JP2010057643A - 視覚再生補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 帰還電極の眼球内での動きを抑制することができる視覚再生補助装置を提供する。
【解決手段】 視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激するために患者眼の後眼部に設置される複数の電極と、電気刺激パルス信号を電極から出力させる制御部と、電気刺激パルス信号の電流経路を形成するために網膜を挟んで電極と対向するように眼球内に設置される帰還電極を有する帰還電極部と、を備える視覚再生補助装置において、帰還電極部は、患者眼の前眼部の強膜を貫通して患者眼の硝子体内に位置するだけの長さを持つ帰還電極と、帰還電極と制御部を電気的に接続するための導線と、帰還電極を強膜から眼内に挿し入れ,その先端が硝子体内に位置した状態で強膜における電極挿入口近傍に位置する帰還電極の基端または導線の先端部分を強膜に固定保持するための固定部と、を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は患者の視覚を再生するための視覚再生補助装置に関する。
近年、失明治療技術の一つとして、複数の電極が形成された基板を有する体内装置を体内に埋植し、網膜を構成する細胞を電気刺激して視覚の再生を試みる視覚再生補助装置の研究がされている。このような視覚再生補助装置は、例えば、体外装置を用いて撮像された映像を所定の信号に変換して体内に設置された体内装置に送信し、電極から電気刺激パルス信号を出力して網膜を構成する細胞(又は組織)を電気刺激することにより、視覚の再生を試みる装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような装置では、電極を患者眼の後眼部に置くとともに、帰還電極(不関電極)を患者眼の硝子体内に設置している。
特開2004−57628号公報
このような装置では、電極から出力される電気刺激パルス信号が帰還電極へ向かって流れるため、網膜を構成する細胞が電気刺激パルス信号に貫通され効率的に電気刺激されることとなる。しかしながら、硝子体内に設置される帰還電極は、患者眼の眼球運動等により眼内で不用意に動きやすく、好ましくない。
上記従来技術の問題点に鑑み、眼内に設置された帰還電極の眼球内での動きを抑制することができる視覚再生補助装置を提供することを技術課題とする。
上記技術課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激するために患者眼の後眼部に設置される複数の電極と、該電極に接続され電気刺激パルス信号を前記電極から出力させる制御手段と、前記電極から出力される電気刺激パルス信号が前記患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を貫通する電流経路を形成するために網膜を挟んで前記複数の電極と対向するように眼球内に設置される帰還電極を有する帰還電極部と、を備える視覚再生補助装置において、前記帰還電極部は、生体適合性を有する導電性の材料にて形成され,患者眼の前眼部の強膜を貫通して患者眼の硝子体内に位置するだけの長さを持つ帰還電極と、該帰還電極と前記制御手段を電気的に接続するための導線と、前記帰還電極を前記強膜から眼内に挿し入れ,その先端が硝子体内に位置した状態で前記強膜における電極挿入口近傍に位置する前記帰還電極の基端または前記導線の先端部分を強膜に固定保持するための固定部と、を有することを特徴とする。
(2) (1)の視覚再生補助装置において、前記固定部は前記導線の軸線に対して両側に延びる一対の部材からなることを特徴とする。
(3) (2)の視覚再生補助装置において、前記帰還電極は前記固定部の強膜への接触面に対して略法線方向に延びるように取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、眼内に設置された帰還電極の眼球内での動きを抑制できる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は視覚再生補助装置の外観を示した概略図、図2は視覚再生補助装置における体内装置を示す図である。
視覚再生補助装置1は、図1及び図2に示すように、外界を撮影するための体外装置10と、網膜を構成する細胞に電気刺激を与え視覚の再生を促す体内装置20とからなる。体外装置10は、患者が掛けるバイザ11と、バイザ11に取り付けられるCCDカメラ等からなる撮影装置12と、外部デバイス13、一次コイルからなる送信手段14等にて構成されている。
外部デバイス13には、CPU等の演算処理回路を有するデータ変調手段13a、視覚再生補助装置1(体外装置10及び体内装置20)の電力供給を行うためのバッテリ13bが設けられている。データ変調手段13aは、撮影装置12にて撮影した被写体像を画像処理し、さらに得られた画像処理後のデータを、視覚を再生するための電気刺激パルス用データに変換する処理を行う。送信手段14は、データ変調手段13aにて変換された電気刺激パルス用データ及び後述する体内装置20を駆動させるための電力を所定の信号、本実施形態では、電磁波として体内装置20側に伝送(無線送信)する。また、送信手段14の中心には図示なき磁石が取り付けられている。磁石は後述する受信手段31との位置固定に使用される。
バイザ11は眼鏡形状を有しており、図1に示すように、患者の眼前に装着して使用することができるようになっている。また、撮影装置12はバイザ11の前面に取り付けてあり、患者に視認させる被写体を撮影することができる。
次に、体内装置20の構成を説明する。図2は、体内装置20を説明するための概略図であり、説明の簡便のため縮尺を模式化している。図2(a)は、体内装置20の外観を示し、図2(b)は刺激部40及び帰還電極部60の側方向からの断面図である。体内装置20は、大別して体外装置10から送信される電気刺激パルス信号用データや電力を電磁波にて受け取る受信部30と、網膜を構成する細胞を電気刺激する刺激部40により構成される。
受信部30には、体外装置10からの電磁波を受信する2次コイルからなる受信手段31と、体内装置20の制御部32が設けられている。制御部32は、受信手段31にて受信された電気刺激パルス用データと電力とを分けるとともに、電気刺激パルス用データと電力を基に、視覚を得るための電気刺激パルス信号と、電気刺激パルス信号と対応する(電気刺激パルス信号を出力させる)電極を指定する電極指定信号等を含む制御信号とに変換し、刺激部40へ送信するための役割を持っている。
受信手段31と制御部32は、基板33上に形成されている。なお、受信部30には送信手段14を位置固定させるための図示なき磁石が設けられている。また、帰還電極部60は、帰還電極61が患者眼の硝子体内(ここでは、前眼部側の硝子体内)に設置され網膜を挟んで電極44に対向して配置される。帰還電極部60は、効率的よく細胞等を電気刺激するための機能を有する。具体的には、帰還電極61が各電極44と対となるように配置されることで、電極44から出力される電気刺激パルス信号の電流経路が網膜を貫通するように形成されることを指す。帰還電極部60は、棒状の帰還電極61と、帰還電極61の基端に接続され帰還電極61と制御部32を電気的に接続するため導線であるワイヤ55と、帰還電極61の基端に設けられ帰還電極61を患者眼の前眼部の強膜に固定するための固定部65を備える。
帰還電極61は、患者眼の強膜を貫通し、その先端が硝子体内に位置するような長さを有した棒状の部材であり、生体適合性を有すると共に導電性を有する材料、例えば、白金、イリジウム等の貴金属で形成される。帰還電極61は強膜を貫通し易い形状とされ、ここでは、帰還電極61の先端が針状(テーパ状)とされる。また、帰還電極61は、硝子体内に突出した箇所が、硝子体内に挿入された際に患者眼の眼球運動等でしなって硝子体以外の眼内組織と接触しない程度の剛性を持つと共に、強膜への侵襲を低減するような径(創口ができるだけ小さくなるような径)とされる。また、帰還電極61の表面積は、網膜を構成する細胞が好適に刺激される程度の電流密度の電気刺激パルス信号を制御部32に帰還させることができるように定められる。ここでは、帰還電極61は、1つの電極44に対して表面積が大きいものとされる。本実施形態では、帰還電極61の表面積が電極44の表面積に対して少なくとも2倍以上となるように帰還電極61の形状(長さ、径)が決められる。
ワイヤ55は、生体適合性の高い導電性の材料、例えば、白金等の貴金属を線材とし、この線材を生体適合性の高い樹脂等で被覆することで形成される。ワイヤ55の厚み(径)は、眼球に沿うフレキシブル性を備えると共に長期設置性に好ましい程度の厚みとされる。ワイヤ55の先端には、前述の帰還電極61が形成される。なお、帰還電極は、導線の先端の被覆を剥がし、屈曲させて形成する構成としてもよい。
固定部65は、生体適合性を有する材料、例えば、エポキシ、ポリパラキシリレン等の樹脂、又は、白金等の貴金属で形成された部材である。固定部65は、ワイヤ55と帰還電極61の接続部(帰還電極61の基端)に形成される。これにより、帰還電極61の先端が硝子体内に位置した状態で、強膜における帰還電極61の電極挿入口近傍に、帰還電極61の基端が位置することとなる。言い換えると、帰還電極61が眼内に挿し入れられ、固定部65が強膜に接触し、それに伴って、帰還電極61の先端が硝子体内に位置することとなる。
固定部65の強膜に接触する接触面(又は、接触面の接平面)に対して帰還電極61が略法線方向に延びるように、固定部65と帰還電極61との関係が定められる。これにより、固定部65が強膜に固定された際、帰還電極61の先端が硝子体の中央に向かうこととなる。なお、帰還電極61とワイヤ55の成す角度が、略直角となるように、ワイヤ55に対して帰還電極61が形成される。これにより、ワイヤ55が眼球の曲面に沿って配置され、帰還電極61が眼球内に挿し入れられたときに、帰還電極61の先端が硝子体(眼球)の中心に向かうこととなる。以上のことから、帰還電極61が前眼部の眼内組織(例えば、水晶体)と接触しにくくなる。
また、固定部65は、強膜と接触する接触面が、硝子体内に挿し入れられた帰還電極61が、患者眼の眼球運動等で動くことを抑制できるような形状とされ、本実施形態では、平板形状とされる。また、固定部65が帰還電極61の基端に形成されることで、固定部65からワイヤ55が突出しにくくなる。このため、帰還電極部60が強膜に固定された際に、患者眼の眼球運動を妨げにくくなる、具体的には、固定部65等が患者の眼窩内で抵抗となりにくくなることを指す。ここで、固定部65の厚み(肉厚)は、強膜に接触された際に、患者眼の眼球運動を妨げない程度の厚みであり、かつ、帰還電極61の硝子体内での動きを抑制できる程度の剛性を持つような厚みとされる。
ここで、帰還電極61が眼内に挿し入れられ固定部65が強膜に接触された状態で固定部65が強膜に対して固定されることで、帰還電極部60が患者眼の眼球に固定される。本実施形態では、固定部65の平板形状部分が縫合糸で強膜に縫い付けられることで、帰還電極部60が固定されることとなる。このため、固定部65は、ワイヤ55の軸線に対して両側に延びる一対の部材から構成される。具体的には、固定部65の長軸が、ワイヤ55の軸線に対して略直交するように形成される。本実施形態では、固定部65の長軸(対となっている部材)に直交するように縫合糸が巻きつけられ、固定部65が強膜に縫い付けることで、固定部65の固定が行われる(図3(b)参照)。このため、固定部65の長軸方向に応力が掛っても、帰還電極61が動きにくくなる。具体的には、帰還電極61が、固定部65付近のワイヤ55を回転軸として、硝子体内で回旋運動しにくくなる。
なお、帰還電極部60は、以下の手順で作製される。まず、帰還電極61、固定部65、ワイヤ55を個別に作製する。例えば、固定部65を樹脂にて作製した場合、帰還電極61と固定部65を合せ、前述の被覆が付いたままのワイヤ55を帰還電極61と当接させる。この後、帰還電極61とワイヤ55を熔接し、接合部を生体適合性を有した樹脂等で被覆し、帰還電極部60を得る。なお、固定部65は金属で作製してもよく、この場合、3つの部材を熔接し、帰還電極61を残して他の部材を樹脂等で被覆してもよい。
次に、刺激部40の構成を説明する。刺激部40は、電気刺激パルス信号を出力する複数の電極44、刺激制御部42(制御手段)、これらが設置される基板43で構成される。各電極44は、例えば、正方格子状のパターンにて基板43上に形成され、各々が刺激制御部42に接続される。
刺激制御部42は、制御部32から送られてきた制御信号(電極指定信号を含む)に基づいて、対応する電気刺激パルス信号を電極44の各々へ振り分けるマルチプレクサ機能を有する。電極44には生体適合性が高い貴金属が用いられる。各電極44は、貴金属の薄膜形成又は貴金属塊からの切り出し成型等により形成される。基板43は、眼内、特に、層状の眼組織内に設置されるため、眼球の形状に沿うことが好ましく、層間(層内)に長期埋植されても患者の負担が少ないことが好ましい。このため、基板43は、生体適合性が高く、所定の厚さにおいて折り曲げ可能(フレキシブル)な素材を長手方向に延びた平板状に加工したものを用いる。基板43には、電極44と刺激制御部42とを電気的に接続する導線であるワイヤ41が配置される。ワイヤ41は、生体適合性の高い貴金属で形成され、ワイヤ41の厚み(径)は、基板43のフレキシブル性や長期設置性に好ましい程度の厚みとされる。
刺激制御部42は、各半導体素子の組合せにより機能を果たす半導体の集積回路であり、半導体基板上に集積回路を機能させるパターン配線が形成された面を基板43側にして接合されている。また、詳細な説明は略すが、刺激制御部42は、その周囲をメッキなどに覆われており、生体からの浸潤等を低減させる構成とされる。なお、刺激制御部42は、セラミックスや金属にて形成された気密ケースを用いて密封処理される構成としてもよい。このような場合、刺激制御部42は、ケースに設けられたビアを介してワイヤ41と接続される。
また、体内において離れた位置に置かれる受信部30と刺激部40(刺激制御部42)とは複数のワイヤ(導線)にて接続され電気的に接続されている。これらの複数の導線は取扱いし易いように生体適合性を有する樹脂にて包埋され、ケーブル50として用いられる。
なお、図示は略すが、受信部30は、ケーブル50、帰還電極部60を外に出して、気密性の高い容器に収められ、その容器の蓋を密閉される。さらに、容器の上から生体適合性がよく絶縁性を有する樹脂等でコーティングされる。これにより、受信部30はハーメチックシールされる。
次に、このような体内装置20(刺激部40及び帰還電極部60)の設置状態を説明する。図3は、刺激部40と帰還電極部60を患者眼Eの眼内に埋植した状態を示す模式図である。図3(a)は、患者眼Eの断面図であり、図3(b)は、患者眼Eの前眼部の拡大図である。図3(a)に示すように、基板43上に形成される電極44を、後眼部の脈絡膜E2に接触させた状態で、基板43の一部が、強膜E3と脈絡膜E2との間に設置される。また、基板43の刺激制御部42部分は、強膜E3の外側に置かれる。この基板43の設置は、強膜E3の一部を切開して強膜ポケットを形成させておき、この強膜ポケット内(脈絡膜E2と強膜との間)に基板43の電極部分を挿入し設置後、縫合等により基板43を固定することにより行われる。なお、本実施形態では、電極部分を強膜と脈絡膜との間に置くものとしているが、これに限るものではなく、強膜内(強膜組織の中)に置くことも可能である。
また、帰還電極部60は、図3(b)に示されるように前眼部の角膜Cと強膜E3の境界付近である角膜輪部Lの外周付近の強膜E3に固定される。図3(a)に示されるように、帰還電極61が前眼部の強膜E3を貫通して帰還電極61の先端が硝子体内に挿入される。固定部65が強膜E3に接触された後に、固定部65が縫合糸Sで強膜E3に縫い付けられることで、帰還電極部60が固定される。このとき、帰還電極61は、強膜に形成された電極挿入口から眼内へと挿入され、電極挿入口近傍に位置されることとなる。
このようにして、網膜E1は電極44と帰還電極61との間に位置することとなる。電極44から出力された電気刺激パルス信号は帰還電極61へと向かうため、電気刺激パルス信号は、網膜E1を貫通(通過)することとなる。
一方、受信手段31は、体外装置10に設けられた送信手段14からの信号(電気刺激パルス用データ及び電力)を受信可能な生体内の所定位置に設置される。例えば、図1に示すように、患者の側頭部の皮膚の下に受信部30(図では受信手段31のみ示している)を埋め込むとともに、皮膚を介して受信部30と対向する位置に送信手段14を設置しておく。受信部30には、送信手段14と同様に磁石が取り付けられているため、埋植された受信部30上に送信手段14を位置させることにより、磁力によって送信手段14と受信部30とが引き合い、送信手段14が側頭部に保持されることとなる。
なお、ケーブル50及びワイヤ55は、側頭部に埋め込まれた受信部30から側頭部に沿って皮膚下を患者眼に向かって延び、患者の上まぶたの内側を通して眼窩に入れられる。眼窩に入れられたケーブル50は、図3(a)に示すように強膜E3の外側を通り、基板43に設置された刺激制御部42に接続される。眼科に入れられたワイヤ55は、図3(b)に示すように前眼部の強膜E3の外側を通り、帰還電極61に接続される。
以上のような構成を備える視覚再生補助装置1において、図5に示す視覚再生補助装置1の制御系ブロック図に基づいて、その動作を説明する。
図1に示す撮影装置12により撮影された被写体の撮影データ(画像データ)は、データ変調手段13aに送られる。データ変調手段13aは、撮影した被写体を患者が認識するために必要となる所定のデータパラメータ(電気刺激パルス用データ)に変換し、さらに電磁波として伝送するのに適した変調信号を生成し、送信手段14より電磁波として体内装置20側に送信する。
また同時に、データ変調手段13aは、バッテリ13bから供給されている電力を前述した変調信号(電気刺激パルス用データ)の帯域と異なる帯域の電磁波として前記変調信号と合わせて体内装置20側に送信する。
体内装置20側では、体外装置10より送られてくる変調信号と電力とを受信手段31にて受け取り、制御部32に送る。制御部32では受けとった信号から、電力を得ると共に変調信号が使用する帯域の信号を抽出するとともに、この変調信号に基づいて電気刺激パルス用パラメータ信号と制御信号とを形成し、電極指定信号である制御信号を刺激制御部42に送信する。
刺激制御部42は、受け取った信号に基づき電力及び制御信号を抽出する。刺激制御部42は、制御信号に基づき制御部32から供給される電気刺激パルス信号を各電極44に分配し、出力させる。各電極44から出力される電気刺激パルス信号は、帰還電極61へと向かって脈絡膜E2,網膜E1を貫通する。これにより、それぞれの電極44付近に位置する網膜E1を構成する細胞が効率的に電気刺激され、患者は視覚(擬似光覚)を得る。
なお、以上説明した本実施形態では、固定部を平板形状としたが、これに限るものではない。固定部は、固定部の強膜に対する接触面が、硝子体内の帰還電極の動きを抑制できる程度の接触面積を持つ構成であればよく、棒形状等であってもよい。また、帰還電極を前述のように固定保持できる構成であればよく、帰還電極の基端に固定部が形成される構成に限らない。ワイヤの先端部分に固定部が形成される構成であってもよく、例えば、ワイヤの被覆の先端側の形状を平板形状とし、固定部としてもよい。また、ワイヤの被覆の強膜に接触する側を平らにし、固定部としてもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、固定部を強膜の表面に接触させて強膜に縫い付けることで、帰還電極部を眼球に固定する構成としたが、これに限るものではない。帰還電極部が前眼部に固定される構成であればよい。例えば、前述のように、前眼部の強膜を切開して強膜ポケットを形成し、強膜ポケット内に固定部を収めて固定する構成としてもよい。この場合、固定部の厚みは、強膜ポケット内に収まる程度の厚みとする。この場合、強膜ポケットの切開部を縫合するか、又は、固定部を強膜ごと縫合することで帰還電極部を固定する。また、固定部の固定は縫合糸によるものに限らない。固定部の強膜の接触面にタック等を設ける構成であってもよい。また、固定部は前眼部の強膜に固定される構成に限るものではない。帰還電極の先端が硝子体内に挿し入れられ、電気刺激パルス信号の電流経路が網膜を貫通するような構成であればよく、帰還電極を前眼部より後方(後極側)の強膜から眼内に挿し入れ、固定部を強膜に固定する構成であってもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、後眼部の強膜を切開して強膜ポケットを形成し、刺激部を設置し、網膜を構成する細胞を電気刺激パルス信号にて貫通するように電気刺激する構成としたが、これに限るものではない。患者の視覚を構成する視覚神経系の細胞又は組織を電気刺激パルス信号が貫通するように電気刺激し、患者の視覚を再生させる構成であればよい。例えば、電極を網膜下(網膜と脈絡膜の間)に設置する構成であってもよいし、後眼部の視神経に設置する構成としてもよい。また、電極を視神経に配置してもよい。この場合、電気刺激パルス信号の電流経路は視神経を貫通するように形成されることとなる。
視覚再生補助装置1の外観を示した概略図である。 視覚再生補助装置1の体内装置20を示した概略図である。 刺激部40及び帰還電極部60を体内に設置した状態を示した図である。 視覚再生補助装置1の制御系を示したブロック図である。
符号の説明
1 視覚再生補助装置
10 体外装置
20 体内装置
30 受信部
40 刺激部
44 電極
55 ワイヤ
60 帰還電極部
61 帰還電極
65 固定部

Claims (3)

  1. 患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を電気刺激するために患者眼の後眼部に設置される複数の電極と、該電極に接続され電気刺激パルス信号を前記電極から出力させる制御手段と、前記電極から出力される電気刺激パルス信号が,前記患者の視覚を形成する視覚神経系を構成する細胞又は組織を貫通する電流経路を形成するために網膜を挟んで前記複数の電極と対向するように眼球内に設置される帰還電極を有する帰還電極部と、を備える視覚再生補助装置において、
    前記帰還電極部は、
    生体適合性を有する導電性の材料にて形成され,患者眼の前眼部の強膜を貫通して患者眼の硝子体内に位置するだけの長さを持つ帰還電極と、
    該帰還電極と前記制御手段を電気的に接続するための導線と、
    前記帰還電極を前記強膜から眼内に挿し入れ,その先端が硝子体内に位置した状態で前記強膜における電極挿入口近傍に位置する前記帰還電極の基端または前記導線の先端部分を強膜に固定保持するための固定部と、
    を有することを特徴とする視覚再生補助装置。
  2. 請求項1の視覚再生補助装置において、前記固定部は前記導線の軸線に対して両側に延びる一対の部材からなることを特徴とする視覚再生補助装置。
  3. 請求項2の視覚再生補助装置において、前記帰還電極は前記固定部の強膜への接触面に対して略法線方向に延びるように取り付けられていることを特徴とする視覚再生補助装置。
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