラストマー微粒子懸濁液を調製し、次いでこの微粒子懸濁液に樹脂成分となるモノマーと必要に応じ乳化剤とをともに仕込み重合を行い、その後硫酸および/または塩化ナトリウムなどによる酸塩凝固によりポリマー分を析出させ、析出物の洗浄、乾
燥工程を経て、エラストマー微粒子成分が微分散した樹脂を得る方法などが例示できる。
(フィラー)
本発明では、さらに機械的強度を向上させ、曲げ強度、曲げ弾性率、伸び率、耐衝撃性のバランスのとれた歯科用樹脂材料とするために、フィラー、例えば、繊維状強化剤などが添加されていてもよい。フィラーを添加する場合、上記エラストマー性高分子によって靭性を付与された樹脂とフィラーとの重量割合は、70〜97:30〜3となるようにすることが好ましい。
粒子状のフィラーとしては、例えば、炭素系フィラー、アルミナなどが挙げられる。
本発明の歯科用樹脂材料は、その目的を損なわない範囲で、歯科用途に適した着色剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フッ素系の汚れ防止剤、抗菌剤、ステアリン酸アミドなどの可塑剤、熱安定剤などを含むことができる。
(歯科用樹脂材料の調製方法)
エラストマー性高分子で靭性を付与された歯科用樹脂材料の調製方法として、その態様を以下に例示する。
量部を含むラテックスの存在下に、メタクリル酸メチル(b1)60〜95重量%、芳香族ビニル化合物(b2)4〜40重量%およびシアン化ビニル化合物(b3)1〜10重量%からなる単量体成分(b)(ただし、(b1)+(b2)+(b3)=100重量%である。)20〜95重量部(ただし、(a)+(b)=100重量部である。)を重合することで、エラストマー性高分子で靭性を付与した共重合樹脂(A1)を得ることができる。
エラストマー質重合体(a)5〜80重量部の存在下に、メタクリル酸メチルおよび/または芳香族ビニル化合物からなる単量体(b1)60〜100重量%、およびこれらの化合物と共重合可能な他の単量体(b3)0〜40重量%からなる単量体成分(b)(ただし、(b1)+(b2)+(b3)=100重量%である。)20〜95重量部(ただし、(a)+(b)=100重量部である。)を重合してエラストマー性高分子で靭性を付与した共重合樹脂(A1)、またはこのようなエラストマー強化共重合樹脂(A1)と上記単量体成分(b)の(共)重合体(A2)とからなる混合物を得る。
歯科用樹脂材料の曲げ弾性率は、好ましくは1,600〜3,200MPa、より好ましくは1,800〜3,000MPa、特に好ましくは1,900〜2,800MPaである。
まず、歯科用樹脂材料を射出成型機にて、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの形状に成型し、試験片とする。
歯科用樹脂材料の耐衝撃強度は、好ましくは40〜800J/m、より好ましくは60〜700J/m、特に好ましくは70〜600J/mである。
歯科用樹脂材料を射出成型機にて、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの形状に成型し、2mmのノッチを入れ、試験片を作製する。
歯科用樹脂材料の耐衝撃強度が、上記範囲内であると、固い食べ物を食した時にもクラスプ部の欠損を生じないため好適である。
(1)口内組織と馴染む硬度、伸びを有すること(靭性を付与された樹脂の最大伸びは、好ましくは5〜300%であり、より好ましくは8〜200%)、
(2)エラストマー的な特性を樹脂に与え、靭性を付与すること、
(3)適度な機械的強度(曲げ弾性率が10〜20,000MPa、より好ましくは100〜10,000MPa)を有すること、
(4)一般の歯科用補修材および方法にて修理が可能であり、高い接着力(5.0MPa以上)を有すること等が挙げられる。
<歯科用成型体>
本発明の歯科用成型体は、上述の本発明の歯科用樹脂材料を成型してなることを特徴とするものであり、成形体の具体例としては、義歯、義歯保持材、義歯床、クラウン、歯科用矯正具、マウスピース、クラスプなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
患者の口腔内の形状をシリコンエラストマーのような硬化性エラストマー状物質で型取りを行う。
この模型を咬合器にあてはめ、患者から採取した咬み合せ型をもとに義歯を配列し、その後ワックス義歯の作製の工程を経て、義歯床型を作製する。
マウスピースも同様の方法で得ることができる。
歯科用矯正具、ブリッジ、クラスプなどの部品の成型には、通常溶融法が採用されて製造される。
歯科用成形体としての鈎部(クラスプ)付き人工歯を、患者が終日装用し、通常の食事を伴う日常生活送り評価した場合、鈎部の欠損・緩みが認められないことが好ましい。
まず、歯科用樹脂材料を溶融ポットに仕込み加熱し、溶融させる。
この金属製のワイヤーからなる鈎部(クラスプ)を元にして石膏鋳型を作製し、溶融させた樹脂を石膏鋳型に流し込む。冷却後石膏型から樹脂部を取り外し、洗浄を経て、樹脂製の鈎部(クラスプ)が得られる。
実施例・比較例で得られた歯科用樹脂材料について、下記方法に従って各物性値を測定し、歯科用樹脂材料を成型してなる歯科用成形体(鈎部(クラスプ)付き人口歯)の装用の評価を行った。
得られた樹脂を射出成型機にて、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの形状に成型し、試験片とした。
得られた樹脂を射出成型機にて、長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの形状に成型し、2mmのノッチを入れ、試験片を作製した。
(3)鈎部(クラスプ)付き人工歯の装用評価
得られた樹脂を溶融ポットに仕込み加熱し、溶融させた。
この金属製のワイヤーからなる鈎部(クラスプ)を元にして石膏鋳型を作製し、溶融させた樹脂を石膏鋳型に流し込んだ。冷却後石膏型から樹脂部を取り外し、洗浄を経て、樹脂製の鈎部(クラスプ)が得られ、あらかじめ作製した人工歯に歯科用接着剤で固定した。
○:鈎部の欠損・緩みが認められない。
×:鈎部の欠損・緩みが認められる。
[実施例1]
シクロポリオレフィン系樹脂「アートンF」(JSR(株)社製)のペレット80重量%と、乳化重合法によるスチレン−ブタジエンランダム共重合体「SBR0202」(JSR(株)社製)(以下「SBR−1」という。)をエラストマー用粉砕機で粉砕したもの20重量%とを混合し、この混合物を押出機「TEM37BS」(東芝機械(株)製)により連続的に溶融混練することにより、ペレット状の歯科用樹脂材料(AX−1)を調製した。
「DNM」ともいう。)をメタセシス開環重合して得られる開環重合体を、さらに水素添加して得られる水素添加重合体よりなるものであって、そのガラス転移温度〔Tg〕が160℃、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量〔Mn〕が25,000、重量平均分子量〔Mw〕が102,000、温度30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度〔ηinh〕が0.49dL/g、温度
260℃におけるメルトフローレートが5.0g/10minのものである。
得られた歯科用樹脂材料の各物性値および装用評価の結果を表1に示す。
実施例1において、SBR−1の代わりにSBR−2を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(AX−2)を調製した。
[実施例3]
実施例1において、SBR−1の代わりにSBR−3を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(AX−3)を調製した。
あった。
[実施例4]
実施例1において、SBR−1の代わりにNBR−1を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(AX−4)を調製した。
た。
[実施例5]
実施例1において、SBR−1の代わりにNBR−2を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(AX−5)を調製した。
56であった。
[実施例6]
上記シクロポリオレフィン系樹脂のペレット80重量%と、SBR−1をエラストマー用粉砕機で粉砕したもの20重量%とを混合し、得られた混合物を、該混合物の5倍重量のトルエンに溶解攪拌して両成分の溶液を調製し、この溶液にメタノールを加えることにより凝固した固形分を分離して混合樹脂を得て、さらにこの混合樹脂を押出機「TEM37BS」(東芝機械(株)製)により造粒処理することにより、ペレット状の歯科用樹脂材料(AX−6)を調製した。
[実施例7]
(エラストマー性高分子(A−1)の製造)
攪拌機を備えた内容積7リットルのガラス製フラスコに、イオン交換水100部、ロジン酸カリウム2部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部、体積平均粒子径300nmのポリブタジエンエラストマーラテックス30部(固形分換算)、スチレン4部、アクリロニトリル1部およびメタクリル酸メチル12部を投入し、攪拌しながら昇温させた。温度が50℃となった時点で、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.2部、硫酸第1鉄0.05部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート・2水和物0.2部およびイオン交換水10部からなる活性剤水溶液と、クメンハイドロパーオキサイド0.2部とを添加し、1時間反応させた。その後、スチレン12部、アクリロニトリル4部、メタクリル酸メチル37部およびクメンハイドロパーオキサイド0.2部を4時間かけて連続的に添加しながら反応を継続した。反応後の単量体の重合転化率は96%であった。
を水洗し、その後、脱水した。次いで、75℃で24時間乾燥し、粉末状のエラストマー性高分子(A−1)を得た。このエラストマー性高分子(A−1)について、アセトン可溶分の組成は、スチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチル=24.3%/7.7%/68.0%であり、ガラス転移温度〔Tg〕は103℃であった。
内容積30リットルのリボン翼を備えたジャケット付き重合反応器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の重合反応器にスチレン21部、アクリロニトリル7部、メタクリル酸メチル72部およびトルエン20部を連続的に投入した。次いで、分子量調節剤としてtert−ドデシルメルカプタン0.1部をトルエン5部に溶解させた溶液、および重合開始剤として1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)0.1部をト
ルエン5部に溶解させた溶液を連続的に供給した。1基目の重合反応器の温度は110℃に制御し、平均滞留時間を2時間として重合させた。重合転化率は60%であった。
エラストマー性高分子(A−1)56部と、非結晶性樹脂(B−1)44部とを、ヘンシェルミキサーにより混合した。
得られた歯科用樹脂材料の各物性値および装用評価の結果を表1に示す。
(エラストマー性高分子(A−2)の製造)
撹拌機を備えた内容積7リットルのガラス製フラスコに、イオン交換水100部、ロジン酸カリウム1部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部、体積平均粒子径310nmのポリブタジエンエラストマーラテックス18部(固形分換算)、スチレン5部およびメタクリル酸メチル15部を投入し、撹拌しながら昇温させた。温度が50℃となった時点で、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.2部、硫酸第1鉄0.01部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート・2水和物0.2部及びイオン交換水10部からなる活性剤水溶液、並びにクメンハイドロパーオキサイド0.2部を添加し、1時間反応させた。その後、スチレン15部、メタクリル酸メチル47部およびクメンハイドロパーオキサイド0.2部を4時間かけて、連続的に添加しながら反応を継続した。反応後の単量体の重合転化率は96%であった。
を水洗し、その後、脱水した。次いで、75℃で24時間乾燥し、粉末状のエラストマー性高分子(A−2)を得た。このエラストマー性高分子(A−2)について、アセトン可溶分の組成は、スチレン/メタクリル酸メチル=26.9%/73.1%であり、ガラス転移温度〔Tg〕は104℃であった。
実施例7において、(A−1)の代わりに(A−2)を用いた以外は実施例7と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(C−2)を得た。
[実施例9]
(エラストマー性高分子(A−3)の製造)
攪拌機を備えた内容積7リットルのガラス製フラスコに、イオン交換水100部、ロジン酸カリウム2部、tert−ドデシルメルカプタン0.5部、体積平均粒子径280nmのポリブタジエンエラストマーラテックス18部(固形分換算)、スチレン4部、アクリロニトリル2部及びメタクリル酸メチル15部を投入し、攪拌しながら昇温させた。温度が50℃となった時点で、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.2部、硫酸第1鉄0.05部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート・2水和物0.2部及びイオン交換水10部よりなる活性剤水溶液、並びにジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.2部を添加し、1時間反応させた。その後、スチレン8部、アクリロニトリル8部、メタクリル酸メチル45部及びジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.2部を4時間かけて、連続的に添加しながら反応を継続した。反応後の単量体の重合転化率は96%であった。
実施例7において、(A−1)の代わりに(A−3)を用いた以外は実施例7と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(C−3)を得た。
[実施例10]
(エラストマー性高分子(A−4)の製造)
実施例7において、ポリブタジエンエラストマーラテックスの体積平均粒子径を450nmに変更した以外は実施例7と同様にしてエラストマー性高分子(A−4)を製造した。
実施例7において、(A−1)の代わりに(A−4)を用いた以外は実施例7と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(C−4)を得た。
[実施例11]
(エラストマー性高分子(A−5)の製造)
実施例7において、ポリブタジエンエラストマーラテックスの体積平均粒子径を80nmに変更した以外は実施例7と同様にしてエラストマー性高分子(A−5)を製造した。
実施例7において、(A−1)の代わりに(A−5)を用いた以外は実施例7と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(C−5)を得た。
[比較例1]
上記シクロポリオレフィン系樹脂をもって歯科用樹脂材料(C−6)とした。
[比較例2]
(非結晶性樹脂(B−2)の製造)
実施例7のエラストマー性高分子の製造において、ポリブタジエンエラストマーラテックスを用いなかった以外は実施例7と同様にして重合し、非結晶性樹脂(B−2)を製造した。得られた非結晶性樹脂(B−2)のガラス転移温度〔Tg〕は103℃であった。
実施例7において、(A−1)の代わりに(B−2)を用いた以外は実施例7と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(C−7)を得た。
[比較例3]
(非結晶性樹脂(B−3)の製造)
実施例8において、ポリブタジエンエラストマーラテックスを用いなかった以外は、実施例8と同様にして重合し、非結晶性樹脂(B−3)を製造した。得られた非結晶性樹脂(B−3)のガラス転移温度〔Tg〕は104℃であった。
実施例7において、(A−1)の代わりに(B−3)を用いた以外は実施例7と同様にしてペレット状の歯科用樹脂材料(C−8)を得た。
Claims (8)
- ガラス転移温度〔Tg〕が10℃以下のエラストマー性高分子を含むことを特徴とする歯科用樹脂材料。
- ガラス転移温度〔Tg〕が80℃以上の非結晶性樹脂、および/または結晶融点温度〔MP〕が100℃以上の結晶性樹脂を、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載の歯科用樹脂材料。
- 樹脂成分と上記エラストマー性高分子との合計重量を100重量%とするとき、該エラストマー性高分子の含有量が、4〜50重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の歯科用樹脂材料。
- さらにフィラーを含有し、歯科用樹脂材料中のフィラーの含有量が、3〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の歯科用樹脂材料。
- 射出成型により作製した長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの試験片を用いて、JIS K7171に準拠して測定した曲げ弾性率が、1,600〜3,200MPaであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用樹脂材料。
- 射出成型により作製した長さ80mm×幅10mm×厚さ4mmの試験片に、2mmのノッチを入れ、JIS K7110に記載のアイゾッド衝撃強さの試験方法に従い測定した耐衝撃強度が、40〜800J/mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の歯科用樹脂材料。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の歯科用樹脂材料を成型してなることを特徴とする歯科用成型体。
- 義歯、義歯保持材、義歯床、クラウン、歯科用矯正具、マウスピースまたはクラスプであることを特徴とする請求項7に記載の歯科用成型体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008226220A JP5262459B2 (ja) | 2008-09-03 | 2008-09-03 | 歯科用成型体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2008226220A JP5262459B2 (ja) | 2008-09-03 | 2008-09-03 | 歯科用成型体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2010059094A true JP2010059094A (ja) | 2010-03-18 |
| JP5262459B2 JP5262459B2 (ja) | 2013-08-14 |
Family
ID=42186341
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2008226220A Expired - Fee Related JP5262459B2 (ja) | 2008-09-03 | 2008-09-03 | 歯科用成型体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP5262459B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015017061A (ja) * | 2013-07-11 | 2015-01-29 | 有限会社漢方歯科医学研究所 | 歯周病原因菌に対する抗菌性を有する歯科用材料及び抗菌性義歯 |
| JP2016504475A (ja) * | 2013-01-29 | 2016-02-12 | テーザ・ソシエタス・ヨーロピア | 結合されたナノパーティクル網状構造を含む感圧接着剤、それらの製造方法及びそれの使用 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20140028305A1 (en) | 2012-07-27 | 2014-01-30 | International Business Machines Corporation | Hall measurement system with rotary magnet |
| US9678040B2 (en) | 2015-04-09 | 2017-06-13 | International Business Machines Corporation | Rotating magnetic field hall measurement system |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01275509A (ja) * | 1988-04-28 | 1989-11-06 | Nikon Corp | 歯科用樹脂組成物 |
| JPH024206B2 (ja) * | 1981-11-05 | 1990-01-26 | Sankin Ind Co | |
| JP2006225281A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Tokuyama Corp | 歯科用粘膜調整材 |
-
2008
- 2008-09-03 JP JP2008226220A patent/JP5262459B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH024206B2 (ja) * | 1981-11-05 | 1990-01-26 | Sankin Ind Co | |
| JPH01275509A (ja) * | 1988-04-28 | 1989-11-06 | Nikon Corp | 歯科用樹脂組成物 |
| JP2006225281A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Tokuyama Corp | 歯科用粘膜調整材 |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016504475A (ja) * | 2013-01-29 | 2016-02-12 | テーザ・ソシエタス・ヨーロピア | 結合されたナノパーティクル網状構造を含む感圧接着剤、それらの製造方法及びそれの使用 |
| US11142672B2 (en) | 2013-01-29 | 2021-10-12 | Tesa Se | Pressure-sensitive adhesive compound containing a cross-linked nanoparticle network, method of production and use thereof |
| US11866614B2 (en) | 2013-01-29 | 2024-01-09 | Tesa Se | Pressure-sensitive adhesive compound containing a cross-linked nanoparticle network, method of production and use thereof |
| JP2015017061A (ja) * | 2013-07-11 | 2015-01-29 | 有限会社漢方歯科医学研究所 | 歯周病原因菌に対する抗菌性を有する歯科用材料及び抗菌性義歯 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP5262459B2 (ja) | 2013-08-14 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6718009B2 (ja) | マウスピース | |
| US7186115B2 (en) | Advanced thermoplastics for orthodontics | |
| JP5262459B2 (ja) | 歯科用成型体 | |
| Kohli et al. | Polyamides in dentistry | |
| CN110384616B (zh) | 一种抗菌全口义齿及其制作方法 | |
| EP4041119A2 (en) | Crystallizable resins | |
| US20110223565A1 (en) | Moldable resin for dental use | |
| CA2687296A1 (en) | Interocclusal appliance and method | |
| CN110183854B (zh) | 一种腻子型硅橡胶组合物及其制备方法和应用 | |
| TW200734396A (en) | Polycarbonate molding compositions | |
| Feier et al. | Rehabilitation and creation of favorable conditions for the improvement of the comfort and quality of acrylates used in the sphere of removable dentures | |
| JP5428311B2 (ja) | 歯科用透明樹脂組成物および歯科用成型体 | |
| JP3578446B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
| WO2008088826A2 (en) | Translucent, isotropic endodontic post | |
| JP2006091847A5 (ja) | ||
| Edo et al. | Polymethyl methacrylate (PMMA): an overview of its biological Activities, Properties, Polymerization, Modifications, and dental and industrial applications | |
| CN113773462A (zh) | 一种隐形正畸用聚氨酯膜片、制备方法及应用 | |
| Sh et al. | BIOMATERIALS AND THEIR BIOLOGICAL COMPATIBILITY: A CLINICAL ANALYSIS OF PMMA, THERMOPLASTICS, BIOACTIVE POLYMERS, NANOMATERIALS, AND NEXT-GENERATION ZIRCONIA | |
| JP5324069B2 (ja) | 歯科用補綴物 | |
| CN116602875B (zh) | 一种活动义齿及其制造方法 | |
| JP2022099808A (ja) | マウスピース | |
| Tyliszczak et al. | Acrylates in dental applications | |
| JP2019178098A (ja) | 歯科用成形体及び歯科用樹脂材料 | |
| Goutam et al. | Dental polymers and denture base resins | |
| Suhasini et al. | Aligner Materials and their properties |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110217 |
|
| RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20120227 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130108 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130308 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130402 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130415 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5262459 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |
