JP2010053631A - 擁壁構造、及び擁壁構造の支柱設置方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各支柱11を、鋼製パイプからなる支柱部材15を複数本上下に連結して構成するとともに、壁面の固い岩盤に先端を埋め込んだアンカー16の頭部を前記支柱の連結部17に固定する。連結部17における下段側支柱部材15Aと上段側支柱部材15Bとは、両者に嵌合するインナースリーブ18及び支柱連結ボルト25により連結される。アンカー16の頭部は支柱11に支柱内部で固定される。
【選択図】図3
Description
例えば特許文献2の発明は、壁面地盤の性状に応じて、適切な擁壁構造を選定するというものであるが、壁面地盤が、固い岩盤の上に柔らかい表層地盤を殆ど有さない地盤である場合の擁壁構造の支柱としてH形鋼を用いている(特許文献2の図16、図17(イ)、段落番号[0038]、[0039]、[0043])。この特許文献2の図16の実施例における支柱は、壁面高さに対応する1本のH形鋼で支柱を構成している。
しかし、特許文献2の前記擁壁構造では、1本のH形鋼を支柱として用いているので、施工現場毎に所定の長さに切断した支柱を用意する必要があり、種々の擁壁高さへの対応性に欠ける。
また、アンカーの頭部は支柱に固定することになるが、アンカーの頭部の支柱への固定構造も適切であることが望まれる。
各支柱は、鋼製パイプからなる支柱部材を複数本、直接又は別部材を介在させて上下に連結してなるとともに、前記支柱部材の連結部のうちの少なくとも一部の連結部について、壁面内部の固い岩盤に先端を埋め込んだアンカーの頭部を支柱部材の連結部に固定したことを特徴とする擁壁構造。
支柱設置位置において、鋼製パイプからなる支柱部材を複数本、直接又は別部材を介在させて上下に連結して支柱を構成し、アンカーを壁面内部の固い岩盤に先端を埋め込み、前記支柱部材の連結部のうちの少なくとも一部の連結部について、壁面内部の固い岩盤に先端を埋め込んだアンカーの頭部を支柱部材の連結部に固定することを特徴とする。
支柱を設置する作業として鋼製パイプからなる下段側支柱部材と上段側支柱部材とを連結する際に、下段側支柱部材の背面側の上端部のスリット部に、予め壁面に埋め込んだアンカーの頭部を挿通させ、
次いで、インナースリーブを、その背面側の下端部のスリット部にアンカーの頭部が挿通する態様にて下段側支柱部材に挿入し、
次いで、壁面幅方向から下段側支柱部材及びインナースリーブを貫通させた支柱連結ボルトでインナースリーブを下段側支柱部材に固定し、
次いで、アンカー頭部用間隔材をインナースリーブの前面側の開口部から挿入してアンカー頭部に被せ、
次いで、アンカー用ナットをアンカー頭部に螺合させて締着し、
次いで、上段側支柱部材をインナースリーブに嵌め込むとともに下段側支柱部材の上に段継ぎ状態で重ね、
次いで、壁面幅方向から上段側支柱部材及びインナースリーブを貫通させた支柱連結ボルトで上段側支柱部材をインナースリーブに固定することを特徴とする。
支柱を構成する支柱部材が鋼製パイプであるから、例えば請求項4のようにインナースリーブ及び壁面幅方向に貫通させた支柱連結ボルトを介して下段側支柱部材と上段側支柱部材とを連結することができ、連結構造が簡単であり、連結作業も容易である。
これに対して、支柱部材にH形鋼を用いた場合、上下のH形鋼のフランジ前面及び背面において連結プレートを当てボルトで固定する等して連結することが可能であるが、この構造では支柱の前面及び後面に突出部が生じるので、適切でない。
また、H形鋼のウエブの両側で連結する構造では、連結箇所が2箇所になるので複雑になり連結作業が煩雑である。
また、アンカーが下段側支柱部材と上段側支柱部材との連結部に固定されるので、アンカー頭部を支柱中間部(連結部でない箇所)に連結する場合と比較して、強度的に有利である。
また、アンカー頭部が鋼製パイプの内部に納まる構造となっており、外観として好ましい。
さらに、アンカー頭部を鋼製パイプの内部に固定する際にインナースリーブの開口部から作業をすることができ、そして、その開口部は上段側支柱部材の前面管壁で覆われるので露出せず、良好な外観を確保できる。
なお、ベースプレートを設置する地盤が固い岩盤であれば、支柱下端部に基礎コンクリートを設けないことも可能である。
基礎コンクリートを設ける場合、請求項9のようにベースプレートを含む支柱下端部を基礎コンクリートに埋め込むようにすると、支柱下端部の防錆の点で適切であり、また、外観的にも良好になる。
本発明において支柱11は、鋼製パイプからなる支柱部材15を複数本連結して構成するが、支柱部材15として実施例では図示のように角パイプを用いている。以下、支柱部材15を場合により鋼製パイプ15と呼ぶ。
この実施例では、支柱11の左右両側に壁面材12を取り付けるためのアングル材23を溶接固定している。
これらの図に示すように、この擁壁構造10の支柱11は、複数本の鋼製パイプ15を上下に連結して構成している。支柱11の連結部(上下の鋼製パイプ15の連結部)を17で示す。そして、壁面の固い岩盤に先端を埋め込んだアンカー16の頭部を前記支柱11の連結部17に固定している。アンカー16はロックボルトを用いている。
前記の通り、実施例では鋼製パイプ15として角パイプを用いている。実施例の鋼製パイプ15のサイズは□200mm×200mm×6mmで、長さ1mである。図示例の支柱11は3本の鋼製パイプ15を連結しているが、連結本数は構築しようとする擁壁構造の高さに応じて適宜、設定する。一部の鋼製パイプの長さを他と変えることもある。
図1において、支柱11の基礎部を21で示す。22は基礎アンカーである。支柱11を設置する場合、最下段の鋼製パイプ15の下端部を基礎に取り付けてから鋼製パイプを連結していき、所定の支柱11とした後、支柱11の基礎部21を施工する。
下段側支柱部材15Aの背面側の上端部に、後述するようにアンカー16の頭部が挿通する縦のスリット部15cを有している。
各鋼製パイプ15の左右両面のそれぞれ前後方向中央位置にアングル材23を溶接固定している。
支柱11の連結部17は、鋼製パイプ15より若干小径の短尺角パイプであるインナースリーブ18を下段側支柱部材15Aと上段側支柱部材Bとの両者に嵌合させ、インナースリーブ18と下段側支柱部材15A又は上段側支柱部材15Bとを、壁面幅方向(図4、図5で左右方向)に貫通する支柱連結ボルト25により固定している。具体的には、連結部17を、ボルト挿通穴24aをあけた連結部用アングル材24で壁面幅方向両側から挟み、支柱連結ボルト25を、下段側支柱部材15A又は上段側支柱部材15Bとインナースリーブ18とにそれぞれあけたボルト挿通穴15d、18d、及び連結部用アングル材24のボルト挿通穴24aに貫通させ、ナット26を螺合させ締め付けて、固定している。
前記アンカー16の頭部は、前記下段側支柱部材15Aの背面側の上端部のスリット部15c、及びインナースリーブ18の背面側のスリット部18bを通して支柱内部に挿入される。なお、アンカー16の頭部には、防食のための保護管29が被せており、この保護管29も一緒に支柱内部に挿入されている。
連結部17の背面には矩形の当てプレート35が当てられている。アンカー16及び保護管29は、この当てプレート35の中央にあけた長穴35a及び下段側支柱15Aのスリット部15c、インナースリーブ18のスリット部18bを通って支柱内部に挿入されている。
支柱内部に挿入されたアンカー16の頭部に、インナースリーブ18の前面側の開口部18aから内部に入れたアンカー頭部用間隔材30を被せ、アンカー頭部のネジ部にワッシャ31を介在させアンカー用ナット32を螺合させて締着している。
アンカー頭部用間隔材30は、図6に示すように、アンカー挿通穴30cの両側にボルト挿通穴30dをあけたプレート部30aに筒部30bを斜めに溶接固定した構成である。
また、連結部17に、支柱11の背面と壁面との間隔を調整するための間隔調整ボルト(間隔調整部材)33を2本取り付けている。この間隔調整ボルト33の軸部先端側は、前記当てプレート35の前記長穴35aの両側にあけたボルト挿通穴35b(図6参照)、下段側支柱15Aのボルト挿通穴15e、インナースリーブ18のボルト挿通穴18e、アンカー頭部用間隔材30のプレート部30aのボルト挿通穴30dを通して支柱内部に挿入され、それらの両側に螺合させたナット37、38(図3参照)を締着して支柱11に固定されている。その締着に際して、間隔調整ボルト33の頭部33aを壁面に当てるとともに間隔調整ボルト33の軸部に対するナット37、38の締着位置を調整することで、支柱背面と壁面との間隔を調整する。
図示例では、支柱11を設置する前に、保護管29を被せたアンカー16を予め壁面地盤20に埋め込んでおく。図1のように、この壁面地盤20は固い岩盤が露出しているか、その上に柔らかい表層地層が殆どない壁面である。
図7は図1の支柱11における2箇所の連結部17のうちの下側の連結部17の連結作業をはじめる段階である。図7〜図13は下側の連結部17の連結作業をする要領を示す。
予め、当てプレート35の長穴35aをアンカー16(保護管29を含む)に通して、図示のように当てプレート35をアンカー16に掛けておく。
次いで、下段側支柱部材15Aの背面側の上端部のスリット部15cにアンカー16の頭部を挿通させる。
次いで、インナースリーブ18を、その背面側の下端のスリット部18bにアンカー16が入るようにして、下段側支柱部材15Aに挿入する。
次いで、アンカー用ナット32を座金31を介在させてアンカー頭部に螺合させ、締着すると、アンカー16の頭部が支柱11の連結部17に支柱内部で固定される(図11参照)。
次いで、最上段のアンカー16の頭部を最上段の支柱部材15の上端部に固定する。
最上段のアンカー16を支柱1に固定する要領については、上述の説明におけるアンカー16の頭部を支柱11の連結部17に固定する手順において、上段側支柱部材15B及びインナースリーブ18がないと考えた要領で行うとよい。
以上により、1箇所における支柱11の設置作業が完了する。
この場合、充填材により、鋼製パイプ15の内部に挿入されたアンカー16の頭部を鋼製パイプ15に堅固に固定できるという効果が得られ、かつ、アンカー頭部の防錆効果が得られる。また、支柱全体の強度向上が図られる。
鋼製パイプ内に充填された充填材はアンカー頭部を鋼製パイプに固定する作用をするので、アンカー頭部の固定構造(アンカー頭部用間隔材30、ワッシャ31、ナット32による固定構造)を簡略化することもできる。
なお、充填材を鋼製パイプに充填するのは、支柱11の最終的な基礎の施工の後に、若しくはその前に行うとよい。
図示例の壁面材12は、エキスパンドメタル12aの周囲に枠板12bを溶接固定した構成であり、左右両端部を、支柱パイプ11の左右両面に固定したアングル材23にボルトで取り付けている。
また、支柱11を構成する支柱部材が鋼製パイプ15であるから、インナースリーブ18、及び、壁面幅方向に貫通させた支柱連結ボルト25により下段側支柱部材15Aと上段側支柱部材15Bとを連結することができ、連結構造が簡単であり、連結作業も容易である。
これに対して、支柱部材にH形鋼を用いた場合、上下のH形鋼のフランジ前面及び背面において連結プレートを当てボルトで固定する等して連結することが可能であるが、この構造では支柱の前面及び後面に突出部が生じるので、適切でない。また、H形鋼のウエブの両側で連結する構造とすると、連結箇所が2箇所になるので複雑になり連結作業が煩雑である。しかし、上記の擁壁構造10にはこのような問題は改善される。
また、下段側支柱部材15Aと上段側支柱部材15Bとに嵌合させた筒状部材(インナースリーブ18)を介して連結する構造であるから、十分に剛性の高い連結構造が実現される。
支柱がH形鋼である場合は、アンカーはフランジに固定することになるので、支柱の壁面幅方向に片寄った位置に連結されることになり、支柱に回転モーメントが作用する連結構造となり適切でないが、鋼製パイプの場合にはそのような問題はない。
また、アンカー16が下段側支柱部材15Aと上段側支柱部材15Bとの連結部17に固定されるので、アンカー頭部を支柱中間部(連結部でない箇所)に連結する場合と比較して、強度的に有利である。
また、アンカー頭部が支柱11の内部に納まる構造となっており、外観として好ましい。
さらに、アンカー頭部を鋼製パイプの内部に固定する際にインナースリーブ18の開口部18aから作業をすることができ、そして、その開口部18aは上段側支柱部材15Bの前面管壁で覆われるので露出せず、良好な外観を確保できる。
この支柱基礎部41は、基礎アンカー22と、前記基礎アンカー22が貫通するアンカー貫通穴42aを中央部に有する四角形のベースプレート42と、このベースプレート42の傾きを調整する傾き調整手段46と、前記ベースプレート42上に溶接固定された基礎部用インナースリーブ43と、前記基礎部用インナースリーブ43に嵌合させた支柱11の下端部を基礎部用インナースリーブ43に固定する壁面幅方向から貫通するボルト44と、前記ベースプレート42の傾きを調整した状態で前記ベースプレート42を含む支柱下端部に打設された基礎コンクリート45とからなる。
なお、基礎部用インナースリーブ43をベースプレート42に溶接固定する際、壁面の傾斜に概ね合わせて、図示のように傾けて溶接する。この場合、傾き調整手段46は微調整可能なものであればよい。
高さ調整ボルト47を回して、ベースプレート42の四隅の高さを調整して、ベースプレート42の傾き、すなわち、インナースリーブ43の傾きを調整し、支柱11の傾きを調整する。球面ナット48a、48bはベースプレート42を基礎アンカー22に結合させた状態で、ベースプレート42の傾き調整を可能にする。
なお、この実施例の支柱基礎部41は、支柱11を設置する地盤Gが固い岩盤である場合を想定している。
この実施例の支柱基礎部41によれば、ベースプレート42を含む支柱11の下端部が基礎コンクリート45に埋め込まれているので、支柱11の下端部と基礎アンカー22との結合を強固にする効果とともに、支柱下端部の防錆が図られ、また、外観的にも良好になる。
この支柱基礎部51は、基礎アンカー22と、前記基礎アンカー22が貫通するアンカー貫通穴52aを中央部に有する四角形のベースプレート52と、このベースプレート52の傾きを調整する傾き調整手段56と、前記ベースプレート52上に溶接固定された基礎部用インナースリーブ53と、前記基礎部用インナースリーブ53に嵌合させた支柱11の下端部を基礎部用インナースリーブ53に固定する壁面幅方向から貫通するボルト54と、前記ベースプレート52の傾きを調整した状態で前記ベースプレート52を含む支柱下端部に打設された基礎コンクリート55とからなる。基礎コンクリート55は、最初に打設される1次基礎コンクリート55aと、後に打設される2次基礎コンクリート55bとからなる。
この実施例では、支持ボルト57に螺合する高さ調整ナット58a、58bの締着高さ位置を調整して、ベースプレート52の四隅の高さを調整し、ベースプレート52の傾き、すなわち、インナースリーブ53の傾きを調整し、支柱11の傾きを調整する。
ベースプレート52の傾き調整をした後に、2次基礎コンクリート55bをベースプレート52を含んで打設する。
基礎アンカー22は、1次基礎コンクリート55a、ホールインアンカー59、支持ボルト57、ナット58a、58bを介してベースプレート52と結合している。
この支柱基礎部61は、基礎アンカー22と、前記基礎アンカー22が貫通するアンカー貫通穴62aを中央部に有する四角形のベースプレート62と、このベースプレート62の傾きを調整する傾き調整手段66と、前記ベースプレート62上に溶接固定された基礎部用インナースリーブ63と、前記基礎部用インナースリーブ63に嵌合させた支柱11の下端部を基礎部用インナースリーブ63に固定する壁面幅方向から貫通するボルト64と、前記ベースプレート62の傾きを調整した状態で前記ベースプレート62を含む支柱下端部に打設された基礎コンクリート65とからなる。
前記固定ベースプレート70の4箇所に支持ボルト67を垂直に溶接固定し、各支持ボルト67をベースプレート62の四隅のボルト挿通穴62bに通し、ベースプレート62の上下両側で支持ボルト67に高さ調整ナット68a、68bを螺合させ、ベースプレート62を挟持するように両ナット68a、68bを締着する。
この実施例では、支持ボルト67に螺合する高さ調整ナット68a、68bの締着高さ位置を調整して、ベースプレート62の四隅の高さを調整して、ベースプレート62の傾き、すなわち、インナースリーブ63の傾きを調整し、支柱11の傾きを調整する。
ベースプレート62の傾き調整をした後に、ベースプレート62を含んで基礎コンクリート65を打設する。
基礎アンカー22は、固定ベースプレート70、支持ボルト67、高さ調整ナット68a、68bを介してベースプレート62と結合している。
また、上記の各基礎部構造はいずれも、基礎アンカー22と基礎コンクリートに埋め込まれるベースプレート42、52,62とを一体化させる必要性と、ベースプレート42、52,62の傾きを調整可能にする必要性とを共に適切に満たし、かつ、その基礎施工の作業性が良好である。
すなわち、図17に示した支柱基礎部81のように、図14の支柱基礎部41における基礎コンクリート45がない構造とすることができる。それ以外は図14と共通なので、詳細説明は省略する。
なお、図17の支柱基礎部81は、支柱11を設置する地盤Gが固い岩盤である場合を想しているが、そうでない場合には、高さ調整ボルト47を受ける基礎コンクリート85を設けるとよい。
この実施例において、ベースプレート92の部分のみを、あるいは、さらに支柱11の下端部も含めて、基礎コンクリート95内に埋め込むこともできる。
また、壁面材12はエキスパンドメタルに限らず、種々の部材を用いることができる。
また、支柱11の基礎部の構造は実施例のものに限定されず、種々の構造を採用できる。
また、実施例では上下の支柱部材15A、15Bが直接連続する外観にて連結されており、良好な外観を呈するが、連結部の構造を上下の支柱部材間に別部材(インナースリーブ、あるいは他の連結部材)が露出する態様で連結する構造とすることも可能である。
また、実施例では支柱部材の中間部(支柱部材の連結部17でない箇所)にはアンカーを固定していないが、支柱部材の中間部にアンカーを固定することを除外しない。
11 支柱
12 壁面材
12a エキスパンドメタル
13b 枠板
14 裏込め材
15 支柱部材(鋼製パイプ)
15A 下段側支柱部材
15B 上段側支柱部材
15a、15b 段差部
15c (下段側支柱の)スリット部
15d ボルト挿通穴
15e ボルト挿通穴
16 アンカー
17 支柱の連結部(支柱部材どうしの連結部)
18 インナースリーブ
18a 開口部
18b スリット部
18d ボルト挿通穴
18e ボルト挿通穴
20 壁面地盤
21 支柱の基礎部
22 基礎アンカー
23 (壁面材取り付け用の)アングル材
24 連結部用アングル材
24a ボルト挿通穴
25 支柱連結ボルト
26 ナット
29 保護管
30 アンカー頭部用間隔材
30a プレート部
30b 筒部
30c アンカー挿通穴
30d ボルト挿通穴
31 ワッシャ
32 アンカー用ナット
33 間隔調整ボルト(間隔調整部材)
33a 頭部
35 当てプレート
35a 長穴
35b ボルト挿通穴
37、38 ナット
41、51、61、81、91 支柱の基礎部
42、53、62、92 ベースプレート
42a、52a、62a、92a アンカー貫通穴
42b メネジ部
43、53、63、93 基礎部用インナースリーブ
44、54,64、94 ボルト
45、55、65、85、95 基礎コンクリート
55a 1次基礎コンクリート
55b 2次基礎コンクリート
46、56、66 傾き調整手段
47 高さ調整ボルト
57、67 支持ボルト
48a、48b 球面ナット
58a、68a、58b、68b 高さ調整ナット
99 ベースプレート用基礎ボルト
Claims (12)
- 垂直または急勾配の壁面の前面に間隔をあけて複数の支柱を設置し、隣接する支柱間に壁面材を掛け渡し、前記壁面材及び支柱と壁面との間に裏込め材を裏込めしてなる擁壁構造であって、
各支柱は、鋼製パイプからなる支柱部材を複数本、直接又は別部材を介在させて上下に連結してなるとともに、前記支柱部材の連結部のうちの少なくとも一部の連結部について、壁面内部の固い岩盤に先端を埋め込んだアンカーの頭部を支柱部材の連結部に固定したことを特徴とする擁壁構造。 - 支柱の上端部に頭部を固定されたアンカーも備えていることを特徴とする請求項1記載の擁壁構造。
- 支柱を構成する支柱部材が角パイプであることを特徴とする請求項1又は2記載の擁壁構造。
- 前記支柱の連結部は、インナースリーブを下段側支柱部材と上段側支柱部材との両者に嵌合させ、インナースリーブと下段側支柱部材又は上段側支柱部材とを、壁面幅方向に貫通する支柱連結ボルトにより固定した構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の擁壁構造。
- 下段側支柱部材と上段側支柱部材とは、下段側支柱部材の背面側の上端部が上向き凸となる段差部と上段側支柱部材の前面側の下端部が下向き凸となる段差部とが互いに噛み合う段継ぎ状に繋がっており、下段側支柱部材の背面側の上端部に縦のスリット部を有し、前記インナースリーブの前面側の高さ方向中間部に開口部、背面側の下部に縦のスリット部を有し、前記アンカーの頭部が、前記下段側支柱部材の背面側の上端部のスリット部、及びインナースリーブの背面側の下部のスリット部を通して支柱内部に挿入され、かつ、支柱内部において固定されていることを特徴とする請求項4記載の擁壁構造。
- 支柱の背面と壁面との間隔を調整する間隔調整部材を、支柱の背面側におけるアンカー頭部の高さ位置で、一方を支柱に固定し、他方を壁面に当接してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の擁壁構造。
- 支柱を構成する鋼製パイプの内部に充填材を充填したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の擁壁構造。
- 支柱の基礎部が、基礎アンカーと、前記基礎アンカーが貫通するアンカー貫通穴を中央部に有するベースプレートと、このベースプレートの傾きを調整する傾き調整手段と、前記ベースプレート上に溶接固定された基礎部用インナースリーブと、前記基礎部用インナースリーブに嵌合させた支柱の下端部を基礎部用インナースリーブに固定する壁面幅方向から貫通するボルトと、基礎アンカーとベースプレートとを結合する手段とを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の擁壁構造。
- ベースプレートを含む支柱下端部に打設された基礎コンクリートを有することを特徴とする請求項8記載の擁壁構造。
- 請求項1〜9のいずれかの擁壁構造を構築する際に支柱を設置する支柱設置方法であって、
支柱設置位置において、鋼製パイプからなる支柱部材を複数本、直接又は別部材を介在させて上下に連結して支柱を構成し、アンカーを壁面内部の固い岩盤に先端を埋め込み、前記支柱部材の連結部のうちの少なくとも一部の連結部について、壁面内部の固い岩盤に先端を埋め込んだアンカーの頭部を支柱部材の連結部に固定することを特徴とする擁壁構造の支柱設置方法。 - 請求項5の擁壁構造を構築する際に支柱を設置する支柱設置方法であって、
支柱を設置する作業として鋼製パイプからなる下段側支柱部材と上段側支柱部材とを連結する際に、下段側支柱部材の背面側の上端部のスリット部に、予め壁面に埋め込んだアンカーの頭部を挿通させ、
次いで、インナースリーブを、その背面側の下端部のスリット部にアンカーの頭部が挿通する態様にて下段側支柱部材に挿入し、
次いで、壁面幅方向から下段側支柱部材及びインナースリーブを貫通させた支柱連結ボルトでインナースリーブを下段側支柱部材に固定し、
次いで、アンカー頭部用間隔材をインナースリーブの前面側の開口部から挿入してアンカー頭部に被せ、
次いで、アンカー用ナットをアンカー頭部に螺合させて締着し、
次いで、上段側支柱部材をインナースリーブに嵌め込むとともに下段側支柱部材の上に段継ぎ状態で重ね、
次いで、壁面幅方向から上段側支柱部材及びインナースリーブを貫通させた支柱連結ボルトで上段側支柱部材をインナースリーブに固定することを特徴とする擁壁構造の支柱設置方法。 - 支柱を構成した鋼製パイプの内部に充填材を充填することを特徴とする請求項10又は11に記載の擁壁構造の支柱設置方法。
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