JP2010054541A - 光学レンズシートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズが形成された面と反対側の面に反射層を安定して形成できる光学レンズシートの製造方法を提供する。
【解決手段】
基材30の面31上に複数のシリンドリカルレンズ40を形成する。そして、基材30の面32に対して親水化処理を行った後、面32上に撥液性を有する光硬化性樹脂からなる未硬化の樹脂層を形成する。シリンドリカルレンズ40側から平行光を照射して、樹脂層のうち各シリンドリカルレンズの光軸上に位置する部分を硬化する。樹脂層のうち未硬化部分を除去して、開口層60を形成する。開口層60が形成された面32に対して反射層用塗料を塗布する。このとき、撥液性を有する開口層60の表面は反射層用塗料をはじく。一方、隣り合う開口層60の間に露出した表面部分は親水化処理されているために反射層用塗料と密着し、安定した反射層60が形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学レンズシートの製造方法に関し、さらに詳しくは、表示装置や照明装置に用いられる光学レンズシートの製造方法に関する。
液晶ディスプレイに代表される表示装置や、各種の照明装置には、光学レンズシートが利用される。光学レンズシートは、光源からの光の指向性を制御する。光学レンズシートの代表例は、プリズムシートやレンチキュラレンズシート、マイクロレンズアレイシートである。これらの光学レンズシートは、光源からの光をコリメートしたり、光源からのコリメート光を所定の配光特性を有する光に変更したりする。
最近では、レンズが形成された面と反対側の面(以下、非レンズ面という)に、複数の反射層と複数の開口部とが形成された光学レンズシートが開示されている(たとえば、特開平8−95038号公報を参照)。この光学レンズシートでは、開口部は隣り合う反射層の間に形成され、かつ、対応するレンズの真下に形成される。このような光学レンズシートは、光源からの光のほとんどを光学レンズシートの法線方向にコリメートできる。具体的には、開口部から入射する光は、その入射角がある程度の範囲に制限される。そのため、開口部から入射した光のほとんどは、開口部の真上のレンズにより光学シートの法線方向にコリメートされる。一方、開口部に入射されず、反射層に入射された光は、光学シートに入射されることなく反射される。そして、光学シートが装着されたバックライト内面に敷設された反射シートで再び反射して、光学レンズシートの開口部に入射される。要するに、この光学レンズシートは、コリメート可能な入射角で入射された光のみを受け付ける。そのため、入射された光のほとんどを光学レンズシートの法線方向にコリメートでき、正面輝度を向上できる。
このような開口部及び反射層を備える光学レンズシートの製造方法は、特開平10−241434号公報、特開2006−3301479号公報及び特開2007−78958号公報に開示されている。
特開平10−241434号公報で開示された製造方法は以下の通りである。光学レンズシートの非レンズ面にネガ型フォトレジストを塗布する。次に、フォトレジストを露光及び現像してレンズ真下に帯状パターンを形成する。そして、帯状パターンが形成された非レンズ面上に反射層用塗料を塗布して反射層を形成する。形成された反射層は凹凸を有する。具体的には、帯状パターン上で高く、それ以外の部分で低い。そのため、反射層の凸部を削り取り、削り取った部分に形成されている帯状パターンを剥離除去して開口部を形成する。
特開2006−3301479号公報で開示された製造方法は以下の通りである。基材の非レンズ面上に感光性粘着層を均一な厚さで形成する。そして、レンズが形成された面側から平行光を照射してレンズ真下の感光性粘着層を露光する。このとき、レンズ真下の感光性粘着層部分(開口部)は硬化して粘着性を失う。次に、露光後の感光性粘着層上に、反射層が形成されたフィルム(白箔)を貼付し、その後剥離する。このとき、開口部には反射層が付着せずに、それ以外の感光性粘着層部分に反射層が付着する。以上の工程により、開口部と反射層とを備えた光学レンズシートが製造される。
上述の特開平10−241434号公報及び特開2006−3301479号公報に開示される光学レンズシートの製造方法は、光学レンズシートのレンズを利用して感光性樹脂を露光するため、アライメント等の調整をすることなくレンズ真下に開口部を形成できる。しかしながら、これらの方法では、非レンズ面全体に反射層を一端形成した後、不要な反射層部分を取り除く工程が必要となる。
特開2007−78958号公報は、この問題を解決する製造方法を開示する。具体的には、初めに、撥水性のレジストを非レンズ面上に塗布する。そして、レンズに平行光を照射してレンズ真下のレジスト部分を硬化する。次に、未硬化のレジスト部分を現像処理により除去する。このとき、硬化したレジスト部分は開口層として非レンズ面上に残存する。続いて、非レンズ面上に反射層用塗料を塗布する。このとき、開口層は撥水性を有するため、開口層表面に塗布された反射層用塗料をはじく。そのため、開口層表面に反射層用塗料が付着することなく、隣り合う開口層の間に反射層が形成される。したがって、この文献の製造方法は、不要な反射層を除去する工程を省略できる。
しかしながら、特開2007−78958号公報の製造方法では、開口層にはじかれた反射層用塗料が非レンズ面に安定して形成されない場合がある。具体的には、反射層用塗料が、隣り合う開口層の間に露出した非レンズ面上で部分的にはじかれ、その結果、反射層が部分的に形成されない場合がある。このように反射層の一部に欠陥が生じれば、正面輝度等の光学特性は低下する。
特開平8−95038号公報 特開平10−241434号公報 特開2006−3301479号公報 特開2007−78958号公報
本発明の目的は、レンズが形成された面と反対側の面に反射層を安定して形成できる光学レンズシートの製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明による光学レンズシートの製造方法は、第1の面と、第1の面と反対側の第2の面とを有する基材を準備する工程と、基材の第1の面に複数のレンズを形成する工程と、基材の第2の面に、光硬化性樹脂を含有し撥液性を有する未硬化の樹脂層を形成する工程と、第1の面側から複数のレンズに向かって活性エネルギ線を照射し、樹脂層のうち各レンズの光軸上の部分を硬化する工程と、樹脂層の未硬化部分を除去して複数の開口層を形成する工程と、樹脂層を形成する前、又は、樹脂層の未硬化部分を除去した後、第2の面に対して親水化処理を行う工程と、複数の開口層が形成された第2の面に反射層用塗料を塗布して、隣り合う開口層の間に反射層を形成する工程とを備える。光硬化性樹脂とは、紫外線や電子性等の活性エネルギ線により硬化する樹脂である。
本発明による光学レンズシートの製造方法では、樹脂層から形成される開口層は撥液性を有するため、反射層用塗料をはじく。そのため、開口層に反射層用塗料が付着するのを抑制できる。さらに、反射層用塗料を第2の面に塗布する前に、第2の面に対して親水化処理を行う。親水化処理により、第2の面の反射層用塗料に対するぬれ性が向上するため、反射層用塗料が第2の面にはじかれるのを抑制でき、反射層用塗料の第2の面への密着性が向上する。そのため、隣り合う開口層の間に露出された第2の面上に反射層用塗料が密着し、反射層を安定して形成できる。
好ましくは、樹脂層の未硬化部分を除去した後に親水化処理を行うとき、第2の面に形成される樹脂層は、光硬化性樹脂と、撥液性を有する非反応性の化合物とを含有する。ここで、非反応性の化合物とは、活性エネルギ線が照射されても光重合反応等が起こらず、化学構造が変化しない化合物をいう。
樹脂層の非硬化部分を除去した後に親水化処理を行う方が、樹脂層を形成する前に親水化処理を行うよりも、反射層用塗料塗布時の第2の面のぬれ性を向上できる。なぜなら、樹脂層を形成する前に親水化処理を行えば、親水化処理された第2の面上に樹脂層がいったん形成され、樹脂層(の未硬化部分)が除去された後に反射層用塗料が塗布されるから
である。一方、樹脂層の未硬化部分を除去した後に親水化処理を行えば、開口層が形成された第2の面を親水化処理することになるため、開口層の表面も親水化処理されてしまう。そのため、開口層表面の撥液性が低下する。
しかしながら、樹脂層が撥液性を有する非反応性の化合物を含有していれば、形成された開口層内部にも非反応性化合物が含有されている。そして、非反応性化合物は、時間の経過とともに開口層表面に染み出てくる。非反応性化合物は撥液性を有するため、開口層表面に染み出した非反応性化合物は、親水化処理により低下した開口層の撥液性を向上する。そのため、反射層が開口層の表面に付着するのを抑制でき、隣り合う開口層の間に反射層を安定して形成できる。
好ましくは、撥液性を有する非反応性の化合物は、非反応性の長鎖アルキル化合物、非反応性のフッ素化合物及び非反応性のシリコーン化合物からなる群から選択された1種以上を含有する。
好ましくは、樹脂層を形成する前に親水化処理を行うとき、第2の面に形成される樹脂層は、撥液性を有する光硬化性樹脂を含有する。また、好ましくは、光反射層を形成する工程では、光反射層の高さを開口層よりも低くなるよう反射層を形成する。
本発明によるバックライト装置は、面光源と、上述の製造方法により製造された光学レンズシートとを備える。また、本発明による表示装置は、上述のバックライト装置とバックライト装置に敷設された液晶パネルとを備える。本発明による照明装置は、光源と、上述の製法方法により製造された光学レンズシートとを備える。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[表示装置]
図1及び図2を参照して、本実施の形態による表示装置1は、バックライト装置10と、バックライト装置10の正面に敷設される液晶パネル20とを備える。液晶パネル20は、行列状に配列された複数の画素を備える。表示装置1の表示画面21は、左右方向(図中x方向)に長辺を有し、上下方向(図中y方向)に短辺を有する長方形となっている。
[バックライト装置]
バックライト装置10はいわゆる直下型であり、拡散光を出射する面光源11と、面光源11上に敷設された光学レンズシート15とを備える。
面光源11は、ハウジング12と、線光源である複数の蛍光管13と、光拡散板14とを備える。ハウジング12は、正面に開口部120を有する筐体であり、内部に複数の蛍光管13を収納する。ハウジング12の内側表面は、反射フィルム121で覆われている。反射フィルム121は、蛍光管13から出射された光を乱反射し、乱反射された光を開口部120に導く。反射フィルム121は、たとえば東レ製ルミラー(登録商標)E60LやE60Vであり、拡散反射率が95%以上であるものが好ましい。
複数の蛍光管13は、ハウジング12の背面手前に上下方向(図1中のy方向)に並設される。蛍光管13は左右方向(図1中のx方向)に伸びた線光源であり、たとえば冷陰極管やEEFL(External Electrode Fluorescent Lamp:外部電極蛍光管)である。なお、蛍光管13とともに、LED(Light Emitting Device)等の複数の点光源がハウジング12内に収納されてもよい。また、収納された複数のLEDが線状に配列されることにより、擬似的な線光源が形成されてもよい。
光拡散板14は、開口部120に嵌め込まれ、ハウジング12の背面と並行に配設される。光拡散板14が開口部120に嵌め込まれると、ハウジング12の内部は密閉される。そのため、蛍光管13から出射された光が光拡散板14以外の箇所からハウジング12外へ漏れるのを防止でき、光の利用効率が向上する。
光拡散板14は、蛍光管13からの光と反射フィルム121で反射された光とを、ほぼ均一に拡散して、正面に出射する。光拡散板14は、透明な基材と、基材内に分散された複数の粒子とで構成される。基材内に分散される粒子は、可視光領域の波長の光に対する屈折率が基材と異なる。そのため、光拡散板14は入射した光を拡散し、拡散された光が光拡散板14を透過する。光拡散板14の基材は、たとえば、ガラスや、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン酸系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂等の樹脂からなる。光拡散板14はまた、光学レンズシート15を支持する。
[光学レンズシート]
図3〜図5を参照して、光学レンズシート15は、基材30と、複数のシリンドリカルレンズ40と、複数の反射層50と、複数の開口層60とを備える。反射層50及び開口層60は光拡散板14と対向する。そして、シリンドリカルレンズ40が液晶パネル20と対向する。
基材30は、シート状またはフィルム状であり、可視光に対して透明である。基材30は、たとえば、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン酸系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂で構成される。基材30の上面31及び下面32は平坦である。
複数のシリンドリカルレンズ40は、基材30の上面31に形成される。複数のシリンドリカルレンズ40の並設方向は、蛍光管13の並設方向と同じであるのが好ましい。各シリンドリカルレンズ40の凸面の横断形状は円弧又は楕円弧である。シリンドリカルレンズ40は、上述した基材30と同様の材質で構成される。好ましくは、シリンドリカルレンズ40は、光硬化性樹脂から構成される。ここで、光硬化性樹脂とは、活性エネルギ線により硬化する樹脂である。活性エネルギ線とは、たとえば、紫外線や、電子線、赤外線等であって、分子を重合又は架橋しうるエネルギ線をいう。光硬化性樹脂はたとえば、紫外線硬化樹脂や電子線硬化樹脂を含む。
光硬化性樹脂は、たとえば、ポリエステル系アクリレート樹脂、ウレタン系アクリレート樹脂、ポリエーテル系アクリレート樹脂、エポキシ系アクリレート樹脂、ポリエステル系メタクリレート樹脂、ウレタン系メタクリレート樹脂、ポリエーテル系メタクリレート樹脂、エポキシ系メタクリレート樹脂、アクリル化合物、メタアクリル化合物である。
複数の開口層60は、基材30の下面32に形成される。各開口層60は、隣り合う反射層50の間であって、対応するシリンドリカルレンズ40の光軸上に形成される。要するに、各開口層60は、対応するシリンドリカルレンズ40の真下に形成される。開口層60は横断形状が長方形状の角柱状、または、基材30の下面32に向かって幅が広がる台形状の横断形状を有する角柱状である。開口層60は、可視光に対して透明である。開口層60には面光源11から出射された光が入射する。開口層60の幅は、対応するシリンドリカルレンズ40の幅よりも小さい。そのため、開口層60から光学レンズシート15に入射した光のほとんどはシリンドリカルレンズ40の凸面で光学レンズシート15の法線方向にコリメートされ、外部に出射する。
開口層60は、撥液性を有する光硬化性樹脂で構成される。開口層60が撥液性を有するため、製造工程中、開口層60の表面に反射層用塗料が付着するのを抑制できる。詳細は後述する。
撥液性を有する光硬化性樹脂は、たとえば、長鎖アルキル化合物、フッ素化合物及びシリコーン化合物からなる群から選択された1種以上を含有する光硬化性樹脂である。
長鎖アルキル化合物は、炭素数8以上の長鎖アルキル基を含み、好ましくは、炭素数12以上の長鎖アルキル基を含む。長鎖アルキル基は、分子中に二重結合や分岐を有していてもよい。長鎖アルキル化合物はたとえば、デシルアクリレートや、ラウリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、パルチミン酸エチル、ステアリン酸アルコール等である。
フッ素化合物は分子中にフッ素原子を含む。好ましくは、フッ素化合物は、フッ素化アルキル基を含む。フッ素化アルキル基は、炭化水素基の水素部分の全て又は一部をフッ素原子に置換したものである。フッ素化アルキル基は、たとえば、パーフルオロオクチル基、パーフルオロヘキシル基、オクタフルオロペンチル基、ヘキサデカノフルオロデカノ基、イコサフルオロドデカノ基等である。フッ素化合物の代表例は、オクタフルオロペンチルアクリレート、ヘキサデカノフルオロデカノアクリレート、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルリン酸エステル等である。
シリコーン化合物は分子中にシリコーンを含み、好ましくは、ジメチルシリコーンを含む。シリコーン化合物はたとえば、シリコーン変性エポキシアクリレート、シリコーン変性ウレタンアクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーン系カップリング剤等である。
反射層50は、面光源11から出射された光を反射する。要するに、光源からの光は、反射層50から光学レンズシート15内部に入射せず、開口層60からのみ光学レンズシート15内部に入射する。そのため、光学レンズシート15は入射された光のほとんどを光学レンズシート15の法線方向にコリメートでき、正面輝度を向上できる。
反射層50は、バインダ樹脂と複数の反射粒子とを含有する。バインダ樹脂はたとえば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びシクロオレフィン樹脂やこれらの変性物、誘導体である。好ましくは、反射層50は、バインダ樹脂とともに、エポキシ硬化剤やイソシアネート硬化剤等の硬化剤を含有する。
バインダ樹脂はまた、活性エネルギ線で硬化する光硬化性樹脂であってもよい。より好ましくは、バインダ樹脂は、紫外線硬化樹脂と紫外線硬化剤とを含有する。紫外線硬化樹酷脂はたとえば、アクリル化合物やメタアクリル化合物である。
反射粒子はたとえば、顔料である。顔料は、周知の無機顔料や有機顔料で構成される。無機顔料はたとえば、二酸化チタンや炭酸カルシウム、酸化亜鉛、コロイダルシリカ、その他の金属粒子等である。有機顔料はたとえば、内部に空気のコアを含むシェルで構成される中空樹脂粒子である。中空樹脂粒子はエマルジョン重合により製造される。
顔料は、その粒径の2倍の波長域の光の反射率が最も高くなる。そのため、380〜780nmの可視光領域で高い反射率を有するために、好ましい顔料の粒径は190〜390nmである。したがって、200〜400nmの平均粒径を有する二酸化チタンを反射粒子に用いるのが好ましい。より好ましくは、耐久性に優れ、反射率が高いルチル型酸化チタンを用いるのが好ましい。反射粒子は1種類の顔料で構成されてもよいし、複数の顔料で構成されてもよい。
反射層50中の反射粒子の含有率は、重量%で50〜95%である。含有率が50%未満の場合、反射率が低すぎる。含有率が95%を超える場合、含有量が多すぎるために反射層の強度及び耐久性が低下する。反射率と耐久性とを両立させるために、反射粒子の含有量は50〜95%であり、より好ましくは70〜90%である。
反射層50の原料となる反射層用塗料は、上述のバインダ樹脂と反射粒子とを溶剤に分散して作成される。反射層用塗料の作製には、ボールミルやサンドミル、超音波分散機等の公知の分散装置が用いられる。反射層用塗料に用いられる溶剤は、バインダ樹脂を溶かし、かつ、下面32に形成された開口層60を溶かさないものが用いられる。溶剤はたとえば、アルコール、ケトン、芳香族化合物、及びセルソルブ水からなる群から選択された1種又は2種以上を含有する。アルコールはたとえば、イソポロピルアルコールやブチルアルコールである。ケトンはたとえば、メチルイソブチルケトンやメチルエチルケトンである。芳香族化合物はたとえば、トルエンやキシレンである。セルソルブ水はたとえば、エチルセルソルブやブチルセルソルブである。
以上の構成を有する光学レンズシート15は、表示装置1の表示画面21の正面輝度、換言すれば、光学レンズシート15の法線方向の輝度を向上する。光学レンズシート15は反射層50を有するため、シリンドリカルレンズ40に入射される光の入射角がある程度抑制される。具体的には、面光源11からの光は、開口層60からのみ光学レンズシート15内に入射され、シリンドリカルレンズ40に達する。そして、面光源11からの光は、開口層60以外の部分である反射層50で反射される。
開口層60の幅は対応するシリンドリカルレンズ40の幅よりも狭いため、開口層60を通過してシリンドリカルレンズ40の凸面のある入射点P1に達した光R1の入射角は、シリンドリカルレンズ40の焦点から同じ入射点P1に入射される光の入射角に近似する。そのため、開口層60を通過してシリンドリカルレンズ40の凸面に入射される光の多くは光学レンズシート15の法線方向にコリメートされ、平行光又は光軸とのなす角度が小さい光線として正面に出射される。一方、反射層50で反射された光は、面光源11内の反射フィルム121で再度反射して光拡散板14を透過し開口層60に入射する。
そのため、光学レンズシート15は、面光源11からの光を開口層60で受け、入射した光のほとんどをコリメートできる。そのため、表示装置1の正面輝度を向上できる。
[製造方法]
以上の特徴を有する光学レンズシート15の製造方法を説明する。
図6を参照して、初めに基材30を準備する。続いて、基材30の上面31に複数のシリンドリカルレンズを形成する(レンズ形成工程)。シリンドリカルレンズ40の形成は、たとえば、ロールトゥロール方式で行う。具体的には、複数のシリンドリカルレンズ40に対応した複数の溝が軸方向に並設された外周面を有するロール版を準備する。ダイコータにより光硬化性樹脂をロール版上に塗布する。塗布後、基材30をロール版に押し当てながら、活性エネルギ線を照射して、シリンドリカルレンズ40を基材30上に転写する。以上の方法により、図7に示すように基材30上に複数のシリンドリカルレンズ40が形成される。なお、上述の製造方法では、光硬化性樹脂をロール版上に塗布したが、光硬化性樹脂を基材30上に塗布してもよい。この場合、基材上に塗布され形成された光硬化性樹脂層をロール版に押し当てる。また、ロール版の表面と基材30の表面とに、それぞれ光硬化性樹脂を塗布してもよい。また、上述の製造方法では、ロール版を用いたが、板状の平版を用いてもよい。
また、他の方法によりシリンドリカルレンズ40を基材30上に形成してもよい。たとえば、シリンドリカルレンズ40が基材30と同じ材質である場合、射出成型法や押出成型法等によりシリンドリカルレンズ40と基材30と同時に製造してもよい。また、ホットエンボス法により、シリンドリカルレンズ40に対応した溝を有する高温の金型を基材30に押し当てて基材30上にシリンドリカルレンズ40を形成してもよい。
続いて、シリンドリカルレンズ40が形成された基材30の下面(非レンズ面)32全体を親水化処理する(親水化処理工程)。親水化処理は、面32のぬれ性を向上するために行われる。親水化処理は公知の処理方法により行われる。具体的には、コロナ放電や、低圧化のプラズマ処理、大気圧近傍の圧力下でのグロー放電プラズマ処理、UVオゾン処理等により親水化処理が行われる。
親水化処理が行われた後、図8に示すように、開口層60を形成するための樹脂(以下、開口層用樹脂という)を、親水化処理された下面32上に均一に塗布して樹脂層600を形成する(樹脂層形成工程)。ここで、開口層用樹脂は、上述のとおり撥液性を有する光硬化性樹脂である。樹脂層600を形成した後、図9に示すように、シリンドリカルレンズ40の上方に活性エネルギ線を照射する光源を配設して、光源からシリンドリカルレンズ40に向かって活性エネルギ線からなる平行光を照射する(露光工程)。平行光はシリンドリカルレンズ40の凸面に入射し、面32近傍で集光する。そのため、樹脂層600には、集光された光により硬化する複数の硬化部601と、集光された光があたらない複数の未硬化部602とが形成される。各硬化部601は対応するシリンドリカルレンズ40の真下に形成され、対応するシリンドリカルレンズ40の光軸上に形成される。なお、硬化部601は、シリンドリカルレンズ40により集光された光(活性エネルギ線)があたる部分であるため、硬化部601の幅は対応するシリンドリカルレンズ40の幅よりも小さくなる。
露光後、溶剤を用いて未硬化部602を除去する(現像工程)。このとき、図10に示すように、未硬化部602が除去されたあとに表面321が露出する。一方、硬化部601は開口層60として面32上に残存する。つまり、現像工程により開口層60が形成される。
未硬化部602が除去された後、反射層50を形成する。具体的には、開口層60が形成された面32に対して、上述した反射層用塗料をダイコータ等を用いて塗布する。このとき、表面321だけでなく、開口層60表面にも反射層用塗料が塗布される。しかしながら、開口層60は撥液性を有するため、反射層用塗料をはじく。そのため、開口層60上に反射層用塗料は付着しない。一方、未硬化部602が除去されることにより露出された表面321は、予め親水化処理が施されており、反射層用塗料に対するぬれ性が高い。そのため、反射層用塗料は面321にはじかれることなく密着する。塗布された反射層用塗料を乾燥して、図11に示す反射層50が形成された光学レンズシート15を製造する。製造された光学レンズシートでは、反射層50の高さは開口層60よりも低い。要するに、本実施の形態では、反射層50の高さが開口層60の高さよりも低くなるよう、反射層用塗料の塗布量を調整する。反射層用塗料の塗布量が多ければ、反射層用塗料が隣り合う開口層の間から溢れ、開口層の表面に付着する可能性があるからである。
以上の製造方法では、撥液性を有する開口層60が反射層用塗料をはじき、かつ、親水化処理により濡れ性が向上された表面321が反射層用塗料と密着する。そのため、従来のように不要な反射層を除去する工程を省略でき、かつ、隣り合う開口層60の間に反射層50を安定して形成できる。
なお、上述の説明では、基材30上に複数のシリンドリカルレンズ40を形成した後、親水化処理を行ったが、基材30上に複数のシリンドリカルレンズ40を形成する前に面32を親水化処理してもよい。要するに、面32上に樹脂層600が形成される前に表面32に対して親水化処理を行えばよい。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、基材30上に樹脂層600が形成される前に親水化処理を行ったが、樹脂層600が形成された後の工程で親水化処理を行ってもよい。以下、第2の実施の形態による光学シートの製造方法について説明する。
本実施の形態では、基材30上に樹脂層600を形成する前に親水化処理を行わない。図10に示す現像工程により表面32上に開口層60を形成した後、開口層60が形成された下面32に対して親水化処理を行う。
ただし、このタイミングで親水化処理を行えば、隣り合う開口層60の間に露出された表面321だけでなく、開口層60の表面も親水化処理されてしまう。そのため、開口層60表面の撥液性が低下する可能性がある。
そこで、本実施の形態では、開口層用樹脂として、光硬化性樹脂と、撥液性を有する非反応性の化合物とを含有する樹脂を用いる。ここでいう非反応性とは、活性エネルギ線が照射されても光重合反応等が起こらず、化学構造が変化しないことをいう。撥液性を有する非反応性の化合物は、たとえば、非反応性の長鎖アルキル化合物、非反応性のフッ素化合物及び非反応性のシリコーン化合物からなる群から選択された1種又は2種以上である。非反応性の長鎖アルキル化合物はたとえば、パルミチン酸エチルやステアリン酸アルコールである。非反応性のフッ素化合物は、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物やパーフルオロアルキルリン酸エステルである。非反応性のシリコーン化合物はたとえば、ジメチルシリコーンオイルや変性シリコーンオイルである。
光硬化性樹脂は、第1の実施の形態で述べたものであってもよいし、撥液性を有しない光硬化性樹脂であってもよい。上述の非反応性の化合物が撥液性を有するためである。
以下、第2の実施の形態における光学レンズシートの製造方法を説明する。
図6及び図7に示すレンズ形成工程を行った後、図8に示す樹脂層形成工程を行う。ここで用いる開口層用樹脂は、光硬化性樹脂と、撥液性を有する非反応性の化合物とを含有する。この開口層用樹脂を基材の面32に塗布して樹脂層600を形成する。続いて、図9に示す露光工程及び図10に示す現像工程を行い、開口層60を形成する。このとき、非反応性の化合物は露光工程で硬化しない。そのため、非反応性の化合物は、開口層60内に硬化しないまま含有されている。
ここで、開口層60が形成された面32に対して、親水化処理を行う。このとき、開口層60の間に露出された表面321だけでなく、開口層60の表面も親水化処理される。そのため、表面321だけでなく開口層60表面もぬれ性が向上し、開口層60の撥液性が低下する。
しかしながら、開口層60は、上述のとおり、撥液性を有する非反応性の化合物を含有する。この化合物は、時間の経過にともない、開口層60の表面に染み出てくる。そのため、開口層60は撥液性を得る。たとえば、自然放置であれば、10〜24時間程度で開口層60の表面は優れた撥液性を得る。撥液性が得られるまでの時間を短縮する場合、図10に示す光学レンズシートを常温よりも高い温度下に放置すればよい。
親水化処理を行ってから所定時間経過後に、反射層用塗料を、開口層60が形成された下面32に塗布する。このとき、開口層60の表面は撥液性を有するため、開口層60の表面に塗布された反射層用塗料ははじかれる。そして、隣り合う開口層60の間に反射層50が形成され、光学レンズシート15が製造される。
本実施の形態のように、開口層60を形成した後に親水化処理を行う方が、第1の実施の形態のように樹脂層600を形成する前に親水化処理を行うよりも、露出された表面321のぬれ性は向上する。なぜなら、第1の実施の形態では、親水化処理された後、未硬化部602が形成及び除去されたとき、表面321のぬれ性が親水化処理時よりも低下しているためである。これに対して、第2の実施の形態では、親水化処理された表面321に樹脂層600が形成されることなく、反射層用塗料が塗布される。そのため、表面321のぬれ性は第1の実施の形態よりも高い。
しかしながら、未硬化部602を除去した後に親水化処理すれば、開口層60が形成された面32全体を親水化処理することになるため、開口層60の表面も親水化処理されてしまう。そのため、開口層60表面の撥液性が低下する。そこで、第2の実施の形態では、開口層用樹脂に撥液性を有する非反応性の化合物を含有する。非反応性化合物は、露光工程によっても硬化しない。そして、時間の経過とともに開口層60表面に染み出てくる。そのため、親水化処理により低下した開口層の撥液性を向上でき、反射層用塗料が開口層60の表面に付着するのを抑制できる。
なお、開口層用樹脂として、撥液性を有する非反応性の化合物を含有せず、第1の実施の形態と同様に撥液性を有する光硬化性樹脂を用いても、反射層と表面321との密着性は得ることができる。
上述の第1及び第2の実施の形態では、基材30に形成されるレンズをシリンドリカルレンズ40としたが、シリンドリカルレンズ40に代えて他のレンズが形成されてもよい。また、シリンドリカルレンズ40の横断形状は円弧や楕円弧としたが、弓状であればよい。たとえば、頂上部が曲率を有し、縁近傍部が直線状のアーチ状であってもよい。
さらに、図12〜図14に示すように、本発明による光学シートは、シリンドリカルレンズ40に代えて、複数のマイクロレンズ70が基材30上に形成されていてもよい。
この場合であっても、上述の製造方法により、マイクロレンズ70の光軸上に開口層60が形成され、隣り合う開口層60の間に反射層50が形成される。なお、開口層60は、円柱状又は基材30に近い程横断面が大きくなる円錐台状状に形成される。なお、マイクロレンズ70は、図12に示すように格子状に配列されてもよいが、好ましくは、最密充填に配列される。
上述の実施の形態では、光学レンズシートを面光源11上に敷設したが、たとえば、点光源や線光源上に光学レンズシートを配設してもよい。また、上述の実施の形態では直下型のバックライト装置に光学レンズシートを使用したが、エッジライト型のバックライト装置に使用してもよいし、照明灯等の一般的な照明装置に使用してもよい。
[実施例1]
図3〜図5と同じ形状の光学レンズシートを製造し、基材に対する反射層の密着性を調査した。初めに、75μmの厚さを有するPETフィルムを準備した。さらに、図3〜図5に示した複数のシリンドリカルレンズに対応した複数の転写溝を有するロール版を準備した。PETフィルムとロール版との間に紫外線硬化樹脂を供給した。そして、紫外線硬化樹脂をPETフィルムとロール版とで挟みながら紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化し、複数のシリンドリカルレンズを形成した。シリンドリカルレンズのピッチ(隣り合うシリンドリカルレンズの頂上間距離)は平均50μmであった。また、各シリンドリカルレンズの凸面横断形状は円弧であり、その曲率半径は平均90μmであった。シリンドリカルレンズの高さは50μmであった。
続いて、基材の2つの表面のうち、シリンドリカルレンズ形成された表面と反対側の表面上にパルミチルアクリレートを含有した紫外線硬化樹脂を均一に塗布して樹脂層を形成した。このとき、硬化後の樹脂層の高さが30μmになるように、紫外線硬化樹脂を塗布した。
シリンドリカルレンズ上方から紫外線からなる平行光を照射して図9に示すように樹脂層を露光した。これにより、樹脂層のうち、各シリンドリカルレンズの光軸上の部分が硬化した。続いて、PETフィルムを巻き取りながら、シャワーノズルを用いて樹脂層にイソプロアルコールを塗布した。このとき、樹脂層のうち未硬化部が除去され、硬化部が開口層としてPETフィルムに残存した。未硬化部が除去されたPETフィルムを乾燥した後、開口層が形成された面に対してプラズマ処理による親水化処理を行った。そして、親水化処理後のPETフィルムをロール状に巻き取った。
親水化処理を行ってから48時間経過後、巻き取られたPETフィルムを再び送り出し、親水化処理が行われた面上に反射層用塗料を塗布した。反射層用塗料は、紫外線硬化樹脂と、250nmの平均粒径を有し、80重量%の酸化チタン粉末とを含有した。乾燥後の反射層の厚さが27μmとなるように、反射層用塗料を塗布した。このとき、反射層用塗料は開口層表面からはじかれた。塗布された反射層用塗料を乾燥して、光学レンズシートを製造した。なお、開口層の幅は平均15μmであった。
製造された光学レンズシートを観察した。その結果、反射層は、隣り合う開口層の間に形成されており、開口層表面に反射層用塗料は付着していなかった。また、基材表面と反射層との密着性は良好であり、隣り合う開口層の間において、反射層が形成されずに基材表面が露出した箇所はなかった。
[実施例2]
75μmの厚さを有するPETフィルム上に、実施例1と同じ方法で、実施例1と同じ寸法のシリンドリカルレンズを製造した。続いて、実施例1と同じ方法により開口層を形成した。このとき、開口層用樹脂として、ヘプタデカノフルオロデシルアクリレートを含有する紫外線硬化樹脂を用いた。
開口層を形成してから24時間経過後に、実施例1と同じ反射層用塗料を用いて実施例1と同じ方法で反射層を形成し、光学レンズシートを製造した。
製造された光学レンズシートを観察した結果、反射層は、隣り合う開口層の間に形成されており、開口層表面に反射層用塗料は付着していなかった。また、基材と反射層との密着性は良好であり、隣り合う開口層の間において、反射層が形成されずに基材表面が露出する箇所はなかった。
[実施例3]
実施例1及び2と同様の製造方法により、光学レンズシートを製造した。初めに、100μmの厚さを有するPETフィルムと、複数のシリンドリカルレンズに対応した複数の転写溝を有するロール版を準備した。PETフィルムとロール版との間に紫外線硬化樹脂を供給しながら紫外線を照射し、複数のシリンドリカルレンズを形成した。シリンドリカルレンズのピッチは平均50μmであった。また、各シリンドリカルレンズの凸面横断形状は円弧であり、曲率半径は平均110μmであった。シリンドリカルレンズの高さは40μmであった。
続いて、基材の2つの表面のうち、シリンドリカルレンズが形成された表面と反対側の表面上にシリコーンアクリレートを含有した紫外線硬化樹脂を均一に塗布して樹脂層を形成した。このとき、硬化後の樹脂層の高さが25μmになるように、紫外線硬化樹脂を塗布した。
シリンドリカルレンズ上方から平行光(紫外線)を照射して樹脂層を露光し、その後、メチルイソブチルケトンを用いて現像した。このとき、メチルイソブチルケトンにより未硬化部が除去され、硬化部が開口層としてPETフィルムに残存した。開口層が形成されたPETフィルムを乾燥した後、開口層が形成された面に対してプラズマ処理による親水化処理を行った。そして、親水化処理後のPETフィルムをロール状に巻き取った。
24時間経過後、巻き取られたPETフィルムを再び送り出し、親水化処理が行われた面上に反射層用塗料を塗布した。反射層用塗料は、紫外線硬化樹脂と、300nmの平均粒径を有する85重量%の酸化チタン粉末とを含有した。乾燥後の反射層の厚さが22μmとなるように、反射層用塗料を塗布した。塗布された反射層用塗料を乾燥して光学レンズシートを製造した。なお、開口層の幅は平均18μmであった。
製造された光学レンズシートを観察した結果、反射層は、隣り合う開口層の間に形成されており、開口層表面に反射層用塗料は付着していなかった。また、基材と反射層との密着性は良好であり、隣り合う開口層の間において、反射層が形成されずに基材表面が露出する箇所はなかった。
[正面輝度]
上述の実施例1〜3により製造された光学レンズシートを図1及び図2に示した面光源上に敷設し、正面輝度を調査した。実施例1及び2の比較例として、厚さ75μmのPETフィルム上に実施例1と同じ素材及び寸法を有する複数のシリンドリカルレンズを備えたレンチキュラレンズシート(第1比較例)を準備し、実施例3の比較例として、厚さ100μmのPETフィルム上に実施例3と同じ素材及び寸法を有する複数のシリンドリカルレンズを備えたレンチキュラレンズシート(第2比較例)を準備した。実施例1〜3の光学レンズシートと同様に、第1及び第2比較例のレンチキュラレンズシートも面光源にそれぞれ敷設して正面輝度を調査した。
調査の結果、実施例1及び2の光学レンズシートでは、比較例1のレンチキュラレンズシートよりも正面輝度が向上した。また、実施例3の光学レンズシートでは、比較例2のレンチキュラレンズシートよりも正面輝度が向上した。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
本発明の実施の形態による表示装置の分解斜視図である。 図1中の線分II−IIの断面図である。 図2に示した光学レンズシートの斜視図である。 図3中の線分IV−IVの断面図である。 図3中の線分V−Vの断面図である。 本実施の形態による光学レンズシートの第1の製造工程を示す図である。 図6に続く製造工程を示す図である。 図7に続く製造工程を示す図である。 図8に続く製造工程を示す図である。 図9に続く製造工程を示す図である。 図10に続く製造工程を示す図である。 図3と異なる他の光学シートの上面図である。 図12の線分XIII−XIIIの断面図である。 図12に示す光学シートの下面図である。
符号の説明
1 液晶表示装置
10 バックライト装置
11 面光源
15 光学レンズシート
30 基材
40 シリンドリカルレンズ
50 反射層
60 開口層
600 樹脂層
601 硬化部
602 未硬化部

Claims (8)

  1. 第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面とを有する基材を準備する工程と、
    前記基材の第1の面に複数のレンズを形成する工程と、
    前記基材の第2の面に、光硬化性樹脂を含有し撥液性を有する未硬化の樹脂層を形成する工程と、
    前記第1の面側から前記複数のレンズに向かって活性エネルギ線を照射し、前記樹脂層のうち前記各レンズの光軸上の部分を硬化する工程と、
    前記樹脂層の未硬化部分を除去して複数の開口層を形成する工程と、
    前記樹脂層を形成する前、又は、前記樹脂層の未硬化部分を除去した後、前記第2の面に対して親水化処理を行う工程と、
    前記複数の開口層が形成された第2の面に反射層用塗料を塗布して、隣り合う開口層の間に反射層を形成する工程とを備えることを特徴とする光学レンズシートの製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学レンズシートの製造方法であって、
    前記樹脂層の未硬化部分を除去した後に前記親水化処理を行うとき、前記第2の面に形成される樹脂層は、光硬化性樹脂と、撥液性を有する非反応性の化合物とを含有することを特徴とする光学レンズシートの製造方法。
  3. 請求項2に記載の光学レンズシートの製造方法であって、
    前記撥液性を有する非反応性の化合物は、非反応性の長鎖アルキル化合物、非反応性のフッ素化合物及び非反応性のシリコーン化合物からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする光学レンズシートの製造方法。
  4. 請求項1に記載の光学レンズシートの製造方法であって、
    前記樹脂層を形成する前に前記親水化処理を行うとき、前記第2の面に形成される樹脂層は、撥液性を有する光硬化性樹脂を含有することを特徴とする光学レンズシートの製造方法。
  5. 請求項1に記載の光学レンズシートの製造方法であってさらに、
    前記反射層を形成する工程では、前記反射層の高さが前記開口層よりも低くなるよう前記反射層を形成することを特徴とする光学レンズシートの製造方法。
  6. 面光源と、
    前記面光源上に敷設され、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の方法により製造される光学レンズシートとを備えることを特徴とするバックライト装置。
  7. 請求項6に記載のバックライト装置と、
    前記バックライト装置上に敷設される液晶パネルとを備えることを特徴とする表示装置。
  8. 光源と、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により製造された光学レンズシートとを備えることを特徴とする照明装置。
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