JP2010049011A - 透過型液晶表示装置、制御プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

透過型液晶表示装置、制御プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶パネルのみならずカラーフィルタによって吸収される光量をも減らし、消費電力のさらなる削減を達成する透過型液晶表示装置を実現する。
【解決手段】透過型液晶表示装置は、1画素が、RGBWの4サブピクセルに分割された液晶パネル15と、発光輝度を制御可能な白色アクティブバックライト17と、入力RGB信号の信号値を低減させて階調補正後RGB信号に変換する階調補正部10と、階調補正後RGB信号の彩度、輝度を低減させて、階調補正後RGB信号を彩度・輝度低減後RGB信号に変換する彩度・輝度低減部11と、彩度・輝度低減後RGB信号に対してγ補正を行い、γ補正後RGB信号に変換するγ補正部12と、γ補正後RGB信号から、液晶パネル15の各画素におけるR,G,B,Wの各サブピクセルの透過率信号を生成するとともに、白色アクティブバックライト17におけるバックライト値を算出する出力信号生成部13とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、バックライトと液晶パネルから構成される透過型液晶表示装置に関するものである。
カラーディスプレイには様々な種類があり、それぞれ実用化がなされている。薄型ディスプレイを大別すると、PDP(プラズマディスプレイパネル)のような自発光型ディスプレイと、LCD(液晶ディスプレイ)に代表される非発光型ディスプレイとに分類される。非発光型ディスプレイであるLCDでは、液晶パネルの背面側にバックライトを配置する透過型LCDが知られている。
図24は、透過型LCDの一般的な構造を示す断面図である。この透過型LCDは、液晶パネル150の背面にバックライト160を配置している。液晶パネル150は、一対の透明基板151、152の間に液晶層153を配置し、一対の透明基板151、152の外側には偏光板154,155を備えた構成となっている。また、液晶パネル150内にカラーフィルタ156を備えることでカラー表示が可能となる。
図示は省略するが、透明基板151、152の内側には、電極層および配向膜が形成されており、液晶層153への印加電圧を制御することによって、液晶パネル150を透過する光の透過量が画素ごとに制御される。すなわち、透過型LCDは、バックライト160からの照射光を液晶パネル150で透過量制御を行うことによって表示制御を行う。
バックライト160は、カラーディスプレイに必要なRGB三色の波長を含む光を照射するものであり、カラーフィルタ156との組み合わせによって、RGBの各色の光の透過率をそれぞれ調整することで、画素としての輝度や色相を任意に設定することが可能である。このようなバックライト160は、エレクトロ・ルミネッセンス(EL)、冷陰極管(CCFL)、発光ダイオード(LED)などの白色光源が一般的に使用されている。
液晶パネル150においては、図25に示すように、複数の画素がマトリクス状に配置され、各画素は通常3つのサブピクセルから構成される。それぞれのサブピクセルは、カラーフィルタ156における赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のフィルタ層が対応するように配置される。以下、それぞれのサブピクセルをRサブピクセル、Gサブピクセル、Bサブピクセルと呼ぶことにする。
R,G,Bの各サブピクセルは、バックライト160から発生された白色光の中で、該当波長帯(すなわち、赤色、緑色、青色)の光を選択的に透過させ、他の波長帯の光は吸収する。
上記構成の透過型LCDにおいてバックライト160から照射される光は、液晶パネル150の各画素において透過量制御されるため、当然ながら液晶パネル150によって吸収される光が生じる。また、カラーフィルタ156においても、R,G,Bの各サブピクセルは、バックライト160から発生された白色光の中で、該当波長帯以外の光を吸収する。このように、一般的な透過型LCDでは、液晶パネルやカラーフィルタによる光の吸収量が多くバックライトからの照射光の利用効率が低いため、バックライトにおける消費電力が大きくなるといった課題がある。
このような透過型LCDの消費電力を削減する技術として、表示画像に応じて発光輝度を調整可能なアクティブバックライトを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
すなわち、特許文献1には、輝度調整可能なアクティブバックライトを用い、LCDの表示制御(輝度制御)を、液晶パネルの透過率とアクティブバックライトの輝度制御とによって行い、バックライトの消費電力の低減を図る技術が開示されている。
特許文献1においては、バックライトの輝度は入力画像(入力信号)における最大輝度値に一致するように制御される。そして、液晶パネルの透過率は、その時のバックライトの輝度に合わせて透過率を調整される。
この時、入力信号の最大値となるサブピクセルの透過率は100%となり、また、その他のサブピクセルの透過率もバックライト値によって計算された100%以下の値となる。よって、画像全体が暗い時にはバックライトを暗くし、バックライトの消費電力を少なくすることができる。
このように、特許文献1では、入力画像の入力信号RGBを基にバックライトの明るさを必要最小限に抑え、かつバックライトを暗くした分、液晶の透過率を上げているため、液晶パネルによって吸収される光量を減らし、バックライトの消費電力を削減することができる。
一方、特許文献2では、バックライトの光をより透過しやすい(遮断される光量の少ない)透明(W)のサブピクセルを追加し、RGBWパネルとすることで、より多くの光を透過させ、消費電力を更に低減している。
つまり、特許文献1では、バックライト値は、全てのRGB信号値の最大値に設定されるため、輝度値の高い画素がある場合、バックライト値は大きな値となるのに対し、特許文献2では、輝度値の高い画素がある場合でも、RGBサブピクセルに比べ、遮断される光量の少ないWサブピクセルを用いているため、特許文献1に比べ、バックライト値を小さい値に抑えている。
より具体的に、特許文献2では、下記A)〜D)の手順により、白色バックライト信号及び各画素のRGBW透過率信号を算出している。尚、特許文献2では、入力RGB信号のγ補正処理及び白色輝度比は考慮していない。
特許文献2に記載の透過型液晶表示装置は、以下の(A)の手順により、各Wサブピクセルの透過量(Wt[i])を算出するW透過量算出部と、以下の(B)の手順により、各RGBサブピクセルの透過量(Rt[i],Gt[i],Bt[i])を算出するRGB透過量算出部と、以下の(C)の手順により、バックライト値(Wb)を算出するバックライト値算出部と、以下の(D)の手順により、各RGBWサブピクセルの透過率(r[i],g[i],b[i],w[i])を算出する透過率算出手段と、を備えた構成としている。そして、まずは、以下の(A)、(B)の処理をi=1からNp(Npは入力画像の画素数)まで繰り返している。
(A)W透過量(Wt[i])を、
Wt[i]=min(maxRGB[i]/2,minRGB[i])
の式により算出する。
ただし、
maxRGB[i]=max(R[i],G[i],B[i])
minRGB[i]=min(R[i],G[i],B[i])
とする。
(B)RGB透過量(Rt[i],Gt[i],Bt[i])を、
Rt[i]=R[i]−Wt[i]
Gt[i]=G[i]−Wt[i]
Bt[i]=B[i]−Wt[i]
の式により算出する。
(C)バックライト値(Wb)を、
Wb=max(Rt[1],Gt[1],Bt[1],Wt[1],...
Rt[Np],Gt[Np],Bt[Np],Wt[Np])
の式により算出する。
次に、以下のD)の処理をi=1からNpまで繰り返す。
(D)RGBW透過率(r[i],g[i],b[i],w[i])を、
r[i]= Rt[i]/ Wb
g[i]= Gt[i]/ Wb
b[i]= Bt[i]/ Wb
w[i]= Wt[i]/ Wb
の式により算出する。
ただし、Wb=0の時、r[i]=g[i]=b[i]=w[i]=0とする。
特開平11−65531号公報(平成11年(1999)3月9日公開) 特開2008−139809号公報(平成20年(2008)6月19日公開)
しかしながら、特許文献1の構成では、液晶パネルによって吸収される光量を減らすことでバックライトの消費電力削減を図ることはできるものの、カラーフィルタによって吸収される光量を減らすことはできない。このため、カラーフィルタによって吸収される光量を減らすことができれば、消費電力のさらなる削減効果を得ることができる。
また、特許文献2の構成では、RGBの3つの信号値の最大値と最小値の差が大きい画素を含む画像では、Wサブピクセルに白成分の光量を多く分担させることができないため、バックライト値を大幅に下げることができない。また、RGBの3つの信号値の最小値が大きい画素を含む画像では、白成分の絶対量が多いため、バックライト値を大幅に下げることができない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶パネルのみならずカラーフィルタによって吸収される光量をも減らし、消費電力のさらなる削減を達成できる透過型液晶表示装置を実現することにある。
本発明に係る透過型液晶表示装置は、上記課題を解決するために、1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、発光輝度を制御可能な白色アクティブバックライトと、入力画像である入力RGB信号に含まれる画素データに対して、入力RGB信号の信号値を低減させる階調補正処理を施すことで、入力RGB信号を階調補正後RGB信号に変換する階調補正部と、上記階調補正後RGB信号の彩度および輝度の両方、あるいは何れか一方を低減させる彩度・輝度低減処理を施すことで、階調補正後RGB信号を彩度・輝度低減後RGB信号に変換する彩度・輝度低減部と、上記彩度・輝度低減後RGB信号に対してγ補正を行い、γ補正後RGB信号に変換するγ補正部と、上記γ補正後RGB信号から、上記液晶パネルの各画素におけるR,G,B,Wの各サブピクセルの透過率信号を生成するとともに、上記白色アクティブバックライトにおけるバックライト値を算出する出力信号生成部とを備えている。
上記の構成によれば、1画素が、R,G,B,Wの4サブピクセルに分割されている液晶パネルを用いることにより、R,G,Bの各色成分の一部をフィルタ吸収による光量損失が無い(もしくは少ない)Wサブピクセルに振り分けることができる。これにより、カラーフィルタによる光量吸収を減らし、これに応じてバックライト値を下げることで透過型液晶表示装置における消費電力の削減を実現できる。
また、彩度および輝度の両方、あるいは何れか一方を低減させる彩度・輝度低減処理を実施する前の段階において、入力RGB信号内の画素の信号値を低減させる方向に補正する階調補正処理を施している。これは、仮に階調補正処理が行われない場合、大幅な彩度・輝度低減処理を行うと、低減された各画素の信号値が何れも同じような値となり、特に高輝度・低彩度部の階調情報が失われ、いわゆる白とび(階調崩れ)が発生し、表示画像の画質が大幅に劣化することがある。
そこで、彩度・輝度低減処理を実施する前に入力RGB信号内の画素の信号値を低減させる方向に補正する階調補正処理を施すと共に、その後の段階で彩度・輝度低減処理、及びγ補正処理を施す。このような処理が施されたRGB信号に基づいてバックライト値およびRGBW透過率を算出することで、バックライト値をより確実に低減させると共に、白とびのような大幅な画質劣化を伴わない透過型液晶表示装置を提供することができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記階調補正部は、入力RGB信号を入力とし、階調補正後RGB信号を出力とする階調補正関数を利用することにより、上記入力RGB信号に階調補正処理を施し、上記階調補正関数は、単調増加あるいは単調非減少の関数である構成とすることができる。
階調補正部が階調補正関数を利用する構成とすることにより、その関数の係数を変更して所望の階調補正後RGB信号が得られるように適宜調節することができる。そして、当該階調補正関数を単調増加あるいは単調非減少の関数とすることにより、出力値が負になることもなく、かつ入力値の大小が補正後に逆転するおそれもない。この結果、白とびのような大幅な画質劣化を伴わない透過型液晶表示装置を利用者に提供することができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記階調補正部は、入力RGB信号の信号値に応じて、階調補正処理を施さない階調再現区間と、階調補正処理を施す階調補正区間とを指定することができ、上記階調補正区間における信号値は、上記階調再現区間における信号値よりも大きい構成とすることができる。
上記構成により、信号値の高い領域に対して階調補正処理を施し、信号値の小さい領域に対して階調補正処理を施さないように設定できる。これにより、階調補正処理を施す領域を、特に信号値の高い領域に限定することが可能となり、白とびの発生をより効果的に抑えることができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記階調補正部は、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値の低減度合を示すバックライト値低減率を指定することにより、入力RGB信号の階調補正の度合いを決定する構成とすることができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記階調補正部は、RGBWサブピクセルにおいて、各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値を白色輝度比WRとし、この白色輝度比WRを考慮した階調補正処理を行う構成とすることができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記階調補正部は、入力RGB信号の大小関係を保持したまま、階調補正後RGB信号を算出する構成とすることができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記階調補正部は、上記階調補正関数を用いて作成された、入力が入力RGB信号であり、出力が階調補正後RGB信号である階調補正ルックアップテーブルを備え、上記階調補正ルックアップテーブルを参照して、入力RGB信号の信号値に対応する階調補正後RGB信号の信号値を出力する構成とすることができる。
尚、階調補正ルックアップテーブルを用いずに、毎回、階調補正関数を用いて、階調補正後RGB信号を計算することも勿論可能であるが、階調補正ルックアップテーブルを用いる方が、同じ入力値に対して何度も計算する必要がないため、より効率的に階調補正後RGB信号を出力することができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記階調補正関数は、入力RGB信号に対して色相を保持したまま、階調補正後RGB信号を算出する構成とすることができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記階調補正関数は、入力RGB信号に対して色相および彩度を保持したまま、階調補正後RGB信号を算出する構成とすることができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記彩度・輝度低減部は、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値の低減度合を示すバックライト値低減率を指定することで、上記出力信号生成部において上記バックライト値低減率に応じたバックライト値以下になることが保証されるように、上記彩度・輝度低減後RGB信号を生成する構成とすることができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記彩度・輝度低減部および上記出力信号生成部は、RGBWサブピクセルにおいて、各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値を白色輝度比WRとし、この白色輝度比WRを考慮した階調補正処理および出力信号生成処理を行う構成とすることができる。
また、上記透過型液晶表示装置においては、上記液晶パネルに対して複数のアクティブバックライトを備え、各アクティブバックライトに対応する領域毎に、液晶パネルの透過率制御およびバックライトのバックライト値制御を行う構成とすることができる。
上記の構成によれば、バックライトを分割することで、分割されたバックライト領域毎に最適にバックライト値を設定することができ、全体のバックライト消費電力を下げることができる。
なお、上記透過型液晶表示装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記階調補正処理部、上記彩度・輝度低減部、上記γ補正部、及び上記出力信号生成部として動作させることにより上記透過型液晶表示装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明に係る透過型液晶表示装置は、以上のように、1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、発光輝度を制御可能な白色アクティブバックライトと、入力画像である入力RGB信号に含まれる画素データに対して、入力RGB信号の信号値を低減させる階調補正処理を施すことで、入力RGB信号を階調補正後RGB信号に変換する階調補正部と、上記階調補正後RGB信号の彩度および輝度の両方、あるいは何れか一方を低減させる彩度・輝度低減処理を施すことで、階調補正後RGB信号を彩度・輝度低減後RGB信号に変換する彩度・輝度低減部と、上記彩度・輝度低減後RGB信号に対してγ補正を行い、γ補正後RGB信号に変換するγ補正部と、上記γ補正後RGB信号から、上記液晶パネルの各画素におけるR,G,B,Wの各サブピクセルの透過率信号を生成するとともに、上記白色アクティブバックライトにおけるバックライト値を算出する出力信号生成部とを備えている構成である。
それゆえ、1画素が、R,G,B,Wの4サブピクセルに分割されている液晶パネルを用いることにより、R,G,Bの各色成分の一部をフィルタ吸収による光量損失が無い(もしくは少ない)Wサブピクセルに振り分けることができる。これにより、カラーフィルタによる光量吸収を減らし、これに応じてバックライト値を下げることで透過型液晶表示装置における消費電力の削減を実現できる。
さらに、彩度・輝度低減処理を実施する前に入力RGB信号内の画素の信号値を低減させる方向に補正する階調補正処理を施すと共に、その後の段階で彩度・輝度低減処理、及びγ補正処理を施す。このような処理が施されたRGB信号に基づいてバックライト値およびRGBW透過率を算出することで、バックライト値をより確実に低減させると共に、白とびのような大幅な画質劣化を伴わない透過型液晶表示装置を提供することができる。
本発明の実施形態について図1ないし図23に基づいて説明すると以下の通りである。
先ずは、本実施の形態に係る液晶表示装置(以下、本液晶表示装置と称する)の概略構成を図1を参照して説明する。
本液晶表示装置は、階調補正部10、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、出力信号生成部13、液晶パネル制御部14、RGBW液晶パネル(以下、単に液晶パネルと称する)15、バックライト制御部16、および白色バックライト(以下、単にバックライトと称する)17を備えている。
RGBW液晶パネル15は、Np個の画素をマトリクス上に配置してなり、図2(a),(b)に示すように、各画素はR(赤),G(緑),B(青),W(白)の4サブピクセルで構成されている。尚、各画素におけるR,G,B,Wサブピクセルの形状および配置関係は特に限定されない。また、白色バックライトは、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)や白色発光ダイオード(白色LED)などの白色光源を用いたものであり、照射光の明るさを制御できるアクティブバックライトである。
RGBW液晶パネル15におけるR,G,Bの各サブピクセルは、カラーフィルタ(図示せず)におけるR,G,Bのフィルタ層がそれぞれ対応するように配置される。したがって、R,G,Bの各サブピクセルは、白色バックライトから発生された白色光の中で、該当波長帯の光を選択的に透過させ、他の波長帯の光は吸収する。また、Wサブピクセルは、基本的にはカラーフィルタにおいて対応する吸収フィルタ層を有しない。すなわち、Wサブピクセルを透過する光は、カラーフィルタによる一切の吸収を受けることなく、白色光のままRGBW液晶パネル15から出射される。但し、Wサブピクセルは、R,G,Bのカラーフィルタよりもバックライトの光の吸収が少ないフィルタ層を持つ構成でもよい。
本液晶表示装置は、パソコンやテレビチューナーなどの外部から、表示すべき画像情報をRGB信号として受け取り、該RGB信号を入力RGB信号R[i],G[i],B[i](i=1,2,…,Np)として処理を行うものである。
階調補正部10は、入力RGB信号に対して階調補正処理を施すものであり、該処理が施された後の階調補正後RGB信号を後段の彩度・輝度低減部11へ出力する。
彩度・輝度低減部11は、階調補正後RGB信号に対して彩度・輝度低減処理を施すものであり、該処理が施された後の彩度・輝度低減後RGB信号を後段のγ補正部12へ出力する。
γ補正部12は、彩度・輝度低減後RGB信号にγ補正処理を施してγ補正後RGB信号を算出し、このγ補正後RGB信号を後段の出力信号生成部13へ出力する。
出力信号生成部13は、γ補正後RGB信号から、白色バックライトにおけるバックライト値と、RGBW液晶パネル15の各画素におけるRGBWのサブピクセル透過率を算出し、出力する。すなわち、出力信号生成部13は、γ補正後RGB信号からバックライト値を求めると共に、γ補正後RGB信号を上記バックライトに適合する透過率信号に変換する。
出力信号生成部13で求められたバックライト値は、バックライト制御部16に出力され、バックライト制御部16は、このバックライト値に応じて白色バックライトの輝度を調節する。白色バックライトはCCFLや白色LEDなどの白色光源を利用したものであり、バックライト制御部16によって、バックライト値に比例した明るさに制御することができる。白色バックライトの明るさの制御方法は、用いられる光源の種類によって異なるが、例えば、バックライト値に比例した電圧をかけたり、バックライト値に比例した電流を流したりして明るさを制御することができる。また、バックライトがLEDなどの場合は、パルス幅変調(PWM)でデューティー比を変えて明るさを制御することも可能である。さらに、バックライト光源の明るさが非線形特性を持つ場合、バックライト値からルックアップテーブルで光源への印加電圧や印加電流等を求めてバックライトへの明るさ制御を行うことにより所望の明るさに制御する方法などもある。
出力信号生成部13で求められた透過率信号は、液晶パネル制御部14に出力され、液晶パネル制御部14は、この透過率信号に基づいてRGBW液晶パネル15の各サブピクセルの透過率が所望の透過率になるように制御する。液晶パネル制御部14は、走査線駆動回路、信号線駆動回路等を含む構成であり、走査信号およびデータ信号を生成して、この走査信号およびデータ信号等のパネル制御信号によってRGBW液晶パネル15を駆動する。上記透過率信号は、信号線駆動回路でのデータ信号の生成に用いられる。RGBW液晶パネル15の透過率制御には、サブピクセルの透過率に比例した電圧をかけ液晶パネルの透過率を制御する方法や、非線形特性を線形化するために、サブピクセルの透過率から液晶パネルにかける電圧をルックアップテーブルから表引きし、液晶パネルを所望の透過率に制御する方法などがある。
尚、本発明の液晶表示装置において、入力信号は上述のようなRGB信号に限られるものではなく、YUV信号などのカラー信号でもよい。RGB信号以外のカラー信号が入力される場合、それをRGB信号に変換してから出力信号生成部13に入力する構成であっても良く、あるいは、出力信号生成部13がRGB信号以外のカラー入力信号をRGBW信号へ変換可能な構成であっても良い。
本液晶表示装置において、RGBW液晶パネル15の各サブピクセルにおける表示輝度は、バックライトの明るさ(照射輝度)と、該サブピクセルにおける透過率との積によって表される。ここで、本液晶表示装置における表示原理、および消費電力削減効果について以下に詳細に説明する。尚、本液晶表示装置では、バックライト値およびサブピクセル透過率は、出力信号生成部13において求められる。したがって、以下に説明するバックライト値およびサブピクセル透過率の算出方法は、γ補正部12から出力信号生成部13へ入力されるγ補正後RGB信号に対して施される処理である。以下の説明では、γ補正部12から出力されるγ補正後RGB信号を(Rsi,Gsi,Bsi)として表し、出力信号生成部13において求められる透過率信号を(rsi,gsi,bsi)として表し、出力信号生成部13において求められるバックライト値をWbsとして表す。
本液晶表示装置におけるバックライト値およびサブピクセルの透過率の決定方法では、最初に、バックライトに対応する表示領域内の全ての画素毎に必要最小限のバックライト値を求める。このとき、画素の表示データ内容に応じて、バックライト値の求め方は2つの方法に分かれる。具体的には、注目画素内のサブピクセルにおける最大輝度(すなわちmax(Rsi,Gsi,Bsi))と最小輝度(すなわちmin(Rsi,Gsi,Bsi))との関係によって、その注目画素に対するバックライト値の求め方が異なる。
先ずは、min(Rsi,Gsi,Bsi)≧max(Rsi,Gsi,Bsi)/2となる画素において、バックライト値の求め方を図3(a),(b)を参照して説明する。ここで、図3(a)は本液晶表示装置におけるバックライト値の求め方を示す図である。また、図3(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト値の求め方を示した図である。
図3(a),(b)において、ある注目画素の目標とするパネル出力輝度が(R,G,B)=(50,60,40)の場合を考える。このとき、Gの輝度値60がmax(Rsi,Gsi,Bsi)であり、Bの輝度値40がmin(Rsi,Gsi,Bsi)であり、min(Rsi,Gsi,Bsi)≧max(Rsi,Gsi,Bsi)/2の関係が満たされている。
特許文献1における表示方法では、図3(b)に示すように、バックライトの輝度値は、max(Rsi,Gsi,Bsi)=60に設定され、各サブピクセルの透過率はこのバックライト値に合わせて決定される。すなわち、R,G,Bの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、83%(=50/60),100%(=60/60),67%(=40/60)に設定される。
一方、本液晶表示装置においては、入力信号Rsi,Gsi,BsiのR,G,B各成分において、max(Rsi,Gsi,Bsi)/2に相当する値分をW成分の輝度値に振り分ける。その結果、RGB信号で表されている入力信号(R,G,B)=(50,60,40)は、RGBW信号で表される出力信号(R,G,B,W)=(20,30,10,30)に変換される。また、この注目画素において、バックライトの輝度値はmax(Rsi,Gsi,Bsi)/2=30に設定される。また、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、このバックライト値に合わせて決定される。具体的には、各サブピクセルの透過率は(出力輝度値)/(バックライト値)で決定される。すなわち、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、67%(=20/30),100%(=30/30),33%(=10/30),100%(=30/30)に設定される。但し、図3(a)において示される透過率は、この注目画素において求められたバックライト値が全画素に対して求められた複数のバックライト値のうちで最も大きく、そのバックライトにおける輝度値として採用された場合の透過率を例示したものである。
また、本液晶表示装置における上述のバックライト値を特許文献1の方法で求められるバックライト値と比較するには、サブピクセルの面積比をも考慮する必要がある。すなわち、特許文献1では1画素が3つのサブピクセルに分割されているのに対し、本液晶表示装置では1画素が4つのサブピクセルに分割されている。このため、本液晶表示装置では、1つのサブピクセルの面積が、特許文献1に比べ3/4の面積しかなく、このようなサブピクセルにおける面積の低下を補うため、本液晶表示装置では、バックライトの輝度値を4/3倍することで、特許文献1の方法で求められるバックライト値と同一の基準にて比較可能となる。
この結果、図3(a)の例におけるバックライト値を図3(b)のバックライト値と同一基準に補正すれば、(4/3)×60/2=40となる。同様の表示を行う図3(b)の例ではバックライト値は60であるため、上記注目画素において、本発明による消費電力の削減効果があることが分かる。
次に、min(Rsi,Gsi,Bsi)<max(Rsi,Gsi,Bsi)/2となる画素におけるバックライト値の求め方を図4(a),(b)を参照して説明する。ここで、図4(a)は本液晶表示装置におけるバックライト値の求め方を示す図である。また、図4(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト値の求め方を示した図である。
図4(a),(b)において、ある注目画素の目標とするパネル出力輝度が(R,G,B)=(50,60,20)の場合を考える。このとき、Gの輝度値60がmax(Rsi,Gsi,Bsi)であり、Bの輝度値20がmin(Rsi,Gsi,Bsi)であり、min(Rsi,Gsi,Bsi)<max(Rsi,Gsi,Bsi)/2の関係が満たされている。
特許文献1における表示方法では、図4(b)に示すように、バックライトの輝度値は、max(Rsi,Gsi,Bsi)=60に設定され、各サブピクセルの透過率はこのバックライト値に合わせて決定される。すなわち、R,G,Bの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、83%(=50/60),100%(=60/60),33%(=20/60)に設定される。
一方、本液晶表示装置においては、入力信号Rsi,Gsi,BsiのR,G,B各成分において、min(Rsi,Gsi,Bsi)に相当する値分をW成分の輝度値に振り分ける。その結果、RGB信号で表されている入力信号(R,G,B)=(50,60,20)は、RGBW信号で表される出力信号(R,G,B,W)=(30,40,0,20)に変換される。また、この注目画素において、バックライトの輝度値は、(max(Rsi,Gsi,Bsi)−min(Rsi,Gsi,Bsi))=40に設定される。また、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、このバックライト値に合わせて決定される。具体的には、各サブピクセルの透過率は(出力輝度値)/(バックライト値)で決定される。すなわち、R,G,B,Wの各サブピクセルにおけるそれぞれの透過率は、75%(=30/40),100%(=40/40),0%(=0/40),50%(=20/40)に設定される。
但し、図4(a)において示される透過率は、この注目画素において求められたバックライト値が全画素に対して求められた複数のバックライト値のうちで最も大きく、そのバックライトにおける輝度値として採用された場合の透過率を例示したものである。また、図4(a)の例においても、バックライトの輝度値を4/3倍することで、特許文献1の方法で求められるバックライト値と同一の基準にて比較可能となる。
この結果、図4(a)の例において、バックライト値は(4/3)×(60−20)=53.3となる。同様の表示を行う図4(b)の例ではバックライト値は60であるため、上記注目画素において、本発明による消費電力の削減効果があることが分かる。
上記図3(a),(b)および図4(a),(b)は、各画素についての必要最小限のバックライト値の求め方を説明したものであるが、上記の方法に則って、バックライトに対応する表示領域内の全ての画素毎に必要最小限のバックライト値を求める。こうして求まった複数のバックライト値のうち、最大の値をそのバックライトにおける輝度値として設定する。
上記説明の方法によって実施される、本液晶表示装置におけるバックライト値およびサブピクセル透過率の決定手順を図5(a)〜(e)を参照して説明する。
図5(a)は、ある一つのバックライトに対応する表示領域の入力信号(Rsi,Gsi,Bsi)を示すものである。ここでは、説明を簡単にするために、上記表示領域が4つの画素A〜Dから構成されているとする。
これらの画素A〜Dについて、入力信号(Rsi,Gsi,Bsi)をRGBW信号で表される出力信号(Rtsi,Gtsi,Btsi,Wtsi)に変換した結果は、図5(b)に示すものとなる。また、各画素毎に求まるバックライト値は、図5(c)に示すものとなる。これにより、バックライト値は、画素毎に求まった複数のバックライト値のうちの最大の値、すなわち100に設定される。
こうして求まったバックライト値100に対して各画素の透過率(rsi,gsi,bsi,wsi)が、図5(b)に示す出力信号(Rtsi,Gtsi,Btsi,Wtsi)の値に基づいて求められ、その結果は図5(d)に示すものとなる。そして、最終的な各画素における表示輝度は、図5(e)に示す結果となり、図5(a)に示す入力信号(Rsi,Gsi,Bsi)の輝度値と一致していることが確認できる。
このように、上述した出力信号生成部13でのバックライト値およびサブピクセル透過率の算出処理では、Wサブピクセルに白成分の光量を分担させることでカラーフィルタによる光の吸収を抑え、白色バックライトにおける消費電力を削減できるものである。
しかしながら、当該構成による液晶表示装置では、以下のような問題が懸念される。つまり、RGBの3つの信号値の最大値と最小値の差が大きい画素(例えば (255,15,30))を含む画像では、Wサブピクセルに白成分の光量を多く分担させることができないため、バックライト値を大幅に下げることができない。また、RGBの3つの信号値の最小値が大きい画素(例えば (255,240,225))を含む画像では、白成分の絶対量が多いため、同様にバックライト値を大幅に下げることができない。
より具体的に、1画素で構成される画像が入力された場合の例を示す。但し、以下の説明においては、入力RGB信号のγ補正処理、及び白色輝度比の考慮は省略している。
例えば、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])が、(255,15,30)(輝度=77、彩度=0.94)の場合、バックライト値は以下のように算出される。
Wt[1]=min(maxRGB[1]/2,minRGB[1])
=min(255/2,15)=15
Rt[1]=R[1]−Wt[1]=255−15=240
Gt[1]=G[1]−Wt[1]=15−15=0
Bt[1]=B[1]−Wt[1]=30−15=15
Wb=max(Rt[1],Gt[1],Bt[1],Wt[1])
=max(240,0,15,15)=240
このように、RGBの3つの信号値の最大値と最小値の差が大きい画素の場合、Wサブピクセルに白成分の光量を多く分担させることができないため、バックライト値を大きく下げることができない。
一方、入力画像の画素値(R[1],G[1],B[1])が、(255,240,225)(輝度=242、彩度=0.12)の場合、バックライト値は以下のように算出される。
Wt[1]=min(maxRGB[1]/2,minRGB[1])
=min(255/2,225)=128
Rt[1]=R[1]−Wt[1]=255−128=127
Gt[1]=G[1]−Wt[1]=240−128=112
Bt[1]=B[1]−Wt[1]=225−128=97
Wb=max(Rt[1],Gt[1],Bt[1],Wt[1])
=max(127,112,97,128)=128
このように、RGBの3つの信号値の最小値が大きい画素の場合、Wサブピクセルに白成分の光量を多く分担させることができるため、バックライト値を128まで下げることができる。しかしながら、白成分の絶対量も多いため、バックライト値を128よりも低くすることができない。
そこで、所望のバックライト値以下にしたい場合、バックライト値の決定に影響を与える画素に対してのみ、彩度、あるいは輝度、若しくはその両方を低減させることにより、所望のバックライト値まで下げることが考えられる。
例えば、バックライト値を96まで下げる場合を考える。また、低減方法に関しては、以下の3種類を考える。
1)彩度低減後輝度低減
まず彩度のみを低減し、それだけで所望のバックライト値にならない場合、彩度を0にした後、輝度も低減する。
2)信号値クリッピング
ある値以上の信号値を、その値にクリップする。
3)輝度低減
輝度のみを低減する。
まず、(255,15,30)(輝度=77、彩度=0.94)の場合について、バックライト値が96になるよう、3種類の方法で低減を行うと、それぞれ以下のような値となる。
1)彩度低減後輝度低減
(148,52,58)(輝度=77、彩度=0.65)
後述する(32)乃至(34)式を用いて、彩度低減後輝度低減処理を行うと、αを0.3984375まで下げた時点で、画素値は(148,52,58)となる。(148,52,58)は、maxRGB[1]/2>minRGB[1]の関係が成り立つため、minRGB[1]をWサブピクセルに割り振ることで、maxRGB[1]−minRGB[1]がバックライト値となる。すなわち、このときのバックライト値は、maxRGB[1]−minRGB[1]=148−52=96となる。
2)信号値クリッピング
(111,15,30)(輝度=41、彩度=0.86)
クリッピング値を111まで下げた時点、すなわち最大値が111までクリッピングされた時点で、画素値は(111,15,30)となる。(111,15,30)は、maxRGB[1]/2>minRGB[1]の関係が成り立つため、minRGB[1]をWサブピクセルに割り振ることで、maxRGB[1]−minRGB[1]がバックライト値となる。すなわち、このときのバックライト値は、maxRGB[1]−minRGB[1]=111−15=96となる。
3)輝度低減
(102,6,12)(輝度=31、彩度=0.94)
輝度を60%まで下げた時点で、画素値は(102,6,12)となる。(102,6,12)は、maxRGB[1]/2>minRGB[1]の関係が成り立つため、minRGB[1]をWサブピクセルに割り振ることで、maxRGB[1]−minRGB[1]がバックライト値となる。すなわち、このときのバックライト値は、maxRGB[1]−minRGB[1]=102−6=96となる。
この場合、1)〜3)の結果から分かるように、両画素の信号値は同じにならない。
一方、(255, 240, 225) (輝度 = 242、彩度 = 0.12)の場合について、バックライト値が96になるよう、3種類の方法で低減を行うと、それぞれ以下のような値となる。
1)彩度低減後輝度低減
(192,192,192)(輝度=192、彩度=0)
後述する(32)乃至(34)式を用いて、彩度低減後輝度低減処理を行うと、αを−0.2062まで下げた時点で、画素値は(192,192,192)となる。(192,192,192)は、maxRGB[1]/2<minRGB[1]の関係が成り立つため、maxRGB[1]/2をWサブピクセルに割り振ることで、maxRGB[1]/2がバックライト値となる。すなわち、このときのバックライト値は、maxRGB[1]/2=192/2=96となる。
2)信号値クリッピング
(192,192,192)(輝度=192、彩度=0)
クリッピング値を192まで下げた時点、すなわちRGB値全てが192までクリッピングされた時点で、画素値は(192,192,192)となる。(192,192,192)は、maxRGB[1]/2<minRGB[1]の関係が成り立つため、maxRGB[1]/2をWサブピクセルに割り振ることで、maxRGB[1]/2がバックライト値となる。すなわち、このときのバックライト値は、maxRGB[1]/2=192/2=96となる。
3)輝度低減
(192,180,169)(輝度=182、彩度=0.12)
輝度を24.9%まで下げた時点で、画素値は(192,180,169)となる。(192,180,169)は、maxRGB[1]/2<minRGB[1]の関係が成り立つため、maxRGB[1]/2をWサブピクセルに割り振ることで、maxRGB[1]/2がバックライト値となる。すなわち、このときのバックライト値は、maxRGB[1]/2=192/2=96となる。
このように、(255, 240, 225) (輝度 = 242、彩度 = 0.12)の場合には、上記のような方法で彩度や輝度の低減処理を行うと、低減された上記画素の信号値が、いずれも同じような値となり、いわゆる白とび(階調崩れ)が発生し、表示画像の画質が大幅に劣化する場合がある。
次に、2画素で構成される画像が入力された場合の例を示す。但し、以下の説明においては、入力RGB信号のγ補正処理、及び白色輝度比の考慮は省略している。
まず、入力画像の画素値(R[i],G[i],B[i])(i=1,2)が、(255,15,30)(輝度=77、彩度=0.94)、及び(255,30,15)(輝度=84、彩度=0.94)の場合、バックライト値が96になるよう、3種類の方法で低減を行うと、それぞれ以下のような値となる。
1)彩度低減後輝度低減
(148,52,58)(輝度=77、彩度=0.65)
(152,63,56)(輝度=84、彩度=0.63)
2)信号値クリッピング
(111,15,30)(輝度=41、彩度=0.86)
(111,30,15)(輝度=48、彩度=0.86)
3)輝度低減
(102,6,12)(輝度=31、彩度=0.94)
(102,12,6)(輝度=34、彩度=0.94)
この場合、1)〜3)の結果から分かるように、両画素の信号値は同じにならない。
一方、入力画像の画素値(R[i],G[i],B[i])(i=1,2)が、(255,240,225)(輝度=242、彩度=0.12)、及び(255,225,240)(輝度=234、彩度=0.12)の場合、バックライト値が96になるよう、3種類の方法で低減を行うと、それぞれ以下のような値となる。
1)彩度低減後輝度低減
(192,192,192)(輝度=192、彩度=0)
(192,192,192)(輝度=192、彩度=0)
2)信号値クリッピング
(192,192,192)(輝度=192、彩度=0)
(192,192,192)(輝度=192、彩度=0)
3)輝度低減
(192,180,169)(輝度=182、彩度=0.12)
(192,169,180)(輝度=176、彩度=0.12)
この場合、1)彩度低減後輝度低減、及び2)信号値クリッピング、で低減処理を行うと、元々異なる信号値を持つ2つの画素が同じ値となり、かつ彩度も0になり、白とびが発生している。
3)に関しては、両画素の信号値は異なっているが、画像の中に低減前の画素の信号値がすでに(192,180,169)や(192,169,180)という値の画素を有する場合、低減後にはそれらの画素と同じ値となり、同じく白とびが発生する可能性がある。
このため、本液晶表示装置においては、彩度・輝度低減部11の前段に階調補正部10を配置し、入力RGB信号に階調補正処理を施して階調補正後RGB信号に変換している。これにより、出力信号生成部13における処理において、白とびの発生を抑えつつ、バックライト消費電力の低減効果をより確実にしている。
以下に、本発明の液晶表示装置における階調補正処理、彩度・輝度低減処理およびγ補正処理について、実施の形態1ないし8に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
(階調補正部について)
図6は、図1の階調補正部10の要部構成を説明する図である。階調補正部10は、バックライト上限値算出部21、階調補正関数導出部22、階調補正LUT作成部23、第1信号値変換部24を備えて構成されている。また、図7は、階調補正部10の動作を説明するフローチャートである。
最初に、バックライト上限値算出部21において、入力RGB信号の上限値、及びバックライト値低減率から、下記の(10)式を用いてバックライト上限値MAXwが算出される(S21)。(10)式の導出方法については後述する。
MAXw=MAX×BlRatio …(10)
ただし、
MAX:入力RGB信号の上限値(0≦R[i],G[i],B[i]≦MAX)
BlRatio:バックライト値設定率(=1−BlLowRatio)
BlLowRatio:バックライト値低減率(0≦BlLowRatio≦1)
次に、S22では、階調補正関数導出部22により、入力RGB信号の上限値、γ係数、白色輝度比、階調再現上限値算出用差分、及びバックライト上限値から、下記の式(4) 乃至 (9)式、及び(10)式を用いて階調補正関数(具体的には、階調補正関数の係数、及び階調再現上限値)を導出し、出力する。
a=−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr) …(4)
b=1+(2×MAXtr×(MAX−MAXtc))
/(MAX−MAXtr) …(5)
c=−(MAXtr×(MAX−MAXtc))
/(MAX−MAXtr) …(6)
MAXtr=MAXtrmax−dltMAXtr …(7)
MAXtrmax=2×MAXtc−MAX …(8)
MAXtc
=fg(min(MAXw×(1+WR),MAX),1/γ) …(9)
ただし、
a、b、c:階調補正関数の係数
MAXtr:階調再現上限値(=階調再現区間の信号上限値)
MAXtrmax:階調再現上限値の最大値
dltMAXtr:階調再現上限値算出用差分(0≦dltMAXtr)
MAXtc:階調補正後信号上限値
WR:白色輝度比(0<WR)
γ:γ係数(0<γ)
fg(x,g):γ補正関数(γ補正により、入力信号値の大小関係が逆転しないものとし、例えば、fg(x,g)=(x/MAX)×MAXとする。ここで、xは入力信号値、gはγ係数、0≦x≦MAX,0<gとする)
max(A,B,…):A,B,…の最大値
min(A,B,…):A,B,…の最小値
S23では、階調補正LUT作成部23において、階調補正関数から、下記の式(1)乃至(3)式を用いて、入力が入力RGB信号(階調補正前RGB信号)、出力が階調補正後RGB信号となるような階調補正LUTを作成し、出力する。
1)0≦MAXtrの場合
a)0≦x≦MAXtrの場合
fc(x)=x …(1)
b)MAXtr<x≦MAXの場合
fc(x)=a×x+b×x+c …(2)
2)1)以外(MAXtr<0)の場合
fc(x)=max(a×x+b×x+c,0) …(3)
より詳細には、RGB信号値の取り得る値である0以上MAX以下の全ての整数値を入力xとして、その出力fc(x)を算出し、配列要素番号x、配列要素の値fc(x)の配列として出力する。
次に、S24の処理を、入力RGB信号の画素の数だけ繰り返す。S24では、第1信号値変換部24において、全ての入力RGB信号に対して、階調補正LUT作成部23で作成された階調補正LUTを用いて、入力RGB信号と当該階調補正LUTとから、階調補正後RGB信号を算出する。より詳細には、入力RGB信号値を配列要素番号xとする配列要素の値fc(x)を、階調補正LUTから参照して、出力する。
尚、階調補正LUTテーブルを用いずに、毎回、階調補正関数((1) 乃至 (3)式)を用いて、階調補正後RGB信号を計算することも可能である。しかしながら、階調補正LUTを用いる方が、同じ入力値に対して何度も計算する必要がないため効率的である。
また、上記のように、階調再現上限値算出用差分などのパラメータを入力し、ブロック内部で階調補正LUTを作成するのではなく、ブロック外部で既に作成された階調補正LUT自体を入力し、ブロック内部では、階調補正LUTを参照するだけでもよい。
さらに、階調補正時にビット幅変換(精度維持のためには、ビット幅拡張)を行う場合は、それを加味した階調補正LUTを作成し、階調補正とビット幅変換を同時に行う構成にしてもよい。
続いて、階調補正関数導出部22の詳細を、図8、図9を用いて説明する。図8は、階調補正関数導出部22の要部構成を説明する図である。階調補正関数導出部22は、階調補正後信号上限値算出部31、階調再現上限値算出部32、階調補正関数係数算出部33を備えて構成されている。また、図9は、階調補正関数導出部22の動作を説明するフローチャートである。
まず、S31では、階調補正後信号上限値算出部31において、入力RGB信号の上限値、γ係数、白色輝度比、及びバックライト上限値から、(9)式を用いて階調補正後信号上限値を算出し、出力する。
そして、S32では、階調再現上限値算出部32において、入力RGB信号の上限値、階調再現上限値算出用差分、及び階調補正後信号上限値から、(7) 乃至 (8)式を用いて階調再現上限値を算出し、出力する。
次に、S33では、階調補正関数係数算出部33において、入力RGB信号の上限値、階調補正後信号上限値、及び階調再現上限値から、(4) 乃至 (6)式を用いて階調補正関数の各係数を算出し、出力する。
ここで、各ステップにおける、算出式の導出方法について説明する。まず、バックライト上限値MAXwの取り得る値の範囲と上記(10)式とを導出する。
最初に、画像データ(入力RGB信号)に対して彩度・輝度低減処理を行わない場合で、かつ、バックライト値が最も大きくなる場合を考える。これは、彩度が1であり(Wサブピクセルに光量を分担できない)、かつRGB値の少なくとも1つがMAX(入力RGB信号の上限値)であるような画素が存在する場合であり、この時のバックライト値はMAXとなる。
尚、ここでいうMAXは、入力RGB信号の上限値を指すが、一意の値ではなく複数の値が考えられる。すなわち、MAXの下限値は、入力RGB信号の全てのRGB値の最大値(MAXi)となる。これは、MAXをMAXiより小さな値にすると、所望のバックライト値にすることを保障できないからである。一方、MAXの上限値は、入力RGB信号の取り得る値の最大値(MAXs)となる。これは、MAXsより大きいバックライト値を必要としないからである。
入力RGB信号のビット幅をBwとした場合、MAXsは、
MAXs=2Bw−1
で表される。例えば、Bwが8の場合、MAXsは2−1=255となる。よって、有効なMAXの範囲は、
MAXi≦MAX≦MAXs
で表される。
基本的にMAXの設定値としては、MAXi≦MAX≦MAXsを満たせば、どのような値でも良い。MAX=MAXiに設定すれば、バックライト値を最も下げることができる。ただし、画像ごとにMAXを計算する必要がある。一方、MAX=MAXsに設定すれば、MAXiに比べてバックライト上限値(MAXw)が高くなるが、MAXが画像に依存しない一定値となるため、画像ごとにMAXを計算し直す必要がない。
次に、画像データ(入力RGB信号)に対して最大限の彩度・輝度低減処理を行う場合で、かつ、バックライト値が最も大きくなる場合を考える。この場合、RGB値のいかんにかかわらず、最大限の輝度低減、すなわち輝度を0にすることで、バックライト値を0にすることができる。すなわち、最大の彩度・輝度低減処理を行う場合のバックライト値の最大値は0となる。
従って、バックライト上限値MAXwの範囲は、0〜MAXとなり、BlRatioの範囲を0〜1としたとき、BlLowRatioの範囲は0〜1となり、バックライト上限値MAXwは、(10)式で表すことができる。
次に、階調補正関数導出部22の各ステップにおける、算出式の導出方法について説明する。ただし、まずは信号値を階調補正する理由について説明し、そのうえで算出式の導出方法を説明する。
階調補正部導入前の彩度・輝度低減処理部では、(73)式を満たす画素に対して実際に彩度・輝度低減処理が行われる。尚、(73)式の導出方法については後述の(18)式の導出方法を参照して説明されるため、ここでの説明は省略する。
MAXw<max(maxRGBg[i]/(1+WR),
maxRGBg[i]−minRGBg[i]) …(73)
ただし、
maxRGBg[i]:maxRGB[i]のγ補正後の値
(=入力RGB信号のγ補正後の最大値)
minRGBg[i]:minRGB[i]のγ補正後の値
(=入力RGB信号のγ補正後の最小値)
ここで、特に、高輝度・低彩度の画素では、(74)式を満たす。
maxRGBg[i]/(1+WR)
>maxRGBg[i]−minRGBg[i] …(74)
従って、(73)式は、(75)式のようになる。
MAXw<maxRGBg[i]/(1+WR) …(75)
そこで、(75)式を満たす画素に対しては、(76)式を満たすように彩度・輝度低減処理が行われる。
MAXw=maxRGBsg[i]/(1+WR) …(76)
ただし、
maxRGBsg[i]:maxRGB[i]の彩度・輝度低減後、及びγ補正後の値(=入力RGB信号の彩度・輝度低減後、及びγ補正後の最大値)
そして、(76)式を式変形すると、以下のようになる。
maxRGBsg[i]=MAXw×(1+WR)
maxRGBs[i]=fg(MAXw×(1+WR),1/γ)
とする。
ここで、
MAXtc=fg(MAXw×(1+WR),1/γ) …(77)
と定義すると、
maxRGBs[i]=MAXtc
となる。すなわち、入力RGB信号の最大値(maxRGB[i])は、彩度・輝度低減によりMAXtcにクリッピングされる。
なお、(77)式に対し、逆γ補正の前に、MAXw×(1+WR)が、信号上限値MAXを超えないようにリミッタ処理を施すことで、(9)式が導かれる。
さらに、入力RGB信号の最小値(minRGB[i])がMAXtc以上の場合、彩度・輝度低減処理の仕方によっては、RGB値全てが、MAXtcにクリッピングされるため、彩度が0になり、階調情報が失われる。
あるいは、彩度が0にならない場合でも、入力RGB信号のMAXtc以上の最大値は全てMAXtcになるため、高輝度・低彩度部の階調情報の多くが失われる。
そこで、彩度・輝度低減処理を施す前に階調補正部を設け、そこで信号値の階調補正を行うことにより、高輝度・低彩度部の階調情報が失われないようにしている。
次に、階調補正関数導出部22の各ステップにおける、階調補正関数の係数であるa、b、cの導出方法について図10を用いて説明する。図10(a)〜(c)は、実施例1における階調補正関数の導出方法を説明するための図である。
すなわち、図10(a)のように、maxRGB[i] が0からある値(MAXtr:階調再現上限値)まで(以下、階調再現区間)は、入力値=出力値となるようにし、MAXtrから信号上限値 (MAX) まで(以下、階調補正区間)は、maxRGB[i] が大きくなるにつれて、緩やかに maxRGB[i] を低減させ、最終的に入力が信号上限値の場合、出力がクリッピング値 (MAXtc:階調補正後信号上限値) になるように階調補正する。
なお、MAXtr の範囲は、(78)式の通りである。
0≦MAXtr<MAXtc …(78)
例えば、maxRGB[i]が0〜MAXtrまでは(1)式のような(0,0)を通る傾き1の直線とし、MAXtr〜MAXまでは以下の3つ制約条件を満たす(2)式のような2次曲線とする。
fc(x)=a×x+b×x+c …(2)
2次曲線((2)式)の制約条件
1)点(MAXtr,MAXtr)を通る。
2)点(MAX,MAXtc)を通る。
3)入力値x=MAXtrの傾き(微分値)が1。
ここで、(2)式を微分すると、
fc’(x)=2×a×x+b …(79)
となる。
以下、上記制約条件より、2次曲線の係数(a,b,c)を算出する。
まず、制約条件1)より、
MAXtr=a×MAXtr2+b×MAXtr+c …(80)
となる。
制約条件2)より、
MAXtc=a×MAX2+b×MAX+c …(81)
となる。
制約条件3)より、
1=2×a×MAXtr+b …(82)
となる。
ここで、(81)−(80)より、
MAXtc−MAXtr
=a×(MAX2−MAXtr2)+b×(MAX−MAXtr)
これより、(83)式が得られる。
(MAXtc−MAXtr)/(MAX−MAXtr)
=a×(MAX+MAXtr)+b …(83)
そして、(82) −(83)より、
1−(MAXtc−MAXtr)/(MAX−MAXtr)
={2×MAXtr−(MAX−MAXtr)}×a
が得られる。
従って、
(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr)=−(MAX−MAXtr)×a
となる。
以上より、係数aが以下のように算出される。
a=−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr)2 …(4)
そして、(4)式を(82)式へ代入すると、
1=2×{−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr)2}×MAXtr+b
となる。
従って、以下のように係数bが算出される。
b=1+{2×MAXtr×(MAX−MAXtc)}/(MAX−MAXtr)2
…(5)
次に、(4)、(5)式を(80)式へ代入する。
MAXtr=−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr)2×MAXtr2
+{1+2×MAXtr×(MAX−MAXtc)
/(MAX−MAXtr)2}×MAXtr+c
従って、以下のように係数cが算出される。
c=MAXtr
+(MAX−MAXtc)/((MAX−MAXtr)2×MAXtr2
−{1+2×MAXtr×(MAX−MAXtc)
/(MAX−MAXtr)2}×MAXtr
=MAXtr×{1+(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr)2
×MAXtr−1
−2×MAXtr×(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr)2}
=−MAXtr×{MAXtr×(MAX−MAXtc)
/(MAX−MAXtr)2}
従って、
c=−MAXtr×(MAX−MAXtc)
/(MAX−MAXtr) …(6)
となる。
以上の導出方法により、階調補正関数の係数a、b、cが算出される。
次に、有効なMAXtrの範囲について述べる。
MAXtrの範囲は (78)式の通りであるが、MAXtr が MAXtc に近づくと、階調補正区間 (MAXtr 〜 MAX) で極大点が発生し、階調補正曲線が単調増加にならない。
そこで、極大点が発生しない最大の MAXtr (= MAXtrmax) を求め、MAXtr が MAXtrmax を超えないようにする。そして、極大点が発生しないためには、x=MAXのときの2次曲線の傾きが0以上になればよい。
従って、(79), (4) 〜 (5)式より、
0≦2×{−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr)2}×MAX
1+(2×MAXtr×(MAX−MAXtc))/(MAX−MAXtr)2
0≦−2×(MAX−MAXtc)×MAX+(MAX−MAXtr)2
+2×MAXtr×(MAX−MAXtc)
0≦MAX2+MAXtr2−2×MAXtr×MAXtc
−2×(MAX−MAXtc)×MAX
0≦MAXtr2−2×MAXtc×MAXtr+MAX2
−2×(MAX−MAXtc)×MAX
0≦MAXtr2−2×MAXtc×MAXtr+2×MAXtc+MAX−MAX2
0≦MAXtr2−2×MAXtc×MAXtr
+MAX×(2×MAXtc−MAX)
0≦(MAXtr−MAX)×{MAXtr−(2×MAXtc−MAX)}
となる。ここで、MAXtc≦MAXより、
MAX−(2×MAXtc−MAX)=2×(MAX−MAXtc)≧0
従って、
2×MAXtc−MAX≦MAX
となる。
よって、MAXtrの範囲は、
MAXtr≦2×MAXtc−MAX、あるいは、MAX≦MAXtr
となる。
さらに、MAXtr<MAXtc≦MAXより、(84)式が得られる。
MAXtr≦2×MAXtc−MAX …(84)
そして、(84)式より、MAXtrmaxは、(8)式となる。
MAXtrmax=2×MAXtc−MAX …(8)
すなわちMAXtrの値として、MAXtrmax以下の値を与えればよいが、MAXtrmaxは、MAXwやWRの値によって変化するため、MAXtrmax以下の値となるようにMAXtrを与えるのは難しい。そこで、MAXtrを(7)式のように定義し、0以上の値であるdltMAXtrを与えることで、階調再現区間(もしくは、階調補正区間)を制御している。
MAXtr=MAXtrmax−dltMAXtr …(7)
ここで、MAXtrmax<dltMAXtrのとき、MAXtrが負になる(図10(b)参照)。あるいはMAXtc<MAX/2のときも、MAXtrmaxは負になるので、dltMAXtrの値にかかわらずMAXtrも負になる(図10(c)参照)。
このようなときは、階調補正関数の出力値が負になる場合がある。そこで、少なくとも単調非減少にするためには、階調補正関数の出力値が負の場合、0に補正することで対応する。すなわち、MAXtr<0の場合は、階調補正関数は(3)式のようになる。
ここで、関数y=f(x)の定義域内の2点a,b(ただしa<b)について、必ずf(a)<f(b)となるとき、y=f(x)を単調増加の関数と、必ずf(a) ≦f(b)となるとき、y=f(x)を単調非減少の関数という。
このようにして、式(1)乃至(3)式が得られる。そして、上述したように、階調補正LUT作成部23において、階調補正関数から、 (1)乃至(3)式を用いて、入力が入力RGB信号(階調補正前RGB信号)、出力が階調補正後RGB信号となるような階調補正LUTを作成し、出力する。
1)0≦MAXtrの場合
a)0≦x≦MAXtrの場合
fc(x)=x …(1)
b)MAXtr<x≦MAXの場合
fc(x)=a×x+b×x+c …(2)
2)1)以外(MAXtr<0)の場合
fc(x)=max(a×x+b×x+c,0) …(3)
そして、出力された階調補正後RGB信号は彩度・輝度低減部11への入力となる。
(彩度・輝度低減部について)
次に、彩度・輝度低減部11について説明する。図11は、彩度・輝度低減部11の要部構成を説明する図である。彩度・輝度低減部11は、バックライト上限値算出部21、γ補正後RGB信号最大・最小値算出部42、彩度・輝度低減後RGB信号算出部43を備えて構成されている。また、図12は、彩度・輝度低減部11の動作を説明するフローチャートである。
最初に、バックライト上限値算出部21において、入力RGB信号の上限値、及びバックライト値低減率から、 (10)式を用いてバックライト上限値MAXwが算出される(S21)。なお、(10)式の導出方法については既に説明しているため、詳細説明は省略する。
次に、S42、S43の処理を、階調補正後RGB信号の画素の数だけ繰り返すことにより、全ての画素に対して、彩度・輝度低減後RGB信号が算出される。
S42では、γ補正後RGB信号最大・最小値算出部42において、階調補正後RGB信号、及びγ係数から、(16) 乃至 (17)式を用いて、注目(処理対象)画素におけるγ補正後のRGB信号の最大・最小値を算出し、出力する。
maxRGBcg[i]=max(Rcg[i],Gcg[i],Bcg[i])
=fg(maxRGBc[i],γ) …(16)
minRGBcg[i]=min(Rcg[i],Gcg[i],Bcg[i])
=fg(minRGBc[i],γ) …(17)
ただし、
Rcg[i],Gcg[i],Bcg[i]
:階調補正後RGB信号に対するγ補正後のRGB信号
maxRGBc[i]:入力RGB信号の最大値
(=max(Rc[i],Gc[i],Bc[i]))
minRGBc[i]:入力RGB信号の最小値
(=min(Rc[i],Gc[i],Bc[i]))
max(A,B,…):A,B,…の最大値
min(A,B,…):A,B,…の最小値
γ:γ係数(>0)
fg(x,g):γ補正関数
S43では、彩度・輝度低減後RGB信号算出部43において、γ補正後のRGB信号の最大・最小値が(18)式を満たすかどうかを判定し、(18)式を満たす場合は、(19)式を満たす彩度・輝度低減後RGB信号を、階調補正後RGB信号、γ係数、バックライト上限値、白色輝度比、及びγ補正後RGB信号最大・最小値から算出する。γ補正後のRGB信号の最大・最小値が(18)式を満たさない場合は、階調補正後RGB信号の値を、彩度・輝度低減後RGB信号の値として出力する。
MAXw<max(maxRGBcg[i]/(1+WR),
maxRGBcg[i]−minRGBcg[i]) …(18)
max(maxRGBcsg[i]/(1+WR),
maxRGBcsg[i]−minRGBcsg[i])−MAXw=0 …(19)
ただし、
maxRGBcsg[i]
=max(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
=fg(max(Rcs[i],Gcs[i],Bcs[i]),γ)
=fg(fs(max(Rc[i],Gc[i],Bc[i]),γ)
=fg(fs(maxRGBc[i],γ) …(20)
minRGBcsg
=min(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
=fg(min(Rcs[i],Gcs[i],Bcs[i]),γ)
=fg(fs(min(Rc[i],Gc[i],Bc[i]),γ)
=fg(fs(minRGBc[i],γ) …(21)
ただし、
fs(x):彩度・輝度低減関数(彩度・輝度低減により、入力信号値の大小関係が逆転しないものとする。ここで、xは入力信号値、0≦x≦MAXとする)
次に、彩度・輝度低減後RGB信号算出部43の詳細を、図13を用いて説明する。図13は、彩度・輝度低減後RGB信号算出部43の要部構成を説明する図である。輝度低減後RGB信号算出部43は、彩度低減後輝度低減率算出部51、彩度低減後輝度低減信号変換部52を備えて構成されている。
彩度・輝度低減後RGB信号算出部43では、彩度・輝度低減関数fs(x)として、輝度及び色相を保持したまま彩度のみを低減する、あるいは、輝度を保持したまま彩度0まで低減した後、彩度0のまま輝度を低減することで、彩度・輝度低減後RGB信号(彩度低減後輝度低減後RGB信号)を算出する関数(以下、彩度低減後輝度低減関数)((32) 乃至 (34)式)を用いる。
Rcs[i]
=max(α,0)×Rc[i]+(1−|α|)×Yc[i] …(32)
Gcs[i]
=max(α,0)×Gc[i]+(1−|α|)×Yc[i] …(33)
Bcs[i]
=max(α,0)×Bc[i]+(1−|α|)×Yc[i] …(34)
ただし、
α:彩度低減後輝度低減率(−1≦α<1)
Yc[i]:階調補正後RGB信号(Rc[i],Gc[i],Bc[i])の輝度
(例えば、Yc[i]=(2×Rc[i]+5×Gc[i]+Bc[i])/8)
ここで、(20)式、及び(32)乃至(34)式より、(35)式が得られる。
maxRGBcsg[i]=fg(fs(maxRGBc[i]),γ)
=fg(max(α,0)×maxRGBc[i]
+(1−|α|)×Yc[i],γ) …(35)
同様に(21)式、及び(32)乃至(34)式より、(36)式が得られる。
minRGBcsg[i]=fg(fs(minRGBc[i]),γ)
=fg(max(α,0)×minRGBc[i]
+(1−|α|)×Yc[i],γ) …(36)
そして、 (35)乃至(36)式を(19)式に代入することで、αを未知数とした方程式が導かれる。
すなわち、(18)式を満たす画素に対して、(19)式を満たすαを算出し、そのαを用いて(32)乃至(34)式により彩度・輝度低減を行う。
しかし(19)式は、αを未知数とした非線形方程式であるため、簡単に解くことができない。そのため、(19)式は、近似的な方法を用いて解くことが考えられるが、その解法については後述する他の実施の形態において詳細に説明する。
次に、彩度・輝度低減処理を行うかどうかの判定条件である(18)式を導出する。最初に、彩度・輝度低減を行わない場合の、バックライト値算出までのアルゴリズムは以下のようになる。
1)γ補正(Rcg[i],Gcg[i],Bcg[i])
Rcg[i]=fg(Rc[i],γ)
Gcg[i]=fg(Gc[i],γ)
Bcg[i]=fg(Bc[i],γ)
2)W透過量算出(Wtcg[i])
Wtcg[i]=min(maxRGBcg[i]/(1+1/WR)
,minRGBcg[i]) …(43)
3)RGB透過量算出(Rtcg[i],Gtcg[i],Btcg[i])
Rtcg[i]=Rcg[i]−Wtcg[i] …(44)
Gtcg[i]=Gcg[i]−Wtcg[i] …(45)
Btcg[i]=Bcg[i]−Wtcg[i] …(46)
4)バックライト値算出(Wbg)
Wbg=max(Rtcg[1],Gtcg[1],Btcg[1],
Wtcg[1]/WR,...
Rtcg[Np],Gtcg[Np],Btcg[Np],
Wtcg[Np]/WR)
尚、WRは白色輝度比であり、RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値である。
そして、白色輝度比WRを考慮したW透過量(Wtcg[i]/WR)がMAXwを超えない条件は、以下のとおりである。
Wtcg[i]/WR≦MAXw …(47)
ここで、(47)式に(43)式を代入すると、
min(maxRGBcg/(1+1/WR)
,minRGBcg)/WR≦MAXw …(48)
となる。
次に、各RGB透過量がMAXwを超えない条件は、以下のとおりである。
Rtcg[i]≦MAXw …(49)
Gtcg[i]≦MAXw …(50)
Btcg[i]≦MAXw …(51)
よって、(43)〜(46),(49)〜(51)式より、全てのRGB透過量がMAXwを超えない条件は、以下のとおりである。
max(Rtcg[i],Gtcg[i],Btcg[i])≦MAXw
maxRGBcg[i]−Wtcg[i]≦MAXw
よって、
maxRGBcg[i]−min(maxRGBcg[i]/(1+1/WR)
,minRGBcg[i])≦MAXw …(52)
となる。
ここで、
maxRGBcg[i]/(1+1/WR)≦minRGBcg[i] …(53)
が満たされるとき、W透過量がMAXwを超えない条件は、(48)式より以下の通りである。
{maxRGBcg[i]/(1+1/WR)}/WR≦MAXw
よって、
maxRGBcg[i]/(1+WR)≦MAXw …(54)
となる。
また、同じく(53)式が満たされるとき、RGB透過量がMAXwを超えない条件は、(52)式より以下の通りである。
maxRGBcg[i]−maxRGBcg[i]/(1+1/WR)≦MAXw
よって、
maxRGBcg[i]/(1+WR)≦MAXw
となり、(54)式と同じとなる。
よって(53)式を満たすとき、RGBW透過量全てがMAXwを超えない条件は、(54)式となる。
一方、
minRGBcg[i]<maxRGBcg[i]/(1+1/WR) …(55)
が満たされるとき、W透過量がMAXwを超えない条件は(48)式より以下の通りである。
minRGBcg[i]/WR≦MAXw …(56)
また、同じく(55)式が満たされるとき、RGB透過量がMAXwを超えない条件は、(52)式より以下の通りである。
maxRGBcg[i]−minRGBcg[i]≦MAXw …(57)
よって(55)式を満たすとき、RGBW透過量全てがMAXwを超えない条件は、(56)式と(57)式とをまとめることで、以下のようになる。
max(minRGBcg[i]/WR,
maxRGBcg[i]−minRGBcg[i])≦MAXw …(58)
ここで(55)式より、
minRGBcg[i]/WR
<maxRGBcg[i]/(WR×(1+1/WR))
=maxRGBcg[i]/(1+WR)
=maxRGBcg[i]−maxRGBcg[i]/(1+1/WR)
<maxRGBcg[i]−minRGBcg[i]
となるので、(58)式は次式のようになる。
maxRGBcg[i]−minRGBcg[i]≦MAXw
この式は、(57)式と同じである。
逆に、上記(53)式が満たされるとき、RGBW透過量の少なくとも1つがMAXwを超える条件は、(54)式より、
MAXw<maxRGBcg[i]/(1+WR) …(59)
となる。
また、上記(55)式が満たされるとき、RGBW透過量の少なくとも1つがMAXwを超える条件は、(57)式より、
MAXw<maxRGBcg[i]−minRGBcg[i] …(60)
となる。
上記(53),(59),(55),(60)式を、更に式変形すると以下の通りである。
まず、(53)式より、
maxRGBcg[i]−maxRGBcg[i]/(1+WR)
≦minRGBcg[i]
となる。よって、
maxRGBcg[i]−minRGBcg[i]
≦maxRGBcg[i]/(1+WR) …(61)
となる。
(61)式を満たすときは、(59)式は次のように変形できる。
MAXw
<max(maxRGBcg[i]/(1+WR),
maxRGBcg[i]−minRGBcg[i])
この式は、上記(18)式と同じとなる。
次に、(55)式より、
minRGBcg[i]
<maxRGBcg[i]−maxRGBcg[i]/(1+WR)
となる。よって、
maxRGBcg[i]/(1+WR)
<maxRGBcg[i]−minRGBcg[i] …(62)
となる。
(62)式を満たすときは、(60)式は、同じく(18)式のように変形できる。
(61)〜(62)式より、RGBW透過量の少なくとも1つがMAXwを超える条件は、単に(18)式に簡略化することができる。すなわち、入力RGB値が(18)式を満たす場合は、彩度・輝度低減処理を行うことで、バックライト値がMAXwを超えないようにする。
次に、彩度・輝度低減後RGB信号を算出するための条件式((19) 乃至 (21)式)を導出する。
まず、(18)式から、バックライト値をMAXw以下にするための条件式である (19)式が導かれる。
(19)式のmaxRGBcsg[i]及びminRGBcsg[i]は、γ補正及び彩度・輝度低減処理により、入力RGB信号値の大小関係が逆転しないので、それぞれ (20) 乃至 (21)式のように展開することができる。
すなわち、彩度・輝度低減関数fs(x) を定義し、(19)式を満たすように、彩度や輝度の低減処理を行えば、バックライト値は必ずMAXw以下になる。
尚、(18)式を満たさない画素の場合は、彩度や輝度の低減の必要がないため、階調補正後RGB信号の値を、彩度・輝度低減後RGB信号の値として、そのまま出力すればよい。
次に、彩度・輝度低減の算出式である(32)〜(34)式を導出する。
まず、輝度・色相は不変で、彩度のみを低減させるRGBの変換式は下記の(63)乃至(65)式である。
Rcs[i]=α×Rc[i]+(1−α)×Yc[i] …(63)
Gcs[i]=α×Gc[i]+(1−α)×Yc[i] …(64)
Bcs[i]=α×Bc[i]+(1−α)×Yc[i] …(65)
ただし、
0≦α<1
また、彩度・輝度低減をさせないときだけ、α=1とする。
一方、彩度が0になり、輝度を低減させるRGBの変換式は下記の(66)乃至(68)式である。
Rcs[i]=(1+α)×Yc[i] …(66)
Gcs[i]=(1+α)×Yc[i] …(67)
Bcs[i]=(1+α)×Yc[i] …(68)
ただし、
−1≦α<0
上記の(63)乃至(65)式と(66)乃至(68)式とをまとめると、(32)乃至(34)式となる。
ただし、
−1≦α<1
ここで、(63)乃至(65)式が、彩度・輝度低減前後で輝度・色相を変えないことの証明を行う。
まず、RGB値が(R,G,B)のときの輝度の算出式を(2×R+5×G+B)/8とすると、彩度・輝度低減後の輝度Ycs[i]は、下記の(69)式のようになる。
Ycs[i]
=(2×Rcs[i]+5×Gcs[i]+Bcs[i])/8 …(69)
(69)式に、(63)乃至(65)式を代入すると、
Ycs[i]
=α×(2×Rc[i]+5×Gc[i]+Bc[i])/8
+(1−α)×Yc[i]
=α×Yc[i]+(1−α)×Yc[i]
=Yc[i] …(70)
となる。(70)式より、彩度・輝度低減前後で輝度値は変化していないことが分かる。
一方、色相に関しては、R値が最大のときを考える。まず、R値が最大のときの、彩度・輝度低減前の色相Hc[i]は、下記の(74)式のようになる。
Hc[i]=(Cbs−Cgc)×60 …(71)
ここで、
Cbc=(maxRGBc[i]−Bc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
Cgc=(maxRGBc[i]−Gc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
である。
次に、彩度・輝度低減後の色相Hcs[i]は、下記の(72)式のようになる。
Hcs[i]=(Cbcs−Cgcs)×60 …(72)
ここで、
Cbcs=(maxRGBcs[i]−Bcs[i])
/(maxRGBcs[i]−minRGBcs[i])
Cgcs=(maxRGBcs[i]−Gcs[i])
/(maxRGBcs[i]−minRGBcs[i])
minRGBcs[i]:彩度・輝度低減後のminRGBc[i]
maxRGBcs[i]:彩度・輝度低減後のmaxRGBc[i]
である。
(72)式を変形し、更に(63)乃至(65)式を代入すると、
Hcs[i]
=[{(maxRGBcs[i]−Bs[i])
−(maxRGBcs[i]−Gcs[i])}
/(maxRGBcs[i]−minRGBcs[i])]×60
={(Gcs[i]−Bcs[i])
/(maxRGBcs[i]−minRGBcs[i])}×60
=[α×(Gc[i]−Bc[i])
/{α×(maxRGBc[i]−minRGBc[i])}]×60
={(Gc[i]−Bc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])}×60
=[{(maxRGBc[i]−Bc[i])
−(maxRGBc[i]−Gc[i])}
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])]×60
=(Cbc−Cgc)×60
=Hc[i]
となる。よって、彩度・輝度低減前後で色相も変化しないことが分かる。G値、あるいはB値が最大のときも同様である。
(出力信号ブロック)
続いて、出力信号生成部13の構成を図14を参照して説明する。出力信号生成部13は、W透過量算出部61、RGB透過量算出部62、バックライト値算出部63、透過率算出部64を備えて構成されている。また、図15は、出力信号生成部13の動作を説明するためのフローチャートである。
W透過量算出部61は、γ補正後RGB信号及び白色輝度比から、下記(22)式を用いて注目画素におけるW透過量Wtsg[i]を算出する(S61)。
Wtcsg[i]=min(maxRGBcsg[i]/(1+1/WR)
,minRGBcsg[i]) …(22)
ただし、
maxRGBcsg[i]
=max(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
minRGBcsg[i]
=min(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
次に、RGB透過量算出部62は、γ補正後RGB信号、及びW透過量算出部61から出力されたW透過量から、下記(23)乃至(25)式を用いて注目画素におけるRGB透過量(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])を算出する(S42)。
Rtcsg[i]=Rcsg[i]−Wtcsg[i] …(23)
Gtcsg[i]=Gcsg[i]−Wtcsg[i] …(24)
Btcsg[i]=Bcsg[i]−Wtcsg[i] …(25)
S61〜S62の処理は入力RGB信号の画素の数だけ繰り返され、全ての画素に対してRGBW透過量(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i],Wtcsg[i])が算出される。
バックライト値算出部63は、白色輝度比、及びW透過量算出部61とRGB透過量算出部62から出力された画像内の全画素のRGBW透過量から、下記(26)式を用いてバックライト値Wbcsgを算出する(S63)。
Wbcsg
=max(Rtcsg[1],Gtcsg[1],Btcsg[1],
Wtcsg[1]/WR,...
Rtcsg[Np],Gtcsg[Np],Btcsg[Np],
Wtcsg[Np]/WR) …(26)
透過率算出部64は、白色輝度比、W透過量算出部61とRGB透過量算出部62から出力されたRGBW透過量、及びバックライト値算出部63から出力されたバックライト値から、(27)乃至(31)式を用いて、注目画素のRGBW透過率(rcsg[i],gcsg[i],bcsg[i],wcsg[i])を算出する(S64)。S64の処理は入力RGB信号の画素の数だけ繰り返され、各サブピクセルの透過率が算出される。
rcsg[i]=Rtcsg[i]/Wbcsg …(27)
gcsg[i]=Gtcsg[i]/Wbcsg …(28)
bcsg[i]=Btcsg[i]/Wbcsg …(29)
wcsg[i]=(Wtcsg[i]/Wbcsg)/WR …(30)
ただし、Wbcsg=0のとき、
rcsg[i]=gcsg[i]=bcsg[i]=wcsg[i]=0 …(31)
尚、バックライト値Wbcsgの算出に使用される(26)式は、次式のように簡略化することも可能である。
Wbcsg=max(Rtcsg[1],Gtcsg[1],Btcsg[1],
...
Rtcsg[Np],Gtcsg[Np],Btcsg[Np])
これは、W透過量(Wtcsg[i]/WR)は、常にRGB透過量(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])の最大値以下になるからである。以下に、その証明を行う。
max(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])
−Wtcsg[i]/WR
=maxRGBcsg[i]−Wtcsg[i]−Wtcsg[i]/WR
=maxRGBcsg[i]−(1+1/WR)×Wtcsg[i]
=maxRGBcsg
−(1+1/WR)×min(maxRGBcsg[i]/(1+1/WR)
,minRGBcsg[i])
=maxRGBcsg[i]−min(maxRGBcsg[i],
(1+1/WR)×minRGBcsg[i])
ここで、
min(maxRGBcsg[i],(1+1/WR)×minRGBcsg[i])
≦maxRGBcsg[i]より、
0≦max(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])
−Wtcsg[i]/WR
よって、Wtcsg[i]/WR
≦max(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])となる。
このように、本実施の形態1に係る液晶表示装置では、出力信号生成部13においてバックライト値およびRGBW透過率を算出する前に、原入力である入力RGB信号に対して階調補正、彩度低減処理、及びγ補正を行うことで、バックライト値を確実に低減させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1の彩度低減後輝度低減率算出部51における彩度低減後輝度低減率αの近似的な算出手段の一例を示す。
実施の形態1においては、(18)式が満たされる場合に、彩度低減後輝度低減率αを(19)式を用いて算出する必要があるが、該(19)式は非線型方程式であるため、簡単に算出することができない。そこで、本実施の形態では、二分探索法を用いることでαを算出する。尚、実施の形態1と同一の処理部に対しては、実施の形態1と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
図16は、彩度低減後輝度低減率算出部51の動作を説明するフローチャートである。
まず、S50では、注目画素におけるγ補正後のRGB信号の最大・最小値が (18)式を満たすかどうかを判定し、満たす場合はS51に、満たさない場合はS59に進む。
(18)式を満たす場合、ステップS50では、下記の(37)乃至(38)式を用いて、二分探索用彩度・輝度低減率下限値low及び上限値highを、それぞれ−1及び1に設定する。
low=−1 …(37)
high=1 …(38)
ただし、
low: 二分探索用彩度低減後輝度低減率下限値
high: 二分探索用彩度低減後輝度低減率上限値
次に、S52〜S57の処理が、low+alphaTol≦highの間、繰り返される。ここでalphaTolは、彩度低減後輝度低減率α算出ループ判定用閾値 (0<alphaTol) である。あるいは、S52〜S57の処理は、ある決められた一定回数だけ繰り返されても良い。
S52では、(39)式を用いて、現時点でのαを算出する。
α=(low+high)/2 …(39)
次に、S53では、(19)式の左辺である(40)式を用いて、α算出判定値(judgeSi)を算出する。
judgeSi
=max(maxRGBcsg[i]/(1+WR),
maxRGBcsg[i]−minRGBcsg[i])−MAXw …(40)
このjudgeSiは、0に近いほど、現時点でのαが所望のαに近づいていることを示しており、また、負の値の場合は、現時点でのαが所望の値より小さく、正の場合は、現時点でのαが所望の値より大きいことを示している。
次に、S54において、judgeSiが−judgeTolより小さければ、現時点でのαが所望の値より小さいことになるため、(41)式を用いて、lowを現時点でのαに更新する。また、S54において、judgeSiが−judgeTolより小さくなければ、S56に進む。ここでjudgeTolは、彩度低減後輝度低減率算出判定用閾値(0<judgeTol)である。
low=α …(41)
次に、S56において、judgeSiがjudgeTolより大きければ、現時点でのαが所望の値より大きいことになるため、(42)式を用いて、highを現時点でのαに更新する(S57)。また、S56において、judgeSiがjudgeTolより大きくなければ、現時点でのαが所望のαになっていると判断し、ループを抜けて処理を終了する。
high=α …(42)
また、S56の判定条件でNoにならず、かつループ処理を終了した場合は、所望のαを算出できていないため、何らかのエラー処理を行う(S58)。
S50において(18)式を満たさない場合は、S59においてαを1に設定する。αを1に設定することにより、彩度・輝度低減後のRGB信号値は、彩度・輝度低減前のRGB信号値(階調補正後RGB信号値)と同じになり、彩度・輝度が低減されない結果となる。
尚、本実施の形態では、彩度・輝度低減関数fs(x) として、彩度低減後輝度低減関数((32) 乃至 (34)式)を用いているが、ある値以上の信号値を、その値までクリップすることにより、彩度と輝度を共に低減させる信号値クリッピング関数や、彩度はそのままで、輝度のみを低減させる輝度低減関数など、他の関数を用いても良い。
さらに、本実施の形態では、彩度低減後輝度低減率αの算出に二分探索法を用いているが、ニュートン法など、他の手法を用いても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態では、2画素で構成される画像が入力された場合のバックライト値の算出方法を具体的に説明する。尚、入力画像の画素値を、(R[1],G[1],B[1])=(255,240,225)(画素1)、(R[2],G[2],B[2])=(255,225,240)(画素2)として説明する。
また、彩度・輝度低減関数fs(x)として、彩度低減後輝度低減関数((32)乃至(34)式)を用い、MAX=255、γ=2、WR=1.25、BlLowRatio=0.625、dltMAXtr=128、judgeTol=1、alphaTol=10−7とする。
まずは、階調補正処理を行わない場合のバックライト値を以下のように算出する。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.625)=95.625
2)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBg[i],minRGBg[i])
a)画素1の場合
maxRGBg[1]=(maxRGB[1]/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg[1]=(minRGB[1]/MAX)γ×MAX
=(225/255)×255=199
b)画素2の場合
maxRGBg[2]=(maxRGB[2]/MAX)γ×MAX
=(255/255)×255=255
minRGBg[2]=(minRGB[2]/MAX)γ×MAX
=(225/255)×255=199
3)彩度低減後輝度低減率算出(α)
a)画素1の場合
max(maxRGBg[1]/(1+WR),
maxRGBg[1]−minRGBg[1])
=max(255/(1+1.25),255−199)
=max(113,56)=113
注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
尚、入力RGB信号の輝度Y[1]は、以下のように算出される。
Y[1]=(2×R[1]+5×G[1]+B[1])/8
=(2×255+5×240+225)/8=242
本算出例では、図16のフローにおけるS52〜S57のステップが、S56の判定条件を満たしてループを抜けるまで繰り返される。このフローによって算出されるlow,high,α,judgeSiの値の変化は、以下の表1に示すようなものとなる。
Figure 2010049011
表1において、最終的なαの値は、
α=−0.03125
と算出される。
b)画素2の場合
max(maxRGBg[2]/(1+WR),
maxRGBg[2]−minRGBg[2])
=max(255/(1+1.25),255−199)
=max(113,56)=113
注目画素は(18)式を満たすため、(19)式を満たすαを二分探索法で算出する。
尚、入力RGB信号の輝度Y[2]は、以下のように算出される。
Y[2]=(2×R[2]+5×G[2]+B[2])/8
=(2×255+5×225+240)/8=234
従って、彩度低減後輝度低減率算出時における、low、high、α、judgeSiの値の変化は、以下の表2に示すようなものとなる。
Figure 2010049011
表2において、最終的なαの値は、
α=0
と算出される。
4)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rs[i],Gs[i],Bs[i])
a)画素1の場合
Rs[1]=max(α,0)×R[1]+(1−|α|)×Y[1]
=(1+α)×Y[1]=(1−0.03125)×242=234
Gs[1]=max(α,0)×G[1]+(1−|α|)×Y[1]
=(1+α)×Y[1]=(1−0.03125)×242=234
Bs[1]=max(α,0)×B[1]+(1−|α|)×Y[1]
=(1+α)×Y[1]=(1−0.03125)×242=234
b)画素2の場合
Rs[2]=max(α,0)×R[2]+(1−|α|)×Y[2]
=(1+α)×Y[2]=(1+0)×234=234
Gs[2]=max(α,0)×G[2]+(1−|α|)×Y[2]
=(1+α)×Y[2]=(1+0)×234=234
Bs[2]=max(α,0)×B[2]+(1−|α|)×Y[2]
=(1+α)×Y[2]=(1+0)×234=234
5)γ補正(Rsg[i],Gsg[i],Bsg[i])
a)画素1の場合
Rsg[1]=(Rs[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Gsg[1]=(Gs[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Bsg[1]=(Bs[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
b)画素2の場合
Rsg[2]=(Rs[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Gsg[2]=(Gs[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Bsg[2]=(Bs[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
6)W透過量算出(Wtsg[i])
a)画素1の場合
Wtsg[1]=min(maxRGBsg[1]/(1+1/WR)
,minRGBsg[1])
=min(215/(1+1/1.25),215)
=min(119,215)=119
b)画素2の場合
Wtsg[2]=min(maxRGBsg[2]/(1+1/WR)
,minRGBsg[2])
=min(215/(1+1/1.25),215)
=min(119,215)=119
7)RGB透過量算出(Rtsg[i],Gtsg[i],Btsg[i])
a)画素1の場合
Rtsg[1]=Rsg[1]−Wtsg[1]=215−119=96
Gtsg[1]=Gsg[1]−Wtsg[1]=215−119=96
Btsg[1]=Bsg[1]−Wtsg[1]=215−119=96
b)画素2の場合
Rtsg[2]=Rsg[2]−Wtsg[2]=215−119=96
Gtsg[2]=Gsg[2]−Wtsg[2]=215−119=96
Btsg[2]=Bsg[2]−Wtsg[2]=215−119=96
8)バックライト値算出(Wbsg)
Wbsg=max(Rtsg[1],Gtsg[1],Btsg[1]
,Wtsg[1]/WR,Rtsg[2],Gtsg[2],
Btsg[2],Wtsg[2]/WR)
=max(96,96,96,119/1.25,
96,96,96,119/1.25)
=max(96,96,96,95,96,96,96,95)=96
従って、このときのバックライト値は96と算出される。しかしながら、彩度・輝度低減処理により、両画素共に画素値が(234,234,234)となり、白とびが発生している。つまり、階調補正処理を行わない場合のバックライト値では、白とびが発生し、その結果、表示画像の画質が大幅に劣化している可能性が考えられる。
次に、階調補正処理を行った場合のバックライト値は以下のように算出される。
1)バックライト上限値算出(MAXw)
MAXw=MAX×BlRatio=255×(1−0.625)=95.625
2)階調補正後信号上限値算出(MAXtc)
MAXtc={min(MAXw×(1+WR),MAX)/MAX}1/γ×MAX
={min(95.625×(1+1.25),255)/255}1/2×255
=234.23245665364141
3)階調再現上限値の最大値算出(MAXtrmax)
MAXtrmax=2×MAXtc−MAX
=2×234.23245665364141−255
=213.46491330728281
4)階調再現上限値算出(MAXtr)
MAXtr=MAXtrmax−dltMAXtr
=213.46491330728281−128
=85.464913307282814
5)階調補正関数の係数算出(a、b、c)
a=−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr)
=−(255−234.23245665364141)
/(255−85.464913307282814)
=−0.00072254673053965602
b=1+(2×MAXtr×(MAX−MAXtc))/(MAX−MAXtr)
=1−2×MAXtr×a
=1+2×85.464913307282814
×0.00072254673053965602
=1.1235047873720647
c=−(MAXtr×(MAX−MAXtc))/(MAX−MAXtr)
=MAXtr×a
=(85.464913307282814)
×(−0.00072254673053965602)
=−5.2776629728939524
6)階調補正LUTの作成
(1) 乃至 (3)式より作成された階調補正LUTを表3に示す。
Figure 2010049011
7)第1信号値変換 (Rc[i], Gc[i], Bc[i])
表1より以下の値が得られる。
a)画素1の場合
Rc[1]=fc(R[1])=fc(255)=234
Gc[1]=fc(G[1])=fc(240)=223
Bc[1]=fc(B[1])=fc(225)=211
b)画素2の場合
Rc[2]=fc(R[2])=fc(255)=234
Gc[2]=fc(G[2])=fc(225)=211
Bc[2]=fc(B[2])=fc(240)=223
8)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出(maxRGBcg[i],minRGBcg[i])
a)画素1の場合
maxRGBcg[1]=(maxRGBc[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
minRGBcg[1]=(minRGBc[1]/MAX)γ×MAX
=(211/255)×255=175
b)画素2の場合
maxRGBcg[2]=(maxRGBc[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
minRGBcg[2]=(minRGBc[2]/MAX)γ×MAX
=(211/255)×255=175
9)彩度低減後輝度低減率算出(α)
a)画素1の場合
max(maxRGBcg[1]/(1+WR),
maxRGBcg[1]−minRGBcg[1])
=max(215/(1+1.25),215−175)
=max(95.556,40)=95.556
これより、注目画素は(18)式を満たさないため、α=1とする。
b)画素2の場合
max(maxRGBcg[2]/(1+WR),
maxRGBcg[2]−minRGBcg[2])
=max(215/(1+1.25),215−175)
=max(95.556,40)=95.556
これより、注目画素は(18)式を満たさないため、α=1とする。
10)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出(Rcs[i],Gcs[i],Bcs[i])
a)画素1の場合
Rcs[1]=max(α,0)×Rc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Rc[1]+(1−1)×Yc[1]=Rc[1]=234
Gcs[1]=max(α,0)×Gc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Gc[1]+(1−1)×Yc[1]=Gc[1]=223
Bcs[1]=max(α,0)×Bc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Bc[1]+(1−1)×Yc[1]=Bc[1]=211
b)画素2の場合
Rcs[2]=max(α,0)×Rc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Rc[2]+(1−1)×Yc[2]=Rc[2]=234
Gcs[2]=max(α,0)×Gc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Gc[2]+(1−1)×Yc[2]=Gc[2]=211
Bcs[2]=max(α,0)×Bc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Bc[2]+(1−1)×Yc[2]=Bc[2]=223
11)γ補正(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
a)画素1の場合
Rcsg[1]=(Rcs[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Gcsg[1]=(Gcs[1]/MAX)γ×MAX
=(223/255)×255=195
Bcsg[1]=(Bcs[1]/MAX)γ×MAX
=(211/255)×255=175
b)画素2の場合
Rcsg[2]=(Rcs[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Gcsg[2]=(Gcs[2]/MAX)γ×MAX
=(211/255)×255=175
Bcsg[2]=(Bcs[2]/MAX)γ×MAX
=(223/255)×255=195
12)W透過量算出(Wtcsg[i])
a)画素1の場合
Wtcsg[1]=min(maxRGBcsg[i]/(1+1/WR),
minRGBcsg[i])
=min(215/(1+1/1.25),175)
=min(119,175)=119
b)画素2の場合
Wtcsg[2]=min(maxRGBcsg[i]/(1+1/WR),
minRGBcsg[i])
=min(215/(1+1/1.25),175)
=min(119,175)=119
13)RGB透過量算出(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])
a)画素1の場合
Rtcsg[1]=Rcsg[1]−Wtcsg[1]=215−119=96
Gtcsg[1]=Gcsg[1]−Wtcsg[1]=195−119=76
Btcsg[1]=Bcsg[1]−Wtcsg[1]=175−119=56
b)画素2の場合
Rtcsg[2]=Rcsg[2]−Wtcsg[2]=215−119=96
Gtcsg[2]=Gcsg[2]−Wtcsg[2]=175−119=56
Btcsg[2]=Bcsg[2]−Wtcsg[2]=195−119=76
14)バックライト値算出(Wbcsg)
Wbcsg=max(Rtcsg[1],Gtcsg[1],Btcsg[1],
Wtcsg[1]/WR,Rtcsg[2],Gtcsg[2],
Btcsg[2],Wtcsg[2]/WR)
=max(96,76,56,119/1.25,
96,56,76,119/1.25)
=max(96,76,56,95,96,56,76,95)=96
従って、このときのバックライト値も96になる。
しかしながら、階調補正処理によって両画素は同じ画素値になっておらず、階調が保持されているため、白とびは発生しない。すなわち、本実施の形態のように、事前に階調補正処理を行うことにより、白とびの発生を防止することができる。さらに、同時に、液晶パネルのみならずカラーフィルタによって吸収される光量をも減らし、消費電力のさらなる削減を達成することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、実施の形態1の変形例を示すものである。図17は、本実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。すなわち、本液晶表示装置は、実施の形態1にかかる液晶表示装置(図1参照)の階調補正部10内にある第1信号値変換部24を、第2信号値変換部74に置き換えたものである。また、図18は、本実施の形態に係る階調補正部10の動作を説明するフローチャートである。尚、実施の形態1と同一の処理部に対しては、実施例1と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
第1信号値変換部24では、全ての入力RGB信号に対して、階調補正LUT作成部23で作成された階調補正LUTを用いて、階調補正後RGB信号を算出(S24)している。これに対して、第2信号値変換部74では、入力RGB信号の3つのRGB信号値の最大値及び最小値に対しては、第1信号値変換部24と同様に、階調補正LUTを用いて、階調補正後RGB信号を算出するが、中間値に対しては、(11) 乃至 (12)式を用いて階調補正を行っている。このように、中間値に対して階調補正を行うことにより、階調補正の前後で、RGB信号の色相を保持することができる。
1)0<maxRGB[i]−minRGB[i]の場合
midRGBc[i]={(midRGB[i]−minRGB[i])
×(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])}+minRGBc[i] …(11)
2)1)以外(0=maxRGB[i]−minRGB[i])の場合
midRGBc[i]=minRGBc[i] …(12)
ただし、
maxRGB[i]:入力RGB信号の最大値(=max(R[i],G[i],B[i]))
midRGB[i]:入力RGB信号の中間値(=mid(R[i],G[i],B[i]))
minRGB[i]:入力RGB信号の最小値(=min(R[i],G[i],B[i]))
maxRGBc[i]
:maxRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の最大値)
midRGBc[i]
:midRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の中間値)
minRGBc[i]
:minRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の最小値)
mid(A,B,...):A,B,...の中間値
最初に、S23までの処理が終了すると、次に、ステップS74乃至75の処理が入力RGB信号の画素の数だけ繰り返される。
S74では、第2信号値変換部74において、入力RGB信号の3つのRGB信号値の最大値及び最小値に対し、階調補正LUT作成部23で作成された階調補正LUTを用いて、階調補正後RGB信号の最大値及び最小値を算出し、出力する。
次に、S75では、同じく第2信号値変換部74において、入力RGB信号の3つのRGB信号値の中間値に対し、(11) 乃至 (12)式を用いて、階調補正後RGB信号の中間値を算出する。
ここで、(11)式が、階調補正の前後で色相を変えないことの証明を行う。
まず、R値が最大で、B値が最小のときを考える。このとき、R値が最大のときの階調補正前の色相 H[i] は、(85)式のようになる。
H[i]=(Cb−Cg)×60 …(85)
ただし、
Cb=(maxRGB[i]−B[i])/(maxRGB[i]−minRGB[i])
Cg=(maxRGB[i]−G[i])/(maxRGB[i]−minRGB[i])
ここで、B値が最小値 (minRGB[i])であり、G値が中間値 (midRGB[i]) であるため、
Cb=(maxRGB[i]−minRGB[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])
Cg=(maxRGB[i]−midRGB[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])
となる。
次に、階調補正後の色相 Hc[i] は、(71)式のとおりである。
Hc[i]=(Cbc−Cgc)×60 …(71)
そして、B値が最小値 (minRGBc[i])、G値が中間値 (midRGBc[i]) であるため、
Cbc=(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
Cgc=(maxRGBc[i]−midRGBc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
となる。
そして、上記式を (71)式に代入し、更に、(11)式を代入する(尚、ここでは式変形過程における配列要素の添え字 [i] は省略する)。
Hc[i]={(maxRGBc−minRGBc)
−(maxRGBc−midRGBc)}
/(maxRGBc−minRGBc)×60
=(midRGBc−minRGBc)/(maxRGBc−minRGBc)×60
={(midRGB−minRGB)×(maxRGBc−minRGBc)
/(maxRGB−minRGB)+(minRGBc−minRGBc)}
/(maxRGBc−minRGBc)×60
=(midRGB−minRGB)/(maxRGB−minRGB)×60
={(maxRGB−minRGB)−(maxRGB−midRGB)}
/(maxRGB−minRGB)×60
=(Cb−Cg)×60=H[i]
となる。これより、階調補正前後で色相が変化しないことが分かる。
次に、同じくR値が最大で、G値が最小のときを考える。このとき、R値が最大のときの階調補正前の色相 H[i] は、次式のようになる。
H[i]=(Cb−Cg)×60 …(85)
ただし、
Cb=(maxRGB[i]−B[i])/(maxRGB[i]−minRGB[i])
Cg=(maxRGB[i]−G[i])/(maxRGB[i]−minRGB[i])
ここで、G値が最小値 (minRGB[i])であり、B値が中間値 (midRGB[i]) であるため、
Cb=(maxRGB[i]−midRGB[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])
Cg=(maxRGB[i]−minRGB[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])
となる。
次に、階調補正後の色相 Hc[i] は、(71)式のとおりである。
Hc[i]=(Cbc−Cgc)×60 …(71)
そして、G値が最小値 (minRGB[i])、B値が中間値 (midRGB[i]) であるため、
Cbc=(maxRGBc[i]−midRGBc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
Cgc=(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
そして、上記式を (71)式に代入し、更に、(11)式を代入する(尚、ここでは式変形過程における配列要素の添え字 [i] は省略する)。
Hc[i]={(maxRGBc−midRGBc)
−(maxRGBc−midRGBc)}
/(maxRGBc−minRGBc)×60
=(minRGBc−midRGBc)/(maxRGBc−minRGBc)×60
={minRGBc
−(midRGB−minRGB)×(maxRGBc−minRGBc)
/(maxRGB−minRGB)−minRGBc)}
/(maxRGBc−minRGBc)×60
=(minRGB−midRGB)/(maxRGB−minRGB)×60
={(maxRGB−midRGB)−(maxRGB−minRGB)}
/(maxRGB−minRGB)×60
=(Cb−Cg)×60=H[i]
となる。従って、この場合も階調補正前後で色相が変化しないことが分かる。そして、G値、あるいはB値が最大のときも同様である。
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態4における第2信号値変換部74を用いて、実際にバックライト値を算出する例を示す。ここでは、2画素で構成される画像が入力された場合のバックライト値の算出方法を具体的に説明する。尚、入力画像の画素値を、(R[1],G[1],B[1])=(255,240,225)(画素1)、(R[2],G[2],B[2])=(255,225,240)(画素2)として説明する。
また、彩度・輝度低減関数fs(x)として、彩度低減後輝度低減関数((32)乃至(34)式)を用い、MAX=255、γ=2、WR=1.25、BlLowRatio=0.625、dltMAXtr=128、judgeTol=1、alphaTol=10−7とする。
まず階調補正処理を行わない場合のバックライト値算出までの過程は、実施の形態3の算出例と同様であるため、ここでは省略する。
次に、階調補正処理を行った場合のバックライト値は以下のように算出される。尚、1)バックライト上限値算出から、6)階調補正LUTの作成までは、実施の形態3の算出例と同様であるため、ここでは省略する。
7)第2信号値変換 (Rc[i], Gc[i], Bc[i])
a)画素1の場合
R信号が最大でありB信号が最小であるため、R信号及びB信号に対しては、階調補正LUTで信号値変換を行う。
Rc[1]=maxRGBc[1]=fc(maxRGB[1])
=fc(R[1])=fc(255)=234
Bc[1]=minRGBc[1]=fc(minRGB[1])
=fc(B[1])=fc(225)=211
一方、G信号に対しては、(11)式で信号値変換を行う。
Gc[1]=midRGBc[1]
={(midRGB[1]−minRGB[1])
×(maxRGBc[1]−minRGBc[1])}
/(maxRGB[1]−minRGB[1])+minRGBc[1]
={(240−225)×(234−211)}/(255−225)+211
=15×23/30+211=222.5
b)画素2の場合
R信号が最大でありG信号が最小であるため、R信号及びG信号に対しては、階調補正LUTで信号値変換を行う。
Rc[2]=maxRGBc[2]=fc(maxRGB[2])
=fc(R[2])=fc(255)=234
Gc[2]=minRGBc[2]=fc(minRGB[2])
=fc(G[2])=fc(225)=211
一方、B信号に対しては、(11)式で信号値変換を行う。
Bc[2]=midRGBc[2]
={(midRGB[2]−minRGB[2])
×(maxRGBc[2]−minRGBc[2])}
/(maxRGB[2]−minRGB[2])+minRGBc[2]
={(240−225)×(234−211)}/(255−225)+211
=15×23/30+211=222.5
8)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出 (maxRGBcg[i],minRGBcg[i])
a)画素1の場合
maxRGBcg[1]=(maxRGBc[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
minRGBcg[1]=(minRGBc[1]/MAX)γ×MAX
=(211/255)×255=175
b)画素2の場合
maxRGBcg[2]=(maxRGBc[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
minRGBcg[2]=(minRGBc[2]/MAX)γ×MAX
=(211/255)×255=175
9)彩度低減後輝度低減率算出(α)
a)画素1の場合
max(maxRGBcg[1]/(1+WR),
maxRGBcg[1]−minRGBcg[1])
=max(215/(1+1.25),215−175)
=max(95.556,40)=95.556
これより、注目画素は(18)式を満たさないため、α=1とする。
b)画素2の場合
max(maxRGBcg[2]/(1+WR),
maxRGBcg[2]−minRGBcg[2])
=max(215/(1+1.25),215−175)
=max(95.556,40)=95.556
これより、注目画素は(18)式を満たさないため、α=1とする。
10)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出 (Rcs[i], Gcs[i], Bcs[i])
a)画素1の場合
Rcs[1]=max(α,0)×Rc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Rc[1]+(1−1)×Yc[1]=Rc[1]=234
Gcs[1]=max(α,0)×Gc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Gc[1]+(1−1)×Yc[1]=Gc[1]=222.5
Bcs[1]=max(α,0)×Bc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Bc[1]+(1−1)×Yc[1]=Bc[1]=211
b)画素2の場合
Rcs[2]=max(α,0)×Rc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Rc[2]+(1−1)×Yc[2]=Rc[2]=234
Gcs[2]=max(α,0)×Gc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Gc[2]+(1−1)×Yc[2]=Gc[2]=211
Bcs[2]=max(α,0)×Bc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Bc[2]+(1−1)×Yc[2]=Bc[2]=222.5
11)γ補正(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
a)画素1の場合
Rcsg[1]=(Rcs[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Gcsg[1]=(Gcs[1]/MAX)γ×MAX
=(222.5/255)×255=194
Bcsg[1]=(Bcs[1]/MAX)γ×MAX
=(211/255)×255=175
b)画素2の場合
Rcsg[2]=(Rcs[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Gcsg[2]=(Gcs[2]/MAX)γ×MAX
=(211/255)×255=175
Bcsg[2]=(Bcs[2]/MAX)γ×MAX
=(222.5/255)×255=194
12)W透過量算出 (Wtcsg[i])
a)画素1の場合
Wtcsg[1]=min(maxRGBcsg[1]/(1+1/WR),
minRGBcsg[1])
=min(215/(1+1/1.25),175)=min(119,175)=119
b)画素2の場合
Wtcsg[2]=min(maxRGBcsg[2]/(1+1/WR),
minRGBcsg[2])
=min(215/(1+1/1.25),175)=min(119,175)=119
13)RGB透過量算出(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])
a)画素1の場合
Rtcsg[1]=Rcsg[1]−Wtcsg[1]=215−119=96
Gtcsg[1]=Gcsg[1]−Wtcsg[1]=194−119=75
Btcsg[1]=Bcsg[1]−Wtcsg[1]=175−119=56
b)画素2の場合
Rtcsg[2]=Rcsg[2]−Wtcsg[2]=215−119=96
Gtcsg[2]=Gcsg[2]−Wtcsg[2]=175−119=56
Btcsg[2]=Bcsg[2]−Wtcsg[2]=194−119=75
14)バックライト値算出(Wbcsg)
Wbcsg=max(Rtcsg[1],Gtcsg[1],Btcsg[1],Wtcsg[1]/WR,Rtcsg[2],Gtcsg[2],Btcsg[2],Wtcsg[2]/WR)
=max(96,75,56,119/1.25,96,
56,75,119/1.25)
=max(96,75,56,95,96,56,75,95)=96
従って、このときのバックライト値も96になる。
しかしながら、階調補正処理により両画素は同じ画素値になっておらず、階調が保持されているため、白とびは発生しない。すなわち、本実施の形態のように、事前に階調補正処理を行うことにより、白とびの発生を防止することができる。さらに、同時に、液晶パネルのみならずカラーフィルタによって吸収される光量をも減らし、消費電力のさらなる削減を達成することができる。
更に、本実施の形態では、階調補正の前後で色相が保持されている。以下、そのことの証明を行う。
まず、入力RGB信号の色相H[1], H[2]は、どちらもR値が最大なので、以下のように算出される。
1)画素1の場合
Cb=(maxRGB[1]−B[1])/(maxRGB[1]−minRGB[1])
=(255−225)/(255−225)
=30/30=1
Cg=(maxRGB[1]−G[1])/(maxRGB[1]−minRGB[1])
=(255−240)/(255−225)
=15/30=0.5
従って、
H[1]=(Cb−Cg)×60=(1−0.5)×60=30
となる。
2)画素2の場合
Cb=(maxRGB[2]−B[2])/(maxRGB[2]−minRGB[2])
=(255−240)/(255−225)
=15/30=0.5
Cg=(maxRGB[2]−G[2])/(maxRGB[2]−minRGB[2])
=(255−225)/(255−225)
=30/30=1
従って、
H[2]=(Cb−Cg)×60=(0.5−1)×60=−30
となる。
ここで、上記の結果よりHc[2]<0であるため、正の値で表現すると、
Hc[2]=Hc[2]+360=−30+360=330
となる。
次に、実施の形態3の算出例における階調補正後RGB信号の色相Hc[1]、Hc[2] は、以下のように算出される。
1)画素1の場合
Cbc=(maxRGBc[1]−Bc[1])
/(maxRGBc[1]−minRGBc[1])
=(234−211)/(234−211)
=23/23=1
Cgc=(maxRGBc[1]−Gc[1])
/(maxRGBc[1]−minRGBc[1])
=(234−223)/(234−211)
=11/23=0.478260869
従って、
Hc[1]=(Cbc−Cgc)×60
=(1−0.478260869)×60=31.30434783
となる。
2)画素2の場合
Cbc=(maxRGBc[2]−Bc[2])
/(maxRGBc[2]−minRGBc[2])
=(234−223)/(234−211)
=11/23=0.478260869
Cgc=(maxRGBc[2]−Gc[2])
/(maxRGBc[2]−minRGBc[2])
=(234−211)/(234−211)
=23/23=1
従って、
Hc[2]=(Cb−Cg)×60
=(0.478260869−1)×60=−31.30434786
となる。
ここで、上記の結果よりHc[2]<0なので、正の値で表現すると、
Hc[2]=Hc[2]+360
=−31.30434786+360=328.69565214
となる。
一方、本実施の形態の算出例における階調補正後RGB信号の色相Hc[1],Hc[2] は、以下のように算出される。
1)画素1の場合
Cbc=(maxRGBc[1]−Bc[1])
/(maxRGBc[1]−minRGBc[1])
=(234−211)/(234−211)
=23/23=1
Cgc=(maxRGBc[1]−Gc[1])
/(maxRGBc[1]−minRGBc[1])
=(234−222.5)/(234−211)
=11.5/23=0.5
従って、
Hc[1]=(Cbc−Cgc)×60=(1−0.5)×60=30
となる。
2)画素2の場合
Cbc=(maxRGBc[2]−Bc[2])
/(maxRGBc[2]−minRGBc[2])
=(234−222.5)/(234−211)=11.5/23=0.5
Cgc=(maxRGBc[2]−Gc[2])
/(maxRGBc[2]−minRGBc[2])
=(234−211)/(234−211)=23/23=1
従って、
Hc[2]=(Cb−Cg)×60=(0.5−1)×60=−30
となる。
ここで、上記の結果よりHc[2]<0なので、正の値で表現すると、
Hc[2]=Hc[2]+360=−30+360=330
となる。
このように、実施の形態3では、階調補正後に色相が変化しているが、本実施の形態では、階調補正後に色相が変化していない。つまり、本実施の形態では、階調補正の前後で色相が保持されていることが分かる。
(実施の形態6)
本実施の形態は、実施の形態1の変形例を示すものである。図19は、本実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。すなわち、本液晶表示装置は、実施の形態1にかかる液晶表示装置(図1参照)の階調補正部10内にある第1信号値変換部24を、第3信号値変換部84に置き換えたものである。また、図20は、本実施の形態に係る階調補正部10の動作を説明するフローチャートである。尚、実施例1と同一の処理部に対しては、実施例1と同じ番号を付けると共に、詳細説明を省略する。
第1信号値変換部24では、全ての入力RGB信号に対して、階調補正LUT作成部23で作成された階調補正LUTを用いて、階調補正後RGB信号を算出している(S24)。これに対して、第3信号値変換部84では、入力RGB信号の3つのRGB信号値の最大値に対しては、第1信号値変換部24と同様に、階調補正LUTを用いて、階調補正後RGB信号を算出するが、中間値及び最小値に対しては、(13) 乃至 (15)式を用いて階調補正を行っている。このようにすることで、階調補正の前後で、RGB信号の色相だけでなく、彩度も保持することができる。
1)0<maxRGB[i]の場合
midRGBc[i]
=maxRGBc[i]/maxRGB[i]×midRGB[i] …(13)
minRGBc[i]
=maxRGBc[i]/maxRGB[i]×minRGB[i] …(14)
2)1)以外(0=maxRGB[i])の場合
midRGBc[i]=minRGBc[i]=0 …(15)
最初に、S23までの処理が終了すると、次に、ステップS84乃至85の処理が入力RGB信号の画素の数だけ繰り返される。
S84では、第3信号値変換部84において、入力RGB信号の3つのRGB信号値の最大値に対し、階調補正LUT作成部23で作成された階調補正LUTを用いて、階調補正後RGB信号の最大値を算出し、出力する。
次に、S85では、同じく第3信号値変換部84において、入力RGB信号の3つのRGB信号値の中間値及び最小値に対し、(13)乃至(15)式を用いて、階調補正後RGB信号の中間値及び最小値を算出する。
ここで、(13)乃至(14)式が、階調補正の前後で色相を変えないことの証明を行う。まず、R値が最大で、B値が最小のときを考える。このとき、R値が最大のときの階調補正前の色相H[i]は、(85)式のようになる。
H[i]=(Cb−Cg)×60 …(85)
ただし、
Cb=(maxRGB[i]−B[i])/(maxRGB[i]−minRGB[i])
Cg=(maxRGB[i]−G[i])/(maxRGB[i]−minRGB[i])
ここで、B値が最小値 (minRGB[i])であり、G値が中間値 (midRGB[i]) であるため、
Cb=(maxRGB[i]−minRGB[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])
Cg=(maxRGB[i]−midRGB[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])
となる。
次に、階調補正後の色相 Hc[i] は、(71)式のとおりである。
Hc[i]=(Cbc−Cgc)×60 …(71)
そして、B値が最小値 (minRGBc[i])、G値が中間値 (midRGBc[i]) であるため、
Cbc=(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
Cgc=(maxRGBc[i]−midRGBc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
となる。
そして、上記式を (71)式に代入し、更に、(13)乃至(14)式を代入する(尚、ここでは式変形過程における配列要素の添え字 [i] は省略する)。
Hc[i]={(maxRGBc−minRGBc)
−(maxRGBc−midRGBc)}
/(maxRGBc−minRGBc)×60
=(midRGBc−minRGBc)/(maxRGBc−minRGBc)×60
{maxRGBc/maxRGB×midRGB
−maxRGBc/maxRGB×minRGB}
/{maxRGBc−maxRGBc/maxRGB×minRGB}×60
=(maxRGBc×midRGB−maxRGBc×minRGB)
/(maxRGBc×maxRGB−maxRGBc×minRGB)×60
=(midRGB − minRGB)/(maxRGB − minRGB)×60
={(maxRGB−minRGB)−(maxRGB−midRGB)}
/(maxRGB−minRGB)×60
=(Cb−Cg) ×60=H[i]
となる。これより、階調補正前後で色相が変化しないことが分かる。
次に、同じくR値が最大で、G値が最小のときを考える。このとき、R値が最大のときの階調補正前の色相 H[i] は、次式のようになる。
H[i]=(Cb−Cg)×60 …(85)
ただし、
Cb=(maxRGB[i]−B[i])/(maxRGB[i]−minRGB[i])
Cg=(maxRGB[i]−G[i])/(maxRGB[i]−minRGB[i])
ここで、G値が最小値 (minRGB[i])であり、B値が中間値 (midRGB[i]) であるため、
Cb=(maxRGB[i]−midRGB[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])
Cg=(maxRGB[i]−minRGB[i])
/(maxRGB[i]−minRGB[i])
となる。
次に、階調補正後の色相 Hc[i] は、(71)式のとおりである。
Hc[i]=(Cbc−Cgc)×60 …(71)
そして、G値が最小値 (minRGB[i])、B値が中間値 (midRGB[i]) であるため、
Cbc=(maxRGBc[i]−midRGBc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
Cgc=(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
/(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
そして、上記式を (71)式に代入し、更に、(11)式を代入する(尚、ここでは式変形過程における配列要素の添え字 [i] は省略する)。
Hc[i]={(maxRGBc−midRGBc)
−(maxRGBc−midRGBc)}
/(maxRGBc−minRGBc)×60
=(minRGBc−midRGBc)/(maxRGBc−minRGBc)×60
=(maxRGBc/maxRGB×minRGB
−maxRGBc/maxRGB×midRGB)
/(maxRGBc−maxRGBc/maxRGB×minRGB)×60
=(maxRGBc×minRGB−maxRGBc×midRGB)
/(maxRGBc×maxRGB−maxRGBc×minRGB)×60
=(minRGB−midRGB)/(maxRGB−minRGB)×60
={(maxRGB−midRGB)−(maxRGB−minRGB)}
/(maxRGB−minRGB)×60
=(Cb−Cg)×60=H[i]
となる。従って、この場合も階調補正前後で色相が変化しないことが分かる。そして、G値、あるいはB値が最大のときも同様である。
更に、(13)乃至(14)式が、階調補正の前後で彩度を変えないことの証明を行う。
階調補正前の彩度S[i]は、次式のとおりである(ただし0<maxRGB[i]の場合)。
S[i]=1−minRGB[i]/maxRGB[i]
次に、階調補正後の彩度Sc[i]は、次式のとおりである。
Sc[i]=1−minRGBc[i]/maxRGBc[i]
そこで、上記式に(14)式を代入する。
Sc[i]=(1−maxRGBc[i]/maxRGB[i]×minRGB[i])
/maxRGBc[i]
=1−minRGB[i]/maxRGB[i]=S[i]
このように、本実施の形態において、階調補正前後で彩度が変化しないことが分かる。
(実施の形態7)
本実施の形態は、実施の形態6における第3信号値変換部84を用いて、実際にバックライト値を算出する例を示す。ここでは、2画素で構成される画像が入力された場合のバックライト値の算出方法を具体的に説明する。尚、入力画像の画素値を、(R[1],G[1],B[1])=(255,240,225)(画素1)、(R[2],G[2],B[2])=(255,225,240)(画素2)として説明する。
また、彩度・輝度低減関数fs(x)として、彩度低減後輝度低減関数((32)乃至(34)式)を用い、MAX=255、γ=2、WR=1.25、BlLowRatio=0.625、dltMAXtr=128、judgeTol=1、alphaTol=10−7とする。
まず階調補正処理を行わない場合のバックライト値算出までの過程は、実施の形態3の算出例と同様であるため、ここでは省略する。
次に、階調補正処理を行った場合のバックライト値は以下のように算出される。尚、1)バックライト上限値算出から、6)階調補正LUTの作成までは、実施の形態3の算出例と同様であるため、ここでは省略する。
7)第3信号値変換 (Rc[i], Gc[i], Bc[i])
a)画素1の場合
R信号が最大であため、R信号に対しては、階調補正LUTで信号値変換を行う。
Rc[1]=maxRGBc[1]=fc(maxRGB[1])
=fc(R[1])=fc(255)=234
一方、G信号に対しては、G信号が中間値であるため(13)式で信号値変換を行い、B信号に対しては、B信号が最小値であるため (14)式で信号値変換を行う。
Gc[1]=midRGBc[1]
=maxRGBc[1]/maxRGB[1]×midRGB[1]
=234/255×240=220.2352941
Bc[1]=minRGBc[1]
=maxRGBc[1]/maxRGB[1]×minRGB[1]
=234/255×225=206.4705882
b)画素2の場合
R信号が最大であるため、R信号に対しては、階調補正LUTで信号値変換を行う。
Rc[2]=maxRGBc[2]=fc(maxRGB[2])
=fc(R[2])=fc(255)=234
一方、G信号に対しては、G信号が最小値であるため(14)式で信号値変換を行い、B信号に対しては、B信号が中間値であるため (13)式で信号値変換を行う。
Gc[2]=minRGBc[2]
=maxRGBc[2]/maxRGB[2]×minRGB[2]
=234/255×225=206.4705882
Bc[2]=midRGBc[2]
=maxRGBc[2]/maxRGB[2]×midRGB[2]
=234/255×240=220.2352941
8)γ補正後のRGB信号の最大・最小値算出
(maxRGBcg[i],minRGBcg[i])
a)画素1の場合
maxRGBcg[1]=(maxRGBc[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
minRGBcg[1]=(minRGBc[1]/MAX)γ×MAX
=(206.4705882/255)×255=167
b)画素2の場合
maxRGBcg[2]=(maxRGBc[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
minRGBcg[2]=(minRGBc[2]/MAX)γ×MAX
=(206.4705882/255)×255=167
9)彩度低減後輝度低減率算出 (α)
a)画素1の場合
max(maxRGBcg[1]/(1+WR),
maxRGBcg[1]−minRGBcg[1])
=max(215/(1+1.25),215−167)
=max(95.556,48)=95.556
これより、注目画素は(18)式を満たさないため、α=1とする。
b)画素2の場合
max(maxRGBcg[2]/(1+WR),
maxRGBcg[2]−minRGBcg[2])
=max(215/(1+1.25),215−167)
=max(95.556,48)=95.556
これより、注目画素は(18)式を満たさないため、α=1とする。
10)彩度・輝度低減後入力RGB信号算出 (Rcs[i],Gcs[i],Bcs[i])
a)画素1の場合
Rcs[1]=max(α,0)×Rc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Rc[1]+(1−1)×Yc[1]=Rc[1]=234
Gcs[1]=max(α,0)×Gc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Gc[1]+(1−1)×Yc[1]=Gc[1]=220.2352941
Bcs[1]=max(α,0)×Bc[1]+(1−|α|)×Yc[1]
=α×Rc[1]+(1−α)×Yc[1]
=1×Bc[1]+(1−1)×Yc[1]=Bc[1]=206.4705882
b)画素2の場合
Rcs[2]=max(α,0)×Rc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Rc[2]+(1−1)×Yc[2]=Rc[2]=234
Gcs[2]=max(α,0)×Gc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Gc[2]+(1−1)×Yc[2]=Gc[2]=206.4705882
Bcs[2]=max(α,0)×Bc[2]+(1−|α|)×Yc[2]
=α×Rc[2]+(1−α)×Yc[2]
=1×Bc[2]+(1−1)×Yc[2]=Bc[2]=220.2352941
11)γ補正 (Rcsg[i], Gcsg[i], Bcsg[i])
a)画素1の場合
Rcsg[1]=(Rcs[1]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Gcsg[1]=(Gcs[1]/MAX)γ×MAX
=(220.2352941/255)×255=190
Bcsg[1]=(Bcs[1]/MAX)γ×MAX
=(206.4705882/255)×255=167
b)画素2の場合
Rcsg[2]=(Rcs[2]/MAX)γ×MAX
=(234/255)×255=215
Gcsg[2]=(Gcs[2]/MAX)γ×MAX
=(206.4705882/255)×255=167
Bcsg[2]=(Bcs[2]/MAX)γ×MAX
=(220.2352941/255)×255=190
12)W透過量算出 (Wtcsg[i])
a)画素1の場合
Wtcsg[1]
=min(maxRGBcsg[1]/(1+1/WR),minRGBcsg[1])
=min(215/(1+1/1.25),167)=min(119,167)=119
b)画素2の場合
Wtcsg[2]
=min(maxRGBcsg[2]/(1+1/WR),minRGBcsg[2])
=min(215/(1+1/1.25),167)=min(119,167)=119
13)RGB透過量算出 (Rtcsg[i], Gtcsg[i], Btcsg[i])
a)画素1の場合
Rtcsg[1]=Rcsg[1]−Wtcsg[1]=215−119=96
Gtcsg[1]=Gcsg[1]−Wtcsg[1]=190−119=71
Btcsg[1]=Bcsg[1]−Wtcsg[1]=167−119=48
b)画素2の場合
Rtcsg[2]=Rcsg[2]−Wtcsg[2]=215−119=96
Gtcsg[2]=Gcsg[2]−Wtcsg[2]=167−119=48
Btcsg[2]=Bcsg[2]−Wtcsg[2]=190−119=71
14)バックライト値算出 (Wbcsg)
Wbcsg=max(Rtcsg[1],Gtcsg[1],Btcsg[1],
Wtcsg[1]/WR,
Rtcsg[2],Gtcsg[2],Btcsg[2],Wtcsg[2]/WR)
=max(96,71,48,119/1.25,
96,48,71,119/1.25)
=max(96,71,48,95,96,48,71,95)=96
従って、このときのバックライト値も96になる。
しかしながら、階調補正処理により両画素は同じ画素値になっておらず、階調が保持されているため、白とびは発生しない。すなわち、本実施の形態のように、事前に階調補正処理を行うことにより、白とびの発生を防止することができる。さらに、同時に、液晶パネルのみならずカラーフィルタによって吸収される光量をも減らし、消費電力のさらなる削減を達成することができる。
更に、本実施の形態では、階調補正の前後で色相だけでなく、彩度も保持されている。以下、そのことの証明を行う。
まず、入力RGB信号の色相H[1],H[2]は、以下のとおりである。
1)画素1の場合
H[1]=30
2)画素2の場合
H[2]=330
一方、入力RGB信号の彩度S[1],S[2]は、以下のように算出される。
1)画素1の場合
S[1]=1−minRGB[1]/maxRGB[1]
=1−225/255=1−0.882352941=0.117647059
2)画素2の場合
S[2]=1−minRGB[2]/maxRGB[2]
=1−225/255=1−0.882352941=0.117647059
次に、実施の形態3の算出例における階調補正後RGB信号の色相Hc[1],Hc[2]は、以下のとおりである。
a)画素1の場合
Hc[1]=31.30434783
b)画素2の場合
Hc[2]=328.69565214
一方、実施の形態3の算出例における階調補正後RGB信号の彩度Sc[1],Sc[2]は、以下のように算出される。
a)画素1の場合
Sc[1]=1−minRGBc[1]/maxRGBc[1]
=1−211/234=1−0.901709401=0.098290599
b)画素2の場合
Sc[2]=1−minRGBc[2]/maxRGBc[2]
=1−211/234=1−0.901709401=0.098290599
次に、実施の形態6の算出例における階調補正後RGB信号の色相Hc[1],Hc[2]は、以下のように算出される。
a)画素1の場合
Cbc=(maxRGBc[1]−Bc[1])
/(maxRGBc[1]−minRGBc[1])
=(234−206.4705882)/(234−206.4705882)
=27.5294118/27.5294118=1
Cgc=(maxRGBc[1]−Gc[1])
/(maxRGBc[1]−minRGBc[1])
=(234−220.2352941)/(234−206.4705882)
=13.7647059/27.5294118=0.5
Hc[1]=(Cbc−Cgc)×60=(1−0.5)×60=30
b)画素2の場合
Cbc=(maxRGBc[2]−Bc[2])
/(maxRGBc[2]−minRGBc[2])
=(234−220.2352941)/(234−206.4705882)
=13.7647059/27.5294118=0.5
Cgc=(maxRGBc[2]−Gc[2])
/(maxRGBc[2]−minRGBc[2])
=(234−206.4705882)/(234−206.4705882)
=27.5294118/27.5294118=1
Hc[2]=(Cb−Cg)×60=(0.5−1)×60=−30
ここで、上記の結果よりHc[2]<0であるため、正の値で表現すると、
Hc[2]=Hc[2]+360=−30+360=330
一方、実施の形態6の算出例における階調補正後RGB信号の彩度Sc[1],Sc[2]は、以下のように算出される。
a)画素1の場合
Sc[1]=1−minRGBc[1]/maxRGBc[1]
=1−206.4705882/234
=1−0.882352941=0.117647059
b)画素2の場合
Sc[2]=1−minRGBc[2]/maxRGBc[2]
=1−206.4705882/234
=1−0.882352941=0.117647059
よって、実施の形態3では、階調補正後に色相、彩度共に変化するが、実施の形態6では、階調補正後に色相、彩度共に変化しない。
ここで、実施の形態3、5、7の各バックライト値算出例における階調補正前後のRGB値、色相、彩度、輝度を表4に記載する。
Figure 2010049011
実施の形態3では、階調補正の前後で、色相、彩度共に保持されていない。この点、実施の形態5では色相のみが保持されている。そして、実施の形態7では色相と彩度が共に保持されており、色相と彩度に限った画質を考えたときには、実施の形態7が最も画質的に良いと言える。
一方、輝度を見ると、階調補正後の輝度は、入力RGB信号に比べ、実施の形態3、5、7の順で低下しており、輝度に関しては、実施の形態3が、画質劣化が最も少ないといえる。
従って、階調補正の3つの手法の中で、どれが画質的に最も良いかというのは、一概には言えず、色相、彩度、輝度のどれを重視するかによって、使い分けるのが良い。
(実施の形態8)
本液晶表示装置において、白色バックライトは、基本的には複数の画素に対して1つ設けられる。このため、例えば図1に示す液晶表示装置は、RGBW液晶パネル15の表示画面全体に対して一つの白色バックライト17を対応させた構成を例示している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、RGBW液晶パネル15の表示画面を複数の領域に分割し、各領域毎にバックライト輝度調整が可能となるように、複数のバックライトを備えた構成としても良い。
図21は、1枚の表示領域に対し2つの白色バックライトを持つ例を示したものであるが、バックライトの数は限定されない。
図21に示す液晶表示装置は、階調補正部10、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、入力信号分割部91、出力信号生成部13aおよび13b、液晶パネル制御部14aおよび14b、RGBW液晶パネル15、バックライト制御部16aおよび16b、および白色バックライト17aおよび17bを備えて構成されている。
入力信号分割部91は、γ補正部12から入力される1画面分のγ補正後RGB信号を2つのエリア分の信号に振り分け、それぞれのエリアの入力RGB信号を出力信号生成部13aおよび13bに入力する。出力信号生成部13aおよび13bは、対応する各エリアに対して、図1における出力信号生成部13と同等の処理を行う。
液晶パネル制御部14aおよび14bは、対応する各エリアに対して、図1における液晶パネル制御部14と同等の処理を行うが、各制御部は、RGBW液晶パネル15の対応するエリアに相当する位置の画素透過率を制御する。
バックライト制御部16aおよび16bは、対応する各エリアに対して、図1におけるバックライト制御部16と同等の処理を行う。白色バックライト17aおよび17bは、それぞれ白色バックライトと同じ構造であるが、各バックライトは、それぞれ対応するエリアを照明する。
このように、1画面を複数のエリアに分割し、エリア単位で制御を行うことで、更にバックライト値を下げることができる。尚、本実施の形態では、1画面を2つのエリアに分割しているが、3つ以上のエリアに分割して制御することも可能である。
一般的な画像においては、近傍領域に似たような色が連続する性質がある。このため、図21に示す構成のように、バックライト領域を分割することにより、暗い画素が集まったバックライト領域のバックライトはより暗くできる。その結果、バックライトを分割しない時より、バックライトを分割した方が、全体のバックライト消費電力を下げることができる。
また、階調補正部10、彩度・輝度低減部11、γ補正部12、および出力信号生成部13の処理は、これをパソコン上で動作可能なソフトウェアで実現することが可能である。以下に、上記処理をソフトウェアで実現する場合の手順を説明する。
図22は、上記処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成を示す図である。上記システムは、パソコン本体101、入出力装置105で構成されている。また、パソコン本体101は、CPU102、メモリ103、入出力インタフェース104を備えている。入出力装置105は、記憶媒体106を備えている。
まずCPU102は、入出力インタフェース104を介して、入出力装置105を制御し、記憶媒体106から階調補正、彩度・輝度低減、γ補正、出力信号生成の各プログラム、パラメータファイル(入力RGB信号の上限値、バックライト値低減率、γ係数、及び白色輝度比や、1画面を複数エリアに分割する際に用いるエリア情報など)、及び入力画像データを読み込んで、メモリ103に格納する。
さらに、CPU102は、メモリ103からプログラム、パラメータファイル、及び入力画像データを読み取り、メモリ103からプログラムの各命令に従って、入力された入力画像データに対して、階調補正、彩度・輝度低減、γ補正、及び出力信号生成処理を行った後、入出力インタフェース104を介して、入出力装置105を制御し、出力信号生成後のバックライト値、及びRGBW透過率を記憶媒体106に出力する。
あるいは、図23のように、入出力インタフェース104を介して、出力信号生成後のバックライト値、及びRGBW透過率を、それぞれ、バックライト制御部16、液晶パネル制御部14に出力することで、白色バックライト17、及びRGBW液晶パネル15を制御して、実際に画像を表示させることもできる。
このように、上記システムでは、パソコン上で上述した彩度・輝度低減、γ補正、及び出力信号生成を行うことができる。これにより、実際に彩度・輝度低減部や出力信号生成部を試作する前に、階調補正方法、彩度・輝度低減方法、及び出力信号生成方法の妥当性や、出力画像の画質、及びバックライト値低減の効果を確認することが可能となる。
なお、上記実施形態の透過型液晶表示装置の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の透過型液晶表示装置の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は、バックライトと液晶パネルから構成される透過型液晶表示装置に適用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、実施の形態1に示す液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。 図2(a),(b)は、上記透過型液晶表示装置におけるサブピクセルの配置例を示す図である。 図3(a)は本液晶表示装置におけるバックライト輝度値の求め方を示す図であり、図3(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト輝度値の求め方を示した図である。 図4(a)は本液晶表示装置におけるバックライト輝度値の求め方を示す図であり、図4(b)は、比較のために特許文献1におけるバックライト輝度値の求め方を示した図である。 図5(a)〜(e)は、上記液晶表示装置におけるバックライト輝度値およびサブピクセル透過率の決定手順を示す図である。 上記液晶表示装置において、実施の形態1における階調補正部の構成例を示すブロック図である。 図6の階調補正部の動作手順を示すフローチャートである。 階調補正関数導出部の要部構成を説明する図である。 階調補正関数導出部の動作を説明するフローチャートである。 (a)〜(c)は、実施例1における階調補正関数の導出方法を説明するための図であり、(a)は、0≦MAXtr(階調再現上限値)<MAXtc(階調補正後信号上限値)の場合を表す図である。(b)は、MAXtrmax<dltMAXtrの場合を表す図である。(c)は、MAXtc<MAX/2の場合を表す図である。 彩度・輝度低減部の構成例を示すブロック図である。 彩度・輝度低減部の動作手順を示すフローチャートである。 彩度・輝度低減後RGB信号算出部の要部構成を説明する図である。 出力信号生成部の構成例を示すブロック図である。 出力信号生成部の動作手順を示すフローチャートである。 彩度低減後輝度低減率算出部の動作を説明するフローチャートである。 実施の形態4における階調補正部の構成例を示すブロック図である。 図17の階調補正部の動作手順を示すフローチャートである。 実施の形態6における階調補正部の構成例を示すブロック図である。 図19の階調補正部の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態を示すものであり、液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の表示制御処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成を示す図である。 本発明の表示制御処理をソフトウェアで実現する場合のシステム構成の変形例を示す図である。 透過型液晶表示装置の一般的な構成を示す断面図である。 透過型液晶表示装置におけるサブピクセルの一般的な配置例を示す図である。
符号の説明
10 階調補正部
11 彩度・輝度低減部
12 γ補正部
13、13a、13b 出力信号生成部
14、14a、14b 液晶パネル制御部
15 RGBW液晶パネル
16、16a、16b バックライト制御部
17、17a、17b 白色バックライト
21 バックライト上限値算出部
22 階調補正関数導出部
23 階調補正LUT作成部
24 第1信号値変換部
31 階調補正後信号上限値算出部
32 階調再現上限値算出部
33 階調補正関数係数算出部
42 γ補正後RGB信号最大・最小値算出部
43 彩度・輝度低減後RGB信号算出部
51 彩度低減後輝度低減率算出部
52 彩度低減後輝度低減信号値変換部
61 W透過量算出部
62 RGB透過量算出部
63 バックライト値算出部
64 透過率算出部
74 第2信号値変換部
84 第3信号値変換部
91 入力信号分割部
101 パソコン本体
102 CPU
103 メモリ
104 入出力インタフェース
105 入出力装置
106 記憶媒体

Claims (21)

  1. 1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルと、
    発光輝度を制御可能な白色アクティブバックライトと、
    入力画像である入力RGB信号に含まれる画素データに対して、入力RGB信号の信号値を低減させる階調補正処理を施すことで、入力RGB信号を階調補正後RGB信号に変換する階調補正部と、
    上記階調補正後RGB信号の彩度および輝度の両方、あるいは何れか一方を低減させる彩度・輝度低減処理を施すことで、階調補正後RGB信号を彩度・輝度低減後RGB信号に変換する彩度・輝度低減部と、
    上記彩度・輝度低減後RGB信号に対してγ補正を行い、γ補正後RGB信号に変換するγ補正部と、
    上記γ補正後RGB信号から、上記液晶パネルの各画素におけるR,G,B,Wの各サブピクセルの透過率信号を生成するとともに、上記白色アクティブバックライトにおけるバックライト値を算出する出力信号生成部とを備えていることを特徴とする透過型液晶表示装置。
  2. 上記階調補正部は、
    入力RGB信号を入力とし、階調補正後RGB信号を出力とする階調補正関数を利用することにより、上記入力RGB信号に階調補正処理を施し、
    上記階調補正関数は、単調増加あるいは単調非減少の関数であることを特徴とする請求項1に記載の透過型液晶表示装置。
  3. 上記階調補正部は、入力RGB信号の信号値に応じて、階調補正処理を施さない階調再現区間と、階調補正処理を施す階調補正区間とを指定することができ、
    上記階調補正区間における信号値は、上記階調再現区間における信号値よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の透過型液晶表示装置。
  4. 上記階調補正部は、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値の低減度合を示すバックライト値低減率を指定することにより、入力RGB信号の階調補正の度合いを決定することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  5. 上記階調補正部は、
    RGBWサブピクセルにおいて、各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値を白色輝度比WRとし、この白色輝度比WRを考慮した階調補正処理を行うことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  6. 上記階調補正部は、入力RGB信号の大小関係を保持したまま、階調補正後RGB信号を算出することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  7. 上記階調補正部は、
    上記階調補正関数を用いて作成された、入力が入力RGB信号であり、出力が階調補正後RGB信号である階調補正ルックアップテーブルを備え、
    上記階調補正ルックアップテーブルを参照して、入力RGB信号の信号値に対応する階調補正後RGB信号の信号値を出力することを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  8. 上記階調補正関数は、入力RGB信号に対して色相を保持したまま、階調補正後RGB信号を算出することを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  9. 上記階調補正関数は、入力RGB信号に対して色相および彩度を保持したまま、階調補正後RGB信号を算出することを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  10. 上記階調補正関数は、以下の(1)〜(3)式で示されることを特徴とする請求項2から7の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
    1)0≦MAXtrの場合
    a)0≦x≦MAXtrの場合
    fc(x)=x …(1)
    b)MAXtr<x≦MAXの場合
    fc(x)=a×x+b×x+c …(2)
    2)1)以外(MAXtr<0)の場合
    fc(x)=max(a×x+b×x+c,0) …(3)
    ただし、
    a=−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr) …(4)
    b=1+(2×MAXtr×(MAX−MAXtc))
    /(MAX−MAXtr) …(5)
    c=−(MAXtr×(MAX−MAXtc))
    /(MAX−MAXtr) …(6)
    MAXtr=MAXtrmax−dltMAXtr …(7)
    MAXtrmax=2×MAXtc−MAX …(8)
    MAXtc
    =fg(min(MAXw×(1+WR),MAX),1/γ) …(9)
    MAXw=MAX×BlRatio …(10)
    ただし、
    fc(x):階調補正関数(xは入力信号値、0≦x≦MAX)
    a、b、c:階調補正関数の係数
    MAX: 入力RGB信号の上限値 (0≦R[i],G[i],B[i]≦MAX)
    MAXtr:階調再現上限値(=階調再現区間の信号上限値)
    MAXtrmax:階調再現上限値の最大値
    dltMAXtr:階調再現上限値算出用差分(0≦dltMAXtr)
    MAXtc:階調補正後信号上限値
    MAXw:バックライト上限値 (0≦MAXw≦MAX)
    WR:白色輝度比(各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値、0<WR)
    γ:γ係数(0<γ)
    fg(x,g):γ補正関数
    BlRatio: バックライト値設定率 (=1−BlLowRatio)
    BlLowRatio: バックライト値低減率 (0≦BlLowRatio≦1)
    max(A,B,…):A,B,…の最大値
    min(A,B,…):A,B,…の最小値
  11. 上記階調補正関数は、
    入力RGB信号のうち、最大値及び最小値に対しては以下の(1)〜(3)式が使用され、
    入力RGB信号のうち、中間値に対しては以下の(11)、又は(12)式が使用されることを特徴とする請求項2から6、8の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
    (A)入力RGB信号のうち、最大値及び最小値に対して
    1)0≦MAXtrの場合
    a)0≦x≦MAXtrの場合
    fc(x)=x …(1)
    b)MAXtr<x≦MAXの場合
    fc(x)=a×x+b×x+c …(2)
    2)1)以外(MAXtr<0)の場合
    fc(x)=max(a×x+b×x+c,0) …(3)
    ただし、
    a=−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr) …(4)
    b=1+(2×MAXtr×(MAX−MAXtc))
    /(MAX−MAXtr) …(5)
    c=−(MAXtr×(MAX−MAXtc))
    /(MAX−MAXtr) …(6)
    MAXtr=MAXtrmax−dltMAXtr …(7)
    MAXtrmax=2×MAXtc−MAX …(8)
    MAXtc
    =fg(min(MAXw×(1+WR),MAX),1/γ) …(9)
    MAXw=MAX×BlRatio …(10)
    ただし、
    fc(x):階調補正関数(xは入力信号値、0≦x≦MAX)
    a、b、c:階調補正関数の係数
    MAX: 入力RGB信号の上限値 (0≦R[i],G[i],B[i]≦MAX)
    MAXtr:階調再現上限値(=階調再現区間の信号上限値)
    MAXtrmax:階調再現上限値の最大値
    dltMAXtr:階調再現上限値算出用差分(0≦dltMAXtr)
    MAXtc:階調補正後信号上限値
    MAXw:バックライト上限値 (0≦MAXw≦MAX)
    WR:白色輝度比(各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値、0<WR)
    γ:γ係数(0<γ)
    fg(x,g):γ補正関数
    BlRatio: バックライト値設定率 (=1−BlLowRatio)
    BlLowRatio: バックライト値低減率 (0≦BlLowRatio≦1)
    max(A,B,…):A,B,…の最大値
    min(A,B,…):A,B,…の最小値
    (B)入力RGB信号のうち中間値に対して
    1)0<maxRGB[i]−minRGB[i]の場合
    midRGBc[i]={(midRGB[i]−minRGB[i])
    ×(maxRGBc[i]−minRGBc[i])
    /(maxRGB[i]−minRGB[i])}+minRGBc[i] …(11)
    2)1)以外(0=maxRGB[i]−minRGB[i])の場合
    midRGBc[i]=minRGBc[i] …(12)
    ただし、
    maxRGB[i]:入力RGB信号の最大値(=max(R[i],G[i],B[i]))
    midRGB[i]:入力RGB信号の中間値(=mid(R[i],G[i],B[i]))
    minRGB[i]:入力RGB信号の最小値(=min(R[i],G[i],B[i]))
    maxRGBc[i]
    :maxRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の最大値)
    midRGBc[i]
    :midRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の中間値)
    minRGBc[i]
    :minRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の最小値)
    mid(A,B,...):A,B,...の中間値
  12. 上記階調補正部は、
    上記階調補正関数を用いて作成された、入力が入力RGB信号であり、出力が階調補正後RGB信号である階調補正ルックアップテーブルを備え、
    入力RGB信号のうち、最大値及び最小値となる入力RGB信号については、上記階調補正ルックアップテーブルを参照して、入力RGB信号の信号値に対応する階調補正後RGB信号の信号値を出力し、
    入力RGB信号のうち、中間値となる入力RGB信号については、上記(11)式,又は上記(12)式を用いて階調補正後RGB信号を出力することを特徴とする請求項11に記載の透過型液晶表示装置。
  13. 上記階調補正関数は、
    入力RGB信号のうち、最大値に対しては以下の(1)〜(3)式が使用され、
    入力RGB信号のうち、中間値及び最小値に対しては以下の(13)及び(14)式、又は(15)式が使用されることを特徴とする請求項2から6、9の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
    (A)入力RGB信号のうち、最大値に対して
    1)0≦MAXtrの場合
    a)0≦x≦MAXtrの場合
    fc(x)=x …(1)
    b)MAXtr<x≦MAXの場合
    fc(x)=a×x+b×x+c …(2)
    2)1)以外(MAXtr<0)の場合
    fc(x)=max(a×x+b×x+c,0) …(3)
    ただし、
    a=−(MAX−MAXtc)/(MAX−MAXtr) …(4)
    b=1+(2×MAXtr×(MAX−MAXtc))
    /(MAX−MAXtr) …(5)
    c=−(MAXtr×(MAX−MAXtc))
    /(MAX−MAXtr) …(6)
    MAXtr=MAXtrmax−dltMAXtr …(7)
    MAXtrmax=2×MAXtc−MAX …(8)
    MAXtc
    =fg(min(MAXw×(1+WR),MAX),1/γ) …(9)
    MAXw=MAX×BlRatio …(10)
    ただし、
    fc(x):階調補正関数(xは入力信号値、0≦x≦MAX)
    a、b、c:階調補正関数の係数
    MAX: 入力RGB信号の上限値 (0≦R[i],G[i],B[i]≦MAX)
    MAXtr:階調再現上限値(=階調再現区間の信号上限値)
    MAXtrmax:階調再現上限値の最大値
    dltMAXtr:階調再現上限値算出用差分(0≦dltMAXtr)
    MAXtc:階調補正後信号上限値
    MAXw:バックライト上限値 (0≦MAXw≦MAX)
    WR:白色輝度比(各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値、0<WR)
    γ:γ係数(0<γ)
    fg(x,g):γ補正関数
    BlRatio: バックライト値設定率 (=1−BlLowRatio)
    BlLowRatio: バックライト値低減率 (0≦BlLowRatio≦1)
    max(A,B,…):A,B,…の最大値
    min(A,B,…):A,B,…の最小値
    (B)入力RGB信号のうち、中間値及び最小値に対して
    1)0<maxRGB[i]の場合
    midRGBc[i]
    =maxRGBc[i]/maxRGB[i]×midRGB[i] …(13)
    minRGBc[i]
    =maxRGBc[i]/maxRGB[i]×minRGB[i] …(14)
    2)1)以外(0=maxRGB[i])の場合
    midRGBc[i]=minRGBc[i]=0 …(15)
    ただし、
    maxRGB[i]:入力RGB信号の最大値(=max(R[i],G[i],B[i]))
    midRGB[i]:入力RGB信号の中間値(=mid(R[i],G[i],B[i]))
    minRGB[i]:入力RGB信号の最小値(=min(R[i],G[i],B[i]))
    maxRGBc[i]
    :maxRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の最大値)
    midRGBc[i]
    :midRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の中間値)
    minRGBc[i]
    :minRGB[i]の階調補正後の値(=階調補正後RGB信号の最小値)
    mid(A,B,...):A,B,...の中間値
  14. 上記階調補正部は、
    上記階調補正関数を用いて作成された、入力が入力RGB信号であり、出力が階調補正後RGB信号である階調補正ルックアップテーブルを備え、
    入力RGB信号のうち、最大値となる入力RGB信号については、上記階調補正ルックアップテーブルを参照して、入力RGB信号の信号値に対応する階調補正後RGB信号の信号値を出力し、
    入力RGB信号のうち、中間値及び最小値となる入力RGB信号については、上記(13)及び(14)式、又は(15)式を用いて階調補正後RGB信号を出力することを特徴とする請求項13に記載の透過型液晶表示装置。
  15. 上記彩度・輝度低減部は、上記アクティブバックライトにおけるバックライト値の低減度合を示すバックライト値低減率を指定することで、上記出力信号生成部において上記バックライト値低減率に応じたバックライト値以下になることが保証されるように、上記彩度・輝度低減後RGB信号を生成することを特徴とする請求項1から14の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  16. 上記彩度・輝度低減部および上記出力信号生成部は、
    RGBWサブピクセルにおいて、各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値を白色輝度比WRとし、この白色輝度比WRを考慮した階調補正処理および出力信号生成処理を行うことを特徴とする請求項1から15の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  17. 上記彩度・輝度低減部は、
    上記彩度・輝度低減処理を以下の(A)〜(D)の手順によって行い、階調補正後RGB信号 (Rc[i],Gc[i],Bc[i])を彩度・輝度低減後RGB信号(Rcs[i],Gcs[i],Bcs[i])に変換することを特徴とする請求項1から16の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
    (A) バックライト上限値MAXwを、(10)式を用いて算出する。
    MAXw=MAX×BlRatio …(10)
    ただし、
    MAX:彩度・輝度低減処理を行わない場合のバックライト値の上限値
    (≧入力RGB信号の全てのRGB値の最大値)
    BlRatio: バックライト値設定率 (=1−BlLowRatio)
    BlLowRatio: バックライト値低減率 (0≦BlLowRatio≦1)
    以下の(B)、(C)の処理を、入力画像内の画素数だけ繰り返す。
    (B) 階調補正後RGB信号に対するγ補正後のRGB信号の最大・最小値(maxRGBcg[i], minRGBcg[i])を、以下の(16)、(17)式を用いて算出する。
    maxRGBcg[i]=max(Rcg[i],Gcg[i],Bcg[i])
    =fg(maxRGBc[i],γ) …(16)
    minRGBcg[i]=min(Rcg[i],Gcg[i],Bcg[i])
    =fg(minRGBc[i],γ) …(17)
    ただし、
    Rcg[i],Gcg[i],Bcg[i]
    :階調補正後RGB信号に対するγ補正後のRGB信号
    maxRGBc[i]:階調補正後RGB信号の最大値
    (=max(Rc[i],Gc[i],Bc[i]))
    minRGBc[i]:階調補正後RGB信号の最小値
    (=min(Rc[i],Gc[i],Bc[i]))
    max(A,B,…):A,B,…の最大値
    min(A,B,…):A,B,…の最小値
    γ:γ係数(>0)
    fg(x,g):γ補正関数
    (C) 彩度・輝度低減後RGB信号(Rcs[i], Gcs[i], Bcs[i])を算出する。
    (1) 以下の(18)式を満たす場合、以下の(19)式を満たす彩度・輝度低減後RGB信号(Rcs[i], Gcs[i], Bcs[i])を算出する。
    MAXw<max(maxRGBcg[i]/(1+WR),
    maxRGBcg[i]−minRGBcg[i]) …(18)
    max(maxRGBcsg[i]/(1+WR),
    maxRGBcsg[i]−minRGBcsg[i])−MAXw=0 …(19)
    ただし、
    maxRGBcsg[i]
    =max(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
    =fg(max(Rcs[i],Gcs[i],Bcs[i]),γ)
    =fg(fs(max(Rc[i],Gc[i],Bc[i]),γ)
    =fg(fs(maxRGBc[i],γ) …(20)
    minRGBcsg
    =min(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
    =fg(min(Rcs[i],Gcs[i],Bcs[i]),γ)
    =fg(fs(min(Rc[i],Gc[i],Bc[i]),γ)
    =fg(fs(minRGBc[i],γ) …(21)
    ただし、
    fs(x):彩度・輝度低減関数(xは入力信号値、0≦x≦MAX)
    (2) (1)以外の場合
    階調補正後RGB信号の値を、彩度・輝度低減後RGB信号の値として出力する。
  18. 上記出力信号生成部は、
    以下の(A)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すことにより、各Wサブピクセルの透過量(Wtcsg[i])を算出するW透過量算出部と、
    以下の(B)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すことにより、各RGBサブピクセルの透過量(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])を算出するRGB透過量算出部と、
    以下の(C)の手順により、バックライト値(Wbcsg)を算出するバックライト値算出部と、
    以下の(D)の手順を入力画像内の画素数だけ繰り返すにより、各RGBWサブピクセルの透過率(rcsg[i],gcsg[i],bcsg[i],wcsg[i])を算出する透過率算出部とを備えていることを特徴とする請求項1から17の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
    まず、下記(A)、(B)の処理を、入力画像内の画素数だけ繰り返す。
    (A) W透過量(Wtcsg[i])を、(22)式により算出する。
    Wtcsg[i]=min(maxRGBcsg[i]/(1+1/WR)
    ,minRGBcsg[i]) …(22)
    ただし、
    maxRGBcsg=max(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
    minRGBcsg=min(Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i])
    Rcsg[i],Gcsg[i],Bcsg[i]:γ補正後RGB信号
    WR:白色輝度比(各RGBWサブピクセルそれぞれの透過率を同じ値にした時のRGBサブピクセルから出力される輝度に対し、Wサブピクセルから出力される輝度が何倍明るいかを示す値)
    (B) RGB透過量(Rtcsg[i],Gtcsg[i],Btcsg[i])を、(23)〜(25)式により算出する。
    Rtcsg[i]=Rcsg[i]−Wtcsg[i] …(23)
    Gtcsg[i]=Gcsg[i]−Wtcsg[i] …(24)
    Btcsg[i]=Bcsg[i]−Wtcsg[i] …(25)
    (C) バックライト値Wbcsgを、(26)式により算出する。
    Wbcsg
    =max(Rtcsg[1],Gtcsg[1],Btcsg[1],
    Wtcsg[1]/WR,...
    Rtcsg[Np],Gtcsg[Np],Btcsg[Np],
    Wtcsg[Np]/WR) …(26)
    そして、下記(D)の処理を、入力画像内の画素数だけ繰り返す。
    (D) RGBW透過率(rcsg[i],gcsg[i],bcsg[i],wcsg[i])を、(27)〜(31)式により算出する。
    rcsg[i]=Rtcsg[i]/Wbcsg …(27)
    gcsg[i]=Gtcsg[i]/Wbcsg …(28)
    bcsg[i]=Btcsg[i]/Wbcsg …(29)
    wcsg[i]=(Wtcsg[i]/Wbcsg)/WR …(30)
    ただし、Wbcsg=0のとき、
    rcsg[i]=gcsg[i]=bcsg[i]=wcsg[i]=0 …(31)
    とする。
  19. 上記液晶パネルに対して複数のアクティブバックライトを備え、
    各アクティブバックライトに対応する領域毎に、液晶パネルの透過率制御およびバックライトのバックライト値制御を行うことを特徴とする請求項1から18の何れかに記載の透過型液晶表示装置。
  20. 入力画像である入力RGB信号に含まれる画素データに対して、入力RGB信号の信号値を低減させて、入力RGB信号を階調補正後RGB信号に変換させる階調補正処理と、
    上記階調補正後RGB信号の彩度および輝度の両方、あるいは何れか一方を低減させて、階調補正後RGB信号を彩度・輝度低減後RGB信号に変換させる彩度・輝度低減処理と、
    上記彩度・輝度低減後RGB信号に対してγ補正を行い、γ補正後RGB信号に変換するγ補正処理と、
    上記γ補正後RGB信号から、1画素が、赤(R)、緑(G)、青(B)、および白(W)の4サブピクセルに分割されている液晶パネルの各画素におけるR,G,B,Wの各サブピクセルの透過率信号を生成するとともに、発光輝度を制御可能な白色アクティブバックライトにおけるバックライト値を算出する出力信号生成処理と、をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
  21. 請求項20に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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