JP2010048651A - レーダ画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】観測対象に対して異なる複数の方向から送信され、観測対象で反射されたレーダビームを受信して得られた記録データに基づいて、レーダ画像を再生するレーダ画像処理装置であって、画像再生過程において、記録データに対して、レンジ方向のサンプリング間隔の伸縮変更を実行するとともに、観測時のスクイント角に対応するドップラー中心周波数のオフセット補正を実行する画像再生部2を備えたものである。
【選択図】図1
Description
従来のレーダ画像処理方法は、再生後のレーダ画像に対してリサンプリングを実行するのではなく、レーダ画像を再生する過程でリサンプリングを実行し、画像再生におけるパラメータを調整することにより、レーダビームの照射角度に伴うデータのサンプリング間隔の違いを補償し、レジストレーションを実行している(例えば、非特許文献1参照)。
従来のレーダ画像処理方法では、スクイント角が存在する場合に、リサンプリングを実行するためのレンジの伸縮変更機能を、スクイント角に対応したドップラー中心周波数のオフセット補償に転化している。ここで、ドップラー中心周波数のオフセット補償を実行した場合には、レンジの伸縮変更を実行することができず、画像再生過程においてリサンプリングを実行することができない。
そのため、例えば合成開口レーダの観測自由度を向上させるために、スクイント角を含む記録データを用いてレーダ画像を再生しようとした場合には、画像再生過程においてリサンプリングを実行することができず、レジストレーションを実行することができないという問題点があった。
そのため、スクイント角を含む記録データに対しても、画像再生過程においてレンジ方向のリサンプリングを実行し、高精度なレーダ画像のレジストレーションを実現することができる。
図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ画像処理装置を示すブロック構成図である。
図1において、このレーダ画像処理装置は、記録データ格納部1と、画像再生部2(画像再生手段)と、出力格納部3とを備えている。
画像再生部2は、記録データ格納部1と出力格納部3との間に設けられ、記録データ格納部1または出力格納部3とのデータのやりとり、または画像再生部2を構成する各部位(後述する)間のデータのやりとりを制御する。
出力格納部3は、画像再生部2からの出力を格納する。
1次動揺補償部21は、記録データの参照レンジに対する動揺補償を実行する。ここで、参照レンジとは、観測中心のレンジのことをいう。
アジマススペクトル拡張部22は、1次動揺補償部21からの出力に対して、全レンジにおけるドップラー周波数に折り返しが生じないように、アジマススペクトル帯域を拡張する。
バルクRCM(Range Cell Migration)補正・レンジ圧縮部24は、チャープスケーリング部23からの出力に対して、レンジマイグレーション補正およびレンジ圧縮を実行する。
アジマススペクトル収縮部26は、剰余位相補償部25からの出力に対して、複数のレーダ画像間でアジマス方向のサンプリング間隔が等しくなるように、アジマススペクトル帯域を収縮させる。
近似位相誤差補償部28は、2次動揺補償部27からの出力に対して、近似位相誤差補償を実行し、チャープスケーリング部23での処理おける近似によって発生した誤差を補償する。
参照レンジ調整部30は、アジマス圧縮部29からの出力に対して、スクイント角の違いに伴う参照レンジの結像位置の差異を調整する。
まず、画像再生部2は、記録データ格納部1に格納された記録データを読み込む(ステップS1)。ここで、この記録データには、レーダのアンテナで受信されたデータに加えて、観測時のレーダの姿勢や航跡情報が含まれている。
また、アジマススペクトル拡張部22は、全てのレンジにおいてアジマス方向スペクトルの折り返しが発生しないように、アジマス方向スペクトルの帯域を拡張する(ステップS4)。このレンジドップラー領域における信号は、非特許文献1にも示されているように、次式(1)で表される。
また、R(fa;r0)はレンジドップラー領域におけるドップラー周波数faでのレンジマイグレーション、k(fa;r0)はレンジ方向チャープの変更後のレート(modified modulation rate)を示している。
ここで、β(fa)はレンジマイグレーションを表す因数であり、次式(2)に表す関係式が成立する。
すなわち、スケーリング関数H1は、上述した非特許文献1で与えられたレンジスケーリング関数において、変数a(fa)を次式(4)のように置き換え、変数ascl(fa)を次式(5)のように置き換えることによって得られる。
図3は、レーダ観測の幾何と再生結果の歪みとの関係を示す説明図である。
図3において、レーダA51は、スクイント角θAで、レーダB52は、スクイント角θBで、それぞれ地表面を観測している。また、スクイント角は、レーダに設けられた角度センサによって得ることができる。なお、ここでは、説明を簡潔にするために、スクイント角θB=0°として説明する。
地表面上の散乱点53は、レーダB52の画像中で、アジマス位置xに間隔Δyで結像している。一方、散乱点53は、レーダA51の画像中で、アジマス位置xに間隔ΔycosθAで結像している。
このように、地表面上の同一の散乱点53であっても、スクイント角の違いに応じて、レンジ方向の間隔が互いに異なる。そこで、パラメータαを、各レーダ観測のスクイント角θを用いて、次式(6)に示されるように設定する。パラメータαを式(6)のように設定することにより、レンジ方向の間隔をスクイント角によらず統一することができる。
また、バルクRCM補正・レンジ圧縮部24は、次式(7)で表される参照関数H2を乗算し、レンジ方向のチャープとバルクRCMとの除去を実行する(ステップS7)。
このレンジ方向逆フーリエ変換により、バルクRCMの補正およびレンジ圧縮が完了する。
ここでは、元のアジマススペクトル帯域幅まで収縮させるのではなく、画像再生対象とする複数の記録データの再生結果におけるアジマスピクセル間隔が等価になるように、複数の記録データ間で統一したアジマススペクトル帯域幅まで収縮させる。
この統一したアジマススペクトル帯域幅は、対象とする記録データ間におけるアジマススペクトル帯域幅の最大値以上であれば、任意に設定してよい。
2次動揺補償処理では、まず、アジマススペクトル収縮部26の出力に対してアジマス方向逆フーリエ変換を実行する。続いて、上記ステップS2で補償できなかった参照レンジ以外の各レンジに対する動揺補償を実行する。次に、再度アジマス方向逆フーリエ変換を実行する。
このアジマス方向逆フーリエ変換により、アジマス圧縮が完了する。
なお、この実施の形態1では、レーダ観測時の軌道および姿勢情報に基づいて各パラメータを設定したが、これに限定されるものではない。例えば、ドップラー周波数推定や画像間の干渉性に基づいて推定した画像間のずれ量をもとにして、各パラメータを設定してもよい。
すなわち、画像再生手段は、レンジ方向のサンプリング間隔の伸縮変更を実行するレンジスケーリング関数に、観測時のスクイント角に対応するドップラー中心周波数のオフセットを補正するためのパラメータを組み込むことで、画像再生過程において、記録データに対して、サンプリング間隔の伸縮変更を実行するとともに、ドップラー中心周波数のオフセット補正を実行する。
そのため、スクイント角を含む記録データに対しても、画像再生過程においてレンジ方向のリサンプリングを実行し、レンジ方向のサンプリング間隔を揃えて、高精度なレーダ画像のレジストレーションを実現することができる。
また、画像再生手段は、画像再生処理に用いられるパラメータのみを変更することによって再生画像のリサンプリングを実行しているので、従来技術と比較して、追加的な処理を必要とせず、高速に処理を実行することができる。
また、バルクRCM補正・レンジ圧縮部が、レンジマイグレーション補正を実行することにより、誤差の大きな補間処理を実行する必要がなくなるので、画像再生処理を高精度に実行することができる。
また、近似位相誤差補償部が、チャープスケーリング部での処理おける近似によって発生した誤差を補償するので、画像再生処理を高精度に実行することができる。
Claims (2)
- 観測対象に対して異なる複数の方向から送信され、前記観測対象で反射されたレーダビームを受信して得られた記録データに基づいて、レーダ画像を再生するレーダ画像処理装置であって、
画像再生過程において、前記記録データに対して、レンジ方向のサンプリング間隔の伸縮変更を実行するとともに、観測時のスクイント角に対応するドップラー中心周波数のオフセット補正を実行する画像再生手段を備えたことを特徴とするレーダ画像処理装置。 - 前記画像再生手段は、前記サンプリング間隔の伸縮変更を実行するレンジスケーリング関数に、前記ドップラー中心周波数のオフセットを補正するためのパラメータを組み込むことで、画像再生過程において、前記記録データに対して、前記サンプリング間隔の伸縮変更を実行するとともに、前記ドップラー中心周波数のオフセット補正を実行することを特徴とする請求項1に記載のレーダ画像処理装置。
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