JP2010051864A - 亜鉛添加還元析出型銅触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素を製造するための還元析出型のCu触媒において、耐熱性や耐酸化性に優れた触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる水素を製造するための触媒はα相を有するAlを基材とし、Cu層と、Cu層の下側に、Zn酸化物、及びCuAl層、CuAlOとAlからなる群の中から選ばれた少なくとも1種を含有する複合層を少なくとも有する形態で構成された層を、前記基材表面上の凹部に一部没し、かつ、一部突出して又は/及び前記基材平面上に有し、前記複合層の下側の基材表面にZn及びAlを有する混合層とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明はメタノールを改質して水素を製造するための触媒とその製造方法に関する。
近来、エネルギーの有効利用の観点から、低温の熱源(300℃以下の排熱)を利用して水素を製造する試みがなされている。一般に、このような低温では水素源としてメタノールを用いた改質が行われるが、発明者らはジメチルエーテル(DME)を燃料とする新しい水素の製造技術に取り組んでいる。
これまでに、300℃以下、特に250℃を下回る温度でのDMEの改質に関する報告はほとんど例がなく(特許文献1)、材料開発が望まれている。このDMEの改質反応は、DMEの加水分解によるメタノールの生成反応と、メタノールの水蒸気改質による水素の生成反応の2つの反応により行われる。メタノールの生成反応に用いられる触媒はプロトン供与体である固体酸触媒である。そして、水素の生成反応は主としてCu系の改質触媒である。発明者らはこれまでに、酸化をしても粒子の凝集が起こらず、改質性能が低下しない熱的にも安定なCu系改質触媒の開発を行い、提案してきたが、更なる低温化が望まれる。
一方、低温で前記燃料を効率良く改質し水素を製造する材料として、Cu−Zn系の触媒が用いられている。この触媒は例えば比表面積の大きなγ−Al上に担持するなどして用いられる。実際に、このCu−Zn系の触媒は100m/gを超える触媒比表面積を持ち、250℃程度でメタノールをほぼ100%改質するため、有用である。
しかし、使用温度の適正な範囲を超えると(例えば350℃を超えるような温度域)、あるいは長時間の使用において、Cu粒子が成長してしまい活性が低下することが知られている。また、酸化に弱く、いったん大気に触れると発熱を伴う急激な酸化反応により粒子の凝集や合体を起こすこともよく知られている。したがって、これら触媒を扱うときは、実際に使用する環境下において使用直前に還元し、運転停止後も酸素の混入を防ぐ対策をとっておく必要がある。上記のように耐熱性と耐酸化性が問題である
特開2005−231964
こうした水素利用技術の向上および導入については、水素の安定的な供給が不可欠であるが、上述の水素利用技術を普遍的なエネルギーとして活用するには、水素製造技術のさらなる改善が必要である。しかしながら、従来の還元析出型銅触媒は、耐酸化性及び耐熱性が低く、触媒の不活化が課題となっていた。
そこで、本発明の目的は還元析出型のCu触媒において、耐熱性や耐酸化性に優れた触媒を得るためのZnの添加方法、担持形態とその触媒及びその製造方法を提供するものである
上記目的を達成するために、還元析出型銅触媒がα相を有するAlを基材とし、Cu層と、Cu層の下側に、Zn酸化物、及びCuAl層、CuAlOとAlからなる群の中から選ばれた少なくとも1種を含有する複合層を少なくとも有する形態で構成された層を、前記基材表面上の凹部に一部没し、かつ、一部突出して又は/及び前記基材平面上に有し、前記複合層の下側の基材表面にZn及びAlを有する混合層とを有することを特徴とする。
また、還元析出型銅触媒の製造方法において、酸化銅とγ相を有するAlを混合して混合物を得る工程と、前記混合物を焼成して焼結体を得る工程と、焼結体に亜鉛化合物を混合して亜鉛化合物混合焼結体を得る工程と、前記亜鉛化合物混合焼結体を乾燥及び焼成して亜鉛酸化物混合焼結体を得る工程と、亜鉛酸化物混合焼結体を還元雰囲気下で還元する工程とを具備することを特徴とする。
本発明の触媒を用いることで、メタノール(あるいは固体酸触媒と組み合わせてのジメチルエーテル)の低温排熱での改質が可能となり、エネルギーの有効利用が可能となる。
発明者らは特に耐熱性を向上させるために、亜鉛の添加方法に着目し、水素製造にかかる還元析出型銅触媒において種々の検討を行った。その結果、亜鉛酸化物を酸化銅とアルミナを焼成した焼結体に添加した後にCuを析出させることで、高活性で耐熱性及び耐酸化性に優れた還元析出型銅触媒を製造することを見出した。
還元析出型銅触媒の製造方法は、まず、酸化銅とγ相を有するアルミナの混合物からペレットを作成し、不活性ガス雰囲気下、大気中で焼成を行なう。不活性ガス雰囲気下で焼成すると少なくともCuAlO及びα−アルミナの焼結体が生成される。大気中で焼成すると少なくともCuAl及びα−アルミナの焼結体が生成される。この焼成の際の温度は850℃〜1300℃が好ましい。
焼成温度が低く過ぎるとCuAlOやCuAlが十分に生成しないため好ましくない。また焼成温度が高過ぎると粒成長を起こし、Cuが析出するべき表面積が減少する。特に1100〜1200℃が焼成速度の観点から好ましい。
酸化銅:アルミナの混合比は、特に限定はしないがCu:Alの原子数比で1:3〜1:1が好ましい。アルミナが多すぎると触媒体積あたりに十分なCuが含まれず最終的に出来上がる触媒の活性が低く、アルミナが多すぎると、Cuが残留してしまい、還元時に金属Cuの塊を精製してしまい、析出したCu微粒子を取り込んでしまう。
次に、酸化銅とγ相を有するアルミナを焼成して得られた焼結体に亜鉛化合物を混合させる。亜鉛の添加量はZn/Cu=1/500〜1/10が好ましい。亜鉛の添加比率がこれより少ないと、亜鉛添加による活性向上の効果が少ない。また、これより多いと活性向上よりも体積、重量増加による比表面積低下による負の効果が勝ってしまう。亜鉛化合物を混合する方法は例えば、粉体混合、粉体混合後圧縮形成型、含浸などの方法を採用することが可能で、その方法は特に限定されない。含浸させた場合は特に少ないZn量でも活性が向上する。そして、亜鉛化合物を焼結体に混合した後に焼成する。この焼成の温度は400℃から600℃が好ましい。
原料となるZn化合物が分解してZnOを生じる温度より高温であればよい。ただし、担体である酸化銅とγ相を有するアルミナを含有する混合物の焼成温度を超えるのは好ましくないため、この焼成の温度は400℃から600℃が好ましい。
次に亜鉛を混合した焼結体に含有されるCuAl、CuAlOを水素雰囲気下で還元してCuを析出し還元析出型銅触媒を製造する。還元の際の水素雰囲気にはアルゴンガスなどの不活性ガスが混入していても良い。CuAlの少なくとも一部を還元するのに必要な最低温度は350℃である。CuAlOを還元するのに必要な最低温度は600℃である。さらに650℃以上が好ましい。CuAlとCuAlOを両方含む場合の還元温度は600℃以上である。還元温度が900℃を超えるとZnが昇華してしまうため、これよりも低い温度でCuを還元させなくてはいけない。さらに、約800℃以上の温度では析出したCuの凝集が起こり易くなり好ましくなく、よって、700℃以下が好ましい。
Znは還元析出型銅触媒中の複数の層に存在している。析出したCu層に、CuO被膜層に、Cu層の下側の複合層にも含まれている。Cuの還元時にZnがCuと入れ替わるようにα−アルミナ中に浸透していくZnもある。Znは基材のα−アルミナの表面から5nm以上の深部にまで達しているZnもある。Znを含んだα−アルミナ層がα−アルミナの表面に存在している。
上記方法によって製造した還元析出型銅触媒は図1に示す構造を有する。触媒の基材となるα−アルミナ10、触媒能を有する析出したCuの層11、析出したCuが空気により酸化することで生成するCuO被膜層12、Zn酸化物及びCuAl、CuAlO、α−Alの中から選ばれた少なくとも1種以上を含む複合層13、浸透したZnを含有するα−アルミナ混合層14で構成されている。
本発明の方法によって製造した還元析出型銅触媒には、図1のように図1の中符号の11〜13の層が基材のα−アルミナ表面上の凹部に一部没し、かつ、一部突出した形態で有するものが含まれる。このような形態の場合、Cuが移動し難くなり活性が安定した触媒となる。なお、本発明の還元析出型銅触媒において、Cu粒子のすべてが図1のような形態ではなく、一部は基材の平面上に有するものも含まれる。
なお、この構造は、上記のほか、CuAl、CuAlOを焼成する際に、酸化銅とγ-アルミナに加えて、亜鉛化合物を混合しておく方法によっても得ることができる。ただし、このようにして加えたZnは、CuAl、CuAlO焼成時に、主に安定な(Cu,Zn)Alを生じ易い。(Cu,Zn)AlからCuを十分に還元析出させるには、850℃を超える温度が必要であり、析出したCuの凝集が進みやすいばかりでなく、同時にZnも還元され、かつZnの沸点が907℃であるために、還元処理中に亜鉛が徐々に気化し、失われてしまう問題がある。加えるZnがCuに対して5%以下であれば、(Cu,Zn)Alの生成は少なく、CuはZnの影響をあまり受けずに析出することができるが、それでも一部還元されきらないCuが残るほか、α-アルミナ層深部まで均一にZnが存在し、表面に析出したCuの活性に影響を及ぼさないZnが生じてしまうことから、資源の有効利用の点では好ましくない。
Cuは還元状態で触媒機能を発揮するが、使用することで、次第に酸化しCuO(1≦x≦2)に変化する。上記方法によって析出したCuは酸化してもCu−Zn系のようにCu粒子の凝集や合体が生じず、失活したままにならない。再度、還元雰囲気下でCuを還元すれば、Cu粒子の凝集や合体等が無いため、再活性化が可能である。
上記方法によって析出したCuは、酸化により活性が不可逆に低下するCu−Zn系のようなCu粒子の凝集や合体が生じにくい。再度、還元雰囲気下でCuを還元すれば、Cu粒子の凝集や合体等が殆どもしくは全く無いため、再活性化が可能である。
また、析出したCu粒子を150℃以上の温度で加熱酸化しても良い。このような加熱をすることで、CuがCuO(1≦x≦2)となり、体積が膨張する。そしてCu粒子の表面の表面状態が荒れ、触媒の比表面積が増える。加熱酸化により生じたCuOを再還元しても、比表面積は元に戻らないため、高活性、高比表面積のCu粒子とすることが可能である。加熱酸化の温度が150℃以下だと酸化が十分に進まず、体積膨張等の変化が少なく、比表面積はあまり増加しない。また、加熱酸化の温度が300℃を超えると、酸化が一気に進み、Cu粒子近傍の温度が急激に上昇し、Cu粒子の凝集が起こり易くなってしまい好ましくない。
以下、実施例により発明を詳細に説明する。ただし、実施例により発明が限定されるものではない。
(比較例1)
酸化銅30gと、γ-アルミナ粉末38.4gを秤量し、乳鉢でよく混合した後に、直径21mmの錠剤成型器を用いて、1枚約4.5gのペレット15枚を得た。これをアルゴン流通雰囲気で1150℃、2時間焼成して、焼結体Aを得た。XRD解析の結果、焼結体Aの組成はCuAlOとα−アルミナの混合物であった。焼結体Aのペレット2枚を、粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して亜鉛無添加の比較例1の触媒を得た。
(比較例2)
比較例1で得られた触媒を2.5g分取し、硝酸亜鉛六水和物0.43gを0.5gの水に溶かした水溶液を含浸させた。次いで、これを120℃で乾燥させた後に500℃で2時間焼成しCu/Zn=1/10の比較例2の触媒を得た。
(実施例1)
焼結体Aの別のペレット1枚に、Zn/Cu=1/100となるように硝酸亜鉛六水和物0.072gを0.8gの水に溶かした水溶液を含浸させて、120℃で乾燥させた後に500℃で2時間焼成した。得られたペレットを粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を2.5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して実施例1の触媒を得た。
(実施例2)
焼結体Aの別のペレット1枚に、Zn/Cu=1/500となるように硝酸亜鉛六水和物0.0144gを0.8gの水に溶かした水溶液を含浸させて、120℃で乾燥させた後に500℃で2時間焼成した。得られたペレットを粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を2.5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して実施例2の触媒を得た。
(実施例3)
焼結体Aの別のペレット1枚に、Zn/Cu=1/40となるように硝酸亜鉛六水和物0.18gを0.8gの水に溶かした水溶液を含浸させて、120℃で乾燥させた後に500℃で2時間焼成した。得られたペレットを粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を2.5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して実施例3の触媒を得た。
(実施例4)
焼結体Aの別のペレット1枚に、Zn/Cu=1/10となるように硝酸亜鉛六水和物0.72gを0.8gの水に溶かした水溶液を含浸させて、120℃で乾燥させた後に500℃で2時間焼成した。得られたペレットを粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を2.5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して実施例4の触媒を得た。
(実施例5)
焼結体Aのペレット1枚を粒径0.1mm以下まで粉砕し、これとZn/Cu=1/10となるように0.2gの酸化亜鉛粉末をよく混合して、直径21mmの錠剤成型器を用いて成型してペレットを得た。粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を2.5g調製した。これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して実施例5の触媒を得た。
(実施例6)
焼結体Aのペレット1枚を粒径0.1mm以下まで粉砕し、これとZn/Cu=1/40となるように0.05gの酸化亜鉛粉末をよく混合して、直径21mmの錠剤成型器を用いて成型してペレットを得た。粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を2.5g調製した。これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して実施例6の触媒を得た。
(実施例7)
焼結体Aの別のペレット1枚に、Zn/Cu=1/100となるように硝酸亜鉛六水和物0.072gを0.8gの水に溶かした水溶液を含浸させて、120℃で乾燥させた後に500℃で2時間焼成した。得られたペレットを粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を2.5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して触媒を得た。得られた触媒をさらに、空気気流中200℃で15分酸化処理を行って実施例7の触媒を得た。
なお、この酸化反応に伴い、触媒の温度は30℃ほど上昇した。
(比較例3)
酸化銅30gと、γ-アルミナ粉末38.4gとZn/Cu=1/10となるように酸化亜鉛3gを秤量し、乳鉢でよく混合した後に、直径21mmの錠剤成型器を用いて、1枚約4.5gのペレット15枚を得た。これをアルゴン流通雰囲気で1150℃、2時間焼成して、焼結体Bを得た。XRD解析の結果、焼結体Bの組成は主にCuAlOとα−アルミナの混合物であったが、(Cu,Zn)Alのピークが認められた。焼結体Bのペレット2枚を、粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して比較例3の触媒を得た。
(実施例8)
酸化銅30gと、γ-アルミナ粉末38.4gとZn/Cu=1/100となるように酸化亜鉛0.3gを秤量し、乳鉢でよく混合した後に、直径21mmの錠剤成型器を用いて、1枚約4.5gのペレット15枚を得た。これをアルゴン流通雰囲気で1150℃、2時間焼成して、焼結体Cを得た。XRD解析の結果、焼結体Cの組成はCuAlOとα−アルミナの混合物であった。焼結体Cのペレット2枚を、粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して実施例8の触媒を得た。
(比較例4)
酸化銅30gと、γ-アルミナ粉末38.4gを秤量し、乳鉢でよく混合した後に、直径21mmの錠剤成型器を用いて、1枚約4.5gのペレット15枚を得た。これを空気流通雰囲気で1150℃、2時間焼成して、焼結体Dを得た。XRD解析の結果、焼結体Dの組成はCuAlとCuAlOとα−アルミナの混合物であった。焼結体Dのペレット2枚を、粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して亜鉛無添加の比較例4の触媒を得た。
(実施例9)
焼結体Dの別のペレット1枚に、Zn/Cu=1/100となるように硝酸亜鉛六水和物0.072gを0.8gの水に溶かした水溶液を含浸させて、120℃で乾燥させた後に500℃で2時間焼成した。得られたペレットを粉砕・分級し、粒径0.355〜0.71mmの粒子を2.5g調製し、これを500ml/minの水素気流中700℃で5分間還元して実施例9の触媒を得た。
上記すべての比較例、実施例いずれも、還元後空気中に取り出しても特に大きな発熱は見られなかった。
評価試験は、各々の触媒2gを固定床流通式管型反応器に詰め、メタノール32gと水36gを混合した溶液を0.16ml/min、同伴ガスかつ内標として窒素ガスを50ml/minの流量で流し、225℃で反応させた。出口ガスは氷冷トラップで未反応の水とメタノールを除去した後、TCDにて分析した。投入したメタノール流量の何倍の水素が発生したかを活性の指標とした(転化率・選択率共に100%のときに3倍量発生)。
結果を表1にまとめて示す。
比較例2、3の触媒はいずれも、実施例や比較例1の触媒よりも活性が低く、これらの方法でのZn添加は活性向上には寄与しない。酸化銅とγ-アルミナを焼結する際の条件を変えた場合にも、比較例4よりも実施例9の活性が高く、実施例の方法によってZnを添加した触媒は水素への改質率が向上している。
実施例7の触媒においては、活性の指標である水素発生量/投入メタノール量は2.75と大きく上昇した。これは再度Cuの酸化を行っても活性の低下は無く、むしろ向上した。
実施例7の触媒をTEM−EDSで分析した結果を図2から5に示す。図3から5は分析点におけるEDS結果で、下向き矢印で表したピークがZnのピークである。図2の分析点1,2にZnは殆ど存在せず、分析点3,4に存在した。アルミナ中では表面よりも5nm以上深い位置でもZnが観察された。
本発明の還元析出型銅触媒の模式図 本発明の還元析出型銅触媒のTEM画像 図2中の分析点1におけるEDS分析結果 図2中の分析点2におけるEDS分析結果 図2中の分析点3におけるEDS分析結果 図2中の分析点4におけるEDS分析結果
符号の説明
10 基材となるα−アルミナ
11 析出したCu層
12 CuO被膜層
13 Zn酸化物、CuAlO,CuAl,α−Alの複合層
14 浸透したZnを含有するα−アルミナ混合層

Claims (9)

  1. α相を有するAlを基材とし、
    Cu層と、
    Cu層の下側に、Zn酸化物、及びCuAl層、CuAlOとAlからなる群の中から選ばれた少なくとも1種を含有する複合層を少なくとも有する形態で構成された層を、
    前記基材表面上の凹部に一部没し、かつ、一部突出して又は/及び前記基材平面上に有し、
    前記複合層の下側の基材表面にZn及びAlを有する混合層とを有することを特徴とする還元析出型銅触媒。
  2. 前記Cuの表面にCuOの被膜層が存在することを特徴とする請求項1に記載の還元析出型銅触媒。
  3. 前記混合層の厚さが5nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の還元析出型銅触媒。
  4. 前記Zn酸化物が前記Cu及びCuOに対し、金属元素のモル比でZn/Cu=1/500〜1/10の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の還元析出型銅触媒。
  5. 酸化銅とγ相を有するAlを混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物を焼成して焼結体を得る工程と、
    焼結体に亜鉛化合物を混合して亜鉛化合物混合焼結体を得る工程と、
    前記亜鉛化合物混合焼結体を乾燥及び焼成して亜鉛酸化物混合焼結体を得る工程と、
    亜鉛酸化物混合焼結体を還元雰囲気下で還元する工程とを具備することを特徴とする還元析出型銅触媒の製造方法。
  6. 前記Zn酸化物が前記Cu及びCuO(1≦x≦2)に対し、金属元素のモル比でZn/Cu=1/500〜1/10の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の還元析出型銅触媒の製造方法。
  7. 前記酸化銅を還元する工程において、その還元雰囲気が純水素ガス又は不活性ガスと純水素ガスとの混合ガスであり、そのガスの温度が350〜900℃であることを特徴とする請求項5に記載の還元析出型銅触媒の製造方法。
  8. 前記酸化銅を還元する工程における、前記還元雰囲気ガスの温度が600℃〜800℃であることを特徴とする請求項5に記載の還元析出型銅触媒の製造方法。
  9. 酸化銅を還元した後に150〜300℃の含酸素雰囲気下で酸化銅を酸化することを特徴とする請求項5に記載の還元析出型銅触媒の製造方法。
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