JP2010057898A - 薬液注入量調整装置及び薬液注入量調整方法、並びに薬液注入システム - Google Patents

薬液注入量調整装置及び薬液注入量調整方法、並びに薬液注入システム Download PDF

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Abstract

【課題】薬液注入に際して異常事態の発生を確実かつ速やかに検知し、異常状態での薬液の注入継続を防止する。
【解決手段】
薬液注入システム200では、薬液LMが収容された容器10から生体22内の血管まで、マイクロポンプ12、流量センサ14、チューブ15を介して、薬液LMが流れる1つの開放路が構成される。そのため、生体内からの背圧が、開放路を介してマイクロポンプ12に直に働く。ここで、薬液LMの流量が一定である場合、マイクロポンプの動力は背圧と一定の関係を持つ。そこで、動力を制御して薬液LMの流量を目標量に調整するとともに、動力を監視する。その監視情報に基づいて注入状況を診断し、注射針20の抜けのような異常を、素早く且つ正確に検知することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、薬液注入量調整装置及び薬液注入量調整方法、並びに薬液注入システムに係り、さらに詳しくは、薬液が収容された容器から生体に注入される薬液の注入量を調整する薬液注入量調整装置及び薬液注入量調整方法、並びに前記薬液注入量調整装置を備えた薬液注入システムに関する。
生体に薬液を注入するには、一般に、点滴装置が用いられる。点滴装置では、薬液を収容した容器にチューブの一端を接続し、そのチューブの他端に装着された注射針を介して生体内に薬液を注入するとともに、チューブの途中に注入速度の調整を行うための薬液注入量調整装置が設けられる。従来、薬液注入量調整装置としては、点滴筒及びクランプを有し、看護師などの医療従事者が点滴筒内における薬液の滴下状況を見ながらクランプを操作するものが用いられている。
この他、薬液注入ポンプと呼ばれる装置も用いられている。この薬液注入ポンプでは、回転数を制御する機構を持ったモータにより注射筒を駆動する、あるいは一定速度でチューブを押圧してゆくしごきポンプを用いることで、注入速度(単位時間当たりの注入量)の調整を行うようになっている。
従来の点滴装置における注入速度の設定は、看護師等が点滴筒内での液滴の大きさと単位時間当りの滴下数を目視によって確認して行なうため、個人の経験と勘に依存するところが大きく、経験のない者が常に最適な速度に設定することは困難である。
例えば、薬液の粘性、密度、表面張力によって液滴の大きさが異なり、しかも、粘性及び表面張力は温度による変化が大きいので、同じ薬液でも温度によって液滴の大きさが変化することになり、この液滴の大きさを目視によって正確に把握することは困難である。点滴中に温度が変化すると注入速度も変化するから、これを一定に維持するためには点滴中にたえずクランプにより速度の修正を行なう必要がある。注入ポンプについても同様に温度・薬物の種類によって粘度・表面張力・密度などが変化するため初期速度の設定、一定速度の維持は極めて難しい。
かかる不都合を改善するものとして、従来においても、生体に注入すべき薬液を収容した容器を重量検出機構に保持し、薬液の残存重量を刻々と測定し、その測定値の経時的変化に基づいて、定められた時間内に定められた量の薬液が注入されるよう、容器からの薬液流出速度を刻々と制御する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1に開示される装置によっても、次のような事態が発生した場合には、正確な薬液注入が不能となる。
すなわち、薬液注入中に注射針が生体から抜けたり、薬液流路のどこかがはずれてしまったりした場合、薬液は生体に注入されずに異常な流量で流出してしまう。
例えば,生体の血管内に薬液を注入する場合において、生体の体位が変化してチューブが引っ張られることにより、注射針の先端が血管内から抜け、ただし生体外に抜けず、血管を取り囲む組織内に留置した場合、その組織内に薬液が注入されてしまう。その薬液が、組織にとって有害であることもある。さらに、組織内に注入された薬液により血管が圧迫され、損傷するおそれもある。また、圧迫されることにより血流が止められ、下流の細胞、組織が壊死するおそれもある。なお、薬液の流量が50〜100ml/hを超えると、これらの現象が生じる可能性が高いことが知られている。
この他、従来の構成の投薬(薬液注入)ポンプ装置において、上述の注射針の抜けのような投薬状況の異常を検知するために、独立なセンサを設けるものが、開示されている(例えば特許文献2参照)。しかし、この特許文献2に開示されるものでは、異常を瞬時に且つ正確に検知することは困難であった。
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、その第1の目的は、上述のような異常事態の発生を自動的に確実かつ速やかに検知し、異常状態での薬液の注入継続を防止することができる薬液注入量調整装置及び薬液注入量調整方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上述のような異常事態の発生をも自動的に確実かつ速やかに検知し、異常状態での薬液の注入継続を防止することができる薬液注入システムを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、薬液が収容された容器から生体内に至る薬液注入管路の途中に接続され、前記生体に注入される薬液の注入量を調整する薬液注入量調整装置であって、前記薬液注入管路の一部を構成するマイクロポンプと;前記マイクロポンプとともに前記薬液注入管路の一部を構成し、該薬液注入管路内の薬液の流量を計測するための計測手段と;前記計測手段の計測情報に基づいて、前記流量が目標量に維持されるように前記マイクロポンプの動力を制御するとともに、前記動力を監視する制御手段と;を備える薬液注入量調整装置が提供される。
ここで、生体とは、人間のみに限らず広く動物の意を含み、また、生体内とは、生体の血管内、臓器内等の意を広く含むものとする。また、薬液は、液体の薬品の他、チューブを介して生体に注入される液体を広く含む。本明細書では、かかる意味で生体、生体内、薬液なる用語を用いるものとする。
これによれば、薬液が収容された容器から生体内に至る薬液注入管路の途中に本発明の薬液注入量調整装置が接続された状態で、制御手段により、計測手段の計測情報に基づいて、薬液注入管路内の薬液の流量が目標量に維持されるようにマイクロポンプの動力が制御されるとともに、その動力が監視される。このため、前述のように環境温度が変化しても、生体内からマイクロポンプに働く背圧が変化しても、薬液の流量を目標量に維持することができる。また、マイクロポンプの動力の監視情報に基づいて生体内からの背圧の変化、さらには背圧の変化から注入状況を診断することが可能になる。この結果、前述の針の抜けのような、薬液注入管路の先端部材の抜けなどの注入状況の異常を素早く且つ正確に、薬液の注入状態を診断するためのセンサなどを別に設けることなく、検知することが可能となる。また、マイクロポンプを導入しているので、小型且つ軽量で、利便性に優れた薬液注入量調整装置を実現することが可能となる。
本発明の第2の態様によれば、生体内に薬液を注入する薬液注入システムであって、前記薬液が収容された容器と;薬液が収容された容器に一端が接続され、他端に前記生体内に一端部が刺し入れられる針状管部が設けられ、前記容器から生体内に至る薬液注入管路と;前記薬液注入管路の途中に接続された本発明の薬液注入量調整装置と;を備える薬液注入システムが提供される。
ここで、針状管部は、薬液注入管路の他端に設けられた前述の注射針などの穿刺針などの他、薬液注入管路の他端部を構成するカテーテルなどの管の先端部なども含む。
これによれば、本発明の薬液注入量調整装置を備えているので、上述のような異常事態の発生をも自動的に確実かつ速やかに検知し、異常状態での薬液注入継続を防止する(回避する)ことができる。
本発明の第3の態様によれば、薬液が収容された容器から生体に注入される薬液の注入量を調整する薬液注入量調整方法であって、前記容器から生体内に至る薬液注入管路の途中に接続されたポンプの動力を、前記薬液注入管路内の薬液の流量が目標量に維持されるように、前記薬液注入管路内の薬液の流量の計測情報に基づいて制御する第1工程と;前記第1工程と並行して、前記動力を監視する第2工程と;を含む第1の薬液注入量調整方法が提供される。
これによれば、前述のように環境温度が変化しても、生体内からポンプに働く背圧が変化しても、薬液の流量を目標量に維持することができる。また、ポンプの動力の監視情報に基づいて生体内からの背圧の変化、さらには背圧の変化から注入状況を診断することが可能になる。この結果、前述の針の抜けのような、薬液注入管路の先端部材の抜けなどの注入状況の異常を素早く且つ正確に、薬液の注入状態を診断するためのセンサなどを別に設けることなく、検知することが可能となる。
本発明の第4の態様によれば、薬液が収容された容器から生体に注入される薬液の注入量を調整する薬液注入量調整方法であって、前記容器から生体内に至る薬液注入管路の途中に接続されたポンプの動力を、前記薬液注入管路内の薬液の流量が目標量に維持されるように、前記薬液注入管路内の薬液の流量の計測情報に基づいて制御する第1工程と;前記第1工程と並行して、前記ポンプの動力に関連するパラメータを計測し、該計測結果と該計測結果の時間変化率との少なくとも一方に基づいて前記薬液の注入状況の異常を診断する第2工程と;を含む第2の薬液注入量調整方法が、提供される。
これによれば、前述のように環境温度が変化しても、生体内からポンプに働く背圧が変化しても、薬液の流量を目標量に維持することができる。また、ポンプの動力に関連するパラメータを計測し、該計測結果と該計測結果の時間変化率との少なくとも一方に基づいて注入状況を診断することが可能になる。この結果、前述の針の抜けのような、薬液注入管路の先端部材の抜けなどの注入状況の異常を素早く且つ正確に、薬液の注入状態を診断するためのセンサなどを別に設けることなく、検知することが可能となる。
一実施形態に係る薬液注入システムの概略構成を示す図である。 図2(A)は、マイクロポンプの縦断面図、図2(B)は、図2(A)中のB−B線に沿った断面図である。 図3(A)及び図3(B)は、マイクロポンプの動作原理を説明するための図である。 図4(A)は熱式質量流量センサ14の構成を示す図、図4(B)は熱式質量流量センサ14の計測原理を説明するための図である。 薬液LMを生体22の血管内に注入する際の制御ユニット(より正確には、内部のCPU)の処理アルゴリズムに対応するフローチャートである。 薬液LMの注入状況を診断するための割り込み処理ルーチンを示すフローチャートである。 図7(A)〜図7(C)は、注射針の抜けを検知する方法を説明するための図である。 図8(A)〜図8(C)は、マイクロポンプの動力の監視結果の例を示す図である。 変形例に係る薬液注入システムの構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図8(C)に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る薬液注入システム200の概略構成が示されている。
薬液注入システム200は、生体に注入される薬液LMが収容された容器10と、容器10に一端が接続され、他端に生体22の血管内に一端が刺し入れられる注射針20が、取り付け具18を介して設けられ、容器10から生体22内に至る薬液注入管路と、該薬液注入管路の途中に接続された薬液注入量調整装置100と、を備えている。
薬液注入量調整装置100は、マイクロポンプ12、流量センサ14、及び制御ユニット16等から主に構成されている。薬液注入量調整装置100の構成各部については、後に詳述する。
容器10は、薬液LMを生体22の一部、例えば血管内に注入する際に、薬液注入量調整装置100の一端(マイクロポンプ12の一端(供給端))にチューブ15を介して接続される。チューブ15としては、弾力性が高く自己拡張性のある可撓性チューブが使用されている。
薬液注入量調整装置100の他端(流量センサ14の排出端)には、チューブ15の一端が、接続される。チューブ15の他端(先端)には、先端に注射針20が固定された取り付け具18が接続されている。薬液LMを血管内に注入する際には、看護師などが、注射針20を生体22の内部に体表面を介して刺し入れ、その先端を血管内に留置させる。その際、看護師などは、注射針20の先端が血管内から抜けないよう、注射針20の根元あるいは取り付け具18を、例えば粘着テープ等を用いて、生体22の体表面に固定する。図1では、この固定後の状態が示されている。
チューブ15としては、チューブ15と同様に、可撓性チューブが使用されている。チューブ15が撓むことにより、その先端部が動いても、薬液LMが流れる流路が確保される。
本実施形態に係る薬液注入システム200において、容器10から生体22の血管まで、順に、チューブ15、薬液注入量調整装置100、チューブ15、及び注射針20により、薬液LMが流れる流路が構成されている。この流路の途中には、薬液注入量調整装置100の構成各部を含め、流路を閉ざす部材は存在しない。従って、この流路は、容器10から生体22の血管まで通じる1つの開放路を構成している。
なお、容器10から注射針20まで通じる流路の途中に、薬液LMの逆流を防止する弁を設けても良い。ただし、薬液LMが順方向(容器10から注射針20に向かう方向)に流れる際には、弁が流体に抵抗力を及ぼさない、あるいは抵抗力を及ぼすが無視できる程度であるものとする。
ここで、薬液注入量調整装置100の構成、機能等について詳細に説明する。薬液注入量調整装置100は、その一端(供給端)が前述のチューブ15を介して容器10に接続されるマイクロポンプ12、マイクロポンプ12の他端(排出端)にチューブ15を介して一端(供給端)が接続された流量センサ14、並びにマイクロポンプ12及び流量センサ14に電気的に接続された制御ユニット16等を備えている。
ここで、チューブ15としては、マイクロポンプ12と流量センサ14とを接続し、両者間に薬液LMを流すことができるのであれば、材質、形態を問わず、いかなる管状部材を使用しても良い。
マイクロポンプ12としては、本実施形態では、マイクロマシン技術(MEMS技術)で製造された、圧電素子を駆動源とするダイヤフラムポンプ(容積ポンプの一種)が採用されている。図2(A)には、マイクロポンプ12の縦断面図が示され、図2(B)には、図2(A)中のB−B線に沿った断面図が示されている。なお、図2(A)は、図2(B)中のA−A線断面に相当する。
図2(A)に示されるように、マイクロポンプ12は、その一部がダイヤフラムの役割を担う板状の第1基板121と、第1基板121の一方の面(−Z側の面)に接合された第2基板122と、第1基板121の他方の面(+Z側の面)の中央部に固定された圧電素子124と、を有している。一例として、第1基板121は硼珪酸ガラス、第2基板122はシリコンを用いて構成する。なお、第1基板121の圧電素子124と接する部分を含む部分が、ダイヤフラムの役割を担っている。この部分を、便宜上、ダイヤフラム部DPと呼ぶ。
図2(A)及び図2(B)に示されるように、第2基板122には、第1基板121に対向する一面から一定の深さの凹部が形成されている。この凹部は、X軸方向の中央部に位置する平面視矩形の圧力室126と、該圧力室126の−X側の端部に連通する凹溝128aと、圧力室126の+X側の端部に連通する凹溝128bとの3つの部分から成る。なお、圧力室126は、実際には、第1基板121が、第2基板122に形成された凹部を覆うように、第2基板2と接合されることで形成されるが、ここでは、便宜上、第2基板122に圧力室126が形成されているものとしている。
凹溝128aの内部の−X端部に対応する第2基板122の底壁には、第2基板122の外部と凹溝128aの内部空間とを連通する貫通孔129aが形成されている。また、凹溝128bの内部の+X端部に対応する第2基板122の底壁には、第2基板122の外部と凹溝128bの内部空間とを連通する貫通孔129bが形成されている。
貫通孔129aは、圧力室126を含むマイクロポンプ12の内部空間への薬液LMの入口の役目を果たし、貫通孔129bは、内部空間からの薬液LMの出口の役目を果たす。以下では、貫通孔129a、129bを、それぞれ入口129a、出口129bと表記する。入口129a、出口129bは、それぞれ、マイクロポンプ12の供給口、排出口をそれぞれ構成する管状部材(不図示)に接続されている。
図2(B)からわかるように、凹溝128a、128bは、ともに、−X端から+X端に向かって(入口側から出口側に向かって)徐々にその断面積が広くなっており、ディフューザの役目を兼ねる。以下では、ディフューザ128a、128bと表記する。なお、ディフューザは、流体のもつ運動のエネルギを圧力のエネルギに変換するためのものである。
これまでの説明からわかるように、本実施形態では、第2基板122に設けられた入口129aから出口129bまで、順に、ディフューザ128a、圧力室126、ディフューザ128bを介して、1つの流路が形成される。この流路は、その途中に流路を閉ざす部材は設けられていないので、入口129aから出口129bまで通じる1つの開放路を構成する。すなわち、マイクロポンプ12は、バルブレスマイクロポンプである。
本実施形態では、圧電素子124に電圧が印加されていない状態では、図3(A)に示されるように、圧電素子124と接合された第1基板121のダイヤフラム部DPは、撓みのない平面状を保っている。
一方、圧電素子124に電圧が印加されると、図3(B)に示されるように、第1基板121のダイヤフラム部DPは、矢印で示されるように、−Z方向に撓み、これにより、圧力室126は収縮する。
従って、圧電素子124に電圧パルスを印加することにより、ダイヤフラム部DPを、振動させることができる。すなわち、圧電素子124に電圧パルスを印加することにより、圧力室126の収縮と、膨張(収縮時の状態からの膨張)を繰り返す。
圧力室126の収縮率(ダイヤフラム部DPのたわみ量)は、電圧パルスのパルス振幅V(又はパルス振幅Vとパルス幅Hの積(パルス面積)VH)に応じて定まり、圧力室126の収縮・膨張の繰り返し数は、電圧パルスの周波数ω(=1/T、ただしTはパルス周期)によって定まる。
図3(A)に示されるように、圧力室126が膨張(実際には、膨張率1である)すると、入口129aと出口129bの両方から流体(薬液LM)が圧力室126に流れ込む。ここで、入口129aと出口129bから流れ込む流体(その向き及び量の程度(大きさ))を、それぞれ、矢印f,fを用いて表している。ここで、流体f,fは、それぞれ、ディフューザ128a,128bを通過する。ディフューザ128a,128bは、前述の通り、いずれも、+X方向に行くに従って断面積が徐々に広くなっている。そのため、ディフューザ128a,128bは、+X方向に流れる流体に対し小さい抵抗を、−X方向に流れる流体に対し大きな抵抗を、及ぼす。従って、図3(A)の状態では、流体fはディフューザ128aより小さい抵抗を受けるため、その流量は大きい。流体fはディフューザ128bより大きな抵抗を受けるため、その流量は小さい。
この一方、図3(B)に示されるように、圧力室126が収縮すると、圧力室126から入口129aと出口129bの両方へ流体が流れ出る。ここで、入口129aと出口129bへ流れ出る流体(その向き及び量の程度(大きさ))を、それぞれ、矢印f,fを用いて表している。流体fはディフューザ128aより大きな抵抗を受けるため、その流量は小さい。流体fはディフューザ128bより小さな抵抗を受けるため、その流量は大きい。
圧力室126が1回、収縮・膨張すると、入口129aから圧力室126へ、正味|f−f|の量の流体が流れ込むとともに、圧力室126から出口129bへ、正味|f−f|の量の流体が流れ出る。従って、入口129aから出口129bへ、正味f=|f−f|=|f−f|の量の流体が流れる。ただし、流体は非圧縮性であることを想定している。なお、圧力室126の容積W、収縮率βとすると、関係f=W(1−β)が成り立つ。
圧力室126が収縮・膨張を繰り返すことにより、入口129aから出口129bへの定常的な流体の流れが発生する。圧力室126の収縮・膨張の単位時間の繰り返し回数(周波数)をωとすると、単位時間当たりの体積流量F=ωf=ωW(1−β)の流体が、入口129aから出口129bに流れる。
体積流量Fは、圧電素子124に印加する電圧パルスのパルス振幅V、パルス幅H(パルス面積VH)、パルス周期T(周波数1/T)の少なくとも1つを調整することにより、制御することができる。
圧電素子124に印加する電圧パルスのパルス振幅V(又はパルス面積VH)を大きく(小さく)すれば、圧電素子124の伸縮量が、すなわち、ダイヤフラム部DPの撓みが大きく(小さく)なる。従って、パルス振幅V(又はパルス面積VH)を変えることによって、圧力室126の膨張・収縮率(1−β)を調整することができる。それにより、流量F=ωW(1−β)を制御することができる。また、電圧パルスの周波数を大きく(小さく)すれば、ダイヤフラム部DPの振動数(すなわち圧力室126の収縮・膨張の単位時間の繰り返し回数ω)が大きく(小さく)なる。従って、電圧パルスの周波数を変えることによって、圧力室126の収縮・膨張の単位時間の繰り返し回数ωを調整することができる。それにより、流量F=ωW(1−β)を調整することができる。なお、原理上、電圧パルスの周波数は圧力室126の収縮・膨張の単位時間の繰り返し回数ωに等しいので、電圧パルスの周波数をωを用いて表記する。
流量センサ14としては、一例として、図4(A)に示される熱式質量流量センサが用いられている。熱式質量流量センサ14は、本体部14と、流体を流す管路14と、管路14に設置された熱源14と、熱源14を挟んで管路14の下流側及び上流側に対称的に設置された一対の温度センサ1421,1422と、を含む。熱式質量流量センサ14では、管路14に薬液LMを流しつつ、管路14内を流れる薬液LMを熱源14を用いて加熱すると同時に、温度センサ1421,1422を用いて管壁を介して薬液LMから伝わる熱量を計測する。温度センサ1421,1422の計測結果は本体部14に送られる。
熱式質量流量センサ14(本体部14)は、温度センサ1421,1422の計測結果を用いて薬液LMの流量を求める。ここで、薬液LMが流れていない場合、熱源14からの熱が薬液LMに等方的に伝わるため、管路14内の薬液LMの温度分布は、図4(B)中に示される曲線Cのように、熱源14の設置位置を中心に対称的な形(左右対称な山形)になる。なお、薬液LMの流れる方向(白抜き矢印の方向)を+X方向とする。この場合、温度センサ1421,1422の計測結果は互いに等しく、それらの差は零となる。一方、薬液LMが(+X方向に)流れている場合、管路14内の薬液LMの温度分布は、図4(B)中に示される曲線Cのように、流れの方向(+X方向)に頂点がシフトした左右非対称な山形となる。この場合、温度センサ1421の計測結果は温度センサ1422の計測結果より大きく、これらの差(温度センサ1422の計測結果を基準とする)は正の値になる。このような原理に基づき、熱式質量流量センサ14(本体部14)は、温度センサ1421,1422の計測結果の差から管路14内を流れる薬液LMの流量(流れの向きを含む)を求める。
上述の熱式質量流量センサを流量センサ14として採用した場合、その原理より高速度で流量を計測できる上に、流体内にプローブを挿入することがないので、流体の流れを乱すことなくその流量を正確に計測することができる。
制御ユニット16は、例えばマイクロコンピュータをその中枢部として構成されており、薬液注入量調整装置100全体を統括的に制御する。
制御ユニット16と、マイクロポンプ12及び流量センサ14のそれぞれとの間は、電気的に接続されている。流量センサ14から制御ユニット16に、薬液LMの流量の計測情報が供給される。制御ユニット16は、その流量の計測情報に基づいて、薬液LMの流量が定められた目標量に一致するように、マイクロポンプ12(正確には、圧電素子124)に印加する電圧パルスのパルス振幅V(又はパルス面積VH)及び周波数ω(=1/T)の少なくとも1つを調整する。すなわち、制御ユニット16、マイクロポンプ12、及び流量センサ14より、薬液LMの流量(マイクロポンプ12の動力)をフィードバック制御する制御システムが構成されている。マイクロポンプ12の制御の詳細については、さらに後述する。
なお、制御ユニット16と、マイクロポンプ12及び流量センサ14の少なくとも一方とを、無線の通信路を介して接続しても良い。また、フィードバック制御法として、いわゆるPID制御法(Pは比例、Iは積分、Dは微分を意味する)を採用することができる。これに合わせて、制御ユニット16を、演算増幅器から構成されるアナログ回路を用いて構築することも可能である。
制御ユニット16は、マイクロポンプ12の動力の監視も行っている。マイクロポンプの動力は、流体(薬液LM)を順方向に流すためにその流体に加える圧力(のエネルギ)であるが、動力として、実際にマイクロポンプ12が流体(薬液LM)に加えている具体的な圧力(のエネルギ)を考える必要はなく、その圧力に関係する量を考えれば良い。動力Pは、マイクロポンプ12の構成より、印加される電圧パルスのパルス振幅V(又はパルス面積VH)及び周波数ω(=1/T)の関数P(V,ω)(又はP(VH,ω))となる。ただし、動力(圧力に関係する量)Pが圧力に比例する、あるいは良い近似で比例することを条件とする。
例えば、印加される電圧パルスのパルス振幅V(又はパルス面積VH)と周波数ωの積を動力Pと定義する、すなわち、P(V,ω)≡Vω(又はP(VH,ω)≡VHω)と定義することができる。あるいは、パルス振幅V(又はパルス面積VH)が常に一定V(又はV)であり、周波数ωのみが可変である場合、単にP(V,ω)≡ω(又はP(V,ω)≡ω)と定義し、また、周波数が常に一定ωであり、パルス振幅V(又はパルス面積VH)のみが可変である場合、単にP(V,ω)≡V(又はP(VH,ω)≡VH)と定義しても良い。なお、上述の条件が満たされない場合には、前もって動力(圧力に関係する量)Pと圧力との関係を求め、この関係を用いて動力Pを圧力に換算することとする。
ここで、制御ユニット16は、記憶装置(不図示)を備えており、所定の時間(Δtとする)毎に、動力Pの監視結果を記憶装置に記憶する。記憶された監視結果は、記憶されてから一定時間後に消去される。従って、記憶装置内には、常に現在から一定時間内の監視結果(一定数(nとする)の最新の監視結果)が保存される。
制御ユニット16は、マイクロポンプ12の動力Pの監視情報に基づいて、薬液LMの投薬状況を診断する。診断方法の詳細は、後述する。そして、制御ユニット16は、投薬状況の異常を検知した際には、薬液LMの注入を停止する、警報を発する、といった緊急処置を実行する。そして、正常に、定められた量(目標注入量)の薬液LMの注入が完了した際に、薬液LMの注入を停止する、といった終了処置を実行する。
その他、制御ユニット16には、操作者が薬液の(目標)注入量と(目標)注入時間等を入力するための操作パネル(不図示)、薬液LMの注入状況を表示する表示パネル(不図示)、注入状況の異常を伝える警報装置(不図示)等のインターフェースが備えられている。
次に、本実施形態の薬液注入量調整装置100を用いて、薬液LMを生体22の血管内に注入する注入方法、及び注射針20の抜けを例に異常が発生した際の異常検知方法を、それらの原理とともに説明する。
図5には、制御ユニット16(より正確には、内部のCPU)の処理アルゴリズムに対応するフローチャートが示されている。
図5のフローチャートがスタートするのは、薬液LMの注入開始に先立って、操作者が、操作パネル上から、生体22に注入する薬液LMの総量(目標注入量)Wとその量の薬液LMの注入を完了する目標注入時間Tを入力するとともに、注入開始の指示を入力した時点である。
ステップ202で、まず、制御ユニット16は、入力された目標注入量Wと目標注入時間Tを記憶装置に記憶するとともに、目標注入量Wと目標注入時間Tとに基づいて、単位時間当たりの薬液LMの目標流量(目標量)Fを決定する。
次のステップ204で、制御ユニット16は、マイクロポンプ12の稼働を開始する。
次のステップ206〜ステップ212で、制御ユニット16は、流量センサ14から供給される薬液LMの流量Fと先に決定された目標量Fとの比較結果に基づき、流量Fが目標量Fに一致するように、マイクロポンプ12の動力Pを調整する。すなわち、制御ユニット16は、流量Fが目標量Fより小さい場合(F<F)には、動力Pを強め(ステップ212参照)、反対に流量Fが目標量Fより大きい場合(F>F)には、動力Pを弱める(ステップ210参照)。ここで、制御ユニット16は、流体の流量Fの調整のため、圧電素子124に印加する電圧パルスの周波数ωを一定に保ちつつパルス振幅V(パルス面積VH)を調整しても良いし、パルス振幅V(パルス面積VH)を一定に保ちつつ周波数ωを調整しても良いし、あるいはパルス振幅V(パルス面積VH)と周波数ωとの両方を調整しても良い。
次のステップ214で、制御ユニット16は、薬液LMの注入量Ft(tは経過時間)と目標注入量Wとを比較し、注入量Ftが目標注入量Wに満たない場合(Ft<W)には、ステップ206に戻り、ステップ206〜214の処理・判断を繰り返す。そして、注入量Ftが目標注入量Wに等しいあるいは超えた場合(Ft≧W)に、薬液LMの注入が正常に終了したと判断し、ステップ216に進んで、マイクロポンプの稼働を停止する。それとともに、警報を発するなどの終了処置を実行する。そして、本ルーチンの一連処理を終了する。
本実施形態では、上述した薬液LMの注入処理中、これと並行して、制御ユニット16は、マイクロポンプ12の動力Pを監視して、その監視情報に基づいて薬液LMの注入状況を診断している。制御ユニット16は、図6のフローチャートに示される割り込み処理により、薬液LMの注入状況を診断している。以下、診断原理について説明した後、割り込み処理ルーチンについて説明する。
図7(A)には、正常に、薬液LMが、注射針20を介して生体22の血管23内に注入されている状態が示されている。ここで、注射針20の先端が、生体22の表皮26、真皮25、皮下組織24を介して血管23内に刺し入れられている。なお、符号27は生体22内の筋肉を表す。
前述の通り、本実施形態に係る薬液注入システム200の構成より、容器10から生体22の血管23まで、1つの開放路が構成されている。正常な状態では、注射針20の先端が血管23内に留置されているので、血管23から薬液LMに対して脈圧に等しい背圧Pexが働く。従って、制御ユニット16は、ステップ206〜212において、マイクロポンプ12に印加される電圧パルスのパルス振幅V(又はパルス面積VH)及び/又は周波数ωを調整して、マイクロポンプ12が薬液LMに加える動力Pを背圧Pexより大きくする(P>Pex)ことにより、薬液LMの流量Fを目標量Fに調整する。
これをさらに詳述すると、薬液LMには、薬液チューブ15と注射針20の管路壁からの粘性抵抗(Pvrとする)が働く。従って、制御ユニット16は、P=Pex+Pvrとなるように、マイクロポンプ12に印加される電圧パルスのパルス振幅V(又はパルス面積VH)及び/又は周波数ωを調整することにより、薬液LMの流量Fを目標量Fに調整する。
ここで、血管23からの背圧Pexは、常に一定ではなく、例えば生体22の体位(寝ている状態、立っている状態等)によって、変化し得る。また、薬液LMの粘性は一般に温度に依存するため、環境温度の変化によって粘性抵抗Pvrが変化する。しかし、ステップ206〜212における流量制御により、薬液LMの流量Fは、常に、目標量Fに調整される。
なお、本実施形態の薬液注入量調整装置100は、電気回路とのアナロジーにおける電流源の役割を果たす。このアナロジーからもわかるように、一定の目標量Fに流量Fが維持されている際のマイクロポンプ12の動力Pは、背圧Pexと一定の関係にある。従って、薬液LMの流量Fを目標量Fに調整するとともに動力Pを監視することにより、背圧Pexの変化、そして背圧Pexの変化から薬液LMの注入状況を診断することができる。
薬液LMの注入状況の診断の一例として、注射針20が血管23から抜けた場合を考える。図7(B)に示されるように、注射針20の先端が血管23内から抜け、ただし生体22外に抜けず、血管23を取り囲む皮下組織24内に留置されたとする。この場合、皮下組織24内に薬液LMが注入される。この場合においても、ステップ206〜212における流量制御により、常に、目標量Fに等しい流量の薬液LMが注射針20の先端から流出する。そのため、皮下組織24内に薬液LMの溜り28が生じ、さらにそれが時間とともに膨張する。一方、皮下組織24から薬液LMに対し、溜り28の膨張を抑える(すなわち薬液LMの流れを止める)背圧Pexが働く。この背圧Pexは、図7(C)に示されるように、溜り28内の薬液LMの量に応じて、大きくなると予想される。
そこで、制御ユニット16は、ステップ206〜212において薬液LMの流量Fを目標量Fに調整しつつ、これと並行して、割り込み処理により、マイクロポンプ12の動力Pを監視する。なお、前述の通り、動力Pとして、実際にマイクロポンプ12が薬液LMに加えている具体的な圧力を考える必要はない。ここでは、例として、P=P(V,ω)≡Vω(あるいはP=P(VH,ω)≡VHω)と定義する。
図8(A)〜図8(C)には、マイクロポンプ12の動力Pの監視結果の例が示されている。前述の通り、制御ユニット16は、所定の時間Δt毎に、動力Pの監視結果を記憶装置(不図示)に記憶する。記憶された監視結果は、記憶されてから一定時間後に消去され,現在tから一定時間内(t−nΔt〜t)の一定数nの最新(直近)の結果が保存される。図8(A)〜図8(C)の例では、作図の都合よりn=10としている。勿論、要求される正確さに応じて、nを定めることとすれば良い。
制御ユニット16は、記憶された動力Pの監視結果を、時間の関数Pfit(t)として、最小自乗フィッティングする。ここで、時間間隔nΔtにおいて、動力Pの時間変化に対して線形近似が十分成り立つ(線形近似が十分成り立つように時間間隔nΔtを選んでいる)ものとする。すなわち、Pfit(t)=a+atと与えられる。最小自乗フィッティングより、係数a,aを決定することができる。
図8(A)には、正常に薬液LMが注入されている際の、動力Pの監視結果が示されている。動力Pの監視結果には、血管23から受ける背圧Pexの時間変化等により、ばらつきが見られる。ばらつきは、最小自乗フィッティングにおいて求められる標準偏差σの3倍と定量的に定義する。そのばらつきの程度(大きさ)3σに対して、動力Pの時間変化率aは無視できるほど小さい。すなわち、|anΔt|≪3σ。この場合、制御ユニット16は、薬液LMが、安定して、血管23内に注入されていると診断する。
図8(B)には、図7(B)及び図7(C)のように注射針20が血管23から抜け、皮下組織24内に薬液LMが注入されている際の、動力Pの監視結果が示されている。前述の通り、皮下組織24から薬液LMに働く背圧Pexは、溜り28内の薬液LMの量が増えるにつれて大きくなる。そのため、動力Pも、図8(B)に示されるように、時間とともに増大する。ここで、動力Pの時間変化率aが、そのばらつきに対して無視できない、すなわちanΔt>3σの場合、制御ユニット16は、注射針20が血管23から抜け、薬液LMが血管23外に注入されていると診断する。
なお、注射針20の先端が生体22外に抜けた場合、薬液LMに働く背圧Pexは、大気圧に等しくなる。この場合、動力Pは、図8(C)に示されるように、時間とともに減衰する。そこで、動力Pの時間変化率aがanΔt<−3σを満たす場合、制御ユニット16は、注射針20が生体22外に抜けたと診断する。
また、制御ユニット16は、動力Pの時間変化だけでなく、動力Pが正常な範囲内にあるか否かより薬液LMの注入状況を診断しても良い。ただし、動力Pにはある程度の不安定性が予想されるので、Pfit(t)が正常な範囲内にあるか否か監視することとする。
また、注射針20の抜けに限らず、容器10、チューブ15,15,15の破損、あるいはマイクロポンプ12、流量センサ14の故障等により、動力Pが不安定になることも考えられる。その場合、動力Pは、図8(A)の例と同様に時間に対して一定であるが、ばらつきの程度が大きくなることが予想される。そこで、制御ユニット16は、ばらつきσが定められた限界を超えた場合、異常が発生したと診断する。
また、マイクロポンプ12の動力源(圧電素子)の不安定性、フィードバック制御の不安定性、流量センサ14の計測誤差等に由来するノイズ、さらには生体の体位の変化による一時的な背圧の変化により、一時的、すなわち直ぐに回復する異常が発生することもある。そこで、第1の別の診断方法として、制御ユニット16は、パラメータaの値を算出毎に記憶装置に記録し、記録された直近のm個のパラメータaの値を平均し、その平均(すなわち時間Δt毎の移動平均)を用いて先と同様に薬液LMの注入状態を診断することしても良い。あるいは、第2の別の診断方法として、制御ユニット16は、時間Δtn毎に、記録されたn個の動力Pの監視結果を最小自乗フィッティングして動力Pの時間変化率(パラメータa)を求め、記憶装置に記録する。そして、記録された直近のm個のパラメータaの値を平均して、その平均(すなわち時間Δtn毎の移動平均)を用いて先と同様に薬液LMの注入状態を診断することとしても良い。
さらに、第3の別の診断方法として、制御ユニット16は、時間Δtn毎に、記録されたn個の動力Pの監視結果を最小自乗フィッティングして動力Pの時間変化率(パラメータa)を求め、記憶装置に記録する。記録された最直近のパラメータaの値を用いて(所定の閾値との大小を比較して)注入状態を診断することとしても良い。この場合、制御ユニット16は、異常を検知した場合には、さらに、記録された直近のm個のパラメータaの値を平均し、その平均(すなわち時間Δtn毎の移動平均)を用いて薬液LMの注入状態を診断する。そして、ここでも異常を検知した場合、制御ユニット16は、最終的に異常が発生したと診断することとすることができる。あるいは、第4の別の診断方法として、制御ユニット16は、直近のm回の診断において異常を検知した回数が一定数を超えた場合に、最終的に異常が発生したと診断することとしても良い。
上述の第1〜第4の別の診断方法においては、時間Δtと平均サンプル数n,mを適宜定めることとする。ここで、薬液LMが血管23外に30分以上注入されると生体22に危険が生じることが知られている。そこで、例えば、Δtm又はΔtnmを10〜20分とする。第2〜第4の別の診断方法に対し、例えばΔt=1秒、n=60、m=10とする。平均化効果、さらに二重診断により、一時的な異常を検知することなく、安定して薬液注入量調整装置100を稼動することが可能となる。
また、上記の原因に伴う一時的なパラメータaの変化の程度がわかっている場合、パラメータaに対する閾値を経験的に定めることも可能である。パラメータa又はその移動平均が閾値を超えた場合、薬液LMの注入に異常が発生したと診断することができる。なお、パラメータa及びその移動平均に対し、異なる閾値を定めることも可能である。
また、動力Pが背圧に比例する、あるいは良い近似で比例するとみなすことができる場合、パラメータa(動力Pの時間変化率)を用いる診断に代えてあるいはそれに加えて、パラメータa(動力Pの絶対値(大きさ))を用いて薬液LMの注入状態を診断することも可能である。この場合においても、動力Pのばらつきσの程度に基づいてあるいは経験的に閾値を定め、パラメータaの値あるいはその平均(移動平均)が閾値を超えた場合に、異常が発生したと診断する。
制御ユニット16は、図6の割り込み処理ルーチンのステップ302で、上述したようにして動力Pを監視し、ステップ304で、その監視情報から上述したような原理、手法に従って薬液LMの注入状態を診断する。そして、異常が検知された場合には、ステップ306でマイクロポンプ12を停止(薬液LMの注入を停止)する、警報を発する、といった緊急処置を実行する。
一方、ステップ304の診断の結果、異常が無い場合には、割り込み処理を終了する。図6の割り込み処理は、マイクロポンプ12の稼働中、時間Δtの間隔で繰り返される。このタイマー割り込みの時間Δtは、図5のステップ206〜214のループの繰り返し間隔に比べて、短い時間に定められる。
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、薬液LMが収容された容器10から生体22内に至る薬液注入管路の途中に薬液注入量調整装置100が接続された状態で、制御ユニット16により、流量センサ14の計測情報(流量F)に基づいて、薬液注入管路内の薬液LMの流量が目標量F0に維持されるようにマイクロポンプ12の動力Pが制御されるとともに、その動力Pが監視される。このため、前述のように環境温度が変化しても、生体22(血管23)内からマイクロポンプ12に働く背圧Pexが変化しても、薬液LMの流量を目標量に維持することができる。また、マイクロポンプ12の動力の監視情報に基づいて生体22内からの背圧の変化、さらには背圧の変化から注入状況を診断することが可能になる。この結果、前述した注射針20の抜けのような、薬液注入管路の先端部材の抜けなどの注入状況の異常を素早く且つ正確に検知することが可能になる。また、この場合、薬液の注入状態を診断するためのセンサなどを別に設けることなく、注入状況の異常を検知することが可能となる。また、マイクロポンプ12を導入しているので、小型且つ軽量で、利便性に優れた薬液注入量調整装置を実現することが可能となる。
また、本実施形態に係る薬液注入システム200によると、薬液注入量調整装置100を備えているので、上述のような異常事態の発生をも自動的に確実かつ速やかに検知し、異常状態での注入継続を回避することができる。
また、本実施形態に係る薬液注入システム200によると、動力P又はその時間変化率の平均(移動平均)を用いて薬液の注入状況を診断するので、マイクロポンプ12の動力源(圧電素子)の不安定性、フィードバック制御の不安定性、流量センサ14の計測誤差等に由来するノイズ、さらには生体の体位の変化等による一時的な異常を検知することなく、安定して薬液注入量調整装置100を稼動することが可能となる。
ここで、さらに生体22の状態を監視し、その監視結果に基づいて一時的な異常であるか否かを判断することも可能である。図9には、変形例に係る薬液注入システム200’の構成が示されている。薬液注入システム200’では、前述の薬液注入システム200の構成に加えて、薬液LMが収容された容器10と生体22(の血管内に刺し入れられた注射針20)の高低差を計る高さ計測システム30が設けられている。高さ計測システム30は、容器10に固定されあるいは容器10と同じ高さに設置された本体部30と、生体22に取り付けられた取り付けパッド30と、本体部30と取り付けパッド30とを接続するチューブ32と、を含む。チューブ32の内部には水などの液体が充填されており、液体から受ける力(圧力)を取り付けパッド30に内蔵された圧力センサが計測する。その圧力センサの計測結果は、本体部30により、本体部30と取り付けパッド30との間の高低差に換算されて、制御ユニット16に送信される。
制御ユニット16は、前述の実施形態において動力Pを監視することにより薬液の注入状況に異常を検知した際に、高さ計測システム30の計測結果を確認する。ここで、生体22の体位の変化に伴って一時的な異常が発生した場合、動力Pの監視より異常を検知すると同時に、高さ計測システム30の計測結果より生体22の体位が変化したことを確認することができる。そこで、制御ユニット16は、高さ計測システム30の計測結果より、体位の変化を確認できた場合は一時的な異常と診断し、確認できなかった場合は真の異常が発生したと診断する。この取扱により、生体22の体位の変化による一時的な異常を検知することなく、安定して薬液注入量調整装置100を稼動することが可能となる。
なお、高さ計測システム30は、生体22の血管内に刺し入れられた注射針20の高さが計測できれば、その高さの基準を任意に定めても良いし、高さ計測システム30を任意に構成しても良い。また、2以上の薬液注入システム200’を用いて、生体22に複数の薬液を同時に注入する場合、2以上の薬液注入システム200’で1つの高さ計測システム30を共有することも可能である。
また、本実施形態に係る薬液注入システム200によると、流量センサ14として熱式質量流量センサを採用したことにより、薬液LMの流量を高速度で計測することができる。そのため、流量の変化に素早く対応してマイクロポンプ12の動力を制御することができる高速なフィードバック制御システムが実現されている。
なお、上記実施形態では、マイクロポンプとして、圧電素子を駆動源とする容積ポンプの一種であるダイアフラムポンプを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、上記実施形態と同様にダイアフラムポンプを用いる場合に、その駆動源は圧電素子に限らず、電磁石、磁歪素子その他の駆動源を用いることも可能である。また、ダイアフラムポンプ以外の容積ポンプに属するポンプを用いても良い。なお、上記実施形態に係るマイクロポンプ12は、圧電素子を駆動源とする容積ポンプであるので、粘性流体であれば、液体のような非圧縮性流体に限らず、気体のような圧縮性流体に対しても、使用することができる。
なお、上記実施形態では、熱式質量流量センサを用いる場合について説明したが、これに限らず、流体の状態を破壊することなくその流量を計測することができるのであれば、例えば超音波流量センサ等を流量センサ14として採用しても良い。また、流量として、体積流量(単位時間当たりに流れる流体の体積)と質量流量(単位時間当たりに流れる流体の質量)のいずれを計測する流量計を採用しても良い。また、直に流量を測るセンサに限らず、例えば、流体の流速を計測し、その計測結果を流量に換算する手段を、流量計測手段として採用しても良い。
また、上記実施形態では、流量センサ14をマイクロポンプ12の下流側に設置し、流量センサ14を用いてマイクロポンプ12から排出される薬液LMの流量を計測する構成を採用したが、この反対に、流量センサ14をマイクロポンプ12の上流側に設置し、流量センサ14を用いてマイクロポンプ12に供給される薬液LMの流量を計測する構成を採用しても良い。
また、上記実施形態では、マイクロポンプ12と流量センサ14とを個別に用意し、チューブ15を介して接続して、薬液注入量調整装置100を構成した。しかし、これに限らず、マイクロポンプ12と流量センサ14とを一体化した装置を作成し、該装置を用いて薬液注入量調整装置を構成しても良い。この場合、チューブ15は不要となり、さらに小型且つ軽量で、利便性に優れた薬液注入量調整装置100を構成することが可能となる。ここで、マイクロポンプ12と流量センサ14とを一体化した装置は、MEMS技術によって製作しても良い。
なお、上記実施形態では、割り込み処理により、薬液LMの注入状態を診断する場合について例示したが、これに限らず、例えば制御ユニットが高速なCPUを備えている場合には、いわゆる時分割処理により、薬液LMの注入状態を診断することとしても良い。
なお、上記実施形態では、生体として暗に人体を想定したが、動物に対しても上記実施形態の薬液注入システム200及び薬液注入量調整装置100を用いても良い。また、生体の血管内への薬液の注入に限らず、生体の臓器内への薬液の注入の際に、本発明の薬液注入量調整装置を使用しても良い。また、上記実施形態の薬液注入量調整装置100を、輸血の際の、注入量調整装置として使用しても良い。
本発明の薬液注入量調整装置及び薬液注入量調整方法、並びに薬液注入システムは、医療分野等において、薬液を生体内に注入するのに適している。
10…容器、12…マイクロポンプ、14…流量センサ、15,15,15…チューブ、16…制御ユニット、20…注射針、30…高さ計測システム、100…薬液注入量調整装置、200…薬液注入システム、LM…薬液。
特開昭63-212371号公報 特開2008−086581号公報

Claims (38)

  1. 薬液が収容された容器から生体内に至る薬液注入管路の途中に接続され、前記生体に注入される薬液の注入量を調整する薬液注入量調整装置であって、
    前記薬液注入管路の一部を構成するマイクロポンプと;
    前記マイクロポンプとともに前記薬液注入管路の一部を構成し、該薬液注入管路内の薬液の流量を計測するための計測手段と;
    前記計測手段の計測情報に基づいて、前記流量が目標量に維持されるように前記マイクロポンプの動力を制御するとともに、前記動力を監視する制御手段と;を備える薬液注入量調整装置。
  2. 前記制御手段は、前記動力の監視情報に基づいて前記薬液の注入状況を診断する請求項1に記載の薬液注入量調整装置。
  3. 前記制御手段は、一定時間毎の前記動力の時間変化から前記注入状況を診断する、請求項2に記載の薬液注入量調整装置。
  4. 前記制御手段は、前記注入状況の異常を検知した際に、前記薬液の注入を停止する請求項2又は3に記載の薬液注入量調整装置。
  5. 前記制御手段は、前記注入状況の異常を検知した際に、警報を発する請求項2〜4のいずれか一項に記載の薬液注入量調整装置。
  6. 前記薬液注入管路の前記生体側の先端の高さを計測する別の計測手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記別の計測手段の計測情報にさらに基づいて前記薬液の注入状況を診断する請求項2〜5のいずれか一項に記載の薬液注入量調整装置。
  7. 前記別の計測手段は、前記容器と前記先端との高低差を計測する請求項6に記載の薬液注入量調整装置。
  8. 前記制御手段は、目標注入量の前記薬液の注入が完了した際に、前記薬液の注入を停止する請求項1〜7のいずれか一項に記載の薬液注入量調整装置。
  9. 前記マイクロポンプは、圧電素子を駆動源とする容積ポンプである請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬液注入量調整装置。
  10. 前記制御手段は、前記圧電素子に印加する電圧パルスのパルス振幅とパルス幅とパルス周期との少なくとも1つを変えることにより、前記動力を制御する請求項9に記載の薬液注入量調整装置。
  11. 前記制御手段は、前記圧電素子に印加する電圧パルスのパルス振幅とパルス幅とパルス周期との少なくとも1つを監視することで、前記動力を監視する請求項9又は10に記載の薬液注入量調整装置。
  12. 前記計測手段は、流量計を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の薬液注入量調整装置。
  13. 前記流量計は、熱式質量流量計である請求項12に記載の薬液注入量調整装置。
  14. 前記マイクロポンプと前記流量計とは一体化されている請求項12又は13に記載の薬液注入量調整装置。
  15. 生体内に薬液を注入する薬液注入システムであって、
    前記薬液が収容された容器と;
    前記容器に一端が接続され、他端に前記生体内に一端が刺し入れられる針状管部が設けられ、前記容器から生体内に至る薬液注入管路と;
    前記薬液注入管路の途中に接続された請求項1〜14のいずれか一項に記載の薬液注入量調整装置と;を備える薬液注入システム。
  16. 前記薬液注入管路の前記針状管部を除く部分の少なくとも一部は、可撓性チューブで形成されている請求項15に記載の薬液注入システム。
  17. 薬液が収容された容器から生体に注入される薬液の注入量を調整する薬液注入量調整方法であって、
    前記容器から生体内に至る薬液注入管路の途中に接続されたポンプの動力を、前記薬液注入管路内の薬液の流量が目標量に維持されるように、前記薬液注入管路内の薬液の流量の計測情報に基づいて制御する第1工程と;
    前記第1工程と並行して、前記動力を監視する第2工程と;を含む薬液注入量調整方法。
  18. 前記第2工程では、さらに、前記動力の監視情報に基づいて前記薬液の注入状況を診断する請求項17に記載の薬液注入量調整方法。
  19. 前記ポンプは、パルス電圧の印加により駆動され、
    前記第2工程では、前記ポンプに印加される電圧パルスのパルス振幅とパルス幅とパルス周期との少なくとも1つを含む前記動力に関連するパラメータを計測し、該計測結果を用いて前記動力を監視する請求項18に記載の薬液注入量調整方法。
  20. 前記第2工程では、前記計測結果と該計測結果の時間変化率との少なくとも一方が所定時間に継続して閾値を超えた場合に異常が発生したと診断する請求項19に記載の薬液注入量調整方法。
  21. 前記第2工程では、所定時間毎に求めた前記計測結果の時間変化率のうち、最直近の時間変化率と所定の閾値とを比較した結果に基づいて、異常が発生したと診断する請求項19に記載の薬液注入量調整方法。
  22. 前記第2工程では、前記計測結果に最小自乗法を適用して前記時間変化率を求める請求項20又は21に記載の薬液注入量調整方法。
  23. 前記第2工程では、前記異常が発生したと診断した場合に、さらに、前記計測結果と該計測結果の時間変化率との少なくとも一方の所定時間についての平均が閾値を超えた場合に異常が発生したと最終診断する請求項20〜22のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  24. 前記第2工程では、所定時間内に、前記異常が発生したと診断した回数が所定回数を超えた場合に異常が発生したと最終診断する請求項20〜22のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  25. 前記第2工程では、前記薬液注入管路の前記生体側の先端の高さをさらに監視し、該監視結果にさらに基づいて前記薬液の注入状況を診断する請求項18〜24のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  26. 前記第2工程では、前記容器と前記先端との高低差を計測する請求項25に記載の薬液注入量調整方法。
  27. 前記第2工程では、前記注入状況の異常を検知した際に、前記薬液の注入を停止する請求項18〜26のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  28. 前記第2工程では、前記注入状況の異常を検知した際に、警報を発する請求項18〜27のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  29. 前記第1工程では、目標注入量の前記薬液の注入が完了した際に、前記薬液の注入を停止する請求項17〜28のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  30. 薬液が収容された容器から生体に注入される薬液の注入量を調整する薬液注入量調整方法であって、
    前記容器から生体内に至る薬液注入管路の途中に接続されたポンプの動力を、前記薬液注入管路内の薬液の流量が目標量に維持されるように、前記薬液注入管路内の薬液の流量の計測情報に基づいて制御する第1工程と;
    前記第1工程と並行して、前記ポンプの動力に関連するパラメータを計測し、該計測結果と該計測結果の時間変化率との少なくとも一方に基づいて前記薬液の注入状況を診断する第2工程と;を含む薬液注入量調整方法。
  31. 前記ポンプは、パルス電圧の印加により駆動され、
    前記パラメータは、前記ポンプに印加される電圧パルスのパルス振幅とパルス幅とパルス周期との少なくとも1つを含む請求項30に記載の薬液注入量調整方法。
  32. 前記第2工程では、前記計測結果と該計測結果の時間変化率との少なくとも一方が所定時間に継続して閾値を超えた場合に異常が発生したと診断する請求項30又は31に記載の薬液注入量調整方法。
  33. 前記第2工程では、所定時間毎に求めた前記計測結果の時間変化率のうち、最直近の時間変化率と所定の閾値とを比較した結果に基づいて、異常が発生したと診断する請求項30又は31に記載の薬液注入量調整方法。
  34. 前記第2工程では、前記計測結果に最小自乗法を適用して前記時間変化率を求める請求項30〜33のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  35. 前記第2工程では、前記異常が発生したと診断した場合に、さらに、前記計測結果と該計測結果の時間変化率との少なくとも一方の所定時間についての平均が閾値を超えた場合に異常が発生したと最終診断する請求項32〜34のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  36. 前記第2工程では、所定時間内に、前記異常が発生したと診断した回数が所定回数を超えた場合に異常が発生したと最終診断する請求項32〜34のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  37. 前記第2工程では、前記薬液注入管路の前記生体側の先端の高さをさらに計測し、該計測結果にさらに基づいて前記薬液の注入状況を診断する請求項30〜36のいずれか一項に記載の薬液注入量調整方法。
  38. 前記第2工程では、前記容器と前記先端との高低差を計測する請求項37に記載の薬液注入量調整方法。
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