JP2010053218A - 含フッ素有機ケイ素化合物及びその製造方法 - Google Patents

含フッ素有機ケイ素化合物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ金属分を含まず、液体の表面張力を著しく下げることができる含フッ素有機ケイ素化合物を提供する。
【解決手段】一般式(1):
Figure 2010053218

で表される含フッ素有機ケイ素化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な含フッ素有機ケイ素化合物及びその製造方法に関し、詳しくは、含フッ素界面活性剤として用いたときに液体の表面張力を著しく下げることができる含フッ素有機ケイ素化合物及びその製造方法に関する。
従来、含フッ素界面活性剤として、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸(PFOS)又はパーフルオロオクタン酸(PFOA)にアミド基又はエステル基を介してポリエーテル基を結合させたものが知られている。しかし、かかる含フッ素界面活性剤は環境汚染を引き起こす懸念が指摘されており、それらを使用することに関して法的あるいは自主的な規制が強化されつつある。
特許文献1には、一般式:
Figure 2010053218
〔式中、Rfは独立に炭素原子数4〜14のパーフルオロアルキル基又は炭素原子数5〜14のパーフルオロポリエーテル基であり、Qは独立にエチレン基及び/又はプロピレン基がエーテル結合で繰り返し結合されてなるポリエーテル基であり、Rは独立に水素原子、アリル基、炭素原子数1〜4のアルキル基及び炭素原子数2〜3のアシル基からなる群から選ばれる1価の炭化水素基又は原子であり、L 及びmはそれぞれ独立に0又は1であり、nは独立に1又は2、xは2又は3であり、Meはメチル基である〕
で表される含フッ素有機ケイ素化合物、及びその製造方法が開示されている。
上記の化合物は、Rfがパーフルオロポリエーテル基である場合には、環境に対して懸念のあるPFOSともPFOAとも全く別異の化合物である。しかしながら、上記化合物を製造する際に水酸化アルカリ水溶液中で加水分解、縮合させる工程を含むことから、生成物にアルカリ金属の混入が避けられない。この工程を行わないと液体の表面張力を著しく下げる性能が得られなかった。
ところで、フッ素系界面活性剤は、半導体、液晶ディスプレイ、電子デバイス等の製造工程で用いられるレジスト材料にレベリング剤として有用であるが、このような用途においてはたとえ微量であってもアルカリ金属類の混入は好ましくない。しかし、特許文献1に記載の製造方法により得られる上記の化合物は、活性炭等による吸着処理により精製しても不可避的に200ppb以上のアルカリ金属類の混入が避けられず、このような用途には適しないという問題があった。
特開平9−241381号公報
そこで、本発明の目的は、前記特許文献1に記載の化合物と類似の有機ケイ素化合物でありながら、液体の表面張力を著しく下げることができる性能を有しつつ、アルカリ金属類を含有しない新規な含フッ素有機ケイ素化合物を提供することにある。
本発明者等は、後述する一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物とを反応させることにより、アルカリ金属の混入がなく、液体の表面張力を著しく下げる性能を有する下記一般式(1)の化合物が得られことを見出した。
即ち本発明は、一般式(1):
Figure 2010053218
〔式中、Rfは夫々独立して炭素原子数4〜14のパーフルオロアルキル基又は炭素原子数5〜14のパーフルオロポリエーテル基であり、R−Q−は、式:
R−(−OR’)
(ここで、Rはそれぞれ独立して水素原子、アリル基、炭素原子数1〜4のアルキル基及び炭素原子数2〜3のアシル基からなる群から選ばれる1価の炭化水素基又は原子であり、R’は夫々独立してエチレン基又はプロピレン基であり、lは1〜50の整数である。)
で表される一価の基であり、Lは0又は1であり、nは1又は2であり、xは2又は3であり、zは3又は4であり、Meはメチル基を示す。〕
で表される含フッ素有機ケイ素化合物を提供する。
また、本発明は、一般式(2):
Figure 2010053218
〔式中、Rf、R-Q、Me、L、n及びxは、一般式(1)において記載した意味を有する〕で表される化合物と、一般式(3):
Figure 2010053218
〔式中、R1及びR2は夫々独立に炭素原子数1〜4のアルキル基であり、aは0又は1、そしてMeはメチル基を示す〕
で表わされるアミノシラン化合物とを反応させることを特徴とする、前記一般式(1)で表わされる含フッ素有機ケイ素化合物の製造方法を提供する。
本発明の含フッ素有機ケイ素化合物は、含フッ素界面活性剤として用いたときに、液体の表面張力を著しく下げることができる。また、本発明の含フッ素有機ケイ素化合物はアルカリ金属分が200ppb以下、好ましくは100ppb以下、さらに好ましくは50ppb以下で、ほとんど含まないため、半導体、液晶ディスプレイ、電子デバイス等の製造工程で用いられるレジスト材料にレベリング剤として使用できる。
<含フッ素有機ケイ素化合物>
本発明の含フッ素有機ケイ素化合物は、上記一般式(1)で示される。一般式(1)において、Rfで示される含フッ素有機基は、炭素原子数4〜14、好ましくは4〜10、より好ましくは4〜6のパーフルオロアルキル基、又は炭素原子数5〜14、好ましくは8〜11のパーフルオロポリエーテル基である。該含フッ素有機基を導入することにより、本発明の含フッ素有機ケイ素化合物に疎水性が付与される。
前記パーフルオロアルキル基は、一般式(4):
−Ck F2k+1 (4)
〔式中、kは4〜14の整数、好ましくは4〜10、より好ましくは4〜6の整数である〕で示される。具体的には、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、ノナデカフルオロノニル基、ヘンエイコサフルオロデシル基、7−トリフルオロメチルヘキサデカフルオロオクチル基、5−トリフルオロメチルドデカフルオロヘキシル基等が挙げられ、好ましくはノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基である。含フッ素有機基Rfが上記パーフルオロアルキル基である場合には、一般式(1)のLは、好ましくは0、すなわち、エーテル結合を含まないことが好ましい。したがって、一般式(1)中の-(CH2)x-(CH2OCH2)L-Rf基の好ましい具体例としては、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ナノフルオロヘキシル基等が挙げられる。
前記パーフルオロポリエーテル基として、例えば一般式(5):
Figure 2010053218
〔式中、yは1〜4の整数である〕
で表される基が挙げられる。具体的には、1−トリフルオロメチル−1,3,3,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−オキサペンチル基、1,4−ビス(トリフルオロメチル)−1,3,3,4,6,6,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロ−2,5−ジオキサオクチル基、1,4,7−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,3,4,6,6,7,9,9,10,10,11,11,11−テトラデカフルオロ−2,5,8−トリオキサウンデシル基、1,4,7,10−テトラキス(トリフルオロメチル)−1,3,3,4,6,6,7,9,9,10,12,12,13,13,14,14,14−ヘプタデカフルオロ−2,5,8,11−テトラオキサテトラデシル基が挙げられ、好ましくは1,4−ビス(トリフルオロメチル)−1,3,3,4,6,6,7,7,8,8,8−ウンデカフルオロ−2,5−ジオキサオクチル基及び1,4,7−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,3,4,6,6,7,9,9,10,10,11,11,11−テトラデカフルオロ−2,5,8−トリオキサウンデシル基が挙げられる。
含フッ素有機基Rfがパーフルオロポリエーテル基である場合には、一般式(1)中のLは1であるのが好ましい。したがって、一般式(1)中の-(CH2)x-(CH2-O-CH2)L-Rf基の好ましい具体例としては、6−トリフルオロメチル−6,8,8,9,9,10,10,10−オクタフルオロ−4,7−ジオキサデシル基、6,9−ビス(トリフルオロメチル)−6,8,8,9,11,11,12,12,13,13,13−ウンデカフルオロ−4,7,10−トリオキサトリデシル基、6,9,12−トリス(トリフルオロメチル)−6,8,8,9,11,11,12,14,14,15,15,16,16,16−テトラデカフルオロ−4,7,10,13−テトラオキサデシル基等が挙げられる。
一般式(1)において、R−Q−は、式:
R−(−OR’)
(ここで、Rはそれぞれ独立して水素原子、アリル基、炭素原子数1〜4のアルキル基及び炭素原子数2〜3のアシル基からなる群から選ばれる1価の炭化水素基又は原子であり、R’は夫々独立してエチレン基又はプロピレン基であり、lは1〜50の整数である。)
で表される一価の基である。ここで、Qで示される基は、式:−(OR’)−で表される2価のポリエーテルポリエーテル基であるが、末端に位置する酸素原子がRに結合する。このポリエーテル基により、本発明の含フッ素有機ケイ素化合物に親水性が付与される。該ポリエーテル基は、R’がエチレンのみからなるポリオキシエチレン鎖、R’がプロピレンのみからなるポリオキシプロピレン鎖、R’としてエチレンとプロピレンとの組合せからなるオキシエチレン基とオキシプロピレン基との共重合鎖のいずれでもよく、共重合鎖はブロック重合鎖でもランダム重合鎖であってもよい。Qの種類は目的とする含フッ素有機ケイ素化合物の用途に応じて適宜選択される。
このポリエーテル基の重合度(前記OR’の繰り返し数l)は、一般には、1〜50の範囲であるが、通常、疎水性の含フッ素有機基Rfとの均衡を考慮して決定されればよい。より具体的には、R’がエチレンのみからなるポリオキシエチレン鎖であるときには、重合度(l)は好ましくは1〜20、より好ましくは1〜12である。オキシプロピレン基とオキシエチレン基との共重合鎖の場合には、オキシプロピレン基の基Qに占める含有量は、通常、0〜50モル%の範囲、好ましくは2〜10モル%の範囲である。
一般式(1)中のRは、夫々独立して水素原子、アリル基、炭素原子数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基)、及び炭素原子数2〜3のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、及びブチリル基)からなる群から選ばれる1価の炭化水素基又は原子であり、好ましくは水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基、更に好ましくは水素原子、メチル基又はブチル基である。
<含フッ素有機ケイ素化合物の製造方法>
本発明の一般式(1)で示される含フッ素有機ケイ素化合物を製造するには、例えば一般式(2):
Figure 2010053218
〔式中、Rf、R-Q-、Me、L、n及びxは一般式(1)において記載したと同じ意味である〕で表される化合物(以下、単に「中間体(H)」と称する)と、一般式(3):
Figure 2010053218
〔式中、R1及びR2は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、aは0又は1、Meはメチル基を示す〕
で表わされるアミノシラン化合物とを反応させる。
上記反応において、中間体(H)1モルに対してアミノシラン化合物を0.5〜2.0モル、好ましくは0.7〜1.3モル使用するのがよい。反応温度は、通常10〜70 ℃でよく、好ましくは20〜50 ℃である。反応時間は特に制約なく、個別の反応条件に応じて反応が充分に進行するようにすればよい。
一般式(3)で表されるアミノシラン化合物としては、例えば、ビスジメチルアミノジメチルシラン、ビスジエチルアミノジメチルシラン等が挙げられる。
一般式(2)で表される中間体(H)は、一般式(6):
Figure 2010053218
〔式中、Rf、L、n及びxは一般式(1)において記載したと同じ意味であり、mは0又は1であり、Meはメチル基を示す〕で示される含フッ素有機ケイ素化合物(以下、単に「中間体(A)」と称する)と、一般式(7):
CH2=CH−CH2−O−Q−R (7)
〔式中、R−Q−は一般式(1)において記載した意味を有する〕
で示されるポリエーテル化合物とを、白金系触媒の存在下、ヒドロシリル化反応させた後、残存するSi-Hを加水分解してSi-OHに変換することにより得られる。ここで用いる中間体(A)は、例えば特開平3−197484号公報に記載の方法により製造できる。
一般式(6)で示される中間体(A)と一般式(7)で示されるポリエーテル化合物との反応モル比は、通常、化学量論量である。ただし、反応条件によりポリエーテル化合物のアリル基が内部転位し、付加反応に供さない場合には、該ポリエーテル化合物の量を化学量論量より過剰にすることが望ましい。具体的には、一般式(6)中のn=1の場合、中間体(A)と該ポリエーテル化合物中のCH2 =CH-CH2基とは、モル比で1/2〜1/1の範囲が好ましく、さらに1/1.5〜1/1.1の範囲が好ましい。一般式(6)中のn=2の場合、中間体(A)と該ポリエーテル化合物中のCH2=CH-CH2 基とは、モル比で1/3〜1/2の範囲が好ましく、さらに1/2.7〜1/2.2の範囲が好ましい。
中間体(A)と前記ポリエーテル化合物とのヒドロシリル化反応に用いる上記白金系触媒としては、ヒドロシリル化反応に用いられる従来公知のものを使用でき、例えば塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金/ビニルシロキサン錯体、白金黒、塩化白金酸とオレフィン又はアルデヒドとの錯体が挙げられる。中でも、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸及び白金/ビニルシロキサン錯体が高活性である点で好ましい。白金系触媒の使用量は、反応液全体に対して、通常、1〜100ppm(白金重量換算)でよい。
上記ヒドロシリル化反応において、必要に応じて溶媒を用いてもよい。該溶媒は、溶質と反応しないものであれば特に限定されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン類等が挙げられる。
上記のヒドロシリル化反応の温度は、通常、60℃〜140℃の範囲でよく、好ましくは80℃〜120℃の範囲である。
次いで、残存するSi-Hを加水分解してSi-OHに変換することにより、一般式(2)で表される中間体(H)を得る。加水分解は、ヒドロシリル化反応に引き続き水を添加することで行うことができる。ヒドロシリル化反応後の混合物に水を添加し、20〜40℃にて1〜20時間反応させる。この時ヒドロシリル化反応に用いた白金触媒が加水分解触媒としても働くので新たに別の触媒を添加しなくとも反応は進むが、より反応を促進したい場合は触媒を添加しても良い。このような触媒としては、パラジウム又は白金を炭素、アルミナ等に担持させたもの、及びジエチルヒドロキシルアミン等のアルキルヒドロキシルアミンが好ましい。
<有用性>
本発明の新規な含フッ素有機ケイ素化合物は、液体の表面張力を著しく下げることができるので、含フッ素界面活性剤として有用である。含フッ素界面活性剤として使用する際には、一般式(1)で表される含フッ素有機ケイ素化合物を、1種単独でも適宜2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記含フッ素有機ケイ素化合物は、種々の液体、特に有機溶剤に添加された際に、液体に湿潤性、浸透性、展着性、泡安定性、流動性、乳化性、分散性、撥水撥油性を付与したり、向上させたりする能力に優れるため、以下の用途が期待される。すなわち、プラスチック及びゴム工業分野における重合用乳化剤、ラテックスの安定剤、粉末フルオロカーボンポリマー凝集物の調製助剤、展着又は塗装むらを制御する発泡添加剤、グリースに撥水撥油性を付与するための添加剤、ポリオレフィンの内部帯電防止剤及び粘着防止剤;石油工業分野における油貯蔵装置からの重質油回収に際しての流動性の改善用添加剤、潤滑油の耐摩耗性向上のための添加剤、ガソリンの気化器中での氷結防止用添加剤、フィルム形成によるガソリン、ジェット燃料の蒸発抑制剤;繊維工業分野における溶融防止工程の改善のための流動性向上用添加剤、羊毛の炭化助剤、紡糸サイジング工程での合成糊剤PVA水溶液の表面張力低下用添加剤、マーセル化助剤、染色仕上げ助剤;染料及び顔料工業分野における顔料の着色性及び分散性向上用助剤、塗料欠陥是正のための流展性及びへこみ防止性付与剤、塗料中の溶剤の蒸発速度の調整剤;金属及び機械工業分野における光沢処理浴の添加剤、金属エッチング用添加剤、はんだフラックス用添加剤、腐蝕抑制剤、めっきのミスト防止剤;製薬及び農薬分野における殺菌剤の浸透性改良剤、助走剤及び殺虫剤の湿潤性改良剤、乳化、分散及び展着性改良剤;家庭用品分野におけるクリーナ品への添加剤、艶出剤へのレベリング向上剤、化粧品用添加剤、帯電防止剤;写真及び印刷分野におけるインクの流動性及び流展性付与のための添加剤、写真乳剤のレベル剤、フィルムの帯電防止剤、フィルム乾燥助長剤等を例示するこができる。
本発明の方法により得られる新規な含フッ素有機ケイ素化合物は、製造工程においてアルカリ金属塩類を使用しないため、アルカリ金属類の含有率が低い。従って、アルカリ金属の混入を嫌う用途、特に半導体、液晶ディスプレイ、電子デバイス等の製造工程で用いられるレジスト組成物のレベリング剤として有用である。
[合成例1](中間体の調製)
・付加反応工程
冷却管及び温度計を具備する内容積1000mLの四つ口フラスコに、下記式、
Figure 2010053218
で表される中間体(A-1)200g、及びトルエン200gを仕込み、内温95℃まで昇温した。次に、分子鎖両端がアリル基及びメチル基で停止された平均重合度3のポリエチレンオキシド158gと、白金/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液(白金として0.5%含有)1.5gとの混合物を調製した。そして、この混合物を前記中間体(A-1)のトルエン溶液に30分間かけて滴下した。その後、反応混合物を105℃の温度に15時間保持した後、40℃まで冷却した。
・加水分解反応工程
次いで、得られた反応混合物に窒素を通気しながら、0.025N-塩酸水溶液50gを滴下した。水素ガスの発生による発泡が収まるまで緩やかに攪拌を継続し、その後、室温まで冷却し、静置した。反応混合物が2相に分離したので、有機相を取り出し、105℃/10mmHgの条件にて揮発分を留去し、茶褐色のオイル状液体348gを得た。
上記で得られた生成物を、1H−NMR及びIRにて分析した結果、下記式の中間体(H-1)であることがわかった。
Figure 2010053218
〔式中、Rfは、式:
Figure 2010053218
で表される基を示す。〕
[実施例1]
合成例1にて得られた中間体(H-1)100gおよびビスジメチルアミノジメチルシラン6gを200mlフラスコにて混合し、25℃にて15時間静置した。その後、水10gを加え攪拌した後、105℃、10mmHgにて揮発分を留去した。得られたオイル状の生成物に粉末の活性炭1gを加え良く振り混ぜてからろ過を行った。このようにして淡黄色透明のオイル状生成物95gを回収した。
この生成物(P-1)をH−NMR及びIRにて分析した結果、下記の構造であることがわかった。
Figure 2010053218
〔式中、Rfは上記の通りである。〕
[合成例2](中間体の調製)
下記式の中間体(A-2):
Figure 2010053218
100g、トルエン100g、分子鎖両端がアリル基及びメチル基で停止された平均重合度3のポリエチレンオキシド102g、および白金/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液(白金として0.5%含有)0.8gを用い、合成例1と同様の操作を行い、下記構造の中間体(H-2)192gを得た。
Figure 2010053218
[実施例2]
合成例2にて得られた中間体(H-2)100gおよびビスジメチルアミノジメチルシラン6.9gを用いて実施例1と同様の操作を行い、下記構造の生成物(P-2)94gを得た。
Figure 2010053218
[比較例1]
合成例1にて用いた中間体(A-1)100g、トルエン100g、分子鎖両端がアリル基及びメチル基で停止された平均重合度3のポリエチレンオキシド79g、および白金/ビニルシロキサン錯体のトルエン溶液(白金として0.5%含有)0.8gを用いて合成例1と同様にして付加反応工程を行った。
ついで、得られた反応混合物を45℃に加温し、ここに1mol/LのNaOH水溶液3mlを加えた。1時間攪拌した後、1mol/Lの塩酸3.3mlを加えた。有機相を取り出し、105℃/10mmHgの条件にて揮発分を留去し、茶褐色のオイル状液体168gを得た。これに粉末の活性炭1.7gを加えてろ過を行い、淡褐色透明のオイル状生成物161gを回収した。この生成物(P-3)をH−NMR及びIRにて分析した結果、下記の構造であることがわかった。
Figure 2010053218
〔式中、Rfは上記の通りである。〕
・表面張力
合成例1〜2、実施例1〜2及び比較例1にて得られた生成物を有機溶媒〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)〕に溶液の0.1質量%又は1.0質量%の量で添加し、溶液の表面張力を測定した。その結果を下記表1に示す。
Figure 2010053218
表面張力を低下させる能力は、中間体をアミノシランと反応させることによって大きく増加することが確認された。従来のアルカリを用いる方法(比較例1)で得られた生成物と実施例1の生成物とは、表面張力を低下させる能力はほぼ同等である。
次に、実施例1〜2、及び比較例1の生成物について、ICP−MSを用いてアルカリ金属分析を行った。その結果を下記表2に示す。
Figure 2010053218
実施例1および実施例2の生成物ではアルカリ金属の濃度は低いが、水酸化ナトリウムを用いて合成された比較例1の生成物では濃度が高いことが分かる。

Claims (4)

  1. 一般式(1):
    Figure 2010053218

    〔式中、Rfは夫々独立して炭素原子数4〜14のパーフルオロアルキル基又は炭素原子数5〜14のパーフルオロポリエーテル基であり、R−Q−は、式:
    R−(−OR’)
    (ここで、Rはそれぞれ独立して水素原子、アリル基、炭素原子数1〜4のアルキル基及び炭素原子数2〜3のアシル基からなる群から選ばれる1価の炭化水素基又は原子であり、R’は夫々独立してエチレン基又はプロピレン基であり、lは1〜50の整数である。)
    で表される一価の基であり、Lは0又は1であり、nは1又は2であり、xは2又は3であり、zは3又は4であり、Meはメチル基を示す。〕
    で表される含フッ素有機ケイ素化合物。
  2. 一般式(1)中のQが、プロピレンオキシ基とエチレンオキシ基との共重合鎖である場合は、プロピレンオキシ基のアルキレンオキシ基全体に占める含有量が0〜50モル%の範囲である、請求項1記載の含フッ素有機ケイ素化合物。
  3. アルカリ金属の含有量が200ppb以下である請求項1又は2に記載の含フッ素有機ケイ素化合物。
  4. 一般式(2):
    Figure 2010053218

    〔式中、Rf、Q、R、Me、L、n及びxは請求項1に記載した意味を有する〕で表される化合物と、一般式(3):
    Figure 2010053218

    〔式中、R1及びR2は夫々炭素原子数1〜4のアルキル基であり、そしてaは0又は1、そしてMeはメチル基を示す〕で表わされるアミノシラン化合物とを反応させることを特徴とする、請求項1に記載の含フッ素有機ケイ素化合物の製造方法。
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