JP2000117107A - メタノール改質触媒の製造方法 - Google Patents
メタノール改質触媒の製造方法Info
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- Catalysts (AREA)
Abstract
たって使用可能な、高活性で、耐熱性が高く長寿命なメ
タノールの改質触媒の製造方法を提供する。 【解決手段】 銅化合物、亜鉛化合物及び水酸化アルミ
ニウムを使用し、アルカリ物質との混合により沈殿を生
じさせ、得られた沈殿物を焼成するとともに、その焼成
生成物を還元処理して、メタノール改質触媒を得る。
Description
触媒の製造方法に関するものであり、さらに詳細には、
メタノールを水蒸気(場合によっては水蒸気と空気等)
と反応させて水素を主成分とする改質ガスを製造する技
術において高活性、長寿命の触媒を製造する方法に関す
る。
に水素を主成分とするガスに改質されることは従来から
良く知られている。特に近年、メタノールの水蒸気改質
が、比較的小規模の燃料電池用の水素供給技術として注
目を集めている。メタノールの水蒸気改質反応は、下記
の式(イ)で表され、その素反応は、式(ロ)(ハ)で
表される。
は、特開平3−52643や特開平5−305234等
に示されるように、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、アル
ミニウム等の酸化物系の沈殿触媒が提案されてきてい
る。これらの手法においてアルミニウム原料としては、
主として硝酸アルミニウムが採用されており、これが触
媒生成上好ましいとされている。
サ等の水蒸気改質に比べて、脱硫工程や一酸化炭素変成
工程等の付帯設備を必要としないメタノールの水蒸気改
質が、自動車をはじめとする移動用や比較的小規模な定
置用の燃料電池用水素供給技術として大きく注目されて
いる。これらの用途では、負荷変動への対応や長期耐久
性が要求されるため、触媒の耐熱性と耐久性の向上が必
要不可欠となっている。ここで、従来の共沈法により製
造されたメタノール改質触媒は、耐熱性に問題があり、
長時間使用すると触媒活性が連続的に低下する。この欠
点は、特に反応温度が300℃程度以上の条件下で顕著
であり、このような温度における触媒の耐久性は、非常
に低い。特に、後にも実験結果に基づいて示すように、
アルミニウム源を硝酸アルミニウムに求めたものにあっ
ては、この問題が顕著である。また、メタノールの水蒸
気改質を部分燃焼と組み合わせた反応では、さらに反応
温度が高くなることがあるため、300〜400℃程度
の使用温度のおいても長期耐久性を有する触媒の開発が
必要である。そこで、本発明は、300℃以上の反応条
件においても長期にわたって使用可能な、高活性でかつ
耐熱性が高く長寿命な、メタノールの改質触媒の製造方
法を提供することを目的とする。
の本発明によるメタノール改質触媒の製造方法の特徴手
段は、請求項1に記載されているように、銅化合物、亜
鉛化合物及び水酸化アルミニウムを使用し、アルカリ物
質との混合により、攪拌等の混合操作により沈殿を生じ
させる。ついで、生成した沈殿を分離し、これを焼成す
る。このようにすることで、銅−亜鉛−アルミニウム系
のメタノール改質触媒を得る。この場合、請求項2に記
載されているように、焼成を300〜650℃の範囲内
の焼成温度条件下におこなうことが好ましい。
用するのであるが、アルミニウム源としては、従来のよ
うに硝酸アルミニウムを採用することなく、水酸化アル
ミニウムを使用する。そして、従来と同様に銅・亜鉛・
アルミニウムの共沈物を得て、これを焼成することによ
り、所定の触媒を得る。このように、アルミニウム源と
して通常、塩として用いられる硝酸アルミニウムではな
く水酸化アルミニウムを用いると、銅が均等分散するこ
とで、シンタリングが発生しにくく、耐熱性、耐久性の
向上が図れるものと考えられる。さらに、焼成温度に関
しては、その温度が、300℃より低いと、焼成が充分
でなく、耐熱、耐久性の点で劣りやすく、650℃より
高いと過度に焼成が進みすぎ、好ましくない。
載されているように、銅、亜鉛、アルミニウムの原子比
を1:0.3〜10:0.05〜2とすることが好まし
い。ここで、亜鉛量が少なすぎると、銅のシンタリング
を効果的に防止することができにくく、亜鉛量が多すぎ
ると、メタノール改質触媒としての性能が劣ることとな
りやすい。一方、アルミニウム量が少なすぎる場合は、
Cu−ZnO構造を安定化することができず、アルミニ
ウム量が多すぎる場合は、亜鉛量の場合と同様に、メタ
ノール改質触媒としての性能が劣ることとなりやすい。
は、請求項4に記載されているように、150℃以上、
300℃未満で水素還元を行うことが好ましく、さらに
は、請求項5に記載されているように、不活性ガスにて
水素濃度を6%以下とした希釈水素ガスを使用して、水
素還元をおこなうことが好ましい。発熱反応である水素
還元処理において、銅は融点が低いため、熱により粒径
が増大し、表面積が減少しやすく、また、過度の熱によ
り細孔構造が微妙に変化して、結果的に、メタノール改
質触媒としての特性が大きく変化する。従って、混合酸
化物の水素還元に際しては、発熱反応である酸化銅の水
素還元を温和な条件下で進行させることが好ましく、上
記のような温度範囲、水素濃度を選択することで、温和
な条件下で、還元をおこなうことができる。ただし、本
発明により製造されたメタノール改質触媒は、従来の触
媒に比べて耐久性に優れているため、還元時の発熱によ
るダメージにも強く、従来程注意深く還元処理を行う必
要がないのも本出願の利点である。
ニウム系メタノール改質触媒(銅、亜鉛、アルミニウム
の酸化物を主成分とするメタノール改質触媒)の製造方
法は、例えば、下記に示すような方法により実施でき
る。銅化合物(例えば、硝酸銅、酢酸銅等)及び亜鉛化
合物(例えば、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛等)を含む水溶液に
水酸化アルミニウムを加えた混合液を、約60℃に温度
を保ったアルカリ物質(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等)の水溶液に攪拌しながら、滴下して沈殿を
生成する。この際、沈殿を生成するための混合液を加え
る順序を逆にして、アルカリ物質の溶液に、銅、亜鉛及
びアルミニウム化合物を加えてもよい。また、水酸化ア
ルミニウムはアルカリ物質の溶液に加えておいて、ここ
に銅化合物及び亜鉛化合物を含む水溶液を混合して沈殿
を生成してもよい。
た後、濾過し、乾燥する。次に、これを300〜650
℃の範囲内の温度で焼成し、酸化銅−酸化亜鉛−酸化ア
ルミニウムの焼結体を得る。得られた焼結体は、必要に
応じて助剤(例えば、グラファイト等)を加えた後、例
えば、タブレット、押し出し成形物等の形状に成形す
る。この焼成温度範囲は、350〜550℃の範囲内が
さらに好ましい。
酸化アルミニウムの配合比は、金属原子の原子比で、
銅:亜鉛:アルミニウム=1:0.3〜10:0.05
〜2、より好ましくは1:0.6〜3:0.3〜1程度
とすることが好ましい。
た混合酸化物を水素還元に付す。水素還元において、銅
は融点が低いため、熱により粒径が増大し、表面積が減
少しやすく、また、過度の熱により細孔構造が微妙に変
化して、結果的に、メタノール改質触媒としての特性が
大きく変化する。従って、混合酸化物の水素還元に際し
ては、発熱反応である酸化銅の水素還元を温和な条件下
で進行させることが好ましく、例えば、水素含有量6%
以下、より好ましくは、0.5〜4容量%程度となるよ
うに、反応に関与しないガス(例えば、窒素ガス、アル
ゴンガス、メタンガス等)により希釈された水素ガスの
存在下に、150〜300℃程度の温度に維持しつつ還
元処理する方法が好適である。特に反応に関与しないガ
スとしては、窒素ガス等の不活性ガスが好適に使用でき
る。
ウム系メタノール改質触媒は、微粒子の凝集体からなる
緻密な構造をしており、非常に小さい銅粒子が、酸化亜
鉛粒子表面に均一に分散しているとともに、酸化亜鉛と
の化学的な相互作用により高活性状態になっている。一
方、酸化アルミニウムは全体に分布し、熱による銅粒
子、酸化亜鉛粒子のシンタリングを防いで高活性な状態
を保持している。従って、これらのメタノール改質触媒
を使用する場合には、300℃以上の比較的高い温度範
囲で、且つ高いLHSV条件下においても高い触媒活性
を長時間維持することが可能となる。
ル改質触媒を作成した実施例及び従来手法に従った比較
例とを、その製法、特性の順に説明する。 1 メタノール改質触媒の作成 (実施例1)炭酸ナトリウム水溶液に水酸化アルミニウ
ムを加えて60℃に保ちながら、硝酸銅、硝酸亜鉛を含
有する混合水溶液を攪拌しながら徐々に滴下し沈殿を生
成する。その後、沈殿を、充分に洗浄した後、濾過し、
乾燥する。次に、これを550℃の温度で3時間焼成
し、モル比で1:1:0.2の酸化銅−酸化亜鉛−酸化
アルミニウムを含む触媒1を得た。 (実施例2)炭酸ナトリウム水溶液に水酸化アルミニウ
ムを加えて60℃に保ちながら、硝酸銅、硝酸亜鉛を含
有する混合水溶液を攪拌しあながら徐々に滴下し沈殿を
生成する。その後、沈殿を、充分に洗浄した後、濾過
し、乾燥する。次に、これを550℃の温度で3時間焼
成し、モル比で1:2:0.5の酸化銅−酸化亜鉛−酸
化アルミニウムを含む触媒2を得た。 (実施例3)実施例1の場合と比較して、沈殿物の焼成
温度のみを450℃として触媒3を得た。 (実施例4)実施例1の場合と比較して、沈殿物の焼成
温度のみを350℃として触媒4を得た。
ルミニウムをモル比1:1:0.2の割合で含有する混
合水溶液を、約60℃に保った炭酸ナトリウム水溶液に
攪拌しながら滴下し、沈殿を生成させる。その後、沈殿
を、充分に洗浄した後、濾過し、乾燥する。次に、これ
を550℃の温度で3時間焼成し、比較触媒1を得た。
ぞれ7.6cc用い、水素2容量%を含む窒素ガスを流
通させ、温度250℃でそれぞれ触媒を還元した後、S
/C(スチーム/メタノールのモル比)=2である原料
ガスを、LHSV(メタノールの供給速度(Liquid,Howl
y,space,velocity))=5h-1、反応圧力が常圧である条
件で触媒層に流通させメタノールの水蒸気改質反応を行
った。得られた各触媒に関する300℃、350℃、4
00℃での触媒活性(メタノール転化率、1−〔CH3
OH〕/(〔CO2〕+〔CO〕+〔CH3OH〕)、こ
こで〔 〕は反応後のガスの中の各成分濃度を示す)を
表1に示す。
較触媒に比べて高いメタノール転化率を示すことが判っ
た。
ぞれ7.6cc用い、水素2容量%を含む窒素ガスを流
通させ、温度250℃でそれぞれ触媒を還元した後、S
/C(スチーム/メタノールのモル比)=2である原料
ガスを、LHSV(メタノールの供給速度)=5h-1、
反応圧力が常圧である条件で触媒層に流通させメタノー
ルの水蒸気改質反応を行った。反応温度を400℃と
し、耐久試験を行った。結果を表2と図1に示した。同
表において、時間はHrを、転化率は%を示している。
ノール転化率を示している。結果、本願が対象とする触
媒1〜4において、転化率の劣化が認められないのに対
して、アルミ源を硝酸アルミニウムとする比較触媒1の
劣化が著しい。
高活性なメタノール改質触媒を得ることができるので、
高い反応温度で且つ高いLHSV(メタノール供給速
度)条件下においても高活性・長寿命を有する触媒を提
供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 共沈法によって銅−亜鉛−アルミニウム
系のメタノール改質触媒を製造する方法において、銅化
合物、亜鉛化合物及び水酸化アルミニウムを使用し、ア
ルカリ物質との混合により沈殿を生じさせ、得られた沈
殿物を焼成することを特徴とするメタノール改質触媒の
製造方法。 - 【請求項2】 前記焼成を300〜650℃の範囲内の
焼成温度条件下でおこなう請求項1記載のメタノール改
質触媒の製造方法。 - 【請求項3】 銅、亜鉛、アルミニウムの配合比を、金
属元素の原子比で1:0.3〜10:0.05〜2とす
る請求項1又は2記載のメタノール改質触媒の製造方
法。 - 【請求項4】 前記焼成により得られた焼成処理物を、
150℃以上、300℃未満で水素還元する請求項1記
載のメタノール改質触媒の製造方法。 - 【請求項5】 前記焼成により得られた焼成処理物を、
不活性ガスにて水素濃度を6%以下とした希釈水素ガス
を使用して、水素還元する請求項1記載のメタノール改
質触媒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10297807A JP2000117107A (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | メタノール改質触媒の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10297807A JP2000117107A (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | メタノール改質触媒の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000117107A true JP2000117107A (ja) | 2000-04-25 |
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ID=17851433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10297807A Pending JP2000117107A (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | メタノール改質触媒の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000117107A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001078892A1 (fr) * | 2000-04-19 | 2001-10-25 | Osaka Gas Co., Ltd. | Technique de preparation de catalyseur destine a la conversion du methanol |
JP2003088762A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ハニカム型メタノール改質触媒の製造方法 |
JP2005154267A (ja) * | 2003-11-22 | 2005-06-16 | Haldor Topsoe As | 水素および合成ガスの製造方法 |
CN112169802A (zh) * | 2020-09-30 | 2021-01-05 | 合肥工业大学 | 适用于aws反应的改性铜锌铝催化剂及其制法和应用 |
-
1998
- 1998-10-20 JP JP10297807A patent/JP2000117107A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001078892A1 (fr) * | 2000-04-19 | 2001-10-25 | Osaka Gas Co., Ltd. | Technique de preparation de catalyseur destine a la conversion du methanol |
US6844292B1 (en) | 2000-04-19 | 2005-01-18 | Osaka Gas Co., Ltd. | Method for preparing catalyst for reforming methanol |
JP2003088762A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ハニカム型メタノール改質触媒の製造方法 |
JP2005154267A (ja) * | 2003-11-22 | 2005-06-16 | Haldor Topsoe As | 水素および合成ガスの製造方法 |
CN112169802A (zh) * | 2020-09-30 | 2021-01-05 | 合肥工业大学 | 适用于aws反应的改性铜锌铝催化剂及其制法和应用 |
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