JP2010050048A - 膜電極接合体及び触媒層形成用ペースト材 - Google Patents

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Abstract

【課題】局所的な発熱が生じた場合であっても、電解質膜の穴あきを未然に防ぎ、燃料電池のスタックからの電力供給の急停止をすることなく安全に燃料電池を使用することができる膜電極接合体を提供する。
【解決手段】白金担持カーボン22と電解質23とを少なくとも含む触媒層20A、20Bが電解質膜10の表面に接合された膜電極接合体1であって、該触媒層20A、20Bは、ガス又は水と接触して硬化する硬化性樹脂24bと、該硬化性樹脂24bを内包し、所定の溶融温度で溶融する導電性のカプセル24aとを備えたカプセル粒子24をさらに含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質膜の両面に触媒層が接合された固体高分子型燃料電池用の膜電極接合体及び膜電極接合体に係り、特に、前記燃料電池の信頼性を向上させることができる膜電極接合体に関する。
電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池は、低温における作動が可能であり、かつ、小型軽量化が可能であるため、自動車などの移動体への適用が検討されている。特に、固体高分子型燃料電池を搭載した燃料電池自動車はエコロジーカーとして社会的な関心が高まっている。
このような固体高分子型燃料電池は、図4に示すように、膜電極接合体(MEA)95を主要な構成要素とし、それを燃料(水素)ガス流路および空気ガス流路を備えたセパレータ96,96で挟持して、単セルと呼ばれる1つの燃料電池90を形成している。膜電極接合体95は、イオン交換膜である電解質膜91の一方側にアノード側の電極(アノード触媒層)93aを積層し、他方側にカソード側の電極(カソード触媒層)93bを積層した構造であり、アノード触媒層93aとカソード触媒層93bには、それぞれ拡散層94a,94bが配置されている。
一般的に、PEFC、DMFCなどの燃料電池の電解質膜には、アノード側とカソード側のガスの混合を防ぐためのガスバリア性が求められているが、燃料電池の作動により、触媒成分が電解質膜中へ析出することにより、電解質膜に穴あきが生じることがあった。
このような電解質膜の穴あきを未然に防ぐべく、カソード触媒層と電解質膜との間に、カソード触媒層から電解質膜への触媒イオンの溶出を抑制ないしは停止する機能を持つカソード側ブロッキング層を有した膜電極接合体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2007−242423号公報
しかしながら、触媒層からの触媒層の触媒イオンの溶出以外の原因により、電解質膜に穴あきが発生することもある。具体的には、図3に示すように、短絡電流によるジュール熱、発電集中、クロスリーク増大による局所直接反応などの原因により、電解質膜91及び触媒層93a,93bが局所的に高温に晒される。このような場合、電解質膜91に穴あきが発生し、前述したガスバリア性が損なわれることがあった。この結果、アノード側及びカソード側のガスが混合されて、これらガスが直接反応し、セル内で燃焼爆発が発生するおそれがあった。
燃料電池を製品に応用する場合には、電圧や電力を確保するために複数のセルを積層したスタックとして利用することが一般的である。しかし、スタック中の1つのセルにこのような不具合がした場合には、このセルの発電を停止させねばならず、結局のところ、現状の積層構造では、スタック全体の発電をとめざるを得ない。
つまり、スタック中のたった1つのセルに上記不具合が発生した場合であっても、安全性を考慮して燃焼・爆発が生じる前に発電を停止させるためには、燃料電池からの電力供給をすべて停止しなければならならない。
しかし、製品の特性上、突然供給電力を遮断することが難しく、燃料電池の出力を絞ってでも電力供給が必要なケースも多く存在する。例えば、燃料電池を車両用電源として用いた場合を想定すると、高速道路走行中に突然供給電力が遮断され、車両を停止せざるを得ない状況よりも、車速を落としてでもサービスエリアなどの安全な場所や修理工場などまで、走行可能なように、燃料電池の出力を絞った方が望ましい。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、局所的な発熱が生じた場合であっても、電解質膜の穴あきを未然に防ぎ、燃料電池のスタックからの電力供給の急停止をすることなく安全に燃料電池を使用することができる膜電極接合体を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係る膜電極接合体は、触媒担持導電性粒子と電解質とを少なくとも含む触媒層が電解質膜の表面に接合された膜電極接合体であって、該触媒層はカプセル粒子をさらに含み、該カプセル粒子は、ガス又は水と接触して硬化する硬化性樹脂と、該硬化性樹脂を内包し、かつ所定の溶融温度で溶融する導電性のカプセルと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、電解質膜に穴あきが発生するほどの異常な発熱が生じた場合(所定の融点温度の温度にまで発熱した場合)には、カプセル粒子のカプセルが溶け、内包されていた硬化性樹脂がカプセル粒子から放出される。この際に、触媒層内において、カプセル粒子と繋がっていた触媒担持導電性粒子が、触媒層から脱落し、異常発熱箇所の触媒層の構造は破壊される。一方、異常発熱箇所の触媒層のうち、破壊されず残留した部分の触媒層の空孔及び表面は、放出された硬化性樹脂により埋められるため、反応ガスがその触媒層内に拡散され難くなり、その部分における触媒は作用しない。この結果、異常は発熱をした部分は、発電不能となり、その部分の発熱は抑制されて、その部分の温度は低くなる。これにより、電解質膜が解けるほどの高温発熱は回避され、電解質膜の穴あきを未然に回避することができる。なお、カプセル粒子のカプセルを導電性(電気伝導性)のある材料とすることにより、燃料電池の発電特性の低下を抑制できる。
ここで、アノード側の触媒層には、水または水素ガスと接触して硬化する硬化性樹脂を含むカプセル粒子を含有し、カソード側の触媒層には、水または酸素ガスと接触して硬化する硬化性樹脂を含むカプセル粒子を含有することがより好ましい。
また、別の態様として、前記カプセル粒子は、第一のカプセル粒子と第二のカプセル粒子からなり、第一のカプセル粒子のカプセルに主剤となる樹脂を内包し、第二のカプセル粒子のカプセル内に前記樹脂の硬化剤を内包させてもよい。この場合、カプセルが溶融時に、主剤と硬化剤が混合され、樹脂を硬化させることができる。
さらに、本発明に係る膜電極接合体は、前記硬化性樹脂の溶融温度が、前記電解質膜の電解質のガラス転移温度未満であることがより好ましい。本発明によれば、ガラス転移温度未満で溶解するカプセルを用いることにより、電解質膜が溶融する前に、カプセル粒子のカプセルを溶融することができ、より確実に電解質膜の穴あきを抑制することができる。
さらに、本発明にかかる膜電極接合体の前記触媒層に含まれる前記カプセル粒子の硬化性樹脂の総量は、前記触媒層に形成される多孔質の空孔の総体積よりも多いことがより好ましい。本発明によれば、カプセル粒子から放出される硬化性樹脂が、異常発熱した触媒層の多孔質内に充填されることになるので、その触媒層部分の反応ガスによる発熱を確実に抑制することができる。
本発明に係る膜電極接合体は、前記硬化性樹脂が、水に電離してカチオンとなる塩、またはカチオンを含む水溶液をさらに含むことがより好ましい。本発明によれば、硬化性樹脂の放出時に、カチオンも放出されるので、発電時におけるプロトンの供給を抑制することができる。また、水に電離してカチオンとなる塩、またはカチオンを含む水溶液としたので、電解質へイオン交換されやすい。
このようなカチオンとしては、例えば、金属カチオンや有機物カチオンを挙げることができる。金属カチオンとしては、アルミニウムイオン、鉄イオン、銅イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどを挙げることができ、有機物カチオンとしては、例えばアンモニウムイオンなどを挙げることができる。
また、別の態様としては、本発明に係る膜電極接合体は、前記硬化性樹脂が、乾燥剤をさらに含むことがより好ましい。本発明によれば、乾燥剤を含むことにより、電解質膜及び触媒層中の電解質を強制的に乾燥させることができ、プロトン伝導性を下げることができる。
このような乾燥剤としては、化学的乾燥剤を挙げることができ、例えば、塩化カルシウム、五酸化二リン、濃硫酸、硫酸ナトリウム無水塩、硫酸銅無水塩などを挙げることができる。
また、別の態様としては、本発明に係る膜電極接合体は、前記硬化性樹脂が、前記触媒担持導電粒子の触媒を被毒させる材料をさらに含むことがより好ましい。本発明によれば、触媒を被毒させる材料をさらに含むことにより、触媒層の触媒の反応を抑制することができる。
このような触媒を被毒させる材料としては、例えば、硫黄化合物、塩素化合物、窒素酸化物、硫酸イオンを含む低分子有機物、一酸化炭素などを挙げることができる。
本発明として、前記膜電極接合体を製造するための触媒層形成用ペースト材をも開示する。本発明に係る触媒層形成用ペースト材は、触媒担持導電性粒子と電解質とを含む触媒層形成用ペースト材であって、ペースト材は、ガス又は水と接触して硬化する硬化性樹脂と、該硬化性樹脂を内包し、所定の溶融温度で溶融する導電性のカプセルとを備えたカプセル粒子をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、このような触媒層形成用ペースト材を用いて、膜電極接合体を製造することにより、前述の如く、電解質膜が解けるほどの高温発熱は回避され、電解質膜の穴あきを未然に回避することができる。
またより好ましくは、前記硬化性樹脂が、水に電離してカチオンとなる塩、またはカチオンを含む水溶液、乾燥剤、及び前記触媒担持導電粒子の触媒を被毒させる材料のうち少なくとも一種を含む。
本発明によれば、局所的な発熱が生じた場合であっても、電解質膜の穴あきを未然に防ぎ、燃料電池のスタックからの電力供給の急停止をすることなく安全に燃料電池を使用することができる。
以下に図面を参照して、本発明に係る膜電極接合体の一実施形態に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る膜電極接合体を説明するための図であり、図1(a)は、膜電極接合体の断面図であり、図1(b)は、図1(a)のA部の拡大図であり、図1(c)は、図1(b)のカプセル粒子(マイクロカプセル粒子)の断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る膜電極接合体1は、電解質膜10の一方側にアノード側の触媒層(アノード触媒層)20Aが接合され、他方側にカソード側の触媒層(カソード触媒層)20Bが接合されている。この構造は、前述した図4に示す構造と同じであり、膜電極接合体1を含む燃料電池の構造も図4に示す構造と同様の構造であるので、以下における詳細な説明は省略する。
電解質膜10に含まれる高分子電解質は、イオン交換機能を有するものであり、例えば、フルオロアルキルエーテル側鎖とパーフルオロアルキル主鎖を有するフルオロアルキル共重合体のパーフルオロ系プロトン交換樹脂が好ましく用いられる。例えば、デュポン社製ナフィオン(商標名)、旭化成製アシプレックス(商標名)、旭硝子製フレミオン(商標名)、ジャパンゴアテックス社製ゴア−セレクト(商標名)等が例示され、部分フッ素樹脂では、トリフルオロスチレンスルホン酸の重合体やポリフッ化ビニリデンにスルホン酸基を導入したものなどがある。また、炭化水素系プロトン交換樹脂である、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリイミド系樹脂などにスルホン酸基を導入したものなどがある。これらは燃料電池が用いられる用途や環境に応じて適宜選択されるべきものであるが、パーフルオロ系が燃料電池寿命の点から好ましい。
図1(b)に示すように、アノード触媒層20Aは、触媒担持導電性粒子として、白金21が担持されたカーボン粒子(白金担持カーボン)22と電解質(前駆体ポリマ)23とを含むものであり、さらに、本実施形態では、カプセル粒子24を含むものである。
白金担持カーボン22及びカプセル粒子24は、電解質23を介してアノード触媒層20A内に分散配置されており、アノード触媒層20Aは、多孔質構造となっている。触媒担持導電体として白金担持カーボンを例に挙げたが、触媒は、触媒反応が生じるものであるならば、特に限定されるものではなく、触媒反応における活性化過電圧が小さいことから、金、パラジウム、ルテニウム、イリジウムなどの貴金属触媒が好ましく用いられる。また、これらの貴金属触媒の合金、混合物など、2種以上の元素が含まれていても構わない。さらに、導電体は、電気的に導電可能な物質であれば特に限定されるものではなく、たとえば、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましい。
図1(c)に示すように、カプセル粒子24は、カプセル24aと、カプセル24aに内包された硬化性樹脂24bとを備えている。カプセル24aは、電解質膜10を構成する高分子電解質のガラス転移温度未満の温度で溶融する材料で、かつ、導電性(電気伝導性)を有した材料である。
このようなカプセル24aの構成材料としては、例えば、導電性高分子樹脂や、導電性を持たない高分子樹脂に導電性フィラーを導入したものを挙げることができる。例えば、導電性高分子樹脂としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリオレフィン、又はポリパラフェニレンビニレンなどを挙げることができる。さらに、必要に応じて、ヨウ素、五フッ化ヒ素などの電子受容体(アクセプタ)や、アルカリ金属などの電子供与体(ドナー)等の適当な化学種を高分子樹脂に添加して、導電性を調整することもできる。
また、硬化性樹脂24bは、異常発熱時に、アノード触媒層20Aの多孔質構造の空孔を埋めると共に、アノード触媒層20Aを覆うためのものであり、水またはガスと接触して硬化する硬化性樹脂である。別の態様として、例えば、水と接触して反応する硬化性樹脂としては、湿気硬化型の組成物を用いればよく、例えば、シアノアクリルレート系、シリコーン系、変成シリコーン系、ウレタン系、アクリル系などの樹脂などの一般的な接着剤、ガスケット剤を挙げることができる。ガスと接触して硬化する樹脂としては、揮発性溶媒を含み、溶媒の揮発により硬化する樹脂(いわゆる一般的に使用されるような接着剤)を挙げることができ、特に、水素ガスに反応して硬化する樹脂がより好ましい。
さらに、硬化性樹脂24bは、水に電離してカチオンとなる塩、またはカチオンを含む水溶液、乾燥剤、及び白金21を被毒させる材料のうち少なくとも一種を含んでいることがより好ましい。
また、図1(b)、(c)では、アノード触媒層20Aについての詳細を説明したが、カソード触媒層20Bも同様の構造であり、水素ガスに反応して硬化する樹脂の替わりに酸素ガスに反応して硬化する樹脂を用いることがより好ましい。
アノード及びカソード触媒層20A,20Bは以下のようにして形成される。まず、電解質(前駆体ポリマ)、白金担持カーボン及びカプセル粒子を含み、エタノールなどの揮発性溶媒を含む触媒層形成用ペースト材を準備する。電解質の種類は、上述した電解質膜を構成する高分子電解質が挙げられ、電解質膜10と同種の電解質を選定することが好ましい。これにより、後述するアノード側及びカソード側の触媒層20A,20Bと電解質膜10との密着性等を確保することができる。準備したペースト材を、スプレー等を用いて、電解質膜10の両面に吹き付け、電解質膜10の表面に、アノード触媒層(アノード側の触媒層)20Aと、カソード触媒層(カソード側の触媒層)20Bと形成し、これらの触媒層を乾燥させることにより、電解質膜にこれら触媒層20A,20Bを接合することができる。
このような膜電極接合体1は以下に示すように作用する。図2は、図1に示す本実施形態に係る膜電極接合体1の作用を説明するための図であり、図2(a)は、膜電極接合体1に局所的な異常発熱が発生した時を示す図であり、図2(b)は、異常発熱後の膜電極接合体1を説明するための図であり、図2(c)は、図2(b)のB部の拡大図である。なお、以下に、異常発熱時におけるアノード触媒層20Aの作用について説明するが、異常発熱時には、カソード触媒層20Bも、アノード触媒層20Aと同様に作用するので、詳細な説明を省略する。
具体的には、図2(a)に示すように、膜電極接合体1に局所的な異常発熱が発生した場合には、電解質膜10及びアノード触媒層20Aが溶解する前に、触媒層中に分散したカプセル粒子24のカプセルが溶解し、内包されていた硬化性樹脂がカプセル粒子から放出される。この際に、図2(c)に示すように、アノード触媒層20A内において、カプセル粒子24と繋がっていた白金担持カーボン22が、アノード触媒層20Aから脱落し、異常発熱箇所のアノード触媒層20Aの多孔質構造は破壊される。
一方、異常発熱箇所のアノード触媒層20Aのうち、破壊されず残留した部分のアノード触媒層20Aの空孔及び表面は、放出された硬化性樹脂により埋められるため、反応ガスがその触媒層内に拡散され難くなり、その部分における触媒は作用しない。この結果、図2(b)に示すように、異常は発熱をした部分は、発電不能部となり、その部分の発熱は抑制されて、その部分の温度は低くなる。これにより、電解質膜が解けるほどの高温発熱は回避され、電解質膜の穴あきを未然に回避することができる。この場合、セルは一部不能になったものの、残りの正常部では、発電可能であるので、スタックとしても発電を継続でき、システムへの電力の供給を継続することができる。また、カプセル粒子24のカプセル24aを導電性(電気伝導性)のある材料としたので、燃料電池の発電特性の低下を抑制できる。
特に、硬化性樹脂24bに、水に電離してカチオンとなる塩、またはカチオンを含む水溶液を含む場合には、カプセル24aから硬化性樹脂24bの放出時に、カチオンも放出されるので、発電時におけるプロトンの供給を抑制することができる。また、水に電離してカチオンとなる塩、またはカチオンを含む水溶液としたので、電解質へのイオン交換がされやすい。さらに、硬化性樹脂24bに乾燥剤を含む場合には、電解質膜及び触媒層中の電解質を強制的に乾燥させることができ、プロトン伝導性を下げることができる。また、硬化性樹脂24bに、触媒を被毒させる材料をさらに含む場合には、触媒層の触媒の反応を抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
また、本実施形態では、水素ガス、酸素ガス、又は水と接触して硬化する硬化性樹脂を用いたが、例えば、カプセル粒子として、第一のカプセル粒子と第二のカプセル粒子を準備し、それぞれのカプセル粒子内に、主剤となる樹脂と、硬化剤とを封入し、カプセルが溶融時に、主剤と硬化剤が混合され、樹脂を硬化させてもよい。
図1は、本実施形態に係る膜電極接合体を説明するための図であり、(a)は、膜電極接合体の断面図であり、(b)は、(a)のA部の拡大図であり、(c)は、(b)のカプセル粒子の断面図。 図1に示す本実施形態に係る膜電極接合体1の作用を説明するための図であり、(a)は、膜電極接合体に局所的な異常発熱が発生した時を示す図であり、(b)は、異常発熱後の膜電極接合体を説明するための図であり、(c)は、(b)のB部の拡大図。 膜電極接合体の発熱による電解質膜の穴あきを説明するための図。 固体高分子型燃料電池(単セル)の一例を説明する模式図。
符号の説明
1:膜電極接合体、10:電解質膜、20A:アノード触媒層、20B:カソード触媒層、21:白金、22:白金担持カーボン、23:電解質、24:カプセル粒子、24a:カプセル、24b:硬化性樹脂

Claims (7)

  1. 触媒担持導電性粒子と電解質とを少なくとも含む触媒層が電解質膜の表面に接合された膜電極接合体であって、
    該触媒層はカプセル粒子をさらに含み、該カプセル粒子は、ガス又は水と接触して硬化する硬化性樹脂と、該硬化性樹脂を内包しかつ所定の溶融温度で溶融する導電性のカプセルと、を有することを特徴とする膜電極接合体。
  2. 前記溶融温度は、前記電解質膜の電解質のガラス転移温度未満であることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記触媒層に含まれる前記カプセル粒子の硬化性樹脂の総量は、前記触媒層に形成される多孔質の空孔の総体積よりも多いことを特徴とする請求項1又は2に記載の膜電極接合体。
  4. 前記硬化性樹脂は、水に電離してカチオンとなる塩、またはカチオンを含む水溶液をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜電極接合体。
  5. 前記硬化性樹脂は、乾燥剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜電極接合体。
  6. 前記硬化性樹脂は、前記触媒担持導電粒子の触媒を被毒させる材料をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の膜電極接合体。
  7. 触媒担持導電性粒子と電解質とを含む触媒層形成用ペースト材であって、
    ペースト材は、カプセル粒子をさらに含み、該カプセル粒子は、ガス又は水と接触して硬化する硬化性樹脂と、該硬化性樹脂を内包しかつ所定の溶融温度で溶融する導電性のカプセルと、を有することを特徴とする触媒層形成用ペースト材。
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