JP2010054607A - 自動合焦装置、その制御方法及びプログラム - Google Patents

自動合焦装置、その制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】撮影状況下に応じた焦点検出方式を選択することで、合焦精度を向上させる。
【解決手段】所定の測距領域の被写体のコントラストを示すAF評価値を求め、AF評価値で焦点検出が可能である場合は、AF評価値が最大となる点を焦点位置として焦点検出を行う(ステップS307、S308)。また、AF評価値で焦点検出が不能と判断される場合は、顔検出手段により算出した顔信頼度を用いて焦点検出を行う(ステップS307、S309)。このような構成により、例えば、人物が被写体で、低照度時などのようにAF評価値を用いて焦点検出を行うと合焦精度を低下させてしまうような場合に、顔検出による焦点検出を補助的に用いることができるため、合焦精度を向上させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動合焦装置、その制御方法、プログラム及び撮像装置に関し、より詳しくは電子スチルカメラ及びビデオ等の撮像装置に利用されるオートフォーカスに関する技術である。
従来より、電子スチルカメラなどにおいてフォーカスレンズ位置を動かして被写体に焦点を合わせる方法として、CCDなどの撮像素子から得られる輝度信号を用いて自動的に合焦動作を行うオートフォーカス方式が用いられている。このようなオートフォーカス方式を用いた自動合焦装置では、各画面内に設定された測距領域内における信号の高周波成分を積分したAF評価値に基づいて、最もコントラストの高いフォーカスレンズ位置を検出し、合焦点を求めることが一般的に行われている。しかし、このような自動合焦装置は、被写体の照度が低かったり、被写体のコントラストが低く高周波成分が少なかったりする場合には、AF評価値が小さくなり、さらに輝度信号に含まれるノイズ成分の割合が大きくなるため、合焦精度が悪くなる。
また、近年では撮像した画像から複数の人物の顔を検出し、複数の人物の顔の中から選択した人物の顔の位置に測距領域を設定して測距を行う自動合焦装置がある(特許文献1を参照のこと)。しかし、このような自動合焦装置でも、人物の顔のコントラストが低いことに起因し、上述と同様に合焦精度が悪くなったり、特に低照度時にはさらに合焦精度が悪くなってしまったり、といった問題があった。
また、その他の自動合焦装置として、検出した顔の顔らしさ(顔評価値)を算出し、AF評価値が閾値以上である範囲内で、顔評価値が最大となる位置にフォーカスレンズを駆動するものがある(特許文献2を参照のこと)。この自動合焦装置によれば、顔がくっきりと精細な被写体像が得られる。
特開2003−107335号公報 特開2005−284203号公報 特開2002−251380号公報
しかしながら、特許文献2のような自動合焦装置においては、被写体が明るい場合等のAF評価値の信頼性が高い場合にも顔評価値によって焦点検出を行うため、その場合には、逆に合焦精度を低下させてしまう場合があった。
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、撮影状況下に応じた焦点検出方式を選択することで、合焦精度を向上させる自動合焦装置等の提供を目的とする。
本発明の自動合焦装置は、フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、撮像素子を介して得られた映像出力信号に基づいて焦点検出を行い、前記フォーカスレンズの位置を調節することで自動合焦を行う自動合焦装置であって、前記映像出力信号に基づき、所定の測距領域の被写体のコントラストを示すAF評価値を求め、前記AF評価値が最大となる点を焦点位置として焦点検出を行う第一の焦点検出手段と、前記映像出力信号に基づき、画像における人物の顔を検出して、顔位置、顔の大きさ及び顔の確からしさを示す顔信頼度を算出する顔検出手段と、前記顔検出手段により算出した前記顔信頼度を用いて焦点検出を行う第二の焦点検出手段と、前記第一の焦点検出手段と前記第二の焦点検出手段を選択的に切り替える切り替え手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の自動合焦装置の制御方法は、フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、撮像素子を介して得られた映像出力信号に基づいて焦点検出を行い、前記フォーカスレンズの位置を調節することで自動合焦を行う自動合焦装置であり、前記映像出力信号に基づき、所定の測距領域の被写体のコントラストを示すAF評価値を求め、前記AF評価値が最大となる点を焦点位置として焦点検出を行う第一の焦点検出手段と、前記映像出力信号に基づき、画像における人物の顔を検出して、顔位置、顔の大きさ及び顔の確からしさを示す顔信頼度を算出する顔検出手段と、前記顔検出手段により算出した前記顔信頼度を用いて焦点検出を行う第二の焦点検出手段とを備えた自動合焦装置の制御方法であって、前記第一の焦点検出手段と前記第二の焦点検出手段を選択的に切り替えて、前記フォーカスレンズの位置を調節するステップを有することを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、撮像素子を介して得られた映像出力信号に基づいて焦点検出を行い、前記フォーカスレンズの位置を調節することで自動合焦を行う自動合焦装置であり、前記映像出力信号に基づき、所定の測距領域の被写体のコントラストを示すAF評価値を求め、前記AF評価値が最大となる点を焦点位置として焦点検出を行う第一の焦点検出手段と、前記映像出力信号に基づき、画像における人物の顔を検出して、顔位置、顔の大きさ及び顔の確からしさを示す顔信頼度を算出する顔検出手段と、前記顔検出手段により算出した前記顔信頼度を用いて焦点検出を行う第二の焦点検出手段とを備えた自動合焦装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記第一の焦点検出手段と前記第二の焦点検出手段を選択的に切り替えて、前記フォーカスレンズの位置を調節するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、人物が被写体で、低照度時などのようにAF評価値を用いて焦点検出を行うと合焦精度を低下させてしまうような場合でも、顔検出による焦点検出を補助的に用いることで、合焦精度を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る撮像装置である電子スチルカメラ(デジタルカメラ)の構成を示すブロック図である。
101はズーム機構を含む撮影レンズである。102は撮影レンズ101を介して入光する被写体光の光量を制御する絞り及びシャッターである。103は自動露出制御(AE;Automatic Exposure)を行うAE処理部である。104は撮像素子108上に焦点をあわせるためのフォーカスレンズである。105はフォーカスレンズ104を駆動して自動合焦制御(AF;Auto Focus)を行うAF処理部である。106は撮影の際に光を照射するストロボである。107はストロボ106を制御するEF(フラッシュプリ発光)処理部である。108は撮影レンズ101などを介して入光した被写体光を電気信号に変換する受光手段又は光電変換手段としての撮像素子である。なお、撮影レンズ101、フォーカスレンズ104等により撮影光学系は構成される。
109はA/D変換部であり、撮像素子108の出力ノイズを除去するCDS回路及びA/D変換前に行う非線形増幅回路を含み、撮像素子108からのアナログ信号をデジタルの映像出力信号に変換する。110はA/D変換部109からの映像出力信号に対して、画素補間処理や色変換処理等の各種画像処理を施し、画像データを生成する画像処理部である。111はWB(ホワイトバランス)処理部である。112は画像処理部110で画像処理された画像データをJPEGフォーマット等へ変換するフォーマット変換部である。
113は高速にデータを読み書き可能な内蔵メモリ(例えばランダムアクセスメモリなど、以下、DRAMと記す)である。114は着脱可能なメモリカードなどの記憶媒体とそのインターフェースとからなる画像記録部である。
115は撮影シーケンスなどの処理を実行するために当該撮像装置全体を制御するシステム制御部である。116は画像表示用メモリ(VRAM)である。124は当該カメラに内蔵された記憶媒体であるメモリであり、システム制御部115の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。
117は画像表示の他、操作補助のための表示やカメラ状態の表示、撮影時において撮影画面と測距領域を表示する操作表示部である。118は当該カメラを外部から操作するための操作部である。119は顔検出モードをON又はOFFに切り替える等の設定を行う撮影モードスイッチ(撮影モードSW)である。120は当該カメラのシステムに電源を投入するためのメインスイッチ(メインSW)である。121はAFやAE等の撮影スタンバイ動作を行うためのスイッチ(SW1)であり、122はSW1の操作後、撮影を行うスイッチ(SW2)である。
123は画像処理部110で処理された画像データを用いて顔検出を行う顔検出モジュールである。本実施形態における顔検出には、公知の顔検出技術を利用できる。公知の顔検出技術としては、ニューラルネットワークなどを利用した学習に基づく手法、テンプレートマッチングを用いて目、鼻、口等の形状に特徴のある部位を画像から探し出し、類似度が高ければ顔とみなす手法などがある。また、他にも、肌の色や目の形といった画像特徴量を検出し、統計的解析を用いた手法等、多数提案されている。一般的にはこれらの手法を複数組み合わせ、顔検出の精度を向上させている。具体的な例としては特許文献3に記載のウェーブレット変換と画像特徴量を利用して顔検出する方法などが挙げられる。顔検出モジュール123は、検出した一つ又は複数の顔情報(位置・大きさ・信頼度)及び顔情報により決定された、画像における顔の位置、大きさ又は信頼度に係る優先順位をシステム制御部115に送る。なお、信頼度(以下、顔信頼度)とは、顔の確からしさを示す評価値であり、所定の基準に基づき決定される。係る評価値の決定については、上述の特許文献2に記載の方法を用いても構わない。本実施形態では、顔検出モジュール123は眉、目、鼻、頬、口、耳などの顔を構成する複数の部位の形状を示す基準データを予め備えている。そして、検出した顔から探し出したこれらの部位の個数と、各部位における基準データとのマッチングの高さから顔信頼度を決定する。もちろん、見つけた部位の個数が適正値(例えば、眉や目なら2つ、鼻や口なら1つ)に近いほど、かつ、基準データとのマッチングが高いほど、顔信頼度は高くなる。
また、上記で説明したDRAM113は一時的な画像記憶手段としての高速バッファとして、あるいは画像データの圧縮伸張における作業用メモリなどにも使用される。また、操作部118は複数のスイッチ等が含まれており、例えば次のようなものが含まれる。当該カメラの撮影機能や画像再生時の設定などの各種設定を行うメニュースイッチ、撮影レンズ101のズーム動作を指示するズームレバー、撮影モードと再生モードの動作モード切換えスイッチなどである。
次に、上述のような構成を有する本実施の形態に係るデジタルカメラの動作について説明する。図2は、本実施の形態に係るデジタルカメラのメインルーチンを説明するフローチャートである。なお、以下で説明するデジタルカメラの動作は、システム制御部115がメモリ124に記録されたプログラムを実行することでなされる。
ユーザの操作によりメインスイッチ120がONになると処理が開始され、まずステップS201へと進む。
ステップS201においてシステム制御部115は、撮影モードスイッチ119により顔検出モードがONと設定されているかどうかを調べる。ここで顔検出モードがONになっていればステップS202へ進み、ONになっていなければステップS203へ進む。
ステップS202においては、システム制御部115は、顔検出モジュール123により顔検出処理を実行して、顔位置、顔の大きさ、顔の確からしさを示す顔信頼度を含む顔情報を取得し、ステップS203へ進む。
次にステップS203においてシステム制御部115は、SW1(121)の状態を調べる。ここでSW1(121)がONであればステップS204へ進み、SW1(121)がONでなければステップS201へ戻る。
ステップS204においてシステム制御部115は、ステップS203でSW1(121)がONとなる直前のステップS202の顔検出処理(以下、この処理結果を最新の顔検出処理結果と記す)により顔情報が検出されたかどうかを調べる。ここで顔情報が検出されていればステップS205へ進み、顔情報が検出されていなければステップS207へ進む。
ステップS205においては、システム制御部115は、最新の顔検出処理結果に基づいて測距領域を設定して、ステップS206へ進む。ステップS206においては、後述する顔検出時のAF動作を行い、ステップS209へ進む。
一方ステップS207においては、システム制御部115は、通常の測距領域を設定して、ステップS208へ進む。ここで、通常の測距領域は、中央付近等の主被写体が存在しそうな位置に設定する。ステップS208においては、後述する通常時のAF動作を行い、ステップS209へ進む。
そしてステップS209においてシステム制御部115は、SW2(122)の状態を調べる。SW2(122)がONであればステップS210へ進み、SW2(122)がONでなければステップS211へ進む。
ステップS210においては、システム制御部115は、後述する撮影動作を行い、処理を終了する。一方、ステップS211においては、システム制御部115は、SW1(121)の状態を調べる。SW1(121)がONであればステップS209へ進み、SW1(121)がONでなければステップS201へ戻る。
次に、図2で示したステップS206における顔検出時AF動作について説明する。図3は、顔検出時AF動作を説明するフローチャートである。
まずステップS301においてシステム制御部115は、フォーカスレンズ104をAF評価値取得のためのスキャン開始位置へ駆動してステップS302へ進む。
ステップS302においてシステム制御部115は、顔検出モジュール123により顔検出処理を実行して、顔位置や顔サイズ、顔信頼度等を含む顔情報を取得し、ステップS303へと進む。
ステップS303においてシステム制御部115は、図2のステップS205で設定した測距領域におけるAF評価値を取得してステップS304へ進む。ここで、測距領域はステップS302で取得した顔情報に基づいて再設定してもよい。
ステップS304においてシステム制御部115は、スキャン終了位置かどうかを調べる。スキャン終了位置であればステップS306へ進み、スキャン終了位置でなければステップS305へ進む。
ステップS305においては、システム制御部115は、所定量だけフォーカスレンズ104を駆動してステップS302へ戻る。
なお、ここでまでのステップS302〜ステップS305では、「所定位置にフォーカスレンズ104を駆動して停止した後、AF評価値を取得する」という処理を繰り返してAFスキャンを行っている。これに代えて、フォーカスレンズ104を駆動しながらAF評価値を取得する方法でもよい。
次にステップS306においてシステム制御部115は、焦点を検出する手段を判定(焦点検出手段判定)してステップS307へ進む。ここでの焦点検出手段判定の詳細は、図4を用いて後述する。
ステップS307においてシステム制御部115は、ステップS306における判定結果を基に、AF評価値で焦点検出するかどうかを調べる。AF評価値で焦点検出する場合はステップS308へ進み、AF評価値で焦点検出しない場合はステップS309へ進む。なお、ステップS307の処理は、本発明でいう切り替え手段の一処理例に対応する。
ステップS308においては、システム制御部115は、AF評価値が最大となる焦点位置であるAF評価値ピーク位置へフォーカスレンズ104を駆動して、ステップS209(図2)へ進む。なお、ステップS308の処理は、本発明でいう第一の焦点検出手段の一処理例に対応する。
またステップS309においては、システム制御部115は、顔信頼度で焦点検出が可能かどうかを調べる。可能であればステップS310へ進み、可能でなければステップS311へ進む。顔信頼度で焦点検出可能かどうかの判定は、後述するステップS306の判定と同手法にしてもよい。
そしてステップS310においては、システム制御部115は、算出した顔信頼度のうちの最大値をとる位置である顔信頼度ピーク位置へフォーカスレンズ104を駆動して、ステップS209へと進む。顔がくっきりと精細であるほど、顔を構成する複数の部位の形状を認識できる確率が高くなり、見つけられる顔の部位の個数も基準データとのマッチングの高さも増加すると考えられる。そこで、顔信頼度ピーク位置へフォーカスを駆動することで、AF評価値ピーク位置へフォーカスレンズ104を駆動したことと同様の効果を得ることができる。またステップS311においては、システム制御部115は、定点位置へフォーカスを駆動して、ステップS209へ進む。ここで、定点については、例えばあらかじめ被写体の存在しそうな距離に設定してもよいし、検出した顔サイズより推定した距離に設定してもよい。なお、ステップS310の処理は、本発明でいう第二の焦点検出手段の一処理例に対応する。
ここで検出した顔サイズから距離を推定する方法(本発明でいう顔距離推定手段の一構成例に対応する)について説明する。まず、実際の人の標準顔サイズ(Lstd)を想定する。検出した顔の像面上での検出サイズをLmとし、焦点距離をfとする。この場合、検出した顔までの推定距離dmは、次式(1)で求めることができる。
dm=f(1+Lstd/Lm)・・・(1)
次に、図3で示したステップS306の焦点検出手段判定について説明する。図4は、焦点検出手段判定に係る動作を説明するフローチャートである。
まずステップS401においてシステム制御部115は、AF評価値ピーク判定を行ってステップS402へと進む。このAF評価値ピーク判定については、図6を用いて後述する。
次にステップS402においてシステム制御部115は、ステップS401におけるAF評価値ピーク判定より、AF評価値ピークで合焦可能かどうかを調べる。合焦可能であればステップS403へ進み、合焦不能であればステップS407へ進む。
ステップS403においては、システム制御部115は、輝度が所定値以上かどうかを調べる。所定値以上であればステップS404へ進み、所定値以下であればステップS407へ進む。ここで輝度の所定値は、例えばあらかじめAF評価値で合焦不能な輝度領域を調べておき、それに基づいて設定しておく。
ステップS404においては、システム制御部115は、AFスキャン中(AF評価値の取得動作中)に顔検出位置または顔サイズが所定量以上変化(移動)したかどうかを調べる。所定量以上変化していればステップS407へ進み、所定量以上変化していなければステップS405へ進む。ここで、AFスキャン中における顔検出位置の変化量は、例えば図3のステップS302で検出した、AFスキャン中の複数回の顔検出処理結果のばらつき量を基に評価する。これにより、AFスキャン中の被写体の動きの影響でAF評価値の偽ピークが生じた場合に、偽ピークで焦点検出してしまうのを防ぐことができる。
ステップS405においては、システム制御部115は、AF評価値ピーク位置が上述した顔サイズ推定距離に対して深度内(所定の距離内)に入っているかどうかを調べる。深度内に入っていればステップS406へ進み、深度内に入っていなければステップS407へ進む。
そしてステップS406においては、システム制御部115は、「AF評価値で焦点検出する」と判定して、ステップS307へ進む。またステップS407においては、システム制御部115は、「顔信頼度で焦点検出する」と判定して、ステップS307へ進む。この判定に基づき図3のステップS307以降の処理が行われることになる。
次に、図2のステップS208における通常AF動作について説明する。図5は、通常AF動作を説明するフローチャートである。
まずステップS501においてシステム制御部115は、フォーカスレンズ104をAF評価値取得のためのスキャン開始位置へ駆動してステップS502へ進む。
次にステップS502においてシステム制御部115は、図2のステップS207で設定した通常測距領域におけるAF評価値を取得してステップS503へ進む。
ステップS503においてシステム制御部115は、スキャン終了位置かどうかを調べる。スキャン終了位置であればステップS505へ進み、スキャン終了位置でなければステップS504へ進む。
ステップS504においては、システム制御部115は、所定量だけフォーカスレンズ104を駆動してステップS502へ戻る。
なお、ここまでのステップS502〜ステップS504では、「所定位置にフォーカスレンズ104を駆動して停止した後にAF評価値を取得する」という処理を繰り返してAFスキャンを行っている。これに代わる方法として、フォーカスレンズ104を駆動しながらAF評価値を取得する方法でもよい。
次にステップS505においてシステム制御部115は、AF評価値ピーク判定を行ってステップS506へ進む。AF評価値ピーク判定の詳細については、図6を用いて後述する。
ステップS506においてシステム制御部115は、ステップS505での判定結果より、AF評価値のピークで合焦可能かどうかを調べる。合焦可能であればステップS507へ進み、合焦可能でなければステップS508へ進む。
ステップS507においては、システム制御部115は、AF評価値ピーク位置へフォーカスレンズ104を駆動して、ステップS209へ進む。またステップS508においては、システム制御部115は、定点位置へフォーカスレンズ104を駆動して、ステップS209へ進む。ここで、定点においては、例えばあらかじめ被写体の存在しそうな距離に設定する。
次に、図4のステップS401及び図5のステップS505における合焦可能かどうかの判断材料となるAF評価値ピーク判定について、図6〜図9を用いて説明する。
AF評価値(焦点評価値)は遠近競合などの特殊な場合を除けば、横軸にフォーカスレンズ位置、縦軸にAF評価値をとると、その形は図9に示すような山状になる。そこで本実施の形態では、焦点評価値が山状になっているか否かを、焦点評価値の最大値と最小値との差、一定値(SlopeThr)以上の傾きで傾斜している部分の長さ、傾斜している部分の勾配から判断することにより、合焦可能かどうかの判定を行う。また本実施の形態では、合焦判定における判定結果は、以下に示すように「○,×」で出力されるものとする。
○:焦点評価値のピーク位置から、被写体の焦点調節が可能である。
×:被写体のコントラストが不十分、もしくはスキャンした距離範囲外の距離に被写体が位置する。
ここで図9に示すように、山の頂上(A点)から傾斜が続いていると認められる点をD点、E点とし、D点とE点の幅を山の幅L、A点とD点の焦点評価値の差SL1と、A点とE点の焦点評価値の差SL2の和SL1+SL2をSLとする。以下、このように定めた値を用いつつ処理の流れを説明する。
図6は、図4のフローチャートのステップS401及び図5のフローチャートのステップS505における合焦可能かどうかのAF評価値ピーク判定の動作を説明するフローチャートである。
まずステップS601においてシステム制御部115は、AF評価値の最大値と最小値、及び最大値を与えるスキャンポイント(点)ioを求める。
次にステップS602においてシステム制御部115は、AF評価値の山の幅を表す変数L、山の勾配を表す変数SLをともに零に初期化する。
次にステップS603においてシステム制御部115は、最大値を与えるスキャンポイントioがスキャンを行った所定範囲における遠側端の位置か否かを調べる。遠側端位置でないならばステップS604へ進み、無限遠方向への単調減少を調べる。遠側端位置であったならばステップS605に進む。
ここでステップS604における無限遠方向への単調減少を調べる処理について説明する。図7は、係る処理を説明するフローチャートである。
まずステップS701においてシステム制御部115は、カウンタ変数iをioに初期化する。
次にステップS702においてシステム制御部115は、スキャンポイントiにおけるAF評価値の値d[i]と、iより1スキャンポイント分無限遠よりのスキャンポイントi−1における焦点評価値の値d[i−1]の差を所定値SlopeThrと比較する。
ここで、d[i]-d[i-1]>=SlopeThrであれば、無限遠方向への単調減少が生じていると判断し、ステップS703に進む。一方、d[i]−d[i−1]>=SlopeThrでなかった場合は、無限遠方向への単調減少は生じていないと判断し、無限遠方向への単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS605へ進む。
ステップS703においては、システム制御部115は、焦点評価値が一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さ(山の幅)を表す変数L、単調減少区間における減少量を表す変数SLを以下の式(2)、(3)に従い更新し、ステップS704へ進む。
L=L+1・・・(2)
SL=SL+(d[i]−d[i−1])・・・(3)
ステップS704においてシステム制御部115は、無限遠方向への単調減少をチェックする処理を継続するため、i=i−1として、検出をする点を1スキャンポイント無限遠側に移し、ステップS705へ進む。
ステップS705においてシステム制御部115は、カウンタiがスキャンを行った所定範囲における遠側端位置の値(=0)になったかどうかをチェックする。カウンタiの値が0、すなわち単調減少を検出する開始点がスキャンを行った所定範囲における遠側端位置に達したならば、無限遠方向への単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS605へ進む。
以上のようにしてi=ioから無限遠方向への単調減少をチェックする。
図6に戻り、ステップS605においてシステム制御部115は、最大値を与えるスキャンポイントioがスキャンを行った所定範囲における至近端の位置か否かを調べる。至近端位置でないならばステップS706へ進み、至近端方向への単調減少を調べる。至近端位置であったならば、この処理をスキップしステップS607に進む。
ここでステップS606における至近端方向への単調減少を調べる処理について説明する。図8は、係る処理を説明するフローチャートである。
まずステップS801においてシステム制御部115は、カウンタ変数iをioに初期化する。
次にステップS802でシステム制御部115は、スキャンポイントiにおけるAF評価値の値d[i]と、iより1スキャンポイント分至近端よりのスキャンポイントi+1における焦点評価値の値d[i+1]との差を所定値SlopeThrと比較する。d[i]−d[i+1]>=SlopeThrであれば、至近端方向への単調減少が生じていると判断し、ステップS803に進む。一方、d[i]−d[i+1]>=SlopeThrでなければ、至近端方向への単調減少は生じていないと判断し、至近端方向への単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS607へ進む。
ステップS803においては、システム制御部115は、焦点評価値が一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さ(山の幅)を表す変数L、単調減少区間における減少量を表す変数SLを以下の式(4)、(5)に従い更新し、ステップS804へ進む。
L=L+1・・・(4)
SL=SL+(d[i]−d[i+1])・・・(5)
ステップS804においてシステム制御部115は、至近端方向への単調減少をチェックする処理を継続するため、i=i+1として、検出をする点を1スキャンポイント至近端側に移し、ステップS805へ進む。
ステップS805においてシステム制御部115は、カウンタiがスキャンを行った所定範囲における至近端位置の値(=N)になったかどうかをチェックする。カウンタiの値がN、すなわち単調減少を検出する開始点がスキャンを行った所定範囲における至近端位置に達したならば、至近端方向への単調減少をチェックする処理を終了し、ステップS607へ進む。
以上のようにしてi=ioから至近端方向への単調減少をチェックする。
無限遠方向および至近端方向への単調減少をチェックする処理(ステップS604,S606)が終了したならば、ステップS607〜S609に進む。ステップS607〜S609においては、得られた焦点評価値が山状になっているか否かや、諸係数をそれぞれのしきい値と比較し、上述した「○,×」の判定を行う。
ステップS607においては、システム制御部115は、AF評価値の最大値を与えるスキャンポイントioがスキャンを行った所定範囲における至近端であり、かつ至近端スキャンポイントnにおけるAF評価値の値d[n]と、nより1スキャンポイント分無限遠よりのスキャンポイントn−1における焦点評価値の値d[n−1]との差が、所定値SlopeThr以上であるか調べる。当該差が所定値SlopeThr以上であればステップS611へ進み、そうでなければステップS608へ進む。
ステップS608においては、システム制御部115は、AF評価値の最大値を与えるスキャンポイントioがスキャンを行った所定範囲における遠側端であり、かつ遠側端スキャンポイント0における焦点評価値の値d[0]と、0より1スキャンポイント分至近端よりのスキャンポイント1における焦点評価値の値d[1]との差が、所定値SlopeThr以上であるか調べる。当該差が所定値SlopeThr以上であればステップS611へ進み、そうでなければステップS609へ進む。
ステップS609においては、システム制御部115は、一定値以上の傾きで傾斜している部分の長さLが所定値Lo以上であり、かつ傾斜している部分の傾斜の平均値SL/Lが所定値SLo/Lo以上であり、かつ焦点評価値の最大値と最小値の差が所定値以上であるか調べる。これらの条件を満たす場合はステップS610へ進み、そうでなければステップS611へ進む。なお、所定値Loはあらかじめ定められた値であり、AF評価値ピークで焦点検出できるか否かを基準に決定される。
そしてステップS610においては、システム制御部115は、得られた焦点評価値が山状となっていて、かつ被写体の焦点調節が可能であると判断し、判定結果を上述した「○」とする。一方、ステップS611においては、システム制御部115は、得られた焦点評価値が山状となっておらず、かつ被写体の焦点調節が不可能であると判断し、判定結果を上述した「×」とする。
以上のようにして、AF評価値ピークで合焦可能又は不能かどうかの判定を行う。
ここまでの説明した処理により、本実施の形態に係るデジタルカメラは撮影状況下に応じた適切な焦点検出を選択的に切り替えることが可能となる。そして選択された焦点位置に応じてフォーカスレンズ104を駆動して撮影が行われることになる。次に、図2で示したステップS210の撮影動作を説明する。図10は、撮影動作のサブルーチンを説明するフローチャートである。
まずステップS1001においてシステム制御部115は、DRAM113がフルになっているかどうかを示すフラグである「BfFlg」をFALSEと設定する。
次にステップS1002においてシステム制御部115は、被写体輝度を測定する。被写体輝度は、輝度センサあるいは撮像素子108に取り込んだ映像出力信号に基づき測定することができる。
次にステップS1003においてシステム制御部115は、ステップS1002で測定した被写体輝度に応じて撮像素子108への露光を開始させる。ここで撮像素子面上に結像された像は光電変換されてアナログ信号となる。
次にステップS1004においてシステム制御部115は、撮像素子108が生成したアナログ信号をA/D変換部109へ送り、撮像素子108の出力ノイズ除去や非線形処理などの前処理の後にデジタルの映像出力信号に変換する。
次にステップS1005においてシステム制御部115は、A/D変換部109からの映像出力信号をWB処理部111により画像処理部110でホワイトバランス調整し、適正な画像データとする。
次にステップS1006においてシステム制御部115は、画像処理部110からの画像データをフォーマット変換部112でJPEGフォーマット等への画像フォーマット変換を行い、DRAM113に一時的に記憶する。
続いてステップS1007においてシステム制御部115は、DRAM113内のデータを画像記録部114にて当該カメラ内のメモリ、または当該カメラに装着されたメモリカードなどの外部記憶媒体へと転送し記憶する。
以上で説明したような構成により本実施の形態に係るデジタルカメラでは、AF評価値に基づいて焦点検出を行うモードと顔検出の信頼度に基づいて焦点検出を行うモードとを、撮影状況に応じて切り替え得るようにした。そして、撮影状況下において上記2つのモードのうちの信頼性の高い方のモードで焦点検出を行うようにすることで、合焦精度の向上を可能にした。具体的には例えば、人物が被写体で、低照度時などのようにAF評価値を用いて焦点検出を行うと合焦精度を低下させてしまうような場合でも、顔検出による焦点検出を補助的に用いることで、合焦精度を向上させることができる。
なお、本発明の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムが記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行してもよい。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、プログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボード等に備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の実施の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る撮像装置のメインルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る撮像装置の顔検出時AF動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る撮像装置の焦点検出手段判定に係る動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る撮像装置の通常AF動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る撮像装置において、AF評価値ピークで合焦可能かどうかを判定するためのAF評価値ピーク判定の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る撮像装置において、AF評価値ピークで合焦可能かどうかを判定するためのAF評価値ピーク判定での詳細処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る撮像装置において、AF評価値ピークで合焦可能かどうかを判定するためのAF評価値ピーク判定での詳細処理を説明するフローチャートである。 横軸にフォーカスレンズ位置、縦軸にAF評価値をとった場合の、AF評価値の様子を示す図である。 本発明の実施の形態に係る撮像装置の撮影動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
101 撮影レンズ
104 フォーカスレンズ
105 AF処理部
108 撮像素子
115 システム制御部
119 撮影モードスイッチ
120 メインスイッチ
121 スイッチ(SW1)
122 スイッチ(SW2)
123 顔検出モジュール
124 メモリ

Claims (9)

  1. フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、撮像素子を介して得られた映像出力信号に基づいて焦点検出を行い、前記フォーカスレンズの位置を調節することで自動合焦を行う自動合焦装置であって、
    前記映像出力信号に基づき、所定の測距領域の被写体のコントラストを示すAF評価値を求め、前記AF評価値が最大となる点を焦点位置として焦点検出を行う第一の焦点検出手段と、
    前記映像出力信号に基づき、画像における人物の顔を検出して、顔位置、顔の大きさ及び顔の確からしさを示す顔信頼度を算出する顔検出手段と、
    前記顔検出手段により算出した前記顔信頼度を用いて焦点検出を行う第二の焦点検出手段と、
    前記第一の焦点検出手段と前記第二の焦点検出手段を選択的に切り替える切り替え手段とを備えることを特徴とする自動合焦装置。
  2. 前記切り替え手段は、前記第一の焦点検出手段による焦点検出が不能と判定した場合に、前記第二の焦点検出手段を選択することを特徴とする請求項1に記載の自動合焦装置。
  3. 前記切り替え手段は、輝度が所定値以下の場合に前記第二の焦点検出手段を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動合焦装置。
  4. 前記切り替え手段は、前記顔検出手段により算出した前記顔位置または前記顔の大きさが、前記AF評価値の取得動作中に所定量以上変化した場合に、前記第二の焦点検出手段を選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動合焦装置。
  5. 前記顔の大きさに基づいて、顔までの距離を推定する顔距離推定手段をさらに備え、
    前記切り替え手段は、前記第一の焦点検出手段で検出した焦点位置が前記顔距離推定手段で推定した距離に対して所定の距離内にない場合に、前記第二の焦点検出手段を選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動合焦装置。
  6. 前記第二の焦点検出手段は、前記顔信頼度が最大となる点を焦点位置として焦点検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動合焦装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動合焦装置を備えたことを特徴とする撮像装置。
  8. フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、撮像素子を介して得られた映像出力信号に基づいて焦点検出を行い、前記フォーカスレンズの位置を調節することで自動合焦を行う自動合焦装置であり、前記映像出力信号に基づき、所定の測距領域の被写体のコントラストを示すAF評価値を求め、前記AF評価値が最大となる点を焦点位置として焦点検出を行う第一の焦点検出手段と、前記映像出力信号に基づき、画像における人物の顔を検出して、顔位置、顔の大きさ及び顔の確からしさを示す顔信頼度を算出する顔検出手段と、前記顔検出手段により算出した前記顔信頼度を用いて焦点検出を行う第二の焦点検出手段とを備えた自動合焦装置の制御方法であって、
    前記第一の焦点検出手段と前記第二の焦点検出手段を選択的に切り替えて、前記フォーカスレンズの位置を調節するステップを有することを特徴とする自動合焦装置の制御方法。
  9. フォーカスレンズを含む撮影光学系を備え、撮像素子を介して得られた映像出力信号に基づいて焦点検出を行い、前記フォーカスレンズの位置を調節することで自動合焦を行う自動合焦装置であり、前記映像出力信号に基づき、所定の測距領域の被写体のコントラストを示すAF評価値を求め、前記AF評価値が最大となる点を焦点位置として焦点検出を行う第一の焦点検出手段と、前記映像出力信号に基づき、画像における人物の顔を検出して、顔位置、顔の大きさ及び顔の確からしさを示す顔信頼度を算出する顔検出手段と、前記顔検出手段により算出した前記顔信頼度を用いて焦点検出を行う第二の焦点検出手段とを備えた自動合焦装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記第一の焦点検出手段と前記第二の焦点検出手段を選択的に切り替えて、前記フォーカスレンズの位置を調節するステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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