JP2010049987A - フォトレジストを使用する製造システムおよびその照明光源 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明灯をその長所を生かすとともに欠点をカバーした用途に用いる。具体的にはフォトレジストを使用する製造システムについてその最適な照明灯を提供する。
【解決手段】450nmから500nmにおいて実質的な発光強度を有するとともに400nmより波長が短い領域では実質的な発光強度を持たないフォトレジストを使用する製造システム用照明光源を提供する。通常蛍光灯用照明器具に装着可能とするとともに、接続用口金部の色を黄色系の色とし、口金色が銀色の通常蛍光灯と区別する。紫外線カット窓ガラス、天井の黄色ライン、黄色ダクトなどと、紫外線領域光を出さない白色照明光源により「イエロールーム」のイメージを残しつつ、快適かつて誤作業のない環境を作る。白色照明下のフォトレジスト使用室の監視モニタ画像を擬似的に黄色く画像処理し、「イエロールーム」の画像であることを直感させる。
【選択図】図1
【解決手段】450nmから500nmにおいて実質的な発光強度を有するとともに400nmより波長が短い領域では実質的な発光強度を持たないフォトレジストを使用する製造システム用照明光源を提供する。通常蛍光灯用照明器具に装着可能とするとともに、接続用口金部の色を黄色系の色とし、口金色が銀色の通常蛍光灯と区別する。紫外線カット窓ガラス、天井の黄色ライン、黄色ダクトなどと、紫外線領域光を出さない白色照明光源により「イエロールーム」のイメージを残しつつ、快適かつて誤作業のない環境を作る。白色照明下のフォトレジスト使用室の監視モニタ画像を擬似的に黄色く画像処理し、「イエロールーム」の画像であることを直感させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、照明光源に関する。
従来種々の目的のために種々の照明光源が提案されている。最も古典的なものは白熱電球であるが、その後蛍光灯が普及し、さらに目的によっては水銀灯も用いられてきた。また、近年LEDの利用が進み、白色LEDを蛍光灯と互換可能に構成して一般の天井照明に用いることも提案されている。
特開2004−335426号公報
しかしながら、各種の照明灯をその長所を生かすとともに欠点をカバーして用いることについては、さらに検討すべき課題が多い。
本発明の課題は、上記に鑑み、照明灯をその長所を生かすとともに欠点をカバーした用途に用いることにあり、さらに詳しくは、フォトレジストを使用する製造システムについてその最適な照明灯のあり方を検討することにある。
上記課題を達成するため、本発明は、450nmから500nmにおいて実質的な発光強度を有するとともに400nmより波長が短い領域では実質的な発光強度を持たないことを特徴とするフォトレジストを使用する製造システム用照明光源を提供する。
従来のフォトレジストを使用する製造システムでは、感光可能状態にあるフォトレジストが照明光源からの紫外線で感光してしまうのを防止するため、500nmよりも短い波長をほぼ完全にカットする黄色フィルタ層を設けた黄色蛍光灯が用いられている。このため、フォトレジスト処理室は「イエロールーム」と称されているが、作業者にとって黄色照明下で長時間作業することは必ずしも快適とは言えず、また実際問題として、色の識別が困難となるとともに人間の視感度では黄色の室内照明が暗く感じられる等の問題がある。
これに対し、本発明は上記のように構成したので、従来カットすべきとされていた450nmから500nmに充分な強度をもたせることで自然に近い白色照明を可能とするとともにフォトレジストにとって問題となる紫外線が発生しないので、作業者にとって快適であるとともに、従来困難であった種類の異なるフォトレジストの判別が感光可能状態でも可能となり、さらに作業者が書類を読んだり書いたりするのにも問題のない明るさの照明環境が提供できる。なお、このようなフォトレジストを使用する製造システム用照明光源として、好適な一例は白色LEDである。
本発明の製造システム用照明光源の具体的な特徴によれば、蛍光灯用照明器具に装着可能であるとともに、通常の蛍光灯と識別可能に構成される。これによって、従来の黄色蛍光灯用の照明器具を流用して本発明の照明光源を採用することができる。
本発明のさらに具体的な特徴によれば、外観の少なくとも一部の色が通常の蛍光灯と異なる色に構成される。これによって、紫外線を発生する通常の蛍光灯を誤って取り付けることを防止することができる。本発明のさらに具体的な特徴によれば、接続用口金部の色が黄色系の色に構成される。これによって、「イエロールーム」の照明が白色になってもその環境が紫外線を嫌うことが「イエロールーム」の名残の黄色系の色で直感でき、銀色の口金の通常の蛍光灯を誤って取り付ける事故を未然に防ぐ効果が高まる。
本発明の他の特徴によれば、外界からの入射光に対し紫外線遮断処理を施した透光部分と、紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源を有することを特徴とするフォトレジストを使用する製造システムが提供される。これによって、作業者にとって快適であるとともに、実作業性にも優れた白色照明がフォトレジストへの感光の心配なしに可能になるとともに、紫外線遮断処理を施した透光部分の存在によって従来の「イエロールーム」のイメージが残り、作業への注意喚起が可能となる。
上記本発明の具体的な実施にあたっては、照明光源を全て紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源とすることも可能であり、一方、照明光源が紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源と500nmより短波長側の発光をカットした黄色蛍光灯の両者を含むよう構成することも可能である。なお、後者の場合は、本発明のさらに具体的な特徴によれば、紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源を手元照明に用いるのが好適である。
本発明の他の特徴によれば、紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源と、感光可能状態にあるフォトレジストを使用する工程であること表示する表示部を有することを特徴とするフォトレジストを使用する製造システムが提供される。これによって、作業者にとって快適であるとともに、実作業性にも優れた白色照明がフォトレジストへの感光の心配なしに可能になるとともに、表示部によって「イエロールーム」に求められていた紫外線への注意喚起が可能となる。
上記本発明の具体的な特徴によれば、表示部は黄色系の色による表示部とするのが好適である。これによって従来の「イエロールーム」のイメージが残り、作業への注意喚起が効果的となる。より具体的には、天井の白色照明光源近傍や、換気ダクトなどが、表示部とするのに好適な例である。
本発明の他の特徴によれば、感光可能状態にあるフォトレジストを使用するとともに紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源によって照明される第1の部屋と、紫外線領域に実質的な発光強度を持つ白色照明光源によって照明される第2の部屋と、第1の部屋に設けられる第1の監視カメラと、第2の部屋に設けられる第2の監視カメラと、第1の監視カメラおよび第2の監視カメラの画像をモニタするモニタ部と、モニタ部における第1の監視カメラの画像に擬似的に着色画像処理する制御部とを有することを特徴とするフォトレジストを使用する製造システムが提供される。
従来のフォトレジスト処理室は黄色蛍光灯によって照明される「イエロールーム」であったため、そのモニタ画像も全体が黄色の色調を帯びており、通常は自然色の画像である監視カメラモニタ室の各モニタの中で目立ち、一見してそれがフォトレジスト処理室の画像であることがわかるものであった。しかしながら本発明では従来の「イエロールーム」の照明が白色となるため、制御部によっての第1の部屋の画像に擬似的な着色処理をし、第1の部屋の画像が、従来見慣れた「イエロールーム」の画像であることが一見してわかるようにしている。この効果を好適なものとするため、上記本発明の具体的な特徴によれば、第1の監視カメラの画像には擬似的に黄色系の着色画像処理が行われる。
図1は、本発明の実施の形態に係るフォトレジストを使用する製造システムの第1実施例を示すブロック図である。このような製造システムは、半導体、プリント基板、フラットパネルディスプレイ、フレキシブル基板、メッキ工程などのフォトレジストを使用する製品の製造に利用することができるが、図1の第1実施例は、フォトレジストを使用してウエハにパターンを形成する半導体製造システムに関するものである。
フォトレジスト処理室2は、ウエハに塗布されたフォトレジストに不要な紫外線が当たらないよう配慮された処理室であり、クリーンルーム4内において隔壁6により他の一般処理室8等と隔てて配置されている。ドア10は、フォトレジスト処理室2と一般処理室8の間を作業者12が出入りするとともに、ウエハ等を搬入搬出するために設けられているものである。
フォトレジスト処理室2には、ウエハに所望のパターンを転写する工程に必要な装置が設けられており、具体的には、ウエハにフォトレジストを均一に塗布するためのスピンコート部14、フォトレジストが塗布されたウエハに紫外線によりパターンを露光する露光部16、紫外線が当たることによって現像液に溶けやすくなったフォトレジストの部分を溶かして塗布前のウエハ表面を露出させるとともに紫外線が当たっておらず現像液に溶けない部分を残す現像部18等が設置されている。
フォトレジスト処理室2では、上記のようなスピンコート部14、露光部16、現像部18などが設置されているため、本来紫外線が当たってはいけないウエハ上のフォトレジストに紫外線が当たると残すべきフォトレジストの部分が現像液に溶けやすくなってしまい、ウエハへのパターンの転写が正しく行われなくなる。このような不要な紫外線の発生源として典型的なものが室内照明のための蛍光灯である。従って、フォトレジスト処理室2のドア10に設けられたドアガラス20および他の処理室との隔壁に設けられたガラス窓22には、一般処理室8等の蛍光灯天井照明24に含まれる紫外線をカットし、これがフォトレジスト処理室内に入射するのを防止するためのオレンジ色の紫外線カットフィルムが貼られている。このため、一般処理室8等の外部からは、ドアガラス20やガラス窓22の色によりその内部がフォトレジスト処理室2であることが一目瞭然となる。
さらに、フォトレジスト処理室2には、室内照明として白色発光ダイオード(以下、「白色LED」)天井照明24、26等が設けられている。図1では簡単のため2つのみ図示しているが、実際には多数の白色LED天井照明が設けられている。
従来のフォトレジスト処理室には、500nmよりも短い波長をほぼ完全にカットする黄色フィルタ層を蛍光灯ガラス内面に設けその上に蛍光体を塗布した構造の黄色蛍光灯が用いられていた。このため、フォトレジスト処理室は「イエロールーム」と俗称される。しかしながら、作業者12にとって黄色照明下で長時間作業することは必ずしも快適とは言えず、また実際問題として、色の識別が困難となって自然光の下では可能な種類の異なるフォトレジストの目視での判別がフォトレジスト処理室2では不可能となっていた。さらに、500nmよりも短い波長のカットによって人間の視感度では黄色の室内照明は暗く感じられる。このためフォトレジスト処理室内の黄色蛍光灯の本数は、一般処理室における通常蛍光灯の数よりも多く設置されていたが、それでも、人間の目では、一般処理室よりもフォトレジスト処理室の方が暗く感じる照明環境となっていた。
これに対し、本発明に関する図1の白色LED天井照明24、26は、450nmから500nmにおいて実質的な発光強度を有するとともに400nmより波長が短い領域では実質的な発光強度を持たないものである。これによって、フォトレジストにとって問題となる紫外線を発生しないとともに、作業環境として快適であり、従来困難であった種類の異なるフォトレジストの判別がフォトレジスト処理室2の中でも可能となるとともに、作業者12作業者が書類28を読んだり書いたりするのにも問題のない照明環境を提供している。この点については、後に詳述する。
一般処理室8は、現像後のウエハにエッチングを行うエッチング部30が設けられている。エッチング部30では、その後不要となったフォトレジスト除去工程も含まれている。現像後のフォトレジストには照明等による紫外線が当たっても問題ないので、一般処理室8には既に述べたように通常の蛍光灯天井照明24が設けられている。また、ドア10の上には非常口を示す一般の蛍光灯非常口灯32が設けられている。
これに対し、フォトレジスト処理室2では、ドア10の上にはLED非常口灯34が設けられており、常時点灯されている非常口灯から不要な紫外線が発生するのを防止している。なお、フォトレジスト処理室2は有害な溶剤等を利用するため、排気ダクト36の設置が不可欠となっている。図1では簡単のため1本しか図示していないが、フォトレジスト処理室2内には多数のダクトが設けられている。
以上のようなクリーンルームには、各室にカラーの監視カメラ38、40、42が設けられている。図1では簡単のため各室一台ずつしか図示していないが、通常は各室複数の監視カメラが設けられており、特にフォトレジスト処理室2には、多数のダクト36が這っている等の事情で室内が入り組んでいるため、他の室よりも多数の監視カメラ40が設けられている。監視カメラモニタ室44では、各監視カメラ38、40、42から送られてきた監視画像をそれぞれモニタ46、48、50で監視している。
従来のフォトレジスト処理室は黄色蛍光灯によって照明される「イエロールーム」であったため、そのモニタ画像も全体が黄色の色調を帯びており、通常は自然色の画像である監視カメラモニタ室の各モニタの中で目立ち、一見してそれがフォトレジスト処理室の画像であることがわかるものであった。しかしながら本発明のフォトレジスト処理室2の照明は白色LED天井照明24、26であるため、そのままではフォトレジスト処理室モニタ48の色調が一般処理室モニタ46、50と同じ自然色となり、従来のような判別ができない。そこで本発明の監視カメラモニタ室44では、フォトレジスト処理室モニタ48の画像が一般処理室モニタ46,50とは異なる黄色の色調となるようを意図的に自動画像処理するよう制御し、従来見慣れた「イエロールーム」の画像であることが一見してわかるようにしている。
図2は、本発明の白色LED天井照明24、26等に用いられる照明灯を通常の蛍光灯管と対比して図示した斜視図である。図2(A)は通常の蛍光灯管であって、ガラス管部60およびその両端の口金部62、64を有している。通常の蛍光灯管の口金部62、64の外観は銀色である。ここれに対し、図2(B)は本発明の白色LED天井照明24、26等に用いられるLED照明灯管であって、通常の蛍光灯管のガラス管部60と外観および寸法が同じ外管部70を有する。そしてこの外管部70の内部には多数の白色LEDが配置されている。図2(B)のLED照明口金部72、74は、口金部62、64と同形のものであり、これらLED照明口金部72、74から給電される家庭用電源の電力によって外管部70内の各LEDを駆動するためのドライバ回路を内蔵している。このように、図2(B)のLED照明灯管は、通常の蛍光灯管を取り付ける通常の照明器具にそのまま取り付けることができるので、フォトレジスト処理室の照明器具を交換しなくても、その照明環境を快適かつ有用なものに変更することができる。
ところで、従来のフォトレジスト処理室に取り付けられる黄色蛍光灯も寸法が図2(A)に示す通常の蛍光灯管と同じであるが、ガラス管部が黄色であるため、明らかに通常の蛍光灯管と区別でき、しかも「イエロールーム」用であることが周知なので、紫外線を出す通常の蛍光灯管を誤ってフォトレジスト処理室に取り付ける恐れはほとんどない。しかしながら図2(B)における本発明の白色LED天井照明24、26等に用いられるLED照明灯管は外観も寸法も通常の蛍光灯管に近似しており、なおかつ白色LEDの採用によってフォトレジスト処理室もいわゆる「イエロールーム」ではなくなっているので、通常処理室との違いの意識が薄れ、紫外線を出す通常の蛍光灯管を誤ってフォトレジスト処理室に取り付ける可能性が生じる。そこで、図2(B)に示すLED照明口金部72、74は、外観が「イエロールーム」をイメージさせる黄色又は金色(以下「黄色系」と称する)の色になっており、これによって、フォトレジスト処理室2に通常の蛍光灯管を取り付けようとしたときには、その口金部62、64が銀色であることから誤りに気づくことができる。
図3は、蛍光灯および白色LEDの発光スペクトルをフォトレジストの吸光スペクトルと比較したグラフである。図3(A)は蛍光灯の発光スペクトル80のイメージを示すものであって、いくつかの強い輝線スペクトルを持ち、それが紫外線領域に及んでいる。一方図3(B)はフォトレジストの吸光スペクトルのイメージであり、フォトレジストの感光剤の吸光スペクトル82は、340nm付近および400nm付近におけるピークを含む紫外線領域で大きな吸光を示している。また、フォトレジストの樹脂の吸光スペクトル84は、それより波長の短い280nm付近にピークを有する紫外線領域での吸光特性を示している。そしてフォトレジストにおける図3(B)のような紫外線領域における吸光特性が図3(A)の蛍光灯の発光スペクトル80における紫外線領域での強い輝線スペクトルと重なるため、通常の蛍光灯をフォトレジスト処理室の天井照明に用いるとフォトレジストが感光してしまい、正しいパターンの転写の障害となる。そのため、従来のフォトレジスト処理室では、図3(A)にイメージで示すように500nmよりも短い波長領域86をほぼ完全にカットする黄色フィルタ層を設けた黄色蛍光灯が用いられてきた。
これに対し、図3(C)は、青色発光ダイオードを黄色蛍光体を含む樹脂で封止した白色LEDにおける発光スペクトルを示し、青色発光ダイオード本来の450nmから470nmをピークとする青色光と、この青色光が黄色蛍光体を刺激することによって発生する黄色蛍光の合成による全体として白色となる発光特性を有している。本発明は、図(C)のように450nmから500nmにおいて実質的な発光強度を有するとともに400nmより波長が短い領域では実質的な発光強度を持たない白色光源がフォトレジト処理室の照明に好適であることを見出したものであり、従来のように500nmよりも短い波長領域86をほぼ完全にカットした黄色蛍光灯で照明すべきとされていた「イエロールーム」の概念を覆すものである。
図4は、本発明の実施の形態に係るフォトレジストを使用する製造システムの第2実施例を示すブロック図である。その構成の大部分は図1の第1実施例と同様なので、共通する部分には同一の番号を付し、特に必要がない限り説明を省略する。図4の第2実施例が図1の第1実施例と異なるのは、ドア102にドアガラスがなく、隔壁104にもガラス窓がないことである。このように、第2実施例のフォトレジスト室106は光学的にも外部と隔絶されており、隔壁部分のガラスから紫外線が入射するのを防止するため必要がない反面、外部から中の様子をうかがい知ることもできないし、フォトレジスト処理室特有のオレンジ色の紫外線カットフィルムも存在しない。
また、図4の第2実施例では、図1の第1実施例と同様、白色LED天井照明24、26により、フォトレジスト室106を照明しており、ドア102を空けてフォトレジスト処理室106に入っても照明は白色で外部と変わりがない。このように、図の第2実施例では、白色LED天井照明24、26に取り付けられるLED照明灯管におけるLED照明口金部72、74の色が黄色系であることを除き、このままでは従来の「イエロールーム」の痕跡がない。従って、不要な紫外線に注意して作業すべき環境であることを看過した誤作業が生じる恐れがある。このため、図4の第2実施例では、フォトレジスト処理室の天井に従来の黄色蛍光灯が取り付けられていた状態が擬似的にイメージできる黄色ライン108が設けられている。さらに、フォトレジスト処理室を這っている排気ダクト110を「イエロールーム」をイメージさせる黄色とし、在来の習慣を利用して紫外線に注意して作業すべき環境であることについて注意を喚起する構成としている。
図5は、本発明の実施の形態に係るフォトレジストを使用する製造システムの第3実施例を示すブロック図である。その構成の大部分は図1の第1実施例と同様なので、共通する部分には同一の番号を付し、特に必要がない限り説明を省略する。とはいえ、図5の第3実施例では、天井照明として従来の黄色蛍光灯天井照明202、204が踏襲されているという大きな違いがある。また、ドア10の上には、従来と同じ黄色蛍光灯を光源とする黄色蛍光灯非常口灯が設けられている。従って、図5の第3実施例のフォトレジスト処理室208は基本的には従来と同様の「イエロールーム」となっている。
図5の第3実施例が従来の「イエロールーム」と異なるのは、白色LED手元照明210が設けられていることである。図5では、簡単のため、作業者12作業者が書類28を読んだり書いたりする場所にのみ白色LED手元照明210を図示しているが、実際には、フォトレジストの色を確認する部分やその他種々の表示部分などに適宜白色LED手元照明210が設けられる。黄色蛍光灯によって照明した場合の実際上の問題点は、文字や表示を読んだり書いたりするときに人間の視感度として感じる暗さおよび目視による色の確認である。従って、図5の第3実施例ではこのような問題が生じている要所々々に白色LED手元照明208を設けるよう構成している。
白色LED手元照明210に用いる照明灯は、図2(B)に示すものと同様にして通常の蛍光灯管と寸法が同じものであって、通常の蛍光灯管を取り付ける手元照明装置にそのまま取り付けることができるものである。また、その口金部は、図2(B)のLED照明口金部72、74と同様にして外観が「イエロールーム」をイメージさせる黄色系の色になっており、これによって、フォトレジスト処理室208内の手元照明装置に通常の蛍光灯管を取り付けようとしたときには、その口金部が銀色であることから誤りに気づくことができるものである。
なお、図5の第3実施例におけるクリーンルーム212のための監視カメラモニタ室214は従来の「イエロールーム」を持つクリーンルーム用のものと同様のものである。つまり、フォトレスト処理室モニタ216は、一般処理室モニタモンタ46、50と同様のものであって、図1のフォトレジスト処理室モニタ48のような一般処理室モニタ46,50とは異なる自動的な画像処理を施すものではない。フォトレジスト処理室208は基本的には通常の「イエロールーム」であり、フォトレジスト処理室モニタ216には、監視カメラ40で撮影されたとおりの黄色の画像が表示されるからである。
なお、上記本発明の実施は上記の実施例に限らず、他の種々の実施によりその利点を教授できるものである。例えば、本発明におけるフォトレジスト処理室用の白色光源は、450nmから500nmにおいて実質的な発光強度を有するとともに400nmより波長が短い領域では実質的な発光強度を持たないものである限り、上記の実施例に限るものではない。例えば、上記の実施例では、青色発光ダイオードを黄色蛍光体を含む樹脂で封止した白色LEDを用いる例について説明したが、その他の白色発光ダイオードを採用することも可能である。その他の白色発光ダイオードとしては、青色発光ダイオードを緑色蛍光体および赤色(又はオレンジ色)蛍光体を含む樹脂で封止した白色LED、青色発光ダイオードと赤色発光ダイオードと緑色発光ダイオードを組み合わせてなる白色LEDなどによっても本発明の実施が可能である。さらに、発光ダイオードに代えて、白色の有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)を用いてもよい。
また、図2では、フォトレジスト処理室用のLED照明灯管をこれと外観および寸法が同じ通常の蛍光灯管と識別するために口金の色を「イエロールーム」を連想させるものとしたが、本発明の実施はこれに限るものではない。本発明のフォトレジスト処理室用白色照明灯管は、通常の蛍光灯管を取り付ける通常の照明器具にそのまま取り付けることができるとともに、紫外線を出す通常の蛍光灯管を誤ってフォトレジスト処理室に取り付ける恐れを除去することがその特徴の一つであって、誤取り付けを防止するためには、実施例のような構成の他、図2(B)において、外管部70の一部を黄色にする等の実施も可能である。
さらに、図4において、「イエロールーム」をイメージさせるための構成は、天井の黄色ラインや排気ダクトの黄色着色に限らず、ドア10の黄色着色や作業者12の着衣を黄色にするなど、種々の実施が可能である。また、図4の第2実施例の特徴は、紫外線カットフィルムが貼られたガラスのないフォトレジスト処理室106での実施に限るものではなく、図1の第1実施例のようなフォトレジスト処理室2において併用することも可能である。
24、26、210 フォトレジストを使用する製造システム用照明光源
72、74 接続用口金部
20、22 紫外線遮断処理を施した透光部分
24、26、210 紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源
202、204 500nmより短波長側の発光をカットした黄色蛍光灯
210 手元照明
108、110 表示部
2、106 第1の部屋
24 紫外線領域に実質的な発光強度を持つ白色照明光源
8 第2の部屋
40 第1の監視カメラ
38 第2の監視カメラ
46、48 モニタ部
44 制御部
72、74 接続用口金部
20、22 紫外線遮断処理を施した透光部分
24、26、210 紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源
202、204 500nmより短波長側の発光をカットした黄色蛍光灯
210 手元照明
108、110 表示部
2、106 第1の部屋
24 紫外線領域に実質的な発光強度を持つ白色照明光源
8 第2の部屋
40 第1の監視カメラ
38 第2の監視カメラ
46、48 モニタ部
44 制御部
Claims (16)
- 450nmから500nmにおいて実質的な発光強度を有するとともに400nmより波長が短い領域では実質的な発光強度を持たないことを特徴とするフォトレジストを使用する製造システム用照明光源。
- 白色LEDを用いることを特徴とする請求項1記載のフォトレジストを使用する製造システム用照明光源。
- 蛍光灯用照明器具に装着可能であるとともに、通常の蛍光灯と識別可能に構成されたことを特徴とする請求項1または2記載のフォトレジストを使用する製造システム用照明光源。
- 外観の少なくとも一部の色が通常の蛍光灯と異なる色に構成されたことを特徴とする請求項3記載のフォトレジストを使用する製造システム用白色照明光源。
- 接続用口金部の色が黄色系の色に構成されたことを特徴とする請求項4記載のフォトレジストを使用する製造システム用照明光源。
- 外界からの入射光に対し紫外線遮断処理を施した透光部分と、紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源を有することを特徴とするフォトレジストを使用する製造システム。
- 前記白色照明光源は、450nmから500nmにおいて実質的な発光強度を有するとともに400nmより波長が短い領域では実質的な発光強度を持たないことを特徴とするフォトレジストを使用する製造システム。
- 照明光源が、全て紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源であることを特徴とする請求項6または7記載のフォトレジストを使用する製造システム。
- 照明光源が、紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源と500nmより短波長側の発光をカットした黄色蛍光灯を含むことを特徴とする請求項6または7記載のフォトレジストを使用する製造システム。
- 前記紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源が手元照明に用いられることを特徴とする請求項9記載のフォトレジストを使用する製造システム。
- 紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源と、感光可能状態にあるフォトレジストを使用する工程であること表示する表示部を有することを特徴とするフォトレジストを使用する製造システム。
- 前記表示部は黄色系の色による表示部であることを特徴とする請求項11記載のフォトレジストを使用する製造システム。
- 前記表示部は天井の紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源近傍に設けられていることを特徴とする請求項11または12記載のフォトレジストを使用する製造システム。
- 換気ダクトを有し、前記表示部は前記喚起ダクトに設けられていることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載のフォトレジストを使用する製造システム。
- 感光可能状態にあるフォトレジストを使用するとともに紫外線領域に実質的な発光強度を持たない白色照明光源によって照明される第1の部屋と、紫外線領域に実質的な発光強度を持つ白色照明光源によって照明される第2の部屋と、第1の部屋に設けられる第1の監視カメラと、第2の部屋に設けられる第2の監視カメラと、前記第1の監視カメラおよび前記第2の監視カメラの画像をモニタするモニタ部と、前記モニタ部における前記第1の監視カメラの画像に擬似的に着色画像処理する制御部とを有することを特徴とするフォトレジストを使用する製造システム。
- 前記制御部は、前記第1の監視カメラの画像に擬似的に黄色系の着色画像処理を行うことを特徴とする請求項15記載のフォトレジストを使用する製造システム。
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