JP2010057317A - ワイヤハーネスの配索構造 - Google Patents

ワイヤハーネスの配索構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤハーネスの異常変位を防止するとともに、ワイヤハーネスの位置ずれを防止できるように構成したワイヤハーネスの配索構造を提供すること。
【解決手段】固定側連結部13a及び可動側連結部において、固定側プロテクタ21及び可動側プロテクタに結束バンド挿通口53a,53bが設けられ、帯状板ばね27に、結束バンド挿通口52a,53bに対応する切欠部43a,43bが設けられている。固定側プロテクタ21及び可動側プロテクタに固定側連結部13a及び可動側連結部を連結する際、帯状板ばね27を正規の位置に位置決めすることにより、結束バンド挿通口53a,53bと切欠部43a,43bの位置が一致し、切欠部43a,43bの部分で結束バンド23a,23bにより結束することができ、帯状板ばね27が位置ずれしない。
【選択図】図14

Description

本発明は、例えば自動車のスライドドア、ハッチバックドア等の可動構造物上の電機部品等に給電するために、前記可動構造物が移動可能に装備された固定構造物と可動構造物とに跨って配索されるワイヤハーネスの配索構造に関する。
例えば、自動車に配索されるワイヤハーネスの内、スライドドア、ハッチバックドア等の可動構造物上の電機部品等に給電するワイヤハーネスは、前記可動構造物が移動可能に装備されている車体フレーム等の固定構造物と前記可動構造物とに跨って配索される。
図17及び図18は、このようなワイヤハーネスの配索構造の従来例を示したものである。
図17に示した配索構造は、下記特許文献1に開示されたものである。配索するワイヤハーネス101は、例えば、車体パネルや車体フレーム等の固定側構造物上に固定される固定側連結部103とスライドドア等の可動構造物上に固定される可動側連結部105との間の延長部分107に、可動構造物の移動を許容するための余長を付与した構成になっていて、延長部分107は略U字状に撓ませた状態でガイドレール111の下部のハーネス収容空間113に収容することにより、可動構造物の移動に伴う延長部分107の異常変位を規制すると同時に、延長部分107が周囲の構造物等に干渉することを防止している。
上記のガイドレール111は、不図示の可動構造物の移動方向(図17では、矢印A方向)に沿ってスライド移動するスライダ115を有していて、ハーネス収容空間113に収容された延長部分107の可動側連結部105側は、スライダ115に結合されている。
スライダ115は、可動構造物に連結され、可動構造物の移動に連動してガイドレール111上を移動する。
図18に示した配索構造の場合は、配索するワイヤハーネス101の固定側連結部103と可動側連結部105との間に付与される延長部分107を、ハーネス収容ボックス121内に引き出し可能に巻き取り収容することにより、可動構造物の移動に伴う延長部分107の異常変位を規制すると同時に、延長部分107が周囲の構造物等に干渉することを防止する。
ハーネス収容ボックス121は、ボックス本体123内に回転自在に設けられて延長部分107を巻き取るリールと、このリールを巻き取り方向に付勢するばね等の付勢手段とを有していて、可動構造物の移動量に応じてリールが回転することにより、ボックス本体123からの延長部分107の引き出し長が調整される。
また、図21及び図22は、ワイヤハーネスの配索構造の他の従来例を示したものであり、下記特許文献2に開示されている。
図21は、ワイヤハーネスの配索構造を構成するプロテクタ200の斜視図であって、樹脂製品からなるプロテクタ200は断面L字状に形成され、ワイヤハーネス配索方向に沿って水平方向配置部200aと、該水平方向配置部200aの一端より下向き直角に屈折した垂直方向配置部200bを有する屈曲形状になっている。
前記プロテクタ200は、車体ボディ面に沿って配置する側壁200cと底壁200dとを備え、この底壁200dと側壁200cで囲まれた空間SにワイヤハーネスW/Hを挿通するようになっている。
プロテクタ200の側壁200cには、その上端にバンドクランプ取付用の切欠200eを設けると共に、該切欠200eの真下の側壁200dにバンド貫通穴200fが設けられている。更に、切欠200eと同一面を有するクランプ乗台200gが、側壁200cの内面より突出した形状で設けられている。
バンドクランプ211は、図22に示すように略ボックス形状の本体部211aと、該本体部211aより延在するバンド部211bとを備えている。そして、前記本体部211aの下側部に、バンド係止孔211cが貫通して設けられると共に、上側部に車体固定用の係止筒部211dが設けられている。
前記バンドクランプ211を車体212に固定する場合は、前記本体部211aの係止筒部211dを車体212側へ突出させ、下側部と車体212との間に隙間Cを開けて、バンド部211bを引き出せるようにする。前記バンド係止孔211cの内部には、バンド部211bに刻設された歯部に係止する係止片が設けられている。前記歯部及び係止片との歯合により、バンド部211bが抜け出し不可に係止される。
また、係止筒部211dの内周面には係止片211eが突設され、車体212より突出しているスタッドボルト213を挿入係止するようになっている。
前記構成のプロテクタ200及びバンドクランプ211を適用した配索構造にあっては、図21に示すようにバンド部211bを側壁200cの外側から貫通穴200fに挿通し、ワイヤハーネスW/Hを半巻きした後、バンド部211bをバンド係止孔211cに挿通させて係止して、プロテクタ200、ワイヤハーネスW/Hをバンド部211bにより共締めしている。
この構成によれば、W/Hが図21で時計方向、又は反時計方向に回動することがなく、図示の状態が保持される。
特開2006−74980号公報 特開2000−134763号公報
ところが、図17や図18に示した従来の配索構造は、いずれも、延長部分107を収容するガイドレール111やハーネス収容ボックス121を有するために、構成部品点数が大幅に増加し、且つ、これらのガイドレール111やハーネス収容ボックス121が複雑な構成のために、これらの配索構造を採用する装置のコストアップを招くという問題があった。
また、延長部分107の周囲を覆うガイドレール111やハーネス収容ボックス121の構造のために、配索スペースが増大し、省スペース化が難しいという問題も生じた。
また、図21及び図22に示した従来の配索構造は、ワイヤハーネスW/Hをプロテクタとともに共締めして車体パネル212に固定するものであり、例えばワイヤハーネスW/Hの一端を固定側構造物である車体側に固定し、他端を可動側構造物である、例えばドア等に配索する場合はワイヤハーネスW/Hが撓み変形不可であるため適用できない。
本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、固定構造物と可動構造物とに跨って配索されるワイヤハーネスの異常変形を防止し、ワイヤハーネスの配索に使用する部品点数の削減や、使用部品の構造の単純化により、その配索構造を採用する装置のコスト低減を図ることができ、また、使用部品による配索スペースの増大を抑えて、省スペース化を図ることもでき、配索されるワイヤハーネスが撓み変形自在であり、しかもワイヤハーネスの位置ずれを防止できるように構成したワイヤハーネスの配索構造を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 固定構造物に固定される固定側連結部が電線延長方向一端側に設けられ、且つ前記固定構造物に対して移動可能に装備された可動構造物に固定される可動側連結部が電線延長方向他端側に設けられた電線を備え、当該電線の前記固定側連結部と前記可動側連結部との間の延長部分に前記可動構造物の移動を許容するための余長が付与されたワイヤハーネスの配索構造であって、
前記延長部分は、当該延長部分の延長方向に沿って帯状板ばねを添え付けられ且つ略U字状又は円弧状に撓まされた形態で配索され、
前記固定側連結部が連結される固定側プロテクタ及び前記可動側連結部が連結される可動側プロテクタと、
前記電線の前記固定側連結部及び前記可動側連結部を前記帯状板ばねとともに前記固定側プロテクタ及び前記可動側プロテクタにそれぞれ結束する結束バンドと、を更に備え、
前記固定側プロテクタ及び可動側プロテクタには結束バンド挿通口が形成され、
前記帯状板ばねには、当該帯状板ばねを前記固定側プロテクタ及び可動側プロテクタの固定位置に位置決めした時に前記結束バンド挿通口に対応する部分に切欠部が形成され、
前記結束バンド挿通口を挿通させた結束バンドにより、前記固定側連結部及び可動側連結部が前記帯状板ばねとともに前記固定側プロテクタ及び可動側プロテクタに共締めされることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
(2) 前記固定側プロテクタ及び前記可動側プロテクタのそれぞれに形成された係止突起と、
前記帯状板ばねの両端部に形成された係止口と、を更に備え、
前記係止突起と前記係止口とを係合させることにより、前記固定側プロテクタ及び前記可動側プロテクタに対する前記帯状板ばねの位置が適正位置に位置決めされることを特徴とする前記(2)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
(3) 前記固定側連結部及び前記可動側連結部は、前記電線に前記帯状板ばねを添え付け、且つ耐摩耗性及び可撓性のある保護部材により被覆した延長部分の両端部であることを特徴とする前記(1)に記載のワイヤハーネスの配索構造。
前記(1)の構成によれば、可動構造物の移動に伴うワイヤハーネスの延長部分のばたつき等の異常変位は、当該延長部分に添えられた帯状板ばねの剛性及び弾性力の作用により規制される。また、固定側プロテクタ及び可動側プロテクタに帯状板ばねを位置決めする際、正規の位置に位置決めされていれば結束バンド挿通口の位置と前記帯状板ばねに形成した切欠部の位置とが一致し、結束バンドを用いてそのまま共締めできる。結束バンドは前記切欠部にも係合するので、前記帯状板ばねや電線の位置ずれを防止できる。
前記(2)の構成によれば、前記固定側プロテクタ及び可動側プロテクタに前記帯状板ばねを位置決めする際に、前記係止突起と前記係止口とが係合することで、係止結束バンド挿通口と、前記帯状板ばねに形成した切欠部とが適正に位置決めされ、かつ前記帯状板ばねの長手方向への位置ずれを防止できる。
前記(3)の構成によれば、前記固定側連結部及び可動側連結部の何れも電線に帯状板ばねが添え付けられ、且つ保護部材により被覆されているので、結束バンドを締めるという簡単な作業で、電線、帯状板ばね、保護部材の両端部が前記固定側プロテクタ及び可動側プロテクタに一体に連結される。
本発明によるワイヤハーネスの構造によれば、前記延長部分の異常変位を規制するための部品は、延長部分に添えられた帯状板ばねであるため、延長部分の異常変位の規制にガイドレールやハーネス収容ボックスを使用していた従来の配索構造と比較すると、使用する部品点数を大幅に削減できると同時に、使用部品の構造を単純化することができ、その配索構造を採用する装置のコスト低減を図ることができる。
更に、帯状板ばねが、固定側プロテクタ及び可動側プロテクタの各結束バンド挿通口に対応した切欠部を有することで、結束バンドにより固定側プロテクタ及び可動側プロテクタに電線と帯状板ばねとを共締めした際に、結束バンドが切欠部にも係合するので、帯状板ばねが長手方向に位置ずれせずに結束される。
以下、本発明に係るワイヤハーネスの配索構造の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るワイヤハーネスの配索構造の一実施形態が採用される自動車の側面図、図2は図1に示した自動車のバックドアの正面図,図3は図2のB−B断面図,図4は図3のC−C断面図である。図5は図4に示したワイヤハーネスの配索構造において可動構造物である窓ガラスの昇降移動に伴ってワイヤハーネスの延長部分の湾曲部が移行する状況の説明図、図6は固定側プロテクタの構成を示す平面図、図7は可動側プロテクタの構成を示す平面図、図8は電線を帯状板ばねに固定した形態を示す平面図、図9は帯状板ばねの形状を示す斜視図、図10は固定側プロテクタの構成を示す斜視図、図11は固定側プロテクタの構成を示す平面図、図12は固定側プロテクタへのワイヤハーネスの位置決めを示す平面図、図13は固定側プロテクタと帯状板ばね及びワイヤハーネスの結束状態を示す斜視図、図14は固定側プロテクタと帯状板ばね及びワイヤハーネスの結束状態を示す平面図、図15は固定側プロテクタと帯状板ばねとの係止状態を示す断面図、図16は可動側プロテクタの構成を示す斜視図、図17は可動側コネクタの構成を示す平面図、図18は可動側コネクタへのワイヤハーネスの位置決めを示す平面図である。
図1に示した自動車1は、上方に回動して開くバックドア3を備えている。そして、バックドア3には、上下方向(図3の矢印D方向)に昇降する窓ガラス5が装備されている。この窓ガラス5には、曇り止め用の電熱線等の電気部品7が設けられている。
本発明の一実施形態のワイヤハーネスの配索構造11は、窓ガラス5上の電気部品7等への給電のために、固定構造物に相当するバックドア3のドアパネル3aと、ドアパネル3aに移動可能に装備された可動構造物に相当する窓ガラス5とに跨ってワイヤハーネス組立体13を配索するものである。
窓ガラス5は、不図示の昇降機構により、図5に矢印Eで示す方向に昇降可能にドアパネル3aに取り付けられている。図5において、符合5Aは上限位置に移動した窓ガラスを示し、符合5Bは中間位置に移動して窓を半開した状態のときの窓ガラスを示し、符合5Cは下限位置に移動して窓を全開した状態のときの窓ガラスを示している。
図5に示すように、窓ガラス5の昇降に伴い、ドアパネル3aと窓ガラス5とに跨って配索されるワイヤハーネス組立体13の延長部分13cの湾曲位置が移動する。
本実施形態の場合、ドアパネル3aの内面側には、窓ガラス5の側方で上下方向に沿って、固定側プロテクタ21が固定装備されている。この固定側プロテクタ21は、ドアパネル3aと共に、固定構造物に相当する。
固定側プロテクタ21は、例えば、チャンネル型の型抜き材を利用したもので、溝を窓ガラス5側に向けて装備されていて、窓ガラス5の降下時に、ドアパネル3a側から垂れ下がるワイヤハーネス組立体13を収容して、垂れ下がるワイヤハーネス組立体13の位置規制を行う。
この一実施形態のワイヤハーネスの配索構造11に使用されるワイヤハーネス組立体13は、固定側構造物であるドアパネル3aの固定側プロテクタ21上に固定される固定側連結部13aと、可動構造物である窓ガラス5上に固定される可動側連結部13bとの間の延長部分13cに、窓ガラス5の昇降移動を許容するための余長が付与されている。
ワイヤハーネス組立体13の固定側連結部13aは、図6に示すようにドアパネル3aに固定される固定側プロテクタ21に結束バンド23により取り付けられている。固定側プロテクタ21は、ねじ等によりドアパネル3a上に固定される。なお、固定側プロテクタ21の構成については、後に図10〜図15を参照して詳細に説明する。
また、可動側連結部13bには、図7に示すように窓ガラス5に固定するための連結部材である可動側プロテクタ25が結束バンド23により取り付けられている。可動側プロテクタ25は、ねじ等により窓ガラス5に固定される。なお、可動側プロテクタ25の構成については、後に図16〜図18を参照して詳細に説明する。
前記ワイヤハーネス組立体13において、固定側連結部13aと可動側連結部13bとの間の延長部分13cは、図8及び図9に示すように、延長部分13cを構成する電線31に帯状板ばね27を縦添えして、その外周にテープ巻きやチューブ状の外装部材29を被せて結束し、その周囲から保護部材33を被せて集束保護したものである。
本実施形態では、保護部材33として例えば合成樹脂をメッシュ状に形成したチューブ状のものが適用されている。この構成によれば、延長部分13cに水がかかっても、隙間から直ちに水分が排出されるので保護部材33内の延長部分13cに水分が滞留することがなく、滞留した水分が凍結することを未然に防止することができる。
帯状板ばね27は、図9に示すように防錆効果のあるステンレス等の薄板を帯状に形成したものであり、端部Fが前記固定側プロテクタ21に連結される。端部Fには、固定側プロテクタ21に係止させるための係止口41、切欠部42,43が形成されている。
一方、端部Gは、前記可動側プロテクタ25に連結される。端部Gにも可動側プロテクタ25に係止させるための係止口45、切欠部46,47が形成されている。
次に、図10〜図15を参照して前記固定側プロテクタ21について説明する。
固定側プロテクタ21は、合成樹脂を用いて一体成形したものであり、前記ワイヤハーネス組立体13の固定側連結部13aを連結するためのものである。固定側プロテクタ21には、前記帯状板ばね27に形成された係止口41を係止するための係止突起51、結束バンド23a,23bを挿通させるための結束バンド挿通口53a,53b、連結後に閉じられるカバー部54、前記バックドア3に固定するための固定部55等が一体に形成されている。
固定側プロテクタ21に固定側連結部13aを連結する場合は、図12に示すように固定側連結部13aをカバー部54の近傍に位置決めし、図11に想像線で示したように係止突起51に帯状板ばね27の端部Fに設けた係止口41を係止させる。次いで、結束バンド挿通口53a,53bに挿通していた結束バンド23a,23bを用いて、固定側プロテクタ21に固定側連結部13aを締め付け固定する。
そして、図6に示したように他の線材を配索する必要があれば配索し、端末処理を行った後、カバー部54を閉じて固定側プロテクタ21への固定側連結部13aの連結が完了する。この固定側プロテクタ21を前記のようにドアパネル3aに固定した場合、延長部分13cは、平板状のガイド部56に沿って垂下し、図5を参照して説明したような上下運動を行う。
ここで、図13〜図15を参照して固定側プロテクタ21に形成した係止突起51と、帯状板ばね27に形成した係止口41との関連について説明する。なお、図13〜図15は図示の便宜のため固定側プロテクタ等は模式的に示したものであり、説明に際しては図11を適宜参照する。
即ち、固定側プロテクタ21に形成した係止突起51と結束バンド挿通口53a,53bの位置に対し、帯状板ばね27に形成した係止口41及び切欠部43a,43bの位置が対応するようになっている。従って、固定側プロテクタ21の所定位置に帯状板ばね27を位置決めする場合、図11に想像線で示したように係止突起51に係止口41を係止させ、固定側プロテクタ21に帯状板ばね27を沿わせることにより、結束バンド挿通口53a,53bと切欠部43a,43bの形成位置が合致する。
先に説明したように、固定側プロテクタ21に連結部13aを連結する場合、この連結に先だって図8に示したように帯状板ばね27に電線31を結束し、次いで保護部材33により被覆してから、図12に示したように固定プロテクタ21に対し連結部13aを位置決めする。
この位置決め時に、前記のように係止突起51に係止口41を係止させると、何らの位置あわせ作業を行うことなく、結束バンド挿通口53a,53bの形成位置に切欠部43a,43bが位置決めされることになる。この状態で結束バンド23a,23bを締め付けることにより、図13,図14に示すように固定側プロテクタ21と、保護部材33で被覆された帯状板ばね27、電線31が一体化される。
前記のように、ワイヤハーネス組立体13の延長部分13cが上下に移動する間、帯状板ばね27等に引張力がかかるが、帯状板ばね27の端部が図15に拡大して示したように係止突起51に係止しているので、長手方向に位置ずれすることはなく、抜け落ちることもない。そして、帯状板ばね27及び電線31等は前記のように結束バンド23a,23bにより固定側プロテクタ21に一体化されているので、電線31等の抜け出し等がなく、延長部分13cの固定側端部はドアパネル3aに安定に固定される。
次に、図16〜図18を参照して可動側プロテクタ25の構成について説明する。
可動側プロテクタ25は、合成樹脂を用いて一体成形したものであり、前記ワイヤハーネス組立体13の可動側連結部13bを連結するためのものである。可動側プロテクタ25には、前記帯状板ばね27に形成された係止口45を係止するための係止突起61、結束バンド23a,23bを挿通させるための結束バンド挿通口62a,62b等が形成されている。
可動側プロテクタ25に可動側連結部13bを連結する場合は、係止突起61に端部Bに形成した係止口45を係止させる。この結果、可動側プロテクタ25においても、帯状板ばね27に形成された切欠部47a,47bが結束バンド挿通口62a,62bの形成位置に位置決めされる。この結果、図18に示すように可動側プロテクタ25に対し可動側連結部13bが位置決めされ、この状態で結束バンド23a,23bを用いて結束することにより、図7を参照して説明したように可動側プロテクタ25に可動側固定部13bが連結される。
即ち、可動側プロテクタ25においても、固定側プロテクタ21と同様に可動側連結部13bの連結が行われ、帯状板ばね27の長手方向への位置ずれや抜け出し、電線31等の抜け出しを防止することができる。
従って、図5を参照して説明した延長部分13cの上下移動等は円滑に、しかも位置ずれすることなく正確に行うことができる。
以上に説明した一実施形態のワイヤハーネスの配索構造11の場合、窓ガラス5の移動に伴うワイヤハーネスの延長部分13cの変位は、当該延長部分13cに縦添えされた帯状板ばね27により規制する構成であり、延長部分の変位を規制するためにガイドレールやハーネス収容ボックスを使用していた従来の配索構造と比較すると、使用する部品点数を大幅に削減できると同時に、使用部品の構造を単純化することができる。従って、その配索構造を採用する装置のコスト低減を図ることができる。
また、帯状板ばね27には、固定側プロテクタ21及び可動側プロテクタ25の結束バンド挿通口53a,53b,62a,62bに対応した切欠部43a,43b,47a,47bが形成されているので、結束バンド23により、固定側プロテクタ21及び可動側プロテクタ25に帯状板ばね27と電線31とを共締めした際に、切欠部43a,43b,47a,47bにも結束バンド23が係合する。したがって、帯状板ばね27及び電線31が長手方向に位置ずれすることがなく、電線31の動きを適正に規制することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係るワイヤハーネスの配索構造の一実施形態が採用される自動車の側面図である。 図1に示した自動車のバックドアの正面図である。 図2のB−B断面図である。 図3のC−C断面図である。 図4に示したワイヤハーネスの配索構造において可動構造物である窓ガラスの昇降移動に伴ってワイヤハーネスの延長部分の湾曲部が移行する状況の説明図である。 固定側プロテクタの構成を示す平面図である。 可動側プロテクタの構成を示す平面図である。 帯状板ばねへの電線の固定を示す平面図である。 帯状板ばねの構成を示す斜視図である。 固定側プロテクタの構成を示す斜視図である。 固定側プロテクタの構成を示す平面図である。 固定側プロテクタへのワイヤハーネスの位置決めを示す平面図である。 固定側プロテクタへのワイヤハーネスの結束状態を示す斜視図である。 固定側プロテクタへのワイヤハーネスの結束状態を示す平面図である。 係止突起と係止口との係止状態を示す断面図である。 可動側プロテクタの構成を示す斜視図である。 可動側プロテクタの構成を示す平面図である。 可動側プロテクタへのワイヤハーネスの位置決めを示す平面図である。 従来のワイヤハーネスの配索構造を示す斜視図である。 従来のワイヤハーネスの配索構造を示す斜視図である。 従来のワイヤハーネスの他の配索構造を示す斜視図である。 従来のワイヤハーネスの他の配索構造を示す断面図である。
符号の説明
1 自動車
3 バックドア
3a ドアパネル(固定構造物)
5 窓ガラス(可動構造物)
7 電気部品
11 ワイヤハーネスの配索構造
13 ワイヤハーネス組立体
13a 固定側連結部
13b 可動側連結部
13c 延長部分
21 固定側プロテクタ(第2連結部材)
23 結束バンド
25 可動側プロテクタ(第1連結部材)
27 帯状板ばね
31 電線
33 保護部材
41,45 係止口
51,61 係止突起
43a,43b,47a,47b 切欠部
53a,53b,62a,62b 結束バンド挿通口

Claims (3)

  1. 固定構造物に固定される固定側連結部が電線延長方向一端側に設けられ、且つ前記固定構造物に対して移動可能に装備された可動構造物に固定される可動側連結部が電線延長方向他端側に設けられた電線を備え、当該電線の前記固定側連結部と前記可動側連結部との間の延長部分に前記可動構造物の移動を許容するための余長が付与されたワイヤハーネスの配索構造であって、
    前記延長部分は、当該延長部分の延長方向に沿って帯状板ばねを添え付けられ且つ略U字状又は円弧状に撓まされた形態で配索され、
    前記固定側連結部が連結される固定側プロテクタ及び前記可動側連結部が連結される可動側プロテクタと、
    前記電線の前記固定側連結部及び前記可動側連結部を前記帯状板ばねとともに前記固定側プロテクタ及び前記可動側プロテクタにそれぞれ結束する結束バンドと、を更に備え、
    前記固定側プロテクタ及び可動側プロテクタには結束バンド挿通口が形成され、
    前記帯状板ばねには、当該帯状板ばねを前記固定側プロテクタ及び可動側プロテクタの固定位置に位置決めした時に前記結束バンド挿通口に対応する部分に切欠部が形成され、
    前記結束バンド挿通口を挿通させた結束バンドにより、前記固定側連結部及び可動側連結部が前記帯状板ばねとともに前記固定側プロテクタ及び可動側プロテクタに共締めされることを特徴とするワイヤハーネスの配索構造。
  2. 前記固定側プロテクタ及び前記可動側プロテクタのそれぞれに形成された係止突起と、
    前記帯状板ばねの両端部に形成された係止口と、を更に備え、
    前記係止突起と前記係止口とを係合させることにより、前記固定側プロテクタ及び前記可動側プロテクタに対する前記帯状板ばねの位置が適正位置に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造。
  3. 前記固定側連結部及び前記可動側連結部は、前記電線に前記帯状板ばねを添え付け、且つ耐摩耗性及び可撓性のある保護部材により被覆した延長部分の両端部であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネスの配索構造。
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