JP2010050276A - 基板処理装置及び光学定数算出方法並びにその方法を実行するプログラムを記憶した記録媒体 - Google Patents

基板処理装置及び光学定数算出方法並びにその方法を実行するプログラムを記憶した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】基板上の積層膜構造における各膜の光学定数を算出する際に,各光学定数の算出精度を向上させる。
【解決手段】基板上に形成された積層膜構造における各膜の光学定数を算出する光学定数算出方法であって,各膜をそれぞれ下から順に対象膜とし,その対象膜の光学定数を既に算出された下層膜の光学定数を用いて算出することによって,各膜の光学定数を順次算出する基本ステップと,基本ステップで算出した対象膜の光学定数を,再フィッティング処理によって下層膜の光学定数を修正しながら算出し直す再計算ステップとを有する。これにより,下層膜の光学定数を物理的に正しい解に導くことができ,光学定数の算出精度を向上させることができる。
【選択図】 図12

Description

本発明は,基板処理装置及び光学定数算出方法並びにその方法を実行するプログラムを記憶した記録媒体に関する。
近年における半導体デバイスの更なる小型化の要請に伴って半導体ウエハ(以下,単に「ウエハ」とも称する)の表面に形成される回路パターンをより微細に形成する必要が生じてきている。このような微細な回路パターンを形成するためには,半導体デバイスの製造過程において,複数の膜が積層されたウエハの表面構造,例えばエッチング処理を施した後の各膜によって構成されるウエハの表面構造を正確に特定する必要がある。
従来,エッチング処理を施した後のウエハの表面構造を特定するため,劈開したウエハの断面を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によって観察して撮影するという方法が行われていたが,この方法では,観察対象であるウエハの断面を形成するため,ウエハ自体を切断(破壊)しなければならないという欠点があった。
このため,近年では非破壊でエッチング処理を施した後のウエハの表面構造を特定するのに,レジストパターンの評価等に用いられていた反射率測定法(Reflectmetry)やエリプソメトリ法(Ellipsometry)等のスキャトロメトリ法(Scatterometry)をウエハの表面構造の特定に適用する方法が開発されている(例えば特許文献1参照)。
特に,スキャトロメトリ法としての反射率測定法では,ウエハの表面構造における光学定数(n:屈折率,k:減衰定数)を用いて,ウエハの表面構造を非破壊で特定することができる。具体的には例えば,予めウエハの表面に積層された各膜例えばゲート酸化膜,ポリシリコン膜,酸化膜,反射防止膜(BRAC膜)及びフォトレジスト膜の光学定数(n,k)を算出する。次いで,算出された各膜の光学定数を用いてウエハの表面構造,例えば溝形状を光学的に表したモデルを異なる溝形状毎に作成して記憶する。そして,表面構造特定対象としてのウエハの表面の反射率を測定し,反射率に対応する溝形状のモデルを選び出すことにより,ウエハの表面構造(溝形状)を特定する(例えば特許文献2参照)。
このため,スキャトロメトリ法では,算出された各膜の光学定数が正確でない場合にはウエハの表面構造を正確に特定することができない。従って,各膜の光学定数を正確に算出することは非常に重要となる。
このような光学定数の算出方法として,従来は光学定数を算出しようとする対象膜に白色光を照射してその反射光を測定し,その反射光から得られる分光反射率の実測スペクトルと,理論スペクトルとをフィッティングパラメータを変動させて,理論スペクトルが最も実測スペクトルに適合するパラメータの組合せを求めることにより光学定数を求める,いわゆるフィッティングを行う。このとき,対象膜よりも下層の膜については既に算出された光学定数で固定することにより,パラメータの数を減らして計算時間を短縮することができる。
特開2002−260994号公報 特開2005−33187号公報
しかしながら,各膜の光学定数を算出する際に,既に算出された下層膜の光学定数を用いると,その下層膜の光学定数を求める際には十分なフィッティングが得られていたのにも拘わらず,その上層膜の光学定数を求める際に十分なフィッティングが得られず,その上層膜の光学定数の算出精度が低下する場合がある。
フィッティングでは本来,実測スペクトルと理論スペクトルの差が最も小さくなるパラメータの組合せを求めることにより光学定数を算出する。このため,求められた光学定数は理論スペクトルと実測スペクトルとが最も近くなる値であるはずなので,適切な値を示しているものと考えられる。
しかしながら,実際にはフィッティングする際に変動させる未知のパラメータは複数あるため,その未知のパラメータの数が多いほどそれらの組合せも多くなる。このため,実測スペクトルと理論スペクトルとの差が小さくなるような極小解(パラメータの組合せ)が複数存在し得る。従って,このような場合には,ある極小解から得られるパラメータの組合せが数学的には正しくても,物理的に正しいとは限らない。下層膜の光学定数が物理的に正しくない場合には,その光学定数を用いて上層膜の光学定数を求めても,十分なフィッティングが得られない可能性が高い。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,基板上の積層膜構造における各膜の光学定数を算出する際に,各光学定数の算出精度を向上させることができる光学定数算出方法等を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,基板上に形成された積層膜構造における各膜の光学定数を算出する光学定数算出方法であって,前記各膜をそれぞれ下から順に対象膜とし,その対象膜の光学定数を既に算出された下層膜の光学定数を用いて算出することによって,各膜の光学定数を順次算出する基本ステップと,前記基本ステップで算出した対象膜の光学定数を,前記下層膜の光学定数を修正しながら算出し直す再計算ステップと,を有することを特徴とする光学定数算出方法が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,基板上に形成された積層膜構造の各膜の光学定数を算出する基板処理装置であって,少なくとも前記基板上に照射する白色光の光源と,前記反射光を分光する分光器と,この分光器からの光を検出する検出器とを備えた測定室と,前記測定室を制御する制御部とを備え,前記制御部は,前記測定室にて前記各膜の光学定数の算出に必要な膜構造サンプルが形成された基板に白色光を照射してその反射光を検出することにより分光反射率の実測スペクトルを取得し,理論スペクトルとのフィッティングによって前記各膜の光学定数をそれぞれ下から順に算出する基本ステップと,この基本ステップで算出した対象膜の光学定数を,その下層膜の光学定数を修正しながら算出し直す再計算ステップとを実行することを特徴とする基板処理装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,基板上に形成された積層膜構造における各膜の光学定数を算出する光学定数算出方法をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する記憶媒体であって,前記光学定数算出方法は,前記各膜をそれぞれ下から順に対象膜とし,その対象膜の光学定数を既に算出された下層膜の光学定数を用いて算出することによって,各膜の光学定数を順次算出する基本ステップと,前記基本ステップで算出した対象膜の光学定数を,前記下層膜の光学定数を修正しながら算出し直す再計算ステップと,を有することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
このような本発明においては,光学定数を求める各膜のうちのある膜を対象膜とした場合に,基本ステップによってその対象膜の光学定数を算出し,再計算ステップによりその対象膜の光学定数を下層膜の光学定数を修正しながら算出し直す。これによれば,下層膜の光学定数を物理的に正しい解に導くことができる。このため,下層膜のみならず上層膜の光学定数の算出精度も向上させることができ,ひいては各膜の光学定数の算出精度を向上させることができる。
また,上記再計算ステップは,例えば前記対象膜が最上層でそれよりも下層の膜構造が前記積層膜構造と同一の膜構造サンプルと前記下層膜が最上層でそれよりも下層の膜構造が前記積層膜構造と同一の膜構造サンプルについてそれぞれ,白色光を照射したときの反射光から分光反射率の実測スペクトルを得るステップと,前記各膜構造サンプルについての分光反射率の理論スペクトルを算出するステップと,前記各膜構造サンプルについて前記実測スペクトルと前記理論スペクトルとのフィッティングを同時に行い,各フィッティングにおける前記実測スペクトルと前記理論スペクトルのそれぞれの差異を加えた値が最小となるときのパラメータ値の組合せを求めるステップと,前記パラメータ値の組合せから前記対象膜の光学定数と前記下層膜の光学定数をそれぞれ算出するステップとを有する。この場合,前記実測スペクトルと前記理論スペクトルの差異は,例えば最小二乗法による誤差自乗和である。
これによれば,各フィッティングを同時に行って,これらの実測スペクトルと理論スペクトルのそれぞれの差異を加えた値が最小となるときのパラメータ値の組合せから各光学定数を算出するので,それぞれのフィッティングを別々に行う場合に比して最小解がより明確になる。これにより,最適なパラメータ値の組合せを求めることができる。
また,上記再計算ステップにおいて,前記対象膜が最上層の膜構造サンプルについての理論スペクトルでは,前記対象膜の光学定数パラメータ及び膜厚,前記下層膜の光学定数パラメータ及び膜厚をフィッティングパラメータとし,前記下層膜が最上層の膜構造サンプルについての理論スペクトルでは,前記下層膜の光学定数パラメータ及び膜厚をフィッティングパラメータとし,前記各膜構造サンプルの共通する下層膜の光学定数パラメータは共通の値で変動させながら各フィッティングを同時に行うことが好ましい。これによれば,各フィッティングの精度が十分得られるような適切なパラメータ値の組合せを求めることができる。
また,上記再計算ステップにおいて,前記フィッティングパラメータは既に算出された値を初期値とすることが好ましい。これによれば,初期値をランダムにする場合よりも最小解への収束が早くなり,再計算にかかる時間を短縮することができる。
また,上記対象膜の下層に既に算出された下層膜が複数ある場合には,直下の下層膜から順に光学定数の再計算に加えていくようにしてもよい。これによれば,再計算を繰り返すごとに下層膜の光学定数を物理的に正しい解に導くことができる。このため,下層膜のみならず上層膜の光学定数の算出精度もより向上させることができ,ひいては各膜の光学定数の算出精度を向上させることができる。
また,上記再計算ステップで行われたフィッティングにおいて,前記各実測スペクトルと前記各理論スペクトルの誤差自乗和をそれぞれ加えた値が所定の閾値以下であるか否かを判断し,更なる下層膜を加えての光学定数の再計算は,前記誤差自乗和を加えた値が所定の閾値以下のときのみに実行することが好ましい。
本発明によれば,基板上の積層膜構造における各膜の光学定数を算出する際に,既に算出された下層膜の光学定数を修正しながら上層膜の光学定数を算出し直すことにより,下層膜の光学定数を物理的に正しい解に導くことができる。これにより,下層膜のみならず上層膜の光学定数の算出精度も向上させることができ,ひいては各膜の光学定数の算出精度を向上させることができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(基板処理装置の構成例)
先ず,本発明の実施形態にかかる基板処理装置の構成例について図面を参照しながら説明する。ここでは,搬送室に少なくとも1以上の真空処理ユニットが接続された基板処理装置を例に挙げて説明する。図1は本実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す断面図である。
基板処理装置100は,被処理基板例えば半導体ウエハ(以下,単に「ウエハ」ともいう。)Wに対して所定の処理(例えばエッチング処理)を行う1つ又は2つ以上の真空処理ユニット(プロセスシップ)110と,この真空処理ユニット110に対してウエハWを搬出入させる搬送ユニット120とを備える。搬送ユニット(ローダーユニット)120は,ウエハWを搬送する際に共用される搬送室130を有している。
図1では,例えば2つの真空処理ユニット(プロセスシップ)110A,110Bを搬送ユニット120の側面に配設したものを示す。各真空処理ユニット110A,110Bはそれぞれ,プラズマ処理装置200A,200Bと,これらのそれぞれに連設され,真空引き可能に構成された中継室としてのロードロック室150A,150Bを有している。各真空処理ユニット110A,110Bは,各プラズマ処理装置200A,200B内でウエハWに対して同種の処理例えばエッチング処理を行うようになっている。
例えば各プラズマ処理装置200A,200Bは,処理室210A,210Bを備え,その内部に配置したウエハの載置台を兼ねるサセプタ(下部電極)211A,211Bに高周波電力を印加するとともに,処理室210A,210B内に処理ガスを供給してプラズマ化してウエハ表面にプラズマエッチング処理を施す。
なお,図1に示すようにプラズマ処理装置を備える真空処理ユニットを2つ設けた場合について説明したが,これに限定されるものではなく,プラズマ処理装置を備える真空処理ユニットを1つだけ設けてもよく,また3つ以上設けてもよい。また,必ずしもすべての真空処理ユニットにプラズマ処理装置を設けなくてもよく,例えばプラズマ処理装置を備える真空処理ユニットと,プラズマ処理装置以外の処理装置(例えば熱処理装置など)を備える真空処理ユニットとを設けてもよい。
上記搬送ユニット120の搬送室130は,例えばNガス等の不活性ガスや清浄空気が循環される断面略矩形状の箱体により構成されている。搬送室130における断面略矩形状の長辺を構成する一側面には,複数のカセット台132A〜132Cが並設されている。これらカセット台132A〜132Cには,カセット容器134A〜134Cを載置される。搬送室130の側壁には,ウエハWの投入口としての3つのロードポート136A〜136Cが各カセット台132A〜132Cに対応するように設けられている。
図1では,例えば各カセット台132A〜132Cに3台のカセット容器134A〜134Cをそれぞれ1つずつ載置することができる例を挙げているが,カセット台とカセット容器の数はこれに限られず,例えば1台又は2台であってもよく,また4台以上設けてもよい。
各カセット容器134A〜134Cには,少なくとも1ロット分(例えば25枚)以上のウエハWを等ピッチで多段に載置して収容できるようになっており,内部は例えばNガス雰囲気で満たされた密閉構造となっている。そして,搬送室130はその内部へロードポート136A〜136Cを介してウエハWを搬出入可能に構成されている。
搬送室130内には,ウエハWをその長手方向(図1に示す矢印方向)に沿って搬送する共通搬送機構(大気圧側搬送機構)160が設けられている。この共通搬送機構160は,例えば基台162上に固定され,この基台162は搬送室130内の中心部を長さ方向に沿って設けられた図示しない案内レール上を例えばリニアモータ駆動機構によりスライド移動可能に構成されている。共通搬送機構160は例えば図1に示すような2つのピックを備えるダブルアーム機構であってもよく,また1つのピックを備えるシングルアーム機構であってもよい。
搬送室における断面略矩形状の長辺を構成する他側面には,上記2つのロードロック室150A,150Bの基端が,開閉可能に構成されたゲートバルブ(大気圧側ゲートバルブ)152A,152Bをそれぞれ介して連結されている。各ロードロック室150A,150Bの先端は,開閉可能に構成されたゲートバルブ(真空圧側ゲートバルブ)232A,232Bを介してそれぞれ上記処理室210A,210Bに連結されている。
各ロードロック室150A,150B内にはそれぞれ,ウエハWを一時的に載置して待機させる一対のバッファ用載置台154A及び156Aと154B及び156Bが設けられる。ここで搬送室側のバッファ用載置台154A,154Bを第1バッファ用載置台とし,処理室側のバッファ用載置台156A,156Bを第2バッファ用載置台とする。そして,両バッファ用載置台154A,156A間及び154B,156B間には,屈伸,旋回及び昇降可能になされた多関節アームよりなる個別搬送機構(真空圧側搬送機構)170A,170Bが設けられている。
これら個別搬送機構170A,170Bの先端にはピック172A,172Bが設けられ,このピック172A,172Bを用いて第1,第2の両バッファ用載置台154A,156A及び154B,156B間でウエハWの受け渡し移載を行い得るようになっている。なお,ロードロック室150A,150Bから処理室210A,210B内へのウエハWの搬出入は,それぞれ上記個別搬送機構170A,170Bを用いて行われる。
搬送室130の一端部,すなわち断面略矩形状の短辺を構成する一方の側面には,ウエハWの位置決め装置としてのオリエンタ(プリアライメントステージ)137が設けられている。オリエンタ137は,例えば内部に回転載置台138とウエハWの周縁部を光学的に検出する光学センサ139とを備え,ウエハWのオリエンテーションフラットやノッチ等を検出して位置合せを行う。
搬送室130の他端部,すなわち断面略矩形状の短辺を構成する他方の側面には,測定室300が設けられている。測定室300は,例えば光学系のモニタ(メトロロジ)であり,搬入されたウエハWを載置する載置台302を備える。測定室300は,載置台302に載置されたウエハWに形成された膜の光学定数を算出したり,表面構造例えば表面層の膜厚,配線溝やゲート電極等のCD(Critical Dimension)値などを特定したりする。なお,測定室300の具体的構成例については後述する。
基板処理装置100は,上述した各真空処理ユニット110A,110B及び搬送ユニット120の各部の動作を制御する制御部400と,この制御部400に接続された図示しない操作部を備える。操作部には,例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示部を備えたタッチパネルからなるオペレーションパネル等が設けられている。表示部には例えば基板処理装置100の各構成要素の動作状況が表示される。また,ユーザはオペレーションパネルにより基板処理装置100に対する種々の操作を行うことができる。
制御部400は操作部からの操作により,予め設定されたレシピなどのデータに基づいて所定のプログラムを実行して,真空処理ユニット110A,110B及び搬送ユニット120の各部,例えば各プラズマ処理装置200A,200B,測定室300,オリエンタ137,各搬送機構160,170などを制御するようになっている。これにより,例えばウエハの搬送,ウエハに対するプロセス処理(ここではエッチング処理)の他,後述するウエハ上に形成される膜についての光学定数の算出処理,再計算処理,ウエハ上に形成される膜構造の特定処理などの各種の測定処理が行われる。
(制御部の構成例)
このような本実施形態におけるウエハ搬送制御を行う制御部400の構成例について図面を参照しながら説明する。制御部400は,例えば図2に示すように制御部本体を構成するCPU(中央処理装置)410,CPU410が使用するROM(リード・オンリ・メモリ),RAM(ランダム・アクセス・メモリ)などのメモリ420,例えばブザーのような警報器等で構成される報知部430,基板処理装置100の各部を制御するための各種コントローラ440,基板処理装置100の処理を行うプログラムを格納するプログラム記憶部450,およびプログラムに基づく処理を実行するときに使用するレシピデータなどの各種データを記憶するデータ記憶部460を備える。プログラム記憶部450とデータ記憶部460は,例えばフラッシュメモリ,ハードディスク,CD−ROMなどの記録媒体で構成され,必要に応じてCPU410によってデータが読み出される。
これらのCPU410,メモリ420,報知部430,各種コントローラ440,プログラム記憶部450,データ記憶部460は,制御バス,システムバス,データバス等のバスラインによって電気的に接続されている。
各種コントローラ440には,各真空処理ユニット110A,110B及び搬送ユニット120の各部,例えば各プラズマ処理装置200A,200B,測定室300,オリエンタ137,各搬送機構160,170などを制御するコントローラを備える。
プログラム記憶部450には,後述する光学定数の算出処理,再計算処理の他,上記ウエハ搬送するためのプログラム,エッチングや成膜などのウエハに対するプロセス処理を行うためのプログラム,ウエハの膜構造を特定するためのプログラムなどが記憶されている。
データ記憶部460には,後述する光学定数の算出処理,再計算処理を行うのに必要な反射率のスペクトル,パラメータ,算出された光学定数などを記憶する。その他,ウエハ搬送において各部を制御する際に必要なデータ,プロセス処理において各部を制御する際に必要な設定データ(例えば処理室内圧力,ガス種,ガス流量,高周波電力など)からなるプロセス処理レシピ,ウエハの膜構造を特定処理に必要な光学モデルなどを記憶する。
(測定室の構成例)
ここで,測定室300の内部構成例について図面を参照しながら説明する。図3は,測定室300の内部構成を概略的に示す図である。図3に示す測定室300は,載置台302に載置されたウエハWの表面からの反射光を観測することにより,スキャトロメトリ法の1つである分光反射率測定法によってウエハWの表面構造を特定する構造判別装置として構成したものである。分光反射率測定法とは,ウエハWに白色光を照射し,ウエハWに入射する波長ごとの入射光の強度とウエハWから反射される反射光の強度との比である反射率(分光反射強度比)を測定することで,ウエハWの表面構造,例えば膜厚や溝(トレンチ)のCD値などを特定する形状特定方法である。
測定室300は,図3に示すように光源310から照射された白色光がハーフミラー312を透過して集光レンズ314によって集光されてウエハWに入射する。すると,入射した白色光はウエハWの表面で反射する。ウエハWの表面からの反射光はハーフミラー312によって進路が変更されて分光器316に導かれる。そして,分光器316により分光された光が検出器318で検出される。
これにより,制御部400では,検出された波長ごとの光強度の値を検出器318から入力して反射率を測定し,その分光反射率(分光反射強度比)のスペクトルを算出して記憶できるようになっている。具体的には例えば制御部400は分光反射率の実測スペクトル,理論スペクトル,これらのスペクトルのフィッティングなどについての所定の計算を行う。また,制御部400は所定のプログラムデータを記憶するとともに,スペクトルのデータ,各膜の光学定数,光学定数を算出するためのパラメータなど必要なデータを記憶する。
制御部400では,その分光反射率のスペクトルに基づいてウエハWの表面構造(膜厚やCD値など)を特定する。具体的には例えば特定対象となる膜構造についての膜厚を特定する場合には,膜厚の光学モデル(分光反射率のスペクトル)を異なる膜厚ごとに予め作成して記憶部に記憶しておく。そして,ウエハWの膜構造の膜厚を特定する際には,特定対象であるウエハWの膜構造に光を照射してその反射光から分光反射率を測定し,その分光反射率のスペクトルに対応する膜厚の光学モデル(分光反射率のスペクトル)を選び出すことによって膜厚を特定する。なお,制御部400で特定するウエハWの表面構造は,膜厚に限られることはない。例えばウエハWの表面に形成されるトレンチのCD値,深さ,傾きなどであってもよい。
ところで,このようなウエハWの表面構造を特定する場合に用いられる上述の光学モデルは,通常,ウエハWの膜構造を構成する各膜の光学定数n(屈折率)及びk(減衰定数)を用いて作成される。このため,光学モデルを構築する前に,各膜の光学定数(n,k)を精度よく算出しておく必要がある。
本実施形態では,光学定数(n,k)の計算を行う対象膜が形成された膜構造サンプルを用いて得られる分光反射率のスペクトルのフィッティングによって各膜の光学定数(n,k)を求める。ここでのスペクトルフィッティングでは,先ず膜構造サンプルに光を照射して測定される反射光から各波長の反射率を求め,分光反射率の実測スペクトルIを取得する。他方,同じ膜構造サンプルについて光学的な理論式により各波長の反射率を算出して,分光反射率の理論スペクトルSを取得する。そして,実測スペクトルIに理論スペクトルSをフィッティングして,これらの差異が最小となる光学定数(n,k)を最適値として求める。
ここで,上記理論スペクトルSを取得するための理論式の具体例について説明する。図4に示すような積層膜構造において,t層を光学定数を算出する対象膜とすれば,t層からの各波長λの反射光Rは,下記(1)式で表される。
Figure 2010050276
・・・(1)
上記(1)式において,rは図4に示すt層からの反射率であり,rt+1はt+1層からの反射率である。dはt層の膜厚である。n t−1,n ,n t+1はそれぞれ,t−1層,t層,t+1層の複素屈折率である。また,下記(2)式に示すように複素屈折率nは光学定数n,kで表すことができる。
=n−ik
・・・(2)
従って,(1)式及び(2)式によれば,各層の光学定数と膜厚を用いて反射率Rを算出できる。これにより,対象膜の反射率の理論スペクトルS=|Rを求めることができる。
さらに(2)式に示す光学定数n,kは分散式を用いることにより複数のパラメータで表すことができる。このような分散式としては,例えば透明な媒質の分散に用いられるコーシーの式のように光学定数n,kを波長のn次多項式で表すものや,吸収のある媒質に用いられる振動子モデルで表すものなどがある。どのような分散式を用いてもよいが,本実施形態では物質の誘電率の波長依存性から得られる調和振動子モデルで表す分散式である下記(3)式を用いる場合を例に挙げる。
Figure 2010050276
・・・(3)
上記(3)式において,εは真空の誘電率,qは電子の電荷量,mは電子の質量,ωは電場の固有振動数である。ωはj次における電子の角固有振動数であり,γはj次における電子の振動減衰係数であり,Nは単位体積に存在するωの角振動数を持つ電荷の数である。これらのうち,ε,q,mは既知の定数である。従って,定数以外のω,γ,Nをフィッティングの際に最適化する未知のパラメータ(フィッティングパラメータ)として扱う。本実施形態では,膜厚dもフィッティングパラメータとして同時に求めるので,これと区別するために光学定数に関するパラメータω,γ,Nについては光学定数パラメータとも称する。
このように,上記(2)式及び上記(3)式により各層(t−1層,t層,t+1層)の複素屈折率の光学定数をそれぞれ光学定数パラメータを用いて表すことができるので,これらを上記(1)式に代入することで,各波長ごとの反射率Rを各層の光学定数パラメータで表すことができる。
スペクトルフィッティングでは,例えば上記(3)式による対象膜の光学定数パラメータω,γ,Nを膜厚dとともにフィッティングパラメータとし,その他のパラメータは例えば既に算出された値や文献値などで固定して,フィッティングパラメータの最適値を求める。すなわち,これらのフィッティングパラメータの値を変動させて理論スペクトルSと実測スペクトルIとのずれが最小になるパラメータ値の組合せを求める。
ここでは,例えばパラメータ値を変動させながら理論スペクトルSと実測スペクトルIとの差異として誤差自乗和(SSE:Square Sum of Errors)を算出し,これが最小となるようなパラメータ値の組合せから光学定数n,kを(2)式を用いて算出する。なお,ここでは理論スペクトルSと実測スペクトルIとの差異として誤差自乗和を算出しているが,これに限られるものではなく,例えば平均自乗誤差(MSE:Mean Squared Error)を算出してもよい。
また,光学定数パラメータω,γ,Nにおけるjは自然数であり,jの値によりパラメータの数が決まる。jの値は膜種などに応じて決定される。例えばウエハW上のポリシリコン膜の光学定数を算出する場合にはj=0〜6とする。従って,この場合の光学定数パラメータはω〜ω,γ〜γ,N〜Nである。また,上記ポリシリコン膜上に形成される酸化膜についての光学定数を算出する場合はj=0〜1とする。このため,この場合の光学定数パラメータはω〜ω,γ〜γ,N〜Nである。その他,上記酸化膜上に形成される反射防止膜,その上に形成されるフォトレジスト膜についての光学定数を算出する場合はそれぞれj=0〜6とする。
(光学定数を測定する膜構造の具体例)
次に,光学定数を測定する複数の膜が積層されたウエハW表面の積層膜構造の具体例について図面を参照しながら説明する。図5は,ウエハW表面の積層膜構造を概略的に示す断面図である。図5に示すウエハWの積層膜構造500は,シリコン基材510上に,下から順にゲート酸化膜520,ポリシリコン膜530,酸化膜540,反射防止膜550,フォトレジスト膜560が積層されている。フォトレジスト膜560は例えば開口部がパターンニングされている。このウエハWにはプラズマ処理装置200A又は200Bにおいてエッチング処理が施され,反射防止膜550やフォトレジスト膜560が除去されると共に,ポリシリコン膜530に例えば溝(トレンチ)が形成される。
このような積層膜構造500における各膜の光学定数の算出にはそれぞれ,対象膜が最上層でそれよりも下層の膜構造が積層膜構造500と同一の膜構造サンプルが用いられる。例えば図6に示すようにポリシリコン膜530を対象膜としてその光学定数n,kを求める際には,シリコン基材510上にゲート酸化膜520とポリシリコン膜530が下から順に積層された膜構造サンプルAを用いる。
次の酸化膜540を対象膜としてその光学定数n,kを求める際には,シリコン基材510上にゲート酸化膜520,ポリシリコン膜530,酸化膜540が下から順に積層された膜構造サンプルBを用いる。次の反射防止膜550を対象膜として光学定数n,kを求める際には,シリコン基材510上にゲート酸化膜520,ポリシリコン膜530,酸化膜540,反射防止膜550が下から順に積層された膜構造サンプルCを用いる。
次のフォトレジスト膜560を対象膜としてその光学定数n,kを求める際には,シリコン基材510上にゲート酸化膜520,ポリシリコン膜530,酸化膜540,反射防止膜550,フォトレジスト膜560が下から順に積層された膜構造サンプルDを用いる。
これら膜構造サンプルA〜Dは複数のウエハWに別々に生成したものを使用する。この場合,膜構造サンプルA〜Dは,積層膜構造500が形成されたウエハWに対して,エッチバックで膜を除去したものを用いることが好ましい。但し,これに限られるものではなく,膜構造サンプルA〜Dは,ウエハWに膜を成膜したものを用いてもよい。
このような膜構造サンプルA〜Dの実測スペクトルI〜Iは上述した基板処理装置100を用いて求めることができる。例えば膜構造サンプルAの実測スペクトルIを求める場合には,制御部400の制御により膜構造サンプルAが形成されたウエハWを測定室300に搬送し,膜構造サンプルAの表面に光を照射してその反射光を測定して各波長ごとの反射率を算出して,分光反射率の実測スペクトルIを取得する。なお,実測スペクトルI〜Iは各膜の光学定数を求める際にその都度測定してデータ記憶部460に記憶してもよく,また各膜の光学定数を求める前にまとめて測定してデータ記憶部460に記憶しておいてもよい。
なお,膜構造サンプルA〜Dの実測スペクトルI〜Iは,一枚のウエハWに下層から順に膜を形成していく過程で,1つの膜を成膜するごとに測定室300に搬送して実測スペクトルを測定するようにしてもよい。
(光学定数を算出する基本ステップ)
次に,積層膜構造500を構成する各膜の光学定数を算出する基本ステップについて説明する。積層膜構造500の各膜を下から順に対象膜とし,対象膜の光学定数を上述した分光反射率スペクトルのフィッティング処理による基本ステップを実行して順次求めていく。
この場合,必ずしもウエハW上の最も下層の膜から算出する必要はない。例えば図5に示す膜構造500では,最も下層のゲート酸化膜520については,他の膜に比して極めて薄く,しかも屈折率の大きなポリシリコンの下層にあるため,他の膜の反射率に影響を与える影響も小さい。このため,ゲート酸化膜520の光学定数については文献値を用いてもよく,また過去に測定した値を利用してもよい。
従って,ここではゲート酸化膜520の光学定数を既知として固定し,その上のポリシリコン膜530を最初の対象膜としてその光学定数を求め,その後は酸化膜540,反射防止膜550,フォトレジスト膜560の順に対象膜としてその光学定数を順次算出していく。
ここで,膜構造サンプルA〜Dを用いて各膜の光学定数を分光反射率スペクトルのフィッティング処理で求める基本ステップの具体例について図面を参照しながら説明する。ある膜を対象膜としたフィッティング処理は例えば図7に示すフローチャートに基づいて制御部400により実行される。ここでは,上述したようにゲート酸化膜520の光学定数は既知として固定し,ポリシリコン膜530の光学定数n,kから順次求めていく。
先ずステップS110にて対象膜が最上層の膜構造サンプルを用いて分光反射率の実測スペクトルIを測定してデータ記憶部460に記憶し,ステップS120にて上述した所定の理論式を用いてフィッティングパラメータを設定し膜構造サンプルの分光反射率の理論スペクトルSを算出する。具体的には,ここでの対象膜はポリシリコン膜530であるので,図6に示す膜構造サンプルAにより分光反射率の実測スペクトルIを測定して記憶し,上記理論式に基づいて分光反射率の理論スペクトルSを算出する。
理論スペクトルSにおいては,ポリシリコン膜530の光学定数はその光学定数パラメータP(ω,γ,N(j=0〜6))の21個をフィッティングパラメータとする。ここでは,さらにポリシリコン膜530の膜厚dA1もフィッティングパラメータとして同時に算出するので,この場合のフィッティングパラメータの合計22個となる。
そしてステップS130にて実測スペクトルに理論スペクトルをフィッティングし,これらの差異が最小となるパラメータ値の組合せを求めてデータ記憶部460に記憶し,ステップS140にて求められたパラメータ値の組合せから対象膜の光学定数を算出してデータ記憶部460に記憶する。具体的には,フィッティングパラメータ(P,dA1)を変動させながら実測スペクトルIに理論スペクトルS(P,dA1)をフィッティングする。これにより,実測スペクトルIと理論スペクトルSの差異,ここでは誤差自乗和が最小となるパラメータ値の組合せからポリシリコン膜530の光学定数n,kを求め,算出したパラメータ値の組合せ及び光学定数n,kを記憶する。
次に,酸化膜540の光学定数n,kを図7に示すフィッティング処理によって求める。すなわち,ステップS110にて膜構造サンプルBにより分光反射率の実測スペクトルIを測定して記憶し,ステップS120にて上記理論式に基づいて分光反射率の理論スペクトルSを算出する。このときには下層のポリシリコン膜530の光学定数は既に算出されている。このため,理論スペクトルSにおいてはポリシリコン膜530の光学定数を既に算出されたパラメータ値で固定し,酸化膜540の光学定数パラメータP(ω,γ,N(j=0,1))の6個に,ポリシリコン膜530の膜厚dB1と酸化膜540の膜厚dB2を加えた合計8個をフィッティングパラメータとする。そしてステップS130にてこれらのフィッティングパラメータ(P,dB1,dB2)を変動させながら実測スペクトルIに理論スペクトルS(P,dB1,dB2)をフィッティングする。これにより,実測スペクトルIと理論スペクトルSの差異,ここでは誤差自乗和が最小となるパラメータ値の組合せを求めて記憶し,ステップS140にてこれらのパラメータ値の組合せから酸化膜540の光学定数n,kを求めて記憶する。
以降は,同様に図7に示すフィッティング処理により次の反射防止膜550の光学定数n,kを膜構造サンプルCにより求め,最後にフォトレジスト膜560の光学定数n,kを膜構造サンプルDにより求める。
すなわち,反射防止膜550の光学定数n,kを求めるには,ステップS110にて膜構造サンプルCにより分光反射率の実測スペクトルIを測定して記憶し,ステップS120にて上記理論式に基づいて分光反射率の理論スペクトルSを算出する。このときには,下層のポリシリコン膜530と酸化膜540の光学定数パラメータについては既に算出されている。このため,理論スペクトルSにおいては,ポリシリコン膜530と酸化膜540の光学定数パラメータについては既に算出済みのパラメータ値に固定し,反射防止膜550の光学定数パラメータPにポリシリコン膜530の膜厚dC1と酸化膜540の膜厚dC2と反射防止膜550の膜厚dC3を加えてこれらをフィッティングパラメータとする。そしてステップS130にてこれらのフィッティングパラメータ(P,dC1,dC2,dC3)を変動させながら実測スペクトルIに理論スペクトルS(P,dC1,dC2,dC3)をフィッティングする。これにより,実測スペクトルIと理論スペクトルSの差異,ここでは誤差自乗和が最小となるパラメータ値の組合せを求めて記憶し,ステップS140にてこれらパラメータ値の組合せから反射防止膜550の光学定数n,kを求めて記憶する。
また,フォトレジスト膜560の光学定数n,kを求めるには,ステップS110にて膜構造サンプルDにより分光反射率の実測スペクトルIを測定して記憶し,ステップS120にて上記理論式に基づいて分光反射率の理論スペクトルSを算出する。このときには,ポリシリコン膜530と酸化膜540と反射防止膜550の光学定数パラメータについては既に算出されている。このため,理論スペクトルSにおいてはポリシリコン膜530と酸化膜540と反射防止膜550の光学定数パラメータについては既に算出済みのパラメータ値に固定し,フォトレジスト膜560の光学定数パラメータPにポリシリコン膜530の膜厚dD1と酸化膜540の膜厚dD2と反射防止膜550の膜厚dD3とフォトレジスト膜560の膜厚dD4を加えてこれらをフィッティングパラメータとする。そしてステップS130にてこれらのフィッティングパラメータ(P,dD1,dD2,dD3,dD4)を変動させながら実測スペクトルIに理論スペクトルS(P,dD1,dD2,dD3,dD4)をフィッティングする。これにより,実測スペクトルIと理論スペクトルSの差異,ここでは誤差自乗和が最小となるパラメータ値の組合せを求めて記憶し,ステップS140にてこれらパラメータ値の組合せからフォトレジスト膜560の光学定数n,kを求めて記憶する。
本実施形態における基本ステップでは,上述したように各膜の光学定数を下から順に求める際に,それより下層の膜の光学定数パラメータについては既に算出済みのパラメータ値で固定してフィッティング処理を行う。このように,対象膜の下層に既に算出済みの膜がある場合にはその膜の光学定数を用いて対象膜の光学定数を求めることによって,フィッティングパラメータの数を減らすことができる。これにより,フィッティング処理にかかる時間を短縮することができる。
ところが,この場合,下層の膜の光学定数を算出する際のフィッティングの精度は極めて良好であったのにも拘わらず,対象膜の光学定数を算出する際には十分なフィッティングが得られない場合があることが判明した。
以下,このような場合について,図面を参照しながら具体例を挙げて詳細に説明する。図8はポリシリコン膜530を対象膜としてその光学定数n,kを算出する際のフィッティングにおける理論スペクトルSと実測スペクトルIとの誤差自乗和をグラフに示したものである。図9は図8で誤差自乗和が最小値で最適化したものとして得られたスペクトルS,Iをグラフにしたものである。
図10は図8に示す最適化したポリシリコン膜530の光学定数n,kを利用して酸化膜540を対象膜としてその光学定数n,kを算出する際のフィッティングにおける理論スペクトルSと実測スペクトルIとの誤差自乗和を観念的にグラフに示したものである。図11は図10で誤差自乗和が最小のときの理論スペクトルSと実測スペクトルIをグラフにしたものである。なお,ポリシリコン膜530を対象膜とした場合のフィッティングパラメータは22個であり,酸化膜540を対象膜とした場合のフィッティングパラメータは8個であるため,本来はそれぞれ22次元,8次元のグラフになるが,図8,図10では誤差自乗和のイメージを分かり易くするため,誤差自乗和を2次元で観念的に示している。
図8に示すポリシリコン膜530を対象膜とした場合のスペクトルフィッティングでは理論スペクトルSと実測スペクトルIの誤差自乗和(SSE)の最小値は0.0011である。そのときの実測スペクトルIと理論スペクトルSは図9に示すようにほぼ一致しており,フィッティングの精度も極めて良好であることがわかる。
これに対して,図10に示す酸化膜540を対象膜とした場合のスペクトルフィッティングでは理論スペクトルSと実測スペクトルIの誤差自乗和(SSE)の最小値は0.664である。この値は,図8に示す場合に比べて約60倍も大きく,図11に示すようにそのときの実測スペクトルIと理論スペクトルSも十分なフィッティングが得られないことがわかる。特に低波長領域で一致度合いが悪い。
このような場合には,酸化膜540についてのフィッティング処理を何度やり直しても十分なフィッティングが得られない。これは,利用したポリシリコン膜530の光学定数n,kが物理的に正しい解ではなかったからであると推察できる。
一般にスペクトルフィッティングにおいては,変動させるフィッティングパラメータは複数あり,その数が多いほどそれらの組合せも多くなる。このため,図8にも示すように実測スペクトルIと理論スペクトルSのフィッティングを良好にさせる極小解が複数存在し得る。このような場合には数学的に得られた解が物理的に正しい解であるとは限らない。従って,下層膜の光学定数パラメータが物理的に正しい解でない場合にはそれを利用した対象膜のスペクトルフィッティングの精度を高めることはできない。
そこで,本実施形態では,対象膜の光学定数をそれよりも下層の膜の光学定数を用いてフィッティング処理による基本ステップによって算出し,そのときに十分なフィッティングが得られなかった場合には,対象膜の光学定数のみならず,その下層の膜の光学定数も同時に再フィッティングして算出し直す再計算ステップを実行する。これによれば,下層の膜の光学定数を修正しながら対象膜の光学定数を再計算することができるので,下層の膜の光学定数を物理的に正しい解に導くことができる。これにより,対象膜の光学定数の算出精度を大幅に向上させることができる。
(光学定数を修正する再計算ステップ)
次に,このような再フィッティングによる再計算ステップの具体例について図面を参照しながら説明する。ある膜を対象膜とした再フィッティング処理は例えば図12に示すフローチャートに基づいて制御部400により実行される。ここでは,上述したように酸化膜540を対象膜としてその光学定数n,kをその下層のポリシリコン膜530の光学定数n,kとともに再フィッティング処理により算出し直す場合を例に挙げながら説明する。
先ずステップS210にて対象膜と下層膜を算出したときの各膜構造サンプルについての実測スペクトルを読み出す。ここでは酸化膜540を対象膜とし,その下層膜はポリシリコン膜530であるので,酸化膜540を算出したときの膜構造サンプルBについての実測スペクトルIと,ポリシリコン膜530を算出したときの膜構造サンプルAについての実測スペクトルIとをデータ記憶部460から読出す。
続いてステップS220にて上述した理論式を用いて必要なフィッティングパラメータを設定し,各膜構造サンプルの反射率の理論スペクトルを算出する。実測スペクトルIにフィッティングさせる膜構造サンプルAについての理論スペクトルSと,実測スペクトルIにフィッティングさせる膜構造サンプルBについての理論スペクトルSを算出する。
そして,理論スペクトルSについては,ポリシリコン膜530の光学定数パラメータP(ω,γ,N(j=0〜6))にその膜厚dA1を加えた合計22個をフィッティングパラメータとする。これに対して理論スペクトルSについては,酸化膜540の光学定数パラメータP(ω,γ,N(j=0,1))のみならず,ポリシリコン膜530の光学定数パラメータP(ω,γ,N(j=0〜6))もフィッティングパラメータとする。さらに酸化膜540の膜厚dB2とポリシリコン膜530の膜厚dB1も加え,合計29個をフィッティングパラメータとする。
なお,このときのフィッティングパラメータの初期値は,図7に示すフィッティング処理による基本ステップで既に算出済みのパラメータ値の組合せを入力する。これによれば,初期値をランダムにする場合よりも最小解への収束が早くなり,再計算にかかる時間を短縮することができる。
続いてステップS230にて各膜構造サンプルにおいて共通する膜の光学定数パラメータには共通の値を入れて変動させながら,各理論スペクトルを各実測スペクトルに同時にフィッティングし,これらのスペクトルの差異を加えたものが最小となるパラメータ値の組合せを求めて修正する。すなわち,膜構造サンプルAの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dA1)のフィッティングと,膜構造サンプルBの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,dB1,dB2)のフィッティングとを同時に行う。
このとき,各膜構造サンプルA,Bにおいて共通する膜であるポリシリコン膜530の光学定数パラメータPについては共通の値を入れて各フィッティングパラメータを変動させながら,各フィッティングを同時に行う。これにより,各フィッティングでのスペクトルの一致度をより高めることができるので,フィッティングの精度を向上させることができる。
このように,各フィッティングを同時に行い,それぞれの差異を加えたものが最小となるパラメータ値の組合せを求める。すなわち,スペクトルSとIの誤差自乗和と,スペクトルSとIの誤差自乗和とを加えた値が最小となるパラメータ値の組合せを求める。ステップS240にてこれらパラメータ値の組合せからポリシリコン膜530と酸化膜540の光学定数を求めて修正する。ここでの算出されたパラメータ値の組合せと光学定数の修正としては,具体的には例えば既にデータ記憶部460に記憶されている値を上書きするなどにより書き直す。
ここで,スペクトルS,I及びスペクトルS,Iを同時にフィッティングした場合(再計算ステップ)の誤差自乗和を観念的に2次元のグラフで示したものを図13に示す。図13では,スペクトルSとIの誤差自乗和と,スペクトルSとIの誤差自乗和とを加えた値のグラフを実線で表している。図13では比較のため,図8に示すスペクトルSとIのみをフィッティングした場合(基本ステップ)の誤差自乗和のグラフを点線で重ねて表示している。
図13に示す実線グラフは,点線グラフに比して最小値が明確に現れている。各フィッティングの誤差自乗和を加えることにより,その最小値がより明確に現れるようになるので最適なパラメータ値の組合せを求めることができる。具体的には図13の実線グラフで示す各誤差自乗和を加えた値が最小値(0.0042)のとき,図14に示すように理論スペクトルSと実測スペクトルIの誤差自乗和は0.0028であり,これらのグラフを見てもスペクトルSとIのフィッティングの精度が極めて良好であることがわかる。
しかも,図13によれば,実線グラフの最小値は点線グラフでの最小値ではなく,点線グラフでは他の極小値に近い。これは,本実施形態にかかる再計算ステップによって各フィッティングを同時に行うことで,ポリシリコン膜530の光学定数が物理的に正しい解に修正されたものと考えられる。具体的には図13の実線グラフで示す各誤差自乗和を加えた値が最小値(0.0042)のとき,図15に示すように理論スペクトルSと実測スペクトルIの誤差自乗和は0.0014であり,図11に示す酸化膜540のみの光学定数を求める場合の誤差自乗和(0.0664)に比してスペクトルの一致度が大幅に改善していることがわかる。また,これらのグラフを見てもスペクトルSとIのフィッティングの精度についても極めて良好になっていることがわかる。
このように,本実施形態にかかる再計算ステップによれば,下層の膜の光学定数を修正しながら対象膜の光学定数を再計算することができるので,下層の膜の光学定数を物理的に正しい解に導くことができる。これにより,対象膜の光学定数の算出精度を大幅に向上させることができる。
なお,本実施形態にかかる再計算ステップは,上述した酸化膜540を対象膜とした場合のみならず,他の膜を対象膜として基本ステップで光学定数を算出した場合に十分なフィッティングが得られなかった場合にも適用できることは言うまでもない。この場合,その対象膜の下層に既に光学定数を算出した膜が複数ある場合には,先ずは対象膜の直下の下層膜の光学定数を求めるときに用いた実測スペクトルを同時に再フィッティングし,それでも良好なフィッティングが得られない場合に,さらに下層の膜についての実測スペクトルも加えて同時に再フィッティングする。こうして,良好なフィッティングが得られるまで,下層の膜の実測スペクトルを加えて同時に再フィッティングするようにしてもよい。
ここで,図5に示す積層膜構造500の各膜の光学定数を求める場合に本実施形態にかかる基本ステップの後に再計算ステップを実行するときの流れをまとめたものを図16に示す。先ず第1段階の第1ステップにてポリシリコン膜530を最初の対象膜としてその光学定数n,kを算出する。ここでは上述したように図7に示すフィッティング処理による基本ステップにおいて図6に示す膜構造サンプルAの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dA1)とをフィッティングする。なお,最初の膜の光学定数の算出処理では再計算することなく,このまま次の膜の光学定数の算出に移る。この段階では未だ再計算で同時にフィッティングすべき光学定数算出済みの下層膜がないからである。
次に第2段階の第1ステップにて酸化膜540を対象膜としてその光学定数n,kを算出する。ここでは上述したように図7に示すフィッティング処理による基本ステップにおいて図6に示す膜構造サンプルBの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dB1,dB2)とをフィッティングする。このとき,十分なフィッティングが得られた場合には,次の第3段階に移る。
これに対して,第1ステップにて十分なフィッティングが得られない場合には,第2ステップにて対象膜である酸化膜540の光学定数n,kとその下層膜であるポリシリコン膜530の光学定数n,kを同時に求めて修正する。ここでは,上述したように図12に示す再フィッティング処理による再計算ステップにおいて膜構造サンプルBの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,dB1,dB2)のフィッティングと,膜構造サンプルAの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dA1)のフィッティングを同時に行うことにより算出する。共通の光学定数パラメータPには共通の値を入れて変動させながらフィッティングする。
次に第3段階の第1ステップにて反射防止膜550を対象膜としてその光学定数n,kを算出する。ここでは上述したように図7に示すフィッティング処理による基本ステップにおいて図6に示す膜構造サンプルCの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dC1,dC2,dC3)とをフィッティングする。このとき,十分なフィッティングが得られた場合には,次の第4段階に移る。
これに対して,第1ステップにて十分なフィッティングが得られない場合には,第2ステップにて対象膜である反射防止膜550の光学定数n,kとその下層膜である酸化膜540の光学定数n,kを同時に求めて修正する。ここでは,上述したように図12に示す再フィッティング処理による再計算ステップにおいて膜構造サンプルCの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,dC1,dC2,dC3)のフィッティングと,膜構造サンプルBの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dB1,dB2)のフィッティングを同時に行う。共通の光学定数パラメータPには共通の値を入れて変動させながらフィッティングする。このとき,十分なフィッティングが得られた場合には,次の第4段階に移る。
また,第2ステップにおいても未だ十分なフィッティングが得られない場合には,第3ステップにて更なる下層膜であるポリシリコン膜530の光学定数n,kも同時に算出し直してさらに修正する。ここでは,図12に示す再フィッティング処理による再計算ステップにおいて膜構造サンプルCの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,P,dC1,dC2,dC3)のフィッティングと,膜構造サンプルBの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,dB1,dB2)のフィッティングと,膜構造サンプルAの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dA1)のフィッティングとを同時に行うことにより各光学定数n,k,n,k,n,kを求める。共通の光学定数パラメータP,Pにはそれぞれ共通の値を入れて変動させながらフィッティングする。
次に第4段階の第1ステップにてフォトレジスト膜560を対象膜としてその光学定数n,kを算出する。ここでは上述したように図7に示すフィッティング処理による基本ステップにおいて図6に示す膜構造サンプルDの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dD1,dD2,dD3,dD4)とをフィッティングする。このとき,十分なフィッティングが得られた場合には,一連の処理を終了する。
これに対して,第1ステップにて十分なフィッティングが得られない場合には,第2ステップにて対象膜であるフォトレジスト膜560の光学定数n,kとその下層膜である反射防止膜550の光学定数n,kを同時に求めて修正する。ここでは,上述したように図12に示す再フィッティング処理による再計算ステップにおいて膜構造サンプルDの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,dD1,dD2,dD3,dD4)のフィッティングと,膜構造サンプルCの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dC1,dC2,dC3)のフィッティングを同時に行う。共通の光学定数パラメータPには共通の値を入れて変動させながらフィッティングする。このとき,十分なフィッティングが得られた場合には,一連の処理を終了する。
また,第2ステップにおいても未だ十分なフィッティングが得られない場合には,第3ステップにて更なる下層膜である酸化膜540の光学定数n,kも同時に算出し直してさらに修正する。ここでは,図12に示す再フィッティング処理による再計算ステップにおいて膜構造サンプルDの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,P,dD1,dD2,dD3,dD4)のフィッティングと,膜構造サンプルCの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,dC1,dC2,dC3)のフィッティングと,膜構造サンプルBの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dB1,dB2)のフィッティングとを同時に行うことにより各光学定数n,k,n,k,n,kを求める。共通の光学定数パラメータP,Pにはそれぞれ共通の値を入れて変動させながらフィッティングする。このとき,十分なフィッティングが得られた場合には,一連の処理を終了する。
また,第3ステップにおいても未だ十分なフィッティングが得られない場合には,第4ステップにて更なる下層膜であるポリシリコン膜530の光学定数n,kも同時に算出し直してさらに修正する。ここでは,図12に示す再フィッティング処理による再計算ステップにおいて膜構造サンプルDの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,P,P,dD1,dD2,dD3,dD4)のフィッティングと,膜構造サンプルCの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,P,dC1,dC2,dC3)のフィッティングと,膜構造サンプルBの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,P,dB1,dB2)のフィッティングと,膜構造サンプルAの実測スペクトルIと理論スペクトルS(P,dA1)のフィッティングと同時に行うことにより各光学定数n,k,n,k,n,k,n,kを求める。共通の光学定数パラメータP,P,Pにはそれぞれ共通の値を入れて変動させながらフィッティングする。この第4ステップの処理が終了すると一連の処理をすべて終了する。
このように,対象膜よりも下層に既に光学定数が算出された膜が複数あった場合には,その直下から下層に向けてその下層膜の膜構造サンプルの実測スペクトルを順次読み出して同時にフィッティングすることで,下層膜の光学定数を修正しながら対象膜の光学定数を求めることができる。これにより,下層の膜の光学定数を物理的に正しい解に導くことができ,下層膜の光学定数の算出精度を向上させることができるとともに,対象膜の光学定数の算出精度を大幅に向上させることができる。
なお,各ステップにおいて十分なフィッティングが得られたか否かについては,例えば理論スペクトルSと実測スペクトルIのグラフをディスプレイなどに表示させて,その一致度合いをオペレータが確認して判断するようにしてもよく,また制御部400によって自動的に一致度合いを判断するフィッティング判定処理を行うようにしてもよい。
フィッティング判定処理としては,例えば基本ステップにおけるフィッティングの誤差自乗和又は再計算ステップにおける各フィッティングの誤差自乗和を加えた値が所定の閾値以下であるか否かにより判定する。誤差自乗和が所定の閾値以下である場合には十分なフィッティングが得られた(判定OK)と判断し,誤差自乗和が所定の閾値以下でない場合には十分なフィッティングが得られなかった(判定NG)と判断する。ここでの所定の閾値としては,例えば小数二桁以下(10−2オーダー)に設定する。
次に,こうして算出された各膜の光学定数を用いて光学モデルを作成し,ウエハWの表面構造を特定する具体例について説明する。例えば算出された各膜の光学定数を用いてトレンチを光学的に表した光学モデルを異なるCD値のトレンチ毎に作成してデータ記憶部460に予め記憶しておく。そして,表面構造特定対象としてのウエハWの表面反射率を測定し,その反射率に対応するトレンチのモデルを選び出すことにより,トレンチのCD値を特定することができる。これによれば,各膜の正確な光学定数を用いてトレンチを光学的に表したモデルを作成し,作成された光学モデルを選び出すことによってトレンチのCD値を特定するため,正確なCD値を特定することができる。
ここで,基本ステップだけで算出した各膜の光学定数を用いて光学モデルを作成した場合と,さらに再計算ステップによって修正した各膜の光学定数を用いて光学モデルを作成した場合とを比較した場合の実験結果について説明する。ここでは,各膜の光学定数を用いてウエハW上に図17に示す膜構造501について酸化膜540のトレンチのCD値を特定する光学モデルを作成し,複数のCD値を特定した。また,このような分光反射率測定法によってCD値を特定したトレンチについて,さらにSEMによってCD値(CD−SEM値)を正確に測定した。そして,これら分光反射率測定法によるCD値とCD−SEM値との相関関係を図18に示す。図18では相関関係を示す直線の傾きが1に近いほど相関が大きいことを示す。
また,11カ所の測定位置のCD値をそれぞれ30回連続測定したときの回帰直線の標準誤差(3sigma値)を棒グラフで表したものを図19に示す。すなわち,図19については同じ測定位置で複数回CD値を特定した場合の測定再現性を示すものであり,3sigma値が小さいほど測定再現性が高いことを示す。
図18において,基本ステップだけで算出された各膜の光学定数を用いて光学モデルを作成してCD値を求めた場合については「◆」でプロットし,図19においては斜線の棒グラフで示した。これに対して,再計算ステップによって修正した各膜の光学定数を用いて光学モデルを作成してCD値を求めた場合については「●」でプロットし,図19においては塗りつぶしの棒グラフで示した。
図18によれば,基本ステップだけを行った場合には直線の傾きは0.81であり,さらに再計算ステップを行った場合には直線の傾きは1.05である。これは再計算ステップを行った方が基本ステップだけを行った場合に比してCD−SEM値との相関に優れ,物理寸法を精度よく示していることがわかる。また,図19によれば,再計算ステップを行った場合の棒グラフは,基本ステップだけを行った場合に比してほぼすべての測定位置で3sigma値が1/2になっている。これは,再計算ステップを行った方が基本ステップだけを行った場合に比して測定再現性にも優れていることがわかる。
なお,本実施形態で用いた膜構造サンプルA〜Dは,例えば図20に示すようにウエハW上に形成された測定位置A1,A2,A3のうち,いずれか一カ所に白色光を照射したときの反射光から反射率の実測スペクトルを測定したものである。各膜の光学定数の算出においては,これに限られるものではなく,複数の測定位置A1,A2,A3のすべてについて反射率の実測スペクトルを測定し,これらを同時にフィッティングするようにしてもよい。
また,本実施形態における再計算ステップでは,各実測スペクトルと各理論スペクトルの差異として誤差自乗和を算出し,各誤差自乗和を加算した値が最小になるようにフィッティング解析を実行する場合について説明したが,これに限定されるものではなく,各実測スペクトルと各理論スペクトルの差異として誤差自乗和を算出し,各誤差自乗和をかけ算した値が最小になるようにフィッティング解析を実行するようにしてもよい。これによっても本実施形態の場合と同様の結果が得られる。
また,本実施形態では測定室300は図3に示す構成,すなわちウエハW表面に対して白色光を垂直に照射して反射光を検出する所謂リフレクトメータとして構成し,そのような反射光に基づいて光学定数を算出する場合を例に挙げて説明した。測定室300はこれに限られるものではなく,例えばウエハW表面に対して白色光を斜めから照射して得られる反射光を検出する所謂エリプソメータとして構成し,そのような反射光に基づいて光学定数を算出する場合に本発明を適用してもよい。
このような測定室300を所謂エリプソメータとして構成した場合の変形例について図21に示す。図21に示す測定室300は,光源320と,偏光子322と,補償板324と,検出子326と,分光器328と,検出器330とを備える。光源320,偏光子322及び補償板324はウエハWの表面に対する所定の迎角の直線上に配される。また,検出子326,分光器328及び検出器330は,直線上且つウエハWに対する垂直軸に関して光源320,偏光子322及び補償板324と対称に配される。
図21に示す測定室300についても,ウエハWの表面からの反射光を測定することができる。具体的には,光源320から照射された白色光が偏光子322,補償板324を透過してウエハWに入射する。入射した白色光はウエハWの表面において反射し,その反射光は検出子326,分光器328を介して検出器330に入射する。検出器330は,入射された反射光を受光し,その反射光を電気信号に変換して制御部400に送信する。
図21に示すようなエリプソメータの構成では,白色光を斜めから照射してその反射光を検出するので,白色光を垂直に照射してその反射光を検出するリフレクトメータの場合と比べてウエハW表面の膜を光が通過する光路が長く,しかもその光源からの光も偏光により縦波と横波に分けてそれぞれの反射率のスペクトルを得られる点で膜の情報量が多い。このため,光学定数の算出精度もリフレクトメータの場合に比べて高いものの,本実施形態にかかる基本ステップと再計算ステップを適用することにより,より一層光学定数の算出精度を向上させることができる。
ところが,エリプソメータでは白色光を斜めから照射するのでそのスポット光は楕円であり,長径方向に長くなる。これに対して,リフレクトメータでは白色光を垂直に照射するのでそのスポット光は円であり,エリプソメータよりも狭い領域で反射光を測定することができる。近年ではウエハW上に形成される半導体装置のデザインルールの微細化に伴って測定に必要なスポット光の面積もより小さいものが要求されているのでこれに応えることができる。ところが,エリプソメータの場合に比べて反射率のスペクトルから得られる膜の情報量が少ないので,一般的には光学定数を正確に求めることは難しい場合が多い。この点,このようなリフレクトメータに本実施形態における基本ステップ及び再計算ステップによる光学定数の算出を適用することにより,対象膜の光学定数を下層膜の光学定数を修正しながら正確に求めることができるので,大きな効果を発揮できる。
また,上述した表面構造特定処理では,スキャトロメトリ法として分光反射率測定法を用いる場合について説明したが,スキャトロメトリ法としてはウエハWに白色光を照射することにより得られた反射光の位相,強度等から表面構造を特定できるものであればよく,例えばエリプソメトリ法を用いてもよい。
また,図1に示す基板処理装置100では,測定室300を搬送室130に設けた場合を例に挙げて説明したが,これに限定されるものではなく,測定室300を基板処理装置100とは別体で設け,基板処理装置100とは別の場所に配置してもよい。
また,上記実施形態により詳述した本発明については,複数の機器から構成されるシステムに適用しても,1つの機器からなる装置に適用してもよい。上述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体をシステムあるいは装置に供給し,そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体等の媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することによっても,本発明が達成され得る。
この場合,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり,そのプログラムを記憶した記憶媒体等の媒体は本発明を構成することになる。プログラムを供給するための記憶媒体等の媒体としては,例えば,フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RW,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどが挙げられる。また,媒体に対してプログラムを,ネットワークを介してダウンロードして提供することも可能である。
なお,コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより,上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく,そのプログラムの指示に基づき,コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
さらに,記憶媒体等の媒体から読み出されたプログラムが,コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後,そのプログラムの指示に基づき,その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い,その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も,本発明に含まれる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は,基板処理装置及び光学定数算出方法並びにその方法を実行するプログラムを記憶した記録媒体に適用可能である。
本発明の実施形態にかかる基板処理装置の概略構成を示す断面図である。 図1に示す制御部の構成例を示すブロック図である。 図1に示す測定室の構成を概略的に示す図である。 理論スペクトルを算出するための理論式を説明するための積層膜構造を示す図である。 光学定数を測定する複数の膜が積層されたウエハW表面の積層膜構造の具体例を示す図である。 図5に示す各膜の光学定数を算出するのに必要な膜構造サンプルを説明するための図である。 本実施形態にかかる基本ステップのフィッティング処理の具体例を示す流れ図である。 基本ステップにおいてポリシリコン膜を対象膜としてその光学定数を算出する際のフィッティングにおける理論スペクトルと実測スペクトルとの誤差自乗和を2次元のグラフで観念的に示した図である。 図8で誤差自乗和が最小のときの膜構造サンプルAについての理論スペクトルと実測スペクトルをグラフにした図である。 基本ステップにおいて酸化膜を対象膜としてその光学定数を算出する際のフィッティングにおける理論スペクトルと実測スペクトルとの誤差自乗和を2次元のグラフで観念的に示した図である。 図10で誤差自乗和が最小のときの膜構造サンプルBについての実測スペクトルと理論スペクトルをグラフにした図である。 本実施形態にかかる再計算ステップの再フィッティング処理の具体例を示す流れ図である。 再計算ステップにおいて各スペクトルを同時にフィッティングした場合の各誤差自乗和を加えた値を観念的に2次元の実線グラフで示した図である。 図13で誤差自乗和を加えた値が最小のときの膜構造サンプルAについての理論スペクトルと実測スペクトルをグラフにした図である。 図13で誤差自乗和を加えた値が最小のときの膜構造サンプルBについての理論スペクトルと実測スペクトルをグラフにした図である。 図5に示す積層膜構造の各膜の光学定数を求める場合に基本ステップの後に再計算ステップを実行するときの流れをまとめた図である。 各膜の光学定数を用いて光学モデルを作成した膜構造を示す図である。 分光反射率測定法によるCD値とCD−SEM値との相関関係を示す図である。 同じ測定位置で複数回CD値を特定した場合の測定再現性を示す図である。 ウエハ表面上の測定位置を示す図である。 図1に示す測定室の変形例の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
100 基板処理装置
110(110A,110B) 真空処理ユニット
120 搬送ユニット
130 搬送室
132(132A〜132C) カセット台
134(134A〜134C) カセット容器
136(136A〜136C) ロードポート
137 オリエンタ
138 回転載置台
139 光学センサ
150(150A,150B) ロードロック室
152(152A,152B) ゲートバルブ
154A,156A バッファ用載置台
156A,156B バッファ用載置台
160 共通搬送機構
162 基台
170A,170B 個別搬送機構
172A,172B ピック
200(200A,200B) プラズマ処理装置
210(210A,210B) 処理室
211(211A,211B) サセプタ
232(232A,232B) ゲートバルブ
300 測定室
302 載置台
310 光源
312 ハーフミラー
314 集光レンズ
316 分光器
318 検出器
320 光源
322 偏光子
324 補償板
326 検出子
328 分光器
330 検出器
400 制御部
410 CPU
420 メモリ
430 報知部
440 各種コントローラ
450 プログラム記憶部
460 データ記憶部
500 積層膜構造
501 膜構造
510 シリコン基材
520 ゲート酸化膜
530 ポリシリコン膜
540 酸化膜
550 反射防止膜
560 フォトレジスト膜
A〜D 膜構造サンプル
W ウエハ

Claims (9)

  1. 基板上に形成された積層膜構造における各膜の光学定数を算出する光学定数算出方法であって,
    前記各膜をそれぞれ下から順に対象膜とし,その対象膜の光学定数を既に算出された下層膜の光学定数を用いて算出することによって,各膜の光学定数を順次算出する基本ステップと,
    前記基本ステップで算出した対象膜の光学定数を,前記下層膜の光学定数を修正しながら算出し直す再計算ステップと,
    を有することを特徴とする光学定数算出方法。
  2. 前記再計算ステップは,
    前記対象膜が最上層でそれよりも下層の膜構造が前記積層膜構造と同一の膜構造サンプルと前記下層膜が最上層でそれよりも下層の膜構造が前記積層膜構造と同一の膜構造サンプルについてそれぞれ,白色光を照射したときの反射光から分光反射率の実測スペクトルを得るステップと,
    前記各膜構造サンプルについての分光反射率の理論スペクトルを算出するステップと,
    前記各膜構造サンプルについて前記実測スペクトルと前記理論スペクトルとのフィッティングを同時に行い,各フィッティングにおける前記実測スペクトルと前記理論スペクトルのそれぞれの差異を加えた値が最小となるときのパラメータ値の組合せを求めるステップと,
    前記パラメータ値の組合せから前記対象膜の光学定数と前記下層膜の光学定数をそれぞれ算出するステップと,
    を有することを特徴とする請求項1に記載の光学定数算出方法。
  3. 前記再計算ステップにおいて,
    前記対象膜が最上層の膜構造サンプルについての理論スペクトルでは,前記対象膜の光学定数パラメータ及び膜厚,前記下層膜の光学定数パラメータ及び膜厚をフィッティングパラメータとし,
    前記下層膜が最上層の膜構造サンプルについての理論スペクトルでは,前記下層膜の光学定数パラメータ及び膜厚をフィッティングパラメータとし,
    前記各膜構造サンプルの共通する下層膜の光学定数パラメータは共通の値で変動させながら各フィッティングを同時に行うことを特徴とする請求項2に記載の光学定数算出方法。
  4. 前記再計算ステップにおいて,前記フィッティングパラメータは既に算出された値を初期値とすることを特徴とする請求項3に記載の光学定数算出方法。
  5. 前記実測スペクトルと前記理論スペクトルの差異は,最小二乗法による誤差自乗和であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学定数算出方法。
  6. 前記対象膜の下層に既に算出された下層膜が複数ある場合には,直下の下層膜から順に光学定数の再計算に加えていくことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学定数算出方法。
  7. 前記再計算ステップで行われたフィッティングにおいて,前記各実測スペクトルと前記各理論スペクトルの誤差自乗和をそれぞれ加えた値が所定の閾値以下であるか否かを判断し,
    更なる下層膜を加えての光学定数の再計算は,前記誤差自乗和を加えた値が所定の閾値以下のときのみに実行することを特徴とする請求項6に記載の光学定数算出方法。
  8. 基板上に形成された積層膜構造の各膜の光学定数を算出する基板処理装置であって,
    少なくとも前記基板上に照射する白色光の光源と,前記反射光を分光する分光器と,この分光器からの光を検出する検出器とを備えた測定室と,
    前記測定室を制御する制御部と,を備え,
    前記制御部は,前記測定室にて前記各膜の光学定数の算出に必要な膜構造サンプルが形成された基板に白色光を照射してその反射光を検出することにより分光反射率の実測スペクトルを取得し,理論スペクトルとのフィッティングによって前記各膜の光学定数をそれぞれ下から順に算出する基本ステップと,この基本ステップで算出した対象膜の光学定数を,その下層膜の光学定数を修正しながら算出し直す再計算ステップとを実行することを特徴とする基板処理装置。
  9. 基板上に形成された積層膜構造における各膜の光学定数を算出する光学定数算出方法をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する記憶媒体であって,
    前記光学定数算出方法は,
    前記各膜をそれぞれ下から順に対象膜とし,その対象膜の光学定数を既に算出された下層膜の光学定数を用いて算出することによって,各膜の光学定数を順次算出する基本ステップと,
    前記基本ステップで算出した対象膜の光学定数を,前記下層膜の光学定数を修正しながら算出し直す再計算ステップと,
    を有することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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