JP2010049071A - 穿刺練習用模型及び穿刺練習方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】人体組織に近似する超音波透過性と柔軟性とを有する素材によって模型を形成し、模型内に埋設した模擬血管に緩やかな勾配を持たせると共にその両端を模型の側壁に開口させ、液体を貯留させた容器内に模型を浸漬した時に模擬血管内に液体が満たされるようにした
【選択図】図2
Description
この種の穿刺は極めて難しい手技の一つとして位置づけられており、現在では超音波を使用して静脈位置を確認して穿刺を行なう方法が主流となりつつある。中心静脈への穿刺手技の習得は、医師として必須のものであると認識されてきており、その手技を人体に極力近い模型を用いて練習することが望まれているのである。
この公知の穿刺練習用模型は、図1に示したように、上面を開口させた容器内1に超音波透過性と柔軟性とを人体組織に近似させた合成樹脂3を充填して形成されている。
図1では、樹脂充填時に適宜屈曲させたシリコンチューブ4を埋設して模擬血管を形成したものを示しているが、上記文献には、樹脂内に形成した空洞を模擬血管としたものも開示されている。
相対向する函体の側壁2、2に穿設した穴5、6とチューブ4の開口部とを連通させ、一方の穴5には、先端部を閉塞させ注入弁7を付設させた管8を取り付け、他方の穴6には先端部に排出弁9を取り付けた管10を取り付けた構成となっている。
合成樹脂3の表面から超音波を当てると、水を満たしたチューブ4は断層画像上黒く現れるから、その太さ、深さ、走行状態などを表示画面で確認しながら模擬血管の位置を把握し、そこに向って穿刺を行なう練習をするのである。
他方、穿刺が繰り返し行なわれると、模型に形成される針穴の復元閉塞が徐々に困難となり、部チューブ内と外気との圧力差によって、その穴から空気がチューブ内に吸引され、チューブ内に空気が溜まってしまうことになる。
滞留する空気は、画面上では模擬血管の裏側までをも黒く現わし、血管の位置や走行状態を正確に検知できなくなる不都合が生じることになる。そのため、一定回数の穿刺を行なうと、チューブ内の空気を抜いて水を再充填する作業を余儀なくされることになる。
また、この模型は、練習具として使用するには付属部品の点数も多く構造も複雑となるし、穿刺の繰り返しによって樹脂部分やチューブに穴が開き、チューブへの水の注入圧が大きい場合には、水漏れを生じさせる不都合もある。
雑誌「臨床麻酔」(Vol.32/No.6)真興交易(株)医書出版部発行
模擬血管には緩やかな勾配が持たせられているから、模擬血管中の空気は、自然に高い方に移動して開口部から貯留水へ排出され、そのまま大気中に放出されることになる。
模型を浸漬する容器内に液体があるかぎり(正確には模擬血管の開口部より貯留水の水位が高いかぎり)、模擬血管に液体が自動的に進入するため、継続的に穿刺の練習を行なうことができる。
筐体の側壁には模型内の模擬血管の開口部と連通する穴が形成されているから、穿刺練習用模型を容器内に入れ、容器内にすでに充填され或いは模型をいれた後で充填される液体に模型を浸漬させると共に模擬血管内に液体を進入させることによって、上記と同様に、そのまま穿刺の練習を行なうことができる。
したがって、液体貯留部に液体を注入するだけで、模型の天面から超音波装置を操作して血管穿刺の練習を効率よく練習することができる(請求項7参照)。
また、模擬血管内を満たす液体としては、手軽なものとして水を使用することができるが、動物の血液、果汁など、水以外のものを使用することもできる。
模型の表面は、平滑な平面に形成する他、人体の表面の形態を模して緩やかな凹凸を形成しておいてもよい。
なお、請求項1に係る発明においては、模擬血管が緩やかに傾斜させられているから、模型を裏返して使用しても模擬血管内の傾斜が逆向きになるだけで、空気の移動に支障をきたすことがないから、模型の表裏を練習用に使用することができる。
後者の場合、模型内に太さ及び/又は走行方向の異なる模擬血管を形成しておくことによって、練習のバリエーションを確保することができる。
同様に、分岐路を備えた模擬血管を形成しておくことによって変化に富んだ血管の走行に追随する練習を行なうことができる。
また、請求項2、3及び6に係る発明においては、筐体の表面開口部及び穴をフィルムなどのシート体で密閉した包装形態を採用することによって、上記と同じ効用を期待することができる。
従来、ピストンを後退させて模擬血管内の水を吸引できるか否かによって模擬血管への正確な穿刺を確認していたが、ピストンを予め後退させておき、穿刺後にピストンを前進させて模擬血管内に空気を注入しても、空気はそのまま自動的に模型の外へ排出されるから、穿刺に加えて注射行為の練習をも行なえる利点もある。
模型11は軟質のウレタン樹脂で形成してあり、この実施形態では、横方向に屈曲させた模擬血管12と直線状の模擬血管13とを模型11内に埋設している。いずれも断面円形の空洞によって形成したものである。
筐体25の側壁には、模擬血管12、13の開口部に連通する穴26、27を形成している。上記と同様に、模擬血管12、13には緩やかな勾配を持たせていて、この中に空気が滞留することはない。
模型31は、上記の実施形態と同じ軟質のウレタン樹脂で形成してあり、筐体35内に収容させている。模擬血管も上記の実施形態と同様に二本32、33埋設させている。
模擬血管32、33の開口部に対応する筐体の側壁36、37には、開口部に連通する穴38、39が穿設してあり、側壁36、37の外側には液体貯留部40、40を連設させた構成となっている。
この実施形態では筐体35及び液体貯留部40を合成樹脂で一体に形成している。
Claims (11)
- 超音波診断装置を用いて模型内に埋設した模擬血管を検知する穿刺練習用模型において、人体組織に近似する超音波透過性と柔軟性とを有する素材によって模型を形成し、模型内に埋設した模擬血管に緩やかな勾配を持たせると共にその両端を模型の側壁に開口させ、液体を貯留させた容器内に模型を浸漬した時に模擬血管内に液体が満たされるようにした穿刺練習用模型。
- 上面を開口させた筐体内に模型を収容すると共に模擬血管の開口部と連通する穴を筐体の側壁に形成した請求項1に記載の穿刺練習用模型。
- 液体を入れた容器の側壁上縁に係合させるための係合部を筐体の側壁上部から突出させた請求項2に記載の穿刺練習用模型。
- 請求項1、2又は3に記載の穿刺練習用模型と液体を貯留する容器とを組み合わせてなる穿刺練習セット。
- 請求項1、2、3又は4に記載の穿刺練習用模型を容器内に入れ、容器内に充填される液体に模型を浸漬させると共に模擬血管内に液体を進入させ、模型の天面側から超音波を利用して模擬血管の状態を把握しながら穿刺を行なう穿刺練習方法。
- 超音波診断装置を用いて模型内に埋設した模擬血管を検知する穿刺練習用模型において、上面を開口させた筐体内に人体組織に近似する超音波透過性と柔軟性とを有する素材によって模型を収容し、模型内に埋設した模擬血管に緩やかな勾配を持たせると共にその両端を模型の側壁に開口させ、筐体の側壁に模擬血管の開口部と連通する穴を穿設すると共にその側壁の外側にこの穴と連通する液体貯留部を連設した穿刺練習用模型。
- 請求項6に記載の穿刺練習用模型の液体貯留部に液体を注入して模擬血管内に液体を進入させ、模型の天面側から超音波を利用して模擬血管の状態を把握しながら穿刺を行なう穿刺練習方法。
- 軟質合成樹脂製のチューブを模型内に埋設して模擬血管とした請求項1乃至7のいずれかに記載の穿刺練習用模型。
- 模型内に太さ及び/又は走行方向の異なる2以上の模擬血管を形成した請求項1乃至8のいずれかに記載の穿刺練習用模型。
- 模擬血管が横方向への屈曲部を備えている請求項1乃至9のいずれかに記載の穿刺練習用模型。
- 模擬血管が分岐路を備えている請求項1乃至10のいずれかに記載の穿刺練習用模型。
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