JP2010058176A - 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Abstract

【課題】 高速断続重切削加工においても、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具を提供する。
【解決手段】 工具基体の表面に、(a)下地層、(b)中間層、(c)上部層からなる硬質被覆層を設けた表面被覆切削工具において、下地層としてTi化合物層、中間層として微量Zrを添加した層厚5〜20nmのZr添加κ型Al層、上部層として(0001)、(10−10)面配向性が高い粒状結晶組織の微量Zrを添加したZr添加α型Al層を蒸着形成し、必要に応じ、下地層と中間層の間に、下部層として、(0001)面配向性が高い柱状結晶組織のα型Al層を蒸着形成する
【選択図】 なし

Description

この発明は、各種の鋼や鋳鉄などの被削材の切削加工を、高い発熱を伴うとともに切刃に対して断続的かつ衝撃的な高負荷が作用する高速断続重切削条件で行った場合にも、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
従来、一般に、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金または炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットで構成された基体(以下、これらを総称して工具基体という)の表面に、下地層としてTi化合物層、上部層としてα型の結晶構造を有する酸化アルミニウム(以下、α型Alで示す)層からなる硬質被覆層を蒸着形成してなる被覆工具が、例えば各種の鋼や鋳鉄などの切削加工に用いられることは良く知られている。
また、工具基体の表面に、
(a)下地層として、Tiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、同じくTiNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸化物(以下、TiCOで示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層、
(b)上部層として、α型Alに微量のZrを添加するとともに、特定結晶面への配向度を高めたZr添加α型酸化アルミニウム層(以下、Zr添加従来α型Al層という)、
以上の(a)、(b)からなる硬質被覆層を蒸着形成した被覆工具(以下、従来被覆工具という)も知られており、この被覆工具は、特に、Zr添加従来α型Al層によって硬質被覆層の高温強度が高められ、これによって耐チッピング性の改善が図られることも知られている。
さらに、上記従来被覆工具の硬質被覆層を構成するZr添加従来α型Al層が、格子点にAl、Zrおよび酸素からなる構成原子がそれぞれ存在するコランダム型六方最密晶の結晶構造を有する結晶粒で構成されていることも知られている。
特開2008−93769号公報
近年の切削装置の高性能化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来被覆工具においては、これを鋼や鋳鉄などの通常の条件での連続切削加工や断続切削加工に用いた場合には問題はないが、特にこれを高い発熱を伴うと共に、切刃に断続的かつ衝撃的な高負荷が作用する高速断続重切削加工に用いた場合には、硬質被覆層を構成するα型Al層あるいはZr添加従来α型Al層の高温強度が十分であるとはいえず、そのため硬質被覆層にチッピング等の異常損傷が発生しやすくなり、これが原因で比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、特に上記のZr添加従来α型Al23層が硬質被覆層の上部層を構成する被覆工具に着目し、特に、高送り、高切り込みの高速断続重切削加工における硬質被覆層の耐チッピング性の向上を図るべく鋭意研究を行った結果、以下の知見を得た。
(a)まず、従来被覆工具の硬質被覆層を構成する上部層としてのZr添加従来α型Al23層は、下地層であるTi化合物層上に、例えば、通常の化学蒸着装置にて、
(イ)反応ガス組成(容量%);AlCl:1〜3%、HCl:1〜4%、
CO:0.1〜1%、H2:残り、
反応雰囲気温度; 980〜1200 ℃、
反応雰囲気圧力; 5〜8 kPa、
の条件で、0.2〜2μmの平均層厚のAl核薄膜を形成した後、
(ロ)反応ガス組成(容量%);ZrCl:0.5〜5%、HCl:1〜5%、
2:残り、
反応雰囲気温度; 980〜1200 ℃、
反応雰囲気圧力; 5〜8 kPa、
の条件で、ZrClエッチングを施し、その後さらに、
(ハ)反応ガス組成(容量%);AlCl:1〜3%、ZrCl:0.1〜
0.6%、HCl:1〜4%、CO:2〜6%、H2S:0.1〜0.5%、H2:残り、
反応雰囲気温度; 980〜1100 ℃、
反応雰囲気圧力; 5〜8 kPa、
の条件で蒸着を行うことによって形成することができる。
そして、上記の条件で蒸着形成されたZr添加従来α型Al23層は、
組成式:(Al1−XZr
で表した場合、X=0.0001〜0.003(但し、Xは原子比)を満足するAlとZrの複合酸化物層であって、しかも、Zr添加従来α型Al23層の結晶粒の結晶面は、(0001)面および(01−12)面に配向性を有し、これを上部層として備えた被覆工具は、鋼や鋳鉄の高速断続切削加工で所定の耐チッピング性を示すが、切削速度がより高速化したような場合あるいは高送り、高切り込みにより切刃に一段と高負荷が作用するような場合には、上記Zr添加従来α型Al23層では、次第に耐チッピング性が低下してくることがわかった。
(b)そこで、本発明者等は、よりすぐれた耐チッピング性を発揮するZr添加α型Al23層について研究したところ、Ti化合物層からなる下地層上に、微量のZrを添加した薄層のZr添加κ型Al層を中間層として形成し、この上に、微量のZrを添加したZr添加α型Al層(以下、Zr添加改質α型Al23層という)を上部層として形成すると、このZr添加改質α型Al23層からなる上部層は、(0001)面、(10−10)面への配向度が高くなり、その結果として、上記中間層と上記上部層とを備えた被覆工具は、鋼や鋳鉄の高速断続重切削加工において、上記Zr添加従来α型Al23層を上部層として備えた従来被覆工具に比して、一段とすぐれた耐チッピング性を示すようになることを知見した。
(c)さらに、Ti化合物層からなる下地層と、Zr添加κ型Al23層からなる中間層との間に、(0001)面配向を有するα型Al層を下部層として介在形成すると、上記下部層がすぐれた耐摩耗性を発揮することと相俟って、上記Zr添加α型Al23層からなる上部層がすぐれた耐チッピング性を示すことから、上記下地層(Ti化合物層)、下部層((0001)面配向α型Al層)、中間層(Zr添加κ型Al層)、上部層(Zr添加改質α型Al23層)を硬質被覆層として備えた被覆工具は、耐チッピング性、耐摩耗性に一段とすぐれ、長期の使用にわたってすぐれた工具特性を発揮することを知見した。
この発明は、上記の知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
(a)下地層は、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層、
(b)中間層は、5〜20nmの層厚を有し、Alとの合量に占めるZrの含有割合が0.0001〜0.003(但し、原子比)であってκ型の結晶構造を有するAlとZrの複合酸化物層、
(c)上部層は、Alとの合量に占めるZrの含有割合が0.0001〜0.003(但し、原子比)であってα型の結晶構造を有するとともにアスペクト比が2以下の粒状結晶組織を有し、さらに、該上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜90度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度または80〜90度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在する度数の各々が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の15%以上の割合を占めるとともに、それらの合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の40%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すAlとZrの複合酸化物層、
以上(a)〜(c)で構成された硬質被覆層を蒸着形成してなることを特徴とする表面被覆切削工具。
(2) 前記(1)に記載の表面被覆切削工具において、
前記上部層は、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(10−10)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜90度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度または80〜90度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在する度数の各々が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の15%以上の割合を占めるとともに、それらの合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の40%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すAlとZrの複合酸化物層、
である前記(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3) 前記(1)又は(2)に記載の表面被覆切削工具において、
前記下地層と前記中間層との間に、下部層を介在形成し、
(d)該下部層は、α型の結晶構造を有するとともにアスペクト比が2を越える柱状結晶組織を有する酸化アルミニウム層であって、さらに、該下部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示す酸化アルミニウム層、
である前記(1)又は(2)に記載の表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
以下に、この発明の被覆工具の硬質被覆層の構成層について、より詳細に説明する。
(a)下地層(Ti化合物層)
Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層は、硬質被覆層の下地層として存在し、自身の具備するすぐれた高温強度によって硬質被覆層の高温強度向上に寄与するほか、工具基体と(0001)面配向α型Al23層(下部層)、Zr添加κ型Al層(中間層)のいずれにも強固に密着し、よって硬質被覆層の工具基体に対する接合強度を向上させる作用を有する。
ただ、下地層の平均層厚が3μm未満では、前記作用を十分に発揮させることができず、一方その平均層厚が20μmを越えると、特に高熱発生を伴い高負荷が作用する高速断続重切削では熱塑性変形を起し易くなり、これが偏摩耗の原因となることから、その平均層厚は3〜20μmとすることが望ましい。
(b)下部層((0001)面配向α型Al23層)
下部層を構成する(0001)面配向α型Al23層は、例えば、通常の化学蒸着装置により、下部層の上に、
反応ガス組成(容量%);AlCl:3〜6%、HCl:3.0〜5.0%、CO:10〜15%、H2S:0.05〜0.2%、H2:残り、
反応雰囲気温度; 1020〜1050 ℃、
反応雰囲気圧力; 3〜5 kPa、
の条件で蒸着することにより柱状結晶組織を有しかつα型の結晶構造を有するAl23層を形成することができる。
そして、上記下部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、図1に示すように、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示し、明らかに(0001)面の高い配向性を示す。
そして、上記(0001)面配向α型Al23層はすぐれた耐摩耗性を備えるから、上部層としてZr添加改質α型Al23層が形成された場合に、下部層の備えるすぐれた耐摩耗性と上部層の備える一段とすぐれた耐チッピング性が相俟って、高速断続重切削という厳しい切削条件下でも長期の使用にわたってすぐれた工具特性が発揮される。
上記(0001)面配向α型Al23層からなる下部層を形成する場合は、その平均層厚が1μm未満では、耐摩耗性向上の効果が少なく、一方、その平均層厚が10μmを超えるとチッピングを生じやすくなることから、下部層を形成する場合の平均層厚は1〜10μmであることが望ましい。
(c)中間層(Zr添加κ型Al層)
Zr添加κ型Al層からなる中間層は、Ti化合物層からなる下地層あるいは(0001)面配向α型Al23層からなる下部層の上に、薄層(5〜20nm)として形成され、そして、この上に上部層を形成する際の核形成に作用し、粒状結晶組織かつ(0001)面配向、(10−10)面配向のZr添加α型Al層からなる上部層が形成されることに寄与する。
Zr添加κ型Al層からなる中間層は、上記下地層あるいは下部層の上に、例えば、通常の化学蒸着装置により、
反応ガス組成(容量%);AlCl:3〜6%、ZrCl:0.3〜0.6%、HCl:1.0〜3.0%、CO:6〜10%、H2S:0.1〜0.18%、H2:残り、
反応雰囲気温度; 880〜980 ℃、
反応雰囲気圧力; 3〜5 kPa、
の条件で蒸着を行うことによって形成することができる。
上記の条件で蒸着形成されたZr添加κ型Al23層は、
組成式:(Al1−XZr
で表した場合、X=0.0001〜0.003(但し、Xは原子比)を満足し、κ型の結晶構造を有するAlとZrの複合酸化物層であって、微量のZrを含有することによって高温強度の向上に寄与するが、Alとの合量に占めるZrの含有割合(原子比)が0.0001未満ではκ型Alを安定して形成することができず、一方、Zrの含有割合(原子比)が0.003を超えると、AlとZrの複合酸化物のみでなく、ZrOを析出し高温強度の低下が起こることから、Zrの含有割合(原子比)を0.0001〜0.003と定めた。
また、上記Zr添加κ型Al23層からなる中間層は、この上に上部層を形成する際に、上部層の核形成に作用し、粒状結晶組織かつ(0001)面配向、(10−10)面配向のZr添加α型Al層からなる上部層が形成されることに寄与する。
さらに、(0001)面配向α型Al23層からなる下部層の上に中間層を形成した場合には、中間層は下部層の結晶粒成長を分断する層として作用するため、上部層の結晶粒の粗大化を防止し、微細な粒状組織を維持する層として機能する。
ただ、上記Zr添加κ型Al層からなる中間層の平均層厚が5nm未満であると、上記作用を期待できず、一方、平均層厚が20nmを超えると、耐摩耗性が低下するようになることから、中間層の平均層厚を5〜20nmと定めた。
(d)上部層(Zr添加改質α型Al層)
Zr添加改質α型Al層は、上記中間層の上に、例えば、通常の化学蒸着装置によって、
反応ガス組成(容量%);AlCl:6〜10%、ZrCl:0.1〜0.3%、HCl:3.0〜5.0%、CO:6〜10%、H2S:0.2〜0.3%、H2:残り、
反応雰囲気温度; 880〜980 ℃、
反応雰囲気圧力; 3〜5 kPa、
という条件で蒸着を行うことによって形成することができる。
上記の条件で蒸着形成されたZr添加α型Al23層は、
組成式:(Al1−XZr
で表した場合、X=0.0001〜0.003(但し、Xは原子比)を満足し、アスペクト比が2以下の粒状結晶組織を有し、かつ、α型の結晶構造を有するAlとZrの複合酸化物層であって、微量のZrを含有することによって高温強度の向上に寄与する。ただ、Alとの合量に占めるZrの含有割合(原子比)が0.0001未満では高温強度の向上は期待できず、一方、Zrの含有割合(原子比)が0.003を超えると、ZrOを析出し高温強度が低下することから、Zrの含有割合(原子比)を0.0001〜0.003と定めた。
また、アスペクト比が2を超えると、皮膜の微小なチッピングを生じやすくなり、そのため、本発明の優れた特性を発揮し得なくなることから、アスペクト比の値を2以下と定めた。
そして、上記Zr添加α型Al23層からなる上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜90度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、図2に示すように、0〜10度または80〜90度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在する度数の各々が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の15%以上の割合を占めるとともに、それらの合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の40%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すことから、上記Zr添加α型Al23層からなる上部層の結晶粒は、(0001)面の高い配向性を有する。
また、上記Zr添加α型Al23層からなる上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(10−10)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記と同様に、傾斜角度数分布グラフを作成したところ、図3に示すように、0〜10度または80〜90度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在する度数の各々が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の15%以上の割合を占めるとともに、それらの合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の40%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すことから、上記Zr添加α型Al23層からなる上部層の結晶粒は、(10−10)面への高い配向性も有する。
したがって、上記Zr添加α型Al23層からなる上部層は、(0001)面への強い配向性を示し、また、(10−10)面への強い配向性も示し、その結果として、上部層は、高熱発生を伴うとともに、切刃に対して断続的に繰り返し衝撃的な高負荷が作用する高送り、高切り込みの高速断続重切削においても、一段とすぐれた耐チッピング性を発揮する。
なお、上記Zr添加α型Al層からなる上部層の平均層厚が1μm未満であると、耐チッピング性向上効果が少なく、一方、平均層厚が15μmを超えると、チッピングが発生しやすくなることから、上部層の平均層厚は1〜15μmとすることが望ましい。
上記のとおり、この発明の被覆工具は、薄層のZr添加κ型Al層を中間層として形成し、その上に上部層として形成される粒状結晶組織のZr添加改質α型Al層の(0001)面配向及び(10−10)面配向を高めることにより、上部層は一段とすぐれた高温強度を具備し、その結果として、高熱発生を伴うとともに、切刃に対して断続的に繰り返し衝撃的な高負荷が作用する高送り、高切り込みの高速断続重切削においても、一段とすぐれた耐チッピング性を発揮する。
さらに、この発明の被覆工具は、Ti化合物層からなる下地層と上記中間層との間に、(0001)面配向α型Al23層を下部層として介在形成することにより、下部層の有するすぐれた耐摩耗性と上部層の有する一段とすぐれた耐チッピング性とが相俟って、高速断続重切削という厳しい条件下での切削加工において、長期の使用にわたってすぐれた切削性能を発揮する。
つぎに、この発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも2〜4μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、TiN粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO・CNMG160412に規定するスローアウエイチップ形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A〜Fをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG160412のチップ形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体a〜fを形成した。
ついで、これらの工具基体A〜Fおよび工具基体a〜fのそれぞれを、通常の化学蒸着装置に装入し、まず、表3(表3中のl−TiCNは特開平6−8010号公報に記載される縦長成長結晶組織をもつTiCN層の形成条件を示すものであり、これ以外は通常の粒状結晶組織の形成条件を示すものである)に示される条件にて、表7に示される組み合わせおよび目標層厚でTi化合物層を硬質被覆層の下地層として蒸着形成し、
ついで、表7に示されるようにいくつかのものについては、表4に示される条件にて、表7に示される目標層厚で(0001)面配向柱状組織のα型Al23層を下部層として蒸着形成し、
ついで、表5に示される条件で、表7に示される目標層厚でZr添加κ型Al23層を中間層として蒸着形成し、
ついで、表6に示される条件にて、表7に示される目標層厚で粒状組織のZr添加改質α型Al23層を上部層として蒸着形成することにより、
本発明被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、Zr添加κ型Al23層を中間層として蒸着形成しない以外は、表8に示されるように本発明被覆工具1〜13と同じ下地層、(下部層、)上部層を同じ目標層厚で形成することにより、比較被覆工具1〜13をそれぞれ製造した。
ついで、上記の本発明被覆工具1〜13及び比較被覆工具1〜13の硬質被覆層の下部層について、それぞれ電界放出型走査電子顕微鏡を用い、前記各層の断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成し、最高ピークが存在する0〜10度の範囲内に存在する度数の合計を求め、この値((0001)配向割合という)を、表7、表8に示した。
また、本発明被覆工具1〜13及び比較被覆工具1〜13の硬質被覆層の上部層について、それぞれ、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、前記各層の断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜90度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成し、最高ピークが存在する0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在する各々の度数及びそれらの合計を求め、それらの値を、表7、表8に示した。
なお、それらのうち、0〜10度の度数の合計値を(0001)配向割合といい、80〜90度の度数の合計値を(10−10)配向割合という。
さらに、本発明被覆工具1〜13及び比較被覆工具1〜13の上部層については、前記同様、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、前記各層の断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(10−10)面の法線の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜90度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成し、最高ピークが存在する0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在する各々の度数及びそれらの合計を求め、それらの値を、表7、表8に示した。
また、図1に、本発明被覆工具3の下部層の(0001)面について作成した傾斜角度数分布グラフ、図2に、本発明被覆工具3の上部層の(0001)面について作成した傾斜角度数分布グラフ、図3に、本発明被覆工具3の上部層の(10−10)面について作成した傾斜角度数分布グラフを、それぞれ示す。
表7,8にそれぞれ示される通り、本発明被覆工具1〜13については、その下部層を構成する(0001)面配向柱状組織のα型Al23層は、傾斜角度数分布グラフにおける0〜10度の範囲内に存在する度数割合((0001)配向割合)が40%以上であって、(0001)面の配向性が高く、また、上部層を構成するZr添加改質α型Al23層の(0001)面配向及び(10−10)面配向についても、傾斜角度数分布グラフにおける0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在するそれぞれの度数割合の合計は、いずれも40%以上であって、(0001)面及び(10−10)面の配向性が高い。
一方、比較被覆工具1〜13については、その下部層を構成する(0001)面配向柱状組織のα型Al23層は、本発明被覆工具同様(0001)面の配向性が高く、また、上部層を構成するZr添加改質α型Al23層の(0001)面配向性も高いが、上部層の(10−10)面配向については、(0001)面法線とのなす角における傾斜角度数分布グラフにおいて、80〜90度の範囲内に存在する度数割合の合計((10−10)配向割合)は、10%未満であって、(10−10)面の配向性が低いことが分かる。これは、比較被覆工具1〜13では、Zr添加κ型Al23層が中間層として設けられていないことにより、上部層を蒸着形成する際に(10−10)面配向が促進されなかったことによるものである。
また、本発明被覆工具1〜13および比較被覆工具1〜13の下部層および上部層の厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定(縦断面測定)し中間層の厚さを、透過型電子顕微鏡を用いて測定(縦断面測定)したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示した。
さらに、中間層について、透過型電子顕微鏡を用いて制限視野電子回折像測定を行い、κ型Al23構造であることを同定した。
つぎに、上記の本発明被覆工具1〜13および比較被覆工具1〜13の各種の被覆工具について、いずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
[切削条件A]
被削材:JIS・SNCM420の長さ方向等間隔4本縦溝入の丸棒、
切削速度: 350 m/min、
切り込み: 2.5 mm、
送り: 0.45 mm/rev、
切削時間: 5 分、
の条件でのニッケルクロムモリブデン鋼の乾式高速断続高送り切削試験(通常の切削速度及び送りは、それぞれ、200m/min、0.25mm/rev)、
[切削条件B]
被削材:JIS・FCD500の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度: 320 m/min、
切り込み: 2.5 mm、
送り: 0.75 mm/rev、
切削時間: 5 分、
の条件での鋳鉄の乾式高速断続高送り切削試験(通常の切削速度及び送りは、それぞれ、180m/min、0.35 mm/rev)、
[切削条件C]
被削材:JIS・S30Cの長さ方向等間隔4本縦溝入の丸棒、
切削速度: 340 m/min、
切り込み: 4 mm、
送り: 0.45 mm/rev、
切削時間: 4 分、
の条件での炭素鋼の乾式高速断続高切込み切削試験(通常の切削速度及び切込みは、それぞれ、250m/min、1.5 mm)
行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
この測定結果を表9に示した。
Figure 2010058176
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表7〜9に示される結果から、本発明被覆工具1〜13は、少なくともZr添加κ型Al23層を中間層として蒸着形成し、その上に、粒状組織のZr添加改質α型Al23層を上部層として蒸着形成することにより、上部層は(0001)面及び(10−10)面の高い配向性を有し、その結果、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して断続的かつ衝撃的な高負荷が繰り返し作用する高速断続重切削においても、一段とすぐれた耐チッピング性を発揮する。
また、上記に加え、下部層として(0001)面配向の柱状組織を有するα型Al23層をさらに蒸着形成した場合には、下部層の備える耐摩耗性と上部層の備える耐チッピング性が相俟って、高速断続重切削という厳しい切削条件の下であっても、長期の使用にわたってすぐれた切削性能を発揮する。
これに対して、比較被覆工具1〜13では、上部層の(10−10)配向性が低いため、高速断続重切削加工において充分に満足できる耐チッピング性を発揮することができず、その結果、硬質被覆層のチッピング発生を原因として比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の被覆工具は、各種の鋼や鋳鉄などの通常の条件での切削加工は勿論のこと、特に高い発熱を伴い断続的かつ衝撃的な高負荷が切刃に作用する高送り、高切り込みの高速断続重切削加工でも、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を示し、あるいは、さらにすぐれた耐摩耗性を示し、長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
本発明被覆工具3の硬質被覆層の下部層を構成する柱状組織の(0001)面配向α型Al23層の傾斜角度数分布グラフである。 本発明被覆工具3の硬質被覆層の上部層を構成する粒状組織のZr添加改質α型Al23層の(0001)面についての傾斜角度数分布グラフである。 本発明被覆工具3の硬質被覆層の上部層を構成する粒状組織のZr添加改質α型Al23層の(10−10)面についての傾斜角度数分布グラフである。

Claims (3)

  1. 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
    (a)下地層は、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層、
    (b)中間層は、5〜20nmの層厚を有し、Alとの合量に占めるZrの含有割合が0.0001〜0.003(但し、原子比)であってκ型の結晶構造を有するAlとZrの複合酸化物層、
    (c)上部層は、Alとの合量に占めるZrの含有割合が0.0001〜0.003(但し、原子比)であってα型の結晶構造を有するとともにアスペクト比が2以下の粒状結晶組織を有し、さらに、該上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜90度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度または80〜90度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在する度数の各々が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の15%以上の割合を占めるとともに、それらの合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の40%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すAlとZrの複合酸化物層、
    以上(a)〜(c)で構成された硬質被覆層を蒸着形成してなることを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 請求項1に記載の表面被覆切削工具において、
    前記上部層は、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(10−10)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜90度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度または80〜90度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度及び80〜90度の範囲内に存在する度数の各々が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の15%以上の割合を占めるとともに、それらの合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の40%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示すAlとZrの複合酸化物層、
    である請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 請求項1又は2に記載の表面被覆切削工具において、
    前記下地層と前記中間層との間に、下部層を介在形成し、
    (d)該下部層は、α型の結晶構造を有するとともにアスペクト比が2を越える柱状結晶組織を有する酸化アルミニウム層であって、さらに、該下部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、断面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、基体表面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示す酸化アルミニウム層、
    である請求項1又は2に記載の表面被覆切削工具。
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