JP2005074174A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 主図柄と副図柄とを用いた変動表示において遊技者に遊技価値の付与を期待させる変動表示のパターンを増加することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 図柄表示装置には、大当たり図柄の組合せを構成する数字を付した主図柄と、その組合せを構成しない菱形形状の副図柄とを交互に表示する。大当たりの抽選結果が導出された場合には、その導出に基づいて副図柄を同一種類で並べて停止表示した後に外れとする変動表示を実行し、有効ラインとして水平に5つ並んだ領域に副図柄が同一種類で停止表示する(図37(b)の状態)。その停止表示後の変動表示後に、主図柄が大当たり図柄の組合せで停止し、大当たり遊技へと遷移して、遊技者に所定の遊技価値として多数の賞球が払い出される。
【選択図】 図37

Description

本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置に様々な画像を表示して遊技の興趣向上を図っている。この表示装置における変動表示は、遊技領域に打ち込まれた遊技球が所定の始動口へ入賞する(或いは所定のゲートを通過する)ことを条件に開始される。表示装置は、例えば、縦方向又は横方向に分割された3つの表示領域を備えており、識別情報としての図柄で構成された複数の図柄列による変動表示が、各表示領域においてそれぞれ行われる。
図柄の表示領域が横方向に3分割された表示装置では、変動表示は、所定時間の経過後に、予め定められた順(例えば左、右、中の順)に停止され、全ての図柄の変動が停止し、その停止した図柄の組合せが予め定められた組合せの一つと一致する場合(大当たりとなる場合)には、遊技者に所定の遊技価値が付与される。この所定の遊技価値の付与として、例えば遊技領域に設けられた特定入賞口が、遊技球が入賞しやすいように所定時間開放され、遊技価値として多量の賞球が払い出されるものがある。よって、遊技者は図柄の変動表示が開始されると、停止される図柄の組合せが所定の遊技価値を生ずる組合せ(大当たり)となることを期待して、表示装置における図柄の表示領域にて行われる変動表示を注視しつつ遊技を行うのである。
また縦に3段、横に3列の合計9個の図柄を表示し、複数の有効ライン(例えば、上中下の3つの水平ラインと斜め2ラインとの計5ライン)のいずれかに同一図柄が3つ揃って停止した場合に大当たりとする変動表示を行う遊技機も数多く開発されている。複数の有効ラインがあると、1つの有効ラインの場合より大当たりとなる図柄の組合せパターンが多くなり、大当たりとなるまでの遊技過程が多彩なものとなる。ここで、複数の有効ラインを設けた遊技機では、図柄の全ての組合せパターンに対して大当たりとなる図柄の組合せ比率が多くなるので、変動表示を構成する図柄として大当たり図柄の組合せを構成する主図柄と、その組合せを構成しない副図柄(ブランク図柄ともいう)とを設けて、大当たり図柄の組合せ比率を少なくしている。これにより、最後の図柄停止によって大当たりとなるリーチの組合せ比率が少なくなり、またリーチとなった状態においては大当たり図柄の組合せ比率が多くなるので、遊技者にはリーチの実行により大当たりをより強く期待させることができる。また、一般に主図柄は副図柄よりも大きく表示され、この副図柄が主図柄の間に配列されることにより主図柄の周りにブランクを設けて主図柄の視認し易さが高められている。
特開2002−248232号公報
しかしながら、変動表示の途中で主図柄が大当たり図柄の組合せの一部を形成しなければ、遊技者は大当たりとなることを期待できないため、その変動表示により大当たりとなることに対しての期待が喪失する。図柄の組合せをランダムに抽選する場合、副図柄を設けることによりリーチとなる図柄の組合せ比率が少なくなるので、主図柄と副図柄とを用いた変動表示においては変動表示の途中で大当たりに対しての期待感を失わせる場合が多くなってしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、主図柄と副図柄とを用いた変動表示において遊技者に遊技価値の付与を期待させる変動表示のパターンを増加することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示するものであって2種以上の識別情報を連ねた識別情報列を少なくとも2列以上表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、前記表示装置に前記識別情報列の変動表示を行わせると共に、予め定めた有効領域に前記抽選手段による抽選結果に応じた前記識別情報の組合せを停留表示する変動実行手段と、前記抽選手段による所定の抽選結果の導出を条件として第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わる変動入賞手段とを備え、前記有効領域に停留する識別情報の組合せにより前記抽選手段の抽選結果を示し、前記所定の抽選結果が導出されると前記有効領域に予め定めた識別情報の組合せを停留表示すると共に前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与するものであり、 前記表示装置は、前記識別情報列として、前記予め定めた識別情報の組合せを構成する主識別情報と、その組合せを構成しない副識別情報とを交互に表示し、前記変動実行手段は、前記所定の抽選結果の導出に基づいて、前記有効領域に前記副識別情報を予め定めた組合せで停留表示させる第1変動表示と、その停留表示後に開始される変動表示であって特別の態様を伴う第2変動表示とを順に行い、当該第2変動表示の表示結果として前記主識別情報を前記予め定めた識別情報の組合せで停留表示させるものである。
この請求項1記載の遊技機によれば、検出手段によって所定の始動条件の成立が検出された場合、抽選手段によって抽選が行われ、その抽選結果に基づいて変動実行手段が表示装置に識別情報の変動表示を行わせる。変動表示は、表示装置の有効領域に表示された複数の識別情報列が変動を開始し、その後に停留することにより行われ、有効領域に停留する識別情報の組合せにより抽選手段の抽選結果が示される。抽選手段による抽選において所定の抽選結果が導出されると、有効領域に予め定めた識別情報の組合せが停留表示させられると共に、可変入賞手段が第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わり、遊技者に所定の遊技価値が付与される。
ここで、表示装置に表示される識別情報列は、予め定めた識別情報の組合せを構成する主識別情報と、その組合せを構成しない副識別情報とが交互に表示されたものであり、抽選手段により所定の抽選結果が導出された場合に、その導出に基づいて第1変動表示が実行され、有効領域に副識別情報が予め定めた組合せで停留して表示される。その停留表示後には特別の態様を伴う第2変動表示が開始され、主識別情報が予め定めた識別情報の組合せで停留して表示され、遊技者に所定の遊技価値が付与される。このため、遊技者には、主識別情報が予め定めた識別情報の組合せとなることが、副識別情報による予め定めた組合せの停留表示で示され、更にその後の変動表示に特別の態様を伴わせて通常とは異なる特別の変動表示の実行が示される。遊技者には、変動表示の途中で主識別情報が予め定めた組合せとなっていなくても、副識別情報が予め定めた組合せで停留して表示されることに期待を抱かせて、遊技価値の付与を期待させることができる。
ここで、「主識別情報と副識別情報とを交互に表示する」とは、主識別情報と副識別情報とを1つずつ交互に表示するものに限定されず、識別情報列の少なくとも一部に主識別情報または副識別情報を2つ以上連続して表示した後に副識別情報または主識別情報を表示しても良い。
本発明の遊技機によれば、抽選手段により所定の抽選結果が導出された場合に、有効領域に副識別情報が予め定めた組合せで停留表示される第1変動表示が実行され、その停留表示後には特別の態様を伴う第2変動表示が開始されて主識別情報が予め定めた識別情報の組合せで停留表示される。このため、遊技者には、予め定めた識別情報の組合せとなって所定の遊技価値が付与されることを、副識別情報による予め定めた組合せの停留表示で示し、更にその後の第2変動表示により特別の変動表示の実行を示すことができる。よって、遊技者には、変動表示の途中で主識別情報が予め定めた組合せとなっていなくても、第1変動表示と第2変動表示とが行われる変動表示のパターンの実行を期待させ、副識別情報が予め定めた組合せで停留して表示されることに期待を抱かせることができる。従って、遊技者に遊技価値の付与を期待させる変動表示のパターンを増加することができるという効果がある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成するようにしてもよい。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようにされている。開閉軸線は遊技球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を遊技球発射ハンドル18側に設けると、内枠12と共に開放される遊技球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少してしまうからである。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されており、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セット14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにして、不正行為を抑制することができる。
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられている。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉状態を検出するためのスイッチである。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉状態を検出する。また、内枠12の左上部(図2参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配線するための孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コードが、角部で損傷しないようにされている。なお、図4に示す通り、遊技盤30の左上部にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示した正面図である。図3では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図3に示すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16から排出された遊技球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿ユニット13は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、スピーカからの音を出力するための多数のスピーカ孔24が穿設されている。
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿15の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15の右方には、遊技球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように、下皿15の一側に遊技球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
一方、図1に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施の形態の前面枠セット14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかについては後述する。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベース20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
次に、図4を参照して遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動口33、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、始動口33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチから所定の出力がなされると、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、始動口33への遊技球の入賞をトリガとして特別図柄等を変動表示する図柄表示装置としての図柄表示装置42が設けられている。また、遊技盤30には、普通図柄表示装置としての普通図柄用の表示部と保留ランプとを有し(図示せず)、遊技球が遊技領域内に予め定めたゲート(門)を通過する毎に普通図柄が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。普通図柄の変動表示は、複数のランプの点灯を切り換えることにより行うようにしても良く、図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部を使用して行うようにしても良い。
図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述する表示制御装置45によって表示内容が制御される。図柄表示装置42には、その表示画面の中央部に横長の矩形状に形成された装飾図柄表示領域42aに、左、左中、中、右中および右の5つの図柄列(装飾図柄の図柄列)Z1〜Z5が縦方向に3つずつ連なって表示される(図24参照)。図柄表示装置42の画面下側端部には、横長楕円形状に形成された3つの特別図柄表示領域42bが設けられ、「2」から「7」の数字で形成される6種類の特別図柄がその表示領域に表示される。特別図柄および装飾図柄を構成する各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット35には、この図柄表示装置42を囲むようにして、センターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、その中央部に横長矩形状に形成された大入賞口を備えている。大入賞口は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。詳しくは、始動口33に遊技球が入賞すると、図柄表示装置42で図柄(特別図柄及び装飾図柄)が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。特別遊技状態が発生すると、可変入賞装置32の大入賞口が、遊技球が入賞しやすい状態、即ち所定の開状態となるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される(開状態となる)。
遊技球が始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。この保留ランプ46は、最大保留数分の4つ設けられ、図柄表示装置42の上方にバランス良く配設されている。なお、保留ランプ46を削除して、その点灯を、図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により、遊技球を遊技領域へ案内する球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。更に、本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)へ導くためのものである。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤30自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するように本実施の形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施の形態では、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成したため、レールを遊技盤に直接打ち込むことができないので、レールユニット50をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤30に締結している。かかる構成を採用した本実施の形態によれば、廃棄時にレールユニット50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニット50を容易にリサイクルすることができる。なお、遊技球の発射を安定して行わせるために、遊技球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニット50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、遊技領域が左右方向に拡張されているので、風車、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができる。また、遊技領域が上下方向にも拡張されているので、更に風車、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができる。
図3に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の下方)には、遊技球発射装置より発射された直後の遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くすると共に発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レール61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15へ排出される。本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファール球と次に発射される遊技球との干渉を抑制することができる。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなる。
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
図3における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図5に図示する通り支持金具151の下端部は細く形成されているので、支持金具151を支持孔83から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことによって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる。
次に、図1及び図5を参照して、前面枠セット14について説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行って、大当たり中であることを報知する。更に、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されている。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、スキャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされているのである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ張らないようにして、球貸機を配設することができる。
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
図5に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図5の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134が前面枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131〜134が環状にループ接続されていると、遊技球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施の形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134の環状接続を回避しているので、かかるノイズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131〜134の一部に樹脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設けたり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
図5の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないように機能している。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着される。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、図6から図11を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。図8は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式図であり、図9は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図8の概略図に示すように、各ユニット201〜203が上下に並んで配置され、取り付けられている。なお、図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9〜図11を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図9は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
遊技盤30の中央には、可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、始動口33(それぞれ図4参照)の遊技盤30開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10の外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、普通図柄の変動契機を検出するゲートに対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、更にこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、更にこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置261に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において、パチンコ機10の裏面左下方部には打球槌等を備えるセットハンドル228が配設され、その左横には発射モータ229が配設されている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、図11に示すように遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の背面右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ(図9参照)、同左上部には係止爪片233が設けられている。
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、図9に示すように、内枠12の背面右端部には、図12に示す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、内枠12には、図9に示すように、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。また、裏パックユニット203用の取付機構として回動式の3つの固定具241,242,243が内枠12に設けられており、それら固定具241,242,243と遊技盤30との間に裏パックユニット203は挟み込んで支持される。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。即ち、図10に示す遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に穿設されたスピーカ孔24の背後を囲む樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられ、そのスピーカボックス246内にスピーカが設置されている。このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、図13〜図16を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図であり、図14は同ユニット201の斜視図であり、図15は同ユニット201の分解斜視図であり、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、遊技の主たる制御を司る1チップマイコンとしてのMPU501(図23参照)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司る1チップマイコンとしてのMPUや、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力される。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図11等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図11等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図11等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、図17〜図19を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図であり、図18は同ユニット202の斜視図であり、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなす1チップマイコンとしてのMPU、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、図20及び図21を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、図20はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203の背面図を示しており、図21はその分解斜視図を示している。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図21に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ容易に取り付けることができる。
ここで、図22を参照してタンクレール356の構成について詳述する。図22は、タンクレール356の分解斜視図である。タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図20及び図21に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387の部分にナイラッチを使用しないのは、図20における係止孔387の左隣に遊技球を貯留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具242の固定時には、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
次に、図23を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図33参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図26参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置45は、図柄表示装置42における特別図柄等の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置261の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、MPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のMPU521は、主制御装置261から送信される図柄表示用のコマンドに基づいて図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて(図35参照)表示装置42に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
ここで、図24を参照して、図柄表示装置42の表示内容について説明する。図24は、図柄表示装置42の表示内容を示す図である。なお、図24(b)〜図24(d)においては装飾図柄表示領域42aに表示される有効ラインLA1〜LA5,LB1〜LB5,LC1〜LC5(以下、「有効ラインLA1〜LC5」と略す。」を二点鎖線で示しているが、この有効ラインL1〜L5は図柄表示装置に表示されるものではなく、理解の容易のために示した仮想的な線である。
図柄表示装置42には、表示画面の下側端部に特別図柄が表示される特別図柄表示領域42bが設けられ、表示画面の中央部には、基本的には上から下にスクロールする装飾図柄が表示される装飾図柄表示領域42aが設けられる。特別図柄表示領域42bには左・中・右の3つの図柄列が表示され、装飾図柄表示領域42aには左・左中・中・右中・右に区分けされた5つの表示領域に5つの図柄列Z1〜Z5が表示される。ここでは、特別図柄表示領域42bに表示される特別図柄を主として説明し、装飾図柄の表示内容等については図34以降を参照して後述する。
特別図柄表示領域42bには、「2」から「7」の6種類の特別図柄が表示されるものであり、左・中・右の3つにそれぞれ区分けされた横長楕円形状の各表示領域にて、「2」、「3」、「4」…「7」、「2」の順に繰り返して表示される図柄列を構成する。この特別図柄の変動表示は始動口33(図4参照)への入賞に基づいて開始され、一定時間後に3つの特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止時に「2」から「7」のうちいずれかの図柄が3つ揃って停止すると大当たりとなり、その後に大当たり動画が表示される。一方、変動表示の停止時に特別図柄が3つ揃っていなければ外れとなり、始動口33への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や図柄表示装置42の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCSと、特別図柄表示領域42bの左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味しており、例えば、特別図柄および装飾図柄の変動時間と、特定の図柄を伴わせるか否かを含む変動の態様とを定めるものが例示される。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、MPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、始動口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜676)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄(本実施形態においては「○」)の組合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、図柄表示装置42の特別図柄表示領域42bにおける変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、特別図柄が6種類設定されているので、6個(0〜5)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜5の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり5)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。なお、本実施形態においては、大当たりの際に表示される特別図柄と装飾図柄とは、同一数字の図柄が設定されるが、必ずしも同一とする必要はない。また本実施形態においては、大当たりの際に表示される図柄が奇数の時には、次の大当たりが発生するまで確変となり、偶数の時には次の大当たりが発生するまで確変でない通常状態となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜11の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり11)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後に最終停止図柄が大当たりとならずに停止する「外れリーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0は外れリーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=1〜11は完全外れに該当する。
ここで、リーチとは、図柄表示装置42の表示画面に表示される特別図柄(又は装飾図柄)が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組合せが同一図柄(複数の有効ラインLA1〜LC5がある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の一種である。興趣演出とは、変動表示の途中で図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、リーチの抽選は、図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
変動種別カウンタは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。この変動種別カウンタCSによって、ショートリーチ(変動開始から変動停止までの変動時間が15秒から16秒)、ミドルリーチ(変動時間が20秒から22秒)、又は、ロングリーチ(変動時間が30秒から32秒)にするか等、特別図柄のリーチ種別が決定される。変動種別カウンタCSの値を構成する「0〜198」のそれぞれに対応していずれのリーチとするかは、大当たり時と外れリーチ時とに対して別々の比率で予め割り当てられる。主制御装置261のROM502には、変動種別カウンタCSの値と各リーチ種別(または各変動時間)毎に対応したコマンドとが予め対応付けて記憶されている。ここで、変動種別カウンタCSを必ずしも1つだけ設けてリーチ種別を決定する必要はなく、2以上の変動種別カウンタを使用してリーチ種別を決定しても良い。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置42による特別図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
左・中・右の図柄列毎に使用される第1〜第3外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左図柄列、中図柄列、右図柄列の外れ停止図柄を決定するためのものである。各図柄列には「2」から「7」の数字で形成される6種類の特別図柄の何れかが表示されることから、各図柄列にそれぞれ対応した6個(0〜5)のカウンタ値が用意されている。カウンタ値が0に対しては「2」の特別図柄が対応し、カウンタ値が1に対しては「3」、カウンタ値が2に対しては「4」というように1つのカウンタ値に対してそれぞれの特別図柄が対応している。第1外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の図柄が決定され、第2外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の図柄が決定され、第3外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の図柄が決定される。
本実施の形態では、MPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位2ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に「6」が減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが、RAM503の外れリーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、特別図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて外れリーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSの大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次に、図26から図33のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図31は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,5,11)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。その後は、始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。
図32のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する(S701)。遊技球が始動口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、始動口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、始動口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
なお、遊技球が始動口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い図柄表示装置42の特別図柄表示領域42b(図24参照)にて、特別図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後に特別図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する特別図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
図33は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図33のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のNMI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図33のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
図26は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図27のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、図柄表示装置42による特別図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、特別図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定コマンドが送信されるようになっている。
次に、変動種別カウンタCSの各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
ここで、図28を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列に対応する第1外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S301:Yes)、第1外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図柄列の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列に対応する第2外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、第2外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S302:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列に対応する第3外れ図柄カウンタCRを更新する(S305)。
上記S303〜S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位2ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に3を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組合せであれば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組合せでなければ(S306:No)、リーチ図柄の組合せになっているか否かを判別し(S307)、リーチ図柄の組合せであれば(S307:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM503の外れリーチ図柄バッファに格納する(S308)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組合せでもなければ(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せは外れリーチ以外の外れ図柄(完全外れ)の組合せになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する(S309)。
外れ図柄カウンタCL,CM,CR更新処理(S203)の終了後は、図27の通常処理へ戻って、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、図柄表示装置42による特別図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する(S205)。この特別図柄変動処理により、大当たり判定や特別図柄の変動パターンの設定などが行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は図29を参照して後述する。
特別図柄変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S206)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S207)、既に所定時間が経過していれば(S207:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S207:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(S208,S209)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S208)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次に、変動種別カウンタCSの更新を実行する(S209)。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
次に、図29及び図30のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S205)を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、図柄表示装置42による特別図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、特別図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、特別図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図30を参照して後述する。
S402の処理において、特別図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。特別図柄の変動時間はその特別図柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S408の処理の実行をスキップする(S407:No)。一方、特別図柄の変動時間が経過すれば(S407:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定して(S408)、本処理を終了する。
次に、図30のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。テーブルには、大当たり図柄カウンタC2の数値「0」に対して「○」の特別図柄の表示を示す停止図柄コマンドが割り当てられ、「1」に対しては「△」を示すコマンドが、「2」に対しては「☆」を示すコマンドがそれぞれ割り当てられる。また、大当たり図柄のうち、「○」の特定図柄(確変図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、他の特定図柄(非確変図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、大当たり図柄で停止するまでの特別図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を確認し、その値に基づいてショートリーチ、ミドルリーチ、ロングリーチ等のリーチ種別と変動時間とを決定する。なお、変動種別カウンタCSの数値とリーチパターンとの関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生(外れリーチの発生)か否かを判別する(S504)。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜11の何れかであり、そのうち「0」が外れリーチ発生に該当し、「1〜11」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
外れリーチ発生の場合(S504:Yes)、RAM503のリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S505)。また、外れリーチを表示するための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S506)。このとき、S503の処理と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を確認し、その値に基づいてショートリーチ、ミドルリーチ、ロングリーチ等のリーチ種別と変動時間とを決定する。
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S507)。また、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S511)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
なお、完全外れの変動パターンは、変動開始時における作動保留球数Nの値に応じて定めても良く、例えば、作動保留球数Nが3以上のときに開始される完全外れの変動時間は、作動保留球数Nが3未満で開始される完全外れの変動時間より短くするようにしても良い。速やかに待機中の変動表示を消化して無駄な始動入賞を抑制しつつ、且つ、変動表示が途絶え難くなり、変動停止の状態が継続して遊技者の遊技意欲が減衰することを防止することができる。
次に、図24および図34から図41を参照して図柄表示装置42に表示される特別図柄と装飾図柄とについて表示制御装置45の制御と共に説明する。
図24に示すように、図柄表示装置42には、その中央部に5つの図柄列(装飾図柄の図柄列)Z1〜Z5が表示される装飾図柄表示領域42aと、その画面下側端部に「2」から「7」の数字で形成される6種類の特別図柄が表示される特別図柄表示領域42bとが設けられる。
特別図柄表示領域42bには、始動口33への入賞時に取得された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりであるときに3つ揃った図柄が停止して遊技者に大当たりの発生が示される。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄と装飾図柄との2種類が設けられている。特別図柄は、図柄の種類を少なくして主制御装置261と表示制御装置45とのコマンドの種類を低減するために設けられたものである。一方、装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。これら2種類の図柄を併用することにより、パチンコ機10に多彩な演出を備えつつ、主制御装置261から表示制御装置45へ送信するコマンドの種類を低減して主制御装置261の制御プログラムを簡略化したり、主制御装置261のROM502,RAM503等の記憶装置の使用領域を少なくすることができる。
ここで、主制御装置261は、大当たりの発生を抽選したり、大入賞口の開閉の制御をするもので、特に信頼性が要求される装置であるので、遊技機の開発時には厳重に検査を行う必要がある。かかる主制御装置261の制御内容が多くなると、検査に要する項目が増大して開発期間が長引いたり、その分開発コストが増大する。これに対し、表示制御装置45の制御により図柄表示装置42に特別図柄以外に装飾図柄を表示することにより、主制御装置261の制御プログラムを簡略化し、記憶装置の使用領域を少なくすることができる。よって、主制御装置261の検査項目を少なくして短期間で信頼性の高い主制御装置261を開発することができると共に、多彩な表示演出を備えた遊技機を開発するに際して開発期間の短縮やコスト低減を実現することができる。
なお、必ずしも特別図柄と装飾図柄とを別々に設けて図柄表示装置42の表示制御を行わせる必要はなく、特別図柄に代えて装飾図柄の表示内容を主制御装置261の制御で直接決定するようにしても良い。また、表示制御装置45に対し、装飾図柄を特別図柄と同時に変動を開始し、または変動を停止するように制御を行わせる必要はない。特別図柄の変動表示と装飾図柄の変動表示とが同期して行われる、即ち、各図柄の変動表示が共に始動入賞に基づいて同一回数分行われるものであれば、装飾図柄と特別図柄の変動開始または変動停止の少なくとも一方のタイミングが一致しないように表示制御装置45に表示制御を行わせても良い。例えば、特別図柄の変動に遅れて、装飾図柄の変動を開始させたり、特別図柄の変動より先に装飾図柄の変動を停止させるようにしても良い。
次に装飾図柄表示領域42aに表示される装飾図柄について説明する。図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42aには、図24に示すように、左・左中・中・右中・右の5つの図柄列Z1〜Z5が表示される。装飾図柄は、例えば丸付きの「2」〜「7」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい黒塗りの菱形と白抜きの菱形とからなる副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。なお、必ずしも副図柄を図柄列の一部に設ける必要はなく、主図柄のみを並べて図柄列を形成しても良い。
図34は、装飾図柄の図柄列Z1〜Z5を展開してその配列を示した図である。装飾図柄の図柄列Z1〜Z5のうち左側2列および右側2列の図柄列Z1,Z2,Z4,Z5は、縦に12個の図柄を連ねて形成される。また、中央の図柄列Z3は、縦に18個の図柄を連ねて形成される。各図柄列は、通常時には、特別図柄の変動開始と同時に周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示され、特別図柄が停止する前にすべての図柄列の変動が停止する。
左側2列の図柄列Z1,Z2は、「2」から「7」の合計6個の主図柄を下方へ向けて昇順に配置すると共に各主図柄の間に1つずつ計6個の副図柄を配置して(図柄表示装置42の表示画面上に仮想的に)形成される。黒塗りと白抜きとの2種類の副図柄は、各主図柄の間に1つずつ交互に配置される。
右側2列の図柄列Z4,Z5は、「2」から「7」の合計6個の主図柄を下方へ向けて降順に配置すると共に各主図柄の間に1つずつ計6個の副図柄を配置して(図柄表示装置42の表示画面上に仮想的に)形成される。黒塗りと白抜きとの2種類の副図柄は、左側2列の図柄列と同様に、各主図柄の間に1つずつ交互に配置される。
中央の図柄列Z3は、「2」から「7」の合計6個の主図柄を下方へ向けて降順に配置すると共に各主図柄の間に2つずつ計12個の副図柄を配置して形成される。
各図柄列Z1〜Z5は、通常時には全て上から下へスクロールして変動表示が行われるものであり、左側2列の図柄列Z1,Z2においては上方へ向けて数字が降順に配置されているため主図柄の数字が降順に現れ、右側3列の図柄列Z3〜Z5においては上方へ向けて数字が昇順に配置されているため主図柄の数字が昇順に現れる。
また、装飾図柄は、図24(a)に示すように、図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42aにおいて、左・左中・中・右中・右の各図柄列毎に上・中・下の3段に表示される。大物口33への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、主制御装置261により選定された変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、図柄表示装置42には縦3段×横5列の15個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、15個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄(丸付きの数字の図柄)が3つ以上揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、15個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ以上揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
具体的には、図24(b)から図24(d)に示すように、装飾図柄表示領域42aを、左側3列の図柄列Z1〜Z3を表示する図柄表示領域42a1〜42a3と、中央3列の図柄列Z2〜Z4を表示する図柄表示領域42a2〜42a4と、右側3列の図柄列Z3〜Z5を表示する図柄表示領域42a3〜42a5との3つの領域に大別し、その3つの領域の各々において表示される9個の装飾図柄が上中下段の3つの水平ラインと斜め2ラインの計5ラインを有効ラインLA1〜LC5とする。左側3列の図柄列Z1〜Z3を表示する図柄表示領域42a1〜42a3で5つの有効ラインLA1〜LA5を設定し、中央3列の図柄列Z2〜Z4を表示する図柄表示領域42a2〜42a4にも5つの有効ラインLB1〜LB5を、右側3列の図柄列Z3〜Z5を表示する図柄表示領域42a3〜42a5にも5つの有効ラインLC1〜LC5を設定するのである。これにより、合計15カ所に有効ラインLA1〜LC5を設定したことになり、いずれか1つまたは2つ以上の有効ライン上に水平あるいは斜めに同一の主図柄が3つ以上揃って停止する。
なお、必ずしも横方向に沿って5列の図柄列を縦方向にスクロールするようにする必要は無い。縦5列に図柄列を並べて横方向にスクロールするように配置し、大当たり抽選に当選した場合、これら15個の装飾図柄のうち縦あるいは斜めに同一の主図柄が3つ以上揃って停止するように表示制御装置45により制御を行うようにしても良い。また、必ずしも図柄列は5列とする必要はなく、2列から4列のいずれかとしたり、或いは6列以上としても良い。この場合には、大当たり抽選に当選した場合に同一の主図柄を揃えて停止する数は、図柄列の数より少ない2以上の数に設定し、両端以外の表示領域に停止する図柄列に設けられる主図柄が、異なる2以上の図柄列の組合せに跨って大当たり抽選の当選を示す図柄を表示させることが好ましい。
また、各図柄列に対して各3つの図柄が有効ライン上に停止するように表示制御する必要はなく、1の図柄列に対して有効ライン上に停止する図柄の数は、1又は2以上のいずれの数であっても良い。また、必ずしも変動表示の表示結果は、図柄を完全に停止して表示する必要はなく、縦3段×横5列の計15箇所に装飾図柄が停留して表示されつつ、各領域内で僅かに移動または揺動したり、色が次第に変化するように表示されるものであっても良い。図柄が停留して表示されるとは、図柄が完全に停止して表示されることはもちろん、各図柄が完全には停止していないものの表示領域に図柄の組合せを形成しつつ停留して表示されることを含む。また、必ずしも同一の主図柄の組合せを大当たり図柄の組合せとする必要はなく、麻雀を題材にしたパチンコ機において「大、三、元」の3つの図柄を大当たり図柄の組合せとするなど、予め定めた別々の図柄の組合せと大当たり図柄の組合せとしても良い。
また、有効ラインは、必ずしも縦方向と斜め方向とするなど一直線で形成する必要はなく、3つの図柄列で形成される表示領域における5つの有効ラインに加えて、その3つのうち左右の図柄列における上段と中央の図柄列における中段とにより形成される逆への字の有効ラインと、左右の図柄列における下段と、中図柄列の中段とにより形成されるへの字の有効ラインとを上記実施形態における有効ラインに代えて、又は加えて設定しても良い。
次に、図35から図37を参照して図柄表示装置42に表示される装飾図柄の変動パターンについて説明する。まず、図35を参照して装飾図柄の変動パターンとして、図柄の停止順序で区分した場合の各パターンについて説明する。図35は、本実施形態のパチンコ機10における装飾図柄による変動表示の停止パターンを例示した図である。
パチンコ機10には、装飾図柄の停止パターンとして3種類の停止パターンが設定されており、以下に順に説明する。第1の停止パターンとして通常停止の停止パターン(以下、「通常停止変動」と略す。)がある。通常停止変動による変動表示が行われる場合には、変動表示が開始された後、最初に一番左側の左図柄列Z1が停止し、その後、一番右側の右図柄列Z5、左から2番目の左中図柄列Z2、右から2番目の右中図柄列Z4が順に停止し、最後に中央の中図柄列Z3の変動が停止する。この通常停止変動の実行は、主制御装置261の変動種別カウンタCSにより行われる変動パターンの選定により決定されるものであり、大当たり抽選に外れた変動表示の90%以上に対して通常停止変動が設定される。
パチンコ機10には、合計15本の有効ラインLA1〜LC5(図24参照)が大当たりの当選を示す図柄の組合せを表示する領域として設定されており、中図柄列Z3は全有効ラインLA1〜LC5に対して一部を構成する図柄列である。この中図柄列Z3が最終的に停止する通常停止変動によると、中図柄列Z3のみが変動している状態においては全有効ラインLA1〜LC5のいずれかに対して同一の主図柄が並んで停止した場合にリーチとなる。例えば、変動開始後に左右両側の図柄列Z1,Z5の変動が停止した後、左中図柄列Z2が停止して「7」の図柄が中段に2つ揃ってリーチとなり、次に、右中図柄列Z4が停止して「3」の図柄が斜めに2つ揃ってリーチとなる。リーチとなるタイミングが、2回に分けて遊技者に付与され、最後の中図柄列Z3が停止して始めて各リーチに対する表示結果が表示されるので、変動表示中において注目するタイミングを増加して変動表示の面白みを増大することができる。また、中図柄列Z3のみが変動している状態においては全有効ラインLA1〜LC5のいずれかに対して同一の主図柄が並んで停止した場合にリーチとなり、その状態は全図柄列が停止するまで継続するので、大当たりに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
更に、中図柄列Z3は、図34に示すように、各主図柄列の間に副図柄列が2つずつ挟まって配置されているので、中図柄列Z3として停止表示される主図柄は必ず1つとなる。よって、大当たり図柄カウンタC2により抽選された大当たり図柄と同一の図柄で装飾図柄の変動表示の表示結果を表示することができる。
なお、通常停止変動として必ずしも左右両側の図柄列Z1,Z5を順に停止させる必要はなく、これら図柄列Z1,Z5が同時に停止するようにしても良い。左右両側の図柄列Z1,Z5は、別々の有効ラインに対して配置されるものであるため、これら図柄列Z1,Z5を同時に停止してもリーチとなったり、リーチとならなかったりするものではなく、遊技者にとってあまり注目されないタイミングだからあり、同時に停止することにより変動表示がテンポ良く進行させることができる。これに対し、中央よりの左中図柄列Z2と、右中図柄列Z3とは、同時に停止しても良いが、別々に停止することが好ましい。各図柄列の停止により、リーチとなるかならないかの遊技を遊技者に提供することができ、大当たりへのわくわく感を提供するタイミングを増やすことができる。
第2の停止パターンとして順停止パターン(以下、「順停止変動」と略す。)がある。順停止変動による変動表示が行われる場合には、変動表示が開始された後、最初に一番左側の左図柄列Z1が停止し、その後、左中図柄列Z2、中図柄列Z3、右中図柄列Z4の順に、停止した図柄列の右隣の図柄列が順に停止する。一番右側の右図柄列Z5が最後に停止する。
図35(c)は、順停止変動において左中図柄列Z2の変動が停止し、中図柄列Z3の変動が継続している状態を示している。「7」の図柄が左図柄列Z1と左中図柄列Z2とに並んで停止してリーチとなっており、中図柄列Z3の停止時に「7」の図柄が下段に停止した場合には大当たり確定となる。右側2列の図柄列Z4,Z5の変動中に大当たりとなるので、全ての変動表示が停止する前に大当たりとなる表示結果の現出パターンとなり、大当たりへの期待を抱かせる変動パターンを増加することができる。
また、図35(c)に示すように、「7」の図柄が左図柄列Z1と左中図柄列Z2とに並んで停止してリーチとなっている場合、中図柄列Z3の停止時に「7」の図柄が中段に停止したときには大当たりとはならないものの、新たなリーチ状態が発生する。このため、遊技者は変動表示の途中で大当たりとなる可能性に加えて、大当たりとはならなくてもその後に更にリーチとなる可能性を期待させることができる。よって、1回の変動表示の途中でリーチが外れとなっても、その後のリーチの発生を経由した大当たりの発生を期待させることができ、大当たりへの期待を抱かせる変動パターンを増加することができる。
ここで、順停止変動と、通常停止変動とを比較して見ると、例えば、左図柄列Z1により5本の有効ラインLA1〜LA5にのみリーチが形成される場合においては、順停止変動においては3番目に停止する中央の図柄列が停止したタイミングで大当たりへの期待が消失し、変動表示の最後まで遊技者に変動表示に対する興味を抱かせられない。通常停止変動によれば、全有効ラインの一部を構成する図柄列を最終的に停止するので、変動表示が完全に停止するまで大当たりに対しての期待感を遊技者に抱かせることができる。
なお、必ずしも順停止変動において、5つの図柄列を左側から順に停止させる必要はなく、右側から順に停止させるように図柄表示装置42の表示を制御しても良い。
第3の停止パターンとして挟み停止パターン(以下、「挟み停止変動」と略す。)がある。挟み停止変動による変動表示が行われる場合には、変動表示が開始された後、最初に一番左側の左図柄列Z1が停止し、次に一番右側の右図柄列Z5、中図柄列Z3の順に変動が停止し、変動中の図柄列を挟んで両側の図柄列が停止した状態となる(図35(d)の状態)。その後、左中図柄列Z2、右中図柄列Z4の順に変動が停止する。
図35(d)は、挟み停止変動において左中図柄列Z2と右中図柄列Z4との変動が継続している状態を示している。「7」の図柄のリーチが、左側の3つの図柄列Z1〜Z3と、右側の3つの図柄列Z3〜Z5とのそれぞれの組合せに対して形成されており、左中図柄列Z2の停止時に「7」の図柄が中段に停止した場合には大当たり確定となる。また、左中図柄列Z2の「7」の図柄が上段に停止した場合には、大当たりとはならないものの、「7」の図柄のリーチが左右両側を除いた3列の図柄列Z2〜Z4に対して新たに形成される。よって、順停止変動と同様、遊技者は変動表示の途中で大当たりとなる可能性と、大当たりとはならなくても更にリーチが形成される可能性を期待させることができ、大当たりへの期待を抱かせる変動パターンを増加することができる。なお、挟み停止変動において左右両側の図柄列Z1,Z5は、必ずしも別々に停止する必要はなく、同時に停止しても良い。また、挟み停止変動と、順停止変動と、通常停止変動との実行比率は、外れの変動表示に対してと、大当たりの変動表示に対してとでそれぞれ異なる割合で設定されており、大当たりの変動表示に対しての方が外れの変動表示に対してより高確率で挟み停止変動及び順停止変動が実行されるように設定されている。これにより、遊技者は、通常停止変動による変動表示が行われるより、挟み停止変動または順停止変動による変動表示が行われた後に大当たりへ遷移する確率が高くなり、遊技者には、挟み停止変動または順停止変動によって大当たりとなることを強く期待させることができる。
次に、図36を主に参照して装飾図柄の変動パターンのうちリーチ後の変動パターンについて説明する。リーチ後の変動パターンを大別すると、通常パターン以外に、コマ送りパターン、逆回転パターン、拡大停止パターンの4種があり、これら各パターンの組合せにより種々のリーチ後の変動パターンが設定されている。図36は、本実施形態のパチンコ機10におけるリーチ後の変動パターンを例示した図である。
パチンコ機10には、リーチ後の変動パターンとして、リーチとなった状態で大当たりに関与する図柄列が下方に滑らかにスクロールして停止する通常パターンがある。また、リーチ後に大当たりに関与する図柄列がコマ送りでスクロールして停止するコマ送りパターンがある。通常パターンは、図36(a)に示す状態から、最後に停止する中図柄列Z3の変動が次第に低速になるものの下方に滑らかにスクロールして停止する一方、コマ送りパターンでは、中図柄列Z3の変動が低速になった後にコマ送りとなる。
具体的には、図柄表示装置45には、上段、中段、下段の各段において中図柄列Z3の各図柄が一旦下方への進行を停止し、僅かに上に戻った後に1段下側の段まで下方にスクロールする。次の段でも再び進行を停止して僅かに上に戻った後、下方にスクロールという図柄列の動作が繰り返して表示される。通常パターンとコマ送りパターンとの実行比率は、外れの変動表示に対してより、大当たりの変動表示に対して高確率でコマ送りパターンが実行される割合に設定されており、これにより、遊技者は、リーチ後にコマ送りパターンの変動表示が行われることにより大当たりとなることを強く期待することができる。
また、コマ送りパターンの変動表示が行われる場合には、リーチを構成する2つの図柄が、図36(b)に示す一番左の無背景の丸印に数字という態様から、その態様とは別のひびの入った態様(ひび入り態様)に高確率で変化する。例えば、コマ送りパターンの変動表示に対して90%の割合でひび入り態様が表示され、通常パターンの態様に対しては全くひび入り態様が表示されないようになっている。これにより、ひび入り態様となることでコマ送りパターンの発生を示唆し、前もって大当たりとなることを遊技者に強く期待させることができる。
逆回転パターンは、リーチ後に大当たりに関与する図柄列が、通常パターンとは逆に、上方にスクロールして停止するものである。リーチの発生した変動表示に対しては通常パターンの方が多く、逆回転パターンの方が少ない割合で実行される。ここで、逆回転パターンは、リーチ後の表示結果が外れとなる場合に、大当たり図柄を構成する図柄を僅かに上側にずれて停止させる場合、例えば1つ上側の段で変動を停止させる表示結果を現出するときに、実行することが好ましい。通常パターンでは変動停止のタイミング付近で大当たりの図柄の組合せが形成されない一方、逆回転パターンにすることにより一旦大当たりの図柄の組合せを遊技者に視認させた後に外れとすることができ、遊技者に対しての大当たりへの期待感と緊張感とを高めることができる。
拡大停止パターンは、リーチ後に大当たりに関与する図柄列が下方にスクロールした後に、図36(b)に示すように、リーチを構成する主図柄がひび入り態様となった後、主図柄を構成する数字が装飾図柄領域42aに拡大表示されるものである。リーチを構成する主図柄が拡大表示されることにより、主図柄の変動を遊技者に視認し易くして、大当たり図柄の組合せが形成される過程をより強烈に遊技者に印象づけることができる。この拡大停止パターンには、1の有効ラインにのみリーチが発生した場合における1リーチのパターンと、2つ以上の有効ラインにリーチが発生した場合における複数リーチのパターンとがある。
1リーチの拡大停止パターンでは、図36(c)に示すように、装飾図柄表示領域42aが左右方向に3分割されると共に、両側にリーチを構成していた主図柄が表示され、中央の図柄列のみが変動を継続した状態となる。このとき、3つの図柄列で形成される大当たり図柄の一部を構成するリーチとして中央の図柄列の変動が継続していたリーチに限らず、右側または左側の図柄列の変動が継続していたリーチであっても、拡大表示されたときには中央の図柄列が変動を継続したリーチ状態とする。これにより、より見易い位置の図柄の変動を継続状態とすることができるようになっている。中央の図柄列の停止により同一図柄が3つ揃えば大当たりとなり、一方、リーチを構成した図柄とは異なる図柄が停止すると外れとなる。変動停止後には、図36(a)の表示状態に戻る。
複数リーチの拡大停止パターンでは、図36(d)に示すように、装飾図柄表示領域42aが1リーチの場合より左右方向に数多く分割され、中央の図柄列を変動継続中にしつつ、それを挟んで両側にリーチを構成する主図柄が表示される。例えば、2つの有効ラインでリーチとなっていた場合には、中央の図柄列に加えて左右2つずつの合計5つの図柄が表示され、4つの有効ラインでリーチとなっていた場合には、中央の図柄列に加えて左右4つずつの合計9つの図柄が表示される。
2つの有効ラインでリーチとなった場合を例にとって、複数リーチによる拡大停止パターンを図36を参照して説明する。「3」と、「7」との2つの主図柄によるリーチとなっていた場合には(図36(a)の状態)、拡大停止パターンの変動表示が行われるときには、図36(d)に示すように、まず、左右両側に「3」と「7」の図柄が両側に並んで表示される。このとき、中央側の図柄(図36(d)における「3」の主図柄)は赤色に、外側の主図柄(図36(d)における「7」の主図柄)は中央側とは別の色(例えば灰色)や濃さ(例えば薄く)で表示される。中央の図柄列の図柄も中央側の「3」の主図柄と同一の態様(赤色)で表示されつつ変動表示が継続し、「3」のリーチに対して「3」の主図柄が中央で停止して大当たりとなるか否かの変動表示が行われる。この拡大停止パターン中には、中央の変動においては「2」から「7」の主図柄のみが表示され、副図柄は図柄列から外れて表示されないようになっている。「3」のリーチに対して「3」の主図柄が中央に停止すると大当たりとなって、大当たり遊技へ遷移する。
一方、「3」のリーチに対して「3」の主図柄が中央に停止せずに、他の図柄が一旦停止状態となる(図36(e)の状態)と「3」のリーチに対しては外れとなり、次に「7」のリーチに対して「7」の主図柄が中央で停止して大当たりとなるか否かの変動表示が行われる。左右両側の「3」と「7」との数字の配置が入れ替わり、「7」の主図柄が中央側に位置して赤色に表示され、「3」の主図柄が中央側とは別の色や濃さで表示される。その後は、1回目と同様に中央の図柄列の変動が停止し、大当たりか否かが表示され、更に図36(a)の表示状態に戻る。3つ以上の有効ラインに対して複数リーチとなったときには、上記したリーチ状態に対する図柄の変動停止が繰り返して行われる。なお、5列の図柄列Z1〜Z5に表示される装飾図柄のうち、リーチの状態になったものをハイライトして示したり、リーチを構成しない図柄を薄く表示したり、またはこれらを組み合わせて表示することはリーチとなった図柄を視認し易くすることができるので好ましい。
次に、図37を参照して装飾図柄の変動パターンのうち複数回の変動表示に跨って行われる連継演出の変動パターンについて説明する。パチンコ機10には、連継演出の変動パターンが2種類設定されており、副図柄停止後当たりの変動パターンと、格子図柄上昇後当たりの変動パターンとがある。図37は、本実施形態のパチンコ機10における連継演出の変動パターンを例示した図である。ここで、連継演出とは、興趣演出の一形態として設定されるものであり、遊技者の期待感を段階的に盛り上げるために、大当たりが発生する前の変動表示にリーチ表示等の特定の表示を1回または複数回にわたって現出させた後に、大当たりの表示結果を現出させるものを意味している。
副図柄停止後当たりの変動パターンは、1の変動表示において装飾図柄を構成する2種類の副図柄のうち同一種類の副図柄が水平方向に沿って5つ並んで停止した後、その次に開始される変動表示によって大当たりが発生する変動パターンである。大当たり抽選で大当たりに当選し、更に保留中で実行待機中の変動表示がある場合に、この変動パターンが選定される。主制御装置261は、変動パターンコマンドとして副図柄を同一種類で並べて表示した後に外れとするパターンに対応したものを送信し、次の変動表示に対する変動パターンコマンドとして大当たりに対応したものが送信する。
表示制御装置45の制御により、図柄表示装置42に表示される5列の図柄列Z1〜Z5には、大当たり図柄の組合せを構成する主図柄と、その組合せを構成しない副図柄とが交互に表示され、主制御装置261により大当たりの抽選結果が導出された場合に、その導出に基づいて副図柄を同一種類で並べて停止表示した後に外れとする変動表示が実行され、有効ラインとして水平に5つ並んだ領域に副図柄が同一種類で停止して表示される(図37(b)の状態)。この副図柄が同一種類で5つ並ぶと、副図柄が並んで停止した領域に重なって左から右に黄色の光が線となって流れていく特別の表示が示され、遊技者に副図柄が5つ並んで停止することにより、通常とは異なる状態であることを示唆する。この通常とは異なる状態であることは必ずしも表示のみで遊技者に示す必要はなく、その特別の表示に代えて、または、その特別の表示に加えて、特別の効果音(例えば、「ビカビカ」という効果音)をスピーカから出力するようにしても良い。
その停止表示後には、保留中の変動表示が開始されるが、この変動表示中には、通常とは異なる態様を伴って変動表示が行われ、本実施形態においては通常時には青色の背景で行われる変動表示が赤色の背景で行われる(例えば、図37(d)の状態)。これにより、通常とは異なる状態であることを遊技者に更にわかりやすく示唆し、大当たりに対しての期待感を増幅する。その後に、主図柄が大当たり図柄の組合せで停止し、大当たり遊技へと遷移して、遊技者に所定の遊技価値として多数の賞球が払い出される。
遊技者には、主図柄が大当たり図柄の組合せとなることが、同一種類の副図柄の組合せの停止で示され、更にその後の変動表示に特別の態様を伴わせることで通常とは異なる特別の変動表示の実行が示される。このため、遊技者は、変動表示の途中で主図柄がリーチとなっていなくても、同一種類の副図柄が5つ揃って停止することに期待を抱かせて、遊技価値の付与を期待させることができる。また、副図柄停止後当たりの変動パターンに加えて、同一種類の副図柄が5つ揃って停止した後に外れとなるパターンを設けても良く、また、副図柄停止後当たりの変動パターンにおいては、上記した順停止変動や挟み停止変動の実行割合を高めて変動パターンを選定するようにしても良い。
格子図柄上昇後当たりの変動パターンは、1の変動表示において変動表示の途中で各図柄列Z1〜Z5を区分けしている格子状の図柄が途中まで上昇してから外れの表示結果が表示された後、その次に開始される変動表示によって大当たりが発生する変動パターンである。副図柄停止後当たりの変動パターンに対して、副図柄を同一種類で並べて表示した後に外れとする変動表示に代えて、変動表示後に格子状の図柄を途中まで上昇させてから外れの表示結果を出す変動表示が実行される以外は同様のものであり、その効果も同様である。
ここで、各変動パターンについて説明したが、上記した各変動パターンを複数組み合わせたり、公知の変動パターンを組み合わせたパチンコ機とすることができることはいうまでもない。また、上記形態に何ら限定されるものではなく、上記した図柄の種類や、態様、図柄の並び順などが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
次に、図38から図41を参照して装飾図柄表示領域42aに停止表示される図柄制御の内容について説明する。表示制御装置45のMPU520は、主制御装置261から送信されるコマンドに基づいて装飾図柄の表示内容を選定する。図38は、表示制御装置45のRAM523に設けられ、装飾図柄表示領域42aに表示する装飾図柄の選定に使用する各種カウンタの概要を模式的に示した図である。
第1〜第5装飾図柄カウンタS1〜S5は、各図柄列に表示する装飾図柄を決定するためのものである。図34に示す各図柄列Z1〜Z5の変動停止時には、コマ数分の装飾図柄の何れかが表示されることから、左図柄列Z1,左中図柄列Z2,右中図柄列Z4,右図柄列Z5については各12個(0〜11)、中図柄列については18個(0〜17)のカウンタ値がそれぞれ用意されている。第1装飾図柄カウンタS1により左図柄列Z1の停止図柄が決定され、第2装飾図柄カウンタS2により左中図柄列Z2の停止図柄が、第3装飾図柄カウンタS3により中図柄列Z3の停止図柄が、第4装飾図柄カウンタS4により右中図柄列Z4の停止図柄が、第5装飾図柄カウンタS5により右図柄列Z5の停止図柄がそれぞれ決定される。
なお、本実施の形態におけるパチンコ機10においては、各装飾図柄カウンタの値が「0」である場合に図34における一番上段に位置する装飾図柄が装飾図柄表示領域42aの各図柄列における上段に停止図柄として停止する。同様に、装飾図柄カウンタの値が「1」であれば図34における2段目の図柄が、装飾図柄カウンタの値が「3」であれば4段目の図柄が、・・・装飾図柄カウンタの値が「17」であれば18段目の図柄がそれぞれ装飾図柄表示領域42aの上段に停止するように、表示制御装置45により表示制御が行われる。
また、本実施の形態では、MPU521に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタS1〜S5の値をランダムに更新する。即ち、各装飾図柄カウンタS1〜S5の更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビット(即ち「0〜7」)の値が加算され、その加算結果が最大値(第1,第2,第4,第5装飾図柄カウンタS1,S2,S4,S5においては「11」、第3装飾図柄カウンタS3においては「17」)を超えた場合に各最大値分減算されて今回値が決定される。各装飾図柄カウンタS1〜S5は更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら装飾図柄カウンタS1〜S5の組合せが、RAM523の大当たり図柄バッファ、リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、特別図柄の変動開始を示す変動パターンコマンドを受信した際に、コマンドの内容に応じて大当たり図柄バッファ、リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
次に、図39から図41を参照して、表示制御装置45のMPU521により実行される各処理について説明する。図39は、表示制御装置45のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
表示制御装置45のメイン処理は、まず電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S811)、RAMやI/O等の各値の初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う。その後、S812からS815の処理を4ms毎に繰り返し実行して、図柄表示装置42の表示内容を制御する。
まず、各表示装置41,42の表示内容にあわせた音声を出力するために音声ランプ制御装置262へ音声出力のコマンドを送信する外部出力処理を行い(S812)、その後に上述した装飾図柄カウンタS1〜S5の更新を行う(S813)。
ここで、図40を参照して、装飾図柄カウンタ更新処理(S813)を説明する。図40は、図39のメイン処理の中で実行される装飾図柄カウンタ更新処理(S813)を示したフローチャートである。
まず、いずれの図柄列の装飾図柄カウンタの更新時期かを判別し、その更新時期に合わせて更新時期となった図柄列の装飾図柄カウンタを更新するカウンタ更新処理(S821)を行う。具体的には、左図柄列Z1の装飾図柄カウンタS1の更新時期か否かを判別し、更新時期であれば左図柄列Z1の装飾図柄カウンタS1を更新する。一方、左図柄列Z1の更新時期でなければ、左中図柄列Z2の装飾図柄カウンタS2の更新時期か否かを判別し、更新時期であれば左中図柄列Z2の装飾図柄カウンタS2を更新する。同様に中図柄列Z3、右中図柄列Z4、右図柄列Z5の更新時期か否かを判別し、更新時期となったいずれか1つの図柄列に対する装飾図柄カウンタの更新をしてカウンタ更新処理(S821)を終了する。
上記S821の処理における装飾図柄カウンタS1〜S5の更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に最大値分を減算し、その演算結果を装飾図柄カウンタS1〜S5の今回値とする。上記S1〜S5の更新処理によれば、左図柄列Z1、左中図柄列Z2、中図柄列Z3、右中図柄列Z4、及び、右図柄列Z5の各装飾図柄カウンタS1〜S5が1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより通常処理を5回実行する毎に装飾図柄カウンタS1〜S5の1セット分が更新される。
その後、上記更新した装飾図柄カウンタS1〜S5の組合せが大当たり図柄の組合せになっているか否かを判別し(S826)、大当たり図柄の組合せであれば(S826:Yes)、そのときの装飾図柄カウンタS1〜S5の組合せをRAM523の大当たり図柄バッファに格納し(S828)、本処理を終了する。大当たり図柄の組合せの判別としては、5列の図柄列に設定される15個の有効ラインLA1〜LC3(図24参照)のいずれかに大当たり図柄の組合せが形成されるカウンタ値の組合せをすべて予め表示制御装置45のROM522に記憶させておき、その値と比較することにより行われる。
S826の処理において大当たり図柄の組合せでなければ(S826:No)、リーチ図柄の組合せになっているか否かを判別し(S827)、リーチ図柄の組合せであれば(S827:Yes)、その時の装飾図柄カウンタS1〜S5の組合せをRAM523のリーチ図柄バッファに格納する(S829)。装飾図柄カウンタS1〜S5の組合せが大当たり図柄の組合せでなく(S826:No)、且つリーチ図柄の組合せでもなければ(S827:No)、装飾図柄カウンタS1〜S5の組合せは完全外れの組合せ(リーチなし)になっているので、かかる場合には、その装飾図柄カウンタS1〜S5の組合せをRAM523の完全外れ図柄バッファに格納する(S830)。ここで、リーチ図柄の組合せと完全外れの組合せとは、上記した通常停止変動、順停止変動および挟み停止変動の各変動パターンによりそれぞれ異なる場合があるが、各変動パターン毎に対応する図柄バッファをそれぞれ設けて、各変動パターンに対応する図柄の組合せを記憶させれば良い。
装飾図柄カウンタS1〜S5更新処理(S813)の終了後は、図39のメイン処理へ戻って図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42a(図24参照)における装飾図柄の変動表示を進行させる装飾図柄表示処理を行う(S814)。その後には、特別図柄表示領域42b(図24参照)における特別図柄の変動表示を進行させる特別図柄表示処理を行う(S815)。S814及びS815による表示制御は、主制御装置261より受信したコマンドに基づいて設定される図38に示す演出実行エリアの内容に従って行われる。
次に、前回のS812の処理の開始からの経過時間を確認する(S816)。S816の処理においてその経過時間が4ms未満であれば(S816:No)、4msが経過するまでS816の処理を繰り返す。S816の処理において4msが経過したことが確認されると(S816:Yes)、処理をS812へ移行し、その後の処理を実行する。
S816の処理にてS812の処理からの経過時間に基づいて処理を進行させることにより、S812からS815の処理を4ms毎に行うことができ、4ms毎に装飾図柄カウンタS1〜S5の更新を行うことができる。なお、必ずしも装飾図柄の組合せを決定するためのカウンタを図柄列の数分設ける必要はなく、中央の3つの図柄列分だけカウンタを設け、その他は予め定めた組合せに従って固定的に表示しても良い。また、リーチとなる変動パターンを予め複数設定したテーブルを表示制御装置45に記憶し、そのテーブルから変動パターンを導出するようにしても良い。
次に、図41を参照して、表示制御装置45により行われるコマンド受信処理について説明する。図41は、表示制御装置45のコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、表示制御装置45において主制御装置261からコマンドを受信した場合に実行される割込処理であり、この処理によって主制御装置261から送信されたコマンドに予め対応付けされた処理が表示制御装置45で行われる。
コマンド受信処理では、受信したコマンドを確認し(S841)、そのコマンドが変動パターンコマンドであれば(S841:変動パターンコマンド)、変動パターンコマンドを演出実行エリア521aに書き込む(S842)。この変動パターンコマンドに対応して特別図柄および装飾図柄における変動時間とリーチの有無などの変動パターンが予め定められており、主制御装置261のMPU502で行われた各種の抽選に対応した変動表示が図柄表示装置42にて行われる。
次に、受信した変動パターンコマンドの内容を確認し(S843)、大当たりの変動パターンコマンドであれば(S843:大当たり)、大当たり図柄カウンタバッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として書き込んで格納する(S844)。S843の処理において受信したコマンドがリーチのものであれば(S843:リーチ)、変動パターンに対応したリーチ図柄バッファの値を演出実行エリアに書き込む(S845)。受信したコマンドが完全外れのものであれば(S843:完全外れ)、変動パターンに対応した完全外れ図柄バッファの値を演出実行エリアに書き込む(S846)。S844からS846の処理によって変動パターンコマンドに応じた図柄バッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として設定することで、特別図柄と装飾図柄とが共に大当たり、リーチまたは完全外れのいずれかで停止させることができる。
その後、音声ランプ制御装置262へ保留ランプ46を1つ消灯させるランプ消灯コマンドを送信する(S847)。このS847の処理においては、RAM523に設けられたコマンド送信用のエリア(送信バッファ)にランプ消灯コマンドが一旦書き込まれ、前述した外部出力処理(S812)によってランプ消灯コマンドは送信される。S847の処理後、図柄表示装置42によって特別図柄と装飾図柄との変動表示を開始させ(S848)、コマンド受信処理を終了する。
S841の処理において受信したコマンドが停止図柄コマンドであれば(S841:停止図柄コマンド)、停止図柄のデータを演出実行エリア521aに書き込み、コマンド受信処理を終了する。受信したコマンドが確定コマンドであれば(S841:確定コマンド)、変動表示を確定停止させ(S850)、コマンド受信処理を終了する。また、S841の処理において受信したコマンドが、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、及び、確定コマンドのいずれでもなければ(S841:他のコマンド)、受信したコマンドに応じた各処理を実行して(S851)、コマンド受信処理を終了する。
このように、表示制御装置45においては、主制御装置261から変動パターンコマンドを受信した場合にS843からS846の処理によって変動パターンコマンドに応じた図柄バッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として設定する。これにより、主制御装置261によって行われる抽選結果に対応して特別図柄と装飾図柄とを共に大当たり、リーチまたは完全外れのいずれかで停止させることができ、主制御装置261の大当たりおよびリーチ抽選の結果に対応した装飾図柄の変動表示を実行することができる。
次に、図42を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図42は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図43のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図44に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図45に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)または貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
図44に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図43の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1105)、その後、図43の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1107)、その後、図43の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、図43の払出制御処理に戻る。
図45に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図43の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1205)、その後、図43の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図43の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図43の払出制御処理に戻る。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、図柄表示装置42の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。識別情報を表示するものであって2種以上の識別情報を連ねた識別情報列を少なくとも2列以上表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、前記表示装置に前記識別情報列の変動表示を行わせると共に、予め定めた有効領域に前記抽選手段による抽選結果に応じた前記識別情報の組合せを停留表示する変動実行手段と、前記抽選手段による所定の抽選結果の導出を条件として第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わる変動入賞手段とを備え、前記有効領域に停留する識別情報の組合せにより前記抽選手段の抽選結果を示し、前記所定の抽選結果が導出されると前記有効領域に予め定めた識別情報の組合せを停留表示すると共に前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記表示装置は、前記識別情報列として、前記予め定めた識別情報の組合せを構成する主識別情報と、その組合せを構成しない副識別情報とを交互に表示するものであり、前記変動実行手段は、前記所定の抽選結果の導出に基づいて、前記有効領域に前記副識別情報を予め定めた組合せで停留表示させる第1変動表示と、その停留表示後に開始される変動表示であって特別の態様を伴う第2変動表示とを順に行い、当該第2変動表示の表示結果として前記主識別情報を前記予め定めた識別情報の組合せで停留表示させるものであることを特徴とする遊技機1。
なお、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機1における検出手段としては、上記実施形態における作動口スイッチ224および主制御装置261のMPU501により実行される処理であって作動口スイッチ224により遊技球が始動口へ入球したか否かを検出する処理(図32のS701の処理)が該当し、抽選手段としては、上記実施形態における主制御装置261のRAM503に設けられて4ms毎に更新される大当たり乱数カウンタC1と、その大当たり乱数カウンタC1の値を始動入賞時に取得する始動入賞処理(図32のS604の処理)とが該当し、抽選手段による所定の抽選結果の導出としては、始動入賞時に保留球格納エリアに書き込まれた大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であるときが該当する。また、変動実行手段としては、上記実施形態における表示制御装置45が該当し、変動入賞手段としては、遊技球が入賞し得る大入賞口を備え、その大入賞口を通常時の閉状態と、遊技球が入賞しやすく遊技者にとって有利な開状態とに切り替える可変入賞装置32が該当する。また、特別の態様は、遊技者に大当たりの発生を示唆するように所定の抽選結果に対応して行われる変動表示に対しては、その所定の抽選結果以外の抽選結果に対応して行われる変動表示より高確率で表示されるものとすることが好ましい。
遊技機1において、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、所定の遊技価値が付与される時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機3。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させる特別遊技発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1において、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機4。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させる特別遊技発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 外枠に対して内枠と前面枠セットとを開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機から前面枠セットを取り外した状態を示した正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 前面枠セットの背面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 内枠を後方より見た斜視図である。 遊技盤を後方より見た斜視図である。 支持金具の斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットを裏面から見た分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの正面図である。 第2制御基板ユニットの斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 パチンコ機の背面から見た裏パックユニットの背面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 タンクレールの分解斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。 図柄表示装置の表示内容を示す図である。 主制御装置内の各種カウンタの概要を示した図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される通常処理を示したフローチャートである。 図27の通常処理の中で実行される外れ図柄カウンタ更新処理を示したフローチャートである。 図27の通常処理の中で実行される特別図柄変動処理を示したフローチャートである。 図29の特別図柄変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示したフローチャートである。 図31のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 NMI割込処理を示したフローチャートである。 装飾図柄の図柄列を展開して示した図である。 装飾図柄の変動パターンを停止順序毎に例示した図である。 装飾図柄のリーチ後の変動パターンを例示した図である。 複数回の変動表示に跨る連継演出の変動パターンを例示した図である。 表示制御装置内の各種カウンタの概要を示した図である。 表示制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 図39のメイン処理の中で実行される装飾図柄カウンタ更新処理を示したフローチャートである。 表示制御装置のMPUにより実行されるコマンド受信処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される払出制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示したフローチャートである。
符号の説明
10 パチンコ機(遊技機)
32 可変入賞装置(可変入賞手段)
42 図柄表示装置
45 表示制御装置(変動実行手段の一部)
224 作動口スイッチ(検出手段)
261 主制御装置(抽選手段、変動実行手段の一部)

Claims (1)

  1. 識別情報を表示するものであって2種以上の識別情報を連ねた識別情報列を少なくとも2列以上表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、前記表示装置に前記識別情報列の変動表示を行わせると共に、予め定めた有効領域に前記抽選手段による抽選結果に応じた前記識別情報の組合せを停留表示する変動実行手段と、前記抽選手段による所定の抽選結果の導出を条件として第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わる変動入賞手段とを備え、前記有効領域に停留する識別情報の組合せにより前記抽選手段の抽選結果を示し、前記所定の抽選結果が導出されると前記有効領域に予め定めた識別情報の組合せを停留表示すると共に前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
    前記表示装置は、前記識別情報列として、前記予め定めた識別情報の組合せを構成する主識別情報と、その組合せを構成しない副識別情報とを交互に表示するものであり、
    前記変動実行手段は、前記所定の抽選結果の導出に基づいて、前記有効領域に前記副識別情報を予め定めた組合せで停留表示させる第1変動表示と、その停留表示後に開始される変動表示であって特別の態様を伴う第2変動表示とを順に行い、当該第2変動表示の表示結果として前記主識別情報を前記予め定めた識別情報の組合せで停留表示させるものであることを特徴とする遊技機。
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