JP2010055953A - 電極用ペースト及びその製造方法、電極、膜−電極接合体並びに燃料電池 - Google Patents

電極用ペースト及びその製造方法、電極、膜−電極接合体並びに燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便に製造でき、優れた結着性、撥水性、耐水性及び耐メタノール性を有する電極、及び該電極の製造に好適な電極用ペーストの提供。
【解決手段】触媒を担持した電子伝達性物質と、ケイ素−酸素結合を有する架橋性化合物(X)と、酸基を有する高分子材料(Y)と、せん断力の印加により繊維化するフッ素系樹脂を含む水分散体(Z)と、を配合して混練し、前記フッ素系樹脂を繊維化させる工程を有する電極用ペーストの製造方法;かかる製造方法で製造された電極用ペースト;かかる電極用ペーストを使用した電極;かかる電極が電解質膜の両面に配置されてなる膜−電極接合体;かかる膜−電極接合体を備えた燃料電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池への使用に好適な電極用ペーストとその製造方法、該ペーストを使用した電極、該電極を使用した膜−電極接合体及び燃料電池に関する。
燃料電池は、それを構成する電解質の種類により分類される。例えば、電解質がカチオン交換膜やアニオン交換膜等の固体高分子で構成される燃料電池は、固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC」と略記する)と呼ばれる。
一般的に、燃料電池の電極は、白金等の触媒を担持させたカーボン粉末と、酸基を有する高分子材料とから構成されている。現在の主流は、高分子材料としてスルホン化フッ素系樹脂(例えば、DuPont社製、Nafion(登録商標))を使用したものであるが、近年では、それ以外の高分子材料(例えば、炭化水素系、有機ケイ素化合物系)を使用したものも盛んに開発されている。
例えば、スルホン化フッ素系樹脂を使用した電極は、一般的に、該樹脂をアルコール等の極性溶媒に溶解させた溶液を電極用バインダとし、これに白金等の触媒を担持させたカーボン粉末を混合して、得られた混合物をカーボンペーパー等のガス拡散層上に塗布し、加熱プレスすることによって製造される。
このようにして製造された電極は、スルホン酸基の凝集によりイオンチャネルが形成され、高いプロトン伝導性を有する。しかし、Tg130℃以上においては短時間で変性するなど、高温耐久性に乏しく、さらに燃料として使用するメタノールと樹脂との親和性が高いために、膨潤するという問題点があった。
一方、有機ケイ素化合物系の高分子材料を使用した電極は、ケイ素−酸素結合を有する架橋性化合物と、酸基を有する高分子材料とを含有する電極用バインダを作製し、これに白金等の触媒を担持させたカーボン粉末と、結着剤及び撥水剤として機能するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂とを混合して、得られた混合物をカーボンペーパー等のガス拡散層上に塗布し、加熱プレスすることによって製造される。
このようにして製造された電極は、高温耐久性に優れ、メタノールによる膨潤が抑制されたものである。しかし、導電性高分子材料に対して結着性や撥水性を有していない場合が多く、PTFE等の結着成分を必要とし、しかも十分な結着性や撥水性を発現させるためには、多量のPTFEを必要とするという問題点があった。
そこで、このような結着性や撥水性の問題を解決するために、高分子材料として、せん断によって繊維化する特性を有するフッ素系樹脂を使用することが提案されている。例えば、特許文献1では、カーボン粉末、白金触媒及びPTFEからなる混合物に、混練助剤として流動パラフィン、液状ポリエチレングリコール等を添加し、これを混練することによりPTFEをせん断する技術が開示されている。
特公平6−97612号公報
しかし、特許文献1で開示されている方法では、混練物をシート化した後、これをイオン交換樹脂で処理する必要がある。そのため、製造工程が煩雑であり、プロセスの効率上不利であるという問題点があった。また、特許文献1では、電極の耐水性及び耐メタノール性については言及されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便に製造でき、優れた結着性、撥水性、耐水性及び耐メタノール性を有する電極、及び該電極の製造に好適な電極用ペーストを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、触媒を担持した電子伝達性物質と、ケイ素−酸素結合を有する架橋性化合物(X)と、酸基を有する高分子材料(Y)と、せん断力の印加により繊維化するフッ素系樹脂を含む水分散体(Z)と、を配合して混練し、前記フッ素系樹脂を繊維化させる工程を有することを特徴とする電極用ペーストの製造方法である。
請求項2にかかる発明は、前記フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の電極用ペーストの製造方法である。
請求項3にかかる発明は、前記高分子材料が、酸基を含むモノマーと、酸基を含まず且つケイ素原子を含むモノマーとからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極用ペーストの製造方法である。
請求項4にかかる発明は、前記高分子材料が、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを重合させて得られた酸基含有高分子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極用ペーストの製造方法である。
請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法で製造されたことを特徴とする電極用ペーストである。
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の電極用ペーストを使用したことを特徴とする電極である。
請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の電極が、電解質膜の両面に配置されてなることを特徴とする膜−電極接合体である。
請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の膜−電極接合体を備えたことを特徴とする燃料電池である。
本発明によれば、優れた結着性、撥水性、耐水性及び耐メタノール性を有する電極を簡便に製造できる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳しく説明する。
<電極、膜−電極接合体>
図1は本発明の電極と、これを備えた膜−電極接合体を例示する概略図である。なお、本発明の電極及び膜−電極接合体は、ここに図示するものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、適宜構成の一部を変更できることは言うまでもない。
電解質膜11の両面には触媒層13が設けられ、該触媒層13上にはガス拡散層14が設けられ、膜−電極接合体1が構成されている。電極10は触媒層13及びガス拡散層14で構成される。
触媒層13は、電極用バインダと、触媒を担持した電子伝達性物質(以下、触媒担持電子伝達性物質と略記する)とを含有する電極用ペーストが固化してなるものである。図1に示すように、触媒層13は、電極用バインダ固化物13a中に触媒担持電子伝達性物質13bが分散した構造を有する。そして、触媒担持電子伝達性物質13bは、電解質膜11とガス拡散層14との間で、互いに接触した状態で連続して存在する。
なお、図1では、膜−電極接合体1のうち、電解質膜11の一方の表面11a側の構造のみを例示しているが、該表面11aとは反対側も同様の構造を有しており、ここでは図示を省略する。
以下、各構成について、さらに詳しく説明する。
[電解質膜]
電解質膜11は、公知のものを使用でき、プロトン伝導性膜が特に好適である。市販品であれば、例えば、DuPont社製、Nafion(登録商標)が例示できる。
[ガス拡散層]
ガス拡散層14は、気体やメタノール、水等の液体の拡散を最適化させるためのものであり、例えば、多孔質導電シートで構成される。ただし、ガス拡散層14は、必須の構成要素ではないので、必要に応じて設ければ良い。
また、ガス拡散層14は、撥水化されたものが好ましい。特に、カソード側の電極では、生成された水によってフラッディングを起こしてしまうことがあるが、ガス拡散層14を撥水化することで、生成水を排除でき、フラッディングの発生を効果的に抑制できる。
ガス拡散層14の厚さは、50〜500μmであることが好ましく、100〜400μmであることがより好ましい。
また、ガス拡散層14の表面に、さらに導電性中間層(図示略)を設けても良い。導電性中間層としては、撥水性材料であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、電子伝達性媒体であるカーボンブラックとの混合体が好ましい。この場合、カーボンブラックとPTFEの混合比(カーボンブラック:PTFE、質量比)は、3:7〜7:3であることが好ましく、4:6〜6:4であることがより好ましく、5:5であることが特に好ましい。
導電性中間層の厚さは、上限が0.1mmであることが好ましい。このようにすることで、抵抗値の上昇を抑制でき、出力を一層向上させることができる。一方、厚さの下限は、導電性中間層の強度等を考慮して適宜設定すれば良い。
また、カーボンブラックとしては、比表面積が10m/g以上のものが好ましい。
[触媒層]
触媒層13は、電極用バインダと触媒担持電子伝達性物質とを含有する電極用ペーストを固化させることで形成できる。
触媒層13の厚さは、5〜150μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。
そして、本発明の電極用ペーストを使用することで、電極10は優れた結着性、撥水性、耐水性及び耐メタノール性を有し、しかも簡便に製造できる。以下、電極用ペーストについて、より詳しく説明する。
<電極用ペースト>
電極用ペーストは、電極用バインダと触媒担持電子伝達性物質とを含有する。
そして、電極用バインダは、ケイ素−酸素結合を有する架橋性化合物(X)(以下、架橋性化合物(X)と略記する)と、酸基を有する高分子材料(Y)(以下、高分子材料(Y)と略記する)と、せん断力の印加により繊維化するフッ素系樹脂を含む水分散体(Z)(以下、水分散体(Z)と略記する)と、を含有する。
電極用バインダは、触媒担持電子伝達性物質と混合し、液体状やペースト状の電極用ペーストを調製するための液体である。電極用バインダには、主に下記三つの特性が要求される。
(A)電極の構成成分と親和性が高い
(B)固化して触媒層を形成した後でのプロトン伝導性が高い
(C)固化後に、環境温度の変化あるいは気体又は液体の流入に伴う圧力の上昇で破壊されない強度を触媒層に付与し、その強度を長時間維持できる
本発明における電極用バインダは、上記各成分を含有することで、これらの特性をすべて備えており、その結果、発電性能と耐久性に優れる電極及び燃料電池の実現が可能となっている。
以下、電極用ペーストの含有成分について、詳しく説明する。
(触媒担持電子伝達性物質)
触媒担持電子伝達性物質は、電子伝達性物質に触媒を担持させたものである。触媒は微小径であり、そのままでは取り扱いが困難であるため、電子伝達性物質に担持させる。
前記電子伝達性物質としては、電子伝達性を有しかつ触媒を担持できる物質であれば、特に限定されない。なかでも好ましいものとしては、カーボン及び各種金属が例示でき、カーボンが特に好ましい。
電子伝達性物質の形状は、触媒を担持できる限り特に限定されないが、好ましい形状として、粒子状、板状及び多孔質体が例示でき、粒子状であることが特に好ましい。
前記触媒は、燃料電池分野において公知のものを使用できる。なかでも好ましいものとしては、白金触媒、白金−ルテニウム合金触媒が例示できる。
触媒の形状は、粒子状であることが好ましく、その平均粒子径が小さいものほど好ましく、取り扱い性も考慮すると、平均粒子径が1〜5nmであることが好ましい。平均粒子径は透過型電子顕微鏡で測定できる。このような微粒子を使用することで、触媒の合計表面積を大きくでき、反応を促進する一層優れた効果が得られる。
触媒担持電子伝達性物質は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すれば良い。なお、ここでは、電子伝達性物質及び触媒の少なくとも一方の種類又は形状が互いに異なる場合に、「触媒担持電子伝達性物質の種類が異なる」ことを指すものとする。
(架橋性化合物(X))
前記架橋性化合物(X)は、水及び触媒の存在下で加熱するか、または酸により中和した後で加熱することにより、ケイ素−酸素結合による3次元架橋構造体を形成するものである。好ましいものとして、具体的には、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,9−ビス(トリエトキシシリル)ノナン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,8−ビス(ジエトキシメチルシリル)オクタン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリルエチル)ベンゼン、1,8−ビス(メチルジエトキシシリル)オクタン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン又は置換基を有するアルコキシシラン;ケイ酸、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸化合物が例示できる。ここで「置換基を有するアルコキシシラン」とは、アルコキシシランのアルコキシ基又は水素原子がこれら以外の置換基で置換されたものを指す。
さらにケイ酸化合物としては、好ましいものとして、ケイ酸カリウムやケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩を酸により中和したもの、イオン交換樹脂を通して処理することにより金属イオンを除去したものが例示できる。
これらの中でも、架橋性化合物(X)としては、アルコキシシラン又は置換基を有するアルコキシシランが好ましく、アルコキシシランがより好ましい。
架橋性化合物(X)は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すれば良い。
架橋性化合物(X)の配合量は、その他の配合成分の種類や量を考慮して適宜設定すれば良いが、通常、電極用バインダ中0.1〜7質量%であることが好ましく、0.3〜4質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であることが特に好ましい。このような範囲とすることで、触媒層の強度を一層向上させることできる。
架橋性化合物(X)は、これと架橋し得るアルコキシチタン、アルコキシアルミニウム、リン酸、リン酸塩又はタングステン酸等と併用しても良い。これら化合物を併用する場合には、これら化合物は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すれば良い。
架橋性化合物(X)は、上記のようにケイ素−酸素結合による3次元架橋構造体を形成するため、例えば、強い酸性で高温高湿条件下にさらされた場合や、燃料としてメタノール等のアルコールを使用した場合でも、電極は比較的安定した形状を維持できる。
(高分子材料(Y))
前記高分子材料(Y)は、プロトン伝導性を有するものであり、スルホン酸基(スルホ基)、カルボン酸基(カルボキシル基)、リン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基等の酸基を有する高分子材料が例示できる。好ましいものとして、具体的には、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタクリロイルオキシ)エチルスルホン酸、3−スルホプロピルメタクリレート、4,4’−ジアミノスチルベンゼン−2,2’−ジスルホン酸、イタコン酸ビス(3−スルホプロピル)、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルリン酸、アリルリン酸等の酸基を有するモノマーを重合させたポリマー;ポリリン酸が例示できる。
これらの中でも、高分子材料(Y)としては、スルホン酸基を有する高分子材料が好ましい。
高分子材料(Y)は、一種のモノマーを重合させたものでも良いし、複数種のモノマーを共重合させたものでも良い。複数種のモノマーを共重合させる場合には、これらモノマーの組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すれば良い。このように複数種のモノマーを共重合させたものとして、一分子中に複数種の酸基を有するものも好適であり、好ましいものとして、具体的には、ビニルスルホン酸−アクリル酸共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−アクリル酸共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−ビニルリン酸共重合体が例示できる。
高分子材料(Y)は、さらに酸基以外の親水性基を有していても良い。親水性基としては、水酸基、アミノ基、アミド基、オキソ基、カルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、メルカプト基等が好ましいものとして例示でき、水酸基、アミノ基、アミド基がより好ましい。
高分子材料(Y)が一分子中に有する親水性基は、一種単独でも良いし、二種以上でも良い。二種以上である場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すれば良い。
酸基と親水性基を含む高分子材料としては、好ましいものとして、ビニルスルホン酸−ビニルアルコール共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−ビニルアルコール共重合体等が例示できる。
このように、高分子材料(Y)がさらに親水性基を有することで、触媒担持電子伝達性物質同士の結着力が一層向上し、電極の耐水性及び耐極性溶媒性(例えば、耐アルコール性)が向上する。
高分子材料(Y)は、酸基を有するモノマー(以下、モノマー(V)と略記する)のみを重合させたものでも良いし、モノマー(V)とそれ以外のその他のモノマーとを共重合させたものでも良い。前記その他のモノマーは、モノマー(V)と結合可能であれば、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。具体的には、酸基を有さないモノマー;モノマー(V)に該当せず、他のモノマーと結合可能な官能基を複数個有する架橋剤が例示できる。これらその他のモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、スチレン、N,N’ーメチレンビス(アクリルアミド)、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ビス(アクリロイルオキシ)ブタン、1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロパノール、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1−(アクリロイルオキシ)−3−(メタクリロイルオキシ)−2−プロパノール、ジビニルベンゼン、3−(メタクリロイルアミノ)プロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ビニルメタアクリレートが例示できる。
さらに、前記「酸基を有さないモノマー」としては、酸基を有さずかつケイ素原子を含むモノマー(W)も好ましいものとして例示できる。
該モノマー(W)としては、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3−(メチルジメトキシシリル)プロピルアクリレート、3−(トリエトキシシリル)プロピルアクリレート、3−(メチルジエトキシシリル)プロピルアクリレート、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリルレート、3−(メチルジメトキシシリル)プロピルメタクリルレート、3−(トリエトキシシリル)プロピルメタクリルレート、3−(メチルジエトキシシリル)プロピルメタクリルレート、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン等が、好ましいものとして例示できる。
また、前記モノマー(W)と共重合させるモノマー(V)としては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタクリロイルオキシ)エチルスルホン酸、3−スルホプロピルメタクリレート、4,4’−ジアミノスチルベンゼン−2,2’−ジスルホン酸、イタコン酸ビス(3−スルホプロピル)等が、好ましいものとして例示できる。
モノマー(V)とモノマー(W)の使用量の比率(モノマー(V):モノマー(W)、モル比率)は、99:1〜50:50であることが好ましい。
このような構成とし、高分子材料(Y)自体にもケイ素−酸素架橋構造を付与することで、メタノール等による溶解や膨潤を抑制すると共に、酸基濃度を向上させ、高耐久性で高出力の燃料電池とすることができる。
本発明においては、一種又は複数種の前記高分子材料(Y)同士をさらに架橋剤で架橋したものを、高分子材料(Y)として使用しても良い。ここで架橋剤としては、前記と同様のものが例示できる。
先に例示したモノマーは、比較的安価に入手でき、しかも種類が豊富である。さらに、重合性不飽和二重結合の反応が比較的容易に進行し、反応の制御が容易なので、所望の高分子材料(Y)が、単純な重合制御装置を使用しても容易に得られる。
高分子材料(Y)は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すれば良い。
また、高分子材料(Y)の質量平均分子量は、1000〜10000000であることが好ましく、5000〜5000000であることがより好ましい。
なお、本発明において、「質量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定における標準ポリエチレングリコール換算での質量平均分子量を示すものとする。
特に本発明においては、質量平均分子量が小さめの高分子材料(Y1)と、質量平均分子量が前記高分子材料(Y1)よりも大きい高分子材料(Y2)とを併用することが好ましい。より具体的には、高分子材料(Y1)の質量平均分子量は、1000〜300000であることが好ましく、5000〜100000であることがより好ましい。高分子材料(Y2)の質量平均分子量は、300000〜10000000であることが好ましく、500000〜5000000であることがより好ましい。このようにすることで、高分子材料(Y1)は、触媒担持電子伝達性物質の二次凝集体(アグロメレート)内部にまで容易に入り込むため、触媒を有効に利用して出力を一層向上させることができる。さらに、高分子材料(Y2)により、比較的温度が高くメタノール濃度が高い環境下でも、安定した発電性能を保持できる。
高分子材料(Y)の配合比率は、架橋性化合物(X)1質量部に対して0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。0.05質量部以上とすることで、電極の発電性能が一層向上し、5質量部以下とすることで、電極のメタノール等による溶解や膨潤を抑制できる。
高分子材料(Y)は、これ以外のプロトン伝導性を有する、燃料電池分野で公知の酸基含有高分子材料や電解質材料等と併用しても良い。これら材料を併用する場合には、これら材料は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すれば良い。
高分子材料(Y)以外の前記材料を併用することで、燃料電池のプロトン伝導性を一層向上させることができる。
前記水分散体(Z)は、触媒担持電子伝達性物質同士が結着する機能を付与することにより、電極の形状保持性及び易成形性を向上させる。また、架橋性化合物(X)と高分子材料(Y)との相溶性を高め、より均一な構造を実現する。水分散体(Z)中のフッ素系樹脂としては、せん断力の印加により繊維化する特性を有するものを使用する。ここで「繊維化」とは、フッ素樹脂の形状が、太さ数10nm程度、長さ数μm程度の繊維状に変化して、アスペクト比が増大することを指す。このような特性を有するものであれば、公知のものから選択でき、ポリパーフルオロアルキレン樹脂がより好ましい。すなわち、水分散体(Z)としては、フッ素系樹脂ディスパージョンが使用でき、ポリパーフルオロアルキレン樹脂ディスパージョンが好ましく、特に好ましいものとしてPTFEディスパージョンが例示できる。
水分散体(Z)は、溶媒である水、フッ素系樹脂及び界面活性剤を主成分とする。フッ素系樹脂は公知の手法で重合したものを使用しても良いし、各種市販品を使用しても良い。重合する場合には、例えば、テトラフルオロエチレン等のフッ素原子含有モノマーを、適切な溶媒と界面活性剤の存在下で乳化重合すれば良い。
また、PTFEディスパージョンは、市販品も入手可能であり、好ましいものとして、三井デュポンフロロケミカル社製「30J」、ダイキン工業社製「D−1,D−2」、旭硝子社製「AD938L,AD−1,AD639」等が例示できる。
繊維化する前の前記フッ素系樹脂の形状は、粒子状であることが好ましく、その平均粒子径は、0.1〜0.8μmであることが好ましく、0.2〜0.4μmであることがより好ましい。平均粒子径がこの範囲であると、水分散体(Z)の安定性、電極作製時における電極用ペーストの分散性及び安定性が一層優れたものとなる。平均粒子径はレーザー光散乱装置等により測定できる。
前記界面活性剤は、非イオン系界面活性剤であることが好ましい。なかでも、特に好ましいものとして、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが例示できる。
水分散体(Z)中のフッ素系樹脂や界面活性剤の濃度は、水分散体(Z)が安定に存在できる限り特に限定されない。
通常は、フッ素系樹脂の濃度は、30〜80質量%であることが好ましく、40〜75質量%であることがより好ましく、50〜70質量%であることが特に好ましい。
また、界面活性剤の濃度は、0.2〜8質量%であることが好ましく、0.5〜7質量%であることがより好ましく、1〜6質量%であることが特に好ましい。
また、フッ素系樹脂ディスパージョンは種々の市販品が入手可能であり、例えば、フッ素系樹脂の濃度が50〜65質量%、界面活性剤の濃度が2〜5質量%であるものは、大量にかつ低コストで入手できる。
水分散体(Z)の配合比率は、触媒担持電子伝達性物質1質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。0.1質量部以上とすることで、触媒担持電子伝達性物質同士の結着性が向上し、電極としての形状保持性及び易成形性が向上する。また、10質量部以下とすることで、電極の抵抗が抑制され、発電性能が向上する。
また、同様の理由により、配合する水分散体(Z)中のフッ素系樹脂の量は、配合する触媒担持電子伝達性物質中の触媒1質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましく、0.1〜1質量部であることが特に好ましい。
水分散体(Z)は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すれば良い。
(その他の成分)
電極用ペーストには、前記触媒担持電子伝達性物質、架橋性化合物(X)、高分子材料(Y)及び水分散体(Z)以外に、さらに、これら配合成分を溶解又は分散させるための溶媒を含有させても良い。該溶媒としては、前記配合成分と反応しないものであれば任意に選択できるが、アルコールが好ましく、イソプロピルアルコールがより好ましい。
<電極用ペーストの製造方法>
本発明の電極用ペーストの製造方法は、触媒担持電子伝達性物質と、架橋性化合物(X)と、高分子材料(Y)と、前記フッ素系樹脂を含む水分散体(Z)と、を配合して混練し、前記フッ素系樹脂を繊維化させる工程を有することを特徴とする。
前記各成分を配合する方法は特に限定されない。例えば、触媒担持電子伝達性物質、架橋性化合物(X)、高分子材料(Y)及び水分散体(Z)を一度に又は任意の順序で順次配合しても良いし、触媒担持電子伝達性物質、架橋性化合物(X)、高分子材料(Y)及び水分散体(Z)からなる群から選択される二つ以上の成分を予め配合し、これを残りの成分に添加して配合しても良い。また、触媒担持電子伝達性物質、架橋性化合物(X)、高分子材料(Y)及び水分散体(Z)からなる群から選択される二つの成分を予め配合したものを二種調製して、一方を他方に添加しても良い。
また、例えば、先に述べたようにその他の成分も併用する場合には、その他の成分も含めて、上記のように各成分を配合すれば良い。
触媒担持電子伝達性物質は、水及び/又は有機溶媒、好ましくは水を添加して、湿潤化させてから配合することが好ましい。
また、架橋性化合物(X)、高分子材料(Y)、水分散体(Z)、その他の成分も、水及び/又は有機溶媒を添加して、好ましくは溶液としてから配合しても良い。
さらに、必要に応じて配合時に、水及び/又は有機溶媒を別途添加しても良い。
前記有機溶媒は、各配合成分と反応しないものであれば任意に選択できるが、アルコールが好ましく、イソプロピルアルコールがより好ましい。
各成分の配合は、混合しながら行っても良いし、全成分を配合してからこれを混合しても良い。このように混合することで、配合成分を均一に分散させることができる。
混合方法は特に限定されず、例えば、スターラー、超音波分散機、超音波ホモジナイザー、自公転ミキサー等を使用する公知の方法を適用すれば良い。
各成分を配合した配合物は、混練する前に溶媒の一部を除去(乾燥)したり、溶媒を別途添加して、濃度を調整しても良い。添加する溶媒は、配合時に添加するものとして先に述べたものと同様で良い。
配合物を混練する方法は、水分散体(Z)中に含まれていた前記フッ素系樹脂を繊維化するだけのせん断力を印加できる方法であれば、特に限定されない。好ましい方法として、具体的には、
(i)配合物を金属板等の板上に載せ、金属ヘラ等のヘラを使用して混練する方法
(ii)配合物をメノウ等の材質の乳鉢中で、乳棒等を使用して混練する方法
(iii)配合物をロール型やスクリュー型等の混練器で混練する方法
が例示できる。
混練条件は、混練方法ごとに適宜設定すれば良い。例えば、(i)の場合であれば、混練時間は1〜10分であることが好ましく、2〜5分であることがより好ましい。1分以上とすることで、前記フッ素系樹脂を十分に繊維化でき、高い結着性及び撥水性を発現できる。また、10分以下とすることで、電極用ペーストが硬くなり過ぎるのを抑制して、後記する塗布工程を容易に行うことができる。混練時の温度は、配合物や電極用ペーストが劣化したり、硬くなり過ぎたりしない範囲で任意に設定すれば良く、10〜40℃であることが好ましく、室温程度であることがより好ましい。
本発明の電極用ペーストの製造方法によれば、配合成分を混錬することにより、水分散体(Z)に含まれていた前記フッ素系樹脂が、せん断力の印加によって十分に繊維化されるので、電極の接着性と撥水性が向上する。しかも、十分に繊維化されるので、フッ素系樹脂の使用量を従来よりも大幅に低減できる。また、架橋性化合物(X)、高分子材料(Y)及び水分散体(Z)を組み合わせて使用することで、電極は、極性溶媒耐性、特に耐水性及び耐メタノール性に優れる。さらに、各配合成分の配合物を混錬するだけで電極用ペーストが製造できるので、電極の製造工程も簡略化できる。
<電極、膜−電極接合体の製造方法>
本発明の電極は、上記本発明の電極用ペーストを使用して製造できる。具体的には、前記電極用ペーストを加熱硬化させる方法が例示でき、所望の膜−電極接合体の構成に応じて、所定箇所に電極用ペーストを塗布してから加熱硬化させることが好ましい。例えば、図1に示す膜−電極接合体1は、以下の方法で製造できる。すなわち、ガス拡散層14上に電極用ペーストを塗布し、加熱して電極10を形成させる。次いで、このような電極10を二つ使用して、そのガス拡散層14側とは反対側の面を、電解質膜11の両面にそれぞれ一つずつ接触させて加熱することで接合させれば良い。または、電解質膜11の両面に電極用ペーストをそれぞれ塗布し、加熱して接合させ、次いで、接合された電極用ペーストの接合面とは反対側の面をそれぞれ、ガス拡散層14上に接触させて加熱することで、電極10と膜−電極接合体1を同時に形成させても良い。これにより、電極用ペースト中の電極用バインダが固化して、触媒層13が形成され、さらに電極10が形成されることで、膜−電極接合体1が得られる。
電極用ペーストは公知の方法で塗布すれば良く、塗布方法として具体的には、ペースト法、バーコート法、スプレー法、スクリーン印刷法等が例示できる。
電極用ペーストの加熱温度は、100℃以上であることが好ましい。このようにすることで、加熱硬化が十分に進行する。また、加熱温度の上限は、膜やガス拡散層の物性が損なわれない範囲であれば特に限定されないが、通常は200℃であることが好ましい。
また、電極用ペーストの加熱時には、同時に加圧することが好ましい。このように加熱プレスすることで、触媒担持電子伝達性物質同士の密着性が向上し、電子伝達性が向上する。加圧時の圧力は、加圧方法や電極の種類に応じて適宜調整することが好ましいが、通常は、0.16kN/cm以上であることが好ましい。また圧力の上限は、電極が破壊されない範囲であれば特に限定されない。
さらに、電極用ペーストは対象箇所に直接塗布せずに、別の基材上に塗布して加熱硬化させた後、これを対象箇所に押圧するなどして転写しても良い。このような方法で、例えば、図1におけるガス拡散層14及び電解質膜11のいずれにも転写できる。
ここでは、ガス拡散層を備える電極及び膜−電極接合体の製造方法について説明したが、ガス拡散層を備えない場合には、ガス拡散層を使用しないこと以外は上記と同様の方法で、電極及び膜−電極接合体を製造すれば良い。
<燃料電池、その製造方法>
本発明の燃料電池は、上記本発明の膜−電極接合体を備えたことを特徴とする。そして、本発明の燃料電池は、かかる膜−電極接合体を使用すること以外は、公知の方法で製造できる。
そして、本発明の電極は、簡便に製造でき、優れた結着性、撥水性、耐水性及び耐メタノール性を有するので、かかる電極を使用した燃料電池は、低コストで製造でき、しかも発電性能と耐久性に優れたものである。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<電極用ペースト、電極及び膜−電極接合体の作製>
[実施例1]
(1)電極用バインダの調製
ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)(質量平均分子量2000000)(アルドリッチ社製15質量%水溶液を水で2.5質量%に希釈したもの)10.0g、テトラメトキシシラン0.25g及びイソプロピルアルコール10.0gを加え、超音波ホモジナイザーで混合した。
(2)電極用ペーストの作製
触媒担持カーボン(白金−ルテニウム担持カーボン、田中貴金属社製TEC61E54 Pt30質量% Ru23質量%)0.15gに、水0.75gを加え湿潤させた。これに前記電極用バインダ2.00g、PTFEディスパージョン(旭硝子社製、AD938L、PTFE含有量が55〜60質量%、界面活性剤濃度が3質量%であるものを質量比で4倍に希釈したもの)0.20g及びイソプロピルアルコール0.75gを加えた後、超音波分散を行った。
次いで、上記混合物を空気中にて乾燥させた後、水0.4g及びイソプロピルアルコール0.4gを加えた。
次いで、上記混合物を金属板の上に載せ、金属ヘラで3分間、室温で混練することにより、せん断力を印加し、電極用ペーストを作製した。
(3)電極の作製
作製した電極用ペーストを、ガス拡散層(TGP−H060、厚さ200μm)上に薄く均一に塗布した。塗布には治具とヘラを使用した。次いで、これを熱プレス機(新東工業社製)で120℃−1kNの条件で3分間プレスし、触媒層の厚さが約50μmであるアノード電極を作製した。アノード電極の白金量は1.0mg/cm、ルテニウム量は0.6mg/cmであった。
(4)膜−電極接合体の作製
作製したアノード電極と市販のカソード電極(パラマウントエナジー社製、GDE400−3)を2.5cm角に切断し、電解質膜であるNafion117(登録商標)(DuPont社製)と接合して、膜−電極接合体を作製した。この時の接合は、前記熱プレス機で140℃−1.5kNの条件で3分間プレスすることで行った。
[実施例2]
「(2)電極用ペーストの作製」において、触媒担持カーボン、電極用バインダ、PTFEディスパージョン及びイソプロピルアルコールを混合した後、メノウ製乳鉢を用いてこれを混練したこと以外は、実施例1と同様に、電極用ペースト、電極及び膜−電極接合体を作製した。
[比較例1]
「(2)電極用ペーストの作製」において、触媒担持カーボン、電極用バインダ、PTFEディスパージョン及びイソプロピルアルコールを混合した後、混練処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に、電極用ペースト、電極及び膜−電極接合体を作製した。
[比較例2]
PTFEを3倍量使用したこと以外は、比較例1と同様に、電極用ペースト、電極及び膜−電極接合体を作製した。
[比較例3]
スルホン化フッ素樹脂溶液をバインダとする市販のアノード電極(パラマウントエナジー社製、GDE400−4)を使用したこと以外は、実施例1と同様に、電極用ペースト、電極及び膜−電極接合体を作製した。
<電極用ペースト、電極及び膜−電極接合体の評価>
以下の手順に従って、電極用ペースト、電極及び膜−電極接合体の評価を行った。
(I)メタノール水溶液への浸漬による電極の耐久性の評価
実施例1〜2及び比較例1〜3の電極を、メタノール水溶液(4質量%、50質量%)200mLに浸漬させ、80℃のオーブンにて24時間加熱した。そして、電極のメタノール水溶液への溶出の程度、浸漬後の電極の状態を調べ、電極の重量変化及びメタノール水溶液の成分変化の観点から、電極の耐久性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
○・・・・溶出なし
△・・・・わずかに溶出あり
×・・・・顕著に溶出あり
Figure 2010055953
実施例1及び2の電極は、メタノール水溶液へ溶出せず、ほとんど膨潤していなかった。
比較例1の電極は、メタノール水溶液へ顕著に溶出し、激しく膨潤していた。
比較例2の電極は、比較例1の電極よりも程度は低いが、メタノール水溶液へ顕著に溶出し、激しく膨潤していた。
比較例3の電極は、4質量%のメタノール水溶液へは溶出しなかったが、50質量%のメタノール水溶液へはわずかに溶出し、膨潤していた。
(II)相対出力の比較による電極の耐久性の評価
実施例1〜2及び比較例1〜3の膜−電極接合体を、燃料電池用単セル(JARI標準セル)に規定の方法でセットした。このセルを燃料電池発電評価装置(エヌエフ回路ブロック設計社製As−510)にセットし、セルの温度を35℃、メタノールの濃度を10質量%、流量を毎分0.5ml、空気の流量を毎分200mlに設定して運転し、セルのI−Vを計測して最大出力を比較した。そして、電極の耐久性を発電性能から評価するために、浸漬前の出力を100として、浸漬後の相対出力を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2010055953
実施例1及び2の電極は、浸漬を行っても高出力を維持しており、比較例3の電極と同等の良好な相対出力であった。
これに対して、比較例1及び2の電極は、相対出力が20%以上低下しており、PTFEをせん断しなかった場合や、PTFEを多量に使用した場合において、出力の低下を抑制できなかった。
(III)FE−SEMによるPTFEの繊維化状態の確認
ガス拡散層へ塗布する直前の実施例1〜2及び比較例1〜3の電極用ペーストの一部を試料台にセットした。これを一昼夜乾燥した後、電解放出型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、JEOL社製、JSM−6700F)で観察した。結果を表3に示す。
Figure 2010055953
本発明は、固体高分子型燃料電池に利用可能である。
本発明の電極と、これを備えた膜−電極接合体を例示する概略図である。
符号の説明
1・・・膜−電極接合体、10・・・電極、11・・・電解質膜、11a・・・電解質膜の一方の表面、13・・・触媒層、13a・・・電極用バインダ固化物、13b・・・触媒担持電子伝達性物質、14・・・ガス拡散層

Claims (8)

  1. 触媒を担持した電子伝達性物質と、ケイ素−酸素結合を有する架橋性化合物(X)と、酸基を有する高分子材料(Y)と、せん断力の印加により繊維化するフッ素系樹脂を含む水分散体(Z)と、を配合して混練し、前記フッ素系樹脂を繊維化させる工程を有することを特徴とする電極用ペーストの製造方法。
  2. 前記フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の電極用ペーストの製造方法。
  3. 前記高分子材料が、酸基を含むモノマーと、酸基を含まず且つケイ素原子を含むモノマーとからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極用ペーストの製造方法。
  4. 前記高分子材料が、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを重合させて得られた酸基含有高分子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極用ペーストの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法で製造されたことを特徴とする電極用ペースト。
  6. 請求項5に記載の電極用ペーストを使用したことを特徴とする電極。
  7. 請求項6に記載の電極が、電解質膜の両面に配置されてなることを特徴とする膜−電極接合体。
  8. 請求項7に記載の膜−電極接合体を備えたことを特徴とする燃料電池。
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