以下、図1から図28を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1から図25は、本発明に係る空気調和システムの一実施の形態を示している。先ず、図1を参照して本実施の形態に係る空気調和システムの概略構造を説明する。図1は、本実施の形態に係る空気調和システムの外観図である。
図1において、この発明に係る空気調和システムは、室内の壁面等に取り付けられ、室内の環境(空気調和)状態を調節する空気調和機本体(以下、室内ユニットという)100と、室外に配置される室外ユニット200とからなる空気調和機と、この空気調和機の運転制御を行う遠隔操作ユニット(以下、リモコンという)300とから構成される。
前記室内ユニット100は、前記筐体150に内蔵した室内ファン109(図2参照)を介して、横長の筐体150の前面に設けられた第1の吸込部(以下、前面吸込グリルという)131と、上部に設けられた第2の吸込部(以下、上部吸込グリルという)132とから室内空気を前記筐体150内に取り入れ、内蔵した熱交換器(図2参照)を介して熱交換あるいは除湿を行い、前記筐体150の正面下部に設けられた吹出口133から前記室内空気を吹き出す構造を備えている。
前記筐体150は、後部を構成するバックキャビネット210、側面を構成する化粧パネル220、前面を構成し前記前面吸込グリル131を備えたフロントパネル230とでその外周が覆われており、奥行き方向より高さ方向の長さが長い大きさを備えた形状となっている。
前記室内ファン109は、前記筐体150のほぼ中央で、かつその長手方向を前記筐体150の長手方向と一致するように設けられている。
この実施の形態では、前記前面吸込グリル131を、前記室内ファン109に近い位置である前記筐体150の正面中央部分に設け、前記上部吸込グリル132を前記室内ファン109の上方に位置する筐体150の上面に設けている。そして、前記前面吸込グリル131と前記上部吸込グリル132の間、即ち、前記筐体150の正面上部の位置に平面部を形成している。これにより、最も吸込効率が良好な位置に前記前面吸込グリル131を設けることで運転効率を向上させながら、その上部に位置し、かつ前記前面吸込グリル131と比較して運転効率に影響し難い位置である前記筐体150の前面上部に前記平面部を残すことにより、室内ユニット100を室内の壁面に馴染むようにしている。
ここで、この実施の形態では、前記前面吸込グリル131及び前記上部吸込グリル132に前記筐体150の長手方向に沿った横桟を基調としたグリル形状としている。そして、前記前面吸込グリル131は、ピッチが密な斜めグリルを採用することにより、設置状態において、使用者から前記筐体150の内部を見えにくくしている。また上部吸込グリル132は、見え難い位置であるためにその開口面積を大きくして運転効率を向上させている。
更に、この実施の形態では、前記平面部に、前記前面吸込グリル131から連続的に、あるいは段階的に開口面積が小さくなり、この平面部に馴染むグラデーショングリル140(図5参照)を形成している。グラデーショングリル140は、そのピッチP2を開口部595の大きさを変化させずにグラデーショングリル140の高さh2まで連続的あるいは段階的に大きくしていくこと、あるいは開口部595の高さh3をグラデーショングリル140の高さh2まで連続的あるいは段階的にに小さくしていくことにより形成されている。これにより、前記平面部に形成したグラデーショングリル140を前記前面吸込グリル131から連続して前記平面部に馴染むグリル形状とすることができるので、前記前面吸込グリル131と平面部の分離感を軽減して前記前面吸込グリル131を目立たなくするとともに、吸込面積を増し、効率を向上させることができる。なお、グラデーショングリル140の構成については後述する。
前記吹出口133には、図示しないモーターにより開閉角度を調整可能な一対の横ルーバー134を備え、前記室内ユニット100の運転停止時にこの吹出口133の開口部を隠蔽し、運転時には前記開口部を露出すると共に、この横ルーバー134の開閉角度を調整することにより前記吹出口133から吹き出す室内空気を運転モード(冷房や暖房、除湿)に合わせて吹き出し角度を調整することができる。
また、この室内ユニット100は、前記リモコン300との間でデータの送受信を行う送受信部110と、この室内ユニット100の運転状態を表示する運転状態表示部135を前記筐体150の前面に設けている。この実施の形態では、前記送受信部110をこの室内ユニット100の電装品が配置された側、即ち、前記吹出口133の片側に設けて配線を短縮することで、組み立て性を向上している。また前記運転状態表示部135は、前記筐体150のほぼ中央、即ち、前記前面吸込グリル131と前記吹出口133の間に設けることで、使用者からの視認性を向上している。更に、この運転状態表示部135は、連続した複数の光源を備え、これら光源を運転状態の出力、あるいは設定温度または湿度に対する現在温度または湿度との差に対応させて段階的に光源の数を点灯させることで、使用者に運転状況をイメージ的に認識させるようにしている。また、これら複数の光源の点灯の組み合わせにより、多様なエラー表示や各種の状態表示を可能にしている。
更にまた、この実施の形態では、前記運転状態表示部135を、表示される情報に対応してそれぞれの情報表示エリアを備えるようにすることで、視認性を向上させている。この実施の形態では、例えば、温度に対応した第1情報表示エリアと湿度に対応した第2情報表示エリア(図18参照)に分割し、第1情報表示エリアおよび第2情報表示エリアを複数の光源が一列に並んで連続した棒状に形成し、前記筐体150の左右の中心位置近傍を中心として左右に振り分けて配置し、1本の棒状に形成している。このように形成することで、シンプルな形態を取って意匠効果を向上させつつ、温度と湿度の分割表示を可能とするとともに、運転出力あるいは前記温度差や湿度差を視覚的に分かりやすく表示することができる。しかも、運転状態表示部135を左右に長く、細い棒状とすることで、前記吹出部133と前面吸込グリル131との間の空間に効率よく配置することができる。
前記室外ユニット200は、内部に図示しない圧縮機と熱交換器および室外ファンが設けられている。この室外ユニット200は、冷媒配管ならびに電気配線を介して前記室内ユニット100と接続されており、両ユニットの間で冷媒を循環させることで、室内の冷暖房や除湿運転を行うことができる。
前記リモコン300は、送受信装置310を備えて前記室内ユニット100に対して、各種の操作指示信号を送信するとともに、前記室内ユニット100から各種の情報を入手することができる。この実施の形態では、前記室内ユニット100および室外ユニット200に備えた各種のセンサからの情報、例えば、室温や湿度、外気温等の情報を入手し、前記リモコン300に備えた表示部320に入手した情報を表示させることができる。
この実施の形態のリモコン300は、前記室内ユニット100や室外ユニット200から入手した前記情報を、例えば数値情報として明確なデータとして前記表示部320に表示させると共に、この情報と対比させる形式で室内ユニット100を自動運転するために予め設定された情報、あるいは、使用者により入力(設定)された情報を表示することにより、設定情報の入力の操作性の向上と、設定情報と前記入手情報の対比による視認性を向上することができる。
また、この実施の形態では、前記入力性と視認性の向上を図るために、表示部320を、前記入手情報を表示する入手情報表示エリア320aと、設定情報を表示する設定情報表示エリア320bとに分け、これらを隣接させて設けることで、設定情報と入手情報との対比をしやすくしている。更に、本実施の形態では、入手情報表示エリア320aと設定情報表示エリア320bとを、表示される設定情報と入手情報との種類に対応してそれぞれ第3情報表示エリアと第4情報表示エリアとして左右に振り分けられており、第3情報表示エリアと第4情報表示エリアに表示される情報を対比させることで前記入力性と視認性を向上している。更に、本実施の形態においては、第3情報表示エリアおよび第4情報表示エリアに表示される情報と関連する使用頻度の高い操作ボタンをそれぞれの情報表示エリアに対応して左右に振り分けることにより、操作性を向上させている。
特に、この実施の形態では、前記第3情報表示エリアには温度に関する情報が表示され、前記第4情報表示エリアには湿度に関する情報が表示されるように構成し、前記第3情報表示エリアおよび前記第4情報表示エリアに対応して温度に関する操作ボタン、湿度に関する操作ボタンをそれぞれ左右に振り分けることで、操作性を向上させている。更に、この実施の形態では、使用者がこのリモコンを室内ユニット100に向けた際に、左右に振り分けられた運転状態表示部135が、このリモコンの左右に振り分けられた情報表示エリアと操作ボタンとが一致するようにしている。
本実施の形態における空気調和システムは、前記リモコン300を操作して前記室内ユニット100を動作させることにより、前面吸込グリル131および上部吸込グリル132から室内空気を取り込み、この室内空気を室外ユニット200と後述する冷凍サイクルを利用して熱交換を行い、熱交換された室内空気を前記吹出口133から吹き出すことにより、室内における冷房運転、暖房運転および除湿運転等を行うことができる。
そして、この実施の形態の大きな特徴の一つは、室内ユニット100の筐体150の前面に配置される吸込グリルを、前記前面吸込グリル131と、この前面吸込グリル131と連続して、その開口面積が段階的に、あるいは連続的に変化するグラデーショングリル140(図5参照)とで構成したことにある。もちろん、前面吸込グリル自身を段階的に、あるいは連続的に変化するグラデーショングリルとして、前記グラデーショングリル140と一体的に処理してもよい。これにより、運転効率を向上させながら意匠性及び設置性を向上させることができる。
更に、この実施の形態の大きな特徴の他の一つは、運転状態を、室内ユニット100ではイメージ的に認識でき、リモコン300では明確な数値情報として認識できる操作表示機構を採用したことにある。そして、この操作表示機構を双方向で情報交換可能としたことにより、的確な運転情報をリモコン300側で入手して、入手した運転情報をリモコン300の表示部320に表示するようにしている。これにより、運転操作を行う場合は、情報を数値データとして使用者の身近にあるリモコン300側で的確に認識して各種の操作を行うことができ、また室内ユニット100や室外ユニット200で入手した各種の情報を認識することができる。
一方、リモコン300で操作を行わない場合、あるいは詳細な情報を入手する必要がない場合は、室内ユニット100の運転状態表示部135にてイメージ情報として運転状況を把握することができる。
更に、この実施の形態では、リモコン300の表示部320と使用頻度の高い操作ボタンの配置を情報の種類により振り分け、更にその配置を室内ユニット100の運転状態表示部135の配置と一致させたことにより、室内ユニット100に向かって操作する人の操作性や視認性を向上することができる。
以下、図2から図25を参照して、本実施の形態に係る空気調和システムを詳細に説明する。
先ず、図2から図5を参照して室内ユニット100を詳細に説明する。図2は室内ユニット100の縦断面図、図3は冷凍サイクルの装置図、図4は室内ユニット100の外観図、図5は室内ユニット100の前面グリルの部分拡大図とその要部断面図である。
図2において、室内ユニット100の前記筐体150は、樹脂成型のバックキャビネット210と、該バックキャビネット210の前面に設けられる樹脂成型の化粧カバー220と、該化粧カバー220の前面に設けられた樹脂成型のフロントパネル230とから構成されている。
室内ユニット100は、前記バックキャビネット210の内側に貫流型の室内ファン109と熱交換器とドレン皿等の基本的な内部構造体が取付けられている。室内ファン109は、一端の回転軸がファンモータ、他端の回転軸がベアリングで支持され、前記バックキャビネット210の下方に横姿勢で取付けられる。
熱交換器は、3個の熱交換部102,103、104とから構成され、第1熱交換部102は前記室内ファン109の前部に縦姿勢で配置され、第2熱交換部103、第3熱交換部104は前記熱交換部102の上端の後方に山型に配置されることで、前記室内ファン109の前部と上方を包むように配置される。ドレン皿170は、前記熱交換器の下方に配置され、該熱交換器の露を受けて図示しないドレンノズルを介して室外に排出する。また、ドレン皿180は第3熱交換部104の露を受けるものであり、前記バックキャビネット210とともに吹出通風路250を形成する。該ドレン皿170の下面には、複数の左右方向の風向と上下方向の前記風向板が取付けられている。
ここで、前記風向板は一端にステッピングモータ取付けられており、自動で風向角度を変更することができる。
さて、前記バックキャビネット210の内側に取付けられた室内ファン109等の基本的な内部構造体は、前記化粧カバー220を取付けることにより室内ユニット100内に包含される。前記化粧カバー220には、その前面(図面上左側)に空気清浄フイルタ260と前記フイルタ130が着脱可能に取付けられる。また、更に図示しない前記表示部及び前記受光部が前記化粧カバー220に取付けられる。そして、前記化粧カバー220の前面に前記フロントパネル230がその上端の両側に設けた開閉ヒンジを介して前記化粧カバーに回転可能に軸支され、その下端を開放可能に取付けられる。
また、前記バックキャビネット210の上部内壁は、第3熱交換部104の露を受けるドレン皿180が形成される。該ドレン皿180で収集した水滴は図示しない通路を介して前記吹出部133の上方の前記ドレン皿170に集められる。また、このドレン皿180は、前記バックキャビネット210の下部内壁と吹出部133を形成する前記化粧カバー220とともに断面形状を円弧状に形成され、前記室内ユニット100のほぼ中央やや後方に配置される室内ファン109を包むような後部通風面250を形成する。前記熱交換器の露を受けるドレン皿170の下面部は、前記吹出部133の前部通風面を構成し、該前部通風面と後部通風面とで吹出通風路250を構成する。
また、水平方向の前記風向板は前記ドレン皿170の下面部後方と、前記バックキャビネット210の下部内壁の下端部に回転自在に軸支される。
山型に組み合わされた前記第2熱交換部103、第3熱交換部104は、その頂点を前記室内ファン109のほぼ上方の連結点Qで屈曲して設けられている。前記連結点Qは、バックキャビネット210と前記化粧カバー220との結合部に位置している。この実施の形態では、前記上面吸込グリル132を前記化粧カバー220に形成した上面前部吸込グリル132aと、バックキャビネット200に設けた上面後部吸込グリル132bとで構成している。したがって、熱交換効率が悪い前記連結点Qを山型の頂点に位置させて、熱交換効率が高い山型に組み合わされた熱交換器の前側を構成する前記第2熱交換部103は前記上面前部吸込グリル132aから、山型の後方の前記第3熱交換部104は前記上面後部吸込グリル132bから、それぞれ室内空気を効率よく吸い込むことができる。
前記第1熱交換部102、第2熱交換部103および第3熱交換器104は、熱的な切断線124により熱的に分離されて構成されている。図3で詳細に説明するように、この実施の形態では、除湿運転時に絞り作用を行う除湿用絞り装置105を備え、この一方の接続口に山型に配置された第2熱交換部103と第3熱交換部104の配管を接続し、前記除湿用絞り装置105の他方の接続口には前記第1熱交換部102の配管を接続するようにしている。
なお、図2に示した前記熱交換器(第1熱交換部102、第2熱交換部103、第3熱交換部104)において、○印で示した120は複数枚の放熱フィンを貫通するように設けられた伝熱管であり、図示しない接続管で接続されている。
この実施の形態の構造によれば、室内空気を、室内ファン109により、矢印91、92、93のように、それぞれ前面吸込グリル131、上面前部吸込グリル132a、上面後部吸込グリル132bからフィルタ130を通って室内ユニット100に吸い込み、冷暖房運転時には、これら吸い込んだ室内空気を冷風又は温風に熱交換し、除湿運転時には、前記第1熱交換部102で冷風に熱交換し、山型に配置された前記第2熱交換部103、第3熱交換部104を前記第1熱交換部102と分離して温風に熱交換して、室内ファン109を通り、吹出口133から室内に吹き出される。この構造を、図3を参照して更に説明する。
図3において、500は回転数制御等により能力可変の冷媒を圧縮する圧縮機、510は運転状態を切り換える四方弁、520は室外熱交換器、530は絞り作用の無い全開状態が可能な電動膨張弁で、前記熱交換器および除湿用絞り装置105を加えて、これらが接続配管により環状に接続されて冷凍サイクルを構成している。また図3においては、前記熱交換器の伝熱管の流路状態の一実施の形態を模式的に示してある。
熱交換器は、第2熱交換部103と第3熱交換部104とが一体に接続されることで、伝熱管が二系統の冷媒流路540、550となるように構成され、さらに切断線124により熱的に分離された第1熱交換部102が二冷媒流路560、570で構成されている。冷媒流路540、550と二冷媒流路560、570は除湿用絞り装置105を介して接続管106および107により接続されている。580は室外ファンである。
以上の室内機構造および冷凍サイクルにおいて、除湿運転時には四方弁510を冷房運転時と同様に切り換え、除湿用絞り装置105を適当に絞り電動膨張弁530を全開にすることにより、冷媒を一点鎖線で示すように圧縮機500、四方弁510、室外熱交換器520、電動膨張弁530、熱交換器の第2熱交換部103と第3熱交換部104、除湿用絞り装置105、熱交換器101の第1熱交換部102、四方弁510、圧縮機500の順に循環させ、室外熱交換器520が上流側の凝縮器、熱交換器の第2熱交換部103と第3熱交換部104が下流側の凝縮器、熱交換器の第1熱交換部102が蒸発器となるように運転する。
そして、図2において、室内空気を室内ファン109により矢印91、92、93で示すように流すと、室内空気は蒸発器として作用する第1熱交換部102で冷却・除湿されると同時に、下流側の凝縮器すなわち加熱器となる第2熱交換部103と第3熱交換部104で加熱され、さらにこれらの空気が混合されて室内に吹き出される。
この場合、回転数を制御して圧縮機500の能力や室内ファン109および室外ファン580の送風能力を制御することにより、冷却器および加熱器の能力を調節することができ、除湿量や吹出空気温度を広い範囲で変えることができる。このように、この実施の形態によれば、特に、冷凍サイクルを利用してきめ細かな除湿運転を効率よく行うことができる
次に、図4を参照して、室内ユニット100の外観構造を詳組に説明する。図4は室内ユニット100の外観図であり、(a)図が正面図、(b)図が右側面図、(c)図が平面図、(d)図が底面図を示している。
図4において、室内ユニット100は横幅W1を798mm、高さH1を285mm、奥行D1を203mmに設定されており、奥行D1が高さH1より小さい横長の外形寸法を備えている。
(c)図で示す右側面図において、室内ユニット100は、バックキャビネット210を箱型に形成するとともに、化粧カバー220とフロントパネル230の上下面を、側面から見て、ほぼ上下対称で前方に向けて絞り込まれる大きな曲面33、34で形成し、更に、該曲面33、34の間に形成されるフロントパネル230の前面を後方にやや傾いた大きな曲面35で形成することにより、壁面に設置した状態において、室内ユニット100を壁面に馴染んだコンパクトな形態に見せることができる。
更に、上面を曲面33で形成したことにより、上面吸込グリル132を設置状態で目立ち難くするとともに前方上方から室内空気を効率良く吸い込ませることができる。一方、下面を曲面34で形成したことにより、設置環境に馴染みやすい「面」を生かして吹出部133に傾斜を与えることができる。
また、室内ユニット100は、前記フロントパネル230を側面からみて一様な厚みとするとともに、その上下を前記曲面33、34に回り込む形状としている。そして、前記フロントパネル230の厚みが前記化粧パネル220に連続するように前記フロントパネル230の部品の割線と連続する凹溝を形成している。これにより、フロントパネル230と化粧カバー220との嵌合を良好にするとともに、連続した丸みのある大きな曲面にアクセントラインを形成し、奥行感を軽減して、コンパクト感を一層向上させている。
(a)図で示す正面図において、室内ユニット100は、両側面の中央をふっくらした丸み形状とすることにより、内蔵される室内ファン109のスペースを確保して、内部実装効率を向上したコンパクトで全体に丸みのある外観形状を形成している。また、フロントパネル230の前面に形成される大きな曲面35の中央には前記前面吸込グリル131を設け、その下方には運転状態表示部135を備えた下部平面部を形成し、その上部には前記グラデーショングリル140を備えた上部平面部を形成している。
これを図2、図5を参照して、更に説明する。先ず、図2において、この実施の形態に採用されている貫流型の室内ファン109は、バックキャビネット210および化粧パネル220のケーシングにより斜め上方から吸い込んで下方に吹き出すことができる。この際、貫流型のファンの特性上、室内ファン109に近い位置ほど効率的に室内空気を吸い込むことができる。ここで、この実施の形態では、縦長の筐体150の中央に室内ファン109を配置し、その前面側に第1熱交換部102を配置し、その上部に第2熱交換部103および第3熱交換部104を山型に配置している。このことから、前記第1熱交換部102から吸い込む室内空気が最も吸い込み効率が良好である。しかし、この第1熱交換部102の上方の位置は室内ファン109からの距離が離れるので吸い込み効率が低下する。また、第1熱交換部102の上部には、前部上段に山型に配置された第2熱交換器103、第3熱交換部104との連結部があり、更に、その上部には化粧パネル220とフロントパネル230の接合部があるので、前面上方位置での吸い込み効率は前面下部より吸い込み効率が低下する。
一方、筐体150の上部に設けられた上面吸込グリル132から吸い込まれる室内空気は、室内ファン109から離れた位置より吸い込まれるために吸い込み効率は低い。しかし、上面吸込グリル132は、設置状態において、使用者から見え難い位置に設けられているために、上面吸込グリル132の開口面積を大きくすることで吸い込み効率を向上させることができる。
このように、この実施の形態に係る室内ユニット100は、最も吸い込み効率が大きい筐体150の前部中央に、開口面積が大きく内部が見え難い前面吸込グリル131を設け、この前面吸込グリル131の上方の吸い込み効率が低い位置には、低くなるにしたがって開口面積が小さくなるグラデーショングリル140を設け、筐体150の比較的吸い込み効率が低い上面には大きな開口面積を備えた上面吸込グリル132を設けている。
この構造を図5を参照して更に説明する。この実施の形態では、前記前面吸込グリル131とグラデーショングリル140とを、横桟を基調とした断面が斜め形状の複数のリブ590a、590bとから構成している。前記各リブ590a、590bは、その断面形状が板状に形成され、その長手方向を設置状態において水平方向に向けるように形成するとともに、各リブ590a、590bの室内空気が吸い込まれる上流側Z1となる端部591が、下流側Z2となる端部592aより、設置状態において上部位置となるように形成している。これにより、室内ユニット100が壁面に設置された状態では、使用者から前記前面吸込グリル131とグラデーショングリル140の内部を見え難くすることができる。
また、この実施の形態では、前記各リブ590a、590bの下流側Z2となる端部592bの高さが上流側Z1となる端部591の高さとほぼ同じ位置、または上方の位置となるように形成している。これにより、樹脂成形時の型抜きを容易にすることができるとともに、使用者から前記前面吸込グリル131とグラデーショングリル140の内部を見え難くする効果を得ることができる。
また、この実施の形態では、前記前面吸込グリル131とグラデーショングリル140の各リブ間590a、590bに形成される横長の開口部595の大きさ(横幅及び高さ)をほぼ同じ大きさにしている。そして、開口面積が必要な前記前面吸込グリル131は、そのピッチP1を小さく密に配列して開口面積を大きくし、前記グラデーショングリル140のピッチP2は、各開口部の間のリブ590bの前面の高さが前記前面吸込グリル131のリブ590の高さより徐々に大きく、または段階的に大きくなるように形成することで、グラデーション効果を出している。
なお、図5で示すように、本実施の形態における前記リブ590a、590bは、その断面形状が略「L型」に形成され、前記前面グリル131および前記グラデーショングリル140を形成するためのグリル形成部597a、597bとを備えている。特に、本実施の形態においては、前記リブ590bに設けられた前記グリル形成部597bを上部吸込グリル132へ向かうにつれて、連続的あるいは段階的に変化させていくことにより、前記グラデーショングリル140を形成していることを特徴としている。これにより、上述したような効果を得ることができる。
本実施の形態においては、前記グラデーショングリル140を形成しているグリル形成部597bを中心に説明したがこれに限定されるものでない。例えば、前記リブ590aに設けられた前記グリル形成部597aを前記グラデーショングリル140に向けて連続的あるいは段階的に変化させていくことにより、前記前面グリル131と前記グラデーショングリル140とを連続させた1つのグラデーショングリルとして形成してもよい。
図4に戻り、本実施の形態では、前記前面吸込グリル131の大きさを、横幅W2が761mm、高さH2が90mmに設定している。また、前記グラデーショングリル140の大きさを、横幅W2が761mm、高さH3を52.4mmに設定している。そして、図5で示すように、前記開口部595の高さh1を2.5mmとして、前記前面吸込グリル131のピッチP1を5mm、グラデーショングリル140のピッチP2を、前記P1から最上部の52.4mmの大きさまで連続して、また段階的に大きくしている。
ここで、連続的または段階的とは、全体的に疎の配列から密の配列に移行することを意味している。このように、この実施の形態では、開口面積の大きな前面吸込グリル131を中央に配置して、その下部に形成される下部平面部を目立たせ、その上部に形成される上部平面部にグラデーショングリル140を備えることにより、前記前面吸込グリル131と上部平面部とを馴染ませて、フロントパネル230に形成される前面吸込グリル131の吸込部の大きさを目立たなくしてインテリアに調和させるようにしている。
なお、本実施の形態では、前記前面吸込グリル131とグラデーショングリル140の横幅W2を761mmに設定している。しかし、室内ユニット100の右側端部には機械室が設けられており、前記前面吸込グリル131とグラデーショングリル140は、この機械室にまで延在して前記化粧パネル220形成されている。前記前面吸込グリル131とグラデーショングリル140の機械室に延在している部分は開口しておらず、前記前面吸込グリル131とグラデーショングリル140が実際に開口している部分の大きさを本実施の形態においては721mmに設定している。
前記下部平面部には、前記前面吸込グリル131の下辺に中央が両側より下側にたれ下がって形成される凹状の傾斜面を形成し、この中央部分に前記運転状態表示部135を設けている。これにより、前記運転状態表示部135を目立たせるとともに、視認性を向上させている。更に、前記下部平面部の片側の下部には、送受信部110を設けている。
(c)図で示す平面図において、化粧カバー220の上面に形成される前記上面前部吸込グリル132aと、前記バックキャビネット210の上面に形成される前記上面後部吸込グリル132bは、主体となる複数の横桟と補強用の縦桟を疎らに備えたグリル形状とし、周囲に幅の広い筐体面を残すことで、大きな開口面積を得ながら設置状態で目立ち難くい形態としている。
(d)図で示す底面図において、前記化粧カバー220の下面に形成される前記吹出部133は、前記フロントパネル230との分割部に近接して配置される。2枚の前記風向板6a、6bは大きな曲面34とほぼ同一の曲面を備えた帯状の形態を備え、閉鎖状態で吹出部133の開口部をほぼ隠蔽して、室内ユニット100の底面に連続した大きな曲面34を形成する。
以上述べたように、前記室内ユニット100の外観は、上面と底面が大きな、両側面が小さな曲面を介して前方に向けて絞り込まれ、正面4隅が大きな丸み形状で形成されるラウンドを基調とした上下左右ほぼ対称なコンパクトな形態とし、更に、正面に配置される前面吸込グリル131、上面吸込グリル132、吹出部133、グラデーショングリル140、運転状態表示部135を中央を基準に左右対称に配置している。このように、前記室内ユニット100を上述した外観形状とすることにより、壁面に設置した状態において、壁面に馴染んでインテリアに調和しやすいコンパクトな形態にしている。
次に、図6から図14を参照して、リモコン300について詳細に説明する。
図6及び図7はリモコンの外観図であり、図6(a)はリモコンの正面図、図6(b)は開閉蓋を開いた状態におけるリモコンの正面図、図6(c)はリモコン300の平面図、図7(a)はリモコン300の正面図、図7(b)は左側面図を示している。
図8、図9、図10は、前記リモコン300の筐体301を構成する各部品を示す図である。図8は、前記リモコン300の筐体301を構成する上カバーであり、図8(a)が前記上カバーの内部外観図、図8(b)が縦断面図である。図9は、前記リモコン300の筐体301を構成する下カバーであり、図9(a)が前記下カバーの内部断面図、図9(b)が縦断面図である。図10は、電池蓋であり、図10(a)は前記電池蓋の内部外観図、図10(b)は縦断面図である。図11は、表示部320を構成する液晶基板を示す図であり、図11(a)が正面図、図11(b)が縦断面図である。
図12および図13は、前記操作ボタンの構成を示す図である。図12は前記使用頻度の低い操作ボタンおよび前記運転/停止ボタンの構成を示す図であり、図12(a)が正面図、図12(b)が背面図、図12(c)がA−A’断面図、図12(d)がB−B’断面図である。図13は、前記開閉蓋302に設けられた使用頻度の高い操作ボタンの構成を示す図であり、図13(a)が正面図、図14(b)が背面図、図13(c)が側面図である。図14は、前記開閉蓋302の構成を示す図であり、図14(a)が内部外観図、図14(b)が縦断面図である。
本発明における空気調和システムの操作は、主としてリモコン300により行われる。
図6(a)に示すように、前記リモコン300は、薄形で扁平な縦長の筐体301を備え、その筐体301の広い面の一部に設けられた開閉蓋302と、室内ユニット100の運転と停止を操作する運転/停止ボタン303と、送受信装置310と、入手情報を表示する入手情報表示エリア320aと、空気調和機の運転状態やあらかじめ設定された温度、湿度等を表示する設定情報表示エリア320bとを備えた表示部320とを有している。この実施の形態では、送受信装置310が設けられた長手方向の片側に表示部320を設け、その下側に最も使用頻度の多い運転/停止ボタン303を設け、その下側に前記開閉蓋302を設けて、その表面に比較的使用頻度の多い操作ボタンを設け、開閉蓋302で覆われる本体側に使用頻度の少ない操作ボタンを設けている。これにより、使用者が、前記送受信装置310を室内ユニット100側に向けた際の操作姿勢に置ける操作性と視認性の向上を図っている。
前記送受信装置310は、図6(c)に示すように、送信部310aと受信部310bとから構成される。
この実施の形態では、前記開閉蓋302の表面に設けられる使用頻度の高い操作ボタンとして、室内環境を制御する複数の操作ボタンを設けている。室内環境を制御する複数の操作ボタンとして、例えば、冷暖房運転に際して使用頻度の高い操作ボタンとフルシーズンで使用される除湿運転で使用頻度のある操作ボタンを設けている。これらの操作ボタンは、例えば、使用頻度の高い運転モードを設定する、室内ユニット100に除湿運転を行わせる除湿ボタン304、室温と外気温との温度差に合わせて湿度を制御しながら室内ユニット100を運転させる「涼・快
」ボタン305と、室内ユニット100から吹き出される風向きや風量を自動調整するPAM気流ボタン306とを、1つの操作ボタン群として、前記最も使用頻度の高い運転/停止ボタン303の下側に配置している。
また、冷暖房および除湿運転時の温度と湿度とを独自に設定するための操作ボタンとして、例えば、湿度の設定を行う湿度設定ボタン307と、室温の設定を行う室温設定ボタン308とを並設させて前記運転モード切り替えのボタン群の下に設けている。これにより、温度と湿度を同一の操作レベルで独立して設定することができる。
更に、前記開閉蓋302の表面下部には、前記冷暖房運転および除湿運転には左右されない他の使用頻度の高い操作ボタンとして、就寝時などに簡易的なタイマーを設定することができる簡易タイマー設定ボタン、例えば、おやすみボタン309と、室内の湿度や室温、外気温などを入手情報エリア320aに表示するように指示する指示ボタン、例えば、おしえてボタン340を設けている。
このように、この実施の形態に係るリモコン300は、室内ユニット100や室外ユニット200から得られる情報を見ながら、リモコン300の外表面に使用頻度の高い順に配置された使用頻度の高い操作ボタンを操作して、設定情報を前記設定情報表示エリア320bに表示させて操作することができる。
特に、本実施の形態のリモコン300の特徴の一つは、前記表示部320を上下2段に分け、入力情報表示エリア320aと設定情報表示エリア320bとが保持姿勢において上下となるように配置した点にある。一般に、使用者は横書きの文章のように、上から下方に向かって、文章や各操作手順を認識する。この実施の形態では、この使用者の行動を利用して、上段に基本となる入手情報を表示する入手情報表示エリア320aを設け、この下方の位置に隣接して設定情報表示エリア320bを表示し、更に、その下方に操作ボタンを配置している。
これにより、使用者は室内ユニット100や室外ユニット200から入手した情報を基に設定情報を自然な形で認識しながら入力することができる。
また、本実施の形態の特徴の他の一つは、前記入力情報表示エリア320aと前記設定情報表示エリア302bとに表示される情報と使用頻度の高い操作ボタンを、情報の種類、例えばこの実施の形態では冷暖房に関するものと、除湿に関するもので左右に振り分けた点にある。この実施の形態では、前記入力情報表示エリア320aと前記設定情報表示エリア320bを、温度の表示エリアと湿度の表示エリアとにそれぞれ左右に分けて設け、更に、この表示エリアに対応して関連のある使用頻度の高い操作ボタンを左右に分けて配置し、温度と湿度のどちらにも関連する操作ボタンを中央に配置している。これにより、使用者に操作ボタンを探させることを軽減して操作性を向上させることができる。
また、本実施の形態のリモコン300の特徴の他の一つは、前記開閉蓋302の表面におしえてボタン340を設けたことであり、このおしえてボタン340を押すことにより、室内ユニット100の運転中における室内の温度や湿度、外気温を前記入手情報表示エリア320aに表示させることができる。これにより、常時、室内ユニット100とリモコン300との送受信を行うことなく、必要な時に送受信を行わせることができるので、リモコン300の消費電源を軽減することができる。
また、空気調和システムが運転していない時においても、おしえてボタン340を押すことで、室内ユニット100から入手した室温や湿度、室外ユニット200から入手した外気温を入手情報表示エリア320に表示させることができる。また、前記使用頻度の高い操作ボタンである除湿ボタン304、「涼・快」ボタン305、 PAM気流ボタン306で、冷暖房時における使用頻度の高い運転モードや除湿運転を主体とした運転モードの切り替え、あるいは、湿度設定ボタン307、室温設定ボタン308、による各運転モードにおける温度および湿度の設定、更に、おやすみボタン309による就寝時のタイマー設定、入手情報を得たいときに使用するおしえてボタン340などを前記開閉蓋302の表面に設けたので、使用頻度や操作性に沿って室温や湿度、風向き、風量等を容易に調節することができ、使用者の快適な室内空間を簡単な操作で作ることができるように空気調和システムを運転させることができる。
また、前記開閉蓋302を開くと、図6(b)で示すように、前記開閉蓋302の内側(上カバーの表面)には比較的使用頻度の低い操作ボタンが設けられている。比較的使用頻度の低い操作ボタンとして、例えば、室内ユニット100の運転モード、例えば冷房運転、暖房運転、除湿運転等を切り換える運転切換ボタン351、風速を切り換える風速切換ボタン352、風向きの調節を行う風向調節ボタン353、354、室内ユニット100に急冷房運転や急暖房運転を行わせるパワフルボタン355、室内ユニット100に空気清浄運転を行わせる空清ボタン358、フィルターの汚れ具合を表示するフィルターボタン359、室内ユニット100のタイマー設定の取り消しを行う取消ボタン360、時刻を設定する時刻設定ボタン361、室内ユニット100の予約運転の設定を行う予約ボタン362と、リモコン300の設定を初期状態に戻すリセットボタン363、室内ユニット100のタイマー運転のON/OFF(入/切)を設定するタイマーボタン364、日付や時刻が設定されている状態の時に押下することにより日付や時刻を表示する日付・時刻ボタン365などが配置されている。ここで、風向調節ボタン353は上下の風向きの調節を行い、風向調節ボタン354は左右の風向きの調節を行う。
これらの使用頻度の低い操作ボタン351〜365は、主として空気調和機の運転状態を詳細に設定するために用いられるものである。これらの操作ボタン351〜365により設定された運転状態は、前記リモコン300に記憶されるので、空気調和機を再度運転させた時に運転状態を再度設定する必要がなく、また通常のリモコン300の使用時においては、前記開閉蓋302の内側(上カバーの表面)に配置されているので、操作ボタンの誤操作を軽減することができる。
なお、使用頻度の低い操作ボタンとして、空気調和機の予熱を行う予熱ボタン356や空気調和システムに室内ユニット100とは別体に設けた加湿器(図示省略)を制御する加湿器ボタン357などを設けてもよい。
図7において、本発明に係るリモコン300は、奥行寸法Dが薄く、横幅寸法W1より高さ寸法H1が長い薄形/偏平で縦長の本体形状を備えている。このリモコン300は、長手方向の一端に送受信部310を備え、使用者がこの送受信部310を室内ユニット100の送受信部110に向けながら片手で保持した際に保持性が良好な形状としている。
本実施の形態においては、リモコン300の大きさが奥行寸法D2を22mm、横幅寸法W4を61mm、高さ寸法H4を196.5mmに設定することで、保持性の良好な大きさとしている。また、前記表示部320に配置される前記入手情報表示エリア320aおよび前記設定情報表示エリア320bは、横幅寸法W5および高さ寸法H5、H6をそれぞれ48mm、11mm、49mmに設定することにより、前記入力情報表示エリア320aおよび前記設定情報表示エリア320bに表示される内容を見易くすることができる。本実施の形態においては、リモコン300および表示部320の寸法を上記寸法に設定しているが、 この寸法に限定されるものではなく、任意の寸法に設定しても良い。
次に、本実施の形態に係る前記リモコン300および操作ボタン、表示部320の構成について説明する。
本実施の形態においては、図8および図9で示すように、前記リモコン300の筐体301が、上カバー401と下カバー402とから構成されている。前記上カバー401は、前記筐体301の前面(正面)側をカバーし、前記下カバー402は、前記筐体301の背面をカバーするように、前記筐体301の周側面に形成された分割溝390(図7(b)参照)を介して前記上カバー401に取り付けられる。前記開閉蓋302は、前記上カバー401の前面(正面)下方にヒンジ391(図7(b)参照)を介して開閉可能に取り付けられている。
前記上カバー401には、前記使用頻度が低い操作ボタン351〜365を配置するための複数の開口部410と、前記表示部320を配置するための開口部420とを備えている。また前記上カバー401の下方には、電池を収納する電池収納部430を備え、図10で示す電池蓋700により、前記電池収納部430をカバーしている。前記電池蓋700は、爪710を前記下カバー402の爪取付部440に嵌合させることで前記下カバー402に取り付けられ、前記電池収納部430をカバーしている。
表示部320は、例えば、図11で示すように、一枚の液晶基板750の印刷面760に印刷を施すことにより形成されており、前記液晶基板750は前記開口部420を介して前記上カバー401に取り付けられるように構成されている。前記液晶基板750の下方には、前記運転/停止ボタン303が取り付けられる開口部770が設けられている。
本実施の形態においては、液晶基板750として通常の液晶基板を使用しているが、通常の液晶基板に変えて、カラー液晶基板を用いても良い。カラー液晶基板を用いることにより室内ユニット100の動作状態に対応した表示、例えば、冷房運転においては青色系の表示、除湿運転においては緑色系の表示、暖房運転においては橙色系の表示とすることにより、空気調和機の動作状態に対応させて表示部320の色を変えることができ、操作性や視認性をさらに向上することができる。
次に、前記上カバー401に配置される、使用頻度の低い操作ボタン351〜365の構成について説明する。
図12で示すように、前記使用頻度の低い操作ボタン351〜365は、ゴム等の軟質材料で形成され、第1基板900に取り付けられる。前記使用頻度の低い操作ボタン351〜365は、前記第1基板900との接触部に導電材料910を有し(図12(b)参照)、前記使用頻度の低い操作ボタン351〜365のいずれかが押下されると前記導電材料910が前記第1基板900の所定の回路に接触し、押下された操作ボタンに対応する操作信号を発信するようになっている。前記使用頻度の低い操作ボタン351〜365が取り付けられた第1基板900は、前記液晶基板750や図示しないマイコン(中央処理装置)、送受信回路等と配線され、前記液晶基板750やマイコン(中央処理装置)、送受信回路等を含めて前記下カバー402の内側に設けられた位置決めリブ451〜455(図9(a)参照)により位置決めされると共に、開口部410および開口部420とを介して前記上カバー401に取り付けられる。
次に、前記開閉蓋302に設けられた使用頻度の高い操作ボタン304〜309およびおしえてボタン340の構成について、図13および図14を用いて説明する。
前記開閉蓋302に配置される使用頻度の高い操作ボタン304〜309およびおしえてボタン340は、ゴム等の軟質材料で形成され、その形状が図13(c)で示すように、側方から見て「T字」形状をなしている。
前記使用頻度の高い操作ボタン304〜309およびおしえてボタン340は、図14で示すように、前記開閉蓋302に形成された複数の開口部820を介して前記開閉蓋302に取り付けられ、前記開閉蓋302の内側に形成された位置決めリブ830、840、850とを介して前記開閉蓋302に取り付けられる背面板810により、前記使用頻度の高い操作ボタン304〜309およびおしえてボタン340が前記開閉蓋302に保持される。
前記使用頻度の高い操作ボタン304〜309およびおしえてボタン340は、前記開閉蓋302が閉じた状態で押下することにより機能するものである。前記開閉蓋302が閉じた状態で、前記使用頻度の高い操作ボタン304〜309およびおしえてボタン340のいずれかを押下することにより、前記使用頻度の高い操作ボタン304〜309およびおしえてボタン340に対応する「T字」形状の端部805が前記背面板810より突出し、前記上カバー401に取り付けられた使用頻度の低い操作ボタン351〜365に設けられたいずれかの前記導電材料910を介して前記第1基板900の所定回路と接触し、押下した使用頻度の高い操作ボタン304〜309およびおしえてボタン340のいずれかに対応する操作信号を発信するようになっている。
前記使用頻度の高い操作ボタンである、前記室温設定ボタン308および前記湿度設定ボタン307は、図13(c)で示すように、側面から見て中央部が凹んだ円弧形状で形成されている。そして円弧形状の上方に位置し、室温および湿度を上昇させる上ボタン307a(308a)と、円弧形状の下方に位置し、室温および湿度を下降させる下ボタン307b(308b)とをそれぞれ備えている。ここで、使用者は表示部320を上方にして持つ自然な保持姿勢において、リモコン300の前後方向を上下方向として認識する。
本実施の形態では、前記使用者の認識を利用して、前記室温設定ボタン308および前記湿度設定ボタン307の長手方向をリモコン300の筐体301の長手方向に設けて、表示部側を上ボタン307a(308a)、反対側を下ボタン307b(308b)とすることにより、使用者に各設定ボタンの配置を意識させることなく自然な動作で操作させて操作性を向上させることができる。
また、前記上ボタン307a(308a)および前記下ボタン307b(308b)は、図13(a)で示すように、それぞれ楕円形状で形成されており、方向性を示す凹部830a、830bをそれぞれ備えている。本実施の形態においては、前記上ボタン307a(308a)を前記湿度設定ボタン307(室温設定ボタン308)より突出して形成されており、前記下ボタン307b(308b)を前記湿度設定ボタン307(室温設定ボタン308)より凹んで形成している。そして、前記上ボタン307a(308a)と前記下ボタン307b(308b)の表面に、前記凹部830a、830bとして例えば、前記上ボタン307a(308a)には上方向に向いた矢印、前記下ボタン307b(308b)には下方向に向いた矢印をそれぞれ設けている。このため、使用者の指先の感覚および視覚でその機能を明確に認識することができる。
本実施の形態では、凹部830a、830bとして方向性を示す矢印を使用したが、これに限定されるものではない。例えば、凹部830a、830bとして、三角形状を使用しても良い。この場合、前記上ボタン307a(308a)には頂点が上方向に向いた三角形状の凹部、前記下ボタン307b(308b)には頂点下方向に向いた三角形状の凹部を設けるようにすることで、方向性を出すことができる。
本発明における空気調和システムの操作は、上述したように、主としてリモコン300により行われる。図15および図16を用いて、本発明に係るリモコン300を用いた空気調和システムの動作について更に説明する。なお、本実施の形態においては、一例として、運転モードを除湿運転とした状態について説明する。
図15は、本発明における空気調和システムの概略構成を示すブロック図である。図15において、100aは室内ユニット100の概略構成、200aは室外ユニット200の概略構成、300aはリモコン300の概略構成を示している。また図16は、入手情報表示エリア320aおよび設定情報表示エリア320bの表示状態を示しており、図16(a)は室内ユニット100の停止状態における表示状態、図16(b)〜(d)は室内ユニット100の運転状態における表示状態、図16(b)〜(d)は室内ユニット100の運転状態における表示状態を示している。
図15において、前記室内ユニット100は、横ルーバー134の角度調整や室内ファン109の動作制御等を含んだ室内ユニット100全体の運転動作を制御する室内ユニット制御装置601と、室内の温度を検出する室内温度センサ602と、室内の湿度を検出する室内湿度センサ603と、前記リモコン300から送信された制御信号を受信する第2受信部604と、前記室内温度センサ602および前記室内湿度センサ603により検出した温度・湿度を第1受信部611へ送信する第2送信部605とを備えている。
前記室外ユニット200は、室外ファン580の動作や室外熱交換器520等の制御を含んだ空気調和機全体の運転動作を制御する室外ユニット制御装置606と、外気温を検出する室外温度センサ607とを備えている。
前記室内ユニット制御装置601と前記室外ユニット制御装置606とは、電気配線等により接続されており、前記室外ユニット200は、前記室内ユニット100の運転と同期して運転するようになっている。
前記リモコン300は、空気調和システムの使用者により選択された運転機能を選択する選択装置608と、前記選択装置608からの信号を受信し、前記室内ユニット100を運転させる信号の処理を行う中央処理装置609と、前記中央処理装置609から送信される信号を受信し前記室内ユニット100へ操作信号を送信する第1送信部610と、前記室内温度センサ602または前記室内湿度センサ603、前記室外温度センサ607からの信号を受信する第1受信部611とから構成される。
以上のような構成からなる空気調和システムにおいて、例えば、除湿運転を行う場合、まず、リモコン300の表面(開閉蓋302の表面)に設けられた除湿ボタン304を押すことにより、入力信号が選択装置608に入力され、選択装置608から除湿運転の運転モードが選択される。選択装置608は、除湿運転を行うための運転モード信号を中央処理装置609に伝達し、除湿運転を行うための運転モード信号を受信した中央処理装置609は、第1送信部610を介して室内ユニット100に除湿運転を行わせる指示を赤外線信号により第2受信部604に向けて送信する。また中央処理装置609は、第1送信部610を介して第2受信部604に赤外線信号を送信すると同時に、設定情報表示エリア320bにも除湿運転を行う運転モード信号を伝達することで、図16(a)で示した室内ユニット100の停止状態の表示から、図16(b)で示すように、設定情報表示エリア320bの表示が除湿運転を行っていることを示す表示へと変化する。設定情報表示エリア320bには、除湿運転であることを示す運転モードや風速、風向き、除湿運転を行うためにあらかじめ設定されている室温・湿度などが表示される。
前記第2受信部604は、第1送信部610(リモコン300)から送信された赤外線信号(運転モード信号)を受信し、受信した赤外線信号を室内ユニット制御装置601に伝達し、室内ユニット制御装置601は運転モード信号に基づいて室内ユニット100を構成する各要素(図2参照)を制御して除湿運転を行う。また室内ユニット制御装置601は、室内ユニット100に除湿運転を行わせると共に、室内ユニット100の筐体150に設けられた表示ランプ620を点灯させる。さらに室内ユニット制御装置601は、運転モード信号を室外ユニット制御装置606に伝達し、室外ユニット制御装置606は運転モード信号に基づいて室外ファン580などの室外ユニット200を構成する各要素(図3参照)を制御して除湿運転を行う。
ここで、前記リモコン300に設けられた前記おしえてボタン340を押すと、室温や室内の湿度、外気温や室外の湿度などが前記入手情報表示エリア320aに表示される。より具体的には、前記おしえてボタン340を一回押すと、室内温度センサ602により検出された室温、および室内湿度センサ603により検出された室内の湿度が前記入手情報表示エリア320aに表示され(図16(c)参照)、さらに前記おしえてボタン340を押すと、室外温度センサ607により検出された外気温が前記入手情報表示エリア320aに表示される(図16(d)参照)。
以上のように、本発明に係るリモコン300は、前記おしえてボタン304を押すことにより、現在の室温や湿度、外気温を適宜表示できるので、表示した室温や湿度、外気温に応じて室内ユニット100の運転のON/OFFを行えるため、空気調和システムの省エネ運転が可能となる。
上述した除湿運転においては、除湿ボタン304を押すことにより、自動的にあらかじめ設定された室温や湿度で除湿運転を行うが、本発明に係るリモコン300においては、必要によって前記湿度設定ボタン307や前記室温設定ボタン308を操作することで、室温や湿度の調節を行うことができる。また、前記「涼・快」ボタン305を押下すると、室温と外気温との温度差に対応して湿度を制御しながら除湿運転を行うことができる。これによって、より快適な除湿運転を行うことが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、一例として除湿運転についての操作、特に湿度の調節について説明した。本実施の形態における空気調和システムでは採用していないが、冷房運転時や暖房運転時においても上記除湿運転と同様な操作で湿度の調節を行うことができるように空気調和システムを構成してもよい。
例えば、冷房運転時における湿度調節を行う場合、まず前記開閉蓋302を開け、運転切換ボタン351を操作することにより、空気調和機の運転モードを冷房運転に切り換え、冷房運転を行うためにあらかじめ設定された室温や湿度に基づいて運転が行われると共に、前記設定情報表示エリア320bにあらかじめ設定された室温や湿度が表示される。そして運転モードを切り換えた後は、前記開閉蓋302を閉じる。冷房運転中において、使用者が前記湿度設定ボタン307および前記室温設定ボタン308を操作することにより、室温や湿度を使用者の体質や体調に合わせた状態で設定できるようにし、設定された室温や湿度に基づいた冷房運転を行うようにすればよい。そして前記おしえてボタン340を押すことで、現在の室温や湿度、外気温を表示することができるようにし、必要によって、前記湿度設定ボタン307や前記室温設定ボタン308を操作することで室温や湿度を調節することができるようにすればよい。さらに、使用者により設定された室温や湿度を記憶するような構成にしておくことで、空気調和機を再度冷房運転とした時に、使用者により設定された室温や湿度に基づいて冷房運転を行うようにしてもよい。
また、暖房運転時における湿度調節を行う場合、再び前記開閉蓋302を開け、運転切換ボタン351を操作することにより、空気調和機の運転モードが冷房運転から暖房運転に切り換わり、暖房運転を行うためにあらかじめ設定された室温や湿度に基づいた運転が行われると共に、前記設定情報表示エリア320bにあらかじめ設定された室温や湿度が表示される。そして運転モードを切り換えた後は、前記開閉蓋302を閉じる。暖房運転中において、使用者が前記湿度設定ボタン307および前記室温設定ボタン308を操作することにより、室温や湿度を使用者の体質や体調に合わせた状態で設定でき、設定された室温や湿度に基づいて暖房運転を行うようにすればよい。そして前記おしえてボタン340を押すことで、現在の室温や湿度、外気温を表示することができるようにし、必要によって、前記湿度設定ボタン307や前記室温設定ボタン308を操作することで室温や湿度を調節することができるようにすればよい。さらに、使用者により設定された室温や湿度を記憶するような構成にしておくことで、空気調和機を再度暖房運転とした時に、使用者により設定された室温や湿度に基づいて暖房運転を行うようにしてもよい。
以上のような構成とすることにより、より快適な冷房運転や暖房運転を行うことができる。また室温や湿度を調節することにより、室内の冷え過ぎや暖め過ぎを軽減することができ、空気調和システムの省エネ運転が可能となる。
次に前記リモコン300に設けられたPAM気流ボタン306を操作した状態について説明する。
空気調和機があらかじめ設定された室温や湿度、または使用者によって設定された室温や湿度などに従って、上述した除湿運転や冷房運転、または暖房運転を行っている際に、前記PAM気流ボタン306を押すと、室内ユニット100から吹き出される室内空気の風向きを、使用者の思うがままに変えることができる。具体的には、前記PAM気流ボタン306を一回押すと、室内ユニット100から吹き出される室内空気の風向きが、標準運転の状態における風向きに変えられる。さらに前記PAM気流ボタン306を押すと、室内空気が一ヶ所に集中するように室内ユニット100から吹き出され、さらに前記PAM気流ボタン306をもう一度押すと、室内空気が拡散するように室内ユニット100から吹き出される。
以上のように、前記PAM気流ボタン306を操作することにより、使用者の思うがままに風向きを変えることができるので、使用者にとってより快適な除湿運転や冷房運転、暖房運転を行うことができる。
次に、前記室内ユニット100の筐体150に設けられた運転状態表示部135と、前記リモコン300の表面に設けられた除湿ボタン304や「涼・快」ボタン305などの、使用頻度の高い操作ボタンとの配置関係を、図17を用いて説明する。
図17において、運転状態表示部135は、前記前面吸込グリル131の下方で前記筐体150の中央に配置されている。前記運転状態表示部135は、前記室内ユニット100の中央を中心として左右対称に設けられた第1情報表示エリア135aと第2情報表示エリア135bとから構成されている。前記第1情報表示エリア135aは、冷房運転時または暖房運転時の運転状態を示すものであり、前記第2情報表示エリア135bは、除湿運転時の運転状態を示すものである。
前記リモコン300は、図17で示すように、前記開閉蓋302の表面に設けられた使用頻度の高い各種操作ボタン304〜309および340が、前記室内ユニット100のほぼ中央を中心として、左右対称に設けられている。ここで各種操作ボタンの配置を見て見ると、前記室内ユニット100のほぼ中央を中心とした右側には、除湿ボタン304や湿度設定ボタン307、おやすみボタン309、前記室内ユニット100のほぼ中央を中心とした左側には、PAM気流ボタン306や室温設定ボタン308、おしえてボタン340がそれぞれ配置されている。また、室温と外気温との温度差に合わせて湿度を制御しながら室内ユニット100を運転させる「涼・快」ボタン305は、前記除湿ボタン304と前記PAM気流ボタン306の間に配置されている。
すなわち、前記開閉蓋302の表面に設けられた使用頻度の高い各種操作ボタン304〜309および340は、前記室内ユニット100のほぼ中央を中心とした右側には湿度の設定や調節に関する操作ボタン、前記室内ユニット100のほぼ中央を中心とした左側には室温の設定や調節に関する操作ボタンが配置されており、前記室内ユニット100の筐体150に設けられた第1情報表示エリア135aと第2情報表示エリア135bの配置と一致させている。
これにより、リモコン300に設けられた各種操作ボタンの操作が容易に行うことができると共に、操作ボタンの誤操作を軽減できる。また、運転状態表示部135の視認性を向上することができるので、空気調和システムの運転状態の確認が容易に行える。
次に図18から図23を用いて、運転状態表示部135について説明する。図18は、運転状態表示部135の構成を示す図であり、図18(a)は運転状態表示部135の正面図、図18(b)は第1情報表示エリア135aと第2情報表示エリア135bの構成を示す図である。図19は前記第1情報表示エリア135aの表示状態を示す図であり、図20は前記第2情報表示エリア135bの表示状態を示す図である。図21、図22および図23は、前記運転状態表示部135の表示状態を示す図である。
運転状態表示部135は、上述した通り、冷房運転または暖房運転であることを示す第1情報表示エリア135aと、除湿運転であることを示す第2情報表示エリア135bとから構成される。
本実施の形態においては、図18から図22で示すように、第1情報表示エリア135aと第2情報表示エリア135bは、運転状態を示す表示ランプをそれぞれ4個ずつを備えている。これらの表示ランプは、温度や湿度の設定値と現在値との偏差や、タイマー運転時の予約状態、ホットキープ状態(室内が一定温度になり、空気調和機が待機している状態)、運転モードの判定、エラーメッセージの表示などの機能を備えている。以下、表示ランプについて説明する。
まず、図19を用いて、前記第1情報表示エリア135aに設けられた4個の表示ランプ181、182、183、184について説明する。前記第1情報表示エリア135aは、上述した通り、空気調和機における運転モードが、冷房運転あるいは暖房運転の状態を表示するものであり、前記リモコン300を操作して冷房運転あるいは暖房運転を指示することにより、第1情報表示エリア135aが点灯し、運転状態が表示される。リモコン300により空気調和機の運転モードが指示されると、第1情報表示エリア135aは、4個の表示ランプ181、182、183、184により空気調和機の運転状態を表示するように構成されている。
本実施の形態において第1情報表示エリア135aは、4個の表示ランプ181、182、183、184とから構成されているが、空気調和機の運転開始時に4個の表示ランプ181、182、183、184の全てが点灯されるわけではない。本実施の形態においては、第1情報表示エリア135aを構成する4個の表示ランプ181、182、183、184は、あらかじめ設定された室温と運転を指示した状態における室温との偏差dtにより点灯個数が異なるように構成されている。例えば、本実施の形態においては、運転開始時における設定温度と室温との偏差dtが10℃より大きい(dt>10)場合、図19(a)で示すように、表示ランプ181、182、183、184の全てが点灯し、偏差dtが5℃より大きく10℃以下(5<dt≦10)の場合、図19(b)で示すように、表示ランプ182、183、184の3個が点灯し、偏差dtが2℃より大きく5℃以下(2<dt≦5)の場合、図19(c)で示すように、表示ランプ183、184の2個が点灯し、偏差dtが2℃以下(dt≦2)の場合、図19(d)で示すように、表示ランプ184が点灯するように構成されている。なお、本実施の形態において、表示ランプ181、182、183、184が実線で示されているのは点灯状態または点滅状態、破線で示されているのが消灯状態である。
これらの表示ランプ181、182、183、184は、室内の状態の変化(室温の変化)に伴ってその表示を変化させていくように構成されており、例えば、表示ランプ181、182、183、184の全てが点灯(dt>10)して運転している状態から、室温の偏差が5℃より大きく10℃以下(5<dt≦10)の状態になると、第1情報表示エリア135aの表示は、表示ランプ182、183、184の3個の表示に変化するようになっている。そして、室内の環境(室温や湿度)が設定した状態となったら、空気調和機の運転が待機状態(ホットキープ)となり、表示ランプ184が点滅し待機状態であることを表示する。
本実施の形態においては、表示ランプ181〜184を設定温度と室温との偏差dtで制御しているが、圧縮機500(図3参照)の回転数により、表示ランプ181〜184を制御してもよい。
次に図20を用いて、第2情報表示エリア135bに設けられた4個の表示ランプ185、186、187、188について説明する。前記第2情報表示エリア135bは、上述した通り、空気調和機における除湿運転の状態を表示するものであり、前記除湿ボタン304を操作して除湿運転を指示することにより、第2情報表示エリア135bが点灯し、運転状態が表示される。
リモコン300により空気調和機の運転モードとして除湿運転が指示されると、第2情報表示エリア135bは、4個の表示ランプ185、186、187、188により空気調和機における除湿運転の状態を表示するように構成されている。
本実施の形態において第2情報表示エリア135bは、4個の表示ランプ185、186、187、188とから構成されているが、前記冷房運転あるいは暖房運転と同様に、除湿運転開始時においても、第2情報表示エリア135bの点灯を4個の表示ランプ185、186、187、188の全てが点灯されるわけではない。本実施の形態においては、表示ランプ185、186、187、188の点灯が、あらかじめ設定された湿度と運転を指示した状態における湿度との偏差dhにより点灯個数が異なるように構成されている。例えば、本実施の形態においては、運転開始時における設定湿度と現在の湿度との偏差dhが30%より大きい(dh>30)場合、図20(a)で示すように、表示ランプ185、186、187、188の全てが点灯し、偏差dhが20%より大きく30%以下(20<dh≦30)の場合、図20(b)で示すように、表示ランプ185、186、187、の3個が点灯し、偏差dhが10%より大きく20%以下(10<dh≦20)の場合、図20(c)で示すように、表示ランプ185、186の2個が点灯し、偏差dhが10%以下(dh≦10)の場合、図20(d)で示すように、表示ランプ185が点灯するように構成されている。なお、本実施の形態において、表示ランプ185、186、187、188が実線で示されているのは点灯状態、破線で示されているのが消灯状態である。
これらの表示ランプ185、186、187、188は、室内の状態の変化(湿度の変化)に伴ってその表示を変化させていくように構成されており、例えば、表示ランプ185、186、187、188の全てが点灯(dh>30)して運転している状態から、湿度の偏差dhが20%より大きく30%以下(20<dh≦30)の状態になると、第2情報表示エリア135bの表示は、表示ランプ185、186、187の3個の表示に変化するようになっている。
本実施の形態においては、表示ランプ185〜188を運転開始時における設定湿度と現在の湿度との偏差dhで制御しているが、圧縮機500(図3参照)の回転数により、表示ランプ181〜184を制御してもよい。
以上のような構成とすることにより、冷房運転あるいは暖房運転、除湿運転において空気調和システムの運転状況を段階的に変化させながら表示するので、使用者は、前記運転状態表示部135を確認することにより、前記運転状態表示部135を構成する表示ランプの点灯数が多ければ、設定温度または設置温度に対して現在の温度または湿度の差が大きいために空気調和システムが高出力運転を行っていることを知ることができ、逆に表示ランプの点灯数が少なければ前記差が少ないために空気調和システムが低出力運転を行っていることを示している。このように、この実施の形態では、前記運転状態表示部135の表示により、空気調和システムの運転状況を表示ランプの点灯数(点灯表示部分の大きさ)で認識させることができるとともに、間接的に、設定温度または湿度に対する現在の温度または湿度を確認することが可能となる。
また、前記リモコン300に設けたおしえてボタン340を併用することにより、より詳細な現在の室温や湿度を、例えば数値データとして確認することができるので、必要に応じて室温や湿度の調節を容易に行うことができる。
次に図21を用いて、空気調和機のタイマー運転時における、運転状態表示部135の表示について説明する。タイマー運転の予約は、前記リモコン300の開閉蓋302の内側に設けられたタイマーボタン364を押すことにより行われる。前記タイマーボタン364によりタイマー予約が指示されると、図21(a)で示すように、前記第1情報表示エリア135aの一番右側に設けられた表示ランプ184と前記第2情報表示エリア135bの一番左側に設けられた表示ランプ185が所定時間点滅し、その後消灯する(図21(b)参照)。なお、本実施の形態において、表示ランプ181から188が実線で示されているのは点灯状態または点滅状態、破線で示されているのが消灯状態である。
本実施の形態においては、例えば表示ランプ184、185が点滅する所定時間を10秒に設定している。そしてタイマー運転が開始されると、図21(c)で示すように、前記表示ランプ184、185が所定時間(10秒)点滅し、その後上述した表示ランプの点灯条件に従って、前記第1情報表示エリア135aが点灯し運転状態の表示を行う。このとき、第2情報表示エリア135bの一番左側に設けられた表示ランプ185も点灯し、タイマー運転であることを表示する。
以上のような構成により、タイマー予約時には表示ランプが所定時間点滅するので、使用者がタイマー予約を指示したことが確認でき、またタイマー運転開始時にも表示ランプ185が点灯するようにしたので、タイマー予約により運転していることを確認することができ、空気調和システムの消し忘れ等を軽減することができる。
なお、本実施の形態においては、表示ランプが点滅する所定時間を10秒に設定しているが、これに限定されるものではなく、任意の時間に設定してもよい。
次に前記運転状態表示部135における、その他の表示機能について、図22および図23を用いて説明する。その他の表示機能としては、空気調和システムの自動運転における運転モード判定中の表示、エラーメッセージの表示などがある。
図22は、空気調和機の運転モード判定中における、運転状態表示部135の表示状態を示している。運転モード判定中の表示は、図22(a)で示すように、第1情報表示エリア135aの一番右側に設けられた表示ランプ184と前記第2情報表示エリア135bの一番左側に設けられた表示ランプ185が点滅し、判定終了後は上述した表示ランプの点灯条件に従って、運転状態表示部135を点灯させ、運転状態の表示を行う(図22(b)参照)。なお、本実施の形態において、表示ランプ181から188が実線で示されているのは点灯状態または点滅状態、破線で示されているのが消灯状態である。
図23は、空気調和機にエラーが生じた場合における、運転状態表示部135の表示状態を示している。エラーメッセージの表示は、室内におけるエラーの発生時には第2情報表示エリア135bの一番右側に設けられた表示ランプ188が点滅し(図23(a)参照)、室外におけるエラーの発生時には第1情報表示エリア135aの一番左側に設けられた表示ランプ181が点滅するようになっている(図23(b)参照)。なお、本実施の形態において、表示ランプ181から188が実線で示されているのは点滅状態、破線で示されているのが消灯状態である。エラーメッセージの表示は、エラーの種類により点滅場所や点滅時間
、点滅速度を変えて表示するように構成されているので、点滅状態を見ることにより発生しているエラー内容やエラー場所の確認を容易に行うことができる。
次に図24を用いて、本実施の形態における空気調和機の動作の流れについて説明する。図24は、本実施の形態における空気調和機の動作の流れを示すフローチャートである。
図24において、室内の壁面等に設けられたコンセントに室内ユニット100の電源コードを差し込み、図示しない主電源ボタンをONとすることにより、室内ユニット100と室外ユニット200とからなる空気調和機が電源ONの状態となっている。この状態において、使用者が前記リモコン300により空気調和機の運転モードを選択することで、空気調和機が動作する。まずステップ1000において、使用者が前記運転/停止ボタン303による運転モードを選択すると、前回、空気調和機を動作させた時の設定条件に基づいて自動運転を開始する(ステップ1010)。空気調和機の運転中に、室温や湿度の設定を行う必要がある場合(ステップ1020)、前記湿度設定ボタン307や前記室温設定ボタン308を操作する(ステップ1030)ことにより、室温や湿度の設定を行い、ステップ1040において、室温や湿度の設定が終了していれば設定に基づいた運転を行うと共に、前記設定情報表示エリア320bに室温、湿度の設定状態を表示し、空気調和機が設定状態に応じた運転を行う(ステップ1050)。
ステップ1000において、使用者が前記運転/停止ボタン303による運転モードを選択しなかった場合、除湿ボタン304や「涼・快」ボタン305、あるいは運転切換ボタン351により、除湿運転もしくは冷房運転、暖房運転を選択し、選択した運転モードに従って、空気調和機を運転させることになる。まず、ステップ1100において、前記除湿ボタン304による除湿運転を選択した場合、除湿運転を行うためにあらかじめ設定された室温や湿度などの運転条件に基づいて空気調和機が除湿運転を開始し、同時に前記設定情報表示エリア320bに除湿運転であることを示す表示および設定温度、湿度が表示される(ステップ1110)。ステップ1120において、除湿運転運転では、室内が快適となるように運転を行うため、特に室温や湿度を調節する必要はない。しかしながら、快適であると感じる室温や湿度には使用者体質や体調による個人差があり、場合によっては室温や湿度を調節する必要がある。本発明は、前記開閉蓋302の表面に配置された湿度設定ボタン307および室温設定ボタン308によって、除湿運転時にも室温や湿度の調節を行うことができるようにしたことを特徴としている。
室温や湿度を調節(設定)する場合、ステップ1130に進み、前記湿度設定ボタン307および室温設定ボタン308により、室温や湿度の調節(設定)を行い、室温、湿度の調節(設定)後はステップ1040に進む。ステップ1040において、室温や湿度の調節(設定)が終了していれば、ステップ1110に戻り調節(設定)した室温や湿度に基づいて除湿運転を行うと共に、設定情報表示エリア320bに表示される内容が、調節(設定)した室温や湿度などの表示に変化する。
ステップ1100において、使用者が除湿ボタン304による除湿運転を選択しなかった場合、「涼・快」ボタン305、あるいは運転切換ボタン351により、運転モードを選択し、選択した運転モードに従って、空気調和機を運転させることになる。
ステップ1200において、「涼・快」ボタン305による空気調和機の運転モードを選択すると、室温と外気温との温度差に合わせて湿度を制御しながら空気調和機の運転、例えば、除湿運転や冷房運転、暖房運転などを行うと共に、設定情報表示エリア320bに室温や湿度、運転モード等、空気調和機の運転状態が表示される(ステップ1210)。
ステップ1220において、前記「涼・快」ボタン305による空気調和機の運転モードを選択したときは、室温と外気温との温度差を考慮しながら、室内空間が快適な状態となるように温度や湿度を自動的に調整しながら空気調和機の運転を行うので、特に使用者が湿度設定ボタン307や室温設定ボタン308により室温や湿度を調整(設定)する必要はない。しかしながら、使用者が感じる快適感は個人差があるため、使用者によっては、室温や湿度を調整する必要がある。このような場合は、ステップ1230に進み、前記湿度設定ボタン307および室温設定ボタン308により、室温や湿度の調節(設定)を行い、室温、湿度の調節(設定)後はステップ1240に進む。ステップ1240において、室温や湿度の調節(設定)が終了していれば、ステップ1210に戻り調節(設定)した室温や湿度に基づいて除湿運転を行うと共に、設定情報表示エリア320bに表示される内容が、調節(設定)した室温や湿度などの表示に変化する。
ステップ1200において、「涼・快」ボタン305による空気調和機の運転モードを選択しなかった場合、ステップ1300に進み、前記開閉蓋302を開け、運転切換ボタン351を操作することにより、冷房運転あるいは暖房運転等の運転モードを選択する。
ステップ1310において、運転切換ボタン351により冷房運転を選択した場合、冷房運転を行うためにあらかじめ設定された室温や湿度に従って、冷房運転を行うと共に、空気調和機の運転状態や設定された室温、湿度が設定情報表示エリア320bに表示される。運転切換ボタン351により冷房運転を選択しなかった場合、ステップ1400に進み、再度運転切換ボタン351を操作して暖房運転を選択する。そして、暖房運転を行うためにあらかじめ設定された室温や湿度に従って、冷房運転を行うと共に、空気調和機の運転状態や設定された室温、湿度が設定情報表示エリア320bに表示される。
冷房運転あるいは暖房運転において、室温や湿度を調節する必要がある場合(ステップ1330)、ステップ1340に進み、前記室温設定ボタン308により、室温の設定を行い、ステップ1350において、室温の設定が終了していれば、ステップ1320もしくは1400に戻り、設定した室温や湿度に基づいて冷房運転もしくは暖房運転を行うと共に、設定情報表示エリア320bに運転モードおよび設定した室温や湿度などが表示される。
以上のように、本発明によれば、操作ボタンで指示されることにより、あらかじめ設定された運転条件に従って運転する空気調和機の室温の調整を使用者の感覚によって行うことができるので、使用者にとってより快適な室内環境を作ることが可能となる。
なお、前記主電源ボタン(図示省略)は通常、ON状態となっているが、季節に応じて主電源ボタンをOFFにして、空気調和機の待機電力をカットすることができる。
本実施の形態における冷房運転あるいは暖房運転においては、上述した除湿運転のように湿度の調節は行わない。しかしながら、必要に応じて湿度を調節できるようにしてもよい。冷房運転あるいは暖房運転において、湿度の調節を行えるようにした場合、ステップ1330、ステップ1340で室温および湿度を調節し、調節後は通常の冷房運転あるいは暖房運転を行うように構成される。
次に、本実施の形態に係る室内ユニット100の送受信部110について、図25を用いて説明する。
図25は、前記室内ユニット100の送受信部110の構成を示す図であり、図25(a)は前記表示部110の外観図の概略、図25(b)は前記室内ユニット100の部分的な内部概略図である。図25で示すように、前記送受信部110は、2つの送信部111a、111bと1つの受信部112とから構成される。前記リモコン300から送信された運転モード信号は、前記受信部112で受信され、受信された運転モード信号は前記室内ユニット制御装置601に伝達され、運転モード信号に従って前記室内ユニット100および室外ユニット200が動作し、前記室内温度センサ602および前記室内湿度センサ603が室内の温度および湿度の測定を開始する。
ここで、前記リモコン300に設けた前記おしえてボタン340を押下すると、信号が前記受信部112を介して前記室内ユニット制御装置601に伝達され、前記室内ユニット制御装置601は、伝達された信号に従って前記室内温度センサ602および前記室内湿度センサ603から現時点(前記おしえてボタン340が押下された時点)における室温および湿度の情報を受け取り、送信部111aあるいは送信部111bから前記リモコン300に送信され、前記入手情報表示エリア320aに現時点(前記おしえてボタン340が押下された時点)における室温および湿度が表示される。そして、表示された室温や湿度を見て、必要に応じて前記湿度設定ボタン307あるいは前記室温設定ボタン308を操作して、室温および湿度を調節することができる。
このような構成により、室温および湿度が使用者の手元で確認することができ、また必要に応じて室温あるいは湿度を調節することができるので、使用者の体質や体調に合わせた室温あるいは湿度が設定でき、より快適な室内空間を作ることができる。
次に、図26を参照して、室内ユニット100に設けられる運転状態表示部135の他の実施の形態を説明する。図26は室内ユニット100の他の実施の形態を示す正面図であり、(a)図は室内ユニット100の片側の側辺に沿って運転状態表示部135を集中して設けたものであり、(b)図は室内ユニット100の両側に運転状態表示部135を分散配置したものであり、(c)図は室内ユニット100の吹出部133の片側に運転状態表示部135を集中して設けたものである。この実施の形態では、前記送受信部110をこの室内ユニット100の電装品が配置された側、即ち、前記吹出口133の片側に設けて配線を短縮することで、組立性を向上している。
更にまた、この実施の形態では、運転状態表示部135を2つの情報表示エリアで構成し、この2つの情報表示エリアを、例えば、温度に対応した第1情報表示エリア135aと湿度に対応した第2情報表示エリア135bとで構成している。
(a)図に示す実施の形態は、運転状態表示部135を構成する第1情報表示エリア135aと第2情報表示エリア135bとを前記室内ユニット100の電装品が配置される片側に集中配置している。更に、この実施の形態では、前記電装品の長手方向に沿って一対の縦長で棒状の運転状態表示部135を配置している。これにより、室内ユニット100のデッドスペースを有効利用して視認性が良好な大きな運転状態表示部135を配置することができる。しかも、一対の運転状態表示部135は2つの表示部が平行に配置されているので、温度と湿度を対比しながら、その状態を把握することができる。
また、(b)図の実施の形態は、前記室内ユニット100の正面の両側の端部に沿って縦長で帯状の第1の情報表示エリア135a、第2の情報表示エリア135bを分散して配置したものである。この実施の形態によれば、室内ユニット100のデッドスペースを有効利用して視認性が良好な大きな運転状態表示部135を配置することができる。しかも、2つの表示エリアが左右に別れているので、温度、湿度の状態を混同することなく把握することができる。
また、(c)図の実施の形態は、吹出口133の片側に運転状態表示部135を構成する第1情報表示エリア135aと第2情報表示エリア135bとを前記送受信部110とともに集中配置したものである。これにより、運転状態表示部135と前記送受信部110を電送品に近接配置することができるので、組立性を向上することができる。
次に、図27を参照して、リモコンの他の実施の形態を説明する。図27は他の実施の形態のリモコンの正面図である。この実施の形態のリモコンは、お年寄りや子供でも簡単に操作できるものであり、主体的な前記リモコン300と対となる補助的なサブリモコン950である。
このサブリモコン950もまた、室内ユニット100や室外ユニット200で入手した各種の情報を表示する表示部320を備えている。そして、このサブリモコン950の特徴は、前記表示部320を備えるとともに、主たる機能である3つの運転モードに運転開始機能を一体で、しかも各機能を独立させたボタン(冷房ボタン231と除湿ボタン232及び暖房ボタン233)として設けた点にある。本実施の形態におけるサブリモコン950の表示部320は、前記リモコン300の表示部320と同様な構成のため、詳細な説明は省略する。
本実施の形態におけるサブリモコン950は、薄形で扁平な縦長の筐体301を備え、その筐体301の広い面に、前記表示部320を設け、この下方に前記空気調和機における主たる機能を操作する操作スイッチを備えている。前記操作スイッチは、このボタンの押下で対応する運転モードをダイレクトで運転させる冷房ボタン231と除湿ボタン232及び暖房ボタン233と、前記3つの運転モードの運転を停止させる停止ボタン303と、前記湿度設定ボタン307と、前記室温設定ボタン308と、おやすみボタン309と、おしえてボタン340とから構成される。
この実施の形態によれば、空気調和機1における主たる機能である前記3つの運転モードに運転開始機能を一体で、しかも各機能を独立させたボタン(冷房ボタン231と除湿ボタン232及び暖房ボタン233)として設けたので、使いたい運転機能を1回の操作で直接選択して運転させることができる。また、前記停止ボタンを独立して設けたので誤操作を軽減できる。そして、この実施の形態によれば、前記操作機能を限定して設けたことにより、各操作ボタンを独立させて大きく、かつ広い面にゆとりを持って配置したので誤操作を軽減することができる。このように、この空気調和機1によれば、2つのリモコンを利用者の好みによって使い分けることができる。
次に、図28を参照して、グラデーショングリル140に関する他の実施の形態を説明する。
前記した実施の形態では、最も吸い込み効率が大きい筐体150の前部に前面吸込グリル131を設け、この前面吸込グリル131の上部に吸い込み効率が低くなる(フアンとの距離が遠くなる)にしたがって開口面積が小さくなるグラデーショングリル140を設けて、インテリアに調和しつつ効率運転が可能な実施の形態を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前記前面吸込グリル131と前記グラデーショングリル140を連続した1つのグリルとして形成し、各グリルのピッチ、あるいは上下方向の各開口部の大きさを連続的に、あるいは段階的に小さくしてもよい。
図28は、前記前面吸込グリル131と前記グラデーショングリル140を連続した1つのグラデーショングリル140aとして形成し、各グラデーショングリル140aのピッチを段階的にあるいは連続的に変化させた状態を示しており、(a)図は前記グラデーショングリル140aのピッチを3段階に変化させた状態を示す図、(b)図は前記グラデーショングリル140aのピッチを2段階に変化させた状態を示す図、(c)図は前記グラデーショングリル140aのピッチを連続的に変化させた状態を示す図である。
(a)図に示すグラデーショングリル140aは、グリルのピッチをP3に設定した第1グリル1401aと、グリルのピッチをP4に設定した第2グリル1402aと、グリルのピッチをP5に設定した第3グリル1403aの3段で構成されている。ここで、第1グリル1401aのピッチP3は、等間隔に形成されており、第2グリル1402a、第3グリル1403aも同様に、それぞれのピッチP4、P5がそれぞれ等間隔に形成されている。
(b)図で示すグラデーショングリル140aは、グリルのピッチをP6に設定した第1グリル1401bと、グリルのピッチをP7に設定した第2グリル1402bの2段で構成されている。第1グリル1401bのピッチP6および第2グリル1402bのピッチP7は、(a)図で説明したのと同様に、それぞれ等間隔で形成されている。
(c)図で示すグラデーショングリル140aは、グリル1405のピッチを例えば、PaからPmまで連続的に変化させることにより構成されている。
グラデーショングリル140aを図28で示すような構成にすることによっても、前記したグラデーショングリル140と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態においては、前面吸込グリル131とグラデーショングリル140を連続した一つのグリル(グラデーショングリル140a)を示したが、図28で示す構成は、前記グラデーショングリル140単独の構造としてもよい。