JP4352812B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示装置に様々な画像を表示して遊技の興趣向上を図っている。この表示装置における変動表示は、遊技領域に打ち込まれた遊技球が所定の始動口へ入賞する(或いは所定のゲートを通過する)ことを条件に開始される。表示装置は、例えば、縦方向又は横方向に分割された3つの表示領域を備えており、識別情報としての図柄で構成された複数の図柄列による変動表示が、各表示領域においてそれぞれ行われる。
図柄の表示領域が横方向に3分割された表示装置では、変動表示は、所定時間の経過後に、予め定められた順(例えば左、右、中の順)に停止され、全ての図柄の変動が停止し、その停止した図柄の組み合わせが予め定められた組み合わせの一つと一致する場合(大当たりとなる場合)には、遊技者に所定の遊技価値が付与される。この所定の遊技価値の付与として、例えば遊技領域に設けられた特定入賞口が、遊技球が入賞しやすいように所定時間開放される。よって、遊技者は図柄の変動表示が開始されると、停止される図柄の組み合わせが所定の遊技価値を生ずる組み合わせ(大当たり)となることを期待して、表示装置における図柄の表示領域にて行われる変動表示を注視しつつ遊技を行うのである。
特開2002−210137号公報
しかしながら、図柄の変動表示は、複数の表示領域に表示される図柄が予め定めた順序に従って順に停止するだけの単調なパターンであり、遊技者の興趣を高めることが難しいという問題点があった。3つの図柄列が順に停止し、同一図柄で3つ揃うと大当たりとなる遊技機においては、遊技者は、2つ目の図柄列の停止タイミングにおいて1つ目の停止図柄と同一図柄で停止するリーチとなることを期待し、リーチとなったときには3つ目の停止図柄が前と同一となることを期待して変動表示を注目する。このように各タイミングにおいて遊技者に期待を抱かせるパターンが固定的となるため、図柄の変動表示に遊技者の興味を向かせることにより変動表示を有効に活用することは難しいという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、識別情報の変動停止のパターンに意外性を付加して新たな遊技性を備えた遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示するものであって2種以上の識別情報を連ねた識別情報列を少なくとも2列以上並べて表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、前記表示装置に前記識別情報列の変動表示を行わせると共に、前記表示装置における前記識別情報列の並設方向に沿って予め定めた所定領域に前記抽選手段による抽選結果に応じた前記識別情報の組合せを停留表示する変動実行手段と、前記抽選手段による所定の抽選結果の導出を条件として第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わる変動入賞手段とを備え、前記所定領域に停留する識別情報の組合せにより前記抽選手段の抽選結果を示し、前記所定の抽選結果が導出されると前記所定領域に予め定めた識別情報の組合せを停留表示すると共に前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与するものであり、前記変動実行手段は、1の前記識別情報列に同期した変動表示を行うと共にその1の識別情報列とは異なる他の識別情報列に重なりつつ当該他の識別情報列を構成する複数の識別情報のうち一部の識別情報に優先して表示される識別情報であって、前記1の識別情報列と共に前記予め定めた識別情報の組合せの少なくとも一部を形成する位置に配置された優先識別情報を前記表示装置に表示させるものである。
この請求項1記載の遊技機によれば、検出手段によって所定の始動条件の成立が検出された場合、抽選手段によって抽選が行われ、その抽選結果に基づいて変動実行手段が表示装置に識別情報の変動表示を行わせる。変動表示は、表示装置の所定領域に表示された複数の識別情報列が各識別情報列毎に順に停留することにより行われ、所定領域に停留する識別情報の組合せにより前記抽選手段の抽選結果が示される。抽選手段による抽選において所定の抽選結果が導出されると、所定領域に予め定めた識別情報の組合せが停留表示させられると共に、可変入賞手段が第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わり、遊技者に所定の遊技価値が付与される。
ここで、変動表示中には、優先識別情報が1の識別情報列に同期して変動表示される。また、優先識別情報は、同期して変動表示される1の識別情報列とは異なる他の識別情報列に重なりつつ当該他の識別情報列を構成する識別情報に優先して表示される。また、優先識別情報は、同期して変動表示される1の識別情報列と共に予め定めた識別情報の組合せの少なくとも一部を形成する位置に配置されている。このため、1の識別情報列の停留に伴って、その停留した識別情報列と共に優先識別情報が予め定めた識別情報の組合せを形成して停留したときには優先識別情報が他の識別情報列に優先して表示され、予め定めた識別情報の組合せが抽選結果を示す所定領域における複数の識別情報列に跨って形成される。
また、優先識別情報は他の識別情報列を構成する複数の識別情報のうち一部の識別情報に優先して表示される。このため、他の識別情報列には、優先識別情報に優先される識別情報と、優先識別情報に優先されない識別情報とが設けられることとなる。優先識別情報が他の識別情報列に優先して表示されるためには、他の識別情報列において停留表示された識別情報が優先識別情報に優先される識別情報である場合に限られ、この場合に優先識別情報により予め定めた識別情報の組合せが形成され得る。一方、他の識別情報列として停留表示された識別情報が優先識別情報に優先されない識別情報であれば、優先識別情報によっては予め定めた識別情報の組合せが形成されない。よって、優先識別情報が抽選結果を示す所定領域に停留表示されるか否かは、優先識別情報を有する1の識別情報列のみならず他の識別情報列にも関連したものとなる。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記変動実行手段は、前記識別情報列を予め定めた順序に従って順に停留させて前記識別情報の組合せを停留表示するものであり、前記優先識別情報の少なくとも1つは、1の前記識別情報列であって2番目以降に停留する識別情報列に同期した変動表示を行うと共に、当該1の識別情報列とは異なる他の識別情報列であって当該1の識別情報列より前に停留する識別情報列に重なりつつ表示されるものである。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記変動実行手段は、前記優先識別情報を含む識別情報の画像データを記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された画像データを複数の画層に配置し、その複数の画層を重ね合わせて重複した画像データの一方を優先して前記表示装置に表示する制御を行う画像制御手段とを備え、前記予め定めた識別情報の組合せを構成する主識別情報と、その組合せを構成しない副識別情報とを前記識別情報列として交互に表示すると共に、前記優先識別情報の少なくとも1つは、前記他の識別情報列における前記主識別情報には優先させず、前記他の識別情報列における前記副識別情報に優先して表示される前記優先識別情報を、当該優先識別情報に優先される副識別情報に他の識別情報を加えた態様で表示するものであり、前記他の識別情報列を構成する主識別情報および副識別情報は、前記優先識別情報の少なくとも1つが配置される画層より優先して表示される画層に配置されている。
請求項4記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記変動実行手段は、前記優先識別情報を含む識別情報の画像データを記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された画像データを複数の画層に配置し、その複数の画層を重ね合わせて重複した画像データの一方を優先して前記表示装置に表示する制御を行う画像制御手段とを備え、前記優先識別情報の少なくとも1つは、前記他の識別情報列が配置される第1の画層より優先して表示される第2の画層に配置されている。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記表示装置は、前記優先識別情報を有しない特別識別情報と、前記優先識別情報を有する装飾識別情報とを前記識別情報として表示するものであり、前記抽選手段とその抽選手段の抽選結果に応じた前記特別識別情報の組合せを選定する第1選定手段とを有する主制御手段と、その主制御手段とは別体に形成されその主制御手段の指示に基づいて前記表示装置に表示される識別情報の表示を制御する表示制御手段とを備え、その表示制御手段は、前記主制御手段の指示に基づいて、前記第1選定手段により選定された前記特別識別情報の組合せに対応した表示を前記表示装置に表示すると共に前記装飾識別情報の組合せを選定して前記表示装置に表示するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、1の識別情報列と共に優先識別情報が予め定めた識別情報の組合せを形成して停止したときには、1の識別情報列の停留に伴って予め定めた識別情報の組合せが抽選結果を示す所定領域における複数の識別情報列に跨って形成される。このため、識別情報の変動が停留して予め定めた識別情報の組合せとなるパターンとして、識別情報列の停留順序に従わずに予め定めた識別情報の組合せが形成される新たなパターンが生じる。よって、識別情報の停留順序に意外性を付加して、新たな遊技性を提供することができるという効果がある。従って、識別情報の変動表示に遊技者の興味を向かせることができ、変動表示を有効に活用することができるのである。
また、優先識別情報は、1の識別情報列に同期した変動表示を行うものであるので、1の識別情報列が変動する毎にその識別情報列に一体化して優先識別情報が表示される。よって、1の識別情報列が変動した回数分だけ、優先識別情報によって予め定めた識別情報の組合せが形成されることを視覚を通じて遊技者に期待させることができ、優先識別情報の表示による新たな遊技性を遊技者に頻繁に提供することができるという効果がある。
また、優先識別情報は、1の識別情報列に同期した変動表示を行うものであるので、表示装置に対する制御としては、1の識別情報列に対する変動開始から変動停止までの表示制御に優先識別情報の表示を加えるだけで良い。よって、従来の変動表示の制御を利用して開発の必要な項目を抑えつつ、新たな遊技性を遊技者に提供することができるという効果がある。
また、優先識別情報は他の識別情報列を構成する複数の識別情報のうち一部の識別情報に優先して表示される。このため、優先識別情報が抽選結果を示す所定領域に停留表示されるか否かは、優先識別情報を有する1の識別情報列のみならず他の識別情報列に停留した識別情報にも依存する。よって、優先識別情報が他の識別情報列に重なりつつ所定領域に停留しても他の識別情報列に停留した識別情報に優先されるパターンも発生し、変動表示によって予め定めた識別情報の組合せが表示されるまでのパターンが多様になり、新たな遊技性により遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、優先識別情報は、1の識別情報列であって2番目以降に停留する識別情報列に同期して変動表示されると共に、同期して変動表示が行われる1の識別情報列より前に停留する識別情報列に重なりつつ表示される。従来、遊技者は、識別情報列の停留により予め定めた識別情報の組合せとならないことが示されたタイミングで、その変動表示後における所定の遊技価値の付与をあきらめる。この場合には、識別情報列が変動表示中であるにも関わらず所定の遊技価値の付与を期待し難く、実行中の変動表示を遊技者に注目させることが難しい。しかし、本遊技機では、停留中の識別情報に優先識別情報が優先し、予め定めた識別情報の組合せが形成されるパターンが発生する。よって、遊技者には、停留中の識別情報が優先識別情報に代わることによって予め定めた識別情報の組合せとなるパターンの発生を期待させることができ、新たな遊技性により遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2記載の遊技機の奏する効果に加え、優先識別情報を含む識別情報の画像データは、記憶手段に記憶される。その記憶手段に記憶された画像データは、複数の画層に配置され、その複数の画層を重ね合わせて重複した画像データの一方が、画像制御手段による制御によって、優先して表示装置に表示される。主識別情報と副識別情報とは、識別情報列として交互に表示される。また、優先識別情報の少なくとも1つは、他の識別情報列における主識別情報には優先されず、他の識別情報列における副識別情報に優先して表示される優先識別情報は、当該優先識別情報に優先される副識別情報に他の識別情報を加えた態様で表示される。そして、他の識別情報列を構成する主識別情報および副識別情報は、優先識別情報の少なくとも1つが配置される画層より優先して表示される画層に配置されている。
従来、複数の画層に画像データを重ね合わせ、重複した画像データの一方を優先して表示装置に表示する制御を行う画像制御装置を備えた遊技機が知られているが、他の識別情報列における一部の識別情報に限って優先識別情報を優先して表示するためには、画層の数が増加し、画像制御が煩雑になって、開発コストの増大等の問題が生じる。
しかし、優先識別情報は、副識別情報に他の識別情報を加えた態様で表示されるので、優先識別情報が配置された画層より優先して表示される画層に副識別情報が配置された状態で、優先識別情報が副識別情報に重なって停留しても、副識別情報が優先識別情報の一部に一致し、優先識別情報が見難くなることは少ない。よって、優先識別情報に優先される副識別情報を有した他の識別情報列の識別情報は、優先識別情報が配置される画層より優先して表示される画層に一括して配置することができ、画像制御の設定を簡易にして開発期間の短縮や開発コストの低減、または制御の安定化を図ることができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、画像制御手段による制御によって、記憶手段に記憶された画像データは複数の画層に配置され、その複数の画層を重ね合わせて重複した画像データの一方が優先して表示装置に表示される。ここで、優先識別情報の少なくとも1つは、他の識別情報列が配置される第1の画層より優先して表示される第2の画層に配置されるので、優先識別情報に他の識別情報列が重複した画像を画像データとして記憶手段に記憶させることなく、優先識別情報が他の識別情報列に重なって変動表示が行われる画像を表示装置に表示することができる。よって、記憶手段に記憶される画像データの増大を抑えつつ、優先識別情報を用いた変動表示の遊技性を遊技機に付加することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、抽選手段の抽選結果に応じた特別識別情報の組合せが、主制御手段に設けられた第1選定手段にて選定される。そして、主制御手段の指示に基づいて、主制御手段とは別体に形成された表示制御手段により、第1選定手段により選定された特別識別情報の組合せに対応した表示が表示装置に表示されると共に、装飾識別情報の組合せが選定されて表示装置に表示される。
ここで、予め定めた識別情報の組合せは、優先識別情報を用いることにより多種となる。優先識別情報を用いることにより予め定めた識別情報の組合せが多種になると主制御手段から表示制御手段へ送信する指令の種類が多くなり、主制御装置の制御が複雑化されて好ましくない。しかし、抽選手段の抽選結果に応じた識別情報の組合せは、優先識別情報を有しない特別識別情報に対して主制御手段の第1選定手段により選定されるので、優先識別情報がある場合に比べて予め定めた識別情報の組合せが少なくなり、主制御手段の制御が単純化される。また、表示制御手段の制御により優先識別情報を有する装飾識別情報の組合せを選定するので、主制御手段から表示制御手段へ送信する指令の種類を少なくしつつ優先識別情報の使用に伴う多種の識別情報の組合せに対する表示制御を行うことができる。抽選手段による抽選の制御が行われる主制御手段に対しては、遊技者や遊技場が不当に不利益を被らないよう、遊技機の開発や検査を厳重に行う必要があり、その主制御手段の制御を装飾識別情報の使用により単純化することで遊技機の開発や検査に要するコストを低減することができる。よって、低コストで優先識別情報を用いた変動表示の遊技性を遊技機に付加することができるという効果がある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。よって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて、構成部材の再利用が容易にされている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11を樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成するようにしてもよい。
内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂により構成されている。ABS樹脂は、材料コストが安価で、メッキ等ののりが良く装飾性に優れ、耐衝撃性が大きいので、内枠12の構成材料として好適である。内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側に上下に延設されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようにされている。開閉軸線は遊技球発射ハンドル18の反体側に設けられているので、内枠12を大きく開放することができる。通常パチンコホールでは、パチンコ機10は互いに隣接して配設されるので、開閉軸線を遊技球発射ハンドル18側に設けると、内枠12と共に開放される遊技球発射ハンドル18が隣のパチンコ機10に当接して開放量が減少してしまうからである。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲で内枠12を覆うようにして前面枠セット14が取り付けられている。下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。この内枠12の外周には、前面側へ突設された外周壁が形成されており、その外周壁の内側に前面枠セット14が配設される。即ち、内枠12に前面枠セット14を取り付けた状態では、前面枠セット14の側面外周は、内枠12の外周壁により囲繞されるので、内枠12と前面枠セット14との間への針金等の挿入を困難なものにして、不正行為を抑制することができる。
内枠12の上部には、円柱状に突出した押しボタン型の開閉スイッチ25が設けられている。この開閉スイッチ25は、前面枠セット14の開閉状態を検出するためのスイッチである。前面枠セット14が内枠12に対して閉じられている場合には開閉スイッチ25が押圧状態となり、逆に、前面枠セット14が内枠12に対して開放されている場合には開閉スイッチ25は非押圧の突出状態となって、前面枠セット14の開閉状態を検出する。また、内枠12の左上部(図2参照)には、配線孔26が穿設されている。配線孔26は、前面枠セット14の配線を内枠12を通過させて遊技盤30の裏面に配線するための孔である。配線孔26の角部にはRが形成されており、配線孔26内に配線される各コードが、角部で損傷しないようにされている。なお、図4に示す通り、遊技盤30の左上部にも配線孔26に対応して、配線孔37が穿設されている。
図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示した正面図である。図3では、便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。図3に示すように、下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16から排出された遊技球が下皿15内に貯留可能に構成されている。下皿ユニット13は、内枠12と同様に、難燃性のABS樹脂により形成されている。必ずしも、この下皿15のすべてをABS樹脂で形成することは必要でないが、少なくとも下皿15の表面部分、即ち下皿15の表面層と下皿15奥方の前面パネルとをABS樹脂で形成することが好ましい。下皿15には、火のついた煙草が放置される危険があるので、少なくともその表面部分を難燃性のABS樹脂で形成することにより、パチンコ機10の損傷や火災の発生を抑止できるからである。なお、前面パネルには、スピーカからの音を出力するための多数のスピーカ孔24が穿設されている。
下皿15の正面下方部には、下皿15に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー17が設けられている。この球抜きレバー17は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿15の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー17の操作は、通常、下皿15の下方に、下皿15から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。また、下皿15の右方には、遊技球発射ハンドル18が下皿ユニット13から手前側へ突出した状態で配設されると共に、下皿15の左方には灰皿が片持状に取着されている。灰皿は下皿15に回転可能に取着された軸と共に手前方向及び奥方向へ回転可能にされている。このように、下皿15の一側に遊技球発射ハンドル18を、他側に灰皿を配設することにより、下皿ユニット13の左右の美的バランスを保ってパチンコ機10の装飾性を向上させている。
一方、図1に示すように、下皿15の上方における前面枠セット14には、球受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置へ導出するためのものである。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方において内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。これは、本実施の形態の前面枠セット14は、従来のパチンコ機より大きく形成した遊技領域を外部から視認できるようにするために略楕円形状に大きく欠成された窓部101を備えているので、前面枠セット14の強度を少しでも向上させるべく、該前面枠セット14に上皿19を一体化して形成しているのである。この上皿19も下皿15と同様に、少なくとも表面層が難燃性のABS樹脂にて形成されている。なお、遊技領域が、従来のパチンコ機に比べて如何に大きく形成されているかについては後述する。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。この樹脂ベース20の後側には、遊技盤30が内枠12に対して着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板より構成され、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。即ち、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成しているのである。
次に、図4を参照して遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動口33、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30の前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、始動口33に遊技球が入球し、後述する検出スイッチから所定の出力がなされると、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35には、始動口33への遊技球の入賞をトリガとして特別図柄等を変動表示する図柄表示装置としての図柄表示装置42が設けられている。また、遊技盤30には、普通図柄表示装置としての普通図柄用の表示部と保留ランプとを有し(図示せず)、遊技球が遊技領域内に予め定めたゲート(門)を通過する毎に普通図柄が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。普通図柄の変動表示は、複数のランプの点灯を切り換えることにより行うようにしても良く、図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部を使用して行うようにしても良い。
図柄表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述する表示制御装置45によって表示内容が制御される。図柄表示装置42には、表示画面の左下隅に「○」、「△」、「☆」の3種類の特別図柄が表示され、表示画面の中央部には左、中及び右の3つの図柄列(装飾図柄の図柄列)が表示される(図24参照)。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、図柄表示装置42は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット35には、この図柄表示装置42を囲むようにして、センターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、その中央部に横長矩形状に形成された大入賞口を備えている。大入賞口は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。詳しくは、始動口33に遊技球が入賞すると、図柄表示装置42で図柄(特別図柄及び装飾図柄)が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。特別遊技状態が発生すると、可変入賞装置32の大入賞口が、遊技球が入賞しやすい状態、即ち所定の開状態となるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される(開状態となる)。
遊技球が始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。この保留ランプ46は、最大保留数分の4つ設けられ、図柄表示装置42の上方にバランス良く配設されている。なお、保留ランプ46を削除して、その点灯を、図柄表示装置42の一部で行うようにしても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて遊技領域に案内される。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール部51と外レール取付部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されると共に、外レール取付部52は、その一部(主に左側部)が内レール部51に向かい合うようにして形成されている。これら内レール部51と外レール取付部52とにより誘導レールが構成され、この内レール部51と外レール取付部52とが所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により、遊技球を遊技領域へ案内する球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、即ち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。
外レール取付部52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール取付部52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって、勢いが減衰されて跳ね返される。外レール取付部52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、長尺状のステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。更に、本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、即ち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール部51及び外レール取付部52間の球案内通路の入口には、その球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール部51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)へ導くためのものである。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられており、この貼着スペースK1,K2を確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。このように、遊技盤30自体に証紙等の貼着スペースK1,K2を設けているので、証紙を遊技盤30に直接貼付することにより、その証紙により遊技盤30を一義的に特定することができる。即ち、遊技盤の不正な交換を容易に発見することができる。
従来のパチンコ機では、レールは遊技盤に直接打ち込まれていた。しかし、上述するように本実施の形態のパチンコ機10では、レールユニット50は、フランジ56にネジ等が挿通されて遊技盤30に締結されている。即ち、本実施の形態では、遊技盤30を、従来のパチンコ機と同等サイズで形成しつつ、遊技領域を、従来のパチンコ機より大きく形成したため、レールを遊技盤に直接打ち込むことができないので、レールユニット50をフランジ56と共に樹脂で一体成形し、このフランジ56をネジ止め等して遊技盤30に締結している。かかる構成を採用した本実施の形態によれば、廃棄時にレールユニット50を遊技盤30から容易に取り外すことができるので、樹脂成形されるレールユニット50を容易にリサイクルすることができる。なお、遊技球の発射を安定して行わせるために、遊技球の発射側のレールユニット50は、より多くのネジにより他のレールユニット50の部分に増してしっかりと固定されている。このレールユニット50を構成する樹脂材料としては、摩擦抵抗の小さいフッ素入りのポリカーボネートが好適である。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部に略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール取付部52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール取付部52の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール部51の極左位置から内レール部51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール部51及び外レール取付部52によって囲まれる領域のうち、内レール部51及び外レール取付部52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール取付部52によってではなく内レール部51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール部51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール取付部52によって特定される。従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更に460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。即ち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、更には460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。即ち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。更に好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。更には、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、遊技領域が左右方向に拡張されているので、風車、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができる。また、遊技領域が上下方向にも拡張されているので、更に風車、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができる。
図3に戻って説明する。前記樹脂ベース20において、窓孔21の下方(遊技盤30の下方)には、遊技球発射装置より発射された直後の遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内される。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないので、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くすると共に発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(即ち発射レール61を立ち上げるようにし)、更に発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保している。これにより、遊技球発射装置から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合、特に、発射レール61を、遊技球発射装置の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間が形成され、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15へ排出される。本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール61の先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール取付部52に沿って流れ、外レール取付部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内される。よって、ファール球と次に発射される遊技球との干渉を抑制することができる。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側とにそれぞれガイド部材65,66を設置したので、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球は常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作を実現できる。
また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。この打球槌に関しては軽量化が望まれているので、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなる。
排出口67は上皿19に通じており、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される(払い出される)。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられており、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67を閉鎖するように構成されている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるように構成されている。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図3に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部の貼着スペースK1に張られたシール等は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
図3における内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14を開閉可能に装着することができる。更に、支持金具81の支持孔83は切欠を有し、且つ図5に図示する通り支持金具151の下端部は細く形成されているので、支持金具151を支持孔83から完全に抜かなくても、支持金具151の細い部分を支持孔83の切欠に通すことによって前面枠セット14を内枠12(パチンコ機10)から容易に取り外すことができる。
次に、図1及び図5を参照して、前面枠セット14について説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には、遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。この窓部101の略中央部を直線状に形成してもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール取付部52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35を比較的上方に配置することができる。なお、前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、更に望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、即ち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール取付部52の左端部はもちろん、内レール部51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール取付部52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール部51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行って、大当たり中であることを報知する。更に、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。
また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂が取り付けられた小窓107が設けられている。環状電飾部102が手前に凸に形成されているのに対し、小窓107は平らに形成されている。前述した通り、小窓107の背面には、証紙等のシールやプレートを貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられているので、そこに貼着されたシール等の内容を、スキャナなどの読み取り装置によって光学的に読み取り可能とするために平らにされているのである。また、小窓107部分を平らに形成することによって、2台のパチンコ機10間に配設される球貸機(図示せず)の貸し球レールがパチンコ機10から遊技者側へ出っ張らないようにして、球貸機を配設することができる。
窓部101の下方には貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には、球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化を図ることができる。
図5に示すように、前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図5の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。この樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134が前面枠セット14にて環状にループ接続されるのを防いでいる。金属製の補強板131〜134が環状にループ接続されていると、遊技球の発射動作に伴う電磁ノイズが遊技盤30の前面に配設された前面枠セット14の周囲をループし、遊技盤30に悪影響を及ぼして、パチンコ機10の誤動作を誘発するが、本実施の形態のパチンコ機10では、樹脂パーツ135により、金属製の補強板131〜134の環状接続を回避しているので、かかるノイズの悪影響を抑制することができる。なお、金属製の補強板131〜134の一部に樹脂パーツ135を使用することによる強度の低下は、その樹脂パーツ135にリブを設けたり、樹脂パーツ135の厚さを増して、補っている。
図5の右側の補強板131には、その中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりを防止することができる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等を抑制することができる。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となって、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないように機能している。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着される。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内レール部51及び外レール取付部52により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うように前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(即ち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール取付部52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
更に、レールカバー140には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた場合には、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール部51にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良い。かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させ難くなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、図6から図11を参照して、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。図8は、パチンコ機10裏面における第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203の配置を示す模式図であり、図9は、内枠12及び遊技盤30の構成を示す背面図である。図10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。
先ずはじめに、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称する。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成について後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、更にこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図8の概略図に示すように、各ユニット201〜203が上下に並んで配置され、取り付けられている。なお、図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1の軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4の軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
更に、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(即ち支軸部と反対側、更に言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10の本体に対して固定保持される。
各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態を示す背面図である。また、図10は、内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は、遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9〜図11を用いて、内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り替え可能に構成されている。図9は、係止固定具211,212がロック位置にある状態を示している。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は、金属片を折り曲げ形成したL型の金具で構成され、遊技盤30を固定した状態では内枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具で構成される。
遊技盤30の中央には、可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、始動口33(それぞれ図4参照)の遊技盤30開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10の外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、更に排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10の外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤30の取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられているので、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、更にその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機10の前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などへの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、普通図柄の変動契機を検出するゲートに対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、更にこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、更にこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置261に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において、パチンコ機10の裏面左下方部には打球槌等を備えるセットハンドル228が配設され、その左横には発射モータ229が配設されている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(即ち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。
裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、図11に示すように遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の背面右下部には上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)232が設けられ(図9参照)、同左上部には係止爪片233が設けられている。
内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、図9に示すように、内枠12の背面右端部には、図12に示す長尺状の支持金具235が取り付けられている。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット202用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット203用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、内枠12には、図9に示すように、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット202用の支持金具と裏パックユニット203用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。また、裏パックユニット203用の取付機構として回動式の3つの固定具241,242,243が内枠12に設けられており、それら固定具241,242,243と遊技盤30との間に裏パックユニット203は挟み込んで支持される。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。即ち、図10に示す遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。また、内枠12の下端部には、下皿15に穿設されたスピーカ孔24の背後を囲む樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられ、そのスピーカボックス246内にスピーカが設置されている。このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、図13〜図16を参照して、第1制御基板ユニット201を説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図であり、図14は同ユニット201の斜視図であり、図15は同ユニット201の分解斜視図であり、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、遊技の主たる制御を司る1チップマイコンとしてのMPU501(図23参照)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結される。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。即ち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司る1チップマイコンとしてのMPUや、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力される。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
一方の基板搭載面252上には、主制御装置261が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上には、音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置される。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているので、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できると共に、各制御装置を効率良く設置できる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合を回避できる。また、主制御装置261は第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図11等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図11等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図11等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、図17〜図19を参照して、第2制御基板ユニット202を説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図であり、図18は同ユニット202の斜視図であり、図19は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなす1チップマイコンとしてのMPU、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機10の前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ358a部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータ358aが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されるので、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、図20及び図21を参照して、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、図20はパチンコ機10の背面から見た裏パックユニット203の背面図を示しており、図21はその分解斜視図を示している。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。即ち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、更にタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図21に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際には、バイブレータ360を駆動することによって球詰まりを解消できるようになっている。このバイブレータ360は、ユニット化されているので、タンクレール356へ容易に取り付けることができる。
ここで、図22を参照してタンクレール356の構成について詳述する。図22は、タンクレール356の分解斜視図である。タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355から落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、更にその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消される。なお、レール本体361は、黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図20及び図21に戻って説明する。払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。固定具242及び係止孔387の部分にナイラッチを使用しないのは、図20における係止孔387の左隣に遊技球を貯留するタンク355が設けられるので、この部分を強固に固定するためである。固定具242の固定時には、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
次に、図23を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(図33参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図26参照)において実行される。なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置45は、図柄表示装置42における特別図柄等の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、MPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置261の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、MPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のMPU521は、主制御装置261から送信される図柄表示用のコマンドに基づいて図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて(図35参照)表示装置42に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323を有するRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては、払出制御装置311を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
ここで、図24を参照して、図柄表示装置42の表示内容について説明する。図24は、図柄表示装置42の表示内容を示す図である。なお、図24においては装飾図柄表示領域42bに表示される有効ラインL1〜L5を二点鎖線で示しているが、この有効ラインL1〜L5は図柄表示装置に表示されるものではなく、理解の容易のために示した仮想的な線である。
図柄表示装置42には、表示画面の左下隅に特別図柄が表示される特別図柄表示領域42aが設けられ、表示画面の中央部には、上から下にスクロールする装飾図柄が表示される装飾図柄表示領域42bが設けられる。特別図柄表示領域42aと装飾図柄表示領域42bとには、それぞれ左・中・右の3つの図柄列が表示される。ここでは、特別図柄表示領域42aに表示される特別図柄を主として説明し、装飾図柄の表示内容等については図34以降を参照して後述する。
特別図柄表示領域42aには、「○」、「△」、「☆」の3種類の特別図柄が表示されるものであり、左・中・右の3つに区分けされた各表示領域にて、「○」、「△」、「☆」の順に繰り返して表示される図柄列を構成する。そして、左図柄列→中図柄列→右図柄列の順に変動表示が停止し、その停止時に「○」、「△」又は「☆」のいずれかの図柄が3つ揃って停止すると大当たりとなり、その後に大当たり動画が表示される。一方、変動表示の停止時に図柄が3つ揃っていなければ外れとなり、始動口33(図4参照)への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や図柄表示装置42の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCSと、特別図柄表示領域42aの左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、MPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、始動口33への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜676)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は10で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄(本実施例においては「○」)の組合せによって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、図柄表示装置42の特別図柄表示領域42aにおける変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、特別図柄が3種類設定されているので、3個(0〜2)のカウンタ値が用意されている。即ち、大当たり図柄カウンタC2は、0〜2の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり2)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜11の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり11)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後に最終停止図柄が大当たりとならずに停止する「外れリーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、リーチ乱数カウンタC3=0は外れリーチに該当し、リーチ乱数カウンタC3=1〜11は完全外れに該当する。
ここで、リーチとは、図柄表示装置42の表示画面に表示される特別図柄(又は装飾図柄)が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組合せが同一図柄(複数の有効ラインL1〜L5がある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の一種である。興趣演出とは、変動表示の途中で図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、リーチの抽選は、図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
変動種別カウンタは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。この変動種別カウンタCSによって、ショートリーチ(変動開始から変動停止までの変動時間が15秒から16秒)、ミドルリーチ(変動時間が20秒から22秒)、又は、ロングリーチ(変動時間が30秒から32秒)にするか等、特別図柄のリーチ種別が決定される。変動種別カウンタCSの値を構成する「0〜198」のそれぞれに対応していずれのリーチとするかは、大当たり時と外れリーチ時とに対して別々の比率で予め割り当てられる。主制御装置261のROM502には、変動種別カウンタCSの値と各リーチ種別(または各変動時間)毎に対応したコマンドとが予め対応付けて記憶されている。ここで、変動種別カウンタCSを必ずしも1つだけ設けてリーチ種別を決定する必要はなく、2以上の変動種別カウンタを使用してリーチ種別を決定しても良い。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、図柄表示装置42による特別図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に左図柄列、中図柄列、右図柄列の外れ停止図柄を決定するためのものである。各図柄列には3種類の特別図柄の何れかが表示されることから、各図柄列にそれぞれ対応した3個(0〜2)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の図柄が決定される。
本実施の形態では、MPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する。即ち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位2ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に「3」が減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが、RAM503の外れリーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、特別図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて外れリーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSの大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次に、図26から図33のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図31は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S602)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,2,11)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。その後は、始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。
図32のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する(S701)。遊技球が始動口33に入賞したと判別されると(S701:Yes)、図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、始動口33への入賞がないか(S701:No)、或いは、始動口33への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
なお、遊技球が始動口33に入賞(始動入賞)した場合、それに伴い図柄表示装置42の特別図柄表示領域42a(図24参照)にて、特別図柄の変動表示が開始されることとなるが、始動入賞後に特別図柄が変動し図柄停止に至るまでには所定時間(例えば5秒)が経過していなければならないという制約がある。そこで、上記始動入賞処理では、始動入賞が確認された場合、各カウンタ値の格納処理(S704)の後に、始動入賞後の経過時間を計るためのタイマをセットする。具体的には、上記始動入賞処理は2ms周期で実行されるため、例えば5秒の経過時間を計測するにはタイマに数値「2500」をセットし、始動入賞処理の都度、タイマ値を1ずつ減算する。このタイマ値は、その時々の各カウンタC1〜C3の値と共に、RAM503の保留球格納エリアに格納され管理される。そして、後述する特別図柄の変動パターン設定に際しては、上記タイマ値が参照され、残り時間に応じて(所定時間経過後に図柄変動が停止されるよう)変動パターンが設定される。
図33は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。このNMI割込処理により、電源遮断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。図33のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
NMI割込処理では、まず、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し(S801)、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する(S802)。更に、電源遮断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し(S803)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S804)。RAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する(S805)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S806)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、停電の発生等による電源遮断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路542から払出制御装置311内のMPU511のNMI端子に出力され、MPU511は実行中の制御を中断して図33のNMI割込処理を開始する。その内容はステップS804の電源遮断通知コマンドの送信を行なわない点を除き上記説明と同様である。
図26は、主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する。払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信した後(S102)、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS114へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503のバックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS114へ移行する。バックアップエリア503aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS114へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323が押されていれば、RAMの初期化処理(S114〜S116)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(S114〜S116)に移行する。即ち、S114からのRAMの初期化処理では、RAM503の使用領域を0にクリアし(S114)、RAM503の初期値を設定する(S115)。その後、割込みを許可して(S116)、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、復電時の処理では、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S108)、電源遮断の発生情報をクリアする(S109)。次に、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時のコマンドを送信し(S110)、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる(S111)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S112)、割込みが許可状態であれば(S112:Yes)、割込みを許可し(S113)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S112:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図27のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、図柄表示装置42による特別図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、特別図柄の変動開始後において、変動パターンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(即ち、4ms毎に1つずつ)コマンドが送信され、変動時間終了のタイミングで確定コマンドが送信されるようになっている。
次に、変動種別カウンタCSの各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。更に、外れ図柄カウンタ更新処理により、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する(S203)。
ここで、図28を参照して、外れ図柄カウンタ更新処理を説明する。まず、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し(S301)、更新時期であれば(S301:Yes)、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する(S303)。次に、左図柄列の更新時期でなければ(S301:No)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別し(S302)、更新時期であれば(S302:Yes)、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する(S304)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S302:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列の外れ図柄カウンタCRを更新する(S305)。
上記S303〜S305の各処理における外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位2ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に3を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新される。
その後、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せになっているか否かを判別し(S306)、大当たり図柄の組合せであれば(S306:Yes)、そのまま本処理を終了する。大当たり図柄の組合せでなければ(S306:No)、リーチ図柄の組合せになっているか否かを判別し(S307)、リーチ図柄の組合せであれば(S307:Yes)、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM503の外れリーチ図柄バッファに格納する(S308)。外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せが大当たり図柄の組合せでなく(S306:No)、且つリーチ図柄の組合せでもなければ(S307:No)、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せは外れリーチ以外の外れ図柄(完全外れ)の組合せになっているので、かかる場合には、その外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合せをRAM503の完全外れ図柄バッファに格納する(S309)。
外れ図柄カウンタCL,CM,CR更新処理(S203)の終了後は、図27の通常処理へ戻って、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S204)、図柄表示装置42による特別図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する(S205)。この特別図柄変動処理により、大当たり判定や特別図柄の変動パターンの設定などが行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は図29を参照して後述する。
特別図柄変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置32の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する(S206)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
その後は、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S207)、既に所定時間が経過していれば(S207:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S207:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(S208,S209)。まず、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する(S208)。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次に、変動種別カウンタCSの更新を実行する(S209)。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
次に、図29及び図30のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S205)を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、図柄表示装置42による特別図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、特別図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、特別図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図30を参照して後述する。
S402の処理において、特別図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。特別図柄の変動時間はその特別図柄の変動パターンに応じて決められており、この変動時間が経過するまで、S408の処理の実行をスキップする(S407:No)。一方、特別図柄の変動時間が経過すれば(S407:Yes)、停止図柄の確定のために設定されている確定コマンドを設定して(S408)、本処理を終了する。
次に、図30のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S502)。テーブルには、大当たり図柄カウンタC2の数値「0」に対して「○」の特別図柄の表示を示す停止図柄コマンドが割り当てられ、「1」に対しては「△」を示すコマンドが、「2」に対しては「☆」を示すコマンドがそれぞれ割り当てられる。また、大当たり図柄のうち、「○」の特定図柄(確変図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、他の特定図柄(非確変図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、大当たり図柄で停止するまでの特別図柄の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S503)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を確認し、その値に基づいてショートリーチ、ミドルリーチ、ロングリーチ等のリーチ種別と変動時間とを決定する。なお、変動種別カウンタCSの数値とリーチパターンとの関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生(外れリーチの発生)か否かを判別する(S504)。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0〜11の何れかであり、そのうち「0」が外れリーチ発生に該当し、「1〜11」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
外れリーチ発生の場合(S504:Yes)、RAM503のリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S505)。また、外れリーチを表示するための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S506)。このとき、S503の処理と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を確認し、その値に基づいてショートリーチ、ミドルリーチ、ロングリーチ等のリーチ種別と変動時間とを決定する。
大当たりでなくリーチでもない場合には(S501:No,S504:No)、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する(S507)。また、完全外れ表示のための変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する(S511)。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値に基づいて変動パターンが決定されるのはS503の処理と同様である。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のいずれかで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
なお、完全外れの変動パターンは、変動開始時における作動保留球数Nの値に応じて定めても良く、例えば、作動保留球数Nが3以上のときに開始される完全外れの変動時間は、作動保留球数Nが3未満で開始される完全外れの変動時間より短くするようにしても良い。速やかに待機中の変動表示を消化して無駄な始動入賞を抑制しつつ、且つ、変動表示が途絶え難くなり、変動停止の状態が継続して遊技者の遊技意欲が減衰することを防止することができる。
次に、図24および図34から図40を参照して図柄表示装置42に表示される特別図柄と装飾図柄とについて表示制御装置45の制御と共に説明する。
図24に示すように、図柄表示装置42の表示画面には、その左下隅に「○」、「△」、「☆」の3種類の特別図柄が表示される特別図柄表示領域42aと、その中央部に丸付きの数字を付した装飾図柄が表示される装飾図柄表示領域42bとが設けられる。
特別図柄表示領域42aには、始動口33への入賞時に取得された大当たり乱数カウンタ23bの値が大当たりであるときに3つ揃った図柄が停止して遊技者に大当たりの発生が示される。本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄と装飾図柄との2種類が設けられている。特別図柄は、図柄の種類を少なくして主制御装置261と表示制御装置45とのコマンドの種類を低減するために設けられたものである。一方、装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄と同時に変動を開始し、また特別図柄と同時に変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。これら2種類の図柄を併用することにより、パチンコ機10に多彩な演出を備えつつ、主制御装置261から表示制御装置45へ送信するコマンドの種類を低減して主制御装置261の制御プログラムを簡略化したり、主制御装置261のROM502,RAM503等の記憶装置の使用領域を少なくすることができる。
ここで、主制御装置261は、大当たりの発生を抽選したり、大入賞口の開閉の制御をするもので、特に信頼性が要求される装置であるので、遊技機の開発時には厳重に検査を行う必要がある。かかる主制御装置261の制御内容が多くなると、検査に要する項目が増大して開発期間が長引いたり、その分開発コストが増大する。これに対し、表示制御装置45の制御により図柄表示装置42に特別図柄以外に装飾図柄を表示することにより、主制御装置261の制御プログラムを簡略化し、記憶装置の使用領域を少なくすることができる。よって、主制御装置261の検査項目を少なくして短期間で信頼性の高い主制御装置261を開発することができると共に、多彩な表示演出を備えた遊技機を開発するに際して開発期間の短縮やコスト低減を実現することができる。
なお、必ずしも特別図柄と装飾図柄とを別々に設けて図柄表示装置42の表示制御を行わせる必要はなく、特別図柄に代えて装飾図柄の表示内容を主制御装置261の制御で直接決定するようにしても良い。また、表示制御装置45に対し、装飾図柄を特別図柄と同時に変動を開始し、または変動を停止するように制御を行わせる必要はない。特別図柄の変動表示と装飾図柄の変動表示とが同期して行われる、即ち、各図柄の変動表示が共に始動入賞に基づいて同一回数分行われるものであれば、装飾図柄と特別図柄の変動開始または変動停止の少なくとも一方のタイミングが一致しないように表示制御装置45に表示制御を行わせても良い。例えば、特別図柄の変動に遅れて、装飾図柄の変動を開始させたり、特別図柄の変動より先に装飾図柄の変動を停止させるようにしても良い。
次に装飾図柄表示領域42bに表示される装飾図柄について説明する。図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42bには、図24に示すように、左・中・右の3つの図柄列が表示される。装飾図柄は、例えば丸付きの「1」〜「8」の数字と丸付きの「当」の文字とからなる主図柄と、各主図柄の一部を構成する丸枠と同一の大きさおよび形状の丸枠からなる副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。なお、必ずしも副図柄を図柄列の一部に設ける必要はなく、主図柄のみを並べて図柄列を形成しても良い。
図34は、装飾図柄の図柄列を展開してその配置を示した図である。また、図34においては、図柄の停止順毎に区分けした3つの図柄群を別々に示している。装飾図柄の図柄列は、縦に16個の図柄を連ねて左図柄列を構成する第1図柄群と、縦に16個の図柄を連ねて中図柄列を構成する第2図柄群と、縦に18段の図柄を連ねて右図柄列を主に構成する第3図柄群とに区別される。各図柄群は、特別図柄の変動開始と同時に周期性をもって上から下へとスクロールするように変動表示され、特別図柄が左、中、右の順に停止するのと同期して、第1図柄群、第2図柄群、第3図柄群の順に停止する。
第1図柄群は、「1」から「8」までの8個の主図柄を下方に向かって昇順に並べると共に、各主図柄を挟むように8個の副図柄を配置し、計16個の図柄を縦一列に並べて配置したものである。この第1図柄群は、装飾図柄の左図柄列を(図柄表示装置42の表示画面上に仮想的に)形成する。また、第2図柄群は、第1図柄群と同様に「1」から「8」までの8個の主図柄と8個の副図柄とを縦一列に配置したものである。ただし、第2図柄群は、主図柄が下方に向かって降順に並べられている点で第1図柄群とは異なる図柄の配置とされている。この第2図柄群は、装飾図柄の右図柄列を形成する。
第3図柄群には、その右側に縦一列に主図柄と副図柄とが交互に並べられると共に、その列から左側にずれて「7」および複数の「当」の主図柄が並べて配置されている。左側にずれて配置された主図柄は、第1図柄群(左図柄列)または第2図柄群(中図柄列)に配置される主図柄および副図柄に重なりつつ、それらのうち副図柄のみに優先して表示される優先図柄ZYである。ここで、優先図柄以外の縦一列に配置されて各図柄列を形成する図柄を通常図柄ZNと称する。第3図柄群を構成する通常図柄ZNと優先図柄ZYとは、変動が完全に一致して行われるものであり、通常図柄ZNで形成される図柄列に優先図柄ZYが同期して変動表示が行われる。なお、変動表示の内容詳細については図36を参照して後述する。
また、第3図柄群は、優先図柄ZYを除くと、「1」から「8」と、2つの「当」との合計10個の主図柄とその主図柄の間に配置された8個の副図柄とが縦一列に並べて配置されたものであり、装飾図柄の右図柄列を形成する。ここで、各図柄列は、全て上から下へスクロールして変動表示が行われるものであり、左図柄列においては上方へ向けて数字が降順に配置されているため主図柄の数字が降順に現れ、中図柄列及び右図柄列においては上方へ向けて数字が降順に配置されているため主図柄の数字が昇順に現れる。
また、装飾図柄は、図24に示すように、図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42bにおいて、左・中・右の各図柄列毎に上・中・下の3段に表示される。即ち、図柄表示装置42には、3段×3列の計9個の装飾図柄が表示される。また、図柄表示装置42には、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、変動表示が開始された後、第1図柄群(左図柄列)→第2図柄群(中図柄列)→第3図柄群(右図柄列)の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)が変動表示の表示結果として停止表示されると大当たりとなって、その後に大当たり動画が表示される。
なお、必ずしも表示結果は、図柄を完全に停止して表示する必要はなく、3段×3列の計9箇所の領域に装飾図柄が停留して表示されつつ、各領域内で僅かに移動または揺動したり、色が次第に変化するように表示されるものであっても良い。図柄が停留して表示されるとは、図柄が完全に停止して表示されることはもちろん、各図柄が完全には停止していないものの表示領域に図柄の組合せを形成しつつ停留して表示されることを含む。また、必ずしも同一の主図柄の組合せを大当たり図柄の組合せとする必要はなく、麻雀を題材にしたパチンコ機において「大、三、元」の3つの図柄を大当たり図柄の組合せとするなど、予め定めた別々の図柄の組合せと大当たり図柄の組合せとしても良い。
また、有効ラインは、必ずしも5つとする必要はなく、1つや2つの有効ラインにする等、5つ未満としても良く、5つより多くしても良い。5つより多い場合としては、例えば、上記実施形態における5つの有効ラインに加えて、左右の図柄列における上段と中図柄列の中段とにより形成される逆への字の有効ラインと、左右の図柄列における下段と中図柄列の中段とにより形成されるへの字の有効ラインとを設定する場合等が例示される。
次に、図35を参照して図柄表示装置42に表示される図柄の優先順位について説明する。図35は、図柄表示装置42のレイヤ(画層)構成を模式的に示した図である。図柄表示装置42に表示される図柄は、表示制御装置42の制御により複数のレイヤに区分されている。特別図柄表示領域42aに表示される特別図柄は、装飾図柄が配置されるレイヤより図柄表示装置42の前側に位置するレイヤに表示され、装飾図柄が重なっても装飾図柄に優先して表示される。
装飾図柄表示領域42bに表示される装飾図柄は3つのレイヤに区分して配置されており、前側のレイヤ42b1には第1図柄群の装飾図柄が、中央のレイヤ42b2には第2図柄群の装飾図柄が、奥側のレイヤ42b3には第3図柄群の装飾図柄が配置されている。第3図柄群には通常図柄ZNの他に優先図柄ZY(例えば図35に示す一番奥側のレイヤ42b3における左側の「7」の主図柄)が配置されており、その優先図柄ZYが装飾図柄表示領域42bに表示されるときには、第1図柄群および第2図柄群に設けられる副図柄にのみ優先して表示される、即ち優先図柄ZYが当該副図柄の丸枠内に重なりつつ透過して表示されるのである(例えば、図36(b)参照)。一方、第1図柄群および第2図柄群に設けられる主図柄に対しては優先図柄ZYは優先されない、即ち優先図柄ZYはそれら主図柄に重なりつつ奥側に隠される(例えば、図24参照)。このレイヤによる画像の重ね合わせは、表示制御装置45の画像コントローラ(画像制御装置)526により行われるものであり、これにより、表示制御装置45のキャラクタROM525に予め記憶する画像の量を少なくしている。
次に図36を参照して優先図柄ZYを有した装飾図柄の変動表示による遊技性について説明する。図36は、装飾図柄による変動表示を例示した図である。主制御装置261のMPU501より変動パターンコマンドが送信されると表示制御装置45のMPU521の制御によって図柄表示装置42により特別図柄の変動表示が開始され、その特別図柄の変動開始と同時に装飾図柄の変動表示が開始される。なお、図36においては、理解の容易のため、図柄表示装置42に表示される特別図柄の表示は省略して示している。
図36(a)は、変動開始直後の装飾図柄の変動表示を例示した図であり、左・中・右の各図柄列(第1〜第3図柄群)が上から下へ高速にスクロールして変動表示が行われる。変動パターンコマンドに対応した一定時間の経過後には、左図柄列を構成する第1図柄群のスクロールが停止し(図36(b)参照)、その後に中図柄列を構成する第2図柄群のスクロールが停止する。このとき、有効ラインL1〜L5上のいずれかに同一図柄が並んで停止していればリーチとなり(図36(c)参照)、最後に停止する右図柄列にも同一図柄が並び、3つ揃って停止すると大当たりとなる。
また、左図柄列および中図柄列の停止図柄が、有効ラインL1〜L5(図24参照)上のいずれにも同一図柄で並んで停止していなければ、基本的にはリーチではなく、遊技者は大当たりの発生を期待できない(図36(c)参照)。ただし、左図柄列および中図柄列の停止図柄が並んでいなくても、左図柄列に「7」の主図柄が停止し、その隣に第2図柄群の停止に伴って中図柄列に副図柄が停止している場合には(図36(d)参照)、第3図柄群の停止と共に通常図柄ZNと優先図柄ZYとにより形成される2つの「7」の主図柄が並んで停止するパターンが発生し得る。
ここで、従来、3つの図柄群の変動が順に停止するパチンコ機が数多く開発されており、かかるパチンコ機においては、3つの図柄群の停止するタイミングのうち2つ目の図柄群が停止する時にはリーチになるか否か、3つ目の図柄群が停止する時にはリーチ時においては大当たりとなるか否かといった遊技者の注意を引くタイミングとなっていたが、1つ目の図柄群の停止は2つ目以降と比べると大当たりに直接的に関連しないものであった。このため、遊技者が変動表示を注目するポイントが偏り易いものとなっていた。これに対し、本実施形態のパチンコ機10においては、1つ目の図柄群の停止によって「7」の主図柄が有効ラインL1〜L5上に停止した場合、中図柄列には「7」の主図柄でなく副図柄が並んで停止してリーチとなる新たなパターンが生まれる。よって、1つ目の図柄群が停止するタイミングも遊技者に注目させることができ、遊技の中で注目するポイントを増大すると共に、更に大当たりの図柄の組合せに至るまでの図柄の停止順序を多様にして図柄の停止順序に対する意外性を付加することができる。
また、優先図柄ZYは、装飾図柄の右図柄列と共に第3図柄群を形成するものであり、右図柄列に同期した変動表示を行うものである。このため、各変動表示毎に図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42bを優先図柄ZYが上から下にスクロールして表示され、優先図柄ZYを遊技者に視認させて優先図柄ZYによるリーチの機会を視覚を通じて遊技者に期待させることができる。ここで、従来、全回転リーチと呼ばれる変動表示の停止順序を通常とは異ならせて全図柄群を同時に停止させて大当たりを発生させるなど、特殊な態様の演出を備えた遊技機もあるが、この種の演出は、何百回もの変動表示の中で1回行われるかどうかといった少ない頻度で発生する演出であり、遊技者がその演出の発生を期待して遊技を見守ることは少なかった。これに対し、パチンコ機10では、各変動表示毎に図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42bを優先図柄ZYが上から下にスクロールして表示されるので、遊技者には、優先図柄ZYを繰り返し視認させることにより優先図柄ZYによる新たな遊技性を頻繁に提供し、あたかも大当たりが発生しやすい印象を与えることができる。従って、優先図柄ZYを伴う大当たりの機会を身近なものと感じさせて遊技の面白みを高め、パチンコ機の稼働を向上することができるのである。
また、優先図柄ZYは、第3図柄群に同期した変動表示を行うものであるので、図柄表示装置に対する制御としては、右図柄列に対する変動開始から変動停止までの表示制御に優先図柄ZYの表示を加えるだけで良い。よって、従来の変動表示の制御を利用して開発の必要な項目を抑えることができ、興趣演出の多様化に伴うコスト増加を抑えつつ、新たな遊技性を遊技者に提供することができる。即ち、図柄の変動表示とは別に、パチンコ機のキャラクタを変動表示に時として伴わせる演出を加える場合に比べると、開発項目を抑えつつ興趣演出を多様化することができるのである。
また、図柄表示装置42には、大当たり抽選の抽選結果に応じた装飾図柄の組合せが、5本の有効ラインに沿った図柄の組合せを示す5つの領域(3本の水平ラインと、右上がりおよび右下がりラインに沿った3つの図柄の組合せを表示する各表示領域)に表示される。このため、図36(c)に示すように、右図柄列(第3図柄群)が変動表示中の状態で右上がりの有効ラインL4(図24参照)が「7」の主図柄でリーチとなっているときには、下段の有効ラインL3(図24参照)にも優先図柄ZYと通常図柄ZNとにより形成される2つの「7」の主図柄の停止を条件に大当たりとなるリーチが発生し、1の変動表示で2つのリーチが発生するいわゆるダブルリーチとなる。即ち、第3図柄群の停止時に右図柄列の上段に「7」が停止すると優先図柄ZYを含めずに「7,7,7」と3つの図柄が揃って大当たりの表示となる一方、右図柄列の下段に「7」が停止すると、優先図柄ZYを含めて「7,7,7」と3つの図柄が揃って大当たりの表示となる。よって、遊技者には、大当たりを示す図柄の組合せとなる機会が増大したかの印象を与えて、遊技の面白みを高めることができる。
また、第2図柄群が停止したタイミングで有効ラインL1〜L5(図24参照)上のいずれにも同一図柄で並んで停止していなくても、有効ラインL1〜L5上に副図柄が並んで停止している場合には、第3図柄群に設けられる「当,当,当」の主図柄が3つ揃って停止するリーチのチャンスとなる。図36(e)に示すように、右上がりおよび右下がりの有効ラインL4,L5に副図柄が並んだ状態で、第2図柄群の変動が停止した場合、左図柄列および中図柄列に並んだ副図柄に「当」の優先図柄ZYが優先して表示され、通常図柄ZNと優先図柄ZYとにより形成される3つの「当」の主図柄が並んで停止するパターンが発生し得るのである(図36(f)参照)。この「当,当,当」の主図柄も第3図柄群の一部として設けられているので、遊技者にとっては通常と同様の変動開始後に、従来にはリーチとはならなかった状態であっても第3図柄群の停止と共に大当たりが発生することを期待させることができ、遊技性を更に広げることができる。
更に、優先図柄ZYは、重なって表示される左図柄列または中図柄列を構成する主図柄および副図柄のうち主図柄のみに優先して表示される。このため、優先図柄ZYが大当たりか否かの抽選結果を示す有効ラインL1〜L5上に停止表示されるか否かは、優先図柄ZYを有する右図柄列のみならず左図柄列または中図柄列に停止した図柄にも依存する。よって、優先図柄ZYが同期して変動表示が行われる図柄列とは別の図柄列に重なりつつ有効ライン上に停止しても他の図柄列に停止した図柄に優先されるパターンも発生する。従って、変動表示によって大当たり図柄の組合せが表示されるまでのパターンが多様になり、新たな遊技性により遊技の興趣を高めることができるのである。
しかも、優先図柄ZYは、最後に停止する右図柄列に同期した変動表示を行うと共に、同期して変動表示が行われる右図柄列より前に停止する左図柄列および中図柄列に重なりつつ表示される。このため、停止中の副図柄に優先図柄ZYが優先し、大当たり図柄の組合せが形成されるパターンが発生する。よって、遊技者には、停止中の図柄が優先図柄ZYに代わることによって大当たりの組合せとなるパターンの発生を期待させることができ、新たな遊技性により遊技の興趣を高めることができる。
また、大当たり図柄の組合せを構成する主図柄と、その組合せを構成しない副図柄とのうち、主図柄が大当たり図柄の組合せの一部を構成しない場合であっても停止中の副図柄に代わって大当たり図柄の組合せが形成されるパターンが発生する。よって、変動表示の途中で大当たりの発生による遊技価値の付与が期待できない図柄の組合せとなっても最後の図柄列が停止するまで遊技価値の付与を遊技者に期待させることができる。従来にも主図柄と副図柄とによる遊技性はあるので、これを踏襲して遊技者に判り易く遊技の内容を示しつつ、新たな遊技性によってあたかも所定の遊技価値が付与され易いかの印象を遊技者に抱かせて、遊技機の稼働を高めることができる。
なお、優先図柄ZYは、必ずしも最後に停止する図柄列と同期して停止する図柄群(本実施形態における第3図柄群)に設ける必要はなく、最初、或いは、2番目に停止する図柄列を形成する第1図柄群や第2図柄群に設けても良い。
また、パチンコ機10においては、優先図柄ZYは、大当たり図柄を構成する主図柄に対応するものであり、副図柄としての丸枠の内側に主図柄の種類を識別するための情報である文字または数字を加えた態様で表示される。このため、優先図柄ZYが配置されたレイヤ42b3(図35参照)より優先して表示されるレイヤ42b1,42b2に副図柄が配置された状態で、優先図柄ZYが副図柄に重なって停止すると、副図柄が優先図柄の丸枠に一致し、優先図柄ZYの種類を識別するための文字または数字が表示され、優先図柄ZYをそのまま遊技者に視認させることができる。よって、優先図柄ZYに優先される副図柄を有した中図柄列の図柄は、優先図柄ZYが配置されるレイヤ42b3より優先して表示されるレイヤ42b1,42b2に一括して配置しつつ、副図柄のみに対して優先図柄ZYを優先して表示することができる。
ここで、優先図柄を有しない図柄群の一部の図柄(本実施形態においては副図柄)のみに限って優先図柄を優先して表示するためには、当該図柄群において優先図柄に優先されない図柄を優先図柄が配置されるレイヤより優先して表示されるレイヤに配置し、優先図柄に優先する図柄を、優先図柄が配置されるレイヤに優先されるレイヤに配置しても良いが、優先図柄の追加に伴ってレイヤの数が増加する。これは、画像制御が煩雑になり、開発コストの増大等の問題が生じる。パチンコ機10によれば、優先図柄ZYに優先される副図柄を有した中図柄列の図柄は、優先図柄ZYが配置されるレイヤ42b3より優先して表示されるレイヤ42b1,42b2に一括して配置しつつ、副図柄のみに対して優先図柄ZYを優先して表示することができるので、優先図柄ZYの追加に伴うレイヤの増加を抑制することができ、画像制御の設定を簡易にして開発期間の短縮や開発コストの低減、または制御の安定化を図ることができる。
なお、優先図柄ZYを、第1図柄群および第2図柄群に設けられる主図柄および副図柄のうち、副図柄のみに優先して表示される表示制御として、優先図柄ZYを配置したレイヤ42b3より優先して表示されるレイヤに第1,第2図柄群の主図柄を配置し、優先図柄ZYを配置したレイヤ42b3に優先されるレイヤを設けて、そのレイヤに第1図柄群および第2図柄群の副図柄を配置しても良い。この場合には、優先図柄ZYは、第3図柄群における優先図柄ZYとは別の主図柄により大当たりの図柄が形成されるラインからずらして配置することが好ましい。即ち、優先図柄ZYに同期して変動表示が行われる図柄列は、優先図柄ZYに対して水平ライン、右上がりおよび右下がりに形成される有効ラインに沿った図柄の並び位置(即ち、コマ番号2,3,4の位置)には、大当たりの図柄の組合せを形成する主図柄(「7」の主図柄)または副図柄のみを配置することが好ましいのである。
例えば「7」の優先図柄ZYを例にとると、「7」の優先図柄ZYは、コマ番号3の段に配置されるが、その段が有効ラインとされ得るコマ番号2,4には主図柄を配置しないで上限に一段ずつ空けて「6」および「8」の主図柄を配置するのである。「8」の主図柄を例えばコマ番号2の段に配置してしまうと、各図柄群に配置された通常図柄ZNとしての「8」の図柄が右上がりの有効ラインL4に3つ揃っても、優先図柄ZYの「7」の図柄が「8」の図柄に優先し、「8,8,8」の大当たりとなるところが「8,7,8」の外れになったと遊技者にとられてしまうが、上記したように優先図柄ZYと主図柄とを配置することにより、かかる表示状態の発生を防止して、遊技の継続意欲が減衰することを防止することができるのである。
次に、図37から図40を参照して装飾図柄表示領域42bに停止表示される図柄制御の内容について説明する。表示制御装置45のMPU520は、主制御装置261から送信されるコマンドに基づいて装飾図柄の表示内容を選定する。図37は、表示制御装置45のRAM523に設けられ、装飾図柄表示領域42bに表示する装飾図柄の選定に使用する各種カウンタの概要を模式的に示した図である。
左・中・右の装飾図柄カウンタSL,SM,SRは、各図柄列に表示する装飾図柄を決定するためのものである。図34に示す各図柄群の変動停止時には、コマ数分の装飾図柄の何れかが表示されることから、第1図柄群(左図柄列)および第2図柄群(中図柄列)については16個(0〜15)、第3図柄群(右図柄列)については18個(0〜17)のカウンタ値がそれぞれ用意されている。左・装飾図柄カウンタSLにより左図柄列を形成する第1図柄群の停止図柄が決定され、中・装飾図柄カウンタSMにより中図柄列を形成する第2図柄群の停止図柄が決定され、装飾図柄カウンタSRにより右図柄列および優先図柄ZYを形成する第3図柄群の停止図柄が決定される。なお、本実施の形態におけるパチンコ機10においては、装飾図柄カウンタの値が「0」である場合にコマ番号1の図柄が装飾図柄表示領域42bの上段に停止図柄として停止する。同様に、装飾図柄カウンタの値が「1」であればコマ番号2の図柄が、装飾図柄カウンタの値が「2」であればコマ番号3の図柄が、・・・装飾図柄カウンタの値が「17」であればコマ番号18の図柄がそれぞれ装飾図柄表示領域42bの上段に停止するように、表示制御装置45により表示制御が行われる。
また、本実施の形態では、MPU521に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタSL,SM,SRの値をランダムに更新する。即ち、各装飾図柄カウンタSL,SM,SRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビット(即ち「0〜7」)の値が加算され、その加算結果が最大値(左・中の装飾図柄カウンタSLにおいては「15」、右の装飾図柄カウンタSM,SRにおいては「17」)を超えた場合に各最大値分減算されて今回値が決定される。各装飾図柄カウンタSL,SM,SRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら装飾図柄カウンタSL,SM,SRの組合せが、RAM523の大当たり図柄バッファ、リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、特別図柄の変動開始を示す変動パターンコマンドを受信した際に、コマンドの内容に応じて大当たり図柄バッファ、リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
次に、図38から図40を参照して、表示制御装置45のMPU521により実行される各処理について説明する。図38は、表示制御装置45のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
表示制御装置45のメイン処理は、まず電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S811)、RAMやI/O等の各値の初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う。その後、S812からS815の処理を4ms毎に繰り返し実行して、図柄表示装置42の表示内容を制御する。
まず、各表示装置41,42の表示内容にあわせた音声を出力するために音声ランプ制御装置262へ音声出力のコマンドを送信する外部出力処理を行い(S812)、その後に上述した装飾図柄カウンタSL,SM,SRの更新を行う(S813)。
ここで、図39を参照して、装飾図柄カウンタ更新処理(S813)を説明する。図39は、図38のメイン処理の中で実行される装飾図柄カウンタ更新処理(S813)を示したフローチャートである。
まず、左図柄列の装飾図柄カウンタSLの更新時期か否かを判別し(S821)、更新時期であれば(S821:Yes)、左図柄列の装飾図柄カウンタSLを更新する(S823)。次に、左図柄列の更新時期でなければ(S821:No)、中図柄列の装飾図柄カウンタSMの更新時期か否かを判別し(S822)、更新時期であれば(S822:Yes)、中図柄列の装飾図柄カウンタSMを更新する(S824)。更に中図柄列の更新時期でなければ(S822:No)、右図柄列の更新時期なので、右図柄列の装飾図柄カウンタSRを更新する(S825)。
上記S823〜S825の各処理における装飾図柄カウンタSL,SM,SRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に最大値分を減算し、その演算結果を装飾図柄カウンタSL,SM,SRの今回値とする。上記SL,SM,SRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各装飾図柄カウンタSL,SM,SRが1回の通常処理で1つずつ順に更新されるので、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタSL,SM,SRの1セット分が更新される。
その後、上記更新した装飾図柄カウンタSL,SM,SRの組合せが大当たり図柄の組合せになっているか否かを判別し(S826)、大当たり図柄の組合せであれば(S826:Yes)、そのときの装飾図柄カウンタSL,SM,SRの組合せをRAM523の大当たり図柄バッファに格納し(S828)、本処理を終了する。大当たり図柄の組合せの判別は、優先図柄ZYを使用した大当たりを含めてすべての大当たり図柄の組合せが予め表示制御装置45のROM522に記憶され、その値と比較することにより行われる。
ここで、大当たり図柄の組合せとしては、5本の有効ラインのうちいずれか1箇所で3つの図柄が揃って停止される組合せであるので、例えば、「1,1,1」の装飾図柄の組合せに対しては、左・中・右の各装飾図柄カウンタSL,SM,SRの各値は、有効ラインL1に対応した「0,14,14」、有効ラインL2に対応した「15,13,13」、有効ラインL3に対応した「14,12,12」、有効ラインL4に対応した「14,13,14」、有効ラインL5に対応した「0,13,12」の5通りがある。また、優先図柄ZYによって大当たり図柄が表示されるときには、優先図柄ZYにより優先された左または中の図柄列が副図柄で停止するものであれば大当たり図柄の組合せとなる。このため、例えば、「当、当、当」の図柄が停止図柄として表示される右の装飾図柄カウンタSLの値が「14〜16」の範囲内においては、「当,当,当」が揃う有効ライン上における左および中の装飾図柄カウンタSM,SRの値が副図柄となるものであれば、全て大当たり図柄の組合せとなる。この組合せを示す左・中・右の図柄カウンタの組合せは、表示制御装置45のプログラムROM522に予め記憶され、その記憶された組合せのデータを参照して大当たり図柄の組合せか否かをS826の処理で判別する。
S826の処理において大当たり図柄の組合せでなければ(S826:No)、リーチ図柄の組合せになっているか否かを判別し(S827)、リーチ図柄の組合せであれば(S827:Yes)、その時の装飾図柄カウンタSL,SM,SRの組合せをRAM523のリーチ図柄バッファに格納する(S829)。装飾図柄カウンタSL,SM,SRの組合せが大当たり図柄の組合せでなく(S826:No)、且つリーチ図柄の組合せでもなければ(S827:No)、装飾図柄カウンタSL,SM,SRの組合せは完全外れの組合せ(リーチなし)になっているので、かかる場合には、その装飾図柄カウンタSL,SM,SRの組合せをRAM523の完全外れ図柄バッファに格納する(S830)。
装飾図柄カウンタSL,SM,SR更新処理(S813)の終了後は、図38のメイン処理へ戻って図柄表示装置42の装飾図柄表示領域42b(図24参照)における装飾図柄の変動表示を進行させる装飾図柄表示処理を行う(S814)。その後には、特別図柄表示領域42a(図24参照)における特別図柄の変動表示を進行させる特別図柄表示処理を行う(S815)。S814及びS815による表示制御は、主制御装置261より受信したコマンドに基づいて設定される図37に示す演出実行エリアの内容に従って行われる。
次に、前回のS812の処理の開始からの経過時間を確認する(S816)。S816の処理においてその経過時間が4ms未満であれば(S816:No)、4msが経過するまでS816の処理を繰り返す。S816の処理において4msが経過したことが確認されると(S816:Yes)、処理をS812へ移行し、その後の処理を実行する。
S816の処理にてS812の処理からの経過時間に基づいて処理を進行させることにより、S812からS815の処理を4ms毎に行うことができ、4ms毎に装飾図柄カウンタSL,SM,SRの更新を行うことができる。
次に、図40を参照して、表示制御装置45により行われるコマンド受信処理について説明する。図40は、表示制御装置45のコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、表示制御装置45において主制御装置261からコマンドを受信した場合に実行される割込処理であり、この処理によって主制御装置261から送信されたコマンドに予め対応付けされた処理が表示制御装置45で行われる。
コマンド受信処理では、受信したコマンドを確認し(S841)、そのコマンドが変動パターンコマンドであれば(S841:変動パターンコマンド)、変動パターンコマンドを演出実行エリア521aに書き込む(S842)。この変動パターンコマンドに対応して特別図柄および装飾図柄における変動時間とリーチの有無などの変動パターンが予め定められており、主制御装置261のMPU502で行われた各種の抽選に対応した変動表示が図柄表示装置42にて行われる。
次に、受信した変動パターンコマンドの内容を確認し(S843)、大当たりの変動パターンコマンドであれば(S843:大当たり)、大当たり図柄カウンタバッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として書き込んで格納する(S844)。S843の処理において受信したコマンドがリーチのものであれば(S843:リーチ)、リーチ図柄バッファの値を演出実行エリアに書き込む(S845)。受信したコマンドが完全外れのものであれば(S843:完全外れ)、完全外れ図柄バッファの値を演出実行エリアに書き込む(S846)。S844からS846の処理によって変動パターンコマンドに応じた図柄バッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として設定することで、特別図柄と装飾図柄とが共に大当たり、リーチまたは完全外れのいずれかで停止させることができる。
その後、音声ランプ制御装置262へ保留ランプ46を1つ消灯させるランプ消灯コマンドを送信する(S847)。このS847の処理においては、RAM523に設けられたコマンド送信用のエリア(送信バッファ)にランプ消灯コマンドが一旦書き込まれ、前述した外部出力処理(S812)によってランプ消灯コマンドは送信される。S847の処理後、図柄表示装置42によって特別図柄と装飾図柄との変動表示を開始させ(S848)、コマンド受信処理を終了する。
S841の処理において受信したコマンドが停止図柄コマンドであれば(S841:停止図柄コマンド)、停止図柄のデータを演出実行エリア521aに書き込み、コマンド受信処理を終了する。受信したコマンドが確定コマンドであれば(S841:確定コマンド)、変動表示を確定停止させ(S850)、コマンド受信処理を終了する。また、S841の処理において受信したコマンドが、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、及び、確定コマンドのいずれでもなければ(S841:他のコマンド)、受信したコマンドに応じた各処理を実行して(S851)、コマンド受信処理を終了する。
このように、表示制御装置45においては、主制御装置261から変動パターンコマンドを受信した場合にS843からS846の処理によって変動パターンコマンドに応じた図柄バッファの値を今回の変動表示に対する装飾図柄の停止図柄として設定する。これにより、主制御装置261によって行われる抽選結果に対応して特別図柄と装飾図柄とを共に大当たり、リーチまたは完全外れのいずれかで停止させることができ、主制御装置261の大当たりおよびリーチ抽選の結果に対応した装飾図柄の変動表示を実行することができる。
次に、図41を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図41は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置261から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S902:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S902:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S903)、外部割込ベクタの設定を行う(S904)。
その後は、MPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押されているか否かを判別し(S905)、オンされていれば(S905:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323がオンされていなければ(S905:No)、更にRAM513のバックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S906)、記憶されていなければ(S906:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS915へ移行する。バックアップエリア513aに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S906:Yes)、RAM判定値を算出し(S907)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S908:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S915)、RAM513の初期値を設定する(S916)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S917)、割込みを許可して(S918)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されておらず(S905:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S906:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S908:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S909)、電源遮断の発生情報をクリアする(S910)。また、MPU511周辺デバイスの初期設定を行い(S911)、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる(S912)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S913)、割込みが許可状態であれば(S913:Yes)、割込みを許可し(S914)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S913:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図42のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する(S1001)。発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い(S1002)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1003)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1004)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1005)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1006)。
次に、S1007〜S1009の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1001の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1007:No,S1008:No)、図43に示す賞球制御処理を開始する(S1009)。一方、賞球の払出不可状態(S1007:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1008:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1010〜S1012の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1010:No,S1011:Yes)、図45に示す貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S1010:Yes)または貸球払出要求を受信していなければ(S1011:No)、後続の球抜き処理を実行する(S1013)。なお、貸球制御処理は後述する。
球抜き処理(S1013)では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続いて、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する(S1014)。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述した処理を繰り返す。
図43に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1101)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1102)、正常でなければ(S1102:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1103)、その後、図42の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1102:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1104)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1104:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1105)、その後、図42の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1104:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1106)、払出が完了していれば(S1106:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1107)、その後、図42の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1106:No)、そのまま、図42の払出制御処理に戻る。
図45に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを逆方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1201)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1202)、正常でなければ(S1202:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1203)、その後、図42の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1202:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1204)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1204:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1205)、その後、図42の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1204:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1206)、払出が完了していれば(S1206:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1207)、その後、図42の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1206:No)、そのまま、図42の払出制御処理に戻る。
以上、一実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、図柄表示装置42の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。識別情報を表示するものであって2種以上の識別情報を連ねた識別情報列を少なくとも2列以上並べて表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、前記表示装置に前記識別情報列の変動表示を行わせると共に、前記表示装置における前記識別情報列の並設方向に沿って予め定めた所定領域に前記抽選手段による抽選結果に応じた前記識別情報の組合せを停留表示する変動実行手段と、前記抽選手段による所定の抽選結果の導出を条件として第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わる変動入賞手段とを備え、前記所定領域に停留する識別情報の組合せにより前記抽選手段の抽選結果を示し、前記所定の抽選結果が導出されると前記所定領域に予め定めた識別情報の組合せを停留表示すると共に前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記変動実行手段は、1の前記識別情報列に同期した変動表示を行うと共にその1の識別情報列とは異なる他の識別情報列に重なりつつ当該他の識別情報列を構成する複数の識別情報のうち一部の識別情報に優先して表示される識別情報であって、前記1の識別情報列と共に前記予め定めた識別情報の組合せの少なくとも一部を形成する位置に配置された優先識別情報を前記表示装置に表示させるものであることを特徴とする遊技機1。
なお、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機1における検出手段としては、上記実施形態における作動口スイッチ224および主制御装置261のMPU501により実行される処理であって作動口スイッチ224により遊技球が始動口へ入球したか否かを検出する処理(図32のS701の処理)が該当し、抽選手段としては、上記実施形態における主制御装置261のRAM503に設けられて4ms毎に更新される大当たり乱数カウンタC1と、その大当たり乱数カウンタC1の値を始動入賞時に取得する始動入賞処理(図32のS604の処理)とが該当し、抽選手段による所定の抽選結果の導出としては、始動入賞時に保留球格納エリアに書き込まれた大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であるときが該当する。また、変動実行手段としては、上記実施形態における表示制御装置45が該当し、変動入賞手段としては、遊技球が入賞し得る大入賞口を備え、その大入賞口を通常時の閉状態と、遊技球が入賞しやすく遊技者にとって有利な開状態とに切り替える可変入賞装置32が該当する。
遊技機1において、前記変動実行手段は、前記識別情報列を予め定めた順序に従って順に停留させて前記識別情報の組合せを停留表示するものであり、前記優先識別情報の少なくとも1つは、1の前記識別情報列であって2番目以降に停留する識別情報列に同期した変動表示を行うと共に、当該1の識別情報列とは異なる他の識別情報列であって当該1の識別情報列より前に停留する識別情報列に重なりつつ表示されるものであることを特徴とする遊技機2。従来、遊技者は、識別情報列の停留により予め定めた識別情報の組合せとならないことが示されたタイミングで、その変動表示後における所定の遊技価値の付与をあきらめる。この場合には、識別情報列が変動表示中であるにも関わらず所定の遊技価値の付与を期待し難く、実行中の変動表示を遊技者に注目させることが難しい。
遊技機2によれば、優先識別情報は、1の識別情報列であって2番目以降に停留する識別情報列に同期した変動表示を行うと共に、同期して変動表示が行われる1の識別情報列より前に停留する識別情報列に重なりつつ表示される。このため、停留中の識別情報に優先識別情報が優先し、予め定めた識別情報の組合せが形成されるパターンが発生する。よって、遊技者には、停留中の識別情報が優先識別情報に代わることによって予め定めた識別情報の組合せとなるパターンの発生を期待させることができ、新たな遊技性により遊技の興趣を高めることができる。
遊技機2において、前記優先識別情報の少なくとも1つは、1の前記識別情報列であって最後に停留する識別情報列に同期した変動表示を行うものであることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、優先識別情報は、最後に停留する識別情報列に同期した変動表示を行うものであるので、最後の識別情報列が停留するタイミングで、停留中の識別情報に優先識別情報が優先して、予め定めた識別情報の組合せが形成されるパターンが発生する。このため、変動表示の途中で所定の遊技価値の付与が期待できない識別情報の組合せとなっても、変動表示において終了に近い最後の識別情報列が停留するタイミングまで所定の遊技価値の付与を遊技者に期待させることができ、新たな遊技性による遊技の興趣を変動表示中の長期間にわたって遊技者に付与することができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記優先識別情報の少なくとも1つは、前記1の識別情報列以外の全ての識別情報列に対して各々優先する識別情報であって当該1の識別情報列の停留と共に前記所定領域に予め定めた識別情報の組合せを形成する位置に配置されていることを特徴とする遊技機4。遊技機4によれば、1の識別情報列の停留に伴って優先図柄を含めて予め定めた識別情報の組合せが一時に形成されるので、変動表示の意外性を一層高めることができる。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記変動実行手段は、前記予め定めた識別情報の組合せを構成する主識別情報と、その組合せを構成しない副識別情報とを前記識別情報列として交互に表示するものであり、前記優先識別情報の少なくとも1つは、前記他の識別情報列における前記主識別情報には優先せず、前記他の識別情報列における前記副識別情報に優先して表示されるものであることを特徴とする遊技機5。従来より主識別情報と副識別情報とが識別情報列として交互に表示されるものが数多く提供されている。
遊技機5によれば、予め定めた識別情報の組合せを構成する主識別情報と、その組合せを構成しない副識別情報とのうち、主識別情報が予め定めた識別情報の組合せを構成しない場合であっても停留中の副識別情報に代わって予め定めた識別情報の組合せが形成されるパターンが発生する。よって、変動表示の途中で所定の遊技価値の付与が期待できない識別情報の組合せとなっても最後の識別情報列が停留するまで所定の遊技価値の付与を遊技者に期待させることができる。従って、従来の主識別情報と副識別情報とによる遊技性を踏襲して遊技者に判り易く遊技の内容を示しつつ、新たな遊技性によってあたかも所定の遊技価値が付与され易いかの印象を遊技者に抱かせて、遊技機の稼働を高めることができる。
なお、「主識別情報と副識別情報とを交互に表示する」とは、主識別情報と副識別情報とを1つずつ交互に表示するものに限定されず、識別情報列の少なくとも一部に主識別情報または副識別情報を2つ以上連続して表示した後に副識別情報または主識別情報を表示しても良い。また、特定の識別情報としては、例えば、1の優先識別情報としての図柄と同一の文字、数字、記号若しくはキャラクタまたはこれらの組合せで表示された図柄が例示されるが、必ずしも同一の図柄に限定されず、予め定めた識別情報の組合せとして別々の図柄の組合せとしても良い。
遊技機5において、前記変動実行手段は、前記優先識別情報を含む識別情報の画像データを記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された画像データを複数の画層に配置し、その複数の画層を重ね合わせて重複した画像データの一方を優先して前記表示装置に表示する制御を行う画像制御手段とを備え、前記副識別情報に優先して表示される前記優先識別情報を、当該優先識別情報に優先される副識別情報に他の識別情報を加えた態様で表示するものであり、前記他の識別情報列を構成する主識別情報および副識別情報は、前記優先識別情報の少なくとも1つが配置される画層より優先して表示される画層に配置されていることを特徴とする遊技機6。
複数の画層に画像データを重ね合わせ、重複した画像データの一方を優先して表示装置に表示する制御を行う画像制御装置を備えた遊技機が知られている。かかる画像の制御を利用し、優先識別情報に優先される一部の識別情報が配置される画層(第1の画層)より優先して表示される画層(第2の画層)に優先識別情報を配置することで、優先識別情報が他の識別情報列に重なりつつ一部の識別情報に優先して表示される変動表示を実現できる。しかし、他の識別情報列における一部の識別情報に限って優先識別情報を優先して表示するために、他の識別情報列において優先識別情報に優先されない識別情報を優先識別情報が配置される第2の画層より優先して表示される第3の画層に配置すると、優先識別情報の追加に伴って画層の数が増加する。これにより、画像制御が煩雑になり、開発コストの増大等の問題が生じる。
遊技機6によれば、優先識別情報は、副識別情報に他の識別情報を加えた態様で表示されるので、優先識別情報が配置された画層より優先して表示される画層に副識別情報が配置された状態で、優先識別情報が副識別情報に重なって停留しても、副識別情報が優先識別情報の一部に一致し、優先識別情報が見難くなることは少ない。よって、優先識別情報に優先される副識別情報を有した他の識別情報列の識別情報は、優先識別情報が配置される画層より優先して表示される画層に一括して配置することができ、画像制御の設定を簡易にして開発期間の短縮や開発コストの低減、または制御の安定化を図ることができる。
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記変動実行手段は、前記優先識別情報を含む識別情報の画像データを記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された画像データを複数の画層に配置し、その複数の画層を重ね合わせて重複した画像データの一方を優先して前記表示装置に表示する制御を行う画像制御手段とを備え、前記優先識別情報の少なくとも1つは、前記他の識別情報列が配置される第1の画層より優先して表示される第2の画層に配置されていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、優先識別情報は、他の識別情報列が配置される第1の画層より優先して表示される第2の画層に配置されるので、優先識別情報に他の識別情報列が重複した画像を画像データとして記憶手段に記憶させることなく、優先識別情報が他の識別情報列に重なって変動表示が行われる画像を表示装置に表示することができる。よって、記憶手段に記憶される画像データの増大を抑えつつ、優先識別情報を用いた変動表示の遊技性を遊技機に付加することができる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記優先識別情報の少なくとも1つは、前記他の識別情報列の一部を構成する識別情報と同一又は同一種類の識別情報で構成されていることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば優先識別情報が他の識別情報列の一部を構成する識別情報と同一又は同一種類の識別情報で構成されるので、優先識別情報が所定領域に停留することにより他の識別情報列の識別情報に代わって予め定めた識別情報の組合せが形成される。よって、優先識別情報によって予め定めた識別情報の組合せが形成されるパターンが増大するので、遊技者には所定の遊技価値が付与され易いかの印象を抱かせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技機8における同一種類の識別情報としては、形状が同一で一部分の色のみが異なる識別情報や、キャラクタに数字が付された識別情報であってその数字が同一でキャラクタが異なる識別情報などが例示され、他の識別情報列を構成する識別情報に代わって予め定めた識別情報の組合せを形成する識別情報を意味している。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記表示装置は、前記優先識別情報を有しない特別識別情報と、前記優先識別情報を有する装飾識別情報とを前記識別情報として表示するものであり、前記抽選手段とその抽選手段の抽選結果に応じた前記特別識別情報の組合せを選定する第1選定手段とを有する主制御手段と、その主制御手段とは別体に形成されその主制御手段の指示に基づいて前記表示装置に表示される識別情報の表示を制御する表示制御手段とを備え、その表示制御手段は、前記主制御手段の指示に基づいて、前記第1選定手段により選定された前記特別識別情報の組合せに対応した表示を前記表示装置に表示すると共に前記装飾識別情報の組合せを選定して前記表示装置に表示するものであることを特徴とする遊技機9。優先識別情報を用いて大当たり等の抽選結果を表示する場合、優先識別情報に優先される他の識別情報列としてはいずれの識別情報の組合せであっても良い。このため、予め定めた識別情報の組合せは、優先識別情報を用いることにより多種となる。他方、遊技機においては、大当たり抽選や停留表示される識別情報の組合せ等の遊技に関する制御を行う主制御装置と、主制御装置の指示により表示装置の表示を制御する表示制御装置とを設けて、主制御装置の制御を少なくすることが行われて遊技機の開発や検査に要する時間短縮を図っている。しかし、優先識別情報を用いることにより予め定めた識別情報の組合せが多種になると主制御手段から表示制御手段へ送信する指令の種類が多くなり、主制御装置の制御が複雑化されて好ましくない。
遊技機9によれば、抽選手段の抽選結果に応じた識別情報の組合せは、優先識別情報を有しない特別識別情報に対して主制御手段の第1選定手段により選定されるので、優先識別情報がある場合に比べて予め定めた識別情報の組合せが少なくなり、主制御手段の制御が単純化される。また、表示制御手段の制御により優先識別情報を有する装飾識別情報の組合せを選定するので、主制御手段から表示制御手段へ送信する指令の種類を少なくしつつ優先識別情報の使用に伴う多種の識別情報の組合せに対する表示制御を行うことができる。抽選手段による抽選の制御が行われる主制御手段に対しては、遊技者や遊技場が不当に不利益を被らないよう、遊技機の開発や検査を厳重に行う必要があり、その主制御手段の制御を装飾識別情報の使用により単純化することで遊技機の開発や検査に要するコストを低減することができる。よって、低コストで優先識別情報を用いた変動表示の遊技性を遊技機に付加することができる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記表示装置は、前記抽選手段による抽選結果に応じた前記識別情報の組合せを少なくとも2以上の前記所定領域に停留表示するものであり、前記変動実行手段は、前記1の識別情報列と前記優先識別情報とにより1の前記所定領域に前記予め定めた識別情報の組合せの一部を形成しつつ、他の前記所定領域には前記1の識別情報列と前記他の識別情報列とにより前記予め定めた識別情報の組合せの一部を形成するものであることを特徴とする遊技機10。
遊技機10において、前記表示装置は、3つの識別情報列により縦と横に3つずつの合計9つの識別情報を少なくとも表示するものであって、その9つの識別情報のうち縦又は横に並んだ3つの識別情報を繋げた3つの所定領域と、2つの対角線上に並んだ3つの識別情報を繋げた2つの所定領域とに、前記抽選手段による抽選結果に応じた前記識別情報の組合せを停留表示するものであることを特徴とする遊技機11。
遊技機10及び11によれば、表示装置には、抽選手段による抽選結果に応じた識別情報の組合せが少なくとも2以上の所定領域に停留表示されるので、1の所定領域に1の識別情報列と優先識別情報とにより予め定めた識別情報の組合せが形成され得る状態で、他の所定領域にも1の識別情報列と他の識別情報列とにより予め定めた識別情報の組合せが形成され得る。よって、遊技者には、予め定めた識別情報の組合せとなる機会が増大したかの印象を与えて、遊技の面白みを高めることができる。
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機12。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、所定の遊技価値が付与される時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機13。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させる特別遊技発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機14。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させる特別遊技発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
一実施の形態におけるパチンコ機の正面図である。 外枠に対して内枠と前面枠セットとを開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機から前面枠セットを取り外した状態を示した正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 前面枠セットの背面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示した分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 内枠を後方より見た斜視図である。 遊技盤を後方より見た斜視図である。 支持金具の斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットを裏面から見た分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの正面図である。 第2制御基板ユニットの斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 パチンコ機の背面から見た裏パックユニットの背面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 タンクレールの分解斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。 図柄表示装置の表示内容を示す図である。 主制御装置内の各種カウンタの概要を示した図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される通常処理を示したフローチャートである。 図27の通常処理の中で実行される外れ図柄カウンタ更新処理を示したフローチャートである。 図27の通常処理の中で実行される特別図柄変動処理を示したフローチャートである。 図29の特別図柄変動処理の中で実行される変動開始処理を示したフローチャートである。 タイマ割込処理を示したフローチャートである。 図31のタイマ割込処理の中で実行される始動入賞処理を示したフローチャートである。 NMI割込処理を示したフローチャートである。 装飾図柄の図柄群を展開して図柄配列を示した図である。 図柄表示装置のレイヤ構成を模式的に示した図である。 装飾図柄の変動表示を例示した図である。 表示制御装置内の各種カウンタの概要を示した図である。 表示制御装置のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 図38のメイン処理の中で実行される装飾図柄カウンタ更新処理を示したフローチャートである。 表示制御装置のMPUにより実行されるコマンド受信処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される払出制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される賞球制御処理を示したフローチャートである。 払出制御装置内のMPUにより実行される貸球制御処理を示したフローチャートである。
符号の説明
10 パチンコ機(遊技機)
32 可変入賞装置(可変入賞手段)
42 図柄表示装置
45 表示制御装置(変動実行手段の一部)
224 作動口スイッチ(検出手段)
261 主制御装置(抽選手段、変動実行手段の一部)
ZY 優先図柄(優先識別情報)

Claims (5)

  1. 識別情報を表示するものであって2種以上の識別情報を連ねた識別情報列を少なくとも2列以上並べて表示する表示装置と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、前記表示装置に前記識別情報列の変動表示を行わせると共に、前記表示装置における前記識別情報列の並設方向に沿って予め定めた所定領域に前記抽選手段による抽選結果に応じた前記識別情報の組合せを停留表示する変動実行手段と、前記抽選手段による所定の抽選結果の導出を条件として第1状態から遊技者にとって有利な第2状態に切り替わる変動入賞手段とを備え、前記所定領域に停留する識別情報の組合せにより前記抽選手段の抽選結果を示し、前記所定の抽選結果が導出されると前記所定領域に予め定めた識別情報の組合せを停留表示すると共に前記変動入賞手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
    前記変動実行手段は、1の前記識別情報列に同期した変動表示を行うと共にその1の識別情報列とは異なる他の識別情報列に重なりつつ当該他の識別情報列を構成する複数の識別情報のうち一部の識別情報に優先して表示される識別情報であって、前記1の識別情報列と共に前記予め定めた識別情報の組合せの少なくとも一部を形成する位置に配置された優先識別情報を前記表示装置に表示させるものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記変動実行手段は、前記識別情報列を予め定めた順序に従って順に停留させて前記識別情報の組合せを停留表示するものであり、
    前記優先識別情報の少なくとも1つは、1の前記識別情報列であって2番目以降に停留する識別情報列に同期した変動表示を行うと共に、当該1の識別情報列とは異なる他の識別情報列であって当該1の識別情報列より前に停留する識別情報列に重なりつつ表示されるものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記変動実行手段は、前記優先識別情報を含む識別情報の画像データを記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された画像データを複数の画層に配置し、その複数の画層を重ね合わせて重複した画像データの一方を優先して前記表示装置に表示する制御を行う画像制御手段とを備え、
    前記予め定めた識別情報の組合せを構成する主識別情報と、その組合せを構成しない副識別情報とを前記識別情報列として交互に表示すると共に、前記優先識別情報の少なくとも1つは、前記他の識別情報列における前記主識別情報には優先させず、前記他の識別情報列における前記副識別情報に優先して表示される前記優先識別情報を、当該優先識別情報に優先される副識別情報に他の識別情報を加えた態様で表示するものであり、
    前記他の識別情報列を構成する主識別情報および副識別情報は、前記優先識別情報の少なくとも1つが配置される画層より優先して表示される画層に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記変動実行手段は、前記優先識別情報を含む識別情報の画像データを記憶する記憶手段と、
    その記憶手段に記憶された画像データを複数の画層に配置し、その複数の画層を重ね合わせて重複した画像データの一方を優先して前記表示装置に表示する制御を行う画像制御手段とを備え、
    前記優先識別情報の少なくとも1つは、前記他の識別情報列が配置される第1の画層より優先して表示される第2の画層に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  5. 前記表示装置は、前記優先識別情報を有しない特別識別情報と、前記優先識別情報を有する装飾識別情報とを前記識別情報として表示するものであり、
    前記抽選手段とその抽選手段の抽選結果に応じた前記特別識別情報の組合せを選定する第1選定手段とを有する主制御手段と、
    その主制御手段とは別体に形成されその主制御手段の指示に基づいて前記表示装置に表示される識別情報の表示を制御する表示制御手段とを備え、
    その表示制御手段は、前記主制御手段の指示に基づいて、前記第1選定手段により選定された前記特別識別情報の組合せに対応した表示を前記表示装置に表示すると共に前記装飾識別情報の組合せを選定して前記表示装置に表示するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
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