JP2010057956A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの増大を抑えつつ点検作業性および防犯性を高めることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】内枠等の開放を規制する施錠ユニット410には、内枠を閉止する内枠用鉤部材411、前面枠セットを閉止する前面枠用鉤部材412および下皿ユニットを閉止する下皿用鉤部材413とそれら鉤部材を一方に付勢するコイルバネとが鉤基体414に一体化して支持される。このため、組み付け作業前に、それらを所定の位置に配置してユニット化しておくことができる。よって、内枠の裏面側において行う作業を少なくし、製造コストを低減することができる。また内枠以外に、点検作業性を高めるために開放される下皿ユニットも施錠ユニット410により閉止状態に維持され、その閉止をするための各部材413,423が鉤基体414に一体化して支持されるので、製造コストの増大を抑制しつつ点検作業性を高めることができる。
【選択図】図13

Description

本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
一般にパチンコ機等の遊技機には、多数の釘や風車等が配設された遊技盤が設けられる内枠と、その内枠の前面側に重なりつつ遊技盤面を視認可能に覆うためのガラス板が設けられた前面枠と、内枠を開閉可能に支持する額縁状の外枠と、内枠と前面枠とが閉止された状態で施錠して解錠には専用の鍵を必要とする施錠装置とが設けられている。遊技盤面や内枠の裏面側には店員など特定の者にしか触れさせたくない部材(特定部材)が設けられており、施錠装置によって特定部材への不正行為に対する防犯性が高められている。
施錠装置としては、例えば、外枠の上下2カ所に受け金具が固定され、内枠に摺動可能に設けられた複数の鉤部材が受け金具に係合するものがある。受け金具が固定された複数カ所で開放を規制することにより、1カ所で規制する場合に比べて、がたつきを抑えて頑強に内枠または前面枠を閉鎖することができる。これにより、部材間の隙間から特殊な工具を差し込んで行う不正行為が困難になり、防犯性が高められる。また複数の鉤部材がそれぞれ独立して動作するものも開発されている。一方側の鉤部材を不正に操作して受け金具との係合を解除しても他方の鉤部材が連動しないで施錠状態が維持されるため、防犯性の高いものとなる。
特開2000−288214号公報
しかしながら、内枠と前面枠とを施錠するために鉤部材と受け金具とが係合する箇所を多くしたり、複数の鉤部材がそれぞれ独立して作動するようにすると、防犯性が高まる一方で部品点数が増加する。また前面枠に付した部材に対する点検や交換作業を容易にするために前面枠以外に遊技球の受け皿部分などを開閉可能に構成すると、更に部品点数が増加する。このように防犯性を高めたり点検作業の容易化を図ると、遊技機の部品点数が増加し、組み付け作業が煩雑になって製造コストが増大してしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、製造コストの増大を抑えつつ点検作業性および防犯性を高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、本体部材と、その本体部材の一面側に重なりつつ複数並べて配設されると共に前記本体部材の一面側に開放可能に支持される複数の前面側部材と、内側が開口した矩形の額縁状に形成され前記本体部材を開閉可能に支持する支持部材と、前記本体部材と前記複数の前面側部材とが共に閉止された状態を維持する閉止手段とを備え、前記閉止手段は、前記支持部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第1鉤部材と、1の前記前面側部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第2鉤部材と、他の前記前面側部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第3鉤部材と、各鉤部材毎に設けられて各鉤部材を閉止位置側に付勢する付勢手段と、前記第1鉤部材、第2鉤部材および第3鉤部材と前記付勢手段とを一体化して支持する鉤基体と、特定の操作部材による操作に連動する連動部材を有する被操作ユニットと、その被操作ユニットの連動部材と、前記第1鉤部材および前記第2鉤部材との間に介在して前記第1鉤部材および前記第2鉤部材を開放位置側へ作動させる作動部材とを備え、前記第1鉤部材と第2鉤部材とはそれぞれ複数個設けられ、前記第1鉤部材および前記第2鉤部材を形成する複数の部材が別々に閉止位置から開放位置に摺動可能に構成されている。
この請求項1記載の遊技機によれば、本体部材は、支持部材に対して開閉可能に支持され、支持部材に対して本体部材が閉鎖された状態で閉止手段の第1鉤部材が閉止位置に配置されるときには、支持部材に第1鉤部材が係合して本体部材の閉止状態が維持される。作業者が特定の操作部材により第1鉤部材の係合を解除する操作を被操作ユニットに対して行うと、その操作に連動部材が連動し、連動部材と第1鉤部材との間に介在する作動部材が第1鉤部材を開放位置側へ作動させる。付勢手段の付勢力に抗して第1鉤部材が開放位置まで移動すると、第1鉤部材と支持部材との係合が解除され、作業者は本体部材を開放することができる。
1の前面側部材は、本体部材に対して開閉可能に支持され、本体部材に対して1の前面側部材が閉鎖された状態で閉止手段の第2鉤部材が閉止位置に配置されるときには、前面側部材に第2鉤部材が係合して1の前面側部材の閉止状態が維持される。作業者が特定の操作部材により第2鉤部材の係合を解除する操作を被操作ユニットに対して行うと、その操作に連動部材が連動し、連動部材と第2鉤部材との間に介在する作動部材が第2鉤部材を開放位置側へ作動させる。付勢手段の付勢力に抗して第2鉤部材が開放位置へ移動すると、第2鉤部材と1の前面側部材との係合が解除され、作業者は1の前面側部材を開放することができる。
他の前面側部材は、本体部材に対して開閉可能に支持され、本体部材に対して他の前面側部材が閉鎖された状態で閉止手段の第3鉤部材が閉止位置に配置されるときには、前面側部材に第3鉤部材が係合して他の前面側部材の閉止状態が維持される。作業者が付勢手段の付勢力に抗して第3鉤部材を開放位置へ移動すると、第3鉤部材と他の前面側部材との係合が解除され、作業者は他の前面側部材を開放することができる。
ここで、第1鉤部材と第2鉤部材とはそれぞれ複数個設けられ、各鉤部材が別々に閉止位置から開放位置に摺動可能に構成されている。このため、本体部材(または前面側部材)が閉止された状態で不正行為を行おうと第1鉤部材(または第2鉤部材)の1つに対して開放位置への移動を試みても、別に設けられた第1鉤部材(または第2鉤部材)は付勢手段により閉止位置に維持されて開放することができない。このため、第1鉤部材と第2鉤部材とにより開放される本体部材および前面側部材に対しては、不正に開放する行為が行い難いものとなる。
また第1鉤部材、第2鉤部材および第3鉤部材と付勢手段とは、鉤基体に一体化して支持されるので、組み付け作業を行う場合には、予め第1鉤部材、第2鉤部材および第3鉤部材を所定の組み付け位置に相当する相対位置となるように配置してユニット化しておくことができる。このため、本体部材へユニット化された鉤基体を固定することにより、各鉤部材と付勢手段とが所定の位置に配置される。
本発明の遊技機によれば、第1鉤部材と第2鉤部材とは共に被操作ユニットに対して特定の操作部材による操作に従って開放位置へ移動するものであり、これら鉤部材がそれぞれ複数個設けられると共に、各鉤部材が別々に閉止位置から開放位置に摺動可能に構成されている。よって、遊技場へ遊技機を設置したときには、不正に本体部材および前面側部材を開放する行為を困難にして、特定の操作部材を所有する者に限ってその開放を許容して防犯性を高めることができるという効果がある。
また、第1鉤部材、第2鉤部材および第3鉤部材と付勢手段とが鉤基体に一体化して支持される。このため、組み付け作業を行う前に、予め第1鉤部材、第2鉤部材および第3鉤部材を所定の組み付け位置に相当する相対位置となるように配置してユニット化しておくことができ、本体部材へは複数の鉤部材がユニット化された鉤基体を取り付けるだけで良い。よって、鉤部材を別々に本体部材に取り付ける場合に比較して組み付け作業性を向上することができ、製造コストを低減することができるという効果がある。
また、複数の前面側部材が閉止手段により閉止状態に維持されるので、点検作業性を高めることができ、その複数の前面側部材を閉止するための鉤部材と付勢手段とが共に1の鉤基体に一体化して支持される。このため、複数の前面側部材に対して別々に鉤部材や付勢手段を設ける場合に比較して部品点数が減少するので、組み付け工数を少なくすることができる。よって、製造コストの増大を抑制しつつ点検作業性を高めることができるという効果がある。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 (a)は外枠に対して内枠と前面枠セットとを開放した状態を示す斜視図であり、(b)は図2(a)の矢印Va方向視における下皿ユニット13の一部を示す斜視図である。 パチンコ機から前面枠セットを取り外した状態を示した正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 前面枠セットの背面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 内枠を後方より見た斜視図である。 遊技盤を後方より見た斜視図である。 支持金具の斜視図である。 (a)は施錠ユニットを右側面視して示した図であり、(b)は施錠ユニットを背面視して示した図である。 図13(a)における施錠ユニットのシリンダ錠近傍を拡大して示した図である。 図13(b)における施錠ユニットのシリンダ錠近傍を拡大して示した図である。 図2の矢印Vb方向視において外枠に固定された受け金具を示した斜視図である。 図14のSa−Sa線で施錠ユニットを断面視して示した図である。 (a)は内枠の解錠状態における施錠ユニットのシリンダ錠近傍を背面視して示した図であり、(b)は前面枠セットの解錠状態における施錠ユニットのシリンダ錠近傍を背面視して示した図である。 施錠ユニットのストッパ機構が作動した状態を示した図である。 図6のSb−Sb線においてパチンコ機を断面視した場合における施錠ユニット近傍の拡大図である。 下皿用鉤部材の側面図である。 図13(a)のSc−Sc線における施錠ユニットの断面図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットを裏面から見た分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの正面図である。 第2制御基板ユニットの斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 パチンコ機の背面から見た裏パックユニットの背面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 タンクレールの分解斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。 大物図柄表示装置の表示内容を示す図である。 各種カウンタの概要を示した図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される通常処理を示したフローチャートである。 図37の通常処理の中で実行される外れ図柄カウンタ更新処理を示したフローチャートである。 図37の通常処理の中で実行される大物図柄変動処理を示したフローチャートである。 図39の大物図柄変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示したフローチャートである。 図41のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 NMI割込処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される払出制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示したフローチャートである。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2(a)は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図であり、図2(b)は図2(a)の矢印Va方向視における下皿ユニット13の一部を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成するようにしてもよい。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようにされている。開閉軸線は遊技球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を遊技球発射ハンドル18側に設けると、内枠12と共に開放される遊技球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少してしまうからである。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されており、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セット14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにして、不正行為を抑制することができる。また内枠12の正面から見て右側の上下2カ所には前面枠セット14を閉止して施錠するための前面枠用鉤部材412が設けられると共に、前面枠セット14の裏面側には前面枠用鉤部材412に係合する受け金具402が設けられる。この前面枠用鉤部材412と受け金具402とによる前面枠セット14の施錠については図13以降を参照して後述する。
下皿ユニット13は、前面枠セット14と同様、内枠12に対して開閉可能に取り付けられ、前面枠セット14の下側に並んで内枠12を覆うように配設されている。また、下皿ユニット13は、内枠12及び前面枠セット14と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この下皿ユニット13の上端部は、下皿ユニット13と前面枠セット14とが閉止された場合に前面枠セット14の裏面側に位置して部分的に重なる突出部13aが設けられ、前面枠セット14が開放されなければ、下皿ユニット13の開放ができないようになっている。また内枠12の正面から見て右下側には下皿ユニット13を閉止して施錠するための下皿枠用鉤部材413が設けられると共に、下皿ユニット13の裏面側には図2(b)に示すように下皿用鉤部材413に係合する受け金具403が設けられる。この下皿用鉤部材413と受け金具403とによる前面枠セット14の施錠についても図13以降を参照して後述する。
下皿ユニット13に覆われる内枠12の下部には、正面から見て左側にスピーカから出力される音量を調節するためのスイッチを備えた音量調節用の基板271が設けられる。一般に音量調節用のスイッチは内枠12の裏面側に設けられ、作業者が内枠12を開放しなければ音量の調節ができなかったが、パチンコ機10では、下皿ユニット13により覆われる部位に音量調節用のスイッチが設けられるので、作業者は、下皿ユニット13を開放するだけで簡易に音量調節を行うことができる。
内枠12の右下側端部には、横長矩形状の配線孔272が穿設され、下皿ユニット13に設けられるスピーカ等に接続する配線は配線孔272を介して内枠12裏面側の音声ランプ制御基板に接続される。また下皿ユニット13の右下側には、遊技球を発射するための発射用ソレノイド229が配設されている。パチンコ機10では、発射用ソレノイド229を正面から見て下皿ユニット13と重なるように配置している。発射用ソレノイド229の位置をパチンコ機10の正面視下側に近づけて配設しても下皿ユニット13を開放することにより故障や点検時の作業を行い易くすることができる。よって、遊技球の発射に必要な装置を下側に配置してその上部に形成される遊技に関する遊技領域を拡大しつつ、遊技球の発射装置に対する点検の作業性を良好なものとすることができる。
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられている。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉状態を検出するためのスイッチである。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉状態を検出する。また、内枠12の左上部(図2参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配線するための孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コードが、角部で損傷しないようにされている。なお、図4に示す通り、遊技盤30の左上部にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示した正面図である。図3では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図3に示すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16から排出された遊技球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿15は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、スピーカからの音を出力するための多数のスピーカ孔24が穿設されている。
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿15の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15の右方には、遊技球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように、下皿15の一側に遊技球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
一方、図1に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施の形態の前面枠セット14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかについては後述する。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベース20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
次に、図4を参照して遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口(始動口)33、小物門(スルーゲート)34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチから所定の出力がなされると、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、小物門34の遊技球の通過をトリガとして小物図柄(普通図柄)を変動表示する小物図柄表示装置41と、大物口33への遊技球の入賞をトリガとして大物図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置としての大物図柄表示装置42とが設けられている。小物図柄表示装置41は、小物図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が小物門34を通過する毎に、表示部43において表示図柄(小物図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に大物口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球の小物門34の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44に点灯表示される。なお、小物図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部43において複数のランプの点灯を切り換えることにより行うものの他、大物図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ44の点灯についても、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。
大物図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述する表示制御装置45によって表示内容が制御される。大物図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして大物図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、大物図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット35には、この大物図柄表示装置42を囲むようにして、センターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、その中央部に横長矩形状に形成された大入賞口を備えている。大入賞口は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。詳しくは、大物口33に遊技球が入賞すると、大物図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。特別遊技状態が発生すると、可変入賞装置32の大入賞口が、遊技球が入賞しやすい状態、即ち所定の開状態となるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される(開状態となる)。
遊技球が大物口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。この保留ランプ46は、最大保留数分の4つ設けられ、大物図柄表示装置42の上方にバランス良く配設されている。なお、保留ランプ46を削除して、その点灯を、大物図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により、遊技球を遊技領域へ案内する球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。更に、本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)へ導くためのものである。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤30自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するように本実施の形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施の形態では、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成したため、レールを遊技盤に直接打ち込むことができないので、レールユニット50をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤30に締結している。かかる構成を採用した本実施の形態によれば、廃棄時にレールユニット50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニット50を容易にリサイクルすることができる。なお、遊技球の発射を安定して行わせるために、遊技球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニット50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する小物門34は、該小物門34を通過した遊技球が遊技領域の中央へ寄せられる案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張された構成でも、遊技球を遊技領域中央の大物口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞し難くなることによる興趣の低下を抑制することができる。更には、遊技領域が左右方向に拡張されているので、風車、小物門34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができる。また、遊技領域が上下方向にも拡張されているので、更に風車、小物門34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができる。
図3に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の下方)には、遊技球発射装置より発射された直後の遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くすると共に発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レール61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15へ排出される。本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファール球と次に発射される遊技球との干渉を抑制することができる。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、遊技球発射装置を構成する発射用ソレノイド229の作動により打球槌がスライド移動するように構成されている。この打球槌のスライド移動に伴い遊技球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化が図られている。なお、必ずしもソレノイドにより打球槌をスライド移動して遊技球の発射を行わせる必要はなく、回動可能に構成した打球槌をモータで作動するようにして遊技球の発射を行わせるようにしても良い。
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉止した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
図3における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図5に図示する通り支持金具151の下端部は細く形成されているので、支持金具151を支持孔83から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことによって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる。なお、下皿ユニット13が内枠12に開閉可能に支持される構造は、前面枠セット14が内枠12に開閉可能に支持される構造と同一のものとしても良く、別の構造としても良い。下皿ユニット13等を開閉可能に支持する支持構造については公知のものであり、またその構造は公知の種々の構造を使用できる。
次に、図1及び図5を参照して、前面枠セット14について説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行って、大当たり中であることを報知する。更に、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されている。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、スキャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされているのである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ張らないようにして、球貸機を配設することができる。
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
図5に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図5の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134が前面枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131〜134が環状にループ接続されていると、遊技球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施の形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134の環状接続を回避しているので、かかるノイズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131〜134の一部に樹脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設けたり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
図5の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないように機能している。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着される。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、図6から図11を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。図8は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式図であり、図9は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図8の概略図に示すように、各ユニット201〜203が上下に並んで配置され、取り付けられている。なお、図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9〜図11を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図9は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
遊技盤30の中央には、可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる大物図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、大物口33(それぞれ図4参照)の遊技盤30開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10の外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、大物口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、小物門34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、更にこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、更にこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置261に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、大物口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において、パチンコ機10の裏面左下方部には打球槌等を備える発射ユニット228が配設され、その発射ユニット228には発射用ソレノイド229が接続されている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、図11に示すように遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の背面右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ(図9参照)、同左上部には係止爪片233が設けられている。
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、図9に示すように、内枠12の背面右端部には、図12に示す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、内枠12には、図9に示すように、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。また、裏パックユニット203用の取付機構として回動式の3つの固定具241,242,243が内枠12に設けられており、それら固定具241,242,243と遊技盤30との間に裏パックユニット203は挟み込んで支持される。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。即ち、図10に示す遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に穿設されたスピーカ孔24の背後を囲む樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられ、そのスピーカボックス246内にスピーカが設置されている。このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、図13〜図22を参照して、外枠11に対する内枠12の施錠と、内枠12に対する前面枠セット14および下皿ユニット13の施錠とを行うための施錠装置について説明する。施錠装置は、内枠12の裏面であってパチンコ機10の正面視右側に縦長に配設される施錠ユニット410と(図1参照)、その施錠ユニット410に摺動可能に設けられる鉤部材411〜413に係合して内枠12や前面枠セット14等を閉止した状態に維持する受け金具401〜403(図2参照)とにより構成されている。
図13(a)は施錠ユニット410をパチンコ機10の取付状態において右側面視して示した図であり、図13(b)は施錠ユニット410をパチンコ機10の取付状態において背面視して示した図である。なお、図面の複雑化を避けるため、図13以降の図面においてはコイルバネ421〜424の一部を簡略化して示している。
施錠ユニット410は、内枠12が閉鎖されたときに外枠11に対して内枠12を閉止して開放方向への移動を規制する内枠用鉤部材411と、前面枠セット14が閉鎖されたときにそれを内枠12に閉止して開放不能とするための前面枠用鉤部材412と、下皿ユニット13を閉止して下皿ユニット13の開放方向への移動を規制する下皿用鉤部材413と、各鉤部材411〜413を一方側へ付勢するコイルバネ421〜423と、パチンコ機10への取付時に上下方向に延びて形成され各鉤部材411〜413およびコイルバネ421〜423を一体化して支持する鉤基体414と、専用鍵Kによる操作に応じて作動するシリンダ錠450とを備えている。また、内枠用鉤部材411と前面枠用鉤部材412とは各2つずつ設けられると共に、それらを一方側へ付勢するコイルバネ421,422も各2つずつ設けられ、鉤基体414の上下2カ所でそれぞれ支持されている。
鉤基体414は、長尺な金属板をほぼ直角に屈曲加工して横断面L字状に形成されており、遊技盤30面に略平行に形成される主板414aと、その主板414aに略直交する側板414bとを有している。主板414aには、複数の取付穴が穿設されており、この取付穴にビスが挿通されて内枠12の裏面側に施錠ユニット410が取着される。かかる主板414aには、シリンダ錠450が2本のビス455により螺着されており、側板414bには、作動部材415と、上下2つの内枠用鉤部材411と、上下2つの前面枠用鉤部材412と、下皿用鉤部材413とが鉤基体414(内枠12)に対してスライド可能に支持されている。なお、各鉤部材411〜413および作動部材415は、必ずしも鉤基体414に対してスライド可能に支持する必要はなく、鉤基体414に対して摺動可能に支持するものであれば良い。例えば、鉤基体414には、鉤部材または作動部材を支持する軸を中心にそれらが揺動または回動可能に支持するように構成しても良く、スライドする部材と、揺動又は回動する部材とがリンクした複数の部材により鉤部材または作動部材が摺動するように構成しても良い。
作動部材415は、鉤基体414の長手方向に沿って延びる長尺な板状部材であり、その上下2カ所で2本のガイドピン431により側板414bに支持されている。この作動部材415は、特定の形状に形成された専用鍵Kによるシリンダ錠450の作動に連動して側板414bに沿ってスライドするものであり、この動作については後述する。
作動部材415の上端部には、外枠11に固定される上側の受け金具401と係合可能な鉤部材(内枠用鉤部材)411がパチンコ機10の背面側に突出するように設けられており、作動部材30の下端部には上側と同一形状に突出して形成された下側の内枠用鉤部材411が設けられている。これら2つの内枠用鉤部材411は内枠12の施錠又は解錠に関与するものであり、鉤基体414の側板414bにガイドピン431で支持されると共にその側板414bの長手方向に沿ってスライド可能に設けられている。
また、鉤基体414の側板414bには、内枠用鉤部材411が配置される部位における幅方向の先端部(図13(b)の紙面垂直方向手前側の端部)において内枠用鉤部材411側に折り曲げられてリブ414cが形成されている。このリブ414cにより内枠用鉤部材411がパチンコ機10の背面側に移動することが規制され、このリブ414cと主板414aとにより挟まれた状態で内枠用鉤部材411は上下に移動する。また、リブ414cは、図13(b)に示すように、内枠用鉤部材411やシリンダ錠450近傍を除いて断続的に形成されており、作動部材415は、リブ414cによりパチンコ機10の背面側を覆われている。
ここで、図14および図15を参照して、作動部材415と、下側の内枠用鉤部材411および前面枠用鉤部材412とに着目して施錠ユニット410の構造を詳しく説明する。図14および図15は、図13(a)および図13(b)における施錠ユニット410のシリンダ錠450近傍を拡大して示した図である。内枠用鉤部材411の一側面にはガイドピン431が突設されており、そのガイドピン431は、側板414bの長手方向に沿って細長く形成されたガイド溝414b1内に係入されている。ガイドピン431は、ガイド溝414b1の幅(図14の左右方向の幅)より細く形成された軸部と、ガイド溝414b1の幅より大径化された頭部とを備え、その大径化された頭部が側板414bの外側の一側面に接触しつつスライドする。よって、内枠用鉤部材411は、側板414bに対して平行状態を保ちつつ、ガイド溝414b1の長手方向(図14の上下方向)に沿ってガイドピン431が移動可能な範囲内でスライド可能となっている。
内枠用鉤部材411には、その一側面に突設されたフック部411aに一端が支持され、他端が鉤基体414の主板414aに突設されたフック部414a1に支持されるコイルバネ421が架設されている。このコイルバネ421は、内枠用鉤部材411を内枠12の下側(図14の下側)に向けて常時付勢するように引き伸ばして架設されており、ガイドピン431がガイド溝414b1の下端部(図14のガイド溝414b1の下端部)に当接することにより内枠用鉤部材411の移動が規制される。この移動が規制された状態においては、内枠用鉤部材411は、外枠11に取着された受け金具401と係合して外枠11を閉止する閉止位置(図14の実線位置)に位置決めされる。
また内枠用鉤部材411は、通常時には、それぞれに設けられたコイルバネ421によって下側(図13の下側)に付勢されており、ガイドピン431がガイド溝414b1の下端部に当接して閉止位置に配置される。内枠用鉤部材411自体に力を加えて上側へ引き上げると、コイルバネ421が引き伸ばされつつ内枠用鉤部材411は単独で上方へ移動し、受け金具401との係合が解除される開放位置(図14の二点鎖線位置)へ移動し得る。このとき内枠用鉤部材411に固定されたガイドピン431は、作動部材415の逃げ溝415a内を相対的に移動し、作動部材415は閉止位置に残される。このため、不正行為を行おうと上下いずれかの内枠用鉤部材411を特殊な工具で押し上げても、他方の内枠用鉤部材411は閉止位置に維持され続け、内枠12を開放することができない。不正に内枠12を開放させるためには、上下両方の内枠用鉤部材411を同時に開放位置まで押し上げる必要があり、その不正行為の実行を困難にすることができ、防犯性が高められている。
側板414bと内枠用鉤部材411との間には、図15に示すように、作動部材415が配置されている。作動部材415には、ガイドピン431の軸部より幅広に穿設された逃げ溝415aが鉤基体414の長手方向に沿って縦長に形成されている。内枠用鉤部材411が閉止位置にある通常時には、ガイドピン431は、逃げ溝31の下端部(図15の下側端部)に当接して配置される。
作動部材415が図15に示す閉止位置から下動する場合(図18(b)参照)には、前面枠用鉤部材412が、作動部材415により閉止位置から開放位置へ作動させられる。このときガイドピン431は鉤基体414のガイド溝414b1の下端部に当接して支持された状態が維持され、ガイドピン431に対して逃げ溝415aが形成された方向に沿って作動部材415は下動する。このため、ガイドピン431が逃げ溝414b1に沿って移動し作動部材415が閉止位置から下動しても、内枠用鉤部材411は下動せず、内枠用鉤部材411と受け金具401との係合状態は解除されないようになっている。
一方、作動部材415が図15に示す閉止位置から上動する場合(図18(a)参照)には、内枠用鉤部材411が、作動部材415により閉止位置から開放位置へ作動させられる。即ち、逃げ溝415aの下端部がガイドピン431を上方へ押さえつつ、内枠用鉤部材411を上動(図15の上側に移動)させる。コイルバネ421の弾性力に抗する力で作動部材415が上方へ引き上げられると、ガイドピン431と共に内枠用鉤部材411は上方へ引き上げられる。
また上側の内枠用鉤部材411は、下側の内枠用鉤部材411と同様の構造で側板414bに取り付けられている。このため、上下2つの内枠用鉤部材411は、図14および図15の閉止位置から作動部材415が下動する場合には、作動部材415に係合することなく静止状態を維持するが、作動部材415が上動する場合には、作動部材30と一緒に上動して閉止位置から開放位置(図18(a)参照)へスライドし、各内枠用鉤部材411と受け金具401との係合が解除される。即ち、作動部材415の上動に伴う内枠用鉤部材411の位置変化によって、外枠11に対する内枠12の施錠および解錠の状態が切り替えられるのである。なお、パチンコ機10の内枠12は、一般のパチンコ機と同様に、解錠されただけでは前方へは開放されるものでなく、解錠操作を行った作業者などが意図的に手前側に引き出す開放操作を行わない限りは閉鎖状態に維持される。
ここで、図16を参照して内枠用鉤部材411に係合する受け金具401について説明する。図16は、図2の矢印Vb方向視において外枠11に固定された受け金具401を示した斜視図である。受け金具401は、額縁状に形成される外枠11の内面側にビスにより螺着されており、内枠用鉤部材411が閉鎖時に位置する上下2カ所に固定されている。受け金具401は、金属を折り曲げて形成したものであり、外枠11の内面側(図16の右下側)に向けて突出する部位に内枠用鉤部材401の先端部が引っ掛かって内枠12が閉止される。ここで、その内面側の先端部には、内枠用鉤部材411の先端部が進入する方向(図16における左下側)に向かって突出するように折り曲げた突出部401aが形成されている。この突出部401aは、内枠12が閉鎖された状態において、内枠用鉤部材411の下方に突出した先端部に側面視において重なるように長く形成されており、これにより、内枠12のがたつき等によって内枠用鉤部材411が誤って受け金具401から外れることを防止することができる。なお、パチンコ機10においては、内枠用鉤部材411と前面枠用鉤部材412と下皿用鉤部材413とを全てパチンコ機10の上下方向に沿ってスライド移動する構成としたが、必ずしもその方向に移動する構成とする必要はなく、パチンコ機10の左右方向や斜め方向など、内枠12や前面枠セット14の開閉方向に交差する方向であればいずれの方向であっても良い。
図13に戻って説明する。作動部材415の上下2カ所には、図13(b)に示すように、内枠12に対して前面枠セット14を閉止するための前面枠用鉤部材412が設けられている。この前面枠用鉤部材412は、鉤基体414の主板414aに面して縦長に形成され、その中央上側には正面視において縦長略矩形状に形成された係合穴412aが設けられ、係合穴412aの下側には縦長に形成された第1ガイド溝412bが設けられている。また、前面枠用鉤部材412には、引き伸ばして架設されたコイルバネ422により鉤基体414に対して上方へ引き上げる付勢力が付与される。なお、パチンコ機10においてはコイルバネ422を引き伸ばして鉤部材411〜413に付勢力を付与しているが、必ずしもコイルバネ422で付勢力を付与する必要はなく、ねじりバネや、板バネなどの他の弾性体であっても鉤基体414に対して鉤部材411〜413を一方側へ付勢する付勢力を付与するものであれば良い。
第1ガイド溝412bには、主板414aに固定されたガイドピン432aが挿通されている。第1ガイド溝412bがガイドピン432aより上側に形成された分だけ、鉤基体414に対して前面枠用鉤部材412は下方へスライド移動可能になっている。
また前面枠用鉤部材412は、パチンコ機10の左右方向に沿った両端縁が後方に突出して断面コの字形となるように平板を屈曲加工して形成されており、作動部材415の一側面に架設されたガイドピン432bを係入するために縦長楕円形状に形成された第2ガイド溝412cが鉤基体414の側板414bに平行な平面に設けられている。断面コの字の形状とすることにより、平板の形状とする場合よりも施錠ユニット410の幅方向側のスペースを縮小しつつ、高い強度を確保し易くなっている。第2ガイド溝412cには、作動部材415に固定されたガイドピン432bが挿通され、第2ガイド溝412cがガイドピン432bより上方へ形成されることにより、作動部材415に対して前面枠用鉤部材412が下方へスライド移動可能になっている。
鉤基体414の側板414bの先端部に形成されるリブ414cは、前面枠用鉤部材412を覆う位置で折り曲げられて形成され、前面枠用鉤部材412の一部がリブ414cにより覆われている。このリブ414cにより前面枠用鉤部材412がパチンコ機10の背面側に移動することが規制され、リブ414cと主板414aとにより挟まれた状態で前面枠用鉤部材412は上下に移動する。
前面枠用鉤部材412の係合穴412aは、前面枠セット14に設けられた受け金具402(図10参照)と係合して前面枠セット14の開放を規制する部位であり、係合穴412aの下側の縁に、先端部が下側に突出した受け金具402が引っ掛かって前面枠セット14が閉止される。ここで、前面枠用鉤部材412をパチンコ機10の前面側に突出して先端部が上側又は下側に突出する形状に形成しても良いが、前面枠用鉤部材412に係合穴412aを形成して前方側に鉤部材412が突出しないようにし、前面枠セット14側に突出した受け金具402を形成することが好ましい。パチンコ機10においては釘や風車などが配設される遊技盤30上に遊技球が詰まったり、引っ掛かったりすることがあり、これを取り除くために前面枠セット14を開放して作業を行う場合が多い。このとき、内枠12側から前方に突出した金属製の部材があると、作業者の手や体が突出した部位に引っ掛かって危険である。前面枠セット14側の受け金具402を突出させることにより、その突出した部位に手が引っ掛かっても前面枠セット14の開放量が増すだけで危険は少なく、作業の安全性を高めることができる。
上下2つの前面枠用鉤部材412は、前記した内枠用鉤部材411と同様、作動部材415が所定の方向に作動する場合に同時にスライドする。即ち、前面枠用鉤部材412が静止した状態において作動部材415が上動する場合には、作動部材415に設けられたガイドピン432bは図15に示すガイド溝412cに沿って移動し、前面枠用鉤部材412は、作動部材415に係合することなく閉止位置に配置され続ける。一方、作動部材415が下動する場合には、作動部材415のガイドピン432bがガイド溝412cの下端部に当接しつつ前面枠用鉤部材412を押し下げる。作動部材415が下動すると、それに連動して前面枠用鉤部材412も下動する。前面枠用鉤部材412は、その係合穴412aの下側の縁に受け金具402が係合した閉止位置から、係合穴412aの縁が下降して係合穴412aと受け金具402との係合状態が解除される開放位置へ移動し、前面枠セット14が開放可能な状態となる。即ち、作動部材415の下動に伴う前面枠用鉤部材412の位置変化に応じて前面枠セット14の施錠又は解錠が切り替わる。
また前面枠用鉤部材412は、通常時には、それぞれに設けられたコイルバネ422によって上側(図13の上側)に付勢されており、ガイドピン432aにガイド溝412bの下端部が当接して静止状態となっている。この前面枠用鉤部材412自体に力を加えて下側へ引き下げると、コイルバネ422が引き伸ばされつつ前面枠用鉤部材412は単独で下方へ移動する。このため、内枠用鉤部材411と同様、不正行為を行おうと上下いずれかの前面枠用鉤部材412を特殊な工具で押し下げても、前面枠セット14を開放することができず、不正行為の実行を困難にして防犯性が高められている。
作動部材415は、シリンダ錠450に対して行われる専用鍵Kへの操作力を内枠用鉤部材411または前面枠用鉤部材412の上下2つに伝達して内枠12および前面枠セット14を解錠するための部材である。この作動部材415は、シリンダ錠450に対して専用鍵Kによる操作が行われていない状態においては、図13から図15に示す閉止位置に維持される。即ち、内枠用鉤部材411に架設されたコイルバネ421が内枠用鉤部材411に固定されたガイドピン431を下側へ付勢することにより、作動部材415が閉止位置より上方へ移動することが規制される。一方、前面枠用鉤部材412に架設されたコイルバネ422が作動部材432bに固定されたガイドピン432bを上側へ付勢することにより、作動部材415が閉止位置より下方へ作動部材415が移動することが規制される。これにより、専用鍵Kによる操作が行われなければ、作動部材415は閉止位置に維持される。
また作動部材415の上動に連動するように内枠用鉤部材411(ガイドピン431)が作動部材415の上側に対向して配置される一方、作動部材415の下動に連動するように前面枠用鉤部材412が作動部材415の一部(作動部材415に固定されるガイドピン432b)の下側に対向して配置される。このため、単一の作動部材415の動作方向に応じて内枠用鉤部材411と前面枠用鉤部材412とを切り替えて動作させることができ、作動部材415の構造を簡略化している。なお、専用鍵Kの操作に作動部材415が連動する内容については後述する。
シリンダ錠450は、図13及び図14に示すように、鉤基体414の主板414aにおける中央より下側に設けられている。鉤基体414の主板414aには、シリンダ錠450用の一対の取付穴が設けられており、その取付穴にシリンダ錠450の上下両端部がビス455で螺着されている。また、シリンダ錠450は、主板414aに開口形成された開口穴414eに挿通して取り付けられており、鉤基体414は、シリンダ錠450の左右両側を側板414bとリブ414dとにより囲う形状に形成されている。
図17は、図14のSa−Sa線で施錠ユニット410を断面視して示した図である。鉤基体414には、シリンダ錠450を挿通するための開口穴414eが設けられ、その両端部がシリンダ錠450の奥側の端部を挟むように断面コの字状に屈曲して形成されている。シリンダ錠450へは施錠や解錠操作により負荷が頻繁に加えられ、また、防犯性の観点からもシリンダ錠450およびその周辺部は強度や剛性を高くして頑丈にすることが好ましいが、シリンダ錠450を挿通するために鉤基体414に開口穴を形成するとその周辺部の強度や剛性が低下する。鉤基体414を幅広く形成することで強度低下を補填することができるが、その分パチンコ機10の正面視における施錠ユニット410の左右方向の幅が大きくなり、遊技盤30面やパチンコ機10の背面における部品の配置スペースが減少し、設計レイアウトの自由度が低下してしまう。パチンコ機10の鉤基体414は、シリンダ錠450の端部を挟むように断面コの字状に屈曲して形成されているので、施錠ユニット410の左右方向(図16の上下方向)の幅を少なくしつつ、開口穴414e周りの強度を確保することができ、施錠ユニット410をコンパクトに形成することができ、他の部品レイアウトの自由度を高めることができる。
また鉤基体414がシリンダ錠450の端部を挟むように断面コの字状に屈曲形成されてリブ414dが形成されているので、シリンダ錠450の裏面側(図17の右側)へ向けて針金等の工具を差し込んでも、リブ414dによりその進行が阻止される。このため、専用鍵Kを使わずにシリンダ錠450裏面側のカム452を不正に動作させる不正行為を困難にして不正に対する防犯性を高めることができる。
シリンダ錠450には専用鍵Kの回動操作に一義的に連動する錠軸が内蔵され、シリンダ錠450の背面側には、パチンコ機10の背面視において右上側と右下側に突出した複数の腕部452a,452bを有するカム452がネジにより螺着されている。なお、シリンダ錠450の内部構成については一般的なものであるので、その説明を省略する。
作動部材415には、図15に示すように、カム452の背面視右下側に突出した第1腕部452aと係合可能な第1係合溝415b及びカム452の背面視右上側に突出した第2腕部452bと係合可能な第2係合溝415cとが形成されている。専用鍵Kがシリンダ錠450に差し込まれた状態において専用鍵Kが回動操作されると、カム452は、図15の反時計回り方向(図18(a)参照)又は時計回り方向(図18(b)参照)に回動する。カム452がいずれかの方向に回動すると、第1腕部452a又は第2腕部452bがそれぞれ対応する第1係合溝415b又は第2係合溝415cに進入すると共に進入した溝415b,415cの一端部に係合して作動部材415が上方または下方に押されることにより、作動部材415は移動(下動又は上動)する。作動部材415の移動に伴って内枠用鉤部材411または前面枠用鉤部材412が閉止位置から開放位置に移動され、閉止されていた内枠12または前面枠セット14が開放可能となるので、専用鍵Kの操作により施解錠を行うことができる。
ここで、作動部材415は、金属板にガイドピン432bを固定した単一の部材で形成され、内枠用鉤部材411に当接する逃げ溝415aと、前面枠用鉤部材412に当接するガイドピン432bと、シリンダ錠450のカム452に当接する係合溝415b,415cとを作動部材415の長手方向に沿って並べて配置して形成されている。このため、内枠用鉤部材411を作動させる作動部材と、前面枠用鉤部材412を作動させる作動部材とが別々に設けられる場合に比較して施錠ユニット410の部品点数を少なくすることができ、製造コストを低減することができると共に、施錠ユニット410を軽量に形成することができる。また、内枠用鉤部材411と、前面枠用鉤部材412と、シリンダ錠450のカム452とに当接する部位が作動部材415の長手方向に沿って並べて配置して形成されるので、作動部材415の幅を小さく直線的に形成することができ、作動部材415をコンパクトに形成して施錠ユニット410を小型にすることができる。
次に、図15及び図18を参照して専用鍵Kによる施錠ユニット410の解錠操作について説明する。図18(a)は内枠12が解錠された状態における施錠ユニット410のシリンダ錠450近傍を背面視して示した図であり、図18(b)は前面枠セット14が解錠された状態における施錠ユニット410のシリンダ錠450近傍を背面視して示した図である。
内枠12及び前面枠セット14が閉止された状態で、且つ、シリンダ錠450の鍵穴に対して専用鍵Kが差し込まれて操作されていない施錠状態においては、図15に示すように、作動部材415は、カム452の腕部452a,452bに係合することなく中立の閉止位置に配置される。作動部材415が中立の閉止位置に配置された状態では、内枠用鉤部材411および前面枠用鉤部材412が、それぞれに対応する受け金具401,402と係合する閉止位置に配置され、内枠12および前面枠セット14が開放不能な施錠状態が維持される。
施錠状態(図15に示す状態)から内枠12を解錠する場合には、シリンダ錠450の鍵穴に専用鍵Kを差し込み、その専用鍵Kをパチンコ機10の正面(図1参照)から見て右回り(図1の時計回り方向)に回動操作する。パチンコ機10を背面視した図15に示す状態においては、専用鍵Kの回動操作に連動してカム452が左回り(図15の反時計回り方向)に回動する。この回動によりカム452の第1腕部452aは作動部材415の第1係合溝415bに進入してその上端部に当接し、その後にカム452が左回りに回動するに従い、カム452の第1腕部452aは作動部材415を押し上げて作動部材415を上動させる。作動部材415が上動すると、作動部材415に形成された逃げ溝415aの下端部が内枠用鉤部材411に突設されたガイドピン431に係合してガイドピン431が上動され、内枠用鉤部材411が上動する。内枠用鉤部材411の上動は、上下2カ所において行われ、作動部材415が上動すると上下2カ所に設けられる2つの内枠用鉤部材411が上動する。
更に、専用鍵Kがパチンコ機10の正面視右回りに回動され、その回動量が約60度に達すると、カム452が施錠状態から図15の左回りに約60度回動された図18(a)に示す状態(内枠12の解錠状態)となる。この状態においては、カム452の回動により作動部材415と共に内枠用鉤部材411が一定距離だけ上動され、内枠用鉤部材411と、それに対応する受け金具401(図2参照)との係合が解除される。この内枠用鉤部材411と受け金具401との係合解除により、内枠12は開放方向への移動規制が解除された解錠状態となり、内枠12を前面側に開放することができる。
一方、施錠状態(図15に示す状態)から前面枠セット14を解錠する場合には、シリンダ錠450の鍵穴に専用鍵Kを差し込み、その専用鍵Kをパチンコ機10の正面(図1参照)から見て左回り(図1の反時計回り方向)に回動操作する。パチンコ機10を背面視した図15に示す状態においては、専用鍵Kの回動操作に連動してカム452が右回り(図15の時計回り方向)に回動する。この回動によりカム452の第2腕部452bは作動部材415の第2係合溝415cに進入して第2係合溝415cの下端部に当接し、その後にカム452が右回りに回動するに従い、カム452の第2腕部452aは作動部材415を押し下げて作動部材415を下動させる。
更に、専用鍵Kがパチンコ機10の正面視左回りに回動され、その回動量が約60度に達すると、カム452が施錠状態から図15の右回りに約60度回動された図18(b)に示す状態(前面枠セット14の解錠状態)となる。この状態においては、カム452の回動により作動部材415と共に前面枠用鉤部材412が一定距離だけ下動され、前面枠用鉤部材412と、それに対応する受け金具402(図9参照)との係合が解除される。この前面枠用鉤部材412と受け金具402との係合解除により、前面枠セット14は開放方向への移動規制が解除された解錠状態となり、前面枠セット14を前面側に開放することができる。
次に、図13および図19を主に参照して、内枠12の開放を規制するストッパ機構について説明する。このストッパ機構は、内枠12の開放に対する防犯性を高めるために設けられた機構である。
ストッパ機構は、作動部材415の上動を規制するストッパ部材460と、そのストッパ部材460を一方側へ付勢する付勢手段としてのコイルバネ461とにより構成された機構であり、このストッパ部材460とコイルバネ461とは、図13に示すように、鉤基体414の上端部に設けられている。
図19は、施錠ユニット410のストッパ機構が作動した状態を示した図である。この図19については図面の理解を容易にするためにコイルバネ461を省略して示している。図19(a)および図19(b)は、ストッパ機構により作動部材415の上動が規制された状態を示し、図19(c)および図19(d)はストッパ機構による作動部材415の上動の規制が解除された状態を示している。また、図19(a)および図19(c)はストッパ部材460が配置された位置における施錠ユニット410の横断面を模式的に示し、図19(b)および図19(d)においては施錠ユニット410を側面視した状態を示している。
作動部材415の上端部は、図19(b)に示すように、金属板を側面視においてパチンコ機10の前面側(図19(b)の左側)が低く、パチンコ機10の背面側が高く上方に突出した形状に形成されている。低く突出した前面側上端415gは、作動部材415の上動が規制される場合にストッパ部材460の中板460aに当接する部位である。また、前面側上端415gよりパチンコ機10の背面側に形成される溝415hは、作動部材415の上動が許容される場合に中板460aが入り込む部位である。
ストッパ部材460は、金属板を屈曲加工して形成された部材であり、その上面視において鉤基体414よりパチンコ機10の前面側(図19(b)の左側)に延びる前面板460bと、一端が前面板460bに連続し前面板460bの一端部から鉤基体414の側板414b側に延びる中板460aと、その中板460aの他端から鉤基体414の側板414bに沿って後方に延びる後板460cと、その後板460cより背面側に形成されるバネ取付部460dとが設けられる。
このストッパ部材460は、作動部材415の前面側上端415gに対し、その上側に中板460aが交差するように配置され、バネ取付部460dに架設されるコイルバネ461によりパチンコ機10の前面側、即ち作動部材415の前面側上端415gに交差する位置に維持される。この状態においては、作動部材415の上動が規制され、作動部材415の上動に連動する内枠用鉤部材411が閉止位置から開放位置へ移動できない。このため、作業者が専用鍵Kを鍵穴に差し込んでパチンコ機10の正面視右回り回動させようとしても作動部材415とストッパ部材460が当接してその回動が阻止される。
ストッパ部材460がパチンコ機10の背面側に移動し、上面視において中板460aが作動部材415の溝415hに重なる位置に配置されると(図19(c)参照)、作動部材415の前面側上端415gと中板460aとが当接しなくなり、作動部材415の上動が許容される。作動部材415の溝415hは、作動部材415の上動に連動する内枠用鉤部材411が閉止位置から開放位置へ移動できる程度に深く形成されており、これにより、作動部材415の上動に連動する内枠用鉤部材411が閉止位置から開放位置へ移動し得る。このため、ストッパ部材460をパチンコ機10の背面側に移動した状態で、作業者が、専用鍵Kを鍵穴に差し込んでパチンコ機10の正面視右回り回動させることにより、内枠用鉤部材411が閉止位置から開放位置へ移動し、作業者は内枠12を開放させることができる。
このストッパ部材460は、図2に示すように、内枠12の前面側に突出するように配置され、ストッパ部材460を背面側に押しながら専用鍵Kをシリンダ錠450の鍵穴に差し込んで操作しなければ、内枠12の解錠は、することができない。このため内枠12の解錠操作が両手を使って行う操作となり、片手で専用鍵Kを回転させるだけで内枠12が解錠されるよりも解錠操作が複雑になり、不正な解錠操作を困難にすることができる。
ここで、従来は、専用鍵Kの回転操作により内枠12が解錠されて開放可能となっていたので、不正に専用鍵Kを入手した犯罪者が専用鍵Kを鍵穴に差し込んで内枠12を不正に開放しても目立ちにくいものであった。このため、内枠12の裏面側に配設される主制御装置261や払出制御装置311を不正なものに交換したり、不正に操作して不当な利益を得る犯罪が行われることがあった。
パチンコ機10によれば、ストッパ部材460は、パチンコ機10の上側に設けられており、更にストッパ部材460を押下しながら専用鍵Kを回転させる両手の操作を必要とする。よって、カメラや店員などの監視により不正な開放操作が発見され易く、また犯行意欲の抑制にもつながり、パチンコ機10の防犯性を高めることができる。
また内枠12は遊技中にはほとんど開放する必要が無く、逆に不用意に開放されると内枠12の裏面側を見られて不正の動機となったり、不正をされたりする可能性が生じて好ましくない。パチンコ機10によれば、内枠12の解錠操作は、前面枠セット14を解錠して開放し、ストッパ部材460を操作可能にしなければ行えないため、従来のように専用鍵Kの操作のみで内枠12が解錠されて開放されるパチンコ機10に比較して内枠12の開放を行われ難くし、不正を困難にしている。
なお、ストッパ機構は、防犯性が高められる一方で作業性が低下するため、作業性の向上を図るためにストッパ部材460とコイルバネ461とを省略してパチンコ機をストッパ機構の無い構成としても良い。
次に、図20を参照して、内枠12に取着される施錠ユニット20の配置位置について説明する。図20は、図6のSb−Sb線においてパチンコ機10を断面視した場合における施錠ユニット20近傍を拡大して示した図である。
内枠用鉤部材411と前面枠用鉤部材412とを作動させる作動部材415には、その長手方向における中央部が側方に、即ち作動部材415の摺動方向に交差する側に折り返して作業者が作動部材415を素手で作動させられるように突出形成された操作部415dが設けられている。この操作部415dへ指をあてて下側へ押し下げることにより、専用鍵Kを操作しなくても作動部材415を動作させて前面枠用鉤部材412を簡易に閉止位置から開放位置へ移動して解錠状態とすることができる。
また、内枠12は、閉止された状態で外枠11の一端部(前端部)11aに接触して(又は近接して)対向する対向部12bとその対向部12bより外枠11側に突出するように段差を設けて形成された突出部12cとが設けられており、鉤基体414は、その突出部12cに取着されている。突出部12cは、内枠12が閉止された状態において対向部12bより外枠11側に突出して形成されているので、鉤基体414は、外枠11と対向部12bとが面する位置より外枠11側にずれて配置される。このため、内枠12の対向部12bと外枠11との隙間から施錠ユニット410へ向けて不正行為を行おうと特殊な工具を差し込んでも、その隙間とはずれた位置に配置される施錠ユニット410へは工具が到達し難くなり、不正行為に対する防犯性を高めることができる。
また、外枠11は、その内側(図20の右側)が開口した矩形の額縁状に形成されており、内枠12の閉鎖方向(図20の矢印C方向)先端側へ向けて作動部材415を覆いつつ内方に突出する凸部11bを備えている。この凸部は、鉤基体414のリブ414cに近づく方向側に突出して形成されている。この凸部11bによりパチンコ機10の背面側に作動部材415が覆われて露出される部位が少なくなり、内枠12が閉鎖された状態においてパチンコ機10の裏面側から作動部材415を不正に操作しようと工具や手などを差し込んで行う不正行為を防止することができる。
また、外枠11は、内枠12が閉鎖された状態における作動部材415の摺動方向視(図20の紙面垂直方向)において、鉤基体414と共に操作部415dに対峙しつつその操作部415dを囲繞する形状に形成されている。このため、外枠11に対して内枠12が開放されると、内枠12が対峙していた操作部415dの斜め後方側(図20の左下側)が内枠12と外枠11との間に露出され、作業者は、操作部415dを操作して作動部材415を動作させることができる。よって、内枠12が開放された状態においては簡易に作動部材415を動作させて前面枠セット14を開放することができる。また、内枠12が閉鎖された状態(図20の状態))においては、作動部材415の摺動方向視において、操作部415dは、外枠11と鉤基体414とにより囲繞されるので、操作部415dが露出される部位が少なくなり、作動部材415に対する不正行為を防止することができる。なお、作動部材415のリブ415c先端と、外枠11の凸部11bとの間の隙間は、部品製作上の寸法ばらつきにより生じる部位であり、必ずしも必要でなく、作動部材415のリブ415c先端に外枠11の凸部11bが当接するようにしたり、作動部材415のリブ415c先端と外枠11の凸部11bとが段違いに重なるようにしても良い。
また、鉤基体414には、上述したように、金属板を屈曲加工して形成されたものであり、内枠12に取着される主板414aと、その主板414aの一端側から直角方向へ延びる側板414bと、その側板414bの先端部から主板414aと同方向に平行に突出して作動部材415を囲うリブ414cとを備えている。このリブ414cにより、パチンコ機10の背面側に作動部材415が露出される部位が少なくなり、作動部材415に対する不正操作を一層行われ難くすることができる。なお、リブ414cは、少なくとも作動部材415の操作部415dが形成される部位に設けられていることが好ましい。操作部415dは、作動部材415を作動させやすくするために形成された部位であるので、この部位を触られ難くすることにより、作動部材415に対する作業性を高めつつ不正行為を効果的に防止することができる。
ここで、図15に示すように、作動部材415の第1係合溝415bの下端部415b1は、作動部材415が上方へ移動する場合にカム452の第1腕部452aに当接するように突出して形成されている。このため、カム452が回動されていない状態、即ち専用鍵Kが操作されていない状態では、作動部材415が一定量以上、上動しないようになっており、内枠用鉤部材411を開放位置へ移動するためには、必ず専用鍵Kの操作が必要になる。遊技場にパチンコ機10が設置された状態において内枠12が開放されると、パチンコ機10の裏面側に配設される基板等が不正に交換される等して、後に発見し難い不正行為が行われる可能性があるが、内枠用鉤部材411の作動には必ず専用鍵Kを必要にすることにより防犯性を高めることができる。
次に、作動部材415の操作部415dに対する操作例について説明する。遊技中にパチンコ機10が故障すると、遊技者は店員を呼んで正常状態への復帰を依頼する。店員などの作業者は、ガラス137が設けられる前面枠セット14を開放して異常状態の確認をし、それでも正常状態に復帰できない場合には、内枠12を前面側に開放してパチンコ機10の裏面側に対してコネクタ等の結線の抜け、遊技球の排出口や入賞口周りの球詰まり等を確認する。
内枠12裏面側に対して作業する時には、内枠12に対して前面枠セット14が開放されたままであると、作業者が内枠12を支えて作業を行っていても前面枠セット14は自由に揺動可能となる。遊技場には複数のパチンコ機10が並んで設置されているので、内枠12を開放した勢いで隣で遊技を行っている遊技者に前面枠セット14が衝突してしまう事故が起こりうる。このような事故があると遊技者に不快感を与えて遊技場の評判が落ちてしまうので、前面枠セット14を閉止して施錠状態としてから内枠12を開放し、その裏面側の作業を行わせることが好ましい。また作業者が、内枠12の裏面側の作業に気を取られている隙に、不正に遊技盤30に打設された釘の配置を変化させて入賞が発生し易くされることも起こりうる。このため、作業者が内枠12の裏面側の作業をしている間には、前面枠セット14を閉鎖しておくようにして安全や防犯の徹底を図ることも好ましい。また、作業者には、前面枠セット14の開放操作や内枠12の開放操作を行う毎に、専用鍵Kを抜き出すように作業の徹底を図ることも好ましく、これにより、専用鍵Kが盗難されたり、専用鍵Kの型が取られて不正な鍵Kが製作されるといった不正行為の防止が図られている。
以上の理由から、前面枠セット14は閉止した状態で、また専用鍵Kは取り出された状態で、内枠12を開放してその裏面側に対して作業が行われることがある。この場合、内枠12の裏面側の作業を終えた後には、作業者は、正常状態に戻ったことを確認するために再度前面枠セット14を開放し、入賞口への入賞に対する動作の確認といった確認作業を行うものである。このとき、前面枠セット14が閉止された状態において再び専用鍵K鍵穴に差し込んでその開放操作を行うのは煩わしい。パチンコ機10によれば、内枠12が開放された状態においては作業部材415の操作部415dが外枠11に覆われないので、その操作部415dを操作することにより専用鍵Kによる操作を行わずに前面枠セット14を開放することができる。よって、操作部415dを設けることにより、点検作業後の確認作業を簡易かつ迅速に行わせることができるのである。
次に、下皿ユニット13を閉止するための下皿用鉤部材413について図13、図21および図22を参照して説明する。図21は下皿用鉤部材413の側面図であり、図22は図13(a)のSc−Sc線における施錠ユニット410の断面図である。なお、図22においては下皿用鉤部材413の動作に関連する主要な部材のみを示し、その他を省略している。
施錠ユニット410には、前述したように、下皿ユニット13の施錠を行うために下皿ユニット13に設けられる受け金具403(図2参照)に係合して下皿ユニット13の開放方向への移動を規制して閉止する下皿用鉤部材413が設けられる。下皿用鉤部材413は、図21に示すように、鉤基体414の側板414bとほぼ同一幅で鉤基体414の長手方向に沿って長く形成された支持穴413bが2つ設けられた基部413cと、その基部413cよりパチンコ機10の前面側に突出して受け金具403に係合する係合爪413aと、基部413cよりパチンコ機10の背面側に突出してコイルバネ423が架設される被架設部413dと、支持穴413bの長手方向であって下皿用鉤部材413のスライド方向に交差してパチンコ機10の前面側に突出して形成される操作部413eとを備えている。
この下皿用鉤部材413は、図13に示すように、引き伸ばして被架設部413dに架設されるコイルバネ423により上方に付勢される。この上方に付勢されて受け金具403に係合する位置が下皿用鉤部材413の閉止位置であり、受け金具403に対して下方へ移動して受け金具403との係合が解除される位置が開放位置となる。
ここで、内枠12には、前面枠セット14に重なる領域であって前面枠セット14が配設される内枠12の前面側より内枠12の裏面側に連通する開口部12dを備え(図3参照)、鉤基体414は、その開口部12dより操作部413eが突出する位置に取着され、開口部12dを介して操作部413eを押下操作可能にしている。鉤基体414が前面枠セット14が配設される前面側でなく、その裏面側に配設されるので、前面枠セット14の閉鎖時においては前面枠セット14と内枠12とにより鉤基体414が覆われる。よって、鉤基体414に支持される鉤部材411〜413等を不正には触れにくいものとすることができ、不正行為に対する防犯性を高めることができる。また、内枠12の開口部12dを介して下皿用鉤部材413の操作部413eが操作可能とされるので、作業者は、操作部413eを操作して下皿用鉤部材413を閉止位置から開放位置側に移動することができる。また、下皿用鉤部材413の操作部413eは、スライド方向に交差するパチンコ機10の前面側に突出して形成されるので、作業者の手を掛けやすく、開放位置へ下皿用鉤部材413を簡易に移動することができる。
更に、下皿用鉤部材413の操作部413eは、内枠12の前面側であって連動鉤部材により閉止された状態における前面枠セット14に重なる位置に形成されている。このため、前面枠セット14が閉止された状態においては、前面枠セット14で下皿用鉤部材413の操作部413eが覆われて、作業者は、操作部413eを操作することができない。前面枠セット14が開放された場合には操作部413eが露出されるため、作業者は、操作部413eを容易に視認することができ、また操作部413eに対する操作が可能となる。よって、前面枠セット14を開放した後には、シリンダ錠450に対して専用鍵Kを使用した特別の操作をしなくても、操作部413eを利用して簡易に下皿ユニット13を開放することができる。従って、作業者は、専用鍵Kを利用した前面枠セット14の開放操作と、専用鍵Kを使用しないで行われる下皿ユニット13の開放操作とを簡易に行うことができ、下皿ユニット13の開放を要する点検作業時においてその作業性を高めることができる。
また、下皿用鉤部材413の操作部413eは、鉤基体414の側板414bに支持される支持穴413bより内枠12の前面側に突出して形成されている。このため、前面枠セット14が配設される内枠12の前面側に操作部413eが近づいて配置され、前面枠セット14の開放時における操作部413eの操作をし易いものとすることができる。
また、内枠12には、遊技球が流下する遊技領域を内枠12の一面側に形成する遊技盤30が設けられており、前面枠セット14は、その遊技領域に重なりつつ配設され、下皿ユニット13は、遊技領域には重ならない位置に配設される。遊技領域は、パチンコ機10が遊技場に設置された後にも、遊技球が引っ掛かったり、遊技球の流路を形成する釘や風車などの配置位置を調整する場合に作業を施す必要が生じる。遊技領域に重なる前面枠セット14の開放は専用鍵Kによる解錠操作で行うことができる一方、下皿ユニット13の開放は前面枠セット14の開放がないと行うことができないので、頻繁に開放する必要のある部位の開放操作を簡易にすることができる。
下皿ユニット13の上端部には、下皿ユニット13と前面枠セット14とが閉止された場合に前面枠セット14の裏面側に位置して部分的に重なる突出部13a(図2参照)が設けられる。このため、前述したように、下皿ユニット13の一部が、前面枠セット14の閉鎖状態においてその閉鎖方向側に重なりつつ対向して配置されることとなり、前面枠セット14の開放が下皿ユニット13を開放するための必要条件となる。ここで、下皿用鉤部材413の操作部413eが露出されるときには前面枠セット14が開放される。このため、操作部413eが露出された状態においては前面枠セット14が開放方向側へ移動して下皿ユニット13の開放方向側への移動は阻止されない状態となり、操作部413eが操作可能な状態においては、下皿ユニット13と前面枠セット14との係合を作業者が意識する必要はなく、下皿ユニット13を開放して行う点検作業等の作業性を高めることができる。
また、前面枠セット14を閉止する前面枠用鉤部材412は、上下2カ所に設けられると共に各前面枠用鉤部材412が別々に閉止位置から開放位置にスライド可能に構成される一方、下皿用鉤部材413は、下皿ユニット13の受け金具403に係合する係合爪(鉤部)413aが上下2カ所に形成された単一の部材で形成されている。このため、前面枠用鉤部材412により閉止される前面枠セット14に対しては不正に開放する行為は行い難い。一方、下皿用鉤部材413により閉止される下皿ユニット13は、それに係合する鉤部が複数カ所に形成された単一の部材であるので、複数の下皿用鉤部材413を設ける場合に比較して構造が簡略化され、下皿用鉤部材413の製造コストは低減される。ここで、下皿ユニット13の開放時に作業者に操作される操作部413eは、前面枠セット14を開放することにより露出される部位に設けられるので、複数個の前面枠用鉤部材412により不正な開放を困難にした位置に操作部413eが配置される。よって、下皿ユニット13の開放に対する不正行為は困難にしつつ、下皿用鉤部材413の製造コストは低減することができる。
また、シリンダ錠450と、下皿用鉤部材413(の係合爪413a)とは、図13aに示すように、鉤基体414の主板414aより外側(図13(a)の左側)に突出して形成されている。内枠12には、その突出して形成された部位が挿通される開口が設けられており(図示せず)、下皿用鉤部材413の操作部413eは、鉤基体414の主板414aに対してシリンダ錠450と、下皿用鉤部材413の係合爪413aとが突出したパチンコ機10の前面側(図13(b)の紙面垂直方向奥側)に重なる位置に形成されている。このため、内枠12に、鉤基体414によりユニット化された施錠ユニット410をパチンコ機10の裏面側から前面側に真っ直ぐに組み付けるために必要となる組み付けスペースが、鉤基体414の主板414aの組み付けスペースと重なる。よって、操作部413eが主板414aの前面側から外れた側方(例えば、図13(b)の右側)に突出して形成される場合に比較して、操作部413eの設定に伴う組み付けスペースの増大を抑制することができる。これにより、内枠12の裏面側に対する他の部品レイアウトを容易にすることができると共に、施錠ユニット410を内枠12に取着する時の作業性を高めることができる。なお、操作部413eは、基体414の主板414aに対してシリンダ錠450または下皿用鉤部材413が突出する側に少なくとも一部が重なるように形成することが好ましく、シリンダ錠450または下皿用鉤部材413が突出する側に完全に含まれるように重なるように形成することが好適である。
下皿ユニット13には、遊技者により遊技に関する操作が行われる遊技球発射ハンドル18が設けられている。遊技球が流下する遊技領域や、払い出しのための遊技球が貯留される貯留部には遊技球が詰まり易く頻繁に点検作業が必要となる部位である一方、遊技球発射ハンドルは、故障等の発生が少なく点検作業等を行う回数が少ないものである。パチンコ機10の下皿ユニット13には遊技球発射ハンドル18が設けられ、下皿ユニット13を閉止したままで前面枠セット14を開放することができるので、点検作業等の頻度が少ない遊技球発射ハンドル18近傍を開放することなく、前面枠セット14を開放することができる。よって、前面枠セット14により点検作業の頻度が高い遊技領域を覆っても、内枠12の前面側において開放される領域を少なくして前面枠セット14の大きさを小型に形成することができ、その開放を伴う作業の作業性を高めることができる。
下皿用鉤部材413に架設されるコイルバネ423は、図22に示すように、鉤基体414の側板414bの延設方向先端側(図22の右側)に配設される。このため、主板414aの面方向に沿って内枠12に鉤基体を取り付ける際に、コイルバネ423が取付方向に沿った後端側に位置することとなり、前端側にある場合に比べて他の部材にコイルバネ423が接触し難くなって組み付け時に破損し難くすることができる。
またコイルバネ423は、鉤基体414の側板414bの外側(図22の上側)に突出するように配設され、下皿用鉤部材413には、その基部413cの一端側(図22の右側)にてコイルバネ423より側板414bの外側に大きく突出するように屈曲形成された返し部413fが設けられている。このため、鉤基体414を内枠12に取着するときには、コイルバネ423が衝突する前に返し部413fが他の部材に衝突し易く、返し部413fにより非連動鉤付勢手段の破損を一層防止できる。
下皿用鉤部材413の被架設部413dと返し部413fとは、基部413cに対して共にパチンコ機10の背面側に突出して形成される。このため、別々の方向に突出形成される場合に比較して必要な部位を近づけやすく、材料の歩留まりを向上することができ、ひいては、部品コストを低減することができる。また被架設部413dが基部413cより突出して形成されるため、基部413cを切り欠いて被架設部を形成する場合に比べて基部413cの大きさを小さくすることができ、下皿用鉤部材413の強度を高めつつその大きさはコンパクトにして設計レイアウトの自由度を高めている。
また、下皿用鉤部材413は、鉤基体414に対して一端部をかしめて相手部品を摺動可能に支持するガイドピン433によりスライド可能に支持されており、ガイドピン433が挿通される支持穴412aの両端部がガイドピン433に当接するストッパとされている。このため、鉤基体414または下皿用鉤部材413にガイドピン433を挿通するために形成する穴を最小限の長さにすることができ、その穴の形成に伴う強度低下を少なくして鉤基体414によりユニット化される部品を小型にして設計レイアウトの自由度を高めることができる。
また、下皿用鉤部材413は、内枠用鉤部材411、前面枠用鉤部材412および作動部材414と同様に、鉤基体414の長手方向、即ち、パチンコ機10の上下方向に沿って摺動可能に支持されている。このため、鉤基体414には、その長手方向に交差する横幅を細くしつつ各鉤部材411〜413等を支持させることができる。よって、鉤基体の取り付けに必要なスペースを小さくすることができ、鉤基体414により一体化される施錠ユニット410周辺の設計レイアウトを容易にして周辺部品の配置に対する自由度を高めることができる。
次に、施錠ユニット410を内枠12へ取着する組み付け作業について説明する。まず、内枠用鉤部材411、前面枠用鉤部材412および下皿用鉤部材413とコイルバネとその他の部材とを鉤基体414に順に組み付け、それらを鉤基体414に一体化(ユニット化)して支持させて、図13に示す施錠ユニット410を製造する。その後、内枠12の裏面側から鉤基体414を近づけて、施錠ユニット410を内枠12の裏面の定位置に合わせて、鉤基体414に設けられる複数の穴にビスを挿通して内枠12の裏面側に施錠ユニット410を取着する。
このように、パチンコ機10においては、組み付け作業を行う前に、内枠用鉤部材411、前面枠用鉤部材412および下皿用鉤部材413とコイルバネを所定の組み付け位置に相当する相対位置となるように配置してユニット化しておくことができ、内枠12へは複数の鉤部材がユニット化された鉤基体414を定位置に取り付けるだけで良い。よって、鉤部材411〜413を別々に内枠12に取り付ける場合に比較すると、作業スペースの十分にとれるところで施錠ユニット410を製造しておき、内枠12の裏面側において行う作業を少なくすることができるので、組み付け作業性を向上することができ、製造コストを低減することができる。
次に、図23〜図26を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図23は第1制御基板ユニット201の正面図であり、図24は同ユニット201の斜視図であり、図25は同ユニット201の分解斜視図であり、図26は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、遊技の主たる制御を司る1チップマイコンとしてのMPU501(図33参照)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図24等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司る1チップマイコンとしてのMPUや、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力される。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図24等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図25及び図26に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図24等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図11等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図11等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図11等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、図27〜図29を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図27は第2制御基板ユニット202の正面図であり、図28は同ユニット202の斜視図であり、図29は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなす1チップマイコンとしてのMPU、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射用ソレノイド229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図27等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、図30及び図31を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、図30はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203の背面図を示しており、図31はその分解斜視図を示している。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図31に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ容易に取り付けることができる。
ここで、図32を参照してタンクレール356の構成について詳述する。図32は、タンクレール356の分解斜視図である。タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図30及び図31に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図30等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387の部分にナイラッチを使用しないのは、図30における係止孔387の左隣に遊技球を貯留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具242の固定時には、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
次に、図33を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図43参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図36参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射用ソレノイド229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射用ソレノイド229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射用ソレノイド229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置45は、小物図柄表示装置41における小物図柄(普通図柄)の変動表示と、大物図柄表示装置42における大物図柄(特別図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置45は、MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置261の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、MPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には小物図柄表示装置41や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には大物図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のMPU521は、主制御装置261から送信される図柄表示用のコマンドに基づいて小物図柄表示装置41及び大物図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、大物図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、大物図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、大物図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して大物図柄表示装置42に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
ここで、図34を参照して、大物図柄表示装置42の表示内容について説明する。大物図柄表示装置42には、左・中・右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は、例えば「0」〜「9」の数字を各々付した主図柄と、例えば菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成され、これら各主図柄及び副図柄がそれぞれ大物図柄を構成している。各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。即ち、各図柄列には、10個の主図柄及び10個の副図柄の計20個の大物図柄が設けられ、各図柄列毎に20個の大物図柄が周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示される。特に、左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列及び右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。大物図柄表示装置42には、各図柄列毎に上・中・下の3段に大物図柄が表示される。従って、大物図柄表示装置42には、3段×3列の計9個の大物図柄が表示される。また、大物図柄表示装置42には、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして、大当たり動画が表示される。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や大物図柄表示装置42の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図35に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大物図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、大物図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、大物図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。また、小物図柄表示装置41の抽選には小物図柄乱数カウンタC4が用いられる。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、MPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、大物口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜676)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、大物図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄の組合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、大物図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、大物図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されているので、50個(0〜49)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0,1は前後外れリーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=2〜21は前後外れ以外リーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=22〜238は完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、大物図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が大物口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、大物図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左列大物図柄、中列大物図柄、右列大物図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の大物図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0〜19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、MPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、大物図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
小物図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。小物図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの小物門(スルーゲート)34を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」である。
次に、図36から図43のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図41は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。その後は、大物口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。
図42のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する(S701)。遊技球が大物口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。大物口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、大物口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、大物口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
なお、遊技球が大物口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後、大物図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する大物図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
図43は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図43のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のNMI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図43のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
図36は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図37のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S207の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、大物図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定コマンドが送信されるようになっている。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
ここで、図38を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S301:Yes)、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図柄列の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S302:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する(S305)。
上記S303〜S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組み合わせであれば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組み合わせでなければ(S306:No)、リーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し(S307)、リーチ図柄の組み合わせであれば(S307:Yes)、更にそれが前後外れリーチであるか否かを判別する(S308)。前後外れリーチの組み合わせであれば(S308:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する(S309)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせであれば(S308:No)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する(S310)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが大当たり図柄の組み合わせでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組み合わせでもなければ(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせは外れ図柄の組み合わせになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する(S311)。
外れ図柄カウンタCL,CM,CR更新処理(S203)の終了後は、図37の通常処理へ戻って、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示を行うための大物図柄変動処理を実行する(S205)。この大物図柄変動処理により、大当たり判定や大物図柄の変動パターンの設定などが行われる。なお、大物図柄変動処理の詳細は図39を参照して後述する。
大物図柄変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S206)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、小物図柄表示装置41による小物図柄(例えば「○」又は「×」の小物図柄)の表示制御を実行する(S207)。簡単に説明すると、遊技球が小物門(スルーゲート)34を通過したことを条件に、その都度の小物図柄乱数カウンタC4の値が取得されると共に小物図柄表示装置41の表示部43にて小物図柄の変動表示が実施される。そして、小物図柄乱数カウンタC4の値により小物図柄の抽選が実施され、小物図柄の当たり状態になると、大物口33に付随する電動役物が所定時間開放される。なお図示は省略したが、小物図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図41に示すタイマ割込処理により更新される。
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S209)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次に、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、S201〜S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
次に、図39及び図40のフローチャートを参照して、大物図柄変動処理(S205)を説明する。大物図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に大物図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、大物図柄表示装置42による大物図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、大物図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、大物図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、大物図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図40を参照して後述する。
S402の処理において、大物図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。大物図柄の変動時間はその大物図柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S408の処理の実行をスキップする(S407:No)。一方、大物図柄の変動時間が経過すれば(S407:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定して(S408)、本処理を終了する。
次に、図40のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0〜49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち、予め定められた特定図柄(確変図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、予め定められていない特定図柄(非確変図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、大当たり図柄で停止するまでの大物図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)等、より細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動パターンは、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけでパターン設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値でパターン設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。これは、後述する前後外れリーチ表示、前後外れ以外リーチ表示、完全外れ表示を行なう場合における変動パターンの設定でも同様である。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し(S504)、リーチ発生の場合には(S504:Yes)、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する(S505)。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2〜21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22〜238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合(S505:Yes)、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S506)。また、前後外れリーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S507)。このとき、S503の処理と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
前後外れ以外リーチ発生の場合(S505:No)、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S508)。また、前後外れ以外リーチ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S509)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S510)。また、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S511)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
次に、図44を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図44は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図45のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図46に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図47に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)または貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
図46に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1105)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1107)、その後、図45の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、図45の払出制御処理に戻る。
図47に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1205)、その後、図45の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図45の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図45の払出制御処理に戻る。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、大物図柄表示装置42の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプの遊技機に実施しても良い。例えば、アレパチ、雀球、スロットマシン、または、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。本体部材と、その本体部材の一面側に重なりつつ複数並べて配設されると共に前記本体部材の一面側に開放可能に支持される複数の前面側部材と、内側が開口した矩形の額縁状に形成され前記本体部材を開閉可能に支持する支持部材と、前記本体部材と前記複数の前面側部材とが共に閉止された状態を維持する閉止手段とを備えた遊技機において、前記閉止手段は、前記支持部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第1鉤部材と、1の前記前面側部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第2鉤部材と、他の前記前面側部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第3鉤部材と、各鉤部材毎に設けられて各鉤部材を閉止位置側に付勢する付勢手段と、前記第1鉤部材、第2鉤部材および第3鉤部材と前記付勢手段とを一体化して支持する鉤基体と、特定の操作部材による操作に連動する連動部材を有する被操作ユニットと、その被操作ユニットの連動部材と、前記第1鉤部材および前記第2鉤部材との間に介在して前記第1鉤部材および前記第2鉤部材を開放位置側へ作動させる作動部材とを備え、前記第1鉤部材と第2鉤部材とはそれぞれ複数個設けられ、前記第1鉤部材および前記第2鉤部材を形成する複数の部材が別々に閉止位置から開放位置に摺動可能に構成されていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1において、前記第1鉤部材、前記第2鉤部材、前記第3鉤部材および前記作動部材は、前記鉤基体の長手方向に沿って摺動可能に支持されていることを特徴とする遊技機2。遊技機2によれば、鉤基体の長手方向に沿って各鉤部材および作動部材が摺動するので、鉤基体には、その長手方向に交差する横幅を細くしつつ各部材を支持させることができる。よって、鉤基体の取り付けに必要なスペースが小さくすることができ、鉤基体により一体化される施錠ユニット周辺の設計レイアウトを容易にして周辺部品の配置に対する自由度を高めることができる。従って、限られたスペースにより大きな部材を設置して迫力のある演出を行うための部材等を簡易に配置することができるのである。
遊技機1または2において、前記鉤基体は、金属板を屈曲加工して形成されており、被操作ユニットが貫挿される取付穴を有する主板と、その主板の一端側から直角方向へ延びる側板と、前記側板に対して前記取付穴を挟んだ反対側から前記側板と同方向に延びる補強板とを備えていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、側板と補助板とが取付穴を挟んで形成されるので、被操作ユニットをするための取付穴を形成しても、その穴周りの強度を高めつつ取付穴が配置された位置における鉤基体の横幅を細くすることができる。よって、被操作ユニットを鉤基体の端部に近づけて配置することができ、施錠ユニット周辺の設計レイアウトを容易にすることができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記作動部材は、単一の部材で形成されると共に、前記第1鉤部材に当接する第1当接部と前記第2鉤部材に当接する第2当接部と前記被操作ユニットの連動部材に当接する第3当接部とを長手方向に沿って並べて配置して形成されていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、作動部材が単一の部材で形成されているので、複数の部材で形成する場合に比較して施錠ユニットの部品点数を少なくすることができ、製造コストを低減することができると共に、施錠ユニットを軽量に形成することができる。また、第1鉤部材と、前記第2鉤部材と、被操作ユニットの連動部材に当接する部位とが作動部材の長手方向に沿って並べて配置して形成されるので、作動部材の幅を小さく直線的に形成することができ、作動部材をコンパクトにして施錠ユニット周辺の設計レイアウトを容易にすることができる。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記本体部材は、閉鎖状態で前記支持部材の一端部に接触し又は近接して対向する対向部とその対向部より前記支持部材側に突出して形成された突出部とを備え、前記鉤基体は、前記突出部に取着されていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、鉤基体が取着される突出部は、本体部材の閉止状態において支持部材の一端部に対向する対向部より支持部材側に突出して形成されているので、鉤基体は、支持部材と対向部とが面する位置より支持部材側にずれて配置される。このため、対向部と支持部材との隙間から鉤部材へ向けて不正行為を行おうと特殊な工具を差し込んでも、その隙間とはずれた位置に配置される鉤部材へは工具が到達し難くなり、不正行為に対する防犯性を高めることができる。
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記支持部材は、前記本体部材の閉鎖方向先端側において前記作動部材を覆いつつ内方に突出する凸部を備えていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、凸部により遊技機の一面側(裏面側)に作動部材415が露出される部位が少なくなるので、本体部材が閉鎖された状態において遊技機の一面側から作動部材を不正に操作しようと工具や手などを差し込んで行う不正行為を防止することができる。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記鉤基体は、金属板を屈曲加工して形成されており、本体部材に取着される主板と、その主板の一端側から直角方向へ延びる側板と、その側板の先端部から前記主板と平行に突出して前記作動部材を囲う被覆板とを備えていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、被覆板により遊技機の一面側(裏面側)に作動部材が露出される部位が少なくなるので、本体部材が閉鎖された状態において遊技機の一面側から作動部材を不正に操作しようと工具や手などを差し込んで行う不正行為を防止することができる。
遊技機7において、前記作動部材は、その摺動方向に交差する側に突出して形成された操作部を備え、前記鉤基体の被覆板は、少なくとも前記作動部材の操作部が形成される部位に設けられていることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、被覆板により遊技機の一面側に作動部材の操作部が露出される部位が少なくなる。作動部材の操作部は、不正行為を行おうとする場合に操作し易い部位であるので、その操作部が露出される部位を少なくすることにより、作動部材に対する作業性を高めつつ不正行為を防止することができる。
遊技機8において、前記支持部材は、前記本体部材の閉鎖方向先端側において前記被覆板に近づきつつ前記支持部材の内方に突出する凸部を備えていることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、被覆板に近づきつつ支持部材の内方に突出する凸部が設けられているので、遊技機の一面側(裏面側)に操作部が露出される部位が更に少なくなり、作動部材に対する作業性を高めつつ不正行為に対する防犯性を一層高めることができる。
遊技機7から9のいずれかにおいて、前記作動部材は、その摺動方向に交差する側に突出して形成された操作部を備え、前記支持部材は、前記本体部材が閉鎖された状態における前記作動部材の摺動方向視において、前記鉤基体と共に前記操作部に対峙しつつその操作部を囲繞する形状に形成されていることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、支持部材は、本体部材が閉鎖された状態における作動部材の摺動方向視において、鉤基体と共に前記操作部に対峙しつつその操作部を囲繞する形状に形成されているので、支持部材に対して本体部材が開放されると、支持部材が対峙していた操作部の一方側が露出され、作業者は、操作部を操作して作動部材を動作させることができる。よって、本体部材が開放された状態においては簡易に作動部材を動作させて前面側部材を開放することができる。また、本体部材が閉鎖された状態においては、作動部材の摺動方向視において、操作部は、支持部材と鉤基体とにより囲繞されるので、操作部が露出される部位が少なくなり、作動部材に対する不正行為を防止することができる。
なお、「操作部を囲繞する」とは、必ずしも周辺が完全に連続して密閉されることを意味するものでなく、支持部材と鉤基体との間に隙間が設けられるものをも含む。この支持部材と鉤基体との間の隙間は少なくすることが好ましい。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機11。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、所定の遊技価値が付与される時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機12。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させる特別遊技発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機13。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させる特別遊技発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
11 外枠(支持部材)
12 内枠(本体部材)
13 下皿ユニット(前面側部材の一部)
14 前面枠セット(前面側部材の一部)
401〜403 受け金具(閉止手段の一部)
410 施錠ユニット(閉止手段の一部)
411 内枠用鉤部材(第1鉤部材)
412 前面枠用鉤部材(第2鉤部材)
413 下皿用鉤部材(第3鉤部材)
414 鉤基体
415 作動部材
421〜423 コイルバネ(付勢手段)
450 シリンダ錠(被操作ユニット)

Claims (1)

  1. 本体部材と、その本体部材の一面側に重なりつつ複数並べて配設されると共に前記本体部材の一面側に開放可能に支持される複数の前面側部材と、内側が開口した矩形の額縁状に形成され前記本体部材を開閉可能に支持する支持部材と、前記本体部材と前記複数の前面側部材とが共に閉止された状態を維持する閉止手段とを備えた遊技機において、
    前記閉止手段は、前記支持部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第1鉤部材と、
    1の前記前面側部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第2鉤部材と、
    他の前記前面側部材に係合する閉止位置と当該係合が解除される開放位置とを摺動可能に前記本体部材に支持される第3鉤部材と、
    各鉤部材毎に設けられて各鉤部材を閉止位置側に付勢する付勢手段と、
    前記第1鉤部材、第2鉤部材および第3鉤部材と前記付勢手段とを一体化して支持する鉤基体と、
    特定の操作部材による操作に連動する連動部材を有する被操作ユニットと、
    その被操作ユニットの連動部材と、前記第1鉤部材および前記第2鉤部材との間に介在して前記第1鉤部材および前記第2鉤部材を開放位置側へ作動させる作動部材とを備え、
    前記第1鉤部材と第2鉤部材とはそれぞれ複数個設けられ、前記第1鉤部材および前記第2鉤部材を形成する複数の部材が別々に閉止位置から開放位置に摺動可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
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