JP2010058725A - シートベルト装置 - Google Patents

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健児 中村
Takahiro Sugiyama
孝浩 杉山
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Abstract

【課題】車両シートに着座した乗員のサブマリン現象を抑制することができるシートベルト装置を提供する。
【解決手段】本発明のシートベルト装置は、車両シート1の片側から引き出し可能に配置されたシートベルト2と、シートベルト2の一端に接続されるとともにシートベルト2の巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタ3と、シートベルト2と同じ側の車両シート1の側面に配置されたベルトガイド4と、ベルトガイド4を前後に回動させるベルトガイド駆動装置5と、ベルトガイド4と反対側の車両シート1の側面に配置されたバックル6と、シートベルト2に配置されるとともにバックル6と係合可能なトング7と、シートベルト2の他端に接続された第二リトラクタ8と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されるシートベルト装置に関し、特に、車両シートに着座した乗員のサブマリン現象を抑制することができるシートベルト装置に関する。
自動車等の車両には、一般に、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置が設けられている。かかるシートベルト装置は、乗員を拘束するシートベルトと、車両シート内に埋め込まれるとともにシートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、車両のBピラー(センターピラー)に設けられたガイドアンカーと、腰掛部のドア側の下面部に配置されたベルトアンカーと、腰掛部の車内側の側面に配置されたバックルと、シートベルトに摺動可能に配置されたトングと、を有し、前記シートベルトは、一端が前記リトラクタに接続され、他端が前記ガイドアンカーに掛け回されて前記ベルトアンカーに接続され、前記ガイドアンカーと前記ベルトアンカーの間に前記トングが配置されている。腰掛部に着座した乗員は、トングを引っ張ってシートベルトを引き出し、バックルにトングを係合させることによってシートベルトを装着する。かかるシートベルト装置は、乗員の腰部を拘束するラップベルト部と、乗員の肩部を斜めに拘束するショルダーベルト部とを有しており、一般に3点式シートベルト装置と称されている。
また、背もたれ部の両肩部から引き出された上部シートベルトと、上部シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行う上部リトラクタと、腰掛部の両側面から引き出された下部シートベルトと、下部シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行う下部リトラクタと、一方の側の上部シートベルトと下部シートベルトに接続されたトングと、他方の側の上部シートベルトと下部シートベルトに接続されたバックルと、を備えたシートベルト装置も存在している(例えば、特許文献1参照)。腰掛部に着座した乗員がトングとバックルを係合させると、上部シートベルト及び下部シートベルトが巻き取られて乗員を車両シートに拘束する。かかるシートベルト装置は、一対の下部シートベルトにより構成されるラップベルト部と、一対の上部シートベルトにより構成されるショルダーベルト部を有することから、一般に4点式シートベルト装置と称されている。
ところで、車両の急減速時には、乗員が車両シート上を滑って前方に潜り込んでしまうサブマリン現象が生ずることがある。この現象は、シートベルト装着時に、シートベルトが乗員の腰部よりも上方にずり上がっている場合に生じ易い。特に、4点式シートベルトの場合には、トングとバックルを接続した時の初期位置が適正な位置に定まり難く、しかも、上部リトラクタと下部リトラクタの巻き取り力のバランスからシートベルトが腰部よりも上方にずり上がり易い。このサブマリン現象を防止するために、種々の方法が提案されているが、車両シートに大掛かりで複雑な工夫を講じることが多い。例えば、車両シートを後方に傾斜させたり、腰掛部の前方側を機械的に持ち上げたり、腰掛部の前方側にエアバッグ機構を配置して膨張させたりする等の方法が提案されている。しかしながら、本来、乗員の拘束力はシートベルト装置が最も優れており、シートベルト装置によりサブマリン現象を防止できれば、上述したような車両シートへの大掛かりで複雑な工夫を講じる必要がなくなる。
実際、シートベルト装置によりサブマリン現象を防止する方法もいくつか提案されている。例えば、特許文献2には、シートベルトのショルダーベルト部の位置を調節するシートベルト調節装置が開示されている。また、特許文献3には、乗員の腰部前側を拘束するラップベルトと、乗員の腰部下側に配置されるヒップベルトとを有し、ラップベルトとヒップベルトとの間で乗員の腰部を拘束するシートベルト装置が開示されている。
米国特許第6,729,693号明細書(第1図) 実開平5−35514号公報 特開2004−130920号公報
しかしながら、特許文献2に記載されたシートベルト調節装置では、トング・ガイドアンカー間のショルダーベルト部の位置のみを調節しており、腰部の拘束に効果的なラップベルト部(バックル・ベルトアンカー間のシートベルト)に対しては位置を調節することができず、ラップベルトのずり上がりを防止することが困難である。また、特許文献3に記載されたシートベルト装置では、単にヒップベルトを設けているだけであるため、ラップベルトのずり上がりを防止することができない。さらに、ヒップベルトの上に乗員が着座することになるため、乗員に違和感や不快感を与え易く、快適性に劣っている。
本発明は、上述の課題に鑑み創案された発明であり、車両シートに着座した乗員のサブマリン現象を抑制することができるシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置であって、前記車両シートの片側から引き出し可能に配置されたシートベルトと、該シートベルトの一端に接続されるとともに前記シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、前記シートベルトと同じ側の前記車両シートの側面に配置されたベルトガイドと、該ベルトガイドを前後に回動させるベルトガイド駆動装置と、前記ベルトガイドと反対側の前記車両シートの側面に配置されたバックルと、前記シートベルトに配置されるとともに前記バックルと係合可能なトングと、前記シートベルトの他端を固定するベルトアンカーと、を備え、前記ベルトガイドは、前記ベルトガイド駆動装置に接続されるとともに前記車両シートの側面に収納可能な第一ガイド部と、前記シートベルトが挿通されるとともに前記車両シートの側面に収納可能な第二ガイド部と、を有していることを特徴とするシートベルト装置が提供される。
前記第二ガイド部は、前記第一ガイド部に対して回動可能に連結されていてもよい。また、前記ベルトガイドは、前記第二ガイド部を前記第一ガイド部に接近する方向に付勢する弾性体を備えていてもよい。
前記ベルトガイド駆動装置は、前記腰掛部に乗員が着座した時に、前記ベルトガイドを前方に回動させるようにしてもよいし、前記バックルに前記トングが係合した時に、前記ベルトガイドを後方に回動させるようにしてもよいし、車両の衝突を検知又は予測した時に、前記ベルトガイドを後方に回動させるようにしてもよい。
前記バックルを前後に回動させるバックル駆動装置を設けて、前記バックルを前記ベルトガイドと連動して回動させるようにしてもよい。また、前記ベルトアンカーに替えて、前記シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行う第二リトラクタを接続するようにしてもよい。
また、本発明によれば、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置であって、前記車両シートの両側から引き出し可能に配置された一対のシートベルトと、該シートベルトの一端に接続されるとともに前記シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、前記車両シートの両側面に配置された一対のベルトガイドと、該ベルトガイドを前後に回動させるベルトガイド駆動装置と、前記シートベルトの他端を固定するベルトアンカーと、前記シートベルトの一方に配置されたバックルと、前記シートベルトの他方に配置されるとともに前記バックルと係合可能なトングと、を備え、前記ベルトガイドは、前記ベルトガイド駆動装置に接続されるとともに前記車両シートの側面に収納可能な第一ガイド部と、前記シートベルトが挿通されるとともに前記車両シートの側面に収納可能な第二ガイド部と、を有していることを特徴とするシートベルト装置が提供される。
前記第二ガイド部は、前記第一ガイド部に対して回動可能に連結されていてもよい。また、前記ベルトガイドは、前記第二ガイド部を前記第一ガイド部に接近する方向に付勢する弾性体を備えていてもよい。
前記ベルトガイド駆動装置は、前記腰掛部に乗員が着座した時に、前記ベルトガイドを前方に回動させるようにしてもよいし、前記バックルに前記トングが係合した時に、前記ベルトガイドを後方に回動させるようにしてもよいし、車両の衝突を検知又は予測した時に、前記ベルトガイドを後方に回動させるようにしてもよい。また、前記ベルトアンカーに替えて、前記シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行う第二リトラクタを接続するようにしてもよい。
さらに、前記バックルは、前記トングの挿入方向に対して略垂直な方向に押下可能なボタンを有するプッシュ式のバックルを採用してもよい。また、前記バックル又は前記トングに接続された補助シートベルトと、該補助シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行う第三リトラクタと、を備え、該第三リトラクタを、シートベルト装着時における前記バックル又は前記トングを下方に引っ張ることができる位置に配置するようにしてもよい。
上述した本発明のシートベルト装置によれば、車両シートの側面に回動可能なベルトガイドを設け、該ベルトガイドの一部にシートベルトを挿通させたことにより、ベルトガイドを後方に回動させた時にシートベルトの移動を拘束することができ、シートベルト(特にラップベルト部)のずり上がりを抑制することができ、車両シートに着座した乗員のサブマリン現象を抑制することができる。かかる効果は、本発明を4点式シートベルト装置に適用した場合に、より顕著に表れる。また、ベルトガイドの存在により、トングの位置が定まり易く、乗員がトングを引っ張る動作を補助することができる。特に、ベルトガイドを前方に回動させた場合には、トングも前方に移動することになり、上体を捻ることなくトングを掴むことができ、操作性及び快適性に優れる。また、4点式シートベルト装置の場合には、バックルにトングを係合した時の初期位置をずれ難くすることができ、適正位置でシートベルトを装着することができる。さらに、ベルトガイドは、車両シートの側面に収納可能な形状であるため、乗員の乗降を妨げることがない。
また、シートベルトが挿通される第二ガイド部を一定の回転角の範囲で回動可能に第一ガイド部に連結することにより、第一ガイド部を前方に回動させるとシートベルトの張力により、第二ガイド部の回転角を大きくすることができ、ベルトガイドを前方に回動させた時にベルトガイドの先端を上方に回動させることができ、トングをより掴み易い位置に配置させることができる。
また、ベルトガイドに弾性体を設けたことにより、ベルトガイドを後方に回動させた場合のように、シートベルトの張力が緩んだ場合に、ベルトガイドが屈曲する方向に第二ガイド部を付勢させることができる。特に、シートベルトを解除した場合に、ベルトガイドを車両シートに沿う形状に容易に変形させて収納させることができる。
また、乗員が腰掛部に着座した時にベルトガイドを前方に回動させることにより、乗員がトングを掴み易い位置に移動させることができる。また、バックルにトングが係合した時にベルトガイドを後方に回動させることにより、ラップベルト部を乗員に密着させることができ、拘束力を向上させることができる。さらに、車両の衝突を検知又は予測した時にベルトガイドを後方に回動させることにより、衝突の衝撃に備えた予備拘束を行うことができ、拘束力を向上させることができる。
本発明を3点式シートベルト装置に適用した場合において、バックルをガイドベルトと同期させて回動させることにより、トングをバックルに嵌める際の位置を前方に移動させることができ、上体を捻ることなくトングをバックルに係合させることができ、操作性及び快適性を向上させることができる。
また、シートベルトの端部に第二リトラクタを接続することにより、バックルにトングを係合させた後で、シートベルトをベルトガイド側に引き込むことができる。したがって、本発明を3点式シートベルト装置に適用した場合には、ラップベルト部の緩みを効果的に除去して拘束力を向上させることができ、本発明を4点式シートベルト装置に適用した場合には、バックルにトングを係合した時の初期位置が上方にずれないようにすることができる。さらに、シートベルトを解除した時にトング又はバックルをベルトガイドの先端部に位置するように移動させることができ、シートベルト装着時の操作性及び快適性を効果的に向上させることができる。
また、本発明を適用した4点式シートベルト装置において、プッシュ式のバックルを採用することにより、バックルの横幅を縮めることができ、シートベルト装着時のショルダーベルト部をV字形状に近付けることができ、乗員の拘束力を向上させることができる。さらに、補助シートベルトを付加することにより、シートベルトを適正な初期位置で接続した後のバックルのずり上がりを効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜図8を用いて説明する。ここで、図1は、車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した3点式シートベルト装置の第一実施形態を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
図1(A)及び(B)に示したシートベルト装置は、乗員Cが着座する腰掛部1aと乗員の背面に位置する背もたれ部1bとを備えた車両シート1に乗員Cを拘束するシートベルト装置であり、車両シート1の片側から引き出し可能に配置されたシートベルト2と、シートベルト2の一端に接続されるとともにシートベルト2の巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタ3と、シートベルト2と同じ側の車両シート1の側面に配置されたベルトガイド4と、ベルトガイド4を前後に回動させるベルトガイド駆動装置5と、ベルトガイド4と反対側の車両シート1の側面に配置されたバックル6と、シートベルト2に配置されるとともにバックル6と係合可能なトング7と、シートベルト2の他端に接続された第二リトラクタ8と、を備え、ベルトガイド4は、ベルトガイド駆動装置5に接続されるとともに腰掛部1aの側面に収納可能な第一ガイド部4aと、シートベルト2が挿通されるとともに背もたれ部1bの側面に収納可能な第二ガイド部4bと、を有していることを特徴とする。
前記車両シート1は、腰掛部1a、背もたれ部1b、ヘッドレスト1c等により構成されており、車両の床面に固定されている。図1では、運転席用の車両シート1を図示しているが、補助席用又は後部座席用の車両シートであってもよい。車両シート1は車両の床面に対して前後方向にスライド可能に固定されることが多い。また、背もたれ部1bは、腰掛部1aに対して後方へ回動可能に接続されていることが多い。背もたれ部1bのドア側の肩部には、凸部1dが形成されており、この凸部1dの前面にはシートベルト2を引き出すための開口部1eが形成されている。なお、凸部1dを形成せずに、背もたれ部1bの肩部の前面又は上面に開口部1eを形成してもよい。また、腰掛部1aのドア側の側面にはシートベルト2を引き出すための開口部1fが形成されている。なお、第二リトラクタ8が、腰掛部1aの背面、側面、下面等に配置されている場合には、開口部1fを形成する必要はない。
前記シートベルト2は、両端がリトラクタ3及び第二リトラクタ8により保持されており、リトラクタ3及び第二リトラクタ8の間で巻き取り又は巻き戻し可能に構成されている。図1(A)に示すように、リトラクタ3に接続されたシートベルト2は、背もたれ部1bの開口部1eから引き出されてベルトガイド4の第二ガイド部4bに挿通され、第二リトラクタ8に接続されている。また、開口部1eからベルトガイド4の間に位置するシートベルト2にトング7が配置されている。なお、開口部1e,1fは、シートベルト2と摩擦力が発生し難い樹脂や金属で構成してもよいし、背もたれ部1b又は腰掛部1aの内部にシートベルト2を開口部1e,1fに案内する案内部材(樹脂製又は金属製の棒部材、回転可能な案内ローラ等)を配置してもよい。
前記リトラクタ3及び第二リトラクタ8は、従来のシートベルト装置に通常用いられている部品を使用することができる。例えば、ばね式のリトラクタ、ばねとモータを併用したリトラクタ、モータ式のリトラクタ等、種々のものを選択して使用することができる。例えば、リトラクタ3にはばねとモータを併用したリトラクタを採用し、第二リトラクタ8にはモータ式のリトラクタが採用される。なお、図1では、リトラクタ3を車両シート1の背もたれ部1bに埋め込んだ状態を図示したが、背もたれ部1bの背面や側面に配置してもよいし、腰掛部1aの内部に埋め込んでもよいし、腰掛部1aの下面に配置してもよい。また、第二リトラクタ8を腰掛部1aに埋め込んだ状態を図示したが、腰掛部1aの背面、側面又は下面に配置してもよいし、背もたれ部1bの背面や側面に配置してもよいし、腰掛部1aの内部に埋め込むようにしてもよい。なお、第二リトラクタ8に替えて、ベルトアンカーをシートベルト2の他端に接続して車両シート1又は車内構造物に固定するようにしてもよい。
前記ベルトガイド4は、シートベルト2を前後方向に移動させるための部品である。ベルトガイド4は、図1に示したように、第一ガイド部4aと第二ガイド部4bにより構成されている。第一ガイド部4aは、一端に回動軸4cを有し、腰掛部1aに対して回動可能に支持されている。回動軸4cには、後述するベルトガイド駆動装置5に連結するための、歯車、回動レバー、回転板等が形成されている。図1では、回動軸4cに歯車を形成した場合を図示してある。さらに、第一ガイド部4aは、他端に連結軸4dを有し、第二ガイド部4bが第一ガイド部4aに対して回動できるように連結されている。なお、図1に示すベルトガイド4の構造は簡略化しており、詳細については後述する。また、第二ガイド部4bは、筒形状に形成されており、内部にシートベルト2が摺動可能に挿通されている。
ここで、図2は、ベルトガイドの構成図であり、(A)は収納状態、(B)は前方回動状態を示している。図2(A)及び(B)に示すように、ベルトガイド4は、第一ガイド部4aと、第二ガイド部4bと、第二ガイド部4bを第一ガイド部4aに接近する方向に付勢する弾性体21と、第二ガイド部4bの回動を規制するストッパ22と、を備えている。弾性体21は、例えば、固定端部間で伸縮可能なバネであり、一端21aは第一ガイド部4aに、他端21bは第二ガイド部4bに固定されている。例えば、一端21aは第一ガイド部4aの回動軸4cに固定され、他端21bは第二ガイド部4bに形成されたピン21cに固定される。なお、弾性体21は、第二ガイド部4bを第一ガイド4aに接近する方向に付勢するものであればバネ以外のもの(ゴム、アクチュエータ等)であってもよい。また、ストッパ22は、例えば、第二ガイド部4bから突出して形成されたピンであり、第一ガイド部4aに形成されたスライド孔22aに挿入されている。スライド孔22aは、第一ガイド部4aの連結軸4dに沿って部分的に形成されている。そして、ストッパ22がスライド孔22a内を摺動し、スライド孔22aの端部に達するとストッパ22の回動が規制され、第二ガイド部4bの第一ガイド部4aに対する連結軸4d回りの回動が規制される。
図2(A)に示すように、ベルトガイド4の収納状態において、第二ベルト部4bは、弾性体21の付勢力とシートベルト2の張力とのバランスにより、起立した状態を維持している。このように収納時にストッパ22が作用しないようにすることによって、車両シート1の背もたれ部を後方に傾斜させたような場合であっても、シートベルト2の張力により第二ベルト部4bを後方に回動させることができる。勿論、収納時にストッパ22がスライド孔22aの端部に接触してストッパ22が作用するように、ストッパ22の位置やスライド孔22aの長さを調整するようにしてもよい。そして、ベルトガイド駆動装置5が駆動すると、歯車5a,5bを介して第一ガイド部4aが回動軸4c回りに回動する。この時、第二ガイド部4bも回動軸4c回りに回動しようとするが、シートベルト2の張力により第二ガイド部4bは後方に引っ張られ、第一ガイド部4aから離間する方向に連結軸4d回りに回動する。そして、ストッパ22がスライド孔22aの端部に接触してストッパ22が作用すると、第二ガイド部4bの回動が停止する。第一ガイド部4aの回動が停止する前に、第二ガイド部4bのストッパ22が作用した場合には、第二ガイド部4bは第一ガイド部4aと一体になって回動軸4c回りに回動する。
前記ベルトガイド駆動装置5は、ベルトガイド4を回動させる装置である。ベルトガイド駆動装置5は、例えば、駆動モータと、駆動モータの回転数を減速して伝達する歯車により構成される。また、ベルトガイド4(第二ガイド部4a)の回動軸に回動レバーや回転板を形成してアクチュエータにより駆動させるようにしてもよい。ここで、図3は、ベルトガイド駆動装置の制御ブロック構成図である。図3に示すように、ベルトガイド駆動装置5は、車載された電子制御ユニット(ECU)31に電気的に接続されている。また、電子制御ユニット31は、乗員Cが車両シート1に着座したことを検知する乗員検知センサ32、バックル6とトング7の係合状態を感知するバックルセンサ33、車両の急減速を検知する加速度センサ34、車両の衝突を検知する衝突検知センサ35、車両の衝突を予測する衝突予測システム36、ベルトガイド駆動装置5の駆動を停止させるベルトガイド駆動停止センサ37等に電気的に接続されている。なお、図示したセンサは単なる一例であり、これらのセンサを全て備えている必要はない。
乗員検知センサ32は、例えば、車両シートに配置されたシート荷重センサ、車載されたCCDカメラ等である。乗員検知センサ32が車両シート1への乗員Cの着座を検知すると、乗員検知信号を電子制御ユニット31に送信する。電子制御ユニット31は、乗員検知信号を受信すると、ベルトガイド駆動装置5を駆動させてベルトガイド4を前方に回動させる。また、バックルセンサ33がトング7の係合を感知するとトング係合信号を電子制御ユニット31に送信する。電子制御ユニット31は、トング係合信号を受信すると、ベルトガイド駆動装置5を駆動させてベルトガイド4を後方に回動させて乗員Cを拘束する。加速度センサ34は、急ブレーキや急カーブ等によって生ずる急減速を検知して急減速検知信号を電子制御ユニット31に送信する。また、衝突検知センサ35は、車両が衝突したことを検知する圧力センサ等であり、衝突検知センサ35が車両の衝突を検知すると衝突検知信号を電子制御ユニット31に送信する。また、衝突予測システム36は、車載されたレーザレーダ、赤外線レーダ等を備え、車間距離と速度から車両の衝突を予測するシステムであり、衝突予測システム36が車両の衝突を予測すると衝突予測信号を電子制御ユニット31に送信する。電子制御ユニット31は、これらの急減速検知信号、衝突検知信号又は衝突予測信号を受信すると、ベルトガイド駆動装置5を駆動させてベルトガイド4をさらに後方に回動させて乗員Cを拘束する。
ベルトガイド駆動停止センサ37は、ベルトガイド駆動装置5の駆動モータの回転量又はベルトガイド4の第一ガイド部4aの回動量を検知するロータリーエンコーダ、ベルトガイド4の第一ガイド部4aの位置を検出する赤外線センサ、ベルトガイド駆動装置5の駆動モータの過付加を検出する電流計等である。ベルトガイド駆動停止センサ37は、ベルトガイド4が前方又は後方に回動されて所定の位置に到達すると停止信号を電子制御ユニット31に送信する。電子制御ユニット31は、停止信号を受信すると、ベルトガイド駆動装置5を停止させる。また、電子制御ユニット31内のタイマーをベルトガイド駆動停止センサ37の替わりに使用してもよいし、ベルトガイド駆動停止センサ37をベルトガイド駆動装置5に直接的に接続するようにしてもよい。
前記バックル6は、ベルトガイド4と略同じ構造をなしており、ベルトガイド4の駆動と同期して駆動されるように構成されている。具体的には、バックル6は、腰掛部1aの内部に配置されたバックル駆動装置9と、バックル駆動装置9に回動可能に連結された第一バックル支持部6aと、第一バックル支持部6aに回動可能に連結された第二バックル支持部6bと、により構成されている。この第一バックル支持部6a、第二バックル支持部6b及びバックル駆動装置9の構造及び作用については、上述したベルトガイド4及びベルトガイド駆動装置5と同じであるため、ここでは詳細な説明を省略する。ただし、バックル6(第二バックル支持部6b)の先端部には、トング7を係合する係合部と、トング7の係合を解除する解除ボタンが配置されている。なお、バックル6は、かかる構造に限定されるものではなく、従来のシートベルト装置に通常用いられている部品を使用するようにしてもよい。
前記トング7は、従来のシートベルト装置に通常用いられている部品を使用することができる。例えば、トング7は、シートベルト2を通すための挿通孔を有し、開口部1eとベルトガイド4との間で摺動可能に配置されている。また、トング7の挿通孔に棒部材を配置し、シートベルト2を棒部材に掛け回すようにして、トング7の位置を一時的に固定できるようにしてもよい。さらに、リトラクタ3から引き出されたシートベルト2と、第二リトラクタ8から引き出されたシートベルト2を2つに分割し、それぞれの先端をトング7に接続するようにしてもよい。
続いて、上述した第一実施形態の作用について説明する。ここで、図4は、図1に示した第一実施形態に係るシートベルト装置の作用を示す図であり、(A)は乗員着座前、(B)は乗員着座時、(C)はトング係合時、(D)はシートベルト装着完了時を示している。なお、ベルトガイド4は簡略化して図示している。
図4(A)に示すように、車両シート1に乗員Cが着座する前は、ベルトガイド4は、車両シート1の側面に収納されている。具体的には、第一ガイド部4aは、腰掛部1aの側面に収納されており、第二ガイド部4bは、背もたれ部1bの側面に収納されている。ここで、「収納する」とは「乗員Cの乗降に邪魔にならない位置に退避する」ことを意味しており、第一ガイド部4a及び第二ガイド部4bは、腰掛部1a及び背もたれ部1bの側面に必ずしも完全に隠れている必要はない。また、第二ガイド部4bの後端から第二リトラクタ8に渡る部分のシートベルト2は、第二ガイド部4bにより屈曲されており、シートベルト2が移動しないように拘束している。
図4(B)に示すように、乗員Cが車両シート1に着座すると、ベルトガイド4が駆動され、ベルトガイド4の先端が乗員Cの上体よりも前方の位置に移動される。例えば、車両シート1に配置された荷重センサ等の乗員検知センサ32が乗員Cの着座を感知すると、電子制御ユニット31を介してベルトガイド駆動装置5に駆動指令が伝達され、ベルトガイド駆動装置5はベルトガイド4の第一ガイド部4aを起立する方向(前方)に回動させる。この時、第二ガイド部4bは、シートベルト2の張力により後方側に引っ張られて第一ベルト部4aから離間する方向に回動される。そして、一定角度だけ後方に回動するとストッパ22の作用により第二ベルト部4bの回動が規制される。その結果、第一ベルト部4aを起立させた時のベルトガイド4の先端(第二ベルト部4bの先端)を乗員Cの前方に移動させつつ上方に移動させることができ、乗員Cがトング7を掴み易い位置に移動させることができる。また、この時、第二ガイド部4bの後端から第二リトラクタ8に渡る部分のシートベルト2は、図4(B)に示すように、第二ガイド部4bの長手方向と略同じ方向に延びており、第二ガイド部4bに沿ってシートベルト2が移動できるようになっている。なお、図4(B)では、第一ガイド部4aを略90°だけ前方に回動させた場合を図示したが、第一ガイド部4aの回動量は、任意に設定することができ、90°以上であってもよいし、90°以下であってもよいし、乗員Cの体格を検知するセンサの信号に基づいて回動量を制御するようにしてもよい。
図4(C)に示すように、ベルトガイド4が前方に移動されると、乗員Cはトング7を掴んで反対側のバックル6にトング7を係合させる。この時、シートベルト2は、リトラクタ3及び第二リトラクタ8の両方から引き出される。なお、図4(C)は、トング7をバックル6に係合させた状態を示している。図1に示したバックル6は、ベルトガイド4と同様に前方に移動されているため、乗員Cは、上体を捻ることなく容易にトング7を掴むことができ、上体を捻ることなくバックル6にトング7を係合させることができる。そして、バックル6に配置されたバックルセンサ33がトング7の係合を感知すると、電子制御ユニット31に信号を送信し、電子制御ユニット31を介してベルトガイド駆動装置5に駆動指令が伝達される。
図4(D)に示すように、バックル6にトング7を係合させると、ベルトガイド駆動装置5が駆動し、ベルトガイド4の第一ガイド部4aが収納される方向(後方)に回動される。この時、第二ガイド部4bも同時に回動されるが、弾性体21の付勢力及びシートベルト2の張力により、第二ガイド部4bは第一ガイド部4aに接近する方向に回動される。そして、シートベルト2の乗員Cの腰部を拘束する部分(ラップベルト部2a)が乗員Cに密着する位置で、ベルトガイド駆動停止センサ37が作用し、ベルトガイド駆動装置5を停止させて、ベルトガイド4の移動を停止させる。この時、第二ガイド部4bの後端から第二リトラクタ8に渡る部分のシートベルト2は、第二ガイド部4bにより屈曲され、シートベルト2の移動が拘束され、ラップベルト部2aの張力を略一定に保持することができる。なお、シートベルト2の屈曲が不十分な場合には、第二リトラクタ8を作動させてシートベルト2を巻き取る方向に力を加えることにより、ラップベルト部2aの張力を保持させるようにすればよい。また、ベルトガイド4の駆動と同時に、リトラクタ3が作動し、乗員Cの肩部を拘束する部分(ショルダーベルト部2b)の弛みを除去する。
したがって、本発明のシートベルト装置によれば、ベルトガイド4を後方に回動させた時にシートベルト2の移動を拘束することができ、シートベルト2のラップベルト部2aの張力を保持することができ、ラップベルト部2aのずり上がりを抑制することができ、車両シート1に着座した乗員Cのサブマリン現象を抑制することができる。また、ベルトガイド4により、トング7の位置が定まり易く、乗員Cがトング7を引っ張る動作を補助することができ、上体を捻ることなくシートベルト2を装着することができ、操作性及び快適性に優れている。なお、ベルトガイド4は、車両シート1の側面に収納可能な形状であるため、乗員Cの乗降を妨げることがない。
また、車両が、加速度センサ34、衝突検知センサ35、衝突予測システム36等を備えている場合には、これらのセンサやシステムの信号を受信してベルトガイド駆動装置5を駆動させるようにしてもよい。具体的には、図4(D)の状態において、第一ガイド部4aをさらに後方に回動させて、ラップベルト部2aの張力を一時的に上昇させる。また、同時に、リトラクタ3を作動させてショルダーベルト部2bの張力を一時的に上昇させる。かかる措置により、車両が衝突した場合や車両に急減速が生じた場合に、乗員Cを車両シート1に効果的に拘束しておくことができ、衝突の衝撃に備えた予備拘束を行うことができ、シートベルト装置の拘束力を向上させることができる。
乗員Cがシートベルト2を解除した場合には、バックルセンサ33がトング7の解除信号を電子制御ユニット31に送信し、ベルトガイド駆動装置5を駆動させるとともに、リトラクタ3を作動させる。ベルトガイド駆動装置5は、第一ガイド部4aを後方に回動させ、図4(A)に示した収納位置で停止させる。また、リトラクタ3は、シートベルト2を巻き取る。この時に生ずるシートベルト2の張力により、第二ガイド部4bは、図4(A)に示した収納位置で停止する。なお、リトラクタ3に加えて第二リトラクタ8もシートベルト2の巻き取りに利用したい場合には、第一ガイド部4aを一端前方に回動させて図4(B)に示した状態で第二リトラクタ8を作動させるようにすればよい。
次に、本発明に係るシートベルト装置の他の実施形態について説明する。ここで、図5は、車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した3点式シートベルト装置の他の実施形態を示す図であり、(A)は第二実施形態、(B)は第三実施形態、(C)は第三実施形態を示している。なお、図1に示した第一実施形態と同じ構成部品については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図5(A)に示した第二実施形態は、シートベルト2を車両のセンターピラー51に配置されたガイドアンカー52に掛け回して案内したものである。ここでは、リトラクタ3を車両シート1に埋め込んだ場合を図示したが、リトラクタ3はセンターピラー51内に配置されていてもよい。かかる第二実施形態によれば、従来のシートベルト装置で多く採用されているシートベルト2の掛け回し方法を採用しても、本発明の効果を発揮させることができる。
図5(B)に示した第三実施形態は、シートベルト2を車内側の背もたれ部1bから引き出したものである。すなわち、背もたれ部2bの車内側の肩部に凸部53を形成し、凸部53に開口部54を形成し、リトラクタ3を背もたれ部2bの車内側に配置したものである。したがって、ベルトガイド4は車両シート1の車内側の側面に配置され、バックル6は車両シート1のドア側の側面に配置されている。かかる第三実施形態では、ドア側にシートベルト2が存在しないため、乗員Cの乗降にシートベルト2が邪魔になることがない。また、第三実施形態では、乗員Cの左肩側を拘束することができるため、車両の側突時に効果的に乗員Cを拘束することができる。
図5(C)に示した第四実施形態は、ベルトガイド55をL字状の板材で構成したものである。かかる第四実施形態では、第一実施形態のように第一ベルト部4aと第二ベルト部4bとが接近したり離間したりすることがないが、第一実施形態と略同じ効果を発揮させることができる。
次に、本発明を4点式シートベルト装置に適用した場合について説明する。ここで、図6は、車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した4点式シートベルト装置の実施形態を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。なお、図1に示した3点式シートベルト装置の第一実施形態と同じ構成部品については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図6(A)及び(B)に示すように、トング7側(ドア側)のリトラクタ3、ベルトガイド4、ベルトガイド駆動装置5及び第二リトラクタ8により構成されるシートベルト2の案内機構は基本的に3点式シートベルト装置の第一実施形態と同じ構成である。そして、4点式シートベルト装置では、バックル6側(車内側)もトング7側(ドア側)と同様に、リトラクタ3、ベルトガイド4、ベルトガイド駆動装置5及び第二リトラクタ8により構成されるシートベルト2の案内機構を備えている。
すなわち、図6に示した4点式シートベルト装置は、乗員Cが着座する腰掛部1aと乗員Cの背面に位置する背もたれ部1bとを備えた車両シート1に乗員Cを拘束するシートベルト装置であり、車両シート1の両側から引き出し可能に配置された一対のシートベルト2,2と、シートベルト2,2の一端に接続されるとともにシートベルト2,2の巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタ3,3と、車両シート1の両側面に配置された一対のベルトガイド4,4と、ベルトガイド4,4を前後に回動させるベルトガイド駆動装置5,5と、シートベルト2,2の他端に接続された第二リトラクタ8と、シートベルト2の一方に配置されたバックル6と、シートベルト2の他方に配置されるとともにバックル6と係合可能なトング7と、を備え、ベルトガイド4,4は、ベルトガイド駆動装置5,5に接続されるとともに車両シート1の側面に収納可能な第一ガイド部4aと、シートベルト2,2が挿通されるとともに車両シート1の側面に収納可能な第二ガイド部4bと、を有している。なお、第二リトラクタ8に替えて、ベルトアンカーをシートベルト2,2の他端に接続して車両シート1又は車内構造物に固定するようにしてもよい。
かかる実施形態のように、本発明を4点式シートベルト装置に適用した場合には、図6に示したように、シートベルト2,2をラップベルト部2aとショルダーベルト部2bとに分離して、各々をバックル6又はトング7に接続する。また、バックル6には、トング7の挿入方向に対して略垂直な方向に押下可能なボタンを備えたプッシュ式のバックル6を採用することが好ましい。プッシュ式のバックル6を採用することにより、バックル6の横幅を短くすることができ、シートベルト2の装着時にショルダーベルト部2bの端部どうしを接近させてV字形状に近付けることができ、乗員Cの拘束力を向上させることができる。
ここで、図7は、プッシュ式のバックルを示す断面図であり、(A)はトング係合前、(B)はトング挿入時、(C)はトング係合時、(D)はトング解除時の状態を示している。なお、各図において、シートベルト2の図は省略してある。
図7(A)に示すように、バックル6は、本体部70aと耳部70bを有している。本体部70aは、内部にボタン71をスライド可能に収容する空間を有し、上面にボタン71を露出させるための開口部70cが形成されるとともに、側面にトング7を挿入するための開口部70dが形成されている。ボタン71は、本体部70a内でバネ等の弾性体72により開口部6c側に略均等に付勢されるとともに、外形の一部が本体部6aの内面と係合して位置決めされている。また、ボタン71は、内部にトング7を収容するための空間を有し、内面にはトング7と係合する爪部71aが形成されている。爪部71aは、本体部70aの開口部70dから徐々に開口部70c側に傾斜するテーパ面を有している。また、耳部70bには、シートベルト2を挿通させるための開口部70eが形成されている。一方、図7(B)に示すように、トング7の先端には、爪部71aと係合する開口部7aが形成されている。
そして、図7(B)に示すように、トング7をバックル6の開口部70dに挿入すると、トング7の先端は、ボタン71の爪部71aのテーパ面と接触し、ボタン71を下方(弾性体72側)に押し下げる。さらに、トング7を挿入して爪部71aの段差部が開口部7aに達すると、図7(C)に示すように、ボタン71は開口部70c側に弾性体72の作用により押し戻され、爪部71aと開口部7aとが係合して、トング7とバックル6が係合する。トング7を解除する場合には、図7(D)に示すように、ボタン71をトング7の挿入方向に対して略垂直な方向に押下して、爪部71aと開口部7aの係合を解除すればよい。なお、図7に示したプッシュ式のバックル6の構造は単なる一例であり、図示したものに限られず、従来から使用されているもの、実開昭53−102728号公報や特開昭52−24746号公報に開示されているもの等を採用してもよい。
また、4点式シートベルト装置のトング7側の構成に図5(A)に示した実施形態を適用してもよいし、バックル6とトング7の配置を入れ替えてもよいし、ベルトガイド4に図5(C)に示した実施形態を適用してもよい。
次に、本発明を6点式シートベルト装置に適用した場合について説明する。ここで、図8は、車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した6点式シートベルト装置の実施形態を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。なお、図6に示した実施形態と同じ構成部品については同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
図8(A)及び(B)に示した6点式シートベルト装置は、図6に示した4点式シートベルト装置に加えて、バックル6又はトング7に接続された補助シートベルト81,81と、補助シートベルト81,81の巻き取り及び巻き戻しを行う第三リトラクタ82,82と、を備えたものである。この時、第三リトラクタ82は、シートベルト2の装着時におけるバックル6又はトング7を下方に引っ張ることができる位置に配置される。例えば、第三リトラクタ82は、図8(B)に示すように、背もたれ部1bの下部に埋め込まれており、補助シートベルト81は腰掛部1aの側面に形成された開口部83から車内に引き出されている。かかる補助シートベルト81及び第三リトラクタ82を付加することにより、シートベルト2を適正な初期位置で接続した後のバックル6を下方に引っ張ることができ、バックル6のずり上がりを効果的に抑制することができる。なお、トング6及びバックル7は、図8(A)に示すように、略E字状に構成され、その外周に沿ってシートベルト2(ラップベルト部2a,ショルダーベルト部2b)及び補助シートベルト81が接続されている。
本発明は上述した実施形態に限定されず、例えば、本発明の各実施形態は助手席や後部座席のシートベルト装置に適用してもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した3点式シートベルト装置の第一実施形態を示す図であり、(A)は側面図、(B)は正面図である。 ベルトガイドの構成図であり、(A)は収納状態、(B)は前方回動状態を示している。 ベルトガイド駆動装置の制御ブロック構成図である。 図1に示した第一実施形態に係るシートベルト装置の作用を示す図であり、(A)は乗員着座前、(B)は乗員着座時、(C)はトング係合時、(D)はシートベルト装着完了時を示している。 車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した3点式シートベルト装置の他の実施形態を示す図であり、(A)は第二実施形態、(B)は第三実施形態、(C)は第三実施形態、(D)は第四実施形態を示している。 車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した4点式シートベルト装置の実施形態を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。 プッシュ式のバックルを示す断面図であり、(A)はトング係合前、(B)はトング挿入時、(C)はトング係合時、(D)はトング解除時の状態を示している。 車両の運転席に本発明のシートベルト装置を適用した4点式シートベルト装置に係る実施形態の変形例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
符号の説明
1 車両シート
1a 腰掛部
1b 背もたれ部
1c ヘッドレスト
1d,53 凸部
1e,1f,54 開口部
2 シートベルト
2a ラップベルト部
2b ショルダーベルト部
3 リトラクタ
4,55 ベルトガイド
4a 第一ガイド部
4b 第二ガイド部
4c 回動軸
4d 連結軸
5 ベルトガイド駆動装置
5a,5b 歯車
6 バックル
6a 第一バックル支持部材
6b 第二バックル支持部材
7 トング
7a 開口部
8 第二リトラクタ
9 バックル駆動装置
21 弾性体
21a 一端
21b 他端
21c ピン
22 ストッパ
22a スライド孔
31 電子制御ユニット
32 乗員検知センサ
33 バックルセンサ
34 加速度センサ
35 衝突検知センサ
36 衝突予測システム
37 ベルトガイド駆動停止センサ
51 センターピラー
52 ガイドアンカー
70a 本体部
70b 耳部
70c,70d,70e 開口部
71 ボタン
71a 爪部
72 弾性体
81 補助シートベルト
82 第三リトラクタ
83 開口部

Claims (17)

  1. 乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置であって、
    前記車両シートの片側から引き出し可能に配置されたシートベルトと、該シートベルトの一端に接続されるとともに前記シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、前記シートベルトと同じ側の前記車両シートの側面に配置されたベルトガイドと、該ベルトガイドを前後に回動させるベルトガイド駆動装置と、前記ベルトガイドと反対側の前記車両シートの側面に配置されたバックルと、前記シートベルトに配置されるとともに前記バックルと係合可能なトングと、前記シートベルトの他端を固定するベルトアンカーと、を備え、
    前記ベルトガイドは、前記ベルトガイド駆動装置に接続されるとともに前記車両シートの側面に収納可能な第一ガイド部と、前記シートベルトが挿通されるとともに前記車両シートの側面に収納可能な第二ガイド部と、を有していることを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記第二ガイド部は、前記第一ガイド部に対して回動可能に連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記ベルトガイドは、前記第二ガイド部を前記第一ガイド部に接近する方向に付勢する弾性体を備えている、ことを特徴とする請求項2に記載のシートベルト装置。
  4. 前記ベルトガイド駆動装置は、前記腰掛部に乗員が着座した時に、前記ベルトガイドを前方に回動させる、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  5. 前記ベルトガイド駆動装置は、前記バックルに前記トングが係合した時に、前記ベルトガイドを後方に回動させる、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  6. 前記ベルトガイド駆動装置は、車両の衝突を検知又は予測した時に、前記ベルトガイドを後方に回動させる、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  7. 前記バックルを前後に回動させるバックル駆動装置を有し、該バックル駆動装置は、前記ベルトガイドと連動して前記バックルを回動させる、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  8. 前記ベルトアンカーに替えて、前記シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行う第二リトラクタを接続した、ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  9. 乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えた車両シートに乗員を拘束するシートベルト装置であって、
    前記車両シートの両側から引き出し可能に配置された一対のシートベルトと、該シートベルトの一端に接続されるとともに前記シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行うリトラクタと、前記車両シートの両側面に配置された一対のベルトガイドと、該ベルトガイドを前後に回動させるベルトガイド駆動装置と、前記シートベルトの他端を固定するベルトアンカーと、前記シートベルトの一方に配置されたバックルと、前記シートベルトの他方に配置されるとともに前記バックルと係合可能なトングと、を備え、
    前記ベルトガイドは、前記ベルトガイド駆動装置に接続されるとともに前記車両シートの側面に収納可能な第一ガイド部と、前記シートベルトが挿通されるとともに前記車両シートの側面に収納可能な第二ガイド部と、を有していることを特徴とするシートベルト装置。
  10. 前記第二ガイド部は、前記第一ガイド部に対して回動可能に連結されている、ことを特徴とする請求項9に記載のシートベルト装置。
  11. 前記ベルトガイドは、前記第二ガイド部を前記第一ガイド部に接近する方向に付勢する弾性体を備えている、ことを特徴とする請求項10に記載のシートベルト装置。
  12. 前記ベルトガイド駆動装置は、前記腰掛部に乗員が着座した時に、前記ベルトガイドを前方に回動させる、ことを特徴とする請求項9に記載のシートベルト装置。
  13. 前記ベルトガイド駆動装置は、前記バックルに前記トングが係合した時に、前記ベルトガイドを後方に回動させる、ことを特徴とする請求項9に記載のシートベルト装置。
  14. 前記ベルトガイド駆動装置は、車両の衝突を検知又は予測した時に、前記ベルトガイドを後方に回動させる、ことを特徴とする請求項9に記載のシートベルト装置。
  15. 前記ベルトアンカーに替えて、前記シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行う第二リトラクタを接続した、ことを特徴とする請求項9に記載のシートベルト装置。
  16. 前記バックルは、前記トングの挿入方向に対して略垂直な方向に押下可能なボタンを備えたプッシュ式のバックルである、ことを特徴とする請求項9に記載のシートベルト装置。
  17. 前記バックル又は前記トングに接続された補助シートベルトと、該補助シートベルトの巻き取り及び巻き戻しを行う第三リトラクタと、を備え、該第三リトラクタは、シートベルト装着時における前記バックル又は前記トングを下方に引っ張ることができる位置に配置されている、ことを特徴とする請求項9に記載のシートベルト装置。
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