JP2010050304A - 発光装置、電子機器および発光装置の駆動方法 - Google Patents

発光装置、電子機器および発光装置の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光素子を駆動する回路で消費される電力を簡素な構成で低減する。
【解決手段】駆動トランジスタの第2電極(例えばソース)には発光素子の陽極が接続される。電源電圧VELは、駆動トランジスタの第1電極(例えばドレイン)と発光素子の陰極間に印加される。電源電圧VELの電圧値を徐々に増加(または徐々に減少)させながら、駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの発光素子の発光量を検出し、発光量の時間変化率が変化した時点における電源電圧VELの電圧値を特定する。特定した電圧値を電源回路で生成する電源電圧VELの電圧値に設定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、有機EL(Electroluminescent)素子などの発光素子を備えた発光装置、電子機器および発光装置の駆動方法に関する。
有機EL素子の発光時の端子間電圧は経時劣化や温度によって変化する。例えば特許文献1には、直列に接続された電気光学素子(有機発光ダイオード素子)と駆動回路の両端に印加する電源電圧VDDを最小限に抑える電気光学装置が記載されている。この電気光学装置は、電気光学素子の素子電圧(端子間電圧)VELを直接測定する測定回路(A/D変換器)を備え、測定回路で測定した素子電圧VELと、駆動回路内の駆動トランジスタがゲート電圧に応じた駆動電流を適正に生成するために必要な電圧VDR0とに基づいて、電源電圧VDDを設定する。
特開2008−003456号公報
しかしながら、特許文献1に記載された電気光学装置では、電気光学素子の素子電圧VELを直接測定するため単位回路内に測定回路(A/D変換器)を設ける必要がある。このため回路構成が複雑になる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、発光素子を駆動する回路で消費される電力を簡素な構成で低減可能な発光装置、電子機器および発光装置の駆動方法を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するため、本発明に係る発光装置は、第1電極、第2電極および制御電極を有し、飽和領域で動作している場合に、前記制御電極に供給される電位に応じて前記第1電極−前記第2電極間に流れる駆動電流の電流量を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタの第2電極に陽極が接続され、前記駆動電流に応じた発光量で発光する発光素子と、入射される光量に応じたレベルの検出信号を出力する受光素子と、前記駆動トランジスタの第1電極と前記発光素子の陰極間に印加する電源電圧を生成する電源回路と、前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記電源電圧の電圧値を増加または減少させながら、前記駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出し、検出した発光量の時間変化率が変化した時点における前記電源電圧の電圧値を特定し、前記特定した電圧値を前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定することを特徴とする。
この構成によれば、電源電圧を、駆動トランジスタが飽和領域で動作し得る必要最低限の電圧値に設定することができる。したがって、駆動トランジスタで消費される電力を低減することができる。また、駆動トランジスタの消費電力を減らすことで発光装置内の発熱を減らすことができるから、熱による発光素子の劣化や特性変動を抑えることもできる。また、特許文献1に記載された電気光学装置では、電気光学素子の端子間電圧を直接測定するため単位回路内に測定回路(A/D変換器)を設けなければならないが、本発明では受光素子を設ければよいだけである。このため回路構成も簡素化でき製造が容易である。よって、発光素子を駆動する回路で消費される電力を簡素な構成で低減できる。
なお、駆動トランジスタをNチャネル型で構成した場合、第1電極はドレイン、第2電極はソース、制御電極はゲートで構成される。また、駆動トランジスタをPチャネル型で構成してもよい。この場合は、第1電極はソース、第2電極はドレイン、制御電極はゲートで構成することができる。さらに、駆動電流の電流量を一定に保つように、電源電圧の電圧値の変化に応じて制御電極に供給する電位を変化させることが好ましい。
また、「検出した発光量の時間変化率が変化した時点」とは、検出した発光量の微分値が変化した時点(つまり、発光量の変曲点)である。
また、上述した発光装置において、前記駆動トランジスタを飽和領域で動作させつつ、前記駆動トランジスタの制御電極に基準電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出する検出手段と、前記検出手段が検出した発光量に基づいて前記駆動トランジスタの制御電極に供給する電位を補正する補正手段とを備え、前記制御手段は、前記所定の電位の代わりに、前記所定の電位を前記補正手段によって補正して得られる電位を前記駆動トランジスタの制御電極に供給する構成であってもよい。
この場合、補正手段による補正後の電位を用いるので、駆動トランジスタが飽和領域で動作し得る必要最低限の電源電圧を正確に特定できる。
また、上述した発光装置において、前記制御手段は、前記特定した電圧値より所定値だけ大きな電圧値を、前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定する構成であってもよい。
この場合、電源電圧の変動などを見込んで電源電圧にマージンを持たせることができる。
また、上述した発光装置において、前記駆動トランジスタと前記発光素子とを有する単位回路を複数備え、前記制御手段は、前記単位回路ごとに、前記電源電圧の電圧値を増加または減少させながら、前記駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出し、検出した発光量の時間変化率が変化した時点における前記電源電圧の電圧値を特定し、前記特定した複数の電圧値のうち最も大きい電圧値を、前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定する構成であってもよい。
この場合、複数の単位回路のうち、駆動トランジスタの特性バラツキを含め、発光素子の特性変動が最も大きい単位回路にあわせて電源電圧の電圧値を設定できる。
また、上述した発光装置において、前記駆動トランジスタと前記発光素子とを各々有する複数の単位回路と、前記単位回路ごとに、前記駆動トランジスタを飽和領域で動作させつつ、前記駆動トランジスタの制御電極に基準電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出する検出手段と、前記検出手段が検出した複数の発光量の各々を比較し、発光量が最も少ない前記単位回路を選択する選択手段とを備え、前記制御手段は、前記選択手段が選択した前記単位回路について、前記電源電圧の電圧値を増加または減少させながら、前記駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出し、検出した発光量の時間変化率が変化した時点における前記電源電圧の電圧値を特定し、前記特定した電圧値を前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定する構成であってもよい。
この場合、発光量が最も少ない単位回路、すなわち最も劣化が進んでいる発光素子を有する単位回路についてのみ処理を行えばよいから、処理負荷を軽減すると共に処理時間も短縮できる。
また、本発明に係る発光装置は各種の電子機器に利用される。本発明に係る電子機器の典型例は、上述したいずれかの発光装置を感光体ドラムなどの像担持体の露光に利用した電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置は、露光によって潜像が形成される像担持体(例えば感光体ドラム)と、像担持体を露光する本発明の発光装置と、像担持体の潜像に対する現像剤(例えばトナー)の付加によって顕像を形成する現像器を含む。
もっとも、本発明に係る発光装置の用途は像担持体の露光に限定されない。例えば、スキャナなどの画像読取装置においては、本発明に係る発光装置を原稿の照明に利用することが可能である。画像読取装置は、上述したいずれかの発光装置と、発光装置から出射して読取対象(原稿)で反射した光を電気信号に変換する受光装置(例えば、CCD:Charge Coupled Deviceなどの受光素子)を備える。さらに、発光素子をマトリクス状に配列させた発光装置は、パーソナルコンピュータや携帯電話機など、各種電子機器の表示装置としても利用される。
また、本発明に係る発光装置の駆動方法は、第1電極、第2電極および制御電極を有し、飽和領域で動作している場合に、前記制御電極に供給される電位に応じて前記第1電極−前記第2電極間に流れる駆動電流の電流量を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタの第2電極に陽極が接続され、前記駆動電流に応じた発光量で発光する発光素子と、入射される光量に応じたレベルの検出信号を出力する受光素子と、前記駆動トランジスタの第1電極と前記発光素子の陰極間に印加する電源電圧を生成する電源回路とを備えた発光装置の駆動方法であって、前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値を増加または減少させながら、前記駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出し、検出した発光量の時間変化率が変化した時点における前記電源電圧の電圧値を特定し、前記特定した電圧値を前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定することを特徴とする。
<A.実施形態>
図1は、本実施形態に係る発光装置10を適用した画像形成装置の部分的な構造を示す斜視図である。
画像形成装置は、発光装置10と、集束性レンズアレイ11と、感光体ドラム12を有する。発光装置10は、X方向(主走査方向)に沿って発光素子Eと受光素子Rが多数形成された長尺状のガラス基板13を有する。感光体ドラム12は、X方向の回転軸に支持された円柱体であり、外周面をガラス基板13に対向させた状態で回転する。ガラス基板13と感光体ドラム12との間に配置された集束性レンズアレイ11は、各発光素子Eからの出射光を感光体ドラム12の外周面に結像させる。以上の露光によって感光体ドラム12の外周面には所望の画像に応じた潜像(静電潜像)が形成される。
図2は、発光装置10の電気的な構成を示すブロック図である。
発光装置10は、露光ヘッド100と、制御回路200と、電源回路300と、ドライバ400と、A/Dコンバータ500を備える。露光ヘッド100内のガラス基板13には、TFT制御回路102と駆動回路104が形成される。また、ガラス基板13には複数の単位回路Uが形成される。各単位回路Uは、画素回路Gと発光素子Eと受光素子Rを含む。画素回路Gは、発光素子Eを駆動するための回路であって複数の薄膜トランジスタを有する。発光素子Eは、相互に対向する陽極と陰極との間に有機EL材料の発光層を介在させた有機EL素子である。受光素子Rは、例えばPN型やPIN型のダイオード、フォトダイオード、フォトトランジスタなどである。各単位回路Uの受光素子Rは、当該単位回路U内の発光素子Eからの出射光を受光し、受光量に応じた電流値または電圧値を検出信号として出力する。受光素子Rから出力された検出信号は、A/Dコンバータ500でアナログ信号からデジタル信号に変換され、制御回路200に出力される。
制御回路200内の電源電圧制御部210は、電源回路300が生成する電源電圧VELの電圧値を制御する。より具体的には、電源電圧制御部210は、電源回路300が生成する電源電圧VELを、予め定められた最小値Vminから最大値Vmaxまでの間の任意の電圧値に設定することができる。また、電源電圧制御部210は電源電圧格納RAM210aを備える。
電源回路300は、電源電圧制御部210から指示された電圧値の電源電圧VELを生成する。電源回路300が生成した電源電圧VELは露光ヘッド100に供給される。
制御回路200には外部から画像データが供給される。画像データは、画像形成装置が形成すべき画像の各画素の階調を指定するデータである。これはすなわち、各発光素子Eの発光パワーを指定するデータである。制御回路200内のバラツキ補正部220は、各発光素子Eの発光パワー(光量)を補正する。さらに詳述すると、バラツキ補正部220は、各受光素子Rから供給される検出信号に応じて発光素子Eごとに補正値を決定し、決定した補正値を用いて画像データを補正する。補正後の画像データはドライバ400に出力される。なお、各発光素子Eの補正値は、例えば全ての画素について同一の階調を指定する画像データが供給された場合に、各発光素子Eの発光パワーが均一化されるように設定される。また、バラツキ補正部220は、発光パワー格納RAM220aとバラツキ補正演算器220bを備える。
なお、露光ヘッド100の工場出荷時には、まず、各受光素子Rではなく外部測定装置を用いて各発光素子Eの発光パワー(光量)を補正し、各発光素子Eの発光パワーを均一化する。この光量補正後に同一の発光パワーで各発光素子Eを順次発光させ、その発光パワーを対応する受光素子Rを用いて測定する。この場合、各受光素子Rから出力される検出信号の大きさは全て同じでなければならない。したがって、各検出信号の大きさが同じになるように各受光素子Rの検出信号の値を補正することで、各受光素子Rについてもキャリブレーションが可能になる。
以上のような各発光素子Eの光量補正と各受光素子Rのキャリブレーションを工場出荷時に行うことで、各受光素子Rについて、対応する発光素子Eからの距離や受光面積などを厳密に同一に保つ必要がなくなる。つまり、各受光素子Rには繰り返して測定する場合の測定精度の安定性は求められるが、各受光素子Rの形成において絶対的な精度は必要とされない。
ドライバ400は、バラツキ補正部220から供給される補正後の画像データに基づいて、各発光素子Eの発光パワーを指定する発光制御データを生成する。ドライバ400で生成された発光制御データは、露光ヘッド100内のTFT制御回路102に供給される。TFT制御回路102は、発光制御データを駆動回路104内の各画素回路Gに分配する。また、画像形成装置内には、画像形成装置内の温度を検出する温度センサ600や、印刷枚数をカウントする印刷枚数カウンタ650が設けられている。制御回路200には、温度センサ600によって検出された温度データや、印刷枚数カウンタ650による印刷枚数のカウント値が供給される。
図3は、単位回路Uの回路図である。
単位回路Uは、選択トランジスタTsと駆動トランジスタTdを含む画素回路Gと、発光素子Eと、受光素子Rを有する。電源回路300から供給される電源電圧VELは、駆動トランジスタTdのドレインと発光素子Eの陰極間に印加される。選択トランジスタTsは、Nチャネル型の薄膜トランジスタであり、ゲートには選択信号SELが供給される。選択信号SELがHiレベルになると、選択トランジスタTsがオン状態になる。これにより1画素分の発光制御データ、すなわち、この単位回路U内に含まれる1つの発光素子Eの発光パワーを指定する電位Vaが駆動トランジスタTdのゲートに供給される。駆動トランジスタTdは、Nチャネル型の薄膜トランジスタであり、ゲートの電位に応じてドレイン−ソース間に流れる駆動電流Idの電流量を制御する。なお、駆動電流Idの電流量をゲートの電位に応じて定めるためには、駆動トランジスタTdを飽和領域で動作させる必要がある。発光素子Eは駆動電流Idの電流量に応じた発光パワーで発光し、この発光パワーが受光素子Rによって検出される。
次に、発光装置10の動作を説明する。
まず、バラツキ補正部220で行われるバラツキ補正処理について説明する。
発光素子E(有機EL素子)は、その駆動に伴って発光パワーが徐々に低下する。また、画像データによって各発光素子Eの使用頻度が異なるため、発光パワーの低下量は発光素子Eごとに異なる。つまり、露光ヘッド100の使用に応じて、各発光素子Eの絶対的な発光パワーが低下すると共に、発光素子E間での相対的な発光パワーにも差が生じる。前者は印刷される画像の全体的な濃度に影響し、後者は筋むらとなって現れる。このような濃度低下と筋むらの問題を解消するためにバラツキ補正処理が行われる。
また、バラツキ補正処理を行うための前処理として発光パワー取得処理が実行される。発光パワー取得処理は、例えば、画像形成装置の電源が投入されたときや、画像形成装置(あるいは発光装置10)の動作時間が予め定められた時間を超えるたび、あるいは温度センサ600によって検出された温度が規定温度を超えた場合や、印刷枚数カウンタ650によるカウント値を監視して所定枚数印刷したことを検出するたびに実行される。
発光パワー取得処理が開始されると、まず、バラツキ補正部220は、駆動トランジスタTdを必ず飽和領域で動作させるため、例えば電源電圧VELを最大値Vmaxとするよう電源電圧制御部210を介して電源回路300に指示する。この指示に応じて電源回路300は、電圧値が最大値Vmaxとなる電源電圧VELを生成し、露光ヘッド100に供給する。これにより各単位回路Uにおいて駆動トランジスタTdのドレインと発光素子Eの陰極間には最大値Vmaxが印加される。したがって、発光パワー取得処理が行われている間、各駆動トランジスタTdは必ず飽和領域で動作する。なお、発光パワー取得処理を行っている間の電源電圧VELは、駆動トランジスタTdが飽和領域で動作する電圧値であればよく、最大値Vmaxに限定されない。
次いで、バラツキ補正部220は、予め定められた基準電位VREFを用いて発光素子Eを1つずつ順番に発光させ、その発光パワーを測定する。つまり、バラツキ補正部220は、単位回路Uごとに、駆動トランジスタTdのゲートに基準電位VREFを供給して発光素子Eを発光させる。また、バラツキ補正部220は、発光素子Eの発光パワーを受光素子Rを用いて検出し、A/Dコンバータ500を介して取得する。このようにして得られた発光素子Eごとの発光パワー(光量)が発光パワー格納RAM220aに格納される。以上が発光パワー取得処理である。
次にバラツキ補正処理では、発光パワー格納RAM220aに格納されたデータを用いて各発光素子Eの発光パワーを補正する。バラツキ補正処理は、制御回路200に対して画像データが供給されるごとに行われる。バラツキ補正部220(バラツキ補正演算器220b)は、発光パワー格納RAM220aに格納されたデータから、発光素子Eごとの補正値を算出する。発光パワー格納RAM220aに格納された発光素子Eごとの発光パワーは、いずれも駆動トランジスタTdのゲートに基準電位VREFを供給したときの発光パワーであるから、その大きさにより各発光素子Eの劣化の程度や、発光素子E間での相対的な発光パワーの差が把握できる。また、例えば発光パワーの値が取り得る数値範囲を複数に区分し、各区分ごとに補正値を定めた補正値テーブルを参照することで、発光素子Eごとの補正値を求めることができる。
また、バラツキ補正部220には、温度センサ600によって検出された温度データや、印刷枚数カウンタ650によるカウント値が供給されている。したがって、バラツキ補正部220は、例えば、発光パワー取得処理を行ったときとの温度差や、発光パワー取得処理を終えてからの印刷枚数をさらに加味することで、発光素子Eごとの補正値をより正確に算出することができる。また、例えばハガキやOHPシートに対して印刷を行う場合は、普通紙に対して印刷を行う場合に比べ、紙送り速度を遅くし、各発光素子Eの発光パワーも減らす必要がある。したがって、バラツキ補正部220では、このような印刷モードの違い(印刷する記録材の違い)も加味して発光素子Eごとの補正値を算出する構成であってもよい。
いずれにせよバラツキ補正部220は、このようにして求めた発光素子Eごとの補正値を用いて、外部から供給された画像データを補正する。したがって、各駆動トランジスTdのゲートに供給される電位Vaは、補正後の画像データに基づいて生成されることになる。
次に、電源電圧制御部210で行われる電源電圧制御処理について説明する。
電源電圧制御処理は、電源電圧VELを、各駆動トランジスタTdが飽和領域で動作し得る必要最低限の電圧値に設定する処理であり、例えば上述した発光パワー取得処理を終えた後に実行される。すなわち電源電圧制御処理は、画像形成装置の電源が投入されたときや、画像形成装置(あるいは発光装置10)の動作時間が予め定められた時間を超えるたび、あるいは温度センサ600によって検出された温度が規定温度を超えた場合や、印刷枚数カウンタ650によるカウント値を監視して所定枚数印刷したことを検出するたびに実行される。
図4は、電源電圧制御処理の流れを示すフローチャートである。
なお、同図には1つの単位回路Uに対して行われる電源電圧制御処理の一部分のみを示している。電源電圧制御処理が開始されると電源電圧制御部210は、図4に示す処理を単位回路Uごとに実行する。例えば単位回路UがN個ある場合は、図4に示す処理が計N回行われることになる。
また、以下の動作説明では、ある1つの単位回路Uに対して行われる電源電圧制御処理をメインに説明を行うが、説明の便宜上、処理対象としている単位回路Uと、この単位回路Uに含まれる構成要素に添字として“1”を付与する。すなわち、単位回路U1は、選択トランジスタTs1と駆動トランジスタTd1を含む画素回路G1と、発光素子E1と、受光素子R1を有する。このように以下の動作説明において添字の“1”は、単位回路U1に含まれる構成要素であることを示す。
図4に示すように、まず、電源電圧制御部210は、電源電圧VELを最小値Vminとするよう電源回路300に指示する(ステップS101)。この指示に応じて電源回路300は、電圧値が最小値Vminとなる電源電圧VELを生成し、露光ヘッド100に供給する。これにより単位回路U1を含め全ての単位回路Uにおいて、駆動トランジスタTdのドレインと発光素子Eの陰極間に最小値Vminが印加される。
次いで、電源電圧制御部210は、バラツキ補正部220に対し、発光素子E1の補正値を算出するよう指示する。この指示に応じてバラツキ補正部220は、発光パワー格納RAM220aに格納されているデータを用いて発光素子E1の補正値を算出する。なお、発光パワー格納RAM220aには、電源電圧制御処理を実行する直前に行われた発光パワー取得処理によって、最新のデータ(発光素子Eごとの発光パワー)が格納されている。また、電源電圧制御部210は、バラツキ補正部220から発光素子E1の補正値を得ると、この補正値を用いて基準電位VREFを補正する。つまり、電源電圧制御部210は、発光素子E1用のバラツキ補正を施した基準電位VREF’を算出する。
この後、電源電圧制御部210は、駆動トランジスタTd1のゲートに基準電位VREF’を供給し、発光素子E1を発光させる(ステップS102)。また、電源電圧制御部210は、発光素子E1の発光パワーを受光素子R1を用いて検出し、A/Dコンバータ500を介して取得する(ステップS103)。次いで、電源電圧制御部210は、前回取得した発光素子E1の発光パワーと、今回取得した発光素子E1の発光パワーとを比較し、発光パワーが増えたか否かを判定する(ステップS104)。なお、図4に示す処理を最初に行った場合は、前回取得した発光素子E1の発光パワーが存在しないので、ステップS104に示す処理はスキップされ、ステップS105に移行する。
また、ステップS104の判定結果がYESの場合、電源電圧制御部210は、現時点において設定されている電源電圧VELの電圧値を、単位回路U1の識別情報と対応付けて電源電圧格納RAM210aに格納する(ステップS105)。例えば、図4に示す処理を最初に行った場合は、電源電圧格納RAM210aに最小値Vminが格納される。なお、ステップS105によって電源電圧格納RAM210aに格納される電圧値は、ステップS102〜S106に示す処理が繰り返して行われる都度、新たな電圧値に更新される。さらに、ステップS105では、ステップS103において取得した発光素子E1の発光パワーをワークメモリ(図示省略)に格納する。ここでワークメモリに格納した発光パワーは、ステップS104に示す処理を次に行う際に、前回取得した発光素子E1の発光パワーとして使用される。
次いで、電源電圧制御部210は、電源電圧VELをΔVだけ上げるよう電源回路300に指示した後(ステップS106)、ステップS102に戻る。この指示により、各単位回路Uに供給される電源電圧VELの値がΔVだけ増える。例えば、図4に示す処理を最初に行った場合は、ステップS106によって電源電圧VELがVminからVmin+ΔVに変更される。
以上説明したステップS102〜S106までの処理を繰り返すことで、電源電圧制御部210は、電源電圧VELを最小値VminからΔVずつ徐々に上げながら、駆動トランジスタTd1のゲートに基準電位VREF’を供給したときの発光素子E1の発光パワーを測定していくことになる。
ここで、発光素子E1の端子間電圧をVx、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させるために必要なドレイン−ゲート間電圧Vdgの閾値をVyとしたとき、電源電圧VELがVx+Vy未満の場合は、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させることができない。したがって、発光素子E1を定電流駆動させることができず、実質、低電圧駆動状態になる。このため電源電圧VELがVx+Vy未満の期間では、駆動トランジスタTd1のゲートに同じ電位(基準電位VREF’)を供給しても、発光素子E1の発光パワーが変動する。具体的には図5に示すように、電源電圧VELが低いと電源電圧VELを上げていくごとに発光素子E1の発光パワーも増える。
これに対し、電源電圧VELがVx+Vyに達すると、それ以上、電源電圧VELを上げても発光素子E1の発光パワーは増えなくなる。これは、駆動トランジスタTd1のドレイン−ソース間電圧Vdsが予め定められた閾値以上となり、駆動トランジスタTd1が飽和領域で動作して、発光素子E1を定電流駆動させることができるようになったことを意味する。
したがって、ステップS102〜S106までの処理を繰り返すことで、電源電圧制御部210は、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させるための必要最低限の電源電圧VELを特定することができる。
つまり、図5に示すt2の時点では、ステップS104において、前回取得したt1の時点の発光素子E1の発光パワーと、今回取得したt2の時点の発光素子E1の発光パワーを比較した結果、まだ発光パワーが増えているので(ステップS104:YES)、ステップS105に移行することになる。これに対し、図5に示すt3の時点では、ステップS104において、前回取得したt2の時点の発光素子E1の発光パワーと、今回取得したt3の時点の発光素子E1の発光パワーを比較した結果、発光パワーが増えていないので(ステップS104:NO)、図4に示す処理を終えることになる。また、この際、単位回路U1の識別情報と対応付けて電源電圧格納RAM210aに格納されているのは、前回行われたステップS105で格納された電圧値になるから、図5におけるt2の時点で取得した電源電圧VELの値になる。
したがって、N個の単位回路Uについて図4に示す処理を行うと、電源電圧格納RAM210aには、単位回路Uごとに、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させるための必要最低限の電源電圧VELの値が格納されることになる。したがって、電源電圧制御部210は、全ての単位回路Uについて図4に示す処理を終えると、電源電圧格納RAM210aに格納されているN個の電圧値を比較し、最も大きい電圧値を選択する。そして、電源電圧制御部210は、選択した電圧値を、印刷の際に電源回路300が生成する電源電圧VELの電圧値として設定する。つまり、駆動トランジスタTdの特性バラツキを含め、発光素子Eの特性変動が最も大きい単位回路Uにあわせて、電源電圧VELの電圧値を設定することができる。
このように本実施形態によれば、電源電圧VELを、全ての駆動トランジスタTdが飽和領域で動作し得る必要最低限の電圧値に設定することができる。したがって、駆動トランジスタTd(駆動回路104)で消費される電力を低減することができる。また、駆動トランジスタTdの消費電力を減らすことで露光ヘッド100内での発熱を抑えることができるから、熱による発光素子Eの劣化や発光パワーの変動を低減することもできる。また、特許文献1に記載された電気光学装置では、電気光学素子の端子間電圧を直接測定するため単位回路内に測定回路(A/D変換器)を設けなければならないが、本実施形態では、例えばPN型のダイオードやフォトダイオード、あるいはフォトトランジスタなどといった受光素子Rを設ければよいだけであるので、ガラス基板13の回路構成も簡素化でき製造が容易である。よって、発光素子Eを駆動する回路で消費される電力を簡素な構成で低減できる。
また、全ての単位回路Uについて電源電圧制御処理を行うことで、発光素子Eのみの特性変動だけでなく、駆動トランジスタTdの特性バラツキなども含めて駆動トランジスタTdの消費電力を必要最低限に抑える電源電圧VELを特定することができるので、電源電圧VELを正確に特定できる。
<B.変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の変形が可能である。また、以下に示す2以上の変形例を適宜組み合わせることもできる。
[変形例1]
上述した電源電圧制御処理では、電源電圧VELを最小値Vminから徐々に上げていく場合について説明したが、逆に、電源電圧VELの電圧値を最大値Vmaxから徐々に下げていく構成としてもよい。
図6は、変形例1に係る電源電圧制御処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示す電源電圧制御処理では、ステップS201,S206の記載から明らかとなるように、電源電圧VELを最大値VmaxからΔVずつ徐々に下げながら発光素子E1の発光パワーを検出する。また、ステップS204の記載から明らかとなるように、検出した発光パワーが減った時点、すなわち前回検出した発光素子E1の発光パワーと、今回検出した発光素子E1の発光パワーとを比較した結果、発光パワーが減った場合に(ステップS204:YES)、処理を終える。なお、ステップS202,S203,S205では、図4に示したフローチャートのステップS102,S103,S105と同様の処理を行う。
前述したように、発光素子E1の端子間電圧をVx、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させるために必要となるドレイン−ゲート間電圧Vdgの閾値をVyとしたとき、電源電圧VELがVx+Vy以上の場合は、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させることができる。したがって、電源電圧VELがVx+Vy未満となるまでは、駆動トランジスタTd1のゲートに同じ電位(基準電位VREF’)を供給している限り、電源電圧VELを下げても発光素子E1の発光パワーは一定である。
これに対し、電源電圧VELがVx+Vy未満になると、駆動トランジスタTd1のドレイン−ソース間電圧Vdsが予め定められた閾値未満になるため、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させることができなくなる。このため電源電圧VELがVx+Vy未満の期間では、駆動トランジスタTd1のゲートに同じ電位(基準電位VREF’)を供給しても発光素子E1の発光パワーが変動する。具体的には図7に示すように、電源電圧VELがVx+Vy未満になると、電源電圧VELを下げていくごとに発光素子E1の発光パワーも減る。
したがって、ステップS202〜S206までの処理を繰り返すことで、電源電圧制御部210は、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させるための必要最低限の電源電圧VELを特定することができる。
つまり、図7に示すt2の時点では、ステップS204において、前回取得したt1の時点の発光素子E1の発光パワーと、今回取得したt2の時点の発光素子E1の発光パワーを比較した結果、まだ発光パワーが減っていないので(ステップS204:NO)、ステップS205に移行することになる。これに対し、図7に示すt3の時点では、ステップS204において、前回取得したt2の時点の発光素子E1の発光パワーと、今回取得したt3の時点の発光素子E1の発光パワーを比較した結果、発光パワーが減っているので(ステップS204:YES)、図6に示す処理を終えることになる。また、この際、単位回路U1の識別情報と対応付けて電源電圧格納RAM210aに格納されているのは、前回行われたステップS205で格納された電圧値になるから、図7におけるt2の時点で取得した電源電圧VELの値となる。
したがって、N個の単位回路Uについて図6に示す処理を行うと、電源電圧格納RAM210aには、単位回路Uごとに、駆動トランジスタTd1を飽和領域で動作させるための必要最低限の電源電圧VELの値が格納されることになる。したがって、電源電圧制御部210は、全ての単位回路Uについて図6に示す処理を終えると、電源電圧格納RAM210aに格納されているN個の電圧値を比較して、最も大きい電圧値を選択する。そして、電源電圧制御部210は、選択した電圧値を、印刷の際に電源回路300が生成する電源電圧VELの電圧値として設定する。
以上説明した変形例1に係る電源電圧制御処理であっても、上述した実施形態と同様の効果を奏する。要するに、単位回路Uごとに、電源電圧VELの電圧値を徐々に増加(あるいは徐々に減少)させながら、駆動トランジスタTdのゲートに所定の電位を供給したときの発光素子Eの発光パワーを検出し、検出した発光パワーの微分値が変化した時点(発光パワーの変曲点)における電源電圧VELの値を特定してやればよい。
なお、電源電圧VELを最小値Vminから徐々に上げていく構成の方が、電源電圧制御処理を行っている間の露光ヘッド100での発熱を抑えることができるから、熱による発光素子Eの劣化や発光パワーの変動を抑制することができる。
[変形例2]
発光パワー格納RAM220aには、同一の電位(基準電位VREF)を供給したときの発光素子Eごとの発光パワーが格納されている。したがって、発光パワー格納RAM220aに格納されている発光パワーを比較することで、最も発光パワーが少ない発光素子Eを、最も劣化が進行している発光素子Eとして特定することができる。したがって、このようにして特定された発光素子Eを有する単位回路Uについてのみ、図4や図6に示した電源電圧制御処理を行い、その結果得られた電圧値を、全ての単位回路Uに対して供給する電源電圧VELの電圧値として設定してもよい。
この場合、全ての単位回路Uについて電源電圧制御処理を行う必要がなく、1つの単位回路Uについてのみ電源電圧制御処理を行えばよいから、処理負荷を低減できると共に処理時間も短縮できる。但し、発光素子Eの発光パワーの変動は、経時劣化や温度による発光素子Eの特性変化だけでなく、駆動トランジスタTdの特性バラツキなども関係する。場合によっては、むしろ駆動トランジスタTdの特性バラツキの方が発光素子Eの発光パワーの変動に大きく影響する。したがって、全ての単位回路Uについて電源電圧制御処理を行う構成の方が、駆動トランジスタTdが飽和領域で動作し得る必要最低限の電源電圧VELを正確に特定できる。
[変形例3]
上述した実施形態や変形例1では、発光パワーの時間変化率が変化した時点(図5や図7におけるt2の時点)における電源電圧VELの電圧値を特定し、この電圧値を電源回路300で生成する電源電圧VELの電圧値に設定した。しかしながら、特定した電圧値そのものでなく、電源電圧VELの変動などを見込んである程度のマージンをとった電圧値を、電源回路300で生成する電源電圧VELの電圧値として設定する構成であってもよい。すなわち、発光パワーの時間変化率が変化した時点における電源電圧VELの電圧値をVELs、マージンとする電圧値をΔVmとしたとき、VELs+ΔVmを電源回路300が生成する電源電圧VELの電圧値として設定する構成であってもよい。
[変形例4]
電源電圧制御処理で使用した基準電位VREF’は例示に過ぎない。電源電圧制御処理の際に駆動トランジスタTdのゲートに供給する電位は、バラツキ補正を施した所定の電位であればよく、発光パワー取得処理で使用した基準電位VREFに限定されない。また、電源電圧制御処理では、バラツキ補正を施していない所定の電位を駆動トランジスタTdのゲートに供給する構成であってもよい。但し、バラツキ補正を施した電位を用いた方が、駆動トランジスタTdが飽和領域で動作し得る必要最低限の電源電圧VELを正確に求められる。
[変形例5]
上述した実施形態では、1個の発光素子Eごとに1個の受光素子Rを配置したが、受光素子Rの個数(発光素子Eとの個数比)は任意に変更可能である。また、発光素子Eや受光素子Rの配列は図1に示した例示に限定されない。例えば、発光素子Eを2列の千鳥状に配列した構成であってもよいし、発光素子Eや受光素子Rをマトリクス状に配列した構成であってもよい。また、発光装置10は、発光素子Eと受光素子Rを各々1個だけ備える構成であってもよい。また、有機EL素子は発光素子Eの例示であり、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子などの発光素子を備えた発光装置にも本発明を適用することができる。
<C:応用例>
次に、上述した実施形態および変形例に係る発光装置を利用した電子機器(画像形成装置)の具体例を説明する。
図8は、画像形成装置の構成を示す断面図である。
同図に示す画像形成装置は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であり、4個の発光装置10(10K,10C,10M,10Y)と、各発光装置10に対応する4個の感光体ドラム12(12K,12C,12M,12Y)を備える。図1に示したように、1つの発光装置10は、対応する感光体ドラム12の被露光面12A(外周面)と対向するように配置される。なお、各符号の添字「K」「C」「M」「Y」は、黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の各顕像の形成に利用されることを意味している。
図8に示すように、駆動ローラ711と従動ローラ712には無端の中間転写ベルト72が巻回される。4個の感光体ドラム12は、相互に所定の間隔をあけて中間転写ベルト72の周囲に配置される。各感光体ドラム12は、中間転写ベルト72の駆動に同期して回転する。
各感光体ドラム12の周囲には、発光装置10の他にコロナ帯電器731(731K,731C,731M,731Y)と現像器732(732K,732C,732M,732Y)が配置される。コロナ帯電器731は、対応する感光体ドラム12の被露光面12Aを一様に帯電させる。この帯電した被露光面12Aを各発光装置10が露光することで静電潜像が形成される。各現像器732は、静電潜像に現像材(トナー)を付着させることで感光体ドラム12に顕像(可視像)を形成する。
以上のように感光体ドラム12に形成された各色(黒・シアン・マゼンタ・イエロー)の顕像が中間転写ベルト72の表面に順次に転写(一次転写)されることでフルカラーの顕像が形成される。中間転写ベルト72の内側には4個の一次転写コロトロン(転写器)74(74K,74C,74M,74Y)が配置される。各一次転写コロトロン74は、対応する感光体ドラム12から顕像を静電的に吸引することによって、感光体ドラム12と一次転写コロトロン74との間隙を通過する中間転写ベルト72に顕像を転写する。
シート(記録材)75は、ピックアップローラ761によって給紙カセット762から1枚ずつ給送され、中間転写ベルト72と二次転写ローラ77との間のニップに搬送される。中間転写ベルト72の表面に形成されたフルカラーの顕像は、二次転写ローラ77によってシート75の片面に転写(二次転写)され、定着ローラ対78を通過することでシート75に定着される。排紙ローラ対79は、以上の工程を経て顕像が定着されたシート75を排出する。
以上説明した画像形成装置は、有機EL素子を光源(露光手段)として利用しているので、レーザ走査光学系を利用した構成よりも装置が小型化できる。なお、ロータリ現像式の画像形成装置や、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラム12からシートに対して直接的に顕像を転写するタイプの画像形成装置、あるいはモノクロの画像を形成する画像形成装置などにも発光装置10を利用することが可能である。
また、発光装置10の用途は像担持体(感光体ドラム12)の露光に限定されない。例えば、発光装置10は、原稿などの読取対象に光を照射する照明装置として画像読取装置に採用される。この種の画像読取装置としては、スキャナ、複写機やファクシミリの読取部分、バーコードリーダ、あるいはQRコード(登録商標)のような二次元画像コードを読む二次元画像コードリーダがある。また、発光素子Eをマトリクス状に配列させた発光装置は、各種電子機器の表示装置としても利用可能である。本発明が適用される電子機器としては、例えば、可搬型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、デジタルサイネージ、タッチパネルを備えた機器などがある。
本実施形態に係る発光装置を適用した画像形成装置の部分的な構造を示す斜視図である。 発光装置の電気的な構成を示すブロック図である。 単位回路の回路図である。 本実施形態に係る電源電圧制御処理の流れを示すフローチャートである。 発光パワーの時間変化率を示すグラフである。 変形例1に係る電源電圧制御処理の流れを示すフローチャートである。 発光パワーの時間変化率を示すグラフである。 電子機器の具体例(画像形成装置)を示す断面図である。
符号の説明
10…発光装置、11…集束性レンズアレイ、12…感光体ドラム、13…ガラス基板、E…発光素子、R…受光素子、100…露光ヘッド、102…TFT制御回路、104…駆動回路、U…単位回路、G…画素回路、200…制御回路、210…電源電圧制御部、210a…電源電圧格納RAM、220…バラツキ補正部、220a…発光パワー格納RAM、220b…バラツキ補正演算器、300…電源回路、400…ドライバ、500…A/Dコンバータ、VEL…電源電圧、Ts…選択トランジスタ、Td…駆動トランジスタ。

Claims (7)

  1. 第1電極、第2電極および制御電極を有し、飽和領域で動作している場合に、前記制御電極に供給される電位に応じて前記第1電極−前記第2電極間に流れる駆動電流の電流量を制御する駆動トランジスタと、
    前記駆動トランジスタの第2電極に陽極が接続され、前記駆動電流に応じた発光量で発光する発光素子と、
    入射される光量に応じたレベルの検出信号を出力する受光素子と、
    前記駆動トランジスタの第1電極と前記発光素子の陰極間に印加する電源電圧を生成する電源回路と、
    前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記電源電圧の電圧値を増加または減少させながら、前記駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出し、検出した発光量の時間変化率が変化した時点における前記電源電圧の電圧値を特定し、
    前記特定した電圧値を前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定する
    ことを特徴とする発光装置。
  2. 前記駆動トランジスタを飽和領域で動作させつつ、前記駆動トランジスタの制御電極に基準電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した発光量に基づいて前記駆動トランジスタの制御電極に供給する電位を補正する補正手段とを備え、
    前記制御手段は、前記所定の電位の代わりに、前記所定の電位を前記補正手段によって補正して得られる電位を前記駆動トランジスタの制御電極に供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記制御手段は、前記特定した電圧値より所定値だけ大きな電圧値を、前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記駆動トランジスタと前記発光素子とを有する単位回路を複数備え、
    前記制御手段は、
    前記単位回路ごとに、前記電源電圧の電圧値を増加または減少させながら、前記駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出し、検出した発光量の時間変化率が変化した時点における前記電源電圧の電圧値を特定し、
    前記特定した複数の電圧値のうち最も大きい電圧値を、前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記駆動トランジスタと前記発光素子とを各々有する複数の単位回路と、
    前記単位回路ごとに、前記駆動トランジスタを飽和領域で動作させつつ、前記駆動トランジスタの制御電極に基準電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した複数の発光量の各々を比較し、発光量が最も少ない前記単位回路を選択する選択手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記選択手段が選択した前記単位回路について、前記電源電圧の電圧値を増加または減少させながら、前記駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出し、検出した発光量の時間変化率が変化した時点における前記電源電圧の電圧値を特定し、
    前記特定した電圧値を前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の発光装置を備えた電子機器。
  7. 第1電極、第2電極および制御電極を有し、飽和領域で動作している場合に、前記制御電極に供給される電位に応じて前記第1電極−前記第2電極間に流れる駆動電流の電流量を制御する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタの第2電極に陽極が接続され、前記駆動電流に応じた発光量で発光する発光素子と、入射される光量に応じたレベルの検出信号を出力する受光素子と、前記駆動トランジスタの第1電極と前記発光素子の陰極間に印加する電源電圧を生成する電源回路とを備えた発光装置の駆動方法であって、
    前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値を増加または減少させながら、前記駆動トランジスタの制御電極に所定の電位を供給したときの前記発光素子の発光量を前記受光素子から出力される前記検出信号により検出し、検出した発光量の時間変化率が変化した時点における前記電源電圧の電圧値を特定し、
    前記特定した電圧値を前記電源回路が生成する前記電源電圧の電圧値に設定する
    ことを特徴とする発光装置の駆動方法。
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JP2017071097A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 コニカミノルタ株式会社 光書込み装置及び画像形成装置

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